説明

表示装置

【課題】高い作業効率および高い検査精度で欠けもしくはクラックを検査可能な表示装置を提供することである。
【解決手段】本発明に係る表示装置1は、第1主面22aに表示領域Eを有する第2基
板22と、第2基板22の第1主面22a上に集中的に設けられた外部接続用の複数の電極端子WCPと、第2基板22上に第2基板22の外周に沿って1ヶ所で切れた環状に設けられた検査
用配線Tと、検査用配線Tの一方端側に接続された第1検査用電極TP1と、検査用配線T
の他方端側に接続された第2検査用電極TP2とを備えており、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は、複数の電極端子WCPとともに集中的に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、デジタルカメラ、携帯ゲーム機あるいは携帯型情報端末などの様々な用途に用いられる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置としては、液晶層を用いた液晶表示装置、発光素子を用いた発光表示装置などが知られている。
【0003】
上記表示装置のうち、例えば液晶表示装置は、互いに対向する一対の基板を備え、該一対の基板間には液晶層が設けられているとともに、一対の基板を接合するためのシール材が設けられている(例えば、特許文献1)。なお、上記一対の基板はガラスもしくはプラスチックなどの透光性材料で形成されている。
【0004】
近年、表示装置に対して薄型化の要求があり、表示装置の薄型化を実現するために基板自体の厚みを薄くする傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−167258公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、基板自体の厚みを薄くすると、基板の強度が低下する。そのため、例えば、表示装置の製造過程での搬送もしくは基板の分断の際に、基板に衝撃が加われば、基板の一部が欠けたり、基板にクラックが発生する可能性がある。特に、これら欠けもしくはクラックは基板の外周で発生しやすい傾向にある。
【0007】
従来、欠けもしくはクラックの検査は目視により行われていたが、目視による検査では作業効率および検査精度が低いという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い作業効率および高い検査精度で欠けもしくはクラックを検査可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置は、主面に表示領域を有する基板と、基板の主面上に集中的に設けられた外部接続用の複数の電極端子と、基板上に基板の外周に沿って1ヶ所で切れた環状に設けられた検査用配線と、検査用配線の一方端側に接続された第1検査用電極と、検査用配線の他方端側に接続された第2検査用電極とを備えており、第1検査用電極および第2検査用電極は、複数の電極端子とともに集中的に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表示装置は、欠けもしくはクラックの検査における作業効率および検査精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態における表示装置を表す平面図である。
【図2】図1のI−I線に沿った断面図である。
【図3】図1の表示装置の第2基板を表す平面図である。
【図4】第2基板の第1接続領域を表す平面図である。
【図5】第2基板と第1外部回路基板との接続部分を表す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における表示装置を表す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における表示装置を表す平面図である。
【図8】図7の表示装置における第2基板の第1接続領域を表す平面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における表示装置を表す平面図である。
【図10】図9の表示装置における第2基板と第1外部回路基板との接続部分を表す断面図である。
【図11】図1の表示装置の変形例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施の形態1]
本発明の第1の実施形態における表示装置1について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0013】
表示装置1は、表示パネル2と、表示パネル2に電気的に接続された第1外部回路基板PC1と、表示パネル2に向けて光を出射する光源装置3と、表示パネル2上に配置される
第1偏光板4と、表示パネル2と光源装置3との間に配置される第2偏光板5とを備えている。
【0014】
