説明

薬剤包装装置

【課題】薬剤包装装置において、不快感や故障発生誤認を起こすことなく、ホッパ内の薬剤残留を確実に防止する。
【解決手段】長手方向に沿って二つ折りされた細長い包装シート61の開口に対してホッパ67の下部のノズル部67aから薬剤が導入される。ヒートシール部68は導入された薬剤を閉じ込めるように包装シート61をシールする。ホッパ67に振動を付加するホッパ側振動印加機構が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル錠を含む錠剤や散薬等の薬剤を包装する薬剤包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤や散薬等の薬剤を処方に基づいて1回服用分(1包分)づつ包装して連続した薬包を作成する薬剤包装装置が種々提供されている。なかでも、予め長手方向に2つ折りされた細長い包装シートを巻回したロールを使用するものがある。一般にこの種の薬剤包装装置の包装部では、ロールから包装シートを供給し、印刷部で必要な情報を印刷した後、包装シートを2つ折りの状態から展開して開口し、この開口に挿入されたホッパのノズル部から1包分の薬剤を導入する。続いて、ヒートシール部において薬剤を閉じ込めるように包装シートをシール(熱融着)する(例えば特許文献1〜4参照)。
【0003】
薬剤包装装置の最初の起動時やロール交換時には、ロールから巻き出した包装シートを、ホッパのノズル部や印刷部を介してヒートシール部まで配索した後に、薬剤の包装動作を開始する必要がある。換言すれば、ロール交換等の際には、印刷部からヒートシール部までの長さ(通常は5〜6包程度に相当する長さ)の包装シートは、単に配索のためにのみ機能し、薬剤の包装には使用することなく廃棄せざるを得ず、コストの観点から好ましくない。また、印刷部からヒートシール部までの包装シートの経路が長いと、薬剤包装装置の小型化を実現できない。従って、印刷部からヒートシール部までの経路の長さを短縮できれば、ロール交換等に伴う包装シートの無駄をなくすことができ、かつ装置の小型化を実現できる。しかし、単にこの経路を短くするだけでは、ヒートシール部の部分で包装シートに発生する皺を防止できない。この皺の発生は、ヒートシール部が一対のヒータローラ間を通過させることで包装シートを熱融着する方式を採用している場合に特に顕著である。
【0004】
図45及び図46を参照すると、2つ折りされた包装シート1100は展開ガイド1106でV字型に押し広げられ、ホッパのノズル部1101を介してヒートシール部のヒータローラ1102に達する。ヒータローラ102は、包装シート1100の開口縁を長手方向にシールする横シール1103と、包装シート1100を横切るように開口縁から折り目までをシールする縦シール1104とを行うが、縦シール1104を行うとき、2つ折りのシート1100のそれぞれに作用する張力に不均衡が生じると2つ折りのシート1100のうちの一方が他方に対して撓み、この撓みにより横シール1103の近傍で長手方向に延びる皺1105が発生しやすい。この皺1105は、薬剤を導入したときの包装シート1100の膨らみや、包装シート1100の横シール1103が形成される部分と縦シール1104が形成される部分との張力の相違等に起因していると考えられる。このような皺1105が発生すると、シール不良により気密性が低下し、隣接する処方間での薬剤の混入(コンタミネーション)の原因となる。
【0005】
特許文献1,2には、厚みが一定の三角形板状の展開ガイド1106や複数の平面から構成された概ね三角錐形状の外形を有する展開ガイド1106が開示されている。しかし、これらの形状の展開ガイド1106を採用した場合、印刷部からヒートシール部までの経路の長さを短くするために印刷部に近接して配置すると、包装シート1100に前述の皺1105が不可避的に生じる。
【0006】
また、この種の薬剤包装装置では、散薬供給ユニットや錠剤供給ユニットから包装ユニットに供給された薬剤(特に散薬)がホッパに付着して残留し、コンタミネーションの原因となるという問題がある。この薬剤残留を防止するために、ソレノイド駆動の機構により間欠的にホッパを打撃して衝撃を加え、ホッパ内での薬剤の移動を円滑にすることが知られている。しかし、ホッパを間欠的に打撃しても必ずしも効果的にホッパへの薬剤の付着を防止できない。また、打撃機構がホッパを打撃する際に発生する音は作業者にとって不快であり、作業者が打撃音を装置の故障に起因するものであると誤認するおそれもある。例えば、小規模の調剤薬局等では、ホッパの打撃音が部屋中に響きわたり、作業者のみならず、患者にも不快快を与えることがある。患者に与える不快感を考慮して、ホッパの打撃時間を極力短くするため、薬剤がホッパ下部のノズル部から排出された後の短時間のみソレノイド機構による打撃を実行することが一般的である。しかし、このような極めて短時間の打撃は、効果的な薬剤残留防止の観点からは望ましくない。以上のように、従来知られているこの種の薬剤装置では、作業者や患者に対する不快感を低減しつつ、効果的にホッパ内の薬剤残留防止を実現することができない。
【0007】
【特許文献1】特開2004−189336号公報
【特許文献2】特開2004−284663号公報
【特許文献3】特開2004−238026号公報
【特許文献4】特開2002−19737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、薬剤包装装置において、不快感や故障発生誤認を起こすことなく、ホッパ内の薬剤残留を確実に防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、長手方向に沿って二つ折りされた細長い包装シートの開口から薬剤を導入する薬剤導入部と、前記導入された薬剤を閉じ込めるように前記包装シートをシールするヒートシール部と備える薬剤包装装置において、前記薬剤導入部は、薬剤が投入される投入開口を上部に有し、前記二つ折りされた前記包装シートの開口に挿入されて前記薬剤を前記包装シート内に導入するノズル部を下部に有するホッパを備え、前記ホッパに振動を付加する第1の振動印加機構をさらに備える、薬剤包装装置を提供する。
【0010】
第1の振動印加機構でホッパに振動を印加することにより、ホッパに薬剤(特に散薬)が付着して残留するのを効果的に防止しコンタミネーションをなくすことができる。ホッパに打撃を加える場合に発生する音と比較すると、振動印加により生じる音は音量が小さく、作業者に不快感を与えず、作業者が故障発生を誤認することがない。
【0011】
具体的には、前記第1の振動印加機構は、第1の振動発生源と、前記第1の振動発生源及び前記ホッパを保持する保持構造とを備える。
【0012】
前記ホッパは、前記投入開口から前記ノズル部に向けて斜め下向きに延びる傾斜面を少なくとも1つ備え、前記保持構造は、前記傾斜面上を重力により前記薬剤が移動する移動方向と重力方向とを含む平面内において、前記ホッパの振動の楕円状の軌道の長軸と、前記傾斜面上を重量により前記散薬が移動する前記移動方向とのなす角度が鋭角であることが好ましい。
【0013】
かかる軌道の振動を与えることにより、付着による薬剤の残留を確実に防止しつつ、ホッパの傾斜面上の薬剤の移動速度を高め、より効率的に薬剤をノズル部から包装シート部内の開口へ導入できる。
【0014】
この軌道を実現するためには、例えば、前記保持構造は、前記ホッパを保持するホッパ保持部と、前記ホッパ保持部の一端側に設けられた前記第1の振動発生源を保持する振動源保持部と、上端側が前記ホッパ保持部に連結される一方下端側が固定され、かつ下端側ほど前記振動源保持部に接近するように前記ホッパ保持部から斜め下向きに延びる板ばね部とを備える。
【0015】
好ましくは、前記展開ガイドに振動を付加する第2の振動印加機構をさらに備える。具体的には、前記第2の振動印加機構は前記展開ガイドの内部に固定された第2の振動発生源を備える。
【0016】
第2の振動印加機構で展開ガイドに振動を印加することにより、二つ折りにした包装シート内での薬剤(特に散薬)の移動ないし流れが円滑となるので、ホッパに薬剤が付着し残留するのをより確実に防止できる。
【0017】
好ましくは、前記ヒートシール部は前記包装シートを挟み込むヒートシール部材を備え、前記ヒートシール部が予め定められた状態となると所定時間の間前記第1及び第2の振動発生源を作動させるコントローラをさらに備える。
【0018】
特に、前記コントローラは、入力された処方情報に基づいて作成中の薬包の前記薬剤が散薬であるか錠剤であるかを判断し、前記作成中の薬包が前記散薬の場合には前記錠剤の場合よりも前記第1及び第2の振動発生源を作動させる時間を長く設定する。
【0019】
この構成により、ホッパへの付着が錠剤より生じやすい散薬をより確実に包装シートへ導入することができる。
【0020】
前記コントローラは、入力された処方情報に基づいて同一処方内に前記散薬を包装する薬包の後に前記錠剤のみを包装する薬包があるか否か判断すると、前記錠剤のみの薬包を作成中は前記第1及び第2の振動発生源を停止状態で維持する。
【0021】
この構成により、ホッパに残留した散薬によるコンタミネーションをより確実に防止できる。
【0022】
いわゆるロス袋中に薬剤が混入していると、ヒートシール部よりも下流側で切断された際に装置内に流出してコンタミネーションを生じる。従って、前記コントローラは、入力された処方情報に基づいて前記薬剤を包装しない空の薬包を作成中であると判断すると、前記第1及び第2の振動発生源を停止状態で維持することが好ましい。
【0023】
