説明

車両用走行案内装置、車両用走行案内方法及びコンピュータプログラム

【課題】充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアをユーザに判別させることを可能とした車両用走行案内装置、車両用走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】検索対象範囲内に位置する充電施設を検索し、検索対象範囲内に充電施設が位置する場合には、充電施設毎に、充電施設から走行を開始した車両2が、バッテリ3の最大充電エネルギ量の所定割合を消費することにより走行可能な走行可能範囲を算出し、算出された走行可能範囲に基づいて液晶ディスプレイ15に表示される地図画像の表示態様を変更するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載バッテリへの充電を行う充電施設に関する案内を行う車両用走行案内装置、車両用走行案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置では、自車の現在位置の周辺にある施設のジャンルや位置を案内したり、ユーザの指定したジャンルに該当する施設の位置や施設までの経路を案内することも行われている。
【0003】
また、近年においては、エンジンを駆動源とするガソリン車以外にもバッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両等が存在する。
【0004】
そして、このような電気自動車やハイブリッド車両が備えるバッテリの充電を行う方法としては、車両走行中において減速時や降坂路走行中に発生するモータの回生電力で充電を行う方法、エンジンに基づいて駆動される発電機を用いて充電を行う方法に加えて、自宅や専用の充電施設で充電を行う方法がある。また、このような電気自動車やハイブリッド車両では、バッテリが満充電の状態であっても、モータのみを駆動源として走行可能な距離はそれほど長くない。
【0005】
従って、走行中の電気自動車やハイブリッド車両に対しては、バッテリの充電を行うことが可能な充電設備を備えた充電施設を案内することが重要であった。そこで、例えば特開2009−25128号公報には、車両周辺の地図を表示するとともに、バッテリの充電時間(例えば10分、20分、30分)毎に充電後における車両の現在位置からの走行可能範囲を算出し、算出された走行可能範囲を地図上に表示し、更に走行可能範囲内に位置する施設を案内する技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−25128号公報(第10頁〜第11頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記特許文献1に記載の技術によれば、走行可能範囲内に充電施設がある場合には、充電施設の位置と充電施設まで走行するのに必要なバッテリの充電時間を把握することが可能となる。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、車両周辺にある充電施設の位置を案内することは可能であったが、車両周辺に無い充電施設(例えば、ディスプレイの表示エリア外にある充電施設)については案内することができなかった。また、施設検索を行えば車両から離れた充電施設についても案内を受けることが可能であるが、その場合には、車両の現在位置と充電施設との位置関係が分かりにくく、また、車両の走行可能範囲と関連付けた案内を行うことができなかった。
【0008】
また、上記特許文献1に記載の技術では、充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアを判別することができない問題があった。例えば、充電施設が高密度で分布しているエリアは充電施設によってカバーされているエリアであり、ユーザは車載バッテリの残量が減少しても近くの充電施設にすぐに立ち寄ることができるので、バッテリ残量にそれほど気を配ることなく走行することが可能となる。一方、充電施設があまり分布していない過疎エリアは充電施設によってカバーされていないエリアであり、ユーザは車載バッテリの残量が減少しても近くの充電施設にすぐに立ち寄ることができないので、比較的余裕を持って充電施設に立ち寄ることを心がけた走行が必要となる。上記特許文献1に記載の技術では、車両の現在位置からの走行可能範囲と充電施設の位置については特定できるものの、車両の現在位置からの走行可能範囲と充電施設の位置のみからでは上記のような充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアを判別することができなかった。
【0009】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアをユーザに判別させることが可能となり、車両の走行するエリアに応じた走行をユーザに行わせることを可能とした車両用走行案内装置、車両用走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る車両用走行案内装置(1)は、表示装置(15)に地図画像を表示する地図画像表示手段(13)と、車載バッテリ(3)に蓄電されているエネルギにより駆動される駆動モータ(5)を駆動源とする車両(2)の前記車載バッテリの最大充電エネルギ量を取得する最大エネルギ量取得手段(13)と、前記車載バッテリの充電をすることが可能な充電施設(4)に関する情報を取得する充電施設情報取得手段(13)と、前記最大エネルギ量取得手段により取得した前記最大充電エネルギ量と前記充電施設情報取得手段により取得した前記充電施設に関する情報とに基づいて、前記車両が前記充電施設から前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲(52〜54)を取得する走行可能範囲取得手段(13)と、前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とする表示態様変更手段(13)と、を有することを特徴とする。