表示パネル2では、第1基板21と第2基板22とが対向配置され、第1基板21と第2基板22との間に液晶層23が設けられ、この液晶層23を取り囲むように第1基板21と第2基板22とを接合するシール材24が設けられている。また、第1外部回路基板PC1は導電性接合部
材BOを介して第2基板22に電気的に接続されている。
【0015】
第1基板21は、画像表示の際に表示面として用いられる第1主面21aと、第1主面21aとは反対側に位置する第2主面21bとを有している。第1基板21は、例えばガラス、プラス
チックなどの透光性を有する材料によって形成される。第1基板21の第2主面21b上には
、遮光膜、カラーフィルタなどが設けられている。
【0016】
第2基板22は、第1基板21の第2主面21bに対向する第1主面22aと、第1主面22aの反
対側に位置する第2主面22bとを有している。第2基板22は第1基板21と同様の材料で形
成されている。
【0017】
図3に示すように、第2基板22は、第1基板21に重畳する重畳領域EOと、第1基板21
とは重畳しない非重畳領域ENOとを有している。重畳領域EOは画像を表示するための表
示領域EDを含んでいる。非重畳領域ENOは重畳領域EOの外側に位置しており、第1基板21の二つの辺に沿って連続して設けられている。また、非重畳領域ENOは、第1外部回路基板PC1と接続するための第1接続領域EPC1を有する。すなわち、第2基板22における第1接続領域EPC1は第1外部回路基板PC1が対向する領域である。
【0018】
表示領域EDにおける第2基板22の第1主面22a上には、複数のゲート配線、ゲート絶縁膜、複数のソース配線、複数の薄膜トランジスタ、共通電極、複数の信号電極などが設けられている。
【0019】
表示パネル2では、第2基板22に設けられた信号電極と、共通電極との間で電界を発生させて、信号電極と共通電極との間で発生する横電界によって液晶層23中の液晶分子の方向を制御する。なお、表示パネル2は横電界方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば縦電界方式を採用してもよい。
【0020】
図3に示すように、非重畳領域ENOにおける第2基板22の第1主面22a上には、配線導
体WC、電極端子WCP、ドライバIC、検査用配線T、第1検査用電極TP1、第2検査用電極TP2が設けられている。また、第2基板22は、第1接続領域EPC1で導電性接合部材BOを介して第1外部回路基板PC1と接続されている。
【0021】
配線導体WCは第2基板22の第1主面22a上に設けられている。配線導体WCは、表示パネ
ル2を駆動するための電圧が印加される配線であり、例えば、共通電極、ソース配線、ゲート配線もしくはドライバICなどに接続されている。
【0022】
配線導体WCは導電性を有する材料で形成され、例えば、アルミニウム、モリブデン、チタン、ネオジム、クロム、銅またはこれらを含む合金によって形成されている。なお、配線導体WCはこれら導電性材料を積層させた構造でもよい。
【0023】
また、電極端子WCPは、配線導体WCを第1外部回路基板PC1に接続させるための外部接続用の端子である。電極端子WCPは、ドライバICから第1接続領域EPC1に延在する配線導体WCの一端側に形成されており、複数の電極端子WCPは第1接続領域EPC1に集中的に配置されている。図4に示すように、複数の電極端子WCPは第1接続領域EPC1内に配置されているとともに、一定方向に沿って配列している。
【0024】
電極端子WCPは導電性を有する材料で形成され、配線導体WCと同様の材料で形成しても
よく、図5に示すように上記材料を積層させた構造でもよい。なお、本実施形態における電極端子WCP間には絶縁膜ISが設けられている。
【0025】
ドライバICはゲート配線、ソース配線などの駆動を制御する機能を有する。ドライバICは、非重畳領域ENOにおける第2基板22の第2主面22a上に位置している。ドライバICは
第1基板21の辺に沿って設けられている。ドライバICには複数の配線導体WCが接続されている。
【0026】
検査用配線Tは第2基板22の第1主面22a上に設けられている。検査用配線Tは第2基
板22の第1主面22aの外周に沿って1箇所で切れた環状に形成されており、検査用配線T
の切れた部分は第1接続領域EPC1上に位置している。また、検査用配線Tは重畳領域EOおよび非重畳領域ENOの両領域に跨って設けられている。
【0027】
検査用配線Tは第2基板22の第1主面22aの外周からの距離が例えば200μm以下に設定すると、外周の欠けもしくはクラックを検知しやすくなる。また、検査用配線Tの幅は10μm以下に設定されている。
【0028】
検査用配線Tは導電性を有する材料によって形成される。検査用配線Tと配線導体WCとを同じ材料を採用すれば、検査用配線Tと配線導体WCとを同一のパターニング工程で形成できるので、表示装置1の製造工程を簡略化できる。
【0029】
なお、表示装置1では、検査用配線Tが配線導体WCと同一平面上に形成されているが、これに限定されない。
【0030】
検査用配線Tの一端には第1検査用電極TP1が形成されており、検査用配線Tの他端に
