説明

薬剤としてのアリーレンカルボン酸(2−アミノ−フェニル)−アミド誘導体

本発明は、一般式 (I) の化合物、それらの製造方法、それらを含有する薬剤およびそれらの製造ならびに薬剤としてのこれらの化合物の使用に関する。本発明による化合物は、抗増殖および分化誘導活性を示し、腫瘍細胞の増殖を阻害し、アポトーシスを誘導し、そして侵襲を阻害する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアリーレンカルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド誘導体、それらの製造方法、それらを含有する薬剤およびそれらの製造ならびに薬学的に活性な物質としてこれらの化合物を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
EP-A 0 847 992には、細胞分化誘導因子としてモノアシル化o-フェニレンジアミン誘導体が記載されている。また、同一種類の化合物はEP-A 0 242 851の主題である。これらの出願に記載されている化合物は、ほとんどもっぱら安息香酸誘導体でモノアシル化されたo-フェニレン誘導体である。しかしながら、改良された性質、例えば、増加した許容可能性、低い毒性および少ない副作用を有する化合物を提供することがなお要求されている。
モノアシル化o-フェニレンジアミンは、対応するベンズイミダゾールの製造のための前駆体としてこの分野において知られており、このような製造方法は、例えば、下記の文献に記載されている:DE-A 2 062 265; FR 2 167 954; Rastogi R.およびSharma S.、Indian J. Chem.、Sect. B、21B (5) (1982) 485-487; Moll R. 他 Z. Chem. 17 (1977) 133-134; およびHassan H. 他 Indian J. Chem. 39B (2000) 764-768。
【0003】
本発明は、下記一般式の化合物およびその薬学上許容される塩に関する:
【化1】

【0004】
式中、
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル; または
基-NR3R4;
を表し、ここでR3およびR4は独立して水素、アルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) 、または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【0005】
本発明による化合物はヒストンデアセチラーゼ (HDAC) のインヒビターであり、したがって抗増殖および分化誘導活性を示し、腫瘍細胞の増殖を阻害し、アポトーシスを誘導し、そして侵襲を阻害する。
転写調節は、細胞の分化、増殖、およびアポトーシスにおける主要な事象である。1組の遺伝子の転写活性化は細胞の運命を決定し、この理由で、転写は種々の因子により緊密に調節される。このプロセスに関係するその調節機構の1つはDNAの三次構造の変更であり、これは標的DNAセグメントへの転写因子のアクセス可能性をモジューレートすることによって転写に影響を与える。ヌクレオソームの完全性は、コアヒストンのアセチル化状態により調節される。低アセチル化状態において、ヌクレオソームは堅固に圧縮されており、こうして転写について非許容性である。
【0006】
他方において、ヌクレオソームはコアヒストンのアセチル化により緩和され、その結果転写に対して許容性である。ヒストンのアセチル化状態は、ヒストンのアセチルトランスフェラーゼ (HAT) およびヒストンデアセチラーゼ (HDAC) の活性のバランスにより支配される。最近、HDACインヒビターはいくつかの種類の癌細胞、例えば、結腸癌、T細胞ハイブリドーマ、および赤白血症の細胞において、増殖およびアポトーシスを阻止することが見出された。アポトーシスが癌の進行にとってきわめて重要な因子であるということが与えらると、HDACインヒビターはアポトーシスの有効な誘導因子として癌治療のための有望な試薬である (Koyama Y. 他、Blood 96 (2000) 1490-1495) 。
【0007】
多数の抗癌剤のそれ以上の欠点は選択性の欠如である。それらは腫瘍細胞と正常細胞とを十分に弁別せず、したがって正常細胞において生ずる悪い反応は療法における使用を制限する。現在まで、満足すべき薬剤は発見されてきていず、こうして毒性が減少し、許容可能性によりすぐれた、そして高い治療効果を有する抗癌剤は非常に望まれている。本発明の組成物は、驚くべきことには、低い毒性、ならびに効力のある抗増殖および細胞分化活性を示す。
【0008】
本発明の目的は、本発明は、式Iの化合物および薬学上許容される塩およびそれらの鏡像異性体、前述の化合物の製造、それらを含有する薬剤およびそれらの製造ならびに病気、特に前述した病気および障害の抑制または予防または対応する薬剤の製造における前述の化合物の使用に関する。
【0009】
本明細書において使用するとき、用語 「アルキル」 は、1〜14個、好ましくは1〜8個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチルならびにそれらの異性体を意味する。アルキル基は必要に応じてハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換される。
【0010】
好ましくは、アルキル基はフッ素で1回または多数回置換されるか、あるいは-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回置換される。フッ素化アルキル基の例は、ペルフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペルフルオロエチルである。-N(アルキル)2置換基中のアルキル基は同一であるか、あるいは異なるアルキル基であり、そして上に定義した意味を有する。-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2置換基の例は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、i-ブチルアミノ、2-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミン、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジi-ブチルアミノ、ジ2-ブチルアミノ、ジt-ブチルアミノ、エチルメチルアミノ、エチル-プロピルアミノである。
【0011】
用語「アルケニル」は、1または2以上の隔離された二重結合、好ましくは1つの二重結合を含有する、上に定義した不飽和アルキル鎖を意味する。例は1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、1-ペンテニルまたは1-ヘキセニルである。
用語「アルキニル」は、三重結合を含有する、上に定義した不飽和アルキル鎖を意味する。例は1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニルまたは1-ヘキシニルである。
【0012】
用語「置換されていてもよい」は、アルケニルまたはアルキニルと組み合わせて本明細書において使用するとき、前述の基のいずれかにおける1個または数個の水素がハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2により置換されることを意味する。
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
本発明の1つの態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
【0013】
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3は水素であり、そしてR4は上に定義したとおりである。
本発明の他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイル表し、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【0014】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはチオフェン-2,5-ジイルを表し、
R1はアルケニル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6である。
【0015】
このような化合物は、例えば、次の通りである:
5-[(2-エトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-アセチルアミノ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-({2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルアミノ}-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、および
5-[(4-オキソ-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド。
【0016】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはチオフェン-2,5-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は水素であり、そして
R4はアルケニル、アルキニルまたは
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル;
であり、そして
nは1〜6である。
【0017】
このような化合物は、例えば、次の通りである:
5-[3-(3-エトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-アセチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-メトキシ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-アリル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、および
4-{3-[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-イルメチル]-ウレイド}-酪酸エチルエステル。
【0018】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1はアルケニル、
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-CH3;
-(CH2)n-O-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【0019】
このような化合物は、例えば、次の通りである:
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-エトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-({2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルアミノ}-メチル)-ベンズアミド、および
4-[(2-アセチルアミノ-アセチルアミノ)-メチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド。
【0020】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は 水素であり、そして
R4は アルケニル;
アルキニル;
-(CH2)n-(O)-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル;
であり、
nは1〜6である。
【0021】
このような化合物は、例えば、次の通りである:
4-[3-(2-アセチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-メトキシ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-エトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
4-[(3-アリル-ウレイド)-メチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-イソプロポキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-ベンズアミド、および
4-{3-[4-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ベンジル]-ウレイド}-酪酸メチルエステル。
【0022】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはピリジン-2,5-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は水素であり、そして
R4は-(CH2)n-O-アルキルであり、
nは1〜6である。
このような化合物は、例えば、次の通りである:
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ニコチンアミド。
【0023】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはピリジン-2,5-ジイルを表し、
R1はアルケニルまたは-(CH2)n-O-アルキルであり、そして
nは1〜6である。
このような化合物は、例えば、次の通りである:
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-メトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-ニコチンアミド。
【0024】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は水素であり、そして
R4は置換されていないか、あるいはハロゲン、-NH-アルキル または-N(アルキル)2で1回または数回置換されているアルキルである。
【0025】
このような化合物は、例えば、次の通りである:
5-[3-(2-ジメチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(1-メチル-ヘキシル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(3-sec-ブチル-ウレイドメチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-メチル-ブチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(3-イソブチル-ウレイドメチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-ペンチル-ウレイド)-メチル]-ベンズアミド、
【0026】
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジエチルアミノ-プロピル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(1-メチル-ヘキシル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-ジメチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-メチルブチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-イソブチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-sec-ブチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-ペンチル-ウレイド)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[3-(1-メチル-ヘキシル)-ウレイドメチル]-ニコチンアミド。
【0027】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R1はアルキルを表し、ここでアルキルは置換されていないか、あるいはハロゲン、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されている。
【0028】
このような化合物は、例えば、次の通りである:
5-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(プロピオニルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(ブチリルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(イソブチリルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-エチル-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2,2,2-トリフルオロ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(4-ジメチルアミノ-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
【0029】
5-[(3-メチル-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-ジプロピルアミノ-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-ジメチルアミノ-アセチルアミノ)]-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(プロピオニルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(イソブチリルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-エチル-ブチリルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(ブチリルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]- ニコチンアミド。
【0030】
本発明のなお他の態様は、各記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3およびR4は独立してアルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【0031】
本発明のなお他の態様は、記号が下記の意味を有する、式Iの化合物およびその薬学上許容される塩である:
Aは1,4-フェニレンを表し、そして
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3およびR4は独立してアルキルを表す。
このような化合物は、例えば、次の通りである:
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-ブチル-3-メチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド。
【0032】
本発明のなお他の態様は、式I-Aの化合物およびその薬学上許容される塩である:
【化2】

