説明

車両用表示装置

【課題】表示項目を表示部に表示させない場合に光源の光が液晶表示器を透過するのを防止しつつ、利用者が余裕を持って表示領域を視認可能な車両用表示装置を提供する。
【解決手段】所定の表示項目を表示可能な液晶表示器24の表示領域に非表示モードが設定可能で、非表示モードが設定された表示領域を照明する点光源41を減光制御する投射型の車両用表示装置であって、所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することを予測する表示予測手段55を設け、該表示予測手段55の予測結果に基づいて減光制御がなされている点光源41の輝度を表示部に表示項目を表示させるときの輝度まで増加させる増加制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種情報を表示可能な車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両前方のフロントガラスに虚像表示を行うヘッドアップ型の車両用表示装置が知られている。この種の車両用表示装置としては、例えば、TFT等の液晶表示器をバックライトにより照明して凹面鏡等で反射させることでフロントガラスに表示像を投影する表示方式のものがある。そして、このような車両用表示装置においては、表示項目を液晶表示器の表示領域に何も表示させない場合に表示領域を遮光状態にして光源からの光を透過させないようにするものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、液晶表示器の表示領域を遮光状態としても光を完全に遮光するのは物理的に困難であるため、夜間などの周囲が暗い状況になると液晶表示器を透過した光によりフロントガラスの表示領域が僅かに発光して視認され、利用者が運転中に煩わしく感じる場合があった。そのため、液晶表示器において表示領域の非表示モードが選択された場合に、ディスプレイの表示を中止してバックライトを消灯し、警報などの情報が入力された場合にディスプレイに警報の表示項目を表示させる車両用表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−315075号公報
【特許文献2】特許第3510390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した車両用表示装置は、非表示モードが選択された場合にバックライトを消灯させ、警報事象が生じると非表示モードが選択されているはずのディスプレイに警報の表示項目を出現させるため、表示項目の表示開始時に運転中の利用者を驚かせてしまう虞があるという課題がある。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表示項目を表示部に表示させない場合に光源の光が液晶表示器を透過するのを防止しつつ、利用者が余裕を持って表示領域を視認可能な車両用表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、所定の表示項目を表示する透過型の液晶表示器(例えば、実施形態における液晶表示器24)と、該液晶表示器を背後から照明する光源(例えば、実施形態における点光源41)を備えるバックライト(例えば、実施形態におけるバックライト26)と、該バックライトにより照明された前記液晶表示器の前記表示項目を車両の乗員に視認可能に表示する表示部(例えば、実施形態における表示部16)と、前記液晶表示器の表示制御および前記光源の発光制御を行う制御部(例えば、実施形態におけるHUD制御部40)とを備え、該制御部により、前記液晶表示器の表示領域に何れの前記表示項目も表示しない非表示状態の場合に、該表示領域を遮光状態に制御するとともに、該表示領域を照明する光源の輝度を、前記表示部に表示項目を表示する際の輝度よりも減少させる減光制御を行う車両用表示装置であって、所定時間後に前記表示項目の割り込み表示が発生することを予測する表示予測手段(例えば、実施形態における表示予測手段55)を備え、前記制御部は、前記表示領域が非表示状態の場合に、前記表示予測手段の予測結果に基づいて、前記減光制御がなされている光源の輝度を、前記表示部に表示項目を表示させるときの輝度まで増加させる増加制御を行うことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記表示領域を非表示状態にする非表示モードを設定入力可能な操作入力部(例えば、実施形態における操作入力部60)を備え、前記液晶表示器は、複数の前記表示項目を個別に表示可能な複数の表示領域に区分され、前記バックライトは、前記複数の表示領域(例えば、実施形態における上表示領域35、下表示領域36)毎に設けられる複数の光源(例えば、実施形態における点光源41)を有し、前記複数の表示領域は、前記非表示モードが個別に設定可能であり、前記制御部は、前記非表示モードが設定された前記表示領域を遮光状態にすると共に、該遮光状態にされた表示領域に対応する光源の輝度を、前記表示部に表示項目を表示するときの輝度よりも減少させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記車両における現在の危険度を警報レベルとして算出する警報レベル算出手段(例えば、実施形態における警報レベル算出手段54)を設け、前記表示予測手段は、前記警報レベル算出手段により算出