説明

表示方法と表示装置、該表示装置を備えた全自動検査装置

【課題】複数の処理工程における複数のジョブを処理可能な装置での検査処理の進行状況が一目でわかるように表示し、かつ、複数のジョブが並行で処理されている様子を把握可能であり、指示や警告を確実にユーザへ伝えることの出来る、表示方式を実現する。
【解決手段】複数の処理工程の各々に対応したインデックスを設け、インデックスの表示状態を変更することで、対応する処理工程が実行中であることを表し、前記インデックスとは別の領域に配置した情報表示領域において処理中のジョブの情報を表示し、処理工程の進行に従って、実行中の処理工程に対応する前記インデックスの表示状態を変更して、処理工程が進行したことを示し、ジョブに対応したインデックスを選択することで、情報表示領域に該ジョブの情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の処理工程を有する装置の表示装置と表示方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
遺伝子DNAの塩基配列の解析、あるいは、同時に多項目の遺伝子診断などを行う際、目的とする塩基配列を有するDNAを複数種のプローブを用いて検出することが必要となる。
【0003】
この選別作業に利用されるプローブ複数種を提供する手段として、DNAチップが注目を浴びている。(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、薬剤等のハイスループット・スクリーニングやコンビナトリアル・ケミストリーにおいても、対象となるタンパク質や、薬物の溶液を多数並べ、秩序立ったスクリーニングを行うことが必要となる。
【0005】
薬物の種類としては、96種、384種、1536種などが実際に用いられる。
【0006】
その目的で多数種の薬剤を配列するための手法、その状態での自動化されたスクリーニング技術、専用の装置、一連のスクリーニング操作を制御し、また結果を統計的に処理するためのソフトウェア等も開発されてきている。
【0007】
これら並列的なスクリーニング作業は、基本的に、評価すべき物質に対して、選別する手段となる既知のプローブを多数並べてなる、いわゆるプローブ・アレイを利用する。
【0008】
プローブ・アレイを利用することで、同じ条件の下、プローブに対する作用、反応などの有無を検出するものである。
【0009】
一般的に、どのようなプローブに対する作用、反応を利用するかは予め決定されている。
【0010】
従って、ひとつのプローブ・アレイに搭載されるプローブ種は、例えば、塩基配列の異なる一群のDNAプローブなど、大きく区分すると一種類の物質である。
【0011】
すなわち、一群のプローブに利用される物質は、例えば、DNA、タンパク質、合成された化学物質(薬剤)などである。多くの場合、一群をなすプローブ複数種からなるプローブ・アレイを用いることが多い。
【0012】
しかし、スクリーニング作業性質によっては、プローブとして、同一の塩基配列を有するDNA、同一のアミノ酸配列を有するタンパク質、同一の化学物質を多数点並べ、アレイ状とした形態を利用することもあり得る。
【0013】
これらは主として薬剤スクリーニング等に用いられる。
【0014】
一群をなすプローブ複数種からなるプローブ・アレイでは、具体的には、異なる塩基配列を有する一群のDNA、異なるアミノ酸配列を有する一群のタンパク質、あるいは異なる化学物質の一群が用いられる。
【0015】
その一群を構成する複数種を、所定の配列順序に従って、アレイ状に基板上などに配置する形態をとることが多い。
【0016】
なかでも、DNAプローブ・アレイは、遺伝子DNAの塩基配列の解析や、同時に、多項目について、信頼性の高い遺伝子診断を行う際などに用いられる。
【0017】
プローブを使用した遺伝子等の解析方法は、まず被検体から標的高分子を抽出した後、必要に応じて増幅処理を行う。この時、標的高分子に蛍光等の検出可能な標識を貼付する。
【0018】
その標的高分子をプローブへハイブリダイゼーション反応により結合させ、標識を検出することでプローブへの反応を判定する。
【0019】
たとえば、複数種類の菌やウイルスなどの特異的な塩基配列のDNAプローブを用いた場合、被検体にどの菌やウイルスが含まれているかが判定でき、治療に役立てることができる。
【0020】
人からのDNAの抽出工程は、目的とするDNAによって異なるが、例えば検体が血液の場合、溶解処理を行い、必要であれば細胞破砕を行う。
【0021】
菌の有無を検査する場合は、血液培養により増殖させる手法がある。
【0022】
また、最近では、溶解処理を行った後に、シリカコート処理を施した磁性粒子にDNAを吸着させ、磁石により磁性粒子を収集して余分な成分を除去する、磁性分離によるDNAのみの捕集方法が採られている。
【0023】
人の検体から抽出されたDNAは、そのほとんどがヒトゲノムであり、例えば細菌など微量なDNAを、そのままで検出することは困難である。
【0024】
そこで、抽出DNAを増幅させる手法として、PCR法(Polymerase Chain Reaction Method)が一般的に用いられている(非特許文献1参照)。
【0025】
これは増幅する目的のDNAに対して相補的なプライマと、酵素等を検体と混合し、ヒートサイクルをかけることで、2のべき乗倍にDNAを増幅させる手法である。
【0026】
増幅処理の後、前記抽出工程と同様の精製工程を行う。その後に、検出が可能なように、蛍光標識をつけたプライマを用いて再度ヒートサイクルをかけることで、蛍光標識付きのDNA断片を得ることが出来る。
【0027】
続いてプローブとの結合反応となる。ハイブリダイゼーションと呼ばれるこの工程では固相反応が一般的であり、上述したDNAチップ法が用いられている。