好適には、装置本体内の収容室に配置され、前記装置本体の正面側に広がる正面側保持部と、この正面側保持部の一方の側端側から背面側に延びる側面側保持部と、前記正面側保持部の他方の側端側を前記装置本体に対して回動可能に連結する回動連結部とを有する保持フレームをさらに備え、前記シート供給部は、前記ロールから巻き出された前記包装シートを案内するシートガイド機構を備え、前記ロールと、前記印刷部と、前記シートガイド機構の一部とが前記保持フレームの前記側面側保持部に配置され、前記シートガイド機構の残りの部分と、前記展開ガイドと、前記薬剤導入部と、前記ヒートシール部とが前記保持フレームの前記正面側保持部に配置されている。
【0024】
保持フレームは、正面側保持部と正面側保持から背面側に延びる側面側保持部とを備えるので、シート供給部、展開ガイド、ヒートシール部、印刷部をコンパクトに配置して収容室内の空間を利用できる。換言すれば、装置の小型化を図ることができる。一方、回動連結部周りに保持フレームを回動させれば、搬送シートのロールや印刷部を装置本体の正面側に移動させて装置本体の外部から簡単にアクセスすることができるので、ロールの交換、印刷部の保守等の各種作業の作業性が向上する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の薬剤包装装置では、ホッパや展開ガイドに振動を印加する振動印加機構を設けることにより、不快感や故障発生誤認を起こすことなく、ホッパ内の薬剤残留を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る薬剤包装装置1を示す。
【0027】
(全体構成)
この薬剤包装装置1は、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、包装ユニット4、包装済の薬剤が排出される薬剤排出部5を備える。錠剤供給ユニット2と散薬供給ユニット3はハウジング6の上面側に設けられている。一方、包装ユニット4はハウジング6内の収容室7に配置されている。ハウジング6の前面開口は薬剤排出部5を除いて片開き扉型の開閉可能なカバー8で開閉可能に覆われている。このカバー8を開放すれば、収容室7内の包装ユニット4に作業者がアクセスできる。カバー8の形態特に限定されず、両開き等の他の形態でもよい。
【0028】
ハウジング6の上面には、図3に示すコントロールパネル9が設けられている。図4を併せて参照すると、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、及び包装ユニット4の動作は、コントロールパネル9からの入力、後述する封鎖カバー(手撒支援部材)25のセンサ27,28やその他のセンサ29,30の入力、及び外部から入力される処方情報に基づいて、コントローラ11,12,13によって制御される。本実施形態では、錠剤供給ユニット2はコントローラ11で制御され、散薬供給ユニット3はコントローラ12で制御され、包装ユニット4はコントローラ13で制御される。ただし、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、及び包装ユニット4のうちの2つ以上のユニットを共通のコントローラで制御する構成も可能である。
【0029】
(錠剤供給ユニット)
以下、図1〜図11を参照して錠剤供給ユニット2について説明する。まず、図5A〜図5Cを参照すると、錠剤供給ユニット2は、複数の錠剤収容枡21がマトリクス状に設けられた固定の錠剤収容部22(本実施形態ではハウジング6の上面側の一部を構成する)と、個々の錠剤収容枡21に手撒で供給された1包分の錠剤を自動的に順次取り出して包装ユニット4に供給する錠剤払出部23とを備える。
【0030】
図1、図2、図6、及び図7を参照すると、本実施形態における錠剤収容部22には、同一形状の錠剤収容枡21が前後方向(列方向)に4列、横方向(行方向)に7行で合計28個設けられている。錠剤収容部22は、行方向に隣接する錠剤収容枡21間を区切る複数の第1の隔壁24aと、列方向に隣接する錠剤収容枡21を区切る複数の第2の隔壁24bとを備え、これら第1及び第2の隔壁24a,24bによって個々の錠剤収容枡21が区画されている。個々の錠剤収容枡21は上下両端が開口している。上端開口21aは、作業者が手作業で錠剤収容枡21に錠剤を投入するための開口として機能する。上端開口21aの反対側に位置する下端開口21bは、錠剤収容枡21内に収容された錠剤が錠剤払出部23へ送られる際に通過する開口として機能する。
【0031】
図1、図2、図6を参照すると、錠剤収容部22は、概ねシート状ないしは板状の封鎖カバー25と、同様に概ねシート状ないしは板状の保護カバー26を備える。封鎖カバー25と保護カバー26は錠剤収容部22の上面に回動可能に取り付けられている。具体的には、最も後側の錠剤収容枡21の列よりもさらに後側に、2個のピン機構(回動支持機構)100A,100Bが設けられており、このピン機構100A,100Bによって封鎖カバー25と保護カバー26の基端側が回動自在に支持されている。封鎖カバー25は保護カバー26よりも手前側に配置されており、封鎖カバー25と保護カバー26の両方を閉鎖した際に、保護カバー26よりも下側に位置する(図8A参照)。
【0032】
保護カバー26が開放位置にあるとき、ピン機構100A,100B周りに手動操作で回動させることにより、封鎖カバー25を錠剤収容部22から退避した開放位置(図8B,図9A)と、錠剤収容部22上に載置された閉鎖位置(図8C,図9B)に移動可能である。図8B及び図9Aに示すように封鎖カバー25が開放位置にあれば、28個のすべての錠剤収容枡21の上端開口21aが開放され、すべての錠剤収容枡21内に錠剤を投入できる。一方、図8C及び図9Bに示すように封鎖カバー25が閉鎖位置にあれば、4列7行の錠剤収容枡21のうち最も後側の1列を構成する7個の錠剤収容枡21の上端開口21aが封鎖カバー25によって封鎖される。その結果、3列7行で合計21個の錠剤収容枡21にのみ錠剤を投入できる。換言すれば、封鎖カバー25の幅は、閉鎖位置で最も後側の列の錠剤収容枡21を閉鎖するように設定されている。
【0033】
封鎖カバー25を閉鎖位置(図8C,図9B)とすると、3列7行(21個)の錠剤収容枡21に錠剤を収容することができるので、服用時期が3の倍数、すなわち分3(朝、昼、夕)の場合に、個々の錠剤収容枡21への錠剤の手撒作業を効率的かつ投入ミスを起こすことなく確実に実行できる。一方、封鎖カバー25を開放位置(図8B,図9A)に設定すると、4列7行(28個)の錠剤収容枡21に錠剤を収容することができるので、服用時期が2の倍数、すなわち分2(朝、夕)や分4(朝、昼、夕、就寝前)の場合に、個々の錠剤収容枡21への錠剤の手撒作業を効率的かつ投入ミスを起こすことなく確実に実行できる。
【0034】
図9Aを参照すると、錠剤収容部22の上面には、最も後側の錠剤収容枡21の列よりも後側(ピン機構100A,100Bよりも前側)に、第1の包数表示部101が設けられている。また、図9Bを参照すると、封鎖カバー25の上面には、先端付近に第2の包数表示部102が設けられている。図9A及び図9Bにおいて二点鎖線で概念的に示すように、錠剤の手撒作業の際には、一般に、最も右側の行の最も前側(手前側)の列の錠剤収容枡21から列方向に後側(奥側)に順に錠剤を投入する。包数表示部101,102には、この順序で錠剤収容枡21に錠剤を投入した場合に、個々の行を構成するすべての錠剤収容枡21(図9Aでは4個、図9Bでは3個)に錠剤を投入した場合の包数が表示されている。具体的には、錠剤収容部22の上面の包数表示部101には、4から28までの4の倍数が表示されており、封鎖カバー25の上面の包数表示102には、3から21までの3の倍数が表示されている。これらの包数表示部101,102を参照することで、手撒作業の効率をさらに高め、かつ投入ミスの可能性をさらに低減できる。
【0035】
包数表示部101,102と共に、又は包数表示部101,102に代えて、錠剤収容部22の上面に個々の錠剤収容枡21に隣接して錠剤の投入順序に対応した連続番号を表示してもよい。
【0036】
図1及び図8A〜図8Cを参照すると、封鎖カバー25の開閉を検出する2個のセンサ27,28が設けられている。各センサ27,28は、封鎖カバー25の基端に配置されて封鎖カバー25と共にピン機構100A,100B周りに回動する磁性体27a,28aと、磁性体27a,28aの磁気を検出するホール素子等からなる固定のセンサ本体27b,28bを備える。2つのセンサ27,28が備える磁性体27a,28aはピン機構100A,100Bのピン軸中に角度位置を異ならせて配置している。一方、2つのセンサ27,28のセンサ本体27b,28bは、対応する磁性体27a,28bと対向し、かつピン機構100A,100Bのピン軸に対して同一の角度位置に配置されている。後に詳述するように、2個のセンサ27,28を設けたことにより、封鎖カバー25が閉鎖位置又は開放位置のいずれかに正確に設定されているかを検出できると共に、センサ27,28の少なくとも一方に故障が生じた場合に閉鎖位置と開放位置のいずれであるかを誤って判断するのを防止できる。
【0037】
