説明

遊技機

【課題】押し順に応じて遊技媒体の払い出し数を異ならしめる遊技性を実現させる際に、正解役を構成する図柄組合せをバリエーションに富んだものとする。
【解決手段】役抽選の結果、複数の役が同時に当選状態となっており、その当選態様にストップスイッチの操作順番が設定されている場合において、操作されたストップスイッチの操作順番が正解の押し順である場合には、払出数優先引込制御を適用して払い出し数の多い役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ストップスイッチの操作順番が不正解押し順である場合には、回転リールが全て停止するまでに表示され得る当選役の種類が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる当選数優先引込制御を適用して払い出しの少ない役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ストップスイッチの操作によって回転リールの回転を停止させ、停止図柄が所定の態様となることにより所定の利益が付与される遊技に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、複数図柄の組合せから構成される役について内部抽選を行い、遊技者のストップスイッチの操作に基づき回転リールを停止させる際に、内部抽選の結果が所定の役が当選している場合には、有効ライン上に当選に係る図柄組合せが極力成立するように、内部抽選がハズレの場合には、有効ライン上にいかなる図柄組合せも成立しないように、ストップスイッチの操作タイミングと回転リールの停止タイミングとを調整する停止制御が行われる。
また、内部抽選の結果、複数の役が同時に当選状態になっている場合に、当選役を構成するいずれの図柄を有効ライン上に停止させるかを決定する方法として、最終的に払い出され得る遊技媒体数が最も多くなるように当選図柄を引き込んで回転リールを停止させる払い出し数優先引込制御と、一部の回転リールが停止する状態で表示され得る図柄組合せ数が最も多くなるように当選図柄を引き込んで回転リールを停止させる組合せ個数優先引込制御とが知られている。そして、特許文献1には、このような制御方法を使い分けることにより、優先的に有効ライン上に引き込まれる図柄を異ならせるようにする技術が開示されている。
【0003】
一方、特許文献2に示すように、複数の役を同時当選可能に形成するとともに、その当選状態に応じて、ストップスイッチの操作順番(押し順)を設定し、当選状態に応じて設定された押し順でストップスイッチが操作されたか否かによって、入賞可能な役が異なるようにする技術も知られている。また、当選状態に応じたストップスイッチの押し順を所定の確率で遊技者に向けて報知し、遊技者に有利な状態を作り出すことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−162285号公報
【特許文献2】特開2009−172039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記したように、押し順によって、払い出し数優先引込制御と組合せ個数優先引込制御を使い分け、表示され得る図柄組合せを異ならせ、結果として払い出される遊技媒体数を変化させる場合、払い出し数優先引込制御を用いた場合と組合せ個数優先引込制御を用いた場合とで、引き込まれる図柄が必ず異なるようにするために、回転リールの図柄配列を工夫しなければならない。また、払い出し枚数の多い正解役の図柄組合せ数を不正解役よりも多くすると、押し順が不正解のときに不正解役を引き込めなくなってしまうことから、特に、正解役を構成する図柄組合せのバリエーションを増やすことが困難となり、正解役の入賞態様がいつも同じで代わり映えが無く、遊技が単調になるという問題点があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の払出役が同時に当選状態となっている場合において、ストップスイッチの押し順に応じて適用される停止制御方法を使い分け、遊技媒体の払い出し数を異ならしめる遊技性を実現させる際に、正解役を構成する図柄組合せをバリエーションに富んだものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、複数の図柄が表面に表示された複数の回転リール(40)と、前記回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(18)と、前記各回転リール(40)の回転をそれぞれ停止させるための複数のストップスイッチ(19)と、遊技機の作動を制御する制御装置(20)とを少なくとも備え、前記制御装置(20)は、所定の図柄組合せから構成される役について当選か否かの役抽選を行う当選抽選手段(80)と、前記スタートスイッチ(18)の操作に基づいて前記回転リール(40)を回転開始させるとともに、前記各ストップスイッチ(19)の操作に基づいて、当該ストップスイッチ(19)に対応する前記回転リール(40)の回転停止を制御するリール制御手段(90)とを少なくとも有し、前記複数の回転リール(40)を全て停止させた状態で、当選している役を構成する図柄組合せに含まれる当選図柄が所定の有効ライン上にあらかじめ定められた配列で停止することにより入賞となり、役に応じた利益が付与される遊技機に係る。
【0008】
本発明に係る遊技機は、スロットマシンやパロット遊技機とすることができ、上記構成の他にも、入賞時に遊技媒体を払い出すための払い出し装置(ホッパーユニット65)その他の構成部品を備えていてもよい。なお、「遊技媒体」とは、遊技に使用するメダルや遊技球(パチンコ球)、コインなどを含むものである。
前記リール制御手段(90)は、回転リール(40)の回転開始から回転停止までの制御を行うものであって、前記スタートスイッチ(18)の操作に基づき回転リール(40)を回転させるための駆動モータに駆動信号を出力して、回転リール(40)の回転速度が一定になるまで駆動モータを加速回転させ、その後は一定速度を保ったまま駆動モータを回転させる。また、前記ストップスイッチ(19)の操作に基づき、駆動モータに停止信号を出力して、回転リール(40)の回転を停止させる。この際、当選抽選手段(80)による役抽選の抽選結果に応じて、所定位置に停止させてはいけない図柄を停止させないように「蹴飛ばし」を行うと共に、所定位置に停止させてもよい図柄を極力その位置に停止させるように「引き込み」を行う。すなわち、前記ストップスイッチ(19)の操作時に、当選判定の抽選結果が「ハズレ」の場合にはいかなる当選図柄も有効ライン上に揃わないように、当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選(当たり)の場合には当該当選図柄が極力有効ライン上に揃うように、各駆動モータに停止信号を出力する時間を調整する制御を行う。
【0009】
前記「役に応じた利益」とは、入賞により遊技媒体が払い出されることや、ボーナスゲームなどの有利遊技に移行することや、遊技媒体の投入なしに次遊技を行えること(再遊技)を含むものである。
さらに、請求項1に係る遊技機は、前記役として、入賞により遊技媒体が払い出される複数の払出役(小役)を少なくとも備え、前記役抽選において、払い出し数の異なる複数の払出役が同時に当選する場合があるように形成されているとともに、同時に当選可能な複数の払出役の組合せから成る複数の当選態様に対して、それぞれ、前記ストップスイッチ(19)の操作順番(押し順)が設定されており、前記同時に当選可能な複数の払出役のうち、払い出し数が最も多い払出役には、当該役を構成する図柄組合せが複数個設定されている。
【0010】
ここで、「役を構成する図柄組合せが複数個設定」とは、一つの役が当選した場合に、複数種類の図柄組合せのうちのいずれか一つを有効ライン上に成立させることにより入賞するように設定されていることであり、例えば、一つの払出役を構成する図柄組合せとして、「プラム・赤7・リプレイ」から成る組合せと「プラム・Bar・リプレイ」から成る組合せとが設定されており、いずれの組合せが有効ライン上に成立した場合でも同じ数の遊技媒体が払い出されるような場合である。なお、払い出し数が最も多い払出役以外の払出役についても、複数の図柄組合せを設定していてもよい。
またここで、「同時に当選可能な複数の払出役の組合せから成る複数の当選態様」とは、役抽選を行う際に参照する抽選テーブルに、複数の払出役の重複当選領域が設けられており、各重複当選領域に含まれる払出役のうち少なくとも1つが異なるように設定されている場合の、各重複当選領域に該当するものである。
【0011】
さらに、本発明においては、前記リール制御手段(90)は、前記役抽選の結果、複数の役が同時に当選状態となっている場合において、一の回転リール(40)が停止すると当選役を構成する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に、前記一の回転リール(40)を停止させる際の停止制御として、前記回転リール(40)が全て停止したときに払い出され得る遊技媒体数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リールを停止させる払出数優先引込制御と、前記回転リール(40)が全て停止するまでに表示され得る当選役の種類が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる当選数優先引込制御とを実行可能であるとともに、所定条件に応じていずれか一の制御を択一的に選択して適用するように形成されている。
【0012】
ここで、「回転リール(40)が全て停止したときに払い出され得る遊技媒体数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リール(40)を停止させる」とは、ある回転リール(40)において有効ラインと重なる位置に複数の当選図柄を引き込み可能な場合に、払い出し数の多い当選役を構成する図柄組合せに含まれる当選図柄(以下、当選役の当選図柄と省略する)を優先的に引き込んで停止させることである。具体的には、最初の停止操作の場合には、最大スベリコマ数の範囲内にある最も払い出し数の多い役の当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させ、二番目以降の停止操作では、既に停止している回転リール(40)の停止図柄との関係も考慮して、最大スベリコマ数の範囲内にある最も払い出し数の多い当選役の当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる。なお、最も払い出し数の多い当選役の当選図柄が複数ある場合には、停止テーブルなどによってあらかじめ定められた当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる。
【0013】