尚、「最大充電エネルギ量」とは、車載バッテリに対して充電可能なエネルギの最大量である。
【0011】
また、請求項2に係る車両用走行案内装置(1)は、請求項1に記載の車両用走行案内装置であって、前記所定割合は複数種類の割合を含み、前記走行可能範囲取得手段(13)は、前記複数種類の割合毎に前記走行可能範囲(52〜54)を取得し、前記表示態様変更手段(13)は、前記複数の走行可能範囲毎に前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とすることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る車両用走行案内装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の車両用走行案内装置であって、前記表示装置(15)に表示される地図画像上の所定地点から前記車両(2)が前記最大充電エネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲内に位置する前記充電施設(4)を検索する充電施設検索手段(13)を有し、前記走行可能範囲取得手段(13)は、前記充電施設検索手段によって検索された前記充電施設のそれぞれについて当該充電施設から走行可能な走行可能範囲(52〜54)を取得することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に係る車両用走行案内装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用走行案内装置であって、前記車載バッテリ(3)のエネルギ残量を、前記最大充電エネルギ量に対する割合に応じた色を用いて案内するバッテリ残量案内手段(13)を有し、前記表示態様変更手段(13)は、前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲(52〜54)に含まれる地図画像を、前記バッテリ残量案内手段により案内される色の内、当該所定割合に対応する色で表示することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る車両用走行案内方法は、表示装置(15)に地図画像を表示する地図画像表示ステップと、車載バッテリ(3)に蓄電されているエネルギにより駆動される駆動モータ(5)を駆動源とする車両(2)の前記車載バッテリの最大充電エネルギ量を取得する最大エネルギ量取得ステップと、前記車載バッテリの充電をすることが可能な充電施設(4)に関する情報を取得する充電施設情報取得ステップと、前記最大エネルギ量取得ステップにより取得した前記最大充電エネルギ量と前記充電施設情報取得ステップにより取得した前記充電施設に関する情報とに基づいて、前記車両が前記充電施設から前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲(52〜54)を取得する走行可能範囲取得ステップと、前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とする表示態様変更ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
更に、請求項6に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、表示装置(15)に地図画像を表示する地図画像表示機能と、車載バッテリ(3)に蓄電されているエネルギにより駆動される駆動モータ(5)を駆動源とする車両(2)の前記車載バッテリの最大充電エネルギ量を取得する最大エネルギ量取得機能と、前記車載バッテリの充電をすることが可能な充電施設(4)に関する情報を取得する充電施設情報取得機能と、前記最大エネルギ量取得機能により取得した前記最大充電エネルギ量と前記充電施設情報取得機能により取得した前記充電施設に関する情報とに基づいて、前記車両が前記充電施設から前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲(52〜54)を取得する走行可能範囲取得機能と、前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とする表示態様変更機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
前記構成を有する請求項1に記載の車両用走行案内装置によれば、車両が充電施設から最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲に含まれる地図画像と含まれない地図画像とを異なる表示態様で表示するので、充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアをユーザに判別させることが可能となる。その結果、車両の走行するエリアに応じた走行をユーザに行わせることが可能となる。
【0017】
