説明

計測装置、光源装置、露光装置及びデバイスの製造方法

【課題】プラズマから放射される光の特性を高精度に計測できる計測装置、光源装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】光源装置13は、プラズマ50を発生させるプラズマ発生部51と、プラズマ50から放射される露光光ELを集光させるための集光ミラー52と、該集光ミラー52から射出される露光光ELを計測するための計測装置70とを備えている。この計測装置70は、露光光ELの光路において露光光ELの光軸方向に沿って互いに異なる位置に配置される2つの計測用部材71,72と、該各計測用部材71,72に入射した露光光ELの特性をそれぞれ検出する検出部75,76と、該各検出部による検出結果に基づき集光ミラー52から射出される露光光ELの特性を算出する制御装置60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の特性を計測可能な計測装置、該計測装置を備える光源装置、該計測装置を備える露光装置、該光源装置を有する露光装置、及び該露光装置を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体集積回路などのマイクロデバイスを製造するための露光装置は、所定のパターンが形成されたレチクルなどのマスクを照射するための照明光学系と、該照明光学系がマスクを照射することにより形成されたパターン像を感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレートなどの基板に投影するための投影光学系とを備えている。このような露光装置では、半導体集積回路の高集積化及び該高集積化に伴うパターン像の微細化を図るために、投影光学系の更なる高解像度化が要望されている。そのため、露光装置に用いる露光光の短波長化が進み、近年では、EUV(Extreme Ultraviolet )光を露光光として使用するEUV露光装置の開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
こうした露光装置に用いられる光源装置は、プラズマを発生させるプラズマ発生源と、プラズマから放射される露光光を集光させる集光光学系とを備えている。そして、プラズマから放射される露光光は、集光光学系によって集光されてから照明光学系に入射するようになっている。
【0004】
また、光源装置には、プラズマから放射される露光光の強度分布を計測可能な計測装置が設けられている。この計測装置は、例えば、集光光学系から射出される露光光の光路に配置され、且つ入射した露光光を可視光に変換可能な蛍光板と、蛍光板から射出される可視光の強度分布(光径など)を検出可能な検出部(例えばCCD)とを備え、該検出部による検出結果に基づき集光光学系から射出される露光光の強度分布を算出するようになっていた。
【特許文献1】特開2006−128342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光源装置を長期間にわたって使用した場合には、例えばプラズマ発生源の電極の劣化などに起因してプラズマの発生する位置が変位し、集光光学系から射出される露光光の特性が変わってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマから放射される光の特性を高精度に計測できる計測装置、光源装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図9に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の計測装置は、プラズマ(50)から放射される光(EL)の特性を計測する計測装置であって、前記光(EL)の光路において前記光(EL)の光軸方向に沿って互いに異なる位置に配置される少なくとも2つの計測用部材(71,72)と、前記少なくとも2つの計測用部材(71,72)に入射した前記光(EL)の特性をそれぞれ検出する検出部(75,76)と、該検出部(75,76)による検出結果に基づき前記光(EL)の特性を算出する算出部(60)と、を備えたことを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、少なくとも2つの計測用部材に入射した光の特性に基づき、プラズマから放射される光の特性が算出される。そのため、1つの計測用部材のみを用いた従来の計測装置に比して、計測用部材が増えた分だけ、光の特性の算出精度を向上させることが可能である。
【0009】
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プラズマから放射される光の特性を高精度に計測できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図9に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態の露光装置11は、波長が100nm程度以下の軟X線領域である極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet )光を露光光ELとして用いるEUV露光装置であって、内部が真空雰囲気となるチャンバ12(図1では二点鎖線で示す。)内に設置されている。この露光装置11は、光源装置13と、照明光学系14と、所定のパターンが形成された反射型のレチクルRを保持するレチクルステージ15と、投影光学系16と、表面にレジストなどの感光性材料が塗布されたウエハWを保持するウエハステージ17とを備えている。なお、本実施形態の光源装置13としては、詳しくは後述するが、レーザ励起プラズマ光源が用いられており、該光源装置13は、波長が5〜20nm(例えば13.5nm)となるEUV光を射出する。
