説明

車両用部品、車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット

【課題】従来の車両用部品では、製造コストが高く、導電箔パターンに歪やしわが発生する。
【解決手段】線ヒータ5が、ベースフィルム17と、ベースフィルム17の一面に設けられている接着剤18と、ベースフィルム17の他面に線パターンに形成されていて給電することにより発熱する導電性ペースト19と、ベースフィルム17の他面に導電性ペースト19を覆うように設けられているレジスト20と、から構成されている。ベースフィルム17が導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、レジスト20側に配置したセパレータ21を使用して、接着剤18をランプレンズ4に接着させて線パターン5の導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させる。この結果、製造コストが安価で、導電性ペースト19をランプレンズ4に確実にかつ正確に転写することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、融雪(解氷、防曇)構造を必要とする部品を有する車両用部品に関するものである。また、この発明は、車両用部品のうち融雪構造を必要とする部品に設けられる線ヒータのユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用部品は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用部品について説明する。従来の車両用部品は、車両用灯具であって、融雪構造を必要とする部品としての前面レンズと、前記前面レンズにインサート成形や接着剤により接合一体化された配線板ヒータ(ベースフィルムの上に導電箔パターンが印刷されているもの)と、を備えるものである。
【0003】
以下、従来の車両用部品の作用について説明する。配線板ヒータの導電箔パターンに給電すると、その導電箔パターンが発熱し、その熱により、前面レンズに付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、前面レンズから照射される光の損失を防ぐことができる。特に、光源として、ハロゲンバルブや白熱バルブと比較して、前面レンズから照射される光の温度が低い光源、たとえば、LEDなどの半導体型光源やHIDなどの放電灯を使用した車両用部品においては、効果的である。
【0004】
ところが、従来の車両用部品は、前面レンズに配線板ヒータ(ベースフィルム上に導電箔パターンが印刷されているもの)をインサート成形により接合一体化するものであるから、特別な金型を必要とし、製造コストが高い。また、従来の車両用部品は、前面レンズに配線板ヒータ(ベースフィルム上に導電箔パターンが印刷されているもの)を接着剤により接合一体化するものである。このために、従来の車両用部品は、前面レンズに配線板ヒータを接着する際に、ベースフィルムに歪やしわが発生したりすると、そのベースフィルム上に印刷されている導電箔パターンにおいて歪やしわが発生したりする場合がある。なお、前記の従来の車両用部品の課題は、前面レンズ以外の融雪構造を必要とする部品、たとえば、車両のウインドガラスや車両のミラーや車両のワイパーブレードなどの部品においてもある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−109587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用部品では、製造コストが高く、導電箔パターンに歪やしわが発生したりする場合があるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明(請求項1にかかる発明)は、線ヒータが、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱する導電性部材と、前記ベースフィルムの他面に前記導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、前記ベースフィルムが前記導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、前記接着剤を部品に接着させて線パターンの前記導電性部材を前記部品に転写させる転写式の線ヒータである、ことを特徴とする。
【0008】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、線ヒータが複数組み合わせ可能なモジュール部品である、ことを特徴とする。
【0009】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、着色部が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、ベースフィルムおよび接着剤およびレジストが導電性部材の幅に対して少なくともレジストにより導電性部材を覆い得る幅でカットされている、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、線ヒータが、抵抗値の高低差により高温発熱部と低温発熱部とを有し、あるいは、抵抗値の有無により発熱部と無発熱部とを有し、あるいは、前記導電性部材の線パターンの密疎により高温発熱部と低温発熱部とを有する、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、導電性部材の発熱温度を制御する温度制御部が設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱する導電性部材と、前記ベースフィルムの他面に前記導電性部材を覆うように設けられているレジストと、前記ベースフィルムが前記導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて前記レジスト側に配置されているものであって、前記接着剤を部品に接着させて線パターンの前記導電性部材を前記部品に転写させた後前記レジスト側から剥がされるセパレータと、から構成されている、ことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)は、線ヒータユニットが複数組み合わせ可能なモジュール部品である、ことを特徴とする。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項9にかかる発明)は、着色部が設けられている、ことを特徴とする。
【0016】
さらにまた、この発明(請求項10にかかる発明)は、ベースフィルムおよび接着剤およびレジストが導電性部材の幅に対して少なくともレジストにより導電性部材を覆い得る幅でカットされている、ことを特徴とする。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項11にかかる発明)は、線ヒータが、抵抗値の高低差により高温発熱部と低温発熱部とを有し、あるいは、抵抗値の有無により発熱部と無発熱部とを有し、あるいは、前記導電性部材の線パターンの密疎により高温発熱部と低温発熱部とを有する、ことを特徴とする。
【0018】
さらにまた、この発明(請求項12にかかる発明)は、導電性部材の発熱温度を制御する温度制御部が設けられている、ことを特徴とする。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項13にかかる発明)は、セパレータが、部品の曲面に追従し得るように、フレキシブル性の素材を使用したもの、スリットを設けたもの、導電性部材の線パターンに倣った形状に形成したもの、導電性部材の線パターンとともに3次元設計して展開したもの、のうち少なくとも1つのものからなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット(以下、単に「線ヒータユニット」と称する)は、ベースフィルムの一面に設けられている接着剤を部品に接着させて、ベースフィルムの他面に形成されている線パターンの導電性部材を部品に転写させるものである。このために、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、前面レンズに導電箔パターンをインサート成形により接合一体化する従来の車両用部品と比較して、特別な金型が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0021】
また、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、ベースフィルムが導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、レジスト側に配置されたセパレータを使用して、導電性部材を部品に転写させるものである。すなわち、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線状のベースフィルムを部品に接着するので、シート状のベースフィルムを前面レンズに接着する従来の車両用部品のように、線状のベースフィルムに歪やしわが発生したりするような虞がない。したがって、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線状のベースフィルムに形成されている線パターンの導電性部材において歪やしわが発生したりする場合がなく、線パターンの導電性部材を部品に確実にかつ正確に転写することができる。
【0022】
さらに、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性部材を部品に転写させるものであるから、線パターンを意匠線として兼用することができ、部品の意匠上の効果を向上させることができる。
【0023】
さらにまた、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性部材を部品に転写させるものであるから、透明導電膜ヒータ生成と比較して、真空蒸着機などの大型設備やタクトの長い蒸着工程が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0024】
さらにまた、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、部品に転写させる導電性部材、すなわち、転写式の導電性部材の線パターンの形状や寸法を汎用性のあるものとすることにより、種々様々の車両用部品の部品に使用することができる。
【0025】
さらにまた、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性部材を部品に転写させるものであるから、ヒータ有り無しの部品の製造管理において、作り分けが容易であり、製造ラインや在庫管理などを簡素化することができる。
【0026】
