Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
車体前部構造
説明

車体前部構造

【課題】車両正面と歩行者との接触に際して歩行者の衝撃を吸収する車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前部構造11は、車両正面視で、略アーチ状のバルクヘッドアッパ45が配置され、バルクヘッドアッパ45は、中央に配置され車幅方向へ延びる頂部横部材51と、頂部横部材51の両端から下方へ延ばした縦部材52と、を備え、縦部材52がフロントサイドフレーム27の前端に立設されている左バルクヘッドサイド42、右バルクヘッドサイド43に車両後方へ回動可能(矢印a5の方向)に取付けられている。バルクヘッドアッパ45にストッパ部材41が、バルクヘッドアッパ45の回動支点M(回動支点軸線を含む)から車両前方へオフセットして配置されている。バルクヘッドアッパ45が、回動抵抗発生機構46を介して取付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両正面が障害物に接触したときに衝撃を吸収するようにした車体前部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体前部構造には、車両正面の骨格のうち、下端に車幅方向に沿って延設されているフロントクロスメンバが中央で2分割され、この分割で形成された左クロスメンバと右クロスメンバの分割側同士を回動支点となるコンパス機構部とで連結することで、オフセット衝突時に左・右クロスメンバの端部を、端部に接合している左右のフロントサイドメンバとともに車両後方へ変形移動させて、衝撃を吸収するようにしているものがある(例えば、特許文献1(図3、図4)参照)。
【0003】
しかし、従来技術(特許文献1)では、車両同士が正面衝突する衝撃に対しては、フロントサイドメンバが変形するので、回動を誘発して効果を発揮するが、車両同士が衝突するときの衝撃の大きさに比べ衝撃の大きさが小さくなることが多い歩行者との接触では、フロントサイドメンバの変形は起き難く、歩行者の受ける衝撃を吸収し難いという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−198854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、車両正面と歩行者との接触に際して歩行者の衝撃を吸収する車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両正面と前輪の上方との間に、車両正面視で、略アーチ状のバルクヘッドアッパが配置され、前輪の車両内側に沿って車両前後方向へ延びているフロントサイドフレームがそれぞれ配置されている車体前部構造において、バルクヘッドアッパは、中央に配置され車幅方向へ延びる頂部横部材と、頂部横部材の両端から下方へ延ばした縦部材と、を備え、縦部材がフロントサイドフレームの前端に立設されているバルクヘッドサイドに車両後方へ回動可能に取付けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、バルクヘッドアッパに、上方に配置されたフードを閉じるときに押されるストッパ部材が、バルクヘッドアッパの回動支点から車両前方へオフセットして配置されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、バルクヘッドアッパが、その回動支点と同心に配置された回動抵抗発生機構を介して取付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、バルクヘッドアッパの回動支点から離れた位置に、バルクヘッドアッパを回動させる入力に対し反力を発生させる反力発生機構を設けていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、回動抵抗発生機構は、スプリング、回転緩衝機構、樹脂体のうち少なくとも一つを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、反力発生機構は、バルクヘッドアッパとバルクヘッドサイドのうち一方に回動支点から離れた距離で設けられた突部と、突部を通し他方に設けられた孔と、を備え、孔は突部を嵌合している原点孔に連なる開口部が距離を半径とする円弧状で且つ、突部に接触して摺動抵抗を発生させる形状で開けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