説明

表示装置および電子機器

【課題】表示画素に有機電界発光素子を用いた場合に、装置全体の厚みを増大させることなくタッチセンサ機能を付加することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】ボトムエミッション方式による有機EL表示装置1は、光取り出し面を有する透明基板11上に、複数の画素電極19Aと、発光層を含む有機層21と、上部電極22と、封止用基板24とをこの順に備える。透明基板11と封止用基板24との間に、透明基板11の側から順に、検出電極12と、この検出電極12との間に容量素子C1を形成するセンサ用駆動電極19Bとを備える。有機層21から発せられた光は透明基板11側から取り出される(透明基板11側に画像が表示される)一方で、その透明基板11の表面に接触または近接する物体の検出がなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光素子を用いて画像を表示する表示装置に係わり、特にタッチセンサ機能を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが指やスタイラス等で情報入力を行う(物体検出を行う)タッチセンサ機能が搭載された表示装置および電子機器が増えている。このような表示装置および電子機器では、これまで、表示画面上にタッチパネルを直に装着させる等、タッチパネルをモジュールとして組み込んだものが多く、装置全体の厚みが増大することが懸念されている。
【0003】
そこで、タッチセンサ機能付きの液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)においては、次のような提案がなされている。即ち、液晶表示装置では、画素電極と共通電極(コモン電極)との間に液晶層を挟み込み、液晶層へ電圧を印加して画像表示を行うが、その画像表示用の共通電極を、センサ用の駆動電極としても用いることで、装置全体の薄型化を図っている(例えば、特許文献1)。この場合、表示駆動のために共通電極に印加されるコモン信号を、センサ用の駆動信号として利用する。ここで、タッチパネルでは、物体検出のために、静電容量を形成する駆動電極と検出電極との2つの電極が必要となるが、上記のように表示装置に既存の電極(共通電極)が駆動電極を兼用することで、検出電極だけを新たに設ければよくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−244958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、有機電界発光(Electro luminescence:以下ELと称す)素子を画素に用いた表示装置では、上記のような液晶表示装置とは基本的な構造が大きく異なり、また光取り出し方式も、下面発光(ボトムエミッション)方式と、上面発光(トップエミッション)方式とがある。このような有機EL表示装置において、厚みを大幅に増大させることなく、タッチセンサ機能を実現することが望まれている。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表示画素に有機電界発光素子を用いた場合に、装置全体の厚みを増大させることなくタッチセンサ機能を付加することが可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の表示装置(ボトムエミッション方式)は、光取り出し面を有する第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、第2基板とをこの順に備え、かつ第1基板と第2基板との間に、第1基板の側から順に、物体検出用の検出電極と、この検出電極との間に容量素子を形成する物体検出用の駆動電極とを備えたものである。
【0008】
本発明の第2の表示装置(トップエミッション方式)は、第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、光取り出し面を有する第2基板とをこの順に備え、かつ第1基板と第2基板との間に設けられた物体検出用の駆動電極と、駆動電極の第2基板側に設けられると共に、駆動電極との間に容量素子を形成する物体検出用の検出電極とを備えたものである。
【0009】
本発明の第1の電子機器は、上記本発明の第1の表示装置を備えたものである。
【0010】
本発明の第2の電子機器は、上記本発明の第2の表示装置を備えたものである。
【0011】
本発明の第1の表示装置および電子機器では、光取り出し面を有する第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、第2基板とをこの順に備え、第1基板と第2基板との間に、第1基板の側から順に、物体検出用の検出電極と、この検出電極との間に容量素子を形成する物体検出用の駆動電極とを備える。これにより、有機電界発光層から発せられた光は第1基板側から取り出される(第1基板側に画像が表示される)。その一方で、表示画面となる第1基板に接触または近接する物体の検出がなされる(第1基板側において物体検出がなされる)。
【0012】
本発明の第2の表示装置および電子機器では、第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、光取り出し面を有する第2基板とをこの順に備え、第1基板と第2基板との間には物体検出用の駆動電極が設けられ、この駆動電極の第2基板側に、駆動電極との間に容量素子を形成する検出電極が設けられている。これにより、有機電界発光層から発せられた光は第2基板側から取り出される(第2基板側に画像が表示される)。その一方で、表示画面となる第2基板に接触または近接する物体の検出がなされる(第2基板側において物体検出がなされる)。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の表示装置および電子機器によれば、光取り出し面を有する第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、第2基板とをこの順に備え、第1基板と第2基板との間に、第1基板の側から順に、物体検出用の検出電極と、この検出電極との間に容量素子を形成する物体検出用の駆動電極とを備える。これにより、光取り出し面となる第1基板側にタッチパネルを外付けすることなく、物体検出を行うことができる。よって、装置全体の厚みを増大させることなくタッチセンサ機能を付加することが可能となる。
【0014】
本発明の第2の表示装置および電子機器によれば、第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、光取り出し面を有する第2基板とをこの順に備え、第1基板と第2基板との間に設けられた物体検出用の駆動電極と、駆動電極との間に容量素子を形成する物体検出用の検出電極とを備える。これにより、光取り出し面となる第2基板側にタッチパネルを外付けすることなく、物体検出を行うことができる。よって、装置全体の厚みを増大させることなくタッチセンサ機能を付加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る有機EL表示装置の概略構造を表す断面図である。
【図2】図1に示した画素電極、センサ用駆動電極および検出電極のレイアウトの一例を表す平面模式図である。
【図3】検出電極と画素電極との他のレイアウト例を表す断面模式図である。
【図4】図1に示した有機EL表示装置における有効表示領域とその周辺回路の一例を表すブロック図である。
【図5】図1に示した画素部の回路構成を表す図である。
【図6】図4に示した検出回路の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図7】物体検出動作の原理を説明するための概念図であり、指非接触時の状態を示す図である。
【図8】物体検出動作の原理を説明するための概念図であり、指接触時の状態を示す図である。
【図9】物体検出動作の原理を説明するための概念図であり、センサ用の駆動信号および検出信号の波形の一例を示す図である。
【図10】センサ部の線順次駆動による物体検出動作を説明するための模式図である。
【図11】変形例1に係る有機EL表示装置の概略構造を表す断面図である。
【図12】変形例2に係る有機EL表示装置の概略構造を表す断面図である。
【図13】図12に示した走査線と検出電極とのレイアウトの一例を表す平面模式図である。
【図14】図12に示したセンサ用駆動電極の他の構成例を表す断面図である。
【図15】変形例3に係る有機EL表示装置における電源線と検出電極とのレイアウトの一例を表す平面模式図である。
【図16】変形例4に係る有機EL表示装置における信号線と検出電極とのレイアウトの一例を表す平面模式図および信号書き込み動作を説明するための模式図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る有機EL表示装置の概略構造を表す断面図である。
【図18】図17に示した表示用コモン電極、センサ用駆動電極および検出電極のレイアウトの一例を表す平面模式図である。
【図19】図18に示したレイアウトの他の例を表す平面模式図である。
【図20】変形例5に係る有機EL表示装置の概略構造を表す断面図である。
【図21】図20に示したBM層と検出電極とのレイアウトの一例を表す平面模式図である。
【図22】変形例6に係る有機EL表示装置の概略構造を表す断面図である。
【図23】上記各実施の形態等の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図24】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図25】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図26】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図27】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(ボトムエミッション方式:画素電極(アノード)と同層にセンサ用駆動電極を設けた例)