さらにまた、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、ベースフィルムと、接着剤と、線パターンの導電性部材と、レジストと、からなる線ヒータの製造が簡単であり、また、線ヒータを転写させてなる部品の製造も簡単である。この結果、この発明(請求項1、7にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、種々様々な部品に転写させる種々様々な導電線部材の線パターンのニーズ(設計やデザイン)に迅速にかつ簡単に対応することができる。
【0027】
さらにまた、この発明(請求項2、8にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータおよび線ヒータユニットが複数組み合わせ可能なモジュール部品であるから、1つの線ヒータおよび線ヒータユニットをたとえば小型で汎用形状のモジュール化することにより、種々様々な部品の形状や寸法に対応して、線パターンの導電性部材を部品に転写させることができる。
【0028】
さらにまた、この発明(請求項3、9にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、着色部を設けたものであるから、部品の意匠上の効果をさらに向上させることができ、しかも、部品のデザイン設計の自由度が上がる。その上、この発明(請求項3、9にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、着色部を設けることにより、導電性部材を紫外線などの影響から保護することができる。
【0029】
さらにまた、この発明(請求項4、10にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、ベースフィルムおよび接着剤およびレジストが導電性部材の幅に対して少なくともレジストにより導電性部材を覆い得る幅でカットされている。すなわち、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用部品は、レジストの幅を導電性部材を封止し得る最小幅にすることができるので、部品を通して外部に照射される光に対する影響を小さくもしくはなくすことができる。しかも、この発明(請求項4、10にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータの幅を小さくすることができるので、部品の意匠上の効果をさらに向上させることができる。
【0030】
さらにまた、この発明(請求項5、11にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータが高温発熱部と低温発熱部とを有し、あるいは、発熱部と無発熱部とを有するので、部品の温度分布に対応して部品を暖めることができる。これにより、この発明(請求項5、11にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、部品に雪や氷や曇りが付着するのを防止するいわゆる着雪防止効果、あるいは、部品に付着している雪や氷や曇りを融かしたり除去したりするいわゆる融雪効果を向上させることができる。
【0031】
さらにまた、この発明(請求項6、12にかかる発明)の車両用部品および線ヒータユニットは、導電性部材の発熱温度を制御する温度制御部が設けられているので、部品を暖める温度を適正に制御することができ、部品として耐熱温度が低い樹脂製部品を使用してもなんら影響や問題がない。
【0032】
さらにまた、この発明(請求項13にかかる発明)の線ヒータユニットは、セパレータが、部品の曲面に追従し得るように、フレキシブル性の素材を使用したもの、スリットを設けたもの、導電性部材の線パターンに倣った形状に形成したもの、導電性部材の線パターンとともに3次元設計して展開したもの、のうち少なくとも1つのものからなるものである。このために、この発明(請求項13にかかる発明)の線ヒータユニットは、部品に導電性部材を部品の曲面に十分に追従して転写させることができる。これにより、この発明(請求項13にかかる発明)の線ヒータユニットは、部品の曲面や形状や大型サイズに容易に対応することができ、導電性部材の線パターンのデザイン設計の自由度が上がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、この発明にかかる車両用部品の実施例のうちの8例およびこの発明にかかる線ヒータユニットの実施例のうちの10例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0034】
図1〜図10は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットの構成について説明する。この実施例1にかかる車両用部品は、所定の配光パターン、たとえば、すれ違い用の配光パターンを照射する自動車用のヘッドランプ1L、1Rである。前記ヘッドランプ1L、1Rは、図1に示すように、自動車Cの前部の左右両側にそれぞれ装備されている。以下、左側のヘッドランプ1Lについて説明する。なお、右側のヘッドランプ1Rは、左側のヘッドランプ1Lの構造とほぼ左右逆である。
【0035】
前記ヘッドランプ1Lは、図2および図4に示すように、5個のランプユニット2と、ランプハウジング3と、ランプレンズ4と、線ヒータ5と、給電部6と、を備えるものである。前記ランプハウジング3と前記ランプレンズ4とにより、灯室7が区画されている。前記灯室7内には、前記5個のランプユニット2が上下2段に(この例では、上段に2個、下段に3個)それぞれ配置されている。前記ランプレンズ4は、この実施例1にかかる車両用部品のうち、融雪構造を必要とする部品である。
【0036】
前記ランプユニット2は、光を前記ランプレンズ4を通して外部に照射する光照射部を構成するものである。前記ランプユニット2は、所定の配光パターン、この例では、すれ違い用の配光パターンを照射(放射、出射)するものである。前記ランプユニット2は、図3に示すように、プロジェクタタイプであって、ユニット構造をなす。前記ランプユニット2は、上側リフレクタ8および下側リフレクタ9と、反射面10およびシェード11と、半導体型光源12と、投影レンズ(凸レンズ、集光レンズ)13と、ヒートシンク部材14と、から構成されている。
【0037】
前記ランプユニット2は、ホルダ部材15を介して前記ランプハウジング3に取り付けられている。前記ランプハウジング3には、ヒートシンク部材16が設けられている。前記ランプハウジング3側のヒートシンク部材16と、前記ランプユニット2側のヒートシンク部材14とは、前記ホルダ部材15および前記ランプハウジング3を介して接続されている。これにより、前記半導体型光源12において発生する熱は、前記ヒートシンク部材14、前記ホルダ部材15、前記ランプハウジング3、前記ヒートシンク部材16を介して外部に放出される。
【0038】
前記半導体型光源12は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。このために、前記半導体型光源12自体においては熱が発生するが、前記半導体型光源12からの光には熱がほとんど発生しない。これにより、前記ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。
【0039】
前記ランプレンズ4は、ほぼ素通しのレンズであって、いわゆるアウターカバー(アウターレンズ)である。前記ランプレンズ4は、この例では、たとえばPC(ポリカーボネート)などの合成樹脂から成形されている。また、前記ランプレンズ4は、縦断面(垂直断面)において、上から下にかけて後方から前方にスラント(傾斜)している。なお、前記ランプレンズ4の材質がPCの場合、前記ランプレンズ4の耐熱温度は約130°Cである。
【0040】
前記線ヒータ5は、転写式の線ヒータであって、前記ランプレンズ4の内面に転写により設けられている。前記ランプレンズ4の内面に転写により設けられている前記線ヒータ5は、図6に示すように、ベースフィルム17と、接着剤18と、導電性部材としての導電性ペースト19と、レジスト20と、から構成されている。また、前記線ヒータ5は、光透過性のものが好ましい。
【0041】
前記ベースフィルム17は、透明なたとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂製のフィルムからなる。前記ベースフィルム17の一面には、前記接着剤18が設けられている。
【0042】
前記ベースフィルム17の他面には、前記導電性ペースト19が線パターンに形成されている。前記導電性ペースト19の線パターンは、この例では、図4および図10に示すように、相互にほぼ平行である上下6本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンである。上下2本の横線から縦線が連続して2個の端末部が形成されている。前記導電性ペースト19は、導電性インクであって、この例では、銀ペーストからなる。前記導電性ペースト19は、電流が供給されることにより、前記導電性ペーストの電気抵抗により発熱するものである。
【0043】
前記ベースフィルム17の他面には、前記レジスト20が前記導電性ペースト19を覆うように設けられている。前記レジスト20は、前記導電性ペースト19を電気的に絶縁すると共に外からの衝撃から保護するものであって、すなわち、前記導電性ペースト19の表面保護コートである。前記レジスト20は、この例では、ウレタン系やアクリル系の接着剤などからなる。
【0044】
前記ベースフィルム17(この例では、前記接着剤18をも含む)は、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンにカットされている。カットされた前記ベースフィルム17の幅Wは、この例では、約0.5mmであって、前記レジスト20の幅とほぼ同等の幅である。そして、前記ベースフィルム17がカットされた後において、前記レジスト20側に配置したセパレータ21を使用して、前記接着剤18を前記ランプレンズ4の内面に接着させて線パターンの前記導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の内面に転写させる。これにより、前記線ヒータ5は、前記ランプレンズ4の内面に転写により設けられる。
【0045】
前記セパレータ21は、線パターンの前記導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の内面に転写させた後前記レジスト20側から剥がされる。前記セパレータ21は、図10に示すように、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターン形状をなす前記線ヒータ5を載置することができ、かつ、前記ランプレンズ4の内面に転写することができる程度の大きさと形状を有しているシート形状をなすものである。また、前記セパレータ21は、前記ランプレンズ4の内面の曲面に追従し得るように、フレキシブル性の素材、この例では、ウレタンなどのゴム系の素材を使用するものである。
【0046】