一方のセンサ27は、図8Cに示すように封鎖カバー25が閉鎖位置であると、磁性体27aとセンサ本体27bが最も近接した位置になりオン状態となり、図8Bに示すように封鎖カバー25が開放位置であると磁性体27aとセンサ本体27bとが離隔されてオフ状態となる。逆に、他方のセンサ28は、図8Bに示すように封鎖カバー25が開放位置であると、磁性体28aとセンサ本体28bが最も近接した位置になりオン状態となり、図8Cに示すように封鎖カバー25が閉鎖位置であると磁性体28aとセンサ本体28bとが離隔されてオフ状態となる。センサ27,28の構成はこの例に限定されず、一方のセンサは封鎖カバー25が閉鎖位置であればオン状態となり開放位置であればオフ状態となり、他方のセンサは封鎖カバーが閉鎖位置であればオフ状態となり開放位置であればオン状態となるものであればよい。
【0038】
図8A,図8Cを参照すると、保護カバー26は封鎖カバー25が閉鎖位置にあるときに、ピン機構100A,100B周りに回動させることで、開放位置(図8B及び図8C)と閉鎖位置(図8A)に設定可能である。保護カバー26が閉鎖位置にあるとき、すべての錠剤収容枡21の上端開口21aが保護カバー26で覆われる。従って、錠剤供給ユニット2を使用しない際には、保護カバー26を閉鎖位置に設定しておくことで、錠剤収容枡21への塵等の進入を確実に防止できる。
【0039】
図1、図2、図9A、及び図9Bを参照すると、保護カバー26の内面には、封鎖カバー25が開放位置(図9A)であれば封鎖カバー25の背後に隠れるが、封鎖カバー25が閉鎖位置(図9B)であれば露出して視認可能な位置に4列の錠剤収容枡21をすべて使用することを示す表示32が設けられている。従って、作業者は錠剤供給ユニット2の錠剤収容枡21が「分3」に対応した状態にあるのか、「分2」や「分4」に対応した状態にあるのかを簡単に視覚的に確認できる。
【0040】
図5A〜図5C及び図10参照すると、錠剤供給ユニット2の錠剤払出部23は、錠剤収容部22の下方に配置された上側シャッタ板34、この上側シャッタ板34の下方に互いに重ね合わせた状態で配置された下側シャッタ板35、下側シャッタ板35の下方に配置された可動の払出部材36、並びに払出部材36の下方に配置された固定板37を備える。
【0041】
上側及び下側シャッタ板34,35は、互いに重ね合わせられた状態を維持しつつ、錠剤収容枡21の配置の行方向に移動可能である。上側及び下側シャッタ板34,35には、錠剤収容枡21の配置の列方向に延びる第1の仕切部38と錠剤収容枡21の配置の行方向に延びる第2の仕切部39により区画され、かつそれぞれ錠剤収容枡21と対応する4列7行で合計28個の錠剤通過孔41が形成されている。また、上側及び下側シャッタ板34,35の図5A〜5Cにおいて左側の端部には下向きに折り曲げた係止部34a,35aが設けられている。さらに、上側シャッタ板34は錠剤収容部22に対して図示しないばねで連結され、図5A〜図5Cにおいて右向きに弾性的に付勢されている。さらにまた、下側シャッタ板35は上側シャッタ板34に対して図示しないばねで連結され、図5A〜図5Cにおいて右向きに弾性的に付勢されている。上側及び下側シャッタ板34,35に外力が作用しない初期状態では、上側及び下側シャッタ板34,35は図5Aに示す位置にある。
【0042】
払出部材36はピニオンラック機構及びモータを含む駆動装置によって錠剤収容枡21の配置の行方向に往復移動可能である。払出部材36には、錠剤収容部22の錠剤収容枡21に対応して4列7行で合計28個の錠剤払出枡42が設けられている。錠剤払出枡42は上下両端が開口している。個々の錠剤払出枡42の下端側の開口は、開閉可能な底板43が配置されている。底板43は一端がピン44によって払出部材36に対して揺動自在に支持され、他端側には開放用の錘45が内蔵されている。
【0043】
固定板37の上面には錠剤払出枡42の底板43が載せられ、それによって底板43が閉鎖位置で保持される。また、固定板37の図5A〜図5C及び図10において右側の端部には、錠剤収容枡21及び錠剤払出枡42の列数(本実施形態では4列)と同一数の段37a〜37dが設けられている。隣接する段37a〜37d間の段差は、錠剤収容枡21及び錠剤払出枡42の行方向の形成ピッチを錠剤払出枡21及び錠剤払出枡42の列数で除した値に相当する。
【0044】
次に、図11のフローチャートを参照して錠剤供給ユニット2の動作を説明する。まず、ステップS1でコントロールパネル9の錠剤ボタン9a(以下、ボタン、LED等に関しては図3を参照。)が選択され、ステップS2で錠剤ボタン9aに対応するLEDが点灯する。次に、ステップS3で「分3」と「分4」のいずれかが選択される。具体的には、「分3」を選択する場合には、ステップS4で封鎖カバー25が手動操作で閉鎖位置(図8C及び図9B)に設定され、ステップS5で4列の錠剤収容枡21を使用することを示すLED9bは消灯する。また、「分4」を選択する場合には、ステップS6で封鎖カバー25が手動操作で開放位置(図8B及び図9A)に設定され、ステップS6でLED9bが点灯する。
【0045】
続いて、ステップS8において包数の設定を行い、ステップS9において設定する包数が21包以下であれば、後述するV枡51の仕切板52を設定する包数に対応する位置に移動する。仕切板52の位置はセンサで検出されて錠剤供給ユニット2のコントローラ11に出力される。指定された包数はステップS21でコントロールパネル9の包数表示部9cに表示される。一方、ステップS9において設定する包数が21包以上であれば、V枡51の仕切板52の包数を最大値である21包に設定し、ステップS13でコントロールパネル9の包数表示部9cに包数として「21」が表示される。ステップS14においてコントロールパネル9の錠剤ボタン9aを押す毎に包数表示部9cに包数として「22」から錠剤供給ユニット2の最大の包数である「28」までの包数が順に表示さる。
【0046】
次に、ステップS15において、手撒作業により上端開口21aから錠剤を投入して個々の錠剤収容枡21に収容させる。この際、最も右側の行の最も前側(手前側)の列の錠剤収容枡21から列方向に後側(奥側)に順に錠剤を投入する。
【0047】
手撒作業終了後、ステップS16においてコントロールパネル9のスタートボタン9dを選択すると、ステップS17において錠剤払出部23が動作し、錠剤収容部22から供給される錠剤が図示しない搬送路を介して1包分ずつ包装ユニット4のホッパ67へ送り、包装ユニット4において分包処理が実行される。
【0048】
コントローラ11は、ステップS16においてスタートボタン9dを選択した際に、封鎖カバー25が不安定な状態にあることを検出すると、エラー音を出力すると共に、錠剤払出部23の動作の開始を禁止して包装ユニット4への錠剤の供給を行わない。具体的には、コントローラ11は、一方のセンサ27がオン状態で他方のセンサ28がオフ状態であれば、封鎖カバー25は正しく閉鎖位置(図8C)に設定されていると判断して錠剤払出部23を動作させる。また、コントローラ11は、一方のセンサ27がオフ状態で他方のセンサ28がオン状態であれば、封鎖カバー25は正しく開放位置(図8B)に設定されていると判断して錠剤払出部23を動作させる。しかし、コントローラ11は、2つのセンサ27,28が共にオフ状態又は共にオン状態であれば、封鎖カバー25は閉鎖位置でも開放位置でもない不安定な状態(図8D)又はセンサ27,28のうち少なくとも一方に故障が生じていると判断して錠剤払出部23の動作の開始を禁止する。封鎖カバー25が不安定な姿勢にあるときには錠剤払出部23の動作の開始を禁止することで、不正確な態様で個々の錠剤収容枡21に収容されている錠剤が誤って包装ユニット4で包装されるのを確実に防止できる。
【0049】
以下、ステップS17の分包処理における錠剤払出部23の動作を詳説する。まず、スタートボタン9dが選択される前、すなわち非作動時には、錠剤払出部23は図5Aに示す状態にある。すなわち、上側及び下側シャッタ板34,35は、上側シャッタ板34の第1の仕切部38と下側シャッタ板35の第1の仕切部38とにより個々の錠剤収容枡21の下端開口21bを閉鎖する保持位置にある。
【0050】
スタートボタン9dが選択され、かつ封鎖カバー25が正確に閉鎖位置か開放位置に設定されており不安定な状態でも、センサ27,28の故障でもなければ、図5Bに示すように、払出部材36が図において左方向(行方向)に移動する。払出部材36の一端が下側シャッタ板35の係止部35aに引っ掛かり、その結果下側シャッタ板35も払出部材36と共に左方向に移動する。払出部材36がさらに図において左方向に移動すると、下側シャッタ板35の係止部35aを介して払出部材36の一端が上側シャッタ板34の係止部34aに引っ掛かり、その結果上側シャッタ板34も払出部材36と共に左方向に移動する。
【0051】
払出部材36と共に上側及び下側シャッタ板34,35が移動することで、錠剤払出部23は図5Cに示す状態となる。すなわち、上側及び下側シャッタ板34,35は、上側シャッタ板34の第1の仕切部38が錠剤収容部22の第1の隔壁24aの下面側に退避し、かつ下側シャッタ板35の第1の仕切部38が上側シャッタ板34の第1の仕切部38の下面側に退避し、上側及び下側シャッタ板34,35の錠剤通過孔41,42が個々の錠剤収容枡21の下端開口21bとそれぞれ対向する開放位置となる。また、上側及び下側シャッタ板34,35が開放位置にあるときには、払出部材36の錠剤払出枡42に上端側の開口がそれぞれ個々の下端開口21bと対向する状態となる。そのため、個々の錠剤収容枡21に収容されていた1包分の錠剤は下端開口21b及び錠剤通過孔41,41を経て払出部材36の錠剤払出枡42に収容される。
【0052】
