説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】 減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることにより、表示部に表示される画像の視認性と描画性能等のナビゲーションの性能とを向上させることができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】 地図情報に基づいて暗所の連続状態を判定する暗所連続状態判定手段28と、この暗所連続状態判定手段28によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数の暗所を1つの暗所とみなし、自車が前記1つの暗所とみなされた複数の暗所を走行する際に、減光/暗色化処理手段27が1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行うように減光/暗色化処理手段27を制御する制御手段30とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、暗所を走行する際における減光/暗色化処理を行うのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車室内のインストルメントパネル(インパネ)に設けられたメータ機器等に用いられる照明装置では、夜間の走行中に、メータ機器等がまぶしくならないように、車両のライト(ヘッドライトやスモールライト等)の点灯に連動して、照明の輝度を低減させることが行われていた。
【0003】
さらに、このような車両のライトの点灯に連動する処理は、車載用ナビゲーション装置にも利用されていた。
【0004】
すなわち、車載用ナビゲーション装置では、車両のライトの点灯に連動して、ディスプレイの表示画面の輝度を低減させる減光処理およびディスプレイの表示画面上に表示される画像を暗色化する暗色化処理の少なくとも一方を含む減光/暗色化処理を行うようになっていた。
【0005】
具体的には、減光/暗色化処理における減光処理では、ディスプレイの光源(バックライト)の光量を減少させることによって、表示画面の輝度を低減させるようになっていた。
【0006】
また、減光/暗色化処理における暗色化処理では、ディスプレイの表示画面上に表示される地図等の画像の明度、彩度および色相の少なくとも1つを変更することによって、画像の色を暗くするようになっていた。この暗色化処理としては、例えば、地図画面の背景色を昼間用の白色基調から夜間用のダーク基調に変更したり、あるいは、3D表示画像において建物や地図とともに表示される空の色を昼用から夜用に変更すること等が挙げられる。
【0007】
さらに、最近の車両には、光センサ(照度センサ)が搭載されたものがあり、このような光センサが搭載された車両では、ライトポジションを「AUTO」に設定しておくと、トンネルの走行時等において、光センサが暗いと判断することにより、ライトが自動的に点灯されるようになっていた。
【0008】
そして、このライトの自動的な点灯に連動して、車載用ナビゲーション装置による前述した減光/暗色化処理が自動的に行われるようになっていた。
【0009】
【特許文献1】特開2001−33257号公報
【特許文献2】特開平10−147187号公報
【特許文献3】特開2000−168436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来は、例えば、常磐自動車道上りの日立北インターチェンジ付近等の複数のトンネルが連続している区間において、光センサに連動したヘッドライトの自動的な点灯または消灯が頻繁に繰り返されていた。
【0011】
これにともなって、車載用ナビゲーション装置が、前述した減光/暗色化処理の実行と解除とを頻繁に繰り返すことになり、却って画像の視認性を損ねる結果となっていた。
【0012】
さらに、従来は、減光/暗色化処理の実行と解除とが頻繁に繰り返されることにより、車載用ナビゲーション装置による描画処理が非常に過負荷となり、地図等の画像の描画性能を低下させるばかりでなく、ナビゲーション全体の性能に悪影響を及ぼす場合があった。
【0013】
したがって、従来は、複数のトンネルが連続している場所等において、短時間のうちに減光/暗色化処理の実行と解除とが頻繁に繰り返されることにより、表示部に表示される画像の視認性が悪化してしまい、さらに、描画性能をはじめとしたナビゲーションの性能に悪影響を及ぼすといった問題が生じていた。
【0014】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、ひいては、表示部に表示される画像の視認性を向上させることができるとともに、描画性能をはじめとしたナビゲーションの性能を向上させることができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、地図情報に基づいて暗所の連続状態を判定する暗所連続状態判定手段と、この暗所連続状態判定手段によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数の暗所を1つの暗所とみなし、自車が前記1つの暗所とみなされた前記複数の暗所を走行する際に、減光/暗色化処理手段が1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行うように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0016】
そして、このような構成によれば、暗所連続状態判定手段の判定結果に基づいて、制御手段によって1つの暗所とみなされた複数の暗所を自車が走行する際には、制御手段の制御により、減光/暗色化処理手段に1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行わせることが可能となる。
【0017】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、減光/暗色化処理手段が、自車のライトの点灯に連動して減光/暗色化処理を行うことが可能に形成され、かつ、自車が1つの暗所とみなされた複数の暗所を走行する際には、制御手段の制御によって、前記自車のライトの点灯の有無にかかわらず、前記1つの暗所に相当する前記減光/暗色化処理を行うように形成されていることを特徴としている。
【0018】
そして、このような構成によれば、暗所連続状態判定手段の判定結果に基づいて、制御手段によって1つの暗所とみなされた複数の暗所を自車が走行する際には、制御手段の制御により、自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理手段に1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行わせることが可能となる。
【0019】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、地図情報に基づいて暗所の距離を判定する暗所距離判定手段と、この暗所距離判定手段によって所定の距離未満の暗所であると判定された暗所を非暗所とみなし、自車が前記非暗所とみなされた暗所を走行する際に、減光/暗色化処理手段が減光/暗色化処理を行わないように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0020】