【0028】
蛍光標識済みのDNAと反応試薬を混合して、DNAチップ上に導入し、反応させる。
【0029】
ハイブリダイゼーション反応の終わったDNAチップを、蛍光の励起光検出をし、DNAチップ上のアレイ状に配置されたプローブのどのプローブの位置から蛍光が検出されるかで、DNAの存在の有無や、量を判定することが出来る。
【0030】
これらの工程は、各々、様々な手法の元に自動化されて、医療機関や研究機関において実用化されている。
【0031】
これらの工程間における、試薬の混合や装置へのセッティングなどは未だに人の手に頼るところが多く、数多くの検体試験を行う際に、時間と手間が膨大になっているのが実情である。
【0032】
そこで最近、これらの工程を全自動で行う、全自動DNA検査装置が作製されつつある。
【0033】
この検査装置に求められるものは、検査時間短縮とユーザビリティである。検査時間の短縮については、プロセスに依存するところが大きく、これについては様々な新しい手法が提案されてきている。
【0034】
一方、ユーザビリティについても、試薬や検体のハンドリングや廃棄方法について、安全かつ簡便な方法が考えられつつある。ユーザビリティのもう1つの観点として、表示装置における表示内容が挙げられる。
【0035】
前記4つの工程を複数の検体に対して逐次処理を行い、多数の検体を並行して処理を行う検査装置においては、現在どの検体に対してどの工程が行われているのかを、ユーザが一目で判断できるようにすることは、重要な役割となる。
【0036】
しかし、表示装置を大型化することや、ユーザに複雑な操作を要求することは好ましくない。
【0037】
表示内容に関して、電子フォームの設定項目を対話形式で表示していく方式が提案されている(特許文献2参照)。また、サンプルに関する処理工程等の情報を容易に確認可能な表示方法について開示されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−17166
【特許文献2】特開平11−232366
【特許文献3】特開2003−050242
【非特許文献1】Science Vol.230, P1350−1354 (1985)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
全自動DNA検査装置は、検査するDNAごとに試薬やDNAチップなどのコンテンツを用意することで、多様な検査を行うことが出来る。
【0039】
よって検査するDNAによって試薬やDNAチップの種類を変えなければならず、それに伴いプロトコルも変更する必要がある。
【0040】
装置に全ての種類の試薬やDNAチップを予め用意しておくと、装置が巨大化してしまう。小型装置で様々な検査に対応できるようにするためには、検査内容に応じた試薬やDNAチップをユーザがセットする必要が生じる。
【0041】
一方、検査時間の短縮のためには、先に投入した検体の処理がある工程まで進行したところで、次の検体を投入できるようにし、複数の検体処理を並行して行える装置にすることが必要である。
【0042】
一回の検体処理で行う検体数は1検体でも複数検体でも良く、この検体処理、もしくは検体グループ処理を以下「ジョブ」と呼ぶ。
【0043】
そのような並列ジョブの実行には長い時間がかかるため、長時間の検査工程の中で、いつどのタイミングで次の検体のための試薬やDNAチップを投入すればよいのかが、すぐに分かるように表示する必要がある。
【0044】
すなわち表示装置には、次の検体検査ジョブを開始可能であること、試薬やDNAチップの投入や廃棄の指示を表示可能であることが求められる。
【0045】
また、現在実行中の工程が一目で確認可能であり、終了予定時刻が確認可能であること、処理終了した検体の情報が確認可能であることなどが求められる。
【0046】
単なるリスト表示では情報は不十分であり、順次投入されていく検体検査ジョブを並べて表示するのでは大画面が必要となってしまう。
【0047】
前記特許文献2に記載の電子フォームの設定項目を対話形式で表示する方法は、工程が複数あるもののユーザが順次設定をしていくものであり、自動装置には適していない。
【0048】
また、前記特許文献3に記載のサンプルに関する処理工程等の情報を容易に確認可能な方法は、大きな表示装置を必要としており、装置の大型化等の問題を生ずる。
【0049】
本発明は以上の問題を鑑みてなされたものである。
【0050】
本発明は、表示装置上に、検査処理の進行状況が一目でわかるように表示し、かつ、複数のジョブが並行で処理されている様子を把握可能であり、指示や警告を確実にユーザへ伝えることの出来る、表示方式を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0051】
上記課題を解決する方法として、第一の発明の表示方法は以下の構成を有する。
【0052】
複数の処理工程における複数のジョブを処理可能な装置を構成し、前記複数の処理工程の各々に対応したインデックスを有し、前記装置が実施中のジョブとその処理工程を表示する表示デバイスで行われる表示方法であって、
(a)前記インデックスの表示状態を変更することで、対応する処理工程が実行中であることを表し、
(b)前記インデックスとは別の領域に配置した情報表示領域において処理中のジョブの情報を表示し、
(c)処理工程の進行に従って、実行中の処理工程に対応する前記インデックスの表示状態を変更して、処理工程が進行したことを示し、
(d)ジョブに対応したインデックスを選択することで、前記情報表示領域に該ジョブの情報を表示することを特徴とする。
【0053】
本発明の表示装置は上記のいずれかに記載の表示方法を実行する。
【0054】
本発明の全自動検査装置は上記の表示装置を備えている。
