説明

補給所情報提供システム

【課題】共用のデータベースを設けることなく、走行経路内に点在するエネルギー補給所のエネルギーの価格情報を、そのエネルギー補給所を特定可能にユーザに提供する。
【解決手段】補給所情報提供システムであって、記憶部4と、車両位置情報取得部6と、撮像判定手部19と、撮像制御部20と、カメラ5と、価格情報抽出部21と、記憶制御手段22と、出力制御部23と、表示入力部8と、を備える。撮像判定部19は、車両1の近傍にガソリンスタンドが存在するか否かを判定し、存在すると判定したとき撮像制御部20は撮像指示信号を送信し、カメラ5は撮像指示信号の受信に応じて車外を撮像し、価格情報抽出部21は、撮像画像からガソリンの価格情報を抽出し、記憶制御部22は、抽出した価格情報を、施設情報に関連付けて記憶部4に記憶し、出力制御部23は、記憶された施設情報と価格情報とを、相互に関連付けて表示入力部8に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に補給されるエネルギーの補給所についての情報を提供する補給所情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002−139334号公報には、複数の燃料補給施設における燃料の単価情報をデータベース化して蓄積する情報サービス施設と無線通信可能な車両用のナビゲーション装置が記載されている。このナビゲーション装置では、現在位置から目的地へ向かう途中で燃料を補給するのに適当な燃料補給施設を複数抽出し、抽出した燃料補給施設における燃料の単価情報を情報サービス施設から受信し、受信した単価情報と燃料タンクの残存燃料と目的地の情報などに基づき、各燃料補給施設について現在位置から燃料補給施設に寄って燃料を補給し目的地まで走行する際に掛かる燃料費を演算し、燃料費を単価情報と合わせて表示する。また、演算した燃料費が最も安い燃料補給施設を表示する。
【0003】
特開2009−25878号公報には、車両に搭載される車載商品購入情報通知装置が記載されている。この車載商品購入情報通知装置では、車両前部に取り付けられたカメラで車両前方を撮影し、GPS受信機を含む位置検出器で車両のガソリンスタンドへの入場を検出し、撮影画像から燃料の販売単価情報を認識し、燃料残量値と認識した単価情報に基づき燃料タンクを満タンにした場合の燃料の購入代金などを表示装置に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−139334号公報
【特許文献2】特開2009−25878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2002−139334号公報に記載のナビゲーション装置では、現在位置から目的地へ向かう途中のガソリンスタンドのガソリンの単価情報(1リットル当たりの価格)や、目的地へ向かう途中で立ち寄り、ガソリンを補給して目的地まで走行する際に掛かるガソリン代が最も安いガソリンスタンドが表示されるので、運転者はガソリンの単価情報やガソリン代が最も安く済むガソリンスタンドを把握することができる。しかし、上記ナビゲーション装置では、サービスの提供者は、複数のガソリンスタンド毎の燃料の単価情報を収集した共用のデータベースを構築しておき、単価情報を所定期間毎に更新する必要があるため、多大な手間やコストを要する。
【0006】
また、特開2009−25878号公報に記載の車載商品購入情報通知装置は、ガソリンスタンドへの入場の際に、そのガソリンスタンドが提供するガソリンの単価情報を車室内の表示装置が表示するものであり、複数のガソリンスタンドのガソリンの単価情報をユーザに提供するものではない。従って、ユーザは、複数のガソリンスタンドの単価情報を比較して、給油に最適なガソリンスタンドを選択することができない。
【0007】
そこで本発明は、エネルギー補給所毎の最新のエネルギーの価格情報を収集した共用のデータベースを設けることなく、車両が走行した経路内に点在するエネルギー補給所のエネルギーの価格情報を、そのエネルギー補給所を特定可能にユーザに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明の補給所情報提供システムは、情報記憶手段と、車両位置情報取得手段と、撮像手段と、撮像判定手段と、撮像制御手段と、価格情報抽出手段と、記憶制御手段と、価格情報出力手段と、を備える。
【0009】
情報記憶手段は、エネルギー補給所の位置情報を含む補給所情報を予め記憶する。車両位置情報取得手段は、車両の現在位置を示す車両位置情報を逐次取得する。撮像判定手段は、車両の近傍に撮像対象のエネルギー補給所が存在するか否かを、情報記憶手段に記憶された補給所情報と車両位置情報取得手段が取得した車両位置情報とに基づいて判定する。撮像制御手段は、撮像対象のエネルギー補給所が存在すると撮像判定手段が判定したとき、撮像指示信号を送信する。撮像手段は、車両の所定位置に設置され、撮像制御手段からの撮像指示信号の受信に応じて車外を撮像する。価格情報抽出手段は、撮像手段が撮像した画像にエネルギーの価格情報が含まれているか否かを判定し、画像にエネルギーの価格情報が含まれていると判定したとき、画像からエネルギーの価格情報を抽出する。記憶制御手段は、価格情報抽出手段が抽出した価格情報を、撮像対象のエネルギー補給所の補給所情報に関連付けて情報記憶手段に記憶する。価格情報出力手段は、情報記憶手段に記憶された補給所情報と価格情報とを、相互に関連付けて出力する。
【0010】
エネルギーとは、車両の走行のために必要とされる動力源であり、ガソリンを動力源とする自動車の場合はガソリン、電池式電気自動車の場合は電気、また、水素式電気自動車の場合は水素などである。上記構成では、撮像判定手段が車両の近傍に撮像対象のエネルギー補給所が存在すると判定したとき、撮像制御手段は撮像指示信号を送信し、撮像指示信号を受信した撮像手段は車外を撮像する。価格情報抽出手段は、撮像手段が撮像した画像にエネルギーの価格情報が含まれているとき、この画像からエネルギーの価格情報を抽出する。記憶制御手段は、抽出された価格情報を撮像対象のエネルギー補給所の補給所情報に関連付けて情報記憶手段に記憶する。価格情報出力手段は、補給所情報と価格情報とを、相互に関連付けて出力する。このように、車両の走行経路内のエネルギー補給所を撮像した画像からエネルギーの価格情報を抽出し、抽出した価格情報と撮像対象のエネルギー補給所の補給所情報とを相互に関連付けて記憶するので、エネルギー補給所毎の最新のエネルギーの価格情報を収集した共用のデータベースを設けることなく、車両が走行した経路内に点在するエネルギー補給所のエネルギーの価格情報を、そのエネルギー補給所を特定可能にユーザに提供することができる。従って、ユーザは、価格情報を比較するなどして、複数のエネルギー補給所の中からエネルギーを補給するための最適なエネルギー補給所を選択することができる。
【0011】
また、本発明の補給所情報提供システムは、走行経路推定手段と、残量検知手段と、補給所候補選出手段と、価格推定手段と、推定情報出力手段と、を備えてもよい。
【0012】