【0033】
式中、
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R5は-(CH2)k-シクロプロピル;
-(CH2)k-シクロペンチル;
-(CH2)k-シクロヘキシル;
-(CH2)k-シクロペント-2-エニル;
-(CH2)k-(5-オキソ-ピロリジン-2-イル);
-(CH2)k-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル);
-NH-(CH2)k-シクロプロピル;
-NH-(CH2)k-シクロペンチル;
-NH-(CH2)k-シクロヘキシル;
-NH-(CH2)k-シクロペント-2-エニル;
-NH-(CH2)k-(5-オキソ-ピロリジン-2-イル); または
-NH-(CH2)k-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル);
を表し、そして
kは0〜6である。
【0034】
このような化合物は、例えば、次の通りである:
5-[(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-オキソ-ピロリジン-2-カルボン酸[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-イルメチル]-アミド、
5-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-シクロヘキシル-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロプロピル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-メチル]-ベンズアミド、
【0035】
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-シクロプロピルメチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-シクロヘキシル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド。
【0036】
本発明のそれ以上の態様は、下記の工程により特徴づけられる、本発明の式Iの (アシルアミノ-メチル)-アリーレン-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド誘導体、またはそれらの薬学上許容される塩を製造する方法である:
(a) 式II
【0037】
【化3】

【0038】
(式中、Aは上に定義した意味を有し、そしてYは適当な保護基を表す)
の化合物を、一般式III
【0039】
【化4】

【0040】
(式中、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表す)
の化合物と反応させるか、あるいは前記式IIの化合物を、式X
【0041】
【化5】

