説明

複合吸音材

不織繊維音響絶縁材と、流れ抵抗性不織外被材とを有する吸音材であって、前記流れ抵抗性不織外被材は前記絶縁材に接合されており、約600ないし約1800レールの気流抵抗および約20ないし約150g/m2の表面質量をもつ、吸音材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される実施形態は概括的には吸音材に関する。
【背景技術】
【0002】
吸音材は、音の伝達を軽減し、有用な周波数において音を吸収するための多様な用途で使われる。該材料の最終的な使用用途に依存して、吸音材は:高い音の吸収、低い可燃性、低い有毒物放出および使いやすさのうちの一つまたは複数の要件を満たす必要があることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の吸音材に付随する一つまたは複数の不都合な点または欠点に対処するまたはこれを緩和する、あるいは少なくともそれに対する有用な代替を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある種の実施形態は、
不織繊維絶縁材(nonwoven fiber insulation material)と;
流れ抵抗性不織外被材(flow resistive nonwoven facing)とを有する吸音材であって、前記流れ抵抗性不織外被材は前記絶縁材に接着されており、約600ないし約1800レールの気流抵抗(air flow resistance)および約20ないし約150g/m2の表面密度をもつ、吸音材に関する。
【0005】
本複合吸音体は、約5mg/kgより少ないホルムアルデヒド放出を有しうる。
【0006】
ある種の実施形態に設けられる前記流れ抵抗性不織外被材は、前記不織繊維絶縁材の一連の密度および厚さに基づく製品ファミリーの基礎として使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本稿では単に例として、さまざまな実施形態が図面を参照しつつ記述される。
【図1】複合吸音体を示す概略図である。
【図2】複合吸音体を生成するプロセスのフローチャートである。
【図3】実施例1についてのランダム入射音吸音試験の結果のグラフである。
【図4】実施例2についてのランダム入射音吸音試験の結果のグラフである。
【図5】実施例3についてのランダム入射音吸音試験の結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
簡単のため、本稿では用語「平均繊維サイズ」は、そのように形成された複合吸音体の流れ抵抗性不織外被材の平均繊維サイズを記述するために使われる。平均繊維サイズは約1.5ないし4.5デニール、より好ましくは約2ないし4デニール、さらに好ましくは約2.5ないし3.6デニールの範囲内にはいってもよい。複合吸音体の音吸収をさらに高めることが必要な用途においては、より小さな平均繊維サイズをもつ流れ抵抗性不織外被材の使用が望ましいことがありうる。
【0009】
複合吸音体のいくつかの実施形態では、流れ抵抗性不織外被材は約20ないし約150g/m2の表面密度をもつ。いくつかの実施形態では、表面密度は約50g/m2である。流れ抵抗性不織外被材は、約600ないし約1800レール、任意的には約800ないし約1600レールおよび任意的には約900ないし約1500レールの気流抵抗をもつ。あるいはまた、流れ抵抗は約600ないし1000レール、あるいは約800ないし約900レールであってもよい。流れ抵抗性不織外被材は、入射音波に対して音響インピーダンスを呈する流れ抵抗性膜として作用し、それにより、純粋に多孔性の繊維質のバルク吸音体として作用する平凡な基板材料と比べて低周波および中周波で音吸収を高める。高周波音吸収は、外被材の気流抵抗が約1800レールを越えると、受け容れられないほど低下する。低周波音吸収は、約600レールより下では受け容れられないほど低下する。
【0010】
