説明

表示装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体

【課題】運転者ごとに固有の給電ポイントを考慮して経路案内を行うことが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】電気を動力源とする移動体の前記動力源を充電する充電施設に関連する情報を表示する表示装置であって、充電施設に関連する情報である充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録手段と、充電施設情報を地図データとして記憶する記憶手段と、地図データに基づき決定されたルートの周辺に存在する充電施設を検索する充電施設検索手段と、充電施設検索手段により検索された充電施設の充電施設情報を表示する充電施設情報表示手段と、を備え、充電施設情報表示手段に表示される充電施設情報には、移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガソリンスタンドなどの給油ポイントを、地図画面上に表示するナビゲーション装置が知られている。例えば特許文献1には、電気自動車に搭載され、バッテリの残存容量、電気自動車の燃費、充電施設までの距離、及び充電施設から目的地までの距離に基づき充電施設での充電時間を算出し、当該充電時間を含む到着時間を表示するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−112932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車の場合、ガソリン車とは異なり、自宅や友人、知人宅などでも給電が可能である。従って、電気自動車の場合、ガソリン車におけるガソリンスタンドのように全ての運転者に共通の給電ポイント以外の給電ポイントも考慮して経路案内等を行う必要がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、運転者ごとに固有の給電ポイントを考慮して経路案内を行うことが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、電気を動力源とする移動体の前記動力源を充電する充電施設に関連する情報を表示する表示装置であって、前記充電施設に関連する情報である充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録手段と、前充電施設情報を地図データとして記憶する記憶手段と、前記地図データに基づき決定されたルートの周辺に存在する充電施設を検索する充電施設検索手段と、前記充電施設検索手段により検索された充電施設の充電施設情報を表示する充電施設情報表示手段と、を備え、前記充電施設情報表示手段に表示される充電施設情報には、前記移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報が含まれることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、電気を動力源とする移動体の前記動力源を充電する充電施設に関連する情報を表示し、記憶部を備える表示装置が実行する制御方法であって、前記充電施設に関連する情報である充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録工程と、前充電施設情報を地図データとして前記記憶部に記憶させる記憶工程と、前記地図データに基づき決定されたルートの周辺に存在する充電施設を検索する充電施設検索工程と、前記充電施設検索工程により検索された充電施設の充電施設情報を表示する充電施設情報表示工程と、を有し、前記充電施設情報表示工程に表示される充電施設情報には、前記移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報が含まれることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、電気を動力源とする移動体の前記動力源を充電する充電施設に関連する情報を表示し、記憶部を備える表示装置により実行されるプログラムであって、前記充電施設に関連する情報である充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録手段と、前充電施設情報を地図データとして前記記憶部に記憶させる記憶手段と、前記地図データに基づき決定されたルートの周辺に存在する充電施設を検索する充電施設検索手段と、前記充電施設検索手段により検索された充電施設の充電施設情報を表示する充電施設情報表示手段として前記表示装置を機能させ、前記充電施設情報表示手段に表示される充電施設情報には、前記移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報が含まれることを特徴とする
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例に係るナビゲーション装置の概略構成の一例である。
【図2】施設情報を登録する際に表示されるナビゲーション装置の表示画面例である。
【図3】現在地から目的地へのルートの候補を特定する際にナビゲーション装置が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。
【図4】第1実施形態でナビゲーション装置が出力する表示画面例である。
【図5】第1実施形態でナビゲーション装置が出力する表示画面例である。
【図6】第2実施形態でナビゲーション装置が出力する表示画面例である。
【図7】第2実施形態でナビゲーション装置が出力する表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、電気を動力源とした移動体に搭載されたナビゲーション装置であって、当該ナビゲーション装置又は使用者ごとに固有の充電施設の情報である固有充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録手段と、前記固有充電施設情報を地図データとして記憶する記憶部と、目的地が設定された場合、前記地図データに基づき、経路案内を行うルートの候補を決定するルート決定手段と、を備える。