【0042】
(式中、R3およびR4は独立して水素、アルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である)
の化合物と反応させ、
(b) 引き続いて保護基を切断し、そして
(c) 必要に応じて、適当な酸または塩基の添加により、生成物を薬学上許容される塩に転化する。
【0043】
前述の方法に必要な出発物質は、有機化学の標準的手順により得ることができる。このような出発物質は、付随する非限定的実施例内に記載されている。選択的に、必要な出発物質は、有機化学者の通常の技量の範囲内である、例示した手順に類似する手順により得ることができる。
プロセス工程 (a) におけるアミノ基の保護基およびそれらの切断方法 (プロセス工程 (b)) は、ペプチド化学的から知られている。例は次の通りである:ベンジルオキシカルボニル (水素化または酢酸中の臭化水素酸による切断) 、t-ブトキシカルボニル (純粋なまたはジクロロメタン中の強酸、例えば、トリフルオロ酢酸、またはジオキサン中の塩酸による切断) 、9-フルオロメトキシカルボニル (第二級アミン、例えば、ピペリジンによる切断) 。
【0044】
一般式Iの化合物の製造を基Aの特質に従い、ならびにR1が上に定義した基-NR3R4であるか、あるいはそうでない場合ついて詳細に説明する。
典型的には、式IIの化合物と式IIIの化合物 (R1が基-NR3R4ではない) との反応は3工程のワンポット手順を含む。第1工程において、式IIIのカルボキシレートは活性化されるようになる。この反応は不活性溶媒または希釈剤、例えば、ジクロロメタン、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン (THF) 中で活性化剤の存在下に実施される。酸の適当な反応性誘導体は、例えば、次の通りである:アシルハライド、例えば、酸と無機酸クロライド、例えば、塩化チオニルまたはシュウ酸ジクロライドとの反応により生成したアシルクロライド; 混合無水物、例えば、酸とクロロホルメート、例えば、イソブチルクロロホルメートとの反応により生成した無水物;活性エステル、例えば、酸とフェノール、例えば、ペンタフルオロフェノールとの反応により生成したエステル;酸とN-ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応により生成した活性エステル; アシルアジド、例えば、酸とアジド、例えば、ジフェニルホスホリルアジドとの反応により生成したアジド;アシルシアニド、例えば、酸とシアニド、例えば、ジエチルホスホリルシアニドとの反応により生成したシアニド; または酸とカーボジイミド、例えば、N-3-ジメチルアミノプロピル-N-エチルカーボジイミドまたはジシクロヘキシルカーボジイミドとの反応の生成物、または酸とN,N’-カルボニルジイミダゾールとの反応の生成物; または酸とウロニウム塩、例えば、O-(1H-ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートとの反応の生成物; または酸とリンに基づく試薬、例えば、ビス-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスホリルクロライドとの反応の生成物。
【0045】
第2工程において、式IIの化合物を溶液に添加する。これらの方法は当業者に十分に知られている。原理的に、例えば、下記の文献に記載されているようなペプチド化学おいて使用するようなアミドのすべての合成法を適用することもできる: Houben-Weyl、”Methoden der organishen Chemie”、Vol. XV/1およびXV/2。
Yがt-ブトキシカルボニルである場合、第3工程においてトリフルオロ酢酸を反応混合物に添加してt-ブトキシカルボニルを最終的に切断することによって、式Iの化合物を生成することができる。選択的に、アミド生成物を第2工程後に単離し、そして保護基Yの切断を別の工程において前述の反応条件下に実施する。
【0046】
Aがフェニルであり、そしてYがt-ブトキシカルボニルである化合物II ([2-(4-アミノメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニル]-カルバミン酸t-ブチルエステル) の製造は、文献、例えば、EP 0 847 992に記載されている。
【0047】
Aが2,5-チオフェンである、式IIの化合物の好ましい製造方法は、化合物IV
【化6】

【0048】
のアリル基の除去を含む。アリル基の切断は、例えば、アリルスカベンジャーとして硫酸、カルボン酸、モルホリン、ジメドンまたはN,N’-ジメチルバルビツル酸の存在下にパラジウム触媒反応により達成することができる。
【0049】
式IVの化合物は、化合物V
【化7】

【0050】
を、式VI
【化8】

【0051】
式中、Yは上に定義した適当な保護基を表す、
の化合物と反応させることによって得ることができる。
典型的には、この反応は2工程のワンポット手順を含む。第1工程において、式Vのカルボキシレートは活性化されるようになる。この反応は不活性溶媒または希釈剤、例えば、ジクロロメタン、ジオキサンまたはTHF中で活性化剤の存在下に実施される。酸の適当な反応性誘導体は、例えば、次の通りである:アシルハライド、例えば、酸と無機酸クロライド、例えば、塩化チオニルまたはシュウ酸ジクロライドとの反応により生成したアシルクロライド; 混合無水物、例えば、酸とクロロホルメート、例えば、イソブチルクロロホルメートとの反応により生成した無水物;活性エステル、例えば、酸とフェノール、例えば、ペンタフルオロフェノールとの反応により生成したエステル;酸とN-ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応により生成した活性エステル; アシルアジド、例えば、酸とアジド、例えば、ジフェニルホスホリルアジドとの反応により生成したアジド;アシルシアニド、例えば、酸とシアニド、例えば、ジエチルホスホリルシアニドとの反応により生成したシアニド; または酸とカーボジイミド、例えば、N-3-ジメチルアミノプロピル-N-エチルカーボジイミドまたはジシクロヘキシルカーボジイミドとの反応の生成物、または酸とN,N’-カルボニルジイミダゾールとの反応の生成物; または酸とウロニウム塩、例えば、O-(1H-ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートとの反応の生成物; または酸とリンに基づく試薬、例えば、ビス-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスホリルクロライドとの反応の生成物。
【0052】
第2工程において、化合物VIを溶液に添加して化合物IVを生成する。これらの方法は当業者に十分に知られている。原理的に、例えば、下記の文献に記載されているようなペプチド化学おいて使用するようなアミドのすべての合成法を適用することもできる: Houben-Weyl、”Methoden der organishen Chemie”、Vol. XV/1およびXV/2。
【0053】
式Vの化合物は、式VII
【化9】

【0054】
(式中、R1はアルキルまたは置換されていてもよいベンジルである)
の化合物の加水分解から製造される。本明細書において使用するアルキルは、前述の意味を有する。R2についての例は、メチル、エチル、t-ブチル、ベンジルまたはp-メトキシベンジルである。加水分解を実施する条件は基R2の特質に依存する。R2がメチルまたはエチル基であるとき、この反応は塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムの存在下に不活性溶媒または希釈剤、例えば、メタノール、エタノール、ジオキシン、THF、水中で実施される。R2がt-ブチル基であるとき、この反応は酸、例えば、不活性溶媒、例えば、ジエチルエーテルまたはジオキシン中の塩酸溶液、またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸の存在下に実施される。R2がベンジル基であるとき、この反応は貴金属触媒、例えば、適当な担体、例えば、炭素担持パラジウムまたは白金の存在下に加水分解により実施される。
【0055】
5-ジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボン酸エステルは文献、例えば、Millot N. 他、Synthesis 7 (2000) 941-948に記載されている。
Aが2,5-ピリジンである、式IIの化合物を製造する1つの好ましい方法は、化合物VIII
【化10】

のシアノ基の還元を含む。
ニトリルの還元は、例えば、必要に応じて、例えば、HCl、トリエチルアミン、アンモニアまたはヒドロキシルアミンの存在下に、触媒、例えば、炭素担持パラジウムまたはラネーニッケルの存在下に適当な溶媒、例えば、THF、メタノール、エタノールまたはジメチルホルムアミド (DMF) 中で水素により達成することができる。
式VIIIの化合物を製造する1つの好ましい方法は、化合物IX
【化11】