低放出基準、つまり約5mg/kgより少ないホルムアルデヒド放出を満たす複合吸音体を達成するために、個々の放出が低い材料を使うことが望ましいことがありうる。これらの低個別放出材料は、不織繊維絶縁材および流れ抵抗性不織外被材における繊維と、絶縁材に外被材を接着またはラミネートする任意の接着系と、任意の感圧性接着裏打ち材とを含む。それぞれの低個別放出材料は、低い有毒物放出および揮発性有機化合物(VOC: volatile organic compound)の低い測定値を示すべきである。本稿に呈示される試験結果によって示されるように、記載される複合吸音体は、0.8mg/kgより少なく、0.4mg/kgより少ないホルムアルデヒド放出を達成できる。0.2mg/kg以下のアセトアルデヒド放出も達成できる。
【0011】
受け容れられる可燃性レベルを与えるために、流れ抵抗性不織外被材のために使われる材料を、リン酸塩由来の難燃剤のような難燃剤で処理することが必要となることがありうる。
【0012】
流れ抵抗性不織外被材は、湿式法セルロース不織布の形で提供されてもよく、これを本稿では「紙組織(paper tissue)」と記す。そのような紙組織は、いくつかの可能な源から濾紙媒体として入手可能である。しかしながら、セルロース以外の繊維も好適である。さらなる好適な湿式法不織布としては、ポリエステル、ビスコース、ポリエチレン、ポリビニルアセテート(PVA)およびその他の合成繊維を含む繊維のブレンドが含まれる。好適なブレンドはまた、そのような繊維をセルロース繊維との組み合わせで含んでいてもよい。
【0013】
絶縁材の繊維は天然繊維でも合成繊維でもよい。好適な天然繊維は、綿、ジュート、羊毛、セルロースおよびセラミック繊維を含みうる。好適な合成繊維は、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレン繊維を含みうる。ある実施形態では、絶縁材は、ポリエチレンテレフタラート(PET)およびコポリエステル/ポリエステル(CoPET/PET)接着剤二成分繊維を含む。繊維は100%バージン繊維であってもよいし、あるいは約90%まで消費者使用済み廃棄物から再生された繊維を含んでいてもよい。絶縁材は、約0.5ないし約12デニール、好ましくは約1ないし約6デニール、より好ましくは約1ないし約4デニールの線質量密度を有していてもよい。
【0014】
絶縁材繊維は、通常のプロセスを使ってオープンおよびブレンドされてもよい。次いで繊維は、カーディング(carding)、気流積層(air laying)または機械的形成を含む不織プロセスを使って不織ウェブに形成されてもよい。カーディングされたウェブは横断ラッピング(cross-lapped)または垂直ラッピング(vertically lapped)されてかさのある不織ウェブを形成してもよい。気流積層されたまたは機械的形成されたウェブは、所望の厚さおよび密度で生成されてもよい。次いで、ウェブは熱的に接着されて凝集した不織絶縁材を形成する。
【0015】
いくつかの実施形態では、不織繊維絶縁材はカーディングされたウェブから形成される。カーディングされたウェブは、たとえば「ストルト(Struto)」または「Vラップ(V-Lap)」といったプロセスに従って垂直方向にラッピングされてもよい。この構築法は、複合吸音材の厚さ方向において比較的高い構造的な一体性をもつウェブを与え、それにより適用中または使用中にウェブがばらばらになる確率を最小限にする。そのような構成はまた、比較的低いバルク密度をもつ低密度ウェブを達成することもできるようにする。
【0016】
いくつかの実施形態では、不織繊維絶縁材の表面密度はたとえば200g/m2くらい低くても、あるいは800g/m2くらい高くてもよい。いくつかの実施形態では、厚さは4mmから50mmまでの間であってもよい。繊維性ウェブの密度を増すことは、必ずしも追加的な音吸収を与えることにはならない。音吸収は主として不織外被材によって制御されるからである。
【0017】
いくつかの実施形態では、繊維性ウェブは、約10kg/m3ないし30kg/m3、任意的には約15kg/m3ないし約20kg/m3の比較的低いバルク密度〔かさ密度〕を有していてもよい。4mmのような小さな厚さでは、実際的なバルク密度はたとえば50kg/m3ほど高くてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、流れ抵抗性不織外被材は、不織繊維絶縁材の片側にラミネートされる。流れ抵抗性不織外被材は、好適な通常のラミネート技法を使ってラミネートされることができる。しかしながら、接着層が不相応に気流抵抗に影響しないことを保証するよう、注意を払う必要がある。これを達成するために、接着剤投下または塗布レートを制御することが必要となることがありうる。