【0012】
照明光学系14は、チャンバ12の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定される筐体18(図1では一点鎖線で示す。)を備えている。この筐体18内には、光源装置13から射出された露光光ELを集光するコリメート用ミラー19が設けられており、該コリメート用ミラー19は、入射した露光光ELを略平行に変換して射出する。そして、コリメート用ミラー19から射出された露光光ELは、オプティカルインテグレータの一種であるフライアイ光学系20に入射する。このフライアイ光学系20は、一対のフライアイミラー21,22を備えており、該各フライアイミラー21,22のうち入射側に配置される入射側フライアイミラー21は、レチクルRの被照射面Ra(即ち、図1における下面であって、パターン形成面)とは共役となる位置に配置されている。こうした入射側フライアイミラー21で反射された露光光ELは、射出側に配置される射出側フライアイミラー22に入射する。
【0013】
また、照明光学系14には、射出側フライアイミラー22から射出された露光光ELを筐体18外に射出するコンデンサミラー24が設けられている。そして、コンデンサミラー24から射出された露光光ELは、コンデンサミラー24よりもレチクルR側に配置された折り返し用の反射ミラー25により、レチクルステージ15に保持されるレチクルRに導かれる。なお、照明光学系14を構成する各ミラー19,21,22,24,25の反射面には、露光光ELを反射する反射層がそれぞれ形成されている。この反射層は、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜から構成されている。
【0014】
また、照明光学系14には、該照明光学系14を構成する各ミラー19,21,22,24,25のうちコリメート用ミラー19の位置や反射面の向きを調整可能な照明ミラー調整機構65が設けられている。この照明ミラー調整機構65は、後述する制御装置60からの制御指令に基づき、コリメート用ミラー19の位置及び反射面の向きを変更すべく駆動するようになっている。
【0015】
レチクルステージ15は、後述する投影光学系16の物体面側に配置されており、レチクルRを静電吸着する静電チャック26と、レチクルRをY軸方向に所定ストロークで移動させるための図示しないレチクルステージ駆動部とを備えている。静電チャック26には、レチクルRの裏面(図1では上面)が吸着される吸着面26aが形成されている。また、レチクルステージ駆動部は、静電チャック26をZ軸方向(図1では上下方向)やX軸方向(図1では紙面と直交する方向)などにも移動させることができるように構成されている。そして、レチクルRにおいて上記パターンが形成された被照射面Ra(即ち、図1における下面)に反射された露光光ELは、投影光学系16に導かれる。
【0016】
また、レチクルステージ15に保持されるレチクルRの被照射面Ra近傍には、被照射面Raのうち露光光ELが照明される照明領域を規定するためのスリット27を有するスリット装置28が配置されている。このスリット装置28は、図2に示すように、レチクルRのうち露光光ELに照明される照明領域の−Y方向側(図2では左側)の長辺L1を規定するために、通過する露光光ELの一部を遮光する第1遮光部29と、該第1遮光部29を作動させるためのアクチュエータ部30とを備えている。また、スリット装置28は、レチクルRのうち露光光ELに照明される照明領域の+Y方向側(図2では右側)の長辺L2を規定するために、通過する露光光ELの一部を遮光する第2遮光部31と、該第2遮光部31を作動させるためのアクチュエータ部32とを備えている。すなわち、スリット装置28は、アクチュエータ部30,32の駆動によって、各遮光部29,31によって形成されるスリット27の開口形状の短手方向(即ち、Y軸方向)の幅を変化させる。
【0017】
各遮光部29,31は、X軸方向に沿って隙間なく配置される複数のブレード29a,31aをそれぞれ備えている。また、各アクチュエータ部30,32には、制御装置60からの制御指令に基づき伸縮駆動する複数のリニアアクチュエータ33,34がそれぞれ設けられており、該各リニアアクチュエータ33,34は、ロッド35,36を介してブレード29a,31aにそれぞれ連結されている。そして、各ブレード29a,31aは、各リニアアクチュエータ33,34の伸縮駆動によってY軸方向にそれぞれ移動し、結果として、スリット27の開口形状、即ちレチクルRの被照射面Raにおける照明領域の形状が調整される。
【0018】
投影光学系16は、図1に示すように、チャンバ12の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定される鏡筒37(図1では一点鎖線で示す。)を備えている。この鏡筒37内には、複数枚(本実施形態では6枚)の反射型のミラー38,39,40,41,42,43が収容されている。そして、物体面側であるレチクルR側から導かれた露光光ELは、第1ミラー38、第2ミラー39、第3ミラー40、第4ミラー41、第5ミラー42、第6ミラー43の順に反射され、ウエハステージ17に保持されるウエハWに導かれる。こうした各ミラー38〜43の反射面には、露光光ELを反射する反射層がそれぞれ形成されている。この反射層は、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜から構成されている。
