説明

車両検知装置、車両検知システム、車両検知装置の車両検知方法および車両検知プログラム

【課題】画像センサから見て他の車両に隠れている車両を検知できるようにすることを目的とする。
【解決手段】第1画像センサ110は交差点付近に道路の進行方向と逆向きに設置され、走行車両を正面から撮像する。第2画像センサ111は交差点付近の道路脇に道路に向けて設置され、走行車両を側方から撮像する。画像センサデータ処理部210は撮像された道路画像119を入力し、入力した道路画像119に基づいて車両情報211を生成する。座標地図部310は車両情報211に基づいて車両情報テーブル391を更新し、道路画像119に基づいて車両をプロットしたメッシュ地図データ392を更新する。追尾処理部320は車両情報211と旧車両情報テーブルとに基づいて検知漏れした車両と撮像範囲を通過した車両とを検出する。追尾処理部320は検知漏れ車両と通過車両とについて車両情報テーブル391とメッシュ地図データ392とを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、DSSS(安全運転支援システム)において画像センサを用いて、他の車両の陰に隠れた車両も含めて走行車両を検知する車両検知装置、車両検知システム、車両検知装置の車両検知方法および車両検知プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
DSSSにおいて画像センサを用いて車両を検知し、検知した車両毎に車種、車両速度、車両位置(交差点の停止線から当該車両が位置している地点までの距離)および車両ID(車両毎に付与したもの)を特定する方法がある。
【0003】
現行のシステムでは、検知した車両が何らの要因(他車が前方に割り込む等)で影に隠れて車両の検知が一旦途切れるとその車両が未検知状況となり、実際には存在する車両が存在しないことになってしまう。この場合、車両の検知情報は対向車に提供する情報として不適格である。結果、出会いがしらの交通事故を未然に防ぐ等の安全運転支援機能の向上を妨げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−284997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像センサを用いた従来の車両検知には、大型車両の後ろに隠れて追従する普通車両、小型車両や二輪車、また大型車両の横に隠れて並走する普通車両、小型車両や二輪車等を検知できないという課題がある。
【0006】
さらに、画像センサを用いた従来の車両検知には、大型車両の陰に隠れて追従(または並走)する普通車両、小型車両や二輪車が、大型車両の車線変更により検知される状態になっても検知車両として扱われず未検知のままになるという課題がある。
【0007】
さらに、画像センサを用いた従来の車両検知には、大型車両に囲まれていたために画像センサで未検知であった普通車両、小型車両や二輪車が、自らの車線変更により検知される状態になっても検知車両として扱われず未検知のままになるという課題がある。
【0008】
本発明は、例えば、画像センサから見て他の車両に隠れている車両を検知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両検知装置は、道路を写した複数の道路画像を入力し、入力した複数の道路画像それぞれに基づいて当該道路画像に写った車両と前記車両の位置とをCPUを用いて検出し、検出した車両を識別する車両IDと検出した前記車両の位置を示す車両位置とを含んだ情報を車両毎に車両情報として出力する道路画像処理部と、前記道路画像処理部により出力された各車両情報を所定の車両情報テーブルに設定する車両情報設定部と、前記車両情報テーブルに設定されている前記各車両情報を前記道路を走行している車両の情報として出力装置に出力する車両情報出力部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、車両情報テーブルの更新を繰り返すことにより、他の車両に隠れている車両も検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1における車両検知追尾システム100の構成図。
【図2】実施の形態1における第1画像センサ110および第2画像センサ111の撮像範囲を示す図。
【図3】実施の形態1における第1画像センサ110および第2画像センサ111の撮像範囲を示す図。
【図4】実施の形態1における画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300の機能構成図。
【図5】実施の形態1における画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300のハードウェア資源の一例を示す図。
【図6】実施の形態1における車両検知追尾システム100の車両検知追尾方法を示すフローチャート。
【図7】実施の形態1における車両情報テーブル391を示す図。
【図8】実施の形態1におけるメッシュ地図を示す図。
【図9】実施の形態1における車両情報テーブル391内の検知漏れ車両のレコードおよび検知範囲通過車両のレコードを示す図。
【図10】実施の形態1における車両の追尾例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
走行している車両を画像センサを用いて検知する車両検知システムについて説明する。
