説明

車両のサスペンションサブフレーム構造

【課題】サブフレームの重量を軽減しつつサブフレームの剛性を向上させてサスペンションアームからの入力荷重を有効に受け止めることが出来る車両のサスペンションサブフレーム構造を提供する。
【解決手段】本発明は、マルチリンク型サスペンションのサスペンションアーム14,16を支持するサブフレーム構造であって、車幅方向に延びる一対の車幅方向メンバ20,22と、車体前後方向に延びる一対の前後方向メンバ24,26と、一方の車幅方向メンバ側に位置するその左右両端部にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部が設けられた傾斜メンバ28と、を有し、この傾斜メンバは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部と他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部とを連結するように平面視で車幅方向に対して傾斜して延びる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサスペンションサブフレーム構造に係り、特に、マルチリンク型サスペンションのサスペンションアームを支持する車両のサスペンションサブフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂E型サスペンションといわれるマルチリンクサスペンションが知られており、特許文献1には、そのマルチリンクのアームを支持するリアサスペンションサブフレームの構造が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−193893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載のサブフレームのような一般的なサブフレームでは、各フレームがロ字状の閉断面或いはコ字状の断面を有し、それらのフレームが平面視で井桁状に組まれたものである。このような構成の従来のサブフレームでは、特に旋回時に生じる各アームからの引張や圧縮などの大きな入力荷重を受け止めるため、フレーム自体の断面積を大きくしたり補強部材を設けたりして剛性を高める必要があり、そのため、重量が増加するという問題があった。
【0005】
また、前後方向に延びるメンバや車幅方向に延びるメンバへの各サスペンションアームの取付の位置によっては、各アームからの入力荷重を受けると、サブフレームの部材間でねじれや曲げが生じ、剛性や信頼性の面で不利であり、重量もかさむものであった。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、サスペンションサブフレームの重量を軽減しつつサスペンションサブフレームの剛性を向上させてサスペンションアームからの入力荷重を有効に受け止めることが出来る車両のサスペンションサブフレーム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明による車両のサスペンションサブフレーム構造によれば、マルチリンク型サスペンションのサスペンションアームを支持する車両のサスペンションサブフレーム構造であって、前後に間隔をおいて設けられそれぞれ車幅方向に延びる一対の車幅方向メンバと、これらの車幅方向メンバの左側端部同士及び右側端部同士をそれぞれ連結するように車体前後方向に延びる一対の前後方向メンバと、車幅方向メンバのうち、一方の車幅方向メンバの左右両端部に設けられたアッパアーム支持部と、車幅方向メンバのうち、一方の車幅方向メンバの左右両端部に設けられたロアアーム支持部と、一方の車幅方向メンバの左右両端部或いはその近傍の部分と、車幅方向メンバのうち他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部とを連結するように平面視で車幅方向に対して傾斜して延びる傾斜メンバと、を有し、この傾斜メンバは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部から伝わるサスペンションの荷重を上記他方の車幅方向メンバに伝達するようになっていることを特徴としている。
【0008】
このように構成された本発明においては、傾斜メンバは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部から伝わるサスペンションの荷重を他方の車幅方向メンバに伝達するように、一方の車幅方向メンバの左右両端部或いはその近傍の部分と、車幅方向メンバのうち他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部とを連結するようになっているので、旋回時にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部に車幅方向の大きな入力荷重が加わるとき、そのような荷重が各アームの支持部から傾斜メンバに伝達され、さらにその伝達された荷重が車幅方向メンバに加わる。そして、傾斜メンバは、平面視で車幅方向に対して傾斜して延びるので、この傾斜メンバと車幅方向メンバとにより2辺がほぼ三角形状となるフレーム部分を構成して、各アームからの荷重を効果的に受け止めるようにサスペンションサブフレームの剛性を向上させ、さらに、サスペンションサブフレームの重量を軽減することが出来る。
【0009】
また、本発明において、好ましくは傾斜メンバの端部が一方の車幅方向メンバの端部に結合され、これらの端部によりアッパアーム支持部及びロアアーム支持部が形成されている。
このように構成された本発明においては、各アーム支持部に加わる荷重を車幅方向メンバ及び傾斜メンバで有効に受け止めることができる。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、一方の車幅方向メンバが少なくとも二つの部材を有し、これらの部材によりアッパアーム支持部及びロアアーム支持部が形成され、これらのアッパアーム支持部及びロアアーム支持部の近傍に傾斜メンバが連結されている。
このように構成された本発明においては、各アーム支持部に加わる荷重を車幅方向メンバで有効に受け止め、さらに、車幅方向メンバの左右両端部の近傍の部分に連結される傾斜メンバでも荷重を有効に受け止めることができることができる。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、一方の車幅方向メンバは、その左側のアッパアーム支持部と右側のロアアーム支持部との間で荷重を対角線上に荷重を受け止めると共にその右側のアッパアーム支持部と左側のロアアーム支持部との間で荷重を対角線上に荷重を受け止めるようになっている。
このように構成された本発明においては、例えば、接地点同相の右旋回時には、左側のロアアーム支持部に車幅方向メンバを圧縮する荷重が加わる一方、その対角線上の右側のアッパアーム支持部にも車幅方向メンバを圧縮する荷重が加わり、また、左側のアッパアーム支持部に車幅方向メンバを引っ張る荷重が加わる一方、その対角線上の右側のロアアーム支持部にも車幅方向メンバを引っ張る荷重が加わる。このような車幅方向に加わる荷重に対して、車幅方向メンバは、上述したように対角線上に荷重を受け止めるので、左右のサスペンションアームに加わる荷重を車幅方向メンバが効率的に受け止め、それにより、左右の荷重同士を有効に打ち消すことが出来る。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、上記傾斜メンバの左右両端部にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部が設けられている。