【0019】
ウエハステージ17は、ウエハWを静電吸着する吸着面44aを有する静電チャック44と、ウエハWをY軸方向に所定ストローク(後述するレチクルRの所定ストロークを後述する所定倍率で除算した値に相当するストローク)で移動させる図示しないウエハステージ駆動部とを備えている。このウエハステージ駆動部は、ウエハWをX軸方向及びZ軸方向(図1では上下方向)にも移動可能に構成されている。また、ウエハステージ17には、静電チャック44を保持する図示しないウエハホルダと、該ウエハホルダのZ軸方向における位置及びX軸周り、Y軸周りの傾斜角を調整する図示しないZレベリング機構とが組み込まれている。そして、投影光学系16から射出された露光光ELがウエハWの被照射面(即ち、図1における上面)を照射することにより、ウエハWには、レチクルR上の上記パターンを所定倍率に縮小したパターンが形成される。
【0020】
次に、本実施形態の光源装置13について図3に基づき説明する。
図3に示すように、光源装置13は、プラズマ50を発生させるプラズマ発生部51と、プラズマ50から放射される露光光ELを集光させるための筒状の集光ミラー52とを備えている。プラズマ発生部51は、EUV光発生物質(ターゲット)として高密度のキセノンガス(Xe)を高速で噴出するノズル53と、例えば半導体レーザ励起を利用したYAGレーザやエキシマレーザなどの高出力レーザ54とを備えている。そして、高出力レーザ54から射出されたレーザ光LRがノズル53から高速で噴出される高密度のキセノンガスを照射することにより、プラズマ50が発生し、該プラズマ50からは、EUV光が露光光ELとして放射される。こうした露光光ELは、集光ミラー52の入射側(−Z方向側であって、図2では左側)の開口から集光ミラー52内に入射する。なお、高出力レーザ54としては、例えばCOレーザを用いてもよい。
【0021】
集光ミラー52は、Z軸方向における各部位の断面形状が円環状をなすように形成されており、集光ミラー52の内周面には、露光光ELを反射可能な反射層からなるミラー部52aが形成されている。そして、集光ミラー52のミラー部52aにて反射した露光光ELは、集光ミラー52の射出側の開口(+Z方向側であって、図2では右側)から照明光学系14のコリメート用ミラー19に向けて射出される。なお、集光ミラー52のミラー部52aは、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜から構成されている。
【0022】
また、本実施形態の光源装置13には、ノズル53の位置を調整するためのノズル調整機構55と、集光ミラー52の位置を調整するための集光ミラー調整機構56とが設けられており、該各調整機構55,56は、制御装置60によってそれぞれ制御される。そして、ノズル調整機構55の駆動によってノズル53の位置が調整された場合、プラズマ50の生成される位置は、ノズル53の位置に応じてZ軸方向に沿って変位する。その結果、集光ミラー52から射出された露光光ELの中間集光点IFが、Z軸方向に沿って変位する。また、集光ミラー調整機構56の駆動によって集光ミラー52の位置が調整された場合、該集光ミラー52から射出された露光光ELの集光角θは、集光ミラー52の位置に応じて調整される。
【0023】
ここで、光源装置13を長期間にわたって使用した場合には、プラズマ50の発生する位置が不必要に変位してしまうことがある。こうした場合、露光光ELの特性が変わってしまう。具体的には、集光ミラー52から射出される露光光ELの中間集光点IFの位置が変わってしまったり、集光ミラー52から射出される露光光ELの集光角が変わってしまったりする。すると、照明光学系14に入射する露光光ELの強度分布や光径などが変化し、レチクルRを照明する際の照明むらやレチクルRを照明する露光光ELの光量不足が発生するおそれがある。そこで、本実施形態の光源装置13には、集光ミラー52から射出された露光光ELの特性を計測するための計測装置70が設けられている。
【0024】
次に、計測装置70について図3に基づき説明する。
図3に示すように、計測装置70は、略半円板状をなす複数(本実施形態では2枚)の計測用部材71,72と、該各計測用部材71,72を移動させるための移動機構73,74とを備えている。露光光ELの特性の計測時には、各計測用部材71,72のうち第1計測用部材71は、露光光ELの光路であって且つ中間集光点IFよりも集光ミラー52側の位置(計測位置)に配置されると共に、第2計測用部材72は、露光光ELの光路であって且つ中間集光点IFよりもコリメート用ミラー19側の位置(計測位置)に配置されている。すなわち、第1計測用部材71は、中間集光点IFよりも光学的に上流側に配置されると共に、第2計測用部材72は、中間集光点IFよりも光学的に下流側に配置されている。この際、各計測用部材71,72には、集光ミラー52から射出された露光光ELの一部がそれぞれ入射する。一方、非計測時には、各計測用部材71,72は、各移動機構73,74によって露光光ELの光路外の位置(退避位置)にそれぞれ移動するようになっている。
【0025】
また、各計測用部材71,72は、蛍光板からそれぞれ形成されている。すなわち、各計測用部材71,72の表面側(図3では左面側)には、露光光EL(EUV光)が入射した場合に、露光光ELが入射した領域が発光する発光層71a,72aがそれぞれ形成されている。そして、各計測用部材71,72が計測位置にそれぞれ配置される場合、図4(a)(b)に示すように、各計測用部材71,72の発光層71a,72aのうち露光光ELの光軸を中心とした半円部分がそれぞれ発光する。