と、式VI
【化12】

式中、Yは上に定義した適当な保護基を表す、
化合物との反応を含む。この反応は、化合物IVについて記載した条件下に実施することができる。6-シアノ-ニコチン酸は文献、例えば、下記の文献に記載されている:Vorbrueggen H. およびKrolikiewicz K.、Synthesis 4 (1983) 316-319。
R1が上に定義した基-NR3R4である、一般式Iのウレイドメチル誘導体は、化学的に関係する化合物の製造に適用可能であることが知られている任意の方法により製造することができる。このような方法は、下記の代表的実施例において例示されている。必要な出発物質は、有機化学の標準的手順により得ることができる。このような出発物質の製造は、付随する非限定的実施例内に記載されている。選択的に、必要な出発物質は、有機化学者の通常の技量の範囲内である、例示した手順に類似する手順により得ることができる。
【0056】
前記式Iのウレイドメチル誘導体を製造する1つの好ましい方法は、Yが好ましくはt-ブトキシカルボニルである、式IIの化合物と、式X
【化13】

式中、R3およびR4は上に定義した意味を有する、
のアミンとの反応を含む。
【0057】
典型的には、この反応は3工程ワンポット手順を含む。第1工程において、化合物Xをカルボニルジイミダゾールと適当な溶媒、例えば、THF中で反応させる。第2工程において、化合物IIを反応中間体に添加して、対応するウレイド誘導体を生成する。最後に、トリフルオロ酢酸を反応混合物に添加して、式Iのウレイドメチル誘導体を生成することによって、Yを切断する。
選択的に、ウレイド生成物を第2工程後に単離し、そして保護基Yの切断を別の工程において前述の反応条件下に実施する。
Yがt-ブトキシカルボニルである場合、第3工程においてトリフルオロ酢酸を反応混合物に添加してt-ブトキシカルボニルを最終的に切断することによって、前記式Iの誘導体を生成することができる。
【0058】
一般式Iの化合物は1個または数個のキラル中心を含有することができ、そしてラセミ体または光学的に活性な形態で存在することができる。ラセミ体を既知の方法に従い鏡像異性体に分割することができる。例えば、結晶化により分離することができるジアスレオマーの塩は、反応混合物から光学的に活性な酸、例えば、D-またはL-酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸またはショウノウスルホン酸との反応により形成される。選択的に、鏡像異性体の分割は、また、商業的に入手可能なキラル高性能液体クロマトグラフィー (HPLC) 相上のクロマトグラフィーにより達成することができる。
【0059】
本発明による化合物は、それらの薬学上許容される塩の形態で存在することができる。用語「薬学上許容される塩」は、式Iの化合物の生物学的有効性および特性を保持し、そして適当な無毒の有機酸または無機酸または有機塩基または無機塩基から形成される、普通の酸付加塩および塩基付加塩を意味する。酸付加塩は、例えば、下記のものを包含する: 無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸から誘導されるもの、および有機酸、例えば、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸およびその他から誘導されるもの。塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウムおよび第四級アンモニウムの水酸化物、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムから誘導されるものを包含する。薬学上の化合物の塩への化学的変更は、化合物の物理的および化学的安定性、吸湿性、流動性および溶解度を改良するために、薬学化学者によく知られている技術である。例えば、それは下記の文献に記載されている:Ansel H. 他、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第6版、1995、pp. 196および1456-1457。
【0060】
本発明による化合物およびそれらの薬学上許容される塩は、例えば、医薬製剤の形態で、薬剤として使用することができる。医薬製剤は、経口的に、例えば、錠剤、被覆錠剤、糖剤、硬質および軟質ゼラチンカプセル剤、溶液、乳濁液または懸濁液の形態で投与することができる。しかしながら、また、投与は経直腸的に、例えば、坐剤の形態で、または非経口的に、例えば、注射溶液の形態で実施することができる。
【0061】
前述の医薬製剤は、本発明による化合物を薬学的に不活性な、無機または有機の担体で処理することによって製造することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩およびその他を、例えば、錠剤、被覆錠剤、糖剤および硬質ゼラチンカプセル剤のための担体として使用することができる。軟質ゼラチンカプセル剤に適当な担体は、例えば、植物油、蝋、脂肪、半固体状および液体状ポリオールおよびその他である。しかしながら、活性物質の特質に依存して、軟質ゼラチンカプセル剤の場合において、担体は通常不必要である。溶液およびシロップ剤の製造に適当な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油およびその他である。坐剤に適当な担体は、例えば、天然のまたは硬化された油、蝋、脂肪、半固体および液体のポリオールおよびその他である。
【0062】
その上、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香味剤、浸透圧変更用塩、緩衝剤、マスキング剤または酸化防止剤を含有することができる。また、それらはなお他の療法的に価値のある物質を含有することができる。
また、薬学上許容されるアジュバントと一緒に活性成分として1種または2種以上の本発明による化合物を含有する薬剤は、本発明の他の目的である。
本発明の他の目的は、腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞を阻害することにより特徴づけられる、癌を治療するためのこのような薬剤の使用である。
本発明のなお他の目的は、有効量の1種または2種以上の本発明による化合物を腫瘍細胞に投与することを含んでなる、腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞を阻害する方法である。
【0063】
本発明による化合物のHDACインヒビターとしての活性は、細胞アセチル化アッセイを使用して証明される。その中のヒストンのアセチル化をPC3細胞中でモニターする。高いアセチル化は、化合物によるヒストンデアセチラーゼの阻害を意味する。細胞の生活能力を平行してモニターして、化合物の細胞障害性を推定する。
PC3細胞、すなわちヒト前立腺癌腫細胞を、RPMI 1640 (5%のFCS、2 mM グルタミンおよびpen / strepを含む) 中において384ウェルのマイクロタイタープレートの1ウェル当たり1800細胞として播種する。
【0064】
37℃において48時間後、前もって希釈した化合物を1 μM の最終濃度で添加する。化合物をジメチルスルホキシド (DMSO) または0.5%のDMSOの最終濃度を生ずる培地中で1:10に希釈する。
24時間インキュベートした後、細胞増殖試薬WST1を添加することによって、細胞生活能力を決定する。さらに60分後、光学密度(OD) を測定する (450 nm/690 nm) 。
【0065】
WST1アッセイ後、ELISA反応のために細胞層を調製する。培地を吸引し、そして細胞をエタノール中で-20℃において60分間固定する。PBS/ツイーンで洗浄した後、ブロッキング溶液 (PBS/5% FCS/ツイーン) を添加し、そして細胞層を再び洗浄する。ヒストンH3またはH4に対する抗体 (抗アセチル化ヒストン(ウサギポリクローナルIgG) 、Upstate Biotechnologies) を、1:200の希釈で37℃において60分間添加する。第2の抗体として、HRP複合体 (Dako) ヤギ抗ウサギIgG(H+L)ヒトIgGを使用する (1:2000の希釈) 。細胞を3回洗浄し、そしてペルオキシダーゼ基質ABTSを37℃において30〜60分間反応させる。シュウ酸で反応を停止させ、そしてODを405 nmにおいて測定する。
ブランクのODを差引いた後、アセチル化の百分率を計算する:
(ODアセチル化の平均/OD DMSO対照の平均) / (OD WSTIの平均/OD DMSO対照の平均) × 100 %
【0066】
【表1】