2.変形例1(リーク防止用メタルを用いた場合の例)
3.変形例2(走査線(画素トランジスタ用のゲート線)をセンサ用駆動電極として利用した例)
4.変形例3(電源線をセンサ用駆動電極として利用した例)
5.変形例4(信号線をセンサ用駆動電極として利用した例)
6.第2の実施の形態(トップエミッション方式:上部電極(カソード)と同層にセンサ用駆動電極を設けた例)
7.変形例5(ブラックマトリクスをセンサ用駆動電極として利用した例)
8.変形例6(保護層間にセンサ用駆動電極を設けた例)
9.適用例(タッチセンサ付きの表示装置の電子機器への適用例)
【0017】
<第1の実施の形態>
[有機EL表示装置1の構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る有機EL表示装置1の断面構造を表すものである。有機EL表示装置1は、表示画素としてボトムエミッション方式の有機EL素子を複数備えると共に、静電容量型のタッチセンサ機能を有するものである。この有機EL表示装置1は、透明基板11と、封止用基板24との間に、画素部10R,10G,10Bとセンサ部10Sとを有するものである。尚、本実施の形態における透明基板11が本発明の第1の表示装置における「第1基板」、封止用基板24がその「第2基板」の一具体例となっている。
【0018】
画素部10R,10G,10Bは、R(赤),G(緑),B(青)の有機EL素子を含むサブピクセルであり、これら3つの画素部10R,10G,10Bが1つのピクセルを構成している。センサ部10Sは、それらの画素部10R,10G,10B同士の間の選択的な領域に設けられている。即ち、有機EL表示装置1では、表示領域面内において、画素部10R,10G,10Bとセンサ部10Sとが混在して配置されている。以下、各部の断面構造、周辺回路および画素回路例等について詳細に説明する。
【0019】
(画素部の断面構造例)
画素部10R,10G,10Bでは、透明基板11上に絶縁膜13を介してトランジスタ部14が設けられている。トランジスタ部14は、後述の画素トランジスタ(Tr1,Tr2)に相当するものであり、例えば絶縁膜13上にゲート電極141を有し、このゲート電極141上にゲート絶縁膜142を介して半導体層143を有している。半導体層143は、例えば非結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコンおよび酸化物半導体のうちのいずれかよりなり、チャネルを形成するものである。このトランジスタ部14の半導体層143上にはソース・ドレイン電極層16が配設され、これらを覆うように層間絶縁膜15が設けられている。
【0020】
層間絶縁膜15には、半導体層143(詳細にはソース・ドレイン電極)に導通するコンタクトホールが形成されており、層間絶縁膜15上にはそのコンタクトホールを埋め込むようにソース・ドレイン電極層16が設けられている。このソース・ドレイン電極層16上の所定の領域(後述の画素電極19Aに対応する領域)には、画素部10R,10G,10B毎に、対応する色のカラーフィルタ層(赤色フィルタ層17R,緑色フィルタ層17G,青色フィルタ層17B)が形成されている。このように、赤色フィルタ層17R,緑色フィルタ層17G,青色フィルタ層17Bは、ここでは、いわゆるオンチップカラーフィルタであり、例えば感光性樹脂材料に顔料を含んで構成されている。尚、これらのカラーフィルタ層は、図1に示したようにソース・ドレイン電極層16の直上に(ソース・ドレイン電極層16に接して)設けられていてもよいが、ソース・ドレイン電極層16上に何らかの層を介して設けられていてもよい。あるいは、ソース・ドレイン電極層16よりも下層に設けられていてもよく、この場合もソース・ドレイン電極層16に接していてもよいし接していなくともよい。即ち、カラーフィルタ層の配置箇所は、発光領域と光取り出し面との間であれば、特に限定されるものではない。また、カラーフィルタ層はこのようなオンチップカラーフィルタに限らず、封止用基板24側に設けられていてもよい。
【0021】
これらのソース・ドレイン電極層16および赤色フィルタ層17R,緑色フィルタ層17G,青色フィルタ層17Bを覆うように、平坦化膜18が設けられ、そのソース・ドレイン電極層16に対応する箇所にコンタクトホールが形成されている。平坦化膜18は、例えば無機絶縁膜または有機絶縁膜により構成されている。平坦化膜18上には、このコンタクトホールを埋め込むように複数の画素電極19Aが配設されている。
【0022】
画素電極19Aは、後述の有機層21(白色発光層)へ正孔を注入するためのアノードとして機能するものであり、これら複数の画素電極19Aに対応する各領域が、画素部10R,10G,10Bとなっている。画素電極19Aは、例えばインジウムとスズの酸化物(ITO)やインジウムと亜鉛の酸化物(IZO)等の透明導電膜よりなり、有機層21から発せられる光を下方(透明基板11側)へ透過させるようになっている。画素電極19Aは、あるいは、マグネシウム−銀(Mg−Ag)共蒸着膜の単層膜またはこれらの積層膜により構成されていてもよい。このような画素電極19A上には、画素電極19Aに対応して開口を有する画素分離膜(ウィンドウ膜)20が設けられている。
【0023】
画素分離膜20は、例えば感光性樹脂やポリイミド等の絶縁膜よりなり、画素の発光領域を区画するためのものである。このような画素分離膜20上に、有機層21が例えば基板全面に渡って形成されている。
【0024】
有機層21は、例えば画素部10R,10G,10Bに共通して、正孔および電子の再結合により白色光を発する白色発光層を含んでいる。詳細には、白色発光層としては、例えばR,G,Bの各色発光層のタンデム構造(積層構造)を有しており、各層から発せられたR,G,Bの色光の混色により白色発光を実現するようになっている。あるいは、青色(B)発光層と、黄色(Y)発光層とのタンデム構造により、白色発光層を形成するようにすることも可能である。また、そのような白色発光層の他にも、例えば正孔注入層、正孔輸送層および電子輸送層等(いずれも図示せず)が積層されていてもよい。更に、白色発光層に限らず、各色の発光層(赤色発光層,緑色発光層,青色発光層)が、画素部10R,10G,10B毎に塗り分けられていてもよい。このような有機層21の全面に渡って、上部電極22が積層されている。
【0025】
上部電極22は、画素部10R,10G,10Bに共通の電極となっており、例えば有機層21に電子を注入するカソードとして機能するものである。この上部電極22は、反射性を有する金属材料、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)およびクロム(Cr)などの金属元素の単体または合金から構成されている。上部電極22は、そのような金属材料を用いた単層膜であってもよいし、それらのうちの2以上の金属材料を積層した積層膜であってもよい。尚、この上部電極22と有機層21との間には、電子注入層が設けられていてもよい。
【0026】
保護層23は、例えばシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜等からなり、画素部10R,10G,10Bを封止保護するためのものである。この保護層23上には、例えばUV硬化樹脂よりなる接着層(図示せず)を介して、封止用基板24が貼り合わせられている。
【0027】
(センサ部の断面構造例)
センサ部10Sでは、上述のように画素部10R,10G,10B間の領域に設けられるため、画素部10R,10G,10Bと大半の層を共有するが、透明基板11と封止用基板24との間の各層のうち、いずれかの層と同一の層に、検出電極12およびセンサ用駆動電極19Bを有している。これらの検出電極12およびセンサ用駆動電極19Bは、それらの間に静電容量(容量素子C1)を形成するように積層されている。
【0028】
本実施の形態では、検出電極12は、透明基板11上の選択的な領域に配置されており、その上を絶縁膜13が覆っている。但し、ボトムエミッション方式においては、検出電極12は、センサ用駆動電極19Bと検出対象物(指など)との間であって、センサ用駆動電極19Bおよび検出対象物とのそれぞれの間に容量を形成可能な位置に配設されていればよい。この検出電極12は、例えばモリブデン(Mo)等よりなる。
【0029】
他方、センサ用駆動電極19Bは、画素部10R,10G,10Bにおける画素電極19Aと同一の層に(ここでは平坦化膜18上に)配設されている。このセンサ用駆動電極19Bは、例えば画素電極19Aと同様の導電膜材料により構成されている。換言すると、ここでは、平坦化膜18上において、上述の導電膜材料よりなる層がパターニングされ、画素部10R,10G,10Bにおいて画素電極19A、センサ部10Sにおいてセンサ用駆動電極19Bとしてそれぞれ機能するようになっている。
【0030】
(電極レイアウト例)
図2は、検出電極12、画素電極19Aおよびセンサ用駆動電極19Bのレイアウトの一例(基板面に沿った面における配置構成例)を、検出電極12の側から模式的に示したものである。尚、図2のI−I線における矢視断面図が図1に対応している。このように、複数の画素電極19Aが、画素部10R,10G,10Bの配置に対応して、例えばマトリクス状に2次元配置されている。センサ用駆動電極19Bは、そのような画素電極19A同士の間隙において一方向に延在するように、ストライプ状にパターニングされている。これらの画素電極19Aおよびセンサ用駆動電極19Bは、例えば、平坦化膜18上の全面にわたって上述した導電膜材料を成膜した後、フォトリソグラフィ法により上記レイアウトパターンを一括形成すれば、同工程にて形成可能である。
【0031】
