説明

送受信システム

【課題】親機が子機からの通常応答または迷子応答を監視し、どちらも受信できないときには子機の電池切れを報知する。
【解決手段】子機確認指示部2の子機確認コードAを親機送受信部1が送信して子機送受信部21で受け取る。子機受信判定部22は定期的に子機確認コードAが受け取れているかを判定し、受け取れていれば通常応答部23の通常応答コードOを子機送受信部21から送信し、受け取れていなければ電波強度切替部25の電波強度増加信号Rに基づき電波強度をあげ迷子送信部24の迷子コードSを子機送受信部21から送信する。親機送受信部1が通常応答コードOまたは迷子コードSを受信できなければ電池電圧低下信号Cを出力し電圧低下表示部4で子機の電池の電圧が低下していることを表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は迷子警報機である送受信システムの操作性と機能の向上を図るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の送受信システムは、基地局1Aから警報装置1Bを持ったものが基地局1Aから離れ基地局1Aからのコードを受信できなくなったときに、アラーム音を発生する。また警報装置1Bは基地局1Aからのコードを受信できなくなると基地局1Aの電波強度よりも大きな電波強度で遠隔ID信号を送信し、基地局1Aが遠隔ID信号を受け取ると警報装置1Bとの距離を求めるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−186514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、前記従来の構成では実際に使用されている警報装置1Bとの距離が離れたことが判っても基地局1Aは固定した場所にあるため、探索者が警報装置1Bを持った迷子を捜しに行く場合、基地局1Aと警報装置1Bの距離がわかっても探索者と迷子の距離がわからない。あるいは、警報装置1Bが電池によって駆動している場合、警報装置1Bの電池が切れたのを知らずに使い続けると、警報装置1Bが基地局1Aから離れても遠隔ID信号が出力されないため、迷子を検出することができないという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、位置関係を示す図3(b)に示すように親機から子機Aが離れると子機Aの送信出力を上げ迷子コードを送信することで、親機に迷子になったことを知らせるだけではなく、迷子になっていないときでも定期的に親機から発信される子機確認コードに対して通常応答コードを応答することが可能になるため、親機は迷子コードまたは通常応答コードのどちらかを受け取ることが期待できる。迷子コードまたは通常応答コードをどちらも受け取れなければ子機の電池が消耗状態であることが検出することができる。
【0006】
また位置関係を示す図3(b)に示すように複数の子機(子機Bや子機C)がある場合、探索者が親機を持って子機Aを持った迷子を捜しに行くと、位置関係を示す図3(c)に示すよう子機Bと子機Cは親機と離れるため子機Bと子機Cからも迷子コードが送られるようになる。この子機Bと子機Cからの迷子コードの送信を一時的に禁止するための機能を持たせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の送受信システムは、無線親機と無線子機からなり、前記無線子機は、前記無線親機からの無線信号Aを受信し、前記無線信号Aの応答信号として無線信号Bを送信し、前記無線信号Aの受信強度が所定値以下となった場合に前記無線信号Bの送信出力よりも強い出力で無線信号Cを前記無線親機に送信する子機送受信手段を備え、前記無線親機は、前記無線子機に前記無線信号Aを送信し、前記無線子機からの前記無線信号Bまたは無線信号Cを受信する親機送受信手段と、前記無線信号Cに含まれる前記無線子機の位置を示す情報を表示する迷子表示部と、所定期間内に前記無線信号Bまたは前記無線信号Cのどちらかが受信できなければ前記無線子機の電池が低