【0011】
上記のナビゲーション装置は、電気自動車などの電気を動力源とした移動体に搭載され、充電施設登録手段と、記憶部と、ルート決定手段と、を備える。充電施設登録手段は、ナビゲーション装置又は使用者ごとに固有の充電施設の情報である固有充電施設情報の登録を受け付ける。固有の充電施設は、例えば、知人宅、友人宅、勤務先の会社の施設などが該当する。記憶部は、固有充電施設情報を地図データとして記憶する。ルート決定手段は、地図データに基づき、経路案内を行うルートの候補を決定する。このように、ナビゲーション装置は、固有充電施設情報を地図データとして記憶させることで、より多くの情報に基づき経路案内を行うルートの候補を決定することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【0012】
上記のナビゲーション装置の一態様では、前記ルート決定手段は、指定された目的地に対するルートを検索するルート検索手段と、前記ルート検索手段により検索されたルートを走行すると仮定した場合に、前記移動体の充電状態に基づき充電施設に立寄る必要があるか否かを、前記検索されたルートごとに判定する充電判定手段と、前記充電判定手段が前記充電施設に立寄る必要があると判断したルートについて、前記地図データに基づき、当該ルートの周辺に充電施設があるか否かを判定する到着可能判定手段と、前記充電施設があると前記到着可能判定手段が判断した場合、当該充電施設を立寄地として通過するように前記ルートを変更する立寄地設定手段と、前記充電判定手段により前記充電施設に立寄る必要がないと判断されたルート、及び、前記立寄地設定手段により変更された前記ルートを、前記経路案内を行うルートの候補として決定する決定手段と、を備える。この態様では、ルート決定手段は、ルート検索手段と、充電判定手段と、到着可能判定手段と、立寄地設定手段と、決定手段と、を備える。ルート検索手段は、指定された目的地に対するルートを検索する。このルートは、複数存在してもよく、所定の規則に基づき個数の上限が設けられていてもよい。充電判定手段は、ルート検索手段により検索されたルートを走行すると仮定した場合に、充電施設に立寄る必要があるか否かをルートごとに判定する。走行可能判定手段は、充電施設に立寄る必要があると判断したルートについて、地図データに基づき、周辺に充電施設があるか否かを判定する。立寄地設定手段は、充電施設があると走行可能判定手段が判断した場合、当該充電施設を立寄地として通過するようにルートを変更する。この場合、立寄地として設定される充電施設には、充電施設登録手段により登録した固有の充電施設が含まれる。従って、ナビゲーション装置は、目的地までの走行可能なルートを増やし、より柔軟に使用者に候補となるルートの表示等をすることが可能になる。
【0013】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記立寄地設定手段は、前記ルートの周辺に複数の充電施設がある場合、前記固有の充電施設を他の充電施設よりも優先的に立寄地として通過するように前記ルートを変更する。一般に、固有の充電施設は、運転者にとって他の公共の充電施設よりも親しみが多く、利用しやすい場合が多い。従って、ナビゲーション装置は、固有の充電施設を他の充電施設よりも優先的に立寄地として設定することで、使用者の利便性を向上させることができる。
【0014】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路案内を行うルートで、前記固有の充電施設が立寄地又は目的地として設定されていた場合、当該固有の充電施設の使用許可を得ているか否か判定する使用許可判定手段と、前記使用許可判定手段により前記使用許可を得ていないと判断した場合に、前記使用許可を促す使用許可促進手段と、をさらに備える。一般に、知人宅、会社の施設などの固有の充電施設では、使用許可が必要な場合がある。従って、ナビゲーション装置は、使用許可を得ていないと判断した場合に、使用許可を促すことで、使用者に円滑に移動体の充電を実行させることができる。
【0015】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記充電施設登録手段は、前記固有充電施設情報として、前記固有の充電施設の使用許可の有無の登録を受け付け、前記使用許可判定手段は、前記固有充電施設情報に基づき、前記固有の充電施設の使用許可を得ているか否か判定する。これにより、ナビゲーション装置は、充電施設の使用許可の有無を容易に把握することができる。
【0016】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、特定のルートの周辺に存在する充電施設を前記地図データに基づき検索する充電施設検索手段と、前記充電施設検索手段により検索された充電施設のリストを表示する充電施設リスト表示手段と、をさらに備え、前記リストは、前記移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報の表示欄が設けられている。この態様では、ナビゲーション装置は、ルートの周辺に存在する充電施設の充電料金及び割引情報のリストを使用者に提示することで、使用者がいずれの充電施設を利用すべきかの選択性を向上させることができる。
【0017】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記リストは、さらに前記充電を行う際に付加的に要する料金の表示欄が設けられている。例えば、充電施設は、有料道内のパーキングエリアや有料駐車場のサービスとして提供されている場合がある。従って、この場合には、有料道に入るための料金や有料駐車場を使用するための料金が付加的に必要になる。従って、この態様では、ナビゲーション装置は、充電施設で付加的、間接的に要する料金を上述のリストにさらに表示させることで、いずれの充電施設を利用すべきかの選択性をさらに向上させることができる。