、バルクヘッドアッパとバルクヘッドサイドのうち一方に、バルクヘッドアッパの回動支点の近傍に長孔と真円孔の少なくとも一つが、長孔を貫通させた貫通部材より大きく、真円孔を貫通させた貫通部材より大きく開けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、略アーチ状のバルクヘッドアッパ及びフロントサイドフレームが配置されている車体前部構造において、バルクヘッドアッパは、中央に配置され車幅方向へ延びる頂部横部材と、頂部横部材の両端から下方へ延ばした縦部材と、を備え、縦部材がフロントサイドフレームの前端に立設されているバルクヘッドサイドに車両後方へ回動可能に取付けられているので、車両正面と障害物(例えば歩行者)との接触で衝撃が入力されると、車両正面の変形とともにバルクヘッドアッパが車両後方へ回動し、歩行者の衝撃を吸収することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、バルクヘッドアッパにフードを閉じるときに押されるストッパ部材が、バルクヘッドアッパの回動支点から車両前方へオフセットして配置されているので、フードを閉じるときにフードを押すと、押し下げる力がバルクヘッドアッパを前方へ回動させる分力となり、回動方向とは逆の方向に向け入力される。その結果、フードを閉じるときに回動が起きず、フードを閉じるときの力の入力に対するバルクヘッドアッパの強度を確保することができ、しかも、歩行者との接触(衝突)時にはバルクヘッドアッパが後方へ回動して衝撃を吸収することができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、バルクヘッドアッパが、その回動支点と同心に配置された回動抵抗発生機構を介して取付けられているので、回動抵抗発生機構を取付けている縦部材の回動量が小さい場合でも、回動抵抗発生機構の抵抗によって所望の衝撃を吸収することができる。
【0016】
また、回動抵抗発生機構によって回動を抑制する所望の抵抗が設定され、縦部材の回動量を小さく設定でき、バルクヘッドアッパからエンジンまでの距離を短縮することができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、バルクヘッドアッパの回動支点から離れた位置に、バルクヘッドアッパを回動させる入力に対し反力を発生させる反力発生機構を設けているので、反力発生機構を設けている縦部材の回動量が小さい場合でも、反力発生機構の反力によってより確実に所望の衝撃を吸収することができる。
【0018】
また、反力発生機構によって回動を抑制する所望の反力が設定され、縦部材の回動量を小さく設定でき、バルクヘッドアッパからエンジンまでの距離を短縮することができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、回動抵抗発生機構は、スプリング、回転緩衝機構、樹脂体のうち少なくとも一つを備えているので、少なくとも一つに抗して回動することになり、車両正面に接触した歩行者など低荷重の入力となるものに対してより衝撃を吸収することができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、反力発生機構は、バルクヘッドアッパとバルクヘッドサイドのうち一方に回動支点から離れた距離で設けられた突部と、突部を通し他方に設けられた孔と、を備え、孔は突部を嵌合している原点孔に連なる開口部が距離を半径とする円弧状で且つ、突部に接触して摺動抵抗を発生させる形状で開けられているので、バルクヘッドアッパの回動の摺動抵抗によって、車両正面に接触した歩行者など低荷重の入力となるものに対してより衝撃を吸収することができる。
【0021】
請求項7に係る発明では、バルクヘッドアッパとバルクヘッドサイドのうち一方に、バルクヘッドアッパの回動支点の近傍に長孔と真円孔の少なくとも一つが、長孔を貫通させた貫通部材より大きく、真円孔を貫通させた貫通部材より大きく開けられているので、大きいことによって車両正面に接触した歩行者への衝撃吸収を損なうことなく、貫通部材との当接によってバルクヘッドアッパとバルクヘッドサイドの結合強度を高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る車体前部構造の概要説明図である。
【図2】本発明の実施例1に係る車体前部構造の斜視図である。
【図3】実施例1に係る車体前部構造の断面図である。
【図4】図2の4矢視図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る車体前部構造の衝撃を吸収する機構を説明する図である。
