説明

車載内燃機関のオイル供給装置

【課題】オイルポンプとオイルフィルタを近づけてコンパクト化を図りながらオイル戻し機構を配置してオイルポンプからオイルフィルタへのオイル通路を短くでき、オイルの円滑な流れを確保できる車載内燃機関のオイル供給装置を供する。
【解決手段】オイルフィルタ60はオイルポンプ50のオイルポンプケース51内のポンプ駆動軸52と平行な中心軸を持つ有底円筒状のフィルタケース61内にフィルタエレメント62が内装されて構成され、吐出油路56内の油圧によりリリーフ弁68が移動し開弁すると吸入油路55にオイルを戻すオイル戻し機構65を備え、オイルポンプ50のポンプ駆動軸52およびオイルフィルタ60の中心軸に直交する方向にリリーフ弁68が移動するようにオイル戻し機構65が配設された車載内燃機関のオイル供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルポンプが汲み上げ吐出したオイルをオイルフィルタを介して内燃機関の所要部に供給する車載内燃機関のオイル供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のオイル供給装置には、オイルポンプにオイルフィルタを近づけて配置することで、油路を短くしてコンパクト化を図ろうとする例(特許文献1参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2779695号公報
【0004】
同特許文献1に開示されたオイル供給装置は、クランクケースカバーにオイルポンプのオイルポンプケースとオイルフィルタのフィルタケースを一体に形成しており、オイルポンプのポンプ駆動軸とオイルフィルタの円筒状をしたフィルタケースの中心軸とが、平行になるように配置されている。
【0005】
オイルポンプの下流吐出側の油圧が所定圧以上となった場合に、吐出されたオイルを上流側に戻すリリーフ弁を用いたオイル戻し機構が設けられているが、同リリーフ弁の移動方向がポンプ駆動軸およびオイルフィルタの中心軸と平行になるような姿勢でオイル戻し機構が配設されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、オイルポンプとオイルフィルタを近づけた状態で、オイル戻し機構をオイルポンンプケースおよびフィルタケースに干渉せずに配置するには、オイル戻し機構をポンプ駆動軸とオイルフィルタの中心軸とを結んだ線上から外れた位置に配置しなければならなかった。
【0007】
油圧がリリーフ弁に作用するオイル戻し機構の端部もポンプ駆動軸とオイルフィルタの中心軸とを結んだ最短線上から外れた位置となるので、オイルポンプの吐出したオイルがオイル戻し機構の端部を経由してオイルフィルタに導かれるように形成されるオイル通路は最短線から遠く迂回していた。
したがって、油路が長尺となり流動抵抗が増してオイルの円滑な流れが抑えられ、応答性も阻害される。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、オイルポンプとオイルフィルタを近づけてコンパクト化を図りながらオイル戻し機構を配置してオイルポンプからオイルフィルタへのオイル通路を短くでき、オイルの円滑な流れを確保できる車載内燃機関のオイル供給装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、オイルポンプがオイルタンクからオイルを吸入油路に汲み上げるとともに吐出油路に吐出し、吐出したオイルをオイルフィルタに導きろ過して内燃機関の所要部に供給する車載内燃機関のオイル供給装置において、前記オイルフィルタは前記オイルポンプのオイルポンプケース内のポンプ駆動軸と平行な中心軸を持つ有底円筒状のフィルタケース内にフィルタエレメントが内装されて構成され、前記吐出油路内の油圧によりリリーフ弁が移動し開弁すると前記吐出油路が前記吸入油路と連通してオイルを戻すオイル戻し機構を備え、前記オイルポンプのポンプ駆動軸および前記オイルフィルタの中心軸に直交する方向に前記リリーフ弁が移動するように前記オイル戻し機構が配設された車載内燃機関のオイル供給装置とした。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、内燃機関はクランク軸を車体幅方向である左右方向に指向させて車両に搭載され、前記オイル戻し機構は、内燃機関の側面視でクランク軸と平行な前記オイルポンプのポンプ駆動軸と前記オイルフィルタの中心軸とを結んだ直線に関してクランク軸と反対側に配設されることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、前記オイル戻し機構は、リリーフ弁が筒状のリリーフ弁ケース内を摺動し、
