運動指導システムとその携帯通信端末
【課題】利用者が場所に縛られることなく任意の場所で自身のプロフィールや体調、運動の目的等に応じて常に最適な運動シナリオにより運動を行えるようにする。
【解決手段】利用者にその生体データを検出するセンサユニットSU1〜SUnを装着すると共に、携帯通信端末MT1〜MTnを所持させる。そして、管理装置CSにおいて、上記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに上記利用者に適する運動シナリオを作成して上記携帯通信端末に配信し利用者に提示する。また、運動中に刻々と変化する利用者の生体データを携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを経由して管理装置CSへ送り、この運動中の利用者の生体データもとに運動シナリオを修正して携帯通信端末MT1〜MTnに配信し、利用者に提示する運動シナリオを更新するようにしている。
【解決手段】利用者にその生体データを検出するセンサユニットSU1〜SUnを装着すると共に、携帯通信端末MT1〜MTnを所持させる。そして、管理装置CSにおいて、上記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに上記利用者に適する運動シナリオを作成して上記携帯通信端末に配信し利用者に提示する。また、運動中に刻々と変化する利用者の生体データを携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを経由して管理装置CSへ送り、この運動中の利用者の生体データもとに運動シナリオを修正して携帯通信端末MT1〜MTnに配信し、利用者に提示する運動シナリオを更新するようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管理装置から利用者が所持する携帯通信端末へ通信ネットワークを利用して運動シナリオを提供することにより利用者の運動を遠隔的に指導する運動指導システムとその携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者の自宅での運動を支援するシステムとして、通信ネットワークを利用して遠隔的に運動を指導するシステムが提案されている。例えば、利用者の身体各部に無線センサ装置を装着し、これらの無線センサ装置の計測データを利用者の腕に装着された腕時計端末で受信したのち、利用者のパーソナル・コンピュータ(利用者PC)に転送する。利用者PCはインターネットを介してサーバに接続可能となっており、サーバのライブラリから二次加工用プログラムをダウンロードする。そして、この二次加工用プログラムに従い、上記無線センサ装置の計測データに基づいて運動強度や消費カロリ、燃焼脂肪量等の二次加工データを生成し、この生成されたデータを腕時計端末に表示する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−175139(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の運動支援システムでは、利用者の身体状況や要望とは無関係に画一的な運動プログラムが用意されるため、利用者の運動能力や体調等を考慮した最適な運動を行うことが困難だった。また、利用者は運動中に自己の生体データや消費カロリを把握することは可能であるが、これらのデータをもとに運動の内容を変更するか否かは利用者自身が判断しなければならない。このため、運動の過不足が発生し易く、場合によっては体調の急変や故障等を引き起こす危険があり、きわめて好ましくなかった。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者が場所に縛られることなく任意の場所で自身のプロフィールや体調、運動の目的等に応じて常に最適な運動シナリオにより運動を行えるようにした運動指導システムとその携帯通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者にその生体データを検出するセンサユニットを装着すると共に、携帯通信端末を持たせる。一方、管理装置には運動シナリオの作成手段を設け、上記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを携帯通信端末から通信ネットワークを介して受信して記憶し、この記憶された利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析して、その分析結果をもとに上記利用者に適する第1の運動シナリオを作成する。そして、この作成された第1の運動シナリオを上記携帯通信端末に配信して、利用者に提示するようにしたものである。
【0007】
したがってこの発明によれば、管理装置により利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータが分析され、その分析結果をもとに上記利用者に適する第1の運動シナリオが作成されて、利用者が所持する携帯通信端末に配信される。運動シナリオは、例えば運動の内容と順序と時間を表すデータにより構成される。このため利用者は、自宅や公園、路上等、任意の場所において、自身の個人データや生体データ、自身の運動の目的が反映された最適な運動シナリオに従い運動を行うことが可能となる。すなわち、利用者は場所を選ぶことなく、あたかもスポーツジムやフィットネスクラブにおいてトレーナの指導を受けているかのように適切な運動を行うことが可能となる。
【0008】
またこの発明は、利用者が上記配信された第1の運動シナリオに従い運動を行っている期間に、当該利用者の生体データをセンサユニットから取得して、この取得された運動中の利用者の生体データと上記分析結果をもとに上記第1の運動シナリオを修正して第2の運動シナリオを作成する。そして、この作成された第2の運動シナリオを管理装置から携帯通信端末に配信し、この配信された第2の運動シナリオを上記第1の運動シナリオに代えて利用者に提示することも特徴とする。
したがって、運動中に利用者の生体データが変化すると、この変化に応じて運動シナリオが適応的に修正される。このため、利用者は運動中においても、常に刻々と変化する自身の体調変化に応じた最適な運動シナリオに従い運動を行うことができる。このため、利用者は運動中の体調変化も考慮して過不足なくかつ安全に運動を行うことができる。
【0009】
さらにこの発明は、携帯通信端末において運動シナリオを提示する際に、管理装置から配信された運動シナリオに含まれる指導内容を表す文字データを音声に変換し、この変換された音声を携帯通信端末の内蔵スピーカ又は外部スピーカの少なくとも一方から拡声出力することも特徴とする。