次に、払出部材36は図において右方向に移動すると、錠剤払出枡42の底板43が移動方向前側のものから順に段37a〜37dの前方の落下口48に達し、下方から支持がなくなることで開放する。その結果、個々の錠剤払出枡42内の錠剤が順次ホッパ67内に供給される。なお、「分4」の場合には、払出部材36は常に前述の段差の対応する量だけ右方向に間欠的に移動するが、「分3」の場合には、最も上側の列に対応する錠剤払出枡42内には錠剤は収容されていないので、3個目、6個目、9個目、12個目、15個目・・・の錠剤払出枡42が落下口48に達した後の次の間欠移動では払出部材36の移動量は段差の2倍に設定される。
【0053】
前述のように、2枚のシャッタ板、すなわち上側及び下側シャッタ板34,35の第1の仕切部38で下端開口21bが閉鎖されるので、個々の上側及び下側シャッタ板34,35の第1の仕切部38の幅を狭く設定できる。そのため、開放位置において第1の仕切部38が退避する錠剤収容部22の第1の隔壁24aの幅を狭く設定でき、錠剤供給ユニット2を小型化できる。錠剤供給ユニット2を小型化することで、薬剤包装装置1全体としても小型化を図ることができる。
【0054】
(散薬供給ユニット)
散薬供給ユニット3は、手作業で散薬が供給され、この散薬を自動的に1包分ずつに分割して順次包装ユニット4に供給するものである。
【0055】
図1及び図2を参照すると、散薬供給ユニット3は、ハウジング5の上面に開口した断面が概ねV字状の細長い枡(V枡51)を備える。V枡51の底部は開閉可能である。また、V枡51の下側には複数の分割容器(図示せず)が配置されている。V枡51内に投入された散薬は底部が開放すると分割容器へ落下して所定量に分割される。分割容器の底部も開閉可能である。分割容器の底部を順次開放することにより、個々の分割容器内の散薬がホッパ67へ落下して1包分毎に包装ユニット4へ供給される。また、V枡51内には散薬の分割数を調整するための可動の仕切板52が配置されている。
【0056】
散薬供給ユニット3の構成は、散薬を1包分ずつ包装ユニット4に供給できる限り、特に限定されない。例えば、散薬供給ユニット3は、ホッパに投入された散薬を分配皿の外周環状溝に供給し、掻出し装置によって外周環状溝から1包分ずつ掻き出した散薬を順次包装ユニット4に供給するものでもよい。
【0057】
(包装ユニット)
以下、図12〜図24を参照して包装ユニット4について説明する。包装ユニット4は、保持フレーム71上にシート供給部63、展開ガイド65、ホッパ67、ヒートシール部68、及び印刷部69を備える。シート供給部63は、予め長手方向に沿って二つ折りされた細長い包装シート61を巻回したロール62から包装シート61を巻き出して供給する。展開ガイド65は、シート供給部63により供給される二つ折りの包装シート61を展開して開口する。ホッパ67は、錠剤供給ユニット2及び散薬供給ユニット3から薬剤が投入される投入開口67bを上端に有し、二つ折りされた包装シート61の開口に薬剤を導入する導入口として機能するノズル部67aを下端に備える。ヒートシール部68は、導入された薬剤を閉じ込めるように包装シート61をシールし、それによって連続する薬包が作成される。ヒートシール部68で作成された連続する薬包は、図32及び図33にのみ模式的に示すカッタ機構201によって切断されて1処方毎に分離される。印刷部69は、包装シート61の経路のうちシート供給部63と展開ガイド65の間に配置されており、包装シート61に患者名、薬剤名、用法等の情報を印刷する。前述のように、包装ユニット13の動作はコントローラ13で制御される。
【0058】
図12〜図16を参照すると、包装ユニット4はハウジング6の収容室7に配置された保持フレーム71に設けられている。保持フレーム71は、ハウジング6の正面側に広がる正面側保持部71aと、この正面側保持部71aの正面側から見て右側から背面側に延びる側面側保持部71bと、正面側保持部71aの正面側から見て左側の側端側をハウジング6に対して回動可能に連結するヒンジ機構72(図17及び図18を併せて参照)を備える。かかる構成により、包装ユニット4をハウジング6内にコンパクトに収容しつつ、後に詳述するように良好な作業性を確保できる。保持フレーム71の上端(図14参照)の直上位置には図示しないベース板があり、このベース板上に錠剤供給ユニット2や散薬供給ユニット3が配置されている。このように、保持フレーム71に設けることにより上下方向の空間が限定されたハウジング6内に包装ユニット4がコンパクトに収容されている。
【0059】
保持フレーム71の側面側保持部71bの下方側の部位に包装シート61のロール62が配置されている。また、保持フレーム71の側面側保持部71bには、シート供給部63の一部を構成する2本のガイドローラ73a,73bが設けられている。ロール62、ガイドローラ73a,73bの回動中心は、側面側保持部71bに対して実質的に直交する方向(正面側保持部71aが広がる方向)に延びている。さらに、保持フレーム71の側面側保持部71bのガイドローラ73a,73bより上方に、印刷部69が配置されている。包装シート61はロール62から背面側に巻き出され、一方のガイドローラ73aによって前面側に水平方向に折り返され、さらに他方のガイドローラ73bによって上向きに方向転換され、印刷部69に導かれている。ガイドローラ73a,73bの先端に搬送シート61の蛇行や脱落を防止するための鍔状部を設けてもよい。
【0060】
印刷部69は、熱転写用のインクリボン75の巻き出しローラと巻き取りローラを備えた交換可能なインクカートリッジ76、インクリボン75に対して張力を付加する付勢ローラ77、熱転写ヘッド78、及び熱転写ヘッド78の部分で包装シート61をインクリボン75に密接させるためのバックアップローラ79を備える。
【0061】
保持フレーム71の正面側保持部71aの上方側かつ正面から見た右端側の部位には、印刷部69を通過した包装シート61の搬送方向を展開ガイド65の直前で湾曲させる固定のガイドロッド81(シート供給部63の一部を構成する湾曲ガイド)が配置されている(特に図12参照)。具体的には、ガイドロッド81は側面側保持部71bに沿って後方から前方に向かう包装シート61の搬送方向を正面側保持部71aの前面側に湾曲させ、かつ正面側保持部71aの前面側から見て斜め下方向に包装シート61を案内する。このガイドロッド81は、正面側保持部71aから正面側保持部71aの広がる方向、かつ斜め下向きに延びている。図12に最も明瞭に現れているように、ガイドロッド81のうち包装シート61の搬送方向下流側の側縁が延びる方向と、後述する展開ガイド65の主稜線94が延びる方向が一致している。
【0062】
保持フレーム71の正面側保持部71aには、正面から見てガイドロッド81よりも左斜め下(包装シート61の搬送方向下流側)に展開ガイド65が配置されている。展開ガイド65については後に詳述する。また、保持フレーム71の正面側保持部71aにはホッパ67が保持されており、このホッパ67の下端のノズル部67aは正面から見て展開ガイド65の左斜め下に位置している。さらに、保持フレーム71の正面側保持部71aには、正面から見てホッパ67のノズル部67aよりも斜め下の位置にヒートシール部68が配置されている。
【0063】
図12及び図15を参照すると、ヒートシール部68は、モータ、直動ギア、間欠ギア等を含む図示しない駆動機構により間欠的に回転駆動される一対の送りローラ82a,82bを備える。包装シート61は送りローラ82a,82b間に挟持され、送りローラ82a,82bの間欠回転によって搬送される。また、送りローラ82a,82bに対して包装シート61の送り方向上流側には、一対のヒータローラ83a,83bを備える。個々のヒータローラ83a,83bは、円板状の送りヒートシール部材84と、下端に送りヒートシール部材84と同径のローラ部材85が一体に形成された薄い矩形板状の縦ヒートシール部材86とを備えている。送りヒートシール部材84,84は、送りローラ82a,82bと共通のモータを含む図示しない駆動機構で回転駆動される。縦ヒートシール部材86,86は送りヒートシール部84,84とは別の駆動機構で回転駆動される。両ヒータローラ83a,83bの送りヒートシール部材84,84間で包装シート61の側縁に長手方向のシール(横シール)が形成される。両ヒータローラ83a,83bの縦ヒートシール部材86,86により包装シート61を横切るシール(縦シール)が形成される。
【0064】
図19〜図24を併せて参照して展開ガイド65について詳細に説明する。展開ガイド65は、2つ折りされた包装シート61を展開してホッパ67のノズル部67aを挿入するための開口を形成する機能を有するガイド本体91と、このガイド本体91をブラケット92を介して保持フレーム71の正面側保持部71aに固定するための細長い板状の取付部93を備える。取付部93の貫通孔93a,93bにそれぞれ挿通したねじ(図示せず)によって展開ガイド65がブラケット92にねじ止めで固定される。
【0065】
展開ガイド65のガイド本体91は、包装シート61の折り目に沿って延びる主稜線94、主稜線94から広がっている包装シート61の搬送方向(図23及び図24の矢印A参照)から見て凸状の曲面であり、かつ主稜線94に対して対称である一対の展開ガイド面90a,90b、主稜線94の包装シート61の搬送方向Aの上流側の端部から主稜線94と連続して延びる副稜線95、及び副稜線95から広がっている包装シート61の搬送方向Aの上流側から見て凸状の曲面であり、かつ副稜線95に対して対称である一対の頂部面96a,96b、及び主稜線94の包装シート61の搬送方向下流側の端部から延びる展開ガイド面90a,90bの後端縁97a,97bを備える。包装シート61の搬送方向Aの上流側から見ると、ガイド本体91は包装シート61の搬送方向Aの下流側に向かって狭まる(包装シート61の搬送方向Aの上流側に向けて広がる)概ね滑らかな曲面状である。一方、包装シート61の搬送方向Aの下流側から見るとガイド本体91は凹状ないしは窪んだ形状であり、この窪みは図20にのみ模式的に示す閉鎖板98で閉鎖されて薬剤(特に散薬)がこの窪みに滞留しないようになっている。