は第2検査用電極TP2が形成されている。なお、表示装置1では、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2が検査用配線Tの端部に形成されているが、これに限定されない。
すなわち、第1検査用電極TP1が検査用配線Tの一方端部側に形成され、第2検査用電極TP2が検査用配線Tの他方端部側に形成されていればよい。さらに言えば、第1検査用電極
TP1が検査用配線Tのいずれかの部分(第1部分)に形成され、第2検査用電極TP2が検査用配線Tの第1部分とは異なる部分(第2部分)に形成されていればよい。
【0031】
なお、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は、検査用配線Tと同様の材料で形成されている。また、図5に示すように、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は、上記材料を積層させた構造であってもよい。また、第1検査用電極TP1および第2検査
用電極TP2の形状は電極端子WCPと同様な形状をしているが、これには限られない。
【0032】
第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は、第2基板22の第1主面22aに設けられ
ている。第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は、複数の電極端子WCPの近傍に配
置されており、複数の電極端子WCPとともに集中的に配置されている。第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は第1接続領域EPC1内に位置している。
【0033】
第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は複数の電極端子WCPの近傍に配置されて
いるので、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2は複数の電極端子WCPとともに、
導電性接合部材BOを介して第1外部回路基板PC1に接続されることになる。
【0034】
図4に示すように、第1接続領域EPC1では、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2が、一定方向に配列した複数の電極端子WCPからなる電極端子WCP群の両側に配置され
ている。これによって、検査用配線Tと配線導体WCもしくは電極端子WCPとを交差させる
ことなく、第1検査用電極TP1、第2検査用電極TP2および複数の電極端子WCPをより密集
して配置でき、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2によって第1接続領域EPC1
が拡張することを低減でき、表示装置1の狭額縁化を図れる。
【0035】
第1外部回路基板PC1は、導電性接合部材BOを介して複数の電極端子WCP、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2に接続されている。第1外部回路基板PC1はその一部が第
2基板22と対向している。
【0036】
第1外部回路基板PC1は、基体、配線パターンおよび回路電極端子PCPを有する。基体は、配線パターンおよび回路電極端子WCPを支持する機能を有する。基体は絶縁性の材料で
形成され、例えば樹脂が挙げられる。また、基体をポリイミド樹脂などの可撓性を有する材料で形成すれば、第1外部回路基板PC1を柔軟に折り曲げることが可能となるので、表
示装置1を電子機器などに搭載する場合に、よりコンパクトに搭載可能になる。なお、第1外部回路基板PC1と第2基板22とは導電性接合部材BOで接合されている。
【0037】
導電性接合部材BOは、第1外部回路基板PC1と第2基板22とを電気的に接続する機能を
有する。導電性接合部材BOは、導電性を有する接合部材であって、例えばACF(異方性導
電膜)、複数のボンディングワイヤである。
【0038】
表示装置1では、検査用配線Tが第2基板22の第1主面22aの外周に沿って環状に設け
られているので、衝撃を受け第2基板22の外周に欠け、クラックが発生すると、欠けもしくはクラックに伴い検査用配線Tが断線する。この状態で第1検査用電極TP1および第2
検査用電極TP2を介して検査用配線Tに電圧を印加すれば導通がとれない。したがって、
第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2に電圧を印加し、検査用配線Tの導通確認を行うことで第2基板22の外周での欠け、クラックの発生を検知できるので、検査における作業効率および精度を向上させることができる。
【0039】
また、表示装置1では、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2の両方が、複数の電極端子WCPとともに、第1接続領域EPC1に位置し、導電性接合部材BOを介して第1外部回路基板PC1に接続されている。これによって、第1外部回路基板PC1を電気的に接続する
