説明

遊技台

【課題】制御部間の通信が一方向の場合でも各々の制御部によって実行される演出に関連性を持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができるとともに、さらには、無用なフリーズ演出の発生をも回避して稼働率の低下を未然に防止することができる遊技台を提供する。
【解決手段】遊技台の主制御手段は、停止操作の順序が所定の順序であった場合に、所定の待機期間、遊技の進行を待機させる待機処理を行う一方、所定の順序以外の順序であった場合に、前記待機処理を行わない待機処理手段を有する。また、遊技台の副制御手段は、前記待機処理が実行されている期間に所定の演出を行う演出手段と、演出制御の状況に応じて、前記所定の順序で停止操作を行うことを示す報知を行う報知手段と、特典の付与に関わる不利益を遊技者に付与する不利益付与手段と、を有し、報知が実行されない遊技における各停止操作の順序が、前記所定の順序であった場合に、前記不利益を遊技者に付与するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技球(パチンコ機)などに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技台は、遊技進行の制御を行う主制御部と、この主制御部から一方向の通信によって受信するコマンドに基づいて演出の制御を行う副制御部と、によって構成されている。また、このような従来の遊技台の一つとして、第一〜第三リールの回転速度が定常速度に達するとタイマが作動し、演出実行抽選に当選していた場合は、タイマの作動とともに主制御部によって制御されるリールなどを用いたフリーズ演出が実行され、主制御部によってストップボタンの操作が無効化されるように構成した遊技台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−42080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技台では、主制御部と副制御部との間の通信は主制御部から副制御部への一方向通信とされているため、主制御部は、副制御部における演出制御の情報を得ることができない。このため、従来の遊技台の主制御部では、副制御部における演出制御の情報を加味したフリーズ演出を行うことができず、副制御部の制御下で実行されている演出(例えば、連続演出)との調和がとれずに遊技者に違和感を感じさせてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、制御部間の通信が一方向の場合でも各々の制御部によって実行される演出に関連性を持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができるとともに、さらには、無用なフリーズ演出の発生をも回避して稼働率の低下を未然に防止することができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、複数種類の図柄が施された複数のリールの各々に対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための複数の停止ボタンと、前記複数のリールを回転させ、前記複数の停止ボタンの各停止操作が行われた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、停止操作が行われた停止ボタンに対応するリールを停止させるリール制御を行うリール制御手段と、前記リール制御手段により停止された複数のリールの図柄組合せを判定する判定手段と、複数種類の遊技状態の中から、前記判定手段による判定結果に基づいて、対応する遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、、を有する主制御手段と、前記主制御手段から一方向通信に構成され、遊技に関する演出制御を行うとともに、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段を有する副制御手段と、を備えた遊技台であって、前記主制御手段は、前記各停止操作の順序が所定の順序であった場合に、所定の待機期間、前記遊技の進行を待機させる待機処理を行う一方、前記所定の順序以外の順序であった場合に、前記待機処理を行わない待機処理手段と、を有し、前記副制御手段は、前記待機処理が実行されている期間に所定の演出を行う演出手段と、前記副制御手段の演出制御の状況に応じて、前記所定の順序で停止操作を行うことを示す報知を行う報知手段と、前記特典の付与に関わる不利益を遊技者に付与する不利益付与手段と、を有し、前記不利益付与手段は、前記報知が実行されない遊技における各停止操作の順序が、前記所定の順序であった場合に、前記不利益を遊技者に付与することを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遊技台によれば、制御部間の通信が一方向の場合でも各々の制御部によって実行される演出に関連性を持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができるとともに、さらには、無用なフリーズ演出の発生をも回避して稼働率の低下を未然に防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るスロットマシンの外観斜視図である。
【図2】同スロットマシンが備える図柄表示窓の拡大図である。
【図3】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図4】同スロットマシンの各リール(左リール、中リール、右リール)に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【図5】同スロットマシンの入賞役を示す図である。
【図6】同スロットマシンの入賞役の続きを示す図である。
【図7】条件装置の名称、RTモード別の内部当選確率、および備考を示した図である。
【図8】主制御部のRT遷移の一例を示した図である。
【図9】第1副制御部のモード遷移の一例を示した図である。
【図10】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】リール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】リール制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】リール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】遊技終了演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】(a)第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。(b)コマンド入力処理のフローチャートである。(c)第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。(d)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図17】内部当選時処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】モードB演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】モードB演出設定処理の流れの続きを示すフローチャートである。
【図21】遊技状態更新時処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】ペナルティ判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】(a)第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。(b)第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。(c)第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。(d)第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【図24】第1副制御部によって実行される各種報知(ナビ)と各種演出の一例を示した図である。
【図25】リール演出の態様の一例を示す図である。
【図26】変形例に係るリール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】変形例に係る遊技終了演出処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(スロットマシン100等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。このスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0011】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0013】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114とは、後述する入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否かが判定(入賞判定)されるラインのことである。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)114は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっており、入賞ライン114が有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。
【0014】
図2は、スロットマシン100が備える図柄表示窓113の拡大図である。本実施形態では、左リール110の中段(図柄領域2)、中リール111の中段(図柄領域5)および右リール112の中段(図柄領域8)で構成される中段水平入賞ラインL1と、左リール110の上段(図柄領域1)、中リール111の中段(図柄領域5)および右リール112の下段(図柄領域9)で構成される右下がり入賞ラインL2と、左リール110の下段(図柄領域3)、中リール111の中段(図柄領域5)および右リール112の上段(図柄領域7)で構成される右上がり入賞ラインL3との3つの入賞ラインが設けられている。なお、入賞ライン114の数については3ラインに限定されるものではない。
【0015】
また、本実施形態では、3つの入賞ラインL1〜L3とは別に、左リール110の上段(図柄領域1)、中リール111の上段(図柄領域4)および右リール112の上段(図柄領域7)で構成される演出ラインL4を設けている。この演出ラインL4は、入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否かが判定(入賞判定)される、上述の入賞ラインL1〜L3とは異なり、演出のために設けているラインである。例えば、本実施形態では、所定の小役(例えば、小役5〜11(ベル1〜7))に内部当選し、かつ所定の操作(例えば、後述する第1停止操作によって左リール110以外の停止操作)が行われた場合に、演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せを表示させるように構成しているが、演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが表示されたことによってメダルの払い出しが行われるわけでない。
【0016】
図1に戻って、告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0017】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0018】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0019】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0020】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、ストップボタン137を左ストップボタン、ストップボタン138を中ストップボタン、ストップボタン139を右ストップボタンと称する場合がある。また、ストップボタン137乃至139を、ストップボタン137(左ストップボタン)→ストップボタン138(中ストップボタン)→ストップボタン139(右ストップボタン)の順番で停止操作することを「順押し」、ストップボタン139(右ストップボタン)→ストップボタン138(中ストップボタン)→ストップボタン137(左ストップボタン)の順番で停止操作することを「逆押し」と称する場合がある。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0021】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0022】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0023】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカ272、277(図3参照)の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0024】
<制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0025】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0026】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0027】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0028】
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、リセットボタン290の押下を検出するためのリセットボタンセンサ、設定変更ボタン291の押下を検出するための設定変更ボタンセンサ、設定変更キー293の操作を検出するための設定変更キーセンサ、電源スイッチ294のオン/オフ操作を検出するための電源スイッチセンサ等)の状態を監視している。
【0029】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0030】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0031】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0032】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0033】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0034】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0035】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0036】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0037】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0038】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0039】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0040】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0041】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0042】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0043】
