遊技機
【課題】特定回数付近で故意にペナルティを生じさせることを防止すること。
【解決手段】周期カウント値が「14」以上の場合には、通常演出(RT2)状態で最初に左ストップボタンがされなければ、周期カウント値を減算するペナルティを付与する構成とした。このため、周期カウント値が天井周期回数未到達時の「14」以上では、遊技者が故意にペナルティを生じさせても周期カウント値が天井周期回数に近付かなくなる。その結果、周期カウント値が天井周期回数付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【解決手段】周期カウント値が「14」以上の場合には、通常演出(RT2)状態で最初に左ストップボタンがされなければ、周期カウント値を減算するペナルティを付与する構成とした。このため、周期カウント値が天井周期回数未到達時の「14」以上では、遊技者が故意にペナルティを生じさせても周期カウント値が天井周期回数に近付かなくなる。その結果、周期カウント値が天井周期回数付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下「パチスロ」と示す)では、遊技媒体(以下「メダル」と示す)が用いられ、パチスロへのメダルの投入により遊技を開始することができるようになっている。このようなパチスロでは、ボーナス遊技などの有利な状態が付与されない遊技が特定の回数へ到達することで、ボーナス遊技とは異なる有利な状態を生起させる、所謂、天井機能を備えるようにしたものが提案されている。
【0003】
そして、上記有利な状態として、再遊技となる「リプレイ」の当選確率を上昇させるとともに、メダルを増やし易くするために遊技のアシストを行うパチスロがある。また、このようなパチスロには、特定の順序でストップボタンが操作されたときに入賞させることができる当選役を設けて、上記有利な状態であれば該当選役の当選時に、ストップボタンの操作の順序を報知して遊技をアシストするものもある。
【0004】
近年、このようなパチスロでは、特許文献1のように、上記有利な状態に移行させるチャンスを周期的(64回の遊技毎)に到来させて、さらにこのような周期的に到来するチャンスで上記有利な状態に移行されない回数が周期天井回数(特定回数)へ到達することで上記有利な状態に移行させるといった、周期天井機能を備えるようにしたものもある。
【0005】
また、このようなパチスロでは、特定の順序でストップボタンが操作されたときに入賞させることができる当選役の当選を決定し易いように構成されていることから、上記有利な状態でなくても特定の順序でストップボタンが操作されてしまうと、上記有利な状態による恩恵が希薄になってしまう。このため、このようなパチスロでは、特許文献2のように、上記有利な状態でなければ特定の順序によるストップボタンの操作に対して、上記有利な状態へ移行させ難くしたり上記有利な状態へ移行させないようにしたりするペナルティを与えるといったペナルティ機能を備えるようにしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−030713号公報
【特許文献2】特開2003−117077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記周期天井機能による上記有利な状態の一例としては、周期的に到来するチャンスを経て上記有利な状態に移行する場合よりも、遊技者に与える利益を高めるものもある。このため、周期的に到来するチャンスで上記有利な状態に移行されない回数が周期天井回数(特定回数)付近では、故意に上記ペナルティ機能によるペナルティを生じさせて、利益の高い上記周期天井機能による上記有利な状態を得ようとする攻略要素が生じる可能性があった。
【0008】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、特定回数付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始され、1回の遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、遊技者による停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、前記1回の遊技が開始されるに際し複数の当選役の中から当選役を抽選する当選役抽選手段を備えた遊技機において、特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たすことで遊技者に有利となる有利遊技状態への移行条件を満たし得る機会を周期的に到来させるように遊技状態を制御する状態制御手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づく前記特定の当選役の当選に際し、前記特定操作条件を遊技者に報知する操作条件報知を行い得る報知手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づいて前記移行条件が連続して満たされなかった回数を計数する計数手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来までの間で予め定めた操作と同一の操作がされない場合に遊技者に不利となるペナルティを付与するペナルティ付与手段と、を備え、前記報知手段は、前記計数手段の回数が特定回数に達した場合、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知に比して遊技者に有利度が高く設定された特定操作条件報知を行わせ、前記ペナルティ付与手段は、前記計数手段の回数が規定回数以上の場合、前記計数手段の回数を減算するペナルティを付与することを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記規定回数は、前記特定回数よりも少ない、且つ前記特定回数の2分の1以上であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記当選役抽選手段が特定の当選役を抽選の対象とする第1遊技状態で前記特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たした場合には前記有利遊技状態への移行条件を満たす一方、前記特定操作条件と異なる非特定操作条件を満たした場合には前記当選役抽選手段が前記特定の当選役を抽選の対象としない第2遊技状態への移行条件を満たすようになっており、前記状態制御手段は、前記第1遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1の遊技状態へ移行する前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1遊技状態へ移行する前記有利遊技状態とを含む遊技状態を制御し、前記ペナルティ付与手段は、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われる場合、前記非特定操作条件を満たすと前記計数手段の回数に関係なく該計数手段の回数を減算するペナルティを付与する一方、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われない場合、前記非特定操作条件を満たしてもペナルティを付与しないことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記報知手段は、前記第2遊技状態で付与条件を満たすことで、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知を行わせるようになっており、前記ペナルティ付与手段は、前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数未満の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする第1ペナルティを付与する一方、前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数以上の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする、且つ前記計数手段の回数を減算する第2ペナルティを付与し、各ペナルティの付与による前記所定期間中、さらにペナルティを付与する場合、前記所定期間よりも長い期間を再設定することを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、前記ペナルティ付与手段は、前記第2遊技状態で前記第2ペナルティの付与後、該第2遊技状態に予め定めた遊技回数分の遊技が行われるまでの間、さらにペナルティを付与する場合、前記計数手段の回数に関係なく前記第1ペナルティを付与することを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特定回数付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パチスロの機表側を示す正面図。
【図2】入賞ラインを説明する説明図。
【図3】賞態様を説明する説明図。
【図4】パチスロの電気的構成を示すブロック図。
【図5】(a),(b)は当選役決定テーブルを説明する説明図。
【図6】遊技状態の移行の態様を説明する説明図。
【図7】演出状態の移行の態様を説明する説明図。
【図8】(a)〜(c)はナビ演出を説明する説明図。
【図9】ナビ獲得抽選を説明する説明図。
【図10】(a),(b)は天井機能を説明する説明図。
【図11】(a),(b)はペナルティの仕様を説明する説明図。
【図12】(a)〜(c)はペナルティの付与態様を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、「パチスロ」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のパチスロ10の機表側が略示されており、パチスロ10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12の前面上部には、遊技中(変動ゲーム中)に表示演出を行う液晶表示装置からなる演出装置としての演出表示装置14が配設されている。また、前面扉12の上部には、演出表示装置14を囲うように各種の演出効果光を発するランプRが設けられている。
【0016】
前面扉12の前面中央には、中央パネル15が設けられているとともに、当該中央パネル15には、機内部に配設される図柄表示手段としてのドラムユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。透視窓16は、中央パネル15と一体形成された合成樹脂板から構成されている。ドラムユニット13は、各種の図柄が印刷された投光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとから構成されている。そして、透視窓16には、左リール13Lを第1図柄列として、該第1図柄列が配置される隣には第2図柄列としての中リール13Cが配置し、該第2図柄列が配設される隣には第3図柄列としての右リール13Rが配置している。ドラムユニット13の各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)に印刷される各図柄は、予め定められた順に各図柄がそれぞれに配列されている。ドラムユニット13の左リール13Lには、図柄L00〜図柄L20の21個の図柄が配列されている。また、中リール13Cには、図柄C00〜図柄C20までの21個の図柄が配列されている。また、右リール13Rには、図柄R00〜図柄R20までの21個の図柄が配列されている。そして、変動ゲームにおいて左リール13Lでは、図柄L00、図柄L01・・・図柄L20、図柄L00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて中リール13Cでは、図柄C00、図柄C01・・・図柄C20、図柄C00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて右リール13Rでは、図柄R00、図柄R01・・・図柄R20、図柄R00の順に透視窓16に表示されるように変動する。
【0017】
なお、本実施形態において各リールでは、「REPLAY」の文字が装飾された図柄(リプレイ図柄)、「ベル」を模した図柄(ベル図柄)、「7」を模した図柄(セブン図柄)、「スイカ(すいか)」を模した図柄(スイカ図柄)、「チェリー」を模した図柄(チェリー図柄)などが配列されている。以下では、各図柄を、「図柄」を省いて、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「セブン」、「チェリー」と示す場合もある。
【0018】
そして、各リールは、各々に対応して設けられたステッピングモータ(図示しない)により独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リールが回転することによって透視窓16には各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)されるようになっている。そして、各リールの回転が停止した場合、透視窓16には、各リールのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に停止表示されるようになっている。このため、透視窓16は、各リールにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。また、各リールには、該各リールの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(図4に示す)が各リールにそれぞれ対応するように設けられている。
【0019】
また、パチスロ10には、図2に示すように、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせ(図柄組み合わせ)を規定する複数(本実施形態では5本)の図柄停止ラインが形成されている。本実施形態のパチスロ10では、図柄停止ラインとして、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得る入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5(実線で示す)が形成されている。すなわち、入賞ラインL1〜L5は、これら図柄停止ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する態様である場合、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与することとして有効と判定する有効ラインとなる。また、以下の説明で、単に「入賞ライン」と示す場合には、入賞ラインL1〜L5を示すものとする。
【0020】
具体的に説明すると、本実施形態の透視窓16では、図2に示すように9つの図柄停止位置D1〜D9に各列の図柄が停止表示されるようになっている。これら9つの図柄停止位置D1〜D9は、縦方向に上段、中段、下段に対応するとともに、横方向に左リール13L、中リール13C、右リール13Rに対応するよう3列に配置されている。そして、遊技者側から見て左側の上に位置する左リール用上停止位置D1と、遊技者側から見て左側の中央に位置する左リール用中停止位置D2と、遊技者側から見て左側の下に位置する左リール用下停止位置D3は、左リール13Lに対応する図柄停止位置とされ、左リール13Lの図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て中側の上に位置する中リール用上停止位置D4と、遊技者側から見て中側の中央に位置する中リール用中停止位置D5と、遊技者側から見て中側の下に位置する中リール用下停止位置D6は、中リール13Cに対応する図柄停止位置とされ、中リール13Cの図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て右側の上に位置する右リール用上停止位置D7と、遊技者側から見て右側の中央に位置する右リール用中停止位置D8と、遊技者側から見て右側の下に位置する右リール用下停止位置D9は、右リール13Rに対応する図柄停止位置とされ、右リール13Rの図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。
【0021】
そして、透視窓16では、左リール用上停止位置D1、中リール用上停止位置D4、及び右リール用上停止位置D7によって入賞ラインL1(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用中停止位置D2、中リール用中停止位置D5、及び右リール用中停止位置D8によって入賞ラインL2(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用下停止位置D3、中リール用下停止位置D6、及び右リール用下停止位置D9によって入賞ラインL3(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用上停止位置D1、中リール用中停止位置D5、及び右リール用下停止位置D9によって入賞ラインL4(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用下停止位置D3、中リール用中停止位置D5、及び右リール用上停止位置D7によって入賞ラインL5(有効)が形成される。
【0022】
また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部19が構成されている。各種情報表示部19には、投入可能表示用LED20a、再遊技表示用ランプ20b、ウェイト表示用LED20c、状態ランプ20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、ゲーム情報表示部24が形成されている。
【0023】
投入可能表示用LED20aは、変動ゲームのベット数を設定可能な状態、又は機本体に遊技媒体としてのメダルを投入可能な状態である時に点灯し、変動ゲームが開始される、又は最大のベット数(MAXBET)が設定され且つ貯留データ(クレジット)がクレジット上限枚数に達した場合に消灯する。再遊技表示用ランプ20bは、変動ゲームにおいて再遊技役としてのリプレイ役が入賞した場合に点灯する。ウェイト表示用LED20cは、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リールの回転動作が開始するように設定されている。状態ランプ20dは、変動ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする。
【0024】
また、賭数表示部21は、3つのランプから構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。1ベット(1BET)で最も下のランプが点灯し、2ベット(2BET)で最も下のランプと真ん中のランプとが点灯し、3ベット(3BET)で全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部22は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部23は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与される賞メダルの枚数が表示される。ゲーム情報表示部24では、ボーナス遊技中の払出枚数の総数を表示する。
【0025】
また、前面扉12の前面において中央パネル15の右下方位置には、メダル投入口27が配設されている。メダル投入口27の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(図4に示す)が配設されている。また、前面扉12の前面において中央パネル15の左下方位置には、左から順にBETボタン28、及びMAXBETボタン29が設けられている。BETボタン28は、機内部で貯留記憶されているクレジットから1ベット分(1枚分)を変動ゲームのベット数(賭数)としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。また、MAXBETボタン29は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数(本実施例では3ベット分(3枚分))を変動ゲームのベット数としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。
【0026】
また、前面扉12の前面において各BETボタン28,29の下方位置には、精算スイッチ31が設けられている。精算スイッチ31は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル(遊技媒体)、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用(操作)するスイッチである。また、精算スイッチ31の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作するスタートレバー32が設けられている。そして、パチスロ10では、ベット数の設定終了後にスタートレバー32を操作することにより、各リールの回転動作が開始されるようになっている。
【0027】
スタートレバー32の右方位置には、遊技者により操作されるストップボタン33L,33C,33Rが設けられている。ストップボタン33L,33C,33Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リールに対応して3個のストップボタンがある。
【0028】
また、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口36が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口36から排出されたメダルを受ける受皿37とともに、音声演出を行うスピーカ18が配設されている。
【0029】
また、図1に破線で示すように、パチスロ10本体においてドラムユニット13の下方となる位置には、パチスロ10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー38が配置されている。このホッパー38の下方側にはメダル排出口36が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー38に貯留されたメダルがメダル排出口36へと払出されるようになっている。前面扉12の裏面側においてメダル投入口27の下方位置には、該メダル投入口27とホッパー38とを繋ぐようにメダルセレクター39が配設されている。
【0030】
次に、遊技者が遊技(変動ゲーム)を行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
遊技(変動ゲーム)を開始させることが可能な状態において、ベット数を設定するには、BETボタン28、又はMAXBETボタン29の何れかを操作する。BETボタン28が操作された場合には、貯留記憶されているクレジットから1ベット分の枚数(メダル1枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。また、MAXBETボタン29が操作された場合には、貯留されているクレジットから対象とする遊技(変動ゲーム)で設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。なお、本実施形態のパチスロ10では、3ベットによる変動ゲームを許容するようになっている。
【0031】
また、パチスロ10では、メダル投入口27からベット数に相当する枚数のメダルを投入することで各ベット数を設定することが可能であって、メダル1枚を投入するとき1ベット分のベット数が設定されるとともに、メダル3枚を投入するとき3ベット分のベット数が設定される。なお、対象とする遊技で設定可能な最大ベット数(本実施形態では3ベット)を超える分のメダルがメダル投入口27から投入される場合、クレジット機能を使用している時にはクレジットとして記憶される一方で、クレジット機能を使用していない時には図示しない経路を辿ってメダル排出口36から遊技者に払出される(返却される)ようになっている。
【0032】
本実施形態のパチスロ10では、図2に示すように5本の入賞ラインを定めている。そして、遊技者によりBETボタン28、及びMAXBETボタン29が操作されると、それぞれのベット数が設定されるとともに5本の入賞ラインが有効となるように設定される。入賞ラインが有効になるとは、当該入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが有効となることで、有効な入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせに応じた制御(賞メダルの払出しなど)が行われる。本実施形態における変動ゲームでは常に5本の入賞ラインが有効となるよう構成されている。
【0033】
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー32の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー32を操作する開始操作を行えば、ドラムユニット13の各リールが回転し、透視窓16には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リールが回転して所定時間が経過すると、各ストップボタン33L,33C,33Rの操作が受付可能になる。そして、遊技者により各ストップボタン33L,33C,33Rが操作されると、対応する各リールが停止され、透視窓16からは対応する列の上段、中段及び下段に図柄が表示される。
【0034】
そして、各リールの全てが停止された時点で、有効化された入賞ラインの何れかに停止表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に入賞となり、入賞した賞態様に応じた賞(特典)が遊技者に付与される。例えば、賞として賞メダルを付与する場合には、入賞した賞態様に応じた枚数のメダルが賞メダルとして遊技者に付与される。また、特に予め定められた図柄の組み合わせが表示されてボーナス役(BN役)が入賞した場合にあっては、一般遊技とは異なり、遊技者にとって有利な、すなわち大量の賞メダルを獲得できるボーナス遊技が発生し、ボーナス遊技が遊技者に付与される。なお、一般遊技とは、ボーナス遊技でない遊技(変動ゲーム)を示している。
【0035】
本実施形態のパチスロ10では、スタートレバー32の開始操作を開始契機として1回の変動ゲーム(遊技)が開始し、ストップボタン33L,33C,33Rの停止操作により図柄の組み合わせが停止表示(停止)されることを1回とする変動ゲーム(遊技)が行われる。なお、図柄の組み合わせに応じて賞メダルが払出される場合には、賞メダルの払出しが完了したことを終了契機として1回の変動ゲーム(遊技)が終了する。
【0036】
本実施形態のパチスロ10において、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせについて図3に基づき説明する。
図3には、内部で決定される当選役に基づき入賞ライン上に停止表示する図柄の組み合わせ(停止結果)と、該図柄の組み合わせに対応する賞とを示した役構成が示されている。
【0037】
本実施形態では、図3に示される当選役に対応する図柄の組み合わせのいずれも有効とされる入賞ライン上に停止表示されていない場合には、1枚以上の賞メダルが遊技者に付与されないようになっている。なお、以下では、図3に示される何れにも対応しない図柄の組み合わせにより入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「はずれ停止目」と示す。
【0038】
また、[チェリー・ANY・ANY]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技状態に応じて1枚又は15枚の賞メダルを払出すことを定めている。なお、この場合には、入賞ラインを形成する中リール13C及び右リール13Rの各停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄(「ANY」)でもよい。以下では、[チェリー・ANY・ANY]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「チェリー停止目」と示す。そして、チェリー停止目は、内部抽選で当選役として「チェリー役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0039】
また、[スイカ・スイカ・スイカ]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技状態に応じて3枚又は15枚の賞メダルを払出すことを定めている。以下、[スイカ・スイカ・スイカ]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「スイカ停止目」と示す。そして、スイカ停止目は、内部抽選で当選役として「スイカ役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0040】
また、[ベル・ベル・ベル]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技状態に応じて9枚の賞メダルを払出すことを定めている。以下、[ベル・ベル・ベル]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「ベル停止目」と示す。そして、ベル停止目は、内部抽選で当選役として「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、及び「右正解ベル役」の何れかが決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0041】
このため、本実施形態における「チェリー役」、「スイカ役」、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」は、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせに基づいて賞メダルを払出すことを定める当選役(払出役)となる。また、以下の説明で、単に「ベル役」と示す場合には、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、及び「右正解ベル役」を示すものとする。
【0042】
また、[リプレイ・リプレイ・リプレイ/スイカ]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技者がベット数をベットすることなく内部で自動的にベット数が設定されることで次の変動ゲームを行う再遊技を付与することを定めている。なお、[リプレイ/スイカ]は、リプレイ図柄及びスイカ図柄の何れでもよいことを示す。以下、[リプレイ・リプレイ・リプレイ/スイカ]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「リプレイ停止目」と示す。そして、リプレイ停止目は、内部抽選で当選役として「通常リプレイ役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0043】
また、[リプレイ・リプレイ・チェリー]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、再遊技を付与することを定めている。以下、[リプレイ・リプレイ・チェリー]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「突入リプレイ停止目」と示す。そして、突入リプレイ停止目は、「左正解突入リプレイ役」、「中正解突入リプレイ役」、及び「右正解突入リプレイ役」の何れかが決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0044】
このため、本実施形態における「通常リプレイ役」、及び「突入リプレイ役」は、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせに基づいて再遊技を付与することを定める当選役(リプレイ役)となる。再遊技が付与される場合、遊技者はベット数をベットすることなく次の変動ゲームを行うことができる。そして、再遊技によりベット数が設定される場合には、再遊技が付与される契機となった変動ゲームで設定されたのと同一ベット数を設定することになる。なお、リプレイ役(再遊技役)では、リプレイ役が停止表示した変動ゲームが行われたベット数と同じベット数で次の変動ゲームを行うことができるのみであって、賞としてメダルが遊技者に払い出されるわけではない。すなわち、遊技者は、リプレイ役の入賞によっては賞メダルを獲得するわけではない。また、以下の説明で、単に「リプレイ役(又は再遊技役)」と示す場合には、「通常リプレイ役」、及び「突入リプレイ役」を示すものとする。また、以下の説明で、単に「突入リプレイ役」と示す場合には、「左正解突入リプレイ役」、「中正解突入リプレイ役」、及び「右正解突入リプレイ役」を示すものとする。