【0026】
また、計測装置70には、図3に示すように、計測位置に配置された各計測用部材71,72の発光態様を検出(観察)するための検出部75,76(例えばCCD)が計測用部材71,72毎に設けられており、該各検出部75,76は、各計測用部材71,72の発光態様に応じた検出信号を制御装置60にそれぞれ出力する。こうした検出信号が制御装置60に入力された場合には、各計測用部材71,72にて発光した領域の半径R1,R2(即ち、各計測位置での露光光ELの光径)が制御装置60によってそれぞれ算出される。
【0027】
なお、露光装置11は、ウエハWに対する露光効率の維持を図るためにメンテナンスが実行される。この際、光源装置13においては、レチクルRを照明する露光光ELの光量が好適に維持されるように、露光光ELの中間集光点IFの位置調整及び露光光ELの集光角θの調整が行われる。そして、光源装置13のメンテナンス終了時には、計測位置に配置される各計測用部材71,72と中間集光点IFまでの各距離D1,D2が同一距離となるように、各計測用部材71,72の計測位置がそれぞれ微調整される。そのため、光源装置13のメンテナンス終了時において各計測用部材71,72を計測位置に配置した状態で露光光ELを出力させた場合、図4(a)(b)に示すように、各計測用部材71,72にて発光する領域の半径R1,R2は、それぞれ初期値Rtとなる。その後、計測位置に位置する各計測用部材71,72は、退避位置にそれぞれ移動し、ウエハWへの露光処理が行われる。
【0028】
次に、制御装置60について図1及び図3に基づき説明する。
図1及び図3に示すように、制御装置60の入力側インターフェースには、検出部75,76が電気的に接続されている。また、制御装置60の出力側インターフェースには、照明ミラー調整機構65、スリット装置28の各リニアアクチュエータ33,34、ノズル調整機構55、集光ミラー調整機構56及び移動機構73,74が電気的に接続されている。そして、制御装置60は、検出部75,76による検出結果に基づき、照明ミラー調整機構65、スリット装置28の各リニアアクチュエータ33,34、ノズル調整機構55、集光ミラー調整機構56及び移動機構73,74を個別に制御するようになっている。
【0029】
また、制御装置60は、図示しないCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどを有するデジタルコンピュータを備えている。ROMには、照明ミラー調整機構65、各リニアアクチュエータ33,34、ノズル調整機構55、集光ミラー調整機構56及び移動機構73,74の駆動を個別に制御するための制御プログラム、及び各種関係式(例えば、中間集光点IFの変位量や露光光ELの集光角θを算出するための関係式)などが記憶されている。また、RAMには、露光装置11の駆動中に適宜更新される各種情報が記憶される。さらに、不揮発性メモリには、露光装置11の電源がオフにされたとしても記憶すべき各種情報として、露光装置11のメンテナンス終了時における中間集光点IFから各計測用部材71,72までの各距離D1,D2、メンテナンス終了時における露光光ELの集光角θ(=初期値θt)などが記憶される。
【0030】
次に、制御装置60による中間集光点IFの変位量及び露光光ELの集光角θの算出方法について説明する。
制御装置60は、中間集光点IFの変位量及び露光光ELの集光角θを以下に示す各関係式(式1)〜(式4)を用いて算出する。
【0031】
【数1】


ただし、R1…第1計測用部材71の計測位置における露光光ELの半径、R2…第2計測用部材72の計測位置における露光光ELの半径、D1…メンテナンス終了時における中間集光点IFから第1計測用部材71までの距離、D2…メンテナンス終了時における中間集光点IFから第2計測用部材72までの距離、ΔD…中間集光点IFの変位量、θ…露光光ELの集光角
上記関係式(式1)(式2)に基づき、中間集光点IFの変位量ΔD及び露光光ELの集光角θは、以下に示す関係式(式3)(式4)で示される。こうして中間集光点IFの変位量ΔDを算出すると、光源装置13のメンテナンス終了時における中間集光点IFの位置を記憶させておくことにより、経時変化後の中間集光点IFの位置が算出される。また、経時変化後の露光光ELの集光角θを算出すると、光源装置13のメンテナンス終了時における露光光ELの集光角θを記憶させておくことにより、集光角θの変化量Δθ(図7参照)が算出される。
【0032】
【数2】


次に、光源装置13の長期使用などによって集光ミラー52から射出される露光光ELの中間集光点IFが+Z方向側(図5では右側)に変位してしまった場合の対処方法について図5及び図6に基づき説明する。なお、ここでは、露光光ELの集光角θが変化していないものとする。
【0033】
さて、図5に示すように、露光処理中においてウエハWの交換する際などに、制御装置60は、移動機構73,74を駆動させて各計測用部材71,72を各計測位置にそれぞれ配置させる。そして、制御装置60は、各検出部75,76からの検出信号に基づき、各計測用部材71,72での発光領域の半径R1,R2を算出する。この際、図6(a)に示すように、第1計測用部材71での発光領域の半径R1は、初期値Rtよりも大きな第1側変動値Rt1である一方、図6(b)に示すように、第2計測用部材72での発光領域の半径R2は、初期値Rtよりも小さな第2側変動値Rt2である。
【0034】