また、請求項2に記載の車両用走行案内装置によれば、走行可能範囲を最大充電エネルギ量に対する割合毎に複数取得し、複数の走行可能範囲毎に走行可能範囲に含まれる地図画像と含まれない地図画像とを異なる表示態様で表示するので、車両が走行可能範囲内を走行する場合において、充電施設へ立ち寄るタイミングをユーザに具体的に特定させることが可能となる。その結果、車両の走行するエリアに応じた走行をユーザに行わせることが可能となる。
【0018】
また、請求項3に記載の車両用走行案内装置によれば、走行可能範囲を取得する対象となる充電施設を、走行可能範囲の表示が必要となる充電施設に限定することが可能となるので、CPUの処理負担を軽減し、また、処理時間についても短縮することが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の車両用走行案内装置によれば、表示装置に表示された地図画像の表示色を参照することによって、地図画像上の各エリアが最大エネルギ量に対するどの程度の割合の走行可能範囲に対応するのかを視覚的に容易に把握させることが可能となる。
【0020】
また、請求項5に記載の車両用走行案内方法によれば、車両が充電施設から最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲に含まれる地図画像と含まれない地図画像とを異なる表示態様で表示するので、充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアをユーザに判別させることが可能となる。その結果、車両の走行するエリアの種類に応じた走行をユーザに行わせることが可能となる。
【0021】
更に、請求項6に記載のコンピュータプログラムによれば、車両が充電施設から最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲に含まれる地図画像と含まれない地図画像とを異なる表示態様で表示させるので、充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアをユーザに判別させることが可能となる。その結果、車両の走行するエリアの種類に応じた走行をユーザに行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を車載機として搭載した車両と充電施設の概略構成図である。
【図2】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】施設データの内、特に充電施設に該当する施設の施設データの一例を示した図である。
【図4】本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。
【図5】充電施設に対して設定される第1走行可能範囲、第2走行可能範囲及び第3走行可能範囲の一例を示した図である。
【図6】液晶ディスプレイに表示される地図画像の表示態様を示した図である。
【図7】充電施設が液晶ディスプレイに表示エリア外に位置する場合に、液晶ディスプレイに表示される地図画像の表示態様を示した図である。
【図8】バッテリの残エネルギ量が所定量以下の場合に、液晶ディスプレイに表示される地図画像の表示態様を示した図である。
【図9】液晶ディスプレイに表示される地図画像の表示態様の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る車両用走行案内装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1を車載機として搭載した車両2と、車両2が搭載するバッテリ3の充電を行う充電設備を備えた充電施設4について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を車載機として搭載した車両2と充電施設4の概略構成図である。
【0024】
車両2は、電気エネルギを蓄電するとともに蓄電された電気エネルギを車両2に対して供給するバッテリ3と、バッテリ3から供給される電気エネルギにより駆動される駆動モータ5を備え、外部電源からバッテリ3を充電することができる車両とする。そして、外部電源からバッテリ3を充電することができる車両としては、モータのみを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするプラグインハイブリッド車両があるが、以下に説明する本実施形態では電気自動車を用いることとする。また、駆動モータ5は、エンジンブレーキ必要時及び制動停止時において回生ブレーキとしても機能し、車両慣性エネルギを電気エネルギとして回生して、バッテリ3を充電することが可能である。
【0025】
また、充電施設4は、車両2に設けられた充電コネクタ6に対してコードを接続することによってバッテリ3に対して充電を行うことが可能な充電設備を備えた施設である。尚、充電施設としては、自宅、商業施設の駐車場、専用の充電スタンド等がある。
【0026】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1の構成について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0027】
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両2の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図や設定された案内経路を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17、プローブセンタやVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。また、ナビゲーション装置1には、車両2に搭載されバッテリ3や駆動モータ5を含む車両2の全体の制御を行う電子制御ユニットである車両制御ECU19が双方向通信可能に接続されている。