したがって、利用者は携帯通信端末のディスプレイに表示される文字データを視認することなく、音声メッセージにより運動の指導内容を確認することができる。
【0010】
さらにこの発明は、携帯通信端末に音調の異なる複数の音楽データを記憶しておき、運動シナリオを提示する際に、管理装置から配信された運動シナリオの内容を判定し、この判定された内容に対応する音調の音楽データを上記記憶された複数の音楽データの中から選択する。そして、この選択された音楽データによる音を携帯通信端末の内蔵スピーカ又は外部スピーカの少なくとも一方から拡声出力することも特徴とする。
したがって、運動中に携帯通信端末からは運動シナリオの内容に対応する音調の音楽が出力される。このため、利用者は提示された運動シナリオの内容に合ったテンポの音楽に乗ってリズミカルに楽しく運動を行うことが可能となる。
【0011】
さらにこの発明は、携帯通信端末において運動シナリオを提示する際に、管理装置から配信された運動シナリオの内容をもとに運動のテンポを判定し、この判定されたテンポに同期して振動体を駆動することも特徴とする。
したがって、運動中に携帯通信端末では運動シナリオにより指定された運動のテンポに応じて振動が発生する。このため、利用者は音を出すことを制限又は禁止された場所でも、提示された運動シナリオの内容に合ったテンポでリズミカルに運動を行うことが可能となる。また音に頼らないため、耳の不自由な利用者でも健常者と同様に運動シナリオにしたがって運動を行うことができる。
【0012】
さらにこの発明は、管理装置において、携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得すると共に、この取得された位置データをもとに携帯通信端末の現在位置を含む地域の環境予報データを取得する。そして、この取得された環境予報データをもとに、運動シナリオを修正することも特徴とする。
したがって、利用者が運動を行う場所の環境予報データをもとに運動シナリオが修正される。例えば、運動場所の気象や気温、風量、日照の変化に応じて、運動シナリオが修正される。このため利用者は、運動場所として如何なる場所を選んでも、また移動しながら運動を行う場合でも、その場所ごとの環境状態に応じて常に最適なシナリオにより運動を行うことができる。
【0013】
さらにこの発明は、管理装置において、携帯通信端末から送られた利用者の生体データを当該利用者の個人情報等をもとに予め設定されたしきい値と比較し、この比較の結果生体データがしきい値を超えた場合に運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを携帯通信端末へ送信する。そして、携帯通信端末において、上記管理装置から上記運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを受信した場合に、当該受信された運動シナリオに含まれる運動停止指示メッセージを音声メッセージに変換し、この変換された音声メッセージをスピーカから拡声出力することも特徴とする。
したがって、利用者が携帯通信端末のディスプレイを視認せずに運動を行う場合でも、利用者は運動停止指示メッセージを音声により確実に認識することができ、これにより運動を確実に停止することができる。
【0014】
さらにこの発明は、センサユニットに、利用者の身体の傾きを検出する傾きセンサを備え、管理装置において、携帯通信端末から送信された運動中の利用者の生体データに含まれる上記傾きの検出データをもとに利用者の転倒を検出し、上記利用者の転倒が検出された場合に、携帯通信端末へ当該利用者の安否を確認するための問い合わせメッセージを送信する。そして、この問い合わせメッセージの送信に対し一定時間以内に携帯通信端末から応答が受信されない場合に、上記携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得し、上記取得された位置データをもとに当該利用者に対する救済処理を実行することも特徴とする。
したがって、運動中に利用者が転倒した場合に、当該利用者に対し自動的に安否確認が行われることになる。このため、利用者の状態をいち早く確認することができ、応答がない場合に迅速な対応処置を講じることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
要するにこの発明では、利用者にその生体データを検出するセンサユニットを装着すると共に、携帯通信端末を持たせ、管理装置には運動シナリオの作成手段を設けている。そして、利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを携帯通信端末から通信ネットワークを介して管理装置へ送信し、管理装置によりこの利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析して、その分析結果をもとに上記利用者に適する運動シナリオを作成する。そして、この作成された運動シナリオを上記携帯通信端末に配信して利用者に提示するようにしている。
【0016】
したがってこの発明によれば、利用者が場所に縛られることなく任意の場所で自身のプロフィールや体調、運動の目的等に応じて常に最適な運動シナリオにより運動を行うことができる運動指導システムとその携帯通信端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態を説明する。
図1は、この発明に係わる運動指導システムの一実施形態を示す概略構成図である。この実施形態の運動指導システムは、利用者が所持する携帯通信端末MT1〜MTnを、利用者の自宅等に設置される利用者端末UT1〜UTnに接続し、さらにこの利用者端末UT1〜UTnからスポーツクラブやフィットネスクラブ等に設置される管理装置CSに対し通信ネットワークNWを介して接続可能としている。またそれと共に、各利用者にセンサユニットSU1〜SUnを装着し、このセンサユニットSU1〜SUnにより検出された生体データを携帯通信端末MT1〜MTnで受信して、この携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを介して管理装置CSへ転送するようにしている。
【0018】
