複数の非極性発光セルを有する発光素子
【課題】複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】この方法は、上部表面がr面、a面またはm面を有するサファイアまたは炭化珪素の第1の基板を用意することを含む。第1の基板は、その上部表面上にストライプ状の成長防止パターンを有し、また成長防止パターン間に側壁がc面であるリセス領域を有する。リセス領域を有する基板上に窒化物半導体層が成長され、窒化物半導体層をパターニングし、互いに分離された発光セルが形成される。これにより、優れた結晶品質の非極性発光セルを有する発光素子が提供される。
【解決手段】この方法は、上部表面がr面、a面またはm面を有するサファイアまたは炭化珪素の第1の基板を用意することを含む。第1の基板は、その上部表面上にストライプ状の成長防止パターンを有し、また成長防止パターン間に側壁がc面であるリセス領域を有する。リセス領域を有する基板上に窒化物半導体層が成長され、窒化物半導体層をパターニングし、互いに分離された発光セルが形成される。これにより、優れた結晶品質の非極性発光セルを有する発光素子が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及びその製造方法に関し、より詳しくは、複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム系発光ダイオードは、表示素子及びバックライトとして広く用いられている。また、発光ダイオードは、既存の電球または蛍光灯に比べて低消耗電力で長寿命であり、白熱電球及び蛍光灯を代替して一般照明用途として、その使用領域を広げている。
【0003】
一般に、窒化ガリウム系窒化物半導体は、サファイアまたは炭化珪素のような異種基板上に成長される。窒化物半導体は、主にこのような基板のc面(0001)上に成長され、圧電特性を示す。圧電特性によって多重量子井戸構造の活性領域において強い分極電界が引き起こされる。従って、発光層の厚さを増加させることが困難であり、発光再結合率が減少され、発光出力を向上させるのに限界があった。
【0004】
最近、このような分極電界の誘発を防止するために、c面サファイア基板上に成長された窒化ガリウム結晶を切り出し、c面以外の結晶面、例えば、a面(11‐20)またはm面(1‐100)を有する窒化ガリウム基板に加工し、これを窒化物半導体の成長基板として用い、または、m面炭化珪素基板を成長基板として用いて、a面窒化物半導体を成長させる技術が研究されている。a面またはm面で成長された窒化物半導体は、非極性または半極性の特性を有する。従って、分極電界を示す極性発光ダイオードに比べて光出力が向上するものと期待される。
【0005】
しかし、サファイア基板上に成長された窒化ガリウム基板を用いて、窒化物半導体を成長させることは費用が多くかかり、さらに、c面窒化物半導体に比べて優れた結晶性を有する窒化物半導体を得ることが容易ではなかった。特に、大電流を用いる高出力発光ダイオードの場合、c面窒化物半導体に比べて非極性または半極性発光ダイオードの出力が相対的に低い発光出力を示している。
【0006】
一方、発光ダイオードは、一般に、順方向電流によって光を放出し、直流電流の供給を必要とする。順方向電流下で動作する発光ダイオードの特性を考慮し、複数の発光セルを逆並列で接続し、または、ブリッジ整流器を用いて、交流電源下で複数の発光セルを動作させる技術が開発されており、製品化されていることが実状である。また、単一基板上に複数の発光セルを形成し、これらを直列及び並列接続することにより、高電圧直流電源下で高出力及び高効率の光を出力することができる発光ダイオードが開発されている。このような発光ダイオードは、単一基板上に複数の発光セルを形成し、これらの発光セルを配線を介して接続することにより、交流または直流電源下で高出力及び高効率の光を放出することができる。
【0007】
複数の発光セルを用いて、高電圧の交流または直流電源に接続して使用可能な発光ダイオードは、例えば、特許文献1に「発光成分を有する発光素子」(LIGHT-EMITTING DEVICE HAVING LIGHT-EMITTING ELEMENTS)が開示されている。
【0008】
前記特許文献1によると、LEDが、サファイア基板のような単一絶縁性基板上に、二次元的に連結されたLEDアレイが形成される。このようなLEDアレイによって、高電圧直流電源で駆動される発光ダイオードが提供される。また、前記LEDアレイが逆並列で接続され、高圧交流電源によって駆動可能な単一チップ発光素子が提供される。
【0009】
しかし、前記発光素子は、成長基板として用いられた基板、例えば、サファイア基板上に発光セルを形成するので、発光セルの構造に制限があり、光抽出効率を向上させるのに限界があった。このような問題点を解決するために、基板分離工程を適用し、AC‐LEDを製造する方法が、「熱伝導性基板を有する発光ダイオード及びその製造方法」との名称で、特許文献2に開示されている。
【0010】
上述した従来技術によると、基板を多様に選択することで、発光ダイオードの熱放出性能を改善することができ、N型半導体層の表面を処理することで、光抽出効率を向上させることができる。また、発光セルから基板側に進行する光を反射金属層を用いて反射させるので、光抽出効率をさらに改善することができる。
【0011】
しかしながら、上述した従来技術は、前記半導体層及び金属層をパターニングする間、金属物質のエッチング副産物が、発光セルの側壁に付着し、N型半導体層とP型半導体層との間に電気的短絡をもたらしてしまう。また、前記半導体層をエッチングする間、露出する金属層の表面がプラズマによって損傷しやすい。金属層が、AgまたはAlのような反射金属層を有する場合、このようなエッチング損傷はさらに悪化する。プラズマによる金属層の表面の損傷は、その上に形成される配線または電極パッドの接着力を低下させ、素子不良を招くことがある。
【0012】
さらに、発光セル間の空間に露出した反射金属層は、エッチング損傷が発生し、外部に露出することにより酸化されやすい。特に、露出した反射金属層の酸化は、露出した部分に限定されず、発光セルの下方の領域に進行し、反射金属層の反射率を低下させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際特許公開WO2004/023568(A1)号
【特許文献2】韓国特許登録第10−0599012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
また、他の目的は、優れた結晶性を有し、製造費用を節約することができる複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
また、他の目的は、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止することができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
さらに、他の目的は、反射金属層がエッチングまたは酸化によって劣化することを防止することができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法を提供する。
【0019】
本発明による複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法は、窒化物半導体層が、サファイア基板または炭化珪素基板のc面上で先に成長することを利用する。
【0020】
具体的に、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上部表面がr面、a面またはm面を有するサファイアまたは炭化珪素の第1の基板を用意し、前記第1の基板は、その上部表面上に前記第1の基板を露出させる開口部を有するストライプ状の成長防止パターン、及び前記成長防止パターンの前記開口部の下方に配置され、側壁がc面であるリセス領域を有し、前記リセス領域を有する前記第1の基板上に窒化物半導体層を成長させ、前記窒化物半導体層は、前記リセス領域の側壁から先に成長されて、前記リセス領域を充填すると共に、前記成長防止パターンを覆い、前記窒化物半導体層をパターニングして、互いに分離された発光セルを形成することを含む。特に、少なくとも前記側壁間の中間領域及び前記成長防止パターンの中間領域に沿って前記窒化物半導体層が除去される。
【0021】
ここで、「非極性」発光セルは、圧電電界による分極電界が引き起こされない窒化物半導体で形成された発光セルを意味するが、特に断りの無い限り、「半極性」窒化物半導体で形成された発光セルを含む。また、「非極性窒化物半導体」も半極性窒化物半導体に含まれる。
【0022】
前記方法によると、窒化物半導体は、前記各リセス領域の側壁から先に成長され、次に前記第1の基板の側面に成長される。側壁から成長し始めた窒化物半導体は、前記側壁間の中間領域及び前記成長防止パターンの中間領域で当接することになる。従って、これらの中間領域上で、転位のような結晶欠陥が生成するが、これらの転位が前記窒化物半導体層をパターニングする間に除去される。
【0023】
従って、結晶性に優れた複数の非極性発光セルが得られ、これらの発光セルを用いて多様な発光素子を提供することができる。
【0024】
一方、前記窒化物半導体層は、第1の導電型半導体層、活性層、及び第2の導電型半導体層を有する。さらに、前記活性層は、多重量子井戸構造を有してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記分離された発光セル上に透明電極層が形成されてもよい。前記透明電極層は、互いに電気的に接続されてもよい。前記第1の基板は、導電性炭化珪素であってもよく、これにより、前記発光セルを並列で接続した発光素子が提供される。
【0026】
また他の実施形態において、前記分離された発光セル上に反射金属層が形成されてもよい。前記反射金属層が形成された発光セルを、第2の基板上にバンプを介してボンディングしてもよい。前記第1の基板は、導電性炭化珪素であってもよく、これにより、前記発光セルを前記第2の基板上にフリップボンディングした発光素子が提供される。
【0027】
一方、前記互いに分離された発光セルは、それぞれ、第1の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層の一部領域上に配置される第2の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層と前記第2の導電型半導体層との間に介在された活性層と、を有する。このような発光セルはメサエッチング工程によって得られる。
【0028】
これに加えて、一つの発光セルの前記第1の導電型半導体層と、それに隣り合う発光セルの前記第2の導電型半導体層とを電気的に接続する配線が形成されてもよい。前記配線によって、前記非極性発光セルを直列、並列、直並列、逆並列等に電気的に接続してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記配線を形成する前に、前記発光セル上に透明電極層を形成してもよい。また、前記配線を形成する前に、前記発光セルの側面を覆う絶縁層を形成してもよい。
【0030】
一方、前記絶縁層を形成するステップは、前記発光セル間の空間を充填し、前記第1の導電型半導体層の上部面の下方に配置される第1の絶縁層を形成し、前記第1の絶縁層上で、前記発光セルの側面を覆う第2の絶縁層を形成することを含んでもよい。前記発光セル間の空間を前記第1の絶縁層で充填することにより、発光セル間の段差を減少させることができ、連続する工程を容易に進行することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記配線によって互いに接続された発光セルを第2の基板上にボンディングしてもよい。前記発光セルは、前記第1の基板上で、単一のチップに分離した後、前記第2の基板上にボンディングしてもよい。これにより、発光セルがフリップボンディングされたフリップチップが提供される。これとは異なり、前記発光セルは、前記第1の基板上で、単一のチップに分離される前に、前記第2の基板上にボンディングされてもよい。その後、前記発光セルは、前記第2の基板と一緒に単一のチップに分離してもよい。
