説明

車載システム及び課金方法

【課題】 決済に口座引き落としやクレジットによる決済を利用しない技術を提供する。
【解決手段】 車両に、車載器と、残金を記憶する記憶部を有する課金装置とを搭載しておき、車載器を介して路側機から通行料金が入力されると、課金装置が、該入力された通行料金分の金額を記憶部内の残金から減額することを特徴とする。車両には、ナビゲーション装置がさらに搭載され、該ナビゲーション装置は、目的地に到達するまでの経路の通行料金と、課金装置の記憶部内に記憶されている残金とを比較して、残金補充の必要性を判定し、必要と判定した場合、記憶部内の額面を増額することのできる設備を有する地点を検索し、該検索した地点を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ETCシステムによる課金技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有料道路や駐車場等では、ETC(Electronic Toll Collection)システムにより料金の決済が行われている。ETCシステムでは、利用者を一意に識別するIDを記憶する専用のIC(Integrated Circuit)チップ付のクレジットカードを用いて料金の決済を行う。以下、ETCシステムの決済に用いられる専用のクレジットカードをETCカードという。具体的には、例えば、車載器が、ETCカードからIDを読出し、該読み出したID等を、道路や駐車場に設置された路側機に送信する。路側機は、ID及び料金等を、決済システムに送信し、該決済処理システムにより、予め登録した口座から引き落とす等の処理が行なわれる。
【0003】
上記のように、現在のETCシステムでは、専用のETCカードにより決済処理が行われている。このような決済システム以外の決済システムが、特許文献1、特許文献2に記載されている。特許文献1には、車載器と、携帯電話とが接続され、車載器は、携帯電話の電話番号、電子メールアドレス等を、利用者を識別するためのIDとして路側機に送信し、路側機は、ETCカード内に記憶されたIDの代わりに、受信した電話番号や電子メールアドレス等により利用者を識別し、決済処理システムにて決済することが記載されている。特許文献2には、車載器と携帯電話とを接続し、通行料金を、携帯電話事業者が利用者と予め契約している口座から振り込むことが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−312754号広報
【特許文献2】特開2004−94836号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、ETCシステムでは、クレジットカードや、口座引き落としにより決済する技術がある。ところが、ETC専用のクレジットカードやクレジットカードそのものを作成することに抵抗感をもつユーザもいる。また、クレジットカード決済及び口座引き落としによる決済は、企業から通知される明細書等を見ない限り決済した料金を把握しにくい。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、決済に口座引き落としやクレジットによる決済を利用しない車載システム及び課金方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、車両に、車載器と、残金を記憶する記憶部を有する課金装置とを搭載しておき、車載器を介して路側機から通行料金が入力されると、課金装置が、該入力された通行料金分の金額を記憶部内の残金から減額することを特徴とする。また、車両には、ナビゲーション装置がさらに搭載され、該ナビゲーション装置は、目的地に到達するまでの経路の通行料金と、課金装置の記憶部内に記憶されている残金とを比較して、残金補充の必要性を判定し、必要と判定した場合、記憶部内の額面を増額することのできる設備を有する地点を検索し、該検索した地点を表示することを特徴とする。
【0008】