走行経路推定手段は、車両の今後の走行経路と該走行経路内の地点到達日時とを推定する。残量検知手段は、車両が所有するエネルギーの残量を検知する。補給所候補選出手段は、情報記憶手段に記憶された補給所情報と走行経路推定手段が推定した走行経路及び地点到達日時と残量検知手段が検知したエネルギーの残量とに基づいて、残量検知手段が検知したエネルギーの残量が所定の残量になるまでの期間内に車両が立ち寄り可能なエネルギー補給所を選出するとともに、立ち寄り可能なエネルギー補給所への到達日時を推定する。価格推定手段は、補給所候補抽出手段が選出及び推定した立ち寄り可能なエネルギー補給所と到達日時との組み合わせに対応するエネルギー価格を、情報記憶手段に記憶された価格情報に基づいて推定する。推定情報出力手段は、補給所候補選出手段が選出した立ち寄り可能なエネルギー補給所に対応する補給所情報と、補給所候補選出手段が推定した前記立ち寄り可能なエネルギー補給所への到達日時と、価格推定手段が推定したエネルギー価格とを、相互に関連付けて出力する。
【0013】
上記構成では、補給所候補選出手段は、補給所情報とエネルギーの残量と車両が今後走行すると推定される走行経路と推定された走行経路内の地点到達日時に基づき、立ち寄り可能なエネルギー補給所を選出し、立ち寄り可能なエネルギー補給所の到達日時を推定する。価格推定手段は、立ち寄り可能なエネルギー補給所と到達日時との組み合わせに対応するエネルギー価格を推定する。推定情報出力手段は、立ち寄り可能なエネルギー補給所の補給所情報と、立ち寄り可能なエネルギー補給所への到達日時と、価格推定手段が推定したエネルギー価格とを、相互に関連付けて出力する。このため、ユーザは、車両が今後走行すると推定される走行経路内における立ち寄り可能なエネルギー補給所について、補給所情報、到達日時及びエネルギー価格を把握することができ、エネルギー価格を比較するなどして、推定される走行経路内における複数のエネルギー補給所の中からエネルギーの補給に最適なエネルギー補給所を選択することができる。また、ユーザが選択するエネルギー補給所は、車両に残存するエネルギーで立ち寄ることが可能なエネルギー補給所であるため、ユーザは、選択したエネルギー補給所に到達するまでにエネルギー切れ(例えば、ガス欠)によって車両が走行不能になることを心配する必要がない。
【0014】
また、本発明の補給所情報提供システムは、車両の車室内に着脱可能に設置され、少なくとも撮像手段と情報記憶手段と価格情報出力手段として機能する携帯端末を備えてもよい。
【0015】
上記構成では、エネルギーの価格情報と価格情報に関連付けられているエネルギー補給所の補給所情報とを、車外において携帯端末から取得して利用することができる。また、携帯端末が撮像手段として機能するので、車両に専用の撮像手段を設ける必要がない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エネルギー補給所毎の最新のエネルギーの価格情報を収集した共用のデータベースを設けることなく、車両が走行した経路内に点在するエネルギー補給所のエネルギーの価格情報を、そのエネルギー補給所を特定可能にユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかる補給所情報提供システムのブロック構成図である。
【図2】携帯電話の外観図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。
【図3】載置台を示す斜視図である。
【図4】インストルメントパネルに設けられた図3の載置台に図2の携帯電話が載置された状態を示す図である。
【図5】記憶部に記憶されている施設情報と施設情報に関連付けられている価格情報を示す図である。
【図6】価格推定処理を示すフローチャートである。
【図7】天候情報入力画面を示す図である。
【図8】出力情報選択画面を示す図である。
【図9】ガソリン価格情報出力処理において出力される画面を示す図である。
【図10】推定ガソリン価格情報出力処理において出力される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の補給所情報提供システムは、ガソリンを動力源とする車両1と、車両1に着脱可能に設置される携帯電話2とからなり、携帯電話2の表示入力部8又は携帯電話2に接続された外部装置にガソリンスタンドに関する情報を出力する。
【0019】
携帯電話2は、図1及び図2に示すように、制御部3と、制御部3に接続される、記憶部4と、カメラ5と、車両位置情報取得部6と、外部装置接続部7と、表示入力部8と、通信部9と、音声入力部10と、音声出力部11と、を備える。
【0020】
携帯電話2の筐体は、略直方体状に形成されており、表側の正面部37と、裏側の背面部38と、正面部37及び背面部38の長辺側の外縁同士を接続する2つの側面部39とを備える。正面部37には、中央の表示入力部8と、表示入力部8を挟んで一端側及び他端側に配置される音声出力部11及び音声入力部10とが設けられている。背面部38の一端側にはカメラ5のレンズが露出している。また、一方の側面部39の長手方向の一端側には外部装置接続部7が設けられている。外部装置接続部7は、接続端子30を備えている。
【0021】
携帯電話2は、図4に示すように、車両1の車室内のインストルメントパネル29に設けられる載置台12に着脱可能に載置される。載置台12は、図3に示すように、収容部13と携帯電話接続部14とを備え、収容部13は、携帯電話2を収容する収容空間を区画する。携帯電話接続部14は、収容空間の長手方向の一端側に設けられ、携帯電話2に接続される接続端子31を備えている。携帯電話2は、その一側面側から収容空間の上方より進入し、載置台12に載置される。携帯電話2が載置台に載置されると表示入力部8は、車両1の運転席に着座したユーザ(運転者)に対向し、ユーザが視認可能な位置に配置される。また、カメラ5のレンズは、車両1のフロントガラスに対向し、車両の前方を撮像可能な位置に配置される。
【0022】
車両1は、ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)15とECU15に接続されている携帯電話接続部14と、記憶部16と、残量検知部17と、走行速度検知部18と、を備える。
【0023】
ECU15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを備える。ROMは、種々のプログラムを予め記憶している。ECU15は、ROMに記憶されている種々のプログラムを読み出し、プログラムに従って各種処理を実行する。
【0024】
記憶部16は、大容量の半導体メモリからなり、車両1の走行に必要な各種情報を予め記憶する。
【0025】
残量検知部17は、車両1の燃料タンク(図示省略)内に設けられ、燃料タンク内に貯留されているガソリンの容量を検知するガソリン容量検知センサを備える。残量検知部17は、所定時間毎にガソリン容量検知センサの検知結果をECU15に送信する。以上のように、残量検知部17は、車両が所有するエネルギーの残量を検知する残量検知手段を構成する。
【0026】