このように構成された本発明においては、傾斜メンバの左右両端部にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部が設けられているので、旋回時にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部に車幅方向の大きな入力荷重が加わるとき、そのような荷重が各アームの支持部から傾斜メンバに伝達され、さらにその伝達された荷重が車幅方向メンバに加わる。そして、傾斜メンバは、平面視で車幅方向に対して傾斜して延びるので、この傾斜メンバと車幅方向メンバとにより2辺がほぼ三角形状となるフレーム部分を構成して、各アームからの荷重を効果的に受け止めるようにサスペンションサブフレームの剛性を向上させ、さらに、サスペンションサブフレームの重量を軽減することが出来る。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、傾斜メンバの左右両端部は、アッパアーム支持部とロアアーム支持部とを上下に連結するように形成されている。
このように構成された本発明においては、傾斜メンバの左右両端部がアッパアーム支持部とロアアーム支持部とを上下に連結するように形成されているので、傾斜メンバの剛性を向上させ、さらに、各アームの支持剛性も高め、さらに、サブフレームの剛性も高めることが出来る。
【0014】
また、本発明において、好ましくは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部は、傾斜メンバに一体的に形成されている。
このように構成された本発明においては、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部は傾斜メンバに一体的に形成されているので、各アームからの荷重を効率的に傾斜メンバに伝達させることが出来る。
【0015】
また、本発明において、好ましくは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部は、傾斜メンバの左右両端部及び一対の車幅方向メンバのうちの一方の車幅方向メンバの左右両端部の両方で一体的に形成されている。
このように構成された本発明においては、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部は、傾斜メンバの左右両端部及び一対の車幅方向メンバのうちの一方の車幅方向メンバの左右両端部の両方で一体的に形成されているので、各アームからの荷重を、傾斜メンバ及び上述した一方の車幅方向メンバ、さらに、他方の車幅方向メンバで有効に受け止めることが出来る。さらに、各アームからの荷重を効率的に各メンバに伝達させることが出来る。
【0016】
また、本発明において、好ましくは、傾斜メンバは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部から、他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部に向かうにつれて上下方向に小さい寸法となるように形成されている。
このように構成された本発明においては、傾斜メンバは、その左右両端部の各アーム支持部から、他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部に向かうにつれて上下方向に小さい寸法となるように形成されているので、各アームの支持部に作用する荷重の伝達に不要な部分を取り除いて、傾斜メンバの軽量化、ひいては、サスペンションサブフレームの軽量化が図れる。
【0017】
また、本発明において、好ましくは、傾斜メンバは、その左右両端部のアッパアーム支持部及びロアアーム支持部から、他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部に向けて上下方向の寸法が小さくなる一対の開口部を有する。
このように構成された本発明においては、傾斜メンバは、その左右両端部の各アーム支持部から、他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部に向けて上下方向の寸法が小さくなる一対の開口部を有するので、各アームの支持部に作用する荷重の伝達に不要な部分を取り除いて、車幅方向メンバの軽量化、ひいては、サスペンションサブフレームの軽量化が図れる。
【0018】
また、本発明において、好ましくは、一方の車幅方向メンバは、前側部材と後側部材とを結合して構成されており、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部が、前側部材と後側部材との両方により一体的に形成されている。
このように構成された本発明においては、車幅方向メンバの前側部材及び後側部材により各アームをより確実に支持することが出来る。また、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部に加わるサスペンションの荷重を車幅方向メンバで有効に受け止めることができる。
【0019】
また、本発明において、好ましくは、傾斜メンバは、上側部材と下側部材とで構成され、これらの上側部材及び下側部材とが上記前後方向メンバを介して上下に連結されるようになっている。
このように構成された本発明においては、傾斜メンバを上側部材と下側部材とに分離して成型性を確保すると共に、それらの上側部材と下側部材とを前後方向メンバを介して上下に連結することにより、傾斜メンバの剛性を向上させ、さらに、各アームの支持剛性も高め、さらに、サブフレームの剛性も高めることが出来る。
【0020】
また、本発明において、好ましくは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部が、前後方向メンバから所定の小さい距離をおき、前後方向メンバを挟むような位置で、前後方向メンバの上方側及び下方側にそれぞれ設けられている。
このように構成された本発明においては、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部が、前後方向メンバを挟むように前後方向メンバの上下にそれぞれ設けられているので、前後方向メンバの上下のスペースを有効に活用して、各アーム支持部の前後方向メンバからのオーバハングを縮小して各アーム支持部の剛性を高めることが出来る。
【0021】
また、本発明において、好ましくは、マルチリンク型サスペンションは、前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームと、後側に設けられたリアロアアームと、を有し、このリアロアアームは、傾斜メンバが連結される位置と同じ位置或いは近傍で他方の車幅方向メンバに連結されている。
このように構成された本発明においては、マルチリンク型サスペンションは、前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームと、後側に設けられたリアロアアームと、を有し、このリアロアアームは、他方の車幅方向メンバにおいて傾斜メンバが連結される部分と同じ位置或いは近傍で上記他方の車幅方向メンバに支持されている。従って、リアロアアームの支持剛性を傾斜メンバと他方の車幅方向メンバとにより高めることが出来る。
【0022】
また、本発明において、好ましくは、マルチリンク型サスペンションは、前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームを有し、他方の車幅方向メンバは、一対の車幅方向メンバのうち後側の車幅方向メンバであり、傾斜メンバの左右両端部は、一方の車幅方向メンバである前側の車幅方向メンバの左右両端部に連結され、アッパアーム支持部はフロントアッパアームを支持し、ロアアーム支持部はフロントロアアームを支持する。
このように構成された本発明においては、傾斜メンバの左右両端部は前側の車幅方向メンバの左右両端部に連結され、傾斜メンバが連結される他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部は後側の車幅方向メンバに連結され、マルチリンク型サスペンションのアッパアーム支持部はフロントアッパアームを支持し、ロアアーム支持部はフロントロアアームを支持するので、旋回時に入力荷重が大きいフロント側の各アームの入力荷重を前側の車幅方向メンバ、傾斜メンバ及び後側の車幅方向メンバで有効に受け止めることが出来る。
