説明

記録装置および記録方法、再生装置および再生方法、記録再生装置および記録再生方法、並びにプログラム

【課題】 ファイルに関する処理を容易に行う。
【解決手段】 データを符号化または復号する符号化方式である、例えば、H.264/AVCについて、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定されている規格に準拠したビデオカメラにおいて、データが、H.264/AVCで、例えば、コーデックレベルAVC_Aの中の、例えば、コーデッククラス#2の符号化データに符号化される。符号化データは、その符号化データのコーデックレベルAVC_Aを表すファイル名である、例えば、"AVCA0001.MP4"のファイルとして、記録媒体に記録される。本発明は、例えば、記録媒体の着脱が可能なビデオカメラなどに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置および記録方法、再生装置および再生方法、記録再生装置および記録再生方法、並びにプログラムに関し、特に、例えば、記録媒体に記録されるファイルに関する処理を、容易に行うことができるようにする記録装置および記録方法、再生装置および再生方法、記録再生装置および記録再生方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、不揮発性メモリを用いたメモリカードや、磁気ディスクであるHD(Hard Disk)等の記録媒体の大容量化に伴い、記録媒体に記録することができる画像ファイルのファイル数は飛躍的に増加している。
【0003】
そして、記録媒体に記録された多数の画像ファイルの中から所望の画像ファイルを再生するには、その所望の画像ファイルを検索しなければならず、この検索に要する検索時間は、記録媒体に記録される画像ファイルの増加に伴い増加する。
【0004】
そこで、画像ファイルの画像を撮影した撮影日に基づいて、記録媒体上にディレクトリを作成し、そのディレクトリに、対応する撮影日に撮影された画像の画像ファイルを格納する、画像ファイルの管理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この管理方法によれば、ユーザは、撮影日に基づいて、所望の画像を容易に検索することができ、また、インデックス画像(サムネイル)を撮影順序で作成して表示すること等も容易に行うことができる。
【0006】
【特許文献1】特開2004-96582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載されているように、撮影日に基づいてディレクトリが作成される場合、記録媒体上のディレクトリの数は発散して増加するため、その増加に伴い、画像ファイルに関する処理の負担も増加する。
【0008】
即ち、例えば、撮影日ごとに、ディレクトリが作成され、各撮影日に撮影された静止画の画像ファイルが、記録媒体上の、対応する撮影日のディレクトリに記録される場合において、すべての静止画のサムネイルの一覧を表示するときには、静止画の画像ファイルを探し出すために、記録媒体上のすべてのディレクトリを検索する必要がある。
【0009】
さらに、例えば、画像ファイルの記録や再生を行う記録再生装置において、撮影日ごとのディレクトリに、異なる種類の画像ファイル、即ち、例えば、異なる符号化方式で符号化された画像の画像ファイルが混在して記録される場合がある。
【0010】
具体的には、ある記録再生装置が、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)符号化/復号を行うコーデック(codec)と、MPEG(Moving Picture Experts Group)2符号化/復号を行うコーデックとを有する場合には、その記録再生装置において、記録媒体に、JPEG符号化された静止画の画像ファイルと、MPEG2符号化された動画の画像ファイルとが混在して記録されることがある。
【0011】
そして、記録媒体が、記録再生装置に対して着脱可能な場合には、ある記録再生装置において、JPEG符号化された静止画の画像ファイルと、MPEG2符号化された動画の画像ファイルとが、記録媒体に混在するように記録された後、その記録媒体が、他の記録再生装置に装着されることがある。
【0012】
この場合、他の記録再生装置が、例えば、JPEG符号化された静止画の画像ファイルのみの再生が可能であり、その再生可能な画像ファイルのサムネイルの一覧を表示しようとするときには、他の記録再生装置において、そこに装着された記録媒体上のすべてのディレクトリ内の画像ファイルの1つ1つをチェックして、画像ファイルの再生の可否、つまり、画像ファイルが、JPEG符号化された静止画の画像ファイルであるか否かを判定しなければならず、サムネイルの一覧を表示するのに、多大な時間を要することになる。
【0013】
ここで、一般に、JPEG符号化された静止画の画像ファイルのファイル名の拡張子は、"jpg"であり、また、MPEG2符号化された動画の画像ファイルのファイル名の拡張子は、"mpg"であるから、記録媒体に、例えば、JPEG符号化された静止画の画像ファイルと、MPEG2符号化された動画の画像ファイルとが混在しているだけであれば、ある画像ファイルが、JPEG符号化された静止画の画像ファイルであるか、またはMPEG2符号化された動画の画像ファイルであるかは、その画像ファイルのファイル名の拡張子を参照することにより特定することができる。
【0014】
但し、異なる種類の画像ファイルであっても、そのファイル名の拡張子として、同一の文字列が採用されることがある。即ち、例えば、MPEG4(MPEG4 ビジュアル(MPEG4 part 2))符号化された動画と、AVC(MPEG4 part 10)(MPEG4 AVC(Advanced Video Coding))符号化された動画が、ISO/IEC14496-part12, 14, 15に準拠したファイルフォーマットで記憶された場合では、一般に、いずれも、ファイル名の拡張子として、"MP4"が用いられる。
【0015】
従って、MPEG4符号化された動画の画像ファイルと、AVC(H.264/AVC)符号化された動画の画像ファイルとが、記録媒体に混在して記録されている場合には、記録媒体に記録されている画像ファイルのファイルの名の拡張子を参照するだけでは、その画像ファイルの種類、つまり、その画像ファイルが、MPEG4符号化またはAVC符号化のいずれの符号化がされた動画の画像ファイルであるかを特定することはできない。
【0016】
即ち、この場合、画像ファイルの種類を特定するには、その画像ファイルを実際にオープンし、画像ファイルの中に書き込まれている、その画像ファイルの管理情報を参照する必要がある。
【0017】
記録再生装置に、記録媒体が装着された場合に、その記録媒体に記録されている画像ファイルのうちの、記録再生装置が再生可能な画像ファイルのサムネイルの一覧を表示するには、記録媒体に記録されている画像ファイルすべてについて、その種類を特定して再生の可否を判定する必要がある。従って、記録媒体が大容量化し、そのような大容量の記録媒体に、多数の画像ファイルが記録されると、画像ファイルのファイル名の拡張子を参照するにしても、画像ファイルの中の管理情報を参照するにしても、画像ファイルの種類を特定して、その再生の可否を判定する処理、その他の画像ファイルに関する処理の負担が膨大になる。
【0018】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、大容量の記録媒体にファイルが記録される場合であっても、そのファイルに関する処理を容易に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の記録装置は、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化手段と、符号化手段において符号化された符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の記録方法は、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化ステップと、符号化ステップにおいて符号化された符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第1のプログラムは、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化ステップと、符号化ステップにおいて符号化された符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の再生装置は、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段と、任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定手段と、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の再生方法は、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段に、符号化データを復号させる復号ステップと、任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の第2のプログラムは、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段に、符号化データを復号させる復号ステップと、任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の記録再生装置は、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段と、コーデック手段において符号化された符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御手段と、記録媒体に記録されているファイルの中から、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定手段と、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の記録再生方法は、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段に、データを符号化データに符号化させる符号化ステップと、コーデック手段において符号化された符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップと、記録媒体に記録されているファイルの中から、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の第3のプログラムは、データを符号化または復号する符号化方式について、 データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段に、データを符号化データに符号化させる符号化ステップと、コーデック手段において符号化された符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップと、記録媒体に記録されているファイルの中から、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の記録装置および記録方法、並びに第1のプログラムにおいては、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠して、データが、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化され、符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録される。
【0029】
本発明の再生装置および再生方法、並びに第2のプログラムにおいては、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段が、符号化データを復号する。一方、任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルが、ファイル名に基づいて判定され、復号手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルが判定される。
【0030】
本発明の記録再生装置および記録再生方法、並びに第3のプログラムにおいては、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、符号化データを復号する、所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段が、データを符号化データに符号化し、その符号化データは、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録される。一方、記録媒体に記録されているファイルの中から、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルが、ファイル名に基づいて判定され、さらに、コーデック手段が対応している所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルが判定される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、記録媒体に記録されたファイルに関する処理を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0033】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0034】
請求項1に記載の記録装置は、
データを記録する記録装置(例えば、図4のビデオカメラ)において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化手段(例えば、図4のコーデック22)と、
前記符号化手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御手段(例えば、図4の制御部5)と
を備えることを特徴とする。
【0035】
請求項6に記載の記録方法は、
データを記録する記録方法において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化ステップ(例えば、図6のステップS3)と、
前記符号化ステップにおいて符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップ(例えば、図6のステップS2)と
を含むことを特徴とする。
【0036】
請求項7に記載のプログラムは、
データを記録する記録処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化ステップ(例えば、図6のステップS3)と、
前記符号化ステップにおいて符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップ(例えば、図6のステップS2)と
を含むことを特徴とする。
【0037】
請求項8に記載の再生装置は、
データを再生する再生装置(例えば、図4のビデオカメラ)において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段(例えば、図4のコーデック22)と、
任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定手段(例えば、図8のステップS12の処理を行う図4の制御部5)と、
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定手段(例えば、図8のステップS14の処理を行う図4の制御部5)と
を備えることを特徴とする。
【0038】
請求項12に記載の再生装置は、
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの中の、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルの一覧を表示させる表示制御手段(例えば、図8のステップS15の処理を行う図4の制御部5)をさらに備える
ことを特徴とする。
【0039】
請求項13に記載の再生装置は、
前記記録媒体に記録されている任意のディレクトリ内のファイルの一覧を表示させる表示制御手段(例えば、図8のステップS15の処理を行う図4の制御部5)をさらに備える
ことを特徴とする。
【0040】
請求項14に記載の再生装置は、
前記記録媒体では、符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内に、その符号化方式について規定されているコーデックレベルの中のコーデッククラスの符号化データのファイルが記録され、
前記記録媒体の、前記復号手段が対応している符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内に記録されているファイルの一覧を、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの中の、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルと、他のファイルとを区別して表示させる表示制御手段(例えば、図8のステップS15の処理を行う図4の制御部5)をさらに備える
ことを特徴とする。
【0041】
請求項15に記載の再生方法は、
データを再生する再生方法において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段に、符号化データを復号させる復号ステップ(例えば、図10のステップS24)と、
任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップ(例えば、図10のステップS21)と、
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップ(例えば、図10のステップS23)と
を含むことを特徴とする。
【0042】
請求項16に記載のプログラムは、
データを再生する再生処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段に、符号化データを復号させる復号ステップ(例えば、図10のステップS24)と、
任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップ(例えば、図10のステップS21)と、
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップ(例えば、図10のステップS23)と
を含むことを特徴とする。
【0043】
請求項17に記載の記録再生装置は、
データの記録と再生とを行う記録再生装置(例えば、図4のビデオカメラ)において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、前記符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段(例えば、図4のコーデック22)と、
前記コーデック手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御手段(例えば、図6のステップS2の処理を行う図4の制御部5)と、
前記記録媒体に記録されているファイルの中から、前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定手段(例えば、図8のステップS12の処理を行う図4の制御部5)と、
前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定手段(例えば、図8のステップS14の処理を行う図4の制御部5)と
を備えることを特徴とする。