前記リリーフ弁ケースの筒端開口が前記リリーフ弁に油圧を作用すべく前記吐出油路に臨んで形成され、前記リリーフ弁ケースの筒壁所定位置に前記吸入油路に臨んで開口したオイル戻り口が形成され、前記リリーフ弁の摺動で前記筒端開口と前記オイル戻り口とを連通して開弁し、遮断して閉弁することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、前記オイルフィルタが前記オイルポンプの斜め下後方に位置し、前記オイル戻し機構は前記オイルポンプの下方で前記オイルフィルタの前方に配設されることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、前記フィルタケースは、前記オイルポンプケースに一体に形成されることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、前記オイルポンプを構成するオイルポンプケースがクランクケースカバーとは別部材とされ、前記クランクケースカバーの内側に前記オイルポンプケースが配設されることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、油圧によりクラッチを制御するクラッチアクチュエータが前記クランクケースカバーに設けられ、前記オイルポンプから供給するオイルの圧力を検知する油圧センサが、内燃機関の側面視で前記オイル戻し機構と重なる位置に配設されることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、前記クラッチアクチュエータはクランクケースカバーに上下に重なるように複数設けられ、前記オイル戻し機構は前記上下に重ねられたクラッチアクチュエータの上端より低く下端より高い位置に配設されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか記載の車載内燃機関のオイル供給装置において、前記オイルフィルタは側方をクランクケースカバーで覆われ、
前記クランクケースカバーの前記オイルフィルタが対向する部分が開閉可能な蓋部材で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、オイルポンプとオイルフィルタは、ポンプ駆動軸とフィルタケースの中心軸とが互いに平行になるように配設され、オイル戻し機構はポンプ駆動軸と中心軸に直交方向にリリーフ弁が移動するような姿勢で配設されるので、オイルポンプとオイルフィルタを近づけた状態で、油圧がリリーフ弁に作用するオイル戻し機構の端部をオイルポンプとオイルフィルタの間に位置させながらオイルポンプケースとフィルタケースに干渉しないように、オイル戻し機構を配置することができる。
【0019】
したがって、オイルポンプとオイルフィルタを近づけてコンパクト化を図るとともに、油圧がリリーフ弁に作用する端部をオイルポンプとオイルフィルタの間に位置させることで、オイルポンプの吐出油路に吐出したオイルをオイル戻し機構を経てオイルフィルタに導くオイル通路を短くでき、または特にオイル通路を新たに設けることなく吐出油路が近接するオイルフィルタに達するようにすることができ、油路を短縮して流動抵抗を極力小さくしてオイルの流れを円滑にすることができる。
【0020】
請求項2記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、内燃機関の側面視で左右方向に指向したクランク軸と平行なオイルポンプのポンプ駆動軸とオイルフィルタの中心軸とを結んだ直線に関してクランク軸と反対側にオイル戻し機構が配設されるので、オイル戻し機構がクランク軸に干渉することなく、オイルポンプとオイルフィルタをクランク軸に近づけることができる。
そのため、クランク軸近傍にオイルポンプとオイルフィルタをコンパクトに配置することができるとともに、オイルポンプとオイルフィルタをクランク軸に近づけることで空いたスペースにオイル戻し機構をスペース的に効率良く設けることができるため、オイル供給装置をコンパクトに構成することができる。
【0021】
請求項3記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、リリーフ弁ケース内をリリーフ弁が摺動するオイル戻し機構のリリーフ弁ケースの筒端開口が前記リリーフ弁に油圧を作用すべく前記吐出油路に臨んで形成されているので、近づけて狭くなったオイルポンプとオイルフィルタの間にリリーフ弁に油圧を作用させるリリーフ弁ケースの筒端開口を位置させることが容易にできて油路の短縮を図ることができるとともに、オイル戻り口がリリーフ弁ケースの筒壁に吸入油路に臨んで開口するので、オイルポンプに沿ってオイル戻し機構をコンパクトに配設することができる。
【0022】
請求項4記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、オイルフィルタがオイルポンプの斜め下後方に位置し、オイル戻し機構はオイルポンプの下方で前記オイルフィルタの前方に形成される空間に配設されるので、オイル供給装置をコンパクトに構成することができる。
【0023】
請求項5記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、フィルタケースは、オイルポンプケースに一体に形成されるので、別体で形成するよりも小型に設計できるとともに部品点数も少なくてすむ。