【0023】
また、本発明において、好ましくは、マルチリンク型サスペンションは、車輪支持部材から車両前方側に向けて延びる前後方向アームと、車輪支持部材から車幅方向内方に向けて延び前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームを含む少なくとも3本の車幅方向アームと、を有し、アッパアーム支持部はフロントアッパアームを支持し、ロアアーム支持部はフロントロアアームを支持するようになっている。
このように構成された本発明においては、マルチリンク型サスペンションは、車輪支持部材から車両前方側に向けて延びる前後方向アームと、車輪支持部材から車幅方向内方に向けて延び前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームを含む少なくとも3本の車幅方向アームと、を有し、アッパアーム支持部はフロントアッパアームを支持し、ロアアーム支持部はフロントロアアームを支持するようになっているので、旋回時に入力荷重が大きいフロント側の各アームの入力荷重を傾斜メンバで有効に受け止めることが出来る。
【0024】
上記の目的を達成するために本発明による車両のサスペンションサブフレーム構造によれば、マルチリンク型サスペンションのサスペンションアームを支持する車両のサスペンションサブフレーム構造であって、前後に間隔をおいて設けられそれぞれ車幅方向に延びる一対の車幅方向メンバと、これらの車幅方向メンバの左側端部同士及び右側端部同士をそれぞれ連結するように車体前後方向に延びる一対の前後方向メンバと、一対の車幅方向メンバのうちの一方の車幅方向メンバ側に位置するその左右両端部にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部が設けられた傾斜メンバと、を有し、この傾斜メンバは、アッパアーム支持部及びロアアーム支持部と他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部とを連結するように平面視で車幅方向に対して傾斜して延びることを特徴としている。
【0025】
このように構成された本発明においては、傾斜メンバが、左右両端部に設けられたアッパアーム支持部及びロアアーム支持部と、一対の車幅方向メンバのうちの他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部とを連結するので、旋回時にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部に車幅方向の大きな入力荷重が加わるとき、そのような荷重が各アームの支持部から傾斜メンバに伝達され、さらにその伝達された荷重が車幅方向メンバに加わる。そして、傾斜メンバは、平面視で車幅方向に対して傾斜して延びるので、この傾斜メンバと車幅方向メンバとにより2辺がほぼ三角形状となるフレーム部分を構成して、各アームからの荷重を効果的に受け止めるようにサスペンションサブフレームの剛性を向上させ、さらに、サスペンションサブフレームの重量を軽減することが出来る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の車両のサスペンションサブフレーム構造によれば、サスペンションサブフレームの重量を軽減しつつサスペンションサブフレームの剛性を向上させてサスペンションアームからの入力荷重を有効に受け止めることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
先ず、図1乃至図3により、本発明の第1実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造を含む車両のリアサスペンション下部構造を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を前方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図2は、本発明の第1実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造に取り付けられる右側後輪部のサスペンション装置及び車輪の構造を前方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図3は、本発明の第1実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を前方から見た正面図である。
【0028】
先ず、図1に示すように、本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造を含む車両のリア下部構造として、リアサスペンションサブフレーム1、リアサスペンション装置2及び車輪3が設けられている。図1及び図2に示すように、車輪3には、タイヤ5、ホイール6及び車輪支持部材7が設けられている。
サスペンション装置2は、車輪支持部材7に後端部10aが取り付けられ、その後端部10aから前方に延び、その前端部10bが車体(図示せず)に取り付けられるトレーリングアーム10を有する。
【0029】
また、サスペンション装置2は、その後方部分に車幅方向に延びるリアロアアーム12を有する。リアロアアーム12は、車輪支持部材7にその外方端部12aが取り付けられ、リアサスペンションサブフレーム1にその内方端部12bが取り付けられている。このリアロアアーム12には、スプリング13a及びダンパ13bからなる緩衝装置13が取り付けられている。スプリング13aは、その下端部がリアロアアーム12のスプリング受け部12cに受け入れられ、その上端部が車体(図示せず)に取り付けられている。ダンパ13bは、その下端部が車輪支持部材7に取り付けられ、その上端部が車体(図示せず)に取り付けられている。
【0030】
また、サスペンション装置2は、その前方部分の下方側に車幅方向に延びるフロントロアアーム14を有する。フロントロアアーム14は、車輪支持部材7にその外方端部14aが取り付けられ、リアサスペンションサブフレーム1にその内方端部14bが取り付けられている。
また、サスペンション装置2は、その前方部分の上方側に車幅方向に延びるフロントアッパアーム16を有する。フロントアッパアーム16は、車輪支持部材7にその外方端部16aが取り付けられ、リアサスペンションサブフレーム1にその内方端部16bが取り付けられている。
【0031】
次に、主に図4乃至図10により、本発明の第1実施形態によるリアサスペンションサブフレーム1の構造を説明する。図4は、本発明の第1実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を下方から見た底面図であり、図5は、本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバを単体で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図6は、本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図7は、本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図8は、本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバと左右それぞれの前後方向メンバが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図9は、本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造を下方且つ側方から見た斜視図であり、図10は、本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造を左側の側方から見た側面図である。