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0044】
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
【0045】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0046】
<図柄配列>
次に、図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0047】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置(図柄位置)を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の1番の図柄位置には「セブン2図柄」、中リール111の3番の図柄位置には「リプレイ図柄」、右リール112の2番の図柄位置には「ブランク1図柄」、がそれぞれ配置されている。
【0048】
<入賞役の種類>
次に、図5および図6を用いて、スロットマシン100の入賞役(条件装置)の種類について説明する。なお、同図は、入賞役(条件装置)、入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出し(メダルの払出枚数)、および備考を示した図である。ここで、本実施形態における入賞役のうち、特別役は特別遊技に移行する役として、また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、これらの作動役も含まれる。また、同図における「払出し」の項目の上段は、3枚掛けの場合(通常遊技またはBB遊技中)の払出枚数を示し、「払出し」の項目の下段(カッコ内)は、2枚掛けの場合(RB遊技中)の払出枚数を示している。
【0049】
スロットマシン100の入賞役には、特別役(ボーナス役)に分類される特別役1〜3と、一般役に分類される再遊技役1〜6および小役1〜12がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0050】
<入賞役の種類/特別役>
「特別役1」(以下、「BB(ビッグボーナス)」と称する場合がある)は、入賞によって遊技状態がボーナス遊技状態(RT4)に移行し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。本実施形態では、BBに対応する図柄組合せは、「セブン1図柄−セブン1図柄−セブン1図柄」である。
【0051】
また、BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)とともに、遊技状態が特別役内部当選状態(RT3)に移行するが、この特別役内部当選状態(RT3)においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でも特別役内部当選状態(RT3)が維持され、BBに対応する図柄組合せが揃ってBBに入賞する状態にある。
【0052】
「特別役2」(以下、「RB(レギュラーボーナス)」と称する場合がある)は、入賞によって遊技状態がボーナス遊技状態(RT4)に移行し、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特別役(作動役)である。本実施形態では、RBに対応する図柄組合せは、「セブン2図柄−セブン2図柄−BAR図柄」である。
【0053】
また、RBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、RBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)とともに、遊技状態が特別役内部当選状態(RT3)に移行するが、この特別役内部当選状態(RT3)においてRBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でも特別役内部当選状態(RT3)が維持され、RBに対応する図柄組合せが揃ってRBに入賞する状態にある。
【0054】
「特別役3」(以下、「SB(シングルボーナス)」と称する場合がある)は、入賞によって遊技状態は移行しないが、1ゲームのシングルボーナス遊技(SB遊技)が開始される特別役(作動役)である。本実施形態では、SBに対応する図柄組合せは、「セブン2図柄−BAR図柄−セブン2図柄」である。
【0055】
<入賞役の種類/一般役>
「再遊技役1〜6」は、入賞によって、前回の遊技で投入した枚数と同じ枚数の遊技を、メダルを投入することなく行うことができる入賞役(作動役)である。なお、以下、再遊技役1〜6を総称して「再遊技役」、再遊技役1を「リプレイ」、再遊技役2を「転落リプレイ1」、再遊技役3を「転落リプレイ2」、再遊技役4を「昇格リプレイ」、再遊技役5を「制御リプレイ1」、再遊技役6を「制御リプレイ2」と称する場合がある。また、再遊技役1〜6に対応する図柄組合せおよび払出しは同図に示す通りである。
【0056】
主制御部300における遊技状態の遷移(RT遷移)については後述するが、「再遊技役1(リプレイ)」は、入賞によって遊技状態を他の遊技状態に移行させない役であり、「再遊技役2(転落リプレイ1)」および「再遊技役3(転落リプレイ2)」は、入賞によって遊技状態を再遊技低確率状態(RT1)に移行(転落)させる役であり、「再遊技役4(昇格リプレイ)」は、入賞によって遊技状態を再遊技高確率状態(RT2)に移行(昇格)させる役であり、「再遊技役5(制御リプレイ1)」および「再遊技役6(制御リプレイ2)」は、制御用リプレイである。
【0057】
「小役1〜12」は、入賞によって所定数のメダル(本実施形態では、最大12枚)が払い出される入賞役で、対応する図柄組合せおよび払出しは同図に示す通りである。なお、小役1に対応する図柄組合せ「チェリー図柄−リプレイ図柄−ANY」、小役3に対応する図柄組合せ「ANY−WIN図柄−ANY」、小役12に対応する図柄組合せ「リプレイ図柄−チェリー図柄−ANY」の場合、ANYで示される図柄はどの図柄でもよいことを示している。
【0058】
また、図6の下段に示す「SBこぼし目(特定図柄組合せ)」は、特別役3(SB)に内部当選した場合に特別役3(SB)に対応する図柄組合せの引込み範囲の範囲外において、第1停止操作によって左リール110または右リール112を停止させ、SBこぼし目(特定図柄組合せ)が入賞ラインL1またはL2に停止表示された場合に、遊技状態を再遊技低確率状態(RT1)に移行させる図柄組合せである。
【0059】
<入賞役の抽選値>
次に、図7を用いて、入賞役の抽選値について説明する。なお、同図は、条件装置の名称、RTモード別の内部当選確率、および備考を示した図である。
【0060】
詳細は後述するが、スロットマシン100の遊技状態は、再遊技低確率状態(RT0〜RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、ボーナス遊技状態(RT4)の5種類があり、各々の遊技状態ごとに(RTモード別)に入賞役の内部当選確率が予め定められている。なお、以下、遊技状態を単にRT0〜RT4と称する場合がある。
【0061】
各々の入賞役の内部当選確率は、条件装置の組合せに対応付けされた抽選値を、内部抽選時に取得される乱数値の数値範囲の大きさ(本実施形態では65535)で除した値で求められる。一例を挙げると、RT0〜RT2における特別役1(BB)の内部当選確率は、それぞれ256/65536であり、RT0、RT3における再遊技役1(リプレイ)の内部当選確率は、それぞれ8980/65536、RT2における再遊技役1(リプレイ)の内部当選確率は、20000/65536であることを示している。
【0062】
これらの抽選値は、乱数値の数値範囲(本実施形態では0〜65535)のうちのいずれかの数値範囲に予め対応付けされており、主制御部300は、得られた乱数値が、いずれの入賞役に対応する抽選値であったかを判定して内部抽選役を決定する入賞役内部抽選処理を行う。また、抽選値は少なくとも1つの入賞役の内部当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0063】
同図に示す内容を例示すると、NO1の特別役1(BB)、NO2の特別役2(RB)、およびNO3の特別役3(SB)は、遊技状態がRT0〜RT2の場合にのみ内部当選可能とされている。また、NO3の特別役3(SB)は、対応する備考の項目に示すように、リール110〜112をSBに対応する図柄組合せの引込み範囲の範囲外において、第1停止操作によって左リール110または中リール111を停止させた場合(第1停止左または第1停止中の場合)には、SBこぼし目(特定図柄組合せ)が入賞ラインL1またはL2に停止表示され、リール110〜112をSBに対応する図柄組合せの引込み範囲の範囲外において、第1停止操作によって右リール112を停止された場合(第1停止右の場合)には、ハズレ目が入賞ラインL1またはL2に停止表示される。
【0064】
NO4の再遊技役1(リプレイ)は、遊技状態がRT0、RT2、RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この再遊技役1(リプレイ)は、対応する備考の項目に示すように、ストップボタン137〜139の押し順に関係なくリプレイに入賞するように構成され、「通常リプレイ」とも称される。
【0065】
NO5の再遊技役1、4、5(リプレイ1、4、5)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役4(昇格リプレイ)、再遊技役5(制御リプレイ1)の組合せであり、遊技状態がRT1の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この再遊技役1、4、5(リプレイ1、4、5)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって右リール112を停止させた後に、第2停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止右&第2停止左の場合)には再遊技役4(昇格リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ1」とも称される。
【0066】
NO6の再遊技役1、4、6(リプレイ1、4、6)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役4(昇格リプレイ)、再遊技役6(制御リプレイ2)の組合せであり、遊技状態がRT1の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この再遊技役1、4、6(リプレイ1、4、6)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって右リール112を停止させた後に、第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中の場合)には再遊技役4(昇格リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ2」とも称される。
【0067】
NO7の再遊技役1、2、3(リプレイ1、2、3)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役2(転落リプレイ1)、再遊技役3(転落リプレイ2)の組合せであり、遊技状態がRT2の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この再遊技役1、2、3(リプレイ1、2、3)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止左の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)または再遊技役3(転落リプレイ2)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ3」とも称される。
【0068】
NO8の再遊技役1、2、3、5(リプレイ1、2、3、5)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役2(転落リプレイ1)、再遊技役3(転落リプレイ2)、再遊技役5(制御リプレイ1)の組合せであり、遊技状態がRT2の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この再遊技役1、2、3、5(リプレイ1、2、3、5)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止中の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)または再遊技役3(転落リプレイ2)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ4」とも称される。
【0069】
NO9の再遊技役1、2、3、6(リプレイ1、2、3、6)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役2(転落リプレイ1)、再遊技役3(転落リプレイ2)、再遊技役6(制御リプレイ2)の組合せであり、遊技状態がRT2の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この再遊技役1、2、3、6(リプレイ1、2、3、6)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって右リール112を停止させた場合(第1停止右の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)または再遊技役3(転落リプレイ2)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ5」とも称される。
【0070】
NO10の小役1(チェリー)およびNO11の小役2(スイカ)は、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。NO12の小役3、4(チャンス1、2)は、小役3(チャンス1)、小役4(チャンス2)の組合せであり、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。
【0071】
