説明

表示装置、表示方法、表示プログラムおよび記録媒体

【課題】車両や利用者の状況に応じてアイコンの表示形態を変更すること。
【解決手段】走行判断部103によって車両が走行中であると判断された場合、取得部104によって車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する。そして、取得部104によって取得された情報に基づいて、表示形態判断部105によってアイコンの表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの表示形態を変更して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者からの各種メニューを実行する旨の入力を受け付けるアイコンの表示形態を変更する表示装置、表示方法、表示プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルの積層された表示画面上に各種メニューの入力を受け付けるためのタッチエリアを表示し、このタッチエリアに対応する領域のタッチパネルが押圧されることで、表示されたメニューの入力を受け付けるナビゲーション装置がある。このようなナビゲーション装置において、タッチパネルの誤操作を防止するために、車速センサの信号により車両の走行/非走行を検出し、車両の走行が検出された場合は、タッチパネルの積層された表示画面に表示されたボタンのタッチエリアを、非走行時のタッチエリアよりも大きくするナビゲーション装置が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
また、表示モニタに並列配置されて表示されている複数のボタンのうち、押圧頻度の高いボタンにおけるタッチパネルのタッチエリアを、表示されてから押圧される頻度の高い時間帯は、表示当初の大きさより拡大し、隣接するボタンの表示範囲に重なるまでタッチエリアを拡大するナビゲーション装置が提案されている(たとえば、下記特許文献2参照。)。さらに、自車両の振動を検出し、振動が小さいときには縮尺変更ボタンを比較的小さく表示し、振動が大きいときには縮尺変更ボタンを比較的大きく拡大表示するナビゲーション装置が提案されている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−17478号公報
【特許文献2】特開2007−102442号公報
【特許文献3】特開2007−190947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1または3の技術では、車両の速度や振動量に応じてタッチエリアの表示を大きくするが、たとえば幅員の狭い経路を通過する場合など、車両の速度が遅くて、振動量が少なくても、運転者が運転をおこなうことが困難な状況や、タッチパネルを操作するのが困難な状況がある。この場合、タッチエリアの表示が小さいと、運転者が表示画面を注視してしまい、運転が危険になるという問題がある。
【0006】
また、上述した特許文献2の技術では、タッチエリアが表示画面に表示されてから押圧される頻度の高い時間帯までは、タッチエリアの表示を大きくするが、たとえばタッチエリアが表示画面に表示されてから押圧される頻度の高い時間帯以外は、夕方や夜間などの運転者が表示画面を視認しにくい状況でも、タッチエリアの表示が小さく、利用者が運転に集中できず危険であるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる表示装置は、車両に備えられた表示部に利用者からの各種メニューを実行する旨の入力を受け付けるアイコンを表示する表示装置において、前記車両が走行中か否かを判断する走行判断手段と、前記車両が走行中であると判断された場合に、当該車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記アイコンの表示形態を変更するか否かを判断する表示形態判断手段と、前記アイコンの表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、当該アイコンの表示形態を変更して表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項9の発明にかかる表示方法は、車両に備えられた表示部に利用者からの各種メニューを実行する旨の入力を受け付けるアイコンを表示する表示装置における表示方法において、前記車両が走行中か否かを判断する走行判断工程と、前記車両が走行中であると判断された場合に、当該車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された情報に基づいて、前記アイコンの表示形態を変更するか否かを判断する表示形態判断工程と、前記アイコンの表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、当該アイコンの表示形態を変更して表示する表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項10の発明にかかる表示プログラムは、請求項9に記載の表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項11の発明にかかる記録媒体は、請求項10に記載の表示プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる表示装置、表示方法、表示プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(表示装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる表示装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において、表示装置100は、表示部101と、記録部102と、走行判断部103と、取得部104と、表示形態判断部105と、同乗者判断部106と、状況判断部107と、表示制御部108と、を備えている。表示部101は、利用者からの各種メニューを実行する旨の入力を受け付けるアイコンや、地図データを表示する表示画面を備えている。表示画面には、タッチパネルなどが積層されていてもよい。そして、利用者からの各種メニューを実行する旨の入力は、たとえば利用者によってタッチパネルが押圧されたときに、この押圧された領域の表示画面に表示されているアイコンの示すメニューを実行する旨を受け付ける。利用者からの各種メニューを実行する旨の入力は、マウスなどの操作によりアイコンが選択されることで受け付けてもよい。ここで、アイコンは、文字や図形などで各種メニューの内容が示されている。
【0014】