以下、この実施例1にかかる線ヒータユニット、および、内面に前記線ヒータ5が転写により設けられている前記ランプレンズ4の製造工程を図9を参照して説明する。まず、前記ベースフィルム17の一面に前記接着剤(接着層)18を設け、かつ、前記接着剤18に剥離フィルムや剥離紙などの剥離シート22を剥離可能に接着してなるシート部材23を製造する(図9(A)参照)。なお、前記シート部材23の大きさは、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターン形状をなす前記線ヒータ5を形成することができる程度の大きさを有している。
【0047】
つぎに、前記シート部材23の前記ベースフィルム17の他面(上面)に前記導電性ペースト19を、たとえば、スクリーン印刷やホットスタンプ印刷などの工法により印刷して、線パターンに形成する(図9(B)参照)。
【0048】
つづいて、前記シート部材23の前記ベースフィルム17の他面(上面)に前記レジスト(絶縁層兼保護膜)20を、たとえば、スクリーン印刷やホットスタンプ印刷などの工法により印刷して、前記導電性ペースト19を覆うように設ける(図9(C)参照)。
【0049】
それから、前記シート部材23の前記ベースフィルム17および前記接着剤18を、たとえば、打ち抜き加工により、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットする(図9(D)参照)。すなわち、カッタ(図示せず)を前記レジスト20側から前記ベースフィルム17および前記接着剤18に押し込んで前記接着剤18と前記剥離シート22との境で止めて前記ベースフィルム17および前記接着剤18をカットする。なお、図9(C)中において、実線CLで前記ベースフィルム17および前記接着剤18のカット箇所を示す。前記カッタを前記シート部材23から離すと共に、カットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18のうち、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンの部分以外の余分な部分を前記剥離シート22から除く。
【0050】
これにより、図9(D)に示すように、カットされなかった前記シート部材23の前記剥離シート22と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18と、線パターンの前記導電性ペースト19と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンに設けられている前記レジスト20とが残される。なお、前記ベースフィルム17および前記接着剤18のカット幅Wは、この例では、前記レジスト20の幅とほぼ同等の幅であって、前記レジスト20が前記導電性ペースト19を覆い得る幅、すなわち、前記レジスト20が前記導電性ペースト19を封止して電気的に絶縁し得る幅である。
【0051】
そして、前記シート部材23の前記ベースフィルム17および前記接着剤18を前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットした後、前記レジスト20側に前記セパレータ21を配置させる(図9(E)参照)。これにより、図10に示すように、カットされなかった前記シート部材23の前記剥離シート22と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18と、線パターンの前記導電性ペースト19と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンに設けられている前記レジスト20とが、前記セパレータ21上に前記レジスト20側を下にして載置される。この結果、この実施例1にかかる線ヒータユニットが製造される。この実施例1にかかる線ヒータユニットは、前記ベースフィルム17および前記接着剤18および前記導電性ペースト19および前記レジスト20から構成されている前記線ヒータ5と、前記セパレータ21および前記シート部材23の前記剥離シート22と、からなるものである。
【0052】
つぎに、上記のようにして製造されたこの実施例1にかかる線ヒータユニットの前記剥離シート22を剥がす(図9(F)参照)。それから、前記レジスト20側に配置した前記セパレータ21を使用して、前記接着剤18を前記ランプレンズ4の内面に接着させて線パターンの前記導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の内面に転写させる(図9(G)参照)。そして、前記セパレータ21を前記レジスト20から剥がす。これにより、図4〜図6に示すように、内面に前記線ヒータ5が転写により設けられている前記ランプレンズ4が製造される。
【0053】
上記のように、前記ランプレンズ4の内面に転写により設けられている前記線ヒータ5には、図7および図8に示すように、前記給電部6が設けられている。前記給電部6は、前記線ヒータ5に電流を供給するものである。
【0054】
すなわち、前記線ヒータ5の2個の端末部には、給電用のパターン部24、24がそれぞれ設けられている。前記2個の給電パターン部24、24は、前記導電性ペースト19と一体に設けられている。すなわち、前記2個の給電パターン部24、24は、前記シート部材23の前記ベースフィルム17の他面に、前記導電性ペースト19が印刷工法などにより形成される際に同時に形成されるものである。このために、前記2個の給電パターン部24、24は、前記導電性ペースト19と同様に、導電性インクであって、この例では、銀ペーストからなる。
【0055】
前記2個の給電パターン部24、24には、前記レジスト20が設けられていない。これは、絶縁性の前記レジスト20により、前記2個の給電パターン部24、24と表面実装タイプ(SMT)のコネクタ25とが電気的に接続される際の妨げとならないようにするためである。前記2個の給電パターン部24、24には、前記表面実装タイプのコネクタ25が設けられていると共に電気的に接続されている。前記表面実装タイプのコネクタ25には、ハーネス26を介してレンズ側のコネクタ27が電気的に接続されている。前記レンズ側のコネクタ27は、前記ランプレンズ4の側壁28に固定されている。
【0056】
一方、前記ランプハウジング3には、ハウジング側のコネクタ29が設けられている。前記ハウジング側のコネクタ29には、ハーネス30が電気的に接続されている。前記ハーネス30は、電源(図示せず)側に電気的に接続されている。この結果、前記レンズ側のコネクタ27と前記ハウジング側のコネクタ29とを電気的に接続すると、前記線ヒータ5に電流を供給することができる。前記2個の給電パターン部24、24と、前記表面実装タイプのコネクタ25と、前記ハーネス26と、前記レンズ側のコネクタ27と、前記ハウジング側のコネクタ29と、前記ハーネス30とが、前記給電部6を構成する。なお、前記表面実装タイプのコネクタ25を使用せずに、前記レンズ側のコネクタ27のハーネス26を前記2個の給電パターン部24、24に直接電気的に接続しても良い。また、前記給電部6は、前記ランプレンズ4の意匠への影響が小さい箇所に設けられている。
【0057】
前記線ヒータ5は、前記給電部6を介して、手動スイッチ(図示せず)またはおよび自動スイッチ(図示せず)に接続されている。前記手動スイッチは、手動により、前記線ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。前記自動スイッチは、自動的に、前記線ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。
【0058】
前記自動スイッチは、ECUなどの制御部と、温度センサや光センサなどの検出部と、から構成されている。前記検出部は、自動車Cの周囲環境、たとえば、自動車Cの外の温度や前記ランプレンズ4から照射される光などを検出してその検出信号を前記制御部に出力する。前記制御部は、前記検出部からの検出信号に基づいて前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着しているか否か、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度か否かを判断する。そして、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着している、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度であると判断すると、前記給電部6を介して前記線ヒータ5に電流を供給する。一方、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着していない、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度でないと判断すると、前記給電部6を介して前記線ヒータ5への電流供給を遮断する。
【0059】
前記線ヒータ5の1個の端末部には、温度制御部31が設けられている。前記温度制御部31は、前記導電性ペースト19の発熱温度を制御するものである。前記温度制御部31としては、たとえば、PTCサーミスターを使用する。このPTCサーミスターは、温度が上昇すると抵抗値が高くなって所定の抵抗値に達すると電流が流れなくなる特性を有するものである。たとえば、前記ランプレンズ4の材質がPCの場合、前記ランプレンズ4の耐熱温度は約130°Cであるから、前記導電性ペースト19の発熱温度が約60°C付近に達した時点で電流が流れなくなる抵抗特性を有するPTCサーミスターを前記温度制御部31として使用する。
【0060】
前記線ヒータ5には、着色部が設けられている。前記着色部としては、たとえば、前記ベースフィルム17もしくは前記レジスト20のうち少なくともいずれか一方が着色されているもの。すなわち、前記ベースフィルム17自体またはおよび前記レジスト20自体を着色するもの。または、前記ベースフィルム17の一面またはおよび他面に着色層を設けるもの。すなわち、前記ベースフィルム17と前記接着剤18との間に着色レジスト層を設けるもの、前記ベースフィルム17と前記導電性ペースト19との間に着色レジスト層を設けるもの、前記ベースフィルム17と前記導電性ペースト19および前記レジスト20との間に着色レジスト層を設けるものなどである。前記レジスト20自体を着色するもの、および、前記着色レジスト層を設けるものは、着色フィルムと比較して製造コストを安価にすることができる。
【0061】
この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0062】
5個のランプユニット2の半導体型光源12をそれぞれ点灯する。すると、5個のランプユニット2の半導体型光源12からの光が上側リフレクタ8の反射面10で反射され、その反射光の一部が下側リフレクタ9のシェード11によりカットオフされ、残りの反射光が投影レンズ13およびランプレンズ4を透過して外部にカットオフラインを有する所定の配光パターン、すなわち、すれ違い用の配光パターンで照射される。このすれ違い用の配光パターンのカットオフラインは、シェード11のエッジにより形成される。また、シェード11に反射面を設けることにより、反射面10からの反射光であってシェード11の反射面で反射された反射光を利用することができる。