通信ネットワークNWは、インターネットに代表されるIP(Internet Protocol)網と、このIP網にアクセスするための複数のアクセス網とから構成される。アクセス網としては、例えばDSL(Digital Subscriber Line)や光伝送路を使用する有線加入者網、CATV(Cable Television)網、無線LAN(Local Area Network)網、移動通信網、専用線網が用いられる。
【0019】
センサユニットSU1〜SUnは、例えば利用者の腕や胴部に装着可能なベルト状に形成され、このベルト部分に各種センサを取着している。図2はその構成の一例を示すブロック図である。すなわち、センサユニットSU1〜SUnは、センサ群10と、通信回路20とから構成される。センサ群10は、心拍センサ11と、血圧センサ12と、体温センサ13と、発汗センサ14と、歩数センサ15と、加速度センサ16と、UVセンサ22と、気象センサ23とを備え、さらに計時回路17、ジャイロセンサ18及びGPS(Global Positioning System)受信機19を備えている。
【0020】
心拍センサ11は、利用者の心拍或いは脈拍を検出する。血圧センサ12は、利用者の血圧を検出する。体温センサ13は、利用者の体温を検出する。発汗センサ14は、利用者の発汗の量を検出する。歩数センサ15は、利用者の歩数をカウントする。加速度センサ16は、利用者の動きの量を検出するために用いる。UVセンサ22は、紫外線の強さを検出する。気象センサ23は、外気温や気圧、湿度等の気象に関係するデータを検出する。ジャイロセンサ18は、利用者の身体の傾きを検出する。GPS受信機19は、利用者の現在位置を検出するために使用される。なお、計時回路17は、上記各センサに対し一定の時間間隔で検出動作タイミングを指定するタイミング信号を発生する。
【0021】
通信回路20は、上記センサ群10の各センサにより上記一定の時間間隔で得られる検出データをまとめて生体データとし、この生体データにより無線信号を変調してアンテナ21から送信する。
【0022】
携帯通信端末MT1〜MTnは例えば携帯電話機からなり、次のように構成される。図3はその構成を示すブロック図である。
すなわち、携帯通信端末MT1〜MTnは携帯通信用のアンテナ51及び通信回路52を備える。このアンテナ51及び通信回路52は、図示しない携帯通信用の基地局との間、及び利用者端末UT1〜UTnとの間で無線通信を行うために使用される。例えば、音声通話時には、上記通信回路52により受信復調された受話音声データが制御部55で復号されたのち音声入出力インタフェース(音声入出力I/F)56に入力される。そして、この音声入出力I/F56によりアナログ信号に変換されさらに増幅されたのち、内蔵スピーカ57から受話音声として拡声出力される。これに対し内蔵マイクロホン58に入力された送話音声は、音声入出力I/F56でディジタル信号に変換されたのち制御部55に入力され、この制御部55で符号化されることにより送話音声データとなる。通信回路52では上記送話音声データにより無線信号が変調され、この変調信号が増幅されてアンテナ51から送信される。なお、ヘッドホンユニット59が接続されているときには、上記内蔵スピーカ57及び内蔵マイクロホン58に代わって、上記ヘッドホンユニット59により音声信号の入出力が行われる。
【0023】
また、携帯通信端末MT1〜MTnは、簡易通信用のアンテナ53及び通信回路54を備えている。この簡易通信用のアンテナ53及び通信回路54は、センサユニットSU1〜SUnから送信される生体データを受信するために使用される。無線通信方式としては、例えばBT(BlueTooth)(登録商標)等の近距離無線データ通信方式が使用される。なお、生体データを取得するための通信インタフェースとしては、他に赤外線通信方式や無線LANの通信方式等を使用することが可能である。また、携帯通信端末MT1〜MTnとセンサユニットSU1〜SUnとの間は信号ケーブルにより接続してもよい。
【0024】
さらに、携帯通信端末MT1〜MTnは、入出力インタフェース(入出力I/F)60及び外部記憶インタフェース(外部記憶I/F)63を備えている。入出力I/F60には、ダイヤルキーパッド等の入力部61と、液晶ディスプレイ等の表示部62が接続されている。
【0025】
外部記憶I/F63には、メモリカードMCが着脱可能に挿着される。メモリカードMCはEEPROMからなり、例えば図4に示すようにプログラムエリア31及びデータエリア32を備えている。
データエリア32には、音楽データ記憶エリア32a、生体データ記憶エリア32b及び運動シナリオ記憶エリア32cが設けられる。音楽データ記憶エリア32aには、音調つまりテンポやリズム、雰囲気等の異なる複数の音楽データが記憶される。これらの音楽データは、運動に際し利用者がリズムやテンポをとったり、気分をリラックスするためのBGMとして使用される。
【0026】
生体データ記憶エリア32bには、対応するセンサユニットSU1〜SUnから送信された利用者の生体データがタイムスタンプを付されて記憶される。生体データには、先に述べたように利用者の心拍又は脈拍数、血圧値、体温、発汗の量、紫外線の強さ、気象データ、利用者の動きの量、身体の傾き、利用者の現在位置が含まれる。
【0027】
運動シナリオ記憶エリア32cには、利用者端末UT1〜UTnから転送される、現在実行中あるいは次に実行される運動シナリオが記憶される。なお、運動シナリオは、例えば運動の内容と順序と時間を表すデータにより構成される。運動の内容には、音楽データを選択するために使用される音楽識別コードも含まれる。
【0028】
プログラムエリア31には、運動シナリオプログラム31aと、音楽選択プログラム31bと、音声認識・合成プログラム31cと、生体データ管理プログラム31dと、メール起動プログラム31eが記憶される。これらのプログラムは、例えば管理装置CSからダウンロードすることにより格納される。
【0029】
運動シナリオプログラム31aは、管理装置CSから配信された運動シナリオを通信I/F52により受信して上記運動シナリオ記憶エリア34cに記憶する。またそれと共に、利用者の運動開始操作に応じて上記記憶された運動シナリオを読み出す。このとき、運動シナリオに映像データが含まれている場合には、この映像データを入出力I/F60により表示部62に表示させる。
【0030】
音楽選択プログラム31bは、上記運動シナリオプログラム31aにより読み出された運動シナリオの内容に含まれる音楽識別コードに従い、上記音楽データ記憶エリア32aから当該運動内容に適したテンポ又は雰囲気の音楽データを選択的に読み出す。そして、この読み出された音楽データを音声入出力I/F56に供給し、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力させる処理を実行する。