された警報レベルに基づいて、所定時間後に前記表示項目の割り込み表示が発生することを予測することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、現在の時間帯が昼間と夜間のいずれであるかを判定する昼夜判定手段(例えば、実施形態における昼夜判定手段56)を設け、前記制御部は、前記昼夜判定手段により昼間であると判定された場合に、前記表示部に前記表示項目を表示するときの前記光源の輝度を第1の輝度に設定し、前記昼夜判定手段により夜間であると判定された場合に、前記表示部に前記表示項目を表示するときの前記光源の輝度を前記第1の輝度よりも低い第2の輝度に設定し、前記表示予測手段により前記割り込み表示の発生が予測されて前記光源の輝度を増加させる場合には前記昼夜判定手段により夜間であると判定されたとしても前記光源の輝度を前記第1の輝度まで増加させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、液晶表示器の背後から光源の光を透過させて液晶表示器の表示項目を表示部に表示させる車両用表示装置において、所定の表示項目が非表示状態の場合に、その表示項目の表示領域を遮光状態にして、さらにこの遮光状態にした表示領域の背後に配置される光源の輝度を所定以下まで減少制御する一方、表示予測手段により所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することが予測された場合に、所定以下にした光源の輝度を増加制御することで、非表示状態のときに、遮光状態にある表示領域の液晶表示器から光源の光が漏れて表示部に反射して発光するのを防止することができると共に、非表示状態から表示項目が割り込み表示される場合には、表示項目の割り込み表示前に事前に液晶表示器から漏れる点光源41の光を利用して表示部16を若干発光させた状態にして利用者の視線を誘導し、表示項目の割り込み表示が所定時間後に開始されることを利用者に認識させることができるため、利用者に余裕を持って割り込み表示される表示項目を視認させることができる効果がある。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、複数の表示領域が設定される場合に、これら複数の表示領域のうち、操作入力部を介して乗員が選択した表示領域を非表示モードに設定することで、非表示モードに設定された液晶表示器の表示領域が遮光状態にされるとともに、遮光状態にした液晶表示器の背後に配置されている光源の輝度が減少されるので、当該非表示モードが設定された表示領域を光源の光が透過して表示部が発光するのを防止することができる。また、非表示モードの表示領域において表示項目が割り込み表示される際には、減少制御されていた光源の輝度が増加されて当該表示領域を透過した光によって表示部が若干発光するため、表示項目の割り込み表示が所定時間後に発生することを利用者に予め認識させることができ、したがって、複数の表示領域が設定されている場合においても、利用者が余裕を持って表示部を視認することができる効果がある。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、請求項1乃至3の何れか一項の効果に加え、警報レベル算出手段により算出された警報レベルに基づいて、表示予測手段により表示項目の割り込み表示、例えば、警報レベルに応じて警報の割り込み表示等が発生することを予測して、警報レベルに基づく表示項目の割り込み表示がされるよりも前に、非表示状態の表示領域に対応する光源の輝度を増加させて、この表示領域を透過した光により表示部を若干発光させることができるため、警報レベルに基づく表示項目の割り込み表示がなされる際に利用者を驚かせることがない。また、警報レベルに基づく表示項目が割り込み表示される前に光源の輝度を増加させるので、実際に割り込み表示を行うタイミングとなったときには速やかに表示部に警報レベルに基づく表示項目を表示させることができる効果がある。
【0013】
請求項4に記載した発明によれば、昼夜判定手段により現在の時間帯が昼間か夜間かを判定して、夜間であると判定された場合に、表示項目を表示するときの光源の輝度を昼間用の第1の輝度よりも低い夜間用の第2の輝度に設定することで、夜間に表示部が眩しくなるのを防止しつつ、所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することが予測されている場合には、夜間であると判定されていたとしても、昼間用の第1の輝度により光源を発光させるため、夜間用の第2の輝度により光源を点灯させる場合と比較して割り込み表示前における表示部の発光および、割り込みによる表示項目の表示像が明るくなるので、表示項目の割り込み表示が行われることを乗員に気付かせることができ、乗員の視線をより確実に表示部へ誘導させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態における車両用表示装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態における液晶表示器の各表示領域を示す図である。