【図8】本発明の実施例2に係る車体前部構造を説明する図である。
【図9】本発明の実施例3に係る車体前部構造を説明する図である。
【図10】本発明の実施例4に係る車体前部構造を説明する図である。
【図11】本発明の実施例5に係る車体前部構造を説明する図である。
【図12】本発明の実施例6に係る車体前部構造を説明する図である。
【図13】本発明の実施例7に係る車体前部構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、実施例1〜実施例7で詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
実施例1に係る車体前部構造11は、図1に示すように、車両12に採用され、車両12の車両正面13が障害物に接触したときに、変形して接触したときの衝撃を緩和する。以降で具体的に説明していく。
【0025】
車両12は、図1〜図3に示すように、前輪14と、車室15と、車室15の床をなすアンダボデー16と、車室15に連なるフロントボデー17と、フロントボデー17に設けられたエンジン18と、エンジン18などフロントボデー17に配置した部品をカバーしているフード21と、フード21の前縁22の下方に位置しフロントボデー17に取付けられたグリル23と、フロントバンパ24と、フロントボデー17の前端骨格25に含まれるバルクヘッド26と、フロントボデー17のフロントサイドフレーム27と、バルクヘッド26にフード21の前部28をロックしているフードロック装置31と、備える。
【0026】
フードロック装置31は、既存のものと同様であり、バルクヘッド26に取付けたロック機構32の爪部33が、フード21を閉じたときにフード21に取付けたストライカ34に係合してフード21をロックする。
【0027】
フード21は、前開き(矢印a1の方向)で、アウタパネル35と、インナパネル36と、インナパネル36の前部(フード21の前部28と同様の位置)に、且つ、ストライカ34から車両後方(矢印a2の方向)へ所定距離だけ離して設けられた押圧部37と、押圧部37が当接するストッパ部材41と、を備え、フード21を閉じたときに押圧部37がストッパ部材41を押している。
【0028】
バルクヘッド26は、図2〜図5に示したように、立設した左バルクヘッドサイド42及び右バルクヘッドサイド43と、下に位置するバルクヘッドロア44と、上に位置するバルクヘッドアッパ45と、回動抵抗発生機構46と、を備える。
Leはバルクヘッドアッパ45からエンジン18までの距離である。
【0029】
車体前部構造11は、既に図1〜図5で説明したように、車両正面13と前輪14の上方との間に、車両正面視(図2の矢印a3の方向)で、略アーチ状のバルクヘッドアッパ45が配置され、前輪14の車両内側(図1の矢印a4の方向)に沿って車両前後方向へ延びているフロントサイドフレーム27がそれぞれ配置されている。
バルクヘッドアッパ45は、中央に配置され車幅方向へ延びる頂部横部材51と、頂部横部材51の両端から下方へ延ばした縦部材52と、を備え、縦部材52がフロントサイドフレーム27の前端に立設されている左バルクヘッドサイド42、右バルクヘッドサイド43に車両後方へ回動可能(矢印a5の方向)に取付けられている。
【0030】
バルクヘッドアッパ45に、図3に示しているように、上方に配置されたフード21を閉じるときに押されるストッパ部材41が、バルクヘッドアッパ45の回動支点M(回動支点軸線を含む)から車両前方へオフセット(オフセット量B)して配置されている。
バルクヘッドアッパ45が、その回動支点Mと同心に配置された回動抵抗発生機構46を介して取付けられている。
【0031】
バルクヘッド26は、具体的には、図2に示すフロントボデー17の左フロントサイドフレーム27及び左アッパメンバ55に左バルクヘッドサイド42が接合され、フロントボデー17の右フロントサイドフレーム27及び右アッパメンバ56に右バルクヘッドサイド43が接合され、左バルクヘッドサイド42及び右バルクヘッドサイド43の下端にバルクヘッドロア44の端がそれぞれ接合され、左バルクヘッドサイド42及び右バルクヘッドサイド43の上部連結部57にバルクヘッドアッパ45の下部連結部58がそれぞれ回動自在(矢印a5の方向)に回動抵抗発生機構46を介して接合されている。
【0032】
バルクヘッドアッパ45の回動範囲は、図3に示す原点位置Sから回動後退限位置Eまでである。
バルクヘッドアッパ45からグリル23の中央までの距離はLb(図3)であり、一般的な距離に比べ短い。
