説明

被乾燥体の乾燥方法、乾燥機、及びデバイスの製造方法

【課題】 被乾燥体を減圧下で乾燥するときに、収容室内に残留した溶媒成分の影響を低減させて、膜の品質劣化を防ぐことが可能な乾燥方法、乾燥機、及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 乾燥機100は、被乾燥体Qを収容可能な収容室118(119)と、第1の減圧過程で、収容室118を減圧する第1の減圧部としての第1減圧ポンプ102と、被乾燥体Qを乾燥するための乾燥部110とを備えている。第2の減圧過程で、収容室119内を減圧する第2の減圧部としての第2減圧ポンプ103、被乾燥体Qを乾燥した後に、収容室119内をクリーニングするための除去部120とを備えている。さらに、第1減圧ポンプ102と、乾燥部110と、第2減圧ポンプ103と、除去部120と、を制御する制御部142とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被乾燥体の乾燥方法、乾燥機、及びデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、半導体ウエハや、液晶ディスプレイ用基板などの被処理基板の上に塗布液を塗布して、この塗布液を減圧下で乾燥させて、塗布膜を形成する方法や、装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−239441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の方法や、装置では、装置に接続された配管に残留した溶媒を除去するものなので、収容室内(特に、被処理基板近傍)における付着した溶媒を除去しないため、その効果は小さい。このため、収容室内に溶媒成分が残ってしまうことがあった。収容室内に溶媒成分が残留した状態で収容室を大気開放すると、溶媒成分が液化して基板に付着してしまうことがあり、乾燥後の膜質や、膜形状の再現性が得られないことがあった。その結果、膜品質を悪化させることがあった。収容室内に付着した溶媒成分を拭き取ることも可能であるが、その間は装置を停止しなければならないので、面倒であり、生産性を向上させることが困難であった。また、溶媒成分が収容室内に残留してしまうと、収容室内の真空度が低下する。そのため、真空度を正常値に戻すのに長時間減圧する必要があった。その結果、多くの電力を消費していた。
【0005】
本発明の目的は、被乾燥体を減圧下で乾燥するときに、収容室内に残留した溶媒成分の影響を低減させて、膜の品質劣化を防ぐことが可能な乾燥方法、乾燥機、及びデバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の乾燥機は、機能液が塗布された被乾燥体を乾燥する乾燥機であって、前記被乾燥体を収容可能な収容室と、第1の減圧過程で、前記収容室を減圧する第1の減圧部と、前記被乾燥体を乾燥するための乾燥部と、第2の減圧過程で、前記収容室内を減圧する第2の減圧部と、前記被乾燥体を乾燥した後に、前記収容室をクリーニングするための除去部と、前記第1の減圧部と、前記乾燥部と、前記第2の減圧部と、前記除去部と、を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、被乾燥体を乾燥する乾燥部と、収容室をクリーニングするための除去部とに構成されているから、分離されているので、収容室内の清浄度が低下すれば、収容室内を除去部でクリーニングすることができる。したがって、収容室内を常に清浄な状態に維持して被乾燥体を乾燥することができるから、安定した品質の膜を形成可能な乾燥機を提供できる。
【0008】
本発明の乾燥機は、前記第1の減圧部には、第1の検出部を有しており、前記第1の検出部が、圧力、積算時間、処理枚数、を検出するための検出装置のうち、少なくとも一つの前記検出装置を備えていることが望ましい。
【0009】
この発明によれば、圧力、積算時間、処理枚数、を検出するための検出装置を備えているから、収容室をクリーニング開始するための判断を定量的にできるので、精度が高い。
【0010】
本発明の乾燥機は、前記第2の減圧部には、第2の検出部を有しており、前記第2の検出部が、圧力、ガス濃度、積算時間、を検出するための検出装置のうち、少なくとも一つの前記検出装置を備えていることが望ましい。
【0011】
この発明によれば、圧力、ガス濃度、積算時間、を検出するための検出装置を備えているから、収容室をクリーニング終了するための判断を定量的にできるので、精度が高い。
【0012】
本発明の乾燥機は、前記収容室を少なくとも2つ以上備えていることが望ましい。
【0013】
この発明によれば、2つの収容室を乾燥とクリーニングとに交互に使用することが可能であるから、乾燥作業を途中で中断することなくほぼ連続的にできることになるので、生産性の高い乾燥機を提供できる。
【0014】
本発明の乾燥機は、前記除去部に、赤外線ランプを備えていることが望ましい。
【0015】
この発明によれば、赤外線ランプを加熱することで、収容室内の溶媒成分を加熱分解して、除去できるから、収容室をクリーニングすることが可能な乾燥機を提供できる。
【0016】
本発明の乾燥機は、前記除去部に、プラズマ照射装置を備えていることが望ましい。
【0017】
この発明によれば、プラズマ照射装置を作動してプラズマを発生させることで、収容室内の溶媒成分を分解して、揮発させることができるので、収容室をクリーニングすることが可能な乾燥機を提供できる。しかも、プラズマを高密度に照射できるから、短時間で収容室をクリーニングすることができるので、効率的である。
【0018】
本発明の乾燥機は、前記除去部に、紫外線照射装置を備えていることが望ましい。
【0019】
この発明によれば、紫外線照射装置を作動して紫外線を発生させることで、紫外線のエネルギーで収容室内の溶媒成分を分解して、除去させることができるので、収容室をクリーニングすることが可能な乾燥機を提供できる。収容室の除去面になるたけ近づけると、紫外線のエネルギーをできるだけ有効に活用できるので、効果は大きい。
【0020】
本発明の乾燥機は、前記除去部に、ヒータを備えていることが望ましい。
【0021】
この発明によれば、ヒータを加熱することで、収容室内の溶媒成分を加熱分解して、除去できるから、収容室をクリーニングすることが可能な乾燥機を提供できる。
【0022】
本発明の乾燥機は、前記制御部が、前記収容室の減圧をする第1の減圧過程で少なくとも前記収容室内の圧力が許容値に達したら、前記除去部への通電を開始するように制御することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、制御部が第1の減圧過程における収容室の圧力を検出することで、収容室内における溶媒成分の残渣の程度がわかるから、残渣が許容値を超えたら収容室のクリーニングを開始させることができる。
【0024】
本発明の乾燥機は、前記制御部が、前記収容室の減圧をする第2の減圧過程で前記収容室内の圧力またはガス濃度のうち少なくとも一方が許容値に達したら、前記除去部への通電を停止するように制御することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、制御部が第2の減圧過程における収容室内の圧力またはガス濃度のうち少なくとも一方を検出することで、収容室内における溶媒成分の残渣の程度がわかるから、残渣が許容値を超えたら収容室のクリーニングを停止させることができる。
【0026】