【0032】
先ず、図1、図3及び図4に示すように、リアサスペンションサブフレーム1は、そのサブフレーム1の前方側で車幅方向に延びるフロント車幅方向メンバ20、サブフレーム1の後方側で車幅方向に延びるリア車幅方向メンバ22、サブフレーム1の左側で車体前後方向に延びる左側前後方向メンバ24、サブフレーム1の右側で車体前後方向に延びる右側前後方向メンバ26、及び、フロント車幅方向メンバ20とリア車幅方向メンバ22との間でそれらを連結するように、平面視で車幅方向に対して斜め方向に延びる2つの傾斜補強メンバ28を有している。
【0033】
次に、図5に示すように、フロント車幅方向メンバ20は、その全体が後方に向けて開いた断面コ字状に一体成形されたものである。また、図6に示すように、2つの傾斜補強メンバ28は、その全体が前方に向けて開いた断面コ字状に一体成形されている。図1、図4及び図6に示すように、これらのフロント車幅方向メンバ20及び傾斜補強メンバ28は、それぞれのコ字状に開放した部分が互いの方向を向くように配置され、互いに溶接により取り付けられている。
【0034】
次に、図1及び図6に示すように、フロント車幅方向メンバ20と傾斜補強メンバ28とが互いに取り付けられることにより、符号30で示した部分では、閉断面を構成してサブフレーム1の剛性を高めるようにしている。また、図7に示すように、リア車幅方向メンバ22は、その全体が下側に向けて開口した断面コ字状に形成されている。図1、図4及び図7に示すように、傾斜補強メンバ28は、それらの後端部28cがリア車幅方向メンバ22に溶接により取り付けられている。
【0035】
そして、図7に示すように、フロント車幅方向メンバ20と傾斜補強メンバ28とで開口部40が形成され、この開口部40は、フロント車幅方向メンバ20と傾斜補強メンバ28とが結合して形成されている。即ち、開口部40の前方側はフロント車幅方向メンバ20で構成され、開口部40の後方側は傾斜補強メンバ28で構成されて、これらの結合部40となっている。また、リア車幅方向メンバ22にも開口部42が形成されている。
【0036】
開口部40には、後述するように、前後方向メンバ24、26が取り付けられるが、その取付部である開口部40は、下方側では上方に向けて開口し、上方側では下方に向けて開口し、車幅方向内方側では外方に向けて開口し、図3に示すように、前後方向から見て外方に向けて開放した形状となっている。この開口部40は、第1実施形態ではこのように開放した開断面で構成されているが、開口部40を閉断面にして、より剛性を高めるようにしても良い。
【0037】
そして、図7に示す2つの開口部40、42(左右合わせて4つの開口部)に、左右それぞれの前後方向メンバ24、26が溶接により取り付けられて、図1及び図8に示すようなサブフレーム1を構成している。前後方向メンバ24、26のそれぞれ前端部、後端部には、マウント部44、46が設けられ、これらのマウント部44、46を介して、サブフレーム1が車体(図示せず)に取り付けられている。
【0038】
次に、図1、図3及び図8に示すように、フロント車幅方向メンバ20の端部20a、20bと傾斜補強メンバ28の端部28a、28bとにより、フロントロアアーム14及びフロントアッパアーム16の取付部50、52が形成されている。
即ち、図6乃至10に示すように、フロントロアアーム14の取付部50(フロントロアアーム支持部50)は、断面コ字状(後方に向けて開放している)に形成されたフロント車幅方向メンバ20の下側の左右端部20aと、断面コ字状(前方に向けて開放している)に形成された傾斜補強メンバ28の下側の左右端部28aとが互いに組み合わされて閉断面を形成している。
【0039】
また、図6乃至10に示すように、フロントアッパアーム16の取付部52(フロントアッパアーム支持部52)は、断面L字状に形成されたフロント車幅方向メンバ20の上側の左右端部20bと、断面L字状に形成された傾斜補強メンバ28の上側の左右端部28bとが互いに組み合わされて、下方に向けて開放された開断面を形成している。
【0040】
図1、図3、図8に示すように、各取付部50、52には、フロントロアアーム14及びフロントアッパアーム16の車幅方向内方端部に設けられたラバーブッシュ部14c、16c(図9参照)を取り付けるための孔部50a、52aが形成されている。そして、図9に示すように、各アーム14、16が、フロント車幅方向メンバ20及び傾斜補強メンバ28に取り付けられる。
【0041】
また、図8及び図9に示すように、リア車幅方向メンバ22にも、孔部22aが形成され、図4及び図9に示すように、リアロアアーム12の車幅方向内方端部に設けられたラバーブッシュ部12dが取り付けられる。上述した傾斜補強メンバ28の後端部28cは、このリアロアアーム12の取付部(リアロアアーム支持部)の近傍に溶接により取り付けられており、リアロアアーム12のサブフレーム1への取付部22bの剛性を高めるようにしている。なお、この取付部22bと、傾斜補強メンバ28の後端部28cとを同じ位置に形成しても良い。
【0042】
次に、図1、図3及び図5に示すように、フロント車幅方向メンバ20には、その左側のフロントアッパアーム16の取付部52が設けられた左側上方端部20bと、その右側のフロントロアアーム14の取付部50が設けられた右側下方端部20aとが、対角線状に連結されるようにほぼ真っ直ぐに延びるフレーム60が形成され、一方、その右側のフロントアッパアーム16の取付部52が設けられた右側上方端部20bと、その左側のフロントロアアーム14の取付部50が設けられた左側下方端部20aとが、対角線状に連結されるようにほぼ真っ直ぐに延びるフレーム62が形成されている。このように、フロント車幅方向メンバ20は、フレーム60、62によりほぼX字状になるように形成されている。
【0043】
より具体的には、フロント車幅方向メンバ20には、図3に示すように、その左右両端部から車幅方向内方に向かうにつれてフロント車幅方向メンバ20の上下方向の長さが小さくなるように、上方及び下方に向けて開口した凹部64、66が形成されている。また、フロント車幅方向メンバ20には、車幅方向内方に向かうにつれてその上下方向長さが小さくなるような開口部68が形成されている。これらの凹部64、66と開口部68とにより、フロント車幅方向メンバ20は、全体的に正面視でX字状となるように形成されている。
【0044】
また、図3に示すように、フロント車幅方向メンバ20は、その左右両端部が上記アッパアーム支持部と上記ロアアーム支持部とを上下に連結するように形成されている。また、図10に示すように、フロント車幅方向メンバ20に設けられたフロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52が、前後方向メンバ24、26を挟むように前後方向メンバ24、26の上下にそれぞれ設けられている。
【0045】
同様に、上述したように、傾斜補強メンバ28にもフロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52が設けられており、これらが、前後方向メンバ24、26を挟むように前後方向メンバ24、26の上下にそれぞれ設けられている。そして、図4及び図8に示すように、傾斜補強メンバ28は、それらの取付部50及び取付部52の部分から、平面視で車幅方向内方且つ斜め後方に向けて延び、その後端部28cがリア車幅方向メンバ22の車幅方向の中間部に取り付けられている。
【0046】
さらに、図8に示すように、傾斜補強メンバ28は、その左右両端部の各アーム取付部50、52から、リア車幅方向メンバ22の車幅方向中間部に向かうにつれて上下方向に小さい寸法となるように形成されている。また、図8に示すように、傾斜補強メンバ28は、その左右両端部の各アーム取付部50、52から、リア車幅方向メンバ22の車幅方向中間部に向けて上下方向の寸法が小さくなる一対の開口部29を有する。
【0047】