【0066】
包装シート61の搬送方向Aから見ると、展開ガイド面90a,90bの外形は凸状の曲線であって、主稜線94から離れる程一対の展開ガイド面90a,90b間の間隔が広がっている(図21参照)。また、包装シートの搬送方向Aに対して直交すると共に主稜線94に対して正対する方向(図23及び図24の矢印B参照)から見ると、展開ガイド面90a,90bは外形が直線状であって、包装シート61の搬送方向Aの上流側から下流側に向けて展開ガイド面90a,90b間の間隔が狭まっている(図22参照)。
【0067】
展開ガイド65はかかる凸状の曲面からなる一対の展開ガイド面90a,90bを備え、かつガイドロッド81のうち包装シート61の搬送方向下流側の側縁が延びる方向と、展開ガイド65の主稜線94が延びる方向を一致させたことにより、2つ折りされた包装シート61を曲面で案内することで緩やかに変形ないしは展開させ、2つ折りされた包装シート61のそれぞれに均等に張力を作用させつつ、開口を形成できる。そのため、印刷部69を展開ガイド65及びヒートシール部68に対して近接して配置しても、ヒートシール部68で包装シート61に皺が発生するのを確実に防止できる。換言すれば、展開ガイド65の形状により、包装シート61に皺を発生させることなく、印刷部69からヒートシール部68までの距離を短縮できる。その結果、薬剤包装装置1の最初の起動時やロール62の交換時において、配索のみに使用されて薬剤の包装には使用されない無駄な包装シート61(印刷部からヒートシール部までの包装シート)の長さを最小限に短縮でき、ランニングコスト低減を図ることができる。また、印刷部69からヒートシール部68までの距離を短縮することで、装置の小型化を図ることができる。
【0068】
図23及び図24に最も明瞭に図示されているように、前述の展開ガイド65の後端縁97a,97bは、主稜線94との接続位置では主稜線94に対して鋭角である第1の角度θ1(例えば50°)をなし、主稜線94との接続位置以外の部位では主稜線に対して前記第1の角度θ1よりも大きい第2の角度θ2(例えば60°)をなす。
【0069】
かかる展開ガイド面90a,90bの後端縁97a,97bの形状により、薬剤の滞留防止と包装シート61の皺発生の確実な防止を両立できる。後端縁97a,97bと主稜線94の接続位置で両者が形成する第1の角度θ1を可能な限り小さく設定することで、展開ガイド面90a,90bの包装シート61の搬送方向Aの下流側の端部においてホッパ67のノズル部67aから導入された薬剤(特に散薬)が滞留するのを防止できる。一方、後端縁97a,97bと主稜線94の接続位置以外では両者の角度は第1の角度θ1よりも大きい第2の角度θ2であるので、展開ガイド面90a,90bの面積は包装シート61の皺を防止できる程度に充分広く設定できる。
【0070】
展開ガイド65の包装シート61の搬送方向Aの上流側の部分は、前述のように主稜線94と連続して延びる副稜線95と、この副稜線95に対して対称に広がる凸状の曲面である一対の頂部面96a,96bにより構成されている。頂部面96a,96bはそれぞれ展開ガイド面90a,90bに接続しており、展開ガイド面90a,90bと頂部面96a,96bとの接続部分には、展開ガイド面90a,90b及び頂部面96a,96bと連続する曲面である肩部99a,99bが形成されている。ホッパ67のノズル部67aから導入された薬剤(特に散薬)が吹き上がり等によって展開ガイドの頂部面96a,96bに降下しても、頂部面96a,96bは曲面であるので薬剤は頂部面96a,96bに滞積することなく包装シート61内へ落下する。
【0071】
保持フレーム71の側面側保持部71bに包装シート61のロール62、ガイドローラ73a,73b、及び印刷部69を配置する一方、正面側保持部71aにバックアップローラ79、ガイドロッド81、展開ガイド65、ホッパ67、及びヒートシール部68を配置している。そのため、図17に示すように、包装シート61のロール62、ガイドローラ73a,73b、印刷部69、バックアップローラ79、ガイドロッド81、展開ガイド65、ホッパ67、及びヒートシール部68をコンパクトに配置してハウジング6の収容室7内の空間を利用できる。換言すれば、薬剤包装装置1の小型化を図ることができる。一方、図18に示すように、ヒンジ機構72で保持フレーム71を回動させれば、包装ユニット4のほぼ全体をハウジング6から取り出した状態となり、かつ包装シート61のロール62や印刷部69をハウジング6の正面側に移動させて外部から簡単にアクセスかつ視認することができるので、ロール62の交換、インクリボンカートリッジ76の交換を含む印刷部69の保守等の各種作業の作業性が容易である。
【0072】
(第2実施形態)
次に、図25から図33を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、薬剤包装装置1のうち包装ユニット4のみが第1実施形態と異なり、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、及び薬剤排出部5の構成及び動作は第1実施形態と同様である。
【0073】
本実施形態における包装ユニット4は、錠剤供給ユニット2からホッパ67に供給される錠剤や、散薬供給ユニット3からホッパ67に供給される散薬が、ホッパ67内の壁面に付着等を起こして包装シート61に供給されることなくホッパ67に残留するのを防止する機構を備える。具体的には、本実施形態における包装ユニット4は、ホッパ67に振動を印加するホッパ側振動印加機構202と、展開ガイド65に振動を印加する展開ガイド側振動印加機構203とを備える。
【0074】
図25及び図28を参照すると、本実施形態におけるホッパ67は平面視で概ね長方形状の投入開口67bを備え、この投入開口67bからノズル部67aに向けて斜め下向きに延びる4つの内側傾斜壁面67c,67d,67e,67fを備えている。これらの内側傾斜壁面67c〜67fで囲まれた空間は、仕切板部67gにより仕切られている。図28においてこの仕切板部67gよりも左側の空間に錠剤供給ユニット2から錠剤が供給され、右側の空間に散薬供給ユニット3から散薬が供給される。投入開口67bのうち散薬供給ユニット3から散薬が供給される部分の平面視での面積を広く確保するために、4つの内側傾斜壁面67c〜67fのうち、図28において仕切板部67gの右側の内側傾斜壁面67cは残りの3つの内側傾斜壁面67d〜67fよりも傾斜角度を小さく設定している。具体的には、内側傾斜壁面67d〜67fの傾斜角度が75〜85°程度に設定されているのに対して、内側傾斜壁面67cの傾斜角度は35〜40°程度に設定されている。内側傾斜面67eの傾斜角度は64°に設定されている。
【0075】
また、本実施形態におけるホッパ67は、後述するホッパ側振動印加機構202のホッパ保持部206に保持される被保持部67hを備える。この被保持部67hは内側傾斜壁面67fの外側の投入開口67b付近に設けられている。この被保持部67hは下端面に凹部67iが形成された細長いブロック状であり、一端側(図28におい左側)に傾斜した被保持面67jが形成され、他端側に突起67kが形成されている。被保持部67hと対向する内側傾斜壁面67dの外側の投入開口67b付近には、作業者がホッパ67を手に持つための摘み部67mが設けられている。
【0076】
図25から図28を参照すると、ホッパ側振動印加機構202は、保持フレーム71に対してブラケット204を介して固定された樹脂製の保持構造205を備える。保持構造205は水平方向に延びる細長いホッパ保持部206を備える。ホッパ67は、平面視で投入開口67bの長手方向(内側傾斜面67d,67fの上端縁が延びる方向)がホッパ保持部206の長手方向と一致する姿勢で、ホッパ保持部206に保持される。ホッパ67の被保持部67hを着脱可能に保持するために、ホッパ保持部206は図28において右端よりもやや中央よりに上向きに突出する逆L字状のフック部206aを備え、左端付近の上部にロック機構206bを備える。ロック機構206bは水平方向の軸線周りに回動可能(矢印D参照)の操作レバー206cを備える。また、ロック機構206bは、操作用レバー206cよりもホッパ保持部206aの中央側に配置され、同様に水平方向の軸線周りに回動可能(矢印E参照)ロックレバー206dを備える。
【0077】
ホッパ67の被保持部67fがホッパ保持部206上に取り外し可能に固定される。図28に示すように、ホッパ67がホッパ保持部206に固定された状態では、被保持部67fの突起67kがホッパ保持部206のフック部206aの下側に嵌り込み、被保持面67jがロックレバー206dの保持面206gで押さえ付けられている。ロックレバー206dは、保持面206gと反対側の被固定部206eが操作レバー206cの固定部206fに係止されることで、回動不可の状態で保持される。操作レバー206cの摘み部206hを操作して図28において反時計方向に回動させると、操作レバー206cの固定部206fがロックレバー206dの被固定部206eから外れる。その結果、ロックレバー206dは回動自在となって保持面206gによる被保持面67jの押圧が解除されるので、ホッパ保持部206に対してホッパ67の被保持部67hを着脱可能となる。ホッパ保持部206にホッパ67を着脱可能に取り付ける態様は、ある程度強固にホッパ67をホッパ保持部206に対して固定できる限り、本実施形態のものに限定されない。例えば、マグネットによる固定、ねじ止め等によってホッパ67をホッパ保持部206に着脱可能に取り付けてもよい。