本発明の乾燥方法は、機能液が塗布された被乾燥体の乾燥方法であって、前記被乾燥体を収容可能な収容室に収容して、前記収容室内を減圧させて前記被乾燥体を乾燥する乾燥工程と、前記収容室内の汚染度を検出する第1検出工程と、前記第1検出工程で得られた汚染度が許容値に達したら、除去部の通電をONにして前記収容室のクリーニングをする工程と、前記除去部の通電状態で、前記収容室内の清浄度を検出する第2検出工程と、前記第2検出工程で得られた清浄度が許容値に達したら、前記除去部の通電をOFFにして前記収容室のクリーニングを停止する工程と、を備えていることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、除去部の通電をONにするための第1検出工程における収容室内の汚染度の許容値と、除去部の通電をOFFにするための第2検出工程における収容室内の清浄度とを予め決めておけばよいので、管理が簡単である。そして、清浄度の維持された状態で被乾燥体を乾燥すれば、品質の安定した塗布膜を形成できる。
【0028】
本発明の乾燥方法は、前記第1検出工程では、圧力、積算時間、処理枚数、を検出するための検出方法のうち、少なくとも一つの前記検出方法を備えていることが望ましい。
【0029】
この発明によれば、圧力、積算時間、処理枚数、を検出するための検出方法を備えているから、収容室をクリーニング開始するための判断を簡単にできる。
【0030】
本発明の乾燥方法は、前記第2検出工程では、圧力、ガス濃度、積算時間、を検出するための検出方法のうち、少なくとも一つの前記検出方法を備えていることが望ましい。
【0031】
この発明によれば、圧力、ガス濃度、積算時間、を検出するための検出方法を備えているから、収容室をクリーニング終了するための判断を簡単にできる。
【0032】
本発明の乾燥方法は、前記クリーニングをする工程では、赤外線ランプで加熱して前記収容室をクリーニングすることが望ましい。
【0033】
この発明によれば、赤外線ランプで収容室内を加熱することによって、収容室内に残った溶媒成分を蒸発させて除去できるから、収容室をきれいにクリーニングできる。
【0034】
本発明の乾燥方法は、前記クリーニングをする工程では、プラズマを照射して前記収容室をクリーニングすることが望ましい。
【0035】
この発明によれば、プラズマ照射装置で発生したプラズマを照射することによって、収容室内に残った溶媒成分を揮発させて除去できるから、収容室をきれいにクリーニングできる。
【0036】
本発明の乾燥方法は、前記クリーニングをする工程では、紫外線を照射して前記収容室をクリーニングすることが望ましい。
【0037】
この発明によれば、紫外線照射装置で発生した紫外線を照射することによって、収容室内に残った溶媒成分を分解させて除去できるから、収容室をきれいにクリーニングできる。
【0038】
本発明の乾燥方法は、前記クリーニングをする工程では、ヒータで加熱して前記収容室をクリーニングすることが望ましい。
【0039】
この発明によれば、ヒータで収容室を加熱することによって、収容室内に残った溶媒成分を分解させて除去できるから、収容室をきれいにクリーニングできる。
【0040】
本発明のデバイスの製造方法は、液滴吐出法によって基板上に画素を形成するデバイスの製造方法であって、前述の乾燥方法を用いたことを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、収容室内の清浄度を向上させてから塗布膜の乾燥処理をするから、塗布膜の品質が安定する。そして、安定した品質が得られるデバイスの製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の被乾燥体の乾燥方法、乾燥機、及びデバイスの製造方法について実施形態を挙げ、添付図面に沿って詳細に説明する。なお、被乾燥体としては基体上に液滴吐出法によって機能液が塗布された基板を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
【0043】
図1は、乾燥機の全体構成を示す概略図である。同図(a)は、概略平面図であり、同図(b)は、概略断面図である。
【0044】
図1(a)、(b)に示すように、乾燥機100は、被乾燥体Qを乾燥させるための乾燥部110と、赤外線ランプ121を有する除去部120と、チャンバ112を搬送可能な移動装置130と、乾燥機100を操作するための操作パネル140とで構成されている。
【0045】
乾燥部110は、被乾燥体Qを積載するための積載台111と、引っ掛け部113を備えたチャンバ112と、チャンバ112(収容室118)内を減圧するための第1の減圧部としての減圧ポンプ102と、チャンバ112(収容室118)内の圧力を検出するための第1検出部としての圧力センサ114と、で構成されている。被乾燥体Qは、基板P上に機能液Lが塗布されて形成されている。
【0046】
減圧ポンプ102を作動させると、チャンバ112(収容室118)内を大気圧から減圧することができる。減圧ポンプ102は、台104の上に配置されている。排気ガスを排気するための排気ダクト106が、図示しない方法で減圧ポンプ102と接続されている。台104は、図示しない方法で架台101に固定されている。
【0047】
また、圧力センサ114は、図示しない方法で減圧ポンプ102の配管に固定されている。
【0048】
除去部120は、引っ掛け部113を備えたチャンバ112と、チャンバ112を加熱する赤外線ランプ121と、チャンバ112(収容室119)内を減圧するための第2の減圧部としての減圧ポンプ103と、チャンバ112(収容室119)内の圧力を検出するための第2検出部としての圧力センサ115と、チャンバ112(収容室119)内の溶媒の濃度を検出するためのガス濃度センサ116とで構成されている。また、赤外線ランプ121の近傍には、チャンバ112(収容室119)内の温度を監視するための熱電対129が、配置されている。
【0049】
チャンバ112(収容室119)内を減圧するためには、減圧ポンプ103を作動させてチャンバ112(収容室119)内を大気圧から減圧していく。この減圧ポンプ103は、台105の上に配置されている。また、この減圧ポンプ103を作動させると、チャンバ112(収容室119)内に存在する溶媒が、乾燥機100の外側に排気されるように構成されている。そして、減圧ポンプ103が作動することで、チャンバ112(収容室119)内が減圧される。また、赤外線ランプ121の通電をONにすることによって、チャンバ112(収容室119)内が加熱される。溶媒を排気するための排気ダクト107が、図示しない方法で減圧ポンプ103と接続されている。台105は、図示しない方法で架台101に固定されている。
【0050】
移動装置130は、チャンバ112を上下方向(Z方向)に移動させるための図示しない空圧シリンダと、チャンバ112を回転方向(R方向)に移動させて、赤外線ランプ121の上にかぶせるための図示しない空圧シリンダとを有する。移動装置130は、フック部131を備えている。このフック部131をチャンバ112に備えた引っ掛け部113に引っ掛けて、図示しない空圧シリンダを作動させればチャンバ112を移動させることができるように構成されている。
【0051】
さらに、乾燥機100は、この乾燥機100を操作するための操作パネル140が、図示しない方法で架台101に固定されている。
【0052】
図2は、乾燥機100の制御系のブロック図である。図2に示すように、操作パネル140、入出力装置141、制御部142の各機器は、入出力インターフェイス143及びバス144を介してCPU145と、RAM146とに接続されている。そして、入出力装置141には、第1減圧ポンプ102、第1圧力センサ114、移動装置130、第2減圧ポンプ103、第2圧力センサ115、ガス濃度センサ116とが接続されている。制御部142には、赤外線ランプ121、熱電対129とが接続されている。
【0053】