【0031】
音声認識・合成プログラム31cは、上記運動シナリオプログラム31aにより読み出された運動シナリオに指導内容等を表す文字コードが含まれている場合に、この文字コードを抽出して対応する音声メッセージを音声合成する。そして、この音声メッセージを音声入出力I/F56に供給し、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力させる処理を実行する。またそれと共に、内蔵マイクロホン58又はヘッドホンユニット59に入力された利用者の声を音声入出力I/F56を介して取り込み、音声認識処理する。
【0032】
生体データ管理プログラム31dは、上記入力された個人データに含まれる利用者の年齢や性別、身長や体重等に基づいて後述する管理装置CSで設定される適正値を表示部62に表示させると共に、上記センサユニットSU1〜SUnから取得した生体データをもとに数値やグラフ等により表される表示データを作成し、この作成した表示データを表示部62に表示させる処理を実行する。また、運動中に刻々と変化する生体データの推移を表示部62に表示させる処理も実行する。これにより、利用者が利用者端末UT1〜UTnの近傍で運動を行っている場合には、利用者は運動しながら運動の指導内容と生体データの推移を確認することができる。さらに、上記生体データ記憶エリア32bに記憶された生体データを利用者の要求に応じて読み出して表示部62に表示させる処理も実行する。
【0033】
メール起動プログラム31eは、生体データや、上記音声認識処理により得られる利用者の音声の文字メッセージを、携帯通信端末MT1〜MTnが備えるメール通信機能を用いて管理装置CSへ送信する処理を実行する。通常、携帯通信端末では利用者の意志によって送信操作を行わなければメールは送信されない。しかし、上記メール起動プログラム31eにより、上記運動中に送受信する必要があるデータは自動的にメールにて送受信される。
【0034】
利用者端末UT1〜UTnは例えばパーソナル・コンピュータからなり、次のような機能を備える。図5はその構成を示すブロック図である。
すなわち、利用者端末UT1〜UTnは、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)71を備える。このCPU71には、バス72を介してプログラムメモリ73及びデータメモリ74が接続され、さらに通信インタフェース(通信I/F)75、携帯通信インタフェース(携帯通信I/F)76及び入出力インタフェース(入出力I/F)77がそれぞれ接続されている。
【0035】
通信I/F75は、CPU71の制御の下で、管理装置CSとの間で通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従って双方向の通信を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
【0036】
入出力I/F77には、キーボード等を備える入力部78、LCD等の表示部79及びスピーカ80が接続される。入出力I/F77は、上記入力部78において入力されたデータの取り込みと、表示データを表示部79に表示させるための処理と、音声データをスピーカ80から出力させるための処理を行う。
【0037】
データメモリ74は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ、RAM等を記憶媒体として使用したもので、生体データ記憶エリア74aと、運動シナリオ記憶エリア74bを備えている。
生体データ記憶エリア74aには、上記センサユニットSU1〜SUnにより検出され、携帯通信端末MT1〜MTnから送られた生体データが蓄積される。生体データには、先に述べたように利用者の心拍又は脈拍数、血圧値、体温、発汗の量、利用者の動きの量、紫外線の強さ、気象データ、身体の傾き、利用者の現在位置が含まれる。
運動シナリオ記憶エリア74bには、後述する管理装置CSから配信される、現在実行中あるいは次に実行される運動シナリオと、過去1週間、又は1ヶ月といった所定期間に実行された運動シナリオが記憶される。
【0038】
プログラムメモリ73には、この発明に係わるアプリケーション・プログラムとして、個人データ設定送信制御プログラム73aと、データ中継転送制御プログラム73bと、運動シナリオ・結果提示制御プログラム73cが格納されている。
個人データ設定送信制御プログラム73aは、利用者による個人データ及び運動目的を表すデータの入力を受け付け、この入力された個人データ及び運動目的を表すデータを通信I/F75から管理装置CSに向け送信する処理を実行する。例えば、利用者の操作に応じて管理装置CSによりWeb上に開示されるホームページに対しアクセスし、このホームページの入力画面において利用者が入力した個人データ及び運動目的を表すデータを取り込む。なお、上記ホームページに対しアクセスするには事前の会員登録が必要であり、この会員登録により管理装置CSから付与される利用者IDとパスワードを入力することにより上記ホームページのアクセスが可能となる。
【0039】
個人データは、利用者の会員番号と属性情報とから構成される。属性情報には、住所、氏名、年齢、性別、職業を始め、必要に応じて家族構成、身長、体重、運動履歴、病歴、医療機関による診断内容(高血圧、糖尿等)、嗜好、コメント等が含まれる。運動の目的を表すデータは、介護予防のための転倒予防や生活習慣病予防又は改善、ダイエット(ウエイトダウン、部分痩せ(足、腕、ウエスト等))、筋力増強、運動不足解消(ウォーキング、ジョギング、肩こり解消、腰痛解消、全身体操等)、リフレッシュ(全身のリラックス運動、デスクワーク疲労の解消等)等からなる。さらに、予定運動継続期間(3ヶ月、6ヶ月等)、平均的な予定運動実施頻度と時間帯(平日は毎日午前10時から10時半と午後8時から8時半、土日は午後8時から9時等)を表す情報も含まれる。なお、運動目的がダイエットの場合には、身長、体重に加えて、胸囲、胴囲、腰囲、太股、脹ら脛、上腕部等のサイズを個人データに加えてもよい。
【0040】
データ中継転送制御プログラム73bは、管理装置CSと携帯通信端末MT1〜MTnとの間で、生体データ、運動シナリオ及び利用者の音声メッセージを中継転送するための処理を実行する。
運動シナリオ・結果提示制御プログラム73cは、利用者の要求に応じ、過去に使用された運動シナリオを上記運動シナリオ記憶エリア74bから読み出して表示部79に表示させたり、運動後の生体データの変化等、利用者の運動結果を表すデータを生体データ記憶エリア74aから読み出して表示部79に表示させるための処理を実行する。
