説明

車両用ピラー構造

【課題】ドアシールをクリップを介してピラーに取り付けるとともに、スチフナの剛性を確保することができる車両用ピラー構造を提供する。
【解決手段】車両用ピラー構造15は、車室外側39のアウタパネル31および車室32側のインナパネル33間にスチフナ34が挟持された閉断面構造のセンタピラー22を備え、アウタパネル31にクリップ26でドアシール29が取り付けられ、クリップの先端部26aがスチフナに向けて突出されている。この車両用ピラー構造15は、スチフナに、クリップの先端部との干渉を回避する溝部57が設けられ、溝部57がスチフナの長手方向に延出させてビード状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室外側のアウタパネルおよび車室側のインナパネル間にスチフナが挟持された閉断面構造のピラーを備えた車両用ピラー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ピラー構造は、車室外側のアウタパネルおよび車室側のインナパネル間にスチフナが挟持され、アウタパネルおよびインナパネルで閉断面に形成されている。
この車両用ピラー構造のなかには、センタピラー(具体的には、アウタパネル)の壁面に断面略L字状のリテーナが設けられ、リテーナにドアシールが支持され、ドアシールでドアガラスをシールするように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−6850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の断面略L字状のリテーナは、アウタパネルへの取付片がドアガラスから離れる方向(すなわち、車室側)に張り出されている。
このため、断面略L字状のリテーナをアウタパネルに設けるために、アウタパネルの壁面を大きく確保する必要があり、デザインの自由度が制限される。
【0005】
この問題を解消するために、リテーナへの取付片をドアガラス側に近づける方向に張り出し、取付片をクリップでセンタピラー(具体的には、アウタパネル)に取り付ける車両用ピラー構造が知られている。
リテーナへの取付片をドアガラス側に近づける方向に張り出すことで、センタピラーのデザインの自由度を高めることが可能である。
【0006】
ここで、取付片をクリップでアウタパネルに取り付けた場合、クリップの先端部がスチフナに向けて突出されている。
このため、クリップの先端部がスチフナに干渉することを回避するために、スチフナに貫通孔を形成し、貫通孔にクリップの先端部を貫通させている。
しかし、スチフナに貫通孔を形成した場合、スチフナの剛性を確保するための工夫が要求される。
【0007】
本発明は、ドアシールをクリップを介してピラーに取り付けるとともに、スチフナの剛性を確保することができる車両用ピラー構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車室外側のアウタパネルおよび車室側のインナパネル間にスチフナが挟持された閉断面構造のピラーを備え、前記アウタパネルにクリップでドアシールが取り付けられ、前記クリップの先端部が前記スチフナに向けて突出された車両用ピラー構造において、前記スチフナに、前記クリップの先端部との干渉を回避する溝部が設けられ、前記溝部が前記スチフナの長手方向に延出されてビード状に形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項2は、前記インナパネルの板厚寸法は、前記アウタパネルの板厚寸法に対して大きく設定され、前記ピラーのうち、前記クリップが取り付けられた側の部位の反対側の部位から車体前後方向に向けてフランジ部が張り出され、前記フランジ部は、前記アウタパネルのアウタフランジが前記スチフナのスチフナフランジに重ね合わされるとともに、前記スチフナのフランジが前記インナパネルのインナフランジが重ね合わされた状態で、前記アウタフランジに対して前記スチフナフランジが張り出されるとともに、前記スチフナフランジに対して前記インナフランジが張り出され、前記各フランジで形成された階段状の部位が溶接で接合されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3は、前記階段状の部位は、車室外側からアーク溶接で接合されたことを特徴とする。
【0011】
請求項4は、前記アウタフランジは、前記アウタパネルのパネル本体に対して車室側に凹まされた段差状に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、クリップの先端部との干渉を回避する溝部をスチフナに設けた。そして、溝部をスチフナの長手方向に延出させてビード状に形成した。