【0033】
バルクヘッドアッパ45は、頂部横部材51及び縦部材52が角管(閉断面)形状に形成されているとともに、縦部材52が車両正面視で、左右でハの字を形成するように傾斜している。縦部材52の下部連結部58は、図4、図5に示す角管(閉断面)形状を板状に塑性加工した部位であり、アッパ支点孔61が開けられ、アッパ支点孔61の中心(回動支点M)を中心とする半径rの円弧を基準に円弧状の規制長孔62が中心角αで開けられている。中心角αは原点位置Sから回動後退限位置Eまでに対応している。
【0034】
また、頂部横部材51にストッパ部材41が、側面視で(図3、図4の視点)、アッパ支点孔61の中心から車両前方へ距離Bだけ離して取付けられている。
なお、バルクヘッドアッパ45は角管(閉断面)形状に形成されているが、溝形に形成したものでもよい。
【0035】
バルクヘッドサイド(左バルクヘッドサイド42、右バルクヘッドサイド43)は、角管(閉断面)形状に形成されているとともに、上部連結部57にバルクヘッドアッパ45の下部連結部58に設けたアッパ支点孔61に対して同心にサイド支点孔64が開けられ、上部連結部57には下部連結部58に設けられた規制長孔62に嵌合する規制ピン65が形成されている。規制ピン65は、規制長孔62の幅との間に隙間を設定した大きさ(直径)で、原点位置Sの状態において、規制長孔62の始端部66に一致している。
【0036】
規制ピン65と規制長孔62とで回動規制機構68をなしているが、回動規制機構68を逆に構成してもよい。すなわち、規制ピン65をバルクヘッドアッパ45に設け、規制長孔62をバルクヘッドサイド42、43に設ける。
サイド支点孔64の中心及びアッパ支点孔61の中心は、回動支点Mと一致し且つ、回動抵抗発生機構46の中心と同心である。
【0037】
回動抵抗発生機構46は、図4〜図6に示すように、上部連結部57(サイド支点孔64)と下部連結部58(アッパ支点孔61)を貫通しているボルト71と、ボルト71を通して積層したスプリングとして用いた2枚の皿ばね72及び回転緩衝機構73と、からなる。
【0038】
具体的には、下部連結部58に皿ばね72を2枚重ね、皿ばね72に回転緩衝機構73を重ね、回転緩衝機構73の筐体75をバルクヘッドサイド42の上部連結部57に一体的に固定し、筐体75内に設けられた羽根76にボルト71を、羽根76とともに回転するように係合し、ボルト71に所望の軸力を発生させ(例えばトルク管理)た後、ボルト71の頭部を下部連結部58に溶接で一体的に固定し、ボルト71とナット77を一体的に固定する。78はナット77用の工具孔である。
【0039】
すなわち、バルクヘッドアッパ45が回動したとき、回動抵抗発生機構46では、バルクヘッドアッパ45と一体でボルト71、羽根76、ナット77が回動し、回転緩衝機構73の筐体75がバルクヘッドサイド42と一体で静止している。
【0040】
回転緩衝機構73は、図6に示す筐体75と、筐体75内に充填されたオイル79と、オイル79に浸かり筐体75内に回転自在に設けられた羽根76と、を有し、羽根76が回転すると、オイル79の粘性によって羽根76に抵抗が発生する。ここでは、バルクヘッドアッパ45の回動に抗する抵抗が起きる。
【0041】
なお、回動抵抗発生機構46は、回転緩衝機構73と皿ばね72(2枚重)を用いたが、回転緩衝機構73と皿ばね72(2枚重)のうち一方のみを用いることも可能である。例えば、皿ばね72(2枚重)のみを挟んで、ボルト71で締結する。皿ばね72のみの形態では、ボルト71を固定(例えば溶接で)する必要はない。
【0042】
回転緩衝機構73の筐体75をバルクヘッドサイド42に一体的に固定したが、筐体75や羽根76をそれぞれ適宜部材(バルクヘッドサイド42、バルクヘッドアッパ45、ボルト71のうち)に、バルクヘッドアッパ45の回動に抗する抵抗が起きるように固定すればよい。
【0043】
次に、実施例1に係る車体前部構造11の作用を図7で説明する。
車体前部構造11では、車両正面13が障害物(例えば歩行者St)に接触すると、フード21やグリル23が変形するとともにバルクヘッドアッパ45が車両後方へ矢印a5のように回動するので、歩行者Stの衝撃を吸収することができる。
【0044】
具体的には、歩行者Stの接触による衝撃でフード21の前部28やグリル23が車両後方へ変形してバルクヘッドアッパ45に衝撃(荷重)が入力されると、バルクヘッドアッパ45は回動支点Mを支点に回動抵抗発生機構46(図5)に抗して車両後方へ矢印a5のように回動を開始するので、歩行者Stとの衝撃を吸収する。