また、「回転リール(40)が全て停止するまでに表示され得る当選役の種類が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リール(40)を停止させる」とは、ある回転リール(40)において有効ラインと重なる位置に複数の当選図柄を引き込み可能な場合に、それらの図柄を有効ラインと重なる位置に停止させることにより、最終的に入賞可能な役の種類が最大となるような当選図柄を優先的に引き込んで停止させることである。具体的には、最初の停止操作の場合には、最大スベリコマ数の範囲内にある当選図柄がなるべく多く有効ライン上に停止するように回転リールを停止させ、二番目以降の停止操作では、既に停止している回転リール(40)の停止図柄との関係も考慮して、最大スベリコマ数の範囲内にある当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる。なお、どの当選図柄を有効ライン上に停止させても入賞可能な役の数が同じである場合には、停止テーブルなどによってあらかじめ定められた停止位置で回転リール(40)を停止させる。
【0014】
そして、本発明では、前記ストップスイッチ(19)の操作順番の設定されている当選態様の複数払出役が同時当選している場合において、前記操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番と合致している場合には、前記払出数優先引込制御を適用して払い出し数の多い役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、前記ストップスイッチ(19)の操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番でない場合には、前記当選数優先引込制御を適用して払い出しの少ない役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込むことができるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ストップスイッチ(19)の押し順が当該当選状態に設定されたもの(正解の押し順)である場合には、払出数優先引込制御が適用されて、払い出し数の多い役(押し順正解役)が(設定によっては必ず)入賞し、ストップスイッチ(19)の押し順が当該当選状態に設定されたもの以外(不正解の押し順)である場合には、当選数優先引込制御が適用されて、払い出し数の少ない役(押し順不正解役)が入賞し得る。
【0015】
また、本発明によれば、押し順正解役の図柄組合せ数が、押し順不正解役の図柄組合せ数の合計よりも多い場合であっても、入賞可能な押し順不正解役の数が押し順正解役の図柄組合せ数よりも多ければ、不正解の押し順である場合に押し順不正解役を優先的に入賞させることができる。すなわち、押し順正解役が複数の図柄組合せ数を有していても、押し順が正解の場合と不正解の場合とで、入賞する役を互いに異なるものとすることができる。そして、押し順正解役の図柄組合せのバリエーションを増やすことにより、遊技が単調になるのを防止することができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、複数の図柄が表面に表示された複数の回転リール(40)と、前記回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(18)と、前記各回転リール(40)の回転をそれぞれ停止させるための複数のストップスイッチ(19)と、遊技機の作動を制御する制御装置(20)とを少なくとも備え、前記制御装置(20)は、所定の図柄組合せから構成される役について当選か否かの役抽選を行う当選抽選手段(80)と、前記スタートスイッチ(18)の操作に基づいて前記回転リール(40)を回転開始させるとともに、前記各ストップスイッチ(19)の操作に基づいて、当該ストップスイッチ(19)に対応する前記回転リール(40)の回転停止を制御するリール制御手段(90)とを少なくとも有し、前記複数の回転リール(40)を全て停止させた状態で、当選している役を構成する図柄組合せに含まれる当選図柄が所定の有効ライン上にあらかじめ定められた配列で停止することにより入賞となり、役に応じた利益が付与される遊技機に係る。またこの遊技機は、前記役として、入賞により遊技媒体が払い出される複数の払出役を少なくとも備え、前記役抽選において、払い出し数の異なる複数の払出役が同時に当選する場合があるように形成されているとともに、同時に当選可能な複数の払出役の組合せから成る複数の当選態様に対して、それぞれ、前記ストップスイッチ(19)の操作順番が設定されており、前記同時に当選可能な複数の払出役のうち、払い出し数が最も多い払出役には、当該役を構成する図柄組合せが複数個設定されている。そして、前記リール制御手段(90)は、前記役抽選の結果、複数の役が同時に当選状態となっている場合において、一の回転リール(40)が停止すると当選役を構成する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に、前記一の回転リール(40)を停止させる際の停止制御として、前記回転リール(40)が全て停止したときに払い出され得る遊技媒体数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リール(40)を停止させる払出数優先引込制御と、前記回転リール(40)が全て停止するまでに表示され得る入賞可能な図柄組合せ数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リールを停止させる図柄数優先引込制御と、前記回転リール(40)が全て停止するまでに表示され得る当選役の種類が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる当選数優先引込制御とを実行可能であるとともに、所定条件に応じていずれか一の制御を択一的に選択して適用するように形成されており、前記ストップスイッチ(19)の操作順番の設定されている当選態様の複数払出役が同時当選している場合において、前記操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番と合致している場合には、前記払出数優先引込制御を適用して払い出し数の多い役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、前記ストップスイッチ(19)の操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番でない場合には、前記図柄数優先引込制御を適用して払い出しの少ない役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込むことができ、前記ストップスイッチ(19)の操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番でない場合において、払い出し数の多い役の図柄組合せ数が、払い出し数の少ない役の図柄組合せ数よりも多い場合には、前記当選数優先引込制御を適用して、払い出し数の少ない払出役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込むことができるように形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明は、当選役を構成する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に適用可能な停止制御として、図柄数優先先引込制御をさらに備えているものである。
ここで、「回転リール(40)が全て停止するまでに表示され得る入賞可能な図柄組合せ個数が最大となるように当選図柄を引き込んで回転リール(40)を停止させる」とは、ある回転リール(40)において有効ラインと重なる位置に複数の当選図柄を引き込み可能な場合に、それらの図柄を有効ラインと重なる位置に停止させることにより、最終的に表示され得る図柄組合せ数が最大となるような当選図柄を優先的に引き込んで停止させることである。具体的には、最初の停止操作の場合には、最大スベリコマ数の範囲内にある当選図柄がなるべく多く有効ライン上に停止するように回転リールを停止させ、二番目以降の停止操作では、既に停止している回転リール(40)の停止図柄との関係も考慮して、最大スベリコマ数の範囲内にある当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる。なお、どの当選図柄を有効ライン上に停止させても表示され得る組合せ個数が同じである場合には、停止テーブルなどによってあらかじめ定められた停止位置で回転リール(40)を停止させる。
【0017】
本発明においては、不正解押し順で停止操作された場合に、払い出し数の多い役の図柄組合せ数が、払い出し数の少ない役の図柄組合せ数よりも少ない場合には、図柄数優先引込制御が適用されて払い出し数の少ない役が入賞可能となり、払い出し数の多い役の図柄組合せ数が、払い出し数の少ない役の図柄組合せ数よりも多い場合には、当選数優先引込制御が適用されて払い出し数の少ない役が入賞可能となる。
本発明によれば、押し順を設定する役について、図柄組合せのバリエーションをより豊富なものにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本願発明は、以上のように構成されているので、複数の払出役が同時に当選状態となっている場合において、ストップスイッチの押し順に応じて適用される停止制御方法を使い分け、遊技媒体の払い出し数を異ならしめる遊技性を実現させる際に、正解役を構成する図柄組合せをバリエーションに富んだものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
【図2】スロットマシンの制御装置の入力及び出力の概略を示すブロック図である。
【図3】回転リールの図柄配列を示す図である。
【図4】役を構成する図柄組合せを示す表である。
【図5】抽選テーブルの概念図を示す図である。
【図6】スロットマシンの作動の概略を示す流れ図である。
【図7】スロットマシンの作動の概略のうち、リール回転停止処理の流れを示す流れ図である。
【図8】図柄表示窓に表示されている図柄を示す図である。
【図9】図柄表示窓に表示されている図柄を示す図である。
【図10】本実施の形態の変形例であって、リール回転停止処理の流れを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉3を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源ユニット5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
【0021】
前記前扉3は、筐体11にヒンジ(図示せず)を介して水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉である。そして、前記前扉3の上方には、図1に示すように、遊技者側に向かって臨む上パネル12が設けられており、上パネル12の中央には、3個の回転リール40の図柄を視認可能な図柄表示窓13が形成されている。そして、この図柄表示窓13の下側は、スロットマシン10を作動させるための操作スイッチ(ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ18、ストップスイッチ19)が設けられたカウンター状の操作部3Aとなっており、操作部3Aの右端にはメダル投入口14が設けられている。また、メダル投入口14の下方であって前扉3の裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター4が設けられている。
