説明

表面処理装置

【課題】被処理物をローラコンベアで移動させて表面処理する装置において、被処理物の幅方向の端部及び移動方向の端部の処理の過不足が生じるのを防止し、処理の均一性を高める。
【解決手段】被処理物9をローラコンベア30で移動方向Xに移動させる。ノズルヘッド20の吹出し口22から処理ガスを吹出し、被処理物9に吹き付け表面処理する。ローラコンベア30の幅方向Yの両側部にそれぞれ遮蔽部材40を設ける。遮蔽部材40の遮蔽面41が、被処理物9の移動領域Rの幅方向の縁を幅方向に跨ぐようにする。ローラ31を、遮蔽面41よりノズルヘッド20の側へ僅かに突出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理物を表面処理する装置に関し、特にローラコンベアを被処理物の移動手段として有する表面処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被処理物を移動させながら、ノズルヘッドの吹出し口から処理ガスを被処理物に吹き付け、表面処理を行なう表面処理装置は公知である(特許文献1等参照)。被処理物の移動手段として代表的なものにローラコンベアが挙げられる。周知の通り、ローラコンベアは、多数のローラを有し、これらローラの回転により被処理物を移動させるようになっている。隣り合うローラどうし間は隙間になっている。
特許文献2では、ローラコンベアをカバーで覆っている。これにより、ローラコンベアをプラズマガスから保護している。カバーには透孔が形成され、円盤状のローラの上端部が、透孔から処理ヘッド(ノズルヘッド)に向けて突出されている。
【特許文献1】特開2003−166065号公報
【特許文献2】特開2005−038752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、ローラコンベアの幅は、被処理物の幅より大きい。したがって、被処理物の幅方向の外側にローラどうし間の隙間が露出する。そのため、ノズルヘッドから吹き出された処理ガスの一部が、幅方向の外側へ流れ、上記の隙間を通って漏出しやすい。このような処理ガスの幅方向の流れがあると、被処理物の幅方向の端部が過処理になったり処理不足になったりする。
特許文献2では、処理ガスがノズルヘッドとカバーとの間に未反応高濃度の状態で滞留しやすい。この未反応高濃度の処理ガスが被処理物の移動方向の端部に接触すると、ローディング効果によって被処理物の移動方向の端部が過処理になる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被処理物の幅方向の端部及び移動方向の端部の処理の過不足が生じるのを防止し、処理の均一性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、被処理物に処理ガスを吹き付けて前記被処理物の表面を処理する装置であって、
前記被処理物を移動方向に移動させるローラコンベアと、
前記ローラコンベアを向く面を有し、この面に前記処理ガスを吹き出す吹出し口とガスを吸い込む吸込み口とが開口されたノズルヘッドと、
を備え、前記ローラコンベアの前記移動方向と直交する幅方向の両側部にはローラどうし間の隙間を覆う一対の遮蔽部材が設けられ、各遮蔽部材が、前記ノズルヘッドの側を向く遮蔽面を有し、この遮蔽面が、前記被処理物が移動される平面領域より前記ノズルヘッド側とは反対側に僅かに離れて前記平面領域と平行に配置され、かつ前記平面領域の前記幅方向の縁を前記幅方向に跨いでおり、前記一対の遮蔽部材どうしが前記幅方向に離れ、前記ローラコンベアの前記幅方向の中央部のローラどうし間の隙間は、何れの遮蔽部材にも覆われることなく開放されていることを特徴とする。
これによって、被処理物の幅方向の端部及び移動方向の端部の処理の過不足が生じるのを防止でき、処理の均一性を高めることができる。
【0005】
前記ローラが、軸線を前記幅方向に向けた長い円筒状になっている場合、前記遮蔽部材に前記ローラの端部を回転可能に収容する収容穴が形成され、前記収容穴が、前記遮蔽面に達して開口し、この開口を介して前記ローラが前記遮蔽面より前記ノズルヘッド側へ僅かに突出されていることが好ましい。
【0006】
前記ローラが、前記幅方向と直交する円盤状をなし、前記幅方向に延びるシャフトに前記ローラが前記遮蔽面より前記ノズルヘッド側へ僅かに突出されるように設けられている場合、前記遮蔽部材に前記シャフトを回転可能に挿通する挿通孔が形成されていることが好ましい。
【0007】
前記表面処理は、例えば大気圧近傍下でのプラズマエッチングである。この場合、前記処理ガスは、大気圧近傍下でプラズマ化されて被処理物に対するエッチング能を付与された状態で前記ノズルヘッドから吹き出されることが好ましい。