走行速度検知部18は、ドライブシャフト(図示省略)の回転数を電気的に検出する車速センサを備える。走行速度検知部18は、所定時間毎に車速センサの検知結果をECU15に送信する。
【0027】
カメラ5は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などの2次元イメージセンサを備え、車外を撮像して撮像画像を生成する。
【0028】
車両位置情報取得部6は、GPS用人工衛星からの信号を受信するGPS受信機を備え、GPS衛星から送信されるGPS信号に基づいて車両1の位置情報を逐次取得する。なお、車両1に加速度センサやジャイロセンサなどを設け、GPS信号に基づいて取得された車両1の位置情報を補正してもよい。以上のように、車両位置情報取得部6は、車両1の現在位置を示す車両位置情報を逐次取得する車両位置情報取得手段を構成する。
【0029】
記憶部4は、大容量の半導体メモリからなり、表示入力部8に地図を表示するための地図描画用データや道路の進行方向や制限速度などを含む道路データを予め記憶する。また、地図上に点在する施設についての施設情報、例えば、ガソリンスタンドの名称、施設の位置座標及び住所なども予め記憶する。以上のように、記憶部4は、エネルギー補給所の位置情報を含む補給所情報を予め記憶する情報記憶手段を構成する。
【0030】
また、記憶部4は、表示入力部8に表示される各種画面、例えば、図7に示すように晴れ・曇り・雨を表すマークが表示され、ユーザに天候情報の入力を促す画面(天候情報入力画面)40や、図8に示すように車両付近のガソリンスタンド情報の表示又は給油に適した給油候補ガソリンスタンド情報の表示を選択させる画面(出力情報選択画面)41などを予め記憶する。天候情報入力画面40には、晴れ・曇り・雨を表すマークが画面中央に一列に並んで表示される。出力情報選択画面41には、車両付近のガソリンスタンド情報の表示を指示するための付近情報表示ボタン42と、給油に適した給油候補ガソリンスタンド情報の表示を指示するための給油候補表示ボタン43が表示される。
【0031】
また、記憶部4は、車両1のエンジン始動後からエンジン停止までの間、車両位置情報取得部6によって取得された車両位置情報と車両位置情報を取得した取得日時とを関連付けて逐次記憶し、エンジン停止時に、エンジン始動後からエンジン停止までの間に連続して取得され記憶された車両位置情報と取得日時とを一つの走行履歴情報としてまとめて記憶する。また、後述する走行経路推定部24が推定した行動パターンを記憶する。
【0032】
表示入力部8は、カラー液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや電子ペーパーなどこれに類する表示器を備え、記憶部4に記憶された各種画面(天候情報入力画面40や出力情報選択画面41を含む)を表示する。表示入力部8は、ユーザによって指示されたディスプレイ上の位置を検知する指示位置検知センサ(図示省略)を備え、指示されたときに表示していた画面と検知した指示位置に応じた処理を行うタッチパネル式の入力部としても機能する。例えば、天候情報入力画面40を表示していたとき、ユーザによっていずれかのマークが指示されると、表示入力部8は、ユーザが指示したマークを示す信号を制御部3に送信する。また、出力選択画面41を表示していたとき、ユーザによって付近情報表示ボタン42又は給油候補表示ボタン43のいずれかのボタンが指示されると、表示入力部8は、ユーザの指示を示す信号を制御部3に送信する。
【0033】
外部装置接続部7の接続端子30が外部装置に接続されると、携帯電話2と外部装置とが電気的に接続され、携帯電話2と外部装置との間で種々のデータの送受信が可能となる。携帯電話2が載置台12に載置されると、外部装置接続部7の接続端子30は、載置台12の携帯電話接続部14の接続端子31と接続され、車両1と携帯電話2とが電気的に接続される。これによって、携帯電話2は、残量検知部17や走行速度検知部18の検知結果を、ECU15、携帯電話接続部14及び外部装置接続部7を介して車両1から受信することができる。
【0034】
通信部9は、移動通信システムの通話網に収容された基地局との通信を行う無線通信部(図示省略)からなる。通信部9は、通信網を介して、通信網に接続された他の端末と音声通話やデータ通信を行う機能を有する。また、車載機器との間で、例えば、無線LANやBluetooth(登録商標)の規格に従う近距離無線通信を行う機能を有する。
【0035】
音声入力部10は、マイクロホン、アンプ、バンドパスフィルタ、A/D変換回路などからなり、ユーザの音声が入力されることによって音声データを生成する。
【0036】
音声出力部11は、A/D変換回路、アンプ、スピーカなどからなり、受信した音声データに応じた音声を拡声出力する。
【0037】
携帯電話2の制御部3は、図示しないCPUとROMとRAMとを備える。ROMは、CPUによって読み出される種々のプログラム(撮像判定プログラム、撮像制御プログラム、価格情報抽出プログラム、記憶制御プログラム、出力制御プログラム、走行経路推定プログラム、補給所候補選出プログラム、価格推定プログラムを含む)を予め記憶している。
【0038】
CPUは、撮像判定プログラムに従って撮像判定処理を実行する撮像判定部19、撮像制御プログラムに従って撮像制御処理を実行する撮像制御部20、価格情報抽出プログラムに従って価格情報抽出処理を実行する価格情報抽出部21、記憶制御プログラムに従って記憶制御処理を実行する記憶制御部22、出力制御プログラムに従って価格情報出力処理及び推定情報出力処理を実行する出力制御部23、走行経路推定プログラムに従って走行経路推定処理を実行する走行経路推定部24、補給所候補選出プログラムに従って補給所候補選出処理を実行する補給所候補選出部25、及び価格推定プログラムに従って価格推定処理を実行する価格推定部26として機能する。
【0039】
RAMには、カメラ5によって撮像された撮像画像を時系列に記憶する撮像画像記憶領域と天候フラグ設定領域が予め設定されている。撮像画像記憶領域は、記憶可能なデータ数の上限(上限データ数)が予め設定された領域であり、記憶されている撮像画像が上限データに達すると、カメラ5は、新規の撮像画像を取得した際に、既に記憶されている撮像画像のうち最初に記憶された最も古い撮像画像を削除し、新規の撮像画像を記憶させる。なお、上限データ数は、後述する価格情報抽出処理が確実に実行可能な数に設定されている。また、天候フラグ設定領域は、天候の種類、すなわち「晴れ・曇り・雨」毎に設定されている。天候フラグの初期状態はオフ状態であり、制御部3は、表示入力部8から受信する信号に応じて、対応する天候フラグをオン状態に移行する。
【0040】
撮像判定部19は、車両1のエンジン始動後所定時間毎に、撮像判定処理を実行する。撮像判定処理において、撮像判定部19は、まず車両位置情報取得部6が取得した現在の車両1の位置情報と記憶部4に記憶された所定時間前の車両1の位置情報と道路データとに基づき車両1の進行方向を特定する。車両1の進行方向特定後、撮像判定部19は、車両1の現在の位置情報と記憶部4に記憶されている施設情報のガソリンスタンドの位置座標とに基づいて、車両前方の所定距離(判定対象距離)内にガソリンスタンドが存在するか否かを判定する。以上のように、撮像判定部19は、車両1の近傍(直前)に撮像対象のエネルギー補給所が存在するか否かを、補給所情報と車両位置情報とに基づいて判定する撮像判定手段を構成する。
