説明

車両操舵装置及びインホイールモータ車両

【課題】操舵軸に改良を加えることにより、ダンパーを追加しても必要以上に大型化することが避けられ、しかも十分大きい回転トルクを伝達できる車両操舵装置を提供することである。
【解決手段】インホイールモータ形式の車輪と、車台に設置された操舵用の駆動装置と、前記駆動装置の出力軸とインホイールモータユニットとの間に介在された操舵軸とからなる操舵装置において、前記操舵軸が、駆動装置側と一体化された内軸25と、モータユニット側と一体化された外軸26により構成され、外軸26に内軸25が軸方向に相対移動可能に嵌合された継手部28が設けられ、前記継手部28の内部に緩衝装置41及びトルク伝達部40が設けられた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両操舵装置及びその装置を備えたインホイールモータ車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インホイールモータ車両において、車輪ごとに操舵装置を設け、車両のコントローラから前記操舵装置を制御して各車輪の向きを個別に変える操作を行うことが従来から知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された操舵装置は、インホイールモータユニットの固定部に操舵軸(同公報では「キングピン軸」)の下端が固定され、その操舵軸の上端部は、車体側の支持装置に貫通され、さらに支持装置上部においてウォームホイールの軸芯にスプライン結合により上下方向にスライド可能に挿通される。ウォームホイールはウォームギヤに噛み合い、ウォームギヤはモータによって駆動される。前記操舵軸と前記支持装置との間に緩衝作用を行うコイルスプリングが介在される。
【0004】
前記の操舵装置は、車両のコントローラからの信号によってアクチュエータ(モータ)が駆動されると、ウォームギヤ及びウォームホイールの組み合わせからなる減速部によって減速されたトルクが操舵軸に加えられ、その操舵軸のトルクによってインホイールモータユニット及びこれと一体化された車輪が操舵される。車両の走行に伴い車輪から車体側に伝わる振動や衝撃は、コイルスプリングよって吸収緩和される。また、操舵軸の上下動はスプライン結合部によって吸収され、アクチュエータ側に影響を与えないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−103467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の操舵装置において、アクチュエータから操舵軸を介してインホイールモータユニットとともに車輪を回転させるには、その回転トルクに耐え得るよう操舵軸の径を相当大きく設計する必要があるが、その径に応じて緩衝用コイルスプリングが大型化する問題がある。また、緩衝用コイルスプリングの振動をすばやく収めるために、ショックアブソーバ(以下、単に「ダンパー」という。)を付設することが望ましいが、これも装置の大型化の要因となる。
【0007】
そこで、この発明は、操舵軸に改良を加えることにより、ダンパーを追加しても必要以上に大型化することが避けられ、しかも十分大きい回転トルクを伝達できる車両操舵装置及び同装置を備えたインホイールモータ車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、この発明は、インホイールモータ形式の車輪と、車台に設置された操舵用の駆動装置と、前記駆動装置の出力軸とインホイールモータユニットとの間に介在された操舵軸とから成る車両操舵装置において、前記操舵軸が、前記出力軸又は前記インホイールモータユニットのいずれか一方の部材に一体化された内軸と、その内軸と同軸上に配置され前記他方の部材に一体化された外軸とから成り、前記外軸の自由端部に継手部が設けられ、前記継手部に前記内軸の自由端部が軸方向に相対移動可能に嵌合され、前記継手部の内部においてその内底面と前記内軸との間に緩衝装置が介在され、前記継手部の内壁面に軸方向のスライド溝が設けられ、前記内軸の自由端部に設けられ径方向に突き出した枝軸が前記スライド溝に嵌合されトルク伝達部が構成されたものとしている。
【0009】