そして、このような構成によれば、暗所距離判定手段の判定結果に基づいて、制御手段によって非暗所とみなされた暗所を自車が走行する際には、制御手段の制御により、減光/暗色化処理手段に減光/暗色化処理を行わせないようにすることが可能となる。
【0021】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、減光/暗色化処理手段が、自車のライトの点灯に連動して減光/暗色化処理を行うことが可能に形成され、かつ、自車が非暗所とみなされた暗所を走行する際には、制御手段の制御によって、前記自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理を行わないように形成されていることを特徴としている。
【0022】
そして、このような構成によれば、暗所距離判定手段の判定結果に基づいて、制御手段によって非暗所とみなされた暗所を自車が走行する際には、制御手段の制御により、自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理手段に減光/暗色化処理を行わせないようにすることが可能となる。
【0023】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、自車が暗所を実際に走行する際に、前記自車のライトの点灯に連動して減光/暗色化処理手段が行う減光/暗色化処理の処理結果を、この減光/暗色化処理が行われる際の自車位置の情報とともに記録することによって、前記自車位置に対応する前記減光/暗色化処理の履歴を作成する履歴作成手段と、この履歴作成手段によって作成された前記減光/暗色化処理の履歴に基づいて前記暗所の連続状態を判定する暗所連続状態判定手段と、この暗所連続状態判定手段によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数の暗所を1つの暗所とみなし、自車が前記1つの暗所とみなされた前記複数の暗所を再び走行する際に、前記減光/暗色化処理手段が1つの暗所に相当する前記減光/暗色化処理を行うように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0024】
そして、このような構成によれば、暗所についての地図情報が存在しない場合であっても、履歴作成手段によって作成された減光/暗色化処理の履歴に基づいて、暗所連続状態判定手段による暗所の連続状態の判定を行うことが可能となる。そして、この暗所連続状態判定手段の判定結果に基づいて制御手段によって1つの暗所とみなされた複数の暗所を自車が走行する際には、制御手段の制御により、自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理手段に1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行わせることが可能となる。
【0025】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、自車が暗所を実際に走行する際に、自車のライトの点灯に連動して減光/暗色化処理手段が行う減光/暗色化処理の処理結果を、この減光/暗色化処理が行われる際の自車位置の情報とともに記録することによって、前記自車位置に対応する前記減光/暗色化処理の履歴を作成する履歴作成手段と、この履歴作成手段によって作成された前記減光/暗色化処理の履歴に基づいて前記暗所の距離を判定する暗所距離判定手段と、この暗所距離判定手段によって所定の距離未満の暗所であると判定された暗所を非暗所とみなし、自車が前記非暗所とみなされた暗所を走行する際に、前記減光/暗色化処理手段が前記減光/暗色化処理を行わないように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0026】
そして、このような構成によれば、暗所についての地図情報が存在しない場合であっても、履歴作成手段によって作成された減光/暗色化処理の履歴に基づいて、暗所距離判定手段による暗所の距離の判定を行うことが可能となる。そして、この暗所距離判定手段の判定結果に基づいて制御手段によって非暗所とみなされた暗所を自車が走行する際には、制御手段の制御により、自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理手段に減光/暗色化処理を行わせないようにすることが可能となる。
【0027】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、制御手段が、暗所連続状態判定手段によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数の暗所であって、前記複数の暗所のうちの少なくとも1つの暗所の入口近傍地点における自車速度および前記複数の暗所のうちの少なくとも1つの暗所の予想通過時間の少なくとも一方が所定の条件を満足するような複数の暗所を、1つの暗所とみなすように形成されていることを特徴としている。
【0028】
そして、このような構成によれば、制御手段が、減光/暗色化処理手段の減光/暗色化処理を制御する際に、暗所連続状態判定手段の判定結果のみでなく、暗所の入口近傍地点における自車速度や暗所の予想通過時間をも考慮した制御を行うことが可能となる。
【0029】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、制御手段が、暗所距離判定手段によって所定の距離未満の暗所であると判定された暗所であって、前記暗所の入口近傍地点における自車速度および暗所の予想通過時間の少なくとも一方が所定の条件を満足するような暗所を、非暗所とみなすように形成されていることを特徴としている。
【0030】
そして、このような構成によれば、制御手段が、減光/暗色化処理手段の減光/暗色化処理を制御する際に、暗所距離判定手段の判定結果のみでなく、暗所の入口近傍地点における自車速度や暗所の予想通過時間をも考慮した制御を行うことが可能となる。
【0031】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、暗所が、トンネルを含むことを特徴としている。
【0032】
そして、このような構成によれば、自車が所定の距離未満の間隔で連続している複数のトンネルを走行する際には、制御手段の制御により、減光/暗色化処理手段に1つのトンネルに相当する減光/暗色化処理を行わせることが可能となる。また、自車が所定の距離未満のトンネルを走行する際には、制御手段の制御により、減光/暗色化処理手段に減光/暗色化処理を行わせないようにすることが可能となる。
【0033】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、自車のライトが、前記自車に搭載された光センサに連動して点灯または消灯されることを特徴としている。
【0034】
そして、このような構成によれば、自車が1つの暗所とみなされた複数の暗所を走行中に、自車のライトが光センサに連動して消灯されたとしても、減光/暗色化処理を継続することが可能となり、また、自車が非暗所とみなされた暗所を走行中に、自車のライトが光センサに連動して点灯されたとしても、減光/暗色化処理が行われないようにすることが可能となる。
【0035】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、車両側の照明装置と接続され、制御手段の制御の下で減光/暗色化処理手段によって行われる減光/暗色化処理に連動して、前記車両側の照明装置の輝度を低減させることが可能に形成されていることを特徴としている。