また、ケース内のオイル通路を短く簡素化することができる。
【0024】
請求項6記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、オイルポンプを構成するオイルポンプケースがクランクケースカバーとは別部材とされ、クランクケースカバーの内側にオイルポンプケースが配設されるので、オイルポンプケースの内部はオイルポンプケースとクランクケースカバーにより2重に保護することができ耐久性が向上する。
【0025】
請求項7記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、油圧によりクラッチを制御するクラッチアクチュエータが前記クランクケースカバーに設けられ、オイルポンプから供給するオイルの圧力を検知する油圧センサが、内燃機関の側面視でオイル戻し機構と重なる位置に配設されるので、オイル供給装置をコンパクトに構成することができる。
【0026】
請求項8記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、クラッチアクチュエータはクランクケースカバーに上下に重なるように複数設けられ、オイル戻し機構は上下に重ねられたクラッチアクチュエータの上端より低く下端より高い位置に配設されているので、上下に重ねられ拡がったクラッチアクチュエータの上下幅内にオイル戻し機構を収めて上下へのはみ出しをなくしてオイル供給装置のコンパクト化を図ることができる。
【0027】
請求項9記載の車載内燃機関のオイル供給装置によれば、オイルフィルタは側方をクランクケースカバーで覆われ、クランクケースカバーのオイルフィルタが対向する部分が開閉可能な蓋部材で構成されているので、クランクケースカバー全体を取り外すことなく、蓋部材のみを外すだけで、オイルフィルタのメンテナンスをすることができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る内燃機関を搭載した自動二輪車の左側面図である。
【図2】同内燃機関の右側面図である。
【図3】右クランクケースカバーを外し一部省略した同内燃機関の右側面図である。
【図4】変速機およびオイル供給装置の要部断面とした説明図である。
【図5】互いに一体の制御用オイルポンプケースとフィルタケースおよびリリーフ弁機構の正面図である。
【図6】同裏面図である。
【図7】制御用オイルポンプと制御用オイルフィルタの断面図にクラッチアクチュエータ収容ケースの側面図を組み合わせた説明図である。
【図8】第2実施形態の内燃機関のクランクケース部位の右側面図である。
【図9】制御用オイルポンプと制御用オイルフィルタおよび円形蓋部材と右クランクケースカバーの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る第1実施形態について図1ないし図7に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。
図1において、自動二輪車1の車体フレーム2はヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3から斜め後方に延出するメインフレーム4と、メインフレーム4の後端から下方に延出するセンターフレーム5と、ヘッドパイプ3から下方に延びるダウンフレーム6と、センターフレーム5の上部から後方に延出するシートステー7と、センターフレーム5の後部とシートステー7の後部に掛け渡されたミッドフレーム8を備えている。
【0030】
前輪9を支持するフロントフォーク10が、ヘッドパイプ3で操向可能に支持され、フロントフォーク10の上部にはステアリングハンドル11が連結されている。また、後輪12を支持するリヤフォーク13が、センターフレーム5のピボットボルト25を介して上下揺動可能に支持されている。
【0031】
内燃機関Eは2気筒4ストローク内燃機関であり、メインフレーム4、センターフレーム5及びダウンフレーム6に支持されている。
内燃機関Eの動力は、後輪駆動用スプロケット26と後輪駆動用チェーン15を介して後輪12に伝達される。
左右のメインフレーム4及びセンターフレーム5には、内燃機関Eの上方に位置する燃料タンク16が搭載され、シートステー7上には運転者用と同乗者用のタンデム型シート17が取付けられている。
【0032】
内燃機関Eの吸気ポートに連なるスロットルボディ18はエアクリーナ19に接続されている。
内燃機関Eの前方には、ラジエータ20が配置され、内燃機関Eの前面から延出する排気管21は、内燃機関Eの下部を通って車体後部のマフラー22に通じている。
【0033】
本内燃機関Eはクランク軸30を車体幅方向である左右方向に指向させて横置きに車体フレーム2に搭載され、クランク軸30は上下割りの上クランクケース31Uと下クランクケース31Lに軸受を介して挟まれ、回転自在に軸支される。
上クランクケース31Uから前方斜め上向きにシリンダブロック32,シリンダヘッド33,シリンダヘッドカバー34が順次重ねられて前傾して突設されている。
下クランクケース31Lの下側はオイルパン39で塞がれる。