【0018】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記固有の充電施設を使用した履歴を前記記憶部に記憶させる使用履歴記憶手段をさらに備え、前記ルート決定手段は、前記地図データ及び前記履歴に基づき、前記経路案内を行うルートの候補を決定する。このようにすることで、ナビゲーション装置は、経路案内を行うルートの候補を決定する際に、例えば特定の固有の充電施設に偏ったルート設定を行うのを防ぐことができ、特定の友人宅などに過度に負担がかかるのを抑制することができる。
【0019】
本発明の他の観点では、電気を動力源とした移動体に搭載され、記憶部を備えるナビゲーション装置により実行される制御方法であって、当該ナビゲーション装置又は使用者ごとに固有の充電施設の情報である固有充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録工程と、前記固有充電施設情報を地図データとして前記記憶部に記憶させる記憶工程と、前記地図データに基づき、経路案内を行うルートの候補を決定するルート決定工程と、を備える。ナビゲーション装置は、この方法を用いることで、より多くの情報に基づき経路案内を行うルートの候補を決定することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【0020】
本発明のさらに別の観点では、電気を動力源とした移動体に搭載され、記憶部を備えるナビゲーション装置により搭載されて実行されるプログラムであって、当該ナビゲーション装置又は使用者ごとに固有の充電施設の情報である固有充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録手段、前記固有充電施設情報を地図データとして前記記憶部に記憶させる記憶手段、前記地図データに基づき、経路案内を行うルートの候補を決定するルート決定手段、として前記ナビゲーション装置を機能させる。ナビゲーション装置は、このプログラムを搭載し実行することで、より多くの情報に基づき経路案内を行うルートの候補を決定することができ、使用者の利便性を向上させることができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。以後では、「使用者」とは、車両の運転者の他、車両の乗員も含むものとする。さらに、「目的地」とは、使用者がナビゲーション装置1に設定した経路案内の目的地を指し、「立寄地」とは、使用者が目的地の途中で立ち寄る地点として設定した地点を指す。また、「施設」とは、建物や設備の他、目的地等として設定され得る地点を指す。
【0022】
[概略構成]
図1は、電気を動力源として走行する車両(以後、単に「車両」と呼ぶ。)に搭載されるナビゲーション装置1の概略構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0023】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0024】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0025】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。そして、システムコントローラ20は、後述する処理を行い、本発明における充電施設登録手段、ルート決定手段、使用許可判定手段、使用許可促進手段、充電施設検索手段、充電施設リスト表示手段、使用履歴記憶手段に相当する。
【0026】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、予め用意されたプログラムを実行することにより、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。なお、これらのシステムコントローラ20の各要素が実行する具体的な処理については、後述する。
【0027】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0028】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0029】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。特に、データ記憶ユニット36は、車両の充電を行うための充電施設(以後、「充電施設Pe」と呼ぶ。)の名称、位置、料金等の情報(以後、「充電施設情報Ip」と呼ぶ。)を記憶する。後述するように、充電施設Peは、全ての運転者が料金の支払い等により共通して利用可能な、データ記憶ユニット36に予め記憶されている充電施設(以後、「共通充電施設Pc」と呼ぶ。)と、ナビゲーション装置1の使用者が個別に設定する使用者に固有な充電施設(以後、「固有充電施設Pi」と呼ぶ。)とに分類される。即ち、データ記憶ユニット36は、共通充電施設Pcの情報を製品入荷時点等で予め記憶すると共に、固有充電施設Piの情報(以後、「固有充電施設情報Ipi」と呼ぶ。)を使用者の入力に基づき記憶する。固有充電施設情報Ipiをナビゲーション装置1に登録する方法については後述する。
【0030】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、VICS(登録商標)センタ、又は各車両の走行履歴を蓄積管理して渋滞情報を提供するサーバなどから配信される渋滞情報その他交通情報を電波39より取得する。また、通信装置38は、車両から蓄電装置(バッテリ)の残容量の情報を受信する。インタフェース37は、通信装置38のインタフェース動作を行い、交通情報をシステムコントローラ20等に入力する。
【0031】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0032】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0033】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0034】
[第1実施形態]