具体的には、例えば、路側機と通信する車載器と、該車載器と接続される課金装置とを有する車載システムであって、前記車載器が、前記路側機から送信された通行料金情報を前記課金装置に出力する出力手段と、を有し、前記課金装置が、残金の額面情報を記憶する残金記憶手段と、前記車載器から通行料金情報が入力されると、前記残金記憶手段に記憶されている額面情報が示す金額から、前記入力された通行料金情報が示す金額を差し引いて、前記残金情報記憶手段の額面情報を更新する課金手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記発明において、前記課金装置と接続されるナビゲーション装置をさらに有し、前記課金装置と接続されるナビゲーション装置をさらに有し、前記ナビゲーション装置が、現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段により探索された経路を通行した場合の通行料金を算出する通行料金算出手段と、前記課金装置から出力された額面情報が示す金額と、前記通行料金算出手段により算出された通行料金とを比較し、その結果に応じて、残金補充の必要性を判定する判定手段と、前記判定手段により、残金補充の必要があると判定された場合、前記探索された経路上もしくは前記探索された経路の近傍であって、前記残金記憶手段に記憶されている前記残金の額面情報が示す金額を増額することのできる設備を有する地点を検索する検索手段と、前記検索手段により検索された地点を表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による車載システム及び課金方法によれば、決済に口座引き落としやクレジットによる決済を利用しないことが可能となる。また、残金を補充する必要がある場合、残金を増額することのできる場所を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のシステム構成例を説明する図である。図1において、本実施形態のシステムは、ナビゲーション装置1、車載器2、課金装置3等を搭載する車両4と、路側機5等を有する。
【0013】
車載器2は、路側機5と通信する。課金装置3は、残金を示す情報を記憶しており、課金処理を行う。路側機5は、車載器2から送信された情報に基づいて通行料金を算出し、車載器2を介して課金装置3を制御する。ナビゲーション装置1は、車載器2を介して課金装置3と接続する。ナビゲーション装置1は、目的地までの通行料金と、課金装置3に記憶されている残金を示す額面情報とから、残金を増額する必要があるか否か判定し、必要があると判定した場合、残金を増額可能な設備を有する場所を表示等する。以下、残金を増額することをチャージという。
【0014】
なお、本実施形態では、ナビゲーション装置1は、車載器2を介して課金装置3と接続するものとしたが、これに限られるわけではなく、ナビゲーション装置1と課金装置3とが直接接続されてもよい。
【0015】
次に、図2を参照しナビゲーション装置1の構成例を説明する。
【0016】
図2において、ナビゲーション装置1は、角速度センサ11、方位センサ12、車速センサ13、入力装置14、ディスプレイ15、音声出力装置16、記憶装置17、コントローラ18等を有する。
【0017】
角速度センサ11は、車両のヨーレイトを検出することで車両の方位の変化を検出する。方位センサ12は、地磁気を検出することで車両の方位を検出する。車速センサ13は、車両のトランスミッションの出力軸の回転に比例した時間間隔でパルスを出力する。
【0018】
入力装置14は、例えば、リモコン及びリモコン受信部、タッチパネル、スイッチ等である。ディスプレイ15は、地図を表示し、表示した地図上に車両を位置づけて表示する。音声出力装置16は、音声を出力する。記憶装置17は、例えば、CD−ROM(Compact Disc- Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD(Hard Disk Drive)等であり、道路データ、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア等の店舗の位置、道路の通行料金等を含む地図データ等を記憶する。なお、ここでは、地図データには、チャージすることのできる設備を備える所定の建物や店舗等の場所を示す情報を含むものとする。また、道路の通行料金とは、有料道路の料金体系情報のことであり、例えば、通行料金を必要とする道路の走行距離毎の料金や、入り口及び出口とから定まる料金等である。なお、この料金体系情報には、通行する車両形式(軽乗用車、一般乗用車、大型車等)により通行料金が異なる場合、車両形式毎の料金も含むものとする。
【0019】
コントローラ18は、上述した各周辺装置の動作の制御を行うためのものであり、AD変換器181、AD変換器182、カウンタ183、車載器インタフェース184、パラレルI/O185、メモリ186、DMA(Direct Memory Access)コントローラ187、MPU(マルチプロセッサ、Micro Processing Unit)188等を有する。
【0020】