【0078】
ホッパ保持部206の図28において右側端部の下側に振動モータ保持部207が設けられている。振動モータ保持部207は内部に振動モータ208が保持する筒状の本体207aと、この本体207aとホッパ保持部206の下面とを連結する連結部207bとを備える。振動モータ208はいわばホッパ保持部206の一端の下面側に懸架された状態で保持されている。
【0079】
振動モータ208は少なくとも動作開始と停止が電気的に制御できるものであれば、その形式は特に限定されない。本実施形態における振動モータ208は直流モータの回転軸に分銅を固定してケーシング内に内蔵した形式のものを使用している。後述する振動モータ211も振動モータ208と同様の形式のものを使用している。
【0080】
保持構造205は、上端側がホッパ保持部206に連結される一方、下端側がブラケットにねじ止めで固定された2つの板ばね部209a,209bを備える。平面視では、板ばね209a,209bは、ホッパ保持部206から真下(鉛直方向下向き)に延びている。また、側面視では、板ばね部209a,209bは、下端側ほど振動モータ保持部207(振動モータ208)から離れるように、ホッパ保持部206から斜め下向きに互いに平行に延びており、ホッパ保持部206の長手方向に間隔をあけて配置されている。板ばね部209a,209bの水平方向に対する傾斜角度θは例えば80°前後に設定される。板ばね部209a,209bは下端側が固定端で上端側が自由端の片持ち梁の態様で撓み、この撓みにより板ばね部209a,209bの上端が変位すると、それに伴ってホッパ保持部206が変位する。
【0081】
振動モータ208が作動して発生する振動は保持構造205を介してホッパ67に伝達される。この振動により、錠剤供給ユニット2から供給された錠剤や、散薬供給ユニット3から供給された散薬は、ホッパ67の内側傾斜壁面67c〜67fに付着することなく、投入開口67bからノズル部67aへ速やかに移動して展開ガイド65により展開された二つ折りの包装シート61の開口に導入される。従って、このようにホッパ67に薬剤(特に散薬)が付着して残留するのを効果的に防止することで、コンタミネーションをなくすことができる。また、ホッパにソレノイド等で打撃を加える場合に発生する音と比較すると、振動印加により生じる音は音量が小さく、作業者に不快感を与えず、作業者が故障発生を誤認することがない。
【0082】
前述の構造とした本実施形態における保持構造205は、図28において矢印Hで示すように、最も傾斜の緩やかな内側傾斜面67c上を散薬が移動する移動方向Fと重力方向Gを含む平面内(図28では紙面そのもの)において、上端側ほど内側傾斜面67cから離れる楕円状の軌道で前記ホッパ67が振動するように、振動モータ208が発生する振動をホッパ67に伝達する。ホッパ67の振動の楕円状の軌道Hの長軸Mは、板ばね部209a,209b(傾斜角度θ)に対して直交し、内側傾斜面67c上を自重により散薬が移動する移動方向Fとのなす角度θは90度には満たないが比較的大きな角度(45度以上90度未満程度)である。かかる楕円状の軌道の振動を与えることにより、傾斜の緩やかな内側傾斜面67c上の散薬を投入開口67bからノズル部67aへ向けて効率的に移動させることができ、付着による残留を確実に防止できる。また、振動モータ208は内側傾斜面67cの上端近傍に位置しているので、振動モータ208が発生する振動が効率的に内側傾斜面67cに伝達され、内側傾斜面67c上の薬剤の移動を促進する。
【0083】
図29及び図30を参照すると、展開ガイド側振動印加機構203は展開ガイド65内に内蔵された振動モータ(第2の振動源)211を備える。展開ガイド65の内部には放射状に延びる複数のリブ212が設けられており、これらのリブ212によって振動モータ211が展開ガイド65に固定されている。従って、振動モータ65が発生する振動は直接的に展開ガイド65に伝達される。ホッパ67のみでなく展開ガイド65にも展開ガイド側振動印加機構203で振動を印加することにより、二つ折りにした包装シート61内での薬剤(特に散薬)の移動ないし流れが円滑となるので、ホッパ67に薬剤が付着し残留するのをより確実に防止できる。
【0084】
以下、コントローラ11によるホッパ側振動印加機構202と展開ガイド側振動印加機構203の制御について説明する。本実施形態では、ホッパ側振動印加機構202と展開ガイド得側振動印加機構203は同期して動作し、常にホッパ側振動印加機構202と展開ガイド側振動印加機構203は同時に作動し同時に停止する。ただし、ホッパ側振動印加機構202と展開ガイド得側振動印加機構203が互いに独立して動作してもよい。以下の説明では、特に区別する必要がない場合、ホッパ側振動印加機構202と展開ガイド得側振動印加機構203を振動印加機構202,203と総称する。
【0085】
まず、振動印加機構202,203は、ヒータローラ83a,83bの縦ヒートシール部86,86(例えば図12,15参照)の先端が互いに突き合って包装シート61を挟み込む状態、すなわち縦ヒートシール部86,86が縦シールを形成する位置となった後、所定時間後に作動を開始する。また、振動印加機構202,203の作動継続時間は分包速度に応じて設定される。送りローラ82a,82b(例えば図12,15参照)による包装シート61の送り速度は、散薬分包中よりも錠剤分包中の方が速い、そのため縦ヒートシール部86,86が縦シールを形成する位置となった時点から振動印加機構202,203が作動を開始するまでの時間は、散薬分包中よりも錠剤分包中の方が短く設定されている。また、散薬分包中と錠剤分包中のいずれについても、包装シート61の送り速度が遅い程振動印加機構202,203が作動を開始するまでの時間は長く設定される。なお、一つの処方中に散薬と錠剤の両方が含まれる場合(錠散同時分包)の振動印加機構202,203の作動タイミングと作動継続時間は、散薬分包中と同様に設定される。
【0086】
一つの処方内で錠剤を分包する薬包と散薬を分包する薬包が混合する場合(混合分包)、コントローラ11は散薬を分包する薬包については散薬分包中と同様のタイミングと作動継続時間で振動印加機構202,203を作動させ、錠剤を分包する薬包については錠剤分包中と同様のタイミングと作動継続時間で振動印加機構202,203を作動させる。ホッパ67に付着して残留した散薬が錠剤を分包する薬包中に混入するのを確実に防止するため、コントローラ11は混合分包中にいったん散薬を分包する薬包が形成された後、錠剤を分包する薬包の作成中は振動印加機構202,203を作動させずに停止状態で維持する。図31は混合分包中の振動印加機構202,203の動作を模式的に示す。この例は、分3で「朝」と「昼」に錠剤を服用し、「夕」に服用するのが散薬である。模式的に示した薬包215の下側に表示した記号のうち「○」が振動印加機構202,203を動作させることを示し、「×」が振動印加機構202,203を停止状態で維持することを示す。1包目及び2包目の薬包215は錠剤であるが、同一処方内で散薬を一度も包装していない。従って、1包目及び2包目の薬包215は錠剤であっても散薬の場合と同様に振動印加機構202,203を動作させる。3包目の薬包215は同一処方内で最初に散薬を分包する薬袋であり、3包目の薬包215を形成中も振動印加機構202,203を動作させる。3包目よりも後で錠剤を分包する4、5、7、8包目の薬包215の作成時に振動印加機構202,203には停止状態で維持され、散薬を分包する6包目と9包目の薬袋215の形成中は振動印加機構202,203が動作する。
【0087】
図32及び図33を参照すると、連続する薬包を処方毎に分離するために薬剤を包装しない空の薬包(ロス袋216)を設け、このロス袋216をカッタ機構201によって切断する。このロス袋216に薬剤(特に散薬)が混入していると、カッタ機構201で切断された際に混入した薬剤が装置内に流出してコンタミネーションを生じる。そのため、コントローラ11は入力された処方情報に基づいてロス袋216を作成中であると判断すると、振動印加機構202,203を停止状態で維持する。図32の例では1包目のロス袋216が、図33の例では2包目のロス袋216がカッタ機構201による切断対象となるので、これらのロス袋216の作成時には振動印加機構202,203は停止状態で維持される。
【0088】
(第3実施形態)
次に、図34から図39を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。この第3実施形態は、ホッパ67の被保持部67と、ホッパ側振動印加機構202の構造が第2実施形態とは異なる。
【0089】
図39を参照すると、本実施形態におけるホッパ67の被保持部67は、被保持部67hは内側傾斜壁面67fの外側の投入開口67b付近に設けられたそれぞれブロック状の第1及び第2部分67n,67pから構成される。第1部分67の一端側(図39におい左側)には傾斜した被保持面67qが形成され、他端側に突起67rが形成されている。第2部分67pの一端側(図39において右側)にも突起67sが設けられている。
【0090】