次に、第1実施形態でシステムコントローラ20が実行する処理について具体的に説明する。概略的には、システムコントローラ20は、固有充電施設情報Ipiの登録を受け付けると共に、固有充電施設情報Ipiを加えた充電施設情報Ipを参照し、経路案内を行うルートの候補を決定する。これにより、システムコントローラ20は、使用者の利便性を向上させる。以下、この具体例について説明する。
【0035】
(固有充電施設情報Ipiの登録)
まず、固有充電施設情報Ipiの登録方法について図2を参照して説明する。図2は、施設情報を登録する際に表示される表示画面(以後、「施設情報登録画面」と呼ぶ。)の具体例を示す。即ち、図2に示す施設情報登録画面は、使用者が施設情報を登録する際、使用者が所定の操作を行うことでナビゲーション装置1に表示させる画面の一例である。
【0036】
図2の施設情報登録画面は、名称等の各設定項目を設定する際に選択される設定ボタン401乃至406を有する。また、各設定ボタン401乃至406の隣には、各設定ボタン401乃至406によって設定された内容を示す設定表示欄411乃至416が設けられている。なお、設定ボタン401乃至406が選択された場合、システムコントローラ20は、図示しない入力画面を別途表示し、使用者からの入力を受け付ける。
【0037】
具体的には、設定ボタン401は、登録する対象となる施設(登録対象施設)の施設名称を登録する際に選択されるボタンである。ここでは、設定表示欄411は、登録対象施設の施設名称が「XXXさんの家」と設定されていることを示している。設定ボタン402は、登録対象施設の名称のふりがなを登録する際に選択されるボタンである。設定表示欄412は、当該ふりがなが「XXXさんのいえ」と設定されていることを示している。設定ボタン403は、地図表示画面上で表示されるアイコンを設定する際に選択されるボタンである。設定表示欄413は、「♪」が登録対象施設のアイコンとして設定されていることを示している。設定ボタン404は、登録対象施設が充電施設Peであるか否かを設定する際に選択されるボタンである。設定表示欄414は、登録対象施設が充電施設Peであることを示している。即ち、この場合、登録対象施設は、固有充電施設Piとなる。設定ボタン405は、登録対象施設で車両の充電を行った場合の充電料金に関する情報を登録する際に選択されるボタンである。設定表示欄415は、当該充電料金が300円であり、深夜料金が1/3割引きであることを示している。設定ボタン406は、登録対象施設で車両を充電する使用許可を得ているか否かを登録する際に選択されるボタンである。設定表示欄416は、登録対象施設で充電する使用許可があることを示している。
【0038】
このように、システムコントローラ20は、施設情報登録画面に、設定ボタン404乃至406を設けることで、登録対象施設が充電施設Peであるか否かの情報、充電料金に関する情報、及び充電する使用許可の有無の情報を使用者に入力させることができる。これにより、システムコントローラ20は、固有充電施設Piの登録を可能にし、当該固有充電施設Piを用いた経路案内をすることができる。これにより、システムコントローラ20は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0039】
(ルート探索)
次に、固有充電施設情報Ipiを利用したルート探索について図3を参照して説明する。図3は、使用者が目的地を指定した場合に、現在地から目的地へのルートの候補を表示するためにシステムコントローラ20が実行する処理手順の一例である。システムコントローラ20は、図3に示す処理を、使用者から目的地が指定された際に実行する。以後では、「第2候補ルートR2」とは、使用者に提示される現在地から目的地までのルートの候補(以後、「最終候補ルート」と呼ぶ。)を選定する際に対象となるルートであって、車両がルート上の充電施設Peを利用することにより、又は充電せずに走行可能なルートを指す。また、「第1候補ルートR1」とは、第2候補ルートR2を選定する際に対象となる、現在地から目的地までにとり得るルートの候補を指す。
【0040】
まず、システムコントローラ20は、第1候補ルートR1の探索を行う(ステップS101)。システムコントローラ20は、例えば、地図データに基づき現在地から目的地までの取り得るルートのうち、走行距離に基づき限定した所定個数のルートを第1候補ルートR1として選定する。
【0041】
次に、システムコントローラ20は、各第1候補ルートR1の走行予定距離(以後、「ルート別走行予定距離Dr」と呼ぶ。)を算出する(ステップS102)。そして、システムコントローラ20は、車両の走行可能距離(以後、「走行可能距離Dlim」と呼ぶ。)を算出する(ステップS103)。具体的には、システムコントローラ20は、車両に搭載された蓄電装置の残容量及び車両の燃費に基づき所定の式又はマップを参照して走行可能距離Dlimを算出する。上述の燃費は、データ記憶ユニット36又はROM23(以後、単に「メモリ」と呼ぶ。)に予め記憶されていてもよく、過去の走行距離と消費した電気量とに基づきシステムコントローラ20が算出したものであってもよい。
【0042】
次に、システムコントローラ20は、各第1候補ルートR1を充電せずに走行可能か否か判断する(ステップS104)。具体的には、システムコントローラ20は、走行可能距離Dlimがルート別走行予定距離Dr以上であるか否か判定する。これにより、システムコントローラ20は、各第1候補ルートR1を走行した場合に充電施設Peを立寄地として充電を行う必要があるか否か判定する。
【0043】
そして、システムコントローラ20は、所定の第1候補ルートR1が充電せずに走行可能なルートであると判断した場合(ステップS104;Yes)、即ち、走行可能距離Dlimがルート別走行予定距離Dr以上であると判断した場合、当該第1候補ルートR1を第2候補ルートR2に指定する(ステップS105)。即ち、システムコントローラ20は、当該第1候補ルートR1を走行可能なルートとして認定する。
【0044】