【0044】
請求項18に記載の記録再生方法は、
データの記録と再生とを行う記録再生方法において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、前記符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段に、前記データを前記符号化データに符号化させる符号化ステップ(例えば、図6のステップS3)と、
前記コーデック手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップ(例えば、図6のステップS2)と、
前記記録媒体に記録されているファイルの中から、前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップ(例えば、図8のステップS12)と、
前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップ(例えば、図8のステップS14)と
を含むことを特徴とする。
【0045】
請求項19に記載のプログラムは、
データの記録と再生とを行う記録再生処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、前記符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段に、前記データを前記符号化データに符号化させる符号化ステップ(例えば、図6のステップS3)と、
前記コーデック手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップ(例えば、図6のステップS2)と、
前記記録媒体に記録されているファイルの中から、前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップ(例えば、図8のステップS12)と、
前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップ(例えば、図8のステップS14)と
を含むことを特徴とする。
【0046】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0047】
ここで、本実施の形態は、データを符号化データに符号化して記録媒体に記録し、または記録媒体に記録された符号化データを再生、即ち、読み出して復号する装置に関する新しい規格(以下、適宜、新装置規格という)の存在を前提とする。そこで、まず、この新装置規格について説明する。
【0048】
新装置規格では、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定されている。
【0049】
いま、データとして、ビデオデータとオーディオデータとを含む動画データ(音声付きの動画データ)を想定するとともに、動画データを符号化または復号する符号化方式として、AVC(H.264)とMPEG4との2種類を想定することとする。
【0050】
まず、AVCに注目すると、新装置規格では、AVCについて、音声付きの動画データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラス(Codec Class)が規定されている。
【0051】
ここで、AVCでは、符号化/復号におけるアルゴリズム上の構成要素の集まり、あるいは、データを復号するのに必要なツール(要素技術)の集まりを規定したプロファイルが定義されている。AVCにおいて定義されているプロファイルには、ベースラインプロファイル(baseline profile)、メインプロファイル(main Profile)、および拡張プロファイル(extended profile)がある。
【0052】
ベースラインプロファイルは、AVCの基本ツールとエラー耐性向けのツールとが組み合わされたプロファイルで、例えば、いわゆるテレビ電話などの、リアルタイムでの双方向通信が要求されるアプリケーション向けのプロファイルである。
【0053】
メインプロファイルでは、基本ツールと、符号化効率の高い高能率符号化ツールとが採用されている。メインプロファイルは、例えば、放送メディアや蓄積メディア向けのプロファイルである。
【0054】
拡張プロファイルでは、基本ツール、高能率符号化ツールの一部、およびストリーミング用のストリーミングツールが採用されている。拡張プロファイルは、いわゆるストリーミングアプリケーション向けのプロファイルである。
【0055】
AVCでは、さらに、ベースラインプロファイル、メインプロファイル、拡張プロファイルの各プロファイルについて、そのプロファイルで規定されたツールをサポートする範囲を表すレベルが規定されている。AVCで規定されているレベルは、デコーダが復号することができる符号化データ(ビットストリーム)の複雑さに対応しており、このレベルでは、符号化(復号)に関する多数のパラメータが規定されている。AVCのレベルで規定されているパラメータとしては、例えば、1秒間に復号すべきマクロブロックの数を表す最大マクロブロック処理レート(Max Macroblock Processing Rate)などがある。
【0056】
AVCのプロファイルは、AVCで規定されているツールの集合の部分集合と見ることができ、AVCに準拠した装置では、AVCで規定されているツールのすべてを実装する必要はなく(しても良いが)、その装置が対応するプロファイルのツールだけを実装すれば良いので、装置(装置の構成、あるいは装置が行う処理)の複雑度(complexity)を低くすることができる。
【0057】
プロファイルの概念は、AVCの他、例えば、MPEG2などでも採用されている。MPEG2で定義されているプロファイルには、シンプルプロファイル(simple profile)、メインプロファイル(main profile)、ハイプロファイル(high profile)があり、シンプルプロファイルは、メインプロファイルに含まれ、メインプロファイルは、ハイプロファイルに含まれる。
【0058】
このように、MPEG2のプロファイルは、シンプルプロファイルがメインプロファイルに含まれ、メインプロファイルがハイプロファイルに含まれるという包含関係(オニオンリングと呼ばれる階層構造)を有するので、シンプルプロファイルの符号化データ(シンプルプロファイルにしたがってMPEG2符号化されたデータ)は、MPEG2に準拠したデコーダのうちの、シンプルプロファイル、メインプロファイル、およびハイプロファイルのいずれに対応したデコーダでも復号することができる。また、メインプロファイルの符号化データは、MPEG2に準拠したデコーダのうちの、メインプロファイルおよびハイプロファイルのいずれに対応したデコーダでも復号することができる。
【0059】
一方、AVCのプロファイルは、MPEG2のプロファイルのような包含関係を有しない。このため、AVCに準拠した装置であっても、対応しているプロファイルが異なる場合には、互換性がない(互換性が保証されない)。例えば、AVCのあるプロファイルにのみ対応した装置で記録媒体に記録されたデータは、AVCの他のプロファイルにのみ対応した装置で再生することはできない(再生することができることが保証されない)。
【0060】
そこで、新装置規格では、装置どうしの互換性を確保するために、第1に、AVC等の符号化方式について、動画データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスが規定されている。
【0061】
即ち、例えば、AVCに準拠したコーデックの性能は、コーデックが符号化/復号することができる音声付きの動画データのフォーマット、つまり、コーデックが符号化/復号することができるビデオデータのフォーマットや、オーディオデータのフォーマットによって分類することができる。
【0062】
図1は、AVCに準拠したビデオデータのフォーマットと、オーディオデータのフォーマットそれぞれの分類の例を示している。
【0063】
図1上側は、AVCに準拠したビデオデータのフォーマットの分類の例を示しており、図1下側は、AVCに準拠したオーディオデータのフォーマットの分類の例を示している。
【0064】
図1上側では、AVCに準拠したビデオデータのフォーマット(以下、適宜、AVCビデオフォーマットという)として、6種類のAVCビデオフォーマットAVC_Video1,AVC_Video2,AVC_Video3,AVC_Video4,AVC_Video5,AVC_Video6が示されている。
【0065】
AVCビデオフォーマットAVC_Video1は、AVCのベースラインプロファイルのレベル1.2に対応しており(Profileがbaselineで、Levelが1.2)、ビデオデータのピクチャサイズが320×240画素(横×縦)とされている(Picture Sizeが320×240)。また、AVCビデオフォーマットAVC_Video1では、ビデオデータが15p、つまり、フレームレート(垂直同期周波数)が15Hzのプログレッシブ(progressive)方式のデータであり(Frame Rateが15p)、最大ビットレートが5Mbpsとされている(Max bitrateが5Mbps)。
【0066】
AVCビデオフォーマットAVC_Video2は、AVCのベースラインプロファイルのレベル3.0に対応しており、ビデオデータのピクチャサイズが640×480画素とされている。また、AVCビデオフォーマットAVC_Video2では、ビデオデータが30p、つまり、フレームレートが30Hzのプログレッシブ方式のデータであり、最大ビットレートが8Mbpsとされている。
【0067】
AVCビデオフォーマットAVC_Video3は、AVCのメインプロファイルのレベル3.0に対応しており(Profileがmainで、Levelが3.0)、ビデオデータのピクチャサイズが720×480画素とされている。また、AVCビデオフォーマットAVC_Video3では、ビデオデータが60i、つまり、フィールドレート(垂直同期周波数)が60Hzのインターレース(interlace)方式のデータであり(Frame Rateが60i)、最大ビットレートが10Mbpsとされている。
【0068】
AVCビデオフォーマットAVC_Video4は、AVCのメインプロファイルのレベル4.0に対応しており、ビデオデータのピクチャサイズが720×480画素とされている。また、AVCビデオフォーマットAVC_Video4では、ビデオデータは、60iと30p、つまり、フィールドレートが60Hzのインターレース方式のデータと、フレームレートが30Hzのプログレッシブ方式のデータとのうちのいずれでも良く、最大ビットレートが15Mbpsとされている。
【0069】
AVCビデオフォーマットAVC_Video5は、AVCのハイプロファイル(high plofile)のレベル4.1に対応しており(Profileがhighで、Levelが4.1)、ビデオデータのピクチャサイズが1280×720画素とされている。また、AVCビデオフォーマットAVC_Video5では、ビデオデータは、60iと60p、つまり、フィールドレートが60Hzのインターレース方式のデータと、フレームレートが60Hzのプログレッシブ方式のデータとのうちのいずれでも良く、最大ビットレートが40Mbpsとされている。
【0070】
ここで、AVCでは、最近、上述した3つのベースラインプロファイル、メインプロファイル、拡張プロファイルに加え、4つ目のプロファイルとして、ハイプロファイルが規定された。AVCビデオフォーマットAVC_Video5が対応しているハイプロファイルとは、その4つ目のプロファイルである。
【0071】
AVCビデオフォーマットAVC_Video6は、AVCのハイプロファイルのレベル4.2に対応しており、ビデオデータのピクチャサイズが1920×1080画素とされている。また、AVCビデオフォーマットAVC_Video6では、ビデオデータは、60iと60pのうちのいずれでも良く、最大ビットレートが50Mbpsとされている。
【0072】
なお、図1に示したAVCビデオフォーマットのピクチャサイズ(Picture Size)、フレームレート(Frame rate)、および最大ビットレート(Max Bitrate)は、符号化に関するパラメータの例示であり、AVCのレベルでも規定されている。図1のAVCビデオフォーマットのピクチャサイズ、フレームレート、および最大ビットレートの値は、そのAVCビデオフォーマットが対応しているAVCのレベルがサポートする範囲内の値になっており、図1のAVCビデオフォーマットのピクチャサイズ、フレームレート、および最大ビットレートの値が、そのAVCビデオフォーマットが対応しているAVCのレベルで規定されている値に一致していない場合には、図1のAVCビデオフォーマットのピクチャサイズ、フレームレート、および最大ビットレートの値が優先する。
【0073】
即ち、AVCのレベルは、下位のレベル(数字の小さいレベル)をサポート(カバー)する。具体的には、例えば、図1において、AVCビデオフォーマットAVC_Video5は、AVCのレベル4.1に対応しているが、AVCのレベル4.1では、最大ビットレートとして、50Mbpsが規定されている。AVCのレベル4.1未満のレベルでは、最大ビットレートとして、50Mbps以下の値が規定されており、このように、AVCのレベルは、下位のレベルをサポートする。
【0074】
AVCビデオフォーマットAVC_Video5は、AVCのレベル4.1に対応するから、本来ならば、最大ビットレートは50Mbpsであるが、場合によっては、対応するAVCのレベルに規定されている値とは異なる値にしたいことがある。
【0075】
そこで、新装置規格では、AVCビデオフォーマットが対応するAVCのレベルに規定されている値とは異なる値であっても、そのAVCのレベルがサポートする範囲内の値であれば、そのような異なる値をとることを許可している。
【0076】
例えば、上述したように、図1において、AVCビデオフォーマットAVC_Video5は、最大ビットレートとして50Mbpsが規定されているAVCのレベル4.1に対応しているが、図1の最大ビットレート(Max Bitrate)の欄では、40Mbpsとされている。この40Mbpsという値は、AVCビデオフォーマットAVC_Video5が対応しているAVCのレベル4.1で規定されている最大ビットレートである50Mbpsとは異なるが、その50Mbpsがサポートする範囲内の値であり、この場合、AVCのレベル4.1で規定されている最大ビットレートの50Mbpsよりも、最大ビットレート(Max Bitrate)の欄の記載の40Mbpsが優先する。
【0077】
新装置規格では、AVCビデオフォーマットにおける最大ビットレート以外のパラメータ(符号化に関するパラメータ)についても、そのAVCビデオフォーマットが対応しているAVCのレベルがサポートする範囲内の値であれば、そのAVCのレベルに規定されている値とは異なる値を採用することができる。後述するAVCオーディオフォーマットについても同様である。
【0078】
ここで、例えば、図1のAVCビデオフォーマットAVC_Video6は、AVCのレベル4.2に対応しているが、AVCのレベル4.2では、ピクチャサイズ(AVCでは、「最大フレームサイズ(画素)」と呼ばれている)として、2097152画素が規定されている。図1のAVCビデオフォーマットAVC_Video6のピクチャサイズ(Picture Size)は、2097152画素とは異なる1920×1080(=2073600)画素になっているが、AVCのレベル4.2で規定されている2097152画素の範囲内の値になっている。
【0079】
なお、新装置規格では、AVCビデオフォーマットについて、図1に示したパラメータ(ピクチャサイズ、フレームレート、および最大ビットレート)以外のパラメータも規定することができる。次に説明するAVCオーディオフォーマットについても同様である。
【0080】
次に、図1下側では、AVCに準拠したオーディオデータのフォーマット(以下、適宜、AVCオーディオフォーマットという)として、4種類のAVCオーディオフォーマットAVC_Audio1,AVC_Audio2,AVC_Audio3,AVC_Audio4が示されている。
【0081】
AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1,AVC_Audio2,AVC_Audio3,AVC_Audio4は、いずれも、AVCのハイクオリティオーディオプロファイルのレベル2.0に対応している(ProfileがHigh Quality Audioで、Levelが2.0)。
【0082】
そして、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1では、オーディオデータのサンプリング周波数が24kHzで(Sampling Frequencyが24)、最大ビットレートが48kbpsとされている(Max Bitrateが48)。
【0083】
また、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio2では、オーディオデータのサンプリング周波数が24kHzで、最大ビットレートが64kbpsとされており、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio3では、オーディオデータのサンプリング周波数が48kHzで、最大ビットレートが128kbpsとされている。さらに、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio4では、オーディオデータのサンプリング周波数が48kHzで、最大ビットレートが256kbpsとされている。
【0084】
新装置規格では、例えば、図1に示した6種類のAVCビデオフォーマットAVC_Video1乃至AVC_Video6のうちの任意の1つと、4種類のAVCオーディオフォーマットAVC_Audio1乃至AVC_Audio4のうちの任意の1つとを組み合わせることができ、この組み合わせが、AVCについての1つのコーデッククラスである。
【0085】
即ち、新装置規格では、例えば、AVCビデオフォーマットAVC_Video1と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1との組み合わせを、1つのコーデッククラスとすることができる。また、新装置規格では、例えば、AVCビデオフォーマットAVC_Video2と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1との組み合わせを、他の1つのコーデッククラスとすることができる。
【0086】
なお、ここでは、音声付きの動画データを対象としているため、ビデオデータのフォーマットと、オーディオデータのフォーマットとの組み合わせを、コーデッククラスとしたが、例えば、ビデオデータ(動画、静止画)のフォーマットだけ、またはオーディオデータのフォーマットだけを、コーデッククラスとすることもできるし、また、例えば、ビデオデータのフォーマット、オーディオデータのフォーマット、および字幕データのフォーマットの組み合わせを、コーデッククラスとすることもできる。
【0087】
次に、新装置規格では、装置どうしの互換性を確保するために、第2に、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルが規定されている。
【0088】
即ち、あるコーデッククラスが、他のコーデッククラスに包含される場合がある。
【0089】
具体的には、例えば、図1において、AVCビデオフォーマットAVC_Video1と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1との組み合わせを、コーデッククラス#1とするとともに、AVCビデオフォーマットAVC_Video2と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1との組み合わせを、コーデッククラス#2とした場合、コーデッククラス#2のAVCビデオフォーマットAVC_Video2は、コーデッククラス#1のAVCビデオフォーマットAVC_Video1を包含する。