本実施形態のホッパ保持機構202が備える保持構造205は、ホッパ保持部206とは別体の基部307を備える。ホッパ保持部206と基部307は上下両端がねじ止めされた別体の板ばね308a,308bにより互いに連結されている。平面視では、板ばね308a,308bは、ホッパ保持部206から真下(鉛直方向下向き)に延びている。また、側面視では、板ばね308a,308bは、下端側ほど振動モータ保持部207(振動モータ208)から近接するように、ホッパ保持部206から斜め下向きに互いに平行に延びており、ホッパ保持部206の長手方向に間隔をあけて配置されている。板ばね308a,308bの水平方向に対する傾斜角度θは例えば80°前後に設定される。板ばね308a,308bは下端側が固定端で上端側が自由端の片持ち梁の態様で撓み、この撓みにより板ばね308a,308bの上端が変位すると、それに伴ってホッパ保持部206が変位する。
【0091】
前述の構造とした本実施形態における保持構造205は、図39において矢印Hで示すように、最も傾斜の緩やかな内側傾斜面67c上を散薬が移動する移動方向Fと重力方向Gを含む平面内(図39では紙面そのもの)において、上端側ほど内側傾斜面67cから離れる楕円状の軌道で前記ホッパ67が振動するように、振動モータ208が発生する振動をホッパ67に伝達する。ホッパ67の振動の楕円状の軌道Hの長軸Mは、板ばね308a,308b(傾斜角度θ)に対して直交し、内側傾斜面67c上を自重により散薬が移動する移動方向Fとのなす角度θが45度よりも十分に小さい鋭角(5°から15°程度)である。かかる楕円状の軌道の振動を与えることにより、傾斜の緩やかな内側傾斜面67c上の散薬を投入開口67bからノズル部67aへ向けて効率的に移動させることができ、付着による残留を確実に防止できる。第2実施形態のように角度θが比較的鈍い角度である場合と比較すると、角度θを十分に小さい鋭角に設定することで、内側傾斜面67c上の散薬の移動速度をより高めることができる。また、振動モータ208は内側傾斜面67cの上端近傍に位置しているので、振動モータ208が発生する振動が効率的に内側傾斜面67cに伝達され、内側傾斜面67c上の薬剤の移動を促進する。
【0092】
本実施形態におけるホッパ保持部206は、上向きに突出する逆L文字状のフック部306a,306bを備える。また、ホッパ保持部206にはロック機構306cとして可能する回動可能なレバー306dを備える。図39のように、ホッパ67がホッパ保持部306に固定された状態では、被保持部67の突起67r,67sがフック部306a,306bに下側に嵌り込み、被保持面67qがレバー306dの保持面306eで押さえ付けられる。レバー306dを図39において時計方向に回動させると、レバー306dの保持面306eが被保持面67qから外れ、ホッパ保持部206に対してホッパ67を着脱可能となる。
【0093】
第3実施形態のその他の構成及び作用は第2実施形態と同様である。第2及び第3実施形態のホッパ側振動印加機構202と展開ガイド側振動印加機構203を採用する上で、包装シート61の供給形態は特に限定されない。具体的には、包装シート61は二つ折りしない状態でロール62に巻回状態で保持され、ロール62から巻き出された後に二つ折りされてもよい。また、図25から図33では図示されていないが、展開ガイド65の内部には第2実施形態と同様に、展開ガイド側振動印加機構が収容されている。
【0094】
(第4実施形態)
図40から図44を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。この第4実施形態では、薬剤包装装置1の包装ユニット4が備える展開ガイド65の構造が第1から第3実施形態と相違する。また、第4実施形態ではガイドロッド81に代えて3本のガイドローラb,401b,401cが設けられており、これらのガイドローラ401a〜401cにより包装シート61の搬送方向が展開ガイド65の直前で湾曲されている。3本のガイドローラ401a〜401cのうち最も展開ガイド65側のガイドローラ401aの先端上部には上向きに突出する小径円柱状の突起410が設けられている。この突起410には包装シート61の蛇行や脱落を防止する機能がある。ガイドローラ401aの部分で包装シート61の搬送方向が斜め下向きに湾曲しているので、突起410を設けることで包装シート61の蛇行や脱落を効果的に防止できる。また、この突起410の小径円柱状の周面が包装シート61に接触するので包装シート61に対する接触抵抗は極めて小さい。
【0095】
図42に最も明瞭に表れているように、本実施形態では、展開ガイド65が備える一対の肩部99a,99bのうち、主稜線94に対して包装シート61の搬送方向の湾曲の内側(正面側保持部71を正面から見た場合には奥側)の肩部99が、主稜線94に対して湾曲の外側(正面側保持部71を正面から見た場合には手前側)の肩部99よりも、主稜線94に対して2〜4mm程度(本実施形態では3mm程度)膨出している。このように肩部99bを膨出させたことにより、この肩部99bとつながる奥側の展開ガイド面90bと頂部面96bも、手前側の展開ガイド面90aや頂部面96bよりも膨出している。また、奥側の肩部99bと展開ガイド面90bの接続位置405bは、手前側の肩部99aと展開ガイド面90aの接続位置405aよりも後端縁97a,97b側に位置している。ただし、後端縁97a,97bにおいて奥側の展開ガイド面90bが主稜線94に対してなす角度は、手間側の展開ガイド面90aが主稜線94に対してなす角度とほぼ等しい。言い換えれば、主稜線94の後端付近では展開ガイド91の形状の対称性が確保されている。
【0096】
二つ折りされた包装シート61の搬送方向がガイドローラ401a〜401bで湾曲されているが、この湾曲部分よりも下流側では、湾曲の内側(正面側保持部71を正面から見た場合には奥側)の包装シート61(二つ折りのうちの一方)に作用する張力が、湾曲の外側(正面側保持部71を正面から見た場合には手前側)の包装シート61(二つ折りのうちの他方)に作用する張力よりも弱くなる傾向がある。この内側と外側での張力の不均衡により、湾曲の内側の包装シート61には弛みが生じやすく、この弛みは二つ折りされた包装シート61の両側縁(いわゆる「耳」)が揃わない状態(いわゆる「耳ずれ」)の原因となる。展開ガイド91及びガイドローラ401a〜401cよりも上流側に位置する印刷部69の熱転写ヘッド78等の接触抵抗も、内側の包装シート61と外側の包装シート61との間での張力の不均衡を助長する傾向がある。
【0097】
しかし、本実施形態における展開ガイド91は、奥側の肩部99b、展開ガイド面90b、及び頂部面90bが、手前側の肩部99a、展開ガイド面90a、及び頂部面90aよりも膨出した形状であるので、主稜線94、両方の肩部99a,99b、並びに両方の展開ガイド面90a,90bが包装シート61に接触する部分で包装シート61に作用する張力が均衡している。特に、肩部99a,99bと主稜線94の後端付近の3箇所が包装シート61に接触することにより包装シート61に作用する張力が均衡している。その結果、二つ折りの包装シート61の両方に均一に張力が作用し、包装シート61は二つ折りの両側縁が揃った状態(いわゆる「耳が揃った」状態)で展開ガイド91により包装シート61を展開では、皺の発生をより確実に防止できる。
【0098】
第4実施形態のその他の構成及び作用は第3実施形態と同様である。図40から図44には図示されていないが、展開ガイド65の内部には第2実施形態と同様に、展開ガイド側振動印加機構が収容されている。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1実施形態に係る薬剤包装装置の外観を示す前面側から見た斜視図(封鎖カバーは閉鎖位置と開放位置の中間位置にある。)。
【図2】本発明の第1実施形態に係る薬剤包装装置の外観を示す前面側から見た斜視図(封鎖カバーは閉鎖位置にある。)。
【図3】コントロールパネルの正面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る薬剤包装装置の構成を示すブロック図。
【図5A】シャッタが閉鎖された状態の錠剤供給ユニットの部分断面図。
【図5B】シャッタ開放中の錠剤供給ユニットの部分断面図。
【図5C】シャッタが開放された状態の錠剤供給ユニットの部分断面図。
【図6】錠剤収容部を示す斜視図。
【図7】図6の部分拡大図。
【図8A】封鎖カバー及び保護カバーを閉鎖した状態の錠剤供給ユニットの部分断面図。
【図8B】封鎖カバーを開放した状態の錠剤供給ユニットの部分断面図。
【図8C】封鎖カバーを閉鎖した状態の錠剤供給ユニットの部分断面図。
【図8D】封鎖カバーが半開の状態の錠剤供給ユニットの部分断面図。
【図9A】封鎖カバーを開放した状態の錠剤供給ユニットを示す平面図。
【図9B】封鎖カバーを閉鎖した状態の錠剤供給ユニットを示す平面図。
【図10】錠剤払出部の分解斜視図。
【図11】錠剤供給ユニットの動作を説明するためのフローチャート。
【図12】包装ユニットを側面上方から見た斜視図。
【図13】包装ユニットを前面上方から見た斜視図。
【図14】包装ユニットの正面図。
【図15】包装ユニットの側面図。
【図16】包装ユニットの平面図。
【図17】包装ユニットが収容位置にある状態の薬剤包装装置を示す断面図。
【図18】包装ユニットが取出位置にある状態の薬剤包装装置を示す断面図。
【図19】展開ガイドを上方から見た斜視図。
【図20】展開ガイドを背面側から見た斜視図。
【図21】展開ガイドの平面図。
【図22】展開ガイドの正面図。
【図23】展開ガイドと包装シートの関係を示す側面図。
【図24】展開ガイドと包装シートの関係を示す側面図。