前に、例えば目視によって第2基板22の欠けもしくはクラックの検査を行い、第1外部回路基板PC1の接続後さらに検査用配線Tの導通確認によって欠けもしくはクラックの検査
を行うことが可能になる。したがって、目視および検査用配線Tによる二重の検査が可能なり、欠けもしくはクラックの検査を高い精度で行うことができる。
【0040】
また、表示装置1では、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2の両方が、複数の電極端子WCPとともに導電性接合部材BOを介して第1外部回路基板PC1に接続されている。これによって、複数の電極端子WCPに電圧を印加して行う表示装置1の動作確認の検査と
、第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2に電圧を印加して行う第2基板22の外周での欠け、クラックの検査と同時に実行できる。よって、表示装置1の検査時間を短縮することが可能になる。
【0041】
次に表示装置1の検査方法について説明する。
【0042】
まず、第2基板22上に第2基板22の第1主面22aの外周に沿って1ヶ所で切れた環状に
設けられた検査用配線Tと、検査用配線Tに接続された第1検査用電極TP1と、検査用配
線Tの他方端側に接続された第2検査用電極TP2とを備えた表示装置1において、第1検
査用電極TP1、第2検査用電極TP2および電極端子WCPに対して第1外部回路基板PC1を接続する。
【0043】
この状態で、外部電源から第1外部回路基板PC1を介して第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2に電圧を印加し、検査用配線Tに導通がとれるか否か確認する。電圧の印
加後、検査用配線Tの導通が確認できなければ、第2基板22の外周に欠けもしくはクラックが発生していると判断できる。一方、検査用配線Tの導通が確認できれば、第2基板22の外周に欠けもしくはクラックが発生していないと判断できる。
【0044】
なお、第1外部回路基板PC1の接続前に、目視により第2基板22の外周に欠けもしくは
クラックの検査を行うと、目視および検査用配線Tによる二重の検査が可能なり、欠けもしくはクラックの発生をさらに高い精度で検査できる。
【0045】
また、第1検査用電極TP1、第2検査用電極TP2および電極端子WCPに対して第1外部回
路基板PC1を接続しているので、外部電源から第1外部回路基板PC1を介して複数の電極端子WCPに電圧を印加して行う表示装置1の動作確認の検査と、外部電源から第1外部回路
基板PC1を介して第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2に電圧を印加して行う第2
基板22の外周での欠け、クラックの検査とを同時に実行できる。これによって、表示装置1の検査時間を短縮することが可能になる。
【0046】
液晶層23は、第1基板21と第2基板22との間に設けられている。液晶層23は、ネマティック液晶、コレステリック液晶、またはスメクティック液晶などの液晶分子を含む。
【0047】
シール材24は、第1基板21と第2基板22とを貼り合わせる機能を有する。シール材24は、第1基板21と第2基板22との間に設けられている。このシール材24は、エポキシ樹脂などの有機材料によって形成される。
【0048】
光源装置3は、表示パネル2に向けて光を出射する機能を有する。光源装置3は、光源31と、導光板32とを有している。なお、本実施形態における光源装置3では、光源31にLEDなどの点光源を採用しているが、冷陰極管などの線光源を採用してもよい。
【0049】
第1偏光板4は所定の振動方向の光を選択的に透過させる機能を有する。この第1偏光板4は表示パネル2の第1基板21の第1主面21aに対向するように配置されている。
【0050】
第2偏光板5は所定の振動方向の光を選択的に透過させる機能を有する。この第2偏光板5は、第2基板22の第2主面22bに対向するように配置されている。
【0051】
[実施の形態2]
図6は、第2の実施形態における表示装置1Aを示す平面図である。
【0052】
表示装置1Aは表示装置1に対比して下記の点で異なる。
【0053】
表示装置1Aは第2外部回路基板PC2を備えている。第2基板22上に配置された複数の
配線導体WCのうち一部の配線導体WCは、第1導電性接合部材BOを介して第1外部回路基板PC1に接続されている。また、他の複数の配線導体WCは、第1導電性接合部材BOとは異なる第2導電性接合部材BOを介して第2外部回路基板PC2に接続されている。すなわち、第
2基板22上に配置された複数の電極端子WCPのうち一部は第1外部回路基板PC1と接続さ
れ、他の電極端子WCPは第2外部回路基板PC2に接続されている。
【0054】
第2外部回路基板PC2は第1外部回路基板PC1と同様の構造を有している。第2外部回路基板PC2は、その一部が第2基板22と対向している。第2基板22の第2接続領域EPC2は、第2外部回路基板PC2が対向する領域である。
【0055】