次に、図11により、本発明の実施形態によるサスペンションサブフレーム構造の作用効果を説明する。図11は、本発明の実施形態によるサスペンションサブフレーム構造の作用の一例を説明するためのサブフレーム構造の正面図である。
先ず、フロントロアアーム14の取付部50(フロントロアアーム支持部50)がフロント車幅方向メンバ20の左右両端部20aに設けられ、フロントアッパアーム16の取付部52(フロントアッパアーム支持部52)がフロント車幅方向メンバ20の左右両端部20bに設けられており、上述したように、フロント車幅方向メンバ20は、凹部64、66及び開口部68により、正面視でX字状に延びるように形成されている。フロント車幅方向メンバ20は、例えば、図11の符号70で示すように対角線上に延びる。
【0048】
ここで、図11に示すように、車両の旋回時、荷重F1、F2がタイヤ接地点で車輪3に加わり、フロント側のロアアーム14及びアッパアーム16には、それぞれ、図11に示すような方向の荷重Fが伝達される。具体的には、例えば、接地点同相の右旋回時には、左側のロアアームに車幅方向メンバを圧縮する荷重が加わる一方、その対角線上の右側のアッパアームにも車幅方向メンバを圧縮する荷重が加わり、また、左側のアッパアームに車幅方向メンバを引っ張る荷重が加わる一方、その対角線上の右側のロアアームにも車幅方向メンバを引っ張る荷重が加わる。
【0049】
このような車幅方向に加わる荷重に対して、本発明の実施形態においては、車幅方向メンバは、正面視で全体的にX字状に延びるように形成されているので、各アーム14、16に加わる荷重がフロント車幅方向アーム20に対角線上に効率的に加わって、左右の荷重同士を有効に打ち消すことが出来る。即ち、フロント車幅方向メンバ20が、フロント車幅方向メンバの左側のフロントロアアーム14の取付部50と右側のフロントアッパアーム16の取付部52との間で荷重を対角的に伝達すると共に、フロント車幅方向メンバの右側のフロントロアアーム14の取付部50と左側のフロントアッパアーム16の取付部52との間で荷重を対角的に伝達するようになっている。
【0050】
従って、旋回時の大きな荷重入力がフロントロアアーム14及びフロントアッパアーム16に加わっても、フロント車幅方向メンバ20が左右からの荷重を互いに打ち消すように各アーム14、16を効果的に支持する。そして、各アーム14、16からの荷重を効果的に受け止めるようにサスペンションサブフレーム1の剛性を向上させ、さらに、サスペンションサブフレーム1の重量を軽減することが出来る。
【0051】
また、本発明の実施形態では、サスペンション装置2は、マルチリンク型サスペンションであり、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52がフロント車幅方向メンバ20に形成されているので、旋回時に入力荷重が大きいフロント側の各アームの入力荷重を前側の車幅方向メンバで有効に受け止めることが出来る。
【0052】
さらに、本発明の実施形態では、サスペンション装置2はマルチリンク型サスペンションであり、車輪支持部材7から車両前方側に向けて延びるトレーリングアーム10と、車輪支持部材7から車幅方向内方に向けて延び前側に配置されたフロントロアアーム14及びフロントアッパアーム16を有し、取付部50、52は、フロント車幅方向メンバ20に設けられてそれらのアーム14、16を支持するようになっているので、旋回時に入力荷重が大きいフロント側の各アーム14、16の入力荷重をフロント車幅方向メンバ20で有効に受け止めることが出来る。さらに、取付部50、52は傾斜補強メンバ28にも設けられているので、旋回時に入力荷重が大きいフロント側の各アーム14、16の入力荷重を傾斜補強メンバ28、さらには、リア車幅方向メンバ22で有効に受け止めることが出来る。
【0053】
さらに、本発明の実施形態では、サスペンション装置2は、マルチリンク型サスペンションであり、その前側に配置されたフロントロアアーム14及びフロントアッパアーム16と、その後側に設けられたリアロアアーム12と、を有し、このリアロアアーム12は、リア車幅方向メンバ22において傾斜補強メンバ28が連結される部分の近傍でリア車幅方向メンバ22に支持されているので、リアロアアーム12の支持剛性を傾斜補強メンバ28とリア車幅方向メンバ22とにより高めることが出来る。また、リアロアアーム12は、リア車幅方向メンバ22において傾斜補強メンバ28が連結される部分と同じ位置でリア車幅方向メンバ22に支持されていても同様の効果が得られる。
【0054】
さらに、本発明の実施形態では、フロント車幅方向メンバ20及びリア車幅方向メンバ22と、フロント車幅方向メンバ20の左右両端部20a、20bとリア車幅方向メンバ22の車幅方向中間部とを連結するように平面視で車幅方向に対して傾斜して延びる傾斜補強メンバ28とを有し、フロント車幅方向メンバ20の左右両端部20a、20bと傾斜補強メンバ28の端部28a、28bとが連結された部分にサスペンションアーム取付部(支持部)として、フロントロアアーム14の取付部50やフロントアッパアーム16の取付部52が設けられているので、旋回時にそれらの取付部50、52に車幅方向の大きな入力荷重が加わるとき、そのような荷重が各アーム14、16の支持部50、52からフロント車幅方向メンバ20及び傾斜補強メンバ28に伝達され、さらに傾斜補強メンバ28からリア車幅方向メンバ22に伝達され、これらのメンバ20、28、22で荷重を有効に受け止めることが出来る。そして、この傾斜補強メンバ28とフロント車幅方向メンバ20及びリア車幅方向メンバ22により荷重を効果的に受け止めるフレーム部分が構成されて、各アーム14、16を支持するサスペンションサブフレーム1の剛性を向上させ、さらに、サスペンションサブフレーム1の重量を軽減することが出来る。
【0055】
さらに、本発明の実施形態では、傾斜補強メンバ28が、その端部28a、28bに設けられたフロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52と、リア車幅方向メンバ22の車幅方向中間部とを連結するので、旋回時に各取付部(支持部)50、52に車幅方向の大きな入力荷重が加わるとき、そのような荷重が各アーム14、16の取付部50、52から傾斜補強メンバ28に伝達され、さらにその伝達された荷重がリア車幅方向メンバ22に加わる。そして、傾斜補強メンバ28は、平面視で車幅方向に対して傾斜して延びるので、この傾斜補強メンバ28とリア車幅方向メンバ22とにより2辺がほぼ三角形状となるフレーム部分が構成されて、各アーム14、16からの荷重を効果的に受け止めるようにサスペンションサブフレーム1の剛性を向上させ、さらに、サスペンションサブフレームの重量を軽減することが出来る。
【0056】
また、本発明の実施形態によれば、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52が、フロント車幅方向メンバ20に一体的に形成されているので、各アーム14、16からの荷重を効率的にフロント車幅方向メンバ20に伝達させることが出来る。同様に、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52が、傾斜補強メンバ28にも一体的に形成されているので、各アーム14、16からの荷重を効率的に傾斜補強メンバ28に伝達させることが出来る。同様に、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52が、傾斜補強メンバ28に一体的に形成されているので、各アーム14、16からの荷重を効率的に傾斜補強メンバ28に伝達させることが出来る。
【0057】
さらに、本発明の実施形態によれば、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52が、フロント車幅方向メンバ20及び傾斜補強メンバ28で一体的に形成されているので、各アーム14、16からの荷重を、傾斜補強メンバ28及びフロント車幅方向メンバ20、さらに、リア車幅方向メンバ22で有効に受け止めて、各アーム14、16からの荷重を効率的に各メンバ20、28、22に伝達させることが出来る。