【図3】図2の液晶表示器の各表示領域に対応するバックライトの点光源41の配置を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における投射装置の液晶表示器とバックライトとの配置を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態におけるHUD制御部とメータ制御部とを示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態におけるHUD制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態における点光源の夜間用の輝度範囲および昼間用の輝度範囲を示すグラフである。
【図8】本発明の実施形態における上表示領域に非表示モードが設定された場合の液晶表示器の正面図である。
【図9】本発明の実施形態における表示項目が割り込み表示される直前の液晶表示器の正面図である。
【図10】本発明の実施形態における警報レベルが高い場合の表示項目が全画面表示領域に割り込み表示された液晶表示器の正面図である。
【図11】本発明の実施形態における警報レベルが低い場合の表示項目が上表示領域に割り込み表示された液晶表示器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明の実施形態における車両用表示装置について図面を参照しながら説明する。
この実施形態の車両用表示装置10は、車両のフロントガラス11の車室内側表面に光を反射させることで、乗員に対する注意喚起などの情報を含む表示像を表示するものである。
【0016】
図1は、車両の運転席前方に配置される車両用表示装置10の縦断面を示したものであり、車両の車室内前方には、図示しないフロアパネル前部から車幅方向に亘って立ち上がるダッシュボードアッパー13が形成され、このダッシュボードアッパー13の上縁に車幅方向に亘ってカウルトップ14が配置されている。そして、車室前方の開口(図示略)には、上記カウルトップ14の付近から車室後方に立ち上がる傾斜状態でフロントガラス11が取り付けられている。このフロントガラス11の車室内側の表面の所定の領域(以下、単に表示部と称す)16には、後述する投射装置18から出る光が反射されて表示像として表示されるようになっている。
【0017】
上記ダッシュボードアッパー13の車室内側には、インストゥルメントパネル17が車幅方向に亘って取り付けられている。このインストゥルメントパネル17には、図示しないカーナビゲーション装置などの車載機器やスピードメータなどの計器類が取り付けられる。またインストゥルメントパネル17には、フロントガラス11近傍に、車両用表示装置10を構成する投射装置18を収容するための収容部19が形成され、この収容部19の開口20がインストゥルメントパネル17の上面21に配置されている。
【0018】
投射装置18は、フロントガラス11の表示部16へ表示像を反射表示させるための光を投射する装置である。この投射装置18は、上部開口部22が形成されたハウジング23を備えており、このハウジング23内に、液晶表示器24、光拡散板25、バックライト26およびヒートシンク29を備えた投射器32と、平面ミラー27と、凹面ミラー28とをそれぞれ収容している。また、ハウジング23には、上部開口部22を閉塞するカバー部材30が取り付けられている。
【0019】
液晶表示器24は、TFT(Thin Film Transistor)などの透過型の液晶表示器であり、後述するHUD制御部40(図5、図6参照)からの制御指令に基づいて車速計や燃料計などの所定の表示項目を映し出す。この液晶表示器24に映し出される表示項目は、光が透過可能になっており、例えば、表示項目が文字で表示される場合は、文字を構成する線の部分だけ光が透過して、その周囲は背景として遮光される。
【0020】
液晶表示器24は、図2に示すように正面視略矩形に形成され、液晶表示器24全体を単一の全画面表示領域34(後述する)として利用可能であるとともに、複数の表示領域より具体的には、上表示領域35および上表示領域35よりもやや小さい下表示領域36の上下2つの領域に区画して利用可能になっている。全画面表示領域34、上表示領域35および下表示領域36には、HUD制御部40によってそれぞれ個別に文字や映像などからなる表示項目が表示可能であり、表示項目が表示されない非表示状態の場合には、その表示領域全体に背景を表示するなどしてバックライト26の光を遮光するようになっている。なお、図2では、上表示領域35に表示項目として燃料計を表示し、下表示領域36に表示項目として車速計を表示した液晶表示器24の一例を示している。また、図2において、表示項目の周囲で遮光状態とされているにも関わらずバックライト26からの光を若干透過している様子を網掛けで示している(以下、図8〜図11も同様)。
【0021】
光拡散板25は、バックライト26の光を拡散するものであり、液晶表示器24とバックライト26との間に配置されている。この光拡散板25によってバックライト26から発せられた光が液晶表示器24の背面へ到達するまでの間に拡散されて、液晶表示器24の各表示領域の背面に略均一に到達するようになっている。
【0022】