ここで、大気圧近傍 とは、1.013×10〜50.663×10Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×10〜10.664×10Paが好ましく、9.331×10〜10.397×10Paがより好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被処理物の幅方向の端部及び移動方向の端部の処理の過不足が生じるのを防止でき、処理の均一性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は、第1実施形態に係る表面処理装置1を示したものである。被処理物9は、例えば液晶ディスプレイ用のガラス基板で構成され、四角形の薄い平板形状になっている。被処理物9は、長手方向をX方向へ向け、幅方向をY方向へ向けた状態で表面処理装置1に通され、表面処理される。被処理物9の幅(Y方向の寸法)は、例えば約2mである。処理内容は、例えば大気圧近傍下でのプラズマエッチングである。図示は省略するが、被処理物9の表面(上面)にはエッチングされるべき酸化シリコンの膜が形成されている。
【0010】
表面処理装置1は、チャンバー10と、ノズルヘッド20(処理ヘッド)と、ローラコンベア30を備えている。図1に示すように、チャンバー10は、被処理物9の全体を収容可能な大きさになっている。チャンバー10の内部は、略大気圧になっている。チャンバー10の内部空間のY方向の寸法は、被処理物9の幅より若干(例えば20mm程度)大きい。図2に示すように、チャンバー10のX方向の一端部(図1及び図2において左)には搬入口11が形成されている。チャンバー10のX方向の他端部(図1及び図2において右)には搬出口12が形成されている。チャンバー10の底部は、中央に向かうにしたがって下に傾斜している。チャンバー10の底部の中央部に排気ライン8aを介し排気ポンプ8が連なっている。排気ポンプ8は、後述する吸引手段3の吸引ポンプと共通の真空ポンプで構成してもよい。
【0011】
チャンバー10の上部にノズルヘッド20が取り付けられている。図1の二点鎖線及び図3に示すように、ノズルヘッド20は、Y方向に長い大略直方体形状になっている。図2に示すように、ノズルヘッド20の下面21(ローラコンベア30を向く面)は、チャンバー10の天井面と面一になっているが、これに限定されるものではなく、ヘッド下面21がチャンバー10の天井面より下に突出していてもよく、上に引っ込んでいてもよい。
【0012】
図1の二点鎖線及び図2に示すように、ノズルヘッド20には、吹出し口22と吸込み口23がヘッド下面21に開口するように形成されている。吹出し口22及び吸込み口23は、Y方向に延びるスリット状になっている。吹出し口22及び吸込み口23のY方向に沿う長さは、被処理物9の幅寸法と略同じか、それより若干大きい。吹出し口22と吸込み口23は、互いにX方向に離間している。
【0013】
図2に示すように、吹出し口22は処理ガス供給ライン2aを介し処理ガス源2に連なっている。処理ガス源2は、処理内容に応じた処理ガスをノズルヘッド20に供給する。ここでは、処理ガスの主成分として例えばCF(ハロゲン系ガス)が用いられている。CFは、窒素はアルゴン等で希釈してもよい。処理ガスの主成分として、CFに代えて、CHF、C、C、SF、NF、XeFなどを用いてもよい。供給ライン2a上で処理ガスに水(HO)が添加される。水添加後の処理ガスがノズルヘッド20に導入される。図示は省略するが、ノズルヘッド20内には、一対の電極が設けられており、これら電極間に大気圧近傍のプラズマ空間が形成されるようになっている。このプラズマ空間内で処理ガスがプラズマ化(分解、励起、活性化、イオン化を含む)され、HF等の反応成分が生成される。HFは、酸化シリコンに対しエッチング能を有している。このプラズマ化された処理ガスgが、吹出し口22から下方へ吹き出される。
【0014】
吸込み口23は、吸引ライン3aを介して吸引ポンプ等の吸引手段3に連なっている。
【0015】
図1〜図3に示すように、ローラコンベア30は、複数のローラ31,31…と、一対のサイドフレーム32,32を有している。図1及び図3に示すように、サイドフレーム32は、チャンバー10のY方向の両側部に配置され、それぞれX方向へ延びている。
【0016】
ローラ31,31…は、ノズルヘッド20より下側に配置され、チャンバー10の内部に収容されている。各ローラ31は、軸線をY方向に向けた長い円筒状をなし、一対のサイドフレーム32,32間に架け渡されている。図1及び図2に示すように、複数のローラ31,31…は、X方向に間隔を置いて平行に並べられている。X方向に隣り合うローラ31,31どうし間には隙間33が形成されている。隙間33はY方向に延びている。