【0063】
ここで、ランプレンズ4に転写に設けられている線ヒータ5は、線状のパターンからなるので、光がランプレンズ4を透過する際に、光の損失や配光の影響などを最小限に抑えることができる。しかも、半導体型光源12を光源とするランプユニット2を使用するので、ランプユニット2から照射される光の幅が小さい。このために、幅が小さい光を線ヒータ5の線状のパターンとパターンとの間に通すことにより、光の損失や配光の影響などをさらに防ぐことができる。
【0064】
そして、半導体型光源12からの光には熱がほとんど発生しないので、ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。この場合、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、ランプレンズ4に転写により設けられている線ヒータ5に電流が供給される。
【0065】
線ヒータ5に電流が供給されると、線ヒータ5の電気抵抗により、線ヒータ5が発熱する。この線ヒータ5の発熱作用により、ランプレンズ4が暖められ、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0066】
線ヒータ5の発熱作用中において、この線ヒータ5の発熱温度が所定温度に達すると、温度制御部31の温度制御作用により、線ヒータ5への電流供給が制御され、線ヒータ5の発熱温度が所定温度付近に保持される。この結果、耐熱温度が比較的低い樹脂製のランプレンズ4を過熱から保護することができる。
【0067】
ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、また、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりしたところで、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、ランプレンズ4設けられている線ヒータ5への電流供給が遮断される。
【0068】
5個のランプユニット2の半導体型光源12がそれぞれ点灯中において、半導体型光源12において発生する熱は、ランプユニット2のヒートシンク部材14、ホルダ部材15、ランプハウジング3、ヒートシンク部材16を介して外部に放出される。
【0069】
この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0070】
この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ベースフィルム17の一面に設けられている接着剤18をランプレンズ4に接着させて、ベースフィルム17の他面に形成されている線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させるものである。このために、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、前面レンズに導電箔パターンをインサート成形により接合一体化する従来の車両用部品と比較して、特別な金型が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0071】
また、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ベースフィルム17が導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、レジスト20側に配置したセパレータ21を使用して、導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させるものである。すなわち、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線状のベースフィルム17をランプレンズ4に接着するので、シート状のベースフィルムを前面レンズに接着する従来の車両用部品のように、線状のベースフィルム17に歪やしわが発生したりするような虞がない。したがって、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線状のベースフィルム17に形成されている線パターンの導電性ペースト19において歪やしわが発生したりする場合がなく、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に確実にかつ正確に転写することができる。
【0072】
さらに、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させるものであるから、線パターンを意匠線として兼用することができ、ランプレンズ4の意匠上の効果を向上させることができる。
【0073】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させるものであるから、ITO膜などの透明導電膜ヒータ生成と比較して、真空蒸着機などの大型設備やタクトの長い蒸着工程が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0074】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4に転写させる導電性ペースト19、すなわち、転写式の導電性ペースト19の線パターンの形状や寸法を汎用性のあるものとすることにより、種々様々のランプレンズ4に使用することができる。
【0075】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させるものであるから、ヒータ有り無しのランプレンズ4の製造管理において、作り分けが容易であり、製造ラインや在庫管理などを簡素化することができる。
【0076】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ベースフィルム17と、接着剤18と、線パターンの導電性ペースト19と、レジスト20と、からなる線ヒータ5の製造が簡単であり、また、線ヒータ5を転写させてなるランプレンズ4の製造も簡単である。この結果、種々様々な車両用部品のランプレンズ4に転写させる種々様々な導電線ペースト19の線パターンのニーズ(設計やデザイン)に迅速にかつ簡単に対応することができる。
【0077】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5に着色部を設けるものであるから、ランプレンズ4の意匠上の効果をさらに向上させることができ、しかも、ランプレンズ4のデザイン設計の自由度が上がる。その上、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5に着色部を設けることにより、導電性ペースト19を紫外線などの影響から保護することができる。着色部としては、たとえば、ベースフィルム17もしくはレジスト20のうち少なくともいずれか一方が着色されているもの。すなわち、ベースフィルム17自体またはおよびレジスト20自体を着色するもの。または、ベースフィルム17の一面またはおよび他面に着色層を設けるもの。すなわち、ベースフィルム17と接着剤18との間に着色レジスト層を設けるもの、ベースフィルム17と導電性ペースト19との間に着色レジスト層を設けるもの、ベースフィルム17と導電性ペースト19およびレジスト20との間に着色レジスト層を設けるものなどである。そして、レジスト20自体を着色するもの、および、着色レジスト層を設けるものは、着色フィルムと比較して製造コストを安価にすることができる。
【0078】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、導電性ペースト19の発熱温度を制御する温度制御部31が設けられているので、ランプレンズ4を暖める温度を適正に制御することができ、ランプレンズ4として耐熱温度が低い樹脂製レンズを使用してもなんら影響や問題がない。
【0079】
さらにまた、この実施例1にかかる線ヒータユニットは、セパレータ21が、ランプレンズ4の曲面に追従し得るように、フレキシブル性の素材を使用したものあるから、ランプレンズ4に導電性ペースト19をランプレンズ4の曲面に十分に追従して転写させることができる。これにより、この実施例1にかかる線ヒータは、ランプレンズ4の曲面や形状や大型サイズに容易に対応することができ、導電性ペースト19の線パターンのデザイン設計の自由度が上がる。
【実施例2】
【0080】
図11および図12は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例2を示す。図中、図1〜図10と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例2にかかる車両用部品および線ヒータユニットについて説明する。
【0081】
この実施例2にかかる車両用部品は、図11に示すように、ランプレンズ4に転写により設けられる線ヒータ5が複数組み合わせ可能なモジュール部品からなるものである。すなわち、この実施例2にかかる車両用部品は、図11に示すように、上下4本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンからなる線ヒータ5がランプレンズ4に上下に2組転写して設けられているものである。そして、2組の線ヒータ5は、給電部6に並列に接続されている。
【0082】
また、この実施例2にかかる線ヒータユニットは、複数組み合わせ可能なモジュール部品からなるものである。すなわち、この実施例2にかかる線ヒータユニットは、図12に示すように、上下4本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンからなる線ヒータ5と、セパレータ21と、からなるものであって、複数組の線ヒータユニットを使用して複数組の線ヒータ5をランプレンズ4に転写により設けるものである。なお、図11は、2組の線ヒータユニットを使用して2組の線ヒータ5をランプレンズ4に上下に転写により設けたものを図示するものである。
【0083】
この実施例2にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5および線ヒータユニットが複数組み合わせ可能なモジュール部品であるから、1つの線ヒータ5および線ヒータユニットをたとえば小型で汎用形状のモジュール化することにより、種々様々なランプレンズ4の形状や寸法に対応して、線パターン5の導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させることができる。
【実施例3】
【0084】
図13は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例3を示す。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例3にかかる車両用部品および線ヒータユニットについて説明する。