【0032】
また、前記ボンディングするステップは、前記配線及び前記発光セルを覆う層間絶縁層を形成し、前記層間絶縁層上に前記第2の基板をボンディングすることを含んでもよい。前記発光セルに電源を供給するためのパッドは、前記層間絶縁層を介して前記第2の基板の電極パッドに電気的に接続してもよい。
【0033】
さらに、前記第2の基板をボンディングした後、前記第1の基板を除去し、前記第1の導電型半導体層を露出させてもよい。この際、前記成長防止パターンも一緒に除去されてもよく、前記第1の導電型半導体層は、平坦化されてもよい。また、前記露出した第1の導電型半導体層上に粗面を形成してもよい。前記第1の基板を除去し、粗面を形成することにより、光抽出効率をさらに向上させることができる。
【0034】
一方、メサエッチングによって形成された前記発光セルが、前記第2の基板上にバンプを介してボンディングされてもよい。前記バンプは、それぞれ、前記第1の導電型半導体層及び前記第2の導電型半導体層に電気的に接続されてもよい。また、前記第2の基板は、電極パターンを有してもよく、前記発光セルは、前記電極パターンによって電気的に接続されてもよい。例えば、前記発光セルは、前記バンプ及び前記電極パターンを介して互いに直列に接続されてもよい。さらに、前記第1の基板を除去し、前記第1の導電型半導体層を露出させ、前記露出した第1の導電型半導体層上に粗面を形成してもよい。
【0035】
本発明の他の態様に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法は、上部表面がr面、a面またはm面を有するサファイアまたは炭化珪素の第1の基板を用意し、前記第1の基板は、その上部表面上に前記第1の基板を露出させる開口部を有するストライプ状の成長防止パターン、及び前記成長防止パターンの前記開口部の下方に配置され、側壁がc面であるリセス領域を有し、前記リセス領域を有する前記第1の基板上に、第1の導電型半導体層と、第2の導電型半導体層とを有する窒化物半導体層を成長させ、前記窒化物半導体層は、前記リセス領域の側壁から先に成長されて、前記リセス領域を充填すると共に、前記成長防止パターンを覆い、前記窒化物半導体層上にエッチング防止層を形成し、前記エッチング防止層は、前記第2の導電型半導体層を露出させる開口部を有し、少なくとも前記側壁間の中間領域及び前記成長防止パターンの中間領域上の前記窒化物半導体層を覆い、前記エッチング防止層の前記開口部を充填し、前記エッチング防止層の上面に延びた延長部を有する電極を形成し、前記電極上に層間絶縁層を形成し、前記層間絶縁層上に第2の基板をボンディングし、前記第1の基板及び前記成長防止パターンを除去して、前記第1の導電型半導体層を露出させ、前記エッチング防止層が露出するように前記窒化物半導体層をパターニングして、互いに離隔した複数の発光セルを形成することを含む。
【0036】
これによると、成長基板として用いられた前記第1の基板を除去する工程と、複数の発光セルを互いに分離する工程が提供される。特に、前記エッチング防止層によって、前記発光セルを互いに分離する間、金属エッチング副産物の発生を抑制することができる。
【0037】
一方、前記発光セルを覆い、前記第1の導電型半導体層の上面の少なくとも一部を露出させる側面絶縁層を形成すると共に、前記エッチング防止層をパターニングして前記電極を露出させる開口部を形成し、前記第1の導電型半導体層と前記露出した電極を接続する配線を形成してもよい。これにより、前記発光セルを配線によって直列に接続して直列アレイを提供することができ、このような直列アレイを用いて、高電圧直流電源または高電圧交流電源で駆動される発光素子を提供することができる。
【0038】
さらに、前記第1の導電型半導体層上に粗面を形成することにより、光抽出効率を向上させることができる。
【0039】
本発明はさらに、複数の非極性発光セルを有する発光素子を提供し、前記発光素子は、リセス領域の側壁から先に成長される窒化物半導体を用いて提供される。
【0040】
具体的に、本発明の一態様による複数の非極性発光セルを有する発光素子は、ストライプ状のリセス領域を有し、前記リセス領域の側壁はc面であるサファイアまたは炭化珪素の第1の基板と、前記第1の基板上で、分離領域によって互いに離隔した複数の非極性発光セルと、を備える。ここで、前記分離領域は、少なくとも前記リセス領域の側壁間の中間領域、及び前記リセス領域間の中間領域を含む。
【0041】
前記第1の基板の上面は、r面、a面またはm面であってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、第2の基板と、前記発光セルと前記第2の基板との間に介在されたバンプとをさらに備えてもよい。このような発光素子は、複数の非極性発光セルが第2の基板、例えば、サブマウント基板にフリップボンディングされたフリップチップとして提供される。また、前記バンプと前記発光セルとの間に反射層が介在されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記複数の非極性発光セルは、それぞれ、第1の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層の一部領域上に配置される第2の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層と第2の導電型半導体層との間に介在された活性層と、を有してもよい。このような発光セルは、メサエッチング工程によって提供される。さらに、前記発光セルは配線により電気的に接続してもよい。
【0044】
一方、前記配線は、前記発光セルを並列に接続する配線及び/または直列に接続する配線を含んでもよい。
【0045】
また、絶縁層は、前記発光セルの側面を覆い、前記発光セルの前記第2の導電型半導体層を露出させる開口部を有してもよい。前記絶縁層は、前記発光セルの前記第1の導電型半導体層を露出させる開口部をさらに有してもよい。前記配線は、前記絶縁層の開口部を通じて前記発光セルに電気的に接続されてもよい。また、前記絶縁層によって前記発光セルと前記配線の電気的短絡が防止される。
【0046】
いくつかの実施形態において、前記絶縁層は、前記発光セル間の分離領域を充填し、前記第1の導電型半導体層の上部面の下方に配置される第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上で、前記各発光セルの側面を覆う第2の絶縁層と、を有してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、さらに、第2の基板と、前記配線によって電気的に接続された発光セルと前記第2の基板との間に介在された層間絶縁層と、を備えてもよい。
【0048】
また他の実施形態において、前記発光素子は、電極パターンを有する第2の基板と、前記発光セルと前記電極パターンとの間に介在されたバンプと、をさらに備えてもよい。前記発光セルは、前記バンプ及び前記電極パターンによって互いに電気的に接続される。
【0049】
本発明の他の態様による発光素子は、成長基板で成長された窒化物半導体層を分離して発光セルを形成した後、成長基板を除去することにより提供される。具体的には、前記発光素子は、基板と、前記基板の上部に互いに離隔して配置される複数の非極性発光セルであり、それぞれ、第1の導電型上部半導体層、活性層、及び第2の導電型下部半導体層を有する発光セルと、前記発光セルの前記第1の導電型上部半導体層間の空間を充填する絶縁層と、前記発光セルと前記絶縁層の下方で前記発光セルを互いに電気的に接続する配線と、前記配線を覆い、前記基板と前記発光セルとの間に介在された層間絶縁層と、を備える。
【0050】
一方、前記配線は、前記発光セルを直列接続する配線及び/または並列接続する配線を有してもよい。
【0051】
また、前記第1の導電型上部半導体層上に、粗面を形成してもよい。
【0052】
本発明のまた他の態様による発光素子は、成長基板で成長された窒化物半導体層を成長基板から分離した後、発光セルを互いに分離することにより提供される。具体的には、前記発光素子は、基板と、前記基板の上部に互いに離隔して配置され、それぞれ、第1の導電型上部半導体層、活性層、及び第2の導電型下部半導体層を有する複数の非極性発光セルと、前記基板と前記複数の非極性発光セルとの間に互いに離隔して配置され、対応する前記第2の導電型下部半導体層にそれぞれ電気的に接続され、それぞれ隣り合う非極性発光セル側に延びた延長部を有する電極と、前記複数の非極性発光セル間の領域と前記電極との間に配置され、少なくとも一部が隣り合う非極性発光セルの周縁の下方に延びており、前記電極の延長部を露出させる開口部を有するエッチング防止層と、前記複数の非極性発光セルの側面を覆う側面絶縁層と、前記側面絶縁層によって前記複数の非極性発光セルの側面から離隔され、それぞれ、一端部は、一つの前記非極性発光セルの前記第1の導電型上部半導体層に電気的に接続され、他端部は、前記エッチング防止層の開口部を通じて、隣り合う前記非極性発光セルの前記第2の導電型下部半導体層に電気的に接続された電極に電気的に接続された配線と、を備える。
【0053】
さらに、前記発光素子は、前記基板と前記電極との間に介在された層間絶縁層をさらに備えてもよい。また、前記電極は、それぞれ反射層及び保護金属層を有してもよく、前記反射層は、前記第2の導電型下部半導体層の下部領域内に限定し、前記保護金属層は、前記反射層の側面及び下部面を覆ってもよい。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、複数の非極性発光セルを有する発光素子を提供することができる。特に、サファイア基板または炭化珪素基板のc面を成長面として用いるので、優れた結晶性を有し、製造費用を節約可能な発光素子を提供することができる。さらに、発光セルを分離する間、金属の露出を防止し、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止し、反射金属層がエッチングまたは酸化によって変形することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図19】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、添付した図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳述する。以下に紹介される実施形態は、本発明の思想を当業者に充分伝達するために、例として提供されるものである。従って、本発明は、後述する実施形態に限定されず、他の形態に具体化され得る。なお、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、説明の便宜のために誇張して表現されることもある。明細書の全体にわたって、同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0057】
本発明に係る発光素子の製造方法は、基板のリセス領域の側壁がc面となるように基板を部分エッチングし、前記側壁面から先に成長させて、前記基板を覆う窒化物半導体層を形成し、前記窒化物半導体層をパターニングし、複数の非極性発光セルを形成することを含む。この方法において、前記窒化物半導体層の成長段階で、成長技法によって必然的に結晶欠陥が特定の位置で発生し、これらの結晶欠陥は、窒化物半導体層をパターニングする間に除去される。
【0058】
図1〜図5は、本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを形成する方法を説明するための断面図である。
【0059】
図1を参照すると、基板21上に成長防止パターン23が形成される。前記基板21は、サファイア基板または炭化珪素基板であってもよく、その上部面は、通常の窒化物半導体成長面であるc面(0001)と異なる面であり、好ましくは、r面(1‐102)、a面(11‐20)、m面(1‐100)である。これらの面は、c面に対して一定の交差角をなす。例えば、r面はc面に対して90°未満の交差角をなし、a面及びm面は直交する交差角をなす。前記基板21は、必要に応じて、導電性炭化珪素基板、または、絶縁性の炭化珪素基板またはサファイア基板であってもよい。