【0058】
さらに、本発明の実施形態では、フロントアッパアーム16の取付部52は、フロント車幅方向メンバ20の左右両端部20a、20bとこの左右両端部20a、20bに連結された傾斜補強メンバ28の端部28a、28bとでコ字状の断面を有するように一体的に形成されているので、フロントアッパアーム16の取付部52の剛性を高めることが出来ると共に、そのコ字状の内方部に、例えばサスペンションブッシュ部16cや回動ロッドなどを配置することが出来、スペースを有効活用することが出来る。
【0059】
さらに、本発明の実施形態では、フロントロアアーム14の取付部50は、フロント車幅方向メンバ20の左右両端部20a、20bとこの左右両端部20a、20bに連結された傾斜補強メンバ28の端部28a、28bとで閉断面を有するように一体的に形成されているので、フロントロアアーム取付部50の剛性を高めることが出来ると共に、その閉断面内に、例えばサスペンションブッシュ14cや回動ロッドなどを配置することが出来、スペースを有効活用することが出来る。また、フロントロアアーム14には旋回時に他のアームよりも大きな荷重がかかり易くなっており、このようなフロントロアアーム14の取付部50を閉断面に形成して剛性を高めることで、フロントロアアーム14を有効に支持することが出来る。
【0060】
さらに、本発明の実施形態によれば、フロント車幅方向メンバ20の車幅方向中間部がその左右両端部20a、20bより上下方向に小さい寸法となるようになっているので、各アーム14、16に加わる荷重がフロント車幅方向メンバ20に対角線上に効率的に加わって、上述したように荷重同士を有効に打ち消すことが出来る。また、フロント車幅方向メンバの上部及び下部に上方或いは下方に向けて開いている凹部64、66を有するので、荷重の対角線上の伝達に不要な部分を取り除いて車幅方向メンバの軽量化、ひいては、サスペンションサブフレームの軽量化が図れる。
同様に、フロント車幅方向メンバ20は、その左右両端部20a、20bから車幅方向中間部に向けて上下方向の寸法が小さくなる一対の開口部68を有するので、荷重の対角線上の伝達に不要な部分を取り除いて車幅方向メンバの軽量化、ひいては、サスペンションサブフレームの軽量化が図れる。
【0061】
さらに、本発明の実施形態によれば、傾斜補強メンバ28は、その端部28a、28bの各アーム取付部50、52から、リア車幅方向メンバ22の中間部に向かうにつれて上下方向に小さい寸法となるように形成されているので、各アーム14、16の取付部50、52に作用する荷重の伝達に不要な部分を取り除いて、傾斜補強メンバ28の軽量化、ひいては、サスペンションサブフレーム1の軽量化が図れる。
同様に、傾斜補強メンバ28は、その左右両端部20a、20bの各アーム取付部50、52から、リア車幅方向メンバ22の車幅方向中間部に向けて上下方向の寸法が小さくなる一対の開口部29を有するので、各アーム14、16の取付部50、52に作用する荷重の伝達に不要な部分を取り除いて、傾斜補強メンバ28の軽量化、ひいては、サスペンションサブフレーム1の軽量化が図れる。
【0062】
さらに、本発明の実施形態では、フロント車幅方向メンバ20の左右両端部20a、20bが、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52を互いに上下に連結するように形成されているので、各アーム14、16の取付部(支持部)50、52の剛性及びフロント車幅方向メンバ20の剛性も共に向上させることが出来る。また、同様に、傾斜補強メンバ28の各端部28a、28bが、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52を互いに上下に連結するように形成されているので、各アーム14、16の取付部(支持部)50、52の剛性及び傾斜補強メンバ28の剛性も共に向上させることが出来る。
【0063】
さらに、本発明の実施形態では、フロントロアアーム14の取付部50及びフロントアッパアーム16の取付部52が前後方向メンバ24、26を挟むように前後方向メンバ14、26の上下にそれぞれ設けられているので、前後方向メンバ24、26の上下のスペースを有効に活用して、各アーム14、16の取付部(支持部)50、52の前後方向メンバ24、26からのオーバハングを縮小して各アーム14、16の取付部(支持部)50、52の剛性を高めることが出来る。
【0064】
さらに、本発明の実施形態では、フロント車幅方向メンバ20と傾斜補強メンバ28とをアッパアーム取付部50とロアアーム取付部52との間で互いに結合すると共にその結合部が前後方向メンバ24、26に結合されているので、フロント車幅方向メンバ20及び傾斜補強メンバ28の前後方向メンバ24、26への結合剛性を高めることが出来ると共に、フロント車幅方向メンバ20及び傾斜補強メンバ28の剛性を向上させ、さらに、サブフレーム1の剛性も高めることが出来る。また、例えば、フロント車幅方向メンバ20と傾斜補強メンバ28とを互いに結合して閉断面にし、その閉断面部分に前後方向メンバ24、26を結合することで、さらに、サブフレーム1や各アーム支持部50、52の剛性を高めることも出来る。
【0065】
次に、主に図12乃至図17により、本発明の第2実施形態によるリアサスペンションサブフレーム101の構造を説明する。本発明の第2実施形態では、その基本構成が上述した第1実施形態と同様であり、以下では、主に第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。図12は、本発明の第2実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を上方から見た平面図であり、図13は、本発明の第2実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を下方から見た底面図であり、図14は、本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバを単体で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図15は、本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図16は、本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図であり、図17は、本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバと左右それぞれの前後方向メンバが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【0066】
先ず、図12及び図13に示すように、本発明の第2実施形態では、上述した第1実施形態の図及び図3に示す構造と同様に、リアサスペンションサブフレーム101は、そのサブフレーム101の前方側で車幅方向に延びるフロント車幅方向メンバ120、サブフレーム101の後方側で車幅方向に延びるリア車幅方向メンバ122、サブフレーム101の左側で車体前後方向に延びる左側前後方向メンバ124、サブフレーム101の右側で車体前後方向に延びる右側前後方向メンバ126、及び、フロント車幅方向メンバ120とリア車幅方向メンバ122との間でそれらを連結するように、平面視で車幅方向に対して斜め方向に延びる2つの傾斜補強メンバ128を有している。
【0067】
次に、図14に示すように、フロント車幅方向メンバ120は、後方に向けて開いた断面コ字状の前方部分(前側部材)120aと、前方に向けて開いた断面コ字状の後方部分(後側部材)120bとで構成される。フロント車幅方向メンバ120は、それらの部分120a、120bが互いに接合されて一体的に形成されている。
また、フロント車幅方向メンバ120は、二股に分かれた上方端部120cと、下方端部120dとを有している。これらの端部120c、120dは、断面コ字状に形成されている。