下したとして表示する電圧低下表示部とを備えたものである。
【0008】
これによれば、無線親機を持った者(探索者)が迷子の有無を確認できるだけでなく、迷子になった人の捜索に用いられる信号を利用することで無線親機は無線子機の電池が消耗したことを検出できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の送受信装置は子機を持った人(迷子)が親機から遠ざかると親機からの子機確認コードを受信できなくなるため、電波強度を上げて迷子コードを送信する。これにより親機を持った人(探索者)が迷子の有無を確認できるだけでなく、子機が親機から離れていなければ通常応答コードを送信するので、迷子コードまたは通常応答コードのどちらか一方を受信することが期待でき、迷子コードまたは通常応答コードを受信できなければ子機の電池がなくなったことを知ることができる。また探索者が迷子を捜しに行く前に、迷子が所持していない他の子機に待機コードで指示を与えることができるので、迷子が所持していない他の子機と親機の距離が離れても、迷子が所持していない他の子機からの迷子コードの送信を一時的に禁止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における親機の機能ブロック図
【図2】本発明の実施の形態における子機の機能ブロック図
【図3】親機と子機の位置関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、無線親機と無線子機からなる送受信システムにおいて、無線子機は、前記無線親機からの無線信号A(子機確認コード)を受信し、前記無線信号Aの応答信号として無線信号B(通常応答コード)を送信し、前記無線信号Aの受信強度が所定値以下となった場合に前記無線信号Bの送信出力よりも強い出力で無線信号C(迷子コード)を前記無線親機に送信する子機送受信手段を備え、無線親機は、前記無線子機に前記無線信号Aを送信し、前記無線子機からの前記無線信号Bまたは無線信号Cを受信する親機送受信手段と、前記無線信号Cに含まれる前記無線子機の位置を示す情報を表示する迷子表示部と、所定期間内に前記無線信号Bまたは前記無線信号Cのどちらかが受信できなければ前記無線子機の電池が低下したとして表示する電圧低下表示部とを備えたものである。
【0012】
これによれば、無線親機は無線子機の位置情報を確認でき迷子になった人の捜索が可能となり、さらに迷子になった人の捜索に用いられる信号を利用することで無線親機は無線子機の電池が消耗したことを検出できる。
【0013】
第2の発明は、特に第1の発明において、無線子機は、無線親機から送信される無線信号D(待機コード)を受信すると、無線信号Cの送信を行わないようにするものである。また、第3の発明は、特に第2の発明において、無線子機は、無線親機から送信される無線信号E(待機解除コード)を受信すると、無線信号Cの送信を再び行うようにするものである。これによれば、無線親機を持った探索者が家を離れたため無線親機の送信可能範囲外となり、家に残された無線子機からの信号が送信されることを防止することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における親機の機能ブロック図を示すものである。
【0016】
図1において親機(子機を持った迷子を捜しに行く時に携帯するために、例えば電池を電源とする)の、親機送受信部1は子機確認指示部2から子機確認コードA(例えば、親機のIDを含めたものとし、他の親機が電波の届く範囲にいても子機が対応する親機を識別できるようなペアリングを持ったコード体系で構成されている。以降の実施例でコードと記載のあるものは少なくともペアリング機能を持つものとする)を受け取ると子機確認コードAを送信(例えば特定省電力無線でも良いし、ZigBee(登録商標)やBlueTooth(登録商標)等でも同様の効果が得られる。あるいは見通しの良いところでの限定使用では赤外線無線を使用してもよいし、送受信するコードにより特定省電力無線(例えば遠距離となる迷子コードS)や赤外線無線(例えば近距離となる通常応答コードO)等を使い分けて通信し省電力化や通信頻度を変更しても良い)し、迷子解除要求部7から迷子解除コードFを受け取ると迷子解除コードFを送信し、子機からの送信を受信すると親機受信コードBを出力する。