【0055】
上記の構成により、ジョブの進行状況が一目で把握できるとともに、概ジョブの情報も得ることが出来る。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、複数の処理工程のうち、どの工程を実施中かが一目で分かり、複数のジョブを並列で処理していても、それらの進行状況を簡便な操作で確認可能になる。
【0057】
また、警告や指示のメッセージ表示時にも、どのジョブに対するメッセージであるかが一目瞭然に知ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
実施例1
全自動DNA検査装置の概要を、図を用いて説明する。
【0059】
図1に、本発明記載の全自動DNA検査装置の概念図を示す。
【0060】
磁石やヒートブロック、ポンプなどが付属した、各工程に対応した処理ユニットと、各工程間の試薬の移動や、溶液の吸引、吐出、攪拌といった液体のハンドリングを行うピペットユニットから構成される。
【0061】
なお、図の簡素化のため、1検体処理の概略図を示すが、複数検体たとえば6検体などを同時処理する装置であっても、シリンジやウェルの数が増えるだけで、基本的な構成は同じである。
【0062】
ピペットユニット101には、吸引や吐出を行うためのシリンジや、試薬パックのフタ開け機構や、使い捨てのピペットチップのエジェクト機構が具備されている。
【0063】
また、ピペットユニット101は、各ユニット間を移動して吸引、吐出、フタ開けをするためにX方向の移動とZ方向の昇降をする必要があり、Xステージ102上に搭載されたZステージ103に固定されている。
【0064】
各ユニットの位置関係がXY平面上に広がっている場合は、XYステージに搭載する。この構成により、装置内の各ユニット間を上下左右に動作して、試薬の搬送を行うことが出来る。
【0065】
ピペットユニット101は、試薬とともに供給されるピペットチップ104を、ピペットチップ105置き場より圧入して装着し使用する構成となっており、ピペットチップ104は検体ごとに新品を使用する。
【0066】
全工程終了時には、ピペットユニット101に具備したエジェクト機構で、ピペットチップ捨て場107に廃棄する。
【0067】
すなわち、試薬を扱うピペットチップ104と、各工程の処理で使用される試薬が使い捨てであることで、コンタミネーションを発生しにくくすることが出来る。
【0068】
このようにピペットチップ104を検体ごとに換えるため、並列処理を行う際には、ジョブごとにピペットチップ104の交換が必要となる。
【0069】
交換する例としては、例えば、先発ジョブがハイブリダイゼーション中に、後発ジョブの1stPCR増幅産物の精製する場合があげられる。
【0070】
この時には、先発ジョブで使用しているピペットチップ104をチップ仮置き場106に仮置きをしてから後発のピペットチップ106を装着する必要がある。
【0071】
なお、図中ではピペットチップは1つのみであるが、1つに限定するものではなく複数使用してもよい。
【0072】
仮に試薬ごとにピペットチップを廃棄交換する際には、上記ピペットチップの仮置き場106を使用したピペットチップ104の交換動作は不要となる。
【0073】
抽出ユニット108には、DNAの溶解処理を行うためのヒートブロック109や、シリカコート磁性粒子による抽出処理を行うための磁石110が搭載されている。溶解試薬と検体を混合し、ヒートブロック109上にて加熱処理により検体の細胞膜の溶解を行う。
【0074】
ピペットユニット101による混合動作は、まず検体を吸引し、予め試薬の充填されたウェルへ吐出をした後、ピペットシリンジにより吸引動作と吐出動作を繰り返すことで、溶液攪拌を行う。
【0075】
溶解処理後、磁気精製ウェル113のシリカコート磁性粒子と混合してDNAを吸着させ、磁石110をウェル113に近接させる磁石駆動手段を用いて近接させて、磁性粒子を捕集する。
【0076】
残りの液を吸引し廃棄することで、磁性粒子に吸着したDNAのみを抽出することが出来る。
【0077】
その後、洗浄液等を用いて、上記と同様の精製工程を繰り返し、DNA以外の物質を除去する。最後に、磁性粒子からDNAを溶出液で溶出し、磁性粒子を磁石110で捕集した状態で溶液を吸引することで、抽出DNAを得ることが出来、抽出工程が終了する。
【0078】
なお、図の簡素化のため図中の試薬ウェル112は一つのみであるが、精製液や溶出液等、必要数用意されるものである。
【0079】
増幅ユニット114には、PCR処理を行うためのヒートブロック115や、シリカコート磁性粒子による精製処理を行うための磁石116が搭載されている。
【0080】
酵素やプライマ等の増幅試薬と、前工程で得られた抽出産物とをヒートブロック115上の増幅ウェル117内で混合する。
【0081】
続いて、ヒートブロック115でたとえば94℃から64℃の間で温度を上下させるサーマルサイクルをかけることにより、1stPCR増幅が実現できる。
【0082】
その際、図中には示されていないが、増幅ウェル117に、蒸発防止のフタや、結露防止用のフタ加熱手段を用いる。
【0083】
人から抽出したDNAは、そのほとんどがヒトゲノムであり、感染症の菌を検出したい場合などは、その標的とする菌のDNAはほとんど含まれていない。
【0084】
そのため、この1stPCR増幅で温度のサイクルを例えば40回行い、検出するのに必要な量になるよう、標的とするDNAを増幅させる。
【0085】
1stPCR増幅後、反応に使用されなかった増幅試薬等を除去するため、精製工程を行なう。
【0086】
精製工程は、前記抽出工程での精製工程と同様に、磁性粒子を用いて磁石116を精製ウェル119に近接させるように駆動し、捕集したシリカコート磁性粒子以外の液を廃棄することで行なわれる。