入出力装置141は、図示しない駆動回路やAD変換器などで構成されており、第1圧力センサ114、第2圧力センサ115、ガス濃度センサ116で検出された値を入出力装置141に入力できる。また、入出力装置141は、第1減圧ポンプ102、第2減圧ポンプ103、移動装置130を駆動するための出力ができる。さらに、移動装置130には、バルブ、センサ、空圧シリンダなどを作動するためのスイッチなどを備えている。
【0054】
本実施形態における乾燥機100の構成は以上のようであって、乾燥機100を使用して、被乾燥体Qを乾燥する乾燥方法について説明する。図3は、乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。
【0055】
作業開始の指示をすると、CPU145は、入出力装置141に信号を送り、基板P上に塗布された液滴Lに対して減圧下で乾燥処理を施す(図1(a)(b)参照)。より具体的な乾燥方法について、詳細を以下に記す。
【0056】
被乾燥体Qを積載台111の上に載せて、その上からチャンバ112をかぶせる。そこで、図3のステップS1に示すように、乾燥機100に備えられた操作パネル140を操作して、第1減圧ポンプ102の通電をONにして、チャンバ112(収容室118)内を減圧する。チャンバ112(収容室118)内を減圧すると、液滴Lに含まれる溶媒が蒸発していき、蒸発した溶媒は、排気ダクト106を通して乾燥機100の外部へ排気される。所定の時間が経過すると、基板P上に塗布された液滴Lが乾燥し、塗布膜が形成される。被乾燥体Qを乾燥させる方法は、常温で減圧しながら乾燥させる減圧乾燥である。なお、減圧乾燥は、加熱できない物に対して有効であり、低温で乾燥させたい場合に用いられる。また、減圧乾燥は、揮発しにくい(蒸気圧の低い)溶媒を揮発させることができる。
【0057】
次に、図3のステップS2に示すように、チャンバ112(収容室118)内の圧力を第1圧力センサ114で検出して、チャンバ112(収容室118)内の圧力が一定時間で設定圧力に達するかどうか判定する。
【0058】
次に、図3のステップS3に示すように、ステップS2の判定結果、チャンバ112(収容室118)内の圧力が一定時間で設定圧力に達すれば、第1減圧ポンプ102の圧力制御を停止させてチャンバ112(収容室118)内を昇圧させて、乾燥機100を停止させる。そして、被乾燥体Qの乾燥作業を繰り返し実施する。被乾燥体Qの乾燥作業を繰り返し行うと、チャンバ112(収容室118)内に溶媒の残渣が徐々に多くなり、チャンバ112(収容室118)内の清浄度が劣化していく。チャンバ112(収容室118)内の汚染度と、圧力とは対応しており、清浄度が劣化(溶媒の残渣)すると、圧力が低下しにくくなる。なお、あらかじめチャンバ112(収容室118)内の圧力をある値に設定しておけば、汚染度の程度を把握するのに役に立つ。また、圧力は定量的に把握できるから精度が高い。しかも、簡単に表示できる。そして、チャンバ112(収容室118)内の圧力は、基板Pの大きさ、厚さ、材質、または液滴Lの塗布量、液滴Lに含まれる溶媒の量などの条件よって異なる。また、被乾燥体Qの要求品質(乾燥状態など)によっても変わる。そして、被乾燥体Qの乾燥処理可能な枚数は、基板Pの大きさ、厚さ、材質、または液滴Lの塗布量、液滴Lに含まれる溶媒の量などの条件によって異なる。
【0059】
次に、図3のステップS4に示すように、ステップS2の判定結果でチャンバ112(収容室118)内の圧力が一定時間で設定圧力に達しなくなると、清浄度が劣化(溶媒の残渣)してきたことを示す。これは、溶媒の残渣の影響で、継続して被乾燥体Qを乾燥することができない状態を示し、チャンバ112(収容室118)内のクリーニングを開始しなければならない。そこで、第1減圧ポンプ102の圧力制御を停止させてチャンバ112(収容室118)内を昇圧して、大気開放する。大気開放すれば、チャンバ112をクリーニングできる。なお、チャンバ112内のクリーニングを開始するタイミングは、被乾燥体Qの要求品質や、基板Pの大きさ、厚さ、材質、または液滴Lの塗布量、液滴Lに含まれる溶媒の量などの条件によって異なるから、第1圧力センサ114には、その条件に応じて異なる圧力の値を設定することになる。
【0060】
次に、図3のステップS5に示すように、チャンバ112を移動させる。チャンバ112の移動は、図示しない空圧シリンダによって移動装置130を下方向(Z方向)に移動させて、移動装置130に備えたフック部131をチャンバ112に備えた引っ掛け部113に引っ掛ける。そして、図示しない空圧シリンダによって上方向(Z方向)に持ち上げる。さらに、図示しない空圧シリンダによってチャンバ112を旋回方向(R方向)に旋回、下方向(Z方向)に下げて、乾燥部110から除去部120へ移動させる。
【0061】
次に、図3のステップS6に示すように、第2減圧ポンプ103の通電をONにして、チャンバ112(収容室119)内を減圧する。チャンバ112(収容室119)内を減圧することで、積極的に溶媒を除去できる。なお、減圧時の圧力、溶媒の種類や、塗布量などによって適宜変更する。また、第2減圧ポンプ103には、減圧時にドライエアーあるいは窒素ガスなどの不活性ガスを導入しても構わない。
【0062】
次に、図3のステップS7に示すように、赤外線ランプ121の通電をONにして、チャンバ112を加熱する。チャンバ112を加熱することで、積極的に溶媒を除去できる。なお、加熱温度は、溶媒の種類や、塗布量などによって適宜変更する。また、赤外線ランプ121の近傍に配置されている熱電対129を用いて、チャンバ112(収容室119)内の温度が設定範囲を超えないように監視、制御する。
【0063】
次に、図3のステップS8に示すように、チャンバ112(収容室119)内の圧力が設定圧力まで下がったかを第2圧力センサ115で検出する。チャンバ112(収容室119)内の圧力が設定圧力に下がらなければ、減圧と加熱とを継続して実施する。チャンバ112(収容室119)内の圧力が設定圧力に下がれば、次のステップに進む。
【0064】
次に、図3のステップS9に示すように、赤外線ランプ121の通電をOFFにして、チャンバ112の加熱を停止する。
【0065】
次に、図3のステップS10に示すように、チャンバ112(収容室119)内がある温度まで下がったかを熱電対129で検出する。チャンバ112(収容室119)内の温度が、設定した温度以下に下がるまで待ち、温度が下がれば、次のステップに進む。
【0066】
最後に、図3のステップS11に示すように、第2減圧ポンプ103の通電をOFFにして、チャンバ112(収容室119)内を昇圧させる。チャンバ112(収容室119)内の溶媒を除去することによって、チャンバ112はきれいにクリーニングできる。そして、チャンバ112を除去部120から乾燥部110へ移動すれば、被乾燥体Qの乾燥作業を継続してできる。
【0067】
次に、チャンバ112(収容室119)内の圧力を検出する方法に変えて、ガスの濃度を検出する方法について説明する。
【0068】
図4は、ガス濃度センサ116を使用した場合の乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。なお、ステップS1〜S7およびステップS9〜S11は、図3のステップS21〜S27およびステップS30〜S32と同一であるので、説明を省略する。ステップS28、S29について説明する。
【0069】
図4のステップS28に示すように、チャンバ112(収容室119)内から排気された排気ガス組成分析を開始する。
【0070】
次に、図4のステップS29に示すように、チャンバ112(収容室119)内のガス濃度が設定濃度まで下がったかをガス濃度センサ116で検出する。ガス濃度が設定濃度に下がらなければ、減圧と加熱とを継続して実施する。ガス濃度が設定濃度に下がれば、次のステップに進む。なお、ガス濃度センサ116は、例えばガス分析計FT−IRなどを用いたものである。
【0071】