続いて、制御装置60は、不揮発性メモリに記憶されている距離D1,D2及び現時点における各計測用部材71,72の発光領域の半径R1,R2を上記関係式(式1)〜(式4)に代入し、露光光ELの中間集光点IFの変位量ΔD及び露光光ELの集光角θを算出する。なお、この際、関係式(式1)〜(式4)を用いて算出した露光光ELの集光角θは、光源装置13のメンテナンス終了時における露光光ELの集光角と同一角度である。
【0035】
そして、制御装置60は、中間集光点IFの変位量ΔDが「0(零)」になり、且つ露光光ELの集光角θが維持されるように、プラズマ50の発生位置を調整する。すなわち、制御装置60は、ノズル調整機構55を制御してノズル53をZ軸方向に移動させる。この場合、制御装置60は、プラズマ50の発生位置が+Z方向(図5では右方向)に移動するように、ノズル調整機構55を制御する。そして、各計測用部材71,72での発光領域の半径R1,R2が再び初期値Rtになると中間集光点IFの変位量ΔDが「0(零)」になるため、制御装置60は、プラズマ50の発生位置の調整を終了し、移動機構73,74を制御して各計測用部材71,72を退避位置にそれぞれ移動させる。その後、制御装置60は、ウエハステージ17に設置された新たなウエハWに対して露光処理を再び行う。
【0036】
次に、集光ミラー52から射出された露光光ELの集光角θが大きくなった場合について図7に基づき説明する。なお、ここでは、露光光ELの中間集光点IFの位置が変位していないものとする。
【0037】
さて、露光処理中においてウエハWの交換する際などに、制御装置60は、各計測用部材71,72を退避位置から計測位置にそれぞれ移動させた後、各検出部75,76からの検出信号に基づき、各計測用部材71,72での発光領域の半径R1,R2を算出する。この際、図7に示すように、計測位置に配置された各計測用部材71,72の発光領域の半径R1,R2が初期値Rtよりも共に大きくなったり、各半径R1,R2が初期値Rtよりも共に小さくなったりした場合、制御装置60は、上記各関係式(式1)〜(式4)を用いて、露光光ELの中間集光点IFの変位量ΔD及び露光光ELの集光角θを算出する。こうして算出された変化後集光角θaは、初期角度θt(メンテナンス終了時における露光光ELの集光角)よりも大きな角度である。なお、この際における中間集光点IFの変位量ΔDは「0(零)」である。
【0038】
そして、制御装置60は、初期角度θtと変化後集光角θaとの差分である集光角θの変化量Δθを算出する。続いて、制御装置60は、中間集光点IFの変位量ΔDを「0(零)」が維持され、且つ集光角θの変化量Δθが「0(零)」となるように、集光ミラー調整機構56を制御して集光ミラー52のZ軸方向における位置を調整する。そして、各計測用部材71,72の発光領域の半径R1,R2が再び初期値Rtとなると露光光ELの集光角θが初期角度θtになるため、制御装置60は、集光ミラー52の位置調整を終了し、移動機構73,74を制御して各計測用部材71,72を退避位置にそれぞれ移動させる。その後、制御装置60は、ウエハステージ17に設置された新たなウエハWに対して露光処理を行う。
【0039】
次に、集光ミラー52から射出された露光光ELの中間集光点IFがZ軸方向に移動すると共に、露光光ELの集光角θが変化した場合について説明する。
さて、露光処理中においてウエハWの交換する際などに、制御装置60は、各計測用部材71,72を退避位置から計測位置にそれぞれ移動させた後、各検出部75,76からの検出信号に基づき、各計測用部材71,72での発光領域の半径R1,R2を算出する。また、制御装置60は、上記各関係式(式1)〜(式2)を用い、中間集光点IFの変位量ΔD及び露光光ELの集光角θ、即ち集光角θの変化量Δθを算出する。そして、制御装置60は、中間集光点IFの変位量ΔD及び集光角θの変化量Δθが共に「0(零)」ではない場合、露光光ELの中間集光点IFがZ軸方向に変位し、且つ集光角θが変化したと判定する。
【0040】
そして、制御装置60は、中間集光点IFの変位量ΔD及び集光角θの変化量Δθが共に「0(零)」となるように、ノズル調整機構55及び集光ミラー調整機構56を制御し、プラズマ50の発生位置及び集光ミラー52の位置を調整する。その結果、中間集光点IFの変位量ΔD及び集光角θの変化量Δθが共に「0(零)」となると、制御装置60は、プラズマ50の発生位置及び集光ミラー52の位置の調整を終了する。この際、各計測用部材71,72の発光領域の半径R1,R2は、共に初期値Rtとなる。そして、制御装置60は、プラズマ50の発生位置及び集光ミラー52の位置の調整を終了し、移動機構73,74を制御して各計測用部材71,72を退避位置にそれぞれ移動させる。その後、制御装置60は、ウエハステージ17に設置された新たなウエハWに対して露光処理を行う。
【0041】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)もし仮に計測用部材を1つだけ備える従来の計測装置(以下、「従来装置」と略記する。)にて露光光ELの特性を計測させたとすると、以下に示すような問題が発生する可能性がある。すなわち、従来装置では、露光光ELの光径を1箇所でしか計測できない。そのため、従来装置では、露光光ELの光径(即ち、計測用部材での発光領域の半径)の変化を計測できたとしても、その原因が露光光ELの中間集光点IFの変位であるのか露光光ELの集光角θの変化であるかを特定できない。この点、本実施形態では、2つの計測用部材71,72を用い、露光光ELの光径を2箇所で計測するため、各計測用部材71,72での発光領域の半径R1,R2の変化をそれぞれ確認することにより、該半径R1,R2の変化の原因が露光光ELの中間集光点IFの変位であるのか露光光ELの集光角θの変化であるかを特定できる。すなわち、1つの計測用部材のみを用いた従来装置に比して、計測用部材が増えた分だけ、露光光ELの特性をより正確に計測できる。