【0085】
この実施例3にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、図13に示すように、ベースフィルム17および接着剤18およびレジスト20が導電性ペースト19の幅に対して少なくともレジスト20により導電性ペースト19を覆い得る幅WSでカットされている。すなわち、この実施例3にかかる線ヒータ5Aの幅WS(図13(F)を参照)は、前記の実施例1、2にかかる線ヒータ5の幅W(図6を参照)よりも小さい。
【0086】
この実施例3にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、図13に示すように、レジスト20の幅WSを導電性ペースト19を封止し得る最小幅にすることができるので、ランプレンズ4を通して外部に照射される光に対する影響を小さくもしくはなくすことができる。しかも、この実施例3にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5の幅WSを小さくすることができるので、ランプレンズ4の意匠上の効果をさらに向上させることができる。
【実施例4】
【0087】
図14は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例4を示す。図中、図1〜図13と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットについて説明する。
【0088】
この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、図14に示すように、線ヒータ5の導電性ペーストが、高抵抗値の導電性ペースト19と、低抵抗値の導電性ペースト190と、からなる。前記高抵抗値の導電性ペースト19は、図14中の通常の実線に示すように、前記ランプレンズ4の上部から中間部にかけて設けられている。一方、低抵抗値の導電性ペースト190は、図14中の太い実線に示すように、前記ランプレンズ4の中間部から下部にかけて設けられている。前記高抵抗値の導電性ペースト19と前記低抵抗値の導電性ペースト190とは、断面積の大小や材料の違いなどにより、抵抗値の高低が決定される。この結果、前記ランプレンズ4に設けられている前記線ヒータ5は、前記高抵抗値の導電性ペースト19の高温発熱部と、前記低抵抗値の導電性ペースト190の低温発熱部と、を有する。
【0089】
この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。線ヒータ5に電流が供給されて線ヒータ5の発熱作用中において、高抵抗値の導電性ペースト19の発熱温度は、低抵抗値の導電性ペースト190の発熱温度よりも高いので、高抵抗値の導電性ペースト19が配置されているランプレンズ4の上部から中間部にかけての温度は、低抵抗値の導電性ペースト190が配置されているランプレンズ4の中間部から下部にかけての温度より高くなる。このために、ランプレンズ4の上部から中間部かけて付着している雪や氷が集中加熱されて融かされてランプレンズ4の表面上を滑る。この融かされた雪や氷の滑り現象(いわゆる、雪崩現象)により、ランプレンズ4の中間部から下部にかけて付着している雪や氷は、融かされて滑ってきた雪や氷の荷重でランプレンズ4の表面上を滑ったりランプレンズ4の表面上から落とされたりする。この結果、ランプレンズ4の表面から雪や氷が除去されて、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0090】
この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5が、高抵抗値の導電性ペースト19の高温発熱部と、低抵抗値の導電性ペースト190の低温発熱部と、を有するので、ランプレンズ4の温度分布に対応してランプレンズ4を暖めることができる。たとえば、ランプレンズ4の低温箇所を高抵抗値の導電性ペースト19の高温発熱部により暖め、一方、ランプレンズ4の高温箇所を低抵抗値の導電性ペースト190の低温発熱部により暖めることができる。この結果、この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4の温度分布の温度差が大きい場合であっても、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのをランプレンズ4のほぼ全部に亘って確実に防止することができ、あるいは、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りをランプレンズ4のほぼ全部に亘って確実に融かしたり除去したりすることができる。
【0091】
特に、この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットを使用する車両用灯具は、図14に示すように、灯室7内に5個のランプユニット2が配置されていて、かつ、スラント角度が大きいランプレンズ4を使用する車両用灯具(実施例1の図2参照)であって、ランプレンズ4の温度分布の温度差が大きい車両用灯具である。しかしながら、この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4の温度分布に対応してランプレンズ4を暖めることができるので、温度分布の温度差が大きいランプレンズ4であっても、このランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止するいわゆる着雪防止効果、あるいは、このランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りを融かしたり除去したりするいわゆる融雪効果を向上させることができる。しかも、この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、前記のように温度分布の温度差が大きいランプレンズ4において、ランプレンズ4のうち必要な箇所この例では上部から中間部にかけて高抵抗値の導電性ペースト19の高温発熱部で暖めるので、ランプレンズ4の上部から中間部にかけての雪や氷が滑落してそのランプレンズ4の中間部から下部にかけての雪や氷を滑落させることができる。
【0092】
また、この実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5の導電性ペースト19、190の抵抗値の高低差により高温発熱部と低温発熱部とを形成するものであるから、線ヒータ5に高温発熱部と低温発熱部とを設けたにもかかわらず、線ヒータ5の構造や発熱制御が簡単であり、製造コストに貢献することができる。
【実施例5】
【0093】
図15は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例5を示す。図中、図1〜図14と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットについて説明する。
【0094】
この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、図15に示すように、上下4本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンからなる線ヒータ5がランプレンズ4に上下に2組転写して設けられているものである。上側の線ヒータ5は、複数組み合わせ可能なモジュール部品であって、低抵抗値の導電性ペースト19’からなる高温発熱部であり、一方、下側の線ヒータ5は、同じく複数組み合わせ可能なモジュール部品であって、高抵抗値の導電性ペースト190’からなる低温発熱部である。そして、1組の高温発熱部の前記線ヒータ5と1組の低温発熱部の前記線ヒータ5とは、給電部6に並列に接続されている。
【0095】
この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4の上部に低抵抗値の導電性ペースト19’からなる高温発熱部の線ヒータ5を設け、かつ、ランプレンズ4の下部に高抵抗値の導電性ペースト190’からなる低温発熱部の線ヒータ5を設けたものであるから、前記の実施例4にかかる車両用部品および線ヒータユニットとほぼ同様の作用効果を達成することができる。すなわち、この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、低抵抗値の導電性ペースト19’からなる高温発熱部の線ヒータ5と、高抵抗値の導電性ペースト190’からなる低温発熱部の線ヒータ5と、を有するので、ランプレンズ4の温度分布に対応してランプレンズ4を暖めることができる。この結果、この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4の温度分布の温度差が大きい場合であっても、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのをランプレンズ4のほぼ全部に亘って確実に防止することができ、あるいは、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りをランプレンズ4のほぼ全部に亘って確実に融かしたり除去したりすることができる。
【0096】
特に、この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットを使用する車両用灯具は、図15に示すように、灯室7内に5個のランプユニット2が配置されていて、かつ、スラント角度が大きいランプレンズ4を使用する車両用灯具(実施例1の図2参照)であって、ランプレンズ4の温度分布の温度差が大きい車両用灯具である。しかしながら、この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4の温度分布に対応してランプレンズ4を暖めることができるので、温度分布の温度差が大きいランプレンズ4であっても、このランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止するいわゆる着雪防止効果、あるいは、このランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りを融かしたり除去したりするいわゆる融雪効果を向上させることができる。しかも、この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、前記のように温度分布の温度差が大きいランプレンズ4において、ランプレンズ4のうち必要な箇所この例では上部から中間部にかけて低抵抗値の導電性ペースト19’の高温発熱部で暖めるので、ランプレンズ4の上部から中間部にかけての雪や氷が滑落してそのランプレンズ4の中間部から下部にかけての雪や氷を滑落させることができる。
【0097】