【0034】
上クランクケース31Uには、クランク軸30の後方で若干斜め上位置に変速機Tのメイン軸35がクランク軸30と平行にベアリング36,36を介して回転自在に架設され、メイン軸35の後方斜め下位置に出力軸であるカウンタ軸37が上クランクケース31Uと下クランクケース31Lにベアリング38,38を介して挟まれ回転自在に軸支される(図1,図4参照)。
図4を参照して、変速機Tのメイン軸35は、メイン内軸35iにメイン外軸35oが相対回転自在に外嵌されており、それぞれに複数の駆動歯車mが設けられ、カウンタ軸37に設けられた複数の従動歯車cと対応する駆動歯車mと常時噛み合っている。
【0035】
上クランクケース31Uの右側壁に嵌着されたベアリング36を右方に貫通したメイン内軸35iとメイン外軸35oに第1摩擦クラッチ41Aと第2摩擦クラッチ41Bが設けられ、両クラッチのクラッチアウタにプライマリ従動歯車43が嵌着されている。
第1摩擦クラッチ41Aと第2摩擦クラッチ41Bは、メイン軸35の内部に外側と内側に形成された軸内油路49a,49bを介して供給される油圧によりそれぞれ断接が制御され、変速機Tの変速が行われる。
【0036】
上クランクケース31Uと下クランクケース31Lが合体した右側面に右クランクケースカバー45が被せられる。
上下クランクケース31U,31Lの右側壁より右方に設けられる摩擦クラッチ41A,41B、プライマリ従動歯車43およびプライマリ従動歯車43と噛合するクランク軸30に嵌着されるプライマリ駆動歯車44等が、右クランクケースカバー45により覆われる。
【0037】
図3は、右クランクケースカバー45を外した内燃機関Eの右側面図であり、同図3に示すように、下クランクケース31Lの右側壁の前部にオイル供給装置Sの制御用オイルポンプ50が設けられている。
そして、この制御用オイルポンプ50を右方から覆う右クランクケースカバー45には、下部にクラッチアクチュエータ80a,80bが2個設けられる。
クラッチアクチュエータ80a,80bは上下に2個重なるようにして右クランクケースカバー45に形成されたクラッチアクチュエータ収容ケース46に収容されている。
【0038】
また、右クランクケースカバー45のメイン軸35の右端部を覆う円環状の軸受部47とその前方斜め下に位置するクラッチアクチュエータ収容ケース46とを連結する制御用油路48a,48bが2本平行に斜めに延びて形成されている。
軸受部47は、同軸受部47の蓋部材47cとともに、各制御用油路48a,48bの圧油を、メイン軸35内の第1摩擦クラッチ41Aと第2摩擦クラッチ41Bに連通する軸内油路49a,49bにそれぞれ圧送する油路構造を構成している。
【0039】
したがって、各クラッチアクチュエータ80a,80bにより制御された圧油は、それぞれ制御用油路48a,48bおよびメイン軸35内の軸内油路49a,49bを通って第1摩擦クラッチ41と第2摩擦クラッチ42に送られて各クラッチの断接を行う。
【0040】
クラッチアクチュエータ80a,80bを収容するクラッチアクチュエータ収容ケース46の前部は右クランクケースカバー45の外側にセンサ取付口を前方に向けて開口しており、同センサ取付口に油圧センサ81が取り付けられて前方に突設されている。
【0041】
このような構造を有する右クランクケースカバー45を取り外すと、図3に示すように下クランクケース31Lの右側壁の前部に制御用オイルポンプ50が現れるが、この制御用オイルポンプ50の後方近傍で若干斜め下向き方向に制御用オイルフィルタ60が設けられていて、制御用オイルポンプ50の制御用オイルポンプケース51と制御用オイルフィルタ60のフィルタケース61とは、一体に形成されている(図5ないし図7参照)。
【0042】
図7を参照して、フィルタケース61は、右側を開放した有底円筒状をなし、その円筒の中心軸X−Xは、制御用オイルポンプ50のポンプ駆動軸52と平行で左右水平方向に指向している。
フィルタケース61と一体の制御用オイルポンプケース51は、内外で互いに噛合するインナロータ53とアウタロータ54を収容する円形凹部51dが左方を開放して形成されており、同オイルポンプケース51に左側から当接される仕切板59により円形凹部51dが覆われる。
【0043】
この仕切板59の左側には潤滑用オイルポンプ70がポンプ駆動軸52を共通にして設けられている。
潤滑用オイルポンプ70の潤滑用オイルポンプケース71は、内外で互いに噛合するインナロータ73とアウタロータ74を収容する円形凹部71dが右方を開放して形成されており、右側から当接される仕切板59により円形凹部71dが覆われる。
すなわち、仕切板59は制御用オイルポンプケース51と潤滑用オイルポンプケース71に挟まれて制御用オイルポンプ50と潤滑用オイルポンプ70とを仕切っている。
【0044】
両オイルポンプ50,70の共通のポンプ駆動軸52は、左右方向に指向して両端を制御用オイルポンプケース51と潤滑用オイルポンプケース71に軸支され、中央を仕切板59に軸支されて回転自在に支持されている。
【0045】