【0060】
前記成長防止パターン23は、窒化物半導体が基板21で成長することを防止し、例えば、シリコン酸化物またはシリコン窒化物で形成される。成長防止パターン23は、基板21を露出させる開口部を有し、ストライプ状に形成される。
【0061】
図2を参照すると、前記成長防止パターン23によって露出した基板21がエッチングされ、ストライプ状のリセス領域21aが形成される。リセス領域21aは、成長防止パターン23をエッチングマスクとして用い、基板21をエッチングすることにより形成される。前記エッチングによって、イオンが最も密集しているc面が、リセス領域の側壁を形成する。
【0062】
この実施形態において、成長防止パターン23がリセス領域21aを形成するためのエッチングマスクとして用いられるものと説明しているが、他のエッチングマスクを用いてリセス領域21aを形成し、その後、前記基板21上に成長防止パターン23を形成してもよい。また、成長防止パターン23上に他の物質、例えば、フォトレジストのような物質でエッチングマスクをさらに形成してもよい。
【0063】
図3を参照すると、前記リセス領域21aを有する基板21上に第1の導電型窒化物半導体層25が成長される。第1の導電型窒化物半導体層25を成長させる前に、窒化物の核層及び/またはバッファ層(図示せず)が基板21上に先に成長されてもよい。
【0064】
前記第1の導電型窒化物半導体層25は、リセス領域21aの側壁であるc面から先に成長される。また、成長防止パターン23によって、基板21の上部面から成長されることは抑制される。各側壁で成長された窒化物半導体層25は、成長を継続するにつれて、リセス領域21aの中間領域で当接し、これにより、リセス領域21aの中間領域に貫通転位のような結晶欠陥が生成される。また、側壁で成長された窒化物半導体層25は、成長を継続するにつれて、成長防止パターン23上で側面成長し、従って、成長防止パターン23の中間領域上において、貫通転位のような結晶欠陥が生成される。
【0065】
窒化物半導体層25が成長するにつれて、成長面が当接して結晶欠陥が生成する位置が、リセス領域21aの中間領域と成長防止パターン23の中間領域となるように、前記成長防止パターン23の幅とリセス領域21aの幅が選択される。
【0066】
前記第1の導電型半導体層25が基板21の上部を覆うと、その後に成長される窒化物半導体は、基板の上部を覆う第1の導電型窒化物半導体層の成長面に沿って成長される。前記成長面は、リセス領域21aの側壁であるc面に対して基板21の上部面と同一の交差角をなすので、基板21の上部面と同一の面となり、これにより、非極性窒化物半導体層が形成される。
【0067】
図4を参照すると、前記第1の導電型半導体層25上に、活性層27及び第2の導電型窒化物半導体層29が成長される。第1の導電型半導体層25、活性層27、及び第2の導電型半導体層29は、III‐N系化合物半導体で形成され、有機金属化学気相成長(MOCVD)法または分子線エピタキシー(MBE)法等の工程によって成長される。
【0068】
活性層27及び第2の導電型半導体層29は、第1の導電型半導体層25の成長面に沿って成長され、従って、非極性窒化物半導体層が成長される。この際、第1の導電型半導体層25に生成した結晶欠陥は、活性層27及び第2の導電型半導体層29に転写される。
【0069】
前記第1の導電型及び第2の導電型は、n型及びp型またはp型及びn型であってもよい。好ましくは、前記第1の導電型はn型であり、前記第2の導電型はp型である。
【0070】
前記活性層27は、多重量子井戸構造であってもよく、第1の導電型半導体層25及び第2の導電型半導体層29は、単一層に限定されず、多重層であってもよい。
【0071】
図5を参照すると、前記第1の導電型半導体層25、活性層27、及び第2の導電型半導体層29を有する窒化物半導体層がパターニングされ、複数の発光セル30が形成される。この際、リセス領域21aの側壁間の中間領域及び成長防止パターン23上の中間領域に位置する窒化物半導体層が除去される。
【0072】
すなわち、基板21上で、窒化物半導体層が除去された分離領域によって複数の非極性発光セルが互いに離隔する。この際、前記分離領域は、前記リセス領域21aの側壁間の中間領域及び前記リセス領域21a間の中間領域を含む。これにより、リセス領域21aの側壁から成長した窒化物半導体層が当接して生成される結晶欠陥が除去される。
【0073】
前記発光セル30は、リセス領域21aに沿って長い形状を有してもよい。これとは異なり、リセス領域21aを横切る領域において窒化物半導体層が除去されてもよく、リセス領域21aに沿って互いに離隔した複数の発光セル30が形成されてもよい。
【0074】
このような発光セル30を配線を介して電気的に接続することにより、多様な回路を構成することができ、サブマウントまたはボンディング基板等に発光セルを付着することにより、フリップチップまたは成長基板が分離された発光素子等、複数の非極性発光セルを有する多様な発光素子が提供される。
【0075】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0076】
図6を参照すると、各発光セル30上に反射金属層31が形成される。前記反射金属層31は、例えばAgまたはAlで形成されてもよい。また、各発光セル30の一部領域上に反射金属層31が形成され、前記反射金属層31を覆う保護金属層(図示せず)が形成されてもよい。
【0077】
前記反射金属層31上にバンプ33を介して第2の基板35がボンディングされる。前記第2の基板35は、例えばサブマウント基板であってもよく、内部に電気回路を有してもよい。一方、前記基板21は、導電性炭化珪素基板であってもよく、前記基板21の下部面には、電極37パッドが形成されてもよい。これにより、サブマウント基板35上に非極性発光セル30がフリップボンディングされたフリップチップが提供される。前記フリップチップは、前記基板21上に複数の発光セル30を形成し、基板21を単一チップに分離した後、分離されたチップをサブマウント基板35にボンディングすることにより形成される。
【0078】
図7〜図10は、本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0079】
図7を参照すると、図1〜図4を参照して上述したように、基板21上に窒化物半導体層25、27、29を成長させる。その後、前記窒化物半導体層25、27、29をエッチングし、互いに分離された発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を形成する。この際、前記第2の導電型半導体層29及び活性層27の一部分が除去されることにより、第1の導電型半導体層25が露出する。すなわち、前記発光セルは、それぞれ、第1の導電型半導体層25、前記第1の導電型半導体層25の一部領域上に配置された第2の導電型半導体層29、及び前記第1の導電型半導体層25と第2の導電型半導体層29との間に介在された活性層27を有する。前記第1の導電型半導体層25の一部領域を露出させる工程は、メサエッチング工程として知られている。
【0080】
図8を参照すると、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4間の空間を充填する第1の絶縁層41が形成される。第1の絶縁層41は、前記第1の導電型半導体層25の上部面の下方に配置される。第1の絶縁層41は、例えば、SOG(Spin On Glass)等の工程により絶縁物質で形成されてもよい。絶縁物質を発光セル上に塗布または蒸着して形成された後、第1の導電型半導体層25の上部面が露出するように、前記絶縁物質を部分的に除去して、第1の絶縁層41が形成される。前記第1の絶縁層41は、発光セル間の段差を減少させるために形成され、または省略されてもよい。
【0081】
図9を参照すると、前記第1の絶縁層41上で、前記発光セルの側面を覆う第2の絶縁層45が形成される。第2の絶縁層45は、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4の上部を露出させる開口部を有し、また、第1の導電型半導体層25の上部面を露出させる開口部を有する。第1の絶縁層41が省略された場合、第2の絶縁層がリセス領域21a内の第1の導電型半導体層25の側面を覆う。
【0082】
一方、前記発光セル上に、例えば、第2の導電型半導体層29上に透明電極層43が形成される。透明電極層43は、第2の絶縁層45を形成する前に形成されてもよい。透明電極層43は、例えば、ITOのような透明酸化膜またはNi/Auのような透明金属で形成されてもよい。
【0083】
図10を参照すると、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を接続する配線47が形成される。前記配線47を介して発光セルを直列に接続することにより直列アレイが形成される。前記配線47によって、少なくとも二つの直列アレイが逆並列に接続されてもよい。これにより、高電圧交流電源下で駆動される交流駆動型の発光素子が提供される。また、前記配線47は、発光セルを並列接続する配線を含んでもよい。前記配線47によって、発光セルが多様な回路で接続される。このような配線47を用いた接続によって、交流電源下または直流電源下で駆動される多様な発光素子が提供される。
【0084】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0085】
図11を参照すると、図10の配線47が形成された後、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を覆う層間絶縁層49が形成される。前記層間絶縁層49は、発光セルが互いに短絡することを防止する。一方、前記層間絶縁層49上に第2の基板50がボンディングされる。
【0086】
前記第2の基板50は、サブマウント基板であってもよく、従って、フリップチップ形態の発光素子が提供される。前記サブマウント基板は、電極パッドを有してもよく、発光セルに電源を供給するためのパッド(図示せず)が層間絶縁層49を通じて、前記サブマウント基板上の電極パッドに電気的に接続される。この場合、発光セルから放出された光は、基板21側に放出される。従って、図9の透明電極層43の代わりに反射金属層43aが形成されることが好ましい。
【0087】
一方、層間絶縁層49は省略されてもよく、バンプを介して前記発光セルがサブマウント基板にボンディングされてもよい。
【0088】
図12は、本発明の第4の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0089】
図12を参照すると、図11の第2の基板50がボンディングされた後、基板21が除去される。基板21は、ポリッシング工程またはエッチング工程によって除去される。この際、前記成長防止パターン23も一緒に除去され、第1の導電型半導体層25の下部面が露出する。前記第1の導電型半導体層25は、平坦化されてもよい。
【0090】
前記第2の基板50を下向きにし、第1の導電型半導体層25を上向きにすると、光が放出される発光素子となる。従って、第1の導電型半導体層25が上部半導体層となり、第2の導電型半導体層29が下部半導体層となる。一方、第1の絶縁層41は、第1の導電型半導体層25間の空間を充填し、配線47は、発光セルと第1の絶縁層41の下方に配置される。
【0091】
これに加えて、前記露出した第1の導電型半導体層25の露出面に粗面Rが形成されてもよい。粗面Rは、PEC(光電気化学)エッチング等によって形成される。
【0092】
図13は、本発明の第5の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0093】