バックライト26は、図3、図4に示すように複数の点光源41を実装した基板42を備えている。この基板42上に配置された複数の点光源41は、それぞれ所定の間隔で規則的に配列され(図3中、3行5列に配置した場合の一例を示す)、液晶表示器24をその背面側(背後)から照明する。また、バックライト26は、HUD制御部40の制御指令に基づいて液晶表示器24の各表示領域、より具体的には上・下表示領域35,36、に対向するエリア毎に、より具体的には上エリア43および下エリア44(図3参照)毎に、点光源41が点灯制御、消灯制御および減光制御される。バックライト26の点光源41としては、例えば、白色のLED(Light Emitting Diode)などが用いられる。ここで、図4は上述した液晶表示器24、光拡散板25、およびバックライト26の配置関係を模式的に示したものであり、液晶表示器24とバックライト26の基板42とは互いに平行に配置され、液晶表示器24側の基板42上に点光源41が実装されている。また、液晶表示器24の背面側には光拡散板25が液晶表示器24と密着した状態で配置されている。なお、バックライト26には、図1に示すように点光源41を冷却するためのヒートシンク29が取り付けられており、このヒートシンク29がハウジング23のロアケース31内に収容される。
【0023】
すなわち、液晶表示器24、光拡散板25およびバックライト26をそれぞれ上述した構成とすることで、例えば液晶表示器24の上表示領域35または下表示領域36に表示項目が表示されて、当該上表示領域35および下表示領域36に対向する上エリア43、下エリア44に配置されたバックライト26の点光源41が点灯制御されると、この点光源41の光が光拡散板25で拡散されて液晶表示器24の背面に均一に照射されて、液晶表示器24に映し出された表示項目を透過することとなる。なお、この実施形態では液晶表示器24を上下2分割して上表示領域35と下表示領域36とを設定する場合について説明したが、表示領域は上下2分割に限られるものではなく例えば、左右や対角線方向に分割したり、表示領域を3つ以上設定してもよい。また、各表示領域の大きさは適宜割り振ればよい。
【0024】
平面ミラー27は、液晶表示器24を透過したバックライト26の光すなわち液晶表示器24に映し出された表示項目を凹面ミラー28方向に反射する。
凹面ミラー28は、所定の凹形状に形成され、平面ミラー27による反射光を受けてフロントガラス11の表示部16へ向けてさらに反射する。この凹面ミラー28の所定の凹形状により、フロントガラス11が傾斜配置されていることに起因する表示部16の表示像の歪みが補正される。そして表示像の歪みが補正されることで、液晶表示器24に表示される表示項目の通りに表示部16の表示(反射)像が利用者により視認可能となる。なお、光路上に拡大レンズを配置して表示部16に表示される表示項目を拡大するようにしてもよい。
【0025】
カバー部材30は、ハウジング23への塵埃や異物などの浸入を防ぐために開口20を閉塞する部材であって、平板状または、車両前後方向に沿って若干湾曲する断面略円弧状に形成されている。カバー部材30は、投射光を十分に透過可能な透明な樹脂または透明なガラスによって形成され、その上面が水平よりも若干車両前方側に傾斜して取り付けられる。
【0026】
つまり、上記構成を備えた投射装置18では、液晶表示器24が背面からバックライト26により照明されることで、その光が液晶表示器24に映し出された表示項目を透過し、この透過した光が平面ミラー27および凹面ミラー28で反射して、透明なカバー部材30を透過した後、表示部16で反射されて表示像として利用者の視点領域に到達することとなる。
【0027】
HUD制御部40(図5、図6参照)は、上述した液晶表示器24の表示制御および点光源41の発光制御、より具体的には、液晶表示器24に設定される全画面表示領域34、上表示領域35および下表示領域36に対して個別に表示項目の表示制御を行うとともに、上述した上・下エリア43,44毎に点光源41の点灯制御、消灯制御および減光制御を輝度調整により行う。
【0028】
図6に示すように、HUD制御部40には操作入力部60が接続され、この操作入力部60により、複数の表示領域、より具体的には上表示領域35および下表示領域36に対して個別に非表示モードが設定可能になっている。この非表示モードを設定する操作はステアリングホイールに設けられた操作スイッチ(不図示)等を介して行われる。なお、操作入力部60により非表示モードを設定する操作は、表示領域を選択する選択操作と、この操作内容を確定する確定操作とからなる。
【0029】
HUD制御部40は、液晶表示器24の上表示領域35および下表示領域36の各表示領域について、操作入力部60を介して非表示モードが設定されると、非表示モードが設定された表示領域の表示項目を非表示状態、より具体的には、表示領域を遮光状態に制御するとともに、当該表示領域に対応するエリアに配置された点光源41を所定の輝度まで減光制御する。
【0030】
ここで、液晶表示器24が遮光状態に制御されたとしても、遮光状態の液晶表示器24によってバックライト26の光を完全に遮断するのは物理的に無理であるため、上述したHUD制御部40は、遮光状態の液晶表示器24から漏れる光によって表示部16の発光が視認できない程度の十分低い所定の輝度で点光源41を減光制御している。図8は、非表示モードに設定された上表示領域35に対向する上エリア43に配置された点光源41を減光制御する一方、非表示モードに設定されていない下表示領域36に車速計の表示項目を表示する表示制御を行っている場合を示している。上述のように減光制御を行うことで、例えば点光源41の点灯状態が維持されつつ遮光状態の液晶表示器24から漏れた点光源41の光により表示部16が若干発光してしまうのを防止できるとともに、点光源41を完全に消灯する場合と比較して迅速に点光源41の輝度を増加することが可能となっている。なお、車両のイグニッションがOFF状態とされ次にON状態とされるまでの間、点光源41は消灯制御される。