【0045】
本実施形態では、上述した「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」、「リプレイ役(再遊技役)」が小役となる。
また、[セブン・セブン・セブン]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、ボーナス遊技が開始(生起)されて「ボーナスゲーム(以下、「BN遊技」と示す)」を付与することを定めている。以下、[セブン・セブン・セブン]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「BN停止目」と示す。そして、BN停止目は、内部抽選で当選役として「BN役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0046】
本実施形態において、BN役は、遊技状態としてBN遊技を作動(開始)させる契機となる当選役(ボーナス役)である。
また、本実施形態のパチスロ10には、リプレイ役(通常リプレイ役、突入リプレイ役)の当選確率を変動させて、遊技状態としてBN遊技以外における一般遊技を制御するRT機能(再遊技役確率変動機能)が搭載されている。本実施形態における一般遊技は、RT機能の作動態様に応じた状態に制御されるとともに、RT機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。そして、RT機能により一般遊技では、NRT遊技に制御される場合と、RT2遊技に制御される場合と、RT3遊技に制御される場合とがある。以下の説明で、単に「NRT遊技」と示す場合には、NRT遊技に制御される一般遊技を示し、単に「RT2遊技」と示す場合には、RT2遊技に制御される一般遊技を示し、単に「RT3遊技」と示す場合には、RT3遊技に制御される一般遊技を示すものとする。なお、本実施形態では、NRT遊技をRT機能の非作動とする非RT状態に位置付けている。
【0047】
次に、パチスロ10の電気的構成を図4にしたがって説明する。
パチスロ10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が装着されている。そして、サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
【0048】
主制御基板40には、ドラムユニット13を構成する各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4、サブ制御基板41、ホッパー38が接続されている。また、主制御基板40には、中央パネル15に設けられた各種情報表示部19(各種表示用LED20a〜20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、ゲーム情報表示部24)が接続されている。また、主制御基板40には、BETボタン28と、MAXBETボタン29と、精算スイッチ31と、スタートレバー32と、各ストップボタン33L,33C,33Rとが接続されている。また、サブ制御基板41には、演出表示装置14が接続されている。また、サブ制御基板41には、スピーカ18や、各種ランプRが接続されている。
【0049】
以下、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、主制御用CPU40aを備えており、該主制御用CPU40aには、主制御用ROM40b及び主制御用RAM40cが接続されている。主制御用CPU40aは、当選役決定乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値を主制御用RAM40cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。当選役決定乱数は、主制御用CPU40aが当選役決定テーブルに従い役(当選役)を決定する際に使用する乱数である。
【0050】
また、主制御用CPU40aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓16で表示されている図柄(回転中の各リールの回転位置)に応じて第1〜第3の位置信号が入力されるようになっている。第1の位置信号には左リール13Lが対応し、第2の位置信号には中リール13Cが対応し、第3の位置信号には右リール13Rが対応するようになっている。そして、主制御用CPU40aは、第1〜第3の位置信号により各リールの回転位置及び停止位置を把握し、該第1〜第3の位置信号に基づき各リールの回転及び停止の制御を行う。また、主制御基板40(主制御用CPU40a)には、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力されるようになっている。
【0051】
また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン28、MAXBETボタン29、精算スイッチ31、スタートレバー32及びストップボタン33L,33C,33Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力されるようになっている。また、主制御用CPU40aには、ホッパー38が接続されている。
【0052】
また、主制御用ROM40bには、パチスロ10を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、遊技状態別、並びに当選役別の内部当選確率が、当選役決定乱数の値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブルが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、役毎に図柄の組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、各ストップボタン33L,33C,33Rを遊技者が操作した時の操作のタイミングによって停止表示させる図柄を役毎に定めたものである。また、主制御用RAM40cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0053】
次に、主制御用ROM40bに記憶される当選役決定テーブルT1,T2,T3,T4について、図5(a),(b)に基づき説明する。
主制御用ROM40bには、抽選対象となる当選役の種類と、抽選対象となる各当選役の当選確率(抽選対象となる各当選役に振分けられる乱数値(乱数の値の範囲に基づく個数))を遊技状態毎にテーブル化したものが記憶されている。そして、各当選役決定テーブルは、遊技状態に応じて主制御用CPU40aにより用いられる。
【0054】
そして、一般遊技であればNRT遊技に当選役決定テーブルT1が対応付けられているとともに、RT2遊技に当選役決定テーブルT2が対応付けられている。また、一般遊技であればRT3遊技に当選役決定テーブルT3が対応付けられているとともに、BN遊技であれば当選役決定テーブルT4が対応付けられている。
【0055】
このため、本実施形態において、図5(a)に示すように、一般遊技では、リプレイ役(合算)の当選確率がRT3遊技(当選役決定テーブルT3)で、NRT遊技(当選役決定テーブルT1)、及びRT2(当選役決定テーブルT2)に比して大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。また、一般遊技では、通常リプレイ役の当選確率がRT3遊技(当選役決定テーブルT3)で最も高まるように当選役決定乱数が振分けられている。また、一般遊技では、突入リプレイ役の当選確率がNRT遊技(当選役決定テーブルT1)で最も高まるとともに、NRT遊技(当選役決定テーブルT1)でのみ当選可能となるように、当選役決定乱数が振分けられている。なお、NRT遊技(当選役決定テーブルT1)では、左正解突入リプレイ役、中正解突入リプレイ役、及び右正解突入リプレイ役の各当選確率が同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。また、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、リプレイ役を抽選対象としないように当選役決定乱数が振分けられている。
【0056】
このため、本実施形態では、RT3遊技において、リプレイ役(合算)の当選確率を高確率抽選状態に設定している一方、RT3遊技以外において、リプレイ役(合算)の当選確率を低確率抽選状態に設定している。また、本実施形態では、RT3遊技において、通常リプレイ役の当選確率を高確率抽選状態に設定しているとともに、NRT遊技において、突入リプレイ役の当選確率を高確率抽選状態に設定している。
【0057】
その結果、本実施形態のパチスロ10では、リプレイ役(合算)の当選確率が一般遊技で最も高まるRT3遊技において、再遊技が付与され易い分、遊技者の保有するメダルを消費(投入)する場面を減少させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。そして、RT3遊技では、遊技者の保有するメダルを消費(投入)を抑えつつ、BN役の抽選を受けてメダルを増加させ得るチャンスを遊技者に付与することができる。したがって、RT3遊技は、一般遊技における他の遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態(制御状態)である。
【0058】
また、本実施形態において、図5(b)に示すように、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、ベル役(合算)の当選確率が一般遊技(当選役決定テーブルT1〜T3)に比して大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。また、各遊技状態(当選役決定テーブルT1〜T3)では、左正解ベル役、中正解ベル役、及び右正解ベル役の各当選確率が同一遊技状態であれば同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。また、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、ベル役を主な抽選対象とするように当選役決定乱数が振分けられている。
【0059】
本実施形態のパチスロ10では、ベル役(合算)の当選確率が一般遊技に比して大きく高まるBN遊技において、ベル役に当選し易く賞メダルを獲得し易い分、遊技者の保有するメダルを増加させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。その結果、BN遊技では、遊技者の保留するメダルを増加させるチャンスを遊技者に付与することができる。
【0060】
なお、一般遊技(当選役決定テーブルT1〜T3)では、BN役の当選確率を所定確率に定めているとともに、リプレイ役、及びベル役以外の役の当選確率を所定確率に定めている。本実施形態では、例えば、BN役の当選確率を1/600(600分の1)に、チェリー役の当選確率を1/100(100分の1)に、スイカ役の当選確率を1/90(90分の1)に定めている。また、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、BN役やリプレイ役を役抽選の抽選対象としないことを定めている。また、後述するボーナス待機状態における当選役決定テーブルにおいては、小役の当選確率を所定確率に定めている。そして、後述するボーナス待機状態における当選役決定テーブルにおけるBN役の当選時には、その当選を他の当選役(小役又ははずれ役)の当選に置き換える(書き換える)。
【0061】
以下、サブ制御基板41について説明する。
サブ制御基板41は、サブ制御用CPU41aを備えており、該サブ制御用CPU41aにはサブ制御用ROM41b及びサブ制御用RAM41cが接続されている。サブ制御用ROM41bには、各種遊技演出を行うためのサブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカ18の音声出力態様が示される音声演出パターンや、各種ランプRの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。また、サブ制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。具体的には、サブ制御用RAM41cには、遊技状態に係るサブ用状態情報(フラグなど)がサブ制御用CPU41aにより記憶(設定)されるようになっている。
【0062】
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部19(各種表示用LED20a〜20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、ゲーム情報表示部24)の表示制御をその都度実行する。また、主制御用CPU40aは、賞態様の入賞に基づいて賞メダルを払出す場合、クレジット上限枚数(本実施形態では、「50(枚)」)を超えるとき、駆動信号をホッパー38に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払出させるように制御する。なお、主制御用CPU40aは、クレジットの清算時、駆動信号をホッパー38に出力して、クレジット分のメダルを遊技者に払出させるように制御する。
【0063】
そして、主制御用CPU40aは、メダル投入口27よりメダルが投入される、又は各BETボタン28,29の操作信号を入力すると、ベット数を設定する。また、主制御用CPU40aは、各BETボタン28,29が操作毎に、クレジット数を更新する。また、主制御用CPU40aは、メダルの投入によりクレジット数を増加させる場合、クレジット数を更新させる。そして、主制御用CPU40aは、3ベットのベット数を設定するときに変動ゲームを行うことができるゲーム開始可能な状態を生起する。
【0064】
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー32の操作信号を入力すると、役抽選(内部抽選)を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選役決定乱数の値を取得し、該値が主制御用ROM40bに記憶されている当選役決定テーブルの各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定する役抽選を行う。役抽選において、主制御用CPU40aは、遊技状態に応じた当選役決定テーブルを用いて当選役を決定する。なお、主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定している。そして、主制御用CPU40aは、状態情報により遊技状態を把握している。本実施形態では、役抽選を行う主制御用CPU40aが、当選役抽選手段として機能する。
【0065】
そして、主制御用CPU40aは、当選役を決定すると、決定した当選役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。主制御用CPU40aは、BN役の当選の決定時、該BN役が入賞するまでの間、主制御用RAM40cのBN役の役情報を持ち越すようになっている。このようにBN役の役情報が持ち越されている状態は、BN役の入賞を待機しているボーナス待機状態となる。一方、主制御用CPU40aは、小役の当選の決定時、該小役の入賞の有無に関係なく役抽選の対象とする変動ゲーム(1回)の終了に伴って、主制御用RAM40cの小役の役情報を消去する。
【0066】
このため、BN役は、役抽選による当選の決定が、その入賞までの変動ゲームに跨って持越可能な役となる。一方、小役は、役抽選による当選の決定が、1回の変動ゲームでのみ有効とされ、その入賞か否かに関係なく以後の変動ゲームに跨って持越不可能な役となる。
【0067】
続いて、主制御用CPU40aは、直前の変動ゲームの終了からウェイトタイムが経過している状態において、主制御用CPU40aは、各リールの回転動作を開始させるように各リールを制御する。また、主制御用CPU40aは、各リールの回転動作の開始に合わせて変動ゲームの開始を指示するとともに、役抽選の抽選結果及び変動ゲームが行われる遊技状態を示した変動ゲーム開始コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。また、変動ゲーム開始コマンドは、持ち越されているBN役があればその役情報も合わせて指示する。なお、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)への変動ゲーム開始コマンドは、遊技者によるスタートレバー32の操作を検出したタイミング(役抽選等を行った後)で出力するようにしてもよい。このように構成した場合には、ウェイトタイム中にも各種演出を実行可能となる。
【0068】
続いて、主制御用CPU40aは、遊技者によりストップボタン33L,33C,33Rの各種操作信号を入力すると、操作信号に対応するリールを停止させるための制御(停止制御)を行う。そして、主制御用CPU40aは、各リールに対応するリールセンサからの位置信号から、各リールの変動中には各リールの変動状況と、各リールの停止中には各リールの停止状況を把握している。なお、主制御用CPU40aは、ストップボタン33L,33C,33Rからの各種操作信号が入力されるまでの間、回転中のリールについて停止制御を行わないで回転動作を維持させる。
【0069】
次に、主制御用CPU40aが行う停止制御について説明する。
主制御用CPU40aは、決定した当選役に基づき各ストップボタン33L,33C,33Rが遊技者により操作されるタイミングから所定の範囲内(最大で4図柄分)で各リールを停止させて、任意の図柄の組み合わせを停止表示させる。主制御用CPU40aは、回転中の各リールを停止させる場合、当選している当選役と各ストップボタン33L,33C,33Rの操作タイミングから主制御用ROM40bに記憶される停止テーブルに基づく図柄の組み合わせを停止表示させる停止制御を行う。このため、各リールは、ストップボタン33L,33C,33Rの遊技者による停止操作のタイミングで停止するとは限らず、遊技者による停止操作のタイミングと各リールの停止するタイミングとが一致しない場合(所謂、「すべり」)がある。例えば、「すべり」を伴う制御では、停止させる図柄に対する遊技者による停止操作のタイミングが早いとき、各リールを各リールの変動方向に強制的にすべらせて該停止させる図柄を入賞ライン上に停止させる。本実施形態では、役抽選の抽選結果に応じた制御内容で、ストップボタン33L,33C,33Rの操作に基づいて対応するリールについて停止制御を行う主制御用CPU40aが、停止制御手段として機能する。
【0070】
このため、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が7つ以上の部分を有していなければ、すべり制御を伴う結果、何れかの入賞ライン上に停止させた種類の図柄を停止表示させることができる。一方、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が7つ以上の部分を有していれば、すべり制御を伴っても、何れの入賞ラインにも停止させた種類の図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0071】
そして、主制御用CPU40aは、BN役の当選(当選の持ち越し)時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、BN停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、BN役の当選(当選の持ち越し)時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合にはBN役の当選の可能性が有ることを示す「チャンス目」を停止させる。なお、この「チャンス目」は、はずれ役の当選時には停止表示されないようになっている。この場合には、BN役の取りこぼし(役情報の持ち越し)を発生させる。
【0072】
また、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、チェリー停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目を停止表示させる。この場合には、チェリー役の取りこぼしを発生させる。
【0073】
また、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、スイカ停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目を停止表示させる。この場合には、スイカ役の取りこぼしを発生させる。
【0074】
また、何れの当選役(BN役及び小役)も決定しない場合(はずれ役の当選時)、主制御用CPU40aは、はずれ停止目を停止表示させる。
次に、ベル役(左正解ベル役、中正解ベル役、及び右正解ベル役)及びリプレイ役(通常リプレイ役、及び突入リプレイ役)の当選時における停止制御について説明する。
【0075】
本実施形態のパチスロ10では、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、及び「右正解ベル役」の当選時、3つのストップボタンのうち最初に操作されるストップボタンに基づき、ベル停止目、及びはずれ停止目のうち何れかの停止目が停止表示される。本実施形態では、何れかのベル役の当選に基づいてそれぞれに対応する正解の押し順が選択されることになる。
【0076】
そして、左正解ベル役の当選時には、左リール13Lを停止指示するストップボタン33Lが最初に操作されることを、押し順正解としてベル停止目が停止表示される。一方、左正解ベル役の当選時には、左リール13L以外を停止指示するストップボタン33C,33Rの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてはずれ停止目(ベルこぼし目)が停止表示される。
【0077】
また、中正解ベル役の当選時には、中リール13Cを停止指示するストップボタン33Cが最初に操作されることを、押し順正解としてベル停止目が停止表示される。一方、中正解ベル役の当選時には、中リール13C以外を停止指示するストップボタン33L,33Rの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてはずれ停止目(ベルこぼし目)が停止表示される。
【0078】
また、右正解ベル役の当選時には、右リール13Rを停止指示するストップボタン33Rが最初に操作されることを、押し順正解としてベル停止目が停止表示される。一方、右正解ベル役の当選時には、右リール13R以外を停止指示するストップボタン33L,33Cの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてはずれ停止目(ベルこぼし目)が停止表示される。
【0079】
そして、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、押し順正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくベル停止目(賞態様)を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、押し順不正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくはずれ停止目(ベルこぼし目)を停止表示させる。なお、本実施形態では、ベルこぼし目として、予め定めた図柄の組み合わせが対応付けられている。
【0080】
また、主制御用CPU40aは、リプレイ役の当選時、当選内容に基づいて行う制御が異なる。本実施形態における主制御用CPU40aは、リプレイ役の中でも入賞に関して押し順(特定操作条件)の概念を有する突入リプレイ役の当選を決定する場合、同時に通常リプレイ役の当選を重複して決定(重複当選を決定)するようになっている。すなわち、主制御用CPU40aは、リプレイ役の中でも突入リプレイ役の当選の決定時、突入リプレイ役と通常リプレイ役の当選を重複して示す役情報を設定することになる。このため、主制御用CPU40aが通常リプレイ役の当選を決定する場合には、突入リプレイ役の当選に基づく重複当選とする時と、突入リプレイ役の当選に基づかない単独の当選(単独当選)とする時とがある。以下では、突入リプレイ役の当選と示す場合には、同時に通常リプレイ役にも当選している時を示している。
【0081】
そして、主制御用CPU40aは、単独当選とする通常リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく単独当選とする通常リプレイ役の入賞とするリプレイ停止目(賞態様)を停止表示させる。
【0082】
また、本実施形態のパチスロ10では、突入リプレイ役の当選時、3つのストップボタンのうち最初に操作されるストップボタンが正解であれば(特定操作条件と同一の操作条件を満たせば)、突入リプレイ停止目が停止表示される。本実施形態では、何れかの突入リプレイ役の当選に基づいてそれぞれに対応する特定操作条件としての正解の押し順が選択されることになる。
【0083】
そして、左正解突入リプレイ役の当選時には、左リール13Lを停止指示するストップボタン33Lが最初に操作されることを、押し順正解として突入リプレイ停止目が停止表示される。
【0084】
また、中正解突入リプレイ役の当選時には、中リール13Cを停止指示するストップボタン33Cが最初に操作されることを、押し順正解として突入リプレイ停止目が停止表示される。
【0085】
また、右正解突入リプレイ役の当選時には、右リール13Rを停止指示するストップボタン33Rが最初に操作されることを、押し順正解として突入リプレイ停止目が停止表示される。
【0086】
そして、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、押し順正解であれば(特定操作条件と同一の操作条件を満たせば)、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく突入リプレイ役の入賞とする突入リプレイ停止目(賞態様)を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、押し順不正解であれば(特定操作条件と異なる操作条件(非特定操作条件)を満たせば)、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく重複当選とする通常リプレイ役の入賞とするリプレイ停止目(賞態様)を停止表示させる。
【0087】
続いて、主制御用CPU40aは、各リールの全てを停止させて図柄の組み合わせを停止表示させると、入賞判定を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから役情報を読み出し、読み出した役情報(当選役)に対応する図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示されているかを判定する入賞判定を行う。入賞判定において、主制御用CPU40aは、各リールの停止に伴って入力する位置信号から、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせがどのような組み合わせであるかを特定し、その組み合わせが、役情報(当選役)に対応する賞態様であるか否かを判定する。主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが、役情報(当選役)に対応する賞態様である場合に入賞(肯定)と判定する一方、役情報(当選役)に対応する賞態様でない場合に非入賞(否定)と判定する。
【0088】
そして、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、賞態様に応じた制御を行う。主制御用CPU40aは、賞態様に応じて、遊技状態を移行させる制御や賞メダルを払出す制御を行う。そして、主制御用CPU40aは、入賞判定により入賞を判定する場合、入賞とした旨を示す入賞指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。入賞指示コマンドにより、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)は、変動ゲーム開始コマンドで指定される当選役が入賞したことを認識する。また、入賞指示コマンドでは、入賞とともに何れの停止目によって入賞したか(賞態様)に関しても、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)が特定できるようになっている。
【0089】
具体的に、主制御用CPU40aは、BN役の入賞を判定する場合、次の変動ゲームからBN遊技に移行させる遊技状態の制御を行う。そして、主制御用CPU40aは、BN遊技制御を行う。BN遊技制御において、主制御用CPU40aは、BN遊技の開始後、1回目の変動ゲームから遊技者に付与した(払出した)賞メダルのBN払出枚数のカウントを開始する。また、BN遊技制御において、主制御用CPU40aは、BN遊技の変動ゲームで賞メダルを遊技者に付与する毎にBN払出枚数を加算して更新する。そして、主制御用CPU40aは、BN払出枚数が最大払出数(本実施形態では75枚)を超える変動ゲームの終了に伴ってBN遊技を終了させる。
【0090】
また、主制御用CPU40aは、チェリー役の入賞を判定する場合、遊技状態に応じて1枚又は15枚の賞メダルを払出す制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時にはずれ停止目に基づいてチェリー役の入賞を判定しない場合(チェリー役の取りこぼしを判定する場合)、1枚以上の賞メダルを付与しない制御を行う。
【0091】
また、主制御用CPU40aは、スイカ役の入賞を判定する場合、遊技状態に応じて3枚又は15枚の賞メダルを払出す制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時にはずれ停止目に基づいてスイカ役の入賞を判定しない場合(スイカ役の取りこぼしを判定する場合)、1枚以上の賞メダルを付与しない制御を行う。
【0092】
また、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞を判定する場合、9枚の賞メダルを払出す制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時にはずれ停止目に基づいてベル役の入賞を判定しない場合(ベル役の取りこぼしを判定する場合)、1枚以上の賞メダルを付与しない制御を行う。
【0093】
また、主制御用CPU40aは、通常リプレイ役(単独当選又は重複当選)の入賞を判定する場合、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行う。再遊技させるための制御において、主制御用CPU40aは、入賞を判定した変動ゲームと同一のベット数を設定する。また、主制御用CPU40aは、通常リプレイ役の入賞を判定する場合、NRT遊技中であればNRT遊技を終了させて次の変動ゲームからRT2遊技に移行させる遊技状態の制御を行う一方、RT2遊技やRT3遊技中であればこれら遊技を継続させる遊技状態の制御を行う。また、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の入賞を判定する場合、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行うとともに、NRT遊技を終了させて次の変動ゲームからRT3遊技に移行させる遊技状態の制御を行う。
【0094】
次に、主制御用CPU40aが遊技状態に応じた変動ゲームに基づいて制御する遊技状態の移行の態様を図6に基づき説明する。
主制御用CPU40aは、遊技状態を移行させる場合、移行先の遊技状態を示す状態指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。状態指示コマンドにより、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)は、遊技状態が何れの状態に制御されているかを把握する。
【0095】
主制御用CPU40aは、一般遊技で当選したBN役の入賞を契機に、次の変動ゲームからBN遊技(BN)に移行させる。そして、主制御用CPU40aは、BN遊技の終了を契機に、当選時の遊技状態に関係なく次の変動ゲームからNRT遊技に移行させる。
【0096】
また、主制御用CPU40aは、NRT遊技に移行させると、通常リプレイ役(重複当選)に基づくリプレイ停止目による通常リプレイ役の入賞を契機に、次の変動ゲームからRT2遊技に移行させる。一方、主制御用CPU40aは、NRT遊技に移行させると、突入リプレイ役の当選に基づく突入リプレイ停止目による突入リプレイ役の入賞を契機に、次の変動ゲームからRT3遊技に移行させる。すなわち、本実施形態では、突入リプレイ役の当選時、該突入リプレイ役の押し順正解を満たすことで、RT3遊技への移行条件を満たすことになる。そして、本実施形態では、RT3遊技への移行条件を満たしたことで、突入リプレイ停止目が停止表示される(突入リプレイ役が入賞する)ことを契機としてRT3遊技へと遊技状態を移行させることになる。一方、本実施形態では、突入リプレイ役の当選時、該突入リプレイ役の押し順不正解を満たすことで、RT2遊技への移行条件を満たすことになる。そして、本実施形態では、RT2遊技への移行条件を満たしたことで、リプレイ停止目が停止表示される(通常リプレイ役が入賞する)ことを契機としてRT2遊技へと遊技状態を移行させることになる。なお、このNRT遊技の間には、リプレイ役として突入リプレイ役が入賞し得るとともに、突入リプレイ役との重複当選に基づく通常リプレイ役が入賞し得る。