【0022】
(制御装置20)
制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御を行うものである。制御装置20としては、図2に示すように、遊技制御装置21及び演出御装置22が設けられている。
遊技制御装置21は、主としてスロットマシン10の遊技にかかわる制御を行うためのものである。また演出制御装置22は、前記遊技制御装置21からの諸信号を受信して、主として遊技に付随する演出を制御するためのものである。
【0023】
上記遊技制御装置21の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ18、ストップスイッチ19の各パーツが接続されている。
メダルセンサ15は、図1に示すように、メダルセレクター4に設けられた遮光センサなどの検知手段であって、メダル投入口14から投入されたメダルを検知するためのものである。
ベットスイッチ16は、図1に示すように、操作部3Aの上面左側に位置するスイッチであって、クレジットメダルをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、投入メダルを所定枚数、遊技機内部に貯留しておくことであり、クレジット数は、クレジット表示部31に表示される。そして、ベットスイッチ16を操作するとクレジット表示が減算され、その分のメダルが投入されたものと扱われて遊技が開始可能となるものである。
【0024】
精算スイッチ17は、図1に示すように、前記ベットスイッチ16の左側に位置するスイッチであって、クレジットメダルを払い戻すためのものである。
スタートスイッチ18は、図1に示すように、操作部3Aの前面に設けられたレバーであって、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に、又は、再遊技時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60のリールモータの駆動を開始させるためのものである。
ストップスイッチ19は、リールユニット60のリールモータの駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ19は、図1に示すように、各回転リール40に対応した3個のスイッチから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されているものである。そして、回転リール40に対応したストップスイッチ19の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
【0025】
前記遊技制御装置21の出力側には、図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、ベット表示部30、クレジット表示部31、メダルキャンセル装置4Aの各パーツが接続されている。
リールユニット60は、スロットマシン10の主たる遊技装置であって、枠体に固定あるいは支持された3個のリールモータ(図示せず)と、各々のリールモータの出力軸に固定された3個の回転リール40(左リール41、中リール42、右リール43)とから構成されている。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、図3に示すように、それぞれ21個の図柄が表示されている。
【0026】
ホッパーユニット65は、メダルタンクに貯留されているメダルを1枚ずつ払い出すためのメダル払い出し貯留装置である。ホッパーユニット65から排出されたメダルは、前扉3に設けられたメダル払い出し口から下皿に払い出される。
ベット表示部30は、1回の遊技を行うために投入されたメダル数(掛け枚数)を表示するためのものである。クレジット表示部31は、クレジットとして貯留されているメダル数を表示するためのものである。
メダルキャンセル装置4Aは、メダル投入口14から投入された遊技メダルをキャンセルするためのものである。具体的には、特に図示しないが、ソレノイドの通電によりメダルセレクター4のメダル誘導路に突出爪を突出させ、メダル通路を流下する遊技メダルをメダルセンサ15よりも上流側(メダル投入口14側)でメダル通路から排出させる。排出された遊技メダルは、前扉3の裏面に設けられたメダル通路を落下してメダル払出口から下皿に払い出される。
【0027】
(遊技制御装置21)
遊技制御装置21は、スタートスイッチ18及びストップスイッチ19の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21は、図2に示すように、投入制御手段70、当選抽選手段80、リール制御手段90、遊技結果判定手段100、ホッパー制御手段110、遊技カウンタ120の各手段を備えている。
(投入制御手段70)
投入制御手段70は、遊技メダルの投入に関する制御を行うものである。すなわち、メダルセンサ15の検知信号及びベットスイッチ16の操作信号等に基づいて、クレジット表示部31の表示及びメダルキャンセル装置4Aの作動を制御するものである。
【0028】
ここで、本実施の形態に係るスロットマシン10は、メダル投入口14から遊技メダルを投入することで、1回の遊技につき、最大3枚の遊技メダルをベットする(掛ける)ことができるように形成されている。なお、1回の遊技における最大掛け枚数(規定数)は、遊技状態に応じて変化するように形成してもよい。
また、スロットマシン10に投入された遊技メダルは、あらかじめ定められた枚数(例えば、50枚)まで、電子的に貯留(クレジット)しておくことができるように形成されている。この、クレジットされた遊技メダルの枚数は、クレジット表示部31に表示されるものとなっている。そして、クレジット表示部31にクレジットメダル数が表示されている場合には、メダル投入口14に遊技メダルを投入する代わりに、ベットスイッチ16を操作することにより遊技メダルのベットを行い、スタートスイッチ18を操作可能状態にすることができる。
【0029】
具体的には、投入制御手段70は、規定数が3枚の場合において、クレジット表示部31の表示が「0」の場合にメダル投入口14から遊技メダルが投入される(メダルセンサ15からの検知信号を受信する)と、最初の3枚までについてはベット表示部30にベット表示を行わせる。3枚を超えて投入した分については、クレジット表示部31の表示を加算する。ベット表示部30にベット数が表示されていない状態でかつクレジット表示部31の表示が「3」以上の場合に、ベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部31の表示を「3」減算し、ベット表示部30に3枚のベット表示を行い、遊技メダルを3枚ベットした扱いとする。なお、クレジット表示部31の表示が「3」未満の場合にベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部31に表示されている分の遊技メダルをベットした扱いとする。また、規定数が3以下の場合には、ベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部31の表示を規定数の分だけ減算し、ベット表示部30に規定数のベット表示を行い、遊技メダルを規定数だけベットした扱いとする。
【0030】
さらに、クレジット表示部31の表示が「50」に達した場合には、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、メダルセレクター4の内部に残留している遊技メダル及びそれ以降メダル投入口14から投入されるメダルを、メダルセレクター4からキャンセルさせる。キャンセルされた遊技メダルは下皿に払い戻される。
なお、回転リール40の回転中や、ホッパーユニット65がメダルを払い出している最中などの所定の場合においては、投入制御手段70はベットスイッチ16の操作信号を受け付けないと同時に、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、遊技者によるベットを行わせない。また、後述するが、所定の場合には自動的にベットを行うようになっている。
【0031】
(当選抽選手段80)
当選抽選手段80は、複数の回転リール40で表示される図柄の組合せから構成される所定の「役」について当選したか否かを抽選により決定するものであり、図2に示すように、役抽選テーブル81と、判定手段82と、抽選テーブル変更手段83の手段を備えている。そして、スタートスイッチ18の操作信号受信のタイミングで、特に図示しないカウント抽出手段がループカウンタの数値を読み取り、判定手段82がこの数値と役抽選テーブル81とを比較して、当選の有無を判定するものである。
役抽選テーブル81は、前記ループカウンタがカウントする数値(例えば0〜65535)を全領域として各当選項目の当選領域を規定したものである。判定手段82は、カウント抽出手段がピックアップしたカウントデータと、前記役抽選テーブル81の当選判定領域データとを照合し、カウントデータが所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウントデータがいずれの当選領域にも属さない場合には、「ハズレ」の決定をするものである。
【0032】
ここで、スロットマシン10は、ストップスイッチ19の操作によって所定の図柄組合せが有効ライン上に揃って停止すると入賞となり、役に応じた利益が付与されるようになっている。前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される払出役としての小役と、入賞により次遊技において遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、入賞によりボーナスゲームに移行するボーナス役とを備えている。なお、有効ラインとは、3個の回転リール40にそれぞれ表示されている図柄のうち図柄表示窓13から視認可能な縦3個横3個合計9個の図柄を1個ずつ繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインであって、本実施の形態においては、図1に示すように、2本の有効ラインが設定されている。具体的には、各回転リール40の中段に位置する図柄を結ぶセンターラインL1と、左リール41の上段に位置する図柄、中リール42の中段に位置する図柄、右リール43の下段に位置する図柄を結ぶ右下がりラインL2とが設定されている。なお、有効となるライン数が、投入メダルの規定数によって変化するように形成してもよい。
【0033】
本実施の形態においては、図4に示すように、ボーナス役として、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せからなるボーナス役「BB」と、「Bar・Bar・Bar」の図柄組合せからなるボーナス役「RB」とが設けられている。
また、再遊技役としては、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せからなる「リプレイ」が設けられている。