図13を参照すると、図8の第1の絶縁層41が形成された後、図6を参照して説明したように、発光セル上に反射層43aが形成される。一方、第2の基板50は、電極パターン50aを有する。前記電極パターン50aは、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4に対応して形成される。
【0094】
前記発光セルと電極パターン50aが、バンプ33を介して電気的に接続される。この際、一つの発光セル、例えば、発光セルLS1の第1の導電型半導体層25及び第2の導電型半導体層29は、隣り合う電極パターン50aにそれぞれ接続される。このような接続によって、発光セルをバンプ33と電極パターン50aを用いて直列に接続することができる。
【0095】
これとは異なり、第1の導電型半導体層25を互いに電気的に接続し、第2の導電型半導体層29を互いに電気的に接続して、発光セルを並列に接続してもよい。
【0096】
図14〜図20は、本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。上述した発光素子は、基板21上で発光セルを分離するものであるが、ここでは、窒化物半導体層を基板21から分離した後、発光セルを分離することが異なる。また、金属エッチング副産物の発生を防止する工程を述べる。
【0097】
図14を参照すると、図4の窒化物半導体層25、27、29、例えば、第2の導電型半導体層29上にエッチング防止層51が形成される。エッチング防止層51は、前記リセス領域の側壁間の中間領域及び前記成長防止パターン23の中間領域上の前記窒化物半導体層を覆う。また、エッチング防止層51は、前記成長防止パターン23を横切る領域を覆って、第2の導電型半導体層29を露出させる開口部が形成される。前記開口部は、以降形成される発光セルの領域上に、各発光セルの領域に対応して形成され、発光セルの領域よりも小さな面積で形成される。
【0098】
エッチング防止層51は、第2の導電型半導体層29上にシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜のような絶縁層を形成し、エッチング防止層51は、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いてパターニングすることにより形成される。
【0099】
図15を参照すると、前記開口部内に反射層53aが形成される。反射層53aは、反射率の高い金属物質、例えば、Ag、Al、またはこれらの合金で形成されてもよく、屈折率の異なる層を積層して形成してもよい。前記反射層53aが金属層で形成される場合、めっきまたは蒸着技術を用いて形成されてもよく、例えば、リフトオフ工程を用いて形成されてもよい。一方、前記反射層53aの形成前に、第2の導電型半導体層29上にオームコンタクト層(図示せず)を形成してもよい。また、前記反射層53aを先に形成し、その後、前記エッチング防止層51を形成してもよい。
【0100】
次いで、前記反射層53aを覆う保護金属層53bを形成する。保護金属層53bは、それぞれエッチング防止層51の開口部を充填し、エッチング防止層51の上面に延びる。前記保護金属層53bは、互いに離隔して形成される。保護金属層53bは、単一層または多重層で形成されてもよく、例えば、Ni、Ti、Ta、Pt、W、Cr、Pd等で形成されてもよい。
【0101】
この実施形態において、前記反射層53aと保護金属層53bが、電極E1、E2、E3、E4を構成する。しかし、電極E1、E2、E3、E4は、これに限定されるものではなく、単一の金属層で形成されてもよい。例えば、前記反射層53aの形成を省略し、保護金属層53bのみで電極を構成してもよい。
【0102】
図16を参照すると、前記電極E1、E2、E3、E4上に層間絶縁層55が形成される。層間絶縁層55は、電極E1、E2、E3、E4を覆い、電極E1、E2、E3、E4間のギャップを充填する。層間絶縁層55の材質については特に限定されず、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成してもよい。
【0103】
前記層間絶縁層55上にボンディングメタル57が形成され、第2の基板61上にボンディングメタル59が形成される。前記ボンディングメタル57は、例えば、AuSn(80/20wt%)で形成されてもよい。前記第2の基板61は、特に限定されるものではないが、犠牲基板21と同一の熱膨張係数を有する基板であってもよく、例えば、サファイア基板であってもよい。
【0104】
前記ボンディングメタル57、59を互いに対向するようにボンディングすることで、第2の基板61が前記層間絶縁層55上にボンディングされる。
【0105】
図17を参照すると、前記基板21が除去され、前記第1の導電型半導体層25が露出する。基板21は、レーザリフトオフ(LLO)技術または他の機械的方法や化学的方法、例えば、ポリッシングまたはエッチング技術によって分離されてもよい。これにより、第1の導電型半導体層25が露出し、露出面は平坦化してもよい。
【0106】
図18を参照すると、前記窒化物半導体層25、27、29をパターニングすることにより、複数の発光セルLS1、LS2、LS3、LS4が形成される。前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4は、それぞれ、パターニングされた第1の導電型半導体層25、パターンニングされた活性層27、及びパターンニングされた第2の導電型半導体層29を有する。前記化合物半導体層は、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いてパターニングしてもよい。この際、前記エッチング工程によって、発光セル間の化合物半導体層が除去され、エッチング防止層51が露出する。前記エッチング防止層51は、エッチング工程の間、その下の電極E1、E2、E3、E4が露出することを防止する。このため、エッチング防止層51の上部の限定された領域においてエッチングが行われる。また、前記発光セルを分離する間、結晶欠陥が位置する窒化物半導体層が除去される。
【0107】
図19を参照すると、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4の側面を覆う側面絶縁層63が形成される。前記側面絶縁層63は、発光セルを覆う絶縁層を形成した後、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いてパターニングすることにより形成される。前記側面絶縁層63は、例えば、SiO2、SiN、MgO、TaO、TiO2、またはポリマーで形成されてもよい。側面絶縁層63は、発光セルの側面に露出した前記第1の導電型半導体層125、活性層127、及び第2の導電型半導体層29を覆う。側面絶縁層63は、さらに、図示のように、側面絶縁層63は、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4の上面の一部を覆ってもよい。さらには、側面絶縁層63は、前記エッチング防止層51上に延びてもよい。一方、前記側面絶縁層63を形成する間、またはその後、エッチング防止層51内に電極E1、E2、E3、E4の延長部を露出させる開口部51aが形成される。
【0108】
図20を参照すると、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を電気的に接続する配線65が形成される。前記配線65は、前記発光セルを直列に接続する。例えば、前記配線65は、発光セルLS1の第1の導電型半導体層25と、発光セルLS2の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E2とを電気的に接続し、発光セルLS2の第1の導電型半導体層25と、発光セルLS3の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E3とを電気的に接続し、発光セルLS3の第1の導電型半導体層25と、発光セルLS4の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E4とを電気的に接続する。これにより、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4が直列に接続されたアレイが形成される。
【0109】
前記配線65のそれぞれは、その一端部が、一つの発光セル、例えば、発光セルLS1の第1の導電型半導体層25に電気的に接続され、他端部は、それに隣接した他の発光セル、例えば、発光セルLS2の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E2に電気的に接続される。
【0110】
前記配線65によって、基板61の上部に少なくとも二つの直列アレイが形成され、これらのアレイが互いに逆並列接続されることにより、交流電源によって駆動されてもよい。これとは異なり、基板上で、配線によって直列アレイが形成され、前記直列アレイが前記基板上に形成されたブリッジ整流器に接続されることにより、交流電源によって駆動され得る。ブリッジ整流器は、配線によって発光セルを接続して形成してもよい。また、前記発光セルの直列アレイを高電圧直流電源下で駆動してもよい。
【0111】
前記配線65の形成前に、配線の接着力またはオーミックコンタクト特性を向上させるために、パッド(図示せず)が、第1の導電型半導体層25及び/または電極E1、E2、E3、E4上に形成されてもよい。
【0112】
前記配線65は、さらに前記発光セルの第1の導電型半導体層25を互いに接続する。この際、前記電極E1、E2、E3、E4は、互いに接続されてもよい。これにより、複数の発光セルが並列接続された発光素子が提供される。
【0113】
一方、前記発光セル上の第1の導電型半導体層25に、PEC(光電気化学)エッチング等によって、粗面Rが形成されてもよい。前記粗面Rの形成は、配線の形成前に行われてもよい。
【0114】
本発明によれば、複数の非極性発光セルを有する発光素子を提供することができる。特に、サファイア基板または炭化珪素基板のc面を成長面として用いるので、優れた結晶性を有し、製造費用を節約可能な発光素子を提供することができる。さらに、発光セルを分離する間、金属の露出を防止し、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止し、反射金属層がエッチングまたは酸化によって変形することを防止することができる。
【0115】
以上、本発明についていくつかの実施形態を挙げて説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されず、当業者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な変形及び変更が可能である。このような変形及び変更は、下記の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0116】
21 基板
23 成長防止パターン
25 第1の導電型半導体層
27 活性層
29 第2の導電型半導体層
30 発光セル
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及びその製造方法に関し、より詳しくは、複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム系発光ダイオードは、表示素子及びバックライトとして広く用いられている。また、発光ダイオードは、既存の電球または蛍光灯に比べて低消耗電力で長寿命であり、白熱電球及び蛍光灯を代替して一般照明用途として、その使用領域を広げている。
【0003】
一般に、窒化ガリウム系窒化物半導体は、サファイアまたは炭化珪素のような異種基板上に成長される。窒化物半導体は、主にこのような基板のc面(0001)上に成長され、圧電特性を示す。圧電特性によって多重量子井戸構造の活性領域において強い分極電界が引き起こされる。従って、発光層の厚さを増加させることが困難であり、発光再結合率が減少され、発光出力を向上させるのに限界があった。
【0004】