また、地図データは、たとえば記録部102に記録されている。地図データは、ノードおよびリンクからなる道路ネットワークデータと、施設や道路その他地形(山、川、土地)に関するフィーチャを用いて描画される画像データとを含んでいる。地図データは、文字情報、施設の名称や住所などの情報、道路や施設の画像などを含んでいてもよい。
【0015】
記録部102は、利用者からの操作によって入力の受け付けられたメニューの受付履歴を記録する。記録部102は、具体的には、それぞれのメニューについて、利用者からの操作によって受け付けられた頻度を記録していてもよい。また、記録部102は、後述する取得部104によって取得された車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報などと関連付けて、利用者からの操作によって入力の受け付けられたメニューの受付履歴を記録してもよい。
【0016】
走行判断部103は、車両が走行中か否かを判断する。走行判断部103は、具体的には、たとえば車速パルスなどからの入力に基づいて、車両が走行中か否かを判断する。
【0017】
取得部104は、走行判断部103によって車両が走行中であると判断された場合に、車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する。車両が走行中の経路の状態に関する情報としては、たとえば経路の幅、曲率、地域に関する情報が挙げられる。取得部104は、車両が走行中の経路の状態に関する情報として、経路の幅、曲率、地域に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する。取得部104は、具体的には、たとえば車両が走行中の経路の状態に関する情報を地図データから取得する。
【0018】
また、取得部104は、車両が走行中の天候に関する情報として、雨天、強風または雪などの車両の運転が困難な天気か否かに関する情報を取得する。また、車両が走行中の天候に関する情報として、車両外部の気温に関する情報を取得してもよい。その理由は、たとえば外気温が氷点下の場合、道路が凍っている可能性があるためである。取得部104は、具体的には、たとえば車両が走行中の天候に関する情報を、接続された携帯電話などを用いて、ネットワークを介してサーバから取得する。
【0019】
取得部104は、車両が走行中の日時に関する情報として、車両が走行中の時間または季節に関する情報のうち少なくとも一つ以上の情報を取得する。車両が走行中の時間または季節に関する情報とは、たとえば時間が夕方または夜間か否か、季節が秋または冬か否かの情報である。季節に関する情報を取得する理由は、秋または冬の夕方は、事故の起きる可能性が高い時期であるためである。取得部104は、具体的には、たとえば車両が走行中の日時に関する情報をGPSからの時刻情報や記録部102に記録されたカレンダー情報などから取得する。
【0020】
表示形態判断部105は、取得部104によって取得された情報に基づいて、アイコンの表示形態を変更するか否かを判断する。表示形態判断部105は、具体的には、たとえば利用者にとって、各種メニューを実行する旨の入力を操作することが難しい状況、表示画面を視認することが困難な状況、車両を運転することが難しい状況などの場合に、アイコンの表示形態を変更すると判断する。
【0021】
同乗者判断部106は、車両の助手席に同乗者がいるか否かを判断する。同乗者判断部106は、具体的には、たとえば助手席の座面などに備えられた重量を検知するセンサからの入力や、車両内部を撮影可能なカメラによって撮影された助手席周辺の映像に基づいて、助手席に同乗者がいるか否かを判断する。
【0022】
状況判断部107は、取得部104によって取得された情報に基づいて、車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況か否かを判断する。状況判断部107は、具体的には、たとえば取得部104によって取得された情報をパラメータとして、車両の運転者が表示部101を視認する危険度が所定値以上の場合に、車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況であると判断してもよい。状況判断部107は、具体的には、車両がカーブが多く、幅員の狭い山道を、夜間に走行する場合などに、車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況であると判断する。
【0023】
表示制御部108は、アイコンの表示形態を変更すると判断された場合、表示部101を制御して、アイコンの表示形態を変更して表示する。表示制御部108は、たとえば取得部104によって車両が走行中の経路の状態に関する情報として、経路の幅、曲率、地域に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得し、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示部101を制御して、アイコンの大きさを大きくして表示する。表示制御部108は、具体的には、取得部104によって幅員が狭い経路、カーブが多い経路、山道、住宅街、商店街などの情報を取得した場合、表示部101を制御して、アイコンの大きさを大きくして表示する。
【0024】
また、表示制御部108は、取得部104によって車両が走行中の天候に関する情報を取得し、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示部101を制御して、アイコンの大きさを大きくして表示する。表示制御部108は、具体的には、取得部104によって、天気が雨天、強風または雪である情報、気温が氷点下である情報などを取得した場合、表示部101を制御して、アイコンの大きさを大きくして表示する。
【0025】
さらに、表示制御部108は、取得部104によって車両が走行中の日時に関する情報として、車両が走行中の時間または季節に関する情報のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示部101を制御して、アイコンを利用者の可視性が高い色に変更して表示する。表示制御部108は、具体的には、取得部104によって、夕方、夜間、特に秋や冬の夕方である情報などを取得した場合、表示部101を制御して、アイコンを利用者の可視性が高い色に変更して表示する。
【0026】
表示制御部108は、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、記録部102に記録されたメニューの受付履歴に基づいて、利用者からの入力を受け付ける可能性の高いメニューを示すアイコンのみを表示してもよい。また、表示制御部108は、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示部101を制御して、アイコンの表示範囲を表示部101の運転席に近い側に変更して表示してもよい。