制御用オイルポンプケース51(およびフィルタケース61)の裏面図(左側面図)である図6を参照して、制御用オイルポンプケース51の仕切板59との合せ面51fに円形凹部51dが形成され、同円形凹部51dより深く掘削された吸入油路55が、ポンプ駆動軸52の軸受円孔51hの前側周りに半周弱形成され、さらに下方に延出して大きく前後に膨張して形成されている。
他方、円形凹部51dより深く掘削された吐出油路56は、軸受円孔51hの後側周りに半周弱形成され、さらにフィルタケース61に向かって斜め後下方に延出して形成されている。
【0046】
吸入油路55の後方に膨出した部分と吐出油路56の斜め後下方に延出した部分とは幅狭の仕切壁51aで仕切られている。
なお、制御用オイルポンプケース51の合せ面51fに当接される仕切板59には、吸入油路55の後方に膨出した部分に対応して円形の吸入口59hが穿孔されている。
【0047】
吸入油路55の後方に膨出した部分に、オイル戻し機構であるリリーフ弁機構65のリリーフ弁67を摺動自在に嵌挿する円筒状をしたリリーフ弁ケース66が、ポンプ駆動軸52およびフィルタケース61の中心軸X−Xが指向する左右方向に直交する方向に指向して形成されている。
【0048】
リリーフ弁ケース66は、一端を吸入油路55と吐出油路56の仕切壁51aに位置させて、斜め前下方に延出して制御用オイルポンプケース51から下方にはみ出して形成されており、下端は外側に開口して蓋部材66rが螺着されるようになっている。
リリーフ弁ケース66の仕切壁51aに位置する上端からは若干内径を縮径した円孔67が斜め上方に延長して形成されており、同円孔67は吐出油路56と制御用オイルフィルタ60のフィルタケース61内とを連通している。
【0049】
したがって、吐出油路56と制御用オイルフィルタ60とを連通する円孔67にリリーフ弁ケース66の筒端開口66iが連通しており、同筒端開口66iは隣接した制御用オイルポンプケース51と制御用オイルフィルタ60の間に位置する。
また、リリーフ弁ケース66の筒壁の仕切壁51aに沿った所定位置に吸入油路55に臨んで開口したオイル戻り口66jが形成されている。
【0050】
リリーフ弁ケース66内には有底円筒状のリリーフ弁68が摺動自在に嵌挿され、該リリーフ弁68はスプリング69を蓋部材66rとの間に介装されて筒端開口66iを閉塞するように付勢され、リリーフ弁68の底壁で筒端開口66iを閉塞すると、同時にリリーフ弁68の筒壁でオイル戻り口66jも閉塞される。
リリーフ弁ケース66の筒端開口66iを閉塞するリリーフ弁68の底壁には、吐出油路56の油圧が作用している。
【0051】
したがって、リリーフ弁機構65は、吐出油路56の油圧が上昇し、所定圧を超えると、リリーフ弁68がスプリング69に抗して移動して筒端開口66iを開き、さらにリリーフ弁68の底壁がオイル戻り口66jに達することで、オイル戻り口66jを開き、筒端開口66iとオイル戻り口66jが連通して吐出油路56に吐出されたオイルの一部が吸入油路55に戻され、吐出油圧を所定圧以上にならないように調整する。
【0052】
制御用オイルフィルタ60は、フィルタケース61の内部に環状にフィルタエレメント62が嵌装され、フィルタケース61内をフィルタエレメント62の外と内とに仕切っており、吐出油路56は円孔67を介してフィルタエレメント62の外側空間に連通している。
図7を参照して、フィルタケース61の右側開口は、フィルタ蓋部材63で塞がれ、フィルタ蓋部材63は中央に形成された導出円筒部63sがフィルタエレメント62の内側空間と連通している。
フィルタ蓋部材63の導出円筒部63sは外側(右側)に突出している。
【0053】
一方、前記右クランクケースカバー45に形成されたクラッチアクチュエータ収容ケース46には、連結部材64が制御用オイルフィルタ60に対向した部分に取り付けられており、連結部材64にはクラッチアクチュエータ収容ケース46内の油圧導入ポートと連通した連結円筒部64sが突出形成されている。
【0054】
この連結部材64の連結円筒部64sに制御用オイルフィルタ60のフィルタ蓋部材63の導出円筒部63sがシール部材63tを介装して嵌入し連結され、制御用オイルフィルタ60のフィルタエレメント62でろ過されたオイルがクラッチアクチュエータ収容ケース46内の油圧導入ポートに導入されて油圧切換え制御に供される。
【0055】
図3を参照して、下クランクケース31Lの下方のオイルパン39の底面に沿ってオイルストレーナ90が配設され、同オイルストレーナ90から上方に延びた吸入管91が、制御用オイルポンプ50の仕切板59に形成された吸入口59hに連結されている。
【0056】
制御用のオイル供給装置Sは、以上のように、制御用オイルポンプ50,制御用オイルフィルタ60,リリーフ弁機構65,クラッチアクチュエータ80a,80b等から構成されており、制御用オイルポンプ50がポンプ駆動軸52の回転で駆動されると、オイルパン39に溜まったオイルがオイルストレーナ90を経て吸入管91を介して汲み上げられ、制御用オイルポンプ50の吸入油路55に吸入され、吐出油路56に吐出される。