操舵用の駆動装置が駆動されると、その出力軸と一体化された操舵軸の内軸又は外軸のいずれか一方の軸が回転され、その回転トルクが継手部内部のトルク伝達部を経て他方の軸に伝達される。当該他方の軸はインホイールモータユニット及びこれと一体の車輪を操舵させる。車輪側又は車台側の振動・衝撃は継手部の内部に設けられた緩衝装置によって吸収緩和される。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、この発明によれば、操舵用の駆動装置のトルクを伝達する操舵軸が、外軸と内軸によって構成され、その外軸に設けられた継手部に内軸の自由端部が軸方向に移動可能、かつトルク伝達可能な状態に嵌入されるので、外軸はトルク伝達に必要な大きさの径に設計することが容易である。しかもその継手部の内部にダンパーを含む緩衝装置を収めることができるので、緩衝装置を付設しても操舵軸の径が必要以上に大きくなることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態1の断面図である。
【図2】図2は、同上の継手部の拡大断面図である。
【図3】図3(a)は、図2のX1−X1線の断面図、図3(b)は図3(a)図のX2−X2線の断面図、図3(c)は図3(a)図の変形例の断面図である。
【図4】図4(a)は、継手部の変形例の一部断面図、図4(b)は図4(a)のX3−X3線の断面図である。
【図5】図5は、継手部の他の変形例の一部断面図である。
【図6】図6は、図5のX4−X4線の断面図である。
【図7】図7は、駆動装置の断面図である。
【図8】図8は、駆動装置の変形例の一部断面図である。
【図9】図9は、実施形態2の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
【0013】
実施形態1に係る車両操舵装置は、図1に示したように、車輪11と、そのホイール12の内側中心部に装着されたインホイールモータユニット(以下、単に「モータユニット」という。)13と、車台14に設置された操舵用の駆動装置15、前記モータユニット13と駆動装置15の間に設けられた操舵軸16とにより構成される。
【0014】
モータユニット13のケーシング17の内部にはユニットモータ部18、ユニット減速部19及びハブ軸受部21が収納され、そのハブ軸受部21がホイール12に連結固定される。
【0015】
前記の駆動装置15は、モータ22と、モータ22の主軸に連結された減速部23とによって構成される。減速部23の出力軸24が駆動装置15の出力軸となっている。操舵軸16は、前記出力軸24とモータユニット13のケーシング17の間に設けられ、モータユニット13の軸線Aと直交した縦向きの軸線を有する。
【0016】
前記のモータ22の回転によって、減速部23、操舵軸16を介してモータユニット13と車輪11が一体に回転され、車輪11が操舵される。操舵軸16は360°回転可能であり、車輪11はその範囲で操舵される。
【0017】
前記の操舵軸16は、図2に示したように、同軸上に配置された内軸25と外軸26によって構成される。内軸25の上端は前記減速部23の出力軸24と同軸状態に一体化され、内軸25の下端は自由端となっている。外軸26の下端はモータユニット13のケーシング17に固定された継手連結部27(図1参照)と結合一体化される。外軸26の上端部は自由端となっており、その上端部に継手部28が設けられる。
【0018】
前記継手部28は上方に開放された継手凹部29を有し、その継手凹部29に内軸25の下端部が上下方向に相対移動可能に嵌合される。
【0019】
継手凹部29に嵌合された内軸25の下端中央部に軸線方向に延びたピストン31が設けられる。また、内軸25の下端部外径面において、径方向に突き出した3本の枝軸32が周方向に等間隔をおいて設けられる(図3(a)参照)。また、これらの枝軸32の相互間の3箇所に三角形状のばね受け部33が径方向に突き出して設けられる。前記の枝軸32は1箇所又は周方向に等間隔をおいた複数箇所に設けることができる。
【0020】
前記枝軸32は、軸断面形状が円径の円柱状に形成され(図3(b)参照)、その水平方向に見た径の両端部に1個ずつボール34が部分的に回転自在に埋め込まれている。図3(c)に示したように、軸断面形状が四角形の各柱状に形成し、その両側面に上下方向に2個ずつボール34を埋め込んでもよい。2個ずつのボール34を保持器で保持した状態で枝軸32に取り付けるようにしてもよい。
【0021】
なお、これらのボール34に代えて図4(a)及び図4(b)に示したようにローラ39を用いてもよい。
【0022】