【0090】
ここで、コーデッククラス#2のAVCビデオフォーマットAVC_Video2と、コーデッククラス#1のAVCビデオフォーマットAVC_Video1とは、いずれも、AVCのベースラインプロファイルに対応するから、AVCビデオフォーマットAVC_Video2のデータと、AVCビデオフォーマットAVC_Video1のデータとのそれぞれに対して行われる処理の種類(例えば、AVCでは、エントロピー符号化が行われるが、その行われるエントロピー符号化の種類(AVCでは、CABACまたはCAVLCなど))は、同一である。また、AVCビデオフォーマットAVC_Video1のピクチャサイズ等のパラメータの値は、AVCビデオフォーマットAVC_Video2の同一種類のパラメータの値以下になっている。
【0091】
従って、AVCビデオフォーマットAVC_Video2とAVC_Video1とでは、データに対して行われる処理の種類は同一であるが、パラメータの値、つまり、いわば処理の程度が異なるだけである。そして、AVCビデオフォーマットAVC_Video2とAVC_Video1とでは、AVCビデオフォーマットAVC_Video1のパラメータの値が、AVCビデオフォーマットAVC_Video2の同一種類のパラメータの値以下になっており、AVCビデオフォーマットAVC_Video2とAVC_Video1との、このような関係を、「AVCビデオフォーマットAVC_Video2がAVCビデオフォーマットAVC_Video1を包含する」という。
【0092】
コーデッククラス#1と#2のAVCオーディオフォーマットは、AVC_Audio1であり、一致している。
【0093】
従って、コーデッククラス#1と#2との全体を比較した場合に、コーデッククラス#2は、コーデッククラス#1を包含しており、この場合、コーデッククラス#2のAVCビデオフォーマットAVC_Video2のデータ、およびAVCオーディオフォーマットAVC_Video1のデータを処理することができる性能を有するコーデックは、コーデッククラス#1のAVCビデオフォーマットAVC_Video1のデータ、およびAVCオーディオフォーマットAVC_Video1のデータを処理することができる性能を有する。
【0094】
つまり、例えば、コンピュータのCPUが、ある周波数の基準クロックで動作することができるのであれば、そのCPUを、基準クロックの周波数より低い周波数のクロックで動作させる機能がコンピュータに実装されているかどうかは別として、そのCPUが、基準クロックの周波数より低い周波数のクロックで動作する性能を有するのと同様に、コーデッククラス#2のAVCビデオフォーマットAVC_Video2およびAVCオーディオフォーマットAVC_Audio1のデータを処理することができる性能を有するコーデックには、コーデッククラス#1のAVCビデオフォーマットAVC_Video1およびAVCオーディオフォーマットAVC_Audio1のデータを処理する機能が実際に実装されているかどうかは別として、AVCビデオフォーマットAVC_Video1のデータを処理することができる性能がある。
【0095】
従って、あるコーデッククラスが、他のコーデッククラスを包含する場合には、あるコーデッククラスの動画データ(ビデオデータとオーディオデータ)を処理する機能を有する(機能を有するということは性能も有する)コーデックには、他のコーデッククラスの動画データを処理することができる機能を実装することを義務づけることができる。この義務づけにより、あるコーデッククラスに包含される他のコーデッククラスを下位(下位のコーデッククラス)と呼ぶとともに、下位のコーデッククラスを包含するコーデッククラスを上位(上位のコーデッククラス)と呼ぶこととすれば、コーデッククラスどうしでの上位互換を保証することができる。
【0096】
そして、新装置規格では、上位互換が保証されるコーデッククラスの集まりが、コーデックレベルとして規定される。
【0097】
ここで、新装置規格において、あるコーデッククラスが、他のコーデッククラスを包含する場合に、あるコーデッククラスの動画データを処理する機能を有するコーデックには、他のコーデッククラスの動画データを処理することができる機能を実装することを義務づけることができるというのは、あるコーデッククラスが、他のコーデッククラスを包含する場合に、そのような義務づけを規定することができる、というだけであり、そのような義務づけが必須なわけではない。
【0098】
従って、あるコーデッククラスが、他のコーデッククラスを包含していても、上述のような義務づけが規定されていない場合には、その2つのコーデッククラスには、上位と下位の関係は生じず、上位互換は保証されない。
【0099】
また、新装置規格では、上位互換が保証されるコーデッククラスの集まりであれば、その集まりを、コーデックレベルとすることができる、というだけであり、上位互換が保証されるコーデッククラスの集まりを、必ず、コーデックレベルとしなければならない、ということではない。要は、1つのコーデックレベルに属するコーデッククラスどうしの上位互換は保証しなければならないが、あるコーデックレベルに属するコーデッククラスと、他のコーデックレベルに属するコーデッククラスとの互換性は、保証されない(互換があるかもしれないし、ないかもしれない)というだけである。
【0100】
従って、上位互換が保証される複数のコーデッククラスの全部を、1つのコーデックレベルとすることもできるし、その一部と、残りとのそれぞれを、別のコーデックレベルとすることもできる。さらに、上位互換が保証される複数のコーデッククラスのそれぞれを、すべて別のコーデックレベルとすることもできる。
【0101】
なお、上位互換が保証されるコーデッククラスの集まりであるというためには、そのコーデッククラスの集まりが、いわば直列的な包含関係を有していなければならない。つまり、例えば、第1、第2、第3のコーデッククラスが、1つのコーデックレベルに属するためには、第1のコーデッククラスが、第2のコーデッククラスに包含され、かつ、第2のコーデッククラスが(従って、第1のコーデッククラスも)、第3のコーデッククラスに包含されていなければならない。従って、例えば、第1および第2のコーデッククラスが、第3のコーデッククラスに包含されるが、第1または第2のコーデッククラスのうちの一方が、他方に包含されていない場合には、第1乃至第3のコーデッククラスを、1つのコーデックレベルに属させることはできない。但し、この場合、第1と第3のコーデッククラスの2つ、または第2と第3のコーデッククラスの2つであれば、1つのコーデックレベルに属させることができる。
【0102】
ここで、コーデックレベルは、AVCで規定されているレベルとは異なる概念である。
【0103】
また、上位のコーデッククラスには、下位のコーデッククラスよりも、ピクチャサイズや、画質、画像の種類の数等に関して複雑な符号化処理が要求される。
【0104】
図2は、AVCについてのコーデックレベルとコーデッククラスの例を示している。
【0105】
図2では、コーデックレベル(Codec Level)として、AVC_A,AVC_B,AVC_Cの3つが規定されており、さらに、コーデックレベルAVC_A,AVC_B,AVC_Cそれぞれには、いずれも、2つのコーデッククラスが属している。なお、ここでは、3つのコーデックレベルAVC_A乃至AVC_Cそれぞれのいずれも、同一の数である2つのコーデッククラスが属しているが、3つのコーデックレベルAVC_A乃至AVC_Cそれぞれに属するコーデッククラスの数は2つに限定されるものではないし、さらに、同一の数である必要もない。
【0106】
また、図2では、コーデックレベルAVC_A乃至AVC_Cのいずれに属する2つのコーデッククラスも、便宜上、#1と#2のラベルで示されているが、異なるコーデックレベルに属するコーデッククラスは、異なるコーデッククラスである。
【0107】
以下、適宜、コーデッククラスを、そのコーデッククラスが属するコーデックレベルを示すラベルと、そのコーデッククラスを示すラベルとを用いて表すこととする。例えば、コーデックレベルAVC_Aに属するコーデッククラス#1は、コーデックレベルAVC_Aを表すラベル"A"とコーデッククラス#1を表すラベル"#1"とを用いて、AVC_Level#A_Class#1と表すこととする。
【0108】
なお、同一のコーデックレベルに属するコーデッククラスについては、コーデッククラスを示すラベルとしての数字が大きい方のコーデッククラスが、それより小さい数字のラベルで示されるコーデッククラスを包含する。従って、例えば、図2において、コーデックレベルAVC_Cに属するコーデッククラス#1(AVC_Level#C_Class#1)と#2(AVC_Level#C_Class#2)については、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#2が、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#1を包含する
【0109】
図2において、コーデックレベルAVC_Aには、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1とAVC_Level#A_Class#2とが属している。そして、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2は、図1で説明したAVCビデオフォーマットAVC_Video6と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio4との組み合わせであり、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1は、AVCビデオフォーマットAVC_Video5と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio4との組み合わせである。コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2は、上位のコーデッククラスで、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1は、下位のコーデッククラスであり、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2のデータを処理することができる装置では、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1のデータの処理も保証しなければならない。
【0110】
また、コーデックレベルAVC_Bには、コーデッククラスAVC_Level#B_Class#1とAVC_Level#B_Class#2とが属している。そして、コーデッククラスAVC_Level#B_Class#2は、AVCビデオフォーマットAVC_Video4と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio3との組み合わせであり、コーデッククラスAVC_Level#B_Class#1は、AVCビデオフォーマットAVC_Video3と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio2との組み合わせである。コーデッククラスAVC_Level#B_Class#2は、上位のコーデッククラスで、コーデッククラスAVC_Level#B_Class#1は、下位のコーデッククラスであり、コーデッククラスAVC_Level#B_Class#2のデータを処理することができる装置では、コーデッククラスAVC_Level#B_Class#1のデータの処理も保証しなければならない。
【0111】
さらに、コーデックレベルAVC_Cには、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#1とAVC_Level#C_Class#2とが属している。そして、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#2は、AVCビデオフォーマットAVC_Video2と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1との組み合わせであり、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#1は、AVCビデオフォーマットAVC_Video1と、AVCオーディオフォーマットAVC_Audio1との組み合わせである。コーデッククラスAVC_Level#C_Class#2は、上位のコーデッククラスで、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#1は、下位のコーデッククラスであり、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#2のデータを処理することができる装置では、コーデッククラスAVC_Level#C_Class#1のデータの処理も保証しなければならない。
【0112】
なお、本実施の形態では、あるコーデックレベルに属する上位のコーデッククラスのデータを処理することができる(機能を有する)コーデックには、そのコーデックレベルに属する下位のコーデッククラスのデータを処理すること(ができる機能を実装すること)を義務づけたが、この義務づけの対象となる処理は、コーデックのすべての処理、つまり、符号化と復号との両方ではなく、復号だけでも良い。この場合、あるコーデックレベルに属する上位のコーデッククラスのデータを復号することができるコーデックにおいて、そのコーデックレベルに属する下位のコーデッククラスのデータを復号することが保証される。
【0113】
上述したように、コーデックレベルは、上位互換が保証されるコーデッククラスの集まりであるという条件を満たせばよく、その条件に反しないその他の条件を課すことは任意である。
【0114】
即ち、コーデックレベルは、コーデックを有し、データの記録または再生を行う装置(記録再生装置)の、例えば、用途別に規定することができる。
【0115】
具体的には、例えば、あるコーデックレベルは、大きいピクチャサイズ(画サイズ)に対応し、インターレースおよびプログレッシブのいずれの走査方式にも対応し、複雑だが高符号化性能のCABAC(Context-based Adaptive Binary Arithmetic Code)、および簡単ではあるが、ある程度の符号化性能のCAVLC(Context-based Adaptive Variable Length Code)のいずれのエントロピー符号化にも対応することができる、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりとすることができる。このようなコーデックレベルは、高画質なHD(High Definition)画像を表示する用途の、いわゆるHD対応機器用として規定することができる。
【0116】
さらに、他のコーデックレベルは、大きくはないが小さくもない中くらいのピクチャサイズに対応し、インターレースおよびプログレッシブのいずれの走査方式にも対応し、CABACおよびCAVLCのいずれのエントロピー符号化にも対応することができる、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりとすることができる。このようなコーデックレベルは、標準画質のSD(Standard Definition)画像を表示する用途の、いわゆるSD対応機器用として規定することができる。
【0117】
また、さらに他のコーデックレベルは、小さいピクチャサイズに対応し、プログレッシブにのみ対応し、CAVLCにのみ対応することができる、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりとすることができる。このようなコーデックレベルは、携帯性が重要視されるために、大きな表示画面を採用することができない、いわゆるモバイル機器用として規定することができる。
【0118】
なお、コーデックレベルは、その他、記録再生装置のカテゴリ別、つまり、音声を含む動画の記録や再生を行う動画装置(例えば、ハードディスクレコーダ)用や、オーディオ(音声)のみの記録や再生を行うオーディオ装置(例えば、MD(Mini Disc)(登録商標)装置)用に規定することもできる。
【0119】
図2に示したコーデックレベルは、記録再生装置の用途別に規定されている。即ち、図2において、コーデックレベルAVC_Aは、HD対応機器用であり、コーデックレベルAVC_Bは、SD対応機器用である。また、コーデックレベルAVC_Cは、モバイル機器用である。
【0120】
従って、図2の新装置規格に準拠したHD対応機器は、コーデックレベルAVC_Aに対応する必要があり、図2の新装置規格に準拠したSD対応機器は、コーデックレベルAVC_Bに対応する必要がある。また、図2の新装置規格に準拠したモバイル機器は、コーデックレベルAVC_Cに対応する必要がある。
【0121】
但し、コーデックレベルAVC_Aには、上述したように、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1とAVC_Level#A_Class#2が属しており、図2の新装置規格に準拠したHD対応機器のうちの、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応する仕様が要求されるHD対応機器は、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応する必要があるが(コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2のデータを処理することができる機能が要求されるが)、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応する仕様までが要求されないHD対応機器は、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1に対応すれば良く、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2にまで対応する必要はない。図2の新装置規格に準拠したSD対応機器やモバイル機器についても、同様である。
【0122】
新装置規格に準拠した記録再生装置は、新装置規格で規定されているいずれかのコーデックレベルの中の(コーデックレベルに属する)いずれかのコーデッククラスに対応している必要があるから、同一のコーデックレベルの同一のコーデッククラスに対応している記録再生装置どうしの互換性は保証される。
【0123】
さらに、新装置規格で規定されているいずれかのコーデックレベルの中のいずれかのコーデッククラスに対応している記録再生装置は、そのコーデックレベルに属する、対応しているコーデッククラスの下位のコーデッククラスにも対応している(下位のコーデッククラスのデータを処理することが行える機能を有する)必要があるから、あるコーデックレベルに対応している記録再生装置が、そのコーデックレベルのデータの他、そのコーデックレベルよりも下位のコーデックレベルのデータを処理することできる上位互換性が保証される。
【0124】
具体的には、新装置規格に準拠した記録再生装置のうちの、例えば、コーデックレベルAVC_Aに属するコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応している記録再生装置は、そのコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2のデータを再生することができ、さらに、下位のコーデッククラスAVC_Level#A_Class#1のデータを再生することができる上位互換性を有する。
【0125】