一方、システムコントローラ20は、所定の第1候補ルートR1が充電せずに走行するのは不可能なルートであると判断した場合(ステップS104;No)、即ち、走行可能距離Dlimがルート別走行予定距離Drより小さいと判断した場合、当該第1候補ルートR1の周辺に充電施設Peがあるか否か判定する(ステップS106)。ここで、「周辺」とは、例えば対象となるルートから所定距離以内の場所を指す。従って、システムコントローラ20は、この場合、例えば当該第1候補ルートR1から所定距離以内の施設を検索し、検索した施設中に充電施設Peが存在するか否か判定する。これにより、システムコントローラ20は、当該第1候補ルートR1が走行可能なルートか否か判定する。
【0045】
そして、システムコントローラ20は、第1候補ルートR1の周辺に充電施設Peが存在すると判断した場合(ステップS106;Yes)、当該充電施設Peを立寄地とした第2候補ルートR2を生成する(ステップS107)。即ち、この場合、システムコントローラ20は、上述の第1候補ルートR1を、当該充電施設Peを通過するルートに変更する。そして、システムコントローラ20は、当該充電施設Peで車両の充電を行うと仮定した場合には、当該ルートは走行可能であると判断する。好適には、立寄地に設定される充電施設Peは、現在地から当該充電施設Peまでの走行距離が走行可能距離Dim以下のものに限られる。
【0046】
ここで、システムコントローラ20は、固有充電施設Piを充電施設Peに含めてステップS106及びステップS107の処理を実行している。これにより、システムコントローラ20は、走行可能な候補ルートの数を増やし、使用者の利便性を向上させることができる。
【0047】
なお、システムコントローラ20は、複数の充電施設Peが立寄地として設定可能な場合、例えば、所定の規則に基づき又は無作為に、1の充電施設Peを選択して立寄地に設定する。第1候補ルートR1の周辺に複数の充電施設Peが存在する場合については、さらに第2実施形態で詳しく説明する。
【0048】
一方、システムコントローラ20は、第1候補ルートR1の周辺に充電施設Peが存在しないと判断した場合(ステップS106;No)、ステップS108へ処理を進める。即ち、この場合、システムコントローラ20は、当該第1候補ルートR1が走行可能なルートではないと判断する。
【0049】
そして、システムコントローラ20は、全ての第1候補ルートR1についてステップS104の処理を実行したか否か判定する(ステップS108)。そして、システムコントローラ20は、全ての第1候補ルートR1についてステップS104の処理を実行したと判断した場合(ステップS108:Yes)、ステップS109へ処理を進める。一方、システムコントローラ20は、ステップS104を実行していない第1候補ルートR1が存在すると判断した場合(ステップS108;No)、当該第1候補ルートR1についてステップS104の処理を実行する。
【0050】
次にステップS109以降の処理について説明する。システムコントローラ20は、第2候補ルートR2に基づきルート選択画面を表示すると共に、ユーザ操作に基づき表示画面を遷移させる(ステップS109)。具体的には、システムコントローラ20は、第2候補ルートR2から距離、道幅、有料道路の有無等の種々の観点から最終候補ルートを選定し、ルート選択画面を表示する。また、システムコントローラ20は、入力装置60からの入力に基づき、適宜表示画面を変更する。ステップS109で表示する表示画面の具体例については、後述する(画面表示例)で詳しく説明する。これにより、システムコントローラ20は、使用者に経路案内を行うルートを選択させる。
【0051】
次に、システムコントローラ20は、固有充電施設Piを立寄地としたルートが選択されたか否か判定する(ステップS110)。即ち、システムコントローラ20は、使用者が走行するルートとして選択した経路案内の対象となるルート(以後、「経路案内ルートRd」とも呼ぶ。)がステップS107で固有充電施設Piを立寄地として設定されたものであるか否か判定する。そして、システムコントローラ20は、固有充電施設Piを立寄地としたルートが経路案内ルートRdとして選択されたと判断した場合(ステップS110;Yes)、当該固有充電施設Piの充電許可があるか否か判定する(ステップS111)。例えば、システムコントローラ20は、当該固有充電施設Piの登録情報として、設定ボタン406により充電許可があると設定されているか否か判断する。そして、システムコントローラ20は、当該固有充電施設Piについて充電許可があると判断した場合(ステップS111;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、システムコントローラ20は、当該固有充電施設Piについて充電許可がないと判断した場合(ステップS111;No)、充電許可を得るための固有充電施設Piの連絡先を表示し、事前連絡を行うように促す(ステップS112)。ここで、連絡先とは、例えば電話番号、メールアドレスなどが該当する。これにより、システムコントローラ20は、使用者に充電施設Peを円滑に利用させることができる。
【0052】
一方、システムコントローラ20は、固有充電施設Piを立寄地としたルートが経路案内ルートRdとして選択されていないと判断した場合(ステップS110;No)、フローチャートの処理を終了する。
【0053】
(画面表示例)
次に、上述のステップS109でシステムコントローラ20が表示ユニット40に表示させる画面表示例について図4、図5を参照して説明する。
【0054】
図4(a)は、使用者が目的地を設定した際に表示される候補ルートを確認し選択する画面(以後、「ルート選択画面」と呼ぶ。)の一例である。図4(a)に示すように、ルート選択画面は、左側の地図表示領域420に各候補ルート「R421」乃至「R425」を表示すると共に、地図表示領域420の右側の選択画面には各候補ルートR421乃至R425を選択するためのボタン「421」乃至「425」を表示する。また、ルート選択画面は、充電料金を比較するためのボタン426をさらに備える。なお、アイコン「Ig」は、目的地の場所を表示するアイコンであり、アイコン「In」は、現在地の場所を表示するアイコンである。
【0055】