【0027】
さらに、表示制御部108は、同乗者判断部106によって助手席に同乗者がいると判断され、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示部101を制御して、アイコンの表示範囲を表示部101の助手席に近い側に変更して表示してもよい。また、表示制御部108は、状況判断部107によって車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況であると判断された場合、表示部101を制御して、アイコンを表示しないようにしてもよい。
【0028】
表示制御部108は、これらの表示形態を組み合わせてアイコンの表示形態を変更してもよい。具体的には、たとえば、大きさを大きく、利用者に可視性が高い色にして、表示範囲を表示部101の運転席に近い側に変更してアイコンを表示してもよい。
【0029】
(表示装置の表示処理手順)
つぎに、表示装置100の表示処理手順について説明する。図2は、表示装置の表示処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、走行判断部103によって車両が走行中であると判断されるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。ステップS201において車両が走行中であると判断された場合(ステップS201:Yes)、取得部104によって車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する(ステップS202)。
【0030】
つぎに、取得部104によって取得された情報に基づいて、表示形態判断部105によってアイコンの表示形態を変更するか否かを判断する(ステップS203)。ステップS203においてアイコンの表示形態を変更すると判断されない場合(ステップS203:No)、ステップS202に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0031】
一方、ステップS203においてアイコンの表示形態を変更すると判断された場合(ステップS203:Yes)、記録部102からメニューの受付履歴を取得する(ステップS204)。また、助手席に同乗者がいるか否かを判断する(ステップS205)。ステップS205において助手席に同乗者がいると判断された場合(ステップS205:Yes)、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して(ステップS206)、ステップS210に進む。
【0032】
また、ステップS205において助手席に同乗者がいないと判断された場合(ステップS205:No)、状況判断部107によって車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況か否かを判断する(ステップS207)。ステップS207において車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況であると判断された場合(ステップS207:Yes)、アイコンを表示せずに(ステップS208)またはアイコンの表示を停止して、一連の処理を終了する。
【0033】
一方、ステップS207において車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況ではないと判断された場合(ステップS207:No)、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの表示範囲を運転席に近い側に変更して(ステップS209)、ステップS210に進む。
【0034】
そして、ステップS210においては、ステップS202において取得された車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報に基づいて、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの大きさや色を変更して表示して(ステップS210)、一連の処理を終了する。
【0035】
なお、図2のフローチャートにおいては、ステップS205:Yesにおいて助手席に同乗者がいる場合、ステップS206においてアイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更するとしているが、これに限るものではない。具体的には、助手席に同乗者がいても、表示範囲があらかじめ設定されている場合、またはこの同乗者がアイコンの操作をおこなわない場合、アイコンの表示範囲を運転席に近い側に変更してもよい。
【0036】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS210においてアイコンの大きさや色を変更して表示するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえばステップS204において取得されたメニューの受付履歴に基づいて、利用者からの入力を受け付ける可能性の高いメニューを示すアイコンのみを表示してもよい。
【0037】
上述したように、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、走行判断部103によって車両が走行中であると判断された場合に、取得部104によって車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する。そして、取得された情報に基づいて、表示形態判断部105によってアイコンの表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの表示形態を変更して表示することができる。したがって、車両の速度や振動に関わらず、車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報に基づいて、アイコンの表示形態を変更することができる。これによって、利用者は、車両の速度を遅くしている場合でも、運転をおこなうことが困難な状況、メニューの入力操作をするのが困難な状況または表示画面を視認しにくい状況のときは、アイコンが操作しやすいため、安全に車両の運転をおこなうことができる。
【0038】