【0068】
次に、図15に示すように、2つの傾斜補強メンバ128は、それぞれ上下に2分割された構造を有しており、2分割された一方の上方部分(上方部材)128aと、他方の下方部分(下方部材)128bとで構成されている。図15に示すように、2つの傾斜補強メンバ128の上方部分128aは、それぞれ、フロント車幅方向メンバ120の後方部分120bの後側面且つ上方端部120cに溶接により結合され、下方部分128bは、それぞれ、フロント車幅方向メンバ120の後方部分120bの後側面且つ下方端部120dに溶接により結合されている。各部分128a、128bは、フロント車幅方向メンバ120のサスペンションアーム取付部150、152(図17参照)の近傍に連結されている。
次に、図16に示すように、リア車幅方向メンバ122は、その全体が下側に向けて開口した断面コ字状に形成されている。傾斜補強メンバ128は、それらの後端部128c、128dが、それぞれ、リア車幅方向メンバ122の前方側の側面に溶接により結合されている。
【0069】
そして、図16に示すように、フロント車幅方向メンバ120の上方端部102cと、下方端部120dとの間には、開口部120sが形成されている。この開口部120sは、フロント車幅方向メンバ120の前方部分120a及び後方部分120bが結合されることで形成される。
また、傾斜補強メンバの上方部分128aと、下方部分128bとの間には、開口部128sが形成されている。この開口部128sは、傾斜補強メンバ128の上方部分128a及び下方部分128bが、それぞれ、フロント車幅方向メンバ120と、リア車幅方向メンバ122とに結合されることで形成される。
【0070】
そして、図16に示す2つの開口部120s、128s(左右合わせて4つの開口部)に、左右それぞれの前後方向メンバ124、126が溶接により取り付けられて、図17に示すようなサブフレーム101を構成している。また、言い換えると、補強傾斜メンバ128の上方部分128aと下方部分128bとが、前後方向メンバ124、126を介して上下に連結されるようになっている。これらのように上方部分128aと下方部分128bとを前後方向メンバ124、126を介して上下に連結することにより、傾斜メンバ128の剛性を向上させ、さらに、各アームの支持剛性も高め、さらに、サブフレームの剛性も高めることが出来る。
このようなサブフレーム101には、上述した第1実施形態の図1に示すように、リアサスペンション装置2が取り付けられる。図17に示すように、前後方向メンバ124、126のそれぞれ前端部、後端部には、マウント部144、146が設けられ、これらのマウント部144、146を介して、サブフレーム101が車体(図示せず)に取り付けられている。
【0071】
次に、図17に示すように、フロント車幅方向メンバ120の前方部分120a及び後方部分120bが結合されることにより、フロント車幅方向メンバ120の上方端部120a及び下方端部120bには、それぞれ、フロントロアアーム14(図1乃至図4参照)及びフロントアッパアーム16(図1乃至図4参照)のサスペンションアーム取付部150、152が形成されている。
【0072】
図17に示すように、各取付部150、152には、フロントロアアーム14及びフロントアッパアーム16の車幅方向内方端部に設けられたラバーブッシュ部14c、16c(図9参照)を取り付けるための孔部150a、152aが形成されている。
【0073】
上述した本発明の第2実施形態のサスペンションサブフレーム構造の作用効果は、上述した第1実施形態と同様である。さらに、第2実施形態においては、2つの傾斜補強メンバ128の上方部分128a及び下方部分128bが、それぞれ、フロント車幅方向メンバ120の後方部分120bの後側面且つ上方端部120c及び後方部分120bの後側面且つ下方端部120dに溶接により結合されている。このような構成のフロント車幅方向メンバ120と傾斜補強メンバ128とにより、サブフレーム101の剛性を効果的に高めることができる。
【0074】
さらに、第2実施形態では、上述した第1実施形態のように傾斜補強メンバ128(28)に各アーム取付部150、152(50、52)を形成せず、傾斜補強メンバ128をフロント車幅方向メンバ120に結合強度が高まるように取り付けているので、より効果的にサブフレーム101の剛性を高めることができる。
一方、各アーム取付部150、152は、フロント車幅方向メンバ120の上方端部120a及び下方端部120bに形成されているので、各サスペンションアーム14、16からの入力を車幅方向に延びるフロント車幅方向メンバ120で有効に受け止めることができる。
【0075】
以上のような作用効果によれば、サブフレーム101の剛性を高めるための構成と、各サスペンションアームを有効に支持する構成とが分離され、それらの効果を確実に高めることができる。
【0076】
なお、本発明の第1及び第2実施形態ではE型サスペンションに適用した例を示したが、他のサスペンション形式のものに適用可能である。また、リア車幅方向メンバ22、122を本発明の第1及び第2実施形態によるフロント車幅方向メンバ20、120のように構成し、傾斜補強メンバ28、128も第1及び第2実施形態とは前後が逆になるように構成して、リア側のサスペンションアームからの荷重を有効に受け止めるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を前方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造に取り付けられる右側後輪部のサスペンション装置及び車輪の構造を前方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を前方から見た正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を下方から見た底面図である。
【図5】本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバを単体で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバと左右それぞれの前後方向メンバが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造を下方且つ側方から見た斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造を左側の側方から見た側面図である。
【図11】本発明の第1実施形態によるサスペンションサブフレーム構造の作用の一例を説明するためのサブフレーム構造の正面図である。
【図12】本発明の第2実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を上方から見た平面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による車両のサスペンションサブフレーム構造が適用された車両のリア下部構造を下方から見た底面図である。
【図14】本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバを単体で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図15】本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図16】本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバとが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。