また、小役としては、「プラム・赤7・リプレイ」、「プラム・Bar・リプレイ」、「プラム・チェリー・リプレイ」の3個の図柄組合せからなる小役「プラム1」と、「プラム・プラム・プラム」の図柄組合せからなる小役「プラム2」と、「リプレイ・プラム・チェリー」の図柄組合せからなる小役「プラム3」が設けられている。また、同じく小役として、「Bar・ベル・赤7」の図柄組合せからなる小役「特殊A」と、「Bar・赤7・ベル」の図柄組合せからなる小役「特殊B」と、「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せからなる小役「ベル」と、「チェリー・any・any」(anyは何の図柄でもよい)の図柄組合せからなる小役「チェリー」とが設けられている。
【0034】
前記小役は、図4に示すように、入賞により所定枚数の遊技メダルが払い出される。「プラム1」は9枚、「プラム2」は2枚、「プラム3」は1枚、「特殊A」及び「特殊B」はそれぞれ1枚、「ベル」は11枚、「チェリー」は1枚の入賞メダルが払い出される。また、「BB」が入賞すると、ボーナスゲームであるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)に移行し、「RB」が入賞すると、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)に移行する。
前記BBゲームは、RBゲームが連続して行われる遊技期間である。RBゲームとは、通常遊技に比べて小役の当選確率が高く設定された遊技期間である。RBゲームに移行した場合には投入メダルの規定数を1枚に変更してもよい。RBゲームは、所定回数の入賞又は所定回数の遊技終了により終了するものである。そして、BBゲームに移行すると、RBゲームが無条件で、すなわちRBゲームに移行させるための図柄(RB図柄)を揃えることなく開始され、1回のRBゲームが終了すると、再び無条件で次のRBゲームが開始される。そして、BBゲームは、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数を超えた場合に終了する。なお、BBゲーム中に、所定のRB図柄を揃えた場合にRBゲームが開始されるようにしてもよい。
【0035】
ここで、抽選の結果、いずれかの役が当選すると、当選に対応する当選フラグが成立する。当選役が小役の場合には小役フラグ(プラム1フラグ、ベルフラグなど)が、ボーナス役の場合にはボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)が、再遊技役の場合にはリプレイフラグがそれぞれ成立する。小役フラグ及びリプレイフラグは当該遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナス役が入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス役当選の場合には、当選の権利が次遊技以降に持ち越されるようになっている。また、ボーナスフラグが持ち越されている間(ボーナス内部中)は、BB、RBの当選判定は行われない。一方、ボーナス内部中であっても再遊技役と小役についての当選判定は行うので、ボーナスフラグと小役フラグ又はリプレイフラグが同時に成立した状態(同時当選状態)となる場合が生じる。さらに、本実施の形態では、以下に述べるように、役抽選テーブル81には、複数の役が同時に当選となる重複当選領域が設けられており、カウント抽出手段が抽出したカウントデータが前記した重複当選領域に属する場合には、当該領域に含まれる役の全てについて、それぞれに対応する当選フラグを成立させることになる。
【0036】
抽選テーブル変更手段83は、遊技状態に応じて、複数設けられている役抽選テーブル81の中から使用する役抽選テーブル81を選択決定するためのものである。
ここで、本実施の形態における役抽選テーブル81の具体例を図5に示す。なお、図5は各役抽選テーブル81の判定領域を模式的に表したものであって、テーブル上に占める実際の領域の大きさを表すものではない。役抽選テーブル81としては、通常遊技中に用いられるテーブルA及びB、ボーナス内部中に用いられるテーブルC、ボーナスゲーム中に用いられるテーブルDが設けられている。
テーブルAは、ボーナス役、小役、再遊技役の当選領域が所定の範囲(所定の確率で)で設定されているものである。一方、テーブルBは、ボーナス役、小役の当選領域はテーブルAと同等であるが、テーブルAよりも再遊技役の当選領域が大きく(当選確率が高く)なるように設定されている。テーブルBを用いて役抽選が行われる遊技期間をリプレイタイム(以下RT)という。
【0037】
ここで、RTは、再遊技役の当選確率が通常遊技状態(上記テーブルAを用いて役抽選が行われる遊技期間)と異なるように設定された、所定の開始契機該当により開始され所定の終了契機該当により終了する遊技期間の総称である。本実施の形態のように、再遊技役の当選確率が高く設定されたRTに移行すると、ベットなしで遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなることから、一種の有利状態となる。本実施の形態においては、RTへの移行契機は、ボーナスゲームが終了した場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示(入賞を含む)された場合のいずれかとすることができる。また、RTの終了契機は、ボーナスフラグが成立した場合、ボーナス役が入賞した場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示(入賞を含む)された場合、所定回数の遊技が終了した場合のいずれかとすることができる。
【0038】
なお、再遊技役の当選確率がテーブルAともテーブルBとも異なる役抽選テーブル81を設け、複数種類のRTを実行可能な仕様にしてもよい。
前記テーブルCには、前記テーブルAと同等の範囲の小役の当選領域が設けられているが、ボーナス役の当選領域が設けられていない。
ここで、テーブルA〜Cには、小役の重複当選領域が3個ずつ設けられている。すなわち、図5に示すように、「プラム1、プラム2、プラム3」が同時に当選する領域と、「プラム1、プラム2、プラム3、特殊A」が同時に当選する領域と、「プラム1、プラム2、プラム3、特殊B」が同時に当選する領域とが設けられている。
【0039】
さらに、本実施の形態では、上記した3個の重複当選領域に対して、ストップスイッチ19の左、中、右の3個の停止ボタンに基づく3通りの押し順が、それぞれ割り当てられている。具体的には、領域「プラム1、プラム2、プラム3」(以下プラム左と省略する)に対しては、左ボタンを最初に操作する押し順が、領域「プラム1、プラム2、プラム3、特殊A」(以下プラム中と省略する)に対しては、中ボタンを最初に操作する押し順が、領域「プラム1、プラム2、プラム3、特殊B」(以下プラム右と省略する)に対しては、右ボタンを最初に操作する押し順が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている押し順が、各当選状態に対する正解の押し順となる。そして、前記重複当選領域のいずれかが当選した場合、正解の押し順で停止操作を行ったか否かによって、対応する回転リール40を停止させる際に適用される制御方法が変化するようになっているが、これについては後述する。
【0040】
なお、押し順の設定は、上記した3通りを設定する場合に限られない。例えば、同一領域に含まれる役の組合せがそれぞれ異なる重複当選領域を6個設け、3個の停止ボタンに基づく6通りの押し順(左中右、左右中、中左右、中右左、右中左、右左中)を、6個の重複当選領域にそれぞれ割り当てることもできる。
ボーナス中テーブルDには、「プラム1」「プラム2」「プラム3」「ベル」「チェリー」の重複当選領域が設けられている。ボーナス中テーブルDでは、払い出し小役の当選確率が通常テーブルに比べて非常に高いので、短期間でメダルの大量獲得が可能となる(純増枚数が増大する)。なお、ボーナス中には小役の配当が変化するように形成してもよい。
【0041】
そして、抽選テーブル変更手段83は、通常遊技中においては、役抽選に用いる役抽選テーブル81として上記したテーブルAを選択し、所定のRT移行契機に該当した場合にはテーブルBに変更する。また、通常遊技中にボーナス役が当選した場合にはテーブルCに変更し、ボーナス内部中遊技又は通常遊技中にボーナスが入賞した場合にはテーブルDに変更する。さらに、所定のRT終了契機に該当し又はボーナスゲームが終了した場合には、役抽選に用いる役抽選テーブル81をテーブルAに戻す。ただし、RTの終了契機が所定回数の遊技消化に設定されており、ボーナスゲーム終了時点でも設定回数が終了していない場合には、ボーナスゲームの終了後にテーブルBに戻すようになっている。
【0042】
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、スタートスイッチ18及びストップスイッチ19の操作信号に基づいて、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、図2に示すように、回転制御手段91と、停止制御手段92とを少なくとも備えている。
(回転制御手段91)
回転制御手段91は、スタートスイッチ18の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のリールモータを駆動させて回転リール40を回転させるためのものである。具体的には、規定数のベットがされている状態でスタートスイッチ18の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、各回転リール40のリールモータに駆動信号を出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせるものとなっている。
【0043】
(停止制御手段92)
停止制御手段92は、リールユニット60に設けられた回転リール40の回転を検知するためのインデックスセンサ(図示せず)の検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ19が操作された時点での回転リール40の回転角度から、所定の有効ライン上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準として、この基準図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、例えば5コマ)移動したときの図柄までの範囲で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、停止制御手段92は、ストップスイッチ19が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数の範囲内となるように、リールモータの駆動停止を制御するものである。具体的には、前記基準図柄をその位置に停止させてもよい場合にはそのまま回転リール40を停止させ、その位置に停止させてはいけない場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上からその当選図柄を蹴飛ばして停止させる。また、最大スベリコマ数の範囲内に、当選図柄が含まれている場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止させる。