【0041】
撮像制御部20は、撮像判定部19が判定対象距離内にガソリンスタンドがあると判定したとき、カメラ5へ撮像指示信号を送信し、カメラ5に車外を撮影させる撮像制御処理を実行する。撮像制御プログラムには、撮像制御テーブルが含まれている。撮像制御テーブルには、車両1の走行速度や天候の種類(晴れ・曇り・雨)に対応して複数のシャッタースピードと車外を撮像する回数を示す撮像回数が記憶されている。例えば、車両1の走行速度が速いときに対応するシャッタースピードは比較的短いシャッタースピードが記憶されており、また、天候が雨のときの撮像回数は、比較的多い撮像回数が記憶されている。撮像制御部20は、車両1からECU15、携帯電話接続部14及び外部装置接続部7を介して走行速度検知部18の検知結果を受信する。また、撮像制御部20は、RAMの天候フラグを参照する。撮像制御部20は、車両1の走行速度と天候フラグに基づき、撮像制御テーブルを参照し、シャッタースピードと撮像回数を選択する。撮像制御部20は、選択したシャッタースピードと撮像回数を撮像指示信号に含めて、カメラ5に送信する。なお、撮像制御部20は、撮像信号に連続して車外を撮像する時間を示す連続撮像時間情報を含めて送信してもよい。この場合、撮像制御テーブルには、車両1の走行速度や天候の種類に対応して複数の連続撮像時間が記憶され、車両1の走行速度が速いとき、また、天候が雨に対応する撮像時間は、比較的長い撮像時間が記憶される。以上のように、撮像制御部20は、撮像対象のエネルギー補給所が存在すると撮像判定手段が判定したとき、撮像指示信号を送信する撮像制御手段を構成する。
【0042】
カメラ5は、撮像制御部20から受信する撮像指示信号に応じて車外を撮像する。以上のように、カメラ5は、撮像制御手段からの撮像指示信号の受信に応じて車外を撮像する撮像手段を構成する。
【0043】
価格情報抽出部21は、撮像画像がRAMに記憶される毎に価格情報抽出処理を実行する。価格情報抽出処理において、価格情報抽出部21は、まず撮像画像内において明度等が急激に変化するエッジ部分を特定し、特定したエッジ部分で囲まれた範囲が価格情報抽出プログラムに含まれる看板形状のパターンとマッチングするか否かを判定する。マッチングすると判定した場合、エッジ部分で囲まれた範囲を看板と判定し、看板と判定した範囲内について、価格情報抽出プログラムに含まれるガソリンの価格情報に関連する表記の文字パターンとマッチングする部分があるかを判定する。ガソリンの価格情報に関連する表記とは、例えば、「レギュラー」や「円/リットル」などである。マッチングする部分がある場合は、撮像画像にガソリンの価格情報が含まれていると判定し、マッチングする部分がない場合は、撮像画像にガソリンの価格情報が含まれていないと判定する。価格情報が含まれていると判定した場合は、ガソリンの価格情報に関連する表記の文字パターンとマッチングする部分の付近について、価格情報抽出プログラムに含まれる数字パターンとのマッチングを行い、ガソリンの価格情報を抽出する。価格情報抽出部21は、撮像画像がRAMに記憶される毎に順次価格情報抽出処理を行うが、例えば、カメラ5が連続する10枚の撮像画像を生成し、順次RAMに記憶する場合、1枚目の撮像画像から価格情報を抽出できたときは、残りの9枚の撮像画像については価格抽出処理を行わない。以上のように、価格情報抽出部21は、画像からエネルギーの価格情報を抽出する価格情報抽出手段を構成する。
【0044】
記憶制御部22は、価格情報抽出部21がガソリンの価格情報を抽出すると、記憶制御処理を実行する。記憶制御部22は、抽出されたガソリンの価格情報と価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時とを、カメラ5が撮像画像を撮像する際に撮像判定部19によって判定対象距離内に存在すると判定されたガソリンスタンドの施設情報に相互に関連付けて記憶部4に記憶する。すなわち、図5に示すように、各ガソリンスタンドの施設情報であるガソリンスタンドの名称32、位置座標33及び住所34に、抽出されたガソリンの価格情報35及び撮像日時36とを相互に関連付けて記憶する。ガソリンスタンドの施設情報に関連付けられる複数の価格情報及び撮像日時があるとき、記憶制御部22は、時系列に複数の価格情報及び撮像日時を記憶部4に記憶する。各ガソリンスタンドの施設情報に関連付けられる価格情報及び撮像日時の数は、後述する価格推定部26の価格推定処理が確実に実行可能な数に設定されている。記憶されている価格情報及び撮像日時の数が上限数に達すると、記憶制御部22は、新規の価格情報及び撮像日時を記憶する際に、既に記憶されている価格情報及び撮像日時のうち最も古い価格情報及び撮像日時を削除し、新規の価格情報及び撮像日時を記憶する。以上のように、記憶制御部22は、価格情報抽出手段が抽出した価格情報を、撮像対象のエネルギー補給所の補給所情報に関連付けて情報記憶手段に記憶する記憶制御手段を構成する。
【0045】
走行経路推定部24は、ユーザによって携帯電話2の表示入力部8に表示された出力情報選択画面41の給油候補表示ボタン43が指示され、制御部3がユーザの指示を示す信号を受信すると、車両1が今後走行する走行経路と走行経路内の各地点を走行する日時(地点到達日時)とを推定する走行経路推定処理を実行する。走行経路推定部24は、記憶部4に記憶されている現走行におけるエンジン始動から現時点に至るまでの車両位置情報及び車両位置情報の取得日時と過去の走行履歴情報とを比較し、一致度が高い過去の走行履歴情報の終点を現走行の終点として推定し、推定した終点までの走行経路と地点到達日時を推定する。また、予め過去の複数の走行履歴情報に基づきユーザの行動パターン情報を算出し、この行動パターンによって現走行以降の比較的遠い将来の走行経路及び地点到達日時を推定する。走行経路推定部24は、所定時間毎に、過去の複数の走行履歴情報に基づき、周期的に繰り返して走行される経路を特定し、この経路を走行したときの走行履歴情報から周期性を分析することによって予め行動パターンを算出し、記憶部4に記憶する。例えば、ユーザが車両1を通勤に使用し、月曜日から金曜日の午前8時前後に自宅から勤務先まで同じ径路(通勤路)を走行した場合、走行経路推定部24は、月曜日から金曜日の午前8時前後に通勤路を走行することを行動パターンとして算出し、記憶部4に記憶する。走行経路推定部24は、この行動パターンに基づいて、車両1は月曜日から金曜日の午前8時前後に通勤路を走行すると推定する。以上のように、走行経路推定部24は、車両の今後の走行経路と走行経路内の地点到達日時とを推定する走行経路推定手段を構成する。
【0046】