【0013】
図1は、実施の形態1における車両検知追尾システム100の構成図である。
実施の形態1における車両検知追尾システム100(車両検知システムの一例)について、図1に基づいて以下に説明する。
【0014】
車両検知追尾システム100は、第1画像センサ110、第2画像センサ111、画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300(車両検知装置の一例)を備える。
【0015】
車両にDSRC(Dedicated Short Range Communication)用の車載器が搭載されていれば、車載器と通信して車両の情報(車種、速度など)を取得し、車載器と通信した路側機(図示省略)の設置箇所に基づいて車両の走行位置(車線、交差点からの距離など)を特定することができる。しかし、車両に車載器が搭載されていない場合、車両の情報や走行位置を得ることができない。
【0016】
車両検知追尾システム100は、画像センサ(第1画像センサ110、第2画像センサ111)(カメラ、ビデオカメラ、撮像装置ともいう)を備え、画像センサにより撮像された道路101の画像(以下、「道路画像」という)に基づいて車載器が搭載されている車両と車載器が搭載されていない車両との両方を検知すると共に車両の情報や走行位置など(以下、「車両情報」という)を取得する。
また、車両検知追尾システム100は、他の車両に隠れて道路画像に写らない車両を減らすために、異なる向きから道路101を撮像する第1画像センサ110および第2画像センサ111を備える。
さらに、車両検知追尾システム100は、他の車両に隠れてしまい第1画像センサ110の道路画像と第2画像センサ111の道路画像とのどちらにも写らない車両を過去の道路画像に基づいて検知すると共に、当該車両の車両情報を過去の道路画像に基づいて特定する。
これにより、車両検知追尾システム100は、道路画像に写る道路101の特定の範囲(ここでは、交差点の手前の一定範囲)(以下、「検知範囲」という)を走行している車両の検知漏れおよび車両情報の取得漏れを減らす。
【0017】
例えば、車両情報は、DSSS(安全運転支援システム)において車載器を搭載した車両に提供され、交通事故の防止に活用される。
【0018】
第1画像センサ110は、交差点上空に車両の進行方向と逆向きに設置され、道路101を撮像し、交差点に向かって走行している各車両を正面から写した道路画像を取得する。
第1画像センサ110により取得される道路画像には、大型車両121と共に、大型車両121と並走している普通車両124が写る。
以下、第1画像センサ110の撮像範囲(検知範囲)を実線で示す。
【0019】
第2画像センサ111は、交差点近くの道路101脇の上空に道路101に向けて設置され、道路101を撮像し、各車両を側方から写した道路画像を取得する。第2画像センサ111は、広角レンズを備え、撮像範囲が第1画像センサ110とほぼ同じである。
第2画像センサ111により取得される道路画像には、大型車両121と共に、大型車両121の後ろを走行している普通車両122および二輪車123が写る。
以下、第2画像センサ111の撮像範囲(検知範囲)を点線で示す。
【0020】
第1画像センサ110と第2画像センサ111とは、車両に隠れた死角を互いに補って道路101を撮像する。これにより、死角に位置している車両が第1画像センサ110の道路画像と第2画像センサ111の道路画像との少なくともいずれかに写る可能性が高まる。
【0021】
図2および図3は、実施の形態1における第1画像センサ110および第2画像センサ111の撮像範囲を示す図である。
図2において、大型車両121の後ろを走行している普通車両122および二輪車123は、第1画像センサ110の撮像範囲(実線)内に位置しているが、第1画像センサ110の視線方向において大型車両121に遮蔽されてしまう。このため、第1画像センサ110の道路画像には、普通車両122と二輪車123とが写らない。しかし、普通車両122および二輪車123は、第2画像センサ111の視線方向において大型車両121に遮蔽されない。このため、第2画像センサ111の道路画像には、大型車両121と共に普通車両122および二輪車123が写る。
図3において、大型車両121と並走している普通車両124は、第2画像センサ111の撮像範囲(点線)内に位置しているが、第2画像センサ111の視線方向において大型車両121に遮蔽されてしまう。このため、第2画像センサ111の道路画像には、普通車両124が写らない。しかし、普通車両124は、第1画像センサ110の視線方向において大型車両121に遮蔽されない。このため、第1画像センサ110の道路画像には、大型車両121と共に普通車両124が写る。
【0022】
図1に戻り、車両検知追尾システム100の構成について説明を続ける。
【0023】
第1画像センサ110および第2画像センサ111は、連続撮影(動画撮影ともいう)により、単位時間あたりに所定枚数(例えば、1秒あたり30枚)の道路画像を取得し、取得した道路画像を画像センサデータ処理装置200へ順次出力する。
【0024】
画像センサデータ処理装置200は、第1画像センサ110および第2画像センサ111の道路画像に写っている車両を検出し、検出した車両の車両情報211を生成し、生成した車両情報211を情報処理判定装置300に出力する。
【0025】