【0044】
そして、停止制御手段92は、図2に示すように、停止データ記憶手段921、停止データ選択手段922、優先度判定手段923、及び停止信号出力手段924の各手段を備えている。
(停止データ記憶手段921)
停止データ記憶手段921は、回転リール40の停止を制御する際の制御データである停止データを記憶しているものである。
停止データには、優先度に基づいて停止位置候補を特定するための優先度判定データと、基準図柄から何コマ回転させて回転リール40を停止させるかを、役抽選の結果及びストップスイッチ19の操作タイミングに応じて各当選図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルとが含まれる。本実施の形態においては、優先度判定データに規定されている、基準図柄から最大スベリコマ数の範囲内に位置する図柄の優先度に基づいて、ロジック演算により停止位置を決定する優先度判定停止制御と、停止テーブルに基づいて停止位置を決定するテーブル停止制御とが併用されている。具体的には、原則として、優先度判定停止制御が適用され、優先度判定停止制御により停止位置を特定できない場合(例えば抽選結果がハズレの場合や最高優先度の停止位置候補が複数ある場合)には、テーブル停止制御が適用されるようになっている。そして、停止データ記憶手段921は、上記した双方の制御方法に応じた停止データ、すなわち優先度判定データ及び停止テーブルを記憶している。
【0045】
前記停止テーブルとしては、当選図柄引き込みテーブルと、ハズレテーブルとが設けられている。当選図柄引き込みテーブルは、当選図柄の配列が有効ライン上に停止し、かつ、当選図柄以外の図柄が有効ライン上に停止しないように、対応する回転リール40の停止位置をあらかじめ規定してあるものである。ハズレテーブルは、いずれの役を構成する図柄組合せも有効ライン上に停止しないように、対応する回転リール40の停止位置をあらかじめ規定してあるものである。
前記優先度判定データの優先度は、単一の役が当選している場合には、基準図柄から最大スベリコマ数の範囲内にある当該当選役を構成する当選図柄の優先度が最も高くなるように設定されており、複数の役が同時に当選状態となっている場合には、ボーナス役、小役、再遊技役の順に優先度が高くなるように設定されている。つまり、ボーナス役と小役が同時に当選している場合には小役図柄が優先され、ボーナス役と再遊技役が同時に当選している場合にはリプレイ図柄が優先される。なお、小役と再遊技役が同時当選可能に形成した場合(役抽選テーブル81に小役と再遊技役の重複当選領域がある場合)には、小役と再遊技役が同時に当選したときにはリプレイ図柄が優先される。
【0046】
また、複数の役が同時に当選状態となっている場合において、一の回転リール40が停止すると当選役を構成する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に、前記一の回転リール40を停止させる際の優先度判定停止制御として、回転リールが全て停止したときに払い出され得る遊技媒体数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リール40を停止させる払出数優先引込制御(以下枚数優先引込制御という)と、回転リール40が全て停止するまでに成立し得る当選役の種類が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる当選数優先引込制御が設けられており、停止データ記憶手段921は、これらの制御に関するデータを優先度判定データとして記憶している。
【0047】
枚数優先引込制御に関するデータとしては、役を構成する図柄組合せに含まれる各図柄について、入賞時の払い出し枚数が多いほどポイントが高くなるよう設定された所定のポイントを記憶したポイントデータが設けられている。例えば、11枚役の「ベル」を構成するベル図柄には7ポイント、9枚役の「プラム1」を構成するプラム図柄、リプレイ図柄、赤7図柄、Bar図柄、及びチェリー図柄にはそれぞれ5ポイント、2枚役の「プラム2」を構成するプラム図柄には3ポイント、1枚役の「プラム1」を構成するリプレイ図柄及びプラム図柄にはそれぞれ1ポイント、1枚役の「チェリー」を構成するチェリー図柄には1ポイント、というように、所定のポイントが図柄種類ごとに設定されている。なお、ボーナス役及び再遊技役は払い出しがないので、ボーナス役を構成する赤7図柄とBar図柄、及び再遊技役を構成するリプレイ図柄にはポイントは無し(0ポイント)である。
【0048】
また、当選数優先引込制御に関するデータとしては、成立している当選フラグに対して、所定のポイントを記憶したポイントデータが設けられている。具体的には、回転リール40が全て停止するまでに有効ライン上に成立する可能性のある役の種類1個に対して1ポイントが設定されている。
ここで、有効ライン上に成立する可能性のある役の種類が1個である場合とは、例えば「プラム1」「プラム2」「プラム3」が同時に当選しているときに、左リール41について最初にストップスイッチ19が操作(第一停止操作)され、上段にリプレイ図柄が位置する場合である。すなわち、図3に示すように、左リール41はリプレイ図柄の直下にプラム図柄がないため、この場合には「プラム3」のみが右下がりラインL2上に成立可能となるものである。また、有効ライン上に成立する可能性のある役の種類が2個である場合とは、上述の例で、中段にプラム図柄が位置する場合である。すなわち、左リール41はプラム図柄の直上にリプレイ図柄がないため、この場合には、中段ラインL1上に「プラム1」又は「プラム2」が成立可能となるものである。さらに、有効ライン上に成立する可能性のある役の種類が2個以上である場合とは、上述の例で、上段にプラム図柄、中段にリプレイ図柄が位置する場合である。この場合には、右下がりラインL2上に「プラム1」又は「プラム2」が成立可能であるとともに、中段ラインL1上に「プラム3」が成立可能となる。
【0049】
なお、停止制御手段92としては、優先度判定停止制御として、回転リール40が全て停止するまでに表示され得る入賞可能な図柄組合せ個数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リール40を停止させる図柄数優先引込制御を実行可能であってもよく、停止データ記憶手段921は、図柄数優先引込制御に関するデータを優先度判定データとして記憶していてもよい。
図柄数優先引込制御に関するデータとしては、役を構成する図柄組合せに対して、所定のポイントを記憶したポイントデータを設けることができる。具体的には、回転リール40が全て停止するまでに有効ライン上に成立する可能性のある図柄組合せ1個に対して1ポイントが設定されているものである。ここで、有効ライン上に成立する可能性のある図柄組合せが1個である場合とは、例えば、仮に、右下がりラインL2が無効ラインであり、「プラム2」と「プラム3」の2つのみが同時に当選可能であるとして、左リール41について第一停止操作がされ、中段にプラム図柄又はリプレイ図柄のいずれかが位置する場合である。この場合には、図柄組合せ数が1個である「プラム2」と「プラム3」のいずれか一方のみが成立可能となる。また、有効ライン上に成立する可能性のある図柄組合せが2個以上である場合とは、例えば、仮に、中段ラインL1が無効ラインであり、「プラム1」と「プラム3」の2つのみが同時に当選可能であるとして、左リール41について第一停止操作がされ、上段にプラム図柄が位置する場合である。すなわち、左リール41はプラム図柄が2コマ以上離れて配置されているため、この場合には、右下がりラインL2上に図柄組合せ数が3個の「プラム1」が成立可能となる。
【0050】
(停止データ選択手段922)
前記停止データ選択手段922は、回転リール40を停止させる際に用いる停止データを、所定条件に応じて選択するためのものである。換言すれば、所定条件に応じて停止制御方法を変更させるためのものである。
具体的には、停止データ選択手段922は、いずれかの役が当選している場合(いずれかの当選フラグが成立しているとき)には、停止テーブルとして、当該当選に対応する当選図柄引き込みテーブルを選択し、いずれの役も当選していない場合(当選フラグが成立していないとき)には、ハズレテーブルを選択する。
【0051】
また、停止データ選択手段922は、いずれの役も当選していない場合、及び単一の役が当選している場合には、枚数優先引込制御を選択する。一方、複数の役が同時に当選状態となっている場合において、一部の回転リール40が停止している状態で、当選役を構成する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合には、条件に応じて、当選数優先引込制御を選択するようになっている。具体的には、当選状態に応じてストップスイッチ19の押し順が割り当てられている場合、すなわち「プラム左」「プラム中」「プラム右」のうちいずれかが当選している場合において、ストップスイッチ19の押し順が正解の押し順である場合には枚数優先引込制御を選択し、押し順が不正解の押し順である場合には個数優先引込制御を選択する。なお、複数の役が同時に当選状態となっている場合であっても、当該当選状態に押し順が割り当てられていない場合、例えばボーナス内部中に「ベル」「チェリー」「リプレイ」などが単独当選した場合には、枚数優先引込制御を選択する。
【0052】
(優先度判定手段923)
優先度判定手段923は、前記優先度判定データに基づいて優先度を判定し、回転リール40の停止位置候補を特定するものである。
(枚数優先引込制御)
具体的には、枚数優先引込制御が適用されている場合には、当選役の種類に応じた優先順位及び上記した図柄種類に応じたポイントのカウントにより、優先度が最も高い停止位置候補を特定する。以下、具体例を挙げて説明する。
例えば左リール41について最初の停止操作が行われ、そのタイミングで停止可能な図柄の配列が、図8(A)に示すように、図柄表示窓13の上段に左リール41の図柄番号8のリプレイ図柄、中段に図柄番号9のBar図柄、下段に図柄番号10のチェリー図柄の並びであるとする。また、前記タイミングで停止操作したとき最大限引き込み可能な図柄は図柄番号6のベル図柄であるとする。
【0053】
この場合において、役抽選の結果がハズレの場合には、どの図柄も優先度は「0」となり、停止テーブル(ハズレテーブル)に従って停止位置が決定される。また、「RB」「リプレイ」「チェリー」のいずれかが単独で当選している場合、及び図柄組合せの左リール41に対応する位置にリプレイが含まれる「プラム3」が当選している場合には、各当選役を構成する図柄組合せに含まれる図柄を有効ライン上に位置させる停止形が優先度の最も高い停止位置候補に特定される。このようにして停止位置候補を特定すると、「リプレイ」又は「プラム3」又は「RB」がそれぞれ単独当選している場合には、図8(A)の位置で左リール41が停止することとなる。また、「プラム2」又は「プラム3」又は「リプレイ」が当選している場合には、プラム図柄を1コマ滑らせて、図8(B)に示す位置で左リール41が停止し、「ベル」が当選している場合には、ベル図柄を2コマ滑らせて、図8(C)に示す位置で左リール41が停止することとなる。