その際、バルクヘッドアッパ45に入力された衝撃は回動抵抗発生機構46に達し、回動抵抗発生機構46よって吸収される。従って、歩行者Stとの衝撃をより確実に吸収する。
【0045】
引き続き、バルクヘッドアッパ45が回動して回動後退限位置Eに達すると、バルクヘッドアッパ45の規制長孔62の終端部81が規制ピン65に当接するので、バルクヘッドアッパ45に反力が発生する。
【0046】
車体前部構造11では、図3に示すように、フード21を閉じたときに、ストッパ部材41を介してバルクヘッドアッパ45にバルクヘッドアッパ45を押し下げる方向(矢印a6の方向)の荷重が入力されると、回動支点Mから車両前方へオフセットした位置に荷重が加わるので、バルクヘッドアッパ45を車両前方へ回動(矢印a7の方向)させる方向へ向けて分力が発生する。つまり、フード21を閉じるときの入力で発生する回動方向(矢印a7の方向)と歩行者Stからの入力で発生する回転方向(矢印a5の方向)は逆になるという利点がある。
【0047】
車体前部構造11では、歩行者Stと接触するとバルクヘッドアッパ45が車両後方へ回動するので、バルクヘッドアッパ45からグリル23の中央までの距離Lb(図3)を短くしたデザインを採用することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、図8で本発明の実施例2に係る車体前部構造11Bを説明する。
図8は、図5に対応する断面である。上記図1〜図7に示す実施例1と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0049】
実施例2に係る車体前部構造11Bは、回動抵抗発生機構46Bを有し、回動抵抗発生機構46Bは樹脂体85と、緩み止め付きナット77Bと、を備えていることを特徴とする。
樹脂体85は、本体86を円柱に形成し、本体86の中央に貫通させた孔87が開けられ、孔87にボルト71Bを通している。望ましくは本体86の両端をそれぞれ上部連結部57、下部連結部58に接着する。
樹脂体85の材質は、樹脂(ゴムを含む)であり、樹脂の特性は任意である。
緩み止め付きナット77Bは、一例であり、ナットは軸力が発生しない状態でも緩まない構成(例えば、割ピンを有する。)であればよい。
【0050】
実施例2の車体前部構造11Bは、実施例1に係る車体前部構造11と同様の作用、効果を発揮する。
【実施例3】
【0051】
次に、図9で本発明の実施例3に係る車体前部構造11Cを説明する。
図9は、図4に対応するものである。上記図1〜図7に示す実施例1と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0052】
実施例3に係る車体前部構造11Cは、回動規制機構68(図4)を省いたことを特徴とする。
実施例3の車体前部構造11Cは、回動規制機構68の作用、効果を除いて、実施例1に係る車体前部構造11と同様の作用、効果を発揮する。
【実施例4】
【0053】
次に、図10で本発明の実施例4に係る車体前部構造11Dを説明する。
図10は、図4に対応するものである。上記図1〜図7に示す実施例1と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0054】
実施例4に係る車体前部構造11Dは、バルクヘッドアッパ45の回動支点Mから離れた位置に、バルクヘッドアッパ45を回動させる入力に対し反力を発生させる反力発生機構91を有する。
【0055】
反力発生機構91は、一方のバルクヘッドサイド42に回動支点Mから離れた距離(半径)Lrで設けられた突部(規制ピン)65Dと、他方のバルクヘッドアッパ45に設けられ、突部65Dを通している孔62Dと、を備え、孔62Dは突部65Dを嵌合している原点孔94に連なる開口部95が距離Lrを半径とする円弧状で且つ、突部65Dに接触して摺動抵抗を発生させる形状で開けられている。
開口部95の幅はWdであり、幅Wdは突部65Dの大きさ(直径)より小さい。
【0056】
なお、車体前部構造11Dは、回動抵抗発生機構46を備えているが、回動抵抗発生機構46のボルト71、ナット77のみで回動支点Mを構成することも可能である。
【0057】
実施例4の車体前部構造11Dは、実施例1に係る車体前部構造11と同様の作用、効果を発揮する。
また、実施例4の車体前部構造11Dでは、バルクヘッドアッパ45が回動する過程で、開口部95を拡張するので、拡張する際の摺動抵抗によって、車両正面13に接触した歩行者Stなど低荷重の入力となるものに対してより衝撃を吸収することができる。
【0058】