【0017】
ローラ31の軸長(Y方向の寸法)は、被処理物9の幅より若干(例えば20mm程度)大きい。ローラ31の外直径は、例えば60mm程度である。ローラ31のX方向の配置ピッチは、例えば120mm程度である。
【0018】
図示は省略するが、ローラコンベア30には、複数のローラ31を同期して回転させる回転駆動部が設けられている。図2に示すように、これらローラ31の上に被処理物9が水平に配置される。被処理物9は、ローラ31の回転によってX方向に移動され、ノズルヘッド20の下方に通されるようになっている。被処理物9がノズルヘッド20の真下に位置するとき、ヘッド下面21と被処理物9の上面との間の距離は、例えば3mm程度である。
【0019】
この被処理物9の移動軌跡が、被処理物9が移動される平面領域Rになる。図2に示すように、平面領域Rは、ローラ31の上端部の高さの水平な面内に位置している。図1に示すように、平面領域RのY方向の両縁は、チャンバー10の内壁から若干(例えば10mm程度)内側に離れている。ローラ31の両端部が、平面領域RよりY方向の外側に延び出ている。
【0020】
図1〜図3に示すように、ローラコンベア30の幅方向(Y方向)の両側には、それぞれ遮蔽部材40,40が設けられている。各遮蔽部材40は、幅方向をY方向に向けてX方向(被処理物9の移動方向)に延びるビーム状になっている。遮蔽部材40は、ローラ31の端部と交差している。遮蔽部材40によって、ローラ31,31間の隙間33のY方向の端部が塞がれている。遮蔽部材40は、処理ガスに対する耐性が高い材質で構成されていることが好ましい。
【0021】
図1、図2、図4に示すように、遮蔽部材40には、長手方向(X方向)に間隔を置いて複数のローラ収容穴42が形成されている。収容穴42は、遮蔽部材40を幅方向(Y方向)に貫通している。収容穴42の上側部分は、遮蔽部材上面41に達して開口されている。収容穴42の遮蔽部材上面41への開口42aは、Y方向に延びるスリット状になっている。
【0022】
図4の二点鎖線に示すように、各収容穴42にローラ31の端部が回転可能に収容されている。ローラ31の一部が、開口42aを介して遮蔽部材上面41より上(ヘッド下面21の側)へ僅かに突出されている。ローラ31の遮蔽部材上面41からの突出量は、例えば0.5mm程度である。
【0023】
図2及び図3に示すように、遮蔽部材40の上面41(遮蔽面)は、ノズルヘッド20の下面21と対向している。遮蔽部材上面41は、平面領域R(被処理物9の移動軌跡)より下側(ノズルヘッド20側とは反対側)に僅かに離れて平面領域Rと平行に配置されている。平面領域Rと遮蔽部材上面41との間の上下方向の離間距離は、例えば0.5mm程度である。
【0024】
図1〜図3に示すように、遮蔽部材40の幅方向の外側面は、平面領域RよりY方向の外側に位置し、チャンバー10の内壁又はサイドフレーム32に接している。遮蔽部材40の幅方向の内側面は、平面領域Rの幅方向の縁より内側に位置している。遮蔽部材上面41は、平面領域Rの幅方向(Y方向)の縁を幅方向に跨ぐように配置されている。言い換えると、平面領域Rの幅方向の縁が、平面視で遮蔽部材40の幅方向の中間に位置されている。遮蔽部材40の幅(Y方向の寸法)は、例えば100mm程度である。遮蔽部材上面41の幅方向の外側の縁と平面領域Rの幅方向の縁とのY方向の距離は、例えば10mm程度である。遮蔽部材上面41の幅方向の内側の縁と平面領域Rの幅方向の縁とのY方向の距離は、例えば90mm程度である。
【0025】
各遮蔽部材30の幅(Y方向の寸法)は、チャンバー10及びローラコンベア30の同方向寸法に比べると十分に小さい。したがって、一対の遮蔽部材40,40は、Y方向に大きく離間されている。ローラ31,31間の隙間33の両端部を除く中間部は、何れの遮蔽部材40にも覆われることなく開放されている。
【0026】
上記構成の表面処理装置1によれば、被処理物9が、搬入口11からチャンバー10内に搬入され、ローラ31上に載せられ、X方向に移動され、ノズルヘッド20の下方を通過する。併行して、処理ガス源2からの処理ガスが、ノズルヘッド20に供給されてプラズマ化されてエッチング能を付与され、吹出し口22から吹き出される。この処理ガスgが、被処理物9に接触し、これにより、被処理物9の表面の酸化シリコン膜がエッチングされる。処理済みのガスは、吸込み口23から吸い込まれ、吸引手段3から排気される。
【0027】