いくつかの実施形態では、接着剤は乾燥粉末熱活性化接着剤である。接着剤は、約30g/m2のレートでウェブ上に散布コーティングされてもよい。約8または10g/m2ないし約40g/m2のレートも用いてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤粉末は低密度ポリエチレンを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、接着剤粉末の適用後、流れ抵抗性不織外被材がロールから適用されて、接着剤コーティングされた絶縁材と接触させられ、その後、複合材を平台型のラミネート器に通す。その接触とともに、動いているコンベヤー・ベルトを通じて熱が加えられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、複合吸音体は、感圧性接着剤(PSA: pressure sensitive adhesive)を与えられる。さらなる実施形態では、PSAはロールから適用され、不織外被材のラミネートと並行して不織繊維絶縁材の裏面にラミネートされてもよい。いくつかの実施形態では、剥離ライナーがPSAを担持する。複合吸音材の据え付けに先立って、剥離ライナーは感圧性接着剤から除去され、複合吸音材がパネルまたは表面にくっつくことができるようになる。たとえば乗物生産ラインでの入力コンポーネントとして使われることが意図されている複合吸音材のいくつかの実施形態については、複合吸音材を有する絶縁パッドが迅速かつ簡単に据え付けることができることが望ましい。これを達成するために、いくつかの用途のためには、除去するのが容易な、高い引き裂き強度をもつ剥離ライナーを与えることが有益であることがありうる。
【0021】
いくつかの実施形態では、PSAは、薄い柔軟な基材;基材の片側に担持され、該基材の長さに沿って間欠的なパターンで与えられるPSA物質;および任意的に前記片側に担持されるメッシュを有するテープ材の一部として提供されてもよい。それらの実施形態では、PSAは、シリコーンでコーティングされたプラスチックまたは紙の剥離ライナー上に間欠的にコーティングされてもよい。
【0022】
テープ材の基材の目的は、PSA物質を吸音材料に適用する(くっつける)ことができるようPSA物質のための担体としてはたらくことである。基材はさらに剥離ライナーとしてはたらき、その後、剥がすことによって除去されることができる。それにより、前記基材があった側でPSA物質がむき出しになる。新たにむき出しになったPSA物質の面は、たとえばパネルまたは表面といった目標表面にあてがって、複合吸音材を目標表面に接着することができる。
【0023】
間欠的なPSAコーティングの塗布される部分のサイズおよび間隔に依存して、コーティングされる面積の割合を変更できる。コーティングの塗布面積は、たとえば基材の面積の約10ないし約90%の間で、より特定的には約30%から40%まで変わることができる。
【0024】
間欠的なコーティングは、ストリップまたはその他のパターンで塗布されてもよい。これは、たとえばスロット・ダイ(slot die)を用いたホットメルト・コーティングによって達成できるが、たとえばパターン付けされたローラーまたは一連のソレノイド作動される狭いスロット・コーティング・ヘッドを用いたコーティングによって達成することもでき、また、ホットメルト・コーティングに加えて水ベースおよび溶媒ベースのコーティングを含んでいてもよい。
【0025】
PSAコーティングがストリップの形で与えられる実施形態では、ストリップの間隔は、不織繊維絶縁材の属性に依存して変わりうる。たとえば、より軽い絶縁材は、該絶縁材を保持しておくのにより少ないPSAを必要とするであろう。ストリップ間のより幅広い間隔またはギャップは基剤のより簡単な除去を助けることができる。これは、吸音材を別の表面に接着するために剥がすときに基材の端が簡単に持ち上げられるようにするコーティングされていないセクションをより容易に見出すことができるからである。
【0026】