なお、図1に示すチャンバ112(収容室119)内の温度を検出するための熱電対129と、加熱するための赤外線ランプ121と接続されている制御部142は、熱電対129の検出結果によって、温度を演算してチャンバ112(収容室119)内の温度を制御する。そして、第1圧力センサ114、第1減圧ポンプ102、第2圧力センサ115、第2減圧ポンプ103と接続されている入出力装置141は、第1圧力センサ114によって、チャンバ112(収容室118)内の圧力を検出する。同様に、第2圧力センサ115によって、チャンバ112(収容室119)内の圧力を検出する。また、入出力装置141は、ガス濃度センサ116によって、チャンバ112(収容室119)内のガス濃度を検出する。これらの機能を、CPU145を用いるプログラムソフトによって実現している。また、RAM146は、乾燥機100の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域や、チャンバ112(収容室118、119)内の温度や圧力、ガス濃度などのデータを記録できる。
【0072】
次に、液晶表示装置の概略について説明する。
【0073】
図5は、デバイスとしての液晶表示装置50の概略を示す断面図である。図5に示すように、液晶表示装置50は、ガラスや、プラスチックなどからなる矩形平板形状の基板52と、基板54とがシール材およびスペーサ(図示省略)を介して対向配置されている。この基板52と、基板54との間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶等からなる液晶56が挟持されている。
【0074】
基板52と液晶56との間には、基板52側から順に、複数のセグメント電極58および配向膜60が形成されている。セグメント電極58は、図5に示すように、ストライプ状に形成されており、インジウム錫酸化物(Indiumu Tin Oxide、以下ITOと略記する)等の透明導電膜により形成されている。また、配向膜60は、ポリイミド樹脂等により形成されている。
【0075】
基板54と液晶56との間には、基板54側から順に、カラーフィルタ62、オーバーコート膜66、コモン電極68および配向膜70が形成されている。カラーフィルタ62は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色素層62r、62g、62bから構成されている。カラーフィルタ62を構成する各色素層62r、62g、62bの間(境界)には、樹脂ブラックや、光の反射率が低いクロム(Cr)等の金属により構成されるブラックマトリックス64が形成されている。なお、カラーフィルタ62を構成する各色素層62r、62g、62bは、基板52に形成されているセグメント電極58に対向して配置されている。
【0076】
また、オーバーコート膜66は、各色素層62r、62g、62b間の段差を平坦化するとともに各色素層62r、62g、62bの表面を保護するものである。アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン酸化膜などの無機膜により形成されている。また、コモン電極68は、ITO等の透明導電膜から形成されており、基板52に形成されているセグメント電極58と直交する位置にストライプ状に形成されている。また、配向膜70は、ポリイミド樹脂等により形成されている。
【0077】
次に、セグメント電極58が形成された基板52またはカラーフィルタ62、ブラックマトリックス64、オーバーコート膜66およびコモン電極68が形成された基板54に対する配向膜60、70の形成方法について説明する。
【0078】
図6は、液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0079】
図6に示すように、液晶表示装置50の配向膜60、70の製造方法は、基板洗浄工程、配向膜材料塗布工程、減圧乾燥工程、焼成工程とから概略構成される。
【0080】
図6のステップS201に示すように、例えばセグメント電極58が形成された基板52をアルカリ系洗剤や、純水などを用いて洗浄する。洗浄された基板52は、所定の温度および時間、例えば、80〜90℃で5〜10分間乾燥させる処理が行われる。
【0081】
次に、図6のステップS202に示すように、配向膜材料を基板52に塗布する。なお、配向膜材料の組成は、溶媒(γブチルラクトン)が98%で、固形分(ポリイミド)が2%である。配向膜材料を塗布するには液滴吐出装置を用いて行い、所定の描画領域に所定の量の配向膜材料を配置させることができる。
【0082】
ここで、液滴吐出法の吐出技術は様々あるが、オンデマンドで微細な配線パターンが形成可能であるので、インクジェット法を用いることが好ましい。インクジェット法としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。ここで、帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
【0083】
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される液体材料の一滴の量は例えば1〜300ナノグラムである。
【0084】
以上説明した液滴吐出装置は、本発明に係る配置方法や製造方法において用いることができるものであるが、本発明はこれに限られることはなく、液滴を吐出し、所定の着弾予定位置に着弾させることができるものであれば、如何なる方法および装置を用いることも可能である。例えば、スピンコート法や、スリットコート法、ディスペンス法、印刷法などの方法で配向膜材料を塗布してもよい。
【0085】
次に、図6のステップS203に示すように、基板52に塗布された配向膜材料を、例えば、図1に示す乾燥機100を用いて、常温下における減圧乾燥処理を行う。処理時間は、配向膜材料を減圧乾燥させて配向膜材料に含まれる溶媒を蒸発させるのに適当な時間でよい。なお、処理時間はこの範囲にこだわることはなく、配向膜材料の種類や、その塗布量などによって適宜変更してもよい。
【0086】
最後に、図6のステップS204に示すように、配向膜材料を焼成する。例えば、温度が180〜250℃の温度範囲で処理を行い、配向膜材料を完全に固化若しくは硬化させて配向膜60を形成する。この焼成処理の温度は、配向膜材料の組成等によって適宜に決定できる。また、特に高温に加熱することなく、単に通常とは異なる雰囲気(窒素ガス中や乾燥空気中等)などで乾燥若しくはエージングさせるだけでもよい。そして、組立装置(図示省略)において、セグメント電極58、配向膜60が形成された基板52は、カラーフィルタ62、ブラックマトリックス64、オーバーコート膜66およびコモン電極68および配向膜70が形成された基板54と貼り合わせられる。そして、基板52と基板54との間に液晶56が注入されることにより、図5に示す液晶表示装置50ができる。
【0087】
以上のような第1実施形態では、次のような効果が得られる。
【0088】
(1)乾燥機100は、被乾燥体Qを乾燥する乾燥部110と、チャンバ112(収容室119)内をクリーニングするための除去部120とで構成されているから、分離されているので、チャンバ112(収容室118)内の清浄度が低下すれば、除去部120でクリーニングすることができる。したがって、チャンバ112(収容室118)内を常に清浄な状態に維持して被乾燥体Qを乾燥することができるから、安定した品質の膜を形成可能な乾燥機100を提供できる。
(2)乾燥機100は、圧力を検出するための検出装置としての第1圧力センサ114を備えているから、チャンバ112(収容室119)内をクリーニング開始するための判断を定量的にできるので、精度が高い。しかも、簡単である。