【0028】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両2の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両2の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0029】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0030】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ32、ノード点に関するノードデータ33、施設に関する施設データ34、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0031】
ここで、施設データ34としては、ナビゲーション装置1において出発地、目的地、案内対象等となる施設に関する情報が記憶される。例えば、バッテリ3に対して充電を行うことが可能な充電施設4、ホテル、旅館等の宿泊施設、ショッピングモール、スーパーマーケット、ショッピングセンタ等の商業施設、テーマパーク、ゲームセンタ等の娯楽施設、レストラン、バー、居酒屋等の飲食施設、公共駐車場等の駐車施設等に関する情報が該当する。また、施設データ34は、施設毎に、施設の識別子である施設番号、施設の名称、施設のジャンル、施設の位置座標等から構成されている。ここで、図3は施設データ34の内、特に充電施設に該当する施設の施設データ34の一例を示した図である。図3に示すように、充電施設の施設データ34としては、施設番号、施設の名称、施設のジャンル、施設の位置座標等が記憶されている。
そして、ナビゲーションECU13は、後述のように施設データ34に基づいて充電施設4を走行開始点とした場合の車両2の走行可能範囲を案内する。
【0032】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、目的地が選択された場合に、地図情報DB31に記憶されたリンクデータに基づいて出発地(現在位置や自宅)から目的地までの経路を設定する経路設定処理、液晶ディスプレイ15に地図画像を表示する地図画像表示処理、バッテリ3の最大充電エネルギ量を取得する最大エネルギ量取得処理、充電施設に関する情報を取得する充電施設情報取得処理、最大充電エネルギ量と充電施設に関する情報とに基づいて、車両が充電施設から最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を取得する走行可能範囲取得処理、走行可能範囲に含まれる前記地図画像と走行可能範囲に含まれない地図画像とを異なる表示態様とする表示態様変更処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、充電施設案内処理プログラム(図4)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。
【0033】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0034】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの走行予定経路、走行予定経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、液晶ディスプレイ15には、後述のように車両周辺の地図画像とともに、車両周辺にある充電施設を走行開始点とした場合の車両2の走行可能範囲についても表示される。
【0035】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて走行予定経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0036】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB31の更新等が行われる。
【0037】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0038】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU41が実行する充電施設案内処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、充電施設案内処理プログラムは、車両2のACCがONされた場合に実行され、ナビゲーション装置1において設定されている案内経路周辺にある充電施設4の案内をするプログラムである。尚、以下の図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0039】
先ず、充電施設案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、車両の現在位置周辺の地図画像をナビゲーション装置1に設定されている縮尺で液晶ディスプレイ15に表示する。また、ナビゲーション装置1において案内経路が設定されている場合には、案内経路についても地図に重畳して表示される。
【0040】