センサ用駆動電極19Bは、例えば並列して複数(n個)設けられている(19B(1)〜19B(n))。これらのセンサ用駆動電極19B(1)〜19B(n)は、m(m:2以上n以下の整数)本のセンサ用駆動電極19B同士が電気的に接続されていてもよいし、n本全てのセンサ用駆動電極19Bがそれぞれ電気的に分離して設けられていてもよい。前者の場合には、m本のセンサ用駆動電極19Bを、各端部において連結させた形状(櫛歯形状)とし、この連結されたm本のセンサ用駆動電極19Bを1組(単位駆動ライン)として駆動信号を印加できる。ここでは一例として、3本のセンサ用駆動電極19Bを連結してなる櫛歯状の電極を単位駆動ラインとして複数並列させた構成を示している。尚、m本のセンサ用駆動電極19Bを同時駆動する場合、必ずしも、上記のように各電極端部を連結させる必要はない。例えば、n本全てがそれぞれ別個に(電気的に独立して)設けられている場合であっても、m本のセンサ用駆動電極19Bのそれぞれに対して同時に駆動信号を印加して行うことも可能である。
【0032】
他方、検出電極12は、ここでは、複数の画素電極19A同士の間隙に対応する領域において(画素電極19Aに重畳することなく)、複数のセンサ用駆動電極19Bと交差(ここでは直交)する方向に沿って延在するようにストライプ状にパターニングされている。また、検出電極12は、例えば並列して複数(p個)設けられている(12(1)〜12(p))。但し、検出電極12と画素電極19Aとは、必ずしも互いに非重畳である必要はなく、図3に示したように、検出電極12の一部(12a)が画素電極19Aに重なっていてもよい。この場合であっても、検出電極12がセンサ用駆動電極19Bとの間に容量素子を形成可能となるように配置されていれば特に問題はない。
【0033】
これらの検出電極12についても、q本(q:2以上p以下の整数)の検出電極12が電気的に接続されていてもよいし、p本全ての検出電極12がそれぞれ電気的に分離して設けられていてもよい。前者の場合には、q本の検出電極12を、各端部において連結させた形状(櫛歯形状)とし、この連結されたq本の検出電極12を単位検出ラインとして検出信号を取得できる。後者の場合には、検出電極12毎に検出信号が取得される。ここでは一例として、3本の検出電極12を連結してなる櫛歯状の電極を単位検出ラインとして複数並列させた構成を示している。尚、q本の検出電極12を同時駆動する場合、必ずしも、上記のように各電極端部を連結させる必要はない。例えば、p本全てがそれぞれ別個に(電気的に独立して)設けられている場合であっても、q本の検出電極12のそれぞれから同時に検出信号を読み出すことも可能である。
【0034】
このような検出電極12およびセンサ用駆動電極19Bのレイアウトにより、それらの交差部では、画素部10R,10G,10Bから連続して形成された誘電体層(ここでは、平坦化膜18、層間絶縁膜15、ゲート絶縁膜142および絶縁膜13)を検出電極12およびセンサ用駆動電極19Bによって上下から挟み込んだ構造となる。即ち、検出電極12およびセンサ用駆動電極19Bの交差部では、それらの間に容量素子C1が形成される(交差部がセンサ部10Sとして機能する)ようになっている。
【0035】
また、検出電極12およびセンサ用駆動電極19Bが互いに交差するように複数設けられることにより、それらの交差部、つまりセンサ部10sがマトリクス状に2次元形成され、物体の位置を2次元座標として検出することが可能となっている。加えて、複数人および複数指によるタッチ(いわゆるマルチタッチ)の有無の検出等も実現できる。
【0036】
尚、詳細は後述するが、センサ用駆動電極19Bには、後述の駆動電極ドライバ19Dにより、例えば交流矩形波形の駆動信号(Vs)が印加されるようになっている。検出電極12からは、静電容量に基づく検出信号(Vdet)が得られるようになっており、得られた検出信号は、後述する検出回路8へ送られるようになっている。
【0037】
(周辺回路の構成例)
図4は、有機EL表示装置1における周辺回路(各種ドライバ)の構成例を表したものである。有機EL表示装置1では、有効表示エリア100内において、上述したように複数の画素部10R,10G,10Bが例えばマトリクス状に2次元配置されており、それらの画素部10R,10G,10B同士の間の選択的な領域に、センサ部10Sが設けられている。この有効表示エリア100の周辺には、画素部10R,10G,10Bを表示駆動するための走査線・電源線駆動回路31および信号線駆動回路32が配設されると共に、センサ部10Sを駆動するためのセンサ用駆動回路19Dと、センサ部10Sからの出力に基づいて検出動作を行う検出回路8とがそれぞれ配設されている。尚、この他にも、外部から入力された映像信号に対して所定の補正処理を施す映像信号処理回路や、表示駆動およびセンサ駆動の各タイミングを制御するためのタイミング生成回路等(いずれも図示せず)が設けられている。尚、この周辺回路は、基板上に画素と同一プロセスで形成されたものであってもよいし、ドライバIC等を使用して外付けされたものであってもよい。
【0038】
走査線・電源線駆動回路31は、図示しない走査線駆動回路および電源線駆動回路を有している。走査線駆動回路は、所定のタイミングで複数の走査線WSLに対して選択パルスを順次印加することにより、各画素部10R,10G,10Bを順次選択するものである。具体的には、後述の書き込みトランジスタTr1をオン状態に設定するための電圧Von1と、オフ状態に設定するための電圧Voff1とを時分割で切り替えて出力する。電源線駆動回路は、所定のタイミングで複数の電源線DSLに対して制御パルスを順次印加することにより、各画素部10R,10G,10Bの発光動作および消光動作の制御を行うものである。具体的には、後述の駆動トランジスタTr2に電流Idsを流すための電圧VH1と、電流Idsを流さないようにするための電圧VL1とを時分割で切り替えて出力する。
【0039】
信号線駆動回路32は、所定のタイミングで、外部から入力される映像信号に対応するアナログの映像信号を生成し、各信号線DTLに印加するものである。これにより、上記走査線駆動回路により選択された画素部10R(または10G,10B)に対して、映像信号の書き込みを行うようになっている。
【0040】
センサ用駆動回路19Dは、複数のセンサ用駆動電極19Bに対して、駆動信号Vs(Vs(1)〜Vs(n))を、例えば線順次(上述のような1またはm本のセンサ用駆動電極19Bを単位駆動ラインとする)で供給するものである。このセンサ用駆動回路19Dは、例えば、シフトレジスタ19D1と、セレクト部19D2と、レベルシフタ19D3と、バッファ19D4とを有している。
【0041】
シフトレジスタ19D1は、入力パルスを順次転送するためのロジック回路である。セレクト部19D2は、駆動信号Vsを、有効表示エリア100内の各表示画素20に対して出力するか否かを制御するロジック回路であり、駆動信号Vsの出力を、有効表示エリア100内の位置等に応じて制御するものである。レベルシフタ19D3は、セレクト部19D2から供給される制御信号を、駆動信号Vsを制御するのに十分な電位レベルまでシフトさせるための回路である。バッファ19D4は、駆動信号Vs(Vs(1)〜Vs(n))を順次供給するための最終出力ロジック回路であり、出力バッファ回路もしくはスイッチ回路等を含むものである。
【0042】
(画素部の回路構成例)
図5は、画素部10R,10G,10Bの回路構成の一例である。画素部10R,10G,10Bはそれぞれ、有機EL素子(OLED)、書き込み(サンプリング用)トランジスタTr1、駆動トランジスタTr2および保持容量素子Csを含むものである。書き込みトランジスタTr1および駆動トランジスタTr2はそれぞれ、例えばnチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTである。TFTの種類は特に限定されるものではなく、例えば、逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)であってもよいし、スタガー構造(いわゆるトップゲート型)であってもよい。
【0043】
画素部10R,10G,10Bではそれぞれ、書き込みトランジスタTr1のゲートが走査線WSLに接続され、ドレインが信号線DTLに接続され、ソースが、駆動トランジスタTr2のゲートおよび保持容量素子Csの一端に接続されている。駆動トランジスタTr2のドレインは電源線DSLに接続され、ソースは、保持容量素子Csの他端および有機EL素子(OLED)のアノードに接続されている。有機EL素子(OLED)のカソードは固定電位に設定されており、ここではグランド(接地電位)に設定されている。
【0044】
(検出回路8の構成例)
図6は、物体検出動作を行う検出回路8およびタイミング・ジェネレータとしてのタイミング制御部9の機能ブロック構成を表したものである。尚、容量素子Cn1〜Cnpは、センサ用駆動電極19B(1)〜19B(n)と、検出電極12(1)〜(p)との各交差部に形成される(静電)容量素子に対応するものである。これらの容量素子Cn1〜Cnpは、駆動信号Vsを供給するための駆動信号源Sにそれぞれ接続されている。
【0045】
検出回路8(電圧検出器DET)は、例えば増幅部81、A/D(アナログ/デジタル)変換部83、信号処理部84、フレームメモリ86、座標抽出部85および抵抗器Rを有している。この検出回路8の入力端子Tinは、各容量素子Cn1〜Cnpの他端側(検出電極12側)に共通して接続されている。
【0046】
増幅部81は、入力端子Tinから入力される検出信号Vdetを増幅するものであり、信号増幅用のオペアンプやキャパシタ等を有している。抵抗器Rは、増幅部81と接地との間に配置されている。この抵抗器Rは、検出電極12がフローティング状態になってしまうのを回避して安定状態を保つためのものである。これにより、検出回路8において、検出信号Vdetの信号値がふらついて変動してしまうのが回避されると共に、この抵抗器Rを介して静電気を接地に逃がすことができるという利点もある。
【0047】