最近、このような分極電界の誘発を防止するために、c面サファイア基板上に成長された窒化ガリウム結晶を切り出し、c面以外の結晶面、例えば、a面(11‐20)またはm面(1‐100)を有する窒化ガリウム基板に加工し、これを窒化物半導体の成長基板として用い、または、m面炭化珪素基板を成長基板として用いて、a面窒化物半導体を成長させる技術が研究されている。a面またはm面で成長された窒化物半導体は、非極性または半極性の特性を有する。従って、分極電界を示す極性発光ダイオードに比べて光出力が向上するものと期待される。
【0005】
しかし、サファイア基板上に成長された窒化ガリウム基板を用いて、窒化物半導体を成長させることは費用が多くかかり、さらに、c面窒化物半導体に比べて優れた結晶性を有する窒化物半導体を得ることが容易ではなかった。特に、大電流を用いる高出力発光ダイオードの場合、c面窒化物半導体に比べて非極性または半極性発光ダイオードの出力が相対的に低い発光出力を示している。
【0006】
一方、発光ダイオードは、一般に、順方向電流によって光を放出し、直流電流の供給を必要とする。順方向電流下で動作する発光ダイオードの特性を考慮し、複数の発光セルを逆並列で接続し、または、ブリッジ整流器を用いて、交流電源下で複数の発光セルを動作させる技術が開発されており、製品化されていることが実状である。また、単一基板上に複数の発光セルを形成し、これらを直列及び並列接続することにより、高電圧直流電源下で高出力及び高効率の光を出力することができる発光ダイオードが開発されている。このような発光ダイオードは、単一基板上に複数の発光セルを形成し、これらの発光セルを配線を介して接続することにより、交流または直流電源下で高出力及び高効率の光を放出することができる。
【0007】
複数の発光セルを用いて、高電圧の交流または直流電源に接続して使用可能な発光ダイオードは、例えば、特許文献1に「発光成分を有する発光素子」(LIGHT-EMITTING DEVICE HAVING LIGHT-EMITTING ELEMENTS)が開示されている。
【0008】
前記特許文献1によると、LEDが、サファイア基板のような単一絶縁性基板上に、二次元的に連結されたLEDアレイが形成される。このようなLEDアレイによって、高電圧直流電源で駆動される発光ダイオードが提供される。また、前記LEDアレイが逆並列で接続され、高圧交流電源によって駆動可能な単一チップ発光素子が提供される。
【0009】
しかし、前記発光素子は、成長基板として用いられた基板、例えば、サファイア基板上に発光セルを形成するので、発光セルの構造に制限があり、光抽出効率を向上させるのに限界があった。このような問題点を解決するために、基板分離工程を適用し、AC‐LEDを製造する方法が、「熱伝導性基板を有する発光ダイオード及びその製造方法」との名称で、特許文献2に開示されている。
【0010】
上述した従来技術によると、基板を多様に選択することで、発光ダイオードの熱放出性能を改善することができ、N型半導体層の表面を処理することで、光抽出効率を向上させることができる。また、発光セルから基板側に進行する光を反射金属層を用いて反射させるので、光抽出効率をさらに改善することができる。
【0011】
しかしながら、上述した従来技術は、前記半導体層及び金属層をパターニングする間、金属物質のエッチング副産物が、発光セルの側壁に付着し、N型半導体層とP型半導体層との間に電気的短絡をもたらしてしまう。また、前記半導体層をエッチングする間、露出する金属層の表面がプラズマによって損傷しやすい。金属層が、AgまたはAlのような反射金属層を有する場合、このようなエッチング損傷はさらに悪化する。プラズマによる金属層の表面の損傷は、その上に形成される配線または電極パッドの接着力を低下させ、素子不良を招くことがある。
【0012】
さらに、発光セル間の空間に露出した反射金属層は、エッチング損傷が発生し、外部に露出することにより酸化されやすい。特に、露出した反射金属層の酸化は、露出した部分に限定されず、発光セルの下方の領域に進行し、反射金属層の反射率を低下させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際特許公開WO2004/023568(A1)号
【特許文献2】韓国特許登録第10−0599012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
また、他の目的は、優れた結晶性を有し、製造費用を節約することができる複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
また、他の目的は、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止することができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
さらに、他の目的は、反射金属層がエッチングまたは酸化によって劣化することを防止することができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、複数の非極性発光セルを有する発光素子及びその製造方法を提供する。
【0019】
本発明による複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法は、窒化物半導体層が、サファイア基板または炭化珪素基板のc面上で先に成長することを利用する。
【0020】
具体的に、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上部表面がr面、a面またはm面を有するサファイアまたは炭化珪素の第1の基板を用意し、前記第1の基板は、その上部表面上に前記第1の基板を露出させる開口部を有するストライプ状の成長防止パターン、及び前記成長防止パターンの前記開口部の下方に配置され、側壁がc面であるリセス領域を有し、前記リセス領域を有する前記第1の基板上に窒化物半導体層を成長させ、前記窒化物半導体層は、前記リセス領域の側壁から先に成長されて、前記リセス領域を充填すると共に、前記成長防止パターンを覆い、前記窒化物半導体層をパターニングして、互いに分離された発光セルを形成することを含む。特に、少なくとも前記側壁間の中間領域及び前記成長防止パターンの中間領域に沿って前記窒化物半導体層が除去される。
【0021】
ここで、「非極性」発光セルは、圧電電界による分極電界が引き起こされない窒化物半導体で形成された発光セルを意味するが、特に断りの無い限り、「半極性」窒化物半導体で形成された発光セルを含む。また、「非極性窒化物半導体」も半極性窒化物半導体に含まれる。
【0022】
前記方法によると、窒化物半導体は、前記各リセス領域の側壁から先に成長され、次に前記第1の基板の側面に成長される。側壁から成長し始めた窒化物半導体は、前記側壁間の中間領域及び前記成長防止パターンの中間領域で当接することになる。従って、これらの中間領域上で、転位のような結晶欠陥が生成するが、これらの転位が前記窒化物半導体層をパターニングする間に除去される。
【0023】
従って、結晶性に優れた複数の非極性発光セルが得られ、これらの発光セルを用いて多様な発光素子を提供することができる。
【0024】
一方、前記窒化物半導体層は、第1の導電型半導体層、活性層、及び第2の導電型半導体層を有する。さらに、前記活性層は、多重量子井戸構造を有してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記分離された発光セル上に透明電極層が形成されてもよい。前記透明電極層は、互いに電気的に接続されてもよい。前記第1の基板は、導電性炭化珪素であってもよく、これにより、前記発光セルを並列で接続した発光素子が提供される。
【0026】
また他の実施形態において、前記分離された発光セル上に反射金属層が形成されてもよい。前記反射金属層が形成された発光セルを、第2の基板上にバンプを介してボンディングしてもよい。前記第1の基板は、導電性炭化珪素であってもよく、これにより、前記発光セルを前記第2の基板上にフリップボンディングした発光素子が提供される。
【0027】
一方、前記互いに分離された発光セルは、それぞれ、第1の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層の一部領域上に配置される第2の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層と前記第2の導電型半導体層との間に介在された活性層と、を有する。このような発光セルはメサエッチング工程によって得られる。
【0028】
これに加えて、一つの発光セルの前記第1の導電型半導体層と、それに隣り合う発光セルの前記第2の導電型半導体層とを電気的に接続する配線が形成されてもよい。前記配線によって、前記非極性発光セルを直列、並列、直並列、逆並列等に電気的に接続してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記配線を形成する前に、前記発光セル上に透明電極層を形成してもよい。また、前記配線を形成する前に、前記発光セルの側面を覆う絶縁層を形成してもよい。
【0030】
一方、前記絶縁層を形成するステップは、前記発光セル間の空間を充填し、前記第1の導電型半導体層の上部面の下方に配置される第1の絶縁層を形成し、前記第1の絶縁層上で、前記発光セルの側面を覆う第2の絶縁層を形成することを含んでもよい。前記発光セル間の空間を前記第1の絶縁層で充填することにより、発光セル間の段差を減少させることができ、連続する工程を容易に進行することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記配線によって互いに接続された発光セルを第2の基板上にボンディングしてもよい。前記発光セルは、前記第1の基板上で、単一のチップに分離した後、前記第2の基板上にボンディングしてもよい。これにより、発光セルがフリップボンディングされたフリップチップが提供される。これとは異なり、前記発光セルは、前記第1の基板上で、単一のチップに分離される前に、前記第2の基板上にボンディングされてもよい。その後、前記発光セルは、前記第2の基板と一緒に単一のチップに分離してもよい。
【0032】
また、前記ボンディングするステップは、前記配線及び前記発光セルを覆う層間絶縁層を形成し、前記層間絶縁層上に前記第2の基板をボンディングすることを含んでもよい。前記発光セルに電源を供給するためのパッドは、前記層間絶縁層を介して前記第2の基板の電極パッドに電気的に接続してもよい。
【0033】
さらに、前記第2の基板をボンディングした後、前記第1の基板を除去し、前記第1の導電型半導体層を露出させてもよい。この際、前記成長防止パターンも一緒に除去されてもよく、前記第1の導電型半導体層は、平坦化されてもよい。また、前記露出した第1の導電型半導体層上に粗面を形成してもよい。前記第1の基板を除去し、粗面を形成することにより、光抽出効率をさらに向上させることができる。
【0034】
一方、メサエッチングによって形成された前記発光セルが、前記第2の基板上にバンプを介してボンディングされてもよい。前記バンプは、それぞれ、前記第1の導電型半導体層及び前記第2の導電型半導体層に電気的に接続されてもよい。また、前記第2の基板は、電極パターンを有してもよく、前記発光セルは、前記電極パターンによって電気的に接続されてもよい。例えば、前記発光セルは、前記バンプ及び前記電極パターンを介して互いに直列に接続されてもよい。さらに、前記第1の基板を除去し、前記第1の導電型半導体層を露出させ、前記露出した第1の導電型半導体層上に粗面を形成してもよい。
【0035】