AD変換器181は、角速度センサ11の信号(アナログ)をデジタル信号に変換する。AD変換器182は、方位センサ12の信号(アナログ)をデジタル信号に変換する。カウンタ183は、車速センサ13から出力されるパルス数を例えば0.1秒毎にカウントする。パラレルI/O185は、入力装置14からの入力信号を受け付ける。メモリ186は、車両4の車両形式(軽乗用車、一般乗用車、大型車等)を記憶している。メモリ186に記憶されている車両形式は、例えば、ユーザが入力装置14を用いて入力することにより格納される。DMAコントローラ187は、記憶装置17から読み取られた地図データを転送する。
【0021】
MPU188は、メモリ186にロードされたプログラムを実行することにより、経路探索部191、料金算出部192、料金比較部193、表示処理部194等を実現する。経路探索部191は、従来の一般的なナビゲーションシステムの動作により、目的地までの経路を探索する。料金算出部192は、経路探索部191により探索された経路を通過する場合の通行料金を算出する。料金比較部193は、料金算出部192により算出された通行料金と、残金とを比較して、チャージが必要か否か判定する。表示処理部194は、地図と、経路探索部191により探索された経路とを表示すると共に、料金比較部193によりチャージ必要と判定された場合、チャージ可能な場所を検索し、該検索により検索された場所を表示する。
【0022】
次に、図3を参照して車載器2の構成例を説明する。図3において、車載器2は、ナビゲーション装置インタフェース21、課金装置インタフェース22、メモリ23、MPU24、無線アンテナ25等を有する。車載器2は、ナビゲーション装置インタフェース21を介してナビゲーション装置1と接続される。また、車載器2は、課金装置インタフェース22介して課金装置3と接続される。MPU24は、メモリ23にロードしたプログラムを実行することにより、通信処理部241等を実現する。通信処理部241は、路側機5との通信を制御する。車載器2は、無線アンテナ25により路側機5と通信する。メモリ23は、車両4の車両形式(軽乗用車、一般乗用車、大型車等)等を記憶している。この情報は、図示しない入力装置等により入力され記憶されるものとする。また、メモリ23には、車両4がETCシステムの設置された道路を走行する場合、該道路の入り口や経路等の情報が格納される。この情報は、MPU24が、入り口等に設置されたゲートを通過等する毎にメモリ23に格納していくものとする。
【0023】
次に、図4を参照して課金装置3の構成例を説明する。課金装置3は、インタフェース31、出力装置32、入力装置33、MPU34、メモリ35、リーダ/ライタ36、記憶部37等を有する。課金装置3は、インタフェース31を介して車載器2と接続される。出力装置32は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等である。入力装置33は、例えば、ボタン等である。MPU34は、メモリ35にロードしたプログラムを実行することにより、残金取得部341、課金制御受付部342等を実現する。残金取得部341は、ナビゲーション装置1からの要求に応じて、残金を示す額面情報等を出力する。課金制御受付部342は、路側機5からの通行料金情報に応じて、減算等を行なう。リーダ/ライタ36は、記憶部37への情報の書き込み及び読み出しを行う。記憶部37は、残金を示す額面情報を記憶している。この情報に示される金額は、ユーザが、チャージするための設備を用いて予め入金した金額により定まり、課金機能を利用する度に、該金額から課金料金分の金額が減算され、減算後の金額を示す情報が、新たな残金を示す額面情報として記憶部37に格納される。以下、記憶部37が記憶している残金を示す額面情報を残金情報といい、該残金情報に示される金額を、単に残金という。
【0024】
なお、残金情報を記憶する記憶部37は、例えばICカード、磁気カード、ICチップ等を有する装置等、脱着可能な構造であってもよい。また、記憶部37が、ICチップ等を有する装置である場合、該装置がリーダ/ライタ機能を有していれば、リーダ/ライタ36は必ずしも必要ではない。
【0025】
次に、図5を参照し路側機5の構成例を説明する。
【0026】