情報処理判定装置300は、画像センサデータ処理装置200により生成された各車両情報211に基づいて、検知範囲を現在走行している各車両についての情報(後述する「車両情報テーブル391」および「メッシュ地図データ392」という)を生成する。
【0026】
第1画像センサ110と第2画像センサ111との他に、交差点の下流(交差点から遠い側)に第1画像センサ110と対向して設置される第3画像センサや道路101を挟んで第2画像センサ111と対向して設置される第4画像センサがあってもよい。
【0027】
図4は、実施の形態1における画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300の機能構成図である。
実施の形態1における画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300の機能構成について、図4に基づいて以下に説明する。
【0028】
画像センサデータ処理装置200は、画像センサデータ処理部210(道路画像処理部の一例)および道路画像記憶部290を備える。
【0029】
画像センサデータ処理部210は、第1画像センサ110および第2画像センサ111から順次出力される道路画像を入力する。
画像センサデータ処理部210は、入力した道路画像をCPU(Central Proccessing Unit)を用いて画像処理し、道路画像に写っている車両を検出する。
画像センサデータ処理部210は、検出した車両の車両情報211(車種、車両速度、車両位置、車線、車両IDなど)を道路画像毎にCPUを用いて特定し、特定した車両情報211を情報処理判定装置300に出力する。
【0030】
道路画像記憶部290は、道路画像および車両情報を記憶媒体を用いて記憶する記憶部(記憶装置)である。
【0031】
情報処理判定装置300は、座標地図部310(車両情報設定部の一例)、追尾処理部320(不検出車両特定部および車両情報推定設定部の一例)、追尾比較処理部330、メッシュ地図情報部340(車両情報出力部の一例)、交差点通過車両管理部350および判定装置記憶部390を備える。
【0032】
判定装置記憶部390は、車両情報テーブル391、メッシュ地図データ392および交差点通過車両管理テーブル393を記憶媒体を用いて記憶する記憶部である。
車両情報テーブル391は、検知範囲を現在走行している各車両の車両情報が設定されるデータである。
メッシュ地図データ392は、検知範囲を道路101の進行方向と道路101の幅方向とのメッシュ状(格子状)に区切って表した地図(以下、「メッシュ地図」という)の情報を示し、検知範囲を現在走行している各車両の位置する地点をメッシュ地図上に表す。
交差点通過車両管理テーブル393は、車両IDの管理に用いられるデータであり、複数の車両IDそれぞれについて車両IDと当該車両IDの使用状態(「使用中」または「未使用」)とが対応付けて設定される。
【0033】
座標地図部310は、画像センサデータ処理装置200から出力される車両情報を入力し、入力した車両情報を車両情報テーブル391にCPUを用いて設定する。
さらに、座標地図部310は、各車両が位置する地点をメッシュ地図上に示したメッシュ地図データ392を車両情報テーブル391に基づいてCPUを用いて生成する。
【0034】
追尾処理部320は、座標地図部310により車両情報テーブル391に設定されている各車両情報それぞれに含まれる車両IDのうち、画像センサデータ処理装置200により新たに出力された各車両情報それぞれに含まれる車両IDのいずれとも一致しない車両IDをCPUを用いて特定する。
さらに、追尾処理部320は、特定した車両IDを含んだ車両情報に含まれる車両位置に基づいて当該車両IDで識別される車両(以下、「検知漏れ車両」という)の現在の車両位置をCPUを用いて推定する。追尾処理部320は、推定した車両位置が検知範囲に含まれる場合、当該車両IDと推定した車両位置とを含んだ車両情報を車両情報テーブル391に設定する。
さらに、追尾処理部320は、推定した車両位置に基づいて、検知範囲を通過した車両(以下、「検知範囲通過車両」という)の車両IDをCPUを用いて特定し、特定した車両IDを含んだ車両情報を車両情報テーブル391から削除する。
さらに、追尾処理部320は、推定した車両位置に基づいてメッシュ地図データ392をCPUを用いて修正する。
【0035】
追尾比較処理部330は、検知範囲を現在走行している車両の台数を車両情報テーブル391に基づいてCPUを用いて算出する。
【0036】
メッシュ地図情報部340は、車両情報テーブル391、メッシュ地図データ392および車両の台数を出力装置(例えば、表示装置)に出力する。
【0037】
交差点通過車両管理部350は、追尾処理部320により特定された検知範囲通過車両の車両IDを未使用IDとして、交差点通過車両管理テーブル393を更新する。
【0038】
図5は、実施の形態1における画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300のハードウェア資源の一例を示す図である。
図5において、画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300は、プログラムを実行するCPU911(中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりにその他の記憶装置(例えば、RAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ)を用いてもよい。
