説明

車両用主電動機のファンと通気口の構造

【課題】ファンと排気口の配置を工夫することで,軸方向の空間を確保し、ファンと排気口の構造により,鉄心を配置するための空間を確保し、鉄心長が長い出力の大きな主電動機を構成する。
【解決手段】ファン4を固定子コイルエンド3と排気口6の内径側に配置し,ファン4の出口と排気口6とを誘導板8で連結し,固定子コイルエンド3をファン4と干渉しないよう誘導板8の外径側に配置している。ファン4と排気口6の構造は、ファン4が固定子コイルエンド3と排気口6の内径側に配置されることで,当該部分の軸方向の寸法を短くすることができ,その空間を利用して鉄心長を長くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の台車内に据え付けられている冷却用のファンを備える主電動機の冷却構造に関するもので、ファンと排気口の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自己通風方式の車両用主電動機の冷却には回転子に取り付けられたファンにより冷却風を機内に取り込むことが多い。
図2は冷却ファンを備える自己通風方式の主電動機構造の一例であり,1は固定子,2は回転子,3は固定子コイルエンド,4はファン,5はブラケット,6は排気口,7はフレームである。
【0003】
主電動機の運転時には,回転子に取付けられたファンにより主電動機の内部に冷却風が取り込まれる。
主電動機の出力が大きな場合は鉄心長を長くする必要が多くあるが,軸方向の寸法の制約により,必要な鉄心長を確保できないことがある。一方、通風及び通風口の配置にはそれぞれ配置に自由度がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−356005号公報 図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、ファンと排気口の配置を工夫することで,軸方向の空間を確保し、鉄心長が長い出力の大きな主電動機を構成することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、吸気口から機内の一端側に機外から機内を通して他端側に冷却用ファンにより、通風させて回転子及び固定子を冷却しながら他端側排気口より機外に排気する構成とした主電動機の冷却構造において、前記ファンを固定子コイルエンドと前記排気口の内径側に配置し,前記ファンの出口と前記排気口とを誘導板で連結し,前記固定子コイルエンドを前記ファンと干渉しないよう該誘導板の外径側に配置していることを特徴とする。
【0007】
すなわち、本発明は、ファンが固定子コイルエンドと排気口の内径側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のファンと排気口の構造は、ファンが固定子コイルエンドと排気口の内径側に配置されることで,当該部分の軸方向の寸法を短くすることができ,その空間を利用して鉄心長を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例を示す説明図である。(実施例1)
【図2】従来の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ファンを固定子コイルエンドと排気口の内径側に配置し,ファンの出口と排気口とを誘導板で連結する。また,固定子コイルエンドをファンと干渉しないよう外径側に配置する。
図1により実施形態を以下に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例を示す断面図であって,部品名が図2と同じものは同じ符号で説明する。1は固定子,2は回転子,3は固定子コイルエンド,4はファン,5はブラケット,6は排気口,7はフレーム,8は誘導板である。ファン4は固定子コイルエンド3の内径側に配置される。 排気口6はブラケット5の軸方向に設けられる。誘導板8はブラケット5に取付けまたはブラケット5と一体として設けられている。ファン4の出口,誘導板8,排気口6に至る経路において,機内部と連通していない。固定子コイルエンド3は誘導板8を避けるように外径側に配置されている。
【符号の説明】
【0012】
1 固定子
2 回転子
3 固定子コイルエンド
4 ファン
5 ブラケット
6 排気口
7 フレーム
8 誘導板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口から機内の一端側に機外から機内を通して他端側に冷却用ファンにより、通風させて回転子及び固定子を冷却しながら他端側排気口より機外に排気する構成とした主電動機の冷却構造において、前記ファンを固定子コイルエンドと前記排気口の内径側に配置し,前記ファンの出口と前記排気口とを誘導板で連結し,前記固定子コイルエンドを前記ファンと干渉しないよう該誘導板の外径側に配置していることを特徴とする車両用主電動機の冷却構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−110136(P2012−110136A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257378(P2010−257378)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
【Fターム(参考)】