A/D変換部83は、増幅部81において増幅されたアナログの検出信号Vdetを、デジタルの検出信号に変換する部分であり、図示しないコンパレータを含んで構成されている。このコンパレータは、入力された検出信号と所定のしきい値電圧Vthとの電位を比較するものである。尚、このA/D変換部83におけるA/D変換の際のサンプリングタイミングは、タイミング制御部9から供給されるタイミング制御信号CTL2によって制御されるようになっている。
【0048】
信号処理部84は、A/D変換部83から出力されるデジタルの検出信号に対し、所定の信号処理(例えば、デジタル的なノイズ除去処理や、周波数情報を位置情報に変換する処理などの信号処理)を施すものである。
【0049】
座標抽出部85は、信号処理部84から出力される検出信号に基づいて、物体が有るか無いか、または物体の位置(座標)を求め、これを検出結果(検出信号Dout)として出力端子Toutから出力するものである。
【0050】
尚、この検出回路8は、封止用基板24上の周辺領域(非表示領域または額縁領域)に形成するようにしてもよいし、あるいは、透明基板11上の周辺領域に形成するようにしてもよい。但し、透明基板11上に形成すれば、元々透明基板11上に形成されている表示制御用の各種駆動回路等との集積化が図れるので、集積化による簡略化という観点で好ましい。また、上記検出回路8の構成は一例であり、これらの構成に限定される訳ではない。
【0051】
[有機EL表示装置1の作用・効果]
(画像表示動作)
まず、図1および図4を参照して、有機EL表示装置1における画像表示動作について説明する。この有機EL表示装置1では、走査線・電源線駆動回路31および信号線駆動回路32が、有効表示領域100内の各画素部10R,10G,10Bを表示駆動する。これにより、各画素部10R,10G,10B内の有機層(ここでは白色発光層)へ駆動電流が注入され、正孔と電子とが再結合して白色発光が起こる。各画素部10R,10G,10Bから発せられた白色光は、画素電極19Aを透過した後、対応するカラーフィルタ層(赤色フィルタ層17R,緑色フィルタ層17G,青色フィルタ層17B)を通過することにより、それぞれ赤色光,緑色光,青色光として透明基板11の下方より出射する。このようにして、画素部10R,10G,10Bでは、カラーの画像が表示される。
【0052】
(物体検出動作)
一方、有機EL表示装置1では、センサ用駆動回路19Dが、センサ用駆動電極19B(センサ用駆動電極19B(1)〜19(n))に対して、駆動信号Vsを線順次で供給する。このとき、検出電極12とセンサ用駆動回路19Dとの間に容量素子C1を有するセンサ部10Sでは、物体の接触または近接を、次のようにして検出する。
【0053】
(基本原理)
図7〜図9は、物体検出動作の基本的な原理について説明するための模式図である。図7(A)に示したように、誘電体D(平坦化膜18等に相当)を挟んで互いに対向配置されたセンサ用駆動電極19Bおよび検出電極12により、容量素子C1を形成するが、この構造は、図7(B)のような等価回路として表される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(検出回路)DETに接続される。交流信号源Sからセンサ用駆動電極19B(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜十数kHz程度)の交流矩形波Sg(図9(B))を印加すると、検出電極12(容量素子C1の他端P)に、図9(A)に示したような出力波形(検出信号Vdet)が現れる。尚、この交流矩形波Sgは、本実施の形態では、後述する駆動信号Vsに相当するものである。
【0054】
指が接触(または近接)していない状態では、図7(B)に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図9(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0055】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図8に示したように、物体(例えば、指)によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加されたことに等価となる。この状態では、容量素子C1,C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1,I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図9(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1,C2を流れる電流I1,I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さな値となる。この波形変化(電圧値の変化)を検出することにより、接触(または近接)する物体の検出が可能となる。
【0056】
本実施の形態では、上述のように、n本のセンサ用駆動電極19B(1)〜19B(n)と、p本の検出電極12(1)〜12(p)との各交差部(センサ部10S)において、容量素子C1を形成する。ここで、例えば図10に示したように、センサ用駆動電極19B(1)〜19B(n)に対し、方向Sに沿って順次スキャンを行い、駆動信号Vsを時分割的に印加していくと、以下のようになる。尚、ここでは、センサ用駆動電極19B(1)〜19B(n)のそれぞれが電気的に分離して配置され、個々のセンサ用駆動電極19Bを単位駆動ラインとした場合を例に挙げて説明する。
【0057】
即ち、上記のようなセンサ用駆動電極19B(1)〜19B(n)に対し、線順次に駆動信号Vsが印加されると、あるタイミングにおいて駆動信号Vsが印加されているセンサ用駆動電極19Bと、検出電極12(1)〜12(p)との各交差部に形成される複数(ここではp個)の容量素子Cn1〜Cnpの各々に対し、充放電が行われる。その結果、容量素子C1の容量値に応じた大きさの検出信号Vdetが、検出電極12(1)〜12(p)のそれぞれから出力される。そして、駆動信号Vsのスキャンに伴い、充放電の対象となる容量素子C1の列が順次移動していく。
【0058】
そのような駆動信号Vsのスキャンが行われている状態において、透明基板11の表面側にユーザの指等が存在しない場合には、この検出信号Vdetの大きさはほぼ一定となる。
【0059】
一方、ユーザの指が透明基板11の表面に接触(または近接)すると、その接触箇所に元々形成されている容量素子C1に、指による容量素子C2が付加される。その結果、その接触箇所がスキャンされた時点(即ち、センサ用駆動電極19B(1)〜19B(n)のうち、タッチ箇所に対応するセンサ用駆動電極19Bに駆動信号Vsが印加された時点)の検出信号Vdetの値が、他の箇所よりも小さくなる。このようにして検出電極12を介して得られた検出信号Vdetは、検出回路8へ出力される。
【0060】
検出回路8は、上記のようにして得られた検出信号Vdetを所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態(非近接状態)と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態(非接触状態)と判断する。このようにして、物体検出動作が行われる。尚、物体の接触箇所(位置座標)は、駆動信号Vsの印加タイミングと、しきい値電圧Vth未満の検出信号Vdetの検出タイミングとから割り出すことができる。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態では、ボトムエミッション方式の有機EL表示装置1において、透明基板11上に、複数の画素電極19Aと、発光層を含む有機層21と、上部電極22と、封止用基板24とをこの順に備えると共に、透明基板11と封止用基板24との間に、透明基板11側から順に検出電極12と、この検出電極12との間に容量素子C1を形成するセンサ用駆動電極19Bとを備える。即ち、本実施の形態では、画像表示を行う画素部10R,10G,10Bと、物体検出を行うセンサ部10Sとが混在して設けられている。これにより、画素部10R,10G,10Bが表示駆動されると有機層21から発せられた光は透明基板11側から取り出される(透明基板11側に画像が表示される)。その一方で、センサ部10Sが駆動されると、表示画面となる透明基板11に接触または近接する物体の有無が検出される(透明基板11側において物体検出がなされる)。このように、透明基板11側にタッチパネルモジュールを外付けすることなく、物体検出を行うことができる。よって、装置全体の厚みを増大させることなくタッチセンサ機能を付加された有機EL表示装置の実現が可能となる。
【0062】
また、画素部10R,10G,10Bにおける画素電極19Aと同一の層に、センサ用駆動電極19Bを設けることにより、これらを同一工程におけるパターニングにより容易に形成することができる。また、画素電極19Aとセンサ用の駆動電極を別々の層に設けた場合よりもより薄型化に有利となる。
【0063】
次に、上記第1の実施の形態に係る有機EL表示装置の変形例(変形例1〜3)について説明する。以下では、上記第1の実施の形態の有機EL表示装置1と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0064】
<変形例1>
図11は、変形例1に係る有機EL表示装置(有機EL表示装置1A)の断面構造を表すものである。有機EL表示装置1Aは、上記第1の実施の形態の有機EL表示装置1と同様、表示画素としてボトムエミッション方式の有機EL素子を複数備えると共に、静電容量型のタッチセンサ機能を有するものである。具体的には、透明基板11上の画素部10R,10G,10B同士の間の選択的な領域にセンサ部10Sを有している。また、センサ用駆動電極19Bは、画素電極19Aと同一の層に設けられている。
【0065】