【0039】
通信ボード915は、有線または無線で、LAN(Local Area Network)、インターネット、電話回線などの通信網に接続されている。
【0040】
磁気ディスク装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、OS921により実行される。
【0041】
上記プログラム群923には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0042】
ファイル群924には、実施の形態において、「〜部」の機能を実行した際の「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」などの結果データ、「〜部」の機能を実行するプログラム間で受け渡しするデータ、その他の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。車両情報テーブル391、メッシュ地図データ392および交差点通過車両管理テーブル393はファイル群924に含まれるものの一例である。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。これらのCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他の記録媒体に記録される。また、データや信号値は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0043】
また、実施の形態において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスクやその他の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0044】
図6は、実施の形態1における車両検知追尾システム100の車両検知追尾方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における車両検知追尾システム100の車両検知追尾方法(車両検知方法の一例)について、図6に基づいて以下に説明する。
車両検知追尾システム100の各「〜部」は、以下に説明する各処理(S110〜S160)をCPUを用いて実行する。
以下に説明する各処理(S110〜S160)は、第1画像センサ110および第2画像センサ111により道路画像119が撮像されて出力される度に繰り返し実行される。
【0045】
画像センサデータ処理部210は第1画像センサ110および第2画像センサ111から出力された道路画像119を入力し、入力した道路画像119に基づいて車両情報211を生成する(S110)。
座標地図部310は車両情報211に基づいて車両情報テーブル391を更新し(S120)、道路画像119に基づいてメッシュ地図データ392を更新する(S121)。
追尾処理部320は車両情報211と旧車両情報テーブル391bとに基づいて検知漏れ車両および検知範囲通過車両を検出し(S130)、検知漏れ車両と検知範囲通過車両とについて車両情報テーブル391とメッシュ地図データ392とを更新する(S131)。
追尾比較処理部330は車両情報テーブル391に基づいて車両数を特定する(S140)。
メッシュ地図情報部340はメッシュ地図データ392および車両数を表示装置に表示する(S150)。
交差点通過車両管理部350は交差点通過車両管理テーブル393内の検知範囲通過車両の車両IDの使用状態を「未使用」に変更する(S160)。
以下に、各処理(S110〜S160)の詳細について説明する。
【0046】
<S110>
画像センサデータ処理部210は、第1画像センサ110および第2画像センサ111から出力された道路画像119を入力し、入力した道路画像119を道路画像記憶部290に記憶する。
画像センサデータ処理部210は、入力した道路画像119に基づいて道路画像119に写っている各車両の車両情報211(車種、車両速度、車両位置、車線、車両IDなど)を生成し、生成した各車両の車両情報211を道路画像記憶部290に記憶する。
画像センサデータ処理部210は、道路画像119と当該道路画像119に基づいて生成した各車両の車両情報211とを情報処理判定装置300に出力する。情報処理判定装置300の判定装置記憶部390は、画像センサデータ処理部210により出力された道路画像119および各車両の車両情報211を記憶する。
【0047】
例えば、画像センサデータ処理部210は、道路画像119を各画素の輝度(色情報)などに基づいてエッジング処理して車両が写っている画素領域を特定し、特定した画素領域の大きさおよび形状に基づいて車種(大型車両、普通車両または二輪車など)を特定する。
【0048】
また例えば、画像センサデータ処理部210は、連続する二枚の道路画像119(n枚目の画像とn+1枚目の画像)における車両の画素領域の移動量と撮像時間間隔とに基づいて車両速度を算出する。
第2画像センサ111の道路画像119(各車両を側上方から撮像した画像)において車両の画素領域が進行方向に「2画素」移動し、1画素に写る範囲が「0.2m」である場合、1枚目の道路画像119が撮像されてから2枚目の道路画像119が撮像されるまでの時間(撮像時間間隔)に車両が進んだ距離は「0.4m(=0.2[m/画素]×2[画素])」となる。そして、撮像時間間隔が「1/30秒」である場合、車両速度は「43.2km/h(=12[m/秒]=0.4[m]÷(1/30[秒]))」となる。