ここで、ボタン421乃至426について補足説明する。「距離優先」と表示されたボタン421は、第2候補ルートR2のうち最もルート別走行予定距離Drが短い候補ルートR421を経路案内ルートRdとして選択するためのボタンである。また、「有料道優先」と表示されたボタン422は、第2候補ルートR2のうち最も有料道の割合又は距離が長い候補ルートR422を経路案内ルートRdとして選択するためのボタンである。「一般道優先」と表示されたボタン423は、第2候補ルートR2のうち一般道の割合又は距離が長い候補ルートR423を経路案内ルートRdとして選択するためのボタンである。「道幅優先」と表示されたボタン424は、第2候補ルートR2のうち道幅が狭い道路を含む割合が最も小さい候補ルートR423を経路案内ルートRdとして選択するためのボタンである。「料金優先」と表示されたボタン425は、第2候補ルートR2のうち料金が最もかからない候補ルートR425を経路案内ルートRdとして選択するためのボタンである。「充電料金比較」と表示されたボタン426は、後述する図5(b)のリストを表示させる際に選択されるボタンである。
【0056】
図4(b)は、ボタン421乃至425のうちいずれかが選択された場合に表示される確認画面(以後、「選択ルート確認画面」と呼ぶ。)の一例である。図4(b)では、一例として、図4(a)でボタン425が選択された場合について示している。図4(b)の選択ルート確認画面は、左側の地図表示領域420に経路案内ルートRdとして選択された候補ルートR425を表示すると共に、地図表示領域420の右側の選択画面には各種機能に対応するボタン「435」乃至「437」が表示されている。なお、アイコン「It」は、立寄地として設定された充電施設Peの場所を表示するアイコンである。
【0057】
ここで、ボタン435乃至437の機能について説明する。「案内開始」と表示されたボタン435は、地図表示領域420に表示されたルート選択画面で選択されたルート(以後、「選択ルート」と呼ぶ。)を経路案内ルートRdとして確定する際に選択されるボタンである。「ルート情報」と表示されたボタン436は、選択ルートの詳細情報を確認する画面(以後、「ルート情報確認画面」と呼ぶ。)を表示させる際に選択されるボタンである。「経由地設定」と表示されたボタン437は、選択ルートに経由したい地点を新たに追加する際に選択されるボタンである。
【0058】
図5(a)は、ルート情報確認画面の一例である。図5(a)に示すように、ルート情報確認画面には、選択ルートが経由する道路の種類、長さ、料金についての情報が詳細に示されている。また、図5(a)に示すルート情報確認画面では、立寄地として設定された固有充電施設Piの情報が提示されている。具体的には、当該固有充電施設Piを示すアイコン「♪」、当該固有充電施設Piの名称「友人宅」、当該固有充電施設Piの充電料金「300円」、当該固有充電施設Piの割引情報「深夜1/3」が立寄地の情報として提示されている。
【0059】
図5(b)は、各候補ルートR421乃至R425で立寄地として設定された充電施設Peの各種情報を比較するためのリスト(以後、「充電施設比較リスト」と呼ぶ。)の一例である。図5(b)に示す充電施設比較リストは、図4(a)のルート選択画面で「充電料金表示」と表示されたボタン426が選択された場合に表示される。
【0060】
充電施設比較リストは、候補ルート表示欄「L1」と、充電施設名称表示欄「L2」と、距離表示欄「L3」と、到着時間表示欄「L4」と、充電料金表示欄「L5」と、割引情報表示欄「L6」と、付加料金表示欄「L7」と、を備える。候補ルート表示欄L1は、図4(a)の各候補ルートR421乃至R425に対応する名称を表示する欄である。充電施設名称表示欄L2は、各候補ルートR421乃至R425の立寄地として設定されている充電施設Peの名称を表示する欄である。距離表示欄L3は、立寄地である充電施設Peまでの走行距離を表示する欄である。到着時間表示欄L4は、立寄地である充電施設Peまでの到着時間を表示する欄である。充電料金表示欄L5は、充電施設Peで規定されている充電料金を表示する欄である。割引情報表示欄L6は、充電料金の割引情報を表示する欄である。例えば、割引情報表示欄L6は、「深夜1/3」と表示した場合、当該充電施設Peが深夜の時間帯で充電料金が1/3だけ割引きになることを示す。付加料金表示欄L7は、充電を行う際に付加的にかかる料金を表示する欄である。例えば、図5(b)に示す「一般道優先ルート」の場合、車両は「駐車場C」に駐車した際のサービスとして充電を行うため、充電料金は無料である一方、駐車料金として一時間あたり500円かかることを示している。また、「道幅優先ルート」の場合、車両は高速道路内の「パーキングエリアD」に立寄ることで充電を行うため、高速道路料金として700円別途かかることを示している。
【0061】
このように、システムコントローラ20は、ルート選択画面で充電施設比較リストの表示を選択可能にすることで、使用者に各候補ルートR421乃至R425の充電料金や充電の際に要する付加料金等のリストを提示することができ、使用者の利便性を向上させることができる。例えば、使用者は、「距離優先ルート」と「料金優先ルート」とのいずれを選択するか決定する際、深夜であれば「距離優先ルート」の充電料金が1/3割引きになることから「距離優先ルート」を選択し、深夜以外であれば充電施設Peまでの走行距離が短い「料金優先ルート」選択するなどの柔軟な選択が可能になる。
【0062】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態でシステムコントローラ20が実行する処理について説明する。システムコントローラ20は、第1実施形態に加え、使用者が選択した候補ルートの周辺に複数の充電施設Peが存在する場合、これらの充電施設情報Ipeを操作により表示可能にする。これにより、システムコントローラ20は、利便性をさらに向上させる。
【0063】
これについて、図6、図7を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は適宜その説明を省略する。
【0064】