次に、S2においてCPU41は、車両2に関する車両情報を取得する。ここで、前記S2で取得される車両情報としては、車両2の現在位置、車両2の搭載するバッテリ3の最大充電エネルギ量、電費(単位エネルギ量当たりの走行距離)等がある。尚、バッテリ3の最大充電エネルギ量とは、バッテリ3に対して充電可能なエネルギの最大量であり、一般的にはバッテリの容量の80%程度となる。尚、車両2の現在位置は現在位置検出部11によって検出する。また、バッテリ3の最大充電エネルギ量や電費は、データ記録部12に予め記憶させる構成としても良いし、車両制御ECU19から取得する構成としても良い。
【0041】
続いて、S3においてCPU41は、前記S2で取得した車両2の現在位置、車両2の搭載するバッテリ3の最大充電エネルギ量、電費に基づいて、現在位置から走行を開始した車両2が、バッテリ3の最大充電エネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を算出する。そして、算出された走行可能範囲を後述のS4で充電施設を検索する検索対象範囲に設定する。
【0042】
具体的には、CPU41は、以下の(A)、(B)の処理によって走行可能範囲を算出する。
(A)車両2がバッテリ3の最大充電エネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能距離を算出する。
(B)車両2の現在位置を中心とし、走行可能距離を半径にした円に囲まれた範囲を走行可能範囲として算出する。
尚、走行可能範囲については、周辺道路の形状(勾配、R等)から“車両がリンクを走行する際に必要な駆動力及びエネルギ量”を算出し、その算出値に基づいて算出しても良い。また、走行中に充電される回生エネルギ量を考慮して算出しても良い。更に、過去の走行履歴に基づいて算出しても良い。
【0043】
次に、S4においてCPU41は、前記S3で算出された走行可能範囲を検索対象範囲に設定し、検索対象範囲内に位置する充電施設を検索する。具体的には、地図情報DB31に記憶された施設データ34(図3)を用いて、検索対象範囲内に位置座標のある充電施設を全て抽出する。
【0044】
そして、S5においてCPU41は、前記S4の検索結果に基づいて、検索対象範囲内に充電施設が検索できたか否かを判定する。そして、検索対象範囲内に充電施設が検索できたと判定された場合(S5:YES)にはS6へと移行する。それに対して、検索対象範囲内に充電施設が検索できないと判定された場合(S5:NO)にはS12へと移行する。S12においてCPU41は、充電施設が車両の周辺に存在しないことを案内する。
【0045】
尚、以降のS6〜S8の処理は、車両の現在位置に近い充電施設から順に、前記S4の検索処理で検索された全ての充電施設を対象として実行する。
【0046】
先ず、S6についてCPU41は、処理対象の充電施設から走行を開始した車両2が、バッテリ3の最大充電エネルギ量の90%を消費することにより走行可能な走行可能範囲(以下、第1走行可能範囲とする)を算出する。
【0047】
具体的には、CPU41は、以下の(C)〜(E)の処理によって第1走行可能範囲を算出する。
(C)処理対象となる充電施設の位置座標を施設データ34から取得する。
(D)前記S2で取得したバッテリ3の最大充電エネルギ量、電費に基づいて、車両2がバッテリ3の最大充電エネルギ量の90%を消費することにより走行可能な走行可能距離(以下、第1走行可能距離とする)を算出する。
(E)処理対象の充電施設を中心とし、第1走行可能距離を半径にした円に囲まれた範囲を第1走行可能範囲として算出する。
尚、先ず、バッテリ3の最大充電エネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を算出し、算出された範囲を90%に縮小した範囲を第1走行可能範囲として算出しても良い。
【0048】
次に、S7についてCPU41は、処理対象の充電施設から走行を開始した車両2が、バッテリ3の最大充電エネルギ量の50%を消費することにより走行可能な走行可能範囲(以下、第2走行可能範囲とする)を算出する。
【0049】
具体的には、CPU41は、以下の(F)〜(H)の処理によって第2走行可能範囲を算出する。
(F)処理対象となる充電施設の位置座標を施設データ34から取得する。
(G)前記S2で取得したバッテリ3の最大充電エネルギ量、電費に基づいて、車両2がバッテリ3の最大充電エネルギ量の50%を消費することにより走行可能な走行可能距離(以下、第2走行可能距離とする)を算出する。
(E)処理対象の充電施設を中心とし、第2走行可能距離を半径にした円に囲まれた範囲を第2走行可能範囲として算出する。
尚、先ず、バッテリ3の最大充電エネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を算出し、算出された範囲を50%に縮小した範囲を第2走行可能範囲として算出しても良い。
【0050】
更に、S8についてCPU41は、処理対象の充電施設から走行を開始した車両2が、バッテリ3の最大充電エネルギ量の30%を消費することにより走行可能な走行可能範囲(以下、第3走行可能範囲とする)を算出する。
【0051】
具体的には、CPU41は、以下の(I)〜(K)の処理によって第3走行可能範囲を算出する。
(I)処理対象となる充電施設の位置座標を施設データ34から取得する。
(J)前記S2で取得したバッテリ3の最大充電エネルギ量、電費に基づいて、車両2がバッテリ3の最大充電エネルギ量の30%を消費することにより走行可能な走行可能距離(以下、第3走行可能距離とする)を算出する。
(K)処理対象の充電施設を中心とし、第3走行可能距離を半径にした円に囲まれた範囲を第3走行可能範囲として算出する。
尚、先ず、バッテリ3の最大充電エネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を算出し、算出された範囲を30%に縮小した範囲を第3走行可能範囲として算出しても良い。