【0036】
そして、このような構成によれば、制御手段の制御による減光/暗色化処理手段の減光/暗色化処理に連動して、車両側の照明装置の輝度を低減させることが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、自車が、1つの暗所とみなされた所定の距離未満の間隔で連続している複数の暗所を走行する際には、制御手段の制御により、減光/暗色化処理手段に1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行わせることができる結果、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、ひいては、表示部に表示される画像のちらつきを防止して視認性を向上させることができるとともに、描画性能をはじめとしたナビゲーションの性能を向上させることができる。
【0038】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、自車が、1つの暗所とみなされた所定の距離未満の間隔で連続している複数の暗所を走行する際には、制御手段の制御により、自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理手段に1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行わせることができる結果、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度をさらに有効に低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能をさらに向上させることができる。
【0039】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、自車が、非暗所とみなされた所定の距離未満の暗所を走行する際には、制御手段の制御により、減光/暗色化処理手段が減光/暗色化処理を行わないようにすることができる結果、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、ひいては、表示部に表示される画像の視認性を向上させることができるとともに、ナビゲーションの性能を向上させることができる。
【0040】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、自車が、非暗所とみなされた所定の距離未満の暗所を走行する際には、制御手段の制御により、自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理手段が減光/暗色化処理を行わないようにすることができる結果、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度をさらに有効に低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能をさらに向上させることができる。
【0041】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、暗所についての地図情報が存在しない場合であっても、履歴作成手段によって作成された減光/暗色化処理の履歴に基づいて暗所連続状態判定手段による暗所の連続状態の判定を行うことができる結果、暗所についての地図情報の有無にかかわらず、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能を向上させることができる。
【0042】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、暗所についての地図情報が存在しない場合であっても、履歴作成手段によって作成された減光/暗色化処理の履歴に基づいて暗所距離判定手段による暗所の距離の判定を行うことができる結果、暗所についての地図情報の有無にかかわらず、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能を向上させることができる。
【0043】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、制御手段が、減光/暗色化処理手段の減光/暗色化処理を制御する際に、暗所連続状態判定手段の判定結果のみでなく、暗所の入口近傍地点における自車速度や暗所の予想通過時間をも考慮した制御を行うことができる結果、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度をさらに有効に低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能をさらに向上させることができる。
【0044】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、制御手段が、減光/暗色化処理手段の減光/暗色化処理を制御する際に、暗所距離判定手段の判定結果のみでなく、暗所の入口近傍地点における自車速度や暗所の予想通過時間をも考慮した制御を行うことができる結果、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度をさらに有効に低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能をさらに向上させることができる。
【0045】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、自車が暗所としてのトンネルを走行する際に、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能を向上させることができる。
【0046】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、光センサに連動した自車のライトの点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、表示部に表示される画像の視認性およびナビゲーションの性能を向上させることができる。
【0047】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、制御手段による減光/暗色化処理手段の制御を、車両側の照明装置の動作にも反映させることができ、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0049】
図1は、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1を備えた車載システム2を示したものであり、この車載システム2は、車載用ナビゲーション装置1と、車両側照明システム3とがCAN(Controller Area Network)等の通信手段により通信可能に接続されていることによって構成されている。
【0050】
車両側照明システム3は、ECU5を有しており、このECU5の入力側には、ユーザの手動操作によってオンまたはオフに切換わるライトスイッチ6と、光センサとしての照度センサ7とがそれぞれ接続されている。
【0051】
また、ECU5の出力側には、ヘッドライトやスモールライト等のライトユニット8と、インパネのメータ機器等に設けられた車内照明装置9とがそれぞれ接続されている。
【0052】
ECU5は、ライトスイッチ6のオンまたはオフの切換えに応じて、ライトユニット8を点灯または消灯させるようになっている。
【0053】