【0041】
一方、管理装置CSはWebサーバにより構成されるもので、次のような機能を備えている。図6はその構成を示すブロック図である。
すなわち、管理装置CSはCPU41を備える。このCPU41には、バス42を介してプログラムメモリ43及びデータベース44が接続され、さらに通信インタフェース(通信I/F)45及び外部記憶インタフェース(外部記憶I/F)46がそれぞれ接続されている。
【0042】
通信I/F45は、CPU41の制御の下で、利用者端末UT1〜UTnとの間で通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従って通信を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
外部記憶I/F46は、別途編集・制作された運動コンテンツデータをCDROMやDVD、メモリカード等の外部記憶媒体DSKから取り込むために使用される。上記運動コンテンツデータは運動シナリオを構成する素材として使用される。
【0043】
データベース34は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ、RAM等を記憶媒体として使用したもので、個人データ記憶エリア44aと、基礎データ記憶エリア44bと、運動データ記憶エリア44cと、過去データ記憶エリア44dを備えている。
個人データ記憶エリア44aには、利用者端末UT1〜UTnから送られた利用者の個人データと利用者個人の基準となる生体データが記憶される。個人情報には、利用者の運動目的を表すデータも含まれる。基礎データ記憶エリア44bには、利用者ごとにその年齢や性別、体型等に基づいた基礎となる生体データが記憶される。過去データ記憶エリア44dには、各個人の過去の生体データが記憶される。
【0044】
運動データ記憶エリア44cには、運動シナリオを構成する複数の運動コンテンツデータが記憶される。運動コンテンツデータは、指導者の映像を編集した映像データと、指導内容やガイダンスを表す文字メッセージとから構成され、各データにはメタ情報が付加されている。メタ情報は、その属性(ストレッチ運動、有酸素運動、筋力トレーニングすなわちレジスタンス運動、コーディネーション運動等)と、運動強度、ストレッチ効果の度合、筋力向上度とその部位、シェイプアップの度合とその部位、リフレッシュの度合、リラックスの度合、楽しさの度合、柔軟度合とその部位、動かす(運動負荷のかかる)身体の部位、どんな目的に適した運動か、どんな人には適さないか等の各種情報を含む。
【0045】
プログラムメモリ43は、例えばROM又はハードディスクにより構成される。そしてこのプログラムメモリには、利用者情報管理プログラム43aと、分析プログラム43bと、運動シナリオ作成プログラム43cと、配信制御プログラム43dと、気象予報データ取得制御プログラム43eが記憶されている。
【0046】
利用者情報管理プログラム43aは、通信I/F45により利用者端末UT1〜UTnとの間で通信を行うことで利用者の個人データ及び生体データを受信し、受信した個人データ及び生体データを上記個人データ記憶エリア44aに記憶する処理を実行する。
気象予報データ取得制御プログラム43dは、生体データに含まれる利用者の位置データをもとに、当該位置データにより表される地域の気象予報データを、例えば気象情報提供機関のサイトにアクセスして取得する処理を実行する。
【0047】
分析プログラム43bは、個人データ記憶エリア44aに記憶された利用者の個人データ(運動の目的や病歴、負荷をかけられない身体の疾病部位等)、平常時の生体データ(血圧や心拍、体温、簡単な問診結果等)、利用者の希望(リフレッシュしたいか、どこか具合の悪いところはないか、運動可能な時間はどの程度か等)、既に実施した運動シナリオが過去データ記憶エリア44dに記憶されている場合にはそのときの生体データの変化履歴や傾向性を表すデータ(筋力トレーニングが足りない、運動強度がやや強いと心拍が上昇しやすい等)を分析する。
【0048】
そして、この分析結果をもとに運動に求める項目の抽出とその優先順位付けを行い、このデータを運動基礎データとして基礎データ記憶エリア44bに保管する。運動に求める項目は各運動コンテンツの特徴を表す項目でもあり、運動強度、ストレッチ効果、筋力向上度合とその部位、シェイプアップ効果とその部位、リフレッシュ効果、リラックス効果、楽しさの度合、柔軟効果とその部位等からなる。
【0049】
また分析プログラム43bは、利用者の身体の疾患部位及び問診結果から得られた運動当日の体調データを分析し、禁止項目を抽出する。例えば3ヶ月前に交通事故で肩を損傷し今もなお通院中の人であって今日は腰が痛い場合には、禁止項目として「肩を動かす運動」「腰を動かす運動」を抽出する。そして、この抽出された禁止項目を、他のデータよりも優先させるため重み付けして記憶する。
【0050】
さらに分析プログラム43bは、運動実施直前の体調データ(血圧や心拍、体温、簡単な問診結果等)、個人の希望事項(リフレッシュしたいか、気分は晴れやかか、今日は膝が痛いので椅子に座って体操したい、運動可能な時間は20分等)に基づく分析結果を、平常時の運動基礎データと比較する。そして、変更すべき項目と追加すべき項目を抽出して、これらの項目に対する優先順位付けを再度行い、その結果を差分データとして基礎データ記憶エリア44bに保管する。
【0051】
さらに分析プログラム43bは、利用者端末UT1〜UTnから刻々と送信される生体データに基づいて、利用者の体調や体力の状況等を分析する。例えば、心拍センサ11による心拍数の変化、血圧センサ12による血圧の上昇、体温センサ13による体温の変化、発汗センサ14により発汗量、UVセンサ22による紫外線量、気象センサ23による外気温や湿度の変化、また歩数センサ15や加速度センサ16によって利用者の身体への影響や消費エネルギが分析される。そして、例えば心拍や血圧等が予め設定した要注意範囲に入ったか否かを判定し、入った場合に差分データを生成する。また、上記運動中の心拍や血圧等が予め設定した危険範囲に入ったか否かについても判定し、入った場合には運動停止要求を生成する。
【0052】
上記分析方法として、重回帰分析、数量化理論I類等を始めとする多変量解析を用いることが考えられる。例えば、運動の目的をダイエットとした場合には、目的変数を体重とすると、年齢、性別、現在の体重、体調等の説明変数の影響度を求め、目的体重に至るまでに消費しなければならないエネルギを推定する。また、ウォーキングが何分、ジョギングが何分、連続何日といった運動の質的説明変数から目的とする体重までの期間を予測する。