【0097】
また、主制御用CPU40aは、RT2遊技に移行させると、RT2遊技での変動ゲームを50回(予め定めた遊技回数分)行わせる間、RT2遊技に維持するとともに、RT2遊技の変動ゲームを50回行わせた(RT2遊技の移行から50回目の変動ゲームの終了)を契機に、次の変動ゲームからNRT遊技に移行させる。なお、このRT2遊技の間には、リプレイ役として通常リプレイ役が入賞し得る一方、リプレイ停止目が停止表示されてもRT2遊技が維持されるようになっている。このため、本実施形態におけるRT2遊技は、付与される変動ゲームの回数に関し、その上限回数が「50回(有限)」に設定されていることになる。また、主制御用CPU40aは、RT2遊技に移行させると、行った変動ゲームのRT2中実行回数のカウントを開始し、該RT2中実行回数によりNRT遊技への移行の契機を把握する。なお、RT2中実行回数は、BN役の当選によりクリア(消去)される。
【0098】
また、主制御用CPU40aは、RT3遊技に移行させると、RT3遊技での変動ゲームを50回(予め定めた遊技回数分)行わせる間、RT3遊技に維持するとともに、RT3遊技での変動ゲームを50回行わせた(RT3遊技の移行から50回目の変動ゲームの終了)を契機に、次の変動ゲームからNRT遊技に移行させる。なお、このRT3遊技の間には、リプレイ役として通常リプレイ役が入賞し得る一方、リプレイ停止目が停止表示されてもRT3遊技が維持されるようになっている。このため、本実施形態におけるRT3遊技は、付与される変動ゲームに回数に関し、その上限回数が「50回(有限)」に設定されていることになる。また、主制御用CPU40aは、RT3遊技に移行させると、行った変動ゲームのRT3中実行回数のカウントを開始し、該RT3中実行回数によりNRT遊技への移行の契機を把握する。なお、RT3中実行回数は、BN役の当選によりクリア(消去)される。
【0099】
本実施形態において、NRT遊技の間には、当選役決定テーブルT1に示すように、リプレイ役として突入リプレイ役が入賞し得る。また、RT2遊技やRT3遊技では、当選役決定テーブルT2,T3に示すように、突入リプレイ役が決定され得ないようになっている。このため、本実施形態において、リプレイ役の当選確率を高確率抽選状態となるRT3遊技へは、NRT遊技を経ることになる。また、RT3遊技(高確率抽選状態)からNRT遊技への移行後は、突入リプレイ役が入賞することで、再度、RT3遊技(高確率抽選状態)へ移行することになる。
【0100】
このため、本実施形態では、遊技者にとって有利なRT3遊技が有利遊技状態となるとともに、突入リプレイ役を抽選の対象とするNRT遊技が第1遊技状態となる。また、本実施形態では、NRT遊技において突入リプレイ役を入賞させることができない場合に移行するRT2遊技が第2遊技状態となる。また、本実施形態では、このようにして遊技状態を制御する主制御用CPU40aが状態制御手段として機能する。
【0101】
次に、サブ制御用CPU41aがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドや入賞指示コマンドの各種コマンドを入力すると、該コマンドに指定される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容などを制御する。また、サブ制御用CPU41aは、状態指示コマンドを入力すると、遊技状態が何れの遊技状態に制御されているかを示すサブ用状態情報をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)する。サブ制御用CPU41aは、サブ用状態情報によって、主制御用CPU40aが管理している遊技状態を把握する。そして、サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドが入力される毎に各種演出に係る制御を行うようになっている。
【0102】
また、サブ制御用CPU41aは、演出表示装置14の演出状態を、主制御用CPU40aが制御する遊技状態に応じて複数種類に制御するようになっている。遊技者は、演出表示装置14の演出状態に応じて変動ゲーム(遊技)を行うことになる。そして、本実施形態のパチスロ10における演出状態では、その種類から遊技状態を遊技者に把握させたり、遊技者が遊技を有利に行うことができるような演出を行ったりするようになっている。
【0103】
本実施形態における演出状態は、図7に示すように、複数種類(4種類)に分類されている。そして、演出状態には、遊技状態が一般遊技であってNRT遊技である場合に行われ得る通常演出(NRT)状態がある。また、演出状態には、遊技状態が一般遊技であってRT2遊技である場合に行われ得る通常演出(RT2)状態がある。通常演出(NRT)状態、及び通常演出(RT2)状態において演出表示装置14では、通常演出状態用の表示画面Gaとなるように「通常」が画像表示される。なお、本実施形態では、内部的に通常演出(NRT)状態と通常演出(RT2)状態とを異なる制御状態として管理しているが、遊技者からは見分けが付かない構成としている。また、演出状態には、遊技状態が一般遊技であってRT3遊技である場合に行われるART演出状態がある。ART演出状態において演出表示装置14では、ART演出状態用の表示画面Gbとなるように「ART」が画像表示される。また、演出状態には、遊技状態がBN遊技である場合に行われるBN演出状態がある。BN演出状態において演出表示装置14では、BN演出状態用の表示画面Gcとなるように「ボーナス(BN)」が画像表示される。なお、通常演出(NRT)状態では、突入リプレイ役に当選する場合、図8(a),(b)に示すようなチャンス演出を経るようになっており、停止表示された結果に応じて演出状態へと移行するようになっている。そして、チャンス演出における演出表示装置14では、チャンス演出の実行中の表示画面Gdとなるように「チャンス」が画像表示される。
【0104】
本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに演出状態の種類を示す演出フラグ(情報)を設定することで、制御している演出状態を把握する。そして、サブ制御用CPU41aは、演出フラグに対応する背景画像用の画像表示用データを選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置14の表示内容(表示画面)を制御する。
【0105】
以下、各演出状態における制御内容について、演出表示装置14における表示演出と合わせて説明する。
そして、本実施形態におけるサブ制御用CPU41aは、以下に説明する各演出状態での制御を行う結果、図7に示す態様で制御する演出状態を移行させる。なお、図7では、演出状態の移行先の遊技状態を「括弧」内に示している。
【0106】
最初に、通常演出(NRT)状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がNRT遊技である場合、通常演出(NRT)状態に制御する。
【0107】
そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(NRT)状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞の指示を契機に、BN演出状態に制御する。
【0108】
また、サブ制御用CPU41aは、突入リプレイ役の当選が指定される場合、この当選時に突入リプレイ役の当選を報知するチャンス演出を行わせる。また、サブ制御用CPU41aは、チャンス演出を行わせる際(突入リプレイ役の当選時)、突入リプレイ停止目を停止表示させるための押し順正解となる操作方法(ストップボタンの押し順)をナビゲート(ナビ)する操作条件報知としての「リプナビ演出」を伴わせる場合がある。
【0109】
そして、サブ制御用CPU41aは、突入リプレイ役の当選が指定される場合、リプナビ演出の権利を獲得しているか否かを確認する。なお、サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出の権利を獲得しているか否かに関する情報を、サブ制御用RAM41cに設定している。サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出の権利を獲得していればチャンス演出でリプナビ演出を伴わせる一方、リプナビ演出の権利を獲得していなければチャンス演出でリプナビ演出を伴わせない。
【0110】
本実施形態におけるチャンス演出は、演出表示装置14で行われる。演出表示装置14では、図8(a),(b)に示すように、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させる。そして、演出表示装置14では、リプナビ演出を伴うチャンス演出において、図8(a)に示すように、3つのうちの一つに対して「1」の数字を付す態様で行われる。図8(a)では、3つのうち真ん中に「1」が付されていることから、ストップボタン33Cを最初に操作すべきことを遊技者に把握させる。また、演出表示装置14では、リプナビ演出を伴わないチャンス演出において、図8(b)に示すように、3つに対して「?(疑問符)」を付す態様で行われる。図8(b)では、3つに「?(疑問符)」が付されていることから、何れのストップボタンを最初に操作すべきかを遊技者に把握させない。すなわち、この場合には、何れのストップボタンを最初に操作すべきかを遊技者自身で選択することを把握させる。
【0111】
そして、サブ制御用CPU41aは、チャンス演出を行わせる場合、変動ゲームの開始に伴いチャンス演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。具体的に、サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出を伴わせる場合、例えば、中正解突入リプレイ役の当選が指定されていれば、ストップボタン33Cを最初に操作する内容でのチャンス演出を行わせる。また、サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出を伴わせない場合、当選が指定されている突入リプレイ役の種類に関係なく、最初に操作すべきストップボタンを遊技者自身に選択させる内容でのチャンス演出を行わせる。
【0112】
そして、サブ制御用CPU41aは、突入リプレイ役の入賞(突入リプレイ停止目の停止表示)を契機に、ART演出状態に制御する。この場合には、遊技状態がNRT遊技からRT3遊技に移行することになる。一方、サブ制御用CPU41aは、通常リプレイ役の入賞(リプレイ停止目の停止表示)時、通常演出(RT2)状態に移行させる。この場合には、NRT遊技からRT2遊技に移行することになる。
【0113】
このように、通常演出(NRT)状態に制御される変動ゲームでは、突入リプレイ役の当選時にリプナビ演出を伴うチャンス演出が行われる場合がある。そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(NRT)状態に制御すると、リプナビ演出の権利を獲得していればART演出状態に制御するまでの間、突入リプレイ役の当選時のチャンス演出でリプナビ演出を伴わせる。このため、通常演出(NRT)状態であってリプナビ演出の権利を獲得している変動ゲームでは、リプナビ演出にしたがって遊技を行うことで、遊技状態をRT3遊技に移行させることができることになる。このため、通常演出(NRT)状態であってリプナビ演出の権利を獲得している状況は、遊技者に有利となる。
【0114】
なお、サブ制御用CPU41aは、入賞に際してストップボタンの押し順を要する突入リプレイ役の当選が指定される場合、リプナビ演出の権利を獲得していなければチャンス演出でリプナビ演出を伴わせない。また、サブ制御用CPU41aは、入賞に際してストップボタンの押し順を要するベル役の当選が指定されても、その押し順をナビゲート(ナビ)するような演出を伴わせないようになっている。このため、通常演出(NRT)状態において、遊技者は、ベル役や突入リプレイ役の当選(リプナビ演出の権利を獲得していない)時、たまたま押し順正解となる場面でこれらを入賞させ得る。なお、リプナビ演出の権利は、通常演出(RT2)状態の変動ゲームで行われるナビ獲得抽選に当選することで獲得することができる。
【0115】
また、本実施形態における通常演出(NRT)状態に制御される変動ゲームでは、リプナビ演出を伴う場合、該リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われる、すなわち突入リプレイ停止目を停止表示させることができなければ、遊技者に不利な状況となるようにペナルティを付与するようになっている。一方、通常演出(NRT)状態に制御される変動ゲームでは、リプナビ演出を伴わない場合、ストップボタンの操作に関係なくペナルティを付与しないようになっている。なお、ペナルティの仕様については後で詳述する。
【0116】
次に、通常演出(RT2)状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がRT2遊技である場合、通常演出(RT2)状態に制御する。
【0117】
そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞の指示を契機に、BN演出状態に制御する。
【0118】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の当選が指定される場合、リプナビ演出の権利を獲得させるナビ獲得抽選を行うようになっている。なお、本実施形態のナビ獲得抽選では、1回だけでなく複数回分のリプナビ演出の権利を獲得できるようにしている。
【0119】
そして、サブ制御用CPU41aは、図9に示すように、ナビ獲得抽選を行う。ナビ獲得抽選では、リプナビ演出の権利を獲得させるか否かが決定(抽選)される。本実施形態では、図9に示すように、全小役(チェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役)に対して、「0(零)回」、「1回」、「2回」、「3回」、「4回」、「5回」、及び「10回」の獲得回数(個数)毎に乱数が振分けられている。また、サブ制御用CPU41aは、入賞するかどうかに関係なく当選に基づいてナビ獲得抽選を行う。なお、サブ制御用CPU41aは、各抽選に用いる乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、各抽選に用いる乱数は、所定の周期毎に更新され、サブ制御用RAM41cに記憶されている。
【0120】
本実施形態におけるナビ獲得抽選では、「0回」であってリプナビ演出の権利を獲得できない場面が大半となるように、乱数が振分けられている。また、本実施形態におけるナビ獲得抽選では、小役の当選毎に1/200の確率(0.5%の割合)でリプナビ演出の権利を獲得し得るとともに、1/250の確率(0.4%の割合)で複数回(2回以上分)のリプナビ演出の権利を獲得し得るように、乱数が振分けられている。
【0121】
そして、サブ制御用CPU41aは、小役の当選が指定される変動ゲームの開始に基づいてナビ獲得抽選を行う。そして、本実施形態のナビ獲得抽選で「0((零)回」とする場合にはリプナビ演出の権利を獲得できないことになる一方、ナビ獲得抽選で「1回」〜「5回」、又は「10回」とする場合には対応する回数(個数)分のリプナビ演出の権利を獲得することになる。なお、本実施形態におけるナビ獲得抽選では、はずれ役をナビ獲得抽選の対象となる当選役に定めていない。
【0122】
そして、サブ制御用CPU41aは、ナビ獲得抽選で「1回」〜「5回」、又は「10回」の当選を契機に、サブ制御用RAM41cに当選した回数分のリプナビ演出の権利を獲得している情報(フラグ)を設定する。なお、サブ制御用CPU41aは、既に獲得した分のリプナビ演出の権利が存在する場合、その分に今回の当選した回数分を加算した情報に更新する。なお、リプナビ演出の権利の獲得時、演出表示装置14では、リプナビ演出の権利の獲得を報知する演出を伴う。これにより、遊技者は、リプナビ演出の権利の獲得を把握し得る。本実施形態では、リプナビ演出の権利の獲得が操作条件報知の付与条件となる。
【0123】
なお、サブ制御用CPU41aは、入賞に際してストップボタンの押し順を要するベル役の当選が指定されても、その押し順をナビゲート(ナビ)するような演出を伴わせないようになっている。このため、通常演出(RT2)状態において、遊技者は、ベル役の当選時、たまたま押し順正解となる場面でベル役を入賞させ得る。
【0124】
また、本実施形態における通常演出(RT2)状態に制御される変動ゲームでは、ストップボタン33Lが最初に操作されなければ、遊技者にとって不利な状況となるようにペナルティを付与するようになっている。このため、本実施形態では、通常演出(RT2)状態において、ストップボタン33Lを最初に操作することを予め定めた操作と位置付けている。
【0125】
次に、ART演出状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がRT3遊技である間、ART演出状態に制御する。
【0126】
そして、サブ制御用CPU41aは、他の演出状態からART演出状態に制御する場合、サブ制御用RAM41cにART継続回数として「50回」を設定するとともに、サブ制御用RAM41cにART中実行回数として「0回」を設定する。なお、本実施形態におけるART継続回数は、遊技状態がRT3遊技に移行してから継続される回数であって、主制御用CPU40aが遊技状態をRT3遊技に制御することに同期させて、サブ制御用CPU41aが演出状態をART演出状態に制御する。
【0127】
また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の制御の開始後、1回目の変動ゲームから行った変動ゲームのART中実行回数のカウントを開始する。サブ制御用CPU41aは、ART演出状態に制御される変動ゲームを行わせる毎にART中実行回数を加算(+1)して更新する。また、サブ制御用CPU41aは、ART中実行回数とART継続回数に基づいて、これらを演出表示装置14で遊技者に報知もする。これにより、遊技者は、ART演出状態に制御される変動ゲームが継続される回数(残り回数)を把握する。なお、ART中実行回数は、主制御用CPU40aにより管理されるRT3中実行回数と同一条件でカウントされていればよい。
【0128】
また、サブ制御用CPU41aは、遊技状態がRT3遊技からNRT遊技への移行が指定される変動ゲーム(この場合には、ART中実行回数がサブ制御用RAM41cに設定されているART継続回数と一致する変動ゲーム)の終了に伴いART演出状態の制御を終了し、次の変動ゲームから通常演出(NRT)状態に制御する。
【0129】
本実施形態のパチスロ10では、上限回数が設定されている(「50回」)RT3遊技を利用して、ART継続回数を1セットとするART演出状態の変動ゲームを行わせるゲーム性を実現している。
【0130】
また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞の指示を契機に、BN演出状態に制御する。
【0131】
また、サブ制御用CPU41aは、ベル役の当選が指定される場合、ベル役の当選時にベル停止目を停止表示させるための押し順正解となる操作方法(最初に操作すべきストップボタン)をナビゲートするベルナビ演出を行わせる。本実施形態におけるベルナビ演出は、演出表示装置14で行われる。演出表示装置14では、図8(c)に示すように、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、そのうちの一つに対して「1」の数字を付す態様でベルナビ演出が行われる。図8(c)では、3つのうち真ん中に「1」が付されていることから、ストップボタン33Cを最初に操作すべきことを遊技者に把握させる。
【0132】
そして、サブ制御用CPU41aは、ベルナビ演出を行わせる場合、変動ゲームの開始に伴いベルナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。具体的に、サブ制御用CPU41aは、ベルナビ演出を行わせるに際し、例えば、中正解ベル役の当選が指定されていれば、ストップボタン33Cを最初に操作する内容でのベルナビ演出を行わせる。
【0133】
このように、ART演出状態に制御される変動ゲームでは、ベル役の当選時にベル停止目により賞メダルを獲得することができる。その結果、ART演出状態に制御される変動ゲームでは、ベル役の当選時に押し順のナビゲートが行われないことから、ベル役を入賞させることが困難となる通常演出(NRT)状態や通常演出(RT2)状態に制御される変動ゲームに比して、賞メダルを獲得し易くなる。さらにART演出状態に制御される変動ゲームでは、リプレイ役(この場合には通常リプレイ役)にも当選し易く保有するメダルの減少も抑えることができる。このため、ART演出状態は、遊技者に有利となる。
【0134】
次に、BN演出状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がBN遊技である間、BN演出状態に制御する。
そして、サブ制御用CPU41aは、各演出状態からBN演出状態に制御する場合、主制御用CPU40aが管理するBN払出枚数に対応する枚数を、演出表示装置14で遊技者に報知する。なお、サブ制御用CPU41aは、主制御用CPU40aからの各種コマンドから当選役や賞態様を特定する結果、主制御用CPU40aが管理するBN払出枚数に対応する枚数を把握し得る。
【0135】
また、サブ制御用CPU41aは、BN遊技の終了が指示される場合、BN演出状態の制御を終了し、次の変動ゲームから通常演出(NRT)状態に制御する。この場合には、遊技状態がNRT遊技に移行されている。
【0136】
また、サブ制御用CPU41aは、BN演出状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、ベル役の当選が指定される場合、ART演出状態と同様に、ベルナビ演出を行わせる。また、サブ制御用CPU41aは、ベルナビ演出に関してはART演出状態と同様の制御を行うため、ここでの説明は割愛する。このため、BN演出状態に制御される変動ゲームでは、ベル停止目により賞メダルを好適に獲得できる。
【0137】
このように構成される本実施形態のパチスロ10では、ART演出状態の突入の契機(RT3遊技への移行条件を満たし得る機会)が突入リプレイ役の当選毎に到来させるようになっている。このため、本実施形態では、突入リプレイ役の当選に基づくリプレイ停止目の停止表示(通常リプレイ役の入賞)から、次回の突入リプレイ役の当選までを1サイクル(周期)としてART演出状態の突入の契機を周期的に到来させることになる。具体的に、ART演出状態の突入の契機は、通常演出(RT2)状態(RT2遊技)に制御される50回分の変動ゲームに、通常演出(NRT)状態(NRT遊技)に制御されてから突入リプレイ役の当選するまで分の変動ゲーム、すなわち「50回+突入リプレイ役の当選まで分の回数」毎に到来する。本実施形態におけるART演出状態の仕様は、ART演出状態(RT3遊技)の突入を周期的に抽選する周期抽選仕様とも言える。
【0138】
そして、本実施形態のパチスロ10では、所定の天井条件を満たすことでリプナビ演出の権利を獲得させてART演出状態へ移行させ得る状況を遊技者に付与する、所謂「天井機能」を備えている。本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の突入の契機の到来時にART演出状態に移行しない状況が連続して15回続いたことを契機に、リプナビ演出の権利を獲得させるようになっている。
【0139】
具体的に、本実施形態における天井機能の仕様は、図10(a),(b)に示す仕様となっている。本実施形態では、図10(a)に示すように、ART演出状態の突入の契機(RT3遊技への移行条件を満たし得る契機)の到来時にART演出状態に移行しない状況が連続している回数を示す周期カウント値の値が特定回数としての天井周期回数となる「15」(周期カウント値=15)となることで、天井条件を満たすこと(天井到達)としている。本実施形態において、周期カウント値は、RT3遊技への移行条件が連続して満たされなかった回数となる。また、周期カウント値は、ART演出状態の突入の契機の到来時、リプレイ停止目の停止表示によるART演出状態に突入しない(ART非突入)となることで、「+1(1加算)」されることとしている。また、本実施形態では、天井条件を満たす(天井到達)ことで、1回以上のリプナビ演出の権利を獲得(1以上のナビ獲得)させるように設定しているとともに、5回以上のリプナビ演出の権利を獲得する割合を、通常演出(RT2)状態におけるナビ獲得抽選でリプナビ演出の権利を獲得する割合に比べて高く設定している。また、本実施形態では、ART演出状態への突入を満たすことで、周期カウント値をリセット(0(零)回を設定)するリセット条件としている。
【0140】
そして、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに周期カウント値を記憶(設定)している。なお、サブ制御用CPU41aは、周期カウント値を遊技中の間、制御中の演出状態に関係なく継続して保持する。また、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値が「15」(周期カウント値=15)となることで、天井条件を満たしていることして、天井機能に基づく制御を行うことになる。また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の突入の契機の到来時、リプレイ停止目の停止表示によるART演出状態に突入しない(ART非突入)場合に、サブ制御用RAM41cの周期カウント値を「+1(1加算)」して更新する。また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の突入の契機の到来時、突入リプレイ停止目の停止表示によるART演出状態に突入する(ART突入)場合に、サブ制御用RAM41cの周期カウント値をリセット(0(零)回を設定)する。なお、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cの周期カウント値をBN役の当選や入賞によってはリセットしないで、BN役の当選後やBN役の入賞後(BN遊技中も含む)も継続して保持する。
【0141】
また、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たしている場合、天井機能によるリプナビ演出の権利を獲得させる天井到達時ナビ獲得抽選を行うようになっている。なお、本実施形態の天井到達時ナビ獲得抽選では、1回だけでなく複数回分のリプナビ演出の権利を獲得できるようにしている。
【0142】
そして、サブ制御用CPU41aは、図10(b)に示すように、天井到達時ナビ獲得抽選を行う。天井到達時ナビ獲得抽選では、リプナビ演出の権利として獲得させる回数が決定(抽選)される。本実施形態では、図10(b)に示すように、「1回」、「2回」、「3回」、「4回」、「5回」、及び「10回」の獲得回数(個数)毎に乱数が振分けられている。また、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たしていることに基づいて天井到達時ナビ獲得抽選を行う。
【0143】
本実施形態における天井到達時ナビ獲得抽選では、「0回」であってリプナビ演出の権利を獲得できない場面が生じ得ないように、乱数が振分けられている。また、本実施形態における天井到達時ナビ獲得抽選では、1/10の確率(10%の割合)で「1回」〜「4回」のリプナビ演出の権利を獲得し得るとともに、9/10の確率(90%の割合)で5回以上のリプナビ演出の権利を獲得し得るように、乱数が振分けられている。
【0144】
このため、本実施形態では、天井到達時ナビ獲得抽選において、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選に比して多くのリプナビ演出の権利を獲得し易いようになっている。すなわち、本実施形態における天井到達時ナビ獲得抽選は、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選に比して遊技者に有利となるようになっている。本実施形態では、天井条件を満たしている場合(天井到達している場合)、突入リプレイ役の当選に基づいて、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選によるリプナビ演出に比して権利の獲得数が多いことから、遊技者に有利度が高く設定された天井到達時ナビ獲得抽選に基づくリプナビ演出を行わせることになる。
【0145】
また、初回のART演出状態の突入の場面では、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選によるリプナビ演出に比して次のART演出状態の突入の契機の到来時にもリプナビ演出を伴う可能性が高いことから、天井到達時ナビ獲得抽選に基づくリプナビ演出を行わせる場合に遊技者に有利度が高いことになる。なお、初回のART演出状態の突入となる場面は、直前のART演出状態の突入の契機の到来時にART演出状態に突入していない状況で、ART演出状態に突入する状況である。
【0146】
このため、本実施形態では、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選によるリプナビ演出が操作条件報知となる一方、天井到達時ナビ獲得抽選によるリプナビ演出が特定操作条件報知となる。また、本実施形態では、リプナビ演出を行わせるように制御するサブ制御用CPU41aが報知手段として機能する。また、本実施形態では、周期カウント値を計数するサブ制御用CPU41a(サブ制御用RAM41c)が計数手段として機能する。
【0147】
そして、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たした後(天井到達後)、次の突入リプレイ役の当選が指定される変動ゲームの開始に基づいて天井制御に基づいて天井到達時ナビ獲得抽選を行う。すなわち、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たした後(天井到達後)、突入リプレイ役の当選に基づくチャンス演出の開始に合わせて天井到達時ナビ獲得抽選を行う。また、本実施形態の天井到達時ナビ獲得抽選では、ナビ獲得抽選の当選結果に対応する回数(個数)分のリプナビ演出の権利を獲得することになる。
【0148】
そして、サブ制御用CPU41aは、天井到達時ナビ獲得抽選での当選結果に応じて、サブ制御用RAM41cに当選した回数分のリプナビ演出の権利を獲得している情報(フラグ)を設定する。なお、サブ制御用CPU41aは、既に獲得した分のリプナビ演出の権利が存在する場合、その分に今回の当選した回数分を加算した情報に更新する。また、この場合には、天井に到達していることからリプナビ演出の権利を獲得している可能性が非常に低いが、天井条件を満たした後、突入リプレイ役の当選までの間のナビ獲得抽選でリプナビ演出の権利を獲得している可能性もある。
【0149】
次に、本実施形態において、通常演出(NRT)状態、及び通常演出(RT2)遊技状態で遊技者の操作に基づいて付与するペナルティの仕様と付与態様について、図11(a),(b)、及び図12(a)〜(c)に基づき詳しく説明する。
【0150】
具体的に、本実施形態におけるペナルティの仕様は、図11(a),(b)に示す仕様となっている。本実施形態では、図11(a)に示すように、通常演出(RT2)状態において、ストップボタン33C又はストップボタン33Rが最初に操作(第1停止に中・右ボタン操作)されたこと、すなわちストップボタン33Lが最初に操作されなければ、ペナルティ付与条件を満たすこととしている。そして、この場合のペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が天井周期回数「15」の半分(2分の1)よりも大きく、「(天井周期回数)−1」となる「14」未満であればナビ獲得抽選によるリプナビ演出の権利を獲得し得ないナビ無獲得期間を設定する内容のペナルティを付与する。一方、この場合のペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が天井条件を満たす「15」の半分(2分の1)よりも大きく、「(天井周期回数)−1」となる「14」以上であればナビ無獲得期間の設定に加えて周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与する。また、本実施形態では、周期カウント値を減算するペナルティの付与後、その時の通常演出(RT2)状態が終了するまでの間に、再びペナルティ付与条件を満たしても「(注)」に示したようにナビ無獲得期間のみを設定する内容のペナルティを付与する。