また、ECU5は、ライトスイッチ6がオンに切換わることによって、車内照明装置9を点灯させるようになっている。
【0054】
さらに、ECU5は、照度センサ7の検出結果に応じて、ライトユニット8および車内照明装置9を、ユーザの手動操作を待たずに自動的に点灯または消灯させるようになっている。
【0055】
この車内照明装置9の自動的な点灯の際に、ECU5は、メータ機器等がまぶしくならないように、車内照明装置9の輝度を低減させるようになっている。
【0056】
ライトユニット8の点灯の有無の情報は、データバス10を通じて車載用ナビゲーション装置1側に通知されるようになっている。
【0057】
一方、車載用ナビゲーション装置1は、ナビゲーションメインユニット11を有しており、このナビゲーションメインユニット11の入力側には、GPSレシーバ12、ジャイロセンサ等の自律航法センサ13、ディスク装置14および入力操作部15が、出力側には、バックライトユニット16、表示部としてのディスプレイ17およびスピーカ18がそれぞれ接続されている。
【0058】
ディスク装置14には、DVD等の地図ディスク20が搭載されており、この地図ディスク20には、地図データベース等のナビゲーションに必要な一切の情報が格納されている。なお、地図ディスク20を搭載したディスク装置14は、ハードディスクドライブであってもよいことは勿論である。
【0059】
また、入力操作部15としては、リモコン、リニアエンコーダおよびディスプレイ17のタッチパネル等の種々の手段を用いることができる。
【0060】
ナビゲーションメインユニット11について詳述すると、このナビゲーションメインユニット11は、ナビCPU21を有している。
【0061】
ナビCPU21は、自車位置計算部23、ルート計算部24、描画部25、音声案内部26および減光/暗色化処理手段としての減光/暗色化処理部27を有している。
【0062】
ナビCPU21には、GPSレシーバ12が図示しないGPS衛星から受信した軌道および時刻についての情報が入力されるようになっている。さらに、ナビCPU21には車速パルスが入力されるようになっている。
【0063】
ナビCPU21の入力側には、前述した自律航法センサ13が接続されており、この自律航法センサ13は、自車方位を検出して検出結果をナビCPU21に入力するようになっている。
【0064】
ナビCPU21の自車位置計算部23は、GPSレシーバ12からの入力情報、車速パルスおよび自律航法センサ13の検出結果を適宜用いることによって、自車位置を計算するようになっている。
【0065】
ナビCPU21には、システムバス34を介してユーザインターフェース35が接続されており、このユーザインターフェース35の入力側には、前述した入力操作部15が接続されている。
【0066】
また、ナビCPU21には、システムバス34を介してデコーダ36が接続されており、このデコーダ36の入力側には、前述したディスク装置14が接続されている。
【0067】
ナビCPU21のルート計算部24は、ユーザの操作により、入力操作部15から目的地を設定する旨の入力信号がユーザインターフェース35を介して入力されると、自車位置計算部23によって算出された現在の自車位置から目的地までの推奨ルートを計算するルート計算を行うようになっている。
【0068】
このルート計算の際に、ルート計算部24は、ディスク装置14から地図ディスク20内の地図データ(道路ネットワークデータ等)を読み込んで適宜参照するようになっている。なお、ディスク装置14から読み込まれた地図データは、デコーダ36によってデコードされた上でルート計算部24に入力されるようになっている。
【0069】
ナビCPU21の描画部25は、自車位置計算部23によって算出された現在の自車位置およびその周辺の地図、または、入力操作部15の操作によってユーザが指定した地点およびその周辺の地図を描画するための地図描画データを生成して出力するようになっている。
【0070】
また、描画部25は、自車位置計算部23によって算出された自車位置を示す自車位置マークを地図上に描画するための自車位置マーク描画データを生成して出力するようになっている。
【0071】
さらに、描画部25は、ルート計算部24によって算出された推奨ルートに沿って自車を目的地まで案内するルート案内画像を描画するためのルート案内画像描画データを生成して出力するようになっている。
【0072】
描画部25による各描画データの生成は、地図ディスク20内の地図データを適宜用いることによって行われるようになっている。
【0073】
ナビCPU21には、システムバス34を介して画像合成部38が接続されており、この画像合成部38の出力側には、前述したディスプレイ17が接続されている。
【0074】
画像合成部38には、ナビCPU21の描画部25から出力された描画データが入力されるようになっている。
【0075】
画像合成部38は、描画部25から入力された描画データを適宜合成した上でディスプレイ17に出力するようになっている。
【0076】
これにより、ディスプレイ17の表示画面上には、地図やルート案内画像(例えば、交差点拡大画像)等の画像が表示されることになる。
【0077】
描画部25には、前述した減光/暗色化処理部27が接続されており、この減光/暗色化処理部27は、車両側照明システム3側からライトユニット8が点灯されている旨の情報が入力されると、このライトユニット8の点灯に連動して減光/暗色化処理を行うようになっている。
【0078】
すなわち、減光/暗色化処理部27は、減光/暗色化処理として、描画部25に、通常の昼間用の画像よりも暗い色の画像の描画データを生成させるようになっている。これにより、ディスプレイ17の表示画面上には、昼間用の画像に対して明度、彩度および色相の少なくとも1つが変更された暗色画像(例えば、夜間表示画像)が表示されることになる。
【0079】
また、減光/暗色化処理部27は、減光/暗色化処理として、バックライトユニット16に、光源の輝度を低減させる要求を出力するようになっている。そして、減光/暗色化処理部27からの要求にしたがってバックライトユニット16が光源の輝度を低減させることによって、ディスプレイ17の表示画面の輝度が低減されることになる。
【0080】
このようにして、ライトユニット8の点灯に連動して、減光/暗色化処理部27による減光/暗色化処理を行うことが可能とされている。
【0081】
ここで、このようなライトユニット8の点灯に連動した減光/暗色化処理を行うことは、従来の車載用ナビゲーション装置でも可能であった。
【0082】
しかしながら、このような構成だけでは、複数のトンネルが連続している場所等において、減光/暗色化処理の実行と解除とが短時間の間に頻繁に繰り返される虞がある。
【0083】
そこで、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1には、従来の構成に加えて、さらに、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を有効に低減させるための手段が講じられている。
【0084】
すなわち、本実施形態において、ナビCPU21は、暗所連続状態判定手段としてのトンネル連続状態判定部28と、制御手段としての減光/暗色化処理制御部30とを有している。
【0085】
トンネル連続状態判定部28は、ディスク装置14から地図ディスク20内の地図データを読み込み、この読み込んだ地図データを参照することによって、暗所としてのトンネルの連続状態を判定するようになっている。
【0086】