【0067】
さらに、本発明による化合物の作用を下記の試験により評価することができる:
方法
雄のNMRI nu/nu-マウス(n = 15/群) (週齢8〜10) に、5×106 PC-3前立腺癌腫細胞を皮下注射した。第10日に、腫瘍体積が約150 mm3である動物を治療群に無作為に割り当てた。被験化合物を、7.5% ゼラチン-0.22% NaCl-懸濁液中の微小懸濁物として、実際の体重のに基づいて10 ml/kgの適用体積で投与した。ほぼ第10日から第27日において5〜7回/週の治療スケジュールで、1日1回の経口的治療を実施した。
腫瘍の体積を下記の方程式から決定する:
腫瘍の体積 = 1/2a2、ここで 「a」 および 「b」 はそれぞれ腫瘍の長い直径および短い直径である。
【0068】
下記の非限定的実施例を参照して本発明をいっそう詳細に例示し、ここで特記しない限り、
(i) 蒸発を真空中で回転蒸発により実施し、そして残留固体、例えば、乾燥剤を濾過により除去した後、仕上げ手順を実施した;
(ii) 操作は周囲温度、すなわち18〜25℃において不活性ガス、例えば、アルゴンまたは窒素の雰囲気下に実施した;
(iii) カラムクロマトグラフィー (フラッシュ手順による) および高圧液体クロマトグラフィー (HPLC) をMerck KieselgelシリカまたはMerck Lichroprep RP-18逆相シリカ (入手先: E. Merk、ドイツ国ダーマシュタット) 上で実施した;
(iv) 収量は例示を目的としてのみ記載し、そして必ずしも達成可能な最大値ではない;
(v) 融点はMettler SP62自動融点装置、油浴装置またはKoflerホットプレート装置を使用して測定した;
(vi) 式Iの最終生成物の構造は核 (一般にプロトン) 磁気共鳴 (NMR) および質量スペクトル技術により確認した (APCIを使用するMicromass Platform II機械またはエレクトロスプレーを使用するMicromass Platform ZMD) ;
(vii) 中間体は一般に完全に特性決定せず、そして純度は薄層クロマトグラフィーにより評価した;
(viii) 下記の略号を使用した:
【0069】
DMF N,N-ジメチルホルムアミド;
DMSO ジメチルスルホキシド;
THF テトラヒドロフラン;
MeOH メタノール;
HCl 塩酸;
NaH 水素化ナトリウム;
CH2Cl2 ジクロロメタン;
H2SO4硫酸
sat. 飽和
sol. 溶液
rt 温室
eq 当量
MW実測分子量 (質量分析により決定した)
MW計算分子量 (化学式から計算した)
【実施例】
【0070】
実施例1
工程1: {2-[(6-シアノ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステル
-20℃の7 mlのDMF中の444 mg (3.0 mmol) の6-シアノ-ニコチン酸および354 mg (3.5 mmol) のN-メチルモルホリンの溶液に、450 mg (3.3 mmol) のイソブチルクロロホルメートを添加した。この反応混合物を5℃に加温し、625 mg (3.0 mmol) のモノ-boc-オルト-フェニレンジアミンを添加した。反応混合物を室温に一夜加温し、次いで50 mlの5%水性クエン酸中に注いだ。水性相を酢酸エチルで抽出し、一緒にした有機相を重炭酸塩溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (石油エーテル/酢酸エチル 2:1) にかけると、795 mg (2.35 mmol) の{2-[(5-シアノ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルが得られた; 融点183-184℃。
【0071】
工程2: {2-[(6-アミノメチル-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステル
フラスコに2920 mg (8.72 mmol) の{2-[(6-シアノ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルおよび1000 mgのPd (炭素担持10%) を窒素雰囲気下に入れ、10 mlのTHFおよび120 mlのメタノールを添加した。出発物質を大気圧下に室温において3.5時間水素化した。触媒を濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (トルエン/イソプロパノール/濃NH3 16:20:1) かけると、2600 mg (7.6 mmol) の{2-[(6-アミノメチル-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルが得られた; 正確なMW [M+H] 計算: 343.18; MW実測 [M+H]; 343.2。
【0072】
実施例2
工程1: 5-ジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボン酸
45 mlのメタノール中の4.5 g (17.9 mmol) の5-ジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルの溶液に、17.9 mlのKOH (17.9 mmol) の1N水溶液を添加した。この反応混合物を50℃において16時間攪拌し、そして還流下に1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、20 mlの水を残留物に添加し、9 mlの2N HCl水溶液を添加した。水性相を酢酸エチルで抽出し、一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (酢酸エチル) にかけると、4.05 g (17.06 mmol) の5-ジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボン酸が得られた; 正確なMW [M+H] 計算: 238.09; MW実測 [M+H]; 238.3。
【0073】
工程2: {2-[(5-ジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステル
50 mlのTHF中の2.70 g (11.38 mmol) の5-ジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボン酸の溶液に、2.03 g (12.51 mmol) のカルボニルジイミダゾールを添加した。室温において45分後、2.48 g (11.95 mmol) のモノ-boc-オルト-フェニレンジアミンを反応混合物に添加し、それを室温において3時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル中に溶解した。有機相を飽和Na2CO3で2回洗浄し、水で1回洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘプタン 2:8) にかけると、4.10 g (9.59 mmol) の{2-[(5-ジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルが得られた; 正確なMW [M+H] 計算: 428.20; MW実測 [M+H]; 428.3。
【0074】
工程3: {2-[(5-アミノアミノメチル-チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステル
200 mlのCH2Cl2中の22.35 g (143.12 mmol) のN,N’-ジメチルバルビツル酸および0.55 g (0.477 mmol) のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (0) の溶液に、10.20 g (23.86 mmol) のジアリルアミノメチル-チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルを添加した。35℃において1時間後、溶媒を蒸発させ、0.1 N 水性HClを残留物に添加した。水性相をジエチルエーテルで3回抽出し、一緒にした有機相を飽和NaHCO3で抽出した。酸性水性相を飽和NaHCO3で中和し、一緒にした水性相をCH2Cl2で2回抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (ジクロロメタン/メタノール 9:1) にかけると、4.63 g (13.32 mmol) の{2-[(5-アミノアミノメチル-チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルが得られた; 正確なMW [M+H] 計算: 348.14; MW実測 [M+H]; 348.1。
【0075】
実施例3
5-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド
1 mlのTHF中の33.43 mg (0.288 mmol) の3-メチルペンタン酸の溶液に、46.67 mg (0.288 mmol) の1,1’-カルボニルジイミダゾールを添加した。室温において1時間後、100 mg (0.288 mmol) の{2-[(5-アミノアミノメチル-チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルを添加し、反応混合物を室温において3時間攪拌した。1.7 mlのトリフルオロ酢酸を添加し、室温において2時間後、水性NaHCO3を注意して添加し、水性相を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘプタン 6:4) にかけると、59.3 mg (0.17 mmol) の5-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミドが得られた; 正確なMW [M+H] 計算: 346.16; MW実測 [M+H]; 346.4。
【0076】
実施例4
実施例3に記載する方法、および文献 (例えば、Houben-Weyl、″Methoden der Organishen Chemie, Georg Thieme Verlag″、Stuttgart; Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc.、New York) に記載されている方法に類似する方法において、下記の化合物を製造する:
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
【表5】