【0042】
(2)また、従来装置であっても、計測用部材を露光光ELの光軸に沿って移動させることができる構成である場合には、本実施形態と同様に、露光光ELの光径を複数箇所で計測できる。しかしながら、こうした場合、まず第1の計測位置で計測を行った後、計測用部材を第2の計測位置に移動させ、該第2の計測位置で計測を行うことになる。そのため、露光光ELの特性を計測する際には、計測用部材を第1の計測位置から第2の計測位置まで移動させる時間が必要な分、多大に時間がかかってしまう。しかも、露光光ELの特性を計測する場合、光源装置13は、露光光ELを出力し続ける必要がある。すなわち、プラズマ発生部51では、EUV光発生物質であるキセノンガスを供給し続けると共に、高出力レーザ54からレーザ光LRを出力させ続ける必要がある。したがって、従来装置にて露光光ELの特性を正確に計測するためには、光源装置13から露光光ELを出力させ続ける分だけ、コストがかかってしまう問題があった。この点、本実施形態の計測装置70は、2つの計測用部材71,72を用いるため、互いに異なる複数位置での露光光ELの特性を同じタイミングで計測できる。したがって、従来装置を用いた計測の場合に比して、短時間で計測できると共に、コスト低減に貢献できる。
【0043】
(3)また、従来装置を用いる場合に比して短時間で露光光ELの特性を計測可能なため、露光処理中においてウエハステージ17に載置されるウエハWを交換している間に、本実施形態の計測装置70を用いた露光光ELの特性の計測を行うことができる。したがって、露光光ELの特性の計測を露光処理中に行ったとしても、露光装置11の露光処理効率の低下を抑制できる。
【0044】
(4)露光光ELの計測時において各計測用部材71,72は、中間集光点IFを挟むようにそれぞれ配置される。そのため、各計測用部材71,72が共に中間集光点IFよりも集光ミラー52側(又は照明光学系14側)に配置される場合に比して、中間集光点IFが変位したのか露光光ELの集光角θが変化したのかなどをより正確に特定できる。
【0045】
(5)各計測用部材71,72の入射面側には、発光層71a,72aが形成されており、該発光層71a,72aでの発光領域の半径R1,R2を計測することにより、露光光ELの光径を計測できる。すなわち、各計測位置における露光光ELの光径の変化を容易に計測できる。
【0046】
(6)また、各計測用部材71,72は、露光光ELの特性を計測する場合には計測位置に配置される一方、非計測時には露光光ELの光路外の退避位置に配置される。そのため、ウエハWへの露光光時に各計測用部材71,72が露光光ELの少なくとも一部を遮光することを抑制できる。
【0047】
(7)各計測用部材71,72を用いて露光光ELの特性を計測した場合、該計測結果に応じて、露光光ELの中間集光点IFの位置及び露光光ELの集光角θのうち少なくとも一方が自動的に調整される。そのため、自動調整後の露光時には、ウエハWに対してパターンの像を的確に投影させることができる。
【0048】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、計測装置70を用いて露光光ELの特性を計測し、露光光ELの中間集光点IFの変位量ΔDや露光光ELの集光角θの変化量Δθを算出した場合には、スリット装置28のスリット27の形状を調整させてもよい。すなわち、スリット装置28では、レチクルRの照明領域での照明むらの発生を抑制するようにスリット27の形状が調整される。その結果、光源装置13から出力される露光光ELの特性の変化に起因したレチクルRの照明領域での照明むらの発生が抑制されるため、ウエハWに対してパターンの像を適切に投影できる。
【0049】
こうしてスリット27の形状を調整する場合には、プラズマ50の発生位置や集光ミラー52の位置も調整してもよい。
・実施形態において、計測装置70を用いて露光光ELの特性を計測し、露光光ELの中間集光点IFの変位量ΔDや露光光ELの集光角θの変化量Δθを算出した場合には、照明ミラー調整機構65を制御してコリメート用ミラー19の位置や向きを調整することにより、レチクルRの照明領域での照明むらの発生を抑制するようにしてもよい。このようにコリメート用ミラー19の位置及び向きの少なくとも一方を調整する場合であっても、プラズマ50の発生位置や集光ミラー52の位置も調整してもよい。
【0050】
・実施形態において、照明ミラー調整機構65は、照明光学系14を構成する各ミラー19,21,22,24,25の位置や向きを個別に調整可能な構成であってもよい。そして、計測装置70を用いて露光光ELの特性を計測し、露光光ELの中間集光点IFの変位量ΔDや露光光ELの集光角θの変化量Δθを算出した場合には、照明ミラー調整機構65を制御して各ミラー19,21,22,24,25の位置や向きを個別に調整することにより、光源装置13から出力される露光光ELの特性の変化に起因したレチクルRの照明領域での照明むらの発生を抑制するようにしてもよい。
【0051】
・実施形態において、各計測用部材71,72の各計測位置は、メンテナンス終了時の露光光ELの中間集光点IFからの各距離D1,D2が互いに異なるように設定されてもよい。
【0052】
・実施形態において、計測装置70は、3つ以上の任意数(例えば4つ)の計測用部材71,72を備えた構成であってもよい。こうした各計測用部材を、露光光ELの光軸方向において互いに異なる位置にそれぞれ配置することが望ましい。このように構成すると、露光光ELの特性を計測する位置が増加する分だけ、露光光ELの特性の変化をより正確に計測できる。