【0087】
抽出工程と同様に精製DNAをシリカコート磁性粒子から溶出後、2ndPCR工程に移行する。
【0088】
2ndPCRは、1stPCRで使用した増幅試薬とはプライマが異なり、DNAチップに固定したプローブと相補的な片鎖のプライマで、かつ、検出するための蛍光標識を貼付したプライマを用いる。
【0089】
図では一つであるが、サーマルサイクルをかける増幅ウェル117は、1stPCR用とは別のものを用意する。
【0090】
この2ndPCRは、サーマルサイクルを例えば25回行い、増幅済みのDNAに蛍光標識を貼付し、検出に必要な片鎖を増やすことを主な目的としている。
【0091】
ハイブリダイゼーションユニット121には、DNAチップ128を組み込んだカセット127とDNAを結合反応させるためのヒートブロック122や、乾燥させるためのポンプ124が搭載されている。
【0092】
カセット127は、DNAチップ128上に標的DNAを含むハイブリダイゼーション液を導入する開口部と流路を具備し、かつ、DNAチップ128上にハイブリダイゼーション液を保持してハイブリダイゼーション反応を行うための反応チャンバを有している。
【0093】
またカセット127は、反応の終了したハイブリダイゼーション液を廃棄するための開口部を具備し、液の導入や廃棄吸引や乾燥のためのポンプ手段124に連結されている。
【0094】
カセット127に導入する液は、ハイブリダイゼーション液、洗浄液、乾燥用アルコール等である。
【0095】
まず、前工程で得られた蛍光標識貼付増幅産物と、ハイブリダイゼーション反応のための液を混合し、攪拌を行い、カセット127に供給する。
【0096】
カセット127のDNAチップ128上に液を導入するために、ポンプ124を駆動して、負圧を利用してハイブリダイゼーション液を反応チャンバに導入する。
【0097】
この際の負圧は、液を引ききるのではなく、チャンバ上にとどめるためのものであるため、ポンプ124は、真空ポンプのような圧力制御方式のものではなく、シリンジポンプのような吸引量制御方式のものが望ましい。
【0098】
溶液導入後、ヒートブロック123の駆動を行い、反応に適した温度例えば50℃に制御し、反応促進のためにポンプ124を用いて液の移動を行いながら、ハイブリダイゼーション反応をさせる。
【0099】
ハイブリダイゼーション反応終了後、洗浄液や乾燥用アルコールをチャンバ内に導入し、ポンプ124の負圧を利用して確実に吸引し、DNAチップ128上の洗浄と乾燥を行う。
【0100】
ここでDNAチップ128上に液滴が残存していると、検出を阻害し、正しい結果を得ることが出来なくなる可能性がある。この際の負圧は、液を引ききるためのものであるため、真空ポンプなどの圧力制御方式のものが望ましい。
【0101】
検出ユニット129には、蛍光検出のためのレーザーやレンズといった光学系や、DNAチップをスキャンするための主走査、副走査ユニットが搭載されている。
【0102】
まず、検出ユニット129の搬入口130を開き、前工程の処理が完了したカセット127を、移送手段を用いて移送する。
【0103】
移送完了後、搬入口130を閉じ、主走査ユニットでスキャンしながら副走査ユニットでフィードして、カセット127のDNAチップ128のある検出エリアを検出する。検出終了後、搬出口131を開き、カセットを取り出して、全工程が終了となる。
【0104】
各工程ユニットでは常に並列処理が可能であり、その工程の処理を行えるか否かは、共通で使用しているピペットユニット101の使用タイミングのみで決定される。増幅のPCR処理は、ヒートサイクルの時間が長く、その間ピペットユニット101を必要としない。
【0105】
また、ハイブリダイゼーション処理も、そのほとんどの時間はヒートブロック123で加熱処理を行う工程であり、その間ピペットユニット101を必要としない。検出は全くピペットユニット101を必要としない。
【0106】
そのため、上記のような空白時間を利用することで、ジョブの並列処理が可能となる。
【0107】
例えば、前のジョブがハイブリダイゼーション処理を開始した時に、その処理時間内で次のジョブの抽出処理を行い、前のジョブが検出に進んだところで増幅処理を始めることが出来る。
【0108】
そのように開始できる処理を次々と実施することで、多数の検体処理を行う際に、時間の無駄を省き、結果的に短時間で検査を行うことが可能となる。
【0109】
図16は上記処理工程を含み、並列ジョブを処理する装置の表示システムの構成を示す図である。表示システムは、入力装置1601と、記憶装置1602と、中央処理装置1603および表示デバイス1604から構成されている。
【0110】
入力装置1601は上記各装置の動作状態を示す情報を中央処理装置1603へ出力する。記憶装置1602は中央処理装置1603の動作プログラムや表示動作に必要となる一時記憶などを行う。
【0111】
中央処理装置1603は記憶装置1602に格納されているプログラムに則り、入力装置1601および表示デバイス1604からの入力に応じた表示制御を表示デバイス1604に対して行う。
【0112】
表示デバイス1604は中央処理装置1603の表示制御に応じた制御を行う。以下に、本発明の表示方法について表示デバイス1604の表示画面を示す図2を参照して説明する。
【0113】
表示デバイス1604は、たとえば液晶パネルを装置前面もしくは上面のユーザが操作しやすい位置に配置する。なお、この表示デバイス1604はタッチパネル機能を搭載したものを想定しており、ボタンは指もしくは専用ペンで押下することが出来る。
【0114】
タッチパネル機能を備えることにより、表示と操作の関係が直接的になり、ユーザが理解しやすい操作が可能となる。
【0115】