NO13の小役5〜11(ベル1〜7)は、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)の組合せであり、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この小役5〜11(ベル1〜7)は、第1停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止左の場合)には小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)のいずれかに対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。一方、第1停止操作によって左リール110以外の停止操作を行った場合には、演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが表示される結果、右下がり入賞ラインL2と右上がり入賞ラインL3上に、2枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役6に対応する「ベル図柄−チェリー図柄−リプレイ図柄」)と1枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役9に対応する「BAR図柄−チェリー図柄−ベル図柄」)が表示され、合計3枚のメダルの払い出しが行われる。また、この小役5〜11(ベル1〜7)は、「押し順ベル1−1(左正解ベル1)」とも称される。
【0072】
NO14の小役1、5〜11(チェリー、ベル1〜7)は、小役1(チェリー)、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)の組合せであり、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この小役1、小役5〜11(チェリー、ベル1〜7)は、第1停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止中の場合)には小役1(チェリー)、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)のいずれかに対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。一方、第1停止操作によって中リール111以外の停止操作を行った場合には、演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが表示される結果、右下がり入賞ラインL2と右上がり入賞ラインL3上に、2枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役6に対応する「ベル図柄−チェリー図柄−リプレイ図柄」)と1枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役9に対応する「BAR図柄−チェリー図柄−ベル図柄」)が表示され、合計3枚のメダルの払い出しが行われる。また、この小役1、小役5〜11(チェリー、ベル1〜7)は、「押し順ベル1−2(中正解ベル1)」とも称される。
【0073】
NO15の小役2、5〜11(スイカ、ベル1〜7)は、小役2(スイカ)、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)の組合せであり、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この小役1、小役5〜11(チェリー、ベル1〜7)は、第1停止操作によって右リール112を停止させた場合(第1停止右の場合)には小役1(チェリー)、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)のいずれかに対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。一方、第1停止操作によって右リール112以外の停止操作を行った場合には、演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが表示される結果、右下がり入賞ラインL2と右上がり入賞ラインL3上に、2枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役6に対応する「ベル図柄−チェリー図柄−リプレイ図柄」)と1枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役9に対応する「BAR図柄−チェリー図柄−ベル図柄」)が表示され、合計3枚のメダルの払い出しが行われる。また、この小役2、小役5〜11(スイカ、ベル1〜7)は、「押し順ベル1−3(右正解ベル1)」とも称される。
【0074】
NO16の小役3、4、5(チャンス1、2、ベル1)は、小役3(チャンス1)、小役4(チャンス2)、小役5(ベル1)の組合せであり、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この小役3、4、5(チャンス1、2、ベル1)は、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲内にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲内の場合)には、WIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。
【0075】
一方、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲外にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲外の場合)には、小役5(ベル1)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。また、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111以外を停止させた場合には、小役5(ベル1)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。また、この小役3、4、5(チャンス1、2、ベル1)は、「押し順ベル2−1」とも称される。
【0076】
NO17の小役3、5〜11(チャンス1、ベル1〜7)は、小役3(チャンス1)、小役1(ベル1)〜小役7(ベル7)の組合せであり、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この小役3、5〜11(チャンス1、ベル1〜7)は、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域2、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲内にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域2、5、8の引き込み範囲の範囲内の場合)には、WIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域2、5、8に停止表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。
【0077】
一方、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域2、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲外にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域2、5、8の引き込み範囲の範囲外の場合)には、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。また、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止右&第2停止左の場合)には、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。さらに、第1停止操作によって中リール111または左リール110を停止させた場合(第1停止右以外の場合)には、演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが表示される結果、右下がり入賞ラインL2と右上がり入賞ラインL3上に、2枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せと1枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せが表示され、合計3枚のメダルの払い出しが行われる。また、この小役3、5〜11(チャンス1、ベル1〜7)は、「押し順ベル2−2」とも称される。
【0078】
NO18の小役3、4、5〜11(チャンス1、2、ベル1〜7)は、小役3(チャンス1)、小役4(チャンス2)、小役1(ベル1)〜小役7(ベル7)の組合せであり、遊技状態がRT0〜RT3の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この小役3、4、5〜11(チャンス1、2、ベル1〜7)は、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲内にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲内の場合)には、WIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。
【0079】
一方、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲外にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲外の場合)には、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。また、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止右&第2停止左の場合)には、小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。さらに、第1停止操作によって中リール111または左リール110を停止させた場合(第1停止右以外の場合)には、演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが表示される結果、右下がり入賞ラインL2と右上がり入賞ラインL3上に、2枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せと1枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せが表示され、合計3枚のメダルの払い出しが行われる。また、この小役3、4、5〜11(チャンス1、2、ベル1〜7)は、「押し順ベル2−3」とも称される。
【0080】
NO19の小役1〜11(チェリー、スイカ、チャンス1、2、ベル1〜7)は、小役1(チェリー)、小役2(スイカ)、小役3(チャンス1)、小役4(チャンス2)、小役1(ベル1)〜小役7(ベル7)の組合せであり、遊技状態がRT4の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この小役1〜11(チェリー、スイカ、チャンス1、2、ベル1〜7)は、ストップボタン137〜139の押し順に関係なく小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。
【0081】
NO20の小役5〜12(ベル1〜8)は、遊技状態がRT4で、かつBB遊技中の場合にのみ内部当選可能とされており、ストップボタン137〜139の押し順に関係なく演出ラインL4上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが表示される結果、中段水平入賞ラインL1、右下がり入賞ラインL2、および右上がり入賞ラインL3上に、2枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役6に対応する「ベル図柄−チェリー図柄−リプレイ図柄」)と1枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役9に対応する「BAR図柄−チェリー図柄−ベル図柄」)と6枚のメダルの払い出しが行われる図柄組合せ(例えば、小役12に対応する「リプレイ図柄−チェリー図柄−ANY図柄」)が表示され、合計9枚のメダルの払い出しが行われる。
【0082】
<主制御部のRT遷移>
次に、図8を用いて、主制御部300の遊技状態の遷移(RT遷移)について説明する。なお、同図は主制御部のRT遷移の一例を示した図である。
【0083】
上述のとおり、スロットマシン100の遊技状態は、再遊技低確率状態(RT0〜RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、ボーナス遊技状態(RT4)の5種類がある。
【0084】
<再遊技低確率状態(RT0、RT1)>
再遊技低確率状態(RT0)は、スロットマシン100の電源投入後やリセット後に最初に移行する初期の遊技状態であり、通常遊技状態とも称される。再遊技低確率状態(RT0)の内容は特に限定されないが、本実施形態では、入賞役の内部抽選の結果が概ねハズレとなる設定、または、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされているとともに、再遊技役の内部当選確率が低確率に設定され、当該遊技状態において獲得可能なメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態である。よって、遊技者にとっては、後述する再遊技高確率状態やボーナス遊技状態などに比べて不利となる遊技状態である。この再遊技低確率状態(RT0)において、上述のSBこぼし目の図柄組合せが入賞ラインに停止表示された場合に再遊技低確率状態(RT1)に移行し、上述の特別役1(BB)または特別役2(RB)に内部当選した場合に特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
【0085】
再遊技低確率状態(RT1)は、上述の再遊技低確率状態(RT0)と概ね同じ遊技状態であるが、上述の昇格リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に再遊技高確率状態(RT2)に移行可能な遊技状態である点が異なっている。
【0086】
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技役の内部当選確率が再遊技低確率状態(RT0、RT1)よりも高確率に設定され、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態である。よって、遊技者にとっては、上述の再遊技低確率状態に比べて有利となる遊技状態である。
【0087】
再遊技高確率状態(RT2)では、上述の特別役1(BB)または特別役2(RB)に内部当選した場合に特別役内部当選状態(RT3)に移行する。一方、再遊技高確率状態(RT2)では、上述のSBこぼし目に対応する図柄組合せ、または上述の転落リプレイ1または転落リプレイ2に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に再遊技高確率状態(RT1)に移行する。
【0088】