【0052】
ここで、図5は充電施設51を対象として前記S6〜S8で算出された第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54を示した図である。図5に示すように、第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54は、充電施設51を中心とした円形状のエリアに設定される。そして、第1走行可能範囲52の半径R1は、車両2がバッテリ3の最大充電エネルギ量の90%を消費することにより走行可能な第1走行可能距離に相当する。また、第2走行可能範囲53の半径R2は、車両2がバッテリ3の最大充電エネルギ量の50%を消費することにより走行可能な第2走行可能距離に相当する。また、第3走行可能範囲54の半径R3は、車両2がバッテリ3の最大充電エネルギ量の30%を消費することにより走行可能な第3走行可能距離に相当する。
【0053】
そして、上記S6〜S8の処理を前記S4の検索処理で検索された全ての充電施設を対象として実行した後には、S9へと移行する。一方、上記S6〜S8の処理を前記S4の検索処理で検索された全ての充電施設を対象として実行されていない場合には、新たな充電施設を処理対象としてS6〜S8の処理を繰り返し実行する。
【0054】
S9においてCPU41は、前記S6〜S8で算出された第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54に基づいて液晶ディスプレイ15に表示される地図画像の表示態様を変更する。
具体的には、先ず、液晶ディスプレイ15に表示される地図画像に対して、前記S6で算出された第1走行可能範囲52の内部を緑色に表示したレイヤーを配置する。
次に、液晶ディスプレイ15に表示される地図画像に対して、前記S7で算出された第2走行可能範囲53の内部を黄色に表示したレイヤーを配置する。
更に、液晶ディスプレイ15に表示される地図画像に対して、前記S8で算出された第3走行可能範囲54の内部を赤色に表示したレイヤーを配置する。
【0055】
その結果、図6に示すように、第1走行可能範囲52に含まれない地図画像は標準の色(例えば、白色)で表示される。
また、第1走行可能範囲52に含まれ、第2走行可能範囲53に含まれない地図画像(即ち、充電施設から走行を開始した車両が最大充電エネルギ量の50〜90%を消費することによって走行可能となるエリアの地図画像)は緑色で表示される。
そして、第2走行可能範囲53に含まれ、第3走行可能範囲54に含まれない地図画像(即ち、充電施設から走行を開始した車両が最大充電エネルギ量の30〜50%を消費することによって走行可能となるエリアの地図画像)は黄色で表示される。
更に、第3走行可能範囲54に含まれる地図画像(即ち、充電施設から走行を開始した車両が最大充電エネルギ量の30%以下を消費することによって走行可能となるエリアの地図画像)は赤色で表示される。
【0056】
また、図7に示すように充電施設が液晶ディスプレイ15の表示エリア内に位置しない場合であっても、第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54のいずれかが表示エリア内に含まれる場合には、表示エリアに含まれる第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54をそれぞれ表示する。
【0057】
ここで、車両2のインストルメントパネルには、バッテリ3の現在の残エネルギ量を表示するように構成される。そして、バッテリ3の現在の残エネルギ量は最大充電エネルギ量に対する割合によって異なる色で表示され、残エネルギ量が最大充電エネルギ量の50〜100%である場合には、緑色で残エネルギ量を表示する。また、残エネルギ量が最大充電エネルギ量の30〜50%である場合には、黄色で残エネルギ量を表示する。そして、残エネルギ量が最大充電エネルギ量の30%以下である場合には、赤色で残エネルギ量を表示する。即ち、車両2のインストルメントパネルで案内されるエネルギ残量の色(50〜100%が緑色、30〜50%である場合には黄色、30%以下である場合には赤色)に対応した色で、第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54によって区分される地図画像(第1走行可能範囲52内で第2走行可能範囲53外が緑色、第2走行可能範囲53内で第3走行可能範囲54外が黄色、第3走行可能範囲54内が赤色)が表示される。
【0058】
次に、S10においてCPU41は、車両2が搭載するバッテリ3の残エネルギ量が所定量(例えば、満充電の50%)以下であるか否か判定する。尚、バッテリ3の残エネルギ量については、車両制御ECU19から取得する。
【0059】
そして、バッテリ3の残エネルギ量が所定量以下であると判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。それに対して、バッテリ3の残エネルギ量が所定量以下でないと判定された場合(S10:NO)には、当該充電施設案内処理プログラムを終了する。
【0060】
S11においてCPU41は、車両の現在位置から最も近い位置にある充電施設の位置を案内する。具体的には、該当する充電施設のある方向を示す矢印を液晶ディスプレイ15に表示する。例えば、図8に示すように車両の周辺に充電施設61と充電施設62が位置する場合には、車両の現在位置から近い充電施設61のある方向を示す矢印63を表示する。従って、ユーザは液晶ディスプレイ15の表示画面を参照することによって、最寄りの充電施設の位置や方向を把握することが可能となる。尚、前記S11では、該当する充電施設の名称を表示したり、該当する充電施設までの経路を案内するように構成しても良い。