図5において、路側機5は、通信部51、MPU52、メモリ53、記憶部54等を有する。通信部51は、車載器2と通信するためのものである。MPU52は、メモリ53にロードしたプログラムを実行することにより、通信受付部521、料金算出部522、課金制御部523等を実現する。通信受付部521は、車両4の経路等の情報を受け付ける。料金算出部522は、記憶部54等に記憶している料金体系情報を参照し、車両4の通行料金を算出する。課金制御部523は、課金装置3を制御する。記憶部54は、料金体系情報等を記憶している。なお、この料金体系情報とは、例えば、道路の走行距離毎の料金や、入り口及び出口とから定まる料金等である。なお、この料金体系情報には、通行する車両形式(軽乗用車、一般乗用車、大型車等)により通行料金が異なる場合、車両形式毎の料金も含むものとする。
【0027】
次に、動作を説明する。
【0028】
まず、ナビゲーション装置1が目的地までの経路を探索し、該経路を走行した場合の通行料金を残金で支払えるか否か判定する動作例を、図6を参照して説明する。
【0029】
ユーザは、ナビゲーション装置1の入力装置14を用いて、目的地や経由地を入力する。
【0030】
経路探索部191は、目的地や経由地が入力されると(S601)、入力された目的地と、メモリ186等の所定の記憶領域に格納されている現在位置と、記憶装置17から読み出した地図データ等から、現在位置から目的地までの経路を探索する(S602)。この具体的な動作例は、従来の一般的なナビゲーションシステムの動作を同じであるので省略する。
【0031】
料金算出部192は、経路探索部191により探索された経路と、記憶装置17から読み出した地図データとから、該経路を走行した場合の通行料金の合計を算出する(S603)。なお、ここで、料金算出部192は、通行料金が車両形式(軽乗用車、一般乗用車、大型車等)により異なる場合、メモリ186から車両4の車両形式を読出し、該読み出した車両形式に該当する通行料金の合計を算出する。
【0032】
料金比較部193は、課金装置3の残金を取得する(S604)。具体的には、例えば、料金比較部193は、課金装置3に残金を要求する。課金装置3の残金取得部341は、リーダ/ライタ36により記憶部37から読み出された残金情報を料金比較部193に出力する。
【0033】
次に、料金比較部193は、残金情報と、通行料金の合計金額とから、チャージの必要性を判定する(S605)。具体的には、例えば、料金比較部193は、残金と、通行料金の合計金額との差分を算出し、該差分がメモリ186等に予め記憶されている閾値以下である場合、チャージ必要と判定する。ここで、例えば、料金比較部193は、複数の閾値と比較することにより、必要性の度合いを判定してもよい。そのために、例えば、メモリ186等は、図7に一例を示すようなテーブル701を記憶している。テーブル701は、条件702と、必要性703とを対応付けて記憶している。条件702は、残金と、通行料金の合計金額との差分の条件を示す。なお、例えば「0」や「250」等の条件702の閾値は、予め定められていてもよく、また、ユーザが入力装置14を用いて変更できるようにしてもよい。必要性703は、対応する条件702を満たす場合に、チャージの必要性の度合いを示す情報である。図7の例では、料金比較部193は、条件702「(残金-通行料金の合計金額)≦0」である場合、必要性703「大」と判定する。また、料金比較部193は、条件702「0<(残金-通行料金の合計金額)≦250」である場合、必要性703「小」と判定する。また、料金比較部193は、条件702「(残金-通行料金の合計金額)>250」である場合、必要性703「不要」と判定する。料金比較部193は、テーブル701に記憶されている条件に従い、チャージの必要性の度合いを判定し、該必要性の度合いに応じて、以下で説明する動作を変更してもよい。
【0034】
図6において、S605の判定の結果、チャージの必要が無い場合、表示処理部194は、記憶装置17から読み出した地図データに基づいて、ディスプレイ15に地図を表示し、該地図上に、経路探索部191の探索した経路を表示する(S606)。
【0035】
S605の判定の結果、チャージの必要がある場合、表示処理部194は、記憶装置17から読み出した地図データからチャージ可能な場所を検索する(S607)。具体的には、例えば、表示処理部194は、記憶装置17から読み出した地図データから、従来技術の地点検索(POI)により、チャージ可能な場所を検索する。なお、ここで、表示処理部194は、地図データに含まれる全てのチャージ可能な場所を検索する必要は無く、例えば、経路探索部191の探索した経路から所定範囲内に位置するチャージ可能な場所、又は、経路探索部191の探索した経路を含む所定範囲内の地図データに位置するチャージ可能な場所のみを検索してもよい。
【0036】
次に、表示処理部194は、ディスプレイ15に地図を表示し、該地図上に、経路探索部191の探索した経路と、チャージ可能な場所とを表示する(S608)。