【0053】
さらに分析プログラム43bは、携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを介してメールにより送られる利用者のメッセージの内容を分析する。例えば、利用者が「苦しい」と発した場合に、音声認識により「く・る・し・い」という利用者の状態を検出する。そして、当該利用者の現時点での生体データを取得し、取得した生体データに含まれる心拍数や血圧値、発汗の状態等をもとに運動を続けるか休むことが必要かを判断する。
【0054】
さらに分析プログラム43bは、上記気象予報データ取得プログラム43eにより取得される利用者の現在位置における気象予報データを分析する。そして、この分析結果と、利用者の現在の生体データとをもとに、現在利用者が使用中の運動シナリオを修正するための差分データを生成する。
【0055】
運動シナリオ作成プログラム43cは、上記基礎データ記憶エリア44bに記憶された運動基礎データをもとに運動予定期間全体の基本的な運動シナリオを作成し、この作成されたシナリオを運動シナリオ基本データとして運動データ記憶エリア44cに保管する。例えば、運動基礎データとして転倒予防の目的が優先され、高齢者のため運動時間と運動強度を徐々に増大させていくよう指示されている場合には、運動コンテンツのメタ情報から転倒予防目的のものを選択する。そして、ストレッチ運動と、転倒予防につながる身体の部位の筋力トレーニングと、バランス力を向上させるコーディネーション運動とを組み合わせた基本的な転倒予防の運動シナリオを作成する。運動コンテンツの全体の長さは、例えば最初の1週間は10分、次の1週間は20分、その後は30分となるように定める。
【0056】
また運動シナリオ作成プログラム43cは、利用者の運動開始時点で、上記分析プログラム43bにより得られた差分データを考慮し、さらに運動コンテンツデータに付加されるメタ情報を参考にして、運動シナリオ基本データをもとに実際に配信する運動シナリオを作成する。例えば、生活習慣病予防の目的であって、昨日から膝が痛いので負荷をかけたくない利用者に対しては、基本運動シナリオで用意されている、立って行う運動を椅子に座って行う運動に切り替えて、運動シナリオを作成し直す。
【0057】
さらに運動シナリオ作成プログラム43cは、利用者の運動期間中に、上記分析プログラム43bにより新たな差分データが生成されると、この差分データをもとに該当する利用者の運動シナリオを変更する。例えば差分データが負荷を減少させるものであれば、運動を少し休むか運動強度の低いシナリオに変更する。その際、変更後のシナリオには、「今日はこのくらいにしましょう」等の文字メッセージを含める。反対に差分データが負荷を増加させるものであれば、負荷の高い運動シナリオに変更する。その際、変更後のシナリオとしては「もう少し頑張りましょう」等の文字メッセージを含める。また、分析プログラム43bにより、心拍や血圧等の生体データが危険範囲を超えたと判定された場合には、運動を直ちに中止させるための運動停止指示情報を生成する。
【0058】
なお、運動シナリオ作成プログラム43cは、分析プログラム43bにより与えられる差分データをもとに、利用者の現在位置における気象予報データが変化した場合にも、その変化と利用者自身の生体データを考慮して運動プログラムを変更する。例えば、気温が上昇しそうな場合でかつ利用者の発汗が多い場合には運動負荷を軽くするように運動シナリオを変更する。また、紫外線量がしきい値より多い場合には、屋外運動の時間が短くなるように運動シナリオを変更する。その際、変更後の運動シナリオには、「帽子を着用しましょう」、「今日は紫外線が強いので外での運動は1時間以内にしましょう」等のメッセージを加える。さらに、気象予報データの分析結果から、1時間後に降雨が予想されている場合や外気温が32℃を超えて不快指数も高い場合には、屋外運動のシナリオを屋内運動に変更する。
【0059】
さらに運動シナリオ作成プログラム43cは、利用者の運動の目的が、脂肪を燃焼させるダイエットの場合には、ダイエット目的特有の運動シナリオを選択する。例えば、最大心拍数の65%前後となる運動強度を保つと、脂肪が最も効果的に燃焼されることが知られている。
最大心拍数は、基礎体力の有無によって年齢から、基礎体力がある場合は:205−(年齢×0.5)、基礎体力が無い場合は:210−(年齢×0.8)の式で求められる。例えば、日ごろ運動をしていない40歳の人の最大心拍数は210−(40×0.8)=178拍/分と推定できる。そのため、脂肪を効率的に燃やすには、この65%である115.7泊/分になるように有酸素運動を継続するシナリオを作成する。単調なシナリオの場合は継続が困難なため、過去の運動シナリオを参照してシナリオに変化を持たせるとともに、明るい音楽を使用するなど楽しさの度合いも勘案しながらシナリオを作成する。
【0060】
さらに、心拍センサの値がこれより低いときには、もう少し運動強度の高いメニューにシナリオ変更し、逆に高くなりすぎると糖質しか燃えなくなるので運動強度の低いメニューにシナリオ変更する。心拍数は運動強度と比例するが、利用者が65%ではきついと感じて例えば「ちょっときついです」といった音声メッセージを発した場合には、管理装置CSは例えば心拍数を最大心拍数の55%程度に落とした運動強度となるように運動シナリオを作成する。その際、運動シナリオには、「運動強度を軽くしました」といったメッセージを含める。
【0061】
次に、以上のように構成された運動指導システムの動作を説明する。図7及び図8はセンサユニットSU1〜SUn、携帯通信端末MT1〜MTn、利用者端末UT1〜UTn及び管理装置CSの制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
管理装置CSは、運動指導サービスの提供を案内するホームページをステップS1によりWeb上に公開する。このホームページには、会員募集要項や施設の説明、提供可能な運動の内容等が提示される。例えば、スポーツクラブやフィットネスクラブ等のトレーニング推奨団体が管理装置CSを運営する場合には、利用者が希望すると予想される様々な目的を想定して複数種類の運動シナリオが予め用意される。
【0062】
想定される運動シナリオとしては、「ダイエット体操」、「生活習慣病予防体操」、「転倒予防体操」、「健康維持運動」、「運動不足解消体操」、「ヨガ」等がある。例えば「ダイエット体操」のシナリオを例に挙げると、「ダイエット体操」にも「足痩せ体操」、「バストアップ体操」、及び「脂肪燃焼体操」等の様々な種類があり、シナリオごとに当該シナリオを構成するために必要な運動コンテンツデータが運動データ記憶エリア44cに予め記憶される。