但し、本変形例では、画素部10R,10G,10Bにおける検出電極12と同一の層(透明基板11と絶縁膜13との間)に、リーク防止用メタル25が配設されている。リーク防止メタル25は、ボトムエミッション方式において、基板11の下方から入射する外光の影響を受けて、トランジスタ部14(具体的には図5におけるトランジスタTr1)においてリーク電流が発生することを防止するためのものである。このリーク防止用メタル25は、透明基板11と絶縁膜13との間において、トランジスタ部14への外光入射を遮断するように、トランジスタ部14に対向配置されている。このリーク防止用メタル25は、例えばモリブデン等により構成されている。検出電極12は、そのようなリーク防止メタル25同士の間隙において、上述したようにセンサ用駆動電極19Bと交差するストライプ状パターンを有している。
【0066】
また、本変形例では、これらのリーク防止用メタル25と検出電極12とを同一工程において形成可能である。例えば、透明基板11上の全面にわたって上述したメタル材料を成膜した後、フォトリソグラフィ法により上記レイアウトパターンを一括形成すれば、同工程にて形成可能である。
【0067】
このように、画素部10R,10G,10Bにリーク防止用メタル25を配設した有機EL表示装置1Aでは、そのようなリーク防止用メタル25が配設される層を利用して、検出電極12を設けることも可能である。また、リーク防止用メタル25および検出電極12は、同一工程におけるパターニングにより形成可能であるため、プロセス数の増加や新たに材料コストが増えることもない。本変形例では、センサ用駆動電極19Bおよび検出電極12を、有機EL表示装置内に元々配設されている電極(画素電極19A)や、他の目的で使用されているメタル(リーク防止用メタル25)等をセンサ用途に活用すれば、薄型でありながらタッチセンサ機能が付加された有機EL表示装置を、工程数やコストを増大させることなく実現可能となる。
【0068】
<変形例2>
図12は、変形例2に係る有機EL表示装置(有機EL表示装置1B)の断面構造を表すものである。有機EL表示装置1Bは、上記第1の実施の形態の有機EL表示装置1と同様、表示画素としてボトムエミッション方式の有機EL素子を複数備えると共に、静電容量型のタッチセンサ機能を有するものである。具体的には、透明基板11上の画素部10R,10G,10B同士の間の選択的な領域にセンサ部10Sを有している。尚、ここでは、上記変形例1において説明したリーク防止メタル25が配設された構成を例に挙げる。
【0069】
但し、本変形例では、上記第1の実施の形態および変形例1と異なり、センサ用駆動電極26Aが走査線WSLを利用して設けられている。換言すると、走査線WSLを構成するメタル層が、センサ用駆動電極26Aを兼ねている。このセンサ用駆動電極26Aは、例えば、トランジスタ部14のゲート電極141と同層に設けられ、例えばゲート電極141と同一材料により構成されている。図13に、走査線WSL(センサ用駆動電極26A)と、検出電極12とのレイアウト例を示す。このように、走査線WSL(26A)が画素部10R,10G,10B同士の間の領域に、一方向に延在して配設され、この走査線WSL(26A)に交差する方向に沿って検出電極12(12(1)〜12(p))が設けられている。これにより、走査線WSL(26A)と検出電極12との交差部に容量素子C1が形成され、この交差部がセンサ部10Sとなる。
【0070】
このような構成において、走査線WSL(26A)には、画素部10R,10G,10Bを表示駆動するための表示用の駆動信号が線順次に印加されるが、この表示用の駆動信号をセンサ用の駆動信号として利用することができる。この場合には、画素部10R,10G,10Bを表示駆動するタイミングに同期して、駆動信号が印加されている1の走査線WSL(26A)と検出電極12との交差部に形成された容量素子C1の充放電が行われる。あるいは、表示用の駆動信号とセンサ用の駆動信号とを異なるタイミングで(時間差を設けて)順次印加するようにしてもよい。例えば、画面の上部では画像表示用のスキャンがなされ、画面の下部ではセンサ用のスキャンがなされるようにしてもよい。
【0071】
本変形例のセンサ用駆動電極26Aのように、走査線WSLがセンサ用駆動電極を兼ねていてもよく、このような場合であっても、センサ用駆動電極26Aと検出電極12との間に容量素子C1が形成され、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。また、既存の表示用の駆動信号をセンサ用の駆動信号として利用することができるので、周辺回路として、図4に示したようなセンサ用駆動回路19Dを別途設ける必要もなくなり、装置構成の簡易化にもつながる。
【0072】
尚、上記変形例2のように、走査線WSLをセンサ用駆動電極として利用する場合、例えば図14に示したように、センサ用駆動電極(センサ用駆動電極26B)が、例えば層間絶縁膜15上に設けられていてもよい。この場合、センサ用駆動電極26Bは、例えばアルミニウム(Al)と同一材料により構成されている。
【0073】
<変形例3>
上記変形例2では、センサ用駆動電極として走査線WSLを利用したが、電源線DSLを利用することもできる。即ち、電源線DSLを構成するメタル層がセンサ用駆動電極(センサ用駆動電極26C)を兼ねていてもよく、このような場合にも上記第1の実施の形態および変形例2と同等の効果を得ることができる。図15に、電源線DSL(センサ用駆動電極26C)と、検出電極12とのレイアウト例を示す。この場合も、上記変形例2と同様、電源線DSL(26C)が画素部10R,10G,10B同士の間の領域に、一方向に延在して配設され、この電源線DSL(26C)に交差する方向に沿って検出電極12(12(1)〜12(p))が設けられている。これにより、電源線DSL(26C)と検出電極12との交差部に容量素子C1が形成され、この交差部がセンサ部10Sとなる。尚、この電源線DSL(26C)も、上述した走査線WSL(26A,26B)と同様、ゲート電極141と同層、または層間絶縁膜15上に配設され、検出電極12との間に容量素子C1を形成するようになっている。
【0074】
また、電源線DSL(26C)には、電源線用の駆動信号が線順次に印加されるが、この電源線用の駆動信号をセンサ用の駆動信号として利用することができる。この場合には、その電源線用の駆動信号を印加するタイミングに同期して、その駆動信号が印加されている電源線DSL(26C)と検出電極12との交差部に形成された容量素子C1の充放電が行われる。あるいは、電源線用の駆動信号とセンサ用の駆動信号とを異なるタイミングで(時間差を設けて)順次印加するようにしてもよい。例えば、画面の上部では電源線用のスキャンがなされ、画面の下部ではセンサ用のスキャンがなされるようにしてもよい。
【0075】
<変形例4>
上記変形例2,3では、センサ用駆動電極として、走査線WSLまたは電源線DSLを利用した例について説明したが、センサ用駆動電極として信号線DTLを利用してもよい。即ち、信号線DTLを構成するメタル層がセンサ用駆動電極(センサ用駆動電極26D)を兼ねていてもよく、このような場合にも上記第1の実施の形態および変形例2,3と同等の効果を得ることができる。図16(A)に、信号線DTL(センサ用駆動電極26D)と、検出電極12とのレイアウト例を示す。この場合、上記変形例2,3とほぼ同様で、信号線DTL(26D)が画素部10R,10G,10B同士の間の領域に、一方向に延在して配設され、この信号線DTL(26D)に交差する方向に沿って検出電極12(12(1)〜12(p))が設けられている。これにより、信号線DTL(26D)と検出電極12との交差部に容量素子C1が形成され、この交差部がセンサ部10Sとなる。尚、この信号線DTL(26D)も、上述した走査線WSL(26A,26B)と同様、ゲート電極141と同層、または層間絶縁膜15上に配設され、検出電極12との間に容量素子C1を形成するようになっている。
【0076】
尚、信号線DTL(26D)には、映像信号が線順次に印加されるが、例えば3セレクタ型の線順次駆動方式では、1水平期間毎にR,G,Bの各色の映像信号の書き込みがなされるが、それらの映像信号の書き込み期間とは別に、センサ用駆動信号の書き込み期間を設けるようにすればよい。一例としては、図16(B)に示したように、1水平期間内において、特定の信号線DTLに、センサ用駆動信号を順次印加する。この際、特定の信号線DTLに対し1本ずつ駆動信号を印加してもよいし、複数本に対して一括して印加するようにしてもよい。これにより、そのセンサ用の駆動信号を印加するタイミングに同期して、その駆動信号が印加されている信号線DSL(26D)と検出電極12との交差部に形成された容量素子C1の充放電が行われる。
【0077】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る有機EL表示装置(有機EL表示装置2)について説明する。
【0078】
<第2の実施の形態>
[有機EL表示装置2の構成例]
図17は、有機EL表示装置2の断面構造を表すものである。有機EL表示装置2は、表示画素としてトップエミッション方式の有機EL素子を複数備えると共に、静電容量型のタッチセンサ機能を有するものである。この有機EL表示装置2は、基板41上に、画素部20R,20G,20Bとセンサ部20Sとを有するものである。画素部20R,20G,20Bは、R(赤),G(緑),B(青)の有機EL素子を含むものである。センサ部20Sは、それらの画素部20R,20G,20B同士の間の選択的な領域に設けられている。即ち、有機EL表示装置2では、表示領域面内において、画素部20R,20G,20Bとセンサ部20Sとが混在して配置されている。尚、本実施の形態における基板41が本発明の第2の表示装置における「第1基板」、封止用基板50がその「第2基板」の一具体例となっている。また、後述の画素電極44および表示用コモン電極46Aが、本発明の第2の表示装置における「第1電極」,「第2電極」の一具体例である。
以下、各部の断面構造例等について説明する。画素部20R,20G,20Bの回路構成および周辺回路(走査線・電源線駆動回路31,信号線駆動回路32,センサ用駆動回路19D,検出回路8)については、上記第1の実施の形態と同様となっている。