前記継手凹部29の断面形状は、内軸25を受け入れる円筒部35(図3(a)参照)が中心部に形成され、その円筒部35の周囲3箇所に前記枝軸32の配置位置に対応してスライド溝36が軸方向(上下方向)に設けられる。また、前記スライド溝36の相互間に前記のばね受け部33の位置に対応した平面視三角形のばね収納部37が軸方向に溝状に設けられる。
【0023】
前記スライド溝36の対向壁面には、軸方向の案内溝38が設けられる。その案内溝38にスライド溝36に収納された枝軸32のボール34又はローラ39が転動自在に嵌合され、内軸25のトルクを外軸26に伝達するトルク伝達部40が構成される。
【0024】
前記ばね収納部37の底面は、図2に示したように、後述のコイルスプリング42の長さに対応して、スライド溝36よりも深く形成されている。
【0025】
前記継手凹部29の内部に緩衝装置41が設けられる。緩衝装置41は、3本のコイルスプリング42と1箇所のダンパー43とにより構成される。コイルスプリング42は、前記のばね収納部37に収納され、その上下両端部は内軸25の一部であるばね受け部33と、外軸26の一部であるばね収納部37の底面にそれぞれ押し当てられる。
【0026】
また、継手凹部29の底面中央部に前記ダンパー43を構成するシリンダー44が上向きに開放して設けられ、そのシリンダー44に前記のピストン31の先端部に設けられたピストンヘッド45が上下方向に摺動自在に挿入される。ピストンヘッド45の外径面にピストンリング46が装着され、シリンダー44の内壁面に密着されている。
【0027】
前記シリンダー44の底面には、オリフィス47が複数箇所に設けられる。各オリフィス47は連通路48を経てシリンダー44の外部の継手凹部29の内底部に通じている。
【0028】
前記継手凹部29の内部及びこれと連通したシリンダー44の内部には、ダンパー43の媒体液が封入される。この媒体液として潤滑油を用いることにより、案内溝38を転動するボール34等の転動体の潤滑を兼ねることができる。
【0029】
前記継手部28の上端部外径面につば部49が設けられ、Oリング51を介してシール保持リング52がねじ53によって固定される。シール保持リング52の内径面にシール部材54が装着され、内軸25の外径面との間のシールを図るようにしている。
【0030】
また、継手部28の下端面中央部に設けられた連結凸部55と、前記の継手連結部27の上端面中央部に設けられた連結凹部56が相互にねじ結合される。また、継手部28の下端部外径面と継手連結部27の外径面に設けられた突片57、58の相互がねじ59によって結合される。
【0031】
前記緩衝装置41の変形例として、図5及び図6に示したように、1つのコイルスプリング42をピストン31とシリンダー44の周りに嵌め、その上端を内軸25に、その下端を継手凹部29の底面に押し当てた構成をとることができる。この場合は、内軸25に前記のばね受け部33を設ける必要がなく、また継手凹部29の内面にばね収納部37を設ける必要がないので、構造が簡単になる。枝軸32の外径面にローラ39を取り付けたものを示しているが、前記のボール34(図3(b)(c)参照)であってもよい。
【0032】
以上の説明は、内軸25が駆動装置15側の出力軸24に一体化され、外軸26がモータユニット13側の継手連結部27に連結一体化される構成として説明したが、この関係は逆であってもよい。即ち、外軸26が駆動装置15側の出力軸24に一体化され、内軸25がモータユニット13側の継手連結部27に連結一体化された構成であってもよい。
【0033】
その場合は、外軸26が減速部23の出力軸24と一体化され、その下端部に下方に開放された継手部28が設けられる。また、内軸25の上端部が継手凹部29内に下から挿入されるとともに、その下端部がケーシング17の継手連結部27と結合される。継手部28の内部構造は前記の場合と上下関係は逆になるが、実質的に同一構造であるので、その説明は省略する。
【0034】
次に前記減速部23について、図7及び図8に基づいて説明する。減速部23は、ケーシング61の内部に遊星ギヤ形式の減速機構を組み込んだものであり、そのケーシング61はモータ22に固定される。内部の減速機構、モータ主軸62と一体のサンギヤ63と、ケーシング61の内径面に設けられたリングギヤ64との間に複数のピニオンギヤ65が介在され、そのピニオン軸66がキャリヤ67に固定されている。キャリヤ67の中心部に前記の出力軸24がスプライン結合され、所定の減速比をもったトルクがその出力軸24から出力される。前述のように、この出力軸24が前記操舵軸16の内軸25と一体化される。
【0035】