また、タッチパネル押下により実行されることから、インデックスを直接触れることで操作が出来るようになり、より直感的な操作環境を提供することが出来る。
【0116】
しかし、画面の操作方法はタッチパネルに限定されるものではなく、装置に接続したマウスや、専用コントローラでも良いし、表示デバイス1604周囲に画面に対応して予め配置したプッシュボタンを用いても良い。
【0117】
マウスを用いる場合には、PCと同じ感覚での操作が可能となる。
【0118】
専用コントローラを用いる場合には、装置に特化した操作性の良い操作環境を提供することが出来る。
【0119】
プッシュボタンを用いる場合には、ボタンが個別に配置されるため、押し間違いを減らして確実に押下することが出来る。
【0120】
ここではインデックスとして、タブ式インデックスを例として挙げる。タブ201は上部に配置され、STEP1〜STEP4の4つあり、それぞれ装置における工程の一つ一つを示している。タブ式インデックスとすることにより、より分かりやすい表示になる。
【0121】
すなわちSTEP1が抽出工程を、STEP2が増幅工程を、STEP3がハイブリダイゼーション工程を、STEP4が検出工程を示している。タブに表示する文字列は工程名でもよく、工程を示すアイコンでも良い。
【0122】
この図においてはSTEP1とSTEP3の、抽出工程とハイブリ工程を行っており、ジョブが2つ並行して処理されていることが分かるようになっている。
【0123】
実行中のタブSTEP3とつながった下の領域が情報表示領域202である。ここには、実行中の工程の内容を表示すると共に、本工程の終了時間や本ジョブが全工程終了するまでの時間を表示する。また、現在のジョブ(検体処理)番号や、処理中の検体数もこのジョブの情報として、情報表示領域に表示する。
【0124】
検体処理番号を表示することにより、現在実行中のジョブに投入した検体を確認することが出来る。
【0125】
処理検体数を表示することにより、現在実行中のジョブの検査検体数を確認することが出来、試薬投入時に必要数のみを投入することが出来る。
【0126】
実行中の工程処理終了までの時間を表示することにより、ユーザが、次処理へ移るまでの時間を把握することが出来る。
【0127】
また、全工程の処理終了までの時間を表示することにより、ユーザが、検査終了時間を把握することが出来る。
【0128】
処理中の検体数とは、1つのジョブの中で処理可能な最大検体数を6検体とした全自動DNA検査装置を想定した場合の、現在実行中のジョブに投入した検体数を示している。
【0129】
タブ201の表示状態は3種類ある。1種類目は、STEP3のタブのように情報表示領域とつながっている状態で、実行中であり、かつ、情報表示領域がこのタブの工程を実行中であるジョブの内容を表示している、いわゆるアクティブなタブの状態である。
【0130】
2種類目は、STEP1のタブのように情報表示領域202とつながっていない状態で、実行中であり、かつ、情報表示領域にこのタブの工程を実行中であるジョブの内容を表示していない、いわゆる非アクティブなタブの状態である。
【0131】
3種類目は、STEP2およびSTEP4のタブのように、何も実行していない、非実行状態である。
【0132】
上記のように、インデックスが、非実施中工程を示す状態と、実施中かつ選択中で情報表示領域にジョブ情報を表示している状態と、実施中かつ非選択である状態と、の3つの状態を有することにより、各ジョブの実行工程と、複数ジョブ実行時に情報表示領域に表示しているジョブを、視覚的に理解することが出来る。
【0133】
情報表示領域202の下には、システムメッセージ領域203があり、システムの稼動状態をメッセージとして表示するとともに、過去に装置で検査が完了したジョブの検体一覧を表示させるためのボタンを配置している。
【0134】
インデックスと、情報表示領域とは異なる領域に、検査装置全体のシステムメッセージを表示するシステムメッセージ領域203を有することにより、システムの稼動状態が正常であるか否かを表示することが出来る。
【0135】
システムメッセージ領域203に、警告や指示等のユーザへのメッセージを表示することにより、システムとして警告発生や、処理待ち状態になっている事をユーザに表示することが出来る。
【0136】
本図では非アクティブであるが、上述したような次のジョブを開始可能な条件が整った際には、新規ジョブを追加するためのボタンもアクティブになる。
【0137】
工程が進んだ際の表示状態遷移を、図3〜9で説明する。
【0138】
図3は、装置初期画面から検査開始を選択した際の最初の設定画面である。最初の画面であるので、抽出工程を示すSTEP1のタブがアクティブになっている。
【0139】
ここでは、1つのジョブの中で処理可能な最大検体数を6検体とした全自動DNA検査装置を想定した場合の、今回開始するジョブにおいて投入する検体数を設定するようになっている。
【0140】
検体数の設定は、情報表示領域のプラスとマイナスのボタン204を使用して変更する。変更した検体数は、ジョブ情報を表示している情報表示領域下部に、ジョブ番号205とともに表示されている検体数206の値に反映される。
【0141】
設定後、メッセージの指示どおり次へボタン207を押下して、次の試薬の投入確認画面へ進む。
【0142】
図4は、試薬投入確認画面である。ここで、全画面で設定した検体数分の、検体と試薬を装置に投入する。投入が終了したら、OKボタン208を押下して、処理をスタートさせる。
【0143】
図5は、抽出工程処理中の画面である。情報表示領域に、抽出工程の処理終了時間209と、全工程処理終了時間210が表示され、カウントダウンされる。非常事態が発生した場合には、一時停止ボタン211を押して中断させることが出来、問題なければ再開させ、問題があれば完全に停止させる。