但し、コーデックレベルAVC_Aに属するコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応している記録再生装置は、対応しているコーデックレベルAVC_Aを越えた互換性を有する必要はない。つまり、新装置規格では、コーデックレベルAVC_Aに属するコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応している記録再生装置が、対応しているコーデックレベルAVC_A以外のコーデックレベルAVC_BやAVC_Cに属するコーデッククラスのデータを処理することは要求されない。
【0126】
これは、例えば、上述したように、コーデックレベルが記録再生装置の用途別に規定された場合に、コーデックレベルAVC_AがターゲットとするHD対応機器に対して、SD対応機器用のコーデックレベルAVC_Bや、モバイル機器用のコーデックレベルAVC_Cに属するコーデッククラスのデータを処理することまでを要求するのは、現実的でないし、そのような要求の要請も高くないからである。
【0127】
なお、記録再生装置が、複数のコーデックレベルに対応することは許される(自由である)。即ち、記録再生装置が、例えば、コーデックレベルAVC_Aに属するコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応し、かつ、コーデックレベルAVC_Bに属するコーデッククラスAVC_Level#B_Class#2に対応することは許される。但し、この場合、記録再生装置は、コーデックレベルAVC_Aに属するコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2のデータと、コーデックレベルAVC_Bに属するコーデッククラスAVC_Level#B_Class#2のデータを処理することの他、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2の下位のコーデッククラスAVC_Level#A_Class#1のデータと、コーデッククラスAVC_Level#B_Class#2の下位のコーデッククラスAVC_Level#B_Class#1のデータも処理することができなければならない。
【0128】
以上のような新装置規格よれば、例えば、記録再生装置において、着脱可能な記録媒体に対するデータの記録や再生が行われる場合には、同一のコーデックレベルに対応している記録再生装置どうしの間において、記録媒体を使い回しても、下位のコーデッククラスに対応している記録再生装置で記録媒体に記録されたデータについては、同一のコーデッククラスに対応している記録再生装置では勿論、上位のコーデッククラスに対応している記録再生装置でも、必ず再生することができる。
【0129】
さらに、新装置規格では、コーデッククラスやコーデックレベルのバージョンアップに、容易に対処することができる。
【0130】
即ち、上述したように、コーデッククラスは、コーデックの性能を分類する概念であり、コーデックレベルは、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるから、例えば、新装置規格において、新たなコーデッククラスを規定する場合には、そのコーデッククラスが属するコーデックレベル以外のコーデックレベルは影響を受けない。
【0131】
従って、例えば、図2に示したように、3つのコーデックレベルAVC_A,AVC_B,AVC_Cが既に規定されている場合において、そのうちのいずれかのコーデックレベルに、新たなコーデッククラスを属させるときには、そのコーデックレベルに属するコーデッククラスの上位、下位の関係を、必要に応じて規定し直すとともに、そのコーデックレベルに対応している記録再生装置だけを、必要に応じて、新たなコーデッククラスに対応させれば良く、他のコーデックレベルの規定(内容)や、他のコーデックレベルに対応している記録再生装置は、新たなコーデッククラスの影響を受けない。
【0132】
また、例えば、図2に示したように、3つのコーデックレベルAVC_A,AVC_B,AVC_Cが既に規定されている場合において、新たなコーデックレベルを規定して、その新たなコーデックレベルに、新たなコーデッククラスを属させるときには、3つのコーデックレベルAVC_A,AVC_B,AVC_Cの規定も、その3つのコーデックレベルAVC_A,AVC_B,AVC_Cそれぞれに対応している記録再生装置も、新たなコーデッククラスや、新たなコーデックレベルの影響を受けない。
【0133】
以上のように、新たなコーデッククラスによる影響があるのは、その新たなコーデッククラスが属することとなるコーデックレベルだけであり、それ以外のコーデックレベルに影響はないから、コーデックレベルごとに、そのコーデックレベルに属するコーデッククラスどうしの上位互換を、容易に維持することができる。
【0134】
即ち、仮に、コーデックレベルを規定せずに、すべてのコーデッククラスについて上位互換を保証しなければならないとすれば、新たなコーデッククラスを追加しようとしたときに、既に規定されているコーデッククラスのすべてに影響がある場合があり、その結果、新たなコーデッククラスの追加が困難となることがある。これに対して、新装置規格では、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルが規定されているので、新たなコーデッククラスを追加しようとしたときに影響があるのは、その新たなコーデッククラスが属するコーデックレベルの範囲だけであり、容易に、新たなコーデッククラスを追加することができる。
【0135】
コーデッククラスの削除や変更も、そのコーデッククラスが属するコーデックレベル以外のコーデックレベルには影響せず、さらに、コーデックレベルの追加や削除も、他のコーデックレベルには影響しない。従って、新装置規格では、コーデッククラスやコーデックレベルのバージョンアップに、容易に対処することができる。
【0136】
以上、AVCを例に、コーデックレベルとコーデッククラスを説明したが、新装置規格では、AVC以外の他の符号化方式についても、コーデックレベルとコーデッククラスを規定することができる。
【0137】
図3は、AVC以外の符号化方式としての、例えば、MPEG4についてのコーデックレベルとコーデッククラスの例を示している。
【0138】
図3では、コーデックレベル(Codec Level)として、M4_A,M4_Bの2つが規定されている。そして、コーデックレベルM4_Aには、2つのコーデッククラスが属しており、コーデックレベルM4_Bには、3つのコーデッククラスが属している。
【0139】
なお、図3でも、図2と同様に、コーデックレベルM4_A,M4_Bのいずれに属するコーデッククラスも、便宜上、#1,#2,#3といったラベルで示されているが、異なるコーデックレベルに属するコーデッククラスは、異なるコーデッククラスである。
【0140】
また、図3においては、コーデッククラスとしての、ビデオフォーマットとオーディオフォーマットとの組み合わせの記載(図2におけるAVCビデオフォーマットとAVCオーディオフォーマットに相当する記載)を省略してある。
【0141】
図3において、コーデックレベルM4_Aには、コーデッククラスM4_Level#A_Class#1(コーデックレベルM4_Aに属するコーデッククラス#1)とM4_Level#A_Class#2(コーデックレベルM4_Aに属するコーデッククラス#2)とが属している。コーデッククラスM4_Level#A_Class#2は、上位のコーデッククラスで、コーデッククラスM4_Level#A_Class#1は、下位のコーデッククラスであり、コーデッククラスM4_Level#A_Class#2のデータを処理することができる装置では、コーデッククラスM4_Level#A_Class#1のデータの処理も保証しなければならない。
【0142】
また、コーデックレベルM4_Bには、コーデッククラスM4_Level#B_Class#1(コーデックレベルM4_Bに属するコーデッククラス#1)、M4_Level#B_Class#2(コーデックレベルM4_Bに属するコーデッククラス#2)、およびM4_Level#B_Class#3(コーデックレベルM4_Bに属するコーデッククラス#3)が属している。
【0143】
コーデッククラスM4_Level#B_Class#3は、コーデッククラスM4_Level#B_Class#2の上位のコーデッククラスであり、コーデッククラスM4_Level#B_Class#2は、コーデッククラスM4_Level#B_Class#1の上位のコーデッククラスである。従って、コーデッククラスM4_Level#B_Class#2のデータを処理することができる装置では、コーデッククラスM4_Level#B_Class#1のデータの処理も保証しなければならない。また、コーデッククラスM4_Level#B_Class#3のデータを処理することができる装置では、コーデッククラスM4_Level#B_Class#2のデータの処理、さらには、コーデッククラスM4_Level#B_Class#1のデータの処理も保証しなければならない。
【0144】
なお、上述の場合には、異なる符号化方式であるAVCとMPEG4それぞれについて別々に、コーデックレベルおよびコーデッククラスを規定するようにしたが、コーデックレベルおよびコーデッククラスは、必ずしも、符号化方式ごとに別々に規定する必要はなく、複数の符号化方式について規定することができる。
【0145】
即ち、例えば、5つのコーデックレベル#A,#B,#C,#D,#Eが規定された場合に、コーデックレベル#Aが、図2のコーデックレベルAVC_Aで、コーデックレベル#Bが、図2のコーデックレベルAVC_Bで、コーデックレベル#Cが、図2のコーデックレベルAVC_Cで、コーデックレベル#Dが、図3のコーデックレベルM4_Aで、コーデックレベル#Eが、図3のコーデックレベルM4_Bであってもよい。
【0146】
また、上述の場合には、まずコーデッククラスを規定し、上位互換が保証される(上位互換を保証させる)コーデッククラスの集まりを、コーデックレベルとするようにしたが、逆に、まずコーデックレベルを規定し、そのコーデックレベルに対して、上位互換を保証させるコーデッククラスを規定することもできる。
【0147】
即ち、例えば、図2において、コーデックレベルAVC_Aは、AVCのハイプロファイルに、コーデックレベルAVC_Bは、AVCのメインプロファイルに、コーデックレベルAVC_Cは、AVCのベースラインプロファイルに、それぞれ対応するように規定し、さらに、AVCのハイプロファイル、メインプロファイル、ベースラインプロファイルそれぞれの範囲内で、上位互換を保証させるコーデッククラスを規定する。そして、AVCのハイプロファイルの範囲内で、上位互換を保証させるコーデッククラスは、コーデックレベルAVC_Aに、AVCのメインプロファイルの範囲内で、上位互換を保証させるコーデッククラスは、コーデックレベルAVC_Bに、AVCのベースラインプロファイルの範囲内で、上位互換を保証させるコーデッククラスは、コーデックレベルAVC_Cに、それぞれ属させるようにすることができる。
【0148】
次に、図4は、新装置規格に準拠した記録再生装置としてのビデオカメラの構成例を示している。
【0149】
図4において、ビデオカメラは、カメラ部1、カメラDSP(Digital Signal Processor)部2、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、媒体インターフェース(媒体I/F)4、制御部5、操作部6、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ7、LCD8、および外部インターフェース(外部I/F)9から構成されている。また、ビデオカメラには、例えば、半導体メモリを用いたいわゆるメモリカード、記録可能なDVD(Digital Versatile Disk)や記録可能なCD(Compact Disc)等の光記録媒体、磁気ディスク、磁気テープなどの記録媒体10が着脱可能とされている。
【0150】
カメラ部1は、光学ブロック11、CCD(Charge Coupled Device)12、前処理回路13、ドライバ(光学ブロック用ドライバ)14、ドライバ(CCD用ドライバ)15、およびタイミング生成回路16から構成されている。
【0151】
光学ブロック11は、レンズ、フォーカス機構、シャッタ機構、絞り(アイリス)機構などを備え、そこに入射する被写体からの光を、後段のCCD12上に集光させる。CCD12は、光学ブロック11からの光を受光し、光電変換を行うことにより、電気信号としての画像信号を得て、前処理回路13に供給する。
【0152】
前処理回路13は、CCD12からの画像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理を行って、ノイズを除去し、AGC(Automatic Gain Control)処理を行って、利得を制御する。さらに、前処理回路13は、CCD12からの画像信号をA/D(Analog/Digital)変換し、その結果得られるデジタル信号であるビデオデータを、カメラDSP部2に供給する。
【0153】
ドライバ14は、制御部5からの制御に応じて、光学ブロック11を駆動する駆動信号を、光学ブロック11に供給する。ここで、光学ブロック11では、ドライバ14からの駆動信号に応じて、フォーカス機構、シャッタ機構、絞り機構が制御される。
【0154】
ドライバ15は、タイミング生成回路15からのタイミング信号にしたがって、CCD12を駆動する駆動信号を、CCD12に供給する。タイミング信号生成回路16は、制御部5からの制御に応じて、所定のタイミングを表すタイミング信号を生成し、CCD12およびドライバ15に供給する。ここで、CCD12は、ドライバ15からの駆動信号によって駆動され、タイミング信号生成回路16からのタイミング信号にしたがって、光電変換を行い、その結果得られる画像信号を前処理回路13に供給する。
【0155】
カメラDSP部2は、自動機構制御部21、コーデック22、およびSDRAMコントローラ23から構成される。
【0156】
自動機構制御部21は、カメラ部1(の前処理回路13)から供給されるビデオデータや、図示せぬ露出計から供給される被写体の明るさの計測値等に基づき、AF(Auto Focus)や、AE(Auto Exposure),AWB(Auto White Balance)などの自動機構を制御するための制御信号を生成し、制御部5に供給する。ここで、制御部5は、自動機構制御部21からの制御信号に基づいて、ドライバ14を制御する。
【0157】
コーデック22は、図4のビデオカメラが対応しているコーデックレベルのコーデッククラスにしたがって、データを符号化または復号する。即ち、コーデック22は、カメラ部1から供給されるビデオデータや、制御部5から供給されるビデオデータを符号化し、その結果得られる符号化データを、制御部5に供給する。また、コーデック22は、制御部5から供給される符号化データを復号し、その結果得られるビデオデータを、制御部5に供給する。
【0158】
ここで、図4のビデオカメラは、図示せぬマイク(マイクロフォン)とスピーカを有しており、そのマイクで得られるオーディオデータは、カメラDSP部2に供給されるようになっている。そして、カメラDSP部2のコーデック22では、カメラ部1から供給されるビデオデータの符号化とともに、マイクから供給されるオーディオデータの符号化、つまり、音声付きの動画の符号化が行われるようになっている。また、コーデック22では、音声付きの動画の符号化データの復号も行われるようになっており、その復号によって得られるビデオデータおよびオーディオデータは、制御部5に供給される。制御部5は、コーデック22からのビデオデータを、例えば、LCD8に表示させるとともに、コーデック22からのオーディオデータを、図示せぬスピーカから出力させる。
【0159】
なお、オーディオデータを対象として行われる処理の流れは、基本的に、ビデオデータを対象として行われる処理の流れと同様であり、以下では、説明が煩雑になるのを避けるため、ビデオデータのみについて説明し、オーディオデータについての説明は省略する。
【0160】
SDRAMコントローラ23は、SDRAM3に対するデータの読み書きを制御する。
【0161】
SDRAM3は、SDRAMコントローラ23の制御にしたがって、データを記憶する。即ち、カメラ部1からカメラDSP部2に供給されるビデオデータや、制御部5からカメラDSP部2に供給される符号化データは、SDRAMコントローラ23を介して、SDRAM3に一時記憶させるようになっており、コーデック3は、SDRAM3に記憶されたビデオデータを対象に符号化を行い、また、SDRAM3に記憶された符号化データを対象に復号を行う。
【0162】
なお、図4のビデオカメラは、新装置規格に準拠、即ち、新装置規格のあるコーデックレベルのあるコーデッククラスに対応しており、コーデック22は、その対応しているコーデックレベルのコーデッククラスの符号化と復号を行う。ここで、図4のビデオカメラが、例えば、図2のコーデックレベルAVC_AのコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応している場合には、コーデック22において、そのコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2の符号化と復号が行われるが、以下、適宜、この符号化または復号を、それぞれ、AVC_Level#A_Class#2符号化またはAVC_Level#A_Class#2復号という。
【0163】
媒体I/F4は、制御部5の制御にしたがい、図4のビデオカメラに装着された記録媒体10に対するデータの読み書きを行う。
【0164】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、フラッシュROM(Read Only Memory)53、時計回路54が、システムバス55を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータであり、図4のビデオカメラの各部を制御する。
【0165】
即ち、CPU51は、フラッシュROM53に記憶されたプログラムを実行することにより、カメラ部1を構成する前処理部13、ドライバ14、タイミング生成回路16や、カメラDSP部2、媒体I/F4、LCDコントローラ7、および外部I/F9を制御する。さらに、CPU51は、媒体I/F4を制御することにより、記録媒体10から符号化データを読み出し、カメラDSP部2のコーデック22に供給して復号させる。また、CPU51は、媒体I/F4を制御することにより、コーデック22から供給される符号化データを、記録媒体10に記録させる。また、CPU15は、カメラDSP部2から、コーデック22で復号されたビデオデータの供給を受け、LCDコントローラ7に供給して、LCD8に表示させる。その他、CPU51は、操作部6の操作に対応して、各種の処理を行う。
【0166】
RAM52は、CPU51の動作上必要なデータ等を一時記憶する。フラッシュROM53は、CPU51が実行するプログラムや、ビデオカメラの電源がオフされても保持する必要があるデータを記憶する。時計回路54は、所定のクロックに同期して時刻を計時することにより、CPU51に対して、現在の年月日や曜日、現在時刻の情報を提供する。CPU51は、時計回路54からの情報から、ビデオカメラによる撮影が行われた撮影日時などを認識する。
【0167】
操作部6は、ユーザによって操作され、ユーザの操作に対応した操作信号を、制御部5(のCPU51)に供給する。なお、操作部6の一部のボタン等は、LCD8に表示することができる。LCD8に表示されたボタンに対する操作は、例えば、LCD8の表面に、透明なタブレットを設け、そのタブレットにより検出することができる。
【0168】
LCDコントローラ7は、制御部5から供給されるビデオデータにしたがって、LCD8を駆動する。LCD8は、LCDコントローラ7によって駆動され、その駆動に対応した画像を表示する。
【0169】