【0031】
図5に示すように、HUD制御部40は、車両のインストゥルメントパネル17に設けられた計器類を制御するメータ制御部47に接続されている。このメータ制御部47には、シートベルトセンサや車速センサ等の各種センサ(不図示)により検出された車両の状態情報が入力されるようになっており、このメータ制御部47を介して車両の状態情報がHUD制御部40に入力される。またメータ制御部47には、車両の運転席前方のメータパネル内等に配置されたマルチインフォメーションディスプレイ50が接続されている。このマルチインフォメーションディスプレイ50は液晶ディスプレイ48およびバックライト49を備えて構成され、操作入力部60への操作入力により車両の状態情報等の様々な情報が表示可能になっている。
【0032】
図6に示すように、上述した車両用表示装置10の搭載される車両には、障害物検知手段52および異常検知手段53が設けられ、これら障害物検知手段52および異常検知手段53の検知結果に基づいてHUD制御部40の表示制御により警報の表示項目が表示部16に表示されるようになっている。
【0033】
障害物検知手段52は、ミリ波レーダ(不図示)等の検出結果に基づいて自車両の前方の障害物を検知し、障害物までの距離や相対距離に基づき障害物と自車両との衝突余裕時間TCC(Time to collision)を算出する。そして障害物検知手段52は、算出された衝突余裕時間TCCの情報をHUD制御部40およびメータ制御部47へ向けて出力する。
【0034】
また、HUD制御部40には、異常検知手段53、警報レベル算出手段54、表示予測手段55、および、昼夜判定手段56が設けられている。
異常検知手段53は、メータ制御部47より入力される車両の状態情報などに基づいて、緊急性が比較的低い異常状態、例えばシートベルトの未着用や速度超過などを検知する。
【0035】
警報レベル算出手段54は、上述した障害物検知手段52の衝突余裕時間TCCの情報や、異常検知手段53の検知結果に基づいて、車両の現在の危険度、より具体的には衝突可能性やその緊急性に応じた警報レベルを算出する。なお、警報レベル算出手段54から出力される警報レベルの情報には警報の種類を識別する識別情報が含まれている。また、上記警報レベル算出手段54により警報レベルを算出する場合について説明したが、警報の種類や衝突余裕時間TCCのマップやテーブルなどを不揮発性のメモリに予め記憶させておき、これらマップやテーブルなどを参照して警報レベルを求めるようにしても良い。
【0036】
表示予測手段55は、所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することを、例えば警報レベルに基づいて予測する。換言すれば、表示予測手段55は、所定時間後に表示部16への表示項目の投射が必要となる車両状態にあることを警報レベルなどに基づいて判断する。ここで、表示項目の割り込み表示とは、非表示モードに設定された表示領域に対して、非表示モードを一旦解除して、警報等の表示項目を表示することを意味している。
【0037】
昼夜判定手段56は、車載されたカーナビゲーション装置(不図示)のGPSアンテナで受信されるGPS信号や車載された時計などの現在時刻情報に基づき現在の時間帯が昼間か夜間かを判定するか、又は、車両のヘッドライトのON/OFFの状態に基づいて昼夜判定する。
【0038】
HUD制御部40は、昼夜判定手段56の判定結果に基づいて、液晶表示器24に表示項目を表示する際の点光源41の輝度を制御する。より具体的には、昼夜判定手段56により昼間であると判定された場合には、点光源41の輝度を比較的高めの昼間用の第1の輝度(例えば、5000[cd/m]程度)に設定し、また、夜間であると判定された場合には、点光源41の輝度を上記第1の輝度よりも低い夜間用の第2の輝度(例えば、50[cd/m]程度)に設定する。このように相対的に輝度の高い第1の輝度を昼間用として設定するのは車室外が明るいためであり、例えば車室外が明るい状態で輝度が低いと表示部16の表示項目が視認し難くなるからである。また相対的に輝度の低い第2の輝度を夜間用として設定するのは車室外が暗いためであり、例えば車室外が暗い状態で輝度が高いと表示部16が眩しく感じる虞があるからである。
【0039】
HUD制御部40は、バックライト26の各点光源41の輝度をPWM(Pulse Width Modulation)制御により調整する。図7はバックライト26の輝度[Cd/m]を縦軸、バックライト26駆動時のPWMデューティ比[%]を横軸としたグラフであり、夜間用の輝度範囲と昼間用の輝度範囲とをそれぞれ示している。夜間用の輝度範囲は昼間用の輝度範囲よりも相対的に低い輝度範囲となっており(図7中矢印で示す)、昼間用の輝度範囲内に第1の輝度が設定され、夜間用の輝度範囲内に第2の輝度が設定される。お、図7は、昼間にトンネルなど暗い場所を通過することを想定して車室外の照度に応じて第1の輝度を調整する場合の一例であり、夜間用の輝度範囲の上側部分と昼間用の輝度範囲の下側部分とが若干重複しているが、重複する部分が生じないように昼間用の輝度範囲を設定してもよい。また第1の輝度と第2の輝度との少なくとも何れか一方が上記重複部分に設定される場合、「第2の輝度」<「第1の輝度」の関係が維持されるように第1の輝度および第2の輝度が設定される。