【0057】
制御用オイルポンプ50の吐出油路56に吐出された圧油は、円孔67を介して制御用オイルフィルタ60のフィルタエレメント62の外側に導入され、同フィルタエレメント62を通って内側にろ過されて出た圧油は、フィルタ蓋部材63の導出円筒部63sから導出されてクラッチアクチュエータ収容ケース46内の油圧導入ポートに導入され、クラッチアクチュエータ80a,80bにより制御されて、それぞれ制御用油路48a,48bおよびメイン軸35内の軸内油路49a,49bを通って第1摩擦クラッチ41と第2摩擦クラッチ42に供給されて各クラッチの断接を行う。
【0058】
制御用オイルポンプ50の吐出油路56に吐出された圧油が上昇し、所定圧を超えると、リリーフ弁機構65のリリーフ弁68がその油圧により移動して筒端開口66iおよびオイル戻り口66jを開き連通して、吐出油路56に吐出されたオイルの一部を吸入油路55に戻し、吐出油圧が所定圧以上にならないように調整する。
【0059】
本オイル供給装置Sの制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60は、ポンプ駆動軸52とフィルタケース61の中心軸X−Xとが左右方向に指向して互いに平行になるように配設され、リリーフ弁機構65はリリーフ弁ケース66がポンプ駆動軸52および中心軸X−Xに直交する方向にリリーフ弁68が移動するような姿勢で配設されるので、制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60を近づけた状態で、油圧がリリーフ弁68に作用するリリーフ弁ケース66の筒端開口66iを制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60の間に位置させながら制御用オイルポンプケース51とフィルタケース61に干渉しないように、リリーフ弁機構65を配置すことができる。
【0060】
したがって、制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60を近づけてコンパクト化を図るとともに、油圧がリリーフ弁に作用するリリーフ弁ケース66の筒端開口66iを制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60の間に位置させることで、図6に示すように、リリーフ弁機構65から延長して形成された円孔67を吐出油路56とフィルタケース61内との間に介在させるだけの極めて短いオイル通路で吐出油路56に吐出したオイルをリリーフ弁機構65を経て制御用オイルフィルタ60に導くことができ、油路を短縮して流動抵抗を極力小さくしてオイルの流れを円滑にすることができる。
【0061】
図3を参照して、内燃機関Eの側面視で左右方向に指向したクランク軸30と平行な制御用オイルポンプ50のポンプ駆動軸52の軸心と制御用オイルフィルタ60の中心軸X−Xとを結んだ直線Y−Yに関してクランク軸30と反対側にリリーフ弁機構65が配設されるので、リリーフ弁機構65がクランク軸30に干渉することなく、制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60をクランク軸30に近づけることができる。
【0062】
そのため、クランク軸30近傍に制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60をコンパクトに配置することができるとともに、制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60をクランク軸30に近づけることで空いたスペースにリリーフ弁機構65をスペース的に効率良く設けることができるため、オイル供給装置Sをコンパクトに構成することができる。
【0063】
リリーフ弁ケース66内をリリーフ弁68が摺動するリリーフ弁機構65のリリーフ弁ケース66の筒端開口66iがリリーフ弁68に油圧を作用すべく吐出油路56に臨んで形成されているので、近づけて狭くなった制御用オイルポンプ50と制御用オイルフィルタ60の間にリリーフ弁に油圧を作用させるリリーフ弁ケース66の筒端開口66iを位置させることが容易にできて油路の短縮を図ることができるとともに、オイル戻り口66jがリリーフ弁ケース66の筒壁に吸入油路55に臨んで開口するので、制御用オイルポンプ50に沿ってリリーフ弁機構65をコンパクトに配設することができる。
【0064】
制御用オイルフィルタ60が制御用オイルポンプ50の斜め下後方に位置し、リリーフ弁機構65は制御用オイルポンプ50の下方で制御用オイルフィルタ60の前方に形成される空間に制御用オイルポンプケース51と一体に配設されるので、オイル供給装置Sをコンパクトに構成することができる。
【0065】
制御用オイルフィルタ60のフィルタケース61は、制御用オイルポンプケース51に一体に形成されるので、別体で形成するよりも小型に設計できるとともに部品点数も少なくてすむ。
また、共通ケース内のオイル通路を短く簡素化することができる。
【0066】