【0063】
また管理装置CSは、ステップS2において、一般的な人の年齢や性別、身長、体重、職業等に基づいた心拍数、血圧、体温等の基準値を基礎データとして記憶する。この基礎データは利用者の体調の基本状態を判定するために使用される。
【0064】
一方、上記運動指導サービスを利用する場合に利用者が、自身の利用者端末(例えばUT1)においてWeb上の該当するホームページを開くための操作を行ったとする。そうすると利用者端末UT1のCPU71は、ステップS3においてブラウザ機能を起動して上記ホームページに対しアクセスし、その会員登録画面の表示データをダウンロードして表示部79に表示する。この状態で、利用者が会員登録画面において会員登録のための入力操作を行ったとすると、CPU71はステップS4において入力された利用者の氏名、住所、年齢、性別等の個人データと、運動目的を表すデータをそれぞれ取り込み、これらのデータをステップS5により通信I/F75から管理装置CSへ送信する。
【0065】
これに対し管理装置CSは、ステップS6により上記利用者端末UT1から会員登録のための入力データを受信すると、ステップS7により登録要求元の利用者に対して利用者IDとパスワードを発行し、この発行した利用者IDとパスワードをステップS8により利用者端末UT1へ送信する。そして、上記受信された個人データ及び運動目的データを、ステップS9によりデータベース44内の個人データ記憶エリア44aに記憶する。利用者端末UT1は、上記管理装置CSから送られた利用者IDとパスワードをステップS11により受信して記憶する。
【0066】
また管理装置CSは、ステップS10により携帯通信端末MT1で必要なプログラムを送信する。携帯通信端末MT1で必要なプログラムとしては、基本的な運動シナリオプログラム31a、音楽選択プログラム31b、音声認識・合成プログラム31c、生体データ管理プログラム31d、メール起動プログラム31eがある。上記管理装置CSから送信されたプログラムは、一旦利用者端末UT1により受信・記憶されたのち、当該利用者端末UT1から携帯通信端末MT1へ送信される(ステップS12)。
【0067】
利用者は、自身の携帯通信端末MT1の電源を投入したのちメモリカードMCを挿着する。携帯通信端末MT1はステップS13により上記メモリカードMCの挿着を確認すると、続いてステップS14により上記利用者端末UT1が送信するプログラムを受信する。そして、この受信されたプログラムを図4に示すようにメモリカードMC内のプログラムエリア31に記憶する。
【0068】
さて、運動を開始する場合に利用者は、自身の身体にセンサユニットSU1を取着し、このセンサユニットSU1の各センサを起動する。このとき利用者は、屋外で運動を行う場合にはGPS受信機19のスイッチを投入する。センサユニットSU1は、ステップS16でGPS受信機19のスイッチ投入を検出すると、ステップS17によりジャイロセンサ18及びGPS受信機19を作動させ、しかるのちステップS18により各センサ11〜23の検出データを生体データとして通信回路20から携帯通信端末MT1へ送信する(ステップS19)。
【0069】
携帯通信端末MT1は、ステップS20において、上記センサユニットSU1から送信された利用者の運動直前の生体データを簡易通信回路54により受信したのち、通信回路52から利用者端末UT1へ送信する。利用者端末UT1は、上記携帯通信端末MT1から送信された生体データを携帯通信I/F76により受信すると、この受信された生体データを生体データ記憶エリア74aに記憶したのち、通信I/F75から管理装置CSへ送信する。
【0070】
管理装置CSは、ステップS22において、上記利用者端末UT1から送信された生体データを通信I/F45で受信すると、この受信された生体データをデータベース44の過去データ44dに記憶したのち、ステップS23により分析プログラム43bを実行する。そして、上記受信された利用者の運動直前の生体データと、同時に利用者が利用者端末UT1において入力した個人の希望事項(リフレッシュしたいか、気分は晴れやかか、今日は膝が痛いので椅子に座って体操したい、運動可能な時間は20分等)を分析し、その分析結果を平常時の運動基礎データと比較する。そして、変更すべき項目と追加すべき項目を抽出して、これらの項目に対する優先順位付けを再度行い、その結果を差分データとして保管する。
【0071】
続いて管理装置CSは、ステップS24により運動シナリオ作成プログラム43cを実行し、上記分析プログラム43bにより得られた差分データを考慮し、さらに運動コンテンツデータに付加されるメタ情報を参考にして、予め作成されている運動シナリオ基本データをもとに実際に配信する運動シナリオを作成する。そして、この作成された運動シナリオをステップS25により利用者端末UT1へ送信する。
【0072】
利用者端末UT1は、ステップS26において、上記管理装置CSから送信された運動シナリオを通信I/F75により受信し、この受信された運動シナリオを運動シナリオ記憶エリア74bに記憶する。そして、この記憶された運動シナリオをステップS29で表示部79に表示する。したがって、利用者は利用者端末UT1の表示部79を見ることにより配信された運動シナリオを確認することが可能となる。
【0073】
またそれと共に利用者端末UT1は、上記受信された運動シナリオを携帯通信端末MT1へ送信する。携帯通信端末MT1は、上記利用者端末UT1から送信された運動シナリオをステップS27で受信すると、運動シナリオ記憶エリア32cに記憶する。そして、ステップS28により上記運動シナリオを実行する。
【0074】
例えば、運動シナリオの先頭には運動開始を促す文字メッセージが含まれており、この文字メッセージが音声認識・合成プログラム31cにより音声データに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。運動開始を促すメッセージとしては例えば「さあ運動を始めましょう」が用いられる。
【0075】
続いて、上記運動シナリオの内容に含まれる指導内容を表す音声データが復号され、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。なお、上記運動コンテンツデータに指導内容を表す映像データが含まれる場合には、この映像データを復号して携帯通信端末MT1の表示部62に表示することも可能である。また、上記運動コンテンツデータに文字メッセージが含まれている場合には、この文字メッセージが音声認識・合成プログラム31cにより音声データに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。