【0080】
【表6】

【0081】
実施例5
5-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド
1 mlのTHF中の15.8 mg (0.288 mmol) の溶液に、46.7 mg (0.288 mmol) の1,1’-カルボニルジイミダゾールを添加した。室温において1時間後、100 mg (0.288 mmol) の{2-[(5-アミノアミノメチル-チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル}-カルバミン酸t-ブチルエステルを添加し、反応混合物を室温において1時間攪拌した。1.7 mlのトリフルオロ酢酸を添加し、室温において16時間後、水性NaHCO3を注意して添加し、水性相を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。残留物をHPLC/MSで精製すると、75 mg (0.228 mmol) の5-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミドが得られた; 正確なMW [M+H] 計算: 329.31; MW実測 [M+H]; 329.3。
【0082】
実施例6
実施例5に記載する方法、および文献 (例えば、Houben-Weyl、″Methoden der Organishen Chemie, Georg Thieme Verlag″、Stuttgart; Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc.、New York) に記載されている方法に類似する方法において、下記の化合物を製造する:
【0083】
【表7】

【0084】
【表8】

【0085】
【表9】

【0086】
【表10】

【0087】
【表11】

【0088】
参考文献のリスト
Ansel H. 他、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第6版、1995、pp. 196および1456-1457。
DE-A 2 062 265
EP-A 0 242 851
EP-A 0 847 992
FR 2 167 954
Hassan H. 他 Indian J. Chem. 39B (2000) 764-768。
Houben-Weyl、”Methoden der organishen Chemie”、Vol. XV/1およびXV/2。
Koyama Y. 他、Blood 96 (2000) 1490-1495。
Millot N. 他、Synthesis 7 (2000) 941-948。
Moll R. 他 Z. Chem. 17 (1977) 133-134。
Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc.、New York。
Rastogi R.およびSharma S.、Indian J. Chem. Sect. B、21B (5) (1982) 485-487。
Vorbrueggen H. およびKrolikiewicz K.、Synthesis 4 (1983) 316-319。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物およびその薬学上許容される塩:
【化1】