【0151】
また、本実施形態では、通常演出(NRT)状態であれば、リプナビ演出を伴う場合、該リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われたこと(ナビ無視)、すなわち該リプナビ演出を伴っているのに突入リプレイ停止目を停止表示させることができなければ、ペナルティ付与条件を満たすこととしている。そして、この場合のペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値の値に関係なく周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与するようになっている。
【0152】
本実施形態で遊技者に付与するペナルティは、サブ制御用CPU41aの制御の範囲内で付与可能なペナルティとされている。そして、サブ制御用CPU41aは、ペナルティの付与に際しての具体的な制御として、図11(b)に示す内容の制御を行うようになっている。
【0153】
まず、通常演出(RT2)状態におけるペナルティを付与する際の制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態におけるペナルティを付与する際、その時にナビ無獲得期間の設定中であるか否かを確認する。サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間を設定中、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)している。そして、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されているナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数が「0(零)以上」であるか否かを判定することで、ナビ無獲得期間の設定中であるか否かを把握する。
【0154】
そして、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中でない場合(初回)、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「5回」を設定する。なお、ナビ無獲得期間の設定中でない場合におけるペナルティの発生は、ペナルティが連続でなく初めて発生した状況として扱うようになっている。一方、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中である場合(連続)、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「10回」を設定する。この場合にサブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中でナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数を設定しているが、該回数に関係なくナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「10回」を再設定する。なお、ナビ無獲得期間の設定中である場合におけるペナルティの発生は、ペナルティが連続して発生した状況として扱うようになっている。なお、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中、該設定中の1回の変動ゲームの消化(終了)する毎にナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数を「−1(1減算)」して更新する。
【0155】
そして、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中であれば、ナビ獲得抽選によりリプナビ演出の権利を獲得し得ないようになっている。本実施形態では、ナビ獲得抽選自体を行わせないようになっている。なお、本実施形態では、ナビ獲得抽選については行うが当選結果を無効、又は制御に反映させないようにしてもよい。また、サブ制御用CPU41aは、ナビ獲得抽選を通常演出(RT2)状態でのみ行うことから、演出状態が通常演出(NRT)状態やBN状態への移行に伴ってはナビ無獲得期間の設定を解除(ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「0(零)回」を設定)する。
【0156】
続いて、サブ制御用CPU41aは、ペナルティの付与に際し、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数が加算(増加)した場合、すなわちナビ無獲得期間を設定した場合、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値が「14」以上であれば周期カウント値を「−1(1減算)」して更新する。一方、この場合にサブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値が「14」未満である場合や、今回の通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算するペナルティが既に付与された後であれば、周期カウント値の減算を行わない。
【0157】
なお、サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態において、周期カウント値を減算するペナルティを付与した際、該ペナルティを付与したことを示す情報(フラグなど)をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)し、該情報により今回の通常演出(RT2)状態において、周期カウント値を減算するペナルティを付与しているか否かを把握する。そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態において、周期カウント値を減算するペナルティを付与したことを示す情報を、他の演出状態に制御することを契機に、リセットして消去するようになっている。
【0158】
その結果、通常演出(RT2)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が「14」未満であればナビ無獲得期間を設定する内容のペナルティを付与することになる。具体的に、本実施形態では、図12(a)に示すように、ペナルティ発生(ペナルティ付与条件を満たす)により、ナビ無獲得期間の設定中でなければナビ無獲得期間として5回を設定する(ナビ無獲得期間=0:ナビ無獲得期間←5(ゲーム)設定)。一方、本実施形態では、ナビ無獲得期間の設定中であればナビ無獲得期間として10回を設定する(ナビ無獲得期間≠0:ナビ無獲得期間←10(ゲーム)設定)。さらに、本実施形態では、周期カウント値が維持される。
【0159】
また、通常演出(RT2)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が「14」以上であればナビ無獲得期間の設定に加えて周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与することになる。具体的に、本実施形態では、図12(b)に示すように、ペナルティ発生(ペナルティ付与条件を満たす)により、ナビ無獲得期間の設定中でなければナビ無獲得期間として5回を設定する(ナビ無獲得期間=0:ナビ無獲得期間←5(ゲーム)設定)。一方、本実施形態では、ナビ無獲得期間の設定中であればナビ無獲得期間として10回を設定する(ナビ無獲得期間≠0:ナビ無獲得期間←10(ゲーム)設定)。さらに、本実施形態では、ペナルティ発生時における周期カウント値が[X]であれば周期カウント値として[X]から1減算した値を設定する(周期カウント値←X−1(回)設定)。
【0160】
なお、通常演出(RT2)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値を減算するペナルティの付与後、その時の通常演出(RT2)状態の終了までの間に、再びペナルティ付与条件を満たしてもナビ無獲得期間のみを設定する内容のペナルティを付与する。
【0161】
次に、通常演出(NRT)状態におけるペナルティを付与する際の制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、通常演出(NRT)状態におけるペナルティを付与する際、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値を「−1(1減算)」して更新する。この場合にサブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中であるか否か、その時の周期カウント値に関係なく周期カウント値を1減算する。なお、この場合のペナルティ付与条件は、ART演出状態へ突入しないことで満たされる一方、ART演出状態へ突入しないことから周期カウント値が1加算されるので、結果的に周期カウント値が変動しないで天井周期回数に近付かないことになる。
【0162】
その結果、通常演出(NRT)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値の値に関係なく周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与することになる。具体的に、本実施形態では、図12(c)に示すように、ペナルティ発生(ペナルティ付与条件を満たす)により、該ペナルティ発生時における周期カウント値が[X]であれば周期カウント値として[X]から1減算した値を設定する(周期カウント値←X−1(回)設定)。
【0163】
本実施形態では、所定期間とする「5回」、又は「10回」の間、ペナルティが付与されていない(ペナルティ未付与時)よりもリプナビ演出の権利を獲得し難くするナビ無獲得期間のみを設定するペナルティが第1ペナルティとなる一方、このようなナビ無獲得期間を設定するとともに周期カウント値を減算するペナルティが第2ペナルティとなる。また、本実施形態では、このようにペナルティを付与するサブ制御用CPU41aがペナルティ付与手段として機能する。
【0164】
このように構成された本実施形態では、通常演出(RT2)状態でペナルティが生じることで、リプナビ演出の権利を獲得し得ない状況となる。また、本実施形態では、通常演出(NRT)状態でペナルティが生じることで、リプナビ演出を伴っているのにART演出状態へ移行させない状況となる。これにより、本実施形態では、ペナルティが生じることで、ペナルティを生じない場合に比してART演出状態へ移行し難い状況となる。
【0165】
一方、本実施形態では、通常演出(RT2)状態でペナルティが生じると、天井周期回数「15」の一歩手前の周期カウント値が「14」に達していればペナルティにより周期カウント値が減算されることで、周期カウント値を天井周期回数に近付けさせ得ないことになる。また、本実施形態では、通常演出(NRT)状態でペナルティが生じると、周期カウント値に関係なくペナルティにより周期カウント値が減算されることで、周期カウント値を天井周期回数に近付けさせ得ないことになる。
【0166】
このため、本実施形態では、ペナルティが故意に生じさせられたとしても、そのペナルティによりART演出状態へ移行し難い状況と合わせて周期カウント値を天井周期回数に近付けさせ得ない状況も作り出すようにしている。
【0167】
そして、天井周期回数付近となる周期カウント値が「14」である場面では、通常演出(RT2)状態でリプナビ演出の権利の獲得を回避しようとペナルティを故意に生じさせると、図12(b)のようにペナルティが付与されることで、周期カウント値が減算されて天井周期回数に近付かない処か遠ざかることになる。すなわち、このように特に天井周期回数付近では、ART演出状態への移行を回避し易い状況となる一方で、天井周期回数から遠ざかる状況となる。
【0168】
また、天井周期回数付近となる周期カウント値が「14」である場面では、通常演出(NRT)状態でリプナビ演出を伴っているのに突入リプレイ停止目の停止表示を回避しようとペナルティを故意に生じさせると、図12(c)のようにペナルティが付与されることで、周期カウント値が減算されて天井周期回数に近付かないことになる。すなわち、このように特に天井周期回数付近では、ART演出状態への移行を回避する状況となる一方で、天井周期回数に近付かない状況となる。
【0169】
その結果、本実施形態は、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選に比して遊技者に有利な天井到達時ナビ獲得抽選を得ようと、リプナビ演出の権利の獲得を故意に回避したりART演出状態への移行を故意に回避したりするためにペナルティを故意に生じさせても、天井条件を満たし得ないように構成されている。
【0170】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が規定回数以上(「14」以上)の場合には、移行条件を満たし得る機会の到来までの間(通常演出(RT2)状態)で予め定めた操作と同一の操作(最初にストップボタン33L)がされなければ、上記回数(周期カウント値)を減算するペナルティを付与する構成とした。このため、上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)未到達時の規定回数以上(「14」以上)では、遊技者が故意にペナルティを生じさせても上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近付かなくなる。その結果、上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【0171】
(2)規定回数(周期カウント値が「14」)は、特定回数(天井周期回数)よりも少ない、且つ特定回数(天井周期回数)の2分の1以上にする構成とした。そして、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)は、特定回数(天井周期回数)未到達時であって、且つ特定回数(天井周期回数)の2分の1以上であれば、規定回数未満(周期カウント値が「14」未満)に比して特定回数(天井周期回数)に近いことになる。このため、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近い状況では、遊技者が故意にペナルティを生じさせても上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近付がなくなる。その結果、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【0172】
(3)第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))で操作条件報知(リプナビ演出)が行われる場合には、非特定操作条件を満たす(リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われる)と移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)を減算するペナルティを付与する構成とした。一方、第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))で操作条件報知(リプナビ演出)が行われない場合、非特定操作条件を満たしても(リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われても)ペナルティを付与しない構成とした。このため、第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))で有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))に移行させ得る状況では、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))への移行を故意に回避しようとすれば、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)を減算することになる。その結果、第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))では、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))への移行を故意に回避することで移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に到達させるような遊技者の行為を防止することができる。
【0173】
(4)第2遊技状態(RT2遊技(通常演出(RT2)状態))では、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が規定回数未満(「14」未満)の場合、所定期間(「5回」)の間、ペナルティ未付与時に比して操作条件報知の付与条件を満たし難くする第1ペナルティ(ナビ無獲得期間)を付与する構成とした。さらに、上記回数(周期カウント値)が規定回数以上(「14」以上)の場合には、所定期間(「5回」)の間、ペナルティ未付与時に比して操作条件報知の付与条件を満たし難くする、且つ移行条件が連続して満たされなかった回数を減算する第2ペナルティ(ナビ無獲得期間に加えて周期カウント値を1減算)を付与する構成とした。そして、各ペナルティの付与による所定期間(「5回」)中、さらにペナルティを付与する場合には、該所定期間(「5回」)よりも長い期間(「10回」)を再設定するようにした。これにより、ペナルティを連続的に生じさせる場合には、ペナルティとされる期間(ナビ無獲得期間)をさらに長くすることができる。このため、ペナルティを生じさせる場合には、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))へ移行し難くなるだけでなく、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近付かないことから、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))へ移行し得なくすることができる。その結果、故意にペナルティを生じさせることで、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)を特定回数(天井周期回数)に到達させることを防止することができる。
【0174】
(5)第2遊技状態(RT2遊技(通常演出(RT2)状態))では、第2ペナルティの付与後(周期カウント値の1減算後)、予め定めた遊技回数分(「50回」)の遊技の間、さらなるペナルティの付与に関し、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)に関係なく第1ペナルティ(ナビ無獲得期間のみ)を付与する構成とした。これにより、前記移行条件を満たし得る機会(ART演出状態の突入の契機)が到来する1周期の間には、第2ペナルティ(周期カウント値の1減算)の付与を1回に止められる。そして、遊技者が遊技中に遊技機(パチスロ10)から離れたりする場合には、他の遊技者が故意にペナルティを生じさせる操作をすることで、遊技中の遊技者の意に反してペナルティが生じてしまうこともある。このため、このような意に反してペナルティが生じてしまう場合でも、該ペナルティによる影響を最低限に止めることができる。その結果、遊技者が遊技中に遊技機(パチスロ10)から離れたりする場合、他の遊技者が故意にペナルティを生じさせる行為に至ったとしてもあまり意味をなさないようにすることで、該行為を防止することができる。
【0175】
(6)本実施形態では、通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算させるペナルティを付与する条件として、周期カウント値が「14」以上、すなわち「(天井周期回数)−1」以上となるようにした。このため、遊技者の意に反してペナルティが生じてしまう場合でも、該ペナルティによる影響を最低限に止めることができる。その結果、遊技者が遊技中に遊技機(パチスロ10)から離れたりする場合、他の遊技者が故意にペナルティを生じさせる行為に至ったとしてもあまり意味をなさないようにすることで、該行為を防止することができる。
【0176】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、天井到達による遊技者にとっての有利度合いを、リプナビ演出の権利の獲得に関したものでなくてもよく、遊技状態や演出状態の性能により設定することもできる。例えば、天井到達によるRT3遊技では、RT3遊技が次回のBN役の当選(BN遊技の入賞)まで継続する仕様にすることもできる。この場合には、RT3遊技の仕様を次回のBN役の当選(入賞)まで継続する一方、所定の当選役の入賞で終了するようにする。そして、この場合には、天井到達でないART演出状態の仕様を該所定の当選役の入賞も回避するような演出を50回の間行わせる仕様にする一方、天井到達によるART演出状態の仕様を該所定の当選役の入賞も回避するような演出を次回のBN役の当選(入賞)まで行わせる仕様にて実現することができる。なお、この場合には、ART演出状態への突入に関しての仕様も合わせて変更してもよい。
【0177】
・本実施形態は、通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算するペナルティの付与後、その時の通常演出(RT2)状態が終了するまでの間に、再びペナルティ付与条件を満たす場合、さらに周期カウント値を減算させてもよい。
【0178】
・本実施形態において、ナビ無獲得期間としては、常に「5回」を設定するようにしてもよいし、ナビ無獲得期間中のペナルティの付与であればナビ無獲得期間を加算して設定するようにしてもよい。
【0179】
・本実施形態は、ペナルティとしてナビ無獲得期間を設定しないパチスロに適用することもできる。
・本実施形態では、ART演出状態へ移行し難くするペナルティであればナビ無獲得期間の替わりにナビ獲得抽選に当選し難くするナビ獲得困難期間を設定することもできるし、リプナビ演出の権利を消滅させたりする内容のペナルティとしてもよい。また、ナビ無獲得期間の替わりのペナルティとしては、リプナビ演出の権利の獲得に関係ないペナルティを付与することもできる。
【0180】
・本実施形態では、ナビ獲得抽選を通常演出(NRT)状態やART演出状態やBN演出状態でも行わせることもできる。例えば、この場合には、通常演出(NRT)状態でもナビ無獲得期間を設定してもよい。また、この場合には、ART演出状態でリプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われるとナビ無獲得期間を設定することもできる。
【0181】
・本実施形態では、遊技状態の構成を任意に変更してもよく、RT性能の異なる一般遊技を設定したり、BN遊技とNRT遊技の間にさらに一般遊技を介在させたりもできる。また、遊技状態としては、NRT遊技を設定しなくてもよく、突入リプレイ役を抽選対象とする遊技状態が存在していればよく、このような遊技状態としてRT2遊技を対応付けてもよい。また、RT2遊技やRT3遊技に定める遊技回数を仕様に合わせて変更してもよく、例えば、「45回」や「100回」などに変更してもよいし、遊技状態毎に異なる回数に設定してもよい。
【0182】
・本実施形態では、通常演出(NRT)状態で一切のペナルティを付与しない構成とすることもできる。
・本実施形態では、天井周期回数を「15」未満や「15」よりも上に設定することもできる。
【0183】
・本実施形態では、通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算させるペナルティを付与する条件となる規定回数を、天井周期回数の2分の1以上であれば「(天井周期回数)−2」や「(天井周期回数)−3」などに変更することもできる。規定回数が下がるほどペナルティによって天井到達を狙い難くすることができる。
【0184】
・本実施形態では、周期カウント値が「15」に達した時(次回の突入リプレイ役の当選よりも前に)天井到達時ナビ獲得抽選を行うようにしてもよい。
・本実施形態では、突入リプレイ役として3択式としたが6択式や5択式にすることもできる。
【0185】
・本実施形態では、BN役の当選(入賞)により周期カウント値をリセットするようにしてもよい。
・本実施形態では、ナビ獲得抽選の仕様を替えてもよく、例えば、当選している小役の種類や演出状態に関わるモードなどの遊技の状況によりリプナビ演出の権利の獲得や獲得数に影響を与える構成とすることもできる。また、各種ナビ獲得抽選で獲得し得る数も変更してもよいし、獲得し得る数の振分けも変更してもよい。
【0186】
・本実施形態では、周期カウント値を減算するペナルティとして、一気に「2」以上を減算させる仕様にすることもできる。また、減算させる数は、遊技の状況によって変化するようにしてもよく、天井周期回数に近いほど減算する数を増やしたりしてもよい。また、通常演出(NRT)状態におけるペナルティの付与に際しては、周期カウント値を1加算もしないようにしてもよい。
【0187】
・本実施形態では、RT3遊技に移行させると、RT3遊技での変動ゲームを50回(予め定めた遊技回数分)行わせる間、当選役決定テーブルT3による変動ゲームが継続される、所謂、完走型のRT仕様に適用してもよい。
【0188】
・本実施形態では、RT3遊技への移行契機として、賞メダルの払出しを定める図柄の組み合わせを設定することもできる。
・本実施形態では、ボーナス遊技を設定しないようなパチスロに適用してもよく、例えば、RT3遊技に基づくART演出状態での遊技により遊技者の保有する賞メダルを増加させる仕様のパチスロに適用することもできる。
【0189】
・本実施形態において、有利遊技状態は、遊技者にとって有利であればよく、例えば、リプレイ役の合算の当選確率を他の遊技状態とほとんど変わりなく設定することもできる。この場合、特別遊技状態では、他の遊技状態で行わないベルナビ演出を行わせる仕様とすることで、遊技者にとって有利となる。
【0190】
・本実施形態は、演出表示装置14を設けないパチスロに適用することもできる。この場合には、ランプRの発光演出により演出状態を遊技者に報知したり、各演出状態用の専用ランプを設けてこれらを点灯させて演出状態を遊技者に報知したり、スピーカ18の音声演出により演出状態を遊技者に報知したりしてもよい。また、この場合には、ランプRやスピーカ18などによりリプナビ演出やベルナビ演出などの各種演出を行わせることもできる。
【0191】
・本実施形態では、BN遊技の終了を、入賞回数のみで規定することもできるし、実行回数のみで規定することもできる。また、BN役の種類を増やすこともできるし、BN役としてチャレンジタイム(所謂、「CT」)としてもよい。
【0192】
・本実施形態では、突入リプレイ役やベル役における停止目が変化し得る要素として、ストップボタンを操作するタイミングにしてもよい。この場合には、各リール(一つ又は全て)における特定の部分(図柄)を狙うような仕様が考えられる。そして、各種ナビ演出では、ストップボタンを操作するタイミング(特定の部分(図柄))を報知したりする。
【0193】
・本実施形態は、遊技媒体として遊技球を(パチンコ球)を用いるパチンコ式スロット機(パチスロ機)に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0194】
(イ)遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始され、1回の遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、遊技者による停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、遊技者に有利となる有利遊技状態への移行条件を満たし得る機会を周期的に到来させる遊技機において、前記移行条件が満たされることに基づいて前記有利遊技状態に移行させるように遊技状態を制御する状態制御手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づいて前記移行条件が連続して満たされなかった回数を計数する計数手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来までの間の遊技では、予め定めた操作と同一の操作がされない場合に遊技者に不利となるペナルティを付与するペナルティ付与手段と、を備え、前記状態制御手段は、前記計数手段の回数が特定回数に達した後、周期的に到来する前記移行条件を満たし得る機会を経て移行させる前記有利遊技状態に比して遊技者に有利度が高く設定された有利遊技状態に移行させ、前記ペナルティ付与手段は、前記計数手段の回数が前記特定回数よりも少ない規定回数以上の場合、前記計数手段の回数を減算するペナルティを付与することを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0195】
L1〜L5…入賞ライン、10…パチスロ、13…リールユニット、13L…左リール、13C…中リール、13R…右リール、32…スタートレバー、33L、33C、33R…ストップボタン、40…主制御基板、40a…主制御用CPU、40b…主制御用ROM、40c…主制御用RAM、41…サブ制御基板、41a…サブ制御用CPU、41b…サブ制御用ROM、41c…サブ制御用RAM。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下「パチスロ」と示す)では、遊技媒体(以下「メダル」と示す)が用いられ、パチスロへのメダルの投入により遊技を開始することができるようになっている。このようなパチスロでは、ボーナス遊技などの有利な状態が付与されない遊技が特定の回数へ到達することで、ボーナス遊技とは異なる有利な状態を生起させる、所謂、天井機能を備えるようにしたものが提案されている。
【0003】
そして、上記有利な状態として、再遊技となる「リプレイ」の当選確率を上昇させるとともに、メダルを増やし易くするために遊技のアシストを行うパチスロがある。また、このようなパチスロには、特定の順序でストップボタンが操作されたときに入賞させることができる当選役を設けて、上記有利な状態であれば該当選役の当選時に、ストップボタンの操作の順序を報知して遊技をアシストするものもある。
【0004】
近年、このようなパチスロでは、特許文献1のように、上記有利な状態に移行させるチャンスを周期的(64回の遊技毎)に到来させて、さらにこのような周期的に到来するチャンスで上記有利な状態に移行されない回数が周期天井回数(特定回数)へ到達することで上記有利な状態に移行させるといった、周期天井機能を備えるようにしたものもある。
【0005】
また、このようなパチスロでは、特定の順序でストップボタンが操作されたときに入賞させることができる当選役の当選を決定し易いように構成されていることから、上記有利な状態でなくても特定の順序でストップボタンが操作されてしまうと、上記有利な状態による恩恵が希薄になってしまう。このため、このようなパチスロでは、特許文献2のように、上記有利な状態でなければ特定の順序によるストップボタンの操作に対して、上記有利な状態へ移行させ難くしたり上記有利な状態へ移行させないようにしたりするペナルティを与えるといったペナルティ機能を備えるようにしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−030713号公報
【特許文献2】特開2003−117077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記周期天井機能による上記有利な状態の一例としては、周期的に到来するチャンスを経て上記有利な状態に移行する場合よりも、遊技者に与える利益を高めるものもある。このため、周期的に到来するチャンスで上記有利な状態に移行されない回数が周期天井回数(特定回数)付近では、故意に上記ペナルティ機能によるペナルティを生じさせて、利益の高い上記周期天井機能による上記有利な状態を得ようとする攻略要素が生じる可能性があった。