【0017】
子機確認指示部2は第1の所定期間(例えば、10秒毎などの秒オーダ毎としても良いし、電池の消耗を防止するために2分毎などの分オーダ毎としても良い)が経過する毎に子機確認コードAを出力するように構成するが、親機受信判定部3から送られてくる迷子探索信号Jを受け取ると、迷子解除入力部6から送られてくる迷子解除信号Eを受け取るまでのあいだは、第1の所定期間が経過しても子機確認コードAを出力しない構成とする。
【0018】
親機受信判定部3は、親機送受信部1から親機受信コードBを受け取ると親機受信コードBを解析して通常応答コード(子機の通常応答コードOと同一、以降通常応答コード(O)と記載する)と迷子コード(子機の迷子コードSと同一、以降迷子コード(S)と記載する)とを識別し、迷子コード(S)であれば迷子探索信号Jを出力する。あるいは子機確認指示部2の子機確認コードAを受け取ったあと第2の所定期間(例えば、電波状況が悪く親機と子機間のどちらか一方または両方の通信が出来ないことを考慮して第1の所定期間の数倍としてもよいし、1時間等の予め決めた時間としても良い)のあいだに前記通常応答コード(O)または迷子コード(S)の少なくともどちらか一方でも識別できなければ電池低下信号C(すなわち、子機からの応答がないのは子機の電池が消耗し電波を発せられなくなったものとして)を出力する。
【0019】
電圧低下表示部4は親機受信判定部3から電池低下信号Cを受け取ると子機の電池が低下したことを表示(例えば、LED等のランプやLCD等のディスプレイを用いて表示してもよいし、あるいは表示ではなくブザーやスピーカー等で音色やメロディーで電池電圧低下になったことを報知してもよいし、バイブレータによる振動の周期や長さにより報知してもよい。表示と音と振動等を組み合わせて併用してもよい)する。
【0020】
迷子表示部5は親機受信判定部3から迷子探索信号Jを受け取ると子機の距離や方位の位置情報を表示(例えば、親機に指向性を持せたアンテナを装備し探索者を中心に親機を回転させることで子機から送信されてくる電波の方向や強度を検出しても良いし、親機に複数の指向性を持たせたアンテナを装備し同時に全方向の探索をしても良い、あるいは子機にGPSを装備してGPSにより取得した子機の位置情報を迷子コードSに織り込み送信しても同等の効果が得られ、放射状に配置したLED等のランプで方位(方向でも良い)や距離を表示しも良いし、LCD等のディスプレイで方位(方向でも良い)や距離を表示しも良い。ディスプレイ系では親機に予め保持させておいた地図データと重ね合わせて表示しても良いし、地図データを親機がインターネットと接続して取得して表示してもよい)し、迷子解除入力部6から迷子解除信号Eを受け取ると位置情報の表示を停止する。
【0021】
迷子解除入力部6は、図3の位置関係図に示す子機Aを持った迷子を、親機を持った探
索者が発見したときに、探索者の親機の操作(外部からの指示。例えば、親機に備え付けられた迷子解除用のスイッチによる入力でもよいし、あるいは同一子機に対して探索用に複数台の親機がある場合(すなわち迷子を両親が捜す場合)は、迷子を見つけた他方の親機からの特定のコードを受信しても良い)を取得して迷子解除信号Eを出力する。
【0022】
迷子解除要求部7は迷子解除入力部6から迷子解除信号Eを受け取ると迷子解除コードFを出力する。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1における子機の機能ブロック図を示すものである。
【0024】
図2において子機(例えば電池を電源とする)の、子機送受信部21は通常応答部23から通常応答コードOを受け取ると通常応答コードOを送信し、迷子送信部24から迷子コードSを受け取ると迷子コードSを送信し、親機からの送信を受信すると子機受信コードMを出力し、電波強度切替部25から電波強度増加信号Rがあれば通常よりも強い出力で電波を出力し、電波強度増加信号Rがなければ通常の出力で電波を出力する。