外部I/F9は、外部と通信を行うためのインターフェースである。図4のビデオカメラでは、外部I/F9を、パーソナルコンピュータや、新装置規格に準拠した他の記録再生装置などの外部の装置と接続することにより、その外部の装置からビデオデータ(符号化データ)の供給を受けて、記録媒体10に記録し、あるいは、記録媒体10に記録されているビデオデータ(符号化データ)を、外部の装置に供給することができる。
【0170】
また、外部I/F9は、例えば、インターネットなどのネットワークに接続することができ、これにより、図4のビデオカメラでは、記録媒体10に記憶されているビデオデータ(符号化データ)を、インターネットを介して送信し、あるいは、インターネットからビデオデータを受信して、記録媒体10に記録することができる。さらに、図4のビデオカメラでは、CPU51に実行させるプログラムを、外部I/F9を経由して、インターネットからダウンロードし、フラッシュROM53にインストールすることができる。
【0171】
なお、外部I/F9は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394や、USB(Universal Serial Bus)、有線LAN(Local Area Network)などの有線のインターフェースであっても良いし、無線LANなどの無線のインターフェースであっても良い。
【0172】
以上のように構成されるビデオカメラにおいて撮影が行われる場合には、カメラ部1において、外部から入射する被写体からの光が受光され、その光に対応するビデオデータが、カメラDSP部2に供給される。カメラDSP部2は、カメラ部1からのビデオデータに対して必要な信号処理を施し、制御部5に供給する。制御部5は、カメラDSP部2からのビデオデータを、LCDコントローラ7に供給してLCD8に表示させる。
【0173】
また、ユーザが操作部6を操作して、録画を指示した場合、制御部5は、カメラDSP部2を制御する。これにより、カメラDSP部2は、カメラ部1からのビデオデータに対して必要な信号処理を施した後、そのビデオデータを、コーデック22で符号化し、その結果得られる符号化データを、制御部5に供給する。制御部5は、カメラDSP部2(のコーデック22)からの符号化データを、媒体I/F4に供給し、ファイルとして、記録媒体10に記録させる。
【0174】
一方、ビデオカメラにおいて、記録媒体10に記録されたビデオデータが再生される場合には、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、記録媒体10からファイルとして記録されている符号化データを読み出し、カメラDSP部2のコーデック22に供給する。コーデック22は、制御部5からの符号化データを復号し、その結果得られるビデオデータを、制御部5に供給する。制御部5は、コーデック22からのビデオデータを、LCDコントローラ7に供給してLCD8に表示させる。
【0175】
以上のように、図4のビデオカメラでは、ビデオデータが符号化データに符号化され、ファイルとして、記録媒体10に記録される。また、記録媒体10にファイルとして記録された符号化データが読み出され、ビデオデータに復号される(再生される)。
【0176】
ところで、記録媒体10は、着脱可能であるから、例えば、図4のビデオカメラ以外の記録再生装置(他の記録再生装置)に装着され、その記録再生装置において動画等のファイルが記録される場合がある。このように、他の記録再生装置においてファイルが記録された記録媒体10が、図4のビデオカメラに装着され、その記録媒体10に記録されたファイルを再生しようとする場合には、図4のビデオカメラにおいて、記録媒体10に記録されたファイルを再生することができるかどうかを判定する必要がある。
【0177】
このような、記録媒体10に記録されたファイルを再生することができるかどうかを判定する処理等を容易に行うために、新装置規格では、記録媒体10に記録されるファイルを管理する管理方法が規定されている。
【0178】
図5を参照して、新装置規格で規定されているファイルの管理方法について説明する。
【0179】
図5は、新装置規格で規定されるファイルの管理方法にしたがって構成された、記録媒体10のディレクトリ(ファイル)構造の例を示している。
【0180】
図5では、記録媒体10のルートディレクトリ(以下、ROOTディレクトリという)の直下に、ディレクトリ名がMOVIEのディレクトリ(以下、MOVIEディレクトリという)と、ディレクトリ名がDCIMのディレクトリ(以下、DCIMディレクトリという)が作成されている。
【0181】
ここで、DCIMディレクトリは、DCF(Design rule for Camera File system)イメージルートディレクトリと呼ばれ、そのディレクトリ名のDCIMは、Digital Camera IMagesの略である。DCIMディレクトリ下には、静止画のファイルなどが記録される。
【0182】
MOVIEディレクトリ下には、動画のファイルが記録される。但し、MOVIEディレクトリの直下には、動画のファイルに格納される符号化データの符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリが作成される。図5では、MOVIEディレクトリの直下に、ディレクトリ名が100AVC01のディレクトリ(以下、100AVC01ディレクトリという)と、ディレクトリ名が100M4P01のディレクトリ(以下、100M4P01ディレクトリという)とが作成されている。
【0183】
100AVC01ディレクトリのディレクトリ名である"100AVC01"のうちの"AVC"は、AVC符号化を表している。100AVC01ディレクトリには、そのディレクトリ名である"100AVC01"が表す符号化方式であるAVC符号化された符号化データが格納されたファイルが記録される(おかれる)。
【0184】
100M4P01ディレクトリのディレクトリ名である"100M4P01"のうちの"M4P"は、MPEG4符号化を表している。100M4P01ディレクトリには、そのディレクトリ名である"100M4P01"が表す符号化方式であるMPEG4符号化された符号化データが格納されたファイルが記録される。
【0185】
ここで、例えば、記録媒体10に対するファイルの記録が、ISO/IEC14496-part12, 14, 15に準拠したファイルフォーマットで行われるとした場合、AVC符号化された符号化データのファイル(以下、適宜、AVCファイルという)についても、MPEG4符号化された符号化データのファイル(以下、適宜、MPEG4ファイルという)についても、同一の拡張子(MP4)のファイル名を用いなければならない。この場合、ファイル名を参照するだけでは、ファイルが、AVCファイル、またはMPEG4ファイルのいずれであるのかを特定することはできない。
【0186】
そこで、本実施の形態では、MOVIEディレクトリの直下に、動画のファイルに格納される符号化データの符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリが作成され、そのディレクトリに、そのディレクトリ名が表す符号化方式で符号化された符号化データのファイルが記録される。
【0187】
即ち、例えば、上述したように、AVC符号化を表すディレクトリ名の100AVC01ディレクトリには、AVC符号化された符号化データが格納されたAVCファイルが記録される。また、MPEG4符号化を表すディレクトリ名の100M4P01ディレクトリには、MPEG4符号化された符号化データが格納されたMPEG4ファイルが記録される。
【0188】
この場合、ファイル名の拡張子が同一のファイルであっても、そのファイルが記録されているディレクトリのディレクトリ名から、そのファイルに格納されている符号化データの符号化方式を特定(認識)することができる。即ち、例えば、同一の拡張子が用いられるAVCファイルとMPEG4ファイルに関し、記録媒体10に記録されたファイルが、AVCファイルまたはMPEG4ファイルのうちのいずれであるかは、そのファイルが、100AVC01ディレクトリまたは100M4P01ディレクトリのうちのいずれに記録されているかによって認識することができる。
【0189】
図5では、100AVC01ディレクトリの直下に、ファイル名が、それぞれ、AVCA0001.MP4,AVCA0002.MP4,AVCC0003.MP4,AVCB0004.MP4,AVCA0005.MP4のAVCファイルが記録されている。ここで、ファイル名が、AVCA0001.MP4,AVCA0002.MP4,AVCC0003.MP4,AVCB0004.MP4,AVCA0005.MP4のAVCファイルを、以下、適宜、それぞれ、AVCA0001.MP4ファイル、AVCA0002.MP4ファイル、AVCC0003.MP4ファイル、AVCB0004.MP4ファイル、AVCA0005.MP4ファイルという。
【0190】
100AVC01ディレクトリの直下に記録されるAVCファイルのファイル名の拡張子は、ISO/IEC14496-part12, 14, 15に準拠して、MP4になっている。
【0191】
また、図5において、AVCファイルのファイル名の拡張子以外の部分には、そのAVCファイルに格納された符号化データのコーデックレベルを表す文字(文字列)が含まれている。即ち、図5において、AVCファイルのファイル名の拡張子以外の部分の先頭から4文字目の1文字は、そのAVCファイルに格納された符号化データのコーデックレベルを表す。
【0192】
図5において、ファイル名の先頭から4文字目が"A"になっているAVCファイルは、AVC符号化についてのコーデックレベルAVC_A(図2)のいずれかのコーデッククラスの符号化データが格納されているAVCファイルである。従って、図5では、AVCA0001.MP4ファイル、AVCA0002.MP4ファイル、およびAVCA0005.MP4ファイルが、AVC符号化についてのコーデックレベルAVC_Aのいずれかのコーデッククラスの符号化データが格納されているAVCファイルである。
【0193】
また、図5において、ファイル名の先頭から4文字目が"B"になっているAVCファイルは、AVC符号化についてのコーデックレベルAVC_B(図2)のいずれかのコーデッククラスの符号化データが格納されているAVCファイルである。従って、図5では、AVCB0004.MP4ファイルが、コーデックレベルAVC_Bのいずれかのコーデッククラスの符号化データが格納されているAVCファイルである。
【0194】
さらに、図5において、ファイル名の先頭から4文字目が"C"になっているAVCファイルは、AVC符号化についてのコーデックレベルAVC_C(図2)のいずれかのコーデッククラスの符号化データが格納されているAVCファイルである。従って、図5では、AVCC0003.MP4ファイルが、コーデックレベルAVC_Cのいずれかのコーデッククラスの符号化データが格納されているAVCファイルである。
【0195】
図5において、AVCファイルのファイル名の拡張子以外の部分には、そのAVCファイルに格納された符号化データのコーデックレベルを表す文字の他、その符号化データの符号化方式、つまり、AVC符号化を表す文字(文字列)も含まれている。即ち、図5において、AVCファイルのファイル名の拡張子以外の部分の先頭から3文字目までの3文字"AVC"は、そのAVCファイルに格納された符号化データの符号化方式であるAVC符号化を表す。
【0196】
さらに、図5では、AVCファイルのファイル名の拡張子以外の部分の先頭から5文字目から最後までの4文字として、4桁の数字(10進数)が採用されている。この4桁の数字は、100AVC01ディレクトリ内において、例えば、0001を初期値として9999まで、AVCファイルが新たに作成されるごとに1ずつインクリメントされる、ファイルに付されるナンバ(以下、ファイルシリアルナンバという)である。ファイルシリアルナンバとして、0001から9999までを使用することができる場合、100AVC01ディレクトリ内には、最大で、9999個のAVCファイルを記録することができる。
【0197】
なお、図5では、ファイル名の拡張子以外の部分の最大の文字数が、例えば8文字に制限されるとして、AVCファイルのファイル名の拡張子以外の部分の最大の文字数である8文字から、コーデックレベルを表す1文字と、符号化方式(AVC)を表す3文字とを除いた4文字で表すことができる最大の桁数(4桁)の数字を、ファイルシリアルナンバとして採用したが、ファイル名の拡張子以外の部分の最大の文字数として、8文字より多くの文字数を使用することができる場合には、ファイルシリアルナンバとしては、より多くの桁数の数字を採用することができる。
【0198】
新装置規格に準拠する図4のビデオカメラでは、以上のようにしてファイルの管理が行われる。
【0199】
即ち、図4のビデオカメラにおいて、記録媒体10に、動画のファイルが記録される場合には、制御部5(のCPU51)は、媒体I/F4を介して、記録媒体10のROOTディレクトリの直下のMOVIEディレクトリを検索し、さらに、MOVIEディレクトリの直下の、記録しようとするファイル(以下、適宜、記録対象ファイルという)に格納された符号化データの符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリを検索する。具体的には、記録対象ファイルが、例えば、AVCファイルである場合には、100AVC01ディレクトリが検索され、記録対象ファイルが、例えば、MPEG4ファイルである場合には、100M4P01ディレクトリが検索される。
【0200】
なお、記録媒体10のROOTディレクトリの直下のMOVIEディレクトリが存在しない場合には、制御部5は、ROOTディレクトリの直下に、MOVIEディレクトリを作成する。また、MOVIEディレクトリの直下に、記録対象ファイルに格納された符号化データの符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリが存在しない場合には、制御部5は、そのディレクトリを、MOVIEディレクトリの直下に作成する。
【0201】
例えば、いま、記録対象ファイルがAVCファイルであるとすると、制御部5は、記録対象ファイルであるAVCファイルを、100M4P01ディレクトリに記録する。このとき、制御部5は、そのAVCファイルに格納される符号化データの符号化方式を表す文字とコーデックレベルを表す文字の並びに、ファイルシリアルナンバを付し、さらに、拡張子として、MP4を付して得られるファイル名を、記録対象ファイルのファイル名とする。
【0202】
ここで、AVCファイルに格納される符号化データの符号化方式を表す文字は、"AVC"である。また、AVCファイルに格納される符号化データのコーデックレベルが、例えば、コーデックレベルAVC_A(図2)であるとすると、AVCファイルに格納される符号化データのコーデックレベルを表す文字は、"A"である。さらに、例えば、いま、図5に示したように、100M4P01ディレクトリに、5つのAVCファイル(AVCA0001.MP4ファイル、AVCA0002.MP4ファイル、AVCC0003.MP4ファイル、AVCB0004.MP4ファイル、AVCA0005.MP4ファイル)が既に記録されているとすると、次に記録されるAVCファイルのファイルシリアルナンバは、既に記録済のAVCファイルの最大のファイルシリアルナンバ、即ち、図5では、5つのAVCファイルのうちのAVCA0005.MP4ファイルのファイルシリアルナンバである0005を1だけインクリメントした0006である。
【0203】
制御部5は、100AVC01ディレクトリに、既に記録済のAVCファイルの最大のファイルシリアルナンバ(0005)を検索し、そのファイルシリアルナンバに1を加えた値である0006を、記録対象ファイルであるAVCファイルのシリアルナンバとする。そして、制御部5は、符号化方式を表す文字列"AVC"、コーデックレベルAVC_Aを表す文字列"A"、およびファイルシリアルナンバである0006を、その順で並べた文字列に、拡張子MP4を付加したファイル名であるAVCA0006.MP4を得て、記録対象ファイルであるAVCファイルのファイル名とする。
【0204】
以上のように、記録媒体10においては、ファイルが、そのファイルに格納された符号化データの符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリとしての、例えば、100AVC01ディレクトリや100M4P01ディレクトリに記録されるので、記録媒体10が装着された記録再生装置において、記録媒体10に記録されているファイルの再生の可否をチェック(判定)する場合には、その記録再生装置が復号(再生)を行うことができる符号化データの符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内のファイルのみを対象として、再生の可否をチェックするだけで良い。
【0205】
即ち、例えば、図4のビデオカメラに、記録媒体10が装着された場合において、コーデック22が、例えば、AVC符号化と復号を行うコーデックであれば、ビデオカメラでは、AVCを表すディレクトリ名のディレクトリである100AVC01ディレクトリ内のファイルのみを対象として、再生の可否を判定するだけで良く、従って、記録媒体10上のすべてのディレクトリのすべてのファイルを対象とする場合に比較して、ファイルの再生の可否を判定する処理を、容易に(高速に)行うことができる。
【0206】
ここで、図5では、符号化方式ごとに、その符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリを作成し、そのディレクトリに、そのディレクトリ名が表す符号化方式の符号化データが格納されたファイルを、その符号化データのコーデックレベルやコーデッククラスに無関係に記録するようにしたが、ディレクトリは、符号化方式ごとの他、コーデックレベルごと、さらには、コーデッククラスごとに作成し、ある符号化方式の、あるコーデックレベルのあるコーデッククラスの符号化データが格納されたファイルを、その符号化方式、コーデックレベル、およびコーデッククラスを表すディレクトリに記録することも可能である。
【0207】
この場合、ある符号化方式の、あるコーデックレベルのあるコーデッククラスに対応している記録再生装置では、その符号化方式、コーデックレベル、およびコーデッククラスを表すディレクトリ内に記録されたファイルは、必ず再生することができるので、記録媒体10に記録されたファイルの再生の可否を判定する処理を、より容易に行うことができる。
【0208】
但し、記録再生装置が対応しているコーデックレベルのコーデッククラスが、上位のコーデッククラスである場合には、その記録再生装置では、上述したように、同一のコーデックレベルの下位のコーデッククラスのデータを処理すること、即ち、同一のコーデックレベルの下位のコーデッククラスの符号化データが格納されたファイルを再生することができる。
【0209】
従って、この場合、記録再生装置では、例えば、再生することができるファイル(のファイル名)の一覧を表示しようとするときに、その記録再生装置が対応している符号化方式、コーデックレベル、およびコーデッククラスを表すディレクトリ内のファイルを検索する他、他のディレクトリ内のファイル、即ち、記録再生装置が対応しているコーデックレベルのコーデッククラスより下位のコーデッククラスを表すディレクトリ内のファイルも検索しなければならない。
【0210】
このように、記録再生装置が再生することができるファイルが、複数のディレクトリに亘っている場合には、1つのディレクトリ内にのみ存在する場合に比較して、記録再生装置が再生することができるファイルの一覧の表示に、多少の時間を要することになる。
【0211】
即ち、ファイルの一覧を表示する場合、その一覧において、ファイルの並びを記録順とすることの要請は高い。そして、例えば、図5に示したように、ディレクトリごとに、そのディレクトリ内のファイルのファイル名に、ファイルシリアルナンバが付されるとすると、例えば、AVC符号化された符号化データのファイルのすべてが、1つのディレクトリである100AVC01ディレクトリに記録される場合には、AVC符号化された符号化データのファイルの記録順は、そのファイル名となっているファイルシリアルナンバの昇順に一致するから、ファイルシリアルナンバを参照することで、即座に認識することができる。