【0008】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、特定回数付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始され、1回の遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、遊技者による停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、前記1回の遊技が開始されるに際し複数の当選役の中から当選役を抽選する当選役抽選手段を備えた遊技機において、特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たすことで遊技者に有利となる有利遊技状態への移行条件を満たし得る機会を周期的に到来させるように遊技状態を制御する状態制御手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づく前記特定の当選役の当選に際し、前記特定操作条件を遊技者に報知する操作条件報知を行い得る報知手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づいて前記移行条件が連続して満たされなかった回数を計数する計数手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来までの間で予め定めた操作と同一の操作がされない場合に遊技者に不利となるペナルティを付与するペナルティ付与手段と、を備え、前記報知手段は、前記計数手段の回数が特定回数に達した場合、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知に比して遊技者に有利度が高く設定された特定操作条件報知を行わせ、前記ペナルティ付与手段は、前記計数手段の回数が規定回数以上の場合、前記計数手段の回数を減算するペナルティを付与することを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記規定回数は、前記特定回数よりも少ない、且つ前記特定回数の2分の1以上であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記当選役抽選手段が特定の当選役を抽選の対象とする第1遊技状態で前記特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たした場合には前記有利遊技状態への移行条件を満たす一方、前記特定操作条件と異なる非特定操作条件を満たした場合には前記当選役抽選手段が前記特定の当選役を抽選の対象としない第2遊技状態への移行条件を満たすようになっており、前記状態制御手段は、前記第1遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1の遊技状態へ移行する前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1遊技状態へ移行する前記有利遊技状態とを含む遊技状態を制御し、前記ペナルティ付与手段は、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われる場合、前記非特定操作条件を満たすと前記計数手段の回数に関係なく該計数手段の回数を減算するペナルティを付与する一方、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われない場合、前記非特定操作条件を満たしてもペナルティを付与しないことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記報知手段は、前記第2遊技状態で付与条件を満たすことで、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知を行わせるようになっており、前記ペナルティ付与手段は、前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数未満の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする第1ペナルティを付与する一方、前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数以上の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする、且つ前記計数手段の回数を減算する第2ペナルティを付与し、各ペナルティの付与による前記所定期間中、さらにペナルティを付与する場合、前記所定期間よりも長い期間を再設定することを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、前記ペナルティ付与手段は、前記第2遊技状態で前記第2ペナルティの付与後、該第2遊技状態に予め定めた遊技回数分の遊技が行われるまでの間、さらにペナルティを付与する場合、前記計数手段の回数に関係なく前記第1ペナルティを付与することを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特定回数付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パチスロの機表側を示す正面図。
【図2】入賞ラインを説明する説明図。
【図3】賞態様を説明する説明図。
【図4】パチスロの電気的構成を示すブロック図。
【図5】(a),(b)は当選役決定テーブルを説明する説明図。
【図6】遊技状態の移行の態様を説明する説明図。
【図7】演出状態の移行の態様を説明する説明図。
【図8】(a)〜(c)はナビ演出を説明する説明図。
【図9】ナビ獲得抽選を説明する説明図。
【図10】(a),(b)は天井機能を説明する説明図。
【図11】(a),(b)はペナルティの仕様を説明する説明図。
【図12】(a)〜(c)はペナルティの付与態様を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、「パチスロ」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のパチスロ10の機表側が略示されており、パチスロ10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12の前面上部には、遊技中(変動ゲーム中)に表示演出を行う液晶表示装置からなる演出装置としての演出表示装置14が配設されている。また、前面扉12の上部には、演出表示装置14を囲うように各種の演出効果光を発するランプRが設けられている。
【0016】
前面扉12の前面中央には、中央パネル15が設けられているとともに、当該中央パネル15には、機内部に配設される図柄表示手段としてのドラムユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。透視窓16は、中央パネル15と一体形成された合成樹脂板から構成されている。ドラムユニット13は、各種の図柄が印刷された投光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとから構成されている。そして、透視窓16には、左リール13Lを第1図柄列として、該第1図柄列が配置される隣には第2図柄列としての中リール13Cが配置し、該第2図柄列が配設される隣には第3図柄列としての右リール13Rが配置している。ドラムユニット13の各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)に印刷される各図柄は、予め定められた順に各図柄がそれぞれに配列されている。ドラムユニット13の左リール13Lには、図柄L00〜図柄L20の21個の図柄が配列されている。また、中リール13Cには、図柄C00〜図柄C20までの21個の図柄が配列されている。また、右リール13Rには、図柄R00〜図柄R20までの21個の図柄が配列されている。そして、変動ゲームにおいて左リール13Lでは、図柄L00、図柄L01・・・図柄L20、図柄L00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて中リール13Cでは、図柄C00、図柄C01・・・図柄C20、図柄C00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて右リール13Rでは、図柄R00、図柄R01・・・図柄R20、図柄R00の順に透視窓16に表示されるように変動する。
【0017】
なお、本実施形態において各リールでは、「REPLAY」の文字が装飾された図柄(リプレイ図柄)、「ベル」を模した図柄(ベル図柄)、「7」を模した図柄(セブン図柄)、「スイカ(すいか)」を模した図柄(スイカ図柄)、「チェリー」を模した図柄(チェリー図柄)などが配列されている。以下では、各図柄を、「図柄」を省いて、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「セブン」、「チェリー」と示す場合もある。
【0018】
そして、各リールは、各々に対応して設けられたステッピングモータ(図示しない)により独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リールが回転することによって透視窓16には各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)されるようになっている。そして、各リールの回転が停止した場合、透視窓16には、各リールのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に停止表示されるようになっている。このため、透視窓16は、各リールにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。また、各リールには、該各リールの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(図4に示す)が各リールにそれぞれ対応するように設けられている。
【0019】
また、パチスロ10には、図2に示すように、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせ(図柄組み合わせ)を規定する複数(本実施形態では5本)の図柄停止ラインが形成されている。本実施形態のパチスロ10では、図柄停止ラインとして、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得る入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5(実線で示す)が形成されている。すなわち、入賞ラインL1〜L5は、これら図柄停止ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する態様である場合、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与することとして有効と判定する有効ラインとなる。また、以下の説明で、単に「入賞ライン」と示す場合には、入賞ラインL1〜L5を示すものとする。
【0020】
具体的に説明すると、本実施形態の透視窓16では、図2に示すように9つの図柄停止位置D1〜D9に各列の図柄が停止表示されるようになっている。これら9つの図柄停止位置D1〜D9は、縦方向に上段、中段、下段に対応するとともに、横方向に左リール13L、中リール13C、右リール13Rに対応するよう3列に配置されている。そして、遊技者側から見て左側の上に位置する左リール用上停止位置D1と、遊技者側から見て左側の中央に位置する左リール用中停止位置D2と、遊技者側から見て左側の下に位置する左リール用下停止位置D3は、左リール13Lに対応する図柄停止位置とされ、左リール13Lの図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て中側の上に位置する中リール用上停止位置D4と、遊技者側から見て中側の中央に位置する中リール用中停止位置D5と、遊技者側から見て中側の下に位置する中リール用下停止位置D6は、中リール13Cに対応する図柄停止位置とされ、中リール13Cの図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て右側の上に位置する右リール用上停止位置D7と、遊技者側から見て右側の中央に位置する右リール用中停止位置D8と、遊技者側から見て右側の下に位置する右リール用下停止位置D9は、右リール13Rに対応する図柄停止位置とされ、右リール13Rの図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。
【0021】
そして、透視窓16では、左リール用上停止位置D1、中リール用上停止位置D4、及び右リール用上停止位置D7によって入賞ラインL1(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用中停止位置D2、中リール用中停止位置D5、及び右リール用中停止位置D8によって入賞ラインL2(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用下停止位置D3、中リール用下停止位置D6、及び右リール用下停止位置D9によって入賞ラインL3(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用上停止位置D1、中リール用中停止位置D5、及び右リール用下停止位置D9によって入賞ラインL4(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用下停止位置D3、中リール用中停止位置D5、及び右リール用上停止位置D7によって入賞ラインL5(有効)が形成される。
【0022】
また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部19が構成されている。各種情報表示部19には、投入可能表示用LED20a、再遊技表示用ランプ20b、ウェイト表示用LED20c、状態ランプ20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、ゲーム情報表示部24が形成されている。
【0023】
投入可能表示用LED20aは、変動ゲームのベット数を設定可能な状態、又は機本体に遊技媒体としてのメダルを投入可能な状態である時に点灯し、変動ゲームが開始される、又は最大のベット数(MAXBET)が設定され且つ貯留データ(クレジット)がクレジット上限枚数に達した場合に消灯する。再遊技表示用ランプ20bは、変動ゲームにおいて再遊技役としてのリプレイ役が入賞した場合に点灯する。ウェイト表示用LED20cは、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リールの回転動作が開始するように設定されている。状態ランプ20dは、変動ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする。
【0024】
また、賭数表示部21は、3つのランプから構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。1ベット(1BET)で最も下のランプが点灯し、2ベット(2BET)で最も下のランプと真ん中のランプとが点灯し、3ベット(3BET)で全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部22は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部23は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与される賞メダルの枚数が表示される。ゲーム情報表示部24では、ボーナス遊技中の払出枚数の総数を表示する。
【0025】
また、前面扉12の前面において中央パネル15の右下方位置には、メダル投入口27が配設されている。メダル投入口27の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(図4に示す)が配設されている。また、前面扉12の前面において中央パネル15の左下方位置には、左から順にBETボタン28、及びMAXBETボタン29が設けられている。BETボタン28は、機内部で貯留記憶されているクレジットから1ベット分(1枚分)を変動ゲームのベット数(賭数)としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。また、MAXBETボタン29は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数(本実施例では3ベット分(3枚分))を変動ゲームのベット数としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。
【0026】
また、前面扉12の前面において各BETボタン28,29の下方位置には、精算スイッチ31が設けられている。精算スイッチ31は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル(遊技媒体)、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用(操作)するスイッチである。また、精算スイッチ31の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作するスタートレバー32が設けられている。そして、パチスロ10では、ベット数の設定終了後にスタートレバー32を操作することにより、各リールの回転動作が開始されるようになっている。
【0027】
スタートレバー32の右方位置には、遊技者により操作されるストップボタン33L,33C,33Rが設けられている。ストップボタン33L,33C,33Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リールに対応して3個のストップボタンがある。
【0028】
また、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口36が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口36から排出されたメダルを受ける受皿37とともに、音声演出を行うスピーカ18が配設されている。
【0029】
また、図1に破線で示すように、パチスロ10本体においてドラムユニット13の下方となる位置には、パチスロ10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー38が配置されている。このホッパー38の下方側にはメダル排出口36が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー38に貯留されたメダルがメダル排出口36へと払出されるようになっている。前面扉12の裏面側においてメダル投入口27の下方位置には、該メダル投入口27とホッパー38とを繋ぐようにメダルセレクター39が配設されている。
【0030】
次に、遊技者が遊技(変動ゲーム)を行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
遊技(変動ゲーム)を開始させることが可能な状態において、ベット数を設定するには、BETボタン28、又はMAXBETボタン29の何れかを操作する。BETボタン28が操作された場合には、貯留記憶されているクレジットから1ベット分の枚数(メダル1枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。また、MAXBETボタン29が操作された場合には、貯留されているクレジットから対象とする遊技(変動ゲーム)で設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。なお、本実施形態のパチスロ10では、3ベットによる変動ゲームを許容するようになっている。
【0031】
また、パチスロ10では、メダル投入口27からベット数に相当する枚数のメダルを投入することで各ベット数を設定することが可能であって、メダル1枚を投入するとき1ベット分のベット数が設定されるとともに、メダル3枚を投入するとき3ベット分のベット数が設定される。なお、対象とする遊技で設定可能な最大ベット数(本実施形態では3ベット)を超える分のメダルがメダル投入口27から投入される場合、クレジット機能を使用している時にはクレジットとして記憶される一方で、クレジット機能を使用していない時には図示しない経路を辿ってメダル排出口36から遊技者に払出される(返却される)ようになっている。
【0032】
本実施形態のパチスロ10では、図2に示すように5本の入賞ラインを定めている。そして、遊技者によりBETボタン28、及びMAXBETボタン29が操作されると、それぞれのベット数が設定されるとともに5本の入賞ラインが有効となるように設定される。入賞ラインが有効になるとは、当該入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが有効となることで、有効な入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせに応じた制御(賞メダルの払出しなど)が行われる。本実施形態における変動ゲームでは常に5本の入賞ラインが有効となるよう構成されている。
【0033】
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー32の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー32を操作する開始操作を行えば、ドラムユニット13の各リールが回転し、透視窓16には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リールが回転して所定時間が経過すると、各ストップボタン33L,33C,33Rの操作が受付可能になる。そして、遊技者により各ストップボタン33L,33C,33Rが操作されると、対応する各リールが停止され、透視窓16からは対応する列の上段、中段及び下段に図柄が表示される。
【0034】
そして、各リールの全てが停止された時点で、有効化された入賞ラインの何れかに停止表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に入賞となり、入賞した賞態様に応じた賞(特典)が遊技者に付与される。例えば、賞として賞メダルを付与する場合には、入賞した賞態様に応じた枚数のメダルが賞メダルとして遊技者に付与される。また、特に予め定められた図柄の組み合わせが表示されてボーナス役(BN役)が入賞した場合にあっては、一般遊技とは異なり、遊技者にとって有利な、すなわち大量の賞メダルを獲得できるボーナス遊技が発生し、ボーナス遊技が遊技者に付与される。なお、一般遊技とは、ボーナス遊技でない遊技(変動ゲーム)を示している。
【0035】
本実施形態のパチスロ10では、スタートレバー32の開始操作を開始契機として1回の変動ゲーム(遊技)が開始し、ストップボタン33L,33C,33Rの停止操作により図柄の組み合わせが停止表示(停止)されることを1回とする変動ゲーム(遊技)が行われる。なお、図柄の組み合わせに応じて賞メダルが払出される場合には、賞メダルの払出しが完了したことを終了契機として1回の変動ゲーム(遊技)が終了する。
【0036】
本実施形態のパチスロ10において、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせについて図3に基づき説明する。
図3には、内部で決定される当選役に基づき入賞ライン上に停止表示する図柄の組み合わせ(停止結果)と、該図柄の組み合わせに対応する賞とを示した役構成が示されている。
【0037】
本実施形態では、図3に示される当選役に対応する図柄の組み合わせのいずれも有効とされる入賞ライン上に停止表示されていない場合には、1枚以上の賞メダルが遊技者に付与されないようになっている。なお、以下では、図3に示される何れにも対応しない図柄の組み合わせにより入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「はずれ停止目」と示す。
【0038】
また、[チェリー・ANY・ANY]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技状態に応じて1枚又は15枚の賞メダルを払出すことを定めている。なお、この場合には、入賞ラインを形成する中リール13C及び右リール13Rの各停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄(「ANY」)でもよい。以下では、[チェリー・ANY・ANY]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「チェリー停止目」と示す。そして、チェリー停止目は、内部抽選で当選役として「チェリー役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0039】
また、[スイカ・スイカ・スイカ]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技状態に応じて3枚又は15枚の賞メダルを払出すことを定めている。以下、[スイカ・スイカ・スイカ]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「スイカ停止目」と示す。そして、スイカ停止目は、内部抽選で当選役として「スイカ役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0040】
また、[ベル・ベル・ベル]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技状態に応じて9枚の賞メダルを払出すことを定めている。以下、[ベル・ベル・ベル]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「ベル停止目」と示す。そして、ベル停止目は、内部抽選で当選役として「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、及び「右正解ベル役」の何れかが決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0041】
このため、本実施形態における「チェリー役」、「スイカ役」、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」は、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせに基づいて賞メダルを払出すことを定める当選役(払出役)となる。また、以下の説明で、単に「ベル役」と示す場合には、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、及び「右正解ベル役」を示すものとする。
【0042】
また、[リプレイ・リプレイ・リプレイ/スイカ]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技者がベット数をベットすることなく内部で自動的にベット数が設定されることで次の変動ゲームを行う再遊技を付与することを定めている。なお、[リプレイ/スイカ]は、リプレイ図柄及びスイカ図柄の何れでもよいことを示す。以下、[リプレイ・リプレイ・リプレイ/スイカ]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「リプレイ停止目」と示す。そして、リプレイ停止目は、内部抽選で当選役として「通常リプレイ役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0043】
また、[リプレイ・リプレイ・チェリー]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、再遊技を付与することを定めている。以下、[リプレイ・リプレイ・チェリー]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「突入リプレイ停止目」と示す。そして、突入リプレイ停止目は、「左正解突入リプレイ役」、「中正解突入リプレイ役」、及び「右正解突入リプレイ役」の何れかが決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0044】
このため、本実施形態における「通常リプレイ役」、及び「突入リプレイ役」は、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせに基づいて再遊技を付与することを定める当選役(リプレイ役)となる。再遊技が付与される場合、遊技者はベット数をベットすることなく次の変動ゲームを行うことができる。そして、再遊技によりベット数が設定される場合には、再遊技が付与される契機となった変動ゲームで設定されたのと同一ベット数を設定することになる。なお、リプレイ役(再遊技役)では、リプレイ役が停止表示した変動ゲームが行われたベット数と同じベット数で次の変動ゲームを行うことができるのみであって、賞としてメダルが遊技者に払い出されるわけではない。すなわち、遊技者は、リプレイ役の入賞によっては賞メダルを獲得するわけではない。また、以下の説明で、単に「リプレイ役(又は再遊技役)」と示す場合には、「通常リプレイ役」、及び「突入リプレイ役」を示すものとする。また、以下の説明で、単に「突入リプレイ役」と示す場合には、「左正解突入リプレイ役」、「中正解突入リプレイ役」、及び「右正解突入リプレイ役」を示すものとする。
【0045】
本実施形態では、上述した「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」、「リプレイ役(再遊技役)」が小役となる。
また、[セブン・セブン・セブン]が何れかの入賞ライン上に停止表示される場合には、ボーナス遊技が開始(生起)されて「ボーナスゲーム(以下、「BN遊技」と示す)」を付与することを定めている。以下、[セブン・セブン・セブン]により入賞ラインを形成している場合の図柄の組み合わせを、「BN停止目」と示す。そして、BN停止目は、内部抽選で当選役として「BN役」が決定されている場合に入賞する賞態様に定められている。
【0046】
本実施形態において、BN役は、遊技状態としてBN遊技を作動(開始)させる契機となる当選役(ボーナス役)である。
また、本実施形態のパチスロ10には、リプレイ役(通常リプレイ役、突入リプレイ役)の当選確率を変動させて、遊技状態としてBN遊技以外における一般遊技を制御するRT機能(再遊技役確率変動機能)が搭載されている。本実施形態における一般遊技は、RT機能の作動態様に応じた状態に制御されるとともに、RT機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。そして、RT機能により一般遊技では、NRT遊技に制御される場合と、RT2遊技に制御される場合と、RT3遊技に制御される場合とがある。以下の説明で、単に「NRT遊技」と示す場合には、NRT遊技に制御される一般遊技を示し、単に「RT2遊技」と示す場合には、RT2遊技に制御される一般遊技を示し、単に「RT3遊技」と示す場合には、RT3遊技に制御される一般遊技を示すものとする。なお、本実施形態では、NRT遊技をRT機能の非作動とする非RT状態に位置付けている。
【0047】
次に、パチスロ10の電気的構成を図4にしたがって説明する。
パチスロ10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が装着されている。そして、サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
【0048】
主制御基板40には、ドラムユニット13を構成する各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4、サブ制御基板41、ホッパー38が接続されている。また、主制御基板40には、中央パネル15に設けられた各種情報表示部19(各種表示用LED20a〜20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、ゲーム情報表示部24)が接続されている。また、主制御基板40には、BETボタン28と、MAXBETボタン29と、精算スイッチ31と、スタートレバー32と、各ストップボタン33L,33C,33Rとが接続されている。また、サブ制御基板41には、演出表示装置14が接続されている。また、サブ制御基板41には、スピーカ18や、各種ランプRが接続されている。
【0049】
以下、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、主制御用CPU40aを備えており、該主制御用CPU40aには、主制御用ROM40b及び主制御用RAM40cが接続されている。主制御用CPU40aは、当選役決定乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値を主制御用RAM40cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。当選役決定乱数は、主制御用CPU40aが当選役決定テーブルに従い役(当選役)を決定する際に使用する乱数である。
【0050】
また、主制御用CPU40aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓16で表示されている図柄(回転中の各リールの回転位置)に応じて第1〜第3の位置信号が入力されるようになっている。第1の位置信号には左リール13Lが対応し、第2の位置信号には中リール13Cが対応し、第3の位置信号には右リール13Rが対応するようになっている。そして、主制御用CPU40aは、第1〜第3の位置信号により各リールの回転位置及び停止位置を把握し、該第1〜第3の位置信号に基づき各リールの回転及び停止の制御を行う。また、主制御基板40(主制御用CPU40a)には、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力されるようになっている。
【0051】
また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン28、MAXBETボタン29、精算スイッチ31、スタートレバー32及びストップボタン33L,33C,33Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力されるようになっている。また、主制御用CPU40aには、ホッパー38が接続されている。