【0025】
子機受信判定部22は子機送受信部21から子機受信コードMを受け取ると子機受信コードMを解析して子機確認コード(親機の子機確認コードAと同一、以降子機確認コード(A)と記載する)と迷子解除コード(親機の迷子解除コードFと同一、以降迷子解除コード(F)と記載する)を識別し、子機確認コード(A)であれば通常応答信号N(例えば、親機からの子機を持った者が迷子になっていないかどうかの確認要求のため、迷子でないことを示すための応答を返す)を出力し、迷子解除コード(F)であれば迷子解除要求信号T(例えば、親機を持っている探索者が迷子になったものを発見したことによる解除命令であるので、子機からの迷子コードSの送信を停止するため)を出力し、第3の所定期間(例えば、電波状況が悪く親機からの受信が出来ないことを考慮して第1の所定期間の数倍としてもよい)が経過しても子機送受信部21から子機受信コードM(例えば、子機確認コード(A)だけとしても良いし、子機確認コード(A)以外の迷子解除コード(F)などの受信コードを含めて判定してもよい。すなわち第3の所定期間を経過しても親機から何らかのコードを受信できなければ親機から遠く離れて迷子になったものとして処理する)を受け取ることが出来なければ迷子信号Pを出力する。
【0026】
通常応答部23は子機受信判定部22から通常応答信号Nを受け取ると通常応答コードOを出力する。
【0027】
迷子送信部24は子機受信判定部22の迷子信号Pを受け取ると電波強信号Q(例えば、親機のコードを受信できなくなったのであるから、少なくとも親機が出力している電波強度以上の出力で送信する必要があるため)と迷子コードSを出力する。
【0028】
迷子解除部26は、子機受信判定部22から迷子解除要求信号Tを受け取ると電波弱信号U(例えば、親機を持つ探索者が子機を持つ迷子を発見し、再び親機と子機の距離が近くなったので電波強度を強くする必要がなくなったため)を出力する。
【0029】
電波強度切替部25は迷子送信部24から電波強信号Qを受け取ると電波強度増加信号Rを出力し、迷子解除部26から電波弱信号Uを受け取ると電波強度増加信号Rの出力を停止する。
【0030】
以上のように、本実施の形態においては、子機が親機の近くにいるときは通常応答コードOを出力し、子機が親機から離れることにより親機からの子機確認コード(A)を受け取ることが出来なくなると、子機の送信出力を上げて迷子コードSを出力する。親機は迷子コード(S)を受け取ると子機の位置情報を表示するので、迷子になった人の捜索が可
能となり、さらに親機が通常応答コード(O)または迷子コード(S)のどちらのコードも受信できなければ、子機の電池が消耗したこと(送信できないため)を検出できる。
【0031】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における親機と子機の位置関係を表したものである。図3において徘徊老人が迷子となった場合について説明する。
【0032】
図3の位置関係図(a)は家の中にまだ徘徊老人がいる状態である。子機Aを靴に、子機Bを杖に、子機Cを帽子等々(徘徊老人にペンダント型の子機を持たせることも可能であるが、しかしながらペンダント型の物を徘徊老人にもって貰う場合、その人の自尊心を傷をつけてしまうことが往々にしてあり、子機の存在を徘徊老人に気付かれないことが望ましいため)に予め装着してあるものとする。破線は親機の送信可能範囲を示す。子機A、子機B、子機Cともに親機の送信可能範囲であるので、それぞれの子機からは通常応答コード(O)が帰ってくることになる(親機が子機A、子機B、子機Cと順番に確認する様にしても良いし、親機が子機に対して同報通信し、子機が予め決められた順番(子機毎に応答にタイムラグを持たせて同時に親機に対して送信しないようにしても同様の効果が得られる)で送信する)。
【0033】