【0144】
図6は、抽出処理が終了して増幅工程に移行した際の画面である。情報表示領域に増幅中であることを示すとともに、STEP1であったタブが自動的にSTEP2に移動する。
【0145】
これにより、どのジョブに対するメッセージであるかが、視認することが出来る。
【0146】
STEP1のタブが非実行状態の表示に変化し、代わってSTEP2のタブがアクティブ状態になる。工程の処理終了時間のカウントダウンも、増幅工程の所要時間を表示する。
【0147】
図7は、増幅処理が終了してハイブリダイゼーション工程に移行した際の画面である。
【0148】
上述した抽出工程から増幅工程への画面遷移と同様に、情報表示領域にハイブリダイゼーション中であることを示すとともに、STEP2であったタブが自動的にSTEP3に移動する。
【0149】
STEP2のタブが非実行状態の表示に変化し、代わってSTEP3のタブがアクティブ状態になる。ここで、抽出処理と増幅処理が完了し、ハイブリダイゼーション反応中はピペットユニットを使用しない。
【0150】
このため、次のジョブを開始することが出来るようになり、画面下部のシステムメッセージ領域にその旨を表示するとともに、それまで非アクティブで押下不可であった新規ジョブの追加ボタン212が押下可能となる。
【0151】
ユーザは検査する検体がある場合は、この新規ジョブの追加ボタン212を押下し、検体を投入することが出来る。
【0152】
図8は、ハイブリダイゼーション処理が終了して検出工程に移行した際の画面である。情報表示領域に検出中であることを示すとともに、STEP3であったタブが自動的にSTEP4に移動する。
【0153】
STEP3のタブが非実行状態の表示に変化し、代わってSTEP4のタブがアクティブ状態になる。最終工程であるため、工程の終了時間と、全工程の終了時間のカウントダウンは、同じ値になる。
【0154】
また、前工程で新規ジョブを追加しなかった場合には、ジョブの追加ボタン212が引き続きアクティブになっている。
【0155】
図9は、検出終了時の画面である。情報表示領域のカウントダウン表示は無くなり、カセットの廃棄を促すメッセージが表示されるとともに、廃棄ドアの開閉用ボタン213、214が表示される。
【0156】
ユーザは、ドアオープンボタン213を押下して廃棄用ドアを開けてカセットを取り出した後、ドアクローズボタン214を押下して処理を終了させる。
【0157】
ドアクローズ時にカセットが残ったままの場合、この画面のままカセットの廃棄を促す。カセットが廃棄された場合は、装置初期画面へ移行し初期状態に戻る。
【0158】
次に、ジョブ処理中に新規ジョブの追加をした場合の画面遷移について説明する。
【0159】
図10は、ハイブリダイゼ−ション工程中に図7に示した新規ジョブの追加ボタン212を押下した際の表示画面である。
【0160】
現在実行中のジョブがハイブリダイゼーション処理中であるので、STEP3が実行中、かつ、非アクティブ状態の表示になり、設定を行なう新規ジョブの工程STEP1のタブがアクティブになる。
【0161】
STEP1の情報表示領域において、図3と同様に、今回のジョブで投入する検体数の設定を行う。なおこの時、上記表示領域下部のジョブ番号205が先行ジョブ番号の75からインクリメントされて76と表示される。
【0162】
この後、前述と同様の手順で処理を開始させるが、装置にセットできるのは、検体と増幅の試薬のみであり、使用中のハイブリダイゼーション用の試薬とDNAチップ搭載のカセットはまだセットできない。
【0163】
そこで、図には示していないが、情報表示領域に、先行ジョブのハイブリダイゼーション工程の終了予測時間を、試薬投入時間として表示しても良い。
【0164】
試薬やDNAチップ等の投入時間を表示することにより、ユーザは作業予定時間を知ることが出来る。
【0165】
図11は抽出処理が開始された際の画面である。この画面を数秒間、例えば5秒間表示した後、先行ジョブであるSTEP3の工程表示に、自動的に移行する。
【0166】
これは先行ジョブを優先的に表示することにより、最も早く検査結果を得られるジョブの情報が、ユーザにとって、より重要な情報であるためである。
【0167】
図12は、先行ジョブが検出工程に移行し、それにより、ハイブリダイゼーション用試薬および、DNAチップ搭載カセットを、装置にセットできるようになった際の表示画面である。試薬の投入が可能になったことをユーザへ知らせ、投入を促すための画面である。
【0168】
そのため、このジョブを示すSTEP1のタブは、ユーザへの警告を促すよう点滅してもよいし、警告を示す色に変化するようにしても良い。
【0169】
警告や指示等のユーザへのメッセージ表示時に、該当するインデックスの表示を警告を示す状態にすることにより、単なるメッセージではなく、ユーザへ注意を促すメッセージであることを、明確に示すことが出来る。
【0170】
先行ジョブは検出工程に移行したため、STEP4が実行状態のタブになっている。
【0171】
なお、試薬とカセットを投入している最中であっても、それぞれのジョブが実行中の処理には無関係であるため、先行ジョブは検出工程を継続し、現在表示中のジョブは抽出工程を実行中である。
【0172】
上記のように、メッセージ表示時に、ユーザからの所定の処理完了を示す入力を受け付けたときに、先行ジョブを実施している工程に対応するインデックスの表示状態を変更し、情報処理領域へ該ジョブ情報を表示する。
【0173】
これにより、通常時は常に先行ジョブの情報を表示するようになり、次に出力される検査結果の検査状況を把握することが出来る。
【0174】
図13は、ユーザが試薬とカセットをセットしてOKボタンを押下した後の画面である。上述した通り先行ジョブの表示へ自動的に遷移する。なおこの時に、STEP1のタブを押下すると、抽出工程を実行中のジョブの情報を表示することが出来る。