このように、溝部をビード状に形成することで、溝部をスチフナの補強部位として利用することができる。
これにより、ドアシールをクリップを介してピラーに取り付けるとともに、スチフナの剛性を確保することができる。
【0013】
加えて、クリップの先端部との干渉を回避するために、スチフナに貫通孔を形成する必要がない。
ここで、スチフナに貫通孔を形成するためには、スチフナをプレス成形する際に、貫通孔をピアス加工で形成する必要がある。
これにより、スチフナから貫通孔を除去することで、スチフナの成形が容易になり、製造コストを抑えることができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、インナパネルの板厚寸法をアウタパネルの板厚寸法に対して大きく設定した。そして、アウタフランジに対してスチフナフランジを張り出すとともに、スチフナフランジに対してインナフランジを張り出し、各フランジで形成した階段状の部位を溶接で接合した。
インナフランジの板厚寸法を大きく設定することで、各フランジを溶接する際に、溶接時の熱でインナフランジが溶け落ちることを防ぐことができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、各フランジが重ね合わされた階段状の部位を、車室外側からアーク溶接で接合するようにした。
このように、階段状の部位をアーク溶接で接合することで、各フランジをスポット溶接で接合する場合と比較して各フランジの張出し寸法を小さく抑えることができる。
これにより、ピラーの幅寸法を小さく抑えることができ、車室側から車室外側を目視する際の視界を大きく確保することができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、アウタフランジを、アウタパネルのパネル本体に対して車室側に凹ませて段差状に形成した。
よって、階段状の部位をアーク溶接で接合した際に、アーク溶接のビード(いわゆる、溶接ビード)が車室外側に大きく膨出させることを防ぐことができる。
これにより、ビード(溶接ビード)が窓ガラスなどに干渉することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る車両用ピラー構造を備えた車両を示す側面図である。
【図2】本発明に係る車両用ピラー構造からアウタパネルを外した状態を示す斜視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図3のセンタピラーを分解した状態で示す断面図である。
【図5】図3の5部拡大図である。
【図6】図3の6部拡大図である。
【図7】本発明に係るセンタピラーに作用した荷重を支える例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【実施例】
【0019】
実施例に係る車両用ピラー構造15について説明する。
図1に示すように、車両10は、サイドシル11と、サイドシル11の上方に設けられたサイドドア12と、サイドドア12の後方に設けられたリヤフェンダ13と、リヤフェンダ13の前部に設けられた車両用ピラー構造15とを備えている。
【0020】
サイドドア12にはドアガラス17が昇降自在に設けられている。
また、リヤフェンダ13上方のクオータ部18(図2参照)には、クオータガラス19がダムシール14および接着剤16を介して取り付けられている。
【0021】
図2、図3に示すように、車両用ピラー構造15は、サイドシル11(図1参照)からルーフサイドレール21に向けて立ち上げられたセンタピラー(ピラー)22と、センタピラー22にクリップ26で取り付けられたリテーナ27と、リテーナ27に支えられたドアシール29とを備えている。
【0022】
センタピラー22は、車室外側39に設けられたアウタパネル31と、車室32側に設けられたインナパネル33と、アウタパネル31およびインナパネル33間に挟持されたスチフナ34と、スチフナ34に設けられたステイ35とを備えている。
このセンタピラー22は、アウタパネル31およびインナパネル33で閉断面に形成され、車室32側に対向する部位がガーニッシュ37で覆われている。
【0023】
アウタパネル31は、略く字状に折り曲げられたパネル本体41と、パネル本体41の前辺41aから車体前方に向けて張り出された前アウタフランジ43と、パネル本体41の後辺41bから車体後方に向けて張り出された後アウタフランジ(アウタフランジ)44とを備えている。