本発明の他の態様に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法は、上部表面がr面、a面またはm面を有するサファイアまたは炭化珪素の第1の基板を用意し、前記第1の基板は、その上部表面上に前記第1の基板を露出させる開口部を有するストライプ状の成長防止パターン、及び前記成長防止パターンの前記開口部の下方に配置され、側壁がc面であるリセス領域を有し、前記リセス領域を有する前記第1の基板上に、第1の導電型半導体層と、第2の導電型半導体層とを有する窒化物半導体層を成長させ、前記窒化物半導体層は、前記リセス領域の側壁から先に成長されて、前記リセス領域を充填すると共に、前記成長防止パターンを覆い、前記窒化物半導体層上にエッチング防止層を形成し、前記エッチング防止層は、前記第2の導電型半導体層を露出させる開口部を有し、少なくとも前記側壁間の中間領域及び前記成長防止パターンの中間領域上の前記窒化物半導体層を覆い、前記エッチング防止層の前記開口部を充填し、前記エッチング防止層の上面に延びた延長部を有する電極を形成し、前記電極上に層間絶縁層を形成し、前記層間絶縁層上に第2の基板をボンディングし、前記第1の基板及び前記成長防止パターンを除去して、前記第1の導電型半導体層を露出させ、前記エッチング防止層が露出するように前記窒化物半導体層をパターニングして、互いに離隔した複数の発光セルを形成することを含む。
【0036】
これによると、成長基板として用いられた前記第1の基板を除去する工程と、複数の発光セルを互いに分離する工程が提供される。特に、前記エッチング防止層によって、前記発光セルを互いに分離する間、金属エッチング副産物の発生を抑制することができる。
【0037】
一方、前記発光セルを覆い、前記第1の導電型半導体層の上面の少なくとも一部を露出させる側面絶縁層を形成すると共に、前記エッチング防止層をパターニングして前記電極を露出させる開口部を形成し、前記第1の導電型半導体層と前記露出した電極を接続する配線を形成してもよい。これにより、前記発光セルを配線によって直列に接続して直列アレイを提供することができ、このような直列アレイを用いて、高電圧直流電源または高電圧交流電源で駆動される発光素子を提供することができる。
【0038】
さらに、前記第1の導電型半導体層上に粗面を形成することにより、光抽出効率を向上させることができる。
【0039】
本発明はさらに、複数の非極性発光セルを有する発光素子を提供し、前記発光素子は、リセス領域の側壁から先に成長される窒化物半導体を用いて提供される。
【0040】
具体的に、本発明の一態様による複数の非極性発光セルを有する発光素子は、ストライプ状のリセス領域を有し、前記リセス領域の側壁はc面であるサファイアまたは炭化珪素の第1の基板と、前記第1の基板上で、分離領域によって互いに離隔した複数の非極性発光セルと、を備える。ここで、前記分離領域は、少なくとも前記リセス領域の側壁間の中間領域、及び前記リセス領域間の中間領域を含む。
【0041】
前記第1の基板の上面は、r面、a面またはm面であってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、第2の基板と、前記発光セルと前記第2の基板との間に介在されたバンプとをさらに備えてもよい。このような発光素子は、複数の非極性発光セルが第2の基板、例えば、サブマウント基板にフリップボンディングされたフリップチップとして提供される。また、前記バンプと前記発光セルとの間に反射層が介在されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記複数の非極性発光セルは、それぞれ、第1の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層の一部領域上に配置される第2の導電型半導体層と、前記第1の導電型半導体層と第2の導電型半導体層との間に介在された活性層と、を有してもよい。このような発光セルは、メサエッチング工程によって提供される。さらに、前記発光セルは配線により電気的に接続してもよい。
【0044】
一方、前記配線は、前記発光セルを並列に接続する配線及び/または直列に接続する配線を含んでもよい。
【0045】
また、絶縁層は、前記発光セルの側面を覆い、前記発光セルの前記第2の導電型半導体層を露出させる開口部を有してもよい。前記絶縁層は、前記発光セルの前記第1の導電型半導体層を露出させる開口部をさらに有してもよい。前記配線は、前記絶縁層の開口部を通じて前記発光セルに電気的に接続されてもよい。また、前記絶縁層によって前記発光セルと前記配線の電気的短絡が防止される。
【0046】
いくつかの実施形態において、前記絶縁層は、前記発光セル間の分離領域を充填し、前記第1の導電型半導体層の上部面の下方に配置される第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上で、前記各発光セルの側面を覆う第2の絶縁層と、を有してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、さらに、第2の基板と、前記配線によって電気的に接続された発光セルと前記第2の基板との間に介在された層間絶縁層と、を備えてもよい。
【0048】
また他の実施形態において、前記発光素子は、電極パターンを有する第2の基板と、前記発光セルと前記電極パターンとの間に介在されたバンプと、をさらに備えてもよい。前記発光セルは、前記バンプ及び前記電極パターンによって互いに電気的に接続される。
【0049】
本発明の他の態様による発光素子は、成長基板で成長された窒化物半導体層を分離して発光セルを形成した後、成長基板を除去することにより提供される。具体的には、前記発光素子は、基板と、前記基板の上部に互いに離隔して配置される複数の非極性発光セルであり、それぞれ、第1の導電型上部半導体層、活性層、及び第2の導電型下部半導体層を有する発光セルと、前記発光セルの前記第1の導電型上部半導体層間の空間を充填する絶縁層と、前記発光セルと前記絶縁層の下方で前記発光セルを互いに電気的に接続する配線と、前記配線を覆い、前記基板と前記発光セルとの間に介在された層間絶縁層と、を備える。
【0050】
一方、前記配線は、前記発光セルを直列接続する配線及び/または並列接続する配線を有してもよい。
【0051】
また、前記第1の導電型上部半導体層上に、粗面を形成してもよい。
【0052】
本発明のまた他の態様による発光素子は、成長基板で成長された窒化物半導体層を成長基板から分離した後、発光セルを互いに分離することにより提供される。具体的には、前記発光素子は、基板と、前記基板の上部に互いに離隔して配置され、それぞれ、第1の導電型上部半導体層、活性層、及び第2の導電型下部半導体層を有する複数の非極性発光セルと、前記基板と前記複数の非極性発光セルとの間に互いに離隔して配置され、対応する前記第2の導電型下部半導体層にそれぞれ電気的に接続され、それぞれ隣り合う非極性発光セル側に延びた延長部を有する電極と、前記複数の非極性発光セル間の領域と前記電極との間に配置され、少なくとも一部が隣り合う非極性発光セルの周縁の下方に延びており、前記電極の延長部を露出させる開口部を有するエッチング防止層と、前記複数の非極性発光セルの側面を覆う側面絶縁層と、前記側面絶縁層によって前記複数の非極性発光セルの側面から離隔され、それぞれ、一端部は、一つの前記非極性発光セルの前記第1の導電型上部半導体層に電気的に接続され、他端部は、前記エッチング防止層の開口部を通じて、隣り合う前記非極性発光セルの前記第2の導電型下部半導体層に電気的に接続された電極に電気的に接続された配線と、を備える。
【0053】
さらに、前記発光素子は、前記基板と前記電極との間に介在された層間絶縁層をさらに備えてもよい。また、前記電極は、それぞれ反射層及び保護金属層を有してもよく、前記反射層は、前記第2の導電型下部半導体層の下部領域内に限定し、前記保護金属層は、前記反射層の側面及び下部面を覆ってもよい。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、複数の非極性発光セルを有する発光素子を提供することができる。特に、サファイア基板または炭化珪素基板のc面を成長面として用いるので、優れた結晶性を有し、製造費用を節約可能な発光素子を提供することができる。さらに、発光セルを分離する間、金属の露出を防止し、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止し、反射金属層がエッチングまたは酸化によって変形することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを単一基板上に形成する方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図19】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、添付した図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳述する。以下に紹介される実施形態は、本発明の思想を当業者に充分伝達するために、例として提供されるものである。従って、本発明は、後述する実施形態に限定されず、他の形態に具体化され得る。なお、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、説明の便宜のために誇張して表現されることもある。明細書の全体にわたって、同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0057】
本発明に係る発光素子の製造方法は、基板のリセス領域の側壁がc面となるように基板を部分エッチングし、前記側壁面から先に成長させて、前記基板を覆う窒化物半導体層を形成し、前記窒化物半導体層をパターニングし、複数の非極性発光セルを形成することを含む。この方法において、前記窒化物半導体層の成長段階で、成長技法によって必然的に結晶欠陥が特定の位置で発生し、これらの結晶欠陥は、窒化物半導体層をパターニングする間に除去される。
【0058】
図1〜図5は、本発明の一実施形態に係る複数の非極性発光セルを形成する方法を説明するための断面図である。
【0059】
図1を参照すると、基板21上に成長防止パターン23が形成される。前記基板21は、サファイア基板または炭化珪素基板であってもよく、その上部面は、通常の窒化物半導体成長面であるc面(0001)と異なる面であり、好ましくは、r面(1‐102)、a面(11‐20)、m面(1‐100)である。これらの面は、c面に対して一定の交差角をなす。例えば、r面はc面に対して90°未満の交差角をなし、a面及びm面は直交する交差角をなす。前記基板21は、必要に応じて、導電性炭化珪素基板、または、絶縁性の炭化珪素基板またはサファイア基板であってもよい。
【0060】
前記成長防止パターン23は、窒化物半導体が基板21で成長することを防止し、例えば、シリコン酸化物またはシリコン窒化物で形成される。成長防止パターン23は、基板21を露出させる開口部を有し、ストライプ状に形成される。
【0061】
図2を参照すると、前記成長防止パターン23によって露出した基板21がエッチングされ、ストライプ状のリセス領域21aが形成される。リセス領域21aは、成長防止パターン23をエッチングマスクとして用い、基板21をエッチングすることにより形成される。前記エッチングによって、イオンが最も密集しているc面が、リセス領域の側壁を形成する。
【0062】
この実施形態において、成長防止パターン23がリセス領域21aを形成するためのエッチングマスクとして用いられるものと説明しているが、他のエッチングマスクを用いてリセス領域21aを形成し、その後、前記基板21上に成長防止パターン23を形成してもよい。また、成長防止パターン23上に他の物質、例えば、フォトレジストのような物質でエッチングマスクをさらに形成してもよい。
【0063】
図3を参照すると、前記リセス領域21aを有する基板21上に第1の導電型窒化物半導体層25が成長される。第1の導電型窒化物半導体層25を成長させる前に、窒化物の核層及び/またはバッファ層(図示せず)が基板21上に先に成長されてもよい。
【0064】
前記第1の導電型窒化物半導体層25は、リセス領域21aの側壁であるc面から先に成長される。また、成長防止パターン23によって、基板21の上部面から成長されることは抑制される。各側壁で成長された窒化物半導体層25は、成長を継続するにつれて、リセス領域21aの中間領域で当接し、これにより、リセス領域21aの中間領域に貫通転位のような結晶欠陥が生成される。また、側壁で成長された窒化物半導体層25は、成長を継続するにつれて、成長防止パターン23上で側面成長し、従って、成長防止パターン23の中間領域上において、貫通転位のような結晶欠陥が生成される。