接着剤を長さ方向の諸ストリップのような間欠的パターンで塗布することによって、全面積の一部分のみをコーティングすることによってPSA樹脂の大きな割合を節約しつつ、特定の用途のために所望されるコーティング重量を達成することが可能である。このように、ある種の実施形態の吸音材は全面的なコーティングを必要としない軽量かつ多孔性の物品なので、減少した量のPSA物質を使うことが可能となりうる。使用されるPSAの全体的な量を減らすことは、目標表面に吸音材を接着するために使われるPSA物質によって寄与される有毒物放出および揮発性有機化合物(VOC)を最小限にする効果もある。PSAのために使われる記載されるアクリル樹脂も比較的低いVOC含有量をもつ。
【0027】
感圧性接着物質は、ドイツのBASFから入手可能なAcResinの型番DS3583など、紫外光のもとで硬化できるアクリル系樹脂であってもよい。PSA物質は、たとえば約10ないし約150ミクロンの厚さで基材に塗布されてもよい。厚さは、あるいはまた、約20ないし約100ミクロン、可能性としてはたとえば約30ないし約75ミクロンであってもよい。
【0028】
他の型のPSA物質および塗布厚さが、また照射の結果としてであれ他の硬化方法によってであれ異なる条件下で硬化できるPSA物質が使用されてもよい。たとえば、PSA物質はホットメルト合成ゴム・ベースの接着剤またはUV硬化性合成ゴム・ベースの接着剤であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、PSAコーティングは、軽量の開いたメッシュによって安定化されうる。メッシュは、ポリエステルまたはファイバーグラスまたは他の好適な織物またはプラスチック材料でできていてもよい。一例では、メッシュは熱可塑性樹脂でコーティングされたポリエステル・ストランドで形成される。メッシュは、約78デニールおよび密度約2.88g/m2を有していてもよく、長方形のメッシュ間隔が約8mmかける12mmであってもよい。好適なメッシュは、米国ニューヨーク州グランド・アイランドのサンゴバン(Saint Gobain)から製品コードKPM3210/P3A-3Lのもとで入手できる。
【0030】
メッシュの型、大きさおよび形はたとえば、PSAコーティングにより大きな支持を提供するためにより密な形をもつ(すなわち、縦糸または横糸方向においてより小さな間隔で編まれている)ために変えられてもよい。多孔性の不織繊維絶縁材に適用されるとき、感圧性接着剤コーティングの比較的狭いストリップは、基剤の除去の間、多孔性物品を持ち上げる傾向があることがある。ラミネートされるメッシュは、PSAに埋め込まれ、あるいはPSAに接着され、この問題を緩和する助けとなりうる。
【0031】
メッシュのもう一つの機能は、PSAコーティングに十分な補強強さを与えて、基材が簡単に除去できるようにすることである。メッシュがより開いていれば(すなわち、縦糸または横糸方向においてより大きな間隔で編まれている)、PSAコーティングが破れるリスクは増大し、基材の除去はより難しくなることがある。
【0032】
剥離ライナー基剤の簡単な除去に対するさらなる補助として、基材には一つまたは複数のスリットが形成されていてもよい。
【0033】
テープ材のメッシュは、基材にスリットが(もし形成されるなら)形成された後、間欠的なPSAコーティング上にラミネートされたものであってもよく、接着コーティングと比較的一体であることができる。
【0034】
好適なテープ材は、本願と同じ所有者の2008年10月16日に出願された米国仮特許出願第61/106,113号において、および2008年10月17日に出願された米国仮特許出願第61/106,488号において記載されたものや、上述の仮出願の優先権を主張する「Tape Material and Roll Comprising Pressure Sensitive Adhesive(感圧性接着剤を有するテープ材およびロール)」という名称の、本願と同じ所有者の国際特許出願に記載されたものを含む。これらの出願すべての内容はここに参照によって組み込まれる。
【0035】
ここで図1および図2を参照して、複合吸音体(10)および複合吸音体(10)を生産するプロセス(100)についてさらに詳細に記述する。複合吸音体(10)は、流れ抵抗性不織外被材(1)として、湿式不織布(または繊維)を有していてもよい。これは、ステップ120においてロールから引き出される。外被材(1)は、ステップ140で不織繊維絶縁材(3)に接触したのち、ステップ160において、垂直ラッピングされ熱的に接着された不織繊維絶縁材(3)の表面にラミネートされる。外被材(1)は、ステップ110で不織繊維絶縁材(3)上に散布コーティングされる粉末接着剤(2)を用いて不織ウェブに接着される。感圧性接着剤(4)が、ステップ150で不織繊維絶縁材(3)に接触したのち、ステップ160で、外被材(1)とは反対側で、不織繊維絶縁材(3)に同時にラミネートされてもよい。感圧性接着剤(4)は、剥離ライナー(6)上に間欠的パターンで事前コーティングされており、ステップ130でロールから引き出される。感圧性接着剤(4)は軽量の開いたポリエステルまたはファイバーグラスのメッシュ(5)で補強されてもよく、剥離ライナー(6)は横断方向において規則的な間隔で、長さ方向にスリットを入れられてもよい。