なお、ボルト71、ナット77のみで回動支点Mを構成し、反力発生機構91を採用していない場合に比べ、実施例4の車体前部構造11Dは、開口部95を拡張する際の摺動抵抗によって、車両正面13に接触した歩行者Stなど低荷重の入力となるものに対してより衝撃を吸収することができる。
【実施例5】
【0059】
次に、図11で本発明の実施例5に係る車体前部構造11Eを説明する。
図11は、図4に対応するものである。上記図1〜図7に示す実施例1と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0060】
実施例5に係る車体前部構造11Eは、反力発生機構91Eを有する。
反力発生機構91Eは、一方のバルクヘッドサイド42に回動支点Mから離れた距離Lrで設けられた突部(規制ピン)65Eと、他方のバルクヘッドアッパ45に設けられ、突部65Eを通している孔62Eと、を備え、孔62Eは突部65Eを嵌合している原点孔94に連なる開口部95Eが距離Lrを半径とする円弧状でかつ、突部65Eに接触して摺動抵抗を発生させる形状で開けられている。
【0061】
開口部95Eは、突部65Eの大きさ(直径)に一致、又は近似する幅を形成している谷部97が形成され、谷部97に連ねて突部65Eの大きさ(直径)より小さい幅を形成している山形の狭開部98が形成されている。
【0062】
実施例5の車体前部構造11Eは、実施例1に係る車体前部構造11と同様の作用、効果を発揮する。
また、実施例4の車体前部構造11Dと同様に、拡張する際の摺動抵抗によってより反力を発生させることができる。
【実施例6】
【0063】
次に、図12で本発明の実施例6に係る車体前部構造11Fを説明する。
図12(a)は図4に対応する図、(b)は作用図である。上記図1〜図7に示す実施例1と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0064】
実施例6に係る車体前部構造11Fは、一方のバルクヘッドアッパ45に、バルクヘッドアッパ45の回動支点Mの近傍に第1長孔101、第2長孔102、第3長孔103が開けられ、第1長孔101に貫通している第1貫通部材104、第2長孔102に貫通している第2貫通部材105、第3長孔103に貫通している第3貫通部材106がともに他方のバルクヘッドサイド42に取付けられている。
【0065】
第1長孔101は第1貫通部材104の直径より大きい。
第2長孔102は第2貫通部材105の直径より大きい。
第3長孔103は第3貫通部材106の直径より大きい。
第1貫通部材104、第2貫通部材105、第3貫通部材106は、規制ピン65と同様の形状でもよく、ボルト71と同様の形状でもよい。
【0066】
実施例6の車体前部構造11Fは、実施例1に係る車体前部構造11と同様の作用、効果を発揮する。
【0067】
また、実施例6の車体前部構造11Fでは、図12(b)に示すように、バルクヘッドアッパ45が回動を始め、約半部程度回動すると、第1長孔101が第1貫通部材104に干渉し、第2長孔102が第2貫通部材105に干渉し、第3長孔103が第3貫通部材106に干渉する。
バルクヘッドアッパ45に入力される荷重がさらに大きいときには第1長孔101、第2長孔102、第3長孔103が破断し始める。その結果、車両正面13に接触した歩行者Stへの衝撃吸収を損なうことなく、バルクヘッドアッパ45とバルクヘッドサイド42、43の結合強度を高めることができるという利点がある。
【0068】
なお、第1貫通部材104、第2貫通部材105、第3貫通部材106がボルトの場合、ボルトの締結(軸力)によって、バルクヘッドアッパ45とバルクヘッドサイド42の結合強度をより高めることができる。
【実施例7】
【0069】
次に、図13で本発明の実施例7に係る車体前部構造11Gを説明する。
図13は、図4に対応するものである。上記図1〜図7に示す実施例1、図12に示す実施例6と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0070】
実施例7に係る車体前部構造11Gは、一方のバルクヘッドアッパ45に、バルクヘッドアッパ45の回動支点Mの近傍に真円孔111が開けられ、真円孔111に貫通している第4貫通部材112が他方のバルクヘッドサイド42に取付けられている。
真円孔111は第4貫通部材112の直径より大きい。
第4貫通部材112は、規制ピン65と同様の形状でもよく、ボルト71と同様の形状でもよい。
【0071】
実施例7の車体前部構造11Gは、実施例1に係る車体前部構造11と同様の作用、効果を発揮する。