補給所候補選出部25は、走行経路推定部24が走行経路を推定すると、補給所候補選出処理を実行する。補給所候補選出処理において、補給所候補選出部25は、まず残量検知部17の検知結果をECU15、携帯電話接続部14及び外部装置接続部7を介して取得する。次に、補給所候補選出部25は、補給所候補選出プログラムに含まれる車両燃費テーブルを参照し、取得した残量検知部17の検知結果と走行経路推定部24が推定した走行経路(推定走行経路)に基づき、検知結果が示すガソリンの残量が所定の残量になるまでに走行可能な推定走行経路の範囲を特定する。次に、補給所候補選出部25は、特定した走行可能な推定走行経路と記憶部4に記憶されたガソリンスタンドの位置座標とに基づいて、走行可能な推定経路内のガソリンスタンドを立ち寄り可能なガソリンスタンドとして選出し、走行経路推定部24が推定した地点到達日時に基づき、選出したガソリンスタンドへの到達日時を推定する。以上のように、補給所候補選出部25は、エネルギーの残量が所定の残量になるまでの期間内に車両が立ち寄り可能なエネルギー補給所を選出するとともに、立ち寄り可能なエネルギー補給所への到達日時を推定する補給所候補選出手段を構成する。
【0047】
価格推定部26は、補給所候補選出部25が、立ち寄り可能なガソリンスタンドを選出し、選出したガソリンスタンドの到達日時を推定すると、選出されたガソリンスタンド(選出されたガソリンスタンドが複数ある場合は、それぞれのガソリンスタンド)におけるガソリンの1リットル当たりのガソリン価格を推定する価格推定処理を実行する。価格推定部26は、選出されたガソリンスタンドについて、推定された到達日時が現在から所定時間後以内、例えば、現在から24時間後以内か否かを判定する。到達日時が現在から24時間後以内のガソリンスタンドについては、記憶部4に記憶された補給所情報に関連付けられた最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時が現在から所定時間前以内、例えば、現在から24時間前以内か否かを判定する。現在から24時間前以内の場合、価格推定部26は最新の価格情報をそのガソリンスタンドの到達日時におけるガソリン価格として推定する。一方、撮像日時が現在から24時間前よりも前の場合は、価格推定部26は価格変動曲線を推定し、推定した価格変動曲線を用いて、そのガソリンスタンドの到達日時におけるガソリン価格を推定する。価格変動曲線を推定するために、価格推定部26は、所定期間中(例えば、直近2ヶ月間)の間に所定数以上(例えば、45個以上)の価格情報が記憶部4に記憶されたガソリンスタンドを選出する。次に、選出されたガソリンスタンドの価格情報を用いて、所定期間内の各日の価格の変化量(前日の価格との差分)の平均値を算出し、算出した平均値を用いて所定の方法、例えば、最小二乗法によって価格変動曲線を推定する。価格推定部26は、推定した価格変動曲線と、ガソリン価格を推定するガソリンスタンドの最新の価格情報及び最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時とに基づいて、到達日時におけるガソリン価格を推定する。
【0048】
また、推定された到達日時が現在から24時間後を越えるガソリンスタンドについては、将来価格変動曲線を推定し、推定した将来価格変動曲線を用いて、到達日時におけるガソリン価格を推定する。価格推定部26は、記憶部4に記憶された価格情報から所定の方法、例えば、上記方法で直近2年間の価格変動曲線を推定し、上記直近2ヶ月の価格変動曲線と照合し、直近2年間の価格変動曲線の内で直近2ヶ月の価格変動曲線と類似する箇所を特定し、類似する箇所の終端から所定期間分を将来価格変動曲線として推定する。価格推定部26は、推定した将来価格変動曲線と、ガソリン価格を推定するガソリンスタンドの最新の価格情報及び最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時とに基づいて、このガソリンスタンドの到達日時におけるガソリン価格を推定する。以上のように、価格推定部26は、立ち寄り可能なエネルギー補給所と到達日時との組み合わせに対応するエネルギー価格を推定する価格推定手段を構成する。
【0049】
出力制御部23は、ユーザによって携帯電話2の表示入力部8に表示された出力情報選択画面41の付近情報表示ボタン42が指示され、制御部3がユーザの指示を示す信号を受信すると、価格情報出力処理を実行する。価格情報出力処理において、出力制御部23は、表示入力部8に表示される画面を記憶部4に記憶された地図描画用データを表示するマップ表示領域27と文字情報を表示する文字情報表示領域28に区画し、車両位置情報取得部6が取得した車両位置情報と記憶部4に記憶されたガソリンスタンドの施設情報の位置座標に基づき、車両1の近傍、例えば、半径1キロメートル以内に存在するガソリンスタンドを特定し、車両1と特定したガソリンスタンドをマップ表示領域27に表示させる。また、出力制御部23は、文字情報表示領域28において、特定したガソリンスタンドの名称、特定したガソリンスタンドの補給所情報に関連付けられた価格情報及び価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時を、名称列とガソリン価格列と価格取得日時列(撮像日時が表示される列)からなるテーブルに表示させる。以上のように、表示入力部8と出力制御部23は、補給所情報と価格情報とを、相互に関連付けて出力する価格情報出力手段を構成する。
【0050】
また、出力制御部23は、価格推定部26がガソリン価格を推定すると、推定情報出力処理を実行する。推定情報出力処理において、出力制御部23は、表示入力部8に表示される画面をマップ表示領域27と文字情報表示領域28に区画し、車両1と補給所候補選出部25によって選出されたガソリンスタンドを、車両位置情報取得部6が取得した車両位置情報と記憶部4に記憶されたガソリンスタンドの施設情報の位置座標とに基づき、マップ表示領域27に表示させる。また、出力制御部23は、文字情報表示領域28において、補給所候補選出部25によって選出されたガソリンスタンドの名称及び推定された到達日時と価格推定部26によって推定されたガソリン価格を、名称列、推定到達日時列、推定価格列からなるテーブルに、推定されたガソリン価格が小さい順に上から並べて表示させる。以上のように、表示入力部8と出力制御部23は、立ち寄り可能なエネルギー補給所に対応する補給所情報と、到達日時と、エネルギー価格とを、相互に関連付けて出力する推定情報出力手段を構成する。
【0051】
また、出力制御部23は、携帯電話2を車両1のインストルメントパネル29に設けられた載置台12に載置され、携帯電話2と車両1とが電気的に接続されたとき、表示入力部8に、天候情報入力画面40を表示入力部8に表示する。また、ユーザから天候情報の入力があると、出力情報選択画面41を表示入力部8に表示する。
【0052】
次に、本実施形態における補給所情報提供システムのガソリン価格情報記憶処理、ガソリン価格情報出力処理及び推定ガソリン価格情報出力処理について説明する。
【0053】
まず、ガソリン価格情報記憶処理について説明する。本処理には、撮像判定処理、撮像制御処理、価格情報抽出処理及び記憶制御処理が含まれる。
【0054】
ユーザが車両1のエンジンを起動させ、携帯電話2を車両1のインストルパネル29に設けられた載置台12に載置すると、携帯電話2は、携帯電話2の外部装置接続部7と車両1の携帯電話接続部14を介して、車両1と電気的に接続され、制御部3は、ガソリン価格情報記憶処理を実行する。