【0212】
これに対して、一覧を表示しようとするファイルが、複数のディレクトリに亘っている場合には、その複数のディレクトリの1つ1つのディレクトリ内のファイルについては、そのファイル名となっているファイルシリアルナンバを参照することで、記録順を認識することができるが、異なるディレクトリ内のファイルの記録順は、ファイルシリアルナンバからでは認識することができない。従って、一覧を表示しようとするファイルが、複数のディレクトリに亘っている場合には、その一覧を表示しようとするファイルの記録順は、そのファイルを管理するための管理情報として記録されている、記録媒体10上への記録の日時等を参照して認識しなければならず、ファイルの記録順を認識するのに時間を要することになる。
【0213】
図5では、ファイルの一覧の表示の迅速化の観点から、ディレクトリを、符号化方式ごとの他、コーデックレベルごと、さらには、コーデッククラスごとに作成するのではなく、符号化方式ごとにだけ作成するようにしている。
【0214】
なお、上述の場合には、ファイルに格納されている符号化データの符号化方式を表す文字(列)(例えば、AVC符号化を表す"AVC"など)を、そのファイルのファイル名に含めるようにしたが、ある符号化方式の符号化データのファイルは、その符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリに記録されるから、ファイルに格納された符号化データの符号化方式は、そのファイルが記録されているディレクトリのディレクトリ名から特定することができるので、ファイルに格納されている符号化データの符号化方式を表す文字は、必ずしも、そのファイルのファイル名に含めなくても良い。
【0215】
また、上述の場合には、ファイルのファイル名の拡張子以外の部分には、そのファイルに格納されている符号化データの符号化方式を表す文字や、その符号化データのコーデックレベルを表す文字の他、その符号化データのコーデッククラスを表す文字(列)を含めるようにすることが可能である。
【0216】
但し、ファイル名の拡張子以外の部分の最大の文字数が、上述したような8文字などの少ない文字数に制限される場合には、ファイル名の拡張子以外の部分に、コーデッククラスを表す文字をさらに含めると、その分だけ、ファイルシリアルナンバの桁数を少なくしなければならず、その結果、記録媒体10上のファイルに使用することができるファイル名の数、ひいては、記録媒体10に記録することができるファイルの数が少なくなる。従って、ファイル名の拡張子以外の部分に、コーデッククラスを表す文字をさらに含めることは、ファイル名の拡張子以外の部分の文字数をある程度の数以上とすることが許されている場合(例えば、いわゆるロングファイル名を使用することができる場合など)に行うのが望ましい。
【0217】
また、上述の場合には、記録媒体10上の動画のファイルを管理する管理方法として、
(1)ROOTディレクトリの直下に、動画のファイルが格納されるMOVIEディレクトリをおく。
(2)MOVIEディレクトリの直下に、符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリとしての、例えば、100AVC01ディレクトリや100M4P01ディレクトリをおき、100AVC01ディレクトリや100M4P01ディレクトリに、そのディレクトリのディレクトリ名が表す符号化方式の符号化データが格納されたファイルを記録する。
(3)符号化データのファイルのファイル名の拡張子には、ISO/IEC14496-part12, 14, 15に準拠した拡張子を採用し、ファイル名の拡張子以外の部分には、ファイルに格納された符号化データの符号化方式を表す文字、その符号化データのコーデックレベルを表す文字、およびファイルシリアルナンバを含める。
ようにする方法を採用したが、コーデッククラスおよびコーデックレベルを規定する新装置規格において必須の事項は、コーデックレベルを表す文字を、ファイル名に含めることであり、その他の事項は任意である。
【0218】
例えば、記録媒体10に、動画のファイルしか記録されず、その動画のファイルも、例えば、AVC符号化などの、特定の符号化方式で符号化された符号化データが格納されたファイルだけである場合等においては、そのファイルは、例えば、ROOTディレクトリの直下に記録することができる。但し、この場合、ROOTディレクトリの直下に記録されるファイルのファイル名は、そのファイルに格納された符号化データのコーデックレベルを表す文字を含んでいなければならない。
【0219】
次に、図6のフローチャートを参照して、図4のビデオカメラで撮影されたビデオデータを符号化して記録媒体10に記録する記録処理について説明する。
【0220】
なお、ここでは、記録媒体10のROOTディレクトリの直下に、MOVIEディレクトリが、既に存在することとする。
【0221】
例えば、操作部6における録画を指令する録画ボタン(図示せず)が、ユーザによって操作されると、ステップS1において、制御部5(のCPU51)は、媒体I/F4を制御することにより、記録媒体10のMOVIEディレクトリの直下に、コーデック22が符号化(復号)を行う符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリを作成させ、ステップS2に進む。即ち、コーデック22が符号化を行う符号化方式が、例えば、AVCである場合には、制御部5は、記録媒体10のMOVIEディレクトリの直下に、100AVC01ディレクトリ(図5)を作成させる。
【0222】
ここで、図4のビデオカメラにおいて、あるいは、新装置規格に準拠した他の記録再生装置において、MOVIEディレクトリの直下に、コーデック22が符号化を行う符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリが、既に作成されている場合があり得る。この場合には、ステップS1の処理は、スキップされる。
【0223】
ステップS2では、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表すファイル名のファイルを、記録対象ファイルとして、コーデック22が符号化を行う符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリの直下に作成させる。
【0224】
即ち、コーデック22が符号化を行う符号化方式が、例えば、AVCであり、コーデック22が、例えば、コーデックレベルAVC_AのコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応している場合には、制御部5は、まず、AVCを表すディレクトリ名のディレクトリである100AVC01ディレクトリ(図5)内のファイルのファイル名を参照することにより、最大のファイルシリアルナンバを認識し、そのファイルシリアルナンバを1だけインクリメントした値を、記録対象ファイルのファイルシリアルナンバとして求める。例えば、図5に示したように、100AVC01ディレクトリにおいて、AVCA0005.MP4ファイルのファイルシリアルナンバである0005が、最大のファイルシリアルナンバである場合には、0006が、記録対象ファイルのファイルシリアルナンバとして求められる。
【0225】
さらに、制御部5は、コーデック22が符号化を行う符号化方式を表す文字"AVC"、コーデック22が対応しているコーデックレベルAVC_Aを表す文字"A"、および記録対象ファイルのファイルシリアルナンバとして求められた0006を、その順で並べ、さらに、拡張子として"MP4"を付加したファイル名"AVCA0006.MP4"を、記録対象ファイルのファイル名として作成し、そのファイル名のファイル(記録対象ファイル)を、100AVC01ディレクトリ内に作成(オープン)する。
【0226】
その後、ステップS3に進み、コーデック22において、カメラ部1からカメラDSP部2に供給されるビデオデータの符号化が開始され、ステップS4に進む。即ち、コーデック22は、カメラ部1からカメラDSP部2に供給されるビデオデータを符号化し、その結果得られる符号化データを、制御部5に供給する。
【0227】
ステップS4では、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、コーデック22が対応しているコーデッククラスの情報(クラス情報)等を、記録対象ファイルの管理情報として、記録媒体10に記録し、さらに、制御部5は、コーデック22から供給される符号化データの、ステップS2で作成された記録対象ファイルへの記録を開始する。即ち、コーデック22は、ステップS3において、カメラ部1からカメラDSP部2に供給されるビデオデータを符号化し、その結果得られる符号化データを、制御部5に供給することを開始するが、制御部5は、このようにして、コーデック22から供給される符号化データを、媒体I/F4を制御することにより、記録媒体10上の記録対象ファイルに記録させる。
【0228】
コーデック22がステップS3で開始したビデオデータの符号化、およびその結果得られる符号化データの制御部5への供給と、制御部5がステップS4で開始した符号化データの記録対象ファイルへの記録は、例えば、ユーザが、操作部6における録画ボタンを再度操作するまで続行される。そして、ユーザが、操作部6における録画ボタンを再度操作すると、コーデック22は、ビデオデータの符号化を停止し、制御部5も、符号化データの記録を停止する。さらに、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、記録対象ファイルをクローズし、記録処理が終了する。
【0229】
なお、コーデック22が、複数のコーデッククラスで符号化を行うことができる場合、即ち、同一のコーデックレベルの異なるコーデッククラスの符号化を行うことができる場合、または、異なるコーデックレベルのコーデッククラスの符号化を行うことができる場合、記録媒体10に符号化データ(のファイル)を記録するときに、コーデック22において、複数のコーデッククラスのうちのいずれの符号化を行うかは、例えば、ユーザがあらかじめ選択しておくことができる。即ち、ユーザが操作部6を操作することにより、コーデッククラスを選択する選択メニューの表示が指令されると、制御部5は、LCDコントローラ7を制御することにより、複数のコーデッククラスのうちのいずれかを選択する選択メニューを表示させる。そして、その選択メニューに対して、ユーザが操作部6を操作することにより希望するコーデッククラスを選択する操作を行うと、制御部5は、そのコーデッククラスの符号化を行うように、コーデック22を制御する。
【0230】
また、コーデック22が、複数のコーデッククラスで符号化を行うことができる場合には、その複数のコーデッククラスのうちのいずれか1つのコーデッククラスの符号化を行う他、2以上のコーデッククラスの符号化を並列に行い、その2以上のコーデッククラスの符号化によって得られる符号化データのそれぞれを、別々のファイルに記録することが可能である。即ち、コーデック22が、例えば、コーデックレベルAVC_AのコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応している場合には、コーデック22では、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2とその下位のコーデッククラスAVC_Level#A_Class#2のそれぞれの符号化を行い、制御部5では、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1とAVC_Level#A_Class#2のそれぞれの符号化データのファイルを、記録媒体10に記録することが可能である。この場合、記録媒体10が、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1に対応している記録再生装置に装着されたときには、その記録再生装置では、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#1の符号化データのファイルを再生することができる。また、記録媒体10が、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2に対応している記録再生装置に装着されたときには、その記録再生装置では、コーデッククラスAVC_Level#A_Class#2の符号化データのファイルを再生することができるし、その下位のコーデッククラスAVC_Level#A_Class#1の符号化データのファイルを再生することもできる。
【0231】
次に、図6の記録処理では、ステップS4で説明したように、記録媒体10に、符号化データがファイルとして記録される他、コーデック22が対応しているコーデッククラスの情報等が、符号化データのファイルの管理情報として記録される。
【0232】
符号化データのファイルの管理情報として記録される、コーデック22が対応しているコーデッククラスの情報とは、そのコーデッククラスを特定することができる情報で、例えば、文字(列)"AVC_Level#A_Class#2"などがある。また、コーデッククラスの情報としては、そのコーデッククラスが対応しているピクチャサイズや、最大ビットレート、プロファイル、その他のパラメータ(を表す情報)であっても良い。
【0233】
なお、符号化データのファイルの管理情報としては、コーデッククラスの情報の他、例えば、コーデックレベルを特定することができる情報(例えば、文字(列)"AVC_A"など)や、符号化データを復号することにより得られるビデオデータの先頭のフレームを縮小したサムネイル、ファイルの記録日時などを採用することができる。
【0234】
また、符号化データのファイルの管理情報を記録媒体10に記録する方法には、そのファイルに管理情報を格納(記録)する方法(自己内包型)と、符号化データのファイルとは別に、管理情報用のファイル(以下、管理ファイルという)を作成し、その管理ファイルに、記録媒体10上の符号化データのファイルの管理情報をまとめて格納する方法(外部参照型)とがある。
【0235】
管理ファイルに、記録媒体10上の符号化データのファイルの管理情報をまとめて格納する場合においては、図7に示すように、管理情報には、対応する符号化データのファイルの記録媒体10上の記録位置を表す、そのファイルの実体へのポインタを含めることができる。この場合、管理ファイル内のポインタを参照することにより、符号化データのファイルに、迅速にアクセスすることができる。
【0236】
コーデッククラスの情報を含む管理情報を、符号化データのファイルに格納する場合には、コーデッククラスを特定するのに、符号化データの各ファイルをオープンして管理情報を参照する必要があるが、コーデッククラスの情報を含む管理情報を、まとめて、管理ファイルに格納する場合には、その管理ファイルだけをオープンして管理情報を参照することにより、符号化データの各ファイルのコーデッククラスを特定することができる。
【0237】
即ち、コーデッククラスの情報を含む管理情報を、まとめて、管理ファイルに格納する場合には、符号化データの各ファイルをオープンしなくても、符号化データの各ファイルのコーデッククラスを特定することができ、従って、記録媒体10が、例えば、光ディスクなどのディスク状の記録媒体である場合には、シークの回数、ひいてはシーク時間を小にすることができ、符号化データの多数のファイルそれぞれのコーデッククラスを、迅速に特定することができる。
【0238】
なお、管理ファイルには、例えば、記録媒体10上の動画の(符号化データ)のファイルのすべての管理情報を格納することもできるし、また、符号化方式ごとに管理ファイルを作成して、ある符号化方式の管理ファイルには、その符号化方式の符号化データのファイルの管理情報だけをまとめて格納することもできる。記録媒体10上の動画のファイルのすべての管理情報を、1つの管理ファイルに格納する場合には、その管理ファイルは、例えば、MOVIEディレクトリ(図5)の直下におかれる。また、符号化方式ごとに管理ファイルが作成される場合には、各符号化方式の管理ファイルは、例えば、その符号化方式が表すディレクトリ名のディレクトリの直下におかれる。
【0239】
また、管理ファイルに格納する管理情報に含める、コーデックレベルを特定することができる情報としては、対応する符号化データのファイルのファイル名を採用することができる。この場合、管理ファイルを参照するだけで、ファイル名の一覧を表示することが可能となる。
【0240】
次に、図4のビデオカメラでは、記録媒体10に記録された動画(の符号化データ)のファイルの一覧を、LCD8に表示する一覧表示処理を行うことができる。
【0241】
そこで、図8のフローチャートを参照して、一覧表示処理について説明する。
【0242】
なお、図8では、符号化データのファイルに、その管理情報が格納されているものとする。
【0243】
例えば、操作部6における一覧表示を指令する一覧表示ボタン(図示せず)が、ユーザによって操作されると、制御部5は、LCDコントローラ7を制御することにより、LCD8に、ファイルの一覧を表示する画面としての一覧画面を表示させる。なお、一覧画面には、ファイル名等が表示されるが、一覧表示ボタンが操作された直後の段階では、一覧画面の状態は、何らのファイル名等も表示されていない状態である。
【0244】
その後、ステップS11において、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、記録媒体10上の、いわゆるカレントディレクトリ(current directory)を、コーデック22が符号化を行う符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリに変更して、ステップS12に進む。
【0245】
ステップS12では、制御部5は、カレントディレクトリ内の符号化データのファイルのうちの、まだ注目ファイルとしていないファイルを、注目ファイルとし、注目ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれているかどうかを判定する。
【0246】
ステップS12において、注目ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれていないと判定された場合、制御部5は、注目ファイルが再生不可であると認識して、ステップS16に進む。
【0247】
一方、ステップS12において、注目ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれていると判定された場合、ステップS13に進み、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、注目ファイルをオープンし、その注目ファイルの管理情報を読み出して、ステップS14に進む。
【0248】
ステップS14では、制御部5は、ステップS13で読み出した注目ファイルの管理情報に基づき、注目ファイルに格納された符号化データを再生することができるかどうか、つまり、コーデック22で復号可能か否かを判定する。
【0249】
ここで、注目ファイルの管理情報には、上述したように、注目ファイルに格納された符号化データのコーデッククラスの情報が含まれており、コーデッククラスの情報としては、そのコーデッククラスが対応しているピクチャサイズや、最大ビットレート、プロファイル、その他のパラメータがある。ステップS14では、このような、管理情報に含まれるパラメータから、注目ファイルの符号化データのコーデッククラスを特定し、そのコーデッククラスが、コーデック22が対応しているコーデッククラス、またはそのコーデッククラスの下位のコーデッククラスであるか否かによって、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能か否かを判定する。