このトンネル連続状態判定部28によるトンネルの連続状態の判定の具体例としては、例えば、ルート計算部24によって算出された推奨ルート上に存在する2つのトンネルが、100m未満の間隔で連続しているか否かを判定すること等を挙げることができる。
【0087】
トンネル連続状態判定部28によるトンネルの連続状態の判定結果は、減光/暗色化処理制御部30に入力されるようになっている。
【0088】
減光/暗色化処理制御部30は、トンネル連続状態判定部28から入力された判定結果に基づいて、所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数のトンネルを1つのトンネルとみなすようになっている。
【0089】
具体的には、例えば、図2に示すように、トンネル連続状態判定部28により、2つのトンネル(トンネルaおよびトンネルb)が所定の距離(トンネル間距離)としての100m未満の間隔で連続していると判定された場合には、減光/暗色化処理制御部30は、これら2つのトンネルを、1つのトンネル(トンネルc)とみなすようになっている。
【0090】
なお、図示はしないが、トンネル連続状態判定部28により、3つ以上のトンネルがそれぞれ100m未満の間隔で連続していると判定された場合には、減光/暗色化処理制御部30は、これら3つ以上のトンネルを1つのトンネルとみなすようになっている。
【0091】
そして、減光/暗色化処理制御部30は、自車が、前記1つのトンネルとみなされた複数のトンネルを実際に走行する際には、照度センサ7の検出結果あるいはライトユニット8の点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理部27が1つのトンネルに相当する減光/暗色化処理を行うように減光/暗色化処理部27を制御するようになっている。
【0092】
例えば、自車が、図2に示した2つのトンネルa,bを走行する場合、トンネルaとトンネルbとの間では、照度センサの検出結果がトンネル内における検出結果とは異なることによって、ECU5が、トンネルaとトンネルbとの間でライトユニット8を自動的に消灯させ、その後、トンネルb内でライトユニット8を自動的に再点灯させる場合がある。また、このようなライトユニット8の消灯および点灯が、ユーザの手動操作によってなされる場合もある。
【0093】
しかし、このような場合であっても、減光/暗色化処理部27は、減光/暗色化処理制御部30の制御により、トンネルaとトンネルbとの間では減光/暗色化処理を解除せずに継続することになる。
【0094】
一方、減光/暗色化処理制御部30は、トンネル連続状態判定部28から入力された判定結果に基づいて、複数のトンネルが所定の距離以上の間隔で連続している場合には、これら複数のトンネルを、複数のまま認識するようになっている。
【0095】
この場合、減光/暗色化処理部27は、自車が複数のトンネル内を走行中は、ライトユニット8の点灯に連動して減光/暗色化処理を行い、また、自車が複数のトンネル間を走行中は、ライトユニット8の消灯に連動して減光/暗色化処理を解除するようになっている。
【0096】
したがって、本実施形態によれば、トンネル連続状態判定部28の判定結果に基づいて、減光/暗色化処理制御部30によって1つのトンネルとみなされた複数のトンネルを自車が走行する際には、減光/暗色化処理制御部30の制御により、減光/暗色化処理部27に1つのトンネルに相当する減光/暗色化処理を行わせることが可能となる。
【0097】
より好ましい実施形態としては、減光/暗色化処理制御部30が、トンネル連続状態判定部28によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数のトンネルであって、前記複数のトンネルのうちの少なくとも1つのトンネルの入口近傍地点における自車速度または前記複数のトンネルのうちの少なくとも1つのトンネルの予想通過時間が、所定の条件を満足するような複数のトンネルを、1つのトンネルとみなすようにする。
【0098】
あるいは、前記自車速度および前記予想通過時間の双方が、所定の条件を満足するような複数のトンネルを、1つのトンネルとみなすようにする。
【0099】
この場合、前記自車速度または前記予想通過時間あるいはその双方が所定の条件を満足するか否かについては、減光/暗色化処理制御部30が判定する。
【0100】
この判定に際して、自車速度については、前述した車速パルスから取得することができ、トンネルの予想通過時間については、ルート計算部24のルート計算機能を用いることによって取得することができる。
【0101】
このようにすれば、減光/暗色化処理制御部30が減光/暗色化処理部27の減光/暗色化処理を制御する際に、トンネル連続状態判定部28の判定結果のみでなく、トンネルの入口近傍地点における自車速度やトンネルの予想通過時間をも考慮した制御を行うことが可能となる。
【0102】
なお、減光/暗色化処理制御部30は、前記複数のトンネルのうちの自車が最初に走行するトンネルの入口近傍地点における自車速度のみを判定対象としてもよいし、前記複数のトンネルのうちのすべてのトンネルの入口近傍地点ならびに出口近傍地点における自車速度を判定対象としてもよい。
【0103】
また、減光/暗色化処理制御部30は、前記複数のトンネルのすべてについての予想通過時間を判定対象としてもよいし、さらに、前記複数のトンネルのトンネル間の予想通過時刻をも判定対象としてもよい。
【0104】
前記複数のトンネルのすべての入口ならびに出口近傍地点における自車速度および前記複数のトンネルならびにトンネル間のすべてについての予想通過時間を判定対象とすれば、1つのトンネル内またはトンネル間を走行中における自車の急激な減速にも柔軟に対応することができる。
【0105】
例えば、減光/暗色化処理制御部30が、前記複数のトンネルを、当初は1つのトンネルとみなした場合であっても、事後的(トンネル内またはトンネル間における減速後)に複数のトンネルと認識し直して、複数のトンネルに相当する減光/暗色化処理に切換えることが可能となる。
【0106】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、ナビCPU21は、暗所距離判定手段としてのトンネル距離判定部29を有している。
【0107】
トンネル距離判定部29は、ディスク装置14から地図ディスク20内の地図データを読み込み、この読み込んだ地図データを参照することによって、トンネルの距離(長さ)を判定するようになっている。
【0108】
このトンネル距離判定部29によるトンネルの距離の判定の具体例としては、例えば、ルート計算部24によって算出された推奨ルート上に存在するトンネルが、100m未満の距離のトンネルであるか否かを判定すること等を挙げることができる。
【0109】
トンネル距離判定部29によるトンネルの距離の判定結果は、減光/暗色化処理制御部30に入力されるようになっている。
【0110】
減光/暗色化処理制御部30は、トンネル距離判定部29から入力された判定結果に基づいて、所定の距離未満のトンネルを、トンネルでない(以下、非トンネルと称する)とみなすようになっている。
【0111】
具体的には、例えば、図3に示すように、トンネル距離判定部29により、トンネルdの距離が、所定の距離(トンネル距離)としての100m未満であると判定された場合には、減光/暗色化処理制御部30は、このトンネルdを、非トンネルとみなすようになっている。
【0112】