【図25】本発明の第2実施形態に係る薬剤包装装置の包装ユニットを示す部分斜視図。
【図26】ホッパを取り外した状態の包装ユニットを示す部分斜視図。
【図27】ホッパを取り外した状態の包装ユニットを示す部分正面図。
【図28】ホッパ側振動印加機構を示す模式的な正面図。
【図29】展開ガイド側振動印加機構を示す部分斜視図。
【図30】展開ガイド側振動印加機構を示す部分断面側面図。
【図31】薬包毎の振動印加機構の動作の有無の一例を示す模式図。
【図32】ロス袋が2つある場合の振動印加機構の動作の有無を説明するための模式図。
【図33】ロス袋が3つある場合の振動印加機構の動作の有無を説明するための模式図。
【図34】本発明の第3実施形態に係る薬剤包装装置の包装ユニットを示す部分斜視図(ホッパを取り付けた状態)。
【図35】本発明の第3実施形態に係る薬剤包装装置の包装ユニットを示す部分斜視図(ホッパを取り外し状態)。
【図36】ホッパを取り外した状態の包装ユニットを示す平面図。
【図37】ホッパを取り外した状態の包装ユニットを示す右側面図。
【図38】図36のXXXVIII−XXXVIII線での断面図。
【図39】展開ガイド側振動印加機構を示す部分斜視図。
【図40】本発明の第4実施形態に係る薬剤包装装置が備える包装ユニットの右側面図。
【図41】展開ガイドを上方から見た斜視図。
【図42】展開ガイドの平面図。
【図43】展開ガイドの正面図。
【図44】展開ガイドの側面図。
【図45】従来の薬剤包装装置における展開ガイド周辺の構造を示す模式図。
【図46】従来の薬剤包装装置におけるホッパのノズル部周辺の構造を示す模式的な平面図。
【符号の説明】
【0100】
1 薬剤包装装置
2 錠剤供給ユニット
3 散薬供給ユニット
4 包装ユニット
5 薬剤排出部
6 ハウジング
7 収容室
8 カバー
9 コントロールパネル
9a 錠剤ボタン
9b LED
9c 包装表示部
9d スタートボタン
11,12,13 コントローラ
21 錠剤収容室
21a 錠剤投入開口
21b 錠剤通過開口
22 錠剤収容部
23 錠剤払出部
24a,24b 隔壁
25 封鎖カバー
26 保護カバー
27,28,29,30 センサ
27a,28a 磁性体
27b,28b センサ本体
32 表示
34 上側シャッタ板
34a 係止部
35 下側シャッタ板
35b 係止部
36 払出部材
37 固定板
38,39 仕切部
41 錠剤通過孔
42 錠剤払出室
43 底板
44 ピン
45 錘
48 落下口
51 V枡
61 包装シート
62 ロール
63 シート供給部
65 展開ガイド
67 ホッパ
67a ノズル部
67b 投入開口
67c〜67f 内側傾斜壁面
67g 仕切板部
67h 被保持部
67i 凹部
67j 被保持面
67k 突起
67m 摘み部
68 ヒートシール部
69 印刷部
71 保持フレーム
71a 正面側保持部
71b 側面側保持部
72 ヒンジ機構
73a,73b ガイドローラ
75 インクリボン
76 インクカートリッジ
77 付勢ローラ
78 熱転写ヘッド
79 バックアップローラ
81 ガイドロッド
82a,82b 送りローラ
83a,83b ヒータローラ
84 送りヒートシール部材
85 ローラ部材
86 縦ヒートシール部材
90a,90b 展開ガイド面
91 ガイド本体
92 ブラケット
93 取付部
93a,93b 貫通孔
94 主稜線
95 副稜線
96a,96b 頂部面
97a,97b 後端縁
98 閉鎖板
99a,99b 肩部
100A,100B ピン機構
101,102 包数表示部
201 カッタ機構
202 ホッパ側振動印加機構
203 展開ガイド側振動印加機構
204 ブラケット
205 保持構造
206 ホッパ保持部
206a,306a,306b フック部
206b ロック機構
206c 操作レバー
206d ロックレバー
206e 被固定部
206f 固定部
206g 保持面
206h 摘み部
207 振動モータ保持部
207a 本体
207b 連結部
208 振動モータ
209a,209b 板ばね部
211 振動モータ
212 リブ
215 薬包
216 ロス袋
308a,308b 板ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って二つ折りされた細長い包装シートの開口から薬剤を導入する薬剤導入部と、前記導入された薬剤を閉じ込めるように前記包装シートをシールするヒートシール部と備える薬剤包装装置において、
前記薬剤導入部は、薬剤が投入される投入開口を上部に有し、前記二つ折りされた前記包装シートの開口に挿入されて前記薬剤を前記包装シート内に導入するノズル部を下部に有するホッパを備え、
前記ホッパに振動を付加する第1の振動印加機構をさらに備える、薬剤包装装置。
【請求項2】
前記第1の振動印加機構は、第1の振動発生源と、前記第1の振動発生源及び前記ホッパを保持する保持構造とを備える、請求項1に記載の薬剤包装装置。
【請求項3】
散薬供給部をさらに備え、
前記ホッパは、前記投入開口から前記ノズル部に向けて斜め下向きに延び、かつ前記散薬供給部から前記投入開口を介して投入された散薬を前記ノズル部に向けて搬送するための傾斜面を少なくとも1つ備え、
前記保持構造は、前記傾斜面上を重力により前記散薬が移動する移動方向と重力方向とを含む平面内において、上方側ほど前記傾斜面から離れる楕円状の軌道で前記ホッパが振動するように、前記第1の振動発生源の振動を前記ホッパに伝達する、請求項2に記載の薬剤包装装置。
【請求項4】
前記ホッパの振動の楕円状の軌道の長軸と、前記傾斜面上を自重により前記散薬が移動する前記移動方向とのなす角度が鋭角である、請求項3に記載の薬剤包装装置。
【請求項5】
前記保持構造は、
前記ホッパを保持するホッパ保持部と、
前記ホッパ保持部の一端側に設けられた前記第1の振動発生源を保持する振動源保持部と、
上端側が前記ホッパ保持部に連結される一方下端側が固定され、かつ下端側ほど前記振動源保持部に接近するように前記ホッパ保持部から斜め下向きに延びる板ばね部と
を備える、請求項4に記載の薬剤包装装置。
【請求項6】
前記振動源保持部は、
前記ホッパ保持部の前記一端側から下向きに延びる連結部と、
前記連結部の下端に設けられて前記第1の振動発生源が収容された本体と
を備える、請求項5に記載の薬剤包装装置。
【請求項7】
前記第1の振動発生源が収容された前記本体は、前記ホッパの前記傾斜面の上端に隣接して位置する、請求項6に記載の薬剤包装装置。
【請求項8】
前記展開ガイドに振動を付加する第2の振動印加機構をさらに備える、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の薬剤包装装置。
【請求項9】
前記第2の振動印加機構は前記展開ガイドの内部に固定された第2の振動発生源を備える、請求項10に記載の薬剤包装装置。
【請求項10】
前記ヒートシール部は前記包装シートを挟み込むヒートシール部材を備え、
前記ヒートシール部が予め定められた状態となると所定時間の間前記第1及び第2の振動発生源を作動させるコントローラをさらに備える、請求項9に記載の薬剤包装装置。
【請求項11】
前記コントローラは、入力された処方情報に基づいて作成中の薬包の前記薬剤が散薬であるか錠剤であるかを判断し、前記作成中の薬包が前記散薬の場合には前記錠剤の場合よりも前記第1及び第2の振動発生源を作動させる時間を長く設定する、請求項10に記載の薬剤包装装置。
【請求項12】
前記コントローラは、入力された処方情報に基づいて同一処方内に前記散薬を包装する薬包の後に前記錠剤のみを包装する薬包があるか否か判断すると、前記錠剤のみの薬包を作成中は前記第1及び第2の振動発生源を停止状態で維持する、請求項10に記載の薬剤包装装置。
【請求項13】
前記コントローラは、入力された処方情報に基づいて前記薬剤を包装しない空の薬包を作成中であると判断すると、前記第1及び第2の振動発生源を停止状態で維持する、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の薬剤包装装置。
【請求項14】
装置本体内の収容室に配置され、前記装置本体の正面側に広がる正面側保持部と、この正面側保持部の一方の側端側から背面側に延びる側面側保持部と、前記正面側保持部の他方の側端側を前記装置本体に対して回動可能に連結する回動連結部とを有する保持フレームをさらに備え、
前記シート供給部は、前記ロールから巻き出された前記包装シートを案内するシートガイド機構を備え、
前記ロールと、前記印刷部と、前記シートガイド機構の一部とが前記保持フレームの前記側面側保持部に配置され、
前記シートガイド機構の残りの部分と、前記展開ガイドと、前記薬剤導入部と、前記ヒートシール部とが前記保持フレームの前記正面側保持部に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の薬剤包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2009−40506(P2009−40506A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235074(P2008−235074)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【分割の表示】特願2007−286186(P2007−286186)の分割
【原出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】