【0040】
HUD制御部40は、投射装置18によって警報の表示項目の割り込み表示を、表示部16に投射させる。この際、HUD制御部40は、液晶表示器24上の表示項目を、警報レベルが相対的に高い場合には大きく映し出し、警報レベルが相対的に低い場合には警報レベルが高い場合よりも小さく映し出す表示制御を行う。ここで、表示項目の大小は、表示項目を表示する表示領域の面積に応じて変化される。例えば、表示項目を大きく映し出す場合は、全画面表示領域34のように、複数の表示領域を結合した面積の広い表示領域に表示する一方、表示項目を小さく映し出す場合は、相対的に面積の狭い表示領域に表示する。なお、本実施形態では、警報の表示項目を大きく映し出す際に全画面表示領域34を用い、警報の表示項目を小さく映し出す際に上表示領域35を用いる場合を一例にして説明する。
【0041】
またHUD制御部40は、液晶表示器24に設定されている上表示領域35と下表示領域36との少なくとも一方が非表示モードとされている場合に、表示予測手段55により所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することが予測されると、非表示モードが設定された表示領域を照明する点光源41つまり、非表示モードにより所定輝度以下に減光制御されている点光源41の輝度を、昼夜判定手段56による判定結果に関わらず第1の輝度まで増加制御する。このようにすることで、特に夜間の場合に、割り込み表示ではない通常表示の表示項目よりも割り込み表示の表示項目を高輝度で表示部16に表示させることができるとともに、割り込み表示前に確実に乗員に認識させることができる。
【0042】
この実施形態の車両用表示装置10は上述した構成を備えており、次にこの車両用表示装置10の動作の一例について説明する。
まず、利用者が車両のイグニッションをON操作すると、車両用表示装置10が起動する。起動直後は、HUD制御部40によって前回イグニッションOFF時の状態や、初期設定の状態となるように表示制御される。ここでは図2に示す表示状態すなわち、上表示領域35に燃料計、下表示領域36に車速計を表示項目として表示した状態を起動直後の状態として説明する。
【0043】
HUD制御部40は、投射装置18の液晶表示器24を上表示領域35および下表示領域36に区画し、それぞれ上表示領域35および下表示領域36に個別に表示項目を映し出す。ここで、利用者によって表示内容の変更操作がなされると、上述した燃料計や車速計以外の表示項目、例えば、エンジン回転数計、シフトポジションインジケータ、オーディオ情報等が表示項目として映し出される。
またこの際、昼夜判定手段56により昼間と判定されると、バックライト26の点光源41を第1の輝度に調整して液晶表示器24の表示項目を背後から照明する一方、夜間と判定されると、バックライト26の点光源41を第2の輝度に調整して液晶表示器24の表示項目を背後から照明する。
【0044】
非表示モードではない通常表示モード時において、警報レベル算出手段54により算出された警報レベルが高く例えば、追突の可能性がある場合には、現在表示されている表示項目に対する割り込み表示を行い、全画面表示領域34に切り換えて「追突注意」等の表示項目を映し出し、この表示項目を表示部16に表示像として投射する(図10参照)。一方、警報レベルが比較的低いシートベルトの未着用の場合には、上表示領域35に現在表示されている表示項目に対して割り込み表示を行い、図11に示すように上表示領域35のみにシートベルトの着用を促す表示項目を映し出して、この表示項目を表示部16に表示像として投射する。
【0045】
一方、利用者が、例えば、表示部16に表示される表示項目の表示像が煩わしいなどと感じて、操作入力部60を介して上表示領域35に対して非表示モードを設定すると、上表示領域35を遮光状態にすると共に上エリア43の点光源41を上述した所定の輝度に減少制御し、また、下表示領域36に非表示モードが設定された場合は、下表示領域36を遮光状態にすると共に下エリア44の点光源41を上述した所定の輝度に減少制御する。これにより表示項目が表示されていた表示部16の表示像は消え、さらに表示部16の、上・下表示領域35,36に対応する部分の発光が防止される。
【0046】
そして、上表示領域35、下表示領域36の少なくとも何れか一方に対して非表示モードが設定された状態で、表示予測手段55により所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生すると予測されると、非表示モードの表示領域に対応したエリアの点光源41、換言すれば所定輝度以下に減少されている点光源41の輝度を、液晶表示器24に割り込み表示による表示項目が映し出されるよりも前に、例えば割り込み表示が発生されることが予測された時点から、第1の輝度に増加させる。なお、上述した通常表示モードと同様に、警報レベルが高い場合には警報の表示項目が全画面表示領域34に映し出され、警報レベルが低い場合には警報の表示項目が上・下表示領域35,36の何れか一方に映し出される。
【0047】
図8〜図11は、非表示モードが上表示領域35に設定されている場合に、非表示状態から割り込み表示による表示項目が表示されるまでの液晶表示器24の表示例を示している。なお、液晶表示器24の表示内容と表示部16の表示内容とは同一であるため、液晶表示器24の表示を用いて以下に説明する。