そして、減光/暗色化処理制御部30は、自車が、前記非トンネルとみなされたトンネルを実際に走行する際には、照度センサ7の検出結果あるいはライトユニット8の点灯の有無にかかわらず、減光/暗色化処理部27が減光/暗色化処理を行わないように減光/暗色化処理部27を制御するようになっている。
【0113】
例えば、自車が、図3に示したトンネルdを走行する場合、トンネルd内においては、照度センサの検出結果がトンネル外における検出結果とは異なることによって、ECU5が、トンネルd内においてライトユニット8を自動的に点灯させる場合がある。また、このようなライトユニット8の点灯が、ユーザの手動操作によってなされる場合もある。
【0114】
しかし、このような場合であっても、減光/暗色化処理部27は、減光/暗色化処理制御部30の制御により、トンネルd内においても減光/暗色化処理を実行しないことになる。
【0115】
一方、減光/暗色化処理制御部30は、トンネル距離判定部29から入力された判定結果に基づいて、トンネルの距離が所定の距離以上である場合には、このトンネルを、そのままトンネルとして認識するようになっている。
【0116】
この場合、減光/暗色化処理部27は、自車がトンネル内を走行中は、ライトユニット8の点灯に連動して減光/暗色化処理を行うようになっている。
【0117】
したがって、本実施形態によれば、トンネル距離判定部29の判定結果に基づいて、減光/暗色化処理制御部30によって非トンネルとみなされたトンネルを自車が走行する際には、減光/暗色化処理制御部30の制御により、減光/暗色化処理部27に減光/暗色化処理を行わせないようにすることが可能となる。
【0118】
より好ましい実施形態としては、減光/暗色化処理制御部30が、トンネル距離判定部29によって所定の距離未満であると判定されたトンネルであって、トンネルの入口近傍地点における自車速度およびトンネルの予想通過時間の少なくとも一方が所定の条件を満足するトンネルを、非トンネルとみなすようにする。
【0119】
なお、トンネルの入口近傍地点における自車速度およびトンネルの予想通過時間の少なくとも一方が所定の条件を満足するか否かについては、減光/暗色化処理制御部30が判定する。
【0120】
この場合、自車速度については、前述した車速パルスから取得することができ、トンネルの予想通過時間については、ルート計算部24のルート計算機能を用いることによって取得することができる。
【0121】
このようにすれば、減光/暗色化処理制御部30が減光/暗色化処理部27の減光/暗色化処理を制御する際に、トンネル距離判定部29の判定結果のみでなく、トンネルの入口近傍地点における自車速度やトンネルの予想通過時間をも考慮した制御を行うことが可能となる。
【0122】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1には、新設されたトンネル等の、トンネルについての地図データが存在しない場合においても、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を有効に低減させるための手段が講じられている。
【0123】
すなわち、ナビCPU21は、履歴作成手段としての履歴作成処理部39を有している。
【0124】
さらに、ナビCPU21には、システムバス34を介してRAM等のメモリ40が接続されており、このメモリ40は、履歴作成処理部39とともに履歴作成手段を構成している。
【0125】
履歴作成処理部39は、自車がトンネルを走行する際に、ライトユニット8の点灯に連動して減光/暗色化処理部27が行う減光/暗色化処理の処理結果を、この減光/暗色化処理が行われる際の自車位置の情報とともにメモリ40に記録することによって、自車位置に対応する減光/暗色化処理の履歴を作成するようになっている。
【0126】
このとき、減光/暗色化処理の処理結果については、減光/暗色化処理部27から取得することができ、自車位置の情報については、自車位置計算部23から取得することができる。
【0127】
そして、トンネル連続状態判定部28は、メモリ40に記録された減光/暗色化処理の履歴に基づいて、地図データ中に存在しないトンネルの連続状態を判定することが可能とされている。
【0128】
また、トンネル距離判定部29は、メモリ40に記録された減光/暗色化処理の処理結果に基づいて、地図データ中に存在しないトンネルの距離を判定することが可能とされている。
【0129】
なお、この減光/暗色化処理の履歴に基づいたトンネルの連続状態または距離の判定において、トンネル連続状態判定部28、トンネル距離判定部29は、一定量の信頼性と実績値に基づいて、トンネルの存在を認識することになる。例えば、同じ地点を自車が100回走行した場合において、100回中95回、ライトユニット8の点灯に連動した減光/暗色化処理が行われた場合には、トンネル連続状態判定部28、トンネル距離判定部29は、その地点にトンネルが存在すると認識した上で、その認識したトンネルの連続状態または距離を判定する。
【0130】
したがって、本実施形態によれば、トンネルについての地図情報が存在しない場合であっても、履歴作成処理部39およびメモリ40によって作成された減光/暗色化処理の履歴に基づいて、トンネル連続状態判定部28によるトンネルの連続状態の判定と、トンネル距離判定部29によるトンネルの距離の判定とを行うことが可能となる。そして、これらトンネル連続状態判定部28およびトンネル距離判定部29の判定結果に基づいて、減光/暗色化処理制御部30が、トンネルの地図データを用いる場合と同様に、減光/暗色化処理部27の減光/暗色化処理を制御することが可能となる。
【0131】
この結果、トンネルについての地図データの有無にかかわらず、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を有効に低減させることができる。
【0132】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、減光/暗色化処理制御部30による減光/暗色化処理部27の制御を、車両側照明システム3における車内照明装置9の動作に反映させるための手段が講じられている。
【0133】
すなわち、減光/暗色化処理制御部30による減光/暗色化処理部27の制御結果は、データバス10を通じて車両側照明システム3のECU5に出力されるようになっている。
【0134】
ECU5は、減光/暗色化処理制御部30から出力された制御結果が入力されると、この制御結果に基づいて、車内照明装置9の点灯を制御するようになっている。
【0135】
例えば、ECU5は、減光/暗色化処理制御部30から、減光/暗色化処理部27に対して減光/暗色化処理を実行させるための制御を行った制御結果が入力された場合には、照度センサ7の検出結果あるいはライトユニット8の点灯の有無にかかわらず、車内照明装置9の輝度を低減させるようになっている。
【0136】
したがって、本実施形態によれば、減光/暗色化処理制御部30の制御による減光/暗色化処理に連動して、車内照明装置9の輝度を低減させることが可能となる。
【0137】
この結果、車内照明装置9の輝度が切換わる頻度を低減させることができ、メータ機器等の視認性を向上させることができる。また、減光/暗色化処理制御部30による減光/暗色化処理部27の制御を車内照明装置9の動作に反映させることができるため、利便性を向上させることができる。
【0138】
前述したナビCPU21の音声案内部26は、ルート計算部24の計算結果に基づいて、自車を現在の自車位置から目的地まで音声案内するための案内音声データを生成して出力するようになっている。
【0139】