式中、
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル; または
基-NR3R4;
を表し、ここでR3およびR4は独立して水素、アルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) 、または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項2】
各記号が下記の意味を有する、請求項1に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3は水素であり、そしてR4は請求項1において定義した通りである。
【請求項3】
各記号が下記の意味を有する、請求項1に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイル表し、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) 、または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項4】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイルを表し、
R1はアルケニル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6である。
【請求項5】
化合物が下記の通りである、請求項4に記載の化合物:
5-[(2-エトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-アセチルアミノ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-({2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルアミノ}-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、および
5-[(4-オキソ-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド。
【請求項6】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は 水素であり、そして
R4は アルケニル;
アルキニル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル;
であり、そして
nは1〜6である。
【請求項7】
化合物が下記の通りである、請求項6に記載の化合物:
5-[3-(3-エトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-アセチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-メトキシ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-アリル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、および
4-{3-[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-イルメチル]-ウレイド}-酪酸エチルエステル。
【請求項8】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1はアルケニル、
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-CH3
-(CH2)n-O-アルキル; または
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項9】
化合物が下記の通りである、請求項8に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-エトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-({2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルアミノ}-メチル)-ベンズアミド、および
4-[(2-アセチルアミノ-アセチルアミノ)-メチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド。
【請求項10】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は 水素であり、そして
R4は アルケニル;
アルキニル;
-(CH2)n-(O)-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル;
であり、
nは1〜6である。
【請求項11】
化合物が下記の通りである、請求項10に記載の化合物:
4-[3-(2-アセチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-メトキシ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-エトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
4-[(3-アリル-ウレイド)-メチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-イソプロポキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-ベンズアミド、および
4-{3-[4-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ベンジル]-ウレイド}-酪酸メチルエステル。
【請求項12】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはピリジン-2,5-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は水素であり、そして
R4は-(CH2)n-O-アルキルであり、
nは1〜6である。
【請求項13】
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ニコチンアミドである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはピリジン-2,5-ジイルを表し、
R1はアルケニルまたは-(CH2)n-O-アルキルであり、そして
nは1〜6である。
【請求項15】
化合物が下記の通りである、請求項14に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-メトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-ニコチンアミド。
【請求項16】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は水素であり、そして
R4は置換されていないか、あるいはハロゲン、-NH-アルキル または-N(アルキル)2で1回または数回置換されているアルキルである。
【請求項17】
化合物が下記の通りである、請求項16に記載の化合物:
5-[3-(2-ジメチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(1-メチル-ヘキシル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(3-sec-ブチル-ウレイドメチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-メチル-ブチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(3-イソブチル-ウレイドメチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-ペンチル-ウレイド)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジエチルアミノ-プロピル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(1-メチル-ヘキシル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-ジメチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-メチル-ブチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-イソブチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-sec-ブチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-ペンチル-ウレイド)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[3-(1-メチル-ヘキシル)-ウレイドメチル]-ニコチンアミド。
【請求項18】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R1はアルキルを表し、ここでアルキルは置換されていないか、あるいはハロゲン、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されている。
【請求項19】
化合物が下記の通りである、請求項18に記載の化合物:
5-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(プロピオニルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(ブチリルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(イソブチリルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-エチル-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2,2,2-トリフルオロ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(4-ジメチルアミノ-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-メチル-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-ジプロピルアミノ-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-ジメチルアミノ-アセチルアミノ)]-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(プロピオニルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(イソブチリルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-エチル-ブチリルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(ブチリルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]- ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]- ニコチンアミド。
【請求項20】
各記号が下記の意味を有する、請求項1に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3およびR4は独立してアルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項21】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または20に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3およびR4は独立してアルキルを表す。
【請求項22】
化合物がN-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-ブチル-3-メチル-ウレイドメチル)-ベンズアミドである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
式I-Aの化合物およびその薬学上許容される塩:
【化2】

式中、
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R5は-(CH2)k-シクロプロピル;
-(CH2)k-シクロペンチル;
-(CH2)k-シクロヘキシル;
-(CH2)k-シクロペント-2-エニル;
-(CH2)k-(5-オキソ-ピロリジン-2-イル);
-(CH2)k-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル);
-NH-(CH2)k-シクロプロピル;
-NH-(CH2)k-シクロペンチル;
-NH-(CH2)k-シクロヘキシル;
-NH-(CH2)k-シクロペント-2-エニル;
-NH-(CH2)k-(5-オキソ-ピロリジン-2-イル); または
-NH-(CH2)k-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル);
を表し、そして
kは0〜6である。
【請求項24】
化合物が下記の通りである、請求項23に記載の化合物:
5-[(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-オキソ-ピロリジン-2-カルボン酸 [5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-イルメチル]-アミド、
5-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-シクロヘキシル-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロプロピル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-シクロプロピルメチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-シクロヘキシル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド。
【請求項25】
下記の工程により特徴づけられる、請求項1に記載の化合物を製造する方法:
(a) 一般式II
【化3】

(式中、Aは請求項1に記載の意味を有し、そしてYは適当な保護基を表す)
の化合物を、一般式III
【化4】

(式中、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表す)
の化合物と反応させるか、あるいは前記一般式IIの化合物を、式X
【化5】

(式中、R3およびR4は独立して水素、アルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべては置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である)
の化合物と反応させ、
(b) 引き続いて保護基を切断し、そして
(c) 必要に応じて、適当な酸または塩基の添加により、生成物を薬学上許容される塩に転化する。
【請求項26】
活性成分として請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物と、薬学上許容されるアジュバントとを含んでなる薬剤。
【請求項27】
腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞を阻害するための請求項26に記載の薬剤。
【請求項28】
癌を治療するための請求項26に記載の薬剤。
【請求項29】
腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞を阻害する薬剤を製造するための請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物の使用。
【請求項30】
癌を治療するための請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物の使用。
【請求項31】
有効量の請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物を腫瘍細胞に投与することを含んでなる、腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞の増殖を阻害する方法。
【請求項32】
請求項25に記載の方法または同等の方法により製造された、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
本明細書に記載する本発明。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物およびその薬学上許容される塩:
【化1】