なお、再遊技低確率状態(RT0〜RT1)または再遊技高確率状態(RT2)において、特別役3(SB)に内部当選し、かつ特別役3(SB)に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合には、1ゲームだけSB作動中となり、当該1ゲーム終了後にSB非作動中となる。
【0089】
<特別役内部当選状態(RT3)>
特別役内部当選状態(RT3)は、上述した再遊技低確率状態(RT0〜RT1)または再遊技高確率状態(RT2)において、特別役1(BB)または特別役2(RB)に内部当選した場合に移行する遊技状態であり、特別役1(BB)または特別役2(RB)に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止表示させることが可能となっている遊技状態である。この特別役内部当選状態(RT3)では、特別役1(BB)または特別役2(RB)に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合にボーナス遊技状態(RT4)に移行し、前者はBB遊技が開始され、後者はRB遊技が開始される。
【0090】
<ボーナス遊技状態(RT4)>
ボーナス遊技状態(RT4)は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態であり、遊技者にとっては、上述の再遊技低確率状態や再遊技高確率状態に比べて有利となる遊技状態である。ボーナス遊技状態(RT4)の内容は特に限定されないが、本実施形態では、上述の小役1〜11に高確率で内部当選することによって小役1〜11に対応するメダルの払出しを受けることが可能で、予め定められた規定枚数(本実施形態では、BBが294枚、RBが104枚)を超えるメダルの払出しを行った場合に再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
【0091】
<第1副制御部のモード遷移>
次に、図9を用いて、第1副制御部400のモード遷移について説明する。なお、同図は第1副制御部400のモード遷移の一例を示した図である。
【0092】
<モードA(通常モード)>
モードA(通常モード)は、スロットマシン100の電源投入後やリセット後に最初に移行する初期の状態であり、モードA(通常モード)では、特定条件Aを満たした場合にモードB(ATモード)に移行する。ここで、「特定条件A」とは、特定の第一の役(例えば、小役1(チェリー)や小役2(スイカ)等)に内部当選した場合に実行されるAT権利抽選の結果、AT権利抽選に当選してATモードの権利を獲得した場合のことである。本実施形態では、特定条件Aを満たした場合(ATモードの権利を獲得した場合)に、ATモードの権利に対して、ATセット数(AT1セット=50ゲーム)を何セットにするかを決定するための抽選であるATセット数抽選が行われる。
【0093】
<モードB(ATモード)>
モードB(ATモード)は、継続ゲーム数が最低で50ゲームに決められているATモードであり、特定の役に内部当選したことで実行される上乗せ振分け抽選により振分けられたゲーム数が、継続ゲーム中にさらに上乗せ(例えば、50ゲームの追加)可能である。また、ATセット数抽選で当選した残りのATセット数はストックされ、実行中のATモードのゲーム数を消化した場合に、ATセット数がストックされている場合には、当該AT1セットに基づいて、新たなAT1セット=50ゲームが開始される。
【0094】
ここで、上乗せ振分け抽選は、特定の第一の役(例えば、小役1(チェリー)や小役2(スイカ)等)に内部当選した場合は、0ゲーム(上乗せなし)を含む上乗せ振分け抽選(例えば、0、50、100、150、300ゲームのいずれか)が実行され、特定の第二の役(例えば、押し順ベル2−1や押し順ベル2−2)に内部当選した場合には、0ゲーム(上乗せなし)を含まない上乗せ振分け抽選(例えば、50、100、150、300ゲームのいずれか)が実行される。また、特定の第三の役(例えば、押し順ベル2−3)に内部当選した場合には、上乗せ振分け抽選を実行しない。
【0095】
このATモードでは、特定条件Bを満たした場合にモードA(通常モード)に移行する。ここで、「特定条件B」とは、モードB(ATモード)において実行中のATモードのゲーム数を全て消化し、かつストックされたATゲームのセット数がないことである。
【0096】
<モードC(ボーナス中モード)>
モードC(ボーナス中モード)は、モードA(通常モード)またはモードB(ATモード)において、特別役1(BB)または特別役2(RB)のいずれかに対応する図柄組合せが表示された場合に移行する状態である。また、このモードC(ボーナス中モード)では、主制御部300の遊技状態がボーナス遊技状態(RT4)から再遊技低確率状態(RT0)に移行した場合に、モードA(通常モード)に移行する。
【0097】
<主制御部メイン処理>
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0098】
ステップS101では、I/O310の初期化、RAM308の初期化などを含む初期設定処理を行う。また、第1副制御部400に対して遊技開始コマンドを送信する準備を行う。ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させ、有効な入賞ラインを確定する。また、第1副制御部400に対してメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。
【0099】
また、このステップS102では、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があれば乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得した後に、ステップS103に進む。また、第1副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
【0100】
ステップS103では、ステップS102で取得した乱数値を用いて、上述の入賞役内部抽選処理を行うとともに、第1副制御部400に対して内部抽選コマンドを送信する準備を行い、ステップS104では、リール停止準備処理を行う。このリール停止準備処理では、ステップS103の入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択し、次のステップS105では、後述するリール回転開始処理を行う。
【0101】
ステップS106では、ストップボタン137〜139が操作されたか否かのチェックを行い、上述の第1停止操作を受付けた場合には、第1副制御部400に対して第1停止操作によって停止されたリールの情報を含む停止ボタン1受付コマンドを送信する準備を行い、上述の第2停止操作を受付けた場合には、第1副制御部400に対して第2停止操作によって停止されたリールの情報を含む停止ボタン2受付コマンドを送信する準備を行い、上述の第3停止操作を受付けた場合には、第1副制御部400に対して第3停止操作によって停止されたリールの情報を含む停止ボタン3受付コマンドを送信する準備を行う。
【0102】
また、このステップS106では、全てのリール110〜112が停止したか否かを判定し、全てのリール110〜112が停止した場合にはステップS107に進む。ステップS107では、入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効ラインL1〜L3上に何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合に、その入賞役に入賞したと判定するとともに、第1副制御部400に対して表示判定コマンドを送信する準備を行う。ステップS108では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数や遊技状態に応じて払い出す。
【0103】
ステップS109では遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、上述のRT0〜RT4の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行させるとともに、後述する遊技終了演出処理(図15参照)を行う。以上により1ゲームが終了し、以降、ステップS102〜S109の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0104】
<リール回転開始処理>
次に、図11を用いて、上述の主制御部メイン処理におけるリール回転開始処理(ステップS105)について詳細に説明する。なお、同図はリール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
ステップS201では、RAM308に記憶している遊技時間監視タイマ値を取得し、次のステップS202では、取得した遊技時間監視タイマ値が0であるか否か(前回の遊技におけるリールの回転開始から所定時間(本実施形態では4.1秒)が経過したか否か)を判定し、該当する場合にはステップS203に進み、該当しない場合にはステップS201に戻る。ステップS203では、遊技時間監視タイマ値に初期値(本実施形態では4.1秒に相当する数値)を再設定した後に、ステップS204に進む。
【0106】
ステップS204では、RAM308に記憶しているリール演出発生フラグを参照し、当該フラグがONかOFFかを判定し、当該フラグがONの場合にはステップS205に進み、当該フラグがOFFの場合にはステップS207に進む。ここで、ステップS204で参照するリール演出発生フラグは、後述する遊技終了演出処理のステップS602において、前回の遊技で特定役(本実施形態では、押し順ベル2−1)に内部当選したと判定され、かつ、遊技終了演出処理のステップS604において、ストップボタン137〜139の押し順が第1停止右&第2停止中であると判定された場合(ストップボタン137〜139が逆押しされたと判定された場合)にONに設定される。
【0107】
ステップS205では、リール加速データ2を設定し、次のステップS206では、上述のリール演出発生フラグをOFFに設定してステップS208に進む。ここで、ステップS205で設定するリール加速データ2は、後述するリール演出を行った後にリール110〜112の回転を加速制御するためのデータである。一方、ステップS207では、リール加速データ1を設定した後に、ステップS208に進む。ここで、ステップS207で設定するリール加速データ1は、リール演出が無い場合にリール110〜112の回転を加速制御するためのデータである。
【0108】
ステップ208では、RAM308に設けた回胴制御ステータスを加速中に設定し、ステップS209では、第1副制御部400に対して、リール回転開始コマンドを送信する準備を行った後に処理を終了する。
【0109】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図12を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0110】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.504msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0111】
ステップS301では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS302では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.504msに1回)リスタートを行う。
【0112】
ステップS303では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0113】
ステップS304では、各種遊技処理を行う。この各種遊技処理では、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
【0114】
ステップS305では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、各種タイマを更新(カウントアップまたはカウントダウン)する処理を行う。例えば、上述のリール回転開始処理で遊技時間監視タイマ値が初期化(設定)されたことを契機として、初期化された遊技時間監視タイマ値のカウントダウンを行い、遊技時間の計測を行う。また、後述する遊技終了演出処理で表示演出のタイマやフリーズ演出のタイマが初期化(設定)されたことを契機として、初期化された表示演出のタイマやフリーズ演出のタイマのカウントダウンを行い、表示演出やフリーズ演出の計測を行う。
【0115】
ステップS306では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS303において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理(例えば、ステップS307で送信するエラー発生コマンドの送信準備を行う処理)を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。なお、このデバイス監視処理では、後述するフリーズ演出中においてもエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行させるように構成している。
【0116】
ステップS307では、後述するリール制御処理を行う。ステップS308では、コマンド設定送信処理を行い、これにより各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド、エラー発生コマンド、エラー解除コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
【0117】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0118】
ステップS309では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0119】
ステップS310では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS312に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS311に進む。
【0120】
ステップS311では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS301で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定する処理等を行う。その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS312では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。
【0121】
<リール制御処理>
次に、図13を用いて、上述の主制御部タイマ割込処理におけるリール制御処理(ステップS307)について詳細に説明する。なお、同図はリール制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0122】