第1外部回路基板PC1および第2外部回路基板PC2は共通の外部駆動回路基板PC3に接続
されている。外部駆動回路基板PC3は外部電源から供給される電圧を第1外部回路基板PC1および第2外部回路基板PC2に印加する。
【0056】
第1検査用電極TP1は第1接続領域EPC1に位置し、第1外部回路基板PC1に第1導電性
接合部材BOを介して接続されている。一方、第2検査用電極TP2は、第2接続領域EPC2に位置し、第2外部回路基板PC2に第2導電性接合部材BOを介して接続されている。
【0057】
表示装置1Aでは中継配線INが設けられている。中継配線INは検査用配線Tの第1検査用電極TP1と第2検査用電極TP2との間に位置しており、第2基板22の第1主面22aの外周
に沿って形成されている。
【0058】
中継配線INは第1外部回路基板PC1と第2外部回路基板PC2とを電気的に接続している。中継配線INはその一端部側が第1導電性接合部材BOを介して第1外部回路基板PC1に接続
されており、他端部側が第2導電性接合部材BOを介して第2外部回路基板PC2に接続され
ている。
【0059】
中継配線INの一端部は第1外部回路基板PC1および外部駆動回路基板PC3を介して第1検査用電極TP1に電気的に接続されている。また、中継配線INの一端部は第2外部回路基板PC2および外部駆動回路基板PC3を介して第2検査用電極TP2に電気的に接続されている。
【0060】
ここで、例えば、第2基板22の第1主面22aの外周に複数の回路基板が接続される場合
、検査用配線Tと配線導体WCもしくは電極端子WCPとを交差させると、検査用配線Tと配
線導体WCもしくは電極端子WCPとを絶縁させるために、少なくともこれらが交差する領域
では、検査用配線Tを配線導体WCもしくは電極端子WCPが形成される層とは異なる層に形
成する必要がある。このように、検査用配線Tと配線導体WCもしくは電極端子WCPとを交
差させると、表示装置の配線構造が多層化し複雑化しやすくなる。
【0061】
これに対して、表示装置1Aでは、中継配線INは第1外部回路基板PC1と第2外部回路
基板PC2とを電気的に接続している。これによって、第2基板22の第1主面22aの外周に複
数の回路基板が接続される場合であっても、中継配線INを利用することで、検査用配線Tを配線導体WCもしくは電極端子WCPと交差させることなく、検査用配線Tの導通確認がで
きる。これによって、表示装置1の配線構造を複雑化させることなく、検査用配線Tの導通を確認できる。
【0062】
[実施の形態3]
図7は第3の実施形態における表示装置1Bを表す平面図であり、図8は表示装置1Bの第1接続領域EPC1を表す平面図である。
【0063】
表示装置1Bは、表示装置1と対比して、複数の検査用配線Tが形成されている点で異なる。
【0064】
複数の検査用配線Tは第2基板22の第1主面22aの外周に沿って環状に形成されており
、隣り合う検査用配線Tは近接している。
【0065】
表示装置1Bでは、複数の検査用配線Tが形成されているので、第2基板22の第1主面22aの外周に欠けもしくはクラックが発生した場合であっても、外側から何本目までの検
査用配線Tで導通がとれたかを確認することで、発生した欠けもしくはクラックの規模を検知できる。これによって、発生した欠けもしくはクラックが許容できる範囲か否かを検査することができるので、より精密な検査が可能になる。
【0066】
なお、表示装置1では、二本の検査用配線Tが形成されているが、二本以上の検査用配線Tを形成してもよい。
【0067】
[実施の形態4]
図9は第4の実施形態における表示装置1Cを表す図であり、図10は表示装置1Cでの第1外部回路基板PC1と第2基板22との接続部分を表す断面図である。
【0068】
表示装置1Cは、表示装置1と対比して、検査用配線T、第1検査用電極TP1および第
2検査用電極TP2が第2基板22の第2主面22bに形成されている点で異なる。
【0069】
また、第1外部回路基板PC1の一部は、第2基板22の第2主面22bと対向するように回り込んで設けられている。すなわち、第1外部回路基板PC1は第2基板22の第1主面22aだけでなく第2主面22bにも対向している。よって、第2基板22の第1主面22aおよび第2主面22bの両主面が第1接続領域EPC1を有している。
【0070】
第1外部回路基板PC1は第1主面22aの第1接続領域EPC1で電極端子WCPと接続され、第2主面22bの第1接続領域EPC1で第1検査用電極TP1および第2検査用電極TP2に接続されている。
【0071】
第2基板22の第1主面22aには配線導体WCおよび電極端子WCPが形成されているので、配線導体WCの形成パターンが複雑化すると、第2主面22aの領域によっては検査用配線Tと
配線導体WCもしくは電極端子WCPとが交差してしまい、検査用配線Tと配線導体WCと絶縁
させるために、表示装置の配線構造が複雑化する問題がある。
【0072】
これに対して、表示装置1Cでは、検査用配線T、第1検査用電極TP1および第2検査
用電極TP2が、配線導体WCおよび電極端子WCPが形成されていない第2基板22の第2主面22bに位置しているので、表示装置の構造を簡略化できる。