【0037】
図8に、チャージ可能な場所を表示した画面例を示す。図8において、画面801には、道路を含む地図が表示される。矢印802は、車両4の現在位置を示す。破線803は、経路探索部191の探索した経路を示す。斜線部804は、チャージ可能な場所を示す。チャージ可能な場所は、例えば、所定のシンボルや、点滅等することにより示しても良い。
【0038】
なお、表示処理部194は、料金比較部193の判定した必要性の度合いにより、チャージ可能な場所の表示形態を変えても良い。例えば、上述の図7に示すテーブル701に基づき、料金比較部193が必要性「大」と判定した場合、チャージ可能な場所を点滅等させ、料金比較部193が必要性「小」と判定した場合、チャージ可能な場所を点滅等せずそのまま表示してもよい。また、例えば、上述の図7に示すテーブル701に基づき、料金比較部193が必要性「大」と判定した場合、車両4が走行等してチャージ可能な場所から所定範囲内となった場合、チャージ可能な場所が有ることを通知する画面情報又は音声情報を、ディスプレイ15及び音声出力装置16に出力してもよい。また、例えば、料金比較部193が必要性「小」と判定した場合、チャージ可能な場所をただ表示するのみでもよい。
【0039】
次に、通行料金を課金する動作例を、図9を参照して説明する。
【0040】
車両4が通行料金の必要な道路の出口付近に進行し、路側機5との通信可能領域に入ると、車載器2の無線アンテナ25が、路側機5から一定期間毎に送信される信号を受信する。該信号を受信すると、車載器2の通信処理部241は、通信開始信号等を路側機5に送信する等して、路側機5との通信を開始する。車載器2の通信処理部241は、メモリ23等から読み出した車両形式、車両4の通行した経路に関する情報等を路側機5に送信する(S901)。路側機5の通信受付部521は、料金算出部522に料金の算出を指示する。料金算出部522は、記憶部54から料金体系情報を読出し、受信した車両形式及び経路に関する情報等に基づいて通行料金を算出する(S902)。課金制御部523は、車載器2に、通行料金を含む課金処理指示を送信する(S903)。車載器2の通信処理部241は、送信された課金処理指示を課金装置3に出力する(S904)。課金装置3の課金制御受付部342は、該指示に従い、リーダ/ライタ36を介して、記憶部37に記憶されている残金情報に示される金額から、該指示に含まれる通行料金分減算し(S905)、該減算した金額を示す情報を、新たな残金として上書き等する。課金制御受付部342は、減算が終了すると、減算完了通知を車載器2に出力する(S906)。車載器2の通信処理部241は、減算完了通知を路側機5に送信する(S907)。路側機5の通信受付部521は、車載器2の通信処理部241に、通信終了等を送信して処理を終了する。
【0041】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0042】
例えば、課金装置は、直接路側機と電子マネーを送金することにより決済を行なうものであってもよい。その場合、課金装置は、無線通信装置等を有し、路側機と直接通信することにより、決済処理を行なっても良い。
【0043】
また、例えば、上述の実施形態では、車載器、ナビゲーション装置、課金装置の各々が別の装置であるものとしたが、これに限られるわけではなく、例えば、ナビゲーション装置が、上述の車載器及び課金装置の機能の全て又は一部を有してもよい。
【0044】
また、例えば、路側機の機能の一部を、他装置が実現してもよい。
【0045】
また、ナビゲーション装置が、課金装置の残金で通行料金を支払えるか否か判定する動作は、目的地及び経由地等が入力された場合に開始するものとしたが、これに限られるわけではない。ナビゲーション装置は、車両が移動を開始した後に、再探索等で経路を変更した場合にも、課金装置の残金で通行料金を支払えるか否か判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態の構成例を示す図である。
【図2】同実施形態において、ナビゲーション装置の構成例を示す図である。
【図3】同実施形態において、車載器の構成例を示す図である。
【図4】同実施形態において、課金装置の構成例を示す図である。
【図5】同実施形態において、路側機の構成例を示す図である。
【図6】同実施形態において、ナビゲーション装置の動作例を説明する図である。
【図7】同実施形態において、チャージ必要か否か判定するための条件の一例を示す図である。