図6は、第2実施形態に係る選択ルート確認画面の一例を示す。図6に示す選択ルート確認画面は、図4(b)に示す第1実施形態に係る選択ルート確認画面に加え、さらにボタン438、439が設けられている。図6に示す選択ルート確認画面は、図4(a)に示すルート選択画面のボタン421乃至425のいずれかが選択された場合に表示される。
【0065】
「周辺施設情報」と表示されたボタン438は、地図表示領域420内に表示された選択ルート(ここでは、候補ルートR423)の周辺施設を検索する際に選択されるボタンである。検索可能な周辺施設には、「飲食施設」、「観光施設」、「充電施設」など様々なジャンルが存在する。なお、ここで、「周辺」とは、例えば選択ルートから所定距離以内の場所を指す。
【0066】
「充電施設比較」と表示されたボタン439は、選択ルートの周辺にある充電施設Peの充電料金等のリストである充電施設比較リストを表示させる際に選択されるボタンである。なお、ここで、「周辺」とは、例えば選択ルートから所定距離以内の場所を指す。
【0067】
図7(a)は、選択ルートの周辺に存在する充電施設Peの位置を確認する表示画面例の一例である。図7(a)に示す画面は、ボタン438が選択された後、さらに周辺施設のジャンルとして「充電施設」が選択された際に表示される。図7(a)に示す画面は、地図表示領域420と、充電施設リスト表示領域440とを備える。充電施設リスト表示領域440には、選択ルートの周辺に存在する充電施設Peのリストである充電施設リストLeと、充電施設リストLeの各表示欄のうち、画面に表示される表示欄を変更するためのスクロールバーSBとが備えられている。
【0068】
図7(a)に示すように、充電施設リストLeの各表示欄には、充電施設Peの名称及びこれらの場所を地図表示領域420で表すためのアイコンがそれぞれ表示されている。そして、充電施設リストLeの各表示欄のうち、いずれかが選択された場合、地図表示領域420上に、選択された表示欄に対応する充電施設Peの場所が所定のアイコンで表される。図7(a)では、「知人宅J」が選択され、これに対応するアイコンが地図表示領域420に表示されている。そして、その後、選択された充電施設Peが立寄地として設定される。このように、システムコントローラ20は、選択ルートの周辺に充電施設Peが複数存在した場合に、使用者にいずれの充電施設Peを立寄地とするか柔軟に選択させることができる。
【0069】
図7(b)は、図6でボタン439が選択された際に画面上に表示される充電比較リストの一例である。図7(b)に示す充電施設比較リストは、充電施設名称表示欄L2と、距離表示欄L3と、到着時間表示欄L4と、充電料金表示欄L5と、割引情報表示欄L6と、付加料金表示欄L7とを備える。充電施設名称表示欄L2は、選択ルートの周辺に存在する充電施設Peの名称を表示する欄である。距離表示欄L3は、各充電施設Peまでの走行距離を表示する欄である。到着時間表示欄L4は、各充電施設Peまでの到着時間を表示する欄である。充電料金表示欄L5は、各充電施設Peで規定されている充電料金を表示する欄である。割引情報表示欄L6は、上述の充電料金の割引情報を表示する欄である。付加料金表示欄L7は、充電を行う際に付加的にかかる料金を表示する欄である。なお、充電施設比較リストは、図7(a)の充電施設リストLeと同様、スクロールバーSBなどにより表示対象となる充電施設Peを変更可能であってもよい。
【0070】
図7(b)に示す充電施設比較リストの表示後、好適には、システムコントローラ20は、充電施設比較リストからいずれかの充電施設Peが選択された場合、当該充電施設Peを立寄地として設定する。このように、システムコントローラ20は、選択ルート確認画面で充電施設比較リストの表示を選択可能にすることで、選択ルートの周辺にある充電施設Peの充電料金や充電の際に要する付加料金等を使用者に提示して比較させることができる。従って、使用者は、充電施設比較リストに従い充電を行うために立寄る施設を柔軟に選択することができる。
【0071】
[変形例]
以下、上述の実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
【0072】
(変形例1)
システムコントローラ20は、第1実施形態又は第2実施形態に加え、図3のステップS107で充電施設Peを立寄地とする際に、第1候補ルートR1の周辺に充電施設Peが複数存在した場合には、固有充電施設Piを共通充電施設Pcよりも優先的に立寄地として選択してもよい。これにより、システムコントローラ20は、使用者が親しみのある施設を充電施設Peとして選択することができる。
【0073】
なお、システムコントローラ20は、固有充電施設Piがさらに複数存在した場合には、例えば、充電料金及び付加料金が安い施設、又は/及び、第1候補ルートR1から近い施設を優先的に立寄地として定める。
【0074】
(変形例2)
第1実施形態又は第2実施形態に加え、システムコントローラ20は、充電施設Peでの充電履歴をメモリに記憶してもよい。例えば、システムコントローラ20は、充電施設Peが立寄地又は目的地に設定され、当該充電施設Peに車両が到着した場合に、当該充電施設Peの名称、到着した日時等をメモリに記憶させる。
【0075】
以下、充電履歴を利用した制御の例を説明する。
【0076】
第1の例では、システムコントローラ20は、図3のステップS107で立寄地を選択する場合、充電回数が少ない固有充電施設Piを充電回数が多い固有充電施設Piよりも優先して選択する。これにより、システムコントローラ20は、充電を行う固有充電施設Piが過度に偏るのを抑制することができ、固有充電施設Piの負担を分散させることができる。また、システムコントローラ20は、これに代えて、又はこれに加え、所定時間幅以内に充電を行った固有充電施設Piよりも、その他の固有充電施設Piを優先して立寄地として選択してもよい。例えば、システムコントローラ20は、所定時間幅以内に充電を行った固有充電施設Piを、立寄地とする選択肢から除外する。これによっても、システムコントローラ20は、充電を行う固有充電施設Piが過度に偏るのを抑制することができ、固有充電施設Piの負担を分散させることができる。なお、システムコントローラ20は、固有充電施設Piのうち、個人の施設又は知人宅のみを対象に、上述の処理を行ってもよい。