今図3の位置関係図(b)ように子機Aが装着された靴を履いて、徘徊老人が家族に知られずに家から離れた場合、子機Bおよび子機Cは親機の送信可能範囲にあるので通常応答コード(O)を返すが、子機Aは破線の親機の送信可能範囲を出たため親機の子機確認コードAを受信できなくなる。そのため一点破線で示すように電波強度を上げて迷子コードSを送信することとなる。親機はこの時点で徘徊老人が家を離れたことを検出することができる。
【0034】
そこで探索者は親機を持って徘徊老人を探しに行くが、何もしない状態で徘徊老人を探しに行くと図3の位置関係図(c)のように家に残された子機Bの杖および子機Cの帽子は親機の送信可能範囲から外れることになるため、徘徊老人が所持していないのに迷子コードSを出力することになる。この子機Bおよび子機Cの迷子コードSの送信を防止するために、親機を持った探索者が子機を持った徘徊老人を探しあて、再び家に戻ってくるまで子機Bおよび子機Cを待機状態にして迷子コードSの送信を停止(一時的に禁止)させるように考案するものである。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態2における親機の機能ブロック図を示すものである。
【0036】
図1において親機(子機を持った徘徊老人を探しに行く時に携帯するために、例えば電池を電源とする)の、親機送受信部1は子機確認指示部2から子機確認コードA(例えば、親機のIDを含めたものとし、他の親機が電波の届く範囲にいても子機が対応する親機を識別できるようなペアリングを持ったコード体系で構成されている。以降の実施例でコードと記載のあるものは少なくともペアリング機能を持つものとする)を受け取ると子機確認コードAを送信(例えば特定省電力無線でも良いし、ZigBeeやBlueTooth等でも同様の効果が得られる。あるいは見通しの良いところでの限定使用では赤外線無線を使用してもよいし、送受信するコードにより特定省電力無線(例えば遠距離となる迷子コードS)や赤外線無線(例えば近距離となる通常応答コードO)等を使い分けて通信し省電力化や通信頻度を変更しても良い)し、迷子解除要求部7から迷子解除コードFを受け取ると迷子解除コードFを送信し、待機要求部9から待機コードIを受け取ると待機コードIを送信し、待機解除要求部11から待機解除コードKを受け取ると待機解除コードKを送信し、子機からの送信を受信すると親機受信コードBを出力する。
【0037】
子機確認指示部2は第1の所定期間(例えば、10秒毎などの秒オーダ毎としても良い
し、電池の消耗を防止するために2分毎などの分オーダ毎としても良い)が経過する毎に子機確認コードAを出力するように構成するが、親機受信判定部3から送られてくる迷子探索信号Jを受け取ると、迷子解除入力部6から送られてくる迷子解除信号Eを受け取るまでのあいだは、第1の所定期間が経過しても子機確認コードAを出力しない構成とする。
【0038】
親機受信判定部3は、親機送受信部1から親機受信コードBを受け取ると親機受信コードBを解析して通常応答コード(子機の通常応答コードOと同一、以降通常応答コード(O)と記載する)と迷子コード(子機の迷子コードSと同一、以降迷子コード(S)と記載する)と待機応答コード(子機の待機応答コードWと同一、以降待機応答コード(W)と記載する)と待機解除応答コード(子機の待機解除応答コードYと同一、以降待機解除応答コード(Y)と記載する)を識別し、迷子コード(S)であれば迷子探索信号Jを出力し、子機確認指示部2の子機確認コードAを受け取ったあと第2の所定期間(例えば、電波状況が悪く親機と子機間のどちらか一方または両方の通信が出来ないことを考慮して第1の所定期間の数倍としてもよいし、1時間等の予め決めた時間としても良い)のあいだに前記通常応答コード(O)または迷子コード(S)の少なくともどちらか一方でも識別できなければ電池低下信号C(すなわち、子機からの応答がないのは子機の電池が消耗し電波を発せられなくなったものとして)を出力する。
【0039】