また、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、取得部104によって車両が走行中の経路の状態に関する情報として、経路の幅、曲率、地域に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得し、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの大きさを大きくして表示することができる。したがって、たとえば幅員の狭い経路、山道、住宅街または商店街の経路を走行中に、アイコンの大きさを大きくして表示することができる。これによって、利用者は、たとえば幅員の狭い経路、山道、住宅街または商店街の経路などの運転をおこなうことが困難な状況の場合にも、アイコンが操作しやすいため、安全に車両の運転をおこなうことができる。
【0039】
また、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、取得部104によって車両が走行中の天候に関する情報を取得し、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの大きさを大きくして表示することができる。したがって、たとえば雨天、強風または雪などの場合に、アイコンの大きさを大きくして表示することができる。これによって、利用者は、たとえば雨天、強風または雪などの運転をおこなうことが困難な状況の場合にも、アイコンが操作しやすいため、安全に車両の運転をおこなうことができる。
【0040】
また、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、取得部104によって車両が走行中の日時に関する情報として、車両が走行中の時間または季節に関する情報のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンを利用者の可視性が高い色に変更して表示することができる。したがって、たとえば夕方や夜間などの場合に、アイコンを利用者の可視性が高い色に変更して表示することができる。これによって、利用者は、たとえば夕方や夜間などの表示画面を視認しにくい状況の場合にも、アイコンが視認しやすいため、安全に車両の運転をおこなうことができる。
【0041】
また、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、記録部102によって利用者からの操作によって入力の受け付けられたメニューの受付履歴を記録し、表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によってメニューの受付履歴に基づいて、利用者からの入力を受け付ける可能性の高いメニューを示すアイコンのみを表示することができる。したがって、たとえばアイコンの大きさを大きくして表示した場合などに、利用者からの入力を受け付ける可能性の高いメニューを示すアイコンのみを表示することができる。これによって、表示画面の表示内容を煩雑にさせず、利用者は、簡単にアイコンの操作をおこなうことができる。
【0042】
また、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、表示形態判断部105によって、表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの表示範囲を表示部101の運転席に近い側に変更して表示することができる。したがって、運転席に座っている利用者にとって、よりアイコンの操作をしやすくすることができる。これによって、利用者が運転者の場合、利用者は、簡単にアイコンの操作をおこなうことができる。
【0043】
また、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、同乗者判断部106によって車両の助手席に同乗者がいると判断され、かつ表示形態判断部105によって表示形態を変更すると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンの表示範囲を表示部101の助手席に近い側に変更して表示することができる。したがって、運転席に座っている利用者以外に、助手席に同乗者がいる場合、同乗者がアイコンの操作をしやすいようにアイコンの表示形態を変更することができる。これによって、助手席の同乗者は、簡単にアイコンの操作をおこなうことができる。また、運転者である利用者は、アイコンの操作をおこなう必要がないため、運転に集中することができる。
【0044】
また、本実施の形態にかかる表示装置100によれば、取得部104によって取得された情報に基づいて、状況判断部107によって車両の運転者が表示部101を視認すると危険な状況であると判断された場合、表示制御部108によって表示部101を制御して、アイコンを表示しないことができる。したがって、たとえば外気温が氷点下のときに山道を走行する場合など、表示部101を視認することで、運転が危険になる場合、アイコンを表示させないことができる。これによって、利用者は、運転に注意が必要な状況の場合、車両を停止するまではアイコンの操作がおこなえないため、安全に運転をおこなうことができる。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の表示装置を実施した場合の一例について説明する。
【0046】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、カメラ317と、を備えている。各構成部301〜317は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0047】
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、データ更新プログラム、アイコン表示変更判断プログラム、アイコン表示変更プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0048】
アイコン表示変更判断プログラムは、詳細は後述するが、車両が走行中の場合、車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、これらの情報に基づいて、ディスプレイ313に表示されたアイコンの表示形態を変更するか否かを判断させる。ここで、アイコンは、利用者からの各種メニューを実行する旨の入力を受け付けるために、ディスプレイ313に表示される文字や図形の情報である。アイコン表示変更判断プログラムは、具体的には、たとえば利用者にとって、各種メニューを実行する旨の入力を操作することが難しい状況、ディスプレイ313を視認することが困難な状況、車両を運転することが難しい状況などの場合に、アイコンの表示形態を変更すると判断させる。
【0049】