【図8】同実施形態において、ナビゲーション装置の表示する画面の例を示す図である。
【図9】同実施形態において、通行料金を課金する動作例を説明する図である。
【符号の説明】
【0047】
1:ナビゲーション装置、2:車載器、3:課金装置、4:車両、5:路側機、11:角速度センサ、12:方位センサ、13:車速センサ、14:入力装置、15:ディスプレイ、16:音声出力装置、17:記憶装置、18:コントローラ、181:AD変換部、182:AD変換部、183:カウンタ、184:車載器インタフェース、185:パラレルI/O、186:メモリ、187:DMAコントローラ、188:MPU、191:経路探索部、192:料金算出部、193:料金比較部、194:表示処理部、21:ナビゲーション装置インタフェース、22:課金装置インタフェース、23:メモリ、24:MPU、241:通信処理部、25:無線アンテナ、31:インタフェース、32:出力装置、33:入力装置、34:MPU、341:残金取得部、342:課金制御受付部、35:メモリ、36:リーダ/ライタ、37:記憶部、51:通信部、52:MPU、521:通信受付部、522:料金算出部、523:課金制御部、53:メモリ、54:記憶部、701:テーブル、702:条件、703:必要性、801:画面、802:矢印、803:破線、804:斜線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側機と通信する車載器と、該車載器と接続される課金装置とを有する車載システムであって、
前記車載器が、
前記路側機から送信された通行料金情報を前記課金装置に出力する出力手段と、を有し、
前記課金装置が、
残金の額面情報を記憶する残金記憶手段と、
前記車載器から通行料金情報が入力されると、前記残金記憶手段に記憶されている額面情報が示す金額から、前記入力された通行料金情報が示す金額を差し引いて、前記残金情報記憶手段の額面情報を更新する課金手段と、を有すること
を特徴とする車載システム。
【請求項2】
請求項1記載の車載システムであって、
前記課金装置と接続されるナビゲーション装置をさらに有し、
前記ナビゲーション装置が、
現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路を通行した場合の通行料金を算出する通行料金算出手段と、
前記課金装置から出力された額面情報が示す金額と、前記通行料金算出手段により算出された通行料金とを比較し、その結果に応じて、残金補充の必要性を判定する判定手段と、
前記判定手段により、残金補充の必要があると判定された場合、前記探索された経路上もしくは前記探索された経路の近傍であって、前記残金記憶手段に記憶されている前記残金の額面情報が示す金額を増額することのできる設備を有する地点を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された地点を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする車載システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車載システムであって、
前記残金記憶手段は、前記課金装置に装着自在に構成されていること
を特徴とする車載システム。
【請求項4】
請求項2又は3記載の車載システムであって、
前記判定手段は、前記課金装置から出力された額面情報の示す金額と前記通行料金算出手段により算出された通行料金との差分を算出し、該差分が所定の閾値以下である場合、残金補充が必要と判定すること
を特徴とする車載システム。
【請求項5】
路側機と通信する車載器と、該車載器と接続される課金装置とを有する車載システムによる課金方法であって、
前記車載器が、
前記路側機から送信された通行料金情報を出力するステップ、を実行し、
残金の額面情報を記憶する残金記憶手段を有する課金装置が、
前記車載器から通行料金情報が入力されると、前記残金記憶手段に記憶されている額面情報が示す金額から、前記入力された通行料金情報が示す金額を差し引いて、前記残金情報記憶手段の額面情報を更新するステップと、を実行すること
を特徴とする課金方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−268647(P2006−268647A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−88309(P2005−88309)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】