制御用オイルポンプ50を構成する制御用オイルポンプケース51が右クランクケースカバー45とは別部材とされ、右クランクケースカバー45の内側に制御用オイルポンプケース51が配設されるので、制御用オイルポンプケース51の内部は制御用オイルポンプケース51と右クランクケースカバー45により2重に保護することができ耐久性が向上する。
【0067】
油圧によりクラッチを制御するクラッチアクチュエータ80a,80bが右クランクケースカバー45に設けられ、図2に示すように、制御用オイルポンプ50から供給するオイルの圧力を検知する油圧センサ65が、内燃機関の側面視でリリーフ弁機構65と重なる位置に配設されるので、オイル供給装置Sをコンパクトに構成することができる。
【0068】
クラッチアクチュエータ80a,80bは右クランクケースカバー45に上下に重なるように複数設けられ、図2に示すように、リリーフ弁機構65は上下に重ねられたクラッチアクチュエータの上端より低く下端より高い位置に配設されているので、上下に重ねられ拡がったクラッチアクチュエータの上下幅内にオイル戻し機構を収めて上下へのはみ出しをなくしてオイル供給装置Sコンパクト化を図ることができる。
【0069】
次に、第2実施形態について図8および図9に基づいて説明する。
図8は、本第2実施形態の内燃機関Eのクランクケース部位の右側面図である。
クランクケース100の右側壁の開口を右クランクケースカバー101が覆っている。
クランクケース100の右側壁の前側下部に前記第1実施形態に用いたと同じ制御用オイルポンプ50,制御用オイルフィルタ60およびリリーフ弁機構65が配設される(同じ符号を用いる)。
【0070】
右クランクケースカバー101には、クラッチアクチュエータを収容するクラッチアクチュエータ収容ケース102が制御用オイルフィルタ60に対向する部位ではなく、上方の部位に形成されており、制御用オイルフィルタ60に対向する部位は、大きく円形に開口が形成されて、円形蓋部材103が開閉可能に閉塞することができる。
【0071】
図9に断面図で示すように、円形蓋部材103は相当程度肉厚であり、右クランクケースカバー101の円開口に嵌入してフランジ部101fがボルト104で2か所固着される。
円形蓋部材103は、裏面の中心に円孔103hが穿設され、制御用オイルフィルタ60のフィルタ蓋部材63の導出円筒部63sがシール部材63tを介装して円孔103hに嵌入し連結される。
【0072】
円形蓋部材103には、円孔103hに連通するオイル通路103pが円孔103hから径方向(図8において上方向)に延出している。
他方、右クランクケースカバー101の円開口の内周面の上部に開口してオイル通路101pが上方のクラッチアクチュエータ収容ケース102に向かって延出して形成されており、円開口を円形蓋部材103が閉塞すると、円形蓋部材103のオイル通路103pと右クランクケースカバー101のオイル通路101pが合致して連通する。
【0073】
なお、円形蓋部材103の外周面には、オイル通路101pの開口を挟んで両側に外周溝が形成され、両外周溝に嵌合したシール部材104,104が右クランクケースカバー101の円開口の内周面との間に介装されてシールしている(図9参照)。
【0074】
したがって、制御用オイルフィルタ60でろ過されたオイルは、導出円筒部63sから円形蓋部材103のオイル通路103pに入り、さらに連通した右クランクケースカバー101のオイル通路101pを通ってクラッチアクチュエータ収容ケース102内の油圧導入ポートに至る。
クラッチアクチュエータ収容ケース102からは制御用油路108a,108bが2本平行に斜め下後方に延びてメイン軸の右端部を覆う円環状の軸受部109に達している。
図示されないが、軸受部109やメイン軸の内部の構造は、第1実施形態と同じである。
【0075】
本第2実施形態は、以上のように、制御用オイルフィルタ60は側方を右クランクケースカバー101で覆われるが、制御用オイルフィルタ60に対向する部位は、大きく円形に開口が形成されて、円形蓋部材103が開閉可能に閉塞するようになっているので、右クランクケースカバー101全体を取り外すことなく、円形蓋部材103のみを外すだけで、制御用オイルフィルタ60のメンテナンスをすることができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0076】
1…自動二輪車、2…車体フレーム、E…内燃機関、30…クランク軸、31U…上クランクケース、31L…下クランクケース、32…シリンダブロック、33…シリンダヘッド、34…シリンダヘッドカバー、T…変速機、35…メイン軸、37…カウンタ軸、39…オイルパン、41A…第1摩擦クラッチ、41B…第2摩擦クラッチ、43…プライマリ従動歯車、44…プライマリ駆動歯車、45…右クランクケースカバー、46…クラッチアクチュエータ収容ケース、47…軸受部、48a,48b…制御用油路、49a,49b…軸内油路、
50…制御用オイルポンプ、51…制御用オイルポンプケース、52…ポンプ駆動軸、53…インナロータ、54…アウタロータ、55…吸入油路、56…吐出油路、57…、58…、59…仕切板、59h…吸入口、