(3)乾燥機100は、圧力を検出するための検出装置としての第2圧力センサ115または、ガス濃度を検出するための検出装置としてガス濃度センサ116を備えているから、収容室をクリーニング終了するための判断を定量的にできるので、精度が高い。しかも、簡単である。
(4)乾燥機100は、2つの収容室118、119を備えていて、乾燥とクリーニングとを交互に行うことができるから、乾燥作業を途中で中断することなく、ほぼ連続的に実施できるので、生産性を向上させることができる。
(5)乾燥機100は、赤外線ランプ121を備えていて、チャンバ112を加熱することによって、チャンバ112の内壁に付着した溶媒成分や、有機物を加熱分解して、除去できるから、チャンバ112(収容室119)をクリーニングすることができる。
(6)制御部142が、第1の減圧過程におけるチャンバ112(収容室118)内の圧力値を検出することで、溶媒成分の残渣の程度がわかるから、残渣が許容値を超えたらクリーニングを開始させることができる。圧力値を定量的に検出するから、精度が高い。しかも、簡単である。
(7)制御部142は、第2の減圧過程におけるチャンバ112(収容室119)内の圧力値またはガス濃度を検出することで、溶媒成分の残渣の程度がわかるから、残渣が許容値を超えたらクリーニングを停止させることができる。圧力値またはガス濃度の値を定量的に検出するから、精度が高い。しかも、簡単である。
(8)制御部142に、除去部120の通電をONにするための第1検出工程における圧力の許容値と、除去部120の通電をOFFにするための第2検出工程における圧力の許容値とを予め決めておけばよいので、管理が簡単である。そして、清浄度の維持された状態で被乾燥体Qを乾燥すれば、品質の安定した塗布膜を形成できる。
(9)塗布膜の形成方法は、チャンバ112(収容室118、119)をきれいにクリーニングしてから被乾燥体Qを乾燥処理するから、塗布膜の品質を安定させることができる。そして、安定した品質が得られるデバイスの製造方法を提供できる。
(第2実施形態)
【0089】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、前述の第1実施形態における除去部の構成が異なるものであって、赤外線ランプに変えてプラズマ照射装置を備えている点が異なる。なお、乾燥機は、前述の第1実施形態とほぼ同様の構成なので、異なる箇所について簡単に説明をする。
【0090】
図7は、本実施形態の乾燥機の全体構成を示す概略図である。同図(a)は、概略平面図であり、同図(b)は、概略断面図である。
【0091】
図7(a)、(b)に示すように、乾燥機100は、被乾燥体Qを乾燥させるための乾燥部110と、プラズマ照射装置122を有する除去部120と、チャンバ112を搬送可能な移動装置130と、乾燥機100を操作するための操作パネル140とで構成されている。なお、第1実施形態とは異なり、チャンバ112を加熱しない。
【0092】
プラズマ照射装置122は、図示しない放電用電源と接続されており、高周波放電が可能である。例えば、13.56MHzの高周波放電ができる。また、プラズマ照射装置122と、チャンバ112とは絶縁されている(図示省略)。
【0093】
図8は、乾燥機100の制御系のブロック図である。図8に示すように、操作パネル140、入出力装置141、制御部142の各機器は、入出力インターフェイス143及びバス144を介してCPU145と、RAM146とに接続されている。そして、入出力装置141には、第1減圧ポンプ102、第1圧力センサ114、移動装置130、第2減圧ポンプ103、第2圧力センサ115、ガス濃度センサ116とが接続されている。制御部142には、プラズマ照射装置122が接続されている。
【0094】
本実施形態における乾燥機100の構成は以上のようであって、乾燥機100を使用して、被乾燥体Qを乾燥する乾燥方法について説明する。
【0095】
図9は、乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。なお、ステップS41〜S46は、図3のステップS1〜S6と同一であるので、説明を省略する。ここでは、第1実施形態と内容の異なるステップS47〜S50について説明する。
【0096】
図9のステップS47に示すように、プラズマ照射装置122の通電をONにして、チャンバ112の内壁にプラズマを照射する。チャンバ112の内壁をプラズマ照射することで、チャンバ112の内壁に付着した溶媒や、有機物を積極的に分解、揮発させることができる。同様に、無機成分を含んだ付着物も除去できる。本実施形態では、プラズマ照射装置122にはO2ガスを導入したが、これにこだわることはなく、その他のガスを導入してもかまわない。溶媒の種類や、塗布量などによって適宜変更してもよい。例えば、Arガス、Heガスなどの不活性ガスや、CF4などのフッ素系ガス、塩素系ガスなどのエッチング用ガスを使用してもよい。O2ガスにエッチング用ガスを添加すれば、有機物との反応が促進されるので、クリーニング効果をより向上させることができる。したがって、クリーニングする時間を短縮できるので、効率的である。また、13.56MHzの高周波放電のプラズマを利用すれば、直流放電よりも高密度プラズマが形成されるので、より効果的である。
【0097】
図9のステップS48に示すように、チャンバ112(収容室119)内の圧力が設定圧力まで下がったかを第2圧力センサ115で検出する。圧力が設定圧力に下がらなければ、減圧とプラズマ照射とを継続して実施する。圧力が設定圧力に下がれば、次のステップに進む。
【0098】
次に、図9のステップS49に示すように、プラズマ照射装置122の通電をOFFにして、チャンバ112(収容室119)内のプラズマ照射を停止する。
【0099】
最後に、図9のステップS50に示すように、第2減圧ポンプ103の通電をOFFにして、チャンバ112(収容室119)内を昇圧する。チャンバ112(収容室119)内は、溶媒を除去することによって、きれいにクリーニングされている。そして、チャンバ112を除去部120から乾燥部110へ移動すれば、被乾燥体Qの乾燥作業を再開できる。
【0100】
次に、チャンバ112(収容室119)内の圧力を検出する方法に変えて、ガスの濃度を検出する方法について説明する。
【0101】
図10は、ガス濃度センサ116を使用した場合の乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。なお、ステップS51〜S57およびステップS60、S61は、図9のステップS41〜S47およびステップS49、S50と同一であるので、説明を省略する。ステップS58、S59について説明する。
【0102】
図10のステップS58に示すように、チャンバ112(収容室119)内から排気された排気ガス組成分析を開始する。
【0103】
次に、図10のステップS59に示すように、チャンバ112(収容室119)内のガス濃度が設定濃度まで下がったかをガス濃度センサ116で検出する。ガス濃度が設定濃度に下がらなければ、減圧とプラズマ照射とを継続して実施する。ガス濃度が設定濃度に下がれば、次のステップに進む。なお、ガス濃度センサ116は、例えばガス分析計FT−IRなどを用いたものである。
【0104】
以上のような第2実施形態では、以下の効果が得られる。
【0105】
(10)プラズマ照射装置122で発生させたプラズマをチャンバ112の内壁に照射させることによって、チャンバ112の内壁に付着した溶媒成分や、有機物を揮発させて除去できるので、チャンバ112(収容室118、119)内をきれいにクリーニングできる。きれいにクリーニングされたチャンバ112(収容室118、119)内で被乾燥体Qを乾燥すれば、品質の安定した塗布膜を形成できる。しかも、チャンバ112(収容室119)を加熱しないから、チャンバ112を加熱する場合に比べて冷却時間を必要としないから、短時間でできるので、効率的である。