【0052】
また、主制御用ROM40bには、パチスロ10を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、遊技状態別、並びに当選役別の内部当選確率が、当選役決定乱数の値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブルが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、役毎に図柄の組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、各ストップボタン33L,33C,33Rを遊技者が操作した時の操作のタイミングによって停止表示させる図柄を役毎に定めたものである。また、主制御用RAM40cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0053】
次に、主制御用ROM40bに記憶される当選役決定テーブルT1,T2,T3,T4について、図5(a),(b)に基づき説明する。
主制御用ROM40bには、抽選対象となる当選役の種類と、抽選対象となる各当選役の当選確率(抽選対象となる各当選役に振分けられる乱数値(乱数の値の範囲に基づく個数))を遊技状態毎にテーブル化したものが記憶されている。そして、各当選役決定テーブルは、遊技状態に応じて主制御用CPU40aにより用いられる。
【0054】
そして、一般遊技であればNRT遊技に当選役決定テーブルT1が対応付けられているとともに、RT2遊技に当選役決定テーブルT2が対応付けられている。また、一般遊技であればRT3遊技に当選役決定テーブルT3が対応付けられているとともに、BN遊技であれば当選役決定テーブルT4が対応付けられている。
【0055】
このため、本実施形態において、図5(a)に示すように、一般遊技では、リプレイ役(合算)の当選確率がRT3遊技(当選役決定テーブルT3)で、NRT遊技(当選役決定テーブルT1)、及びRT2(当選役決定テーブルT2)に比して大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。また、一般遊技では、通常リプレイ役の当選確率がRT3遊技(当選役決定テーブルT3)で最も高まるように当選役決定乱数が振分けられている。また、一般遊技では、突入リプレイ役の当選確率がNRT遊技(当選役決定テーブルT1)で最も高まるとともに、NRT遊技(当選役決定テーブルT1)でのみ当選可能となるように、当選役決定乱数が振分けられている。なお、NRT遊技(当選役決定テーブルT1)では、左正解突入リプレイ役、中正解突入リプレイ役、及び右正解突入リプレイ役の各当選確率が同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。また、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、リプレイ役を抽選対象としないように当選役決定乱数が振分けられている。
【0056】
このため、本実施形態では、RT3遊技において、リプレイ役(合算)の当選確率を高確率抽選状態に設定している一方、RT3遊技以外において、リプレイ役(合算)の当選確率を低確率抽選状態に設定している。また、本実施形態では、RT3遊技において、通常リプレイ役の当選確率を高確率抽選状態に設定しているとともに、NRT遊技において、突入リプレイ役の当選確率を高確率抽選状態に設定している。
【0057】
その結果、本実施形態のパチスロ10では、リプレイ役(合算)の当選確率が一般遊技で最も高まるRT3遊技において、再遊技が付与され易い分、遊技者の保有するメダルを消費(投入)する場面を減少させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。そして、RT3遊技では、遊技者の保有するメダルを消費(投入)を抑えつつ、BN役の抽選を受けてメダルを増加させ得るチャンスを遊技者に付与することができる。したがって、RT3遊技は、一般遊技における他の遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態(制御状態)である。
【0058】
また、本実施形態において、図5(b)に示すように、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、ベル役(合算)の当選確率が一般遊技(当選役決定テーブルT1〜T3)に比して大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。また、各遊技状態(当選役決定テーブルT1〜T3)では、左正解ベル役、中正解ベル役、及び右正解ベル役の各当選確率が同一遊技状態であれば同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。また、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、ベル役を主な抽選対象とするように当選役決定乱数が振分けられている。
【0059】
本実施形態のパチスロ10では、ベル役(合算)の当選確率が一般遊技に比して大きく高まるBN遊技において、ベル役に当選し易く賞メダルを獲得し易い分、遊技者の保有するメダルを増加させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。その結果、BN遊技では、遊技者の保留するメダルを増加させるチャンスを遊技者に付与することができる。
【0060】
なお、一般遊技(当選役決定テーブルT1〜T3)では、BN役の当選確率を所定確率に定めているとともに、リプレイ役、及びベル役以外の役の当選確率を所定確率に定めている。本実施形態では、例えば、BN役の当選確率を1/600(600分の1)に、チェリー役の当選確率を1/100(100分の1)に、スイカ役の当選確率を1/90(90分の1)に定めている。また、BN遊技(当選役決定テーブルT4)では、BN役やリプレイ役を役抽選の抽選対象としないことを定めている。また、後述するボーナス待機状態における当選役決定テーブルにおいては、小役の当選確率を所定確率に定めている。そして、後述するボーナス待機状態における当選役決定テーブルにおけるBN役の当選時には、その当選を他の当選役(小役又ははずれ役)の当選に置き換える(書き換える)。
【0061】
以下、サブ制御基板41について説明する。
サブ制御基板41は、サブ制御用CPU41aを備えており、該サブ制御用CPU41aにはサブ制御用ROM41b及びサブ制御用RAM41cが接続されている。サブ制御用ROM41bには、各種遊技演出を行うためのサブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカ18の音声出力態様が示される音声演出パターンや、各種ランプRの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。また、サブ制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。具体的には、サブ制御用RAM41cには、遊技状態に係るサブ用状態情報(フラグなど)がサブ制御用CPU41aにより記憶(設定)されるようになっている。
【0062】
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部19(各種表示用LED20a〜20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、ゲーム情報表示部24)の表示制御をその都度実行する。また、主制御用CPU40aは、賞態様の入賞に基づいて賞メダルを払出す場合、クレジット上限枚数(本実施形態では、「50(枚)」)を超えるとき、駆動信号をホッパー38に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払出させるように制御する。なお、主制御用CPU40aは、クレジットの清算時、駆動信号をホッパー38に出力して、クレジット分のメダルを遊技者に払出させるように制御する。
【0063】
そして、主制御用CPU40aは、メダル投入口27よりメダルが投入される、又は各BETボタン28,29の操作信号を入力すると、ベット数を設定する。また、主制御用CPU40aは、各BETボタン28,29が操作毎に、クレジット数を更新する。また、主制御用CPU40aは、メダルの投入によりクレジット数を増加させる場合、クレジット数を更新させる。そして、主制御用CPU40aは、3ベットのベット数を設定するときに変動ゲームを行うことができるゲーム開始可能な状態を生起する。
【0064】
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー32の操作信号を入力すると、役抽選(内部抽選)を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選役決定乱数の値を取得し、該値が主制御用ROM40bに記憶されている当選役決定テーブルの各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定する役抽選を行う。役抽選において、主制御用CPU40aは、遊技状態に応じた当選役決定テーブルを用いて当選役を決定する。なお、主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定している。そして、主制御用CPU40aは、状態情報により遊技状態を把握している。本実施形態では、役抽選を行う主制御用CPU40aが、当選役抽選手段として機能する。
【0065】
そして、主制御用CPU40aは、当選役を決定すると、決定した当選役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。主制御用CPU40aは、BN役の当選の決定時、該BN役が入賞するまでの間、主制御用RAM40cのBN役の役情報を持ち越すようになっている。このようにBN役の役情報が持ち越されている状態は、BN役の入賞を待機しているボーナス待機状態となる。一方、主制御用CPU40aは、小役の当選の決定時、該小役の入賞の有無に関係なく役抽選の対象とする変動ゲーム(1回)の終了に伴って、主制御用RAM40cの小役の役情報を消去する。
【0066】
このため、BN役は、役抽選による当選の決定が、その入賞までの変動ゲームに跨って持越可能な役となる。一方、小役は、役抽選による当選の決定が、1回の変動ゲームでのみ有効とされ、その入賞か否かに関係なく以後の変動ゲームに跨って持越不可能な役となる。
【0067】
続いて、主制御用CPU40aは、直前の変動ゲームの終了からウェイトタイムが経過している状態において、主制御用CPU40aは、各リールの回転動作を開始させるように各リールを制御する。また、主制御用CPU40aは、各リールの回転動作の開始に合わせて変動ゲームの開始を指示するとともに、役抽選の抽選結果及び変動ゲームが行われる遊技状態を示した変動ゲーム開始コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。また、変動ゲーム開始コマンドは、持ち越されているBN役があればその役情報も合わせて指示する。なお、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)への変動ゲーム開始コマンドは、遊技者によるスタートレバー32の操作を検出したタイミング(役抽選等を行った後)で出力するようにしてもよい。このように構成した場合には、ウェイトタイム中にも各種演出を実行可能となる。
【0068】
続いて、主制御用CPU40aは、遊技者によりストップボタン33L,33C,33Rの各種操作信号を入力すると、操作信号に対応するリールを停止させるための制御(停止制御)を行う。そして、主制御用CPU40aは、各リールに対応するリールセンサからの位置信号から、各リールの変動中には各リールの変動状況と、各リールの停止中には各リールの停止状況を把握している。なお、主制御用CPU40aは、ストップボタン33L,33C,33Rからの各種操作信号が入力されるまでの間、回転中のリールについて停止制御を行わないで回転動作を維持させる。
【0069】
次に、主制御用CPU40aが行う停止制御について説明する。
主制御用CPU40aは、決定した当選役に基づき各ストップボタン33L,33C,33Rが遊技者により操作されるタイミングから所定の範囲内(最大で4図柄分)で各リールを停止させて、任意の図柄の組み合わせを停止表示させる。主制御用CPU40aは、回転中の各リールを停止させる場合、当選している当選役と各ストップボタン33L,33C,33Rの操作タイミングから主制御用ROM40bに記憶される停止テーブルに基づく図柄の組み合わせを停止表示させる停止制御を行う。このため、各リールは、ストップボタン33L,33C,33Rの遊技者による停止操作のタイミングで停止するとは限らず、遊技者による停止操作のタイミングと各リールの停止するタイミングとが一致しない場合(所謂、「すべり」)がある。例えば、「すべり」を伴う制御では、停止させる図柄に対する遊技者による停止操作のタイミングが早いとき、各リールを各リールの変動方向に強制的にすべらせて該停止させる図柄を入賞ライン上に停止させる。本実施形態では、役抽選の抽選結果に応じた制御内容で、ストップボタン33L,33C,33Rの操作に基づいて対応するリールについて停止制御を行う主制御用CPU40aが、停止制御手段として機能する。
【0070】
このため、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が7つ以上の部分を有していなければ、すべり制御を伴う結果、何れかの入賞ライン上に停止させた種類の図柄を停止表示させることができる。一方、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が7つ以上の部分を有していれば、すべり制御を伴っても、何れの入賞ラインにも停止させた種類の図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0071】
そして、主制御用CPU40aは、BN役の当選(当選の持ち越し)時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、BN停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、BN役の当選(当選の持ち越し)時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合にはBN役の当選の可能性が有ることを示す「チャンス目」を停止させる。なお、この「チャンス目」は、はずれ役の当選時には停止表示されないようになっている。この場合には、BN役の取りこぼし(役情報の持ち越し)を発生させる。
【0072】
また、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、チェリー停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目を停止表示させる。この場合には、チェリー役の取りこぼしを発生させる。
【0073】
また、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、スイカ停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目を停止表示させる。この場合には、スイカ役の取りこぼしを発生させる。
【0074】
また、何れの当選役(BN役及び小役)も決定しない場合(はずれ役の当選時)、主制御用CPU40aは、はずれ停止目を停止表示させる。
次に、ベル役(左正解ベル役、中正解ベル役、及び右正解ベル役)及びリプレイ役(通常リプレイ役、及び突入リプレイ役)の当選時における停止制御について説明する。
【0075】
本実施形態のパチスロ10では、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、及び「右正解ベル役」の当選時、3つのストップボタンのうち最初に操作されるストップボタンに基づき、ベル停止目、及びはずれ停止目のうち何れかの停止目が停止表示される。本実施形態では、何れかのベル役の当選に基づいてそれぞれに対応する正解の押し順が選択されることになる。
【0076】
そして、左正解ベル役の当選時には、左リール13Lを停止指示するストップボタン33Lが最初に操作されることを、押し順正解としてベル停止目が停止表示される。一方、左正解ベル役の当選時には、左リール13L以外を停止指示するストップボタン33C,33Rの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてはずれ停止目(ベルこぼし目)が停止表示される。
【0077】
また、中正解ベル役の当選時には、中リール13Cを停止指示するストップボタン33Cが最初に操作されることを、押し順正解としてベル停止目が停止表示される。一方、中正解ベル役の当選時には、中リール13C以外を停止指示するストップボタン33L,33Rの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてはずれ停止目(ベルこぼし目)が停止表示される。
【0078】
また、右正解ベル役の当選時には、右リール13Rを停止指示するストップボタン33Rが最初に操作されることを、押し順正解としてベル停止目が停止表示される。一方、右正解ベル役の当選時には、右リール13R以外を停止指示するストップボタン33L,33Cの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてはずれ停止目(ベルこぼし目)が停止表示される。
【0079】
そして、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、押し順正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくベル停止目(賞態様)を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、押し順不正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくはずれ停止目(ベルこぼし目)を停止表示させる。なお、本実施形態では、ベルこぼし目として、予め定めた図柄の組み合わせが対応付けられている。
【0080】
また、主制御用CPU40aは、リプレイ役の当選時、当選内容に基づいて行う制御が異なる。本実施形態における主制御用CPU40aは、リプレイ役の中でも入賞に関して押し順(特定操作条件)の概念を有する突入リプレイ役の当選を決定する場合、同時に通常リプレイ役の当選を重複して決定(重複当選を決定)するようになっている。すなわち、主制御用CPU40aは、リプレイ役の中でも突入リプレイ役の当選の決定時、突入リプレイ役と通常リプレイ役の当選を重複して示す役情報を設定することになる。このため、主制御用CPU40aが通常リプレイ役の当選を決定する場合には、突入リプレイ役の当選に基づく重複当選とする時と、突入リプレイ役の当選に基づかない単独の当選(単独当選)とする時とがある。以下では、突入リプレイ役の当選と示す場合には、同時に通常リプレイ役にも当選している時を示している。
【0081】
そして、主制御用CPU40aは、単独当選とする通常リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく単独当選とする通常リプレイ役の入賞とするリプレイ停止目(賞態様)を停止表示させる。
【0082】
また、本実施形態のパチスロ10では、突入リプレイ役の当選時、3つのストップボタンのうち最初に操作されるストップボタンが正解であれば(特定操作条件と同一の操作条件を満たせば)、突入リプレイ停止目が停止表示される。本実施形態では、何れかの突入リプレイ役の当選に基づいてそれぞれに対応する特定操作条件としての正解の押し順が選択されることになる。
【0083】
そして、左正解突入リプレイ役の当選時には、左リール13Lを停止指示するストップボタン33Lが最初に操作されることを、押し順正解として突入リプレイ停止目が停止表示される。
【0084】
また、中正解突入リプレイ役の当選時には、中リール13Cを停止指示するストップボタン33Cが最初に操作されることを、押し順正解として突入リプレイ停止目が停止表示される。
【0085】
また、右正解突入リプレイ役の当選時には、右リール13Rを停止指示するストップボタン33Rが最初に操作されることを、押し順正解として突入リプレイ停止目が停止表示される。
【0086】
そして、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、押し順正解であれば(特定操作条件と同一の操作条件を満たせば)、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく突入リプレイ役の入賞とする突入リプレイ停止目(賞態様)を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、押し順不正解であれば(特定操作条件と異なる操作条件(非特定操作条件)を満たせば)、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく重複当選とする通常リプレイ役の入賞とするリプレイ停止目(賞態様)を停止表示させる。
【0087】
続いて、主制御用CPU40aは、各リールの全てを停止させて図柄の組み合わせを停止表示させると、入賞判定を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから役情報を読み出し、読み出した役情報(当選役)に対応する図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示されているかを判定する入賞判定を行う。入賞判定において、主制御用CPU40aは、各リールの停止に伴って入力する位置信号から、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせがどのような組み合わせであるかを特定し、その組み合わせが、役情報(当選役)に対応する賞態様であるか否かを判定する。主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが、役情報(当選役)に対応する賞態様である場合に入賞(肯定)と判定する一方、役情報(当選役)に対応する賞態様でない場合に非入賞(否定)と判定する。
【0088】
そして、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、賞態様に応じた制御を行う。主制御用CPU40aは、賞態様に応じて、遊技状態を移行させる制御や賞メダルを払出す制御を行う。そして、主制御用CPU40aは、入賞判定により入賞を判定する場合、入賞とした旨を示す入賞指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。入賞指示コマンドにより、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)は、変動ゲーム開始コマンドで指定される当選役が入賞したことを認識する。また、入賞指示コマンドでは、入賞とともに何れの停止目によって入賞したか(賞態様)に関しても、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)が特定できるようになっている。
【0089】
具体的に、主制御用CPU40aは、BN役の入賞を判定する場合、次の変動ゲームからBN遊技に移行させる遊技状態の制御を行う。そして、主制御用CPU40aは、BN遊技制御を行う。BN遊技制御において、主制御用CPU40aは、BN遊技の開始後、1回目の変動ゲームから遊技者に付与した(払出した)賞メダルのBN払出枚数のカウントを開始する。また、BN遊技制御において、主制御用CPU40aは、BN遊技の変動ゲームで賞メダルを遊技者に付与する毎にBN払出枚数を加算して更新する。そして、主制御用CPU40aは、BN払出枚数が最大払出数(本実施形態では75枚)を超える変動ゲームの終了に伴ってBN遊技を終了させる。
【0090】
また、主制御用CPU40aは、チェリー役の入賞を判定する場合、遊技状態に応じて1枚又は15枚の賞メダルを払出す制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時にはずれ停止目に基づいてチェリー役の入賞を判定しない場合(チェリー役の取りこぼしを判定する場合)、1枚以上の賞メダルを付与しない制御を行う。
【0091】
また、主制御用CPU40aは、スイカ役の入賞を判定する場合、遊技状態に応じて3枚又は15枚の賞メダルを払出す制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時にはずれ停止目に基づいてスイカ役の入賞を判定しない場合(スイカ役の取りこぼしを判定する場合)、1枚以上の賞メダルを付与しない制御を行う。
【0092】
また、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞を判定する場合、9枚の賞メダルを払出す制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時にはずれ停止目に基づいてベル役の入賞を判定しない場合(ベル役の取りこぼしを判定する場合)、1枚以上の賞メダルを付与しない制御を行う。
【0093】
また、主制御用CPU40aは、通常リプレイ役(単独当選又は重複当選)の入賞を判定する場合、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行う。再遊技させるための制御において、主制御用CPU40aは、入賞を判定した変動ゲームと同一のベット数を設定する。また、主制御用CPU40aは、通常リプレイ役の入賞を判定する場合、NRT遊技中であればNRT遊技を終了させて次の変動ゲームからRT2遊技に移行させる遊技状態の制御を行う一方、RT2遊技やRT3遊技中であればこれら遊技を継続させる遊技状態の制御を行う。また、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の入賞を判定する場合、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行うとともに、NRT遊技を終了させて次の変動ゲームからRT3遊技に移行させる遊技状態の制御を行う。
【0094】
次に、主制御用CPU40aが遊技状態に応じた変動ゲームに基づいて制御する遊技状態の移行の態様を図6に基づき説明する。
主制御用CPU40aは、遊技状態を移行させる場合、移行先の遊技状態を示す状態指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。状態指示コマンドにより、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)は、遊技状態が何れの状態に制御されているかを把握する。
【0095】
主制御用CPU40aは、一般遊技で当選したBN役の入賞を契機に、次の変動ゲームからBN遊技(BN)に移行させる。そして、主制御用CPU40aは、BN遊技の終了を契機に、当選時の遊技状態に関係なく次の変動ゲームからNRT遊技に移行させる。
【0096】
また、主制御用CPU40aは、NRT遊技に移行させると、通常リプレイ役(重複当選)に基づくリプレイ停止目による通常リプレイ役の入賞を契機に、次の変動ゲームからRT2遊技に移行させる。一方、主制御用CPU40aは、NRT遊技に移行させると、突入リプレイ役の当選に基づく突入リプレイ停止目による突入リプレイ役の入賞を契機に、次の変動ゲームからRT3遊技に移行させる。すなわち、本実施形態では、突入リプレイ役の当選時、該突入リプレイ役の押し順正解を満たすことで、RT3遊技への移行条件を満たすことになる。そして、本実施形態では、RT3遊技への移行条件を満たしたことで、突入リプレイ停止目が停止表示される(突入リプレイ役が入賞する)ことを契機としてRT3遊技へと遊技状態を移行させることになる。一方、本実施形態では、突入リプレイ役の当選時、該突入リプレイ役の押し順不正解を満たすことで、RT2遊技への移行条件を満たすことになる。そして、本実施形態では、RT2遊技への移行条件を満たしたことで、リプレイ停止目が停止表示される(通常リプレイ役が入賞する)ことを契機としてRT2遊技へと遊技状態を移行させることになる。なお、このNRT遊技の間には、リプレイ役として突入リプレイ役が入賞し得るとともに、突入リプレイ役との重複当選に基づく通常リプレイ役が入賞し得る。
【0097】
また、主制御用CPU40aは、RT2遊技に移行させると、RT2遊技での変動ゲームを50回(予め定めた遊技回数分)行わせる間、RT2遊技に維持するとともに、RT2遊技の変動ゲームを50回行わせた(RT2遊技の移行から50回目の変動ゲームの終了)を契機に、次の変動ゲームからNRT遊技に移行させる。なお、このRT2遊技の間には、リプレイ役として通常リプレイ役が入賞し得る一方、リプレイ停止目が停止表示されてもRT2遊技が維持されるようになっている。このため、本実施形態におけるRT2遊技は、付与される変動ゲームの回数に関し、その上限回数が「50回(有限)」に設定されていることになる。また、主制御用CPU40aは、RT2遊技に移行させると、行った変動ゲームのRT2中実行回数のカウントを開始し、該RT2中実行回数によりNRT遊技への移行の契機を把握する。なお、RT2中実行回数は、BN役の当選によりクリア(消去)される。
【0098】
また、主制御用CPU40aは、RT3遊技に移行させると、RT3遊技での変動ゲームを50回(予め定めた遊技回数分)行わせる間、RT3遊技に維持するとともに、RT3遊技での変動ゲームを50回行わせた(RT3遊技の移行から50回目の変動ゲームの終了)を契機に、次の変動ゲームからNRT遊技に移行させる。なお、このRT3遊技の間には、リプレイ役として通常リプレイ役が入賞し得る一方、リプレイ停止目が停止表示されてもRT3遊技が維持されるようになっている。このため、本実施形態におけるRT3遊技は、付与される変動ゲームに回数に関し、その上限回数が「50回(有限)」に設定されていることになる。また、主制御用CPU40aは、RT3遊技に移行させると、行った変動ゲームのRT3中実行回数のカウントを開始し、該RT3中実行回数によりNRT遊技への移行の契機を把握する。なお、RT3中実行回数は、BN役の当選によりクリア(消去)される。
【0099】
本実施形態において、NRT遊技の間には、当選役決定テーブルT1に示すように、リプレイ役として突入リプレイ役が入賞し得る。また、RT2遊技やRT3遊技では、当選役決定テーブルT2,T3に示すように、突入リプレイ役が決定され得ないようになっている。このため、本実施形態において、リプレイ役の当選確率を高確率抽選状態となるRT3遊技へは、NRT遊技を経ることになる。また、RT3遊技(高確率抽選状態)からNRT遊技への移行後は、突入リプレイ役が入賞することで、再度、RT3遊技(高確率抽選状態)へ移行することになる。
【0100】
このため、本実施形態では、遊技者にとって有利なRT3遊技が有利遊技状態となるとともに、突入リプレイ役を抽選の対象とするNRT遊技が第1遊技状態となる。また、本実施形態では、NRT遊技において突入リプレイ役を入賞させることができない場合に移行するRT2遊技が第2遊技状態となる。また、本実施形態では、このようにして遊技状態を制御する主制御用CPU40aが状態制御手段として機能する。
【0101】
次に、サブ制御用CPU41aがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドや入賞指示コマンドの各種コマンドを入力すると、該コマンドに指定される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容などを制御する。また、サブ制御用CPU41aは、状態指示コマンドを入力すると、遊技状態が何れの遊技状態に制御されているかを示すサブ用状態情報をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)する。サブ制御用CPU41aは、サブ用状態情報によって、主制御用CPU40aが管理している遊技状態を把握する。そして、サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドが入力される毎に各種演出に係る制御を行うようになっている。
【0102】
また、サブ制御用CPU41aは、演出表示装置14の演出状態を、主制御用CPU40aが制御する遊技状態に応じて複数種類に制御するようになっている。遊技者は、演出表示装置14の演出状態に応じて変動ゲーム(遊技)を行うことになる。そして、本実施形態のパチスロ10における演出状態では、その種類から遊技状態を遊技者に把握させたり、遊技者が遊技を有利に行うことができるような演出を行ったりするようになっている。
【0103】