アイコン表示変更プログラムは、アイコン表示変更判断プログラムによってアイコンの表示形態を変更すると判断された場合、変更すると判断された理由となった情報に合致した形態にアイコンの表示形態を変更してディスプレイ313に表示させる。具体的には、アイコンの大きさを大きくさせたり、アイコンの色を利用者の可視性が高い色に変更させたりする。また、アイコン表示変更プログラムは、ディスプレイ313の輝度を変更させたり、ディスプレイ313におけるアイコンの表示範囲をたとえば運転席に近い側や助手席に近い側に変更させたりする。
【0050】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0051】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0052】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0053】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0054】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0055】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0056】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の他の一例としては、カレンダーデータやメニューの受付履歴などが挙げられる。メニューの受付履歴は、ナビゲーション装置300によって実行される各種メニューごとの、過去に利用者から受け付けられた頻度に関する情報である。
【0057】
なお、ナビゲーション装置300は、図示を省略するが、フラッシュメモリを備えていてもよい。フラッシュメモリは、書き換え自在な不揮発性半導体メモリであり、CPU301の制御にしたがってデータの読み取り/書き込みをおこなう。フラッシュメモリには、たとえば、NAND型フラッシュメモリやNOR型フラッシュメモリなどを用いることができる。フラッシュメモリに記録される情報の一例としては、上述した映像情報や音声情報、文字情報または地図情報や機能データなどが挙げられる。また、フラッシュメモリは、ROM302としての機能を有していてもよい。すなわち、フラッシュメモリは、上述の各プログラムを記録していてもよい。
【0058】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
【0059】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0060】
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0061】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ313に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在位置は、CPU301によって算出される。
【0062】
ディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ313は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ313は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0063】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。なお、通信I/F314は、インターネットを介してサーバなどから天候に関する情報を取得してもよい。
【0064】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F314は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報など各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0065】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。また、GPSユニット315は、GPS衛星から現在時刻に関する情報を取得してもよい。
【0066】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ316の出力値は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0067】
カメラ317は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ317によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。具体的には、カメラ317によって助手席を撮影し、助手席に同乗者がいるか否かの判断に用いる映像を出力してもよい。また、カメラ317によって車両外部の状況を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、カメラ317は、赤外線カメラ機能を有しており、赤外線カメラ機能を用いて撮影された映像情報に基づいて車両内部に存在する物体の表面温度の分布を相対的に比較することができる。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0068】
図1に示した表示装置100が備える表示部101、記録部102、走行判断部103、取得部104、表示形態判断部105、同乗者判断部106、状況判断部107、表示制御部108は、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0069】
すなわち、実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている表示プログラムを実行することにより、図1に示した表示装置100が備える機能を、図2に示した表示処理手順で実行することができる。
【0070】
(ナビゲーション装置の処理の内容)
つぎに、ナビゲーション装置300の処理の内容について説明する。図4は、ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、各種センサ316に含まれる車速センサからの情報などにより、車両が走行中と判断されるまで待機する(ステップS401:Noのループ)。
【0071】