ローラコンベア30で搬送中の被処理物9の幅方向(Y方向)の両端部の下側には遮蔽部材40が近接して位置する。遮蔽部材40は、被処理物9の幅方向の外側のローラ間隙間33を塞いでいる。さらに、被処理物9の下面と遮蔽部材上面41との間には、間隙40aが形成される。間隙40aの上下方向の厚さは、極めて小さく(例えば0.5mm程度)、この厚さに比べ間隙40aの幅(Y方向の寸法)は十分に大きい(例えば90mm程度)。したがって、間隙40aのガスコンダクタンスは極めて小さい。よって、処理ガスgが、被処理物9の幅方向の外側から間隙40aを通ってローラコンベア30の下方へ漏出するのを十分に防止できる。これにより、被処理物9の幅方向の両端部が処理不足になったり過処理になったりするのを防止することができる。
遮蔽部材40は、間隙40aを介して被処理物9より下方に離れているため、被処理物9と干渉することはない。
【0028】
遮蔽部材40は、被処理物9の幅方向の両端部に対応する位置に配置されているだけであり、被処理物9の幅方向の中間部に対応する位置には配置されていない。したがって、図5に示すように、被処理物9の移動方向(X方向)の後端部が吹出し口22と吸込み口23の間に位置しているとき、吹出し口22から吹き出された処理ガスgは、ローラ間隙間33を通ってローラコンベア30の下方へ流れる。これにより、処理ガスが未反応高濃度のまま被処理物9の移動方向の後端部に接触するのを防止でき、ローディング効果が起きるのを防止できる。
この結果、被処理物9の表面の全体を均一にエッチング処理でき、処理の均一性を十分に高めることができる。
ローラコンベア30の下方へ流れた処理ガスgは、チャンバー10の底部から排気ライン8aを経て排出される。
【0029】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図6〜図9は、第2実施形態を示したものである。第2実施形態のローラコンベア30は、長い円筒状のローラ31に代えて、円盤状のローラ34と、ローラシャフト35を有している。シャフト35は、Y方向に直線状に延び、ローラコンベア30の両サイドフレーム32,32どうしの間に架け渡されている。シャフト35は、X方向(被処理物9の移動方向)に間隔を置いて複数並設されている。シャフト35の並設ピッチは、例えば120mm程度である。
【0030】
各シャフト35に複数の円盤状ローラ34が間隔を置いて取り付けられている。ローラ34の外直径は、例えば60mm程度である。ローラ34は、遮蔽部材40の遮蔽部材上面41より上に僅かに(例えば0.5mm程度)突出されている。シャフト35どうし間及び円盤状ローラ34どうし間に隙間33が形成されている。
【0031】
第2実施形態の遮蔽部材40には、第1実施形態の収容穴42より小径のシャフト挿通穴43が複数形成されている。各挿通穴43は、遮蔽部材40を幅方向(Y方向)に貫通している。複数の挿通穴43は、遮蔽部材40の長手方向(X方向)に間隔を置いて配置されている。挿通穴43にシャフト35の端部が回転可能に挿通されている。
【0032】
第2実施形態においも、遮蔽部材40によって、処理ガスgが被処理物9の幅方向(Y方向)の外側からローラコンベア30の下方へ漏出するのを防止でき、被処理物9の幅方向の両端部が処理不足になったり過処理になったりするのを防止できる。しかも、処理ガスgが未反応高濃度のまま被処理物9の移動方向(X方向)の端部に接触するのを防止でき、ローディング効果が起きるのを防止できる。この結果、被処理物9の表面の全体を均一にエッチング処理でき、処理の均一性を十分に高めることができる。
【0033】
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をなすことができる。
例えば、遮蔽部材40は、少なくとも遮蔽面41(平面領域Rよりノズルヘッド20側とは反対側に僅かに離れて平面領域Rと平行に配置され、かつ前面領域Rの幅方向の縁を幅方向に跨ぐ面)を有し、ローラ間隙間33の両端部を塞ぐものであればよく、その断面形状は実施形態のものに限定されない。
一対の遮蔽部材40,40どうしは、互いに離間していればよく、各遮蔽部材40の幅が被処理物9の幅の2分の1近くあってもよい。
実施形態に示した寸法は例示であって、本発明が上記寸法に限定されるものではない。
第2実施形態では、すべての円盤状ローラ34が遮蔽部材40よりY方向の内側に配置されていたが、一部の円盤状ローラ34が遮蔽部材40の内部に配置されていてもよく、その場合、遮蔽部材40には、当該一部の円盤状ローラ34を収容する収容穴が形成されているのが好ましく、この収容穴が遮蔽面41に達して開口し、この開口から当該一部の円盤状ローラ34がノズルヘッド20の側に僅かに突出されていることが好ましい。
エッチングすべき膜は、酸化シリコンに限られず、アモルファスシリコンやポリシリコン等のシリコンでもよい。その場合、処理ガスにオゾン等の酸化性成分を混合するとよい。