ステップS401では、各ストップボタン137〜139の操作が有効か否かを判定し、該当する場合(ストップボタン有効情報が設定されている場合)にはステップS402に進み、該当しない場合(ストップボタン無効情報が設定されている場合)にはステップS402の処理を実行することなく、ステップS403に進む。ステップS402では、ストップボタン受付処理を行う。このストップボタン受付処理では、ストップボタン137〜139のいずれかの停止操作を受付けた場合に、各々の押し順をRAM308に設けた押し順記憶領域に記憶する。
【0123】
例えば、第1停止操作によってストップボタン137(左リール110に対応するストップボタン)が停止操作され、第2停止操作によってストップボタン138(中リール111に対応するストップボタン)が停止操作され、第3停止操作によってストップボタン139(右リール112に対応するストップボタン)が停止操作された場合(ストップボタン137〜139が順押しされた場合)には、押し順記憶領域に、第1停止左、第2停止中、第3停止右の情報を記憶する。また、例えば、第1停止操作によってストップボタン139が停止操作され、第2停止操作によってストップボタン138が停止操作され、第3停止操作によってストップボタン137が停止操作された場合(ストップボタン137〜139が逆押しされた場合)には、押し順記憶領域に、第1停止右、第2停止中、第3停止左の情報を記憶する。
【0124】
次に、各リール110〜112について、ステップS403〜S406の処理を行う。具体的には、ステップS403では、リールのインデックスセンサから出力される信号の状態を検出する処理を行い、ステップS404では、当該信号の状態に基づいてリール制御情報を生成する。ここで、リール制御情報は、リールを制御するための情報全体を意味しており、リールの状態に関する情報、及びリール制御状態に関する情報も含まれる。
【0125】
ステップS405では、ステップS404で生成したリール制御情報をもとに、後述するリール回転制御処理を行う。ステップS406では、ステップS405のリール回転制御処理の結果に基づいて、上述のリール制御情報を更新した後、処理を終了する。
【0126】
<リール回転制御処理>
次に、図14を用いて、上述のリール制御処理におけるリール回転制御処理(ステップS405)について詳細に説明する。なお、同図はリール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0127】
このリール回転制御処理は、リールの回転制御を遊技の進行に応じて順次切り替え制御する処理であり、遊技者の遊技開始操作に伴い、リールの回転を開始してリールを加速させる加速処理及び一定回転速度(一定速)までリールを加速させた後、その速度を維持する定速処理が行われる。また、その後の遊技者の停止操作に伴い、停止操作が行われた時のリールの図柄位置から遊技結果として図柄表示窓113に表示させる図柄停止位置までリールの回転を維持する引込制御処理、及び図柄停止位置で停止状態を一定時間維持するブレーキ制御処理を行う。
【0128】
具体的には、ステップS501では、上述の回胴制御ステータスを取得する。ステップS502では、ステップS501で取得した回胴制御ステータスが停止中であるか否かを判定し、該当する場合には処理を終了し、該当しない場合にはステップS503に進む。
【0129】
ステップS503では、ステップS501で取得した回胴制御ステータスが加速中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS504に進んで加速処理を行い、該当しない場合にはステップS505に進む。ここで、ステップS504の加速処理では、上記リール回転開始処理のステップS205でリール加速データ2を設定している場合には、リール演出用の制御データを用いてリール110〜112の回転制御(後述するリール演出)を行った後に、回胴制御ステータスを変更し、リール加速用の制御データを用いてリール110〜112を加速させる回転制御(加速処理)を行う。一方、上記リール回転開始処理のステップS207でリール加速データ1を設定している場合には、リール加速用の制御データを用いてリール110〜112を加速させる回転制御(加速処理)のみを行う。なお、ここでは、リール加速データ2を設定している場合には、リール演出と加速処理を同じステップにおいて実行する例を示したが、リール演出と加速処理を異なるステップで実行したり、両者の処理の間に他の処理を行ったりしてもよい。
【0130】
ステップS505では、ステップS501で取得した回胴制御ステータスが定速中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS506に進んで定速処理(加速後のリールを低速で回転させる処理)を行い、該当しない場合にはステップS507に進む。
【0131】
ステップS507では、ステップS501で取得した回胴制御ステータスがブレーキ中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS508に進んでブレーキ処理(リールを停止させる処理)を行い、該当しない場合にはステップS509に進む。ステップS509では、引込み処理を実行した後に、処理を終了する。
【0132】
<遊技終了演出処理>
次に、図15を用いて、上述の主制御部メイン処理における遊技状態更新処理(ステップS109)で実行される遊技終了演出処理について説明する。なお、同図は遊技終了演出処理の流れを示すフローチャートである。
【0133】
ステップS601では、RAM308に記憶している、演出なしフラグがONかOFFかを判定し、該当する場合にはステップS606に進み、該当しない場合にはステップS602に進む。ステップS602では、今回のゲームにおける入賞役内部抽選処理で押し順ベル2−1に内部当選したかどうかを判定し、該当する場合にステップS603に進み、該当しない場合にステップS606に進む。ステップS603では、上述のリール演出発生フラグをONに設定した後に、ステップS604に進む。
【0134】
ステップS604では、上記ステップS402で押し順記憶領域に記憶したストップボタン137〜139の各々の押し順を参照し、ストップボタン137〜139の押し順が第1停止右&第2停止中であったか否か(ストップボタン137〜139が逆押しされたか否か)を判定し、該当する場合にはステップ607に進み、該当しない場合にはステップS605に進む。
【0135】
ステップS605では、上述のリール演出発生フラグをOFFに設定し、次のステップS606では、RAM308に記憶している表示判定情報やボーナス終了情報に基づいて、対応する表示演出タイマを取得(例えば、ボーナス遊技の終了後は、ボーナス終了演出用タイマを取得し、リプレイ時は、リプレイ表示用タイマを取得)した後にステップS608に進む。一方、ステップS607では、フリーズ演出用のタイマ値を取得した後にステップS608に進む。なお、フリーズ演出用のタイマ値は特に限定されないが、ステップS605で取得する表示演出タイマのタイマ値よりも大きな数値であることが好ましく、例えば30秒に相当する数値を適用することができる。
【0136】
ステップS608では、ステップS606またはステップS607で取得したタイマ値を、RAM308に記憶している演出タイマに設定する。また、このステップS608においてフリーズ演出用のタイマ値を演出タイマに設定した場合には、タイマ更新処理(ステップS305)によって演出タイマが0に更新されるまで(演出タイマがタイムアウトするまで)、遊技状態更新処理(ステップS109)を終了させないことにより、当該ゲームを終了させずに待機(フリーズ)させる(次回のゲームを開始させないように待機(フリーズ)させる)ように構成している。
【0137】
ステップS609では、第1副制御部400に対して、現在の遊技状態(RT)の情報およびフリーズ演出を行うか否かを示すフリーズ実行情報を含む遊技状態更新コマンドを送信する。第1副制御部400は、フリーズ演出を行うことを示すフリーズ実行情報を含む遊技状態更新コマンドを受信した場合に、後述する特別演出1を実行する。これにより、主制御部300がフリーズ演出を開始するタイミングと、第1副制御部400が特別演出1を開始するタイミングを同期させることが可能となっており、第1副制御部400にて特別演出1が実行されている期間、主制御部300では、次回のゲームを開始させないように待機(フリーズ)させ、確実に特別演出1を遊技者に見せることで、次ゲームにリール演出が行われることをリール演出の実行前から遊技者へ報知している。これは、次ゲームのリール回転開始時に行われるリール演出を初心者が故障と勘違いしてしまい、リール演出を堪能できないと言う不都合を解消するため、このような構成としている。
【0138】
ステップS610では、RAM308に記憶しているRT状態(遊技状態)が特別役内部当選状態(RT3)又はボーナス遊技状態(RT4)であるか否かを判定し、いずれか一方に該当する場合にはステップS611に進み、該当しない場合には処理を終了する。ステップS611では、RT状態(遊技状態)がボーナス遊技状態(RT4)であるか否かを判定し、該当しない場合(RT状態(遊技状態)が特別役内部当選状態(RT3)の場合)には、ステップS612に進んで上述の演出なしフラグをONに設定して処理を終了し、該当する場合(RT状態(遊技状態)がボーナス遊技状態(RT4)の場合)には、上述の演出なしフラグをOFFに設定して処理を終了する。
【0139】
<第1副制御部400の処理>
次に、図16を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図(b)はコマンド入力処理のフローチャートである。また、同図(c)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0140】
スロットマシン100に電源が投入され、第1副制御部400に電源が供給されると、第1副制御部400のCPU404にて、同図(a)に示すメイン処理が実行される。まず、ステップS701では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップ702では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS703の処理に移行する。ステップS703では、タイマ変数に0を代入する。
【0141】
ステップS704では、コマンド入力処理を行う。このコマンド処理では、同図(b)に示すように、ステップS801で、後述するコマンド記憶領域を参照し、主制御部300から受信したコマンドの中に未処理のコマンドがあるか無いかを判定し、未処理のコマンドがある場合に、ステップS802において、コマンドに応じた各種の処理を行う。ここで、「コマンドに応じた各種の処理」としては、主制御部300から遊技開始コマンドを受信した場合に実行される遊技開始時処理、主制御部300からメダル投入コマンドを受信した場合に実行されるメダル投入時処理、主制御部300からスタートレバー受付コマンドを受信した場合に実行されるスタートレバー受付時処理、主制御部300から内部抽選コマンドを受信した場合に実行される内部抽選時処理(図17参照)、主制御部300から停止ボタン1〜3受付コマンドを受信した場合に実行される停止ボタン1〜3受付時処理、主制御部300から表示判定コマンドを受信した場合に実行される表示判定時処理、主制御部300から遊技状態更新コマンドを受信した場合に実行される遊技状態更新時処理(図21参照)などが挙げられる。
【0142】
例えば、メダル投入時処理では、第1副制御部400のモードがモードA(通常モード)からモードB(ATモード)に移行したときに、モードA(通常モード)がモードB(ATモード)に移行したことを報知するために、図24(a)に示すようなモードB演出を開始させる。なお、このモードB演出の例では、左上にAR残数の情報を、右上に獲得枚数の情報を、右下に経過ゲーム数の情報を、それぞれ表示させるように構成している。
【0143】
ステップS705では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップS704で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出指示情報をRAM408から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0144】
ステップS706では、ステップS705の処理結果に基づいて音制御処理を行う。この音制御処理では、例えば、ステップS705で読み出した演出指示情報の中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
【0145】
ステップS707では、ステップS705の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、例えば、ステップS705で読み出した演出指示情報の中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0146】
ステップS708では、ステップS705の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS705で読み出した演出指示情報の中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合(演出画像表示装置157に関する情報などがある場合)には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS702に戻る。
【0147】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS901では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0148】
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0149】
ステップS1001では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS702において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS702において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。また、ステップ1002では、ステップS708で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0150】
<内部抽選時処理>
次に、図17を用いて、上述のコマンド入力処理のステップS802の処理の一つである内部抽選時処理について詳細に説明する。なお、同図は内部抽選時処理の流れを示すフローチャートである。
【0151】
この内部抽選時処理は、主制御部300から、上述の内部抽選コマンドを受信した場合に実行する処理である。具体的には、ステップS1101では、内部抽選コマンドに含まれる内部当選情報(内部当選した入賞役の情報)を、RAM408に記憶している内部当選情報記憶領域に記憶し、内部当選情報を最新の情報に更新する。
【0152】
ステップS1102では、AT関連処理を行う。このAT関連処理では、例えば、第1副制御部400がモードA(通常モード)のときは、特定の第一の役(例えば、小役1(チェリー)や小役2(スイカ)等)に内部当選し、かつ、(後述する)ペナルティフラグがOFFに設定されている場合にAT権利抽選を実行し、AT権利抽選に当選してATモードの権利を獲得した場合にATセット数抽選を実行する。また、ペナルティフラグがONに設定されている場合には、AT権利抽選もATセット数抽選も実行しない。
【0153】