ステップS401において車両が走行中であると判断された場合(ステップS401:Yes)、車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうち少なくとも一つ以上の情報を取得する(ステップS402)。ステップS402においては、たとえば磁気ディスク305および光ディスク307に記録された地図データや機能データから経路に関する情報を取得し、通信I/F314を介して外部のサーバなどから天候に関する情報を取得し、GPSユニット315を介してGPS衛星から時刻に関する情報を取得する。さらに、磁気ディスク305および光ディスク307から過去に利用者によって入力されたメニューの使用頻度を取得する(ステップS403)。
【0072】
つぎに、アイコン表示変更判断プログラムを実行して、ステップS402において取得された情報に基づいて、以下のステップS404からステップS415の処理をおこなう。まず、経路が山道または経路の幅員が狭いか否かを判断する(ステップS404)。ステップS404において経路が山道または経路の幅員が狭いと判断されない場合(ステップS404:No)、そのままステップS406に進む。ステップS404において経路が山道または経路の幅員が狭いと判断された場合(ステップS404:Yes)、アイコンの大きさを大きく設定して(ステップS405)、ステップS406に進む。
【0073】
つぎに、ステップS406において、天候が雨天、強風または雪か否かを判断する(ステップS406)。ステップS406において天候が雨天、強風または雪であると判断されない場合(ステップS406:No)、そのままステップS408に進む。また、ステップS406において天候が雨天、強風または雪であると判断された場合(ステップS406:Yes)、アイコンの大きさを大きく設定して(ステップS407)、ステップS408に進む。
【0074】
つぎに、ステップS408において、時間が夕方または夜間か否かを判断する(ステップS408)。ステップS408において時間が夕方または夜間であると判断されない場合(ステップS408:No)、そのままステップS412に進む。ステップS408において時間が夕方または夜間であると判断された場合(ステップS408:Yes)、アイコンの色を可視性が高い色に設定し(ステップS409)、つづけて季節が秋または冬か否かを判断する(ステップS410)。ステップS410において季節が秋または冬であると判断されない場合(ステップS410:No)、そのままステップS412に進む。ステップS410において季節が秋または冬であると判断された場合(ステップS410:Yes)、ディスプレイ313の輝度を明るく、アイコンの大きさを大きく設定して(ステップS411)、ステップS412に進む。
【0075】
つぎに、ステップS412において、各種センサ316に含まれる重量センサやカメラ317からの情報により、助手席に同乗者がいるか否かを判断する(ステップS412)。ステップS412において助手席に同乗者がいると判断されない場合(ステップS412:No)、そのままステップS414に進む。また、ステップS412において助手席に同乗者がいると判断された場合(ステップS412:Yes)、ナビゲーション装置300を同乗者が操作するか否かを判断する(ステップS413)。
【0076】
ステップS413において同乗者が操作するか否かの判断は、たとえばあらかじめ利用者や同乗者によって設定されていてもよいし、助手席側から操作するか否かの指示を受け付けるキーなどを表示し、このキーが操作されたか否かを判断することでおこなってもよい。ステップS413において同乗者が操作すると判断されない場合(ステップS413:No)、ステップS414に進む。
【0077】
つぎに、ステップS414において、経路が山道で外気温が氷点下か否かを判断する(ステップS414)。ステップS414において経路が山道で外気温が氷点下であると判断されない場合(ステップS414:No)、ステップS416に進む。また、ステップS413において同乗者が操作すると判断された場合(ステップS413:Yes)、アイコンの表示範囲を助手席に近い側に設定して(ステップS415)、ステップS416に進む。
【0078】
つぎに、ステップS416においてアイコンの表示形態を変更するか否かを判断する(ステップS416)。ステップS416においては、たとえばステップS405、ステップS407、ステップS409、ステップS411、ステップS415のうちの少なくともいずれか一つにおいてアイコンの表示形態を変更する設定がなされた場合、アイコンの表示形態を変更すると判断する。また、ステップS416においては、アイコンの表示形態を変更するか否かの指示を受け付けるキーなどを表示し、このキーが操作されたか否かを判断することでおこなってもよい。すなわち、たとえば利用者自身がアイコンの可視性が悪いと感じたら、アイコンの表示形態を変更する旨の指示を入力することができる構成でもよい。
【0079】
ステップS416においてアイコンの表示形態を変更すると判断された場合(ステップS416:Yes)、アイコン表示変更プログラムを実行して、ディスプレイ313に、ステップS405、ステップS407、ステップS409、ステップS411、ステップS415のうちの少なくともいずれか一つにおいて設定された形態にアイコンの表示形態を変更して表示して(ステップS417)、一連の処理を終了する。
【0080】
一方、ステップS416においてアイコンの表示形態を変更すると判断されない場合(ステップS416:No)、ディスプレイ313に、アイコンの表示形態を変更せずに表示して(ステップS418)、一連の処理を終了する。
【0081】
また、ステップS414において経路が山道で外気温が氷点下であると判断された場合(ステップS414:Yes)、ディスプレイ313へのアイコンの表示を停止して(ステップS419)、一連の処理を終了する。
【0082】
なお、図4のフローチャートにおいては、ステップS417においてアイコンの表示形態を変更するとしているが、たとえばアイコンの大きさを大きくすると、全てのアイコンがディスプレイ313上に入りきらなくなったり、アイコンが重なってしまい表示がわかりづらくなることがある。この場合、ステップS403において取得されたメニューの使用頻度に基づいて、利用者が使用する可能性の高いアイコンのみを表示してもよい。
【0083】
また、図4のフローチャートにおいては、ステップS417において、ディスプレイ313に、ステップS405、ステップS407、ステップS409、ステップS411、ステップS415のうちの少なくともいずれか一つにおいて設定された形態にアイコンの表示形態を変更して表示するとしているがこれに限るものではない。具体的には、たとえばアイコンの表示範囲をディスプレイ313の運転席に近い側に表示するようにしてもよい。
【0084】
(アイコンの大きさを大きく表示する表示の一例)