さらに、本発明の処理内容は、エッチングに限定されず、成膜、洗浄、表面改質等の種々の表面処理に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、例えば半導体装置の製造分野においてシリコンや酸化シリコンのエッチング等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表面処理装置を示し、図2のI−I線に沿う平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う、上記表面処理装置の側面断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う、上記表面処理装置の正面断面図である。
【図4】上記表面処理装置の遮蔽部材の斜視図である。
【図5】上記表面処理装置において、被処理物の移動方向の後端部がノズルヘッドの吹出し口より移動方向の前方に位置している状態の側面断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る表面処理装置を示し、図7のVI−VI線に沿う平面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う、上記第2実施形態に係る表面処理装置の側面断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う、上記第2実施形態に係る表面処理装置の正面断面図である。
【図9】上記第2実施形態に係る表面処理装置の遮蔽部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
R 被処理物が移動される平面領域
1 表面処理装置
2 処理ガス源
3 吸引手段
9 被処理物
8 排気ポンプ
10 チャンバー
11 搬入口
12 搬出口
20 ノズルヘッド
21 ノズルヘッド下面(ローラコンベアを向く面)
22 吹出し口
23 吸込み口
30 ローラコンベア
31 ローラ
32 サイドフレーム
33 隙間
34 円盤状ローラ
35 シャフト
40 遮蔽部材
40a 間隙
41 遮蔽部材上面(遮蔽面)
42 ローラ収容穴
42a 開口
43 シャフト挿通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物に処理ガスを吹き付けて前記被処理物の表面を処理する装置であって、
前記被処理物を移動方向に移動させるローラコンベアと、
前記ローラコンベアを向く面を有し、この面に前記処理ガスを吹き出す吹出し口とガスを吸い込む吸込み口とが開口されたノズルヘッドと、
を備え、前記ローラコンベアの前記移動方向と直交する幅方向の両側部にはローラどうし間の隙間を覆う一対の遮蔽部材が設けられ、各遮蔽部材が、前記ノズルヘッドの側を向く遮蔽面を有し、この遮蔽面が、前記被処理物が移動される平面領域より前記ノズルヘッド側とは反対側に僅かに離れて前記平面領域と平行に配置され、かつ前記平面領域の前記幅方向の縁を前記幅方向に跨いでおり、前記一対の遮蔽部材どうしが前記幅方向に離れ、前記ローラコンベアの前記幅方向の中央部のローラどうし間の隙間は、何れの遮蔽部材にも覆われることなく開放されていることを特徴とする表面処理装置。
【請求項2】
前記ローラが、軸線を前記幅方向に向けた長い円筒状になっており、前記遮蔽部材に前記ローラの端部を回転可能に収容する収容穴が形成され、前記収容穴が、前記遮蔽面に達して開口し、この開口を介して前記ローラが前記遮蔽面より前記ノズルヘッド側へ僅かに突出されていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
【請求項3】
前記ローラが、前記幅方向と直交する円盤状をなし、前記幅方向に延びるシャフトに前記ローラが前記遮蔽面より前記ノズルヘッド側へ僅かに突出されるように設けられており、前記遮蔽部材に前記シャフトを回転可能に挿通する挿通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
【請求項4】
前記表面処理が、大気圧近傍下でのプラズマエッチングであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−295806(P2009−295806A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148185(P2008−148185)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】