待機応答コード(W)の受信は待機コードIの送信に対する子機からの応答である。例えば、待機応答コード(W)の応答があった旨を親機の画面に表示しても良いし、親機と子機間の通信時間を考慮し、待機コードIを送信後、一定時間(例えば10秒)経過しても待機応答コード(W)を受信することができなければ待機コードIを再度送信してもよいし、親機の画面に通信が失敗した旨を表示してもよい。
【0040】
待機解除応答コード(Y)の受信は待機解除コードKの送信に対する子機からの応答である。例えば、待機解除応答コード(Y)の応答があった旨を親機の画面に表示しても良いし、親機と子機間の通信時間を考慮し、待機解除コードKを送信後、一定時間(例えば10秒)経過しても待機解除応答コード(Y)を受信することができなければ待機解除コードKを再度送信してもよいし、親機の画面に通信が失敗した旨を表示してもよい。
【0041】
電圧低下表示部4は親機受信判定部3から電池低下信号Cを受け取ると子機の電池が低下したことを表示(例えば、LED等のランプやLCD等のディスプレイを用いて表示してもよいし、あるいは表示ではなくブザーやスピーカー等で音色やメロディーで電池電圧低下になったことを報知してもよいし、バイブレータによる振動の周期や長さにより報知してもよい。表示と音と振動等を組み合わせて併用してもよい)する。
【0042】
迷子表示部5は親機受信判定部3から迷子探索信号Jを受け取ると子機の距離や方位の位置情報を表示(例えば、親機に指向性を持せたアンテナを装備し探索者を中心に親機を回転させることで子機から送信されてくる電波の方向や強度を検出しても良いし、親機に複数の指向性を持たせたアンテナを装備し同時に全方向の探索をしても良い、あるいは子機にGPSを装備してGPSにより取得した子機の位置情報を迷子コードSに織り込み送信しても同等の効果が得られ、放射状に配置したLED等のランプで方位(方向でも良い)や距離を表示しも良いし、LCD等のディスプレイで方位(方向でも良い)や距離を表示しも良い。ディスプレイ系では親機に予め保持させておいた地図データと重ね合わせて表示しても良いし、地図データを親機がインターネットと接続して取得して表示してもよい)し、迷子解除入力部6から迷子解除信号Eを受け取ると位置情報の表示を停止する。
【0043】
迷子解除入力部6は、図3の位置関係図に示す子機Aを持った徘徊老人を、親機を持った探索者が発見したときに、探索者の親機の操作(外部からの指示。例えば、親機に備え
付けられた迷子解除用のスイッチによる入力でもよいし、あるいは同一子機に対して探索用に複数台の親機がある場合(すなわち徘徊老人を家族が捜す場合)は、徘徊老人を見つけた他方の親機からの特定のをコードを受信しても良い)を取得して迷子解除信号Eを出力する。
【0044】
迷子解除要求部7は迷子解除入力部6から迷子解除信号Eを受け取ると迷子解除コードFを出力する。
【0045】
待機要求入力部8は、図3の位置関係図(b)に示す子機Aを持った徘徊老人を、親機を持った探索者が徘徊老人の探索を開始するときに、探索者の親機の操作(外部からの指示。例えば、親機に予め用意された待機要求用のスイッチによる入力でもよい)を取得して待機信号H(例えば、今から家を離れるので家に残された複数の子機(例えば、子機B,子機C)に一斉に待機コードIを送信してもよいし、あるいは子機毎に待機コードIを送信してもよい)を出力する。
【0046】
待機要求部9は、待機要求入力部8から待機信号Hを受け取ると待機コードI(例えば図3の位置関係図(b)のように親機は家にあるため、迷子が発生した時点では子機Aは破線で示すように親機の送信可能範囲の外にあるので子機全てに一斉に待機コードIを送信しても、(一点破線は子機Aの送信電波の到達範囲)子機Aの迷子コードSの送信が停止することはない)を出力する。
【0047】
待機解除入力部10は、親機を持った探索者が子機Aを持った徘徊老人を発見し、子機Bと子機Cがある家に帰ってきたときに、探索者の親機の操作(外部からの指示。例えば、親機に予め用意された待機解除用のスイッチによる入力でもよい)を取得して待機解除信号Jを出力する。
【0048】
待機解除要求部11は待機解除入力部10の待機解除信号Jを受け取ると待機解除コードKを出力する。
【0049】