60…制御用オイルフィルタ、61…フィルタケース、62…フィルタエレメント、63…フィルタ蓋部材、64…連結部材、
65…リリーフ弁機構、66…リリーフ弁ケース、67…円孔、68…リリーフ弁、69…スプリング、
80a,80b…クラッチアクチュエータ、81…油圧センサ、90…オイルストレーナ、91…吸入管、
100…クランクケース、101…右クランクケースカバー、101p…オイル通路、102…クラッチアクチュエータ収容ケース、103…円形蓋部材、103p…オイル通路、104…ボルト、108a,108b…制御用油路、109…軸受部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルポンプがオイルタンクからオイルを吸入油路に汲み上げるとともに吐出油路に吐出し、吐出したオイルをオイルフィルタに導きろ過して内燃機関の所要部に供給する車載内燃機関のオイル供給装置において、
前記オイルフィルタは前記オイルポンプのオイルポンプケース内のポンプ駆動軸と平行な中心軸を持つ有底円筒状のフィルタケース内にフィルタエレメントが内装されて構成され、
前記吐出油路内の油圧によりリリーフ弁が移動し開弁すると前記吐出油路が前記吸入油路と連通してオイルを戻すオイル戻し機構を備え、
前記オイルポンプのポンプ駆動軸および前記オイルフィルタの中心軸に直交する方向に前記リリーフ弁が移動するように前記オイル戻し機構が配設されたことを特徴とする車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項2】
内燃機関はクランク軸を車体幅方向である左右方向に指向させて車両に搭載され、
前記オイル戻し機構は、内燃機関の側面視でクランク軸と平行な前記オイルポンプのポンプ駆動軸と前記オイルフィルタの中心軸とを結んだ直線に関してクランク軸と反対側に配設されることを特徴とする請求項1記載の車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項3】
前記オイル戻し機構は、
リリーフ弁が筒状のリリーフ弁ケース内を摺動し、
前記リリーフ弁ケースの筒端開口が前記リリーフ弁に油圧を作用すべく前記吐出油路に臨んで形成され、
前記リリーフ弁ケースの筒壁所定位置に前記吸入油路に臨んで開口したオイル戻り口が形成され、
前記リリーフ弁の摺動で前記筒端開口と前記オイル戻り口とを連通して開弁し、遮断して閉弁することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項4】
前記オイルフィルタが前記オイルポンプの斜め下後方に位置し、
前記オイル戻し機構は前記オイルポンプの下方で前記オイルフィルタの前方に配設されることを特徴とする請求項2または請求項3記載の車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項5】
前記フィルタケースは、前記オイルポンプケースに一体に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項6】
前記オイルポンプを構成するオイルポンプケースがクランクケースカバーとは別部材とされ、
前記クランクケースカバーの内側に前記オイルポンプケースが配設されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載の車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項7】
油圧によりクラッチを制御するクラッチアクチュエータが前記クランクケースカバーに設けられ、
前記オイルポンプから供給するオイルの圧力を検知する油圧センサが、内燃機関の側面視で前記オイル戻し機構と重なる位置に配設されることを特徴とする請求項6記載の車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項8】
前記クラッチアクチュエータはクランクケースカバーに上下に重なるように複数設けられ、
前記オイル戻し機構は前記上下に重ねられたクラッチアクチュエータの上端より低く下端より高い位置に配設されていることを特徴とする請求項7記載の車載内燃機関のオイル供給装置。
【請求項9】
前記オイルフィルタは側方をクランクケースカバーで覆われ、
前記クランクケースカバーの前記オイルフィルタが対向する部分が開閉可能な蓋部材で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか記載の車載内燃機関のオイル供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−47352(P2011−47352A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198089(P2009−198089)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】