(第3実施形態)
【0106】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、前述の第1実施形態および第2実施形態における除去部の構成が異なるものであって、赤外線ランプまたはプラズマ照射装置に変えて紫外線照射装置を備えている点が異なる。なお、乾燥機は、前述の第1実施形態および第2実施形態とほぼ同様の構成なので、異なる箇所について簡単に説明をする。
【0107】
図11は、本実施形態の乾燥機の全体構成を示す概略図である。同図(a)は、概略平面図であり、同図(b)は、概略断面図である。
【0108】
図11(a)、(b)に示すように、乾燥機100は、被乾燥体Qを乾燥させるための乾燥部110と、紫外線照射装置123を有する除去部120と、チャンバ112を搬送可能な移動装置130と、乾燥機100を操作するための操作パネル140とで構成されている。紫外線照射装置123の内部には紫外線ランプ123Lが複数配置されている。なお、第2実施形態と同様に、チャンバ112を加熱しない。
【0109】
紫外線照射装置123は、例えば、紫外線ランプ123Lとしてエキシマランプを使用しており、紫外線の波長が172nmである。紫外線の波長が200nm以下の短波長であれば、紫外線のエネルギーが高いので、付着した有機物の分解・除去には、より効果がある。また、紫外線ランプ123Lをチャンバ112により近づけることによって、紫外線のエネルギー損失を低減することができるので、より効果が大きい。例えば、チャンバ112と、紫外線ランプ123Lとの間隔は、5mm以下になっていることが好ましい。
【0110】
図12は、乾燥機100の制御系のブロック図である。図12に示すように、操作パネル140、入出力装置141、制御部142の各機器は、入出力インターフェイス143及びバス144を介してCPU145と、RAM146とに接続されている。そして、入出力装置141には、第1減圧ポンプ102、第1圧力センサ114、移動装置130、第2減圧ポンプ103、第2圧力センサ115、ガス濃度センサ116とが接続されている。制御部142には、紫外線照射装置123が接続されている。
【0111】
本実施形態における乾燥機100の構成は以上のようであって、乾燥機100を使用して、被乾燥体Qを乾燥する乾燥方法について説明する。
【0112】
図13は、乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。なお、ステップS71〜S76およびステップS80は、図9のステップS41〜S46およびステップS50と同一であるので、説明を省略する。ここでは、第2実施形態と内容の異なるステップS77、S78、S79について説明する。
【0113】
図13のステップS77に示すように、紫外線照射装置123の通電をONにして、チャンバ112の内壁に紫外線を照射する。チャンバ112の内壁を紫外線照射することで、チャンバ112の内壁に付着した溶媒や、有機物を分解、除去させることができる。なお、酸素雰囲気中で紫外線を照射すれば、紫外線とオゾンとの相乗作用によって、溶媒や、有機物を分解、除去するのにより効果的である。
【0114】
図13のステップS78に示すように、チャンバ112(収容室119)内の圧力が設定圧力まで下がったかを第2圧力センサ115で検出する。圧力が設定圧力に下がらなければ、減圧と紫外線照射とを継続して実施する。圧力が設定圧力に下がれば、次のステップに進む。
【0115】
次に、図13のステップS79に示すように、紫外線照射装置123の通電をOFFにして、チャンバ112(収容室119)内の紫外線照射を停止する。
【0116】
次に、チャンバ112(収容室119)内の圧力を検出する方法に変えて、ガスの濃度を検出する方法について説明する。
【0117】
図14は、ガス濃度センサ116を使用した場合の乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。なお、ステップS81〜S87およびステップS90、S91は、図13のステップS71〜S77およびステップS79、S80と同一であるので、説明を省略する。ステップS88、S89について説明する。
【0118】
図14のステップS88に示すように、チャンバ112(収容室119)内から排気された排気ガス組成分析を開始する。
【0119】
次に、図14のステップS89に示すように、チャンバ112(収容室119)内のガス濃度が設定濃度まで下がったかをガス濃度センサ116で検出する。ガス濃度が設定濃度に下がらなければ、減圧と紫外線照射とを継続して実施する。ガス濃度が設定濃度に下がれば、次のステップに進む。なお、ガス濃度センサ116は、例えばガス分析計FT−IRなどを用いたものである。
【0120】
以上のような第3実施形態では、以下の効果が得られる。
【0121】
(11)紫外線照射装置123で発生させた紫外線をチャンバ112(収容室119)の内壁に照射することによって、チャンバ112の内壁に付着した溶媒成分や、有機物を紫外線の洗浄効果によって除去できるから、チャンバ112(収容室119)内をきれいにクリーニングできる。さらに、O2雰囲気中で紫外線を照射すれば、紫外線とオゾンとの相乗作用で、より、クリーニング効果は高い。きれいにクリーニングされたチャンバ112(収容室118、119)内で被乾燥体Qを乾燥すれば、品質の安定した塗布膜を形成できる。なお、チャンバ112(収容室119)を加熱しないから、チャンバ112を加熱する場合に比べて冷却時間を必要としないので、短時間でできるので、効率的である。
(第4実施形態)
【0122】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、前述の第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態における除去部の構成が異なるものであって、赤外線ランプ、プラズマ照射装置または紫外線照射装置に変えてヒータを備えている点が異なる。なお、乾燥機は、前述の第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態とほぼ同様の構成なので、異なる箇所について簡単に説明をする。
【0123】
図15は、本実施形態の乾燥機の全体構成を示す概略図である。同図(a)は、概略平面図であり、同図(b)は、概略断面図である。
【0124】
図15(a)、(b)に示すように、乾燥機100は、被乾燥体Qを乾燥させるための乾燥部110と、ヒータ124を有する除去部120と、チャンバ112を搬送可能な移動装置130と、乾燥機100を操作するための操作パネル140とで構成されている。なお、ヒータ124は、チャンバ112の周囲を取り囲むように、その外周に配置されている。
【0125】
ヒータ124は、図示しない加熱用電源と接続されており、チャンバ112(収容室119)を外部から加熱することが可能である。
【0126】
図16は、乾燥機100の制御系のブロック図である。図16に示すように、操作パネル140、入出力装置141、制御部142の各機器は、入出力インターフェイス143及びバス144を介してCPU145と、RAM146とに接続されている。そして、入出力装置141には、第1減圧ポンプ102、第1圧力センサ114、移動装置130、第2減圧ポンプ103、第2圧力センサ115、ガス濃度センサ116とが接続されている。制御部142には、ヒータ124、熱電対129とが接続されている。
【0127】
本実施形態における乾燥機100の構成は以上のようであって、乾燥機100を使用して、被乾燥体Qを乾燥する乾燥方法について説明する。
【0128】