【0175】
上記のように、ユーザの処理完了が、ユーザの操作完了を示すボタン押下アクションをトリガとする。センサではなくボタン押下をトリガとすることで、ユーザの作業中断等が発生しても、操作完了を明確にすることが出来る。
【0176】
図14は、先行ジョブが検出処理を終了した際の画面である。カセットの廃棄をユーザに促す画面が表示される。後続のジョブは増幅工程に移行し、STEP2のタブが実行中を示す状態の表示になっており、この処理はカセットの廃棄とは無関係に継続する。
【0177】
しかし、後続ジョブの工程が進行してハイブリダイゼーション処理が終了すると、ユーザによるカセットの廃棄が行なわれない限り検出工程に進めなくなってしまうため、処理が中断して、カセットの廃棄待ちになる。
【0178】
そのため、このジョブを示すSTEP4のタブは、ユーザへの警告を促すよう点滅してもよいし、警告を示す色に変化するようにしても良い。
【0179】
カセットの廃棄が行なわれると、先行ジョブの実行中を示す実行中状態表示のタブは無くなり、後続ジョブのタブのみが進行していく。
【0180】
以上の構成により、処理実行中のジョブの進行状況が把握できるとともに、複数ジョブ実行時であっても感覚的に進行状況を理解することが出来る。
【0181】
実施例2
本発明の別の実施形態を、図を用いて説明する。
【0182】
表示デバイス1604への表示方法として、本発明のインデックスの種類の一つとして、実施例1にタブによる実現手段を示した。
【0183】
しかし、本発明におけるインデックスとは、タブに限定されるものではなく、工程を表すものであればどのようなものでも適用可能であり、同等の効果が得られる。
【0184】
実施例1では全自動DNA検査装置について述べたが、装置の種類やその工程の複雑さによって、表示形態は変化するべきである。また、表示デバイス1604の種類や大きさによってもインデックスの種類は選択されるべきである。
【0185】
図15に、インデックスの種類の例を示す。
【0186】
図15(a)は、一般的なタブ形状であり、実施例1はこの形状の変形である。工程を示す文字列とタブの形状を縦または横方向に並べ、実行中かつアクティブなタブと接続した情報表示領域を持つ。
【0187】
タブの色を変化させたり、非実行のタブを薄くしたりすることで、実行中かつ非アクティブなタブの状態を表現することも可能である。これは表示装置が小さい場合に有効な形状である。
【0188】
図15(b)は、アイコン形状のインデックスである。この例のようにボックスとして表現しても良いし、工程を表す色や形状を用いたアイコンでも良い。
【0189】
それらのアイコンの色や大きさを変化させることで、非実行状態等を表現することが出来る。また、工程が容易に認識可能なアイコンであるか、内容を理解する必要のない工程である場合は、文字列は不要になる。
【0190】
情報表示領域は、アイコンを指し示すような形状とすることで、どの工程に対する情報表示なのかが判別できるようになる。この構成は、装置の処理工程がアイコン化しやすく、ユーザが理解できる内容である場合に有効である。
【0191】
図15(c)は、装置全体を図示する例である。装置の配置をそのまま示す事で、装置のどのエリアで処理が行なわれているかを理解することが出来る。
【0192】
上記2例では、インデックスを横に配置した場合には左から右へ、縦に配置した場合には上から下へ、工程が移行するように工程を割り付けている。
【0193】
しかし、実際の装置の動作がそのとおりになっているとは限らないため、装置の図示はユーザに動作をイメージする上で非常に有効である。
【0194】
工程順序は、図のように矢印表記することで示すことが出来る。情報表示領域は、前述したように、その工程を指し示すような形状を配置することで、工程と情報の関連付けがなされる。この構成は、工程や装置の構造が複雑である場合に有効である。
【0195】
以上のように、装置の特徴や表示デバイス1604の大きさにより、インデックスの種類を変化させることにより、本発明の表示方法をより効果のあるものにすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0196】
DNA検査に限らず、複数の工程を有する装置であれば適用可能である。また、機械的な装置に限らず、化学反応装置、情報処理装置などに利用されても、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】全自動DNA検査装置の概念図
【図2】本発明の画面表示方法の説明図
【図3】検体数の設定画面
【図4】試薬の投入画面
【図5】抽出処理中画面
【図6】増幅処理中画面
【図7】ハイブリダイゼーション処理中画面
【図8】検出処理中画面
【図9】カセットの廃棄画面
【図10】複数ジョブ実行時の検体数の設定画面
【図11】複数ジョブ実行時の抽出処理中画面
【図12】複数ジョブ実行時の試薬の投入メッセージ画面
【図13】複数ジョブ実行時の検出処理中画面
【図14】複数ジョブ実行時のカセットの廃棄画面
【図15】インデックスの種類の説明図
【図16】表示システムの構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0198】
101 ピペットユニット
102 Xステージ
103 Zステージ
104 ピペットチップ
105 ピペットチップ置き場
106 ピペットチップ仮置き場
107 ピペットチップ廃棄場
108 抽出ユニット
109、115、123 ヒートブロック
110、116 磁石
112、118、120、125、126 試薬ウェル
113、119 磁気分離精製ウェル
114 増幅ユニット
117 増幅ウェル