【0079】
(画素部の断面構造例)
画素部20R,20G,20Bでは、基板41上に、トランジスタ部および配線層等(図17は図示せず、上述のトランジスタ部14,層間絶縁膜15およびソース・ドレイン電極層16に相当)を介して平坦化膜42が設けられている。この平坦化膜42上には、複数の画素電極44が配設されており、これらの画素電極44に対応する各領域が画素部20R,20G,20Bとなっている。
【0080】
画素電極44は、後述の有機層45(白色発光層)へ正孔を注入するためのアノードとして機能するものである。この画素電極44は、反射性を有する金属材料、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)およびクロム(Cr)などの金属元素の単体または合金から構成されている。画素電極44は、また、そのような金属材料を用いた単層膜であってもよいし、それらのうちの2以上の金属材料を積層した積層膜であってもよい。このような画素電極44上には、画素電極44に対応して開口を有する画素分離膜(ウィンドウ膜)43が設けられている。この画素分離膜44は、画素の発光領域を区画するためのもので、上記第1の実施の形態における画素分離膜20と同様の材料よりなる。このような画素分離膜44上に、有機層45が例えば基板全面に渡って形成されている。
【0081】
有機層45は、例えば画素部20R,20G,20Bに共通して設けられ、正孔および電子の再結合により白色光を発する白色発光層を含んでいる。但し、有機層45には、そのような白色発光層の他に、例えば正孔注入層、正孔輸送層および電子輸送層等(いずれも図示せず)が積層されていてもよい。また、白色発光層に限らず、各色の発光層(赤色発光層,緑色発光層,青色発光層)が、画素部20R,20G,20B毎に塗り分けられていてもよい。このような有機層45上の画素部20R,20G,20Bに対応する領域には表示用コモン電極46Aが設けられている。尚、有機層45上のセンサ部20Sに対応する領域には、センサ用駆動電極46B(後述)が配設されている。
【0082】
表示用コモン電極46Aは、画素部20R,20G,20Bに共通の電極(電気的に接続された電極)となっており、例えば有機層45に電子を注入するカソードとして機能するものである。表示用コモン電極46Aは、例えばITOやIZO等の透明導電膜よりなり、有機層46から発せられる光を上方(封止用基板50側)へ透過させるようになっている。この表示用コモン電極46Aは、あるいは、マグネシウム−銀(Mg−Ag)共蒸着膜の単層膜またはこれらの積層膜により構成されていてもよい。尚、この表示用コモン電極46Aと有機層45との間には、電子注入層が設けられていてもよい。これらの表示用コモン電極46Aおよびセンサ用駆動電極46Bのレイアウト構成については後述する。
【0083】
このような表示用コモン電極46A上には、例えばシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜等からなり、画素部20R,20G,20Bを封止保護するための保護層47が設けられている。保護層47上には、各画素部20R,20G,20Bに対応する領域に、それぞれに対応する色のカラーフィルタ層(赤色フィルタ層49R,緑色フィルタ層49G,青色フィルタ層49B)が設けられている。これらの赤色フィルタ層49R,緑色フィルタ層49G,青色フィルタ層49B同士の間の領域(センサ部20Sに対応する領域)には、ブラックマトリクス(BM)層48が設けられている。
【0084】
赤色フィルタ層49R,緑色フィルタ層49G,青色フィルタ層49Bは、例えば顔料を含む感光性樹脂により構成され、BM層48は、例えば感光性樹脂材料および遮光性材料を含む絶縁材料により構成されている。これらのカラーフィルタ層およびBM層48上には封止用基板50が配設されている。
【0085】
(センサ部の断面構造例)
センサ部20Sは、上述のように画素部20R,20G,20B間の領域に設けられるため、画素部20R,20G,20Bと大半の層を共有するが、基板41と封止用基板50との間のいずれかの層にセンサ用駆動電極46Bを有している。また、封止用基板50上に検出電極51が配設されている。センサ部20Sでは、これらの検出電極51およびセンサ用駆動電極46Bが、それらの間に静電容量(容量素子C1)を形成するように積層されている。
【0086】
本実施の形態では、検出電極51は、封止用基板50上のセンサ部20Sに対応する領域に配置されており、その上を更に前面板52が覆っている。この検出電極は、例えばITOよりなる。前面板52は、例えばガラスやプラスチック等の透明基板、もしくは外光反射を低減するための偏光板よりなる。
【0087】
他方、センサ用駆動電極46Bは、画素部20R,20G,20Bにおける表示用コモン電極46Aと同一の層に(ここでは有機層45上に)配設されている。このセンサ用駆動電極46Bは、例えば表示用コモン電極46Aと同様の導電膜材料により構成されている。換言すると、ここでは、有機層45上において、上述の導電膜材料がパターニングされることにより、画素部20R,20G,20Bでは表示用コモン電極46A、センサ部10Sではセンサ用駆動電極46Bとしてそれぞれ機能するようになっている。
【0088】
(電極レイアウト例)
図18は、検出電極51、表示用コモン電極46Aおよびセンサ用駆動電極46Bのレイアウトの一例(基板面に沿った面における配置構成例)を、検出電極51の側から模式的に示したものである。このように、表示用コモン電極46Aが、櫛歯状電極となっており、画素部20R,20G,20Bが配置された行または列に重畳するように設けられている。センサ用駆動電極46Bは、そのような表示用コモン電極46Aの櫛歯形状の間隙において一方向に延在するように、ストライプ状にパターニングされている。これらの表示用コモン電極46Aおよびセンサ用駆動電極46Bは、例えば、有機層45上の全面にわたって上述した導電膜材料を成膜した後、フォトリソグラフィ法により上記レイアウトパターンを一括形成すれば、同工程にて形成可能である。
【0089】
センサ用駆動電極46Bは、上記第1の実施の形態におけるセンサ用駆動電極19Bと同様、センサ用駆動回路19Dに接続されると共に、例えば並列して複数(n個)設けられている(46B(1)〜46B(n))。また、前述のように、これらのセンサ用駆動電極46B(1)〜46B(n)は、m本のセンサ用駆動電極46B同士が電気的に接続されていてもよいし、n本全てのセンサ用駆動電極46Bがそれぞれ電気的に分離して設けられていてもよい。ここでは一例として、3本のセンサ用駆動電極46Bを連結してなる櫛歯状の電極を単位駆動ラインとして複数並列させた構成を示している。
【0090】
他方、検出電極51は、封止用基板50(図18には図示せず)上の複数の画素部20R,20G,20B同士の間隙に対応する領域において、複数のセンサ用駆動電極46Bと交差(ここでは直交)する方向に沿って延在するようにストライプ状にパターニングされている。また、検出電極51は、例えば並列して複数(p個)設けられている(51(1)〜51(p))。これらの検出電極51についても、q本の検出電極51が電気的に接続されていてもよいし、p本全ての検出電極51がそれぞれ電気的に分離して設けられていてもよい。更に、検出電極51と画素部20R,20G,20Bとは、必ずしも互いに非重畳である必要はなく、上述したように、検出電極51の一部または全部が画素20R,20G,20Bに重なっていてもよい。即ち、検出電極51のレイアウトは、全体として短冊状に設けられていれば、画素部20R,20G,20Bとの位置関係にはよらず自由に設計可能である。
【0091】
このような検出電極51およびセンサ用駆動電極46Bのレイアウトにより、それらの交差部では、画素部20R,20G,20Bから連続して形成された誘電体層(ここでは、例えば保護層47、BM層48および封止用基板50)を検出電極51およびセンサ用駆動電極46Bによって上下から挟み込んだ構造となる。即ち、検出電極51およびセンサ用駆動電極46Bの交差部では、それらの間に容量素子C1が形成される(交差部がセンサ部20Sとして機能する)ようになっている。
【0092】
また、検出電極51およびセンサ用駆動電極46Bが互いに交差するように複数設けられることにより、上記第1の実施の形態と同様、センサ部20Sがマトリクス状に2次元形成され、物体の位置を2次元座標として検出可能となっている。加えて、いわゆるマルチタッチの有無の検出等も実現できる。
【0093】
尚、本実施の形態においても、センサ用駆動電極46Bには、駆動電極ドライバ19D(前述)により、例えば交流矩形波形の駆動信号(Vs)が印加されるようになっている。検出電極51からは、静電容量に基づく検出信号(Vdet)が得られるようになっており、得られた検出信号は、検出回路8(前述)へ送られるようになっている。
【0094】
[有機EL表示装置2の作用・効果]
(画像表示動作)
有機EL表示装置2では、上記第1の実施の形態と同様、走査線・電源線駆動回路31および信号線駆動回路32が、各画素部20R,20G,20Bを表示駆動する。これにより、各画素部20R,20G,20B内の有機層45(ここでは白色発光層)へ駆動電流が注入され、白色発光が起こる。各画素部20R,20G,20Bから発せられた白色光は、表示用コモン電極46Aを透過した後、対応するカラーフィルタ層(赤色フィルタ層49R,緑色フィルタ層49G,青色フィルタ層49B)を通過する。この後、封止用基板50および前面板52を順に透過することにより、それぞれ赤色光,緑色光,青色光として前面板52の上方より出射する。このようにして、画素部20R,20G,20Bでは、トップエミッション方式によるカラーの画像表示がなされる。
【0095】
(物体検出動作)
一方、有機EL表示装置2では、センサ用駆動回路19Dが、センサ用駆動電極46B(センサ用駆動電極46B(1)〜46B(n))に対して、駆動信号Vsを線順次で供給する。このとき、検出電極51とセンサ用駆動回路46Dとの間に容量素子C1を有するセンサ部20Sでは、物体の接触または近接を、次のようにして検出する。