【0065】
窒化物半導体層25が成長するにつれて、成長面が当接して結晶欠陥が生成する位置が、リセス領域21aの中間領域と成長防止パターン23の中間領域となるように、前記成長防止パターン23の幅とリセス領域21aの幅が選択される。
【0066】
前記第1の導電型半導体層25が基板21の上部を覆うと、その後に成長される窒化物半導体は、基板の上部を覆う第1の導電型窒化物半導体層の成長面に沿って成長される。前記成長面は、リセス領域21aの側壁であるc面に対して基板21の上部面と同一の交差角をなすので、基板21の上部面と同一の面となり、これにより、非極性窒化物半導体層が形成される。
【0067】
図4を参照すると、前記第1の導電型半導体層25上に、活性層27及び第2の導電型窒化物半導体層29が成長される。第1の導電型半導体層25、活性層27、及び第2の導電型半導体層29は、III‐N系化合物半導体で形成され、有機金属化学気相成長(MOCVD)法または分子線エピタキシー(MBE)法等の工程によって成長される。
【0068】
活性層27及び第2の導電型半導体層29は、第1の導電型半導体層25の成長面に沿って成長され、従って、非極性窒化物半導体層が成長される。この際、第1の導電型半導体層25に生成した結晶欠陥は、活性層27及び第2の導電型半導体層29に転写される。
【0069】
前記第1の導電型及び第2の導電型は、n型及びp型またはp型及びn型であってもよい。好ましくは、前記第1の導電型はn型であり、前記第2の導電型はp型である。
【0070】
前記活性層27は、多重量子井戸構造であってもよく、第1の導電型半導体層25及び第2の導電型半導体層29は、単一層に限定されず、多重層であってもよい。
【0071】
図5を参照すると、前記第1の導電型半導体層25、活性層27、及び第2の導電型半導体層29を有する窒化物半導体層がパターニングされ、複数の発光セル30が形成される。この際、リセス領域21aの側壁間の中間領域及び成長防止パターン23上の中間領域に位置する窒化物半導体層が除去される。
【0072】
すなわち、基板21上で、窒化物半導体層が除去された分離領域によって複数の非極性発光セルが互いに離隔する。この際、前記分離領域は、前記リセス領域21aの側壁間の中間領域及び前記リセス領域21a間の中間領域を含む。これにより、リセス領域21aの側壁から成長した窒化物半導体層が当接して生成される結晶欠陥が除去される。
【0073】
前記発光セル30は、リセス領域21aに沿って長い形状を有してもよい。これとは異なり、リセス領域21aを横切る領域において窒化物半導体層が除去されてもよく、リセス領域21aに沿って互いに離隔した複数の発光セル30が形成されてもよい。
【0074】
このような発光セル30を配線を介して電気的に接続することにより、多様な回路を構成することができ、サブマウントまたはボンディング基板等に発光セルを付着することにより、フリップチップまたは成長基板が分離された発光素子等、複数の非極性発光セルを有する多様な発光素子が提供される。
【0075】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0076】
図6を参照すると、各発光セル30上に反射金属層31が形成される。前記反射金属層31は、例えばAgまたはAlで形成されてもよい。また、各発光セル30の一部領域上に反射金属層31が形成され、前記反射金属層31を覆う保護金属層(図示せず)が形成されてもよい。
【0077】
前記反射金属層31上にバンプ33を介して第2の基板35がボンディングされる。前記第2の基板35は、例えばサブマウント基板であってもよく、内部に電気回路を有してもよい。一方、前記基板21は、導電性炭化珪素基板であってもよく、前記基板21の下部面には、電極37パッドが形成されてもよい。これにより、サブマウント基板35上に非極性発光セル30がフリップボンディングされたフリップチップが提供される。前記フリップチップは、前記基板21上に複数の発光セル30を形成し、基板21を単一チップに分離した後、分離されたチップをサブマウント基板35にボンディングすることにより形成される。
【0078】
図7〜図10は、本発明の第2の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0079】
図7を参照すると、図1〜図4を参照して上述したように、基板21上に窒化物半導体層25、27、29を成長させる。その後、前記窒化物半導体層25、27、29をエッチングし、互いに分離された発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を形成する。この際、前記第2の導電型半導体層29及び活性層27の一部分が除去されることにより、第1の導電型半導体層25が露出する。すなわち、前記発光セルは、それぞれ、第1の導電型半導体層25、前記第1の導電型半導体層25の一部領域上に配置された第2の導電型半導体層29、及び前記第1の導電型半導体層25と第2の導電型半導体層29との間に介在された活性層27を有する。前記第1の導電型半導体層25の一部領域を露出させる工程は、メサエッチング工程として知られている。
【0080】
図8を参照すると、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4間の空間を充填する第1の絶縁層41が形成される。第1の絶縁層41は、前記第1の導電型半導体層25の上部面の下方に配置される。第1の絶縁層41は、例えば、SOG(Spin On Glass)等の工程により絶縁物質で形成されてもよい。絶縁物質を発光セル上に塗布または蒸着して形成された後、第1の導電型半導体層25の上部面が露出するように、前記絶縁物質を部分的に除去して、第1の絶縁層41が形成される。前記第1の絶縁層41は、発光セル間の段差を減少させるために形成され、または省略されてもよい。
【0081】
図9を参照すると、前記第1の絶縁層41上で、前記発光セルの側面を覆う第2の絶縁層45が形成される。第2の絶縁層45は、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4の上部を露出させる開口部を有し、また、第1の導電型半導体層25の上部面を露出させる開口部を有する。第1の絶縁層41が省略された場合、第2の絶縁層がリセス領域21a内の第1の導電型半導体層25の側面を覆う。
【0082】
一方、前記発光セル上に、例えば、第2の導電型半導体層29上に透明電極層43が形成される。透明電極層43は、第2の絶縁層45を形成する前に形成されてもよい。透明電極層43は、例えば、ITOのような透明酸化膜またはNi/Auのような透明金属で形成されてもよい。
【0083】
図10を参照すると、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を接続する配線47が形成される。前記配線47を介して発光セルを直列に接続することにより直列アレイが形成される。前記配線47によって、少なくとも二つの直列アレイが逆並列に接続されてもよい。これにより、高電圧交流電源下で駆動される交流駆動型の発光素子が提供される。また、前記配線47は、発光セルを並列接続する配線を含んでもよい。前記配線47によって、発光セルが多様な回路で接続される。このような配線47を用いた接続によって、交流電源下または直流電源下で駆動される多様な発光素子が提供される。
【0084】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0085】
図11を参照すると、図10の配線47が形成された後、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を覆う層間絶縁層49が形成される。前記層間絶縁層49は、発光セルが互いに短絡することを防止する。一方、前記層間絶縁層49上に第2の基板50がボンディングされる。
【0086】
前記第2の基板50は、サブマウント基板であってもよく、従って、フリップチップ形態の発光素子が提供される。前記サブマウント基板は、電極パッドを有してもよく、発光セルに電源を供給するためのパッド(図示せず)が層間絶縁層49を通じて、前記サブマウント基板上の電極パッドに電気的に接続される。この場合、発光セルから放出された光は、基板21側に放出される。従って、図9の透明電極層43の代わりに反射金属層43aが形成されることが好ましい。
【0087】
一方、層間絶縁層49は省略されてもよく、バンプを介して前記発光セルがサブマウント基板にボンディングされてもよい。
【0088】
図12は、本発明の第4の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0089】
図12を参照すると、図11の第2の基板50がボンディングされた後、基板21が除去される。基板21は、ポリッシング工程またはエッチング工程によって除去される。この際、前記成長防止パターン23も一緒に除去され、第1の導電型半導体層25の下部面が露出する。前記第1の導電型半導体層25は、平坦化されてもよい。
【0090】
前記第2の基板50を下向きにし、第1の導電型半導体層25を上向きにすると、光が放出される発光素子となる。従って、第1の導電型半導体層25が上部半導体層となり、第2の導電型半導体層29が下部半導体層となる。一方、第1の絶縁層41は、第1の導電型半導体層25間の空間を充填し、配線47は、発光セルと第1の絶縁層41の下方に配置される。
【0091】
これに加えて、前記露出した第1の導電型半導体層25の露出面に粗面Rが形成されてもよい。粗面Rは、PEC(光電気化学)エッチング等によって形成される。
【0092】
図13は、本発明の第5の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0093】
図13を参照すると、図8の第1の絶縁層41が形成された後、図6を参照して説明したように、発光セル上に反射層43aが形成される。一方、第2の基板50は、電極パターン50aを有する。前記電極パターン50aは、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4に対応して形成される。
【0094】
前記発光セルと電極パターン50aが、バンプ33を介して電気的に接続される。この際、一つの発光セル、例えば、発光セルLS1の第1の導電型半導体層25及び第2の導電型半導体層29は、隣り合う電極パターン50aにそれぞれ接続される。このような接続によって、発光セルをバンプ33と電極パターン50aを用いて直列に接続することができる。
【0095】
これとは異なり、第1の導電型半導体層25を互いに電気的に接続し、第2の導電型半導体層29を互いに電気的に接続して、発光セルを並列に接続してもよい。
【0096】
図14〜図20は、本発明の他の実施形態に係る複数の非極性発光セルを有する発光素子の製造方法を説明するための断面図である。上述した発光素子は、基板21上で発光セルを分離するものであるが、ここでは、窒化物半導体層を基板21から分離した後、発光セルを分離することが異なる。また、金属エッチング副産物の発生を防止する工程を述べる。
【0097】
図14を参照すると、図4の窒化物半導体層25、27、29、例えば、第2の導電型半導体層29上にエッチング防止層51が形成される。エッチング防止層51は、前記リセス領域の側壁間の中間領域及び前記成長防止パターン23の中間領域上の前記窒化物半導体層を覆う。また、エッチング防止層51は、前記成長防止パターン23を横切る領域を覆って、第2の導電型半導体層29を露出させる開口部が形成される。前記開口部は、以降形成される発光セルの領域上に、各発光セルの領域に対応して形成され、発光セルの領域よりも小さな面積で形成される。
【0098】
エッチング防止層51は、第2の導電型半導体層29上にシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜のような絶縁層を形成し、エッチング防止層51は、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いてパターニングすることにより形成される。