また、この実施例5にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、低抵抗値の導電性ペースト19’からなる高温発熱部の線ヒータ5と高抵抗値の導電性ペースト190’からなる低温発熱部の線ヒータ5とが複数組み合わせ可能なモジュール部品であるから、1組の高温発熱部の線ヒータ5と1組の低温発熱部の線ヒータ5とをたとえば小型で汎用形状のモジュール化することにより、種々様々なランプレンズ4の形状や寸法に対応して、高温発熱部の線ヒータ5の導電性ペースト19’と低温発熱部の線ヒータ5の導電性ペースト190’とをランプレンズ4に転写させることができる。
【実施例6】
【0098】
図16および図17は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例6を示す。図中、図1〜図15と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットについて説明する。
【0099】
この実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、図16および図17に示すように、導電性ペースト19の線パターンが、相互にほぼ平行である上下12本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンであって、上下6本の横線の疎の線パターン部19Aと、上下6本の横線の密の線パターン部19Bと、から構成されている。すなわち、ランプレンズ4のほぼ中央部から下部にかけては、疎の線パターン部19Aが配置されており、逆に、ランプレンズ4のほぼ上部には、密の線パターン部19Bが配置されている。
【0100】
この実施例6にかかる車両用部品は、上段に3個のランプユニット2が、下段に2個のランプユニット2が、それぞれ配置されている。前記ランプレンズ4のほぼ上部の密の線パターン部19Bのうち、下側2−3本の横線のパターンが、前記上段の3個のランプユニット2のやや上部に位置する。
【0101】
この実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、導電性ペースト19の線パターンが疎の線パターン部19Aと密の線パターン部19Bとから構成されているので、ランプレンズ4を暖める温度分布を最適に調整することができる。たとえば、この例では、密の線パターン部19Bがランプレンズ4のほぼ上部に配置されており、一方、疎の線パターン部19Aがランプレンズ4のほぼ中央部から下部にかけて配置されている。
【0102】
このために、線ヒータ5に電流を供給すると、密の線パターン部19Bが配置されているランプレンズ4のほぼ上部における温度が、一方、疎の線パターン部19Aが配置されているランプレンズ4のほぼ中央部から下部にかけての温度より高くなる。この結果、ランプレンズ4のほぼ上部に付着している雪や氷が集中加熱されて融かされてランプレンズ4の表面上を滑る。この融かされた雪や氷の滑り現象(いわゆる、雪崩現象)により、ランプレンズ4のほぼ中央部から下部にかけて付着している雪や氷は、融かされて滑ってきた雪や氷の荷重でランプレンズ4の表面上を滑ったりランプレンズ4の表面上から落とされたりする。この結果、ランプレンズ4の表面から雪や氷が除去されて、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0103】
このように、この実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、導電性ペースト19の線パターンが疎の線パターン部19Aと密の線パターン部19Bとから構成されているので、ランプレンズ4の温度分布に対応してランプレンズ4を暖めることができる。これにより、この実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止するいわゆる着雪防止効果、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りを融かしたり除去したりするいわゆる融雪効果を向上させることができる。特に、この実施例6にかかる車両用部品のように、すなわち図16および図17に示すように、灯室7内に5個のランプユニット2が配置されている車両用部品やスラント角度が大きいランプレンズ4を使用する車両用部品のように、温度分布の温度差が大きいランプレンズ4の着雪防止効果や融雪効果を発揮することができる。
【0104】
また、この実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、導電性ペースト19の密の線パターン部19Bが配光性能に影響を与えないランプレンズ4のほぼ上部に配置されており、一方、導電性ペースト19の疎の線パターン部19Aがランプレンズ4の主発光部のほぼ中央部から下部にかけて配置されているので、配光性能への影響を最小限に抑えることができる。
【0105】
さらに、この実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させる転写式の線ヒータ5を使用するものであるから、相互にほぼ平行である上下12本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンであって、上下6本の横線の疎の線パターン部19Aと、上下6本の横線の密の線パターン部19Bと、から構成されている線パターンの通電ペースト19を容易に形成することができる。
【実施例7】
【0106】
図18および図19は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例7を示す。図中、図1〜図17と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例7にかかる車両用部品および線ヒータユニットについて説明する。
【0107】
この実施例7にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、前記の実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットの変形例である。この実施例7にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、図18および図19に示すように、導電性ペースト19の線パターンが、相互にほぼ平行である上下12本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンであって、上下4本の横線の疎の線パターン部19Aと、上下8本の横線の密の線パターン部19Bと、から構成されている。すなわち、上下4本の横線の密の線パターン部19Bと、上下2本の横線の疎の線パターン部19Aと、が上下2段に構成されている。
【0108】
上下4本の横線の密の線パターン部19Bが、ランプレンズ4のうち、上段の3個のランプユニット2のやや上部に対応する箇所と、下段の2個のランプユニット2のやや上部に対応する箇所と、にそれぞれ配置されている。一方、上下2本の横線の疎の線パターン部19Aが、ランプレンズ4のうち、上段の3個のランプユニット2の中央部から下部にかけて対応する箇所と、下段の2個のランプユニット2の中央部から下部にかけて対応する箇所と、にそれぞれ配置されている。
【0109】
この実施例7にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、前記の実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットと同様に、導電性ペースト19の線パターンが疎の線パターン部19Aと密の線パターン部19Bとから構成されているので、ランプレンズ4を暖める温度分布を最適に調整することができる。たとえば、この例では、密の線パターン部19Bが、ランプレンズ4のうち上下2段の5個のランプユニット2のやや上部に対応する箇所すなわち上部側に配置されている。一方、疎の線パターン部19Aが、ランプレンズ4のうち上下2段の5個のランプユニット2のほぼ中央部から下部にかけて対応する箇所すなわち下部側に配置されている。
【0110】
このために、線ヒータ5に電流を供給すると、ランプレンズ4のうち密の線パターン部19Bが配置されている上下2段の5個のランプユニット2の上部側の温度が、疎の線パターン部19Aが配置されている上下2段の5個のランプユニット2の下部側の温度より高くなる。このために、ランプレンズ4のうちランプユニット2の上部側に付着している雪や氷が集中加熱されて融かされてランプレンズ4の表面上を滑る。この融かされた雪や氷の滑り現象(いわゆる、雪崩現象)により、ランプレンズ4のうちランプユニット2の下部側に付着している雪や氷は、融かされて滑ってきた雪や氷の荷重でランプレンズ4の表面上を滑ったりランプレンズ4の表面上から落とされたりする。この結果、ランプレンズ4の表面から雪や氷が除去されて、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0111】
このように、この実施例7にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、導電性ペースト19の線パターンが疎の線パターン部19Aと密の線パターン部19Bとから構成されているので、ランプレンズ4の温度分布に対応してランプレンズ4を暖めることができる。これにより、この実施例7にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、前記の実施例6にかかる車両用部品および線ヒータユニットと同様に、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止するいわゆる着雪防止効果、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りを融かしたり除去したりするいわゆる融雪効果を向上させることができる。特に、この実施例7にかかる車両用部品のように、すなわち図18および図19に示すように、灯室7内に5個のランプユニット2が配置されている車両用部品やスラント角度が大きいランプレンズ4を使用する車両用部品のように、温度分布の温度差が大きいランプレンズ4の着雪防止効果や融雪効果を発揮することができる。
【0112】
また、この実施例7にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させる転写式の線ヒータ5を使用するものであるから、相互にほぼ平行である上下12本の横線を左右にジグザグに連続する線パターンであって、上下4本の横線の疎の線パターン部19Aと、上下8本の横線の密の線パターン部19Bと、から構成されている線パターンの通電ペースト19を容易に形成することができる。
【実施例8】
【0113】
図20は、この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例8を示す。図中、図1〜図19と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例8にかかる車両用部品および線ヒータユニットについて説明する。