【0055】
ガソリン価格情報記憶処理において、出力制御部23は、表示入力部8に、天候情報入力画面40を表示し、ユーザから天候情報の入力を受け付ける。制御部3は、ユーザの入力に応じ、RAMの天候フラグを設定する。
【0056】
次に、ユーザが車両1を発進させると、撮像判定部19は、所定時間毎に、撮像判定処理を実行する。撮像判定処理において、撮像判定部19は、車両位置情報取得部6が取得した現在の車両1の位置及び所定時間前の車両1位置と記憶部4に記憶された道路データに基づき車両1の進行方向を特定する。車両1が走行を続け、判定対象距離内にガソリンスタンドが出現すると、撮像判定部19は、判定対象距離以内にガソリンスタンドが存在すると判定し、撮像判定処理を終了する。
【0057】
判定対象距離以内にガソリンスタンドが存在すると撮像判定部19によって判定されると、撮像制御部20は、撮像制御処理を実行する。撮像制御部20は、走行速度検知部18から検知結果をECU15、携帯電話接続部14及び外部装置接続部7を介して受信する。また、撮像制御部20は、RAMの天候フラグを参照する。次に撮像制御部20は、撮像制御テーブルを参照し、走行速度と天候に応じたシャッタースピードと撮像回数を含む撮像制御信号をカメラ5に送信し、撮像制御処理を終了する。
【0058】
カメラ5は、撮像制御部20から送信された撮像制御信号を受信し、受信した撮像制御信号に応じて車外を撮像し、撮像画面を生成する。カメラ5によって生成された撮像画像はRAMに記憶される。
【0059】
価格情報抽出部21は、撮像画像がRAMに記憶されると、価格情報抽出処理を実行する。価格情報抽出部21は、まず撮像画像内において明度等が急激に変化するエッジ部分を特定し、特定したエッジ部分で囲まれた範囲が価格情報抽出プログラムに含まれる看板形状のパターンとマッチングするか否かを判定する。マッチングすると判定した場合、エッジ部分で囲まれた範囲を看板と判定し、看板と判定した範囲内について、価格情報抽出プログラムに含まれるガソリンの価格情報に関連する表記の文字パターンとマッチングする部分があるかを判定する。マッチングする部分がある場合は、撮像画像にガソリンの価格情報が含まれていると判定し、ガソリンの価格情報に関連する表記の文字パターンとマッチングする部分の付近について、価格情報抽出プログラムに含まれる数字パターンとのマッチングを行い、ガソリンの価格情報を抽出し、価格情報抽出処理を終了する。
【0060】
記憶制御部22は、価格情報抽出部21がガソリンの価格情報を抽出すると、記憶制御処理を実行する。記憶制御部22は、抽出された価格情報と価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時とを、カメラ5が撮像画像を撮像する際に撮像判定部19によって判定対象距離内に存在すると判定されたガソリンスタンドの施設情報に相互に関連付けて記憶部4に記憶し(図5参照)、記憶制御処理を終了する。
【0061】
記憶制御処理が終了すると、制御部3は、ガソリン価格情報記憶処理を終了する。
【0062】
次に、ガソリン価格情報出力処理について説明する。
【0063】
ユーザによって携帯電話2の表示入力部8に表示された出力情報選択画面41の付近情報表示ボタン42が指示され、ユーザの指示を示す信号を受信すると、制御部3は、ガソリン価格情報出力処理を実行する。
【0064】
ガソリン価格情報出力処理において、出力制御部23は、価格情報出力処理を実行する。出力制御部23は、車両位置情報取得部6が取得した車両位置情報と記憶部4に記憶されたガソリンスタンドの施設情報の位置座標に基づき、車両1の近傍に存在するガソリンスタンドを特定し、車両1と特定したガソリンスタンドを表示入力部8のマップ表示領域27に表示させる。また、出力制御部23は、文字情報表示領域28において、特定したガソリンスタンドの名称、特定したガソリンスタンドの補給所情報に関連付けられた価格情報及び価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時を、名称列とガソリン価格列と価格取得日時列(撮像日時が表示される列)からなるテーブルに表示させる。特定したガソリンスタンドが図5のA店、B店、C店のとき、出力制御部23は、図9に示すような画面を表示する。以上で、出力制御部23は価格情報出力処理を終了する。
【0065】
価格情報出力処理が終了すると、制御部3は、ガソリン価格情報出力処理を終了する。
【0066】
次に、推定ガソリン価格情報出力処理について説明する。
【0067】
本処理には、走行経路推定処理、補給所候補選出処理、価格推定処理及び推定情報出力処理が含まれる。
【0068】
ユーザによって、携帯電話2の表示入力部8に表示された出力情報選択画面41の給油候補表示ボタン43が指示されると、制御部3は、推定ガソリン価格情報出力処理を実行する。
【0069】
推定ガソリン価格情報出力処理において、走行経路推定部24は、走行経路推定処理を実行する。走行経路推定部24は、記憶部4に記憶された走行履歴情報に基づき、車両1が今後走行する走行経路と走行経路内の各地点を走行する日時(地点到達日時)とを推定する。走行経路推定部24は、現走行におけるエンジン始動から現時点までに至るまでの車両位置情報及び車両位置情報の取得日時と過去の走行履歴情報とを比較し、一致度が高い過去の走行履歴情報の終点を現走行の終点として推定する。また、記憶部4に記憶されている行動パターンを用いて、現走行以降の比較的遠い将来、例えば、現在から3日間の走行経路を推定し、走行経路推定処理を終了する。
【0070】
走行経路推定処理が終了すると、補給所候補選出部25は、補給所候補選出処理を実行する。補給所候補選出部25は、残量検知部17の検知結果を、ECU15、携帯電話接続部14及び外部装置接続部7を介して車両1から取得する。次に、補給所候補選出部25は、補給所候補選出プログラムに含まれる車両燃費テーブルを参照し、検知結果が示すガソリンの残量が所定の残量になるまでに走行可能な推定走行経路の範囲を特定する。次に、補給所候補選出部25は、特定した走行可能な推定走行経路の範囲と記憶部4に記憶されたガソリンスタンドの位置座標とに基づき、走行可能な推定経路内のガソリンスタンドを立ち寄り可能なガソリンスタンドとして選出し、走行経路推定部24が推定した地点到達日時に基づき、選出したガソリンスタンドへの到達日時を推定し、補給所候補選出処理を終了する。
【0071】
次に、価格推定処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。補給所候補選出部25が補給所候補選出処理を終了すると、価格推定部26は価格推定処理を実行する。価格推定部26は、選出されたガソリンスタンドについて、推定された到達日時が現在から24時間後以内か否かを判定する。推定された到達日時が現在から24時間後以内と判定された場合(ステップ1:YES)は、ステップ2に移行する。推定された到達日時が現在から24時間後を超えると判定された場合(ステップ1:NO)は、ステップ6に移行する。