まず、図8に示すように非表示モードに設定された上表示領域35が非表示状態で、表示予測手段55により所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生すると予測されると、表示項目が表示されていない上表示領域35に対応する上エリア43の減光制御されている点光源41の輝度を、上述した所定の輝度から第1の輝度まで増加させる。すると、図9に示すように、遮光状態の上表示領域35を点光源41の光が透過して、この透過光が表示部16に投射されて上表示領域35に対応する部分が若干発光して視認されるようになる。なお、図9では、上表示領域35の縁部から所定幅の範囲に点光源41の光が照射されない場合を示しているが、上表示領域35の縁部を含む全面に点光源41の光を照射するようにしても良い。
【0048】
次いで、所定時間が経過すると、液晶表示器24の所定の表示領域に警報の割り込み表示がなされる。例えば、警報レベルが高い追突可能性がある場合などの割り込み表示は、図10に示すように、非表示モードが設定されていない下表示領域36の表示項目が消された後、上表示領域35と下表示領域36とを結合した全画面表示領域34になされる。一方、警報レベルが比較的低いシートベルト未着用の場合などの割り込み表示は、上表示領域35又は下表示領域36(図11では上表示領域35の場合を示す)になされる。この警報レベルが比較的低い場合にも、割り込み表示が行われる前に表示されている表示項目が一旦消去される。
【0049】
その後、警報の表示項目が割り込み表示されてから、所定時間経過またはその警報の割り込みを生じさせた状態が解消されると、当該割り込み表示を消去して割り込み直前の状態すなわち、上表示領域35に非表示モードが設定された図8に示す表示状態に戻る。なお、表示モードが設定されていない図2に示す表示状態に戻るようにしても良い
【0050】
したがって、上述した実施形態の車両用表示装置によれば、液晶表示器24の背後から点光源41の光を透過させて液晶表示器24の表示項目を表示部16に表示させる車両用表示装置10において、所定の表示項目が非表示状態の場合に、その表示項目の表示領域を遮光状態にして、さらにこの遮光状態にした表示領域の背後に配置される点光源41の輝度を所定以下まで減少制御する一方、表示予測手段55により所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することが予測された場合に、所定以下にした点光源41の輝度を増加制御することで、非表示状態のときに、遮光状態にある表示領域の液晶表示器24から点光源41の光が漏れて表示部16に反射して発光するのを防止することができる。
【0051】
さらに、非表示状態から表示項目が割り込み表示される場合には、表示項目の割り込み表示前に事前に液晶表示器24から漏れる点光源41光を利用して表示部16を若干発光させた状態にして利用者の視線を誘導し、表示項目の割り込み表示が所定時間後に開始されることを利用者に認識させることができるため、利用者に余裕を持って割り込み表示される表示項目を視認させることができる。
【0052】
また、上表示領域35、下表示領域36が設定される場合に、これらの表示領域のうち、操作入力部60を介して乗員が選択した表示領域を非表示モードに設定することで、非表示モードに設定された表示領域が遮光状態にされるとともに、遮光状態にした表示領域の背後に配置されている点光源41の輝度が減少制御されるので、当該非表示モードが設定された表示領域を点光源41の光が透過して表示部16が発光するのを防止することができる。
また、上表示領域35、下表示領域36が設定される場合に、非表示モードの表示領域において表示項目が割り込み表示される際には、減少制御されていた点光源41の輝度が増加されて当該表示領域を透過した光によって表示部16が若干発光するため、表示項目の割り込み表示が所定時間後に発生することを利用者に予め認識させることができ、したがって、利用者が余裕を持って表示部16を視認することができる。
【0053】
さらに、警報レベル算出手段54により算出された警報レベルに基づいて、表示予測手段55により警報レベルに応じた警報の表示項目の割り込み表示が発生することを予測して、警報レベルに応じた警報の表示項目の割り込み表示がされるよりも前に、非表示状態の表示領域に対応する点光源41の輝度を増加させて、この表示領域を透過した点光源41の光により表示部16を若干発光させることができるため、警報レベルに基づく表示項目の割り込み表示がなされる際に利用者を驚かせることがない。また、警報レベルに基づく警報の表示項目が割り込み表示される前に点光源41の輝度を増加させるので、実際に割り込み表示を行うタイミングとなったときには速やかに表示部16に警報レベルに表示項目を表示させることができる。
【0054】