図2は、本発明の実施の形態2における子機の機能ブロック図を示すものである。図2において子機(例えば電池を電源とする)の、子機送受信部21は、通常応答部23から通常応答コードOを受け取ると通常応答コードOを送信し、迷子送信部24から迷子コードSを受け取ると迷子コードSを送信し、待機要求応答部27から待機応答コードWを受け取ると待機応答コードWを送信し、待機解除応答部28から待機解除応答コードYを受け取ると待機解除応答コードYを送信し、親機からの送信を受信すると子機受信コードMを出力し、電波強度切替部25から電波強度増加信号Rがあれば通常よりも強い出力で電波を出力し、電波強度増加信号Rがなければ通常の出力で電波を出力する。
【0050】
子機受信判定部22は、子機送受信部21から子機受信コードMを受け取ると子機受信コードMを解析して子機確認コード(親機の子機確認コードAと同一、以降子機確認コード(A)と記載する)と迷子解除コード(親機の迷子解除コードFと同一、以降迷子解除コード(F)と記載する)と待機コード(親機の待機コードIと同一、以降待機コード(I)と記載する)と待機解除コード(親機の待機解除コードKと同一、以降待機解除コード(K)と記載する)を識別し、子機確認コード(A)であれば通常応答信号N(例えば、親機からの子機を持った徘徊老人が迷子になっていないかどうかの確認要求のため、迷子でないことを示すための応答を返す)を出力し、迷子解除コード(F)であれば迷子解除要求信号T(例えば、親機を持っている探索者が徘徊老人を発見したことによる解除命令であるので、子機からの迷子コードSの送信を停止するため)を出力し、待機コード(I)であれば迷子信号Pの出力判定を停止するとともに待機要求信号Vを出力し、待機解除コード(K)であれば迷子信号Pの出力判定を再開するとともに待機解除要求信号Xを
出力し、第3の所定期間(例えば、電波状況が悪く親機からの受信が出来ないことを考慮して第1の所定期間の数倍としてもよい)が経過しても子機送受信部21から子機受信コードM(例えば、子機確認コード(A)だけとしても良いし、子機確認コード(A)以外の迷子解除コード(F)などの受信コードを含めて判定してもよい。すなわち第3の所定期間を経過しても親機から何らかのコードを受信できなければ親機から遠く離れて迷子になったものとして処理する)を受け取ることが出来なければ迷子信号Pを出力する。
【0051】
通常応答部23は子機受信判定部22から通常応答信号Nを受け取ると通常応答コードOを出力する。
【0052】
迷子送信部24は子機受信判定部22の迷子信号Pを受け取ると電波強信号Q(例えば、親機のコードを受信できなくなったのであるから、少なくとも親機が出力している電波強度以上の出力で送信する必要があるため)と迷子コードSを出力する。
【0053】
迷子解除部26は、子機受信判定部22から迷子解除要求信号Tを受け取ると電波弱信号U(例えば、親機を持つ探索者が子機を持つ徘徊老人を発見し、再び親機と子機の距離が近くなったので電波強度を強くする必要がなくなったため)を出力する。
【0054】
電波強度切替部25は迷子送信部24から電波強信号Qを受け取ると電波強度増加信号Rを出力し、迷子解除部26から電波弱信号Uを受け取ると電波強度増加信号Rの出力を停止する。
【0055】
待機要求応答部27は、子機受信判定部22の待機要求信号Vを受け取ると待機応答コードWを出力する。
【0056】
待機解除応答部28は、子機受信判定部22の待機解除要求信号Xを受け取ると待機解除応答コードYを出力する。
【0057】
以上のように、本実施の形態においては子機が親機の近くにいるときは通常応答コードOを出力し、子機が親機から離れることにより親機からの子機確認コード(A)を受け取ることが出来なくなると、子機の送信出力を上げて迷子コードSを出力する。親機は迷子コード(S)を受け取ると子機の位置情報を表示するので、迷子になった人の捜索が可能となり、さらに親機が通常応答コード(O)または迷子コード(S)のどちらのコードも受信できなければ、子機の電池が消耗したこと(送信できないため)を検出できる。また複数の子機を親機が監視し子機を持った徘徊老人が迷子になった場合、所在が確認された子機に対して、待機コードIを送ることで迷子コードSの送信判定を停止させ、徘徊老人の捜索が完了したときに待機コードIを送った子機に対して、待機解除応答コードKを送ることで迷子コードSの送信判定を再開させることができる。