【0053】
・実施形態において、露光装置11には、ノズル調整機構55や集光ミラー調整機構56を設けなくてもよい。この場合、計測装置70を用いて露光光ELの特性を計測し、露光光ELの中間集光点IFの変位量ΔDや露光光ELの集光角θの変化量Δθを算出した場合には、プラズマ50の発生位置や集光ミラー52の位置を作業者の手動で調整させることが望ましい。
【0054】
・実施形態において、各検出部75,76は、各計測用部材71,72の位置毎の温度を計測できるようなものであってもよい。すなわち、各検出部75,76による検出結果に基づき、各計測用部材71,72の入射面側において温度が高い高温領域は、露光光ELが入射する領域であると判断し、各高温領域の半径R1,R2を算出するようにしてもよい。このように構成しても、各計測位置での露光光ELの光径を取得できる。
【0055】
また、こうした検出部75,76を用いる場合、各計測用部材71,72は、発光層71a,72aを有する蛍光板でなくてもよい。
・実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
【0056】
・また、上記実施形態の照明光学系14を、レチクルRとウエハWとが相対移動した状態でレチクルRのパターンをウエハWへ転写し、ウエハWを順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパに搭載してもよい。
【0057】
・実施形態において、プラズマ発生部51は、EUV光発生物質としてキセノンガス以外の他の物質(例えば、スズ(Sn)やスズ化合物(酸化スズ(SnO)など))を用いる構成であってもよい。
【0058】
・実施形態において、光源装置13は、大きさが互いに異なる複数の集光ミラー52を、露光光ELの光軸方向において同一位置に配置した集光光学系を備えたものであってもよい。この場合、プラズマ発生部51と集光光学系との間には、各集光ミラー52の内周面に向けて適切に露光光ELを導くためのデブリフィルタを設けることが望ましい。
【0059】
・実施形態において、光源装置13は、放電励起型プラズマ光源を備えた構成であってもよい。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図8は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
【0060】
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
【0061】
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
【0062】
図9は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0063】
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態における露光装置を示す概略構成図。
【図2】スリット装置を示す概略平面図。
【図3】光源装置を示す概略構成図。
【図4】(a)は第1計測用部材での発光領域を示す模式図、(b)は第2計測用部材での発光領域を示す模式図。
【図5】プラズマの発生位置が変位した状態を示す光源装置を示す概略構成図。
【図6】(a)は第1計測用部材での発光領域が変化した様子を示す模式図、(b)は第2計測用部材での発光領域が変化した様子を示す模式図。
【図7】露光光ELの集光角が変化した状態を示す模式図。
【図8】デバイスの製造例のフローチャート。
【図9】半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
【符号の説明】
【0065】
11…露光装置、13…光源装置、14…照明光学系、16…投影光学系、21,22…オプティカルインテグレータとしてのフライアイミラー、26a…第1面としての吸着面、27…スリット、28…スリット装置、38〜43…光学素子としてのミラー、44a…第2面としての吸着面、50…プラズマ、51…プラズマ発生部、52…集光光学系、集光光学素子としての集光ミラー、52a…ミラー部、55…位置調整機構としてのノズル調整機構、56…位置調整機構としての集光ミラー調整機構、60…算出部としての制御装置、65…配置調整機構としての照明ミラー調整機構、70…計測装置、71…一部の計測用部材としての第1計測用部材、72…残りの計測用部材としての第2計測用部材、71a,72a…発光層、75,76…検出部、EL…露光光、IF…中間集光点、θ…露光光の集光角、ΔD…中間集光点の変位量、Δθ…集光角の変化量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマから放射される光の特性を計測する計測装置であって、
前記光の光路において前記光の光軸方向に沿って互いに異なる位置に配置される少なくとも2つの計測用部材と、
該少なくとも2つの計測用部材に入射した前記光の特性をそれぞれ検出する検出部と、
該検出部による検出結果に基づき前記光の特性を算出する算出部と、