【0096】
即ち、前述のように、センサ用駆動電極46B(1)〜46B(n)に対して線順次に駆動信号Vsを印加していくと、駆動信号Vsが印加されている瞬間の1のセンサ用駆動電極46Bと、検出電極51(1)〜51(p)との各交差部に形成される複数(ここではp個)の容量素子Cn1〜Cnpの各々に対し、充放電が行われる。その結果、容量素子C1の容量値に応じた大きさの検出信号Vdetが、検出電極51(1)〜51(p)のそれぞれから出力される。そして、駆動信号Vsのスキャンに伴い、充放電の対象となる容量素子C1の列が順次移動していく。
【0097】
そのような駆動信号Vsのスキャンが行われている状態において、前面板52の表面側にユーザの指等が存在しない場合には、この検出信号Vdetの大きさはほぼ一定となる。一方、ユーザの指が前面板52の表面に接触(または近接)すると、その接触箇所に元々形成されている容量素子C1に、指による容量素子C2が付加される。その結果、その接触箇所がスキャンされた時点の検出信号Vdetの値が、他の箇所よりも小さくなる。得られた検出信号Vdetは、検出回路8へ出力され、検出回路8が物体の接触の有無を検出する。
【0098】
以上のように本実施の形態では、トップエミッション方式の有機EL表示装置2において、基板41上に、複数の画素電極44と、発光層を含む有機層45と、表示用コモン電極46Aと、封止用基板50と、前面板52とをこの順に備えると共に、透明基板11と前面板52との間に、前面板52側から順に検出電極51と、この検出電極51との間に容量素子C1を形成するセンサ用駆動電極46Bとを備える。即ち、本実施の形態では、画像表示を行う画素部20R,20G,20Bと、物体検出を行うセンサ部20Sとが混在して設けられている。これにより、画素部20R,20G,20Bが表示駆動されると有機層45から発せられた光は前面板52側から取り出される(前面板52側に画像が表示される)。その一方で、センサ部20Sが駆動されると、表示画面となる前面板52に接触または近接する物体の有無が検出される(前面板52側において物体検出がなされる)。このように、封止用基板50側にタッチパネルモジュールを外付けすることなく、物体検出を行うことができる。よって、装置全体の厚みを増大させることなくタッチセンサ機能を付加された有機EL表示装置の実現が可能となる。
【0099】
また、画素部20R,20G,20Bにおける表示用コモン電極46Aと同一の層に、センサ用駆動電極46Bを設けることにより、これらを同一工程におけるパターニングにより容易に形成することができる。また、表示用コモン電極46Aとセンサ用の駆動電極を別々の層に設けた場合よりもより薄型化に有利となる。
【0100】
尚、上記第2の実施の形態では、センサ用駆動電極46Bが、画素部20R,20G,20B同士の間隙に設けられた構成(センサ用駆動電極46Bが1画素ラインと交互に配置された構成)を例示したが、センサ用駆動電極のレイアウト構成は、これに限定されるものではない。例えば、図19に示したように、センサ用駆動電極46D(1),46D(2),…のように、複数の画素ライン毎に設けられていてもよい。換言すると、表示用コモン電極46Cが複数の画素ラインに対応する領域を覆って設けられ、センサ用駆動電極46D(1),46D(2),…が、それらの表示用コモン電極46C同士の間隙に設けられていてもよい。ここでは、一例として3本の画素ラインおきにセンサ用駆動電極46D(1),46D(2),…が設けられている構成について示している。
【0101】
また、上記第2の実施の形態では、カソード電極層を、表示用コモン電極46Aとセンサ用駆動電極46Bとに分離し、検出電極51を封止用基板50上に設けた場合を例に挙げたが、カソード電極層に検出電極が配置された構成としてもよい。即ち、カソード電極層を、表示用コモン電極46Aと検出電極とに分離し、この検出電極から検出信号Vdetを取り出すようにしてもよい。但し、この場合には、センサ用の駆動電極は、例えば、上記第1の実施の形態(ボトムエミッション方式)において例示したように、画素電極(アノード電極層)と同層に設ければよい。あるいは、上述したように、走査線WSL、電源線DSLまたは信号線DTLなどをセンサ用駆動電極として利用することも可能である。更には、遮光メタルを設けた層と同じ層にセンサ用駆動電極を配置するようにしてもよい。
【0102】
次に、上記第2の実施の形態に係る有機EL表示装置の変形例(変形例4)について説明する。以下では、上記第2の実施の形態の有機EL表示装置2と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0103】
<変形例5>
図20は、変形例5に係る有機EL表示装置(有機EL表示装置2A)の断面構造を表すものである。有機EL表示装置2Aは、上記第2の実施の形態の有機EL表示装置2と同様、表示画素としてトップエミッション方式の有機EL素子を複数備えると共に、静電容量型のタッチセンサ機能を有するものである。具体的には、基板41上の画素部20R,20G,20B同士の間の選択的な領域にセンサ部20Sを有している。また、検出電極51は、封止用基板50上のセンサ部20Sに対応する領域に設けられている。画素部20R,20G,20Bは、上記第2の実施の形態と同様、画素電極44上に有機層45、上部電極46、保護層47、カラーフィルタ層(赤色フィルタ層49R,緑色フィルタ層49G,青色フィルタ層49B)および封止用基板50を有している。
【0104】
但し、本変形例では、BM層53がセンサ用の駆動電極を兼ねており、センサ部20Sでは、このBM層53と検出電極51との間に容量素子C1を形成するようになっている。このため、BM層53は、上記第2の実施の形態と異なり、導電性材料、例えばクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)およびカーボンのいずれかよりなる単層膜またはそれらの材料うちの2以上を積層した積層膜から構成されている。更には、黒色のクロム酸化物、例えば酸化クロム(II),(IV)を積層膜の一部に用いてもよい。尚、上部電極46については、いわゆるベタ電極となっている。
【0105】
図21は、検出電極51およびBM層53(センサ用駆動電極)のレイアウトの一例(基板面に沿った面における配置構成例)を、検出電極51の側から模式的に示したものである。このように、BM層53が、画素部20R,20G,20Bが配置された行または列に非重畳となるようにストライプ状電極または櫛歯状電極として設けられている。このBM層53は、駆動電極ドライバ19D(前述)に接続されており、この駆動電極ドライバ19Dによって例えば交流矩形波形の駆動信号(Vs)が印加されるようになっている。他方、検出電極51は、BM層53と交差(ここでは直交)する方向に沿って延在するようにストライプ状にパターニングされている(51(1)〜51(p))。
【0106】
このような検出電極51およびBM層53のレイアウトにより、それらの交差部では、画素部20R,20G,20Bから連続して形成された誘電体層(ここでは、例えば封止用基板50)を検出電極51およびBM層53によって上下から挟み込んだ構造となる。即ち、検出電極51およびBM層53の交差部では、それらの間に容量素子C1が形成される(交差部がセンサ部20Sとして機能する)ようになっている。
【0107】
本変形例のように、BM層53に導電性材料を用い、このBM層53がセンサ用の駆動電極を兼ねるようにしてもよい。このような場合であっても、既存の層をセンサ用の駆動電極として利用することができるため、上記第2の実施の形態と同等の効果を得ることができる。また、本変形例は、画素ピッチなどの影響により、表示用のカソード電極をパターニングすることが困難である場合に、有効である。
【0108】
<変形例6>
図22は、変形例6に係る有機EL表示装置(有機EL表示装置2B)の断面構造を表すものである。有機EL表示装置2Bは、上記第2の実施の形態の有機EL表示装置2と同様、表示画素としてトップエミッション方式の有機EL素子を複数備えると共に、静電容量型のタッチセンサ機能を有するものである。具体的には、基板41上に、画素部20R,20G,20Bおよびセンサ部20Sを有している。画素部20R,20G,20Bは、上記第2の実施の形態および変形例5と同様、画素電極44上に有機層45、上部電極46、保護層47(47a,47b)、カラーフィルタ層(赤色フィルタ層49R,緑色フィルタ層49G,青色フィルタ層49B)および封止用基板50を有している。
【0109】
但し、本変形例では、上部電極46上に設けられた保護層47a,47b間に、センサ用駆動電極54が挿設されており、このセンサ用駆動電極54と検出電極51との間に容量素子C1を形成するようになっている。センサ用駆動電極54は、例えばITOなどの透明導電膜により構成されている。これらのセンサ用駆動電極54および検出電極51に対応する領域がセンサ部20Sとなっている。本変形例では、センサ用駆動電極54および検出電極51を、画素部20R,20G,20Bとの位置関係によらず、自由にレイアウト設計が可能であり、センサ部20Sの一部または全部が、画素部20R,20G,20Bと重畳していてもよい。但し、ここでは、一例として、画素部20R,20G,20B同士の間隙に対応する部分がセンサ部20Sとなっている構成を示している。
【0110】
本変形例のように、上部電極46と封止用基板50との間のいずれかの領域、例えば保護層47a,47b間に、センサ用駆動電極54を別途配設することによっても、上記第2の実施の形態とほぼ同等の効果を得ることができる。また、上記変形例5と同様、表示用のカソード電極をパターニングすることが困難である場合に有効である。
【0111】
<適用例>