画像センサデータ処理部210は、第1画像センサ110の道路画像119(各車両を正面上方から撮像した画像)を用いて車両速度を算出してもよい。例えば、先頭車両が交差点からある程度離れた地点を走行している場合、第1画像センサ110の道路画像119には先頭車両の正面全体が写る。また、道路画像119は第1画像センサ110の設置高さ(路面からの高さ)、視線方向(傾き)および焦点に基づいて定まる三次元の撮像範囲を二次元の平面に投影したものであるから、路面上の各地点が投影される道路画像119上の画素が定まる。つまり、道路画像119の画素毎に当該画素に写る路面上の地点を特定することができる。画像センサデータ処理部210は、二枚の道路画像車両情報211それぞれで、先頭車両の画素領域のうち路面上の地点が写っている画素を特定し、特定した画素の移動量に基づいて先頭車両の移動距離を算出し、移動距離と撮像時間間隔とに基づいて車両速度を算出する。
【0049】
また例えば、画像センサデータ処理部210は、車両の画素領域に基づいて車両位置を算出する。第2画像センサ111の道路画像119において交差点の停止線が写っている画素領域と車両の画素領域とが進行方向に「100画素」ずれており、1画素に写る範囲が「0.2m」である場合、車両位置は、交差点の停止線から「20m(=0.2[m/画素]×100[画素])」だけ手前の位置となる。画像センサデータ処理部210は、第1画像センサ110の道路画像119を用いて車両位置を算出してもよい。例えば、画像センサデータ処理部210は、先頭車両の画素領域のずれ量に基づいて先頭車両の車両位置を算出する。
【0050】
また例えば、画像センサデータ処理部210は、車両の画素領域(道路画像119内の右寄り、中央、左寄りなど)に基づいて車線を特定する。例えば、先頭車両が交差点からある程度離れた地点を走行している場合、第1画像センサ110の道路画像119には先頭車両の正面全体が写る。また上記の通り、道路画像119の画素毎に当該画素に写る路面上の地点を特定することができる。画像センサデータ処理部210は、第1画像センサ110の道路画像119において先頭車両の画素領域のうち路面上の地点が写っている画素を特定し、特定した画素に基づいて先頭車両が走行している車線を特定する。
【0051】
画像センサデータ処理部210は、各車両に異なる車両IDを一つずつ付与する。
画像センサデータ処理部210は、第1画像センサ110の道路画像119(以下、「第1画像」という)と第2画像センサ111の道路画像119(以下、「第2画像」という)とに写った同一車両に2つの車両IDを付与しないように、第1画像に写った車両と第2画像に写った画像とが同一車両であるか否かを判定する。まず、画像センサデータ処理部210は、第1画像に基づいて取得した第1の車両情報(車種、車両速度および車両位置)と第2画像に基づいて取得した第2の車両情報とを比較する。そして、画像センサデータ処理部210は、第1の車両情報と第2の車両情報とが一致する場合、第1画像に写った当該車両と第2画像に写った当該車両とが同一の車両であると判定し、第1の車両情報と第2の車両情報とが一致しない場合、第1画像に写った当該車両と第2画像に写った当該車両とが異なる車両であると判定する。
また、画像センサデータ処理部210は、連続する二枚の道路画像119(第1画像または第2画像)に写った同一車両に2つの車両IDを付与しないように、連続する二枚の道路画像119それぞれに写った車両が同一車両であるか否かを判定する。まず、画像センサデータ処理部210は、一枚目の道路画像119における車両の画素領域と二枚目の道路画像119における車両の画素領域とを比較する。そして、画像センサデータ処理部210は、画素領域の移動量が所定範囲(例えば、1〜3画素)内である場合、一枚目の道路画像119に写った当該車両と二枚目の道路画像119に写った当該車両とを同一車両と判定し、画素領域の移動量が所定範囲外である場合、一枚目の道路画像119に写った当該車両と二枚目の道路画像119に写った当該車両とが異なる車両であると判定する。
画像センサデータ処理部210は、新たに検出した車両には未使用の車両IDを付与する。
【0052】
S110の後、処理はS120に進む。
【0053】
<S120>
座標地図部310は、車両情報テーブル391のコピーを旧車両情報テーブル391bとして判定装置記憶部390に保存する。
そして、座標地図部310は、S110において判定装置記憶部390に記憶された各車両の車両情報211に基づいて車両情報テーブル391を更新する。
【0054】
図7は、実施の形態1における車両情報テーブル391を示す図である。
S120(図6)において更新される車両情報テーブル391について、図7に基づいて以下に説明する。
【0055】
車両情報テーブル391には、車両IDに対応付けられて車種、車両速度、車両位置、車線などが設定される。
S120(図6)において、座標地図部310は、車両情報211に含まれる車両IDを検索キーとして車両情報テーブル391を検索し、車両IDが一致するレコード(行)の設定値を車両情報211に含まれる各値に変更する。座標地図部310は、車両IDが一致するレコードが車両情報テーブル391に無い場合、車両情報211に含まれる各値を設定したレコードを生成し、生成したレコードを車両情報テーブル391に追加する。
例えば、座標地図部310は、図7に示すようにレコードを変更および追加して、車両情報テーブル391を更新する。