式中、
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべてはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル; または
基-NR3R4;
を表し、ここでR3およびR4は独立して水素、アルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべてはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されていてもよい) 、または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項2】
各記号が下記の意味を有する、請求項1に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3は水素であり、そしてR4は請求項1において定義した通りである。
【請求項3】
各記号が下記の意味を有する、請求項1に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイル表し、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべてはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されていてもよい) 、または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; または
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項4】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイルを表し、
R1はアルケニル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6である。
【請求項5】
化合物が下記の通りである、請求項4に記載の化合物:
5-[(2-エトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-アセチルアミノ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-({2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルアミノ}-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、および
5-[(4-オキソ-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド。
【請求項6】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は 水素であり、そして
R4は アルケニル;
アルキニル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル;
であり、そして
nは1〜6である。
【請求項7】
化合物が下記の通りである、請求項6に記載の化合物:
5-[3-(3-エトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-アセチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-メトキシ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-アリル-ウレイド)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、および
4-{3-[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-イルメチル]-ウレイド}-酪酸エチルエステル。
【請求項8】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1はアルケニル、
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-CH3
-(CH2)n-O-アルキル; または
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項9】
化合物が下記の通りである、請求項8に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-エトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-({2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルアミノ}-メチル)-ベンズアミド、および
4-[(2-アセチルアミノ-アセチルアミノ)-メチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド。
【請求項10】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は 水素であり、そして
R4は アルケニル;
アルキニル;
-(CH2)n-(O)-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル; または
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル;
であり、
nは1〜6である。
【請求項11】
化合物が下記の通りである、請求項10に記載の化合物:
4-[3-(2-アセチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-メトキシ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-エトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
4-[(3-アリル-ウレイド)-メチル]-N-(2-アミノ-フェニル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-イソプロポキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-プロプ-2-イニル-ウレイド)-メチル]-ベンズアミド、および
4-{3-[4-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ベンジル]-ウレイド}-酪酸メチルエステル。
【請求項12】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはピリジン-2,5-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は水素であり、そして
R4は-(CH2)n-O-アルキルであり、
nは1〜6である。
【請求項13】
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[3-(3-ブトキシ-プロピル)-ウレイドメチル]-ニコチンアミドである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはピリジン-2,5-ジイルを表し、
R1はアルケニルまたは-(CH2)n-O-アルキルであり、そして
nは1〜6である。
【請求項15】
化合物が下記の通りである、請求項14に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-メトキシ-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-(ペント-4-エノイルアミノ-メチル)-ニコチンアミド。
【請求項16】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または2に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここで
R3は水素であり、そして
R4は置換されていないか、あるいはハロゲン、-NH-アルキル または-N(アルキル)2で1回または数回置換されているアルキルである。
【請求項17】
化合物が下記の通りである、請求項16に記載の化合物:
5-[3-(2-ジメチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(1-メチル-ヘキシル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(3-sec-ブチル-ウレイドメチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(2-メチル-ブチル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(3-イソブチル-ウレイドメチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[3-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-ペンチル-ウレイド)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジエチルアミノ-プロピル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(1-メチル-ヘキシル)]-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-ジメチルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[3-(2-メチル-ブチル)-ウレイドメチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-イソブチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-sec-ブチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-ペンチル-ウレイド)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[3-(1-メチル-ヘキシル)-ウレイドメチル]-ニコチンアミド。
【請求項18】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または3に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R1はアルキルを表し、ここでアルキルは置換されていないか、あるいはハロゲン、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されている。
【請求項19】
化合物が下記の通りである、請求項18に記載の化合物:
5-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(プロピオニルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(ブチリルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-(イソブチリルアミノ-メチル)-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-エチル-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2,2,2-トリフルオロ-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(4-ジメチルアミノ-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-メチル-ブチリルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-ジプロピルアミノ-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-ジメチルアミノ-アセチルアミノ)]-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(プロピオニルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(イソブチリルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-エチル-ブチリルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(ブチリルアミノ-メチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(4-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]- ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-メチル-ペンタノイルアミノ)-メチル]- ニコチンアミド。
【請求項20】
各記号が下記の意味を有する、請求項1に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aはチオフェン-ジイル、フェニレンまたはピリジン-ジイルを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3およびR4は独立してアルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべてはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である。
【請求項21】
各記号が下記の意味を有する、請求項1または20に記載の化合物およびその薬学上許容される塩:
Aは1,4-フェニレンを表し、
R1は基-NR3R4を表し、ここでR3およびR4は独立してアルキルを表す。
【請求項22】
化合物がN-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-ブチル-3-メチル-ウレイドメチル)-ベンズアミドである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
式I-Aの化合物およびその薬学上許容される塩:
【化2】

式中、
Aはチオフェン-2,5-ジイル; ピリジン-2,5-ジイル; または1,4-フェニレンを表し、
R5は-(CH2)k-シクロプロピル;
-(CH2)k-シクロペンチル;
-(CH2)k-シクロヘキシル;
-(CH2)k-シクロペント-2-エニル;
-(CH2)k-(5-オキソ-ピロリジン-2-イル);
-(CH2)k-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル);
-NH-(CH2)k-シクロプロピル;
-NH-(CH2)k-シクロペンチル;
-NH-(CH2)k-シクロヘキシル;
-NH-(CH2)k-シクロペント-2-エニル;
-NH-(CH2)k-(5-オキソ-ピロリジン-2-イル); または
-NH-(CH2)k-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル);
を表し、そして
kは0〜6である。
【請求項24】
化合物が下記の通りである、請求項23に記載の化合物:
5-[(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-オキソ-ピロリジン-2-カルボン酸 [5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-イルメチル]-アミド、
5-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(3-シクロヘキシル-プロピオニルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-[(2-シクロプロピル-アセチルアミノ)-メチル]-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
5-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-チオフェン-2-カルボン酸 (2-アミノ-フェニル)-アミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-4-(3-シクロプロピルメチル-ウレイドメチル)-ベンズアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-シクロペンチル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-{3-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-ウレイドメチル}-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-シクロペント-2-エニル-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド、および
N-(2-アミノ-フェニル)-6-[(3-シクロヘキシル-プロピオニルアミノ)-メチル]-ニコチンアミド。
【請求項25】
下記の工程により特徴づけられる、請求項1に記載の化合物を製造する方法:
(a) 一般式II
【化3】

(式中、Aは請求項1に記載の意味を有し、そしてYは適当な保護基を表す)
の化合物を、一般式III
【化4】

(式中、
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル (これらのすべてはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表す)
の化合物と反応させるか、あるいは前記一般式IIの化合物を、式X
【化5】

(式中、R3およびR4は独立して水素、アルキル、アルケニルまたはアルキニル (これらのすべてはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、-NH-アルキルまたは-N(アルキル)2で1回または数回置換されていてもよい) または
-CH2-(O-CH2-CH2-)m-O-アルキル;
-(CH2)n-O-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-NH-アルキル;
-(CH2)n-NH-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-アルキル;
-(CH2)n-C(O)-O-アルキル; もしくは
-(CH2)n-O-C(O)-アルキル;
を表し、
nは1〜6であり、そして
mは1〜4である)
の化合物と反応させ、
(b) 引き続いて保護基を切断し、そして
(c) 必要に応じて、適当な酸または塩基の添加により、生成物を薬学上許容される塩に転化する。
【請求項26】
活性成分として請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物と、薬学上許容されるアジュバントとを含んでなる薬剤。
【請求項27】
腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞を阻害するための請求項26に記載の薬剤。
【請求項28】
癌を治療するための請求項26に記載の薬剤。
【請求項29】
腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞を阻害する薬剤を製造するための請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物の使用。
【請求項30】
癌を治療するための請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物の使用。
【請求項31】
有効量の請求項1〜24のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物を腫瘍細胞に投与することを含んでなる、腫瘍細胞におけるヒストンのアセチル化の誘導により腫瘍細胞の増殖を阻害する方法。
【請求項32】
請求項25に記載の方法または同等の方法により製造された、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
本明細書に記載する本発明。

【公表番号】特表2006−509021(P2006−509021A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558040(P2004−558040)
【出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013941
【国際公開番号】WO2004/052838
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】