【0073】
本発明は上記の実施の形態1〜4に特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種
々の変更および改良が可能である。
【0074】
また、本発明の表示パネル2は、液晶パネルに限定されるものではなく、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、あるいは蛍光表示ディスプレイ等であってもよい。
【0075】
表示装置1では、検査用配線Tは配線導体WCを避けて形成されているが、これには限られない。すなわち、図11に示すように、表示装置1では、検査用配線Tと配線導体WCとを重畳させてもよい。図11の表示装置1では、検査用配線Tが配線導体WCと重畳する領域で配線導体WCと立体的に交差している。すなわち、少なくとも当該重畳領域では、検査用配線Tと配線導体WCとの間に絶縁膜が設けられており、この絶縁膜によって、検査用配線Tと配線導体WCとは絶縁されている。図11の表示装置1では、検査用配線Tが配線導体WCと重畳させることで第2基板22の狭額縁化が図れるので、表示装置1の小型化が図れる。
【符号の説明】
【0076】
1、1A、1B、1C 表示装置
2 液晶パネル
D 表示領域
O 重畳領域
NO 非重畳領域
21 第1基板
22 第2基板(基板)
22a 第1主面 (主面)
22b 第2主面 (反対主面)
WCP 電極端子
T 検査用配線
TP1 第1検査用電極
TP2 第2検査用電極
PC1 第1外部回路基板
PC2 第2外部回路基板
BO 導電性接合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面に表示領域を有する基板と、前記基板の前記主面上に集中的に設けられた外部接続用の複数の電極端子と、前記基板上に前記基板の外周に沿って1ヶ所で切れた環状に設けられた検査用配線と、前記検査用配線の一方端側に接続された第1検査用電極と、前記検査用配線の他方端側に接続された第2検査用電極とを備えており、
前記第1検査用電極および前記第2検査用電極は、複数の前記電極端子とともに集中的に配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
主面に表示領域を有する基板と、前記基板の前記主面上に集中的に設けられた外部接続用の複数の電極端子と、複数の前記電極端子に接続された外部回路基板と、前記基板上に前記基板の外周に沿って1ヶ所で切れた環状に設けられた検査用配線と、前記検査用配線の一方端側に接続された第1検査用電極と、前記検査用配線の他方端側に接続された第2検査用電極とを備えており、
前記第1検査用電極および前記第2検査用電極は、前記外部回路基板に導電性接合部材を介して接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記検査用配線、前記第1検査用電極および前記第2検査用電極は、前記基板の前記主面上に設けられている請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記検査用配線、前記第1検査用電極および前記第2検査用電極は、前記基板の前記主面の反対側に位置する反対主面上に設けられている請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
複数の前記電極端子は、一定方向に沿って配列しており、
前記第1検査用電極および前記第2検査用電極は、複数の前記電極端子の配列に対して前記一定方向の両側に配置されている請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
主面に表示領域を有する基板と、前記基板の主面上にそれぞれ集中的に設けられた外部接続用の複数の第1電極端子および複数の第2電極端子と、複数の前記第1電極端子に電気的に接続された第1外部回路基板と、複数の前記第2電極端子に電気的に接続された第2外部回路基板と、前記基板上に前記基板の外周に沿って1ヶ所で切れた環状に設けられた検査用配線と、前記検査用配線の一方端側に接続された第1検査用電極と、前記検査用配線の他端側に接続された第2検査用電極とを備えており、
前記第1検査用電極は前記第1外部回路基板に第1導電性接合部材を介して接続されているとともに、前記第2検査用電極は前記第2外部回路基板に第2導電性接合部材を介して接続されており、
前記第1外部回路基板および前記第2外部回路基板は中継配線を介して電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記検査用配線が互いに近接して複数設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−11663(P2013−11663A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142989(P2011−142989)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】