ナビCPU21には、システムバス34を介して音声合成部41が接続されており、この音声合成部41の出力側には、前述したスピーカ18が接続されている。
【0140】
音声合成部41は、音声案内部26から出力された案内音声データを合成した上で、スピーカ18に出力するようになっている。
【0141】
これにより、スピーカ18の音声出力によって、交差点右左折案内等の音声案内が適宜行われるようになっている。
【0142】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0143】
本実施形態においては、減光/暗色化処理のための動作を開始した後、図4のステップ1(ST1)において、トンネル連続状態判定部28およびトンネル距離判定部29により、地図ディスク20内の地図データおよびメモリ40内の減光/暗色化処理の履歴をそれぞれ取得する。
【0144】
次いで、ステップ2(ST2)において、トンネル連続状態判定部28およびトンネル距離判定部29により、ステップ1(ST1)において取得した地図データまたは減光/暗色化処理の履歴に基づいて、ルート計算部24によって算出された推奨ルート上に、トンネルが存在するか否かを判定する。
【0145】
ステップ2(ST2)において、トンネルが存在する場合には、ステップ3(ST3)に進み、存在しない場合には動作を終了する。
【0146】
次いで、ステップ3(ST3)においては、トンネル連続状態判定部28およびトンネル距離判定部29により、トンネルが複数存在するか否かを判定し、複数存在する場合にはステップ4(ST4)に進み、複数存在しない場合には、ステップ5(ST5)に進む。
【0147】
次いで、ステップ4(ST4)においては、トンネル連続状態判定部28により、複数のトンネルが、一定の距離未満の間隔で連続しているか否か、換言すれば、トンネル間距離が一定距離未満か否かを判定する。
【0148】
ステップ4(ST4)において、トンネル間距離が一定距離未満の場合には、ステップ9(ST9)に進み、トンネル間距離が一定距離以上の場合には、ステップ5(ST5)に進む。
【0149】
次いで、ステップ9(ST9)においては、減光/暗色化処理制御部30により、一定の距離未満の間隔で連続する複数のトンネルのうち、自車が最初に走行するトンネルの入口近傍地点における自車速度および前記複数のトンネルのすべてについての予想通過時間の少なくとも一方が、所定の条件を満足するか否かを判定する。例えば、自車が最初に走行するトンネルの入口近傍地点における自車速度が、50km/h以上であるか否かを判定する。
【0150】
そして、ステップ9(ST9)における所定の条件を満足する場合には、ステップ10(ST10)に進み、満足しない場合には、ステップ5(ST5)に進む。
【0151】
次いで、ステップ10(ST10)においては、減光/暗色化処理制御部30により、ステップ9(ST9)における複数のトンネルを1つのトンネルとみなした後にステップ11(ST11)に進む。
【0152】
一方、ステップ9(ST9)からステップ5(ST5)に進む場合には、ステップ9(ST9)における複数のトンネルが、複数のトンネルとしてそのまま認識される。
【0153】
次いで、ステップ11(ST11)においては、減光/暗色化処理制御部30の制御により、減光/暗色化処理部27によって、1つのトンネルに相当する減光/暗色化処理を行って動作を終了する。
【0154】
ステップ5(ST5)においては、トンネル距離判定部29によって、トンネル自体の距離すなわちトンネル距離が一定未満か否かを判定し、一定の距離未満の場合には、ステップ6(ST6)に進み、一定の距離以上の場合には、ステップ12(ST12)に進む。
【0155】
なお、ステップ4(ST4)またはステップ9(ST9)を経てステップ5(ST5)に進んだ場合には、ステップ5(ST5)における判定対象は、複数のトンネルのそれぞれについてのトンネル距離となる。
【0156】
次いで、ステップ6(ST6)においては、減光/暗色化処理制御部30により、ステップ9(ST9)と同様に、トンネルの入口近傍地点における自車速度およびトンネルの予想通過時間の少なくとも一方が、所定の条件を満足するか否かを判定し、満足する場合にはステップ7(ST7)に進み、満足しない場合には、ステップ12(ST12)に進む。
【0157】
なお、ステップ6(ST6)における判定は、ステップ5(ST5)におけるトンネルが複数の場合には、複数のトンネルのそれぞれに対して行われることになる。
【0158】
次いで、ステップ7(ST7)においては、減光/暗色化処理制御部30により、ステップ5(ST5)におけるトンネル(複数の場合もある)を非トンネルとみなしてステップ8(ST8)に進む。
【0159】
次いで、ステップ8(ST8)においては、減光/暗色化処理制御部30の制御により、減光/暗色化処理部による減光/暗色化処理を行わずに動作を終了する。
【0160】
ステップ12(ST12)においては、トンネル距離判定部29が、通常のトンネルであると認識してステップ13(ST13)に進む。
【0161】
次いで、ステップ13(ST13)においては、減光/暗色化処理部27によって、ライトユニット8の点灯に連動した通常のトンネルについての減光/暗色化処理を行って動作を終了する。なお、ステップ5(ST5)におけるトンネルが複数の場合には、複数のトンネルのそれぞれにおいて、減光/暗色化処理を行う。
【0162】
以上述べたように、本実施形態によれば、自車が、1つのトンネルとみなされた所定の距離未満の間隔で連続している複数のトンネルを走行する際には、減光/暗色化処理制御部30の制御により、減光/暗色化処理部27に1つの暗所に相当する減光/暗色化処理を行わせることができる。
【0163】
また、本実施形態によれば、自車が、非トンネルとみなされた所定の距離未満のトンネルを走行する際には、減光/暗色化処理制御部30の制御により、減光/暗色化処理部27が減光/暗色化処理を行わないようにすることができる。
【0164】
この結果、減光/暗色化処理の実行と解除とが繰り返される頻度を低減させることができ、ひいては、地図やルート案内画像等の表示部に表示される画像のちらつきを防止して視認性を向上させることができるとともに、地図等の描画性能をはじめとしたナビゲーションの性能を向上させることができる。
【0165】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0166】
例えば、本発明は、自車が、高架下等のトンネル以外の暗所を走行する場合にも有効に適用することができるものである。
【0167】
さらに、本発明は、表示部に表示される画像として、DVDナビ等におけるDVDの映像やテレビ映像を表示する際にける減光/暗色化処理にも有効に対応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、車載用ナビゲーション装置を備えた車載システムを示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、トンネル連続状態判定部の判定結果に基づく減光/暗色化処理制御部の処理の一例を模式的に示す説明図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、トンネル距離判定部の判定結果に基づく減光/暗色化処理制御部の処理の一例を模式的に示す説明図
【図4】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すフローチャート
【符号の説明】
【0169】
1 車載用ナビゲーション装置
7 照度センサ
8 ライトユニット
9 車内照明装置