【0024】
パネル本体41は、クオータガラス19に対して所定間隔S1をおいて、クオータガラス19と略平行に設けられ、前壁部42が車室32側に向けて傾斜状に折り曲げられることで、略く字状に形成されている。
傾斜状に折り曲げられた前壁部42に、クリップ26を取り付ける取付孔46が形成されている。
【0025】
前アウタフランジ43は、前壁部42の前辺41aからドアガラス17に沿って車体前方に向けて張り出されている。
前アウタフランジ43は、ドアガラス17に対して所定間隔S2をおいて設けられている。
【0026】
後アウタフランジ44は、パネル本体41の後辺41bからクオータガラス19に沿って車体後方に向けて張り出されている。
後アウタフランジ44は、パネル本体41に対して車室32側に凹まされた段差状に形成されることで、クオータガラス19に対して所定間隔S3をおいて設けられている。
【0027】
インナパネル33は、板厚寸法T1がアウタパネル31の板厚寸法T2に対して大きく設定されている。
このインナパネル33は、略コ字状に折り曲げられたパネル本体51と、パネル本体51の前辺51aから車体前方に向けて張り出された前インナフランジ53と、パネル本体51の後辺51bから車体後方に向けて張り出された後インナフランジ(インナフランジ)54とを備えている。
【0028】
前インナフランジ53は、パネル本体51の前辺51aから前アウタフランジ43に沿って車体前方に向けて張り出されている。
後インナフランジ54は、パネル本体51の後辺51bから後アウタフランジ44に沿って車体後方に向けて張り出されている。
【0029】
スチフナ34は、前部に溝部57が形成されたスチフナ本体56と、スチフナ本体56(溝部57)の前辺56aから車体前方に向けて張り出された前スチフナフランジ58と、スチフナ本体56の後辺56bから車体後方に向けて張り出された後スチフナフランジ(スチフナフランジ)59とを備えている。
スチフナ34は、アウタパネル31およびインナパネル33を補強する部材である。
【0030】
スチフナ34にステイ35がアーク溶接で設けられている(接合されている)。
ステイ35は、断面略矩形状の閉断面に形成され、スチフナ34に沿って長手方向に延出されることでスチフナ34を補強する支柱である。
【0031】
前アウタフランジ43が車室外側39から前スチフナフランジ58に重ね合わされ、前スチフナフランジ58が車室外側39から前インナフランジ53に重ね合わされている。
この状態で、前アウタフランジ43、前スチフナフランジ58および前インナフランジ53がスポット溶接で接合されている。
【0032】
前アウタフランジ43、前スチフナフランジ58および前インナフランジ53が接合されることで、センタピラー22の前フランジ部23が形成されている。
前フランジ部23は、センタピラー22の前壁(すなわち、クリップ26が取り付けられた側の部位)22aから車体前方に向けて張り出されている。
【0033】
図5に示すように、後アウタフランジ44が車室外側39から後スチフナフランジ59に重ね合わされている。
この状態で、後アウタフランジ44に対して後スチフナフランジ59が距離L1だけ車体後方に向けて張り出している。
【0034】
さらに、後スチフナフランジ59が車室外側39から後インナフランジ54に重ね合わされている。
この状態で、後スチフナフランジ59に対して後インナフランジ54が距離L2だけ車体後方に向けて張り出している。
【0035】
このように、後アウタフランジ44に対して後スチフナフランジ59を張り出すとともに、後スチフナフランジ59に対して後インナフランジ54を張り出すことで、後アウタフランジ44、後スチフナフランジ59および後インナフランジ54で階段状の部位62が形成されている。
【0036】
この階段状の部位62は、車室外側39からアーク溶接で接合されている。階段状の部位62を車室外側39からアーク溶接で接合することで、後アウタフランジ44、後スチフナフランジ59および後インナフランジ54がそれぞれ接合され、各フランジ44,59,54で後フランジ部(フランジ部)24が形成されている。
【0037】
ここで、後アウタフランジ、後スチフナフランジおよび後インナフランジをスポット溶接で接合する場合、各フランジの張出し寸法が比較的大きくなる。
これに対して、階段状の部位62をアーク溶接で接合することで、後フランジ部24の張出し寸法L3を、スポット溶接で接合する場合と比較して小さく抑えることができる。
これにより、図3に示すセンタピラー22の幅寸法W1を小さく抑えることができ、車室32側から車室外側39を目視する際の視界を大きく確保することができる。