【0250】
あるいは、ステップS14では、注目ファイルの管理情報に含まれるコーデッククラスの情報としてのコーデッククラスのパラメータそれぞれの値が、すべて、コーデック22が対応しているコーデッククラスのパラメータそれぞれの値に含まれるか否か(以下であるか否か)によって、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能か否かを判定する。
【0251】
即ち、コーデッククラスのパラメータのうちの、例えば、最大ビットレートに注目した場合には、ステップS14では、注目ファイルの管理情報に含まれるコーデッククラスの情報としてのコーデッククラスの最大ビットレートの値が、コーデック22が対応しているコーデッククラスの最大ビットレートの値以下であるか否かが判定される。
【0252】
具体的には、例えば、コーデック22が対応しているコーデックレベルに、第1、第2、および第3のコーデッククラスが属しており、その第1乃至第3のコーデッククラスの最大ビットレートが、それぞれ、15Mbps,40Mbps,50Mbpsであるとする。さらに、コーデック22は、第1乃至第3のコーデッククラスのうちの、例えば、最大ビットレートが40Mbpsの第2のコーデッククラスに対応しているものとする。この場合、注目ファイルの管理情報に含まれるコーデッククラスの情報としてのコーデッククラスの最大ビットレートの値を、変数X[Mbps]で表すとすると、ステップS14では、式X≦40Mbpsが満たされるか否かが判定される。
【0253】
式X≦40Mbpsが満たされない場合、つまり、Xと40Mbpsとの関係が、式X>40Mbpsで表される場合は、ステップS14において、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能でないと判定される。
【0254】
一方、式X≦40Mbpsが満たされる場合には、ステップS14において、コーデッククラスのパラメータのうちの、最大ビットレート以外の、例えば、ピクチャサイズその他のパラメータについて、注目ファイルの管理情報に含まれるコーデッククラスの情報としてのコーデッククラスのパラメータの値が、コーデック22が対応しているコーデッククラスのパラメータの値に含まれるか否かが、さらに判定される。
【0255】
そして、注目ファイルの管理情報に含まれるコーデッククラスの情報としてのコーデッククラスのパラメータそれぞれの値が、すべて、コーデック22が対応しているコーデッククラスのパラメータそれぞれの値に含まれる場合、ステップS14では、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能であると判定される。
【0256】
ステップS14において、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能でないと判定された場合、制御部5は、注目ファイルが再生不可であると認識して、ステップS16に進む。
【0257】
また、ステップS14において、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能であると判定された場合、制御部5は、注目ファイルが再生可であると認識して、ステップS15に進み、制御部5は、LCDコントローラ7を制御することにより、LCD8に表示されている一覧画面に、注目ファイルのファイル名を表示させる。即ち、これにより、例えば、一覧画面の、最後の行に表示されていたファイル名の次の行に、注目ファイルのファイル名が表示される。
【0258】
なお、一覧画面には、注目ファイルのファイル名の他、そのファイル名に付随するように、注目ファイルのサムネイルを表示させることができる。注目ファイルのサムネイルは、一覧画面に、そのサムネイルを表示しようとするときに、注目ファイルに格納された符号化データの一部をコーデック22で復号し、その復号により得られるビデオデータから生成することができる。また、上述したように、管理情報にサムネイル(のデータ)が含まれる場合には、そのサムネイルを、一覧画面に表示することができる。
【0259】
ステップS15の処理後は、ステップS16に進み、制御部5は、カレントディレクトリ内の符号化データのファイルのすべてを、注目ファイルとしたか否かを判定する。ステップS15において、カレントディレクトリ内の符号化データのファイルの中に、まだ、注目ファイルとされていないファイルがあると判定された場合、ステップS12に戻り、
まだ、カレントディレクトリ内の符号化データのファイルのうちの、注目ファイルとされていないファイルの1つを、新たに注目ファイルとして、以下、同様の処理が繰り返される。
【0260】
また、ステップS16において、カレントディレクトリ内の符号化データのファイルのすべてを、注目ファイルとしたと判定された場合、一覧表示処理を終了する。
【0261】
以上のように、コーデック22の符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内のファイルの中から、コーデック22が対応しているコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定し、さらに、コーデック22が対応しているコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、コーデック22が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するようにしたので、図4のビデオカメラで再生可能なファイルを判定する処理を、容易に行うことができる。
【0262】
なお、一覧画面に、ファイル名を、ファイルの記録順に表示する場合には、カレントディレクトリ内の符号化データのファイルを、ファイルシリアルナンバの昇順に、注目ファイルとすれば良い。
【0263】
また、図8の一覧表示処理では、注目ファイルが(図4のビデオカメラで)再生可であるか、または再生不可であるかを認識し、注目ファイルが再生可であると認識された場合には、その時点で、注目ファイルのファイル名を、一覧画面に表示するようにしたが、その他、例えば、カレントディレクトリ内のすべてのファイルについて、再生の可否を認識した後に、再生可のファイルのファイル名すべてを、一度に、一覧画面に表示することも可能である。
【0264】
さらに、図8の一覧表示処理では、符号化データのファイルに、その管理情報が格納されているものとしたが、図7に示したように、カレントディレクトリ内の符号化データのファイルの管理情報は、すべて、1つの管理ファイルに格納されていても良い。この場合、図8の一覧表示処理では、ステップS13の処理は行う必要がない。また、この場合、ステップS12乃至S16のループ処理を開始する前に、管理ファイルをオープンし、ステップS14では、その管理ファイルに格納された管理情報を参照することにより、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能か否かを判定することとなる。
【0265】
ここで、新装置規格によれば、上述したように、あるコーデッククラスに対応している記録再生装置は、対応しているコーデッククラスのデータの他、同一のコーデックレベルに属する、対応しているコーデッククラスの下位のコーデッククラスのデータも復号することができなければならない。従って、新装置規格に準拠した図4のビデオカメラのコーデック22が、例えば、あるコーデックレベルの最上位のコーデッククラスに対応している場合には、コーデック22は、そのコーデックレベルに属するすべてのコーデッククラスのデータを復号することができるから、注目ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれているかどうかを判定するだけで、注目ファイルが再生可であるか否かを認識することができる。即ち、注目ファイルや管理ファイルをオープンしなくても、注目ファイルが再生可であるか否かを認識することができる。
【0266】
また、コーデック22が複数の符号化方式による復号を行うことができる場合には、図8のステップS12乃至S16の処理は、その複数の符号化方式のそれぞれを表すディレクトリ名のディレクトリ内の符号化データのファイルを対象に行われる。
【0267】
さらに、図8では、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのみのファイル名を、一覧画面に表示するようにしたが、一覧画面には、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのファイル名と、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名との両方、つまり、コーデック22の符号化方式を表す文字を含むディレクトリ内の符号化データのファイルのすべてのファイル名を表示することが可能である。
【0268】
また、一覧画面において、コーデック22の符号化方式を表す文字を含むディレクトリ内の符号化データのファイルのすべてのファイル名を表示する場合には、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのファイル名と、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名とを区別して表示することが可能である。
【0269】
即ち、図9は、そのような一覧画面の例を示している。
【0270】
図9の一覧画面では、基本的に、コーデック22の符号化方式を表す文字を含むディレクトリ内の符号化データのファイルのファイル名が、その直前にサムネイルを配置する形で表示されている。但し、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルについては、その復号することができない旨を表すために、サムネイルに代えて、?マークが表示されている。
【0271】
即ち、図9の一覧画面では、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのファイル名は、サムネイルとともに表示され、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名は、?マークとともに表示されている。
【0272】
ここで、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのファイル名と、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名とを区別して表示する方法は、図9に示したような、サムネイルと?マークを用いる方法に限定されるものではない。即ち、その他、例えば、ファイル名の表示の濃淡を変化させることにより、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのファイル名と、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名とを区別して表示すること等が可能である。
【0273】
図9に示した一覧画面の表示は、図8の一覧表示処理のステップS12において、注目ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれていないと判定された場合、またはステップS14において、注目ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能でないと判定された場合に、ステップS16に進むのではなく、図中点線で示すように、ステップS15に進み、注目ファイルのファイル名を、?マークとともに一覧画面に表示させることによって行うことができる。
【0274】
ここで、図9の一覧画面では、ファイル名"AVCB0005.MP4"が、?マークとともに表示されており、ユーザは、この表示を見ることで、図4のビデオカメラでは、ファイルAVCB0005.MP4を再生することができないことを、即座に認識することができる。さらに、ユーザは、一覧画面のその他のファイル名のファイルについては、図4のビデオカメラによって再生することができることを、即座に認識することができる。
【0275】
以上のように、一覧画面において、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのファイル名と、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名とを区別して表示することにより、ユーザは、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルや、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルを、容易に認識することができる。
【0276】
なお、一覧画面では、その他、コーデック22の符号化方式を表す文字を含むディレクトリ内の符号化データのファイルを対象として、ファイル名を表示する他、例えば、MOVIEディレクトリ内のファイル(MOVIEディレクトリの下位のディレクトリ内のファイルを含む)を対象として、ファイル名を表示することができる。この場合、一覧画面では、記録媒体10に記録された動画のファイルのすべてのファイル名が表示される。
【0277】
さらに、一覧画面において、MOVIEディレクトリ内のファイルを対象として、ファイル名を表示する場合も、コーデック22の符号化方式を表す文字を含むディレクトリ内の符号化データのファイルを対象として、ファイル名を表示する場合と同様に、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルのファイル名と、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名とを区別して表示することが可能である。
【0278】
以上のように、一覧画面において、記録媒体10の任意のディレクトリ内のファイルを対象として、ファイル名を表示することができることにより、ユーザは、記録媒体10に記録されているファイルを、必要な範囲で認識することができる。
【0279】
即ち、例えば、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルだけのファイル名や、コーデック22の符号化方式を表す文字を含むディレクトリ内の符号化データのファイルだけのファイル名しか、一覧画面に表示されない場合には、一覧画面にファイル名が表示されないファイルが、記録媒体10に多数記録されていると、一覧画面に表示されるファイル名の数に対して、記録媒体10の空き容量が少なくなり、ユーザに違和感をさせることがある。
【0280】
一覧画面において、記録媒体10の任意のディレクトリ内のファイルを対象として、ファイル名を表示することができる場合には、上述のような違和感を、ユーザに感じさせることを防止することができる。
【0281】
なお、一覧画面において、いずれのディレクトリ内のファイルを対象として、ファイル名を表示するかは、例えば、ユーザが操作部6を操作することにより選択することができるようにすることができる。
【0282】
また、一覧画面において、コーデック22が復号することができる符号化データのファイルだけのファイル名を表示するか、または、さらに、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルのファイル名をも表示するかも、例えば、ユーザが操作部6を操作することにより選択することができるようにすることができる。
【0283】
次に、図9に示したような一覧画面が、LCD8に表示された場合には、ユーザは、例えば、操作部6を操作することにより、一覧画面上のファイル名を指定して、そのファイル名のファイルの消去(削除)や再生を要求することができる。
【0284】
ユーザが操作部6を操作することによって、例えば、ファイルの消去が要求された場合、制御部6は、媒体I/F4を制御することにより、消去が要求されたファイルとそのファイルの管理情報を、記録媒体10から消去する。
【0285】
なお、消去が要求されたファイルが、図4のビデオカメラではない他の記録再生装置で記録されたファイルであり、コーデック22が復号することができない符号化データのファイルである場合には、制御部5は、LCDコントローラ7を制御して、その旨のメッセージ(警告)を、LCD8に表示することができる。
【0286】
この場合、他の記録再生装置で記録されたファイルを、誤って消去してしまうことを防止することができる。
【0287】
また、ユーザが操作部6を操作することによって、例えば、ファイルの再生が要求された場合、図4のビデオカメラでは、そのファイルを再生する再生処理が行われる。
【0288】
そこで、図10のフローチャートを参照して、再生処理について説明する。
【0289】
制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、ユーザが操作部6を操作することによって再生を要求したファイル(以下、適宜、再生要求ファイルという)のファイル名を、記録媒体10から読み出し、ステップS21において、再生要求ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれているかどうかを判定する。
【0290】
ステップS21において、注目ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれていないと判定された場合、制御部5は、再生要求ファイルが再生不可であると認識し、LCDコントローラ7を制御することにより、LCD8に、その旨のメッセージを表示させて、再生処理を終了する。
【0291】
また、ステップS21において、再生要求ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれていると判定された場合、ステップS22に進み、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、再生要求ファイルをオープンし、その再生要求ファイルの管理情報を読み出して、ステップS23に進む。
【0292】
なお、再生要求ファイルの管理情報が、管理ファイル(図7)に格納されている場合には、制御部5は、ステップS22において、管理ファイルをオープンし、管理ファイルから、再生要求ファイルの管理情報を読み出す。
【0293】
ステップS23では、制御部5は、ステップS22で読み出した再生要求ファイルの管理情報に基づき、再生要求ファイルに格納された符号化データを再生することができるかどうか、つまり、コーデック22で復号可能か否かを、図8のステップS14における場合と同様にして判定する。
【0294】
ステップS23において、再生要求ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能でないと判定された場合、制御部5は、再生要求ファイルが再生不可であると認識し、LCDコントローラ7を制御することにより、LCD8に、その旨のメッセージを表示させて、再生処理を終了する。
【0295】
また、ステップS23において、再生要求ファイルに格納された符号化データが、コーデック22で復号可能であると判定された場合、制御部5は、再生要求ファイルが再生可であると認識して、ステップS24に進み、制御部5は、再生要求ファイルの再生を開始する。
【0296】
即ち、制御部5は、媒体I/F4を制御することにより、記録媒体10から再生要求ファイルに格納された符号化データを読み出し、カメラDSP部2のコーデック22に供給して、その符号化データを復号させる。コーデック22において、符号化データの復号が行われることにより得られるビデオデータは、制御部5に供給され、制御部5は、LCDコントローラ7を制御することにより、コーデック22からのビデオデータに対応する画像(動画)を、LCD8に表示させる。
【0297】
その後、再生要求ファイルの再生が、最後まで終了すると、あるいは、ユーザが操作部6を操作することにより、再生の終了が指令されると、制御部5は、再生処理を終了する。