つぎに、アイコンの表示形態について説明する。まず、図5または図6を用いて、アイコンの大きさを大きく表示する表示の一例について説明する。図5は、アイコンの大きさを大きく表示する表示の一例について示す説明図である。図5においては、上の図が通常のメニュー画面500であり、下の図が変更後のメニュー画面510である。
【0085】
図5の上の図に示すように、たとえばディスプレイ313に通常のアイコン501が並んだ通常のメニュー画面500が表示されている。ここで、ステップS417においてアイコン表示変更プログラムが実行されると、図5の下の図に示すように、ディスプレイ313には通常のアイコン501より大きさの大きいビッグアイコン511が並んだ変更後のメニュー画面510が表示される。
【0086】
このとき、たとえば利用者が、「住所」、「履歴」、「周辺施設」および「自宅」メニューを使用する頻度が高い場合、これらのメニューを大きく表示し、通常のメニュー画面に表示されていた「郵便番号」、「ジャンル」および「TEL」を表示しなくてもよい。また、「郵便番号」、「ジャンル」および「TEL」は、「その他」メニューの中に含まれるようにしてもよい。
【0087】
図6は、アイコンの大きさを大きく表示する表示の他の一例について示す説明図である。図6においては、上の図が通常の地図画面600であり、下の図が変更後の地図画面610である。
【0088】
図6の上の図に示すように、たとえばディスプレイ313の助手席に近い側に通常のアイコン601が重畳して表示された通常の地図画面600が表示されている。ここで、ステップS417においてアイコン表示変更プログラムが実行されると、図6の下の図に示すように、ディスプレイ313には通常のアイコン601より大きさの大きいビッグアイコン611が重畳して表示された変更後の地図画面610が表示される。また、変更後の地図画面610においては、通常の地図画面600とは異なり、たとえばビッグアイコン611をディスプレイ313の運転席に近い側に表示する。
【0089】
(アイコンの色を可視性が高い色に変更して表示する表示の一例)
つぎに、図7を用いて、図4のステップS409において、アイコンの色を可視性が高い色に変更して表示する表示の一例について説明する。図7は、アイコンを可視性が高い色に変更して表示する表示の一例について示す説明図である。図7においては、上の図が通常のメニュー画面500であり、下の図が変更後のメニュー画面700である。
【0090】
図7の上の図に示すように、たとえばディスプレイ313に通常のアイコン501が並んだ通常のメニュー画面500が表示されている。ここで、ステップS417においてアイコン表示変更プログラムが実行されると、図7の下の図に示すように、ディスプレイ313には通常のアイコン501より利用者の可視性が高い色のアイコン701が並んだ変更後のメニュー画面700が表示される。このとき、たとえばアイコン701の大きさを通常のアイコン501より大きくしてもよい。
【0091】
(アイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して表示する表示の一例)
つぎに、図8または図9を用いて、ステップS415においてアイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して表示する表示の一例について説明する。図8は、アイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して表示する表示の一例について示す説明図である。図8においては、上の図が通常の地図画面600であり、下の図が変更後の地図画面800である。
【0092】
図8の上の図に示すように、たとえばディスプレイ313の助手席に近い側に通常のアイコン601が重畳して表示された通常の地図画面600が表示されている。ここで、ステップS417においてアイコン表示変更プログラムが実行されると、図8の下の図に示すように、ディスプレイ313には通常のアイコン601より大きさの大きいビッグアイコン801が重畳して表示された変更後の地図画面800が表示される。
【0093】
また、この場合、変更後の地図画面800においては、通常の地図画面600において通常のアイコン601がディスプレイ313の助手席に近い側に表示されていたため、そのままビッグアイコン801をディスプレイ313の助手席に近い側に表示する。
【0094】
図9は、アイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して表示する表示の他の一例について示す説明図である。図9においては、上の図が通常のメニュー画面500であり、下の図が変更後のメニュー画面900である。
【0095】
図9の上の図に示すように、たとえばディスプレイ313に通常のアイコン501が並んだ通常のメニュー画面500が表示されている。ここで、ステップS417においてアイコン表示変更プログラムが実行されると、図9の下の図に示すように、ディスプレイ313には通常のアイコン501より大きさの大きいビッグアイコン901が、ディスプレイ313の助手席に近い側に並んだ変更後のメニュー画面900が表示される。
【0096】
図9においては、利用者の使用頻度の高いメニューの表示範囲を、ディスプレイ313の助手席に近い側に変更して、他のメニューの表示を停止したが、これに限るものではない。たとえば、利用者の使用頻度の高いメニューの表示範囲を、ディスプレイ313の助手席に近い側に変更して、他のメニューをディスプレイ313の助手席に遠い側に表示してもよい。
【0097】
なお、図5〜図9においては、それぞれアイコンの大きさを大きく表示する表示の例、アイコンを可視性が高い色に変更して表示する表示の例、アイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して表示する表示の例について示したが、これに限るものではない。具体的には、たとえばこれらの表示形態を組み合わせてアイコンを表示してもよい。また、アイコンの表示形態は、上述した例に限らず、利用者の状況に応じて利用者にとってアイコンが操作しやすいような表示形態であればよい。
【0098】
上述したように、本実施例のナビゲーション装置300によれば、走行中の経路が山道または幅員が狭い経路の場合、走行中の天候が雨天、強風または雪の場合など、運転が困難な状況の場合、アイコンの大きさを大きくして表示し、走行中の時間が夕方または夜間などのディスプレイ313が視認しにくい状況の場合、アイコンの色を可視性が高い色に変更して表示することができる。また、走行中の季節が秋や冬の夕方など、事故の起きやすい状況の場合には、ディスプレイ313の輝度を明るく、アイコンの大きさを大きくして表示することができる。これによって、利用者は、運転中の速度や振動に関わらず、運転が困難な状況やディスプレイ313が視認しにくい状況で、アイコンの表示を最適な表示に変更させることができる。したがって、利用者は、アイコンの操作を簡単におこなうことができるため、運転に集中し、安全に運転をおこなうことができる。