本実施形態における演出状態は、図7に示すように、複数種類(4種類)に分類されている。そして、演出状態には、遊技状態が一般遊技であってNRT遊技である場合に行われ得る通常演出(NRT)状態がある。また、演出状態には、遊技状態が一般遊技であってRT2遊技である場合に行われ得る通常演出(RT2)状態がある。通常演出(NRT)状態、及び通常演出(RT2)状態において演出表示装置14では、通常演出状態用の表示画面Gaとなるように「通常」が画像表示される。なお、本実施形態では、内部的に通常演出(NRT)状態と通常演出(RT2)状態とを異なる制御状態として管理しているが、遊技者からは見分けが付かない構成としている。また、演出状態には、遊技状態が一般遊技であってRT3遊技である場合に行われるART演出状態がある。ART演出状態において演出表示装置14では、ART演出状態用の表示画面Gbとなるように「ART」が画像表示される。また、演出状態には、遊技状態がBN遊技である場合に行われるBN演出状態がある。BN演出状態において演出表示装置14では、BN演出状態用の表示画面Gcとなるように「ボーナス(BN)」が画像表示される。なお、通常演出(NRT)状態では、突入リプレイ役に当選する場合、図8(a),(b)に示すようなチャンス演出を経るようになっており、停止表示された結果に応じて演出状態へと移行するようになっている。そして、チャンス演出における演出表示装置14では、チャンス演出の実行中の表示画面Gdとなるように「チャンス」が画像表示される。
【0104】
本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに演出状態の種類を示す演出フラグ(情報)を設定することで、制御している演出状態を把握する。そして、サブ制御用CPU41aは、演出フラグに対応する背景画像用の画像表示用データを選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置14の表示内容(表示画面)を制御する。
【0105】
以下、各演出状態における制御内容について、演出表示装置14における表示演出と合わせて説明する。
そして、本実施形態におけるサブ制御用CPU41aは、以下に説明する各演出状態での制御を行う結果、図7に示す態様で制御する演出状態を移行させる。なお、図7では、演出状態の移行先の遊技状態を「括弧」内に示している。
【0106】
最初に、通常演出(NRT)状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がNRT遊技である場合、通常演出(NRT)状態に制御する。
【0107】
そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(NRT)状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞の指示を契機に、BN演出状態に制御する。
【0108】
また、サブ制御用CPU41aは、突入リプレイ役の当選が指定される場合、この当選時に突入リプレイ役の当選を報知するチャンス演出を行わせる。また、サブ制御用CPU41aは、チャンス演出を行わせる際(突入リプレイ役の当選時)、突入リプレイ停止目を停止表示させるための押し順正解となる操作方法(ストップボタンの押し順)をナビゲート(ナビ)する操作条件報知としての「リプナビ演出」を伴わせる場合がある。
【0109】
そして、サブ制御用CPU41aは、突入リプレイ役の当選が指定される場合、リプナビ演出の権利を獲得しているか否かを確認する。なお、サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出の権利を獲得しているか否かに関する情報を、サブ制御用RAM41cに設定している。サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出の権利を獲得していればチャンス演出でリプナビ演出を伴わせる一方、リプナビ演出の権利を獲得していなければチャンス演出でリプナビ演出を伴わせない。
【0110】
本実施形態におけるチャンス演出は、演出表示装置14で行われる。演出表示装置14では、図8(a),(b)に示すように、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させる。そして、演出表示装置14では、リプナビ演出を伴うチャンス演出において、図8(a)に示すように、3つのうちの一つに対して「1」の数字を付す態様で行われる。図8(a)では、3つのうち真ん中に「1」が付されていることから、ストップボタン33Cを最初に操作すべきことを遊技者に把握させる。また、演出表示装置14では、リプナビ演出を伴わないチャンス演出において、図8(b)に示すように、3つに対して「?(疑問符)」を付す態様で行われる。図8(b)では、3つに「?(疑問符)」が付されていることから、何れのストップボタンを最初に操作すべきかを遊技者に把握させない。すなわち、この場合には、何れのストップボタンを最初に操作すべきかを遊技者自身で選択することを把握させる。
【0111】
そして、サブ制御用CPU41aは、チャンス演出を行わせる場合、変動ゲームの開始に伴いチャンス演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。具体的に、サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出を伴わせる場合、例えば、中正解突入リプレイ役の当選が指定されていれば、ストップボタン33Cを最初に操作する内容でのチャンス演出を行わせる。また、サブ制御用CPU41aは、リプナビ演出を伴わせない場合、当選が指定されている突入リプレイ役の種類に関係なく、最初に操作すべきストップボタンを遊技者自身に選択させる内容でのチャンス演出を行わせる。
【0112】
そして、サブ制御用CPU41aは、突入リプレイ役の入賞(突入リプレイ停止目の停止表示)を契機に、ART演出状態に制御する。この場合には、遊技状態がNRT遊技からRT3遊技に移行することになる。一方、サブ制御用CPU41aは、通常リプレイ役の入賞(リプレイ停止目の停止表示)時、通常演出(RT2)状態に移行させる。この場合には、NRT遊技からRT2遊技に移行することになる。
【0113】
このように、通常演出(NRT)状態に制御される変動ゲームでは、突入リプレイ役の当選時にリプナビ演出を伴うチャンス演出が行われる場合がある。そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(NRT)状態に制御すると、リプナビ演出の権利を獲得していればART演出状態に制御するまでの間、突入リプレイ役の当選時のチャンス演出でリプナビ演出を伴わせる。このため、通常演出(NRT)状態であってリプナビ演出の権利を獲得している変動ゲームでは、リプナビ演出にしたがって遊技を行うことで、遊技状態をRT3遊技に移行させることができることになる。このため、通常演出(NRT)状態であってリプナビ演出の権利を獲得している状況は、遊技者に有利となる。
【0114】
なお、サブ制御用CPU41aは、入賞に際してストップボタンの押し順を要する突入リプレイ役の当選が指定される場合、リプナビ演出の権利を獲得していなければチャンス演出でリプナビ演出を伴わせない。また、サブ制御用CPU41aは、入賞に際してストップボタンの押し順を要するベル役の当選が指定されても、その押し順をナビゲート(ナビ)するような演出を伴わせないようになっている。このため、通常演出(NRT)状態において、遊技者は、ベル役や突入リプレイ役の当選(リプナビ演出の権利を獲得していない)時、たまたま押し順正解となる場面でこれらを入賞させ得る。なお、リプナビ演出の権利は、通常演出(RT2)状態の変動ゲームで行われるナビ獲得抽選に当選することで獲得することができる。
【0115】
また、本実施形態における通常演出(NRT)状態に制御される変動ゲームでは、リプナビ演出を伴う場合、該リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われる、すなわち突入リプレイ停止目を停止表示させることができなければ、遊技者に不利な状況となるようにペナルティを付与するようになっている。一方、通常演出(NRT)状態に制御される変動ゲームでは、リプナビ演出を伴わない場合、ストップボタンの操作に関係なくペナルティを付与しないようになっている。なお、ペナルティの仕様については後で詳述する。
【0116】
次に、通常演出(RT2)状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がRT2遊技である場合、通常演出(RT2)状態に制御する。
【0117】
そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞の指示を契機に、BN演出状態に制御する。
【0118】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の当選が指定される場合、リプナビ演出の権利を獲得させるナビ獲得抽選を行うようになっている。なお、本実施形態のナビ獲得抽選では、1回だけでなく複数回分のリプナビ演出の権利を獲得できるようにしている。
【0119】
そして、サブ制御用CPU41aは、図9に示すように、ナビ獲得抽選を行う。ナビ獲得抽選では、リプナビ演出の権利を獲得させるか否かが決定(抽選)される。本実施形態では、図9に示すように、全小役(チェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役)に対して、「0(零)回」、「1回」、「2回」、「3回」、「4回」、「5回」、及び「10回」の獲得回数(個数)毎に乱数が振分けられている。また、サブ制御用CPU41aは、入賞するかどうかに関係なく当選に基づいてナビ獲得抽選を行う。なお、サブ制御用CPU41aは、各抽選に用いる乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、各抽選に用いる乱数は、所定の周期毎に更新され、サブ制御用RAM41cに記憶されている。
【0120】
本実施形態におけるナビ獲得抽選では、「0回」であってリプナビ演出の権利を獲得できない場面が大半となるように、乱数が振分けられている。また、本実施形態におけるナビ獲得抽選では、小役の当選毎に1/200の確率(0.5%の割合)でリプナビ演出の権利を獲得し得るとともに、1/250の確率(0.4%の割合)で複数回(2回以上分)のリプナビ演出の権利を獲得し得るように、乱数が振分けられている。
【0121】
そして、サブ制御用CPU41aは、小役の当選が指定される変動ゲームの開始に基づいてナビ獲得抽選を行う。そして、本実施形態のナビ獲得抽選で「0((零)回」とする場合にはリプナビ演出の権利を獲得できないことになる一方、ナビ獲得抽選で「1回」〜「5回」、又は「10回」とする場合には対応する回数(個数)分のリプナビ演出の権利を獲得することになる。なお、本実施形態におけるナビ獲得抽選では、はずれ役をナビ獲得抽選の対象となる当選役に定めていない。
【0122】
そして、サブ制御用CPU41aは、ナビ獲得抽選で「1回」〜「5回」、又は「10回」の当選を契機に、サブ制御用RAM41cに当選した回数分のリプナビ演出の権利を獲得している情報(フラグ)を設定する。なお、サブ制御用CPU41aは、既に獲得した分のリプナビ演出の権利が存在する場合、その分に今回の当選した回数分を加算した情報に更新する。なお、リプナビ演出の権利の獲得時、演出表示装置14では、リプナビ演出の権利の獲得を報知する演出を伴う。これにより、遊技者は、リプナビ演出の権利の獲得を把握し得る。本実施形態では、リプナビ演出の権利の獲得が操作条件報知の付与条件となる。
【0123】
なお、サブ制御用CPU41aは、入賞に際してストップボタンの押し順を要するベル役の当選が指定されても、その押し順をナビゲート(ナビ)するような演出を伴わせないようになっている。このため、通常演出(RT2)状態において、遊技者は、ベル役の当選時、たまたま押し順正解となる場面でベル役を入賞させ得る。
【0124】
また、本実施形態における通常演出(RT2)状態に制御される変動ゲームでは、ストップボタン33Lが最初に操作されなければ、遊技者にとって不利な状況となるようにペナルティを付与するようになっている。このため、本実施形態では、通常演出(RT2)状態において、ストップボタン33Lを最初に操作することを予め定めた操作と位置付けている。
【0125】
次に、ART演出状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がRT3遊技である間、ART演出状態に制御する。
【0126】
そして、サブ制御用CPU41aは、他の演出状態からART演出状態に制御する場合、サブ制御用RAM41cにART継続回数として「50回」を設定するとともに、サブ制御用RAM41cにART中実行回数として「0回」を設定する。なお、本実施形態におけるART継続回数は、遊技状態がRT3遊技に移行してから継続される回数であって、主制御用CPU40aが遊技状態をRT3遊技に制御することに同期させて、サブ制御用CPU41aが演出状態をART演出状態に制御する。
【0127】
また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の制御の開始後、1回目の変動ゲームから行った変動ゲームのART中実行回数のカウントを開始する。サブ制御用CPU41aは、ART演出状態に制御される変動ゲームを行わせる毎にART中実行回数を加算(+1)して更新する。また、サブ制御用CPU41aは、ART中実行回数とART継続回数に基づいて、これらを演出表示装置14で遊技者に報知もする。これにより、遊技者は、ART演出状態に制御される変動ゲームが継続される回数(残り回数)を把握する。なお、ART中実行回数は、主制御用CPU40aにより管理されるRT3中実行回数と同一条件でカウントされていればよい。
【0128】
また、サブ制御用CPU41aは、遊技状態がRT3遊技からNRT遊技への移行が指定される変動ゲーム(この場合には、ART中実行回数がサブ制御用RAM41cに設定されているART継続回数と一致する変動ゲーム)の終了に伴いART演出状態の制御を終了し、次の変動ゲームから通常演出(NRT)状態に制御する。
【0129】
本実施形態のパチスロ10では、上限回数が設定されている(「50回」)RT3遊技を利用して、ART継続回数を1セットとするART演出状態の変動ゲームを行わせるゲーム性を実現している。
【0130】
また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞の指示を契機に、BN演出状態に制御する。
【0131】
また、サブ制御用CPU41aは、ベル役の当選が指定される場合、ベル役の当選時にベル停止目を停止表示させるための押し順正解となる操作方法(最初に操作すべきストップボタン)をナビゲートするベルナビ演出を行わせる。本実施形態におけるベルナビ演出は、演出表示装置14で行われる。演出表示装置14では、図8(c)に示すように、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、そのうちの一つに対して「1」の数字を付す態様でベルナビ演出が行われる。図8(c)では、3つのうち真ん中に「1」が付されていることから、ストップボタン33Cを最初に操作すべきことを遊技者に把握させる。
【0132】
そして、サブ制御用CPU41aは、ベルナビ演出を行わせる場合、変動ゲームの開始に伴いベルナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。具体的に、サブ制御用CPU41aは、ベルナビ演出を行わせるに際し、例えば、中正解ベル役の当選が指定されていれば、ストップボタン33Cを最初に操作する内容でのベルナビ演出を行わせる。
【0133】
このように、ART演出状態に制御される変動ゲームでは、ベル役の当選時にベル停止目により賞メダルを獲得することができる。その結果、ART演出状態に制御される変動ゲームでは、ベル役の当選時に押し順のナビゲートが行われないことから、ベル役を入賞させることが困難となる通常演出(NRT)状態や通常演出(RT2)状態に制御される変動ゲームに比して、賞メダルを獲得し易くなる。さらにART演出状態に制御される変動ゲームでは、リプレイ役(この場合には通常リプレイ役)にも当選し易く保有するメダルの減少も抑えることができる。このため、ART演出状態は、遊技者に有利となる。
【0134】
次に、BN演出状態における制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がBN遊技である間、BN演出状態に制御する。
そして、サブ制御用CPU41aは、各演出状態からBN演出状態に制御する場合、主制御用CPU40aが管理するBN払出枚数に対応する枚数を、演出表示装置14で遊技者に報知する。なお、サブ制御用CPU41aは、主制御用CPU40aからの各種コマンドから当選役や賞態様を特定する結果、主制御用CPU40aが管理するBN払出枚数に対応する枚数を把握し得る。
【0135】
また、サブ制御用CPU41aは、BN遊技の終了が指示される場合、BN演出状態の制御を終了し、次の変動ゲームから通常演出(NRT)状態に制御する。この場合には、遊技状態がNRT遊技に移行されている。
【0136】
また、サブ制御用CPU41aは、BN演出状態に制御している場合、指定される当選役に基づいた演出を行わせるとともに、これら当選役の入賞に基づいて演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、ベル役の当選が指定される場合、ART演出状態と同様に、ベルナビ演出を行わせる。また、サブ制御用CPU41aは、ベルナビ演出に関してはART演出状態と同様の制御を行うため、ここでの説明は割愛する。このため、BN演出状態に制御される変動ゲームでは、ベル停止目により賞メダルを好適に獲得できる。
【0137】
このように構成される本実施形態のパチスロ10では、ART演出状態の突入の契機(RT3遊技への移行条件を満たし得る機会)が突入リプレイ役の当選毎に到来させるようになっている。このため、本実施形態では、突入リプレイ役の当選に基づくリプレイ停止目の停止表示(通常リプレイ役の入賞)から、次回の突入リプレイ役の当選までを1サイクル(周期)としてART演出状態の突入の契機を周期的に到来させることになる。具体的に、ART演出状態の突入の契機は、通常演出(RT2)状態(RT2遊技)に制御される50回分の変動ゲームに、通常演出(NRT)状態(NRT遊技)に制御されてから突入リプレイ役の当選するまで分の変動ゲーム、すなわち「50回+突入リプレイ役の当選まで分の回数」毎に到来する。本実施形態におけるART演出状態の仕様は、ART演出状態(RT3遊技)の突入を周期的に抽選する周期抽選仕様とも言える。
【0138】
そして、本実施形態のパチスロ10では、所定の天井条件を満たすことでリプナビ演出の権利を獲得させてART演出状態へ移行させ得る状況を遊技者に付与する、所謂「天井機能」を備えている。本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の突入の契機の到来時にART演出状態に移行しない状況が連続して15回続いたことを契機に、リプナビ演出の権利を獲得させるようになっている。
【0139】
具体的に、本実施形態における天井機能の仕様は、図10(a),(b)に示す仕様となっている。本実施形態では、図10(a)に示すように、ART演出状態の突入の契機(RT3遊技への移行条件を満たし得る契機)の到来時にART演出状態に移行しない状況が連続している回数を示す周期カウント値の値が特定回数としての天井周期回数となる「15」(周期カウント値=15)となることで、天井条件を満たすこと(天井到達)としている。本実施形態において、周期カウント値は、RT3遊技への移行条件が連続して満たされなかった回数となる。また、周期カウント値は、ART演出状態の突入の契機の到来時、リプレイ停止目の停止表示によるART演出状態に突入しない(ART非突入)となることで、「+1(1加算)」されることとしている。また、本実施形態では、天井条件を満たす(天井到達)ことで、1回以上のリプナビ演出の権利を獲得(1以上のナビ獲得)させるように設定しているとともに、5回以上のリプナビ演出の権利を獲得する割合を、通常演出(RT2)状態におけるナビ獲得抽選でリプナビ演出の権利を獲得する割合に比べて高く設定している。また、本実施形態では、ART演出状態への突入を満たすことで、周期カウント値をリセット(0(零)回を設定)するリセット条件としている。
【0140】
そして、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに周期カウント値を記憶(設定)している。なお、サブ制御用CPU41aは、周期カウント値を遊技中の間、制御中の演出状態に関係なく継続して保持する。また、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値が「15」(周期カウント値=15)となることで、天井条件を満たしていることして、天井機能に基づく制御を行うことになる。また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の突入の契機の到来時、リプレイ停止目の停止表示によるART演出状態に突入しない(ART非突入)場合に、サブ制御用RAM41cの周期カウント値を「+1(1加算)」して更新する。また、サブ制御用CPU41aは、ART演出状態の突入の契機の到来時、突入リプレイ停止目の停止表示によるART演出状態に突入する(ART突入)場合に、サブ制御用RAM41cの周期カウント値をリセット(0(零)回を設定)する。なお、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cの周期カウント値をBN役の当選や入賞によってはリセットしないで、BN役の当選後やBN役の入賞後(BN遊技中も含む)も継続して保持する。
【0141】
また、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たしている場合、天井機能によるリプナビ演出の権利を獲得させる天井到達時ナビ獲得抽選を行うようになっている。なお、本実施形態の天井到達時ナビ獲得抽選では、1回だけでなく複数回分のリプナビ演出の権利を獲得できるようにしている。
【0142】
そして、サブ制御用CPU41aは、図10(b)に示すように、天井到達時ナビ獲得抽選を行う。天井到達時ナビ獲得抽選では、リプナビ演出の権利として獲得させる回数が決定(抽選)される。本実施形態では、図10(b)に示すように、「1回」、「2回」、「3回」、「4回」、「5回」、及び「10回」の獲得回数(個数)毎に乱数が振分けられている。また、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たしていることに基づいて天井到達時ナビ獲得抽選を行う。
【0143】
本実施形態における天井到達時ナビ獲得抽選では、「0回」であってリプナビ演出の権利を獲得できない場面が生じ得ないように、乱数が振分けられている。また、本実施形態における天井到達時ナビ獲得抽選では、1/10の確率(10%の割合)で「1回」〜「4回」のリプナビ演出の権利を獲得し得るとともに、9/10の確率(90%の割合)で5回以上のリプナビ演出の権利を獲得し得るように、乱数が振分けられている。
【0144】
このため、本実施形態では、天井到達時ナビ獲得抽選において、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選に比して多くのリプナビ演出の権利を獲得し易いようになっている。すなわち、本実施形態における天井到達時ナビ獲得抽選は、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選に比して遊技者に有利となるようになっている。本実施形態では、天井条件を満たしている場合(天井到達している場合)、突入リプレイ役の当選に基づいて、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選によるリプナビ演出に比して権利の獲得数が多いことから、遊技者に有利度が高く設定された天井到達時ナビ獲得抽選に基づくリプナビ演出を行わせることになる。
【0145】
また、初回のART演出状態の突入の場面では、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選によるリプナビ演出に比して次のART演出状態の突入の契機の到来時にもリプナビ演出を伴う可能性が高いことから、天井到達時ナビ獲得抽選に基づくリプナビ演出を行わせる場合に遊技者に有利度が高いことになる。なお、初回のART演出状態の突入となる場面は、直前のART演出状態の突入の契機の到来時にART演出状態に突入していない状況で、ART演出状態に突入する状況である。
【0146】
このため、本実施形態では、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選によるリプナビ演出が操作条件報知となる一方、天井到達時ナビ獲得抽選によるリプナビ演出が特定操作条件報知となる。また、本実施形態では、リプナビ演出を行わせるように制御するサブ制御用CPU41aが報知手段として機能する。また、本実施形態では、周期カウント値を計数するサブ制御用CPU41a(サブ制御用RAM41c)が計数手段として機能する。
【0147】
そして、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たした後(天井到達後)、次の突入リプレイ役の当選が指定される変動ゲームの開始に基づいて天井制御に基づいて天井到達時ナビ獲得抽選を行う。すなわち、サブ制御用CPU41aは、天井条件を満たした後(天井到達後)、突入リプレイ役の当選に基づくチャンス演出の開始に合わせて天井到達時ナビ獲得抽選を行う。また、本実施形態の天井到達時ナビ獲得抽選では、ナビ獲得抽選の当選結果に対応する回数(個数)分のリプナビ演出の権利を獲得することになる。
【0148】
そして、サブ制御用CPU41aは、天井到達時ナビ獲得抽選での当選結果に応じて、サブ制御用RAM41cに当選した回数分のリプナビ演出の権利を獲得している情報(フラグ)を設定する。なお、サブ制御用CPU41aは、既に獲得した分のリプナビ演出の権利が存在する場合、その分に今回の当選した回数分を加算した情報に更新する。また、この場合には、天井に到達していることからリプナビ演出の権利を獲得している可能性が非常に低いが、天井条件を満たした後、突入リプレイ役の当選までの間のナビ獲得抽選でリプナビ演出の権利を獲得している可能性もある。
【0149】
次に、本実施形態において、通常演出(NRT)状態、及び通常演出(RT2)遊技状態で遊技者の操作に基づいて付与するペナルティの仕様と付与態様について、図11(a),(b)、及び図12(a)〜(c)に基づき詳しく説明する。
【0150】
具体的に、本実施形態におけるペナルティの仕様は、図11(a),(b)に示す仕様となっている。本実施形態では、図11(a)に示すように、通常演出(RT2)状態において、ストップボタン33C又はストップボタン33Rが最初に操作(第1停止に中・右ボタン操作)されたこと、すなわちストップボタン33Lが最初に操作されなければ、ペナルティ付与条件を満たすこととしている。そして、この場合のペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が天井周期回数「15」の半分(2分の1)よりも大きく、「(天井周期回数)−1」となる「14」未満であればナビ獲得抽選によるリプナビ演出の権利を獲得し得ないナビ無獲得期間を設定する内容のペナルティを付与する。一方、この場合のペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が天井条件を満たす「15」の半分(2分の1)よりも大きく、「(天井周期回数)−1」となる「14」以上であればナビ無獲得期間の設定に加えて周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与する。また、本実施形態では、周期カウント値を減算するペナルティの付与後、その時の通常演出(RT2)状態が終了するまでの間に、再びペナルティ付与条件を満たしても「(注)」に示したようにナビ無獲得期間のみを設定する内容のペナルティを付与する。
【0151】
また、本実施形態では、通常演出(NRT)状態であれば、リプナビ演出を伴う場合、該リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われたこと(ナビ無視)、すなわち該リプナビ演出を伴っているのに突入リプレイ停止目を停止表示させることができなければ、ペナルティ付与条件を満たすこととしている。そして、この場合のペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値の値に関係なく周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与するようになっている。
【0152】
本実施形態で遊技者に付与するペナルティは、サブ制御用CPU41aの制御の範囲内で付与可能なペナルティとされている。そして、サブ制御用CPU41aは、ペナルティの付与に際しての具体的な制御として、図11(b)に示す内容の制御を行うようになっている。
【0153】
まず、通常演出(RT2)状態におけるペナルティを付与する際の制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態におけるペナルティを付与する際、その時にナビ無獲得期間の設定中であるか否かを確認する。サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間を設定中、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)している。そして、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されているナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数が「0(零)以上」であるか否かを判定することで、ナビ無獲得期間の設定中であるか否かを把握する。
【0154】
そして、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中でない場合(初回)、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「5回」を設定する。なお、ナビ無獲得期間の設定中でない場合におけるペナルティの発生は、ペナルティが連続でなく初めて発生した状況として扱うようになっている。一方、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中である場合(連続)、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「10回」を設定する。この場合にサブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中でナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数を設定しているが、該回数に関係なくナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「10回」を再設定する。なお、ナビ無獲得期間の設定中である場合におけるペナルティの発生は、ペナルティが連続して発生した状況として扱うようになっている。なお、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中、該設定中の1回の変動ゲームの消化(終了)する毎にナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数を「−1(1減算)」して更新する。
【0155】
そして、サブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中であれば、ナビ獲得抽選によりリプナビ演出の権利を獲得し得ないようになっている。本実施形態では、ナビ獲得抽選自体を行わせないようになっている。なお、本実施形態では、ナビ獲得抽選については行うが当選結果を無効、又は制御に反映させないようにしてもよい。また、サブ制御用CPU41aは、ナビ獲得抽選を通常演出(RT2)状態でのみ行うことから、演出状態が通常演出(NRT)状態やBN状態への移行に伴ってはナビ無獲得期間の設定を解除(ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数として「0(零)回」を設定)する。
【0156】
続いて、サブ制御用CPU41aは、ペナルティの付与に際し、ナビ無獲得期間とする変動ゲームの回数が加算(増加)した場合、すなわちナビ無獲得期間を設定した場合、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値が「14」以上であれば周期カウント値を「−1(1減算)」して更新する。一方、この場合にサブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値が「14」未満である場合や、今回の通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算するペナルティが既に付与された後であれば、周期カウント値の減算を行わない。
【0157】