また、第1副制御部400がモードB(ATモード)のときは、特定の第一の役(例えば、小役1(チェリー)や小役2(スイカ)等)に内部当選した場合に、0ゲーム(上乗せなし)を含む上乗せ振分け抽選を実行し、特定の第二の役(例えば、押し順ベル2−1や押し順ベル2−2)に内部当選した場合に、0ゲーム(上乗せなし)を含まない上乗せ振分け抽選を実行する一方で、特定の第三の役(例えば、押し順ベル2−3)に内部当選した場合には上乗せ振分け抽選を実行しない。また、上乗せ振分け抽選によって上乗せが確定した場合には、決定した上乗せゲーム数を現在の継続ゲーム数に加算する処理などを実行する。
【0154】
ステップS1103では、演出設定処理(詳細は後述する)を行う。ステップS1104では、内部抽選コマンドに基づく、その他の処理を実行した後に処理を終了する。
【0155】
<演出設定処理>
次に、図18を用いて、上記内部抽選時処理における演出設定処理(ステップS1103)について説明する。なお、同図は演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0156】
ステップS1201では、第1副制御部400がモードA(通常モード)であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1202に進み、該当しない場合にはステップS1203に進む。ステップS1202では、モードA演出設定処理(通常モード演出設定処理)を行った後に処理を終了する。
【0157】
ステップS1203では、第1副制御部400がモードB(ATモード)であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1204に進み、該当しない場合にはステップS1205に進む。ステップS1204では、後述するモードB演出設定処理(ATモード演出設定処理)を行った後に処理を終了し、ステップS1205では、モードC演出設定処理(BB中モード演出設定処理)を行った後に処理を終了する。
【0158】
<モードB演出設定処理>
次に、図19および図20を用いて、上記演出設定処理におけるモードB演出設定処理(ステップS1204)について説明する。同図はモードB演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0159】
ステップS1301では、上述の内部当選情報記憶領域に記憶している内部当選情報を取得する。また、本実施形態では、モードB(ATモード)においては、後述の各種報知(ナビ)を行うが、モードB(ATモード)以外のモードA(通常モード)やモードC(ボーナス中モード)においては各種報知(ナビ)を行わないように構成している。なお、モードB演出以外の演出(例えば、ボーナス時の演出など、複数のゲームに亘って実行される連続演出や前兆演出)の実行中であるか否かに基づいて、各種報知(ナビ)を行うか否かを決定するように構成してもよい。
【0160】
ステップS1302では、ステップS1301で取得した内部当選情報が特別役3(SB)であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1303に進み、該当しない場合にはステップ1305に進む。ステップS1303では、主制御部300の遊技状態(RT)が再遊技高確率状態(RT2)であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1304に進み、該当しない場合にはステップS1325に進む。ステップS1304では、図24(c)に示すような押し順目押し報知1(BAR図柄が有効ライン上に停止表示されるようにBAR図柄を引き込み範囲の範囲内に狙ってストップボタン137〜139を逆押しで停止させることを示唆する報知)を行うための演出データである第1停止右、第停止中の押し順目押し報知1を設定した後にステップS1325に進む。
【0161】
上述の通り、特別役3(SB)は、リール110〜112をSBに対応する図柄組合せの引き込み範囲の範囲外において、第1停止操作によって左リール110または中リール111を停止させた場合(第1停止左または第1停止中の場合)には、SBこぼし目(特定図柄組合せ)が入賞ラインL1またはL2に停止表示されるため、遊技者が押し順目押し報知1に従わずに第1停止操作によって左リール110または中リール111を停止させた場合には、遊技状態が再遊技高確率状態(RT2)から再遊技高確率状態(RT1)に移行(転落)する。
【0162】
一方、リール110〜112をSBに対応する図柄組合せの引き込み範囲の範囲外において、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中の場合)には、ハズレ目が入賞ラインL1またはL2に停止表示されるため、遊技者が押し順目押し報知1に従って第1停止操作によって右リール112と中リール111を停止させた場合には、遊技状態が再遊技高確率状態(RT2)から再遊技高確率状態(RT1)に移行(転落)することが回避される。
【0163】
ステップS1305では、ステップS1301で取得した内部当選情報が、押し順ベル2−1、2−2、2−3のいずれかであるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1306に進み、該当しない場合にはステップ1309に進む。ステップS1306では、主制御部300の遊技状態(RT)が特別役内部当選状態(RT3)であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1308に進み、該当しない場合にはステップS1307に進む。ステップS1308では、図24(b)に示すような押し順報知(ストップボタン137〜139を順押しで停止させることを示唆する報知)を行うための演出データである第1停止右、第2停止左の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。また、ステップS1307では、図24(d)に示すような押し順目押し報知2(WIN図柄が有効ライン上に停止表示されるようにWIN図柄を引き込み範囲の範囲内に狙ってストップボタン137〜139を逆押しで停止させることを示唆する報知)を行うための演出データである第1停止右の押し順目押し報知2を設定した後にステップS1325に進む。
【0164】
例えば、押し順2−1の場合、上述の通り、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲内にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲内の場合)には、WIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示され、12枚のメダルの払い出しが行われるため、WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲内にあるときに押し順目押し報知2に従った逆押しの操作を遊技者が行った場合には、12枚のメダルを獲得することができる。
【0165】
一方、リール110〜112に施された各々のWIN図柄が図柄表示窓113の図柄領域3、5、8に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲外にあるときに、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中&WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲外の場合)には、小役5(ベル1)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われるため、WIN図柄が図柄領域3、5、8の引き込み範囲の範囲外にあるときに押し順目押し報知2に従った逆押しの操作を遊技者が行った場合には、12枚のメダルを獲得することができる。また、第1停止操作によって右リール112を停止させ、かつ第2停止操作によって中リール111以外を停止させた場合にも、小役5(ベル1)に対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われる。
【0166】
ステップS1309では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順リプレイ1であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1310に進み、該当しない場合にはステップ1311に進む。ステップS1310では、図24(b)に示すような押し順報知(ストップボタン137〜139を順押しで停止させることを示唆する報知)を行うための演出データである第1停止右、第2停止左の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順リプレイ1は、上述の通り、第1停止操作によって右リール112を停止させた後に、第2停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止右&第2停止左の場合)には再遊技役4(昇格リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞するため、第1停止右、第2停止左の押し順報知に従った操作を行った場合には再遊技役4(昇格リプレイ)に入賞し、それ以外の操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞する。
【0167】
ステップS1311では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順リプレイ2であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1312に進み、該当しない場合にはステップ1313に進む。ステップS1311では、図24(b)に示すような押し順報知(ストップボタン137〜139を順押しで停止させることを示唆する報知)を行うための演出データである第1停止右、第2停止中の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順リプレイ2は、上述の通り、第1停止操作によって右リール112を停止させた後に、第2停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止右&第2停止中の場合)には再遊技役4(昇格リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞するため、第1停止右、第2停止中の押し順報知に従った操作を行った場合には再遊技役4(昇格リプレイ)に入賞し、それ以外の操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞する。
【0168】
ステップS1313では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順リプレイ3であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1314に進み、該当しない場合にはステップ1315に進む。ステップS1314では、第1停止操作でストップボタン137を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン138を停止させることを示唆する報知を行うための演出データと、第1停止操作でストップボタン137を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン139を停止させることを示唆する報知を行うための演出データとを各々の当選確率が50%に設定された抽選によって選択し、いずれかの演出データである第1停止左の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順リプレイ3は、上述の通り、第1停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止左の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)または再遊技役3(転落リプレイ2)に入賞するため、第1停止左の押し順報知に従った操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞する。
【0169】
ステップS1315では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順リプレイ4であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1316に進み、該当しない場合にはステップ1317に進む。ステップS1316では、第1停止操作でストップボタン138を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン137を停止させることを示唆する報知を行うための演出データと、第1停止操作でストップボタン138を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン139を停止させることを示唆する報知を行うための演出データとを各々の当選確率が50%に設定された抽選によって選択し、いずれかの演出データである第1停止中の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順リプレイ4は、上述の通り、第1停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止中の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)または再遊技役3(転落リプレイ2)に入賞するため、第1停止中の押し順報知に従った操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)に入賞する。
【0170】
ステップS1317では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順リプレイ5であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1318に進み、該当しない場合にはステップ1319に進む。ステップS1318では、第1停止操作でストップボタン139を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン137を停止させることを示唆する報知を行うための演出データと、第1停止操作でストップボタン139を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン138を停止させることを示唆する報知を行うための演出データとを各々の当選確率が50%に設定された抽選によって選択し、いずれかの演出データである第1停止右の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順リプレイ5は、上述の通り、第1停止操作によって右リール112を停止させた場合(第1停止右の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の停止操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)または再遊技役3(転落リプレイ2)に入賞するため、第1停止右の押し順報知に従った操作を行った場合には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、それ以外の操作を行った場合には再遊技役2(転落リプレイ1)に入賞する。