【0099】
以上説明したように、本発明の表示装置、表示方法、表示プログラムおよび記録媒体によれば、車両の速度や振動に関わらず、運転が困難な状況や表示画面を視認しにくい状況の場合に、アイコンの表示形態を利用者が操作しやすい表示形態に変更することができる。
【0100】
なお、本実施の形態で説明した表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施の形態にかかる表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置の表示処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】アイコンの大きさを大きく表示する表示の一例について示す説明図である。
【図6】アイコンの大きさを大きく表示する表示の他の一例について示す説明図である。
【図7】アイコンを可視性が高い色に変更して表示する表示の一例について示す説明図である。
【図8】アイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して表示する表示の一例について示す説明図である。
【図9】アイコンの表示範囲を助手席に近い側に変更して表示する表示の他の一例について示す説明図である。
【符号の説明】
【0102】
100 表示装置
101 表示部
102 記録部
103 走行判断部
104 取得部
105 表示形態判断部
106 同乗者判断部
107 状況判断部
108 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられた表示部に利用者からの各種メニューを実行する旨の入力を受け付けるアイコンを表示する表示装置において、
前記車両が走行中か否かを判断する走行判断手段と、
前記車両が走行中であると判断された場合に、当該車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記アイコンの表示形態を変更するか否かを判断する表示形態判断手段と、
前記アイコンの表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、当該アイコンの表示形態を変更して表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記車両が走行中の経路の状態に関する情報として、当該経路の幅、曲率、地域に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、前記アイコンの大きさを大きくして表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記車両が走行中の天候に関する情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、前記アイコンの大きさを大きくして表示することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記車両が走行中の日時に関する情報として、前記車両が走行中の時間または季節に関する情報のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、前記アイコンを前記利用者の可視性が高い色に変更して表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記利用者からの操作によって入力の受け付けられたメニューの受付履歴を記録する記録手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記表示形態を変更すると判断された場合、前記メニューの受付履歴に基づいて、前記利用者からの入力を受け付ける可能性の高いメニューを示すアイコンのみを表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、前記アイコンの表示範囲を当該表示部の運転席に近い側に変更して表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記車両の助手席に同乗者がいるか否かを判断する同乗者判断手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記助手席に前記同乗者がいると判断され、かつ前記表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、前記アイコンの表示範囲を当該表示部の前記助手席に近い側に変更して表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記車両の運転者が前記表示部を視認すると危険な状況か否かを判断する状況判断手段を備え、
前記表示制御手段は、前記車両の運転者が前記表示部を視認すると危険な状況であると判断された場合、前記表示部を制御して、前記アイコンを表示しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項9】
車両に備えられた表示部に利用者からの各種メニューを実行する旨の入力を受け付けるアイコンを表示する表示装置における表示方法において、
前記車両が走行中か否かを判断する走行判断工程と、
前記車両が走行中であると判断された場合に、当該車両が走行中の経路の状態、天候、または日時に関する情報のうちの少なくとも一つ以上の情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された情報に基づいて、前記アイコンの表示形態を変更するか否かを判断する表示形態判断工程と、
前記アイコンの表示形態を変更すると判断された場合、前記表示部を制御して、当該アイコンの表示形態を変更して表示する表示制御工程と、
を含むことを特徴とする表示方法。
【請求項10】
請求項9に記載の表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の表示プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−127784(P2010−127784A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303194(P2008−303194)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】