減速部23を構成する減速機構としては、前記の遊星ギヤ型減速機構の他に、サイクロイド減速機、ハーモニックドライブ(「ハーモニックドライブ」は登録商標)などを使用することができる。また、モータ主軸62と操舵軸16の軸線が交差するかどうかに関わらず、べベルギヤ、ハイポイドギヤ、ウォームギヤなどの適切な動力伝達手段を用いることで、モータ主軸62と操舵軸16の軸傾斜角を任意に設定することができる。
【0036】
また、モータ22のトルクが操舵軸16を回転させるに十分な場合は、図7に示したような一定の減速比が得られる平歯車列68を用いることができる。この場合は、モータ主軸62に対し、減速部23の出力軸24及びこれと一体の操舵軸16が平行となる配置となる。モータ主軸62と出力軸24側の歯車間の動力伝達をチェーンやベルトで行ってもよい。
【0037】
実施形態1の操舵装置は以上のようなものであり、次にその作用について説明する。
【0038】
図1に示したモータ22が駆動され、減速部23の出力軸24が減速回転されると、これと一体の操舵軸16の内軸25(図2参照)が回転される。内軸25のトルクはトルク伝達部40を経て継手部28及びこれと一体の外軸26に伝達される。外軸26の回転により、モータユニット13及びこれと一体の車輪11が所要角度回転され、その向きが変えられる。
【0039】
車輪11及び車台14側に加えられる振動や衝撃は、緩衝装置41のコイルスプリング42によって吸収緩和され、同時にダンパー43の作用によってすばやく減衰される。
【0040】
モータ22のトルクを伝達する操舵軸16は、継手部28において軸方向に移動可能に連結された内軸25と外軸26によって構成されるので、外軸26はトルク伝達に必要な大きさの径に設計することが容易である。しかもその継手部28の内部にダンパー43を含む緩衝装置41を収めることができるので、操舵軸16の径が必要以上に大きくなることを避けることができる。
[実施形態2]
【0041】
図9は前記の実施形態1に係る操舵装置71を装備した4輪形式のインホイールモータ車両72を示す。操舵装置71は、前記のように、車輪11、これと一体のモータユニット13、モータ22、減速機(図示省略)及び操舵軸16等によって構成される。前記モータ22はコントローラ73から制御される。車輪11の接地点aは操舵軸16から一定距離離れているので、車輪11は操舵軸16を中心とした円を描くように操舵される。
【0042】
走行中の路面の状況と車輪11に作用する制動との関係で車輪11がロックする場合がある。この場合、車輪11は地面に対して完全な滑り接触となるため、操舵装置71を作動させようとするとそのモータ22は、より大きな回転トルクを発生させる必要が生じる。
【0043】
このため、車輪11のロックセンサー74を設け、そのロックセンサー74から車輪11のロック信号と、操舵装置71の運転信号がコントローラ73に同時に入力された場合に、コントローラ73からブレーキシステム75に対し制動を開放する信号を出力して車輪11を空転させる。これによって、車輪11は地面に対し転がり接触することになるので、モータ22に掛る負荷を低減させることができる。
【0044】
このような機能を付加することによってモータ22の小型化、減速部23の簡略化又はその廃止を図ることができる。
【符号の説明】
【0045】
11 車輪
12 ホイール
13 インホイールモータユニット(モータユニット)
14 車台
15 駆動装置
16 操舵軸
17 ケーシング
18 ユニットモータ部
19 ユニット減速部
21 ハブ軸受部
22 モータ
23 減速部
24 出力軸
25 内軸
26 外軸
27 継手連結部
28 継手部
29 継手凹部
31 ピストン
32 枝軸
33 ばね受け部
34 ボール
35 円筒部
36 スライド溝
37 ばね収納部
38 案内溝
39 ローラ
40 トルク伝達部
41 緩衝装置
42 コイルスプリング
43 ダンパー
44 シリンダー
45 ピストンヘッド
46 ピストンリング
47 オリフィス
48 連通路
49 つば部
51 Oリング
52 シール保持リング
53 ねじ
54 シール部材
55 連結凸部
56 連結凹部
57、58 突片
59 ねじ
61 ケーシング
62 モータ主軸
63 サンギヤ
64 リングギヤ
65 ピニオンギヤ
66 ピニオン軸
67 キャリヤ
68 平歯車列
71 操舵装置
72 インホイールモータ車両
73 コントローラ
74 ロックセンサー
75 ブレーキシステム




【特許請求の範囲】
【請求項1】