【0056】
図6に戻り、車両検知追尾方法の説明を続ける。
【0057】
S120の後、処理はS121に進む。
【0058】
<S121>
座標地図部310は、S110において判定装置記憶部390に記憶された道路画像119に基づいてメッシュ地図データ392を更新する。メッシュ地図データ392は以下に説明するメッシュ地図を表す情報である。
【0059】
図8は、実施の形態1におけるメッシュ地図を示す図である。
S121(図6)において更新されるメッシュ地図データ392について、図8に基づいて以下に説明する。
【0060】
メッシュ地図は、検知範囲を所定の幅(例えば、縦横1メートル)でメッシュ状に区切って図示したものである。メッシュ地図の各交点は、車両の進行方向を「x軸」、道路101の幅方向を「y軸」として、xy座標(x、y)で識別される。
図8は、(5、5)(5、7)(8、5)(8、7)の4点に囲まれた領域内に車両ID「n」で識別される車両が位置していることを示している。
メッシュ地図データ392には、車両が位置する領域を示す4点のxy座標が車両ID毎にレコードとして設定される。
【0061】
S121(図6)において、座標地図部310は、画像センサデータ処理部210と同様に(S110参照)、道路画像119に基づいて道路画像119に写った各車両の位置(または、各車両が位置している路面上の地点)をメッシュ地図のxy座標系で特定する。座標地図部310は、車両情報テーブル391(車両位置、車線など)を参照して対応する車両IDを特定し、xy座標を車両IDに対応付けてメッシュ地図データ392に設定(変更・追加)する。このとき、座標地図部310は、車両IDを検索キーとしてメッシュ地図データ392を検索し、車両IDが一致するレコードの設定値(xy座標)を特定したxy座標に変更する。座標地図部310は、車両IDが一致するレコードがメッシュ地図データ392に無い場合、車両IDとxy座標とを設定したレコードを生成し、生成したレコードをメッシュ地図データ392に追加する。座標地図部310は、レコードの変更・追加により、車両情報テーブル391を更新する。
【0062】
図6に戻り、車両検知追尾方法の説明を続ける。
【0063】
S121の後、処理はS130に進む。
【0064】
<S130>
追尾処理部320は、S110において記憶された各車両の車両情報211とS120において保存された旧車両情報テーブル391bとに基づいて、検知漏れ車両および検知範囲通過車両を検出する。
検知漏れ車両とは、検知範囲内に位置しているが他の車両に隠れるなどの理由により画像センサデータ処理装置200により検知されなかった車両のことである。
検知範囲通過車両とは、検知範囲を通過したため画像センサデータ処理装置200により検知されなかった車両のことである。
このとき、追尾処理部320は、旧車両情報テーブル391bに設定されているレコードのうち各車両の車両情報211のいずれとも車両IDが一致しないレコードを抽出する。
さらに、追尾処理部320は、抽出したレコードに設定されている車両位置(交差点からの距離)と所定の距離(例えば、1メートル)とを大小比較する。追尾処理部320は、車両位置が所定の距離以上であれば対応する車両情報テーブル391のレコードを検知漏れ車両のレコードと判定し、車両位置が所定の距離未満であれば対応する車両情報テーブル391のレコードを検知範囲通過車両のレコードと判定する。
【0065】
図9は、実施の形態1における車両情報テーブル391内の検知漏れ車両のレコードおよび検知範囲通過車両のレコードを示す図である。
例えば、図9に示すように、車両ID「2」で識別される車両の車両情報211があり、旧車両情報テーブル391bに3つのレコード(車両ID:「1」「2」「3」)が設定されているとする。S130(図6)において、追尾処理部320は、旧車両情報テーブル391bに設定されている3つのレコードのうち車両ID「2」のレコードを除いて、車両ID「1」のレコードと車両ID「3」のレコードとを抽出する。
さらに、追尾処理部320は、抽出した車両ID「1」のレコードに設定されている車両位置「0.5m」と所定の距離「1m」とを大小比較し、車両位置が所定の距離未満であるため車両情報テーブル391内の車両ID「1」のレコードを検知範囲通過車両のレコードと判定する。また、追尾処理部320は、抽出した車両ID「3」のレコードに設定されている車両位置「10m」と所定の距離「1m」とを大小比較し、車両位置が所定の距離以上であるため車両情報テーブル391内の車両ID「3」のレコードを検知漏れ車両のレコードと判定する。
【0066】
図6に戻り、車両検知追尾方法の説明を続ける。
【0067】
S130の後、処理はS131に進む。
【0068】
<S131>
追尾処理部320は、S130において検出した検知漏れ車両と検知範囲通過車両とについて車両情報テーブル391とメッシュ地図データ392とを更新する。
例えば、追尾処理部320は、検知漏れ車両が車両速度を維持して走行したと仮定し、車両情報テーブル391を更新する。図9に示す車両情報テーブル391の車両ID「3」のレコードを更新する場合、追尾処理部320は、車両速度「54km/h」と撮像時間間隔(「1/30秒」とする)とに基づいて検知漏れ車両の走行距離「0.5m」を算出し、車両位置「10m」を「9.5m(=10m−0.5m)」に変更する。
また例えば、追尾処理部320は、メッシュ地図データ392に含まれる検知漏れ車両の座標を走行距離だけ交差点に近づけた座標に更新する。