【0072】
ステップ2では、記憶部4に記憶された施設情報に関連付けられた最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時が現在から24時間前以内か否かを判定する。現在から24時間前以内と判定された場合(ステップ2:YES)は、ステップ3に移行する。24時間前以内でないと判定された場合(ステップ2:NO)は、ステップ4に移行する。
【0073】
ステップ3では、ガソリン価格を推定するガソリンスタンドの記憶部4に記憶された最新の価格情報をそのガソリンスタンドのガソリン価格として推定し、ステップ8に移行する。
【0074】
ステップ4では、価格変動曲線を推定し、ステップ5に移行する。
【0075】
ステップ5では、推定した価格変動曲線と、ガソリン価格を推定するガソリンスタンドの記憶部4に記憶された最新の価格情報及び最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時に基づいて、そのガソリンスタンドのガソリン価格を推定し、ステップ8に移行する。
【0076】
ステップ6では、将来価格変動曲線を推定し、ステップ7に移行する。
【0077】
ステップ7では、推定した将来価格変動曲線と、ガソリン価格を推定するガソリンスタンドの記憶部4に記憶された最新の価格情報及び最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時に基づいて、そのガソリンスタンドのガソリン価格を推定し、ステップ8に移行する。
【0078】
ステップ8では、選出された全てのガソリンスタンドについてガソリン価格の推定を行ったか否かを判定する。全てのガソリンスタンドについて推定を行った場合(ステップ8:YES)は、価格推定処理を終了する。全てのガソリンスタンドについて推定を行っていない場合(ステップ8:NO)は、ステップ1に移行し、推定を行っていないガソリンスタンドについて、ガソリン価格の推定を行う。
【0079】
現在の日時が「2010/12/10 13:00」で、且つ補給所候補選出部25によって選出されたガソリンスタンドが、図5のガソリンスタンドA店、B店、C店で、推定された到達日時がA店については「2010/12/10 17:30」、B店については「2010/12/11 17:40」、C店については「2010/12/11 8:00」であるとき、A店については、推定された到達日時が現在から24時間後以内で、且つ最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時(2010/12/9 17:40)が現在から24時間前以内なので、最新の価格情報(¥105)がガソリン価格として推定される。B店については、到達日時が現在から24時間後以内ではないため、将来価格変動曲線と、記憶部4に記憶された最新の価格情報(¥110)及び最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時(2010/12/9 17:50)に基づいて、ガソリン価格が推定される。C店については、到達日時が現在から24時間後以内で、且つ最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時(2010/11/11 8:00)が現在から24時間前以内ではないので、価格変動曲線と記憶部4に記憶された最新の価格情報(¥115)及び最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時(2010/11/11 8:00)に基づいてガソリン価格が推定される。
【0080】
価格推定部26が価格推定処理を終了すると、出力制御部23は、推定情報出力処理を実行する。出力制御部23は、図10に示すように、車両位置情報取得部6が取得した車両位置情報と記憶部4に記憶されたガソリンスタンドの施設情報の位置座標とに基づき、車両1と補給所候補選出部25によって選出されたガソリンスタンドA店、B店、C店を表示入力部8のマップ表示領域27に表示させる。また、出力制御部23は、文字表示領域28において、ガソリンスタンドの名称及び到達日時と価格推定部26によって推定されたガソリン価格を、名称列、推定到達日時列、推定価格列からなるテーブルに、推定されたガソリン価格が小さい順に上からA店、B店、C店と並べて表示させる。
【0081】
出力制御部23が推定情報出力処理を終了すると、制御部3は、推定ガソリン価格情報出力処理を終了する。
【0082】
本実施形態によれば、車両1の走行経路内のガソリンスタンドを撮像した画像からガソリンの価格情報を抽出し、抽出した価格情報と撮像対象のガソリンスタンドの施設情報とを相互に関連付けて記憶するので、ガソリンスタンド毎の最新のガソリンの価格情報を収集した共用のデータベースを設けることなく、車両1が走行した経路内に点在するガソリンスタンドのガソリンの価格情報を、そのガソリンスタンドを特定可能にユーザに提供することができる。従って、ユーザは、価格情報を比較するなどして、複数のガソリンスタンドの中からガソリンを補給するための最適なガソリンスタンドを選択することができる。
【0083】
また、ユーザは、車両1が今後走行すると推定される走行経路内における立ち寄り可能なガソリンスタンドについて、施設情報、到達日時及びガソリン価格を把握することができ、ガソリン価格を比較するなどして、推定される走行経路内における複数のガソリンスタンドの中からガソリンの補給に最適なガソリンスタンドを選択することができる。また、ユーザが選択するガソリンスタンドは、車両1に残存するガソリンで立ち寄ることが可能なガソリンスタンドであるため、ユーザは、選択したガソリンスタンドに到達するまでにガス欠によって車両1が走行不能になることを心配する必要がない。
【0084】
また、携帯電話2の記憶部4にガソリンの価格情報と価格情報に関連付けられているガソリンスタンドの施設情報とが記憶されているので、車外において携帯電話2からこれらの情報を取得して利用することができる。また、携帯電話2がカメラ5として機能するので、車両1に専用のカメラ5を設ける必要がない。
【0085】
また、出力制御部23が、文字情報表示領域28において、補給所候補選出部25によって選出されたガソリンスタンドの名称及び推定された到達日時と価格推定部26によって推定されたガソリン価格を、名称列、推定到達日時列、推定価格列からなるテーブルに、推定されたガソリン価格が小さい順に上から並べて表示させるため、ユーザは、ガソリン価格が最も安いと推定されるガソリンスタンドを把握することができる。
【0086】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。
【0087】