【0077】
第2の例では、システムコントローラ20は、月末などの所定のタイミングで、未払いの充電料金の情報を画面出力又は音声出力により使用者に通知してもよい。例えば、システムコントローラ20は、未払いの充電料金、支払い期限、及びこれに対応する充電施設Peの名称等をリスト表示する。この場合、システムコントローラ20は、例えば、充電料金の支払いがその場で行われる充電施設Peであるか否かを予め図2の登録画面等で設定可能にし、当該設定に基づき未払いの通知をすべきか否かを判定する。これにより、システムコントローラ20は、使用者に円滑に充電料金の支払いを実行させることができる。また、上述の例に代えて、システムコントローラ20は、月末などの所定のタイミングで、未払いか否かに関わらず使用した充電料金の情報を画面出力又は音声出力により使用者に通知してもよい。
【0078】
(変形例3)
第1実施形態又は第2実施形態では、固有充電施設Piは、ナビゲーション装置1ごとに設定され、データ記憶ユニット36に記憶された。これに代えて、ナビゲーション装置1は、固有充電施設Piを使用者ごとに設定可能にし、データ記憶ユニット36に記憶してもよい。
【0079】
この場合、ナビゲーション装置1は、起動時に、使用者の入力に基づき又は生体認証等により自動的に使用者(運転者)を識別し、使用者ごとに図2に示す固有充電施設Piの登録を受け付ける。また、ナビゲーション装置1は、使用者ごとに固有充電施設Piを記憶し、使用者ごとに経路案内に使用する。これによって、ナビゲーション装置1は、使用者ごとに固有充電施設Piを管理及び活用し、使用者ごとにより柔軟な経路案内を実現することができる。
【0080】
(変形例4)
図3のステップS110乃至S112では、システムコントローラ20は、固有充電施設Piを立寄地としたルートが選択された場合に、充電許可があるか否か判定し、必要に応じて充電許可を得るための事前連絡を促した。これに加え、システムコントローラ20は、固有充電施設Piが目的地に設定された場合にも、同様に充電許可があるか否か判定し、必要に応じて充電許可を得るための事前連絡を促してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、車載用ナビゲーション装置、PND(Personal Navigation Device)、その他ナビゲーション機能を有する端末に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 ナビゲーション装置
10 自立測位装置
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
38 通信装置
40 表示ユニット
44 ディスプレイ
60 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気を動力源とする移動体の前記動力源を充電する充電施設に関連する情報を表示する表示装置であって、
前記充電施設に関連する情報である充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録手段と、
充電施設情報を地図データとして記憶する記憶手段と、
前記地図データに基づき決定されたルートの周辺に存在する充電施設を検索する充電施設検索手段と、
前記充電施設検索手段により検索された充電施設の充電施設情報を表示する充電施設情報表示手段と、
を備え、
前記充電施設情報表示手段に表示される充電施設情報には、前記移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報が含まれることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
電気を動力源とする移動体の前記動力源を充電する充電施設に関連する情報を表示し、記憶部を備える表示装置が実行する制御方法であって、
前記充電施設に関連する情報である充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録工程と、
充電施設情報を地図データとして前記記憶部に記憶させる記憶工程と、
前記地図データに基づき決定されたルートの周辺に存在する充電施設を検索する充電施設検索工程と、
前記充電施設検索工程により検索された充電施設の充電施設情報を表示する充電施設情報表示工程と、を有し、
前記充電施設情報表示工程に表示される充電施設情報には、前記移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報が含まれることを特徴とする制御方法。
【請求項3】
電気を動力源とする移動体の前記動力源を充電する充電施設に関連する情報を表示し、記憶部を備える表示装置により実行されるプログラムであって、
前記充電施設に関連する情報である充電施設情報の登録を受け付ける充電施設登録手段と、
充電施設情報を地図データとして前記記憶部に記憶させる記憶手段と、
前記地図データに基づき決定されたルートの周辺に存在する充電施設を検索する充電施設検索手段と、
前記充電施設検索手段により検索された充電施設の充電施設情報を表示する充電施設情報表示手段
として前記表示装置を機能させ、
前記充電施設情報表示手段に表示される充電施設情報には、前記移動体の充電に要する料金及び当該料金の割引情報が含まれることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−73272(P2012−73272A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−278186(P2011−278186)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【分割の表示】特願2011−550349(P2011−550349)の分割
【原出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】