【0061】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による車両用走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、検索対象範囲内に位置する充電施設を検索し(S4)、検索対象範囲内に充電施設が位置する場合には、充電施設毎に、充電施設から走行を開始した車両2が、バッテリ3の最大充電エネルギ量の90%を消費することにより走行可能な第1走行可能範囲と、同じくバッテリ3の最大充電エネルギ量の50%を消費することにより走行可能な第2走行可能範囲と、バッテリ3の最大充電エネルギ量の30%を消費することにより走行可能な第3走行可能範囲とを算出し(S6〜S8)、第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54に基づいて液晶ディスプレイ15に表示される地図画像の表示態様を変更する(S9)ので、充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアをユーザに判別させることが可能となる。その結果、車両の走行するエリアに応じた走行をユーザに行わせることが可能となる。
また、複数の走行可能範囲毎に走行可能範囲に含まれる地図画像と含まれない地図画像とを異なる表示態様で表示するので、車両が走行可能範囲内を走行する場合において、充電施設へ立ち寄るタイミングをユーザに具体的に特定させることが可能となる。
また、バッテリ3のエネルギ残量が所定量以下となった場合に、車両の現在位置から最も近い充電施設4の位置を案内する(S11)ので、ユーザにバッテリ3への充電を行うことを意識させるとともに、ユーザが充電を行うことを希望する場合には適切な充電施設4を案内することが可能となる。
また、車両の現在位置から車両が最大充電エネルギ量で走行可能な範囲を充電施設の検索対象範囲とする(S3、S4)ので、走行可能範囲を算出する対象となる充電施設を、走行可能範囲の表示が必要となる充電施設に限定することが可能となる、その結果、CPUの処理負担を軽減し、また、処理時間についても短縮することが可能となる。
更に、車両2のインストルメントパネルで案内されるエネルギ残量の色(50〜100%が緑色、30〜50%である場合には黄色、30%以下である場合には赤色)に対応した色で、第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54によって区分される地図画像(第1走行可能範囲52内で第2走行可能範囲53外が緑色、第2走行可能範囲53内で第3走行可能範囲54外が黄色、第3走行可能範囲54内が赤色)が表示されるので、液晶ディスプレイ15に表示された地図画像の表示色を参照することによって、地図画像上の各エリアが最大エネルギ量に対するどの程度の割合の走行可能範囲に対応するのかを視覚的に容易に把握させることが可能となる。
【0062】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、ナビゲーション装置1を、バッテリ3から供給される電気エネルギに基づいて駆動される駆動モータ5のみを駆動源として走行する電気自動車に搭載した例について説明したが、充電施設からバッテリを充電可能な構成を備える車両であれば他の車両であっても良い。例えば、プラグインハイブリッド車両にナビゲーション装置1を搭載しても良い。尚、プラグインハイブリッド車両はエンジンを駆動源としても走行可能であるが、できる限り駆動モータを駆動源として走行したいという要望があるので、本願発明はプラグインハイブリッド車両に対しても有効な発明となる。
【0063】
また、本実施形態では走行可能範囲として、バッテリ3の最大充電エネルギ量の90%を消費することにより走行可能な第1走行可能範囲と、同じくバッテリ3の最大充電エネルギ量の50%を消費することにより走行可能な第2走行可能範囲と、バッテリ3の最大充電エネルギ量の30%を消費することにより走行可能な第3走行可能範囲とを算出(S6〜S8)しているが、バッテリ3の最大充電エネルギ量に対する他の割合(例えば、100%、25%等)のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲についても算出するように構成しても良い。また、複数の走行可能範囲ではなく一の走行可能範囲のみを算出しても良い。
【0064】
また、本実施形態では、第1走行可能範囲52、第2走行可能範囲53及び第3走行可能範囲54に含まれる地図画像の表示色をそれぞれ変更することによって、各走行可能範囲に含まれる地図画像と含まれない地図画像とで表示態様を異なるものとしているが、色を変更する以外の手段によって表示態様を異なるものとしても良い。
【0065】
また、図9に示すように車両2が現在走行するエリアを示すマーク71を液晶ディスプレイ15に表示するように構成しても良い。例えば、図9に示す例では第1走行可能範囲52を車両2が走行する場合にはアンテナを3本立てたマーク71を表示し、第2走行可能範囲53を車両2が走行する場合にはアンテナを2本立てたマーク71を表示し、第3走行可能範囲54を車両2が走行する場合にはアンテナを1本立てたマーク71を表示するように構成する。それによって、ユーザは車両の現在位置と車両周辺にある充電施設との位置関係を明確に把握することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態では車両の現在位置周辺のエリアを液晶ディスプレイ15に表示する場合において、第1走行可能範囲52〜第3走行可能範囲54に含まれる地図画像の表示色をそれぞれ変更することとしているが、地図のスクロール等が行われることによって車両の現在位置周辺以外のエリアが液晶ディスプレイ15に表示された場合においても、第1走行可能範囲52〜第3走行可能範囲54に含まれる地図画像の表示色をそれぞれ変更する構成としても良い。その場合には、車両の現在位置から離れた場所についても、充電施設によってカバーされているエリアとカバーされていないエリアをユーザに判別させることが可能となる。