【0114】
この実施例8にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、図20に示すように、線ヒータ5が、発熱部と無発熱部とを有するものである。前記発熱部は、図20中の実線で示すように、前記線ヒータ5のうち導電性ペースト19で形成されている部分である。一方、前記無発熱部は、図20中の破線で示すように、前記線ヒータ5のうち金属線(もしくは金属箔)320で形成されている部分である。前記線ヒータ5のうち前記導電性ペースト19の発熱部は、前記ランプレンズ4のうち低温箇所、もしくは、前記ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りによる配光影響や光学的影響が大きい箇所などに配置されている。一方、前記線ヒータ5のうち前記金属線320の無発熱部は、前記ランプレンズ4のうち高温箇所、もしくは、前記ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りによる配光影響や光学的影響が小さい箇所などに配置されている。
【0115】
前記金属線320は、たとえば、抵抗値がほぼ0もしくはほぼ0に近似する材質のものを使用する。また、前記金属線320は、前記導電性ペースト19と共に線パターンを形成するものである。さらに、前記金属線320は、前記導電性ペースト19と共に前記ランプレンズ4に転写されて設けられるものであっても良いし、前記導電性ペースト19が前記ランプレンズ4に転写された後にディスペンサーで前記ランプレンズ4に配線されるものであっても良い。
【0116】
この実施例8にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、以上のごとき構成からなるので、ランプレンズ4の低温箇所などを線ヒータ5の導電性ペースト19からなる発熱部により暖め、一方、ランプレンズ4の高温箇所などを線ヒータ5の金属線320からなる無発熱部により常温のままとすることができる。この結果、この実施例8にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、上記の実施例4〜7にかかる車両用部品および線ヒータユニットとほぼ同様の作用効果を達成することができる。すなわち、この実施例8にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、ランプレンズ4の温度分布の温度差が大きい場合であっても、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りをランプレンズ4のほぼ全部に亘って確実に融かしたり除去したりすることができ、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0117】
また、この実施例8にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5の導電性ペースト19および金属線320の抵抗値の有無により発熱部と無発熱部とを形成するものであるから、線ヒータ5に発熱部と無発熱部とを設けたにもかかわらず、線ヒータ5の構造や発熱制御が簡単であり、製造コストに貢献することができる。
【0118】
さらに、この実施例8にかかる車両用部品および線ヒータユニットは、線ヒータ5の金属線320の抵抗値をほぼ0にもしくはほぼ0に近似させて無発熱部を形成するものであるから、省電力に貢献することができる。
【実施例9】
【0119】
図21は、この発明にかかる線ヒータユニットの実施例9を示す。図中、図1〜図20と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例9にかかる線ヒータユニットについて説明する。
【0120】
この実施例9にかかる線ヒータユニットは、前記の実施例1にかかる線ヒータユニットの変形例である。この実施例9にかかる線ヒータユニットは、図21に示すように、スリット32が設けられており、かつ、導電性ペースト19の線パターンに倣った形状に形成されているセパレータ21Aを使用するものである。すなわち、前記セパレータ21Aは、導電性ペースト19の線パターンに倣った形状にカット加工により形成されている。また、前記セパレータ21Aには、スリット32が、通電ペースト19の線パターンのうち上下2本の横線の間にカット加工によりV字形状に設けられている。さらに、前記セパレータ21Aは、前記の実施例1にかかる線ヒータのセパレータ21のように、フレキシブル性の素材(ウレタンなどのゴム系の素材)を使用するものである。なお、図21において、二点鎖線で示すセパレータ21は、前記の実施例1〜8に使用されている長方形のセパレータである。
【0121】
この実施例9にかかる線ヒータユニットは、ランプレンズ4の曲面に追従し得るように、セパレータ21Aにスリット32を設け、かつ、セパレータ21Aを導電性ペースト19の線パターンに倣った形状に形成したものであるから、前記の実施例1にかかる線ヒータユニットと同様に、ランプレンズ4に導電性ペースト19をランプレンズ4の曲面に十分に追従して転写させることができる。これにより、この実施例9にかかる線ヒータユニットは、ランプレンズ4の曲面や形状や大型サイズに容易に対応することができ、導電性ペースト19の線パターンのデザイン設計の自由度が上がる。
【0122】
特に、この実施例9にかかる線ヒータユニットは、セパレータ21AにV字形状のスリット32を通電ペースト19の線パターンの横線に沿って横方向に設けたので、曲率が大きい曲面と曲率が小さい曲面とからなるランプレンズ4に対応することができる。すなわち、この実施例6のセパレータ21Aを使用して線ヒータ5をランプレンズ4に転写させる際に、V字スリット32の開いた方をランプレンズ4の曲率が大きい曲面に対応させ、かつ、V字スリット32の閉じた方をランプレンズ4の曲率が小さい曲面に対応させる。これにより、V字スリット32の開いた方のセパレータ21Aの端が狭まり、V字スリット32の閉じた方のセパレータ21Aの端がほぼそのままであるから、曲率が大きい曲面と曲率が小さい曲面とからなるランプレンズ4に線ヒータ5を確実にかつ簡単に転写させることができる。
【0123】
また、この実施例9にかかる線ヒータユニットは、セパレータ21Aを導電性ペースト19の線パターンに倣った形状に形成したものであるから、セパレータ21Aのうち、線ヒータ5をランプレンズ4に転写させる際に必要な部分を残して不要な部分を除くことができる。これにより、この実施例9のセパレータ21Aを使用して線ヒータ5をランプレンズ4に転写させる際に、セパレータ21Aの余分な部分が邪魔となるようなことがないので、ランプレンズ4に線ヒータ5を確実にかつ簡単に転写させることができる。
【0124】
なお、この実施例9においては、セパレータ21Aにスリット32を設け、かつ、セパレータ21Aを導電性ペースト19の線パターンに倣った形状に形成したものである。ところが、この発明においては、スリット32を設けセパレータであっても良いし、また、導電性ペースト19の線パターンに倣った形状に形成したセパレータであっても良い。
【実施例10】
【0125】
図22および図23は、この発明にかかる線ヒータユニットの実施例10を示す。図中、図1〜図18と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例10にかかる線ヒータユニットについて説明する。
【0126】
この実施例10にかかる線ヒータユニットは、前記の実施例1、9にかかる線ヒータユニットの変形例である。この実施例10にかかる線ヒータユニットは、図22および図23に示すように、導電性ペースト19の線パターンとともにランプレンズ4の曲面に合致させて3次元設計し(図22参照)、それを展開したセパレート21B(図23参照)を使用するものである。
【0127】
セパレータ21Bと共に展開された導電性ペースト19の線パターンは、図23に示すように、左側の端部が平行線(図23中の二点鎖線で示す)に対して外側に広がっている。この広げ寸法は、ランプレンズ4のうち導電性ペースト19の左側の端部を転写する箇所の曲率に見合って、すなわち、左側の端部の狭まりを見込んで設計する。一方、前記導電性ペースト19の線パターンの右側の端部は、ほぼ平行である。また、前記セパレータ21Aは、前記の実施例1にかかる線ヒータのセパレータ21のように、フレキシブル性の素材(ウレタンなどのゴム系の素材)を使用するものである。
【0128】
この実施例10にかかる線ヒータユニットは、ランプレンズ4の曲面に追従し得るように、導電性ペースト19の線パターンとともにランプレンズ4の曲面に合致させて3次元設計して展開したセパレート21Bを使用するものであるから、前記の実施例1、9にかかる線ヒータユニットと同様に、ランプレンズ4に導電性ペースト19をランプレンズ4の曲面に十分に追従して転写させることができる。これにより、この実施例10にかかる線ヒータユニットは、ランプレンズ4の曲面や形状や大型サイズに容易に対応することができ、導電性ペースト19の線パターンのデザイン設計の自由度が上がる。
【0129】
特に、この実施例10にかかる線ヒータユニットは、導電性ペースト19の線パターンとともにランプレンズ4の曲面に合致させて3次元設計して展開したセパレート21Bを使用するものであるから、曲率が大きい曲面と曲率が小さい曲面とからなるランプレンズ4に対応することができる。すなわち、この実施例10のセパレータ21Bを使用して線ヒータ5をランプレンズ4に転写させる際に、外側に広がっている左側の端部をランプレンズ4の曲率が大きい曲面に対応させ、かつ、ほぼ平行な右側の端部をランプレンズ4の曲率が小さい曲面に対応させる。これにより、外側に広がっている左側の端部の導電性ペースト19の線パターンが狭まり、ほぼ平行である右側の端部の導電性ペースト19の線パターンがほぼそのままであるから、曲率が大きい曲面と曲率が小さい曲面とからなるランプレンズ4に線ヒータ5を確実にかつ簡単に転写させることができる。
【0130】
以下、前記の実施例1〜10以外の例について説明する。前記の実施例1〜10において、融雪構造を必要とする部品として、自動車Cのヘッドランプ1L、1Rのランプレンズ4に使用した例を説明するものである。ところが、この発明においては、自動車Cのヘッドランプ1L、1Rのランプレンズ4以外の融雪構造を必要とする部品、たとえば、車両のウインドガラスや車両のミラーや車両のワイパーブレードなどの部品に使用しても良い。
【0131】
前記の実施例1〜10においては、線ヒータ5をランプレンズ4の内面に転写して設けるものである。ところが、この発明においては、線ヒータ5をランプレンズ4の外面もしくは内外両面に転写して設けても良い。
【0132】
また、前記の実施例1〜10においては、導電性ペースト19として銀ペーストを使用するものである。ところが、この発明においては、導電性ペースト19として、銀ペースト以外の金属ペースト、たとえば、金ペースト、銅ペースト、アルミペーストなどを使用しても良い。
【0133】