121 ハイブリダイゼーションユニット
122 吸引チューブ
124 ポンプユニット
127 カセット
128 DNAチップ
129 検出ユニット
130 搬入口
131 搬出口
201 タブ式インデックス
202 情報表示領域
203 システムメッセージ領域
204 検体数設定ボタン
205 ジョブ番号
206 検体数
207 次へボタン
208 OKボタン
209 本工程予測所要時間
210 全工程予測所要時間
211 一時停止ボタン
212 新規ジョブの追加ボタン
213 ドアオープンボタン
214 ドアクローズボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理工程における複数のジョブを処理可能な装置を構成し、前記複数の処理工程の各々に対応したインデックスを有し、前記装置が実施中のジョブとその処理工程を表示する表示デバイスで行われる表示方法であって、
(a)前記インデックスの表示状態を変更することで、対応する処理工程が実行中であることを表し、
(b)前記インデックスとは別の領域に配置した情報表示領域において処理中のジョブの情報を表示し、
(c)処理工程の進行に従って、実行中の処理工程に対応する前記インデックスの表示状態を変更して、処理工程が進行したことを示し、
(d)ジョブに対応したインデックスを選択することで、情報表示領域に該ジョブの情報を表示することを特徴とする表示方法。
【請求項2】
複数のジョブ実行中の、警告や指示等のユーザへのメッセージ表示時に、該当するジョブが実行中の工程に対応する前記インデックスの表示状態を変更することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項3】
前記インデックスがタブであることを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項4】
前記表示デバイスがタッチパネル機能を備えることを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項5】
前記インデックス選択方法がタッチパネル押下により実行されることを特徴とする請求項4記載の表示方法。
【請求項6】
前記インデックス選択方法がマウス操作により実行されることを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項7】
前記インデックス選択方法が専用コントローラ操作により実行されることを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項8】
前記インデックス選択方法が表示装置の周囲に配置したプッシュボタンにより実行されることを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項9】
前記情報表示領域に、実行中の工程処理終了までの時間を表示することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項10】
前記情報表示領域に、全工程の処理終了までの時間を表示することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項11】
前記情報表示領域に、試薬やDNAチップ等の投入時間を表示することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項12】
前記情報表示領域に、処理検体数を表示することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項13】
前記情報表示領域に、検体処理番号を表示することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項14】
前記インデックスが、非実施中工程を示す状態と、実施中かつ選択中で情報表示領域にジョブ情報を表示している状態と、実施中かつ非選択である状態と、の3つの状態を有することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項15】
前記ユーザへのメッセージ表示時に、ユーザからの所定の処理完了を示す入力を受け付けたときに、先行ジョブを実施している工程に対応するインデックスの表示状態を変更し、前記情報処理領域へ前記先行ジョブの情報を表示することを特徴とする請求項2記載の表示方法。
【請求項16】
前記ユーザの処理完了が、ユーザの操作完了を示すボタン押下アクションをトリガとすることを特徴とする請求項15記載の表示方法。
【請求項17】
警告や指示等のユーザへのメッセージ表示時に、該当する前記インデックスの表示を警告を示す状態にすることを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項18】
前記インデックスと、前記情報表示領域とは異なる領域に、検査装置全体のシステムメッセージを表示する領域を有することを特徴とする請求項1記載の表示方法。
【請求項19】
前記システムメッセージ領域に、警告や指示等のユーザへのメッセージを表示することを特徴とする請求項18記載の表示方法。
【請求項20】
請求項1ないし請求項19のいずれかに記載の表示方法を実行する表示装置。
【請求項21】
請求項20に記載の表示装置を備えた全自動検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−101351(P2007−101351A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291228(P2005−291228)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】