また、追尾処理部320は、検知範囲通過車両のレコードを車両情報テーブル391およびメッシュ地図データ392から削除する。
S131の後、処理はS140に進む。
【0069】
<S140>
追尾比較処理部330は、車両情報テーブル391に含まれるレコード数を数えて、検知範囲を走行している車両の台数を特定する。車両情報テーブル391に含まれるレコード数は、検知範囲を走行している車両の台数に相当する。
S140の後、処理はS150に進む。
【0070】
<S150>
メッシュ地図情報部340は、S131において更新されたメッシュ地図データ392に基づいて図8に示すようなメッシュ地図を特定の表示装置に表示する。また、メッシュ地図情報部340は、S140において特定された車両数も表示装置に表示する。メッシュ地図情報部340は、さらに、車両情報テーブル391を表示してもよい。
S150の後、処理はS160に進む。
【0071】
<S160>
交差点通過車両管理部350は、交差点通過車両管理テーブル393に設定されている車両IDのうちS130において検出された検知範囲通過車両の車両IDについて、使用状態を「使用中」から「未使用」に変更する。
S110において画像センサデータ処理部210は車両IDを割り当てていない新たな車両を検出した場合、交差点通過車両管理テーブル393から使用状態が「未使用」である車両IDを取得し、取得した車両IDを新たな車両に割り当て、新たな車両に割り当てた車両IDの使用状態を「未使用」から「使用中」に変更する。
交差点通過車両管理部350は、各検知範囲通過車両について検知範囲を通過した時刻、走行していた車線などの情報を記録してもよい。
S160の後、車両検知追尾方法の処理(S110〜S160)は終了する。車両検知追尾方法の処理(S110〜S160)は、第1画像センサ110および第2画像センサ111により道路画像119が撮像されて出力される度に繰り返し実行される。
【0072】
実施の形態1では、例えば、以下のような車両検知追尾システム100について説明した。
車両検知追尾システム100は、画像センサ(第1画像センサ110、第2画像センサ111)を道路101の正面(進行方向と逆方向)と道路101の横とに配置し、合計2台の画像センサで車両検知する。
車両検知追尾システム100は、画像センサデータ処理装置200および情報処理判定装置300を備える。
画像センサデータ処理装置200は、第1画像センサ110および第2画像センサ111により撮像された道路画像119に基づいて、道路101を走行している車両毎に車種判別情報、車両速度、交差点停止線からの距離などの情報を取得し、各車両にユニークな車両IDを付与し、取得および付与した情報(車両情報211)を情報処理判定装置300に通信する。
情報処理判定装置300は、座標地図部310および追尾処理部320を備える。
座標地図部310は、画像センサデータ処理装置200から送られたデータを画像センサの取り付け位置と車両検知角度とに基づいてXY軸から成る2次元地図情報を計算し、画像センサデータ処理装置200から取得した車両情報211と各車両とをメッシュ地図にプロットする。
追尾処理部320は、車両情報211に基づいて、メッシュ地図にプロットされた各車両を交差点入り口(検知範囲)まで地図上で動的に追尾する。追尾処理部320は、画像センサデータ処理装置200から送られてくる最新の各車両の車両情報211とメッシュ地図上に既にあり動的に追尾を受けている各車両の車両情報211とを比較し、既追尾車両以外の新しい車両や急に何らの要因で検知できなくなった車両や検知できなくなった後に再び検知できた車両を引き続き動的に追尾する。
【0073】
図10は、実施の形態1における車両の追尾例を示す図である。
画像センサデータ処理装置200は、第1画像センサ110と第2画像センサ111とで同時に検出した一台の先行車両125(例えば、二輪車)に一つの車両IDを付与する。また、画像センサデータ処理装置200は、先行車両125に後続する後続車両126(例えば、大型車両または普通車両)を第1画像センサ110と第2画像センサ111との少なくともいずれかで検出した場合、後続車両126に先行車両125と異なる車両IDを付与する(図10(a))。
情報処理判定装置300は、図10(b)に示すように、後続車両126が先行車両125に追いつき、先行車両125が後続車両126に並走された場合(第2画像センサ111から見て先行車両125が後続車両126の陰に隠れる場合)、第1画像センサ110の道路画像119を利用することにより、先行車両125と後続車両126とを動的に追尾することができる。
また、情報処理判定装置300は、図10(c)に示すように、後続車両126が先行車両125を追い抜き、先行車両125が後続車両126に追従する場合(第1画像センサ110から見て先行車両125が後続車両126の陰に隠れる場合)、第2画像センサ111の道路画像119を利用することにより、先行車両125と後続車両126とを動的に追尾することができる。
また、情報処理判定装置300は、図10(d)に示すように、先行車両125が後続車両126と並走する場合、第1画像センサ110の道路画像119と第2画像センサ111の道路画像119との少なくともいずれかを利用することにより、先行車両125と後続車両126とを動的に追尾することができる。