【図17】本発明の第2実施形態によるサスペンションサブフレーム構造のフロント車幅方向メンバと傾斜補強メンバとリア車幅方向メンバと左右それぞれの前後方向メンバが互いに取り付けられた状態で示す後方且つ左斜め上方から見た斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチリンク型サスペンションのサスペンションアームを支持する車両のサスペンションサブフレーム構造であって、
前後に間隔をおいて設けられそれぞれ車幅方向に延びる一対の車幅方向メンバと、
これらの車幅方向メンバの左側端部同士及び右側端部同士をそれぞれ連結するように車体前後方向に延びる一対の前後方向メンバと、
上記車幅方向メンバのうち、一方の車幅方向メンバの左右両端部に設けられたアッパアーム支持部と、
上記車幅方向メンバのうち、一方の車幅方向メンバの左右両端部に設けられたロアアーム支持部と、
上記一方の車幅方向メンバの左右両端部或いはその近傍の部分と、上記車幅方向メンバのうち他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部とを連結するように平面視で車幅方向に対して傾斜して延びる傾斜メンバと、を有し、
この傾斜メンバは、上記アッパアーム支持部及び上記ロアアーム支持部から伝わるサスペンションの荷重を上記他方の車幅方向メンバに伝達するようになっていることを特徴とする車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項2】
上記傾斜メンバの端部が上記一方の車幅方向メンバの端部に結合され、これらの端部により上記アッパアーム支持部及びロアアーム支持部が形成されている請求項1に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項3】
上記一方の車幅方向メンバが少なくとも二つの部材を有し、これらの部材により上記アッパアーム支持部及びロアアーム支持部が形成され、これらの上記アッパアーム支持部及びロアアーム支持部の近傍に上記傾斜メンバが連結されている請求項1に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項4】
上記一方の車幅方向メンバは、その左側のアッパアーム支持部と右側のロアアーム支持部との間で荷重を対角線上に荷重を受け止めると共にその右側のアッパアーム支持部と左側のロアアーム支持部との間で荷重を対角線上に荷重を受け止めるようになっている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項5】
上記傾斜メンバの左右両端部は、上記アッパアーム支持部と上記ロアアーム支持部とを上下に連結するように形成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項6】
上記アッパアーム支持部及び上記ロアアーム支持部は、上記傾斜メンバに一体的に形成されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項7】
上記アッパアーム支持部及び上記ロアアーム支持部は、上記傾斜メンバの左右両端部及び上記一対の車幅方向メンバのうちの一方の車幅方向メンバの左右両端部の両方で一体的に形成されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項8】
上記傾斜メンバは、上記アッパアーム支持部及び上記ロアアーム支持部から、上記他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部に向かうにつれて上下方向に小さい寸法となるように形成されている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項9】
上記傾斜メンバは、その左右両端部の上記アッパアーム支持部及び上記ロアアーム支持部から、上記他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部に向けて上下方向の寸法が小さくなる一対の開口部を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項10】
上記一方の車幅方向メンバは、前側部材と後側部材とを結合して構成されており、上記アッパアーム支持部及びロアアーム支持部が、これらの前側部材と後側部材との両方により一体的に形成されている請求項1又は請求項3に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項11】
上記傾斜メンバは、上側部材と下側部材とで構成され、これらの上側部材及び下側部材とが上記前後方向メンバを介して上下に連結されるようになっている請求項5に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項12】
上記アッパアーム支持部及び上記ロアアーム支持部が、上記前後方向メンバから所定の小さい距離をおき、上記前後方向メンバを挟むような位置で、上記前後方向メンバの上方側及び下方側にそれぞれ設けられている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項13】
上記マルチリンク型サスペンションは、前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームと、後側に設けられたリアロアアームと、を有し、
このリアロアアームは、上記傾斜メンバが連結される位置と同じ位置或いは近傍で上記他方の車幅方向メンバに連結されている請求項1乃至12のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項14】
上記マルチリンク型サスペンションは、前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームを有し、
上記他方の車幅方向メンバは、上記一対の車幅方向メンバのうち後側の車幅方向メンバであり、
上記傾斜メンバの左右両端部は、一方の車幅方向メンバである前側の車幅方向メンバの左右両端部に連結され、
上記アッパアーム支持部は上記フロントアッパアームを支持し、上記ロアアーム支持部は上記フロントロアアームを支持する請求項1乃至13のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項15】
上記マルチリンク型サスペンションは、車輪支持部材から車両前方側に向けて延びる前後方向アームと、車輪支持部材から車幅方向内方に向けて延び前側に配置されたフロントアッパアーム及びフロントロアアームを含む少なくとも3本の車幅方向アームと、を有し、
上記アッパアーム支持部は上記フロントアッパアームを支持し、上記ロアアーム支持部は上記フロントロアアームを支持するようになっている請求項1乃至14のいずれか1項に記載の車両のサスペンションサブフレーム構造。
【請求項16】
マルチリンク型サスペンションのサスペンションアームを支持する車両のサスペンションサブフレーム構造であって、
前後に間隔をおいて設けられそれぞれ車幅方向に延びる一対の車幅方向メンバと、
これらの車幅方向メンバの左側端部同士及び右側端部同士をそれぞれ連結するように車体前後方向に延びる一対の前後方向メンバと、
上記一対の車幅方向メンバのうちの一方の車幅方向メンバ側に位置するその左右両端部にアッパアーム支持部及びロアアーム支持部が設けられた傾斜メンバと、を有し、
この傾斜メンバは、上記アッパアーム支持部及び上記ロアアーム支持部と他方の車幅方向メンバの車幅方向中間部とを連結するように平面視で車幅方向に対して傾斜して延びることを特徴とする車両のサスペンションサブフレーム構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−255902(P2009−255902A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10924(P2009−10924)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【出願人】(500213915)株式会社ワイテック (10)
【Fターム(参考)】