インホイールモータ形式の車輪と、車台に設置された操舵用の駆動装置と、前記駆動装置の出力軸とインホイールモータユニットとの間に介在された操舵軸とから成る車両操舵装置において、前記操舵軸が、前記出力軸又は前記インホイールモータユニットのいずれか一方の部材に一体化された内軸と、その内軸と同軸上に配置され前記他方の部材に一体化された外軸とから成り、前記外軸の自由端部に継手部が設けられ、前記継手部に前記内軸の自由端部が軸方向に相対移動可能に嵌合され、前記継手部の内部においてその内底面と前記内軸との間に緩衝装置が介在され、前記継手部の内壁面に軸方向のスライド溝が設けられ、前記内軸の自由端部に設けられ径方向に突き出した枝軸が前記スライド溝に嵌合されることによりトルク伝達部が構成されたことを特徴とする車両操舵装置。
【請求項2】
前記スライド溝の対向面に案内溝が設けられ、前記枝軸に取り付けられた転動体が前記案内溝に転動自在に嵌合されたことを特徴とする請求項1に記載の車両操舵装置。
【請求項3】
前記転動体がボール又はローラであることを特徴とする請求項2に記載の車両操舵装置。
【請求項4】
前記緩衝装置が、コイルスプリングとダンパーとにより構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両操舵装置。
【請求項5】
前記ダンパーが、前記内軸に設けられたピストンと、前記継手部の内部に設けられ前記ピストンが挿入されたシリンダーと、前記シリンダーの内部と前記継手部の内部を連通させるオリフィスと、前記継手部の内部及びシリンダーに封入されたオイルによって構成されたことを特徴とする請求項4に記載の車両操舵装置。
【請求項6】
前記オイルとして潤滑油が用いられ、その潤滑油により前記トルク伝達部の潤滑を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の車両操舵装置。
【請求項7】
前記コイルスプリングが、前記枝軸のスライド溝相互間に設けられたばね収納部に収納されたことを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の車両操舵装置。
【請求項8】
前記継手部の内部において、前記内軸の中心部に前記のピストンが設けられ、その内軸の周方向に1箇所又は等間隔をおいた複数箇所に前記枝軸が設けられ、前記枝軸相互間の内軸に径方向に突き出した1箇所又は複数箇所のばね受け部が設けられ、前記継手部の内底面の中心部に前記のピストンが挿入されたシリンダーとそのシリンダーにオリフィスが設けられ、その継手部の内壁に前記枝軸に対応して前記枝軸と同数箇所のスライド溝及び前記ばね受け部に対応して前記ばね受け部と同数箇所のばね収納部が軸方向に設けられ、前記ピストンとシリンダーによってダンパーが構成され、前記ばね受け部と前記継手凹部の底面との間に前記コイルスプリングが介在されたことを特徴とする請求項7に記載の車両操舵装置。
【請求項9】
前記コイルスプリングが、前記ダンパーの周りに嵌合されたことを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の車両操舵装置。
【請求項10】
前記継手部の内部において、前記内軸の中心部に前記のピストンが設けられ、その内軸の周方向に1箇所又は等間隔をおいた複数箇所に前記枝軸が設けられ、前記継手部の内底面の中心部に前記のピストンが挿入されたシリンダーとそのシリンダーにオリフィスが設けられ、その継手部の内壁に前記枝軸に対応して前記枝軸と同数箇所のスライド溝が軸方向に設けられ、前記スライド溝の対向面に前記案内溝が軸方向に設けられ、前記ピストンとシリンダーによって構成されたダンパーの周りに前記コイルスプリングが嵌合されたことを特徴とする請求項9に記載の車両操舵装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の車両操舵装置、その車両操舵装置を制御するコントローラ及び車輪のロックセンサーを備え、前記ロックセンサーによって車輪のロックを検知した場合に車輪の制動を開放する手段を備えたことを特徴とするインホイールモータ車両。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−106524(P2012−106524A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254995(P2010−254995)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】