【0036】
記載された実施形態は、さらに、これに限られないが、以下の例によって例解される。
【実施例1】
【0037】
図1に関連して図示し、記述したのと同じ構造をもって複合吸音体を製作した。50g/m2のセルロース湿式法不織布(または繊維)の流れ抵抗性不織外被材(1)が、400g/m2の、垂直ラッピングされた、12mmの厚さの熱接着された不織繊維絶縁材(3)の表面にラミネートされた。該絶縁材は、30%の2デニールの二成分ポリエステル接着剤繊維、10%の12デニールのスパイラルな中空の短繊維および60%の再生された3デニールのポリエステル短繊維を有する。この絶縁材は約3.6デニールの平均繊維サイズをもつ。
【0038】
外被材(1)が、不織ウェブに散布コーティングされた低密度ポリエチレン(LDPE)粉末接着剤(2)を用いて、不織ウェブに接着された。ストライプ・パターンで40ミクロンの中密度ポリエチレン(MDPE)剥離ライナー(6)上にコーティングされたUV硬化されるアクリル系感圧性接着剤(4)が、同時に反対側にラミネートされた。感圧性接着剤は、開いたポリエステル・メッシュ(5)をもって補強され、剥離ライナーは規則的な間隔でスリットを入れられた。
【0039】
複合吸音材は、ランダムな入射音の吸収について、ライター・アルファ・キャビン(Reiter alpha cabin)において試験された。音試験の結果が図3に示されている。
【0040】
複合吸音材は、放出物についても試験された。結果は表1に示されている。
【0041】
【表1】

複合吸音材は、連邦自動車安全規格(FMVSS: Federal Motor Vehicle Safety Standard)302に従って可燃性について試験され、最良燃焼速度80mm/分で自己消火の最良の結果を返した。
【実施例2】
【0042】
第二の試料は、組織が水ベースの難燃剤で処理された点を除いて、実施例1と同様に準備された。放出物試験は下記の表2に示されている。吸音結果は図4にプロットされている。
【0043】
【表2】

実施例2の複合材は、FMVSS 302に従って可燃性について試験され、80〜90mm/分の間で変動する燃焼速度の結果を記録した。
【実施例3】
【0044】
第三の試料は、試料の厚さが20mmである点を除いて、実施例2と同様に準備された。吸音試験結果が図5に示されている。
【0045】
この複合材は、FMVSS 302に従って可燃性について試験され、60〜90mm/分の間で変動する燃焼速度の結果を記録した。
【0046】

本明細書においていかなる従来の刊行物(またはそれから導かれる情報)やいかなる知られている事項への言及も、その従来の刊行物(またはそれから導かれる情報)や知られている事項が本明細書が関係する研究分野における技術常識の一部をなすことを確認するまたは認めるまたはいかなる形であれ示唆するものでもなく、そのように解釈すべきでもない。
【0047】
本明細書および特許請求の範囲を通じて、文脈からそうでないことが要求されるのでない限り、「有する」「含む」の語および「有して」「含んで」などの変形は、述べられた整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを含むことを含意するが、他の何らかの整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループの排除を含意するものではないと理解される。
【0048】
本稿では、図面および実施例を参照しつつ実施形態を記述してきたが、付属の請求項において記載されるように、上記の記載された実施形態の精神および範囲から外れることなく、記述された実施形態および/または実施例に対するいくつかの修正がなされうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織繊維音響絶縁材と;