【符号の説明】
【0067】
1 ナビゲーション装置
2 車両
3 バッテリ
5 駆動モータ
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
41 CPU
42 RAM
43 ROM
52 第1走行可能範囲
53 第2走行可能範囲
54 第3走行可能範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に地図画像を表示する地図画像表示手段と、
車載バッテリに蓄電されているエネルギにより駆動される駆動モータを駆動源とする車両の前記車載バッテリの最大充電エネルギ量を取得する最大エネルギ量取得手段と、
前記車載バッテリの充電をすることが可能な充電施設に関する情報を取得する充電施設情報取得手段と、
前記最大エネルギ量取得手段により取得した前記最大充電エネルギ量と前記充電施設情報取得手段により取得した前記充電施設に関する情報とに基づいて、前記車両が前記充電施設から前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を取得する走行可能範囲取得手段と、
前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とする表示態様変更手段と、を有することを特徴とする車両用走行案内装置。
【請求項2】
前記所定割合は複数種類の割合を含み、
前記走行可能範囲取得手段は、前記複数種類の割合毎に前記走行可能範囲を取得し、
前記表示態様変更手段は、前記複数の走行可能範囲毎に前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行案内装置。
【請求項3】
前記表示装置に表示される地図画像上の所定地点から前記車両が前記最大充電エネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲内に位置する前記充電施設を検索する充電施設検索手段を有し、
前記走行可能範囲取得手段は、前記充電施設検索手段によって検索された前記充電施設のそれぞれについて当該充電施設から走行可能な走行可能範囲を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用走行案内装置。
【請求項4】
前記車載バッテリのエネルギ残量を、前記最大充電エネルギ量に対する割合に応じた色を用いて案内するバッテリ残量案内手段を有し、
前記表示態様変更手段は、前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲に含まれる地図画像を、前記バッテリ残量案内手段により案内される色の内、当該所定割合に対応する色で表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用走行案内装置。
【請求項5】
表示装置に地図画像を表示する地図画像表示ステップと、
車載バッテリに蓄電されているエネルギにより駆動される駆動モータを駆動源とする車両の前記車載バッテリの最大充電エネルギ量を取得する最大エネルギ量取得ステップと、
前記車載バッテリの充電をすることが可能な充電施設に関する情報を取得する充電施設情報取得ステップと、
前記最大エネルギ量取得ステップにより取得した前記最大充電エネルギ量と前記充電施設情報取得ステップにより取得した前記充電施設に関する情報とに基づいて、前記車両が前記充電施設から前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を取得する走行可能範囲取得ステップと、
前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とする表示態様変更ステップと、を有することを特徴とする車両用走行案内方法。
【請求項6】
コンピュータに搭載され、
表示装置に地図画像を表示する地図画像表示機能と、
車載バッテリに蓄電されているエネルギにより駆動される駆動モータを駆動源とする車両の前記車載バッテリの最大充電エネルギ量を取得する最大エネルギ量取得機能と、
前記車載バッテリの充電をすることが可能な充電施設に関する情報を取得する充電施設情報取得機能と、
前記最大エネルギ量取得機能により取得した前記最大充電エネルギ量と前記充電施設情報取得機能により取得した前記充電施設に関する情報とに基づいて、前記車両が前記充電施設から前記最大充電エネルギ量の所定割合のエネルギ量を消費することにより走行可能な走行可能範囲を取得する走行可能範囲取得機能と、
前記走行可能範囲に含まれる前記地図画像と、前記走行可能範囲に含まれない前記地図画像と、を異なる表示態様とする表示態様変更機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−214894(P2011−214894A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81140(P2010−81140)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】