を備えた計測装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの計測用部材は、前記光の一部が入射するようにそれぞれ配置されている請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの計測用部材は、前記プラズマから放射される光を集光させる集光光学系を有する光源装置から射出される前記光の特性を計測可能な位置にそれぞれ配置されている請求項1又は請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの計測用部材のうち一部の計測用部材は、前記集光光学系から射出される光の集光点よりも光学的に上流に配置され、残りの計測用部材は、前記光の集光点よりも光学的に下流に配置されている請求項3に記載の計測装置。
【請求項5】
前記光の特性とは、前記集光光学系から射出される光の集光点の位置及び前記光の集光点の変位量のうち少なくとも一方を含む請求項3又は請求項4に記載の計測装置。
【請求項6】
前記光の特性とは、前記集光光学系から射出される光の集光角及び前記光の集光角の変化量のうち少なくとも一方を含む請求項3〜請求項5のうち何れか一項に記載の計測装置。
【請求項7】
前記少なくとも2つの計測用部材において前記光が入射する入射面には、前記光の入射態様に応じた態様で発光する発光層がそれぞれ形成されている請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の計測装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記少なくとも2つの計測用部材の発光層での発光態様を計測用部材毎に検出可能に構成されている請求項7に記載の計測装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つの計測用部材は、前記算出部によって算出された前記光の特性に応じて、前記光の光軸方向に沿ってそれぞれ変位可能である請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の計測装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つの計測用部材は、計測可能な計測位置と計測不能な退避位置との二位置間でそれぞれ移動可能である請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の計測装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つの計測用部材は、蛍光板である請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の計測装置。
【請求項12】
前記光は、EUV光である請求項1〜請求項11のうち何れか一項に記載の計測装置。
【請求項13】
プラズマを発生可能なプラズマ発生部と、
前記プラズマから放射される光を集光する集光光学系と、
請求項1〜請求項12のうち何れか一項に記載の計測装置と、
を備えた光源装置。
【請求項14】
前記集光光学系は、内周面が前記光を反射可能なミラー部となる筒状の集光光学素子を有し、該集光光学素子は、その内周面に前記プラズマから放射される光が入射するように配置されている請求項13に記載の光源装置。
【請求項15】
前記集光光学素子の内周面には、前記光を反射させるための多層膜が形成されている請求項14に記載の光源装置。
【請求項16】
前記プラズマの位置及び前記集光光学系の位置のうち少なくとも一方を調整可能な位置調整機構をさらに備え、
該位置調整機構は、前記算出部による算出結果に基づき、前記プラズマの位置及び前記集光光学系の位置のうち少なくとも一方を調整する請求項13〜請求項15のうち何れか一項に記載の光源装置。
【請求項17】
請求項1〜請求項12のうち何れか一項に記載の計測装置と、
光源装置から射出される光で第1面を照明する照明光学系と、
前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系と、
を備えた露光装置。
【請求項18】
請求項13〜請求項16のうち何れか一項に記載の光源装置と、
該光源装置から射出される光で第1面を照明する照明光学系と、
前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系と、
を備えた露光装置。
【請求項19】
前記照明光学系は、複数の光学素子を備えた構成であると共に、
該各光学素子のうち少なくとも1つの光学素子の配置態様を調整可能な配置調整機構をさらに備え、
該配置調整機構は、前記算出部による算出結果に基づき、前記少なくとも1つの光学素子の配置態様を変更させる請求項17又は請求項18に記載の露光装置。
【請求項20】
前記照明光学系の射出側に配置され、且つ該照明光学系から射出される光の形状を調整するためのスリットを有するスリット装置をさらに備え、
該スリット装置は、前記算出部による算出結果に基づき、前記スリットの形状を調整する請求項17〜請求項19のうち何れか一項に記載の露光装置。
【請求項21】
前記照明光学系は、少なくとも1つの反射型のオプティカルインテグレータを有する請求項17〜請求項20のうち何れか一項に記載の露光装置。
【請求項22】
リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
前記リソグラフィ工程は、請求項17〜請求項21のうち何れか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−67911(P2010−67911A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235084(P2008−235084)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】