図17は、乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。なお、ステップS101〜S106およびステップS108、S110、S111は、図3のステップS1〜S6およびステップS8、S10、S11と同一であるので、説明を省略する。ここでは、第1実施形態と内容の異なるステップS107、S109について説明する。
【0129】
図17のステップS107に示すように、ヒータ124の通電をONにして、チャンバ112を加熱する。チャンバ112を加熱することで、チャンバ112の内壁に付着した溶媒や、有機物を分解、除去させることができる。なお、加熱温度は100〜150℃の範囲に設定して実施したが、これにこだわることはなく、溶媒の種類や、塗布量などによって適宜変更してもよい。また、熱電対129を用いて、チャンバ112(収容室119)内の温度が設定範囲を超えないように監視、制御する。
【0130】
図17のステップS109に示すように、ヒータ124の通電をOFFにして、チャンバ112の加熱を停止する。
【0131】
次に、チャンバ112(収容室119)内の圧力を検出する方法に変えて、ガスの濃度を検出する方法について説明する。
【0132】
図18は、ガス濃度センサ116を使用した場合の乾燥機100の動作手順を示す概略フローチャートである。なお、ステップS121〜S127およびS130〜S132は、図17のステップS101〜S107およびS109〜S111と同一であるので、説明を省略する。ステップS128、S129について説明する。
【0133】
図18のステップS128に示すように、チャンバ112(収容室119)内から排気された排気ガス組成分析を開始する。
【0134】
次に、図18のステップS129に示すように、チャンバ112(収容室119)内のガス濃度が設定濃度まで下がったかをガス濃度センサ116で検出する。ガス濃度が設定濃度に下がらなければ、減圧と加熱とを継続して実施する。ガス濃度が設定濃度に下がれば、次のステップに進む。なお、ガス濃度センサ116は、例えばガス分析計FT−IRなどを用いたものである。
【0135】
以上のような第4実施形態では、以下の効果が得られる。
【0136】
(12)ヒータ124で外部からチャンバ112(収容室119)内を加熱すると、チャンバ112の内壁に付着した溶媒成分や、有機物を加熱分解して、除去できるので、チャンバ112(収容室119)内をきれいにクリーニングできる。きれいにクリーニングされたチャンバ112(収容室118、119)内で被乾燥体Qを乾燥すれば、品質の安定した塗布膜を形成できる。
【0137】
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造および形状に設定できる。
【0138】
(変形例1)前述の第1実施形態又は第4実施形態で、チャンバ112を加熱し、クリーニングをしてから自然冷却をしたが、これに限らない。例えばチャンバ112の周囲にチラーなどの冷却装置を設けてもよい。このようにすれば、積極的にチャンバ112を冷却することができるから、より短時間で冷却できることになるので、効率的である。
【0139】
(変形例2)前述の第4実施形態で、ヒータ124をチャンバ112の外周部に設けた構成としたが、これに限らない。例えば、チャンバ112の外周部と天井部とに設置してもよい。このようにすれば、短時間で積極的にチャンバ112を加熱することができるから、より短時間で溶媒や有機物の除去をすることができるので、効率的である。
【0140】
(変形例3)前述の第1実施形態で、配向膜60、70を形成する方法について述べたが、これに限らない。例えばフォトレジストの膜や、絶縁性を有する絶縁膜、カラーフィルタで使用される光学膜、などの膜を形成するのに用いることができる。
【0141】
(変形例4)前述の第1実施形態〜第4実施形態で、第1検出工程では、圧力を検出したが、これに限らない。例えば積算時間や、処理枚数などを予め決めておいて、被乾燥体を乾燥処理した積算時間や、処理枚数などを検出してもよい。このようにしても、チャンバ112(収容室118)内のクリーニングを開始させることができるから、第1実施形態〜第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0142】
(変形例5)前述の第1実施形態〜第4実施形態で、第2検出工程では、圧力またはガス濃度を検出したが、これに限らない。例えば積算時間を予め決めておいて、被乾燥体を乾燥処理した積算時間を検出してもよい。このようにしても、チャンバ112(収容室119)内のクリーニングを終了させることができるから、第1実施形態〜第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0143】
(変形例6)前述の第1実施形態〜第4実施形態で、チャンバ112(収容室118、119)を二つの構成としたがこれに限らない。例えば一つの構成としてもよい。このようにしても、チャンバ112内のクリーニングをすることができるから、第1実施形態〜第4実施形態と同様の効果が得られ、膜品質の安定化が図れる。
【0144】
(変形例7)前述の第1実施形態〜第4実施形態で、チャンバ112(収容室119)内を減圧してからクリーニングをしたが、これに限らない。例えばチャンバ112(収容室119)内を減圧しないでクリーニングをしてもよい。このようにしても、チャンバ112(収容室119)内のクリーニングをすることができるから、第1実施形態〜第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0145】
(変形例8)前述の第1実施形態〜第4実施形態で使用される乾燥機100は、液晶表示装置50に限定されるものではない。例えば、EL装置や、FED(Field・Emission・Display:フィールドエミッションディスプレイ)などの電子放出装置、PDP(Plasma・Disply・Panel:プラズマディスプレイパネル)、電気泳動装置すなわち荷電粒子を含有する機能性液状体である材料を各画素の隔壁間の凹部に吐出し、各画素を上下に挟持するように配設される電極間に電圧を印加して荷電粒子を一方の電極側に寄せて各画素での表示をする装置、薄型のブラウン管、CRT(Cathode―Ray・Tube:陰極線管)ディスプレイなど、基板(基材)を有し、その上方の領域に所定の層を形成する工程を有する様々な表示装置(電気光学装置)に用いることができる。
【0146】
(変形例9)前述の第1実施形態〜第4実施形態で使用される乾燥機100は、被乾燥体Qに限らない。例えば、減圧乾燥時に溶媒などを生じるような固形物などでもよい。このようにしても、乾燥と、溶媒の除去とを併行してできるから、乾燥機100の用途は広い。
【0147】
(変形例10)前述の第1実施形態〜第4実施形態で使用される乾燥機100は、乾燥作業に限らない。例えば、接着剤及び樹脂の硬化、流動物の硬化などに使用してもよい。このようにしても、乾燥と、溶媒の除去とを併行してできるので、乾燥機100の用途は広い。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】第1実施形態における乾燥機の全体構成を示す概略図であり、(a)は、概略平面図であり、(b)は、概略断面図。
【図2】乾燥機の制御系のブロック図。
【図3】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【図4】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【図5】液晶表示装置の概略を示す断面図。
【図6】液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート。
【図7】第2実施形態における乾燥機の全体構成を示す概略図であり、(a)は、概略平面図であり、(b)は、概略断面図。