【0038】
さらに、図5に示すように、階段状の部位62は、後アウタフランジ44に対して後スチフナフランジ59が車室32側(すなわち、クオータガラス19から離れる方向)に配置され、後スチフナフランジ59に対して後インナフランジ54が車室32側(すなわち、クオータガラス19から離れる方向)に配置されている。
加えて、後アウタフランジ44を、アウタパネル31のパネル本体41に対して車室32側に段差D(図4も参照)寸法だけ凹ませて段差状に形成した。
【0039】
よって、階段状の部位62を車室外側39からアーク溶接で接合した際に、アーク溶接のビード(いわゆる、溶接ビード)64が車室外側39に大きく膨出させることを防ぐことができる。
具体的には、ビード(溶接ビード)64を、アウタパネル31のパネル本体41に対して車室32に設けることができる。
これにより、ビード(溶接ビード)64がクオータガラス19などに干渉することを防ぐことができる。
【0040】
加えて、インナパネル33の板厚寸法T1をアウタパネルの板厚寸法T2に対して大きく設定した。よって、後インナフランジ54の板厚寸法をT1と大きく確保することができる。
これにより、階段状の部位62を車室外側39からアーク溶接で接合する際に、溶接時の熱で後インナフランジ54が溶け落ちることを防ぐことができる。
【0041】
図3に示すように、後アウタフランジ44、後スチフナフランジ59および後インナフランジ54が接合されることで、センタピラー22の後フランジ部24が形成されている。
後フランジ部24は、センタピラー22の後壁(すなわち、クリップ26が取り付けられた側の反対側の部位)22bから車体後方に向けて張り出されている。
【0042】
前フランジ部23が形成されるとともに、後フランジ部24が形成されることで、アウタパネル31、インナパネル33およびスチフナ34が一体に接合される。
この状態で、アウタパネル31およびインナパネル33間にスチフナ34が挟持され、アウタパネル31およびインナパネル33で閉断面に形成されている。
【0043】
図6に示すように、センタピラー22にクリップ26でリテーナ27が取り付けられている。
クリップ26は、リテーナ27の取付孔46に差し込まれた状態で、アウタパネル31のパネル本体41(具体的には、前壁部42)の取付孔46に係止されている。
これにより、リテーナ27はクリップ26でアウタパネル31(前壁部42)に取り付けられている。
【0044】
リテーナ27は、取付片28がドアガラス17側に近づける方向に折り曲げられている(張り出されている)。
これにより、前壁部42の幅寸法W2(図4も参照)を小さく抑えることができ、センタピラーのデザインの自由度を高めることができる。
【0045】
一方、従来技術のように、リテーナの取付片がドアガラス17から離れる方向に張り出された場合、前壁部42の幅寸法を大きく確保する必要があり、デザインの自由度が制限される。
【0046】
リテーナ27にドアシール29が支持されている。すなわち、ドアシール29は、クリップ26でアウタパネル31(前壁部42)に取り付けられている。
ドアシール29は、サイドドア12を閉じた状態で、サイドドア12のドアガラス17をシールする部材である。
【0047】
ところで、クリップ26がアウタパネル31(前壁部42)の取付孔46に係止された状態で、クリップ26の先端部26aがスチフナのスチフナ本体56(具体的には、溝部57)に向けて突出されている。
【0048】
溝部57は、クリップ26の先端部26aとの干渉を回避するために、先端部26aから離れる方向に凹状に形成されている。
さらに、溝部57は、図2に示すように、スチフナ34の上端部34aからスチフナ34の長手方向に下向きに延出させてビード状に形成されている。先端部26aに溝部57の上端部57aが形成されている。
【0049】
図2に示すように、溝部57をスチフナ34の長手方向に延出させてビード状に形成することで、溝部57をスチフナ34の補強部位として利用することができる。
これにより、ドアシール29をクリップ26を介してセンタピラー22に取り付けることができ、かつ、スチフナ34の剛性を確保することができる。
【0050】
加えて、クリップ26の先端部26aとの干渉を回避するために、スチフナ34に貫通孔を形成する必要がない。
ここで、スチフナ34に貫通孔を形成するためには、スチフナ34をプレス成形する際に、貫通孔をピアス加工で形成する必要がある。
これにより、スチフナ34から貫通孔を除去することで、スチフナ34の成形が容易になり、製造コストを抑えることができる。