図10(d)の場合、第1画像センサ110の道路画像119(以下、「第1画像」という)と第2画像センサ111の道路画像119(以下、「第2画像」という)との両方に先行車両125が写る。画像センサデータ処理装置200は、第1画像から取得した第1の車両情報(車種、車両速度および車両位置)と第2画像から取得した第2の車両情報とが一致するので、第1画像に写った先行車両125と第2画像に写った先行車両125とを同一車両と認識する。同様に、画像センサデータ処理装置200は、第1画像に写った後続車両126と第2画像に写った後続車両126とを同一車両と認識する。
【0074】
これにより、車両検知追尾システム100は、大型車両の陰に隠れ追従する車両(普通車両、二輪車)、大型車両の陰に隠れ並走する車両、複数台の大型車両に囲まれた車両など、一時的に道路画像119に写らない車両を追尾(検知)し、車両の検知漏れを少なくすることができる。
【符号の説明】
【0075】
100 車両検知追尾システム、101 道路、102 交差点、103 進行方向、110 第1画像センサ、111 第2画像センサ、118 撮像範囲、119 道路画像、121 大型車両、122 普通車両、123 二輪車、124 普通車両、125 先行車両、126 後続車両、190 画像センサデータ、200 画像センサデータ処理装置、210 画像センサデータ処理部、211 車両情報、290 道路画像記憶部、300 情報処理判定装置、310 座標地図部、320 追尾処理部、330 追尾比較処理部、340 メッシュ地図情報部、350 交差点通過車両管理部、390 判定装置記憶部、391 車両情報テーブル、391b 旧車両情報テーブル、392 メッシュ地図データ、393 交差点通過車両管理テーブル、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を写した複数の道路画像を入力し、入力した複数の道路画像それぞれに基づいて当該道路画像に写った車両と前記車両の位置とをCPUを用いて検出し、検出した車両を識別する車両IDと検出した前記車両の位置を示す車両位置とを含んだ情報を車両毎に車両情報として出力する道路画像処理部と、
前記道路画像処理部により出力された各車両情報を所定の車両情報テーブルに設定する車両情報設定部と、
前記車両情報テーブルに設定されている前記各車両情報を前記道路を走行している車両の情報として出力装置に出力する車両情報出力部と
を備えたことを特徴とする車両検知装置。
【請求項2】
前記道路画像処理部は、道路画像毎に同じ車両に同じ車両IDを割り当てて前記車両情報を出力し、
前記車両検知装置は、さらに、
前記車両情報設定部により前記車両情報テーブルに設定されている各車両情報それぞれに含まれる車両IDのうち前記道路画像処理部により新たに出力された各車両情報それぞれに含まれる車両IDのいずれとも一致しない車両IDをCPUを用いて特定する不検出車両特定部と、
前記不検出車両特定部により特定された車両IDを含んだ車両情報に含まれる車両位置に基づいて前記車両IDで識別される車両の現在の車両位置をCPUを用いて推定し、推定した車両位置が前記道路画像に写る範囲に含まれる場合、前記車両IDと推定した車両位置とを含んだ車両情報を前記車両情報テーブルに設定する車両情報推定設定部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両検知装置。
【請求項3】
前記道路の周辺に前記道路の進行方向と逆向きに設置され、前記道路画像を撮像する第1の画像センサと、
前記道路の脇に前記道路に向けて設置され、前記道路画像を撮像する第2の画像センサと、
請求項1〜請求項2いずれかに記載の車両検知装置とを有し、
前記道路画像処理部は、前記第1の画像センサにより撮像された複数の道路画像と前記第2の画像センサにより撮像された複数の道路画像とに基づいて前記車両情報を出力する
ことを特徴とする車両検知システム。
【請求項4】
道路画像処理部が、道路を写した複数の道路画像を入力し、入力した複数の道路画像それぞれに基づいて当該道路画像に写った車両と前記車両の位置とをCPUを用いて検出し、検出した車両を識別する車両IDと検出した前記車両の位置を示す車両位置とを含んだ情報を車両毎に車両情報として出力する道路画像処理を行い、
車両情報設定部が、前記道路画像処理部により出力された各車両情報を所定の車両情報テーブルに設定する車両情報設定処理を行い、
車両情報出力部が、前記車両情報テーブルに設定されている前記各車両情報を前記道路を走行している車両の情報として出力装置に出力する車両情報出力処理を行う
ことを特徴とする車両検知装置の車両検知方法。
【請求項5】
請求項4記載の車両検知方法を前記車両検知装置に実行させる車両検知プログラム。
【請求項6】
道路の周辺に前記道路の進行方向と逆向きに設置された第1の画像センサと、
前記道路の脇に前記道路に向けて設置された第2の画像センサと、
前記第1の画像センサにより撮像される画像と前記第2の画像センサにより撮像される画像とに基づいて、前記道路を走行する各車両をCPUを用いて検知する車両検知装置と
を有することを特徴とする車両検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−176302(P2010−176302A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16929(P2009−16929)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】