【0099】
図15を参照すると、前記開口部内に反射層53aが形成される。反射層53aは、反射率の高い金属物質、例えば、Ag、Al、またはこれらの合金で形成されてもよく、屈折率の異なる層を積層して形成してもよい。前記反射層53aが金属層で形成される場合、めっきまたは蒸着技術を用いて形成されてもよく、例えば、リフトオフ工程を用いて形成されてもよい。一方、前記反射層53aの形成前に、第2の導電型半導体層29上にオームコンタクト層(図示せず)を形成してもよい。また、前記反射層53aを先に形成し、その後、前記エッチング防止層51を形成してもよい。
【0100】
次いで、前記反射層53aを覆う保護金属層53bを形成する。保護金属層53bは、それぞれエッチング防止層51の開口部を充填し、エッチング防止層51の上面に延びる。前記保護金属層53bは、互いに離隔して形成される。保護金属層53bは、単一層または多重層で形成されてもよく、例えば、Ni、Ti、Ta、Pt、W、Cr、Pd等で形成されてもよい。
【0101】
この実施形態において、前記反射層53aと保護金属層53bが、電極E1、E2、E3、E4を構成する。しかし、電極E1、E2、E3、E4は、これに限定されるものではなく、単一の金属層で形成されてもよい。例えば、前記反射層53aの形成を省略し、保護金属層53bのみで電極を構成してもよい。
【0102】
図16を参照すると、前記電極E1、E2、E3、E4上に層間絶縁層55が形成される。層間絶縁層55は、電極E1、E2、E3、E4を覆い、電極E1、E2、E3、E4間のギャップを充填する。層間絶縁層55の材質については特に限定されず、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成してもよい。
【0103】
前記層間絶縁層55上にボンディングメタル57が形成され、第2の基板61上にボンディングメタル59が形成される。前記ボンディングメタル57は、例えば、AuSn(80/20wt%)で形成されてもよい。前記第2の基板61は、特に限定されるものではないが、犠牲基板21と同一の熱膨張係数を有する基板であってもよく、例えば、サファイア基板であってもよい。
【0104】
前記ボンディングメタル57、59を互いに対向するようにボンディングすることで、第2の基板61が前記層間絶縁層55上にボンディングされる。
【0105】
図17を参照すると、前記基板21が除去され、前記第1の導電型半導体層25が露出する。基板21は、レーザリフトオフ(LLO)技術または他の機械的方法や化学的方法、例えば、ポリッシングまたはエッチング技術によって分離されてもよい。これにより、第1の導電型半導体層25が露出し、露出面は平坦化してもよい。
【0106】
図18を参照すると、前記窒化物半導体層25、27、29をパターニングすることにより、複数の発光セルLS1、LS2、LS3、LS4が形成される。前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4は、それぞれ、パターニングされた第1の導電型半導体層25、パターンニングされた活性層27、及びパターンニングされた第2の導電型半導体層29を有する。前記化合物半導体層は、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いてパターニングしてもよい。この際、前記エッチング工程によって、発光セル間の化合物半導体層が除去され、エッチング防止層51が露出する。前記エッチング防止層51は、エッチング工程の間、その下の電極E1、E2、E3、E4が露出することを防止する。このため、エッチング防止層51の上部の限定された領域においてエッチングが行われる。また、前記発光セルを分離する間、結晶欠陥が位置する窒化物半導体層が除去される。
【0107】
図19を参照すると、前記発光セルLS1、LS2、LS3、LS4の側面を覆う側面絶縁層63が形成される。前記側面絶縁層63は、発光セルを覆う絶縁層を形成した後、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いてパターニングすることにより形成される。前記側面絶縁層63は、例えば、SiO2、SiN、MgO、TaO、TiO2、またはポリマーで形成されてもよい。側面絶縁層63は、発光セルの側面に露出した前記第1の導電型半導体層125、活性層127、及び第2の導電型半導体層29を覆う。側面絶縁層63は、さらに、図示のように、側面絶縁層63は、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4の上面の一部を覆ってもよい。さらには、側面絶縁層63は、前記エッチング防止層51上に延びてもよい。一方、前記側面絶縁層63を形成する間、またはその後、エッチング防止層51内に電極E1、E2、E3、E4の延長部を露出させる開口部51aが形成される。
【0108】
図20を参照すると、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4を電気的に接続する配線65が形成される。前記配線65は、前記発光セルを直列に接続する。例えば、前記配線65は、発光セルLS1の第1の導電型半導体層25と、発光セルLS2の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E2とを電気的に接続し、発光セルLS2の第1の導電型半導体層25と、発光セルLS3の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E3とを電気的に接続し、発光セルLS3の第1の導電型半導体層25と、発光セルLS4の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E4とを電気的に接続する。これにより、発光セルLS1、LS2、LS3、LS4が直列に接続されたアレイが形成される。
【0109】
前記配線65のそれぞれは、その一端部が、一つの発光セル、例えば、発光セルLS1の第1の導電型半導体層25に電気的に接続され、他端部は、それに隣接した他の発光セル、例えば、発光セルLS2の第2の導電型半導体層29に電気的に接続された電極E2に電気的に接続される。
【0110】
前記配線65によって、基板61の上部に少なくとも二つの直列アレイが形成され、これらのアレイが互いに逆並列接続されることにより、交流電源によって駆動されてもよい。これとは異なり、基板上で、配線によって直列アレイが形成され、前記直列アレイが前記基板上に形成されたブリッジ整流器に接続されることにより、交流電源によって駆動され得る。ブリッジ整流器は、配線によって発光セルを接続して形成してもよい。また、前記発光セルの直列アレイを高電圧直流電源下で駆動してもよい。
【0111】
前記配線65の形成前に、配線の接着力またはオーミックコンタクト特性を向上させるために、パッド(図示せず)が、第1の導電型半導体層25及び/または電極E1、E2、E3、E4上に形成されてもよい。
【0112】
前記配線65は、さらに前記発光セルの第1の導電型半導体層25を互いに接続する。この際、前記電極E1、E2、E3、E4は、互いに接続されてもよい。これにより、複数の発光セルが並列接続された発光素子が提供される。
【0113】
一方、前記発光セル上の第1の導電型半導体層25に、PEC(光電気化学)エッチング等によって、粗面Rが形成されてもよい。前記粗面Rの形成は、配線の形成前に行われてもよい。
【0114】
本発明によれば、複数の非極性発光セルを有する発光素子を提供することができる。特に、サファイア基板または炭化珪素基板のc面を成長面として用いるので、優れた結晶性を有し、製造費用を節約可能な発光素子を提供することができる。さらに、発光セルを分離する間、金属の露出を防止し、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止し、反射金属層がエッチングまたは酸化によって変形することを防止することができる。
【0115】
以上、本発明についていくつかの実施形態を挙げて説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されず、当業者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な変形及び変更が可能である。このような変形及び変更は、下記の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0116】
21 基板
23 成長防止パターン
25 第1の導電型半導体層
27 活性層
29 第2の導電型半導体層
30 発光セル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の非極性発光セルを有する発光素子において、
基板と、
前記基板の上部に互いに離隔して配置され、それぞれ、第1の導電型上部半導体層、活性層、及び第2の導電型下部半導体層を有する複数の非極性発光セルと、
前記複数の非極性発光セルの前記第1の導電型半導体層間の空間を充填する絶縁層と、
前記複数の非極性発光セルと前記絶縁層の下方で前記複数の非極性発光セルを互いに電気的に接続する配線と、
前記配線を覆い、前記基板と前記複数の非極性発光セルとの間に介在された層間絶縁層と、
を備えることを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記配線は、前記複数の非極性発光セルを直列に接続することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1の導電型上部半導体層は、粗面を有することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項1】
複数の非極性発光セルを有する発光素子において、
基板と、
前記基板の上部に互いに離隔して配置され、それぞれ、第1の導電型上部半導体層、活性層、及び第2の導電型下部半導体層を有する複数の非極性発光セルと、
前記複数の非極性発光セルの前記第1の導電型半導体層間の空間を充填する絶縁層と、
前記複数の非極性発光セルと前記絶縁層の下方で前記複数の非極性発光セルを互いに電気的に接続する配線と、
前記配線を覆い、前記基板と前記複数の非極性発光セルとの間に介在された層間絶縁層と、
を備えることを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記配線は、前記複数の非極性発光セルを直列に接続することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1の導電型上部半導体層は、粗面を有することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−186495(P2012−186495A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113272(P2012−113272)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【分割の表示】特願2009−284723(P2009−284723)の分割
【原出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(506029004)ソウル オプト デバイス カンパニー リミテッド (101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【分割の表示】特願2009−284723(P2009−284723)の分割
【原出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(506029004)ソウル オプト デバイス カンパニー リミテッド (101)
【Fターム(参考)】
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