また、実施例7の車体前部構造11Gは、実施例6に係る車体前部構造11Fと同様の作用、効果を発揮する。つまり、車両正面13に接触した歩行者Stへの衝撃吸収を損なうことなく、バルクヘッドアッパ45とバルクヘッドサイド42、43の結合強度を高めることができるという利点がある。
【0072】
尚、本発明の車体前部構造は、実施の形態では車両前部に採用されているが、車両後部にも採用可能である。
実施例1に実施例2の樹脂体85を追加することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の車体前部構造は、フロントにグリルやバルクヘッドやエンジンを設けた車両に好適である。
【符号の説明】
【0074】
11…車体前部構造、13…車両正面、14…前輪、21…フード、27…フロントサイドフレーム、41…ストッパ部材、42…バルクヘッドサイド(左バルクヘッドサイド)、43…バルクヘッドサイド(右バルクヘッドサイド)、45…バルクヘッドアッパ、46…回動抵抗発生機構、51…頂部横部材、52…縦部材、62D…突部を通している孔、65D…突部、72…スプリング(皿ばね)、73…回転緩衝機構、85…樹脂体、91…反力発生機構、94…原点孔、95…開口部、101…第1長孔、102…第2長孔、103…第3長孔、104…第1貫通部材、105…第2貫通部材、106…第3貫通部材、111…真円孔、112…第4貫通部材、B…オフセット量、Lr…離れた距離、M…バルクヘッドアッパの回動支点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両正面と前輪の上方との間に、車両正面視で、略アーチ状のバルクヘッドアッパが配置され、前記前輪の車両内側に沿って車両前後方向へ延びているフロントサイドフレームがそれぞれ配置されている車体前部構造において、
前記バルクヘッドアッパは、中央に配置され車幅方向へ延びる頂部横部材と、該頂部横部材の両端から下方へ延ばした縦部材と、を備え、前記縦部材が前記フロントサイドフレームの前端に立設されているバルクヘッドサイドに車両後方へ回動可能に取付けられていることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記バルクヘッドアッパに、上方に配置されたフードを閉じるときに押されるストッパ部材が、前記バルクヘッドアッパの回動支点から車両前方へオフセットして配置されていることを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記バルクヘッドアッパが、その回動支点と同心に配置された回動抵抗発生機構を介して取付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記バルクヘッドアッパの回動支点から離れた位置に、バルクヘッドアッパを回動させる入力に対し反力を発生させる反力発生機構を設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記回動抵抗発生機構は、スプリング、回転緩衝機構、樹脂体のうち少なくとも一つを備えていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の車体前部構造。
【請求項6】
前記反力発生機構は、前記バルクヘッドアッパと前記バルクヘッドサイドのうち一方に前記回動支点から離れた距離で設けられた突部と、該突部を通し他方に設けられた孔と、を備え、前記孔は前記突部を嵌合している原点孔に連なる開口部が前記距離を半径とする円弧状で且つ、前記突部に接触して摺動抵抗を発生させる形状で開けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の車体前部構造。
【請求項7】
前記バルクヘッドアッパと前記バルクヘッドサイドのうち一方に、前記バルクヘッドアッパの回動支点の近傍に長孔と真円孔の少なくとも一つが、前記長孔を貫通させた貫通部材より大きく、前記真円孔を貫通させた貫通部材より大きく開けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体前部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−173556(P2010−173556A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20288(P2009−20288)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】