また、昼夜判定手段56により現在の時間帯が昼間か夜間かを判定して、夜間であると判定された場合に、点光源41の輝度を昼間用の第1の輝度よりも低い夜間用の第2の輝度に設定することで、夜間に表示部16が眩しくなるのを防止しつつ、所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することが予測されている場合には、夜間であると判定されていたとしても、昼間用の第1の輝度により点光源41を点灯させるため、夜間用の第2の輝度により点光源41を点灯させる場合と比較して割り込み表示前における表示部16の発光および、割り込みによる表示項目の表示が明るくなるので、より確実に表示項目の割り込み表示が行われることを乗員に気付かせることができ、乗員の視線を表示部16へ誘導させることができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、障害物検知手段52により検知された障害物までの衝突余裕時間TCCに基づき警報の割り込み表示を行う場合について説明したが、例えば、現在車速に基づき、前方のカーブを適正に通過可能か否かを判定して、通過可能でないと判定された場合に警報の割り込み表示を行うようにしても良い。
【0056】
また、HUD制御部40に警報レベル算出手段54、表示予測手段55、および、昼夜判定手段56を設ける場合について説明したが、これらの構成をHUD制御部40とは個別に設け、警報レベル算出手段54による算出結果、表示予測手段55による予測結果、および、昼夜判定手段56による判定結果をそれぞれHUD制御部40へ送信するようにしても良い。
【0057】
また、上記実施形態では警報レベルに基づいて表示予測手段55が所定時間後に表示項目の割り込み表示が発生することを予測する場合について説明したが、この構成に限られず、例えば、走行状態が変化したときにこの走行情報を割り込み表示するように設定して、この走行情報の割り込み表示が発生することを表示予測手段55により予測し、この予測結果に基づいてバックライト26の発光制御を行うようにしても良い。
【0058】
さらに、上述した実施形態では、警報の表示項目を表示するときにバックライト26の輝度を第1の輝度に設定する場合を説明したが、第1の輝度を、徐々に、または段階的に第1の輝度まで上昇させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0059】
16 表示部
24 液晶表示器
26 バックライト
35 上表示領域
36 下表示領域
40 HUD制御部(制御部)
41 点光源(光源)
54 警報レベル算出手段
55 表示予測手段
56 昼夜判定手段
60 操作入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表示項目を表示する透過型の液晶表示器と、
該液晶表示器を背後から照明する光源を備えるバックライトと、
該バックライトにより照明された前記液晶表示器の前記表示項目を車両の乗員に視認可能に表示する表示部と、
前記液晶表示器の表示制御および前記光源の発光制御を行う制御部とを備え、
該制御部により、前記液晶表示器の表示領域に何れの前記表示項目も表示しない非表示状態の場合に、該表示領域を遮光状態に制御するとともに、該表示領域を照明する光源の輝度を、前記表示部に表示項目を表示する際の輝度よりも減少させる減光制御を行う車両用表示装置であって、
所定時間後に前記表示項目の割り込み表示が発生することを予測する表示予測手段を備え、
前記制御部は、前記表示領域が非表示状態の場合に、前記表示予測手段の予測結果に基づいて、前記減光制御がなされている光源の輝度を、前記表示部に表示項目を表示するときの輝度まで増加させる増加制御を行うことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示領域を非表示状態にする非表示モードを設定入力可能な操作入力部を備え、
前記液晶表示器は、複数の前記表示項目を個別に表示可能な複数の表示領域に区分され、
前記バックライトは、前記複数の表示領域毎に設けられる複数の光源を有し、
前記複数の表示領域は、前記非表示モードが個別に設定可能であり、
前記制御部は、前記非表示モードが設定された前記表示領域を遮光状態にすると共に、該遮光状態にされた表示領域に対応する光源の輝度を、前記表示部に表示項目を表示するときの輝度よりも減少させることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記車両における現在の危険度を警報レベルとして算出する警報レベル算出手段を設け、
前記表示予測手段は、前記警報レベル算出手段により算出された警報レベルに基づいて、所定時間後に前記表示項目の割り込み表示が発生することを予測することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
現在の時間帯が昼間と夜間のいずれであるかを判定する昼夜判定手段を設け、
前記制御部は、前記昼夜判定手段により昼間であると判定された場合に、前記表示部に前記表示項目を表示するときの前記光源の輝度を第1の輝度に設定し、前記昼夜判定手段により夜間であると判定された場合に、前記表示部に前記表示項目を表示するときの前記光源の輝度を前記第1の輝度よりも低い第2の輝度に設定し、前記表示予測手段により前記割り込み表示の発生が予測されて前記光源の輝度を増加させる場合には前記昼夜判定手段により夜間であると判定されたとしても前記光源の輝度を前記第1の輝度まで増加させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−93454(P2011−93454A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250316(P2009−250316)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】