【0054】
また、「RB」と、「リプレイ」又は「ベル」のいずれかが同時に当選している場合には、リプレイ図柄又はベル図柄を有効ライン上に位置させる停止形が優先度の最も高い停止位置候補に特定される。
さらに、「プラム左」「プラム中」「プラム右」のいずれかが当選している場合には、図8(A)の位置で停止させるとすると、表示されている図柄のポイント合計値が1(リプレイ=1、Bar=0、チェリー=0)であるのに対し、図8(B)の位置で停止させるとすると、表示されている図柄のポイント合計値が6(プラム=5、リプレイ=1、Bar=0)となるため、ポイント数の多いプラム図柄を上段に停止させる図8(B)の停止形が優先度の最も高い停止位置候補に特定される。
【0055】
ここで、前述したように、「プラム左」「プラム中」「プラム右」のいずれかが当選している場合には、各当選状態に割り当てられた正解の押し順でストップスイッチ19が操作されることにより、枚数優先引込制御が適用されることとなる。そして、「プラム1」を構成する各図柄は、図3に示す各回転リール40の図柄配列に示すように、左リール41においては、プラム図柄が最大スベリコマ数の範囲内に位置し、中リール42においては、赤7図柄、Bar図柄、チェリー図柄の全てが最大スベリコマ数の範囲内に位置し、右リール43においては、リプレイ図柄が最大スベリコマ数の範囲内に位置し、かついずれの図柄も同一リール上で同時に有効ライン上に位置することがないようになっている。回転リール40の図柄配列をこのように形成することにより、ストップスイッチ19の押し順が、当選状態に対応した正解の押し順と合致している場合には、払い出し枚数の最も多い「プラム1」が必ず有効ライン上に引き込まれるような設定を実現しているものである。
【0056】
(当選数優先引込制御)
一方、前述したように、重複当選領域である「プラム左」「プラム中」「プラム右」のいずれかが当選している場合に、ストップスイッチ19が不正解の押し順で操作された場合には、当選数優先引込制御が適用される。優先度判定手段923は、当選数優先引込制御が適用されている場合には、入賞可能な当選役の種類のカウントにより、優先度が最も高い停止位置候補を特定する。以下、具体例を挙げて説明する。
例えば、「プラム中」が当選しており、左リール41について第一停止操作が行われ(ストップスイッチ19が不正解の押し順で操作されている)、そのタイミングで停止可能な図柄の配列が、図8(A)に示すものであったとする。この場合、図8(A)や(C)の位置で停止させるとすると、入賞可能な当選役の数(当選数)の合計値が1(プラム3)であるのに対し、図8(B)の位置で停止させるとすると、当選数の合計値が3(プラム1、プラム2、プラム3)となるため、合計値が最も多い図8(B)の停止形が優先度の最も高い停止位置候補に特定される。ただし、この停止形は、前述した第一停止の左リール41が正解の押し順である場合と同じである。
【0057】
さて、上記したような場合において、右リール43について第二停止操作が行われ、そのタイミングで停止可能な図柄の配列が、図9(A)に示すものであるとする。また、前記タイミングで停止操作したとき最大限引き込み可能な図柄は図柄番号1のリプレイ図柄であるとする。この場合、図9(A)の位置で停止させるとすると、当選数の合計値が1(プラム1)であり、図9(B)の位置では入賞可能な当選役が無い(当選数0)のに対し、図9(C)の位置で停止させるとすると、当選数の合計値が2(プラム2、プラム3)となるため、合計値が最も多い図9(C)の停止形が優先度の最も高い停止位置候補に特定される。
【0058】
ここで、「プラム2」及び「プラム3」を構成する各図柄は、図3に示すように、左リール41においては、全てのリプレイ図柄はプラム図柄の直下に配置されており、右リール43においては、全てのプラム図柄はチェリー図柄の直上に配置されている。また、全ての回転リール40において、「プラム2」「プラム3」を構成する図柄は最大スベリコマ数の範囲内に位置している。すなわち、「プラム2」及び「プラム3」は、常に複数の有効ライン上に同時に表示され得るようになっている。回転リール40の図柄配列をこのように形成することにより、ストップスイッチ19の押し順が、当選状態に対応した正解の押し順と合致していない場合には、払い出し枚数の最も多い「プラム1」以外の「プラム2」及び「プラム3」が必ず有効ライン上に引き込まれ、かつ重複入賞し得るような設定を実現しているものである。
【0059】
(個数優先引込制御)
ここで、前述したように、停止制御手段92は、図柄数優先引込制御を実行可能である。図柄数優先引込制御の適用条件については本実施の形態においては説明を省略するが、所定の遊技状態に応じて、個数優先引込制御の適用が一義的に決められていればよい。
そして、優先度判定手段923は、図柄数優先引込制御が適用されている場合には、入賞可能な図柄組合せ個数のカウントにより、優先度が最も高い停止位置候補を特定する。以下、具体例を挙げて説明する。
例えば左リール41について最初の停止操作が行われ、そのタイミングで停止可能な図柄の配列が、図8(A)に示すように、図柄表示窓13の上段に左リール41の図柄番号8のリプレイ図柄、中段に図柄番号9のBar図柄、下段に図柄番号10のチェリー図柄の並びであるとする。また、前記タイミングで停止操作したとき最大限引き込み可能な図柄は図柄番号6のベル図柄であるとする。この場合において、「プラム1」と「プラム3」が同時に当選している場合には、3個の図柄組合せを有する「プラム1」を構成するプラム図柄を有効ライン上に位置させる停止形が優先度の最も高い停止位置候補に特定される。このようにして停止位置候補を特定すると、プラム図柄を1コマ滑らせて、図8(B)に示す位置で左リール41が停止することとなる。
【0060】
また、第一停止した左リール41の上段にプラム図柄、中段にリプレイ図柄が位置しており、右リール43について第二停止操作が行われ、そのタイミングで停止可能な図柄の配列が、図9(A)に示すものであるとする。また、前記タイミングで停止操作したとき最大限引き込み可能な図柄は図柄番号1のリプレイ図柄であるとする。この場合において、「プラム1」と「プラム3」が同時に当選している場合には、図9(A)の位置で停止させるとすると、図柄組合せ数の合計値が3(プラム1)であるのに対し、図9(B)の位置では入賞可能となる組合せが無く(図柄組合せ数0)、図9(C)の位置で停止させるとすると、図柄組合せ数の合計値が2(プラム2、プラム3)となるため、合計値が最も多い図9(A)の停止形が優先度の最も高い停止位置候補に特定される。
【0061】
ところで、上記例において、個数優先引込制御を適用した場合の停止位置候補は、枚数優先引込制御を適用した場合の停止位置候補と同じ結果(プラム1を入賞可能とする)である。これは、「プラム左」「プラム中」「プラム右」のいずれかが当選している場合に、ストップスイッチ19が正解の押し順で操作されても、不正解の押し順で操作されても、プラム1が有効ライン上に成立するような選択が行われる場合があるということである。すなわち、押し順正解役(プラム1)の図柄組合せが複数あり、押し順不正解役(プラム2、プラム3)の図柄組合せ数の合計がそれよりも少ない場合には、このような事態が起こりうる。かかる不都合を回避するために、本実施の形態においては、押し順が不正解の場合には、当選数優先引込制御を適用することとしたのである。
【0062】
(停止信号出力手段924)
停止信号出力手段924は、操作されたストップスイッチ19に対応する回転リール40のリールモータの駆動を停止させるための(つまり停止操作された回転リール40の回転を停止させるための)停止信号を出力するためのものである。
具体的には、停止信号出力手段924は、いずれかのストップスイッチ19が操作された場合には、前記優先度判定手段923が決定した停止位置候補が所定の停止位置となったとき、又は停止テーブルにおいて停止させる図柄としてあらかじめ定められている図柄が所定の停止位置となったときに、リールユニット60に設けられているリールモータの駆動を制御するためのモータ制御基板(図示せず)に停止信号を出力する。
【0063】
(遊技結果判定手段100)
遊技結果判定手段100は、回転リール40が全て停止したときの停止図柄に基づいて遊技結果の判定をするものである。すなわち、有効ライン上に当選役を構成する図柄組合せが表示された場合には、役に応じた処理を行わせる。具体的には、小役が入賞した場合には、図4に示すように役に応じた枚数のメダルを払い出す処理を行わせ、ボーナス役が入賞した場合にはボーナスゲームに移行させる処理を行わせ、再遊技役が入賞した場合には次遊技のためのメダルが投入された扱いとする(自動ベット)処理を行わせる。
なお、所定の図柄組合せの表示がRTへの移行契機となっている場合において所定の図柄組合せ(役を構成するものでなくてもよい)が表示された場合には、RTに移行させるためのRTフラグを成立させてその旨を記憶する。
【0064】
(ホッパー制御手段110)
ホッパー制御手段110は、精算スイッチ17の操作信号及び前記遊技結果判定手段100の判定結果に基づいてホッパーユニット65の作動を制御するためのものである。すなわち、クレジットが在る場合に精算スイッチ17が操作されたときにはホッパーユニット65を作動させてクレジットメダルを払い戻し、遊技結果判定手段100から所定枚数の払い出し指令を受けた場合にはホッパーユニット65を作動させて当該枚数のメダルを払い出す。
(遊技カウンタ120)
遊技カウンタ120は、遊技に関する数値を計測するものである。具体的には、ボーナスゲーム中の入賞回数、遊技回数、払い出しメダル数などをカウントし、あらかじめ定められた数値となった場合にはカウントを終了する。遊技カウンタ120がカウントを終了することによりBBゲームやRBゲームやRTなどの有利遊技状態が終了し、通常遊技状態に戻る。このように、遊技カウンタ120は、ボーナスゲームを制御する手段として機能するとともに、RTなどのボーナスゲーム以外の有利遊技状態を制御する手段としても機能するものである。
【0065】
(演出制御装置22)
演出制御装置22は、遊技制御装置21からの出力信号、スタートスイッチ18等の操作手段の操作信号に基づいて、演出表示部66を制御するためのものである。
演出制御装置22の出力側には、図2に示すように、演出表示部66(画像表示装置67及びランプ68及びスピーカ69)が接続されている。画像表示装置67は、回転リール40の上方に設けられた窓部であり、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示装置67としては上記のものに限られず、例えば演出専用の回転リールを設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしてもよい。ランプ68及びスピーカ69は、発光体の点灯又は点滅、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
【0066】
そして、演出制御装置22は、図2に示すように、少なくともAT制御手段130として機能する。
(AT制御手段130)