例えば、車両1の記憶部16に携帯電話2の記憶部4と同様の情報を記憶させ、ECU15に撮像判定部19、撮像制御部20、価格情報抽出部21、記憶制御部22、出力制御部23、走行経路推定部24、補給所候補選出部25、価格推定部26のいずれかまたは全部の機能を担わせてもよい。また、車両1と携帯電話2との間にカーナビゲーションシステムを設け、このカーナビゲーションシステムに撮像判定部19、撮像制御部20、価格情報抽出部21、記憶制御部22、出力制御部23、走行経路推定部24、補給所候補選出部25、価格推定部26のいずれかまたは全部の機能を担わせてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、携帯電話2は、車両1の残量検知部17及び走行速度検知部18の検知結果を、車両1の携帯電話接続部14と携帯電話2の外部装置接続部7を介して、受信したが、車両1に無線通信可能な通信部を設け、携帯電話2は、通信部9を介して、無線通信によって、こられの検知結果を受信してもよい。
【0089】
また、携帯電話2の外部装置接続部7を、車外のディスプレイ装置、例えば、パーソナルコンピューター用ディスプレイ装置に接続し、出力制御部23は、このディスプレイ装置に携帯電話2の記憶部4に記憶されたガソリンの価格情報などを表示させてもよい。
【0090】
また、携帯電話2は、携帯電話2が接続される外部装置(車両1及びパーソナルコンピューターを含む)から外部装置接続部7を介して電力の供給を受け、携帯電話2のバッテリー(図示省略)を充電させる機能を有してもよい。
【0091】
また、制御部3は、ガソリン価格情報出力処理において、価格推定部26に現在の日時における車両1の近傍に存在するガソリンスタンドのガソリン価格を推定させ、また、出力制御部23に推定されたガソリン価格をガソリンスタンドの施設情報と関連付けて出力させてもよい。
【0092】
また、価格情報抽出部21は、価格情報抽出プログラムに含まれる「レギュラー」、「ハイオク」、「軽油」、「ディーゼル」などの燃料種別の文字パターンと撮像画像とのマッチングを行い、各燃料種別に応じた燃料の価格情報を抽出し、記憶制御部22は、抽出した価格情報を各燃料種別に関連付けて記憶部4に記憶してもよい。これによって、ユーザは、各燃料の価格情報を把握できる。
【0093】
また、価格推定部26は、図6のフローチャートのステップ1において、推定された到達日時が記憶部4に記憶された最新の価格情報が抽出された撮像画像の撮像日時から所定時間、例えば、24時間後以内か否かを判定してもよい。
【0094】
また、制御部3が、所定時間毎に残量検知部17の検知結果を取得し、ガソリンの残量が所定量になったとき、ユーザからの指示がなくても、推定ガソリン価格情報処理を実行し、出力表示部8にガソリンスタンドの施設情報と推定されたガソリン価格とを関連付けて表示してもよい。これによって、ユーザは、給油を促されるので、車両1がガス欠で走行不能になることを未然に防ぐことができる。
【0095】
すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、車両に補給されるエネルギーの補給所についての情報を提供する補給所情報提供システムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
1:車両
2:携帯電話(携帯端末)
3:制御部
4:記憶部(情報記憶手段)
5:カメラ(撮像手段)
6:車両位置情報取得部(車両位置情報取得手段)
7:外部装置接続部
8:表示入力部(価格情報出力手段、推定情報出力手段)
14:携帯電話接続部
15:ECU
17:残量検知部
18:走行速度検知部
19:撮像判定部(撮像判定手段)
20:撮像制御部(撮像制御手段)
21:価格情報抽出部(価格情報抽出手段)
22:記憶制御部(記憶制御手段)
23:出力制御部(価格情報出力手段、推定情報出力手段)
24:走行経路推定部(走行経路推定手段)
25:補給所候補選出部(補給所候補選出手段)
26:価格推定部(価格推定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー補給所の位置情報を含む補給所情報を予め記憶する情報記憶手段と、
車両の現在位置を示す車両位置情報を逐次取得する車両位置情報取得手段と、
前記車両の近傍に撮像対象のエネルギー補給所が存在するか否かを、前記情報記憶手段に記憶された補給所情報と前記車両位置情報取得手段が取得した車両位置情報とに基づいて判定する撮像判定手段と、
前記撮像対象のエネルギー補給所が存在すると前記撮像判定手段が判定したとき、撮像指示信号を送信する撮像制御手段と、
前記車両の所定位置に設置され、前記撮像制御手段からの撮像指示信号の受信に応じて車外を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像にエネルギーの価格情報が含まれているか否かを判定し、該画像にエネルギーの価格情報が含まれていると判定したとき、該画像からエネルギーの価格情報を抽出する価格情報抽出手段と、
前記価格情報抽出手段が抽出した価格情報を、前記撮像対象のエネルギー補給所の補給所情報に関連付けて前記情報記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記情報記憶手段に記憶された補給所情報と価格情報とを、相互に関連付けて出力する価格情報出力手段と、を備えた
ことを特徴とする補給所情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の補給所情報提供システムであって、
前記車両の今後の走行経路と該走行経路内の地点到達日時とを推定する走行経路推定手段と、
前記車両が所有するエネルギーの残量を検知する残量検知手段と、
前記情報記憶手段に記憶された補給所情報と前記走行経路推定手段が推定した走行経路及び地点到達日時と前記残量検知手段が検知したエネルギーの残量とに基づいて、前記残量検知手段が検知したエネルギーの残量が所定の残量になるまでの期間内に前記車両が立ち寄り可能なエネルギー補給所を選出するとともに、該立ち寄り可能なエネルギー補給所への到達日時を推定する補給所候補選出手段と、
前記補給所候補選出手段が選出及び推定した前記立ち寄り可能なエネルギー補給所と前記到達日時との組み合わせに対応するエネルギー価格を、前記情報記憶手段に記憶された価格情報に基づいて推定する価格推定手段と、
前記補給所候補選出手段が選出した前記立ち寄り可能なエネルギー補給所に対応する補給所情報と、前記補給所候補選出手段が推定した前記立ち寄り可能なエネルギー補給所への到達日時と、前記価格推定手段が推定したエネルギー価格とを、相互に関連付けて出力する推定情報出力手段と、を備えた
ことを特徴とする補給所情報提供システム。
【請求項3】
請求項1及び請求項2の何れか一項に記載の補給所情報提供システムであって、
前記車両の車室内に着脱可能に設置され、少なくとも前記撮像手段と前記情報記憶手段と前記価格情報出力手段として機能する携帯端末を備えた
ことを特徴とする補給所情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−123645(P2012−123645A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274230(P2010−274230)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】