【図8】乾燥機の制御系のブロック図。
【図9】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【図10】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【図11】第3実施形態における乾燥機の全体構成を示す概略図であり、(a)は、概略平面図であり、(b)は、概略断面図。
【図12】乾燥機の制御系のブロック図。
【図13】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【図14】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【図15】第4実施形態における乾燥機の全体構成を示す概略図であり、(a)は、概略平面図であり、(b)は、概略断面図。
【図16】乾燥機の制御系のブロック図。
【図17】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【図18】乾燥機の動作手順を示す概略フローチャート。
【符号の説明】
【0149】
50…デバイスとしての液晶表示装置、100…乾燥機、102…第1減圧部としての第1減圧ポンプ、103…第2減圧部としての第2減圧ポンプ、110…乾燥部、112…チャンバ、114…第1検出部としての第1圧力センサ、115…第2検出部としての第2圧力センサ、116…ガス濃度センサ、118…収容室、119…収容室、120…除去部、121…赤外線ランプ、122…プラズマ照射装置、123…紫外線照射装置、124…ヒータ、129…熱電対、130…基板供給装置、140…操作パネル、141…入出力装置、142…制御部、145…CPU、146…RAM、P…基板、Q…被乾燥体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能液が塗布された被乾燥体を乾燥する乾燥機であって、
前記被乾燥体を収容可能な収容室と、
第1の減圧過程で、前記収容室を減圧する第1の減圧部と、
前記被乾燥体を乾燥するための乾燥部と、
第2の減圧過程で、前記収容室内を減圧する第2の減圧部と、
前記被乾燥体を乾燥した後に、前記収容室をクリーニングするための除去部と、
前記第1の減圧部と、前記乾燥部と、前記第2の減圧部と、前記除去部と、を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項2】
請求項1に記載の乾燥機において、
前記第1の減圧部には、第1の検出部を有しており、
前記第1の検出部が、圧力、積算時間、処理枚数、を検出するための検出装置のうち、少なくとも一つの前記検出装置を備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項3】
請求項1に記載の乾燥機において、
前記第2の減圧部には、第2の検出部を有しており、
前記第2の検出部が、圧力、ガス濃度、積算時間、を検出するための検出装置のうち、少なくとも一つの前記検出装置を備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の乾燥機において、
前記収容室を少なくとも2つ以上備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の乾燥機において、
前記除去部に、赤外線ランプを備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の乾燥機において、
前記除去部に、プラズマ照射装置を備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項7】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の乾燥機において、
前記除去部に、紫外線照射装置を備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項8】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の乾燥機において、
前記除去部に、ヒータを備えていることを特徴とする乾燥機。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の乾燥機において、
前記制御部が、前記収容室の減圧をする第1の減圧過程で少なくとも前記収容室内の圧力が許容値に達したら、前記除去部への通電を開始するように制御することを特徴とする乾燥機。
【請求項10】
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の乾燥機において、
前記制御部が、前記収容室の減圧をする第2の減圧過程で前記収容室内の圧力またはガス濃度のうち少なくとも一方が許容値に達したら、前記除去部への通電を停止するように制御することを特徴とする乾燥機。
【請求項11】
機能液が塗布された被乾燥体の乾燥方法であって、
前記被乾燥体を収容可能な収容室に収容して、前記収容室内を減圧させて前記被乾燥体を乾燥する乾燥工程と、
前記収容室内の汚染度を検出する第1検出工程と、
前記第1検出工程で得られた汚染度が許容値に達したら、除去部の通電をONにして前記収容室のクリーニングをする工程と、
前記除去部の通電状態で、前記収容室内の清浄度を検出する第2検出工程と、
前記第2検出工程で得られた清浄度が許容値に達したら、前記除去部の通電をOFFにして前記収容室のクリーニングを停止する工程と、
を備えていることを特徴とする乾燥方法。
【請求項12】
請求項11に記載の乾燥方法において、
前記第1検出工程では、圧力、積算時間、処理枚数、を検出するための検出方法のうち、少なくとも一つの前記検出方法を備えていることを特徴とする乾燥方法。
【請求項13】
請求項11に記載の乾燥方法において、
前記第2検出工程では、圧力、ガス濃度、積算時間、を検出するための検出方法のうち、少なくとも一つの前記検出方法を備えていることを特徴とする乾燥方法。
【請求項14】
請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載の乾燥方法において、
前記クリーニングをする工程では、赤外線ランプで加熱して前記収容室をクリーニングすることを特徴とする乾燥方法。
【請求項15】
請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載の乾燥方法において、
前記クリーニングをする工程では、プラズマを照射して前記収容室をクリーニングすることを特徴とする乾燥方法。
【請求項16】
請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載の乾燥方法において、
前記クリーニングをする工程では、紫外線を照射して前記収容室をクリーニングすることを特徴とする乾燥方法。
【請求項17】
請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載の乾燥方法において、
前記クリーニングをする工程では、ヒータで加熱して前記収容室をクリーニングすることを特徴とする乾燥方法。
【請求項18】
液滴吐出法によって基板上に画素を形成するデバイスの製造方法であって、
請求項11〜請求項17のいずれか一項に記載の乾燥方法を用いたことを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−101024(P2007−101024A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−289664(P2005−289664)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】