なお、サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態において、周期カウント値を減算するペナルティを付与した際、該ペナルティを付与したことを示す情報(フラグなど)をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)し、該情報により今回の通常演出(RT2)状態において、周期カウント値を減算するペナルティを付与しているか否かを把握する。そして、サブ制御用CPU41aは、通常演出(RT2)状態において、周期カウント値を減算するペナルティを付与したことを示す情報を、他の演出状態に制御することを契機に、リセットして消去するようになっている。
【0158】
その結果、通常演出(RT2)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が「14」未満であればナビ無獲得期間を設定する内容のペナルティを付与することになる。具体的に、本実施形態では、図12(a)に示すように、ペナルティ発生(ペナルティ付与条件を満たす)により、ナビ無獲得期間の設定中でなければナビ無獲得期間として5回を設定する(ナビ無獲得期間=0:ナビ無獲得期間←5(ゲーム)設定)。一方、本実施形態では、ナビ無獲得期間の設定中であればナビ無獲得期間として10回を設定する(ナビ無獲得期間≠0:ナビ無獲得期間←10(ゲーム)設定)。さらに、本実施形態では、周期カウント値が維持される。
【0159】
また、通常演出(RT2)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値が「14」以上であればナビ無獲得期間の設定に加えて周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与することになる。具体的に、本実施形態では、図12(b)に示すように、ペナルティ発生(ペナルティ付与条件を満たす)により、ナビ無獲得期間の設定中でなければナビ無獲得期間として5回を設定する(ナビ無獲得期間=0:ナビ無獲得期間←5(ゲーム)設定)。一方、本実施形態では、ナビ無獲得期間の設定中であればナビ無獲得期間として10回を設定する(ナビ無獲得期間≠0:ナビ無獲得期間←10(ゲーム)設定)。さらに、本実施形態では、ペナルティ発生時における周期カウント値が[X]であれば周期カウント値として[X]から1減算した値を設定する(周期カウント値←X−1(回)設定)。
【0160】
なお、通常演出(RT2)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値を減算するペナルティの付与後、その時の通常演出(RT2)状態の終了までの間に、再びペナルティ付与条件を満たしてもナビ無獲得期間のみを設定する内容のペナルティを付与する。
【0161】
次に、通常演出(NRT)状態におけるペナルティを付与する際の制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、通常演出(NRT)状態におけるペナルティを付与する際、サブ制御用RAM41cに記憶されている周期カウント値を「−1(1減算)」して更新する。この場合にサブ制御用CPU41aは、ナビ無獲得期間の設定中であるか否か、その時の周期カウント値に関係なく周期カウント値を1減算する。なお、この場合のペナルティ付与条件は、ART演出状態へ突入しないことで満たされる一方、ART演出状態へ突入しないことから周期カウント値が1加算されるので、結果的に周期カウント値が変動しないで天井周期回数に近付かないことになる。
【0162】
その結果、通常演出(NRT)状態において、ペナルティ付与条件を満たす場合には、周期カウント値の値に関係なく周期カウント値を減算する内容のペナルティを付与することになる。具体的に、本実施形態では、図12(c)に示すように、ペナルティ発生(ペナルティ付与条件を満たす)により、該ペナルティ発生時における周期カウント値が[X]であれば周期カウント値として[X]から1減算した値を設定する(周期カウント値←X−1(回)設定)。
【0163】
本実施形態では、所定期間とする「5回」、又は「10回」の間、ペナルティが付与されていない(ペナルティ未付与時)よりもリプナビ演出の権利を獲得し難くするナビ無獲得期間のみを設定するペナルティが第1ペナルティとなる一方、このようなナビ無獲得期間を設定するとともに周期カウント値を減算するペナルティが第2ペナルティとなる。また、本実施形態では、このようにペナルティを付与するサブ制御用CPU41aがペナルティ付与手段として機能する。
【0164】
このように構成された本実施形態では、通常演出(RT2)状態でペナルティが生じることで、リプナビ演出の権利を獲得し得ない状況となる。また、本実施形態では、通常演出(NRT)状態でペナルティが生じることで、リプナビ演出を伴っているのにART演出状態へ移行させない状況となる。これにより、本実施形態では、ペナルティが生じることで、ペナルティを生じない場合に比してART演出状態へ移行し難い状況となる。
【0165】
一方、本実施形態では、通常演出(RT2)状態でペナルティが生じると、天井周期回数「15」の一歩手前の周期カウント値が「14」に達していればペナルティにより周期カウント値が減算されることで、周期カウント値を天井周期回数に近付けさせ得ないことになる。また、本実施形態では、通常演出(NRT)状態でペナルティが生じると、周期カウント値に関係なくペナルティにより周期カウント値が減算されることで、周期カウント値を天井周期回数に近付けさせ得ないことになる。
【0166】
このため、本実施形態では、ペナルティが故意に生じさせられたとしても、そのペナルティによりART演出状態へ移行し難い状況と合わせて周期カウント値を天井周期回数に近付けさせ得ない状況も作り出すようにしている。
【0167】
そして、天井周期回数付近となる周期カウント値が「14」である場面では、通常演出(RT2)状態でリプナビ演出の権利の獲得を回避しようとペナルティを故意に生じさせると、図12(b)のようにペナルティが付与されることで、周期カウント値が減算されて天井周期回数に近付かない処か遠ざかることになる。すなわち、このように特に天井周期回数付近では、ART演出状態への移行を回避し易い状況となる一方で、天井周期回数から遠ざかる状況となる。
【0168】
また、天井周期回数付近となる周期カウント値が「14」である場面では、通常演出(NRT)状態でリプナビ演出を伴っているのに突入リプレイ停止目の停止表示を回避しようとペナルティを故意に生じさせると、図12(c)のようにペナルティが付与されることで、周期カウント値が減算されて天井周期回数に近付かないことになる。すなわち、このように特に天井周期回数付近では、ART演出状態への移行を回避する状況となる一方で、天井周期回数に近付かない状況となる。
【0169】
その結果、本実施形態は、通常演出(RT2)状態でのナビ獲得抽選に比して遊技者に有利な天井到達時ナビ獲得抽選を得ようと、リプナビ演出の権利の獲得を故意に回避したりART演出状態への移行を故意に回避したりするためにペナルティを故意に生じさせても、天井条件を満たし得ないように構成されている。
【0170】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が規定回数以上(「14」以上)の場合には、移行条件を満たし得る機会の到来までの間(通常演出(RT2)状態)で予め定めた操作と同一の操作(最初にストップボタン33L)がされなければ、上記回数(周期カウント値)を減算するペナルティを付与する構成とした。このため、上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)未到達時の規定回数以上(「14」以上)では、遊技者が故意にペナルティを生じさせても上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近付かなくなる。その結果、上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【0171】
(2)規定回数(周期カウント値が「14」)は、特定回数(天井周期回数)よりも少ない、且つ特定回数(天井周期回数)の2分の1以上にする構成とした。そして、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)は、特定回数(天井周期回数)未到達時であって、且つ特定回数(天井周期回数)の2分の1以上であれば、規定回数未満(周期カウント値が「14」未満)に比して特定回数(天井周期回数)に近いことになる。このため、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近い状況では、遊技者が故意にペナルティを生じさせても上記回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近付がなくなる。その結果、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)付近で故意にペナルティを生じさせることを防止することができる。
【0172】
(3)第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))で操作条件報知(リプナビ演出)が行われる場合には、非特定操作条件を満たす(リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われる)と移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)を減算するペナルティを付与する構成とした。一方、第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))で操作条件報知(リプナビ演出)が行われない場合、非特定操作条件を満たしても(リプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われても)ペナルティを付与しない構成とした。このため、第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))で有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))に移行させ得る状況では、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))への移行を故意に回避しようとすれば、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)を減算することになる。その結果、第1遊技状態(NRT遊技(通常演出(NRT)状態))では、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))への移行を故意に回避することで移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に到達させるような遊技者の行為を防止することができる。
【0173】
(4)第2遊技状態(RT2遊技(通常演出(RT2)状態))では、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が規定回数未満(「14」未満)の場合、所定期間(「5回」)の間、ペナルティ未付与時に比して操作条件報知の付与条件を満たし難くする第1ペナルティ(ナビ無獲得期間)を付与する構成とした。さらに、上記回数(周期カウント値)が規定回数以上(「14」以上)の場合には、所定期間(「5回」)の間、ペナルティ未付与時に比して操作条件報知の付与条件を満たし難くする、且つ移行条件が連続して満たされなかった回数を減算する第2ペナルティ(ナビ無獲得期間に加えて周期カウント値を1減算)を付与する構成とした。そして、各ペナルティの付与による所定期間(「5回」)中、さらにペナルティを付与する場合には、該所定期間(「5回」)よりも長い期間(「10回」)を再設定するようにした。これにより、ペナルティを連続的に生じさせる場合には、ペナルティとされる期間(ナビ無獲得期間)をさらに長くすることができる。このため、ペナルティを生じさせる場合には、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))へ移行し難くなるだけでなく、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)が特定回数(天井周期回数)に近付かないことから、有利遊技状態(RT3遊技(ART演出状態))へ移行し得なくすることができる。その結果、故意にペナルティを生じさせることで、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)を特定回数(天井周期回数)に到達させることを防止することができる。
【0174】
(5)第2遊技状態(RT2遊技(通常演出(RT2)状態))では、第2ペナルティの付与後(周期カウント値の1減算後)、予め定めた遊技回数分(「50回」)の遊技の間、さらなるペナルティの付与に関し、移行条件が連続して満たされなかった回数(周期カウント値)に関係なく第1ペナルティ(ナビ無獲得期間のみ)を付与する構成とした。これにより、前記移行条件を満たし得る機会(ART演出状態の突入の契機)が到来する1周期の間には、第2ペナルティ(周期カウント値の1減算)の付与を1回に止められる。そして、遊技者が遊技中に遊技機(パチスロ10)から離れたりする場合には、他の遊技者が故意にペナルティを生じさせる操作をすることで、遊技中の遊技者の意に反してペナルティが生じてしまうこともある。このため、このような意に反してペナルティが生じてしまう場合でも、該ペナルティによる影響を最低限に止めることができる。その結果、遊技者が遊技中に遊技機(パチスロ10)から離れたりする場合、他の遊技者が故意にペナルティを生じさせる行為に至ったとしてもあまり意味をなさないようにすることで、該行為を防止することができる。
【0175】
(6)本実施形態では、通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算させるペナルティを付与する条件として、周期カウント値が「14」以上、すなわち「(天井周期回数)−1」以上となるようにした。このため、遊技者の意に反してペナルティが生じてしまう場合でも、該ペナルティによる影響を最低限に止めることができる。その結果、遊技者が遊技中に遊技機(パチスロ10)から離れたりする場合、他の遊技者が故意にペナルティを生じさせる行為に至ったとしてもあまり意味をなさないようにすることで、該行為を防止することができる。
【0176】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、天井到達による遊技者にとっての有利度合いを、リプナビ演出の権利の獲得に関したものでなくてもよく、遊技状態や演出状態の性能により設定することもできる。例えば、天井到達によるRT3遊技では、RT3遊技が次回のBN役の当選(BN遊技の入賞)まで継続する仕様にすることもできる。この場合には、RT3遊技の仕様を次回のBN役の当選(入賞)まで継続する一方、所定の当選役の入賞で終了するようにする。そして、この場合には、天井到達でないART演出状態の仕様を該所定の当選役の入賞も回避するような演出を50回の間行わせる仕様にする一方、天井到達によるART演出状態の仕様を該所定の当選役の入賞も回避するような演出を次回のBN役の当選(入賞)まで行わせる仕様にて実現することができる。なお、この場合には、ART演出状態への突入に関しての仕様も合わせて変更してもよい。
【0177】
・本実施形態は、通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算するペナルティの付与後、その時の通常演出(RT2)状態が終了するまでの間に、再びペナルティ付与条件を満たす場合、さらに周期カウント値を減算させてもよい。
【0178】
・本実施形態において、ナビ無獲得期間としては、常に「5回」を設定するようにしてもよいし、ナビ無獲得期間中のペナルティの付与であればナビ無獲得期間を加算して設定するようにしてもよい。
【0179】
・本実施形態は、ペナルティとしてナビ無獲得期間を設定しないパチスロに適用することもできる。
・本実施形態では、ART演出状態へ移行し難くするペナルティであればナビ無獲得期間の替わりにナビ獲得抽選に当選し難くするナビ獲得困難期間を設定することもできるし、リプナビ演出の権利を消滅させたりする内容のペナルティとしてもよい。また、ナビ無獲得期間の替わりのペナルティとしては、リプナビ演出の権利の獲得に関係ないペナルティを付与することもできる。
【0180】
・本実施形態では、ナビ獲得抽選を通常演出(NRT)状態やART演出状態やBN演出状態でも行わせることもできる。例えば、この場合には、通常演出(NRT)状態でもナビ無獲得期間を設定してもよい。また、この場合には、ART演出状態でリプナビ演出で報知される内容と異なるストップボタンの操作が行われるとナビ無獲得期間を設定することもできる。
【0181】
・本実施形態では、遊技状態の構成を任意に変更してもよく、RT性能の異なる一般遊技を設定したり、BN遊技とNRT遊技の間にさらに一般遊技を介在させたりもできる。また、遊技状態としては、NRT遊技を設定しなくてもよく、突入リプレイ役を抽選対象とする遊技状態が存在していればよく、このような遊技状態としてRT2遊技を対応付けてもよい。また、RT2遊技やRT3遊技に定める遊技回数を仕様に合わせて変更してもよく、例えば、「45回」や「100回」などに変更してもよいし、遊技状態毎に異なる回数に設定してもよい。
【0182】
・本実施形態では、通常演出(NRT)状態で一切のペナルティを付与しない構成とすることもできる。
・本実施形態では、天井周期回数を「15」未満や「15」よりも上に設定することもできる。
【0183】
・本実施形態では、通常演出(RT2)状態で周期カウント値を減算させるペナルティを付与する条件となる規定回数を、天井周期回数の2分の1以上であれば「(天井周期回数)−2」や「(天井周期回数)−3」などに変更することもできる。規定回数が下がるほどペナルティによって天井到達を狙い難くすることができる。
【0184】
・本実施形態では、周期カウント値が「15」に達した時(次回の突入リプレイ役の当選よりも前に)天井到達時ナビ獲得抽選を行うようにしてもよい。
・本実施形態では、突入リプレイ役として3択式としたが6択式や5択式にすることもできる。
【0185】
・本実施形態では、BN役の当選(入賞)により周期カウント値をリセットするようにしてもよい。
・本実施形態では、ナビ獲得抽選の仕様を替えてもよく、例えば、当選している小役の種類や演出状態に関わるモードなどの遊技の状況によりリプナビ演出の権利の獲得や獲得数に影響を与える構成とすることもできる。また、各種ナビ獲得抽選で獲得し得る数も変更してもよいし、獲得し得る数の振分けも変更してもよい。
【0186】
・本実施形態では、周期カウント値を減算するペナルティとして、一気に「2」以上を減算させる仕様にすることもできる。また、減算させる数は、遊技の状況によって変化するようにしてもよく、天井周期回数に近いほど減算する数を増やしたりしてもよい。また、通常演出(NRT)状態におけるペナルティの付与に際しては、周期カウント値を1加算もしないようにしてもよい。
【0187】
・本実施形態では、RT3遊技に移行させると、RT3遊技での変動ゲームを50回(予め定めた遊技回数分)行わせる間、当選役決定テーブルT3による変動ゲームが継続される、所謂、完走型のRT仕様に適用してもよい。
【0188】
・本実施形態では、RT3遊技への移行契機として、賞メダルの払出しを定める図柄の組み合わせを設定することもできる。
・本実施形態では、ボーナス遊技を設定しないようなパチスロに適用してもよく、例えば、RT3遊技に基づくART演出状態での遊技により遊技者の保有する賞メダルを増加させる仕様のパチスロに適用することもできる。
【0189】
・本実施形態において、有利遊技状態は、遊技者にとって有利であればよく、例えば、リプレイ役の合算の当選確率を他の遊技状態とほとんど変わりなく設定することもできる。この場合、特別遊技状態では、他の遊技状態で行わないベルナビ演出を行わせる仕様とすることで、遊技者にとって有利となる。
【0190】
・本実施形態は、演出表示装置14を設けないパチスロに適用することもできる。この場合には、ランプRの発光演出により演出状態を遊技者に報知したり、各演出状態用の専用ランプを設けてこれらを点灯させて演出状態を遊技者に報知したり、スピーカ18の音声演出により演出状態を遊技者に報知したりしてもよい。また、この場合には、ランプRやスピーカ18などによりリプナビ演出やベルナビ演出などの各種演出を行わせることもできる。
【0191】
・本実施形態では、BN遊技の終了を、入賞回数のみで規定することもできるし、実行回数のみで規定することもできる。また、BN役の種類を増やすこともできるし、BN役としてチャレンジタイム(所謂、「CT」)としてもよい。
【0192】
・本実施形態では、突入リプレイ役やベル役における停止目が変化し得る要素として、ストップボタンを操作するタイミングにしてもよい。この場合には、各リール(一つ又は全て)における特定の部分(図柄)を狙うような仕様が考えられる。そして、各種ナビ演出では、ストップボタンを操作するタイミング(特定の部分(図柄))を報知したりする。
【0193】
・本実施形態は、遊技媒体として遊技球を(パチンコ球)を用いるパチンコ式スロット機(パチスロ機)に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0194】
(イ)遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始され、1回の遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、遊技者による停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、遊技者に有利となる有利遊技状態への移行条件を満たし得る機会を周期的に到来させる遊技機において、前記移行条件が満たされることに基づいて前記有利遊技状態に移行させるように遊技状態を制御する状態制御手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づいて前記移行条件が連続して満たされなかった回数を計数する計数手段と、前記移行条件を満たし得る機会の到来までの間の遊技では、予め定めた操作と同一の操作がされない場合に遊技者に不利となるペナルティを付与するペナルティ付与手段と、を備え、前記状態制御手段は、前記計数手段の回数が特定回数に達した後、周期的に到来する前記移行条件を満たし得る機会を経て移行させる前記有利遊技状態に比して遊技者に有利度が高く設定された有利遊技状態に移行させ、前記ペナルティ付与手段は、前記計数手段の回数が前記特定回数よりも少ない規定回数以上の場合、前記計数手段の回数を減算するペナルティを付与することを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0195】
L1〜L5…入賞ライン、10…パチスロ、13…リールユニット、13L…左リール、13C…中リール、13R…右リール、32…スタートレバー、33L、33C、33R…ストップボタン、40…主制御基板、40a…主制御用CPU、40b…主制御用ROM、40c…主制御用RAM、41…サブ制御基板、41a…サブ制御用CPU、41b…サブ制御用ROM、41c…サブ制御用RAM。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始され、1回の遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、遊技者による停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、前記1回の遊技が開始されるに際し複数の当選役の中から当選役を抽選する当選役抽選手段を備えた遊技機において、
特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たすことで遊技者に有利となる有利遊技状態への移行条件を満たし得る機会を周期的に到来させるように遊技状態を制御する状態制御手段と、
前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づく前記特定の当選役の当選に際し、前記特定操作条件を遊技者に報知する操作条件報知を行い得る報知手段と、
前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づいて前記移行条件が連続して満たされなかった回数を計数する計数手段と、
前記移行条件を満たし得る機会の到来までの間で予め定めた操作と同一の操作がされない場合に遊技者に不利となるペナルティを付与するペナルティ付与手段と、を備え、
前記報知手段は、前記計数手段の回数が特定回数に達した場合、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知に比して遊技者に有利度が高く設定された特定操作条件報知を行わせ、
前記ペナルティ付与手段は、前記計数手段の回数が規定回数以上の場合、前記計数手段の回数を減算するペナルティを付与することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記規定回数は、前記特定回数よりも少ない、且つ前記特定回数の2分の1以上である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記当選役抽選手段が特定の当選役を抽選の対象とする第1遊技状態で前記特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たした場合には前記有利遊技状態への移行条件を満たす一方、前記特定操作条件と異なる非特定操作条件を満たした場合には前記当選役抽選手段が前記特定の当選役を抽選の対象としない第2遊技状態への移行条件を満たすようになっており、
前記状態制御手段は、前記第1遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1の遊技状態へ移行する前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1遊技状態へ移行する前記有利遊技状態とを含む遊技状態を制御し、
前記ペナルティ付与手段は、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われる場合、前記非特定操作条件を満たすと前記計数手段の回数に関係なく該計数手段の回数を減算するペナルティを付与する一方、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われない場合、前記非特定操作条件を満たしてもペナルティを付与しない請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記報知手段は、前記第2遊技状態で付与条件を満たすことで、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知を行わせるようになっており、
前記ペナルティ付与手段は、
前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数未満の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする第1ペナルティを付与する一方、前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数以上の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする、且つ前記計数手段の回数を減算する第2ペナルティを付与し、
各ペナルティの付与による前記所定期間中、さらにペナルティを付与する場合、前記所定期間よりも長い期間を再設定する請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記ペナルティ付与手段は、前記第2遊技状態で前記第2ペナルティの付与後、該第2遊技状態に予め定めた遊技回数分の遊技が行われるまでの間、さらにペナルティを付与する場合、前記計数手段の回数に関係なく前記第1ペナルティを付与する請求項4に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始され、1回の遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、遊技者による停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、前記1回の遊技が開始されるに際し複数の当選役の中から当選役を抽選する当選役抽選手段を備えた遊技機において、
特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たすことで遊技者に有利となる有利遊技状態への移行条件を満たし得る機会を周期的に到来させるように遊技状態を制御する状態制御手段と、
前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づく前記特定の当選役の当選に際し、前記特定操作条件を遊技者に報知する操作条件報知を行い得る報知手段と、
前記移行条件を満たし得る機会の到来に基づいて前記移行条件が連続して満たされなかった回数を計数する計数手段と、
前記移行条件を満たし得る機会の到来までの間で予め定めた操作と同一の操作がされない場合に遊技者に不利となるペナルティを付与するペナルティ付与手段と、を備え、
前記報知手段は、前記計数手段の回数が特定回数に達した場合、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知に比して遊技者に有利度が高く設定された特定操作条件報知を行わせ、
前記ペナルティ付与手段は、前記計数手段の回数が規定回数以上の場合、前記計数手段の回数を減算するペナルティを付与することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記規定回数は、前記特定回数よりも少ない、且つ前記特定回数の2分の1以上である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記当選役抽選手段が特定の当選役を抽選の対象とする第1遊技状態で前記特定の当選役の当選に基づいて選択される特定操作条件と同一の操作条件を満たした場合には前記有利遊技状態への移行条件を満たす一方、前記特定操作条件と異なる非特定操作条件を満たした場合には前記当選役抽選手段が前記特定の当選役を抽選の対象としない第2遊技状態への移行条件を満たすようになっており、
前記状態制御手段は、前記第1遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1の遊技状態へ移行する前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態から移行するとともに予め定めた遊技回数分の遊技を行うことで前記第1遊技状態へ移行する前記有利遊技状態とを含む遊技状態を制御し、
前記ペナルティ付与手段は、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われる場合、前記非特定操作条件を満たすと前記計数手段の回数に関係なく該計数手段の回数を減算するペナルティを付与する一方、前記第1遊技状態で前記操作条件報知が行われない場合、前記非特定操作条件を満たしてもペナルティを付与しない請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記報知手段は、前記第2遊技状態で付与条件を満たすことで、前記特定の当選役の当選に際し、前記操作条件報知を行わせるようになっており、
前記ペナルティ付与手段は、
前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数未満の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする第1ペナルティを付与する一方、前記第2遊技状態で前記計数手段の回数が前記規定回数以上の場合、所定期間の間、ペナルティ未付与時に比して前記操作条件報知の付与条件を満たし難くする、且つ前記計数手段の回数を減算する第2ペナルティを付与し、
各ペナルティの付与による前記所定期間中、さらにペナルティを付与する場合、前記所定期間よりも長い期間を再設定する請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記ペナルティ付与手段は、前記第2遊技状態で前記第2ペナルティの付与後、該第2遊技状態に予め定めた遊技回数分の遊技が行われるまでの間、さらにペナルティを付与する場合、前記計数手段の回数に関係なく前記第1ペナルティを付与する請求項4に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−42806(P2013−42806A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180770(P2011−180770)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]