次に、図23〜図27を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチセンサ付きの有機EL表示装置の適用例(適用例1〜5)について説明する。上記実施の形態等の有機EL表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等の表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0112】
(適用例1)
図23は、適用例1に係るテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510が、上記実施の形態等に係る有機EL表示装置に相当する。
【0113】
(適用例2)
図24は、適用例2に係るデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522が、上記実施の形態等に係る有機EL表示装置に相当する。
【0114】
(適用例3)
図25は、適用例3に係るノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531,文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係る有機EL表示装置に相当する。
【0115】
(適用例4)
図26は、適用例4に係るビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541,この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542,撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係る有機EL表示装置に相当する。
【0116】
(適用例5)
図27は、適用例5に係る携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係る有機EL表示装置に相当する。
【0117】
以上、いくつかの実施の形態、変形例および適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、センサ部をセンサ用駆動電極と検出電極との交差部に対応してマトリクス状に設けた場合について説明したが、センサ部の配置箇所は、画素部同士の間の領域であれば特に限定されるものではない。
【0118】
また、上記第2の実施の形態では、有機層45上に、表示用コモン電極46Aとは電気的に分離したセンサ用駆動電極46Bを設けたが、次のような構成としてもよい。即ち、有機層45上には、ベタ電極として上部電極を形成し、この上部電極へ一定のコモン駆動信号を印加可能な構成としてもよい。この場合、そのコモン駆動信号をセンサ用の駆動信号として兼用することにより、本発明と同等の効果を得ることができる。
【0119】
更に、上記実施の形態等では、R,G,Bの3つの画素部(サブピクセル)により1ピクセルを構成する場合(3サブピクセル構成)を例に挙げて説明したが、本発明における画素部はこれらに限定されるものではない。例えば、R,G,Bの他に、W(White)の画素部を含んだ4サブピクセル構成であってもよい。また、必ずしも、これらの3色または4色の画素部が1つのピクセルを構成している必要もなく、例えば2または5以上のサブピクセルで1ピクセルを構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1,1A〜1D,2,2A,2B…有機EL表示装置、100…有効表示エリア、10R,10G,10B,20R,20G,20B…画素部、10S,20S…センサ部、11…透明基板、12,51…検出電極、13…絶縁膜、14…トランジスタ部、15…層間絶縁膜、16…配線層、17R,49R…赤色フィルタ層、17G,49G…緑色フィルタ層、17B,49B…青色フィルタ層、18,42…平坦化膜、19A,44…画素電極、19B,46B…センサ用駆動電極、20,43…画素分離膜、21,45…有機層、22,46…上部電極、23,47…保護層、24,50…封止用基板、52…前面板、48,53…BM層、31…走査線・電源線駆動回路、32…信号線駆動回路、19D…センサ用駆動回路、8…検出回路、C1,C2…容量素子、Sg…交流矩形波、Vs…駆動信号、Vdet…検出信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光取り出し面を有する第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、第2基板とをこの順に備え、かつ
前記第1基板と前記第2基板との間に、前記第1基板の側から順に、物体検出用の検出電極と、この検出電極との間に容量素子を形成する物体検出用の駆動電極とを備えた
表示装置。
【請求項2】
表示領域内に、
前記複数の第1電極に対応して設けられた複数の画素部と、
前記駆動電極、前記検出電極および前記容量素子を含む1または複数のセンサ部とを有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板上に、絶縁膜を介してトランジスタ部が配設され、
前記検出電極は、前記第1基板と前記絶縁膜との間に設けられている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記検出電極と同一の層で、かつ前記画素部に対応する領域に、リーク防止用メタル層が配設されている
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記駆動電極および前記検出電極はそれぞれ、互いに交差するように延在して複数設けられている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記駆動電極は、前記第1電極と同一の層に設けられている
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の第1電極はマトリクス状に2次元配置され、
前記駆動電極は、前記複数の第1電極同士の間隙において一方向に延在して配設されている
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の画素部を表示駆動するための走査線、信号線および電源線を備え、
前記走査線が前記駆動電極を兼ねている
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の画素部を表示駆動するための走査線、信号線および電源線を備え、
前記電源線が前記駆動電極を兼ねている
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の画素部を表示駆動するための走査線、信号線および電源線を備え、
前記信号線が前記駆動電極を兼ねている
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記駆動電極に対して駆動信号を印加することにより前記検出電極から得られる検出信号に基づき、前記第1基板側の物体の有無を検出する検出回路を備えた
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、光取り出し面を有する第2基板とをこの順に備え、かつ
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた物体検出用の駆動電極と、
前記駆動電極の前記第2基板側に設けられると共に、前記駆動電極との間に容量素子を形成する物体検出用の検出電極と
を備えた表示装置。
【請求項13】
表示領域内に、
前記複数の第1電極に対応して設けられた複数の画素部と、
前記駆動電極、前記検出電極および前記容量素子を含む1または複数のセンサ部とを有する
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記検出電極は、前記第2基板上に配設されている
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第2電極が前記駆動電極を兼ねるか、または前記第2電極と前記駆動電極とが互いに同一の層に設けられている
請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2電極上に、導電性を有するブラックマトリクス層を有し、
前記ブラックマトリクス層が前記駆動電極を兼ねている
請求項14に記載の表示装置。
【請求項17】
前記駆動電極は、前記第2電極と前記第2基板との間に設けられている
請求項14に記載の表示装置。
【請求項18】
前記複数の画素部を表示駆動するための走査線、信号線および電源線を備え、
前記検出電極は、前記第2電極と同層に設けられ、
前記駆動電極が第1電極と同層に配設されるか、または前記走査線、前記信号線および前記電源線のうちのいずれかが前記駆動電極を兼ねた構成となっている
請求項13に記載の表示装置。
【請求項19】
光取り出し面を有する第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、第2基板とをこの順に備え、かつ
前記第1基板と前記第2基板との間に、前記第1基板の側から順に、物体検出用の検出電極と、この検出電極との間に容量素子を形成する物体検出用の駆動電極とを備えた
表示装置を有する電子機器。
【請求項20】
第1基板上に、複数の第1電極と、有機電界発光層と、第2電極と、光取り出し面を有する第2基板とをこの順に備え、かつ
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた物体検出用の駆動電極と、
前記駆動電極の前記第2基板側に設けられると共に、前記駆動電極との間に容量素子を形成する物体検出用の検出電極とを備えた
表示装置を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−212076(P2012−212076A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78491(P2011−78491)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】