【0058】
なお、実施の形態1〜2おいて、実施の形態1では親機が通常応答コード(O)または迷子コード(S)のどちらも受け取れなくなったことで子機の電池消耗を検出することができる。実施の形態2では子機を靴や杖や帽子等に予め装着しているので電池の消耗度合いを確認しづらいため実施の形態1が有用になってくるのに加え、所在のわかっている子機からの迷子コードSの出力判定を待機コードIにより停止することが可能となり、親機を持った探索者が家を離れたため親機の送信可能範囲外となり、家に残された子機から迷子コードSが送信されることを防止することができる。
【0059】
また、実施の形態2において、徘徊老人と靴、杖、帽子を例にして記載しているが、親機を先生が持ち、名札等に子機を装着することで、保育園児や幼稚園児の遠足時の迷子探索や園内においても園児が突然家に帰ったりあるいは誘拐されたときの捜索に役立ったり
、職員が親機を持ち寝巻き等に子機を装着することで、老人ホームに入居している徘徊老人の迷子探索だけではなく、老人の監視が容易になることで職員の負担を減らしたり、あるいは職員の人数を削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明にかかる送受信装置は従来の子機が親機から離れたことを示す迷子コードを検出することに加えて、離れていないときには通常応答コードを受信可能となる。どちらのコードも受け取れないときは子機が電池電圧低下状態にあることを検出することができるので、迷子探索用の送受信装置を他の送受信装置に置き換えれば迷子探索用以外にも適用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 親機送受信部
2 子機確認指示部
3 親機受信判定部
4 電圧低下表示部
5 迷子表示部
6 迷子解除入力部
7 迷子解除要求部
8 待機要求入力部
9 待機要求部
10 待機解除入力部
11 待機解除要求部
21 子機送受信部
22 子機受信判定部
23 通常応答部
24 迷子送信部
25 電波強度切替部
26 迷子解除部
27 待機要求応答部
28 待機解除応答部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線親機と無線子機からなる送受信システムにおいて、
前記無線子機は、
前記無線親機からの無線信号Aを受信し、前記無線信号Aの応答信号として無線信号Bを送信し、前記無線信号Aの受信強度が所定値以下となった場合に前記無線信号Bの送信出力よりも強い出力で無線信号Cを前記無線親機に送信する子機送受信手段を備え、
前記無線親機は、
前記無線子機に前記無線信号Aを送信し、前記無線子機からの前記無線信号Bまたは無線信号Cを受信する親機送受信手段と、
前記無線信号Cに含まれる前記無線子機の位置を示す情報を表示する迷子表示部と、
所定期間内に前記無線信号Bまたは前記無線信号Cのどちらかが受信できなければ前記無線子機の電池が低下したとして表示する電圧低下表示部と、を備えた送受信システム。
【請求項2】
前記無線子機は、前記無線親機から送信される無線信号Dを受信すると、前記無線信号Cの送信を行わないようにする請求項1記載の送受信システム。
【請求項3】
前記無線子機は、前記無線親機から送信される無線信号Eを受信すると、前記無線信号Cの送信を再び行うようにする請求項2記載の送受信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−251892(P2010−251892A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96842(P2009−96842)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】