16 バックライトユニット
17 ディスプレイ
20 地図ディスク
21 ナビCPU
27 減光/暗色化処理部
28 トンネル連続状態判定部
29 トンネル距離判定部
30 減光/暗色化処理制御部
39 履歴作成処理部
40 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車が暗所を走行している場合に、表示部の表示画面の輝度を低減させる減光処理および前記表示部の表示画面上に表示される画像を暗色化する暗色化処理の少なくとも一方を含む減光/暗色化処理を行うことが可能とされた減光/暗色化処理手段を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
地図情報に基づいて前記暗所の連続状態を判定する暗所連続状態判定手段と、
この暗所連続状態判定手段によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数の暗所を1つの暗所とみなし、自車が前記1つの暗所とみなされた前記複数の暗所を走行する際に、前記減光/暗色化処理手段が1つの暗所に相当する前記減光/暗色化処理を行うように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記減光/暗色化処理手段は、自車のライトの点灯に連動して前記減光/暗色化処理を行うことが可能に形成され、かつ、自車が前記1つの暗所とみなされた前記複数の暗所を走行する際には、前記制御手段の制御によって、前記自車のライトの点灯の有無にかかわらず、前記1つの暗所に相当する前記減光/暗色化処理を行うように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
自車が暗所を走行している場合に、表示部の表示画面の輝度を低減させる減光処理および前記表示部の表示画面上に表示される画像を暗色化する暗色化処理の少なくとも一方を含む減光/暗色化処理を行うことが可能とされた減光/暗色化処理手段を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
地図情報に基づいて前記暗所の距離を判定する暗所距離判定手段と、
この暗所距離判定手段によって所定の距離未満の暗所であると判定された暗所を非暗所とみなし、自車が前記非暗所とみなされた暗所を走行する際に、前記減光/暗色化処理手段が前記減光/暗色化処理を行わないように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記減光/暗色化処理手段は、自車のライトの点灯に連動して前記減光/暗色化処理を行うことが可能に形成され、かつ、自車が前記非暗所とみなされた前記暗所を走行する際には、前記制御手段の制御によって、前記自車のライトの点灯の有無にかかわらず、前記減光/暗色化処理を行わないように形成されていること
を特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
自車が暗所を走行している場合に、自車のライトの点灯に連動して、表示部の表示画面の輝度を低減させる減光処理および前記表示部の表示画面上に表示される画像を暗色化する暗色化処理の少なくとも一方を含む減光/暗色化処理を行うことが可能とされた減光/暗色化処理手段を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
自車が暗所を実際に走行する際に、前記自車のライトの点灯に連動して前記減光/暗色化処理手段が行う前記減光/暗色化処理の処理結果を、この減光/暗色化処理が行われる際の自車位置の情報とともに記録することによって、前記自車位置に対応する前記減光/暗色化処理の履歴を作成する履歴作成手段と、
この履歴作成手段によって作成された前記減光/暗色化処理の履歴に基づいて前記暗所の連続状態を判定する暗所連続状態判定手段と、
この暗所連続状態判定手段によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数の暗所を1つの暗所とみなし、自車が前記1つの暗所とみなされた前記複数の暗所を再び走行する際に、前記減光/暗色化処理手段が1つの暗所に相当する前記減光/暗色化処理を行うように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
自車が暗所を走行している場合に、自車のライトの点灯に連動して、表示部の表示画面の輝度を低減させる減光処理および前記表示部の表示画面上に表示される画像を暗色化する暗色化処理の少なくとも一方を含む減光/暗色化処理を行うことが可能とされた減光/暗色化処理手段を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
自車が暗所を実際に走行する際に、前記自車のライトの点灯に連動して前記減光/暗色化処理手段が行う前記減光/暗色化処理の処理結果を、この減光/暗色化処理が行われる際の自車位置の情報とともに記録することによって、前記自車位置に対応する前記減光/暗色化処理の履歴を作成する履歴作成手段と、
この履歴作成手段によって作成された前記減光/暗色化処理の履歴に基づいて前記暗所の距離を判定する暗所距離判定手段と、
この暗所距離判定手段によって所定の距離未満の暗所であると判定された暗所を非暗所とみなし、自車が前記非暗所とみなされた暗所を再び走行する際に、前記減光/暗色化処理手段が前記減光/暗色化処理を行わないように前記減光/暗色化処理手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記暗所連続状態判定手段によって所定の距離未満の間隔で連続していると判定された複数の暗所であって、前記複数の暗所のうちの少なくとも1つの暗所の入口近傍地点における自車速度および前記複数の暗所のうちの少なくとも1つの暗所の予想通過時間の少なくとも一方が所定の条件を満足するような複数の暗所を、前記1つの暗所とみなすように形成されていること
を特徴とする請求項1、請求項2および請求項5のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記暗所距離判定手段によって所定の距離未満の暗所であると判定された暗所であって、前記暗所の入口近傍地点における自車速度および暗所の予想通過時間の少なくとも一方が所定の条件を満足するような暗所を、前記非暗所とみなすように形成されていること
を特徴とする請求項3、請求項4および請求項6のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記暗所が、トンネルを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記自車のライトが、前記自車に搭載された光センサに連動して点灯または消灯されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
車両側の照明装置と接続され、前記制御手段の制御の下で前記減光/暗色化処理手段によって行われる前記減光/暗色化処理に連動して、前記車両側の照明装置の輝度を低減させることが可能に形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−33299(P2007−33299A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218664(P2005−218664)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】