流れ抵抗性不織外被材とを有する吸音材であって、前記流れ抵抗性不織外被材は前記絶縁材に接合されており、約600ないし約1800レールの気流抵抗および約20ないし約150g/m2の表面質量をもつ、
吸音材。
【請求項2】
約5mg/kgより少ないホルムアルデヒド放出を有する、請求項1記載の吸音材。
【請求項3】
前記不織外被材とは反対側で前記絶縁材に接着されたテープ材をさらに有する、請求項1または2記載の吸音材。
【請求項4】
請求項3記載の吸音材であって、前記テープ材が:
薄い柔軟な基材と;
前記基材の一方の側に担持される、前記基材の長さに沿って間欠的なパターンで与えられている感圧性接着剤(PSA)物質とを有し、
前記PSAが前記テープ材を前記絶縁材に接着する、
吸音材。
【請求項5】
前記一方の側に担持されるメッシュをさらに有する、請求項4記載の吸音材。
【請求項6】
前記基材がシリコーン・コーティングされ、プラスチック・フィルム剥離ライナーまたは紙ベースの剥離ライナーをなす、請求項4または5記載の吸音材。
【請求項7】
PSAストリップの少なくとも一つの対の中間において、前記基材に一つまたは複数のスリットが形成されている、請求項4ないし6のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項8】
前記外被材が前記絶縁材に粉末化された接着剤を使って接合される、請求項1ないし7のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項9】
前記粉末化された接着剤が低密度ポリエチレンを含む、請求項8記載の吸音材。
【請求項10】
前記粉末化された接着剤が、約10ないし約40g/m2のレートで前記絶縁材上に散布コーティングされる、請求項8または9記載の吸音材。
【請求項11】
前記粉末化された接着剤が熱で活性化される、請求項8ないし10のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項12】
前記外被材がリン酸誘導体の難燃剤で処理される、請求項1ないし11のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項13】
前記絶縁材が垂直方向にラッピングされ、熱的に接合された繊維ウェブを有する、請求項1ないし12のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項14】
前記流れ抵抗が約600ないし約1000レールである、請求項1ないし13のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項15】
前記流れ抵抗が約800ないし約900レールである、請求項14記載の吸音材。
【請求項16】
前記外被材の表面質量が約40ないし約60g/m2である、請求項1ないし15のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項17】
前記外被材がセルロース湿式法不織布を有する、請求項1ないし16のうちいずれか一項記載の吸音材。
【請求項18】
吸音材を形成する方法であって:
不織繊維音響絶縁材の一方の側に流れ抵抗性不織外被材をラミネートする段階を含み、前記不織外被材は約600ないし約1800レールの気流抵抗および約20ないし約150g/m2の表面質量をもつ、
方法。
【請求項19】
前記絶縁材の反対側にテープ材をラミネートする段階をさらに含む、請求項18記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−505978(P2012−505978A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531302(P2011−531302)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/AU2009/001363
【国際公開番号】WO2010/042993
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(511096019)イーマン8 ピーティワイ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】