【0051】
つぎに、センタピラー22に作用した荷重を支える例を図7に基づいて説明する。
図7に示すように、溝部57は、スチフナ34の上端部34aからスチフナ34の長手方向に下向きに延出させてビード状に形成されている。
よって、センタピラー22に荷重F1が上向きに作用した場合に、作用した荷重F1をビード状の溝部57で支えることができる。
【0052】
一方、センタピラー22に荷重F2が下向きに作用した場合に、作用した荷重F2をビード状の溝部57で支えることができる。
【0053】
なお、本発明に係る車両用ピラー構造15は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、ピラーとしてセンタピラー22を例示したが、これに限らないで、例えば、フロントピラーやリヤピラーなどの他のピラーに適用することも可能である。
【0054】
また、前記実施例では、後フランジ部24に階段状の部位62を形成してアーク溶接する例について説明したが、これに限らないで、前フランジ部23に階段状の部位を形成してアーク溶接することも可能である。
【0055】
さらに、前記実施例で示したセンタピラー22、後フランジ部24、クリップ26、クリップの先端部26a、ドアシール29、アウタパネル31、インナパネル33、スチフナ34、パネル本体41、後アウタフランジ44、後インナフランジ54、溝部57、後スチフナフランジ59および階段状の部位62などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の車両用ピラー構造は、車室外側のアウタパネルおよび車室側のインナパネル間にスチフナが挟持された閉断面構造のピラーを備えた自動車への適用に好適である。
【符号の説明】
【0057】
15…車両用ピラー構造、22…センタピラー(ピラー)、22a…センタピラーの前壁(クリップが取り付けられた側の部位)、22b…センタピラーの後壁(クリップが取り付けられた側の反対側の部位)、24…後フランジ部(フランジ部)、26…クリップ、26a…クリップの先端部、29…ドアシール、31…アウタパネル、32…車室、33…インナパネル、34…スチフナ、39…車室外側、41…パネル本体、44…後アウタフランジ(アウタフランジ)、54…後インナフランジ(インナフランジ)、57…溝部、59…後スチフナフランジ(スチフナフランジ)、62…階段状の部位、D…段差、T1…インナパネルの板厚寸法、T2…アウタパネル31の板厚寸法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室外側のアウタパネルおよび車室側のインナパネル間にスチフナが挟持された閉断面構造のピラーを備え、前記アウタパネルにクリップでドアシールが取り付けられ、前記クリップの先端部が前記スチフナに向けて突出された車両用ピラー構造において、
前記スチフナに、前記クリップの先端部との干渉を回避する溝部が設けられ、
前記溝部が前記スチフナの長手方向に延出されてビード状に形成されたことを特徴とする車両用ピラー構造。
【請求項2】
前記インナパネルの板厚寸法は、前記アウタパネルの板厚寸法に対して大きく設定され、
前記ピラーのうち、前記クリップが取り付けられた側の部位の反対側の部位から車体前後方向に向けてフランジ部が張り出され、
前記フランジ部は、
前記アウタパネルのアウタフランジが前記スチフナのスチフナフランジに重ね合わされるとともに、前記スチフナのフランジが前記インナパネルのインナフランジが重ね合わされた状態で、
前記アウタフランジに対して前記スチフナフランジが張り出されるとともに、前記スチフナフランジに対して前記インナフランジが張り出され、
前記各フランジで形成された階段状の部位が溶接で接合されたことを特徴とする請求項1記載の車両用ピラー構造。
【請求項3】
前記階段状の部位は、車室外側からアーク溶接で接合されたことを特徴とする請求項2記載の車両用ピラー構造。
【請求項4】
前記アウタフランジは、前記アウタパネルのパネル本体に対して車室側に凹まされた段差状に形成されたことを特徴とする請求項3記載の車両用ピラー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−228547(P2010−228547A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77236(P2009−77236)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】