AT制御手段130は、アシストタイム(AT)を制御する手段である。すなわち、所定のAT開始条件に該当した場合には、ATゲームを開始させるとともに、所定のAT終了条件に該当した場合には、ATゲームを終了させる。
そして、ATゲーム中は、ストップスイッチ19の操作順番を報知するいわゆる押し順ATを行わせるようになっている。前述したように、複数小役の同時当選領域である「プラム左」「プラム中」「プラム右」には、それぞれ押し順が割り当てられている。そして、AT制御手段130は、押し順の種類に応じた表示データを備え、遊技制御装置21から、押し順が設定されている当選エリアが当選した信号を入力したときには、当該押し順に応じた表示データを選択し、例えば画像表示装置67に表示させる。表示は、例えば、3個のストップスイッチ19のうち、最初に停止操作すべき停止ボタンを左、中、右などの文字や矢印で表示する。また、押し順の報知は、画像表示装置67を用いたものに限られない。例えば、各ストップスイッチ19の停止ボタンの内部に発光体を設け、停止ボタンの発光色を例えば赤から青に変化させることにより、操作すべきストップスイッチ19を報知するようにしてもよい。
【0067】
報知に従い、ストップスイッチ19が正解の押し順で操作された場合には、遊技者に有利な結果がもたらされる。すなわち、停止制御手段92で説明したように、枚数優先引込制御が適用され、「プラム1」を構成する図柄が優先的に有効ライン上に引き込まれ、払い出し枚数の多い「プラム1」を入賞させることができる。「プラム1」を構成する図柄は全ての回転リール40において最大スベリコマ数の範囲内に配置されているので、正解の押し順で停止操作を行えば、「プラム1」を必ず入賞させることができる。
一方、報知に従わなかった場合、あるいは報知がされなかったために正解の押し順で操作することができなかった場合には、当選数優先引込制御が適用され、同時に入賞可能なプラム2又はプラム3が優先的に有効ライン上に引き込まれる。「プラム2」及び「プラム3」を構成する図柄は全ての回転リール40において最大スベリコマ数の範囲内に配置されているので、不正解の押し順で停止操作を行えば、「プラム2」及び「プラム3」が(必ず)重複して入賞する。しかし、両者が重複入賞しても、双方の払い出し枚数の合計値(3枚)は「プラム1」の払い出し枚数(9枚)より少ないので、結局、押し順が正解している場合の方が、より有利な結果を得られるものとなる。
【0068】
ちなみに、報知が行われていない場合であっても、遊技者が上述したような有利な結果がもたらされる操作順でストップスイッチ19を操作した場合には、有利な結果を得ることができる場合があるが、報知が行われ、その報知に従うことにより、確実に有利な結果を得ることができるものとなる。
なお、ATゲームを実行する時期は、通常遊技中の所定時、例えばレア役(チェリー)の入賞時又はボーナス当選時などに実行されるAT抽選に当選した場合や、ボーナス内部中や、RT中などとすることができる。RT中にATゲームが行われるいわゆるART(アシストリプレイタイム)では、手持ちのメダルの目減りが少なくなるだけでなく、報知に従った押し順で停止操作を行うことにより小役の入賞によるメダル獲得が確実に増えるので、RTよりもさらに有利な遊技状態となる。
【0069】
(スロットマシン10の作動の概略)
上記構成を有するスロットマシン10の作動の概略を、図6のフローに基づき説明する。図6はスロットマシン10の1回の遊技の流れを示すものである。
まず、図6のステップ100において、規定数のメダルの投入動作がなされたか(投入スイッチ15がメダルを検知したか又はベットスイッチ16が操作されたか)否かが判断される。規定数のメダルの投入動作がされない場合にはステップ100に戻り、投入動作がされた場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ18がONにならない場合にはステップ101に戻り、スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ102進む。
【0070】
ステップ102において、当選抽選手段80による抽選処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、3個の回転リール40が回転開始する。そして次のステップ104に進む。
ステップ104において、いずれかのストップスイッチ19がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ19がONにならない場合にはステップ104に戻り、ストップスイッチ19がONになった場合には、次のステップ105に進む。
ステップ105において、操作されたストップスイッチ19に対応する回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
【0071】
ステップ106において、3個全ての回転リール40が停止したか否かが判断される。全ての回転リール40が停止していない場合にはステップ104に戻り、全ての回転リール40が停止した場合には、次のステップ107に進む。
ステップ107において、遊技結果判定処理が行われる。そして、次のステップ108に進む。
ステップ108において、遊技結果に応じた処理が行われる。具体的には、ボーナス入賞の場合にはBBゲーム又はRBゲームへの移行処理が、再遊技入賞の場合には次遊技のためのメダル投入処理(ベット表示部の表示を自動的に規定数まで表示させる)が行われる。また、小役入賞の場合には、役に応じたメダルの払い出し処理が行われる。そして1回の遊技を終了する。
【0072】
前記ステップ105のリール回転停止処理について、図7のフローに基づき説明する。
まず、図7のステップ200において、当選状態に対してストップスイッチ19の押し順が設定されているか否かが判断される。押し順の設定がある場合、すなわち、「プラム左、プラム中、プラム右」のいずれかの領域が当選している場合には、次のステップ201に進む。
ステップ201において、停止操作が正解の押し順か否かが判断される。すなわち、「プラム左」の領域が当選している場合に左リール41に対応する停止ボタンが最初に停止操作されたか、「プラム中」の領域が当選している場合に中リール42に対応する停止ボタンが最初に停止操作されたか、「プラム右」の領域が当選している場合に右リール43に対応する停止ボタンが最初に停止操作されたかどうかが判断される。ここで、この判断は、当該停止操作が最初の停止操作である場合(既に停止している回転リール40がない場合)には、当該操作が正解の押し順であるか否かが判断される。また、当該停止操作が二番目以降の停止操作である場合には、最初の停止操作が正解の押し順で操作されていたか否かが判断される。これは、最初の停止操作時が正解の押し順で操作されたこと、又は不正解の押し順で操作されたことを記憶しておき(例えば正解操作であれば正解フラグを成立させ、不正解の場合にはフラグを成立させない)、この記憶に基づいて判断するようになっている。停止操作が正解の押し順である場合には、次のステップ202に進む。
【0073】
前記ステップ200において、押し順の設定がない場合、すなわち、抽選結果がハズレの場合、又はいずれかの役が単独当選している場合、あるいは複数の役が同時に当選状態となっているが押し順の設定がない場合には、ステップ202に進む。
ステップ202において、枚数優先引込制御に基づく停止位置候補の優先度判定処理が行われる。そして、ステップ204に進む。
前記ステップ201において、停止操作が正解の押し順でない場合には、ステップ203に進む。
ステップ203において、当選数優先引込制御に基づく停止位置候補の優先度判定処理が行われる。すなわち、前述したように、入賞可能な当選役のカウントにより、優先度が最も高い停止位置候補を特定する。そして、ステップ204に進む。
【0074】
ステップ204において、最も優先度の高い停止位置候補は一つであるか否かが判断される。最も優先度の高い停止位置候補が一つでない場合、すなわち、最も優先度の高い停止位置候補が複数ある場合、又は全ての停止位置候補の優先度が同じ場合には、ステップ206に進み、停止テーブルに従って停止位置を決定する。具体的には、複数の役が当選しており、いずれの当選図柄を有効ライン上に引き込んだ場合でも最終的に払い出され得るメダル数が同じである場合、又はいずれの当選図柄を有効ライン上に引き込んだ場合でも入賞可能な当選役の数が同じである場合、及び役抽選結果がハズレで全ての停止位置候補の優先度が「0」の場合には、停止テーブルであらかじめ定められた停止位置を決定する。一方、最も優先度の高い停止位置候補が一つである場合には、ステップ205において、最も優先度の高い停止位置候補を停止位置として決定する。そして、次のステップ207に進む。
【0075】
ステップ207において、回転リール40が停止位置まで回転したか否か、すなわち回転リール40の回転によって停止させるべき図柄が停止位置となるまで移動したか否かが判断される。回転リール40が停止位置まで回転していない場合にはステップ207に戻り、回転リール40が停止位置まで回転した場合には、次のステップ208に進む。
ステップ208において、停止信号が出力され、回転リール40の回転が停止する。そして制御を終了する。
(総括)
以上のように、本実施の形態によれば、複数の図柄組合せを有する押し順正解役と、複数の押し順不正解役が同時当選状態となる設定になっている場合に、停止制御方法として、枚数優先引込制御と当選数優先引込制御を選択可能としている。このため、役の図柄構成(組合せ数)が、従来のように、押し順が正解の場合には枚数優先引込制御を適用し、押し順が不正解の場合には図柄数優先引込制御を適用すると、押し順が正解の場合と不正解の場合で入賞可能な役を異ならせることができないような構成となっている場合であっても、当選数優先引込制御を適用することにより、それが可能となる。
【0076】
すなわち、制御方法を異ならせて優先的に引き込む図柄を変化させることにより押し順による入賞の優劣を作り出し、押し順によるATを実現させたい場合、上記したような不都合(いずれの制御方法を適用しても優先して引き込まれる図柄が同じになってしまう状況)を回避するために回転リール40の図柄配列に工夫を凝らす手間が省け、図柄配列を容易に設計でき、そのための労力を軽減することができる。また、押し順不正解の場合に図柄数優先引込制御を適用する場合には、押し順正解役の図柄組合せを押し順不正解役の図柄組合せ数よりも少なくしないとならなかったが、当選数優先引込制御を適用することにより、押し順正解役の図柄組合せのバリエーションを増やすことができ、遊技が単調になるのを防ぐことができるものである。
【0077】
なお、上記した実施の形態では、押し順不正解の場合に2つの不正解役(プラム2、プラム3)が必ず同時に入賞するようになっていたが、回転リール40の図柄配列や有効ラインの態様によっては、ストップスイッチ19の操作タイミング次第でいずれか一方の不正解役しか入賞しない場合や、双方の不正解役が入賞しない場合があるようにすることができる。
また、枚数優先引込制御、当選数優先引込制御のどちらを選択するかは押し順によるものに限られず、特定の条件に該当した場合にいずれか一方の制御方法の適用が一義的に決められていればよい。
【0078】
(変形例)