【0171】
ステップS1319では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順ベル1−1であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1320に進み、該当しない場合にはステップ1321に進む。ステップS1320では、第1停止操作でストップボタン137を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン138を停止させることを示唆する報知を行うための演出データと、第1停止操作でストップボタン137を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン139を停止させることを示唆する報知を行うための演出データとを各々の当選確率が50%に設定された抽選によって選択し、いずれかの演出データである第1停止左の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順ベル1−1は、上述の通り、第1停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止左の場合)には小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)のいずれかに対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われ、それ以外の停止操作を行った場合には、合計3枚のメダルの払い出しが行われるため、第1停止左の押し順報知に従った操作を行った場合には12枚のメダルを獲得することができ、それ以外の操作を行った場合には3枚のメダルを獲得することができる。
【0172】
ステップS1321では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順ベル1−2であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1322に進み、該当しない場合にはステップ1323に進む。ステップS1322では、第1停止操作でストップボタン138を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン137を停止させることを示唆する報知を行うための演出データと、第1停止操作でストップボタン138を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン139を停止させることを示唆する報知を行うための演出データとを各々の当選確率が50%に設定された抽選によって選択し、いずれかの演出データである第1停止中の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順ベル1−2は、上述の通り、第1停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止中の場合)には小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)のいずれかに対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われ、それ以外の停止操作を行った場合には、合計3枚のメダルの払い出しが行われるため、第1停止中の押し順報知に従った操作を行った場合には12枚のメダルを獲得することができ、それ以外の操作を行った場合には3枚のメダルを獲得することができる。
【0173】
ステップS1323では、ステップS1301で取得した内部当選情報が押し順ベル1−3であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1324に進み、該当しない場合にはステップ1325に進む。ステップS1324では、第1停止操作でストップボタン139を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン137を停止させることを示唆する報知を行うための演出データと、第1停止操作でストップボタン139を停止させ、かつ第2停止操作でストップボタン138を停止させることを示唆する報知を行うための演出データとを各々の当選確率が50%に設定された抽選によって選択し、いずれかの演出データである第1停止右の押し順報知を設定した後にステップS1325に進む。押し順ベル1−3は、上述の通り、第1停止操作によって右リール112を停止させた場合(第1停止右の場合)には小役5(ベル1)〜小役11(ベル7)のいずれかに対応する図柄組合せが有効ラインL2上に表示され、12枚のメダルの払い出しが行われ、それ以外の停止操作を行った場合には、合計3枚のメダルの払い出しが行われるため、第1停止右の押し順報知に従った操作を行った場合には12枚のメダルを獲得することができ、それ以外の操作を行った場合には3枚のメダルを獲得することができる。
【0174】
<遊技状態更新時処理>
次に、図21を用いて、上述のコマンド入力処理のステップS802の処理の一つである遊技状態更新時処理について詳細に説明する。なお、同図は遊技状態更新時処理の流れを示すフローチャートである。
【0175】
この遊技状態更新時処理は、主制御部300から、上述の遊技状態更新コマンドを受信した場合に実行する処理である。具体的には、ステップS1401では、遊技状態更新コマンドに含まれるフリーズ実行情報を参照し、フリーズ実行があるか無いかを判定し、フリーズ実行がある場合にはステップS1402に進み、フリーズ実行が無い場合にはステップS1403に進む。
【0176】
ステップS1402では、特別演出の予約設定を行う。この予約設定では、図23(e)に示すような特別演出1を実行するための演出データを設定するとともに、次回のスタートレバー受付時処理において、図23(f)に示すような特別演出2を実行するための演出データを事前に設定する。これにより、当該遊技で主制御部300において待機(フリーズ)が実行されているときは、第1副制御部400において特別演出1が実行され、次回の遊技で主制御部300においてリール演出が実行されているときは、第1副制御部400において特別演出2が実行される。
【0177】
ステップS1403では、RT情報を更新し、次のステップS1404では、モード移行処理を行う。このモード移行処理では、モードB(ATモード)の場合に1ゲームを消化する毎にゲーム数を1つ減算する処理や、モードB(ATモード)において実行中のATモードのゲーム数を全て消化し、かつストックされたATゲームの権利がない場合にモードA(通常モード)に移行させる処理などを行う。ステップS1405では、後述するペナルティ判定処理を行い、次のステップS1406では、遊技状態更新コマンドに基づく、その他の処理を実行した後に処理を終了する。
【0178】
<ペナルティ判定処理>
次に、図22を用いて、上述の遊技状態更新時処理におけるペナルティ判定処理(ステップS1405)について詳細に説明する。なお、同図はペナルティ判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0179】
ステップS1502では、RAM308に記憶しているペナルティフラグがONかOFFかを判定し、ONの場合にはステップS1502に進み、OFFの場合にはステップS1505に進む。ステップS1502では、RAM308に記憶しているペナルティゲーム数の値を1つ減算し、次のステップS1503では、減算後のペナルティゲーム数が0か否かを判定する。ペナルティゲーム数が0の場合にはステップS1504に進んでペナルティフラグをOFFに設定し、ペナルティゲーム数が0でない場合には(ペナルティフラグをOFFに設定することなく)ステップS1505に進む。
【0180】
ステップS1505では、上記ステップS402で押し順記憶領域に記憶したストップボタン137〜139の各々の押し順を参照し、ストップボタン137〜139の押し順が第1停止右&第2停止中であったか否か(ストップボタン137〜139が逆押しされたか否か)を判定し、該当する場合にはステップ1507に進み、該当しない場合には処理を終了する。
【0181】
ステップS1507では、上記ステップS1307において押し順目押し報知2を実行したか否かを判定し、実行している場合には処理を終了し、実行していない場合にはステップS1508に進む。ステップS1508では、ペナルティフラグをONに設定し、次のステップS1509では、現在のペナルティゲーム数に10を加算してペナルティゲーム数を更新した後に処理を終了する。上述の通り、第1副制御部400では、ペナルティフラグがONに設定されているペナルティゲームの期間中は、AT権利抽選もATセット数抽選も実行しないように構成している。
【0182】
<第2副制御部500の処理>
次に、図23を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0183】
スロットマシン100に電源が投入され、第2副制御部500に電源が供給されると、第2副制御部500のCPU504にて、同図(a)に示すメイン処理が実行される。
【0184】
ステップS1801では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS1802では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS1803の処理に移行する。
【0185】
ステップS1803では、タイマ変数に0を代入する。ステップS1804では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0186】
ステップS1805では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップS1804で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0187】
ステップS1806では、ステップS1805の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS1805で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
【0188】
ステップS1807では、ステップS1805の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS1805で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS1802に戻る。
【0189】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS1901では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0190】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0191】
ステップS2001では、第2副制御部メイン処理におけるステップS1802において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS1802において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS2002では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0192】
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS1807の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0193】
ステップS2101では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0194】
ステップS2102では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS2103に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS2103では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS2101でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0195】
ステップS2104では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0196】
ステップS2105では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS2106に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS2106では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0197】
<リール演出>
次に、図25を用いて、上述のリール演出の一例について説明する。なお、同図は、リール演出の態様の一例を示す図である。
【0198】
上述の通り、リール演出は、主制御部300の遊技終了演出処理において、特定役(本実施形態では、押し順ベル2−1)に内部当選し、かつ、ストップボタン137〜139の押し順が第1停止右&第2停止中と判定された場合に、リール回転制御処理の加速処理(ステップS504)において実行される演出である。このリール演出では、リール演出用の制御データを用いてリール110〜113の回転制御が行われ、例えば、同図(b)〜(e)に示すような回転制御が行われる。
【0199】
この例では、スタートレバー135が押下操作されたことを契機として開始され、最初に、同図(b)に示すように、左リール110のみを1コマ(図柄1つ分)だけ上方へ回転させた後に、同図(c)に示すような、全てのリール110〜112を上下方向に複数回、回転させてリール110〜112を上下に揺れ動かすような動作と、同図(d)に示すような、全リール110〜112を一緒に上方へ1周分だけ回転させた後に停止させる動作と、を複数回、繰り返して実行し、最後に、同図(e)に示すように、全リール110〜112を下方に通常回転させている。なお、リール演出は、この例に限定されるものではなく、他の態様でリール110〜112を回転させたり揺動させたりしてもよい。
【0200】
<変形例>
図26は変形例に係るリール回転開始処理の流れを示すフローチャートであり、図27は変形例に係る遊技終了演出処理の流れを示すフローチャートである。なお、上記実施形態と同一の部分については、図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略する。
【0201】
変形例に係るリール回転開始処理では、上記図11に示すリール回転開始処理のステップS204〜S207の処理に変えて、ステップS210〜S211の処理を適用している。この回転開始処理では、上述のリール演出発生フラグを参照せずに、ステップS210において、変形例に係る遊技終了演出処理によってRAM308に記憶されるリール加速番号を参照し、このリール加速番号に対応するリール加速データを設定するように構成している。ここで、リール加速番号は、例えば0〜3の数値からなり、0はリール演出なし加速のリール加速データ、1はリール演出あり加速1のリール加速データ、2はリール演出あり加速のリール加速データ2、3はリール演出あり加速3のリール加速データをそれぞれ示している。また、ステップS211では、参照したリール加速番号を0にクリアしている。