さらに、前記の実施例1〜10は、自動車Cのヘッドランプ1L、1Rのランプレンズ4に使用した例を説明するものである。ところが、この発明においては、自動車Cのヘッドランプ1L、1R以外の車両用部品、たとえば、ストップランプなどの信号灯、カーブランプなどの照明灯、フロントコンビネーションランプ、リアコンビネーションランプなどのランプレンズに使用しても良い。
【0134】
さらにまた、前記の実施例1〜8においては、光を前記ランプレンズ4を通して外部に照射する光照射部として、半導体型光源12を光源とするプロジェクタタイプのランプユニット2について説明するものである。ところが、この発明においては、光照射部として、前記のランプユニット2以外の光照射部、たとえば、光源が半導体型光源やHIDなどの放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブであって、プロジェクタタイプや反射タイプや直射タイプのランプユニットであっても良い。または、プロジェクタタイプや反射タイプや直射タイプの車両用部品において、半導体型光源やHIDなどの放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブの光源、および、その光源と反射面との組み合わせのものであっても良い。
【0135】
さらにまた、前記の実施例1〜10においては、導電性部材として、導電性ペースト19を使用するものである。ところが、この発明においては、導電性部材として、導電性ペースト19以外に、たとえば、ニクロム線やニクロム箔などの金属性部材を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例1を示し、自動車のヘッドランプに使用されている状態の説明図である。
【図2】同じく、ヘッドランプの垂直断面図(縦断面図)である。
【図3】同じく、ヘッドランプに使用されているランプユニットの垂直断面図(縦断面図)である。
【図4】同じく、ヘッドランプに使用されているランプレンズを示す斜視図である。
【図5】同じく、図4におけるV部の拡大図である。
【図6】同じく、図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】同じく、図4におけるVII部の拡大図である。
【図8】同じく、図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】同じく、ヘッドランプに使用されているランプレンズの製造工程を示す説明図である。
【図10】同じく、ヘッドランプに使用される線ヒータユニットを示す説明図である。
【図11】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例2を示す自動車のヘッドランプのランプレンズの斜視図である。
【図12】同じく、ヘッドランプに使用される線ヒータユニットを示す説明図である。
【図13】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例3を示す自動車のヘッドランプのランプレンズの製造工程の説明図である。
【図14】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例4を示す自動車のヘッドランプのランプレンズの斜視図である。
【図15】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例5を示す自動車のヘッドランプのランプレンズの斜視図である。
【図16】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例6を示す自動車のヘッドランプのランプレンズの斜視図である。
【図17】同じく、ヘッドランプの垂直断面図(縦断面図)である。
【図18】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例7を示す自動車のヘッドランプのランプレンズの斜視図である。
【図19】同じく、ヘッドランプの垂直断面図(縦断面図)である。
【図20】この発明にかかる車両用部品および線ヒータユニットの実施例8を示す自動車のヘッドランプのランプレンズの斜視図である。
【図21】この発明にかかる線ヒータユニットの実施例9を示す説明図である。
【図22】この発明にかかる線ヒータユニットの実施例10を示す説明図である。
【図23】同じく、3次元設計後に展開した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0137】
C 自動車
CL カット箇所
1L、1R ヘッドランプ(車両用部品)
2 ランプユニット
3 ランプハウジング
4 ランプレンズ(融雪構造を必要とする部品)
5 線ヒータ
6 給電部
7 灯室
8 上側リフレクタ
9 下側リフレクタ
10 反射面
11 シェード
12 半導体型光源(LED)
13 投影レンズ
14 ヒートシンク部材
15 ホルダ部材
16 ヒートシンク部材
17 ベースフィルム
18 接着剤
19 導電性ペースト
19A 疎の線パターン部
19B 密の線パターン部
20 レジスト
21、21A、21B セパレータ
22 剥離シート
23 シート部材
24 給電パターン部
25 表面実装タイプのコネクタ
26 ハーネス
27 レンズ側のコネクタ
28 ランプレンズの側壁
29 ハウジング側のコネクタ
30 ハーネス
31 温度制御部
32 スリット
320 金属線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
融雪構造をなす車両用部品において、
融雪構造を必要とする部品と、
前記部品に転写により設けられている線ヒータと、
前記線ヒータに電流を供給する給電部と、
を備え、
前記線ヒータは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱する導電性部材と、前記ベースフィルムの他面に前記導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、少なくとも前記ベースフィルムが前記導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、前記接着剤を前記部品に接着させて線パターンの前記導電性部材を前記部品に転写させる転写式の線ヒータである、
ことを特徴とする車両用部品。
【請求項2】
前記線ヒータは、複数組み合わせ可能なモジュール部品である、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用部品。
【請求項3】
着色部が設けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用部品。
【請求項4】
前記ベースフィルムおよび前記接着剤および前記レジストは、前記導電性部材の幅に対して、少なくとも前記レジストにより前記導電性部材を覆い得る幅でカットされている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用部品。
【請求項5】
前記線ヒータは、抵抗値の高低差により高温発熱部と低温発熱部とを有し、あるいは、抵抗値の有無により発熱部と無発熱部とを有し、あるいは、前記導電性部材の線パターンの密疎により高温発熱部と低温発熱部とを有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用部品。
【請求項6】
前記線ヒータには、前記導電性部材の発熱温度を制御する温度制御部が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用部品。
【請求項7】
車両用部品のうち融雪構造を必要とする部品に設けられる線ヒータのユニットにおいて、
ベースフィルムと、
前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、
前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱する導電性部材と、
前記ベースフィルムの他面に前記導電性部材を覆うように設けられているレジストと、
少なくとも前記ベースフィルムが前記導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、前記レジスト側に配置されているものであって、前記接着剤を前記部品に接着させて線パターンの前記導電性部材を前記部品に転写させた後前記レジスト側から剥がされるセパレータと、
から構成されている、ことを特徴とする車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット。
【請求項8】
複数組み合わせ可能なモジュール部品である、ことを特徴とする請求項7に記載の車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット。
【請求項9】
着色部が設けられている、ことを特徴とする請求項7または8に記載の車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット。
【請求項10】
前記ベースフィルムおよび前記接着剤および前記レジストは、前記導電性部材の幅に対して、少なくとも前記レジストにより前記導電性部材を覆い得る幅でカットされている、ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット。
【請求項11】
前記線ヒータは、抵抗値の高低差により高温発熱部と低温発熱部とを有し、あるいは、抵抗値の有無により発熱部と無発熱部とを有し、あるいは、前記導電性部材の線パターンの密疎により高温発熱部と低温発熱部とを有する、ことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット。
【請求項12】
前記線ヒータには、前記導電性部材の発熱温度を制御する温度制御部が設けられている、ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット。
【請求項13】
前記セパレータは、前記部品の曲面に追従し得るように、フレキシブル性の素材を使用したもの、スリットを設けたもの、前記導電性部材の線パターンに倣った形状に形成したもの、前記導電性部材の線パターンとともに3次元設計して展開したもの、のうち少なくとも1つのものからなる、ことを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の車両用部品の融雪構造部品用の線ヒータユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−188687(P2007−188687A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4158(P2006−4158)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【出願人】(000165848)原田工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】