【0298】
ここで、コーデック22が、あるコーデックレベルの最上位のコーデッククラスに対応している場合には、コーデック22は、そのコーデックレベルに属するすべてのコーデッククラスのデータを復号することができるから、再生要求ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれているかどうかを判定するだけで、再生要求ファイルが再生可であるか否かを認識することができる。従って、この場合、ステップS21において、再生要求ファイルのファイル名に、コーデック22が対応しているコーデックレベルを表す文字が含まれていると判定されたときには、ステップS22およびS23の処理をスキップして、ステップS24に進み、再生要求ファイルの再生を開始することができる。
【0299】
次に、図11は、本発明を適用したホームネットワークシステム(システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かは問わない)の一実施の形態の構成例を示している。
【0300】
図11においては、例えば、LANなどのネットワーク101に、新装置規格に準拠した記録再生装置としてのビデオカメラ102、コンピュータ103、ディスクレコーダ104、およびTV(テレビジョン受像機)105が接続されることにより、ホームネットワークが構成されている。
【0301】
なお、ビデオカメラ102は、例えば、図4に示したビデオカメラである。また、ビデオカメラ102、コンピュータ103、ディスクレコーダ104、およびTV105は、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)の規格に準拠している。
【0302】
図11のホームネットワークシステムでは、例えば、ビデオカメラ102は、ネットワーク101に接続されている新装置規格に準拠した他の記録再生装置であるコンピュータ103、ディスクレコーダ104、TV105に対して、それぞれが対応しているコーデックレベルとコーデッククラスの情報を、ネットワーク101を介して要求し、その要求に応じて、コンピュータ103、ディスクレコーダ104、TV105それぞれがネットワーク101を介して送信してくるコーデックレベルとコーデッククラスの情報を受信する。
【0303】
即ち、ビデオカメラ102(図4)では、コンピュータ103、ディスクレコーダ104、TV105それぞれが送信してくるコーデックレベルとコーデッククラスの情報が、外部I/F9で受信され、制御部5(のRAM52またはフラッシュロム53)に供給されて記憶される。
【0304】
その後、ビデオカメラ102に、記録媒体10が装着され、その記録媒体10に記録されたいずれかの符号化データのファイルの再生が要求されると、制御部5は、コーデック22が、その符号化データを復号することができるか否かを判定し、復号することができる場合には、ビデオカメラ102において、図10のステップS24で説明したように、再生が要求されたファイルの再生が開始される。
【0305】
一方、コーデック22が、再生が要求されたファイルに格納された符号化データを復号することができない場合には、制御部5は、RAM52またはフラッシュロム53に記憶されているコーデックレベルとコーデッククラスの情報、即ち、ここでは、コンピュータ103、ディスクレコーダ104、TV105のそれぞれが対応しているコーデックレベルとコーデッククラスの情報を参照し、再生が要求されたファイルに格納された符号化データを復号することができる記録再生装置(以下、適宜、再生可能装置という)を認識する。そして、制御部5は、LCDコントローラ7を制御することにより、例えば、図12に示すように、再生可能装置を表す情報を、LCD8に表示させる。
【0306】
この場合、ユーザは、所望のファイル(再生を要求したファイル)を再生することができる記録再生装置(再生可能装置)を、容易に認識し、その記録再生装置に、記録媒体10を装着して、所望のファイルを再生させることができる。
【0307】
ここで、記録媒体10に記録されたファイルは、記録媒体10をビデオカメラ102から再生可能装置に装着し直して再生するのではなく、記録媒体10が装着されたビデオカメラ102からネットワーク101を介して、再生可能装置に転送し、その再生可能装置で再生することができる。また、再生可能装置では、ビデオカメラ102から転送されてきたファイルに格納された符号化データの復号を行い、その復号により得られるビデオデータを、ネットワーク101を介して、ビデオカメラ102に転送し、ビデオカメラ102で表示させるようにすることができる。
【0308】
なお、ビデオカメラ102では、記録媒体10に、ファイルを記録するときに、RAM52またはフラッシュロム53に記憶されているコーデックレベルとコーデッククラスの情報から、ビデオカメラ102以外に、記録しようとしているファイルに格納される符号化データを再生することができる記録再生装置を認識し、その記録再生装置を表す情報を、LCD8に表示することができる。
【0309】
この場合、ユーザは、ビデオカメラ102で記録されたファイルを再生することができる記録再生装置の数の大小などに基づいて、ビデオカメラ102で記録を行うかどうかなどを決定することができる。
【0310】
以上のように、データを符号化または復号する符号化方式について、データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、上位互換が保証される1以上のコーデッククラスの集まりであるコーデックレベルとが規定された新装置規格に準拠することにより、従来の利点を損なわずに、記録媒体10の容量が増加した場合にも最適なファイル管理を行うことができる。
【0311】
なお、コーデック22は、専用のハードウェアで構成することもできるし、ソフトウェアで構成することもできる。
【0312】
また、制御部5(のCPU51)に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0313】
さらに、プログラムは、1のCPUにより処理されるものであっても良いし、複数のCPUによって分散処理されるものであっても良い。
【0314】
また、本発明は、ビデオカメラや、コンピュータ、ディスクレコーダ、TVの他、例えば、携帯電話機その他の、データの記録や再生が可能な電子機器、特に、着脱可能な記録媒体に対するデータの記録や再生を行う電子機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0315】
【図1】AVCに準拠したビデオデータのフォーマットと、オーディオデータのフォーマットそれぞれの分類の例を示す図である。
【図2】AVCについてのコーデックレベルとコーデッククラスの例を示す図である。
【図3】MPEG4についてのコーデックレベルとコーデッククラスの例を示す図である。
【図4】本発明を適用したビデオカメラの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図5】記録媒体10のディレクトリ構造の例を示す図である。
【図6】記録処理を説明するフローチャートである。
【図7】管理情報がまとめて管理ファイルに記録されている状態を説明する図である。
【図8】一覧表示処理を説明するフローチャートである。
【図9】一覧画面の例を示す図である。
【図10】再生処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明を適用したホームネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図12】再生可能装置を表す情報の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0316】
1 カメラ部, 2 カメラDSP部, 3 SDRAM, 4 媒体I/F, 5 制御部, 6 操作部, 7 LCDコントローラ, 8 LCD, 9 外部I/F, 10 記録媒体, 11 光学ブロック, 12 CCD, 13 前処理回路, 14,15 ドライバ, 16 タイミング生成回路, 21 自動機構制御部, 22 コーデック, 23 SDRAMコントローラ, 51 CPU, 52 RAM, 53 フラッシュROM, 54 時計回路, 55 システムバス, 101 ネットワーク, 102 ビデオカメラ, 103 コンピュータ, 104 ディスクレコーダ, 105 TV

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記録する記録装置において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化手段と、
前記符号化手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御手段と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録制御手段は、前記記録媒体の、前記所定の符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内に、前記所定のコーデックレベルの中の前記所定のコーデッククラスの符号化データを、そのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録させる
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録制御手段は、前記記録媒体に、前記所定の符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリが存在しない場合、前記所定の符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリを作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録制御手段は、前記符号化データと、その符号化データのコーデッククラスの情報であるクラス情報とを、前記記録媒体に記録させる
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記録制御手段は、1以上の前記符号化データそれぞれのクラス情報を、1のファイルとして、前記記録媒体に記録させる
ことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
データを記録する記録方法において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化ステップと、
前記符号化ステップにおいて符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップと
を含むことを特徴とする記録方法。
【請求項7】
データを記録する記録処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化する符号化ステップと、
前記符号化ステップにおいて符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
データを再生する再生装置において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段と、
任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定手段と、
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定手段と
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項9】
前記記録媒体では、符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内に、その符号化方式について規定されているコーデックレベルの中のコーデッククラスの符号化データのファイルが記録され、
前記コーデックレベル判定手段は、前記記録媒体に記録されているファイルのうちの、前記復号手段が対応している符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内に記録されているファイルの中から、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項8に記載の再生装置。
【請求項10】
前記記録媒体には、前記符号化データと、その符号化データのコーデッククラスの情報であるクラス情報とが記録され、
前記コーデッククラス判定手段は、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを、前記記録媒体に記録されている前記クラス情報に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項8に記載の再生装置。
【請求項11】
前記記録媒体には、1以上の前記符号化データのクラス情報それぞれが、1のファイルとして記録され、
前記コーデッククラス判定手段は、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを、前記1のファイルに記録されている前記クラス情報に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項12】
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの中の、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルの一覧を表示させる表示制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項8に記載の再生装置。
【請求項13】
前記記録媒体に記録されている任意のディレクトリ内のファイルの一覧を表示させる表示制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項8に記載の再生装置。
【請求項14】
前記記録媒体では、符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内に、その符号化方式について規定されているコーデックレベルの中のコーデッククラスの符号化データのファイルが記録され、
前記記録媒体の、前記復号手段が対応している符号化方式を表すディレクトリ名のディレクトリ内に記録されているファイルの一覧を、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの中の、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルと、他のファイルとを区別して表示させる表示制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項8に記載の再生装置。
【請求項15】
データを再生する再生方法において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段に、符号化データを復号させる復号ステップと、
任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップと
を含むことを特徴とする再生方法。
【請求項16】
データを再生する再生処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式における所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスで符号化した符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能な復号手段に、符号化データを復号させる復号ステップと、
任意のコーデックレベルの中の任意のコーデッククラスの符号化データが、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして記録される記録媒体に記録されているファイルの中から、前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、
前記復号手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記復号手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項17】
データの記録と再生とを行う記録再生装置において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、前記符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段と、
前記コーデック手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御手段と、
前記記録媒体に記録されているファイルの中から、前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定手段と、
前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定手段と
を備えることを特徴とする記録再生装置。
【請求項18】
データの記録と再生とを行う記録再生方法において、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、前記符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段に、前記データを前記符号化データに符号化させる符号化ステップと、
前記コーデック手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップと、
前記記録媒体に記録されているファイルの中から、前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、
前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップと
を含むことを特徴とする記録再生方法。
【請求項19】
データの記録と再生とを行う記録再生処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
データを符号化または復号する符号化方式について、
データを符号化または復号するコーデックの性能を分類するコーデッククラスと、
上位互換が保証される1以上の前記コーデッククラスの集まりであるコーデックレベルと
が規定された規格に準拠しており、データを、所定の符号化方式で、所定のコーデックレベルの中の所定のコーデッククラスの符号化データに符号化するとともに、前記符号化データを復号する、前記所定のコーデッククラスと互換性があるコーデッククラスの符号化データの復号も可能なコーデック手段に、前記データを前記符号化データに符号化させる符号化ステップと、
前記コーデック手段において符号化された前記符号化データを、その符号化データのコーデックレベルを表すファイル名のファイルとして、記録媒体に記録させる記録制御ステップと、
前記記録媒体に記録されているファイルの中から、前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルを、ファイル名に基づいて判定するコーデックレベル判定ステップと、
前記コーデック手段が対応している前記所定のコーデックレベルの符号化データのファイルの中から、前記コーデック手段が復号可能なコーデッククラスの符号化データのファイルを判定するコーデッククラス判定ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−165918(P2006−165918A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353383(P2004−353383)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】