【0202】
また、変形例に係る遊技終了演出処理では、上記図15に示す遊技終了演出処理のステップS603、S605の処理に変えて、ステップS620〜S621の処理を適用している。この遊技終了演出処理では、上述のリール演出発生フラグを設定せずに、ステップS620においてリール演出の抽選を行って上述のリール加速番号0〜3のいずれかを選択し、次のステップS621において、抽選で選択したリール加速番号をRAM308に記憶するように構成している。なお、この遊技終了演出処理のステップS609では、第1副制御部400に対して、現在の遊技状態(RT)の情報およびリール加速番号を含む遊技状態更新コマンドを送信し、当該コマンドを受信した第1副制御部400は、リール加速番号に応じた演出を実行する。
【0203】
このような変形例に係るスロットマシンによれば、例えば、主制御部300によるリール演出の抽選で選択する「リール加速番号」と、第1副制御部400による上乗せ振分け抽選で選択する「ゲーム数」と、を対応付けすることで(例えば、リール加速番号0は上乗せ振分け抽選のはずれ(ゲーム数0)を対応付けし、リール加速番号1はゲーム数50を対応付けし、リール加速番号2はゲーム数100を対応付けし、リール加速番号3はゲーム数300を対応付けすることで)、主制御部300が制御するリール演出と、第1副制御部400が制御する上乗せ演出とを関連付けすることができ、従来に無い斬新な演出を提供できる場合がある。
【0204】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン100は、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(例えば、入賞役内部抽選処理)と、複数種類の図柄が施された複数のリール(例えば、リール110〜112)の各々に対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための複数の停止ボタン(例えば、ストップボタン137〜139)と、前記複数のリールを回転させ、前記複数の停止ボタンの各停止操作が行われた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、停止操作が行われた停止ボタンに対応するリールを停止させるリール制御を行うリール制御手段(例えば、リール回転開始処理)と、前記リール制御手段により停止された複数のリールの図柄組合せを判定する判定手段(例えば、入賞判定処理)と、複数種類の遊技状態の中から、前記判定手段による判定結果に基づいて、対応する遊技状態(例えば、通常遊技、BB遊技、RB遊技、AT遊技)に移行させる遊技状態移行手段(例えば、遊技状態制御処理)と、を有する主制御手段(例えば、主制御部300)と、前記主制御手段から一方向通信に構成され、遊技に関する演出制御を行うとともに、遊技者に有利な特典(例えば、AT権利抽選の当選によるモードB(ATモード)への移行、上乗せ抽選の当選による継続ゲームの上乗せ、特別演出、プレミア画像やプレミア音声)を付与可能な特典付与手段を有する副制御手段(例えば、第1副制御部400)と、を備えた遊技台であって、前記主制御手段は、前記各停止操作の順序が所定の順序(例えば、逆押し)であった場合に、所定の待機期間、前記遊技の進行を待機させる待機処理(例えば、当該遊技における待機(フリーズ)、次回遊技におけるリール演出)を行う一方、前記所定の順序以外の順序であった場合に、前記待機処理を行わない待機処理手段(例えば、遊技終了演出処理、リール回転制御処理)と、を有し、前記副制御手段は、前記待機処理が実行されている期間に所定の演出(例えば、特別演出1、特別演出2)を行う演出手段(例えば、演出制御処理)と、前記副制御手段の演出制御の状況に応じて、前記所定の順序で停止操作を行うことを示す報知を行う報知手段(例えば、演出設定処理、演出画像表示装置157)と、前記特典の付与に関わる不利益(例えば、AT権利抽選や上乗せ抽選を行わないペナルティ)を遊技者に付与する不利益付与手段(例えば、演出設定処理)と、を有し、前記不利益付与手段は、前記報知が実行されない遊技における各停止操作の順序が、前記所定の順序であった場合に、前記不利益を遊技者に付与することを特徴とする遊技台である。
【0205】
本実施形態に係るスロットマシン100によれば、主制御手段において待機処理が実行されている期間中に副制御手段において所定の演出を行うことができるため、制御部間の通信が一方向の場合でも各々の制御部によって実行される演出に関連性を持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができる。また、副制御手段において待機処理に合わせたタイミングで演出を行うことによって、主制御手段における待機処理の実行を隠すことができる。さらには、報知が実行されない遊技における各停止操作の順序が所定の順序であった場合に不利益を遊技者に付与するため、無用なフリーズ演出の発生をも回避することによって稼働率の低下を未然に防止できる。
【0206】
また、前記リール制御手段は、第一回転パラメータ(例えば、リール加速データ1)を用いた第一のリール制御(例えば、加速後に一定速度で回転させる制御、一定速で回転させる制御、停止させる制御)と、前記一回転パラメータとは異なる第二回転パラメータ(例えば、リール加速データ2)を用い、前記待機処理の実行中にのみ行う第二のリール制御(例えば、図25を用いて説明したリール演出の制御)と、を有してもよい。
【0207】
このような構成とすれば、リールを用いた演出を行うことが可能で、主制御手段と副制御手段の各々で実行される演出に関連性を持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができる。
【0208】
また、前記主制御手段は、前記複数の停止ボタンのすべての停止操作が行われる前に、前記抽選手段による抽選によって所定の役が内部当選したことを示す内部当選情報(例えば、内部抽選コマンド)を前記副制御手段へ送信する送信手段(例えば、コマンド設定送信処理)を有し、前記待機処理の実行は、前記特典付与手段によって、前記所定の役の内部当選に基づく所定の特典(例えば、メダルの払い出し、RTの移行)が付与されることを示すものであり、前記待機処理手段は、前記所定の役が内部当選した遊技における各停止操作の順序が、前記所定の順序であった場合に、前記待機処理を行い、前記報知手段は、前記所定の特典が付与される場合に、前記報知を行うとともに、前記所定の役が内部当選したことを示す内部当選情報を受信せず、かつ前記所定の特典が付与されない場合でも、前記報知(偽の報知)を行ってもよい。
【0209】
このような構成とすれば、所定の役に内部当選していない場合であっても遊技者に期待感を抱かせることができ、遊技意欲を持続させることができる。
【0210】
また、前記報知手段は、前記特典付与手段によって前記遊技者に有利な特典が付与されている期間中だけ前記報知を行ってもよい。
【0211】
このような構成とすれば、例えば、停止操作の報知(ナビ)を行うモードB(ATモード)の期間中だけ報知を行うため、所定の順序で停止操作を行うことを示す報知を、遊技者に違和感を感じさせることなく行うことができる。
【0212】
また、前記報知手段は、前記待機処理中に、前記不利益付与手段によって前記不利益が付与されることを示唆する報知を行ってもよい。
【0213】
このような構成とすれば、遊技者に対して不利益が付与されることを確実に知らせることができるため、報知後の遊技において同様の停止操作が行われることを抑止することができ、無用なフリーズ演出を回避することによって稼働率の低下を未然に防止できる。
【0214】
なお、本発明に係る遊技台の構成は、上記実施形態に係るスロットマシン100の構成に限定されるものではない。したがって、例えば、上述の遊技終了演出処理では、所定の役に内部当選したか否かの内部当選判定処理(例えば、ステップS602の処理)と、停止ボタンの停止操作の順序が所定の順序であったか否かの停止操作判定処理(例えば、ステップS604の処理)を1回の遊技中(同一の遊技中)に実行する例を示したが、第一の遊技中に内部当選判定処理を実行し、所定ゲーム数が経過した後、第二の遊技中において停止操作判定処理を実行してもよい。このような構成とすれば、内部当選の結果(フラグ)が複数遊技に亘って持ち越し可能な役についても本発明によって得ることができる効果と同様の効果を得ることができる。
【0215】
また、本発明に係る「待機処理」は、遊技状態制御処理における待機(フリーズ)や、次回遊技のスタートレバー操作後のリール演出に限定されず、例えば、入賞判定処理の終了後の所定期間、ストップボタン137〜139のいずれかの停止操作の受付後の所定期間などに待機処理を実行してもよく、また、所定期間の時間の長さも特に限定されない。すなわち、本発明に係る「待機処理」は、遊技の進行を待機させる処理であればよい。
【0216】
また、第一の遊技において内部当選判定処理と停止操作判定処理の条件を満たした場合に、第一の遊技の次回の遊技においてリール演出を行う例を示したが、第一の遊技から所定ゲームが経過した後の遊技においてリール演出を行ってもよい。
【0217】
また、停止ボタンの停止操作の順序が所定の順序でなかった場合に、所定の順序であった場合に停止表示される図柄組合せとは異なる図柄組合せが有効ライン上に揃うように構成してもよい。
【0218】
また、上述の遊技状態更新時処理では、主制御部300からコマンドを受信した場合に特別演出の予約設定を行い、即座に特別演出1を開始する例を示したが、所定の期間後に(例えば、演出の準備が整った後や、実行中の演出を終了させた後に)特別演出1を開始してもよい。
【0219】
また、上記実施形態では、モードB(ATモード)以外のモードA(通常モード)やモードC(ボーナス中モード)においては各種報知(ナビ)を行わないように構成したが、モードB(ATモード)以外の状態において本発明に係る「報知」を実行してもよい。
【0220】
また、主制御部300において待機(フリーズ)が実行されているときは、第1副制御部400において特別演出1を実行し、次回の遊技で主制御部300においてリール演出が実行されているときは、第1副制御部400において特別演出2を実行する例を示したが、例えば、特別演出1、2各々の演出内容が切り替わった際に繋がる連続演出で構成してもよい。このような構成とすれば、遊技者により違和感を与えない演出の実行が可能となる。
【0221】
また、上記実施形態では、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉
)を遊技媒体としたスロットマシンなどにも、本発明は適用可能である。さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0222】
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。また、複数の異なる実施形態を組み合わせて本発明を実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0223】
本発明の遊技台は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ等)に代表される遊技台の分野で特に利用することができる。
【符号の説明】
【0224】
100 スロットマシン
110〜112 リール
135 スタートレバー
137〜139 ストップボタン
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、
複数種類の図柄が施された複数のリールの各々に対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための複数の停止ボタンと、
前記複数のリールを回転させ、前記複数の停止ボタンの各停止操作が行われた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、停止操作が行われた停止ボタンに対応するリールを停止させるリール制御を行うリール制御手段と、
前記リール制御手段により停止された複数のリールの図柄組合せを判定する判定手段と、
複数種類の遊技状態の中から、前記判定手段による判定結果に基づいて、対応する遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段と、
前記主制御手段から一方向通信に構成され、遊技に関する演出制御を行うとともに、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段を有する副制御手段と、を備えた遊技台であって、
前記主制御手段は、
前記各停止操作の順序が所定の順序であった場合に、所定の待機期間、前記遊技の進行を待機させる待機処理を行う一方、前記所定の順序以外の順序であった場合に、前記待機処理を行わない待機処理手段と、を有し、
前記副制御手段は、
前記待機処理が実行されている期間に所定の演出を行う演出手段と、
前記副制御手段の演出制御の状況に応じて、前記所定の順序で停止操作を行うことを示す報知を行う報知手段と、
前記特典の付与に関わる不利益を遊技者に付与する不利益付与手段と、を有し、
前記不利益付与手段は、
前記報知が実行されない遊技における各停止操作の順序が、前記所定の順序であった場合に、前記不利益を遊技者に付与することを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記リール制御手段は、
第一回転パラメータを用いた第一のリール制御と、前記一回転パラメータとは異なる第二回転パラメータを用い、前記待機処理の実行中にのみ行う第二のリール制御と、を有することを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台において、
前記主制御手段は、
前記複数の停止ボタンのすべての停止操作が行われる前に、前記抽選手段による抽選によって所定の役が内部当選したことを示す内部当選情報を前記副制御手段へ送信する送信手段を有し、
前記待機処理の実行は、前記特典付与手段によって、前記所定の役の内部当選に基づく所定の特典が付与されることを示すものであり、
前記待機処理手段は、前記所定の役が内部当選した遊技における各停止操作の順序が、前記所定の順序であった場合に、前記待機処理を行い、
前記報知手段は、前記所定の特典が付与される場合に、前記報知を行うとともに、前記所定の役が内部当選したことを示す内部当選情報を受信せず、かつ前記所定の特典が付与されない場合でも、前記報知を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の遊技台において、
前記報知手段は、前記特典付与手段によって前記遊技者に有利な特典が付与されている期間中だけ前記報知を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の遊技台において、
前記報知手段は、前記待機処理中に、前記不利益付与手段によって前記不利益が付与されることを示唆する報知を行うことを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−94191(P2013−94191A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236691(P2011−236691)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】