上記した実施の形態では、押し順が設定されている役が当選している場合において、正解押し順の場合には枚数優先引込制御、不正解押し順の場合には当選数優先引込制御がそれぞれ適用されるように形成してあったが、不正解押し順の場合に、当選数優先引込制御又は図柄数優先引込制御のいずれかが適用されるような構成としてもよい。
例えば、複数の図柄組合せを有する押し順不正解役を設けたり、押し順不正解役の数を押し順正解役の図柄組合せ数よりも多くしたりして、押し順不正解役の図柄と押し順正解役の図柄が有効ライン上に同時に位置したときに、入賞可能な押し順不正解役の図柄組合せ数が、入賞可能な押し順正解役の図柄組合せ数よりも多くなる場合があるように形成する。そして、上記したような役の構成を前提として、停止データ選択手段922は、押し順不正解の際に、図柄数優先引込制御を適用するか当選数優先引込制御を適用するかについての判断を行うこととなる。
【0079】
本変形例に係るリール回転停止処理の流れを図10に示す。
まず、図10のステップ300において、当選状態に対してストップスイッチ19の押し順が設定されているか否かが判断される。押し順の設定がある場合には、次のステップ201に進む。
ステップ301において、停止操作が正解の押し順か否かが判断される。停止操作が正解の押し順である場合には、次のステップ302に進む。
前記ステップ300において、押し順の設定がない場合には、ステップ302に進む。
ステップ302において、枚数優先引込制御に基づく停止位置候補の優先度判定処理が行われる。そして、ステップ306に進む。
【0080】
前記ステップ301において、停止操作が正解の押し順でない場合には、ステップ303に進む。
ステップ303において、入賞可能な押し順正解役の図柄組合せ個数が、入賞可能な押し順不正解役の図柄組合せ個数よりも多いか否かが判断される。押し順正解役の図柄組合せ個数の方が多い場合には、次のステップ304において、当選数優先引込制御に基づく停止位置候補の優先度判定処理が行われる。そして、ステップ306に進む。
一方、ステップ303において、押し順正解役の図柄組合せ個数の方が少ない(押し順不正解役の図柄組合せ個数の方が多い)場合には、ステップ305に進み、図柄数優先引込制御に基づく停止位置候補の優先度判定処理が行われる。そして、ステップ306に進む。
【0081】
ステップ306〜310の流れは、図7のステップ204〜208と同様であるので説明を省略する。そして制御を終了する。
本変形例によれば、押し順不正解役の当選数が押し順正解役と同じ場合でも、押し順正解役の図柄組合せ数よりも多い図柄組合せを有していれば、押し順不正解時に押し順不正解役を優先的に入賞させることが可能となり、図柄組合せのバリエーションをより豊富なものにすることができる。
なお、枚数優先引込制御、当選数優先引込制御、図柄数優先引込制御のいずれを選択するかは押し順によるものに限られず、特定の条件に該当した場合にいずれか一の制御方法の適用が一義的に決められていればよい。
【0082】
本発明は、スロットマシン以外の遊技機、例えば、遊技メダルの代わりにパチンコ球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
10 スロットマシン(遊技機) 13 図柄表示窓
18 スタートスイッチ 19 ストップスイッチ
20 制御装置
21 遊技制御装置 22 演出制御装置
40 回転リール 80 当選抽選手段
90 リール制御手段 92 停止制御手段
922 停止データ選択手段 923 優先度判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄が表面に表示された複数の回転リールと、
前記回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
前記各回転リールの回転をそれぞれ停止させるための複数のストップスイッチと、
遊技機の作動を制御する制御装置とを少なくとも備え、
前記制御装置は、所定の図柄組合せから構成される役について当選か否かの役抽選を行う当選抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に基づいて前記回転リールを回転開始させるとともに、前記各ストップスイッチの操作に基づいて、当該ストップスイッチに対応する前記回転リールの回転停止を制御するリール制御手段とを少なくとも有し、
前記複数の回転リールを全て停止させた状態で、当選している役を構成する図柄組合せに含まれる当選図柄が所定の有効ライン上にあらかじめ定められた配列で停止することにより入賞となり、役に応じた利益が付与される遊技機において、
前記役として、入賞により遊技媒体が払い出される複数の払出役を少なくとも備え、
前記役抽選において、払い出し数の異なる複数の払出役が同時に当選する場合があるように形成されているとともに、同時に当選可能な複数の払出役の組合せから成る複数の当選態様に対して、それぞれ、前記ストップスイッチの操作順番が設定されており、
前記同時に当選可能な複数の払出役のうち、払い出し数が最も多い払出役には、当該役を構成する図柄組合せが複数個設定されており、
前記リール制御手段は、
前記役抽選の結果、複数の役が同時に当選状態となっている場合において、一の回転リールが停止すると当選役を構成する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に、前記一の回転リールを停止させる際の停止制御として、前記回転リールが全て停止したときに払い出され得る遊技媒体数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リールを停止させる払出数優先引込制御と、前記回転リールが全て停止するまでに表示され得る当選役の種類が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる当選数優先引込制御とを実行可能であるとともに、所定条件に応じていずれか一の制御を択一的に選択して適用するように形成されており、
前記ストップスイッチの操作順番の設定されている当選態様の複数払出役が同時当選している場合において、操作されたストップスイッチの操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番と合致している場合には、前記払出数優先引込制御を適用して払い出し数の多い役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、前記ストップスイッチの操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番でない場合には、前記当選数優先引込制御を適用して払い出しの少ない役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込むことができるように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の図柄が表面に表示された複数の回転リールと、
前記回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
前記各回転リールの回転をそれぞれ停止させるための複数のストップスイッチと、
遊技機の作動を制御する制御装置とを少なくとも備え、
前記制御装置は、所定の図柄組合せから構成される役について当選か否かの役抽選を行う当選抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に基づいて前記回転リールを回転開始させるとともに、前記各ストップスイッチの操作に基づいて、当該ストップスイッチに対応する前記回転リールの回転停止を制御するリール制御手段とを少なくとも有し、
前記複数の回転リールを全て停止させた状態で、当選している役を構成する図柄組合せに含まれる当選図柄が所定の有効ライン上にあらかじめ定められた配列で停止することにより入賞となり、役に応じた利益が付与される遊技機において、
前記役として、入賞により遊技媒体が払い出される複数の払出役を少なくとも備え、
前記役抽選において、払い出し数の異なる複数の払出役が同時に当選する場合があるように形成されているとともに、同時に当選可能な複数の払出役の組合せから成る複数の当選態様に対して、それぞれ、前記ストップスイッチの操作順番が設定されており、
前記同時に当選可能な複数の払出役のうち、払い出し数が最も多い払出役には、当該役を構成する図柄組合せが複数個設定されており、
前記リール制御手段は、
前記役抽選の結果、複数の役が同時に当選状態となっている場合において、一の回転リールが停止すると当選役を構成する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に、前記一の回転リールを停止させる際の停止制御として、前記回転リールが全て停止したときに払い出され得る遊技媒体数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リールを停止させる払出数優先引込制御と、前記回転リールが全て停止するまでに表示され得る入賞可能な図柄組合せ数が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで回転リールを停止させる図柄数優先引込制御と、前記回転リールが全て停止するまでに表示され得る当選役の種類が最大となるように当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる当選数優先引込制御とを実行可能であるとともに、所定条件に応じていずれか一の制御を択一的に選択して適用するように形成されており、
前記ストップスイッチの操作順番の設定されている当選態様の複数払出役が同時当選している場合において、操作されたストップスイッチの操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番と合致している場合には、前記払出数優先引込制御を適用して払い出し数の多い役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、前記ストップスイッチの操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番でない場合には、前記図柄数優先引込制御を適用して払い出しの少ない役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込むことができ、
前記ストップスイッチの操作順番が当該当選態様に対して設定された操作順番でない場合において、払い出し数の多い役の図柄組合せ数が、払い出し数の少ない役の図柄組合せ数よりも多い場合には、前記当選数優先引込制御を適用して、払い出し数の少ない払出役の図柄を優先的に有効ライン上に引き込むことができるように形成されていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−295(P2013−295A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133589(P2011−133589)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】