【0076】
またそれと共に、上記運動シナリオの内容に対応する音楽データが音楽データ記憶エリア32aから選択的に読み出され、この読み出された音楽データが上記内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。したがって、以後利用者は、上記内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される指導音声やメッセージを聞きながら、さらにこれらと同時に出力される音楽のテンポ又はリズムに乗って運動を行うことができる。
【0077】
一方、上記運動が開始されるとセンサユニットSU1では、図8に示すようにステップS30において所定時間ごと、例えば1分おき、3分おき、或いは5分おきに、各センサの検出データが取得され、これらの検出データが運動中の利用者の生体データとしてステップS31により携帯通信端末MT1へ送信される。
【0078】
携帯通信端末MT1は、上記センサユニットSU1から送信される生体データをステップS32で受信すると、この受信された生体データを利用者端末UT1へ送信する。利用者端末UT1は、上記携帯通信端末MT1から送信された生体データをステップS33で受信し記憶したのち、管理装置CSへ送信する。なお、携帯通信端末MT1又は利用者端末UT1が上記生体データを送信する際に、取得された生体データが前回取得した生体データに対し一定量以上変化したか否かを判定し、一定量以上の変化が検出された場合にのみこの変化後の生体データ又は差分データを送信するようにしてもよい。
【0079】
これに対し管理装置CSは、上記利用者端末UT1から送信された生体データをステップS34で受信すると、この受信された生体データを過去データ記憶エリア44dに記憶したのち、ステップS35に移行してここで生体データの分析を行う。すなわち、受信された運動中の生体データと個人データ記憶エリア44aに記憶された個人データとをもとに、運動中の利用者の体調や体力の状況の変化を分析する。そして、その分析結果をもとにステップS36により運動シナリオの修正を行って、この変更されたシナリオをステップS37により利用者端末UT1に送信する。
【0080】
利用者端末UT1は、上記変更された運動シナリオをステップS38で受信すると、運動シナリオ記憶エリア74bに記憶したのち、携帯通信端末MT1へ転送する。携帯通信端末MT1は、上記利用者端末UT1から転送された運動シナリオをステップS39で受信すると、運動シナリオ記憶エリア32cに記憶されている運動シナリオを上記受信された修正された運動シナリオにステップS40で書き換える。そして、以後この変更された運動シナリオに従い指導音声及びメッセージを内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力すると共に、音楽データ記憶エリア32aから上記変更されたシナリオの内容に対応する音楽データを読み出して出力する。
【0081】
かくして、運動中に刻々と変化する利用者の生体データに応じて運動シナリオが自動的に変更され、利用者はこの運動シナリオに従い自身の生体データに応じた最適な運動を行うことができる。
例えば、上記利用者の体調を分析した結果、生体データの変化が正常範囲内であれば、当該生体データの変化に応じて音楽のテンポを許容範囲内で変化させるようにシナリオが変更され、この変更されたシナリオに従い利用者は運動を継続できる。これに対し上記分析の結果、例えば運動中の利用者の心拍や血圧等が予め設定した要注意範囲に入ったとする。この場合管理装置CSは、利用者の運動シナリオを少し休むか運動強度の低いシナリオに変更して送信する。その際、変更後のシナリオには「運動を止めて少し休憩しましょう」等の文字メッセージを加える。この文字メッセージは、音声認識・合成プログラム31cにより音声メッセージに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。したがって、利用者はこの音声メッセージにより指示を確認して運動を暫く休むことができる。
【0082】
また、上記分析の結果、運動中の心拍や血圧等が予め設定した危険範囲に入った場合には、管理装置CSは運動を直ちに中止させるための運動停止指示を送信する。この運動停止指示を受信すると利用者端末UT1は、ステップS25により運動コンテンツの再生を停止する。その際、上記運動停止指示に「直ちに運動を終了し、安静にしてください」、「気分が悪い場合にはその旨をお知らせ下さい」といったメッセージを加えておけば、このメッセージが音声メッセージに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。したがって、利用者は直ちに運動を終了することができる。
【0083】
またこのとき気分が悪ければ、利用者はその旨をヘッドホンユニット59に音声入力すればよい。このようにすると、入力された音声回答メッセージが音声認識・合成プログラム31cにより文字メッセージに変換されたのち、メールにより利用者端末UT1を介して管理装置CSへ伝えられる。管理装置CSでは、上記メールにて伝えられた音声回答メッセージが例えば指導員が所持する携帯端末に転送され、指導員に対し呼出報知が行われる。
【0084】
さらに管理装置CSは、生体データに含まれる外気温や湿度、紫外線量等を分析し、これらの気象データが変化した場合にも、その変化と利用者自身の生体データを考慮して運動プログラムを変更する。また管理装置CSは、気象予報データ取得プログラム43eにより利用者の現在位置における気象予報データを分析し、この分析結果と利用者の現在の生体データとをもとに、現在利用者が使用中の運動シナリオを変更する。したがって、利用者は屋外で運動を行っている際に、現在の気象データの変化や気象予報データを考慮して最適な運動を行うことが可能となる。
【0085】
さらに管理装置CSは、利用者の運動中に携帯通信端末MT1からメールにより通知された、利用者のメッセージを分析する。そして、例えば利用者が「苦しい」と発した場合には、利用者が異常な状態であることを口頭で申告したものと判断して、当該利用者の現時点での生体データを取得し、取得した生体データに含まれる心拍数や血圧値、発汗の状態等をもとに運動を続けるか休むことが必要かを判断する。そして、休憩させるべきであると判断すると、運動シナリオを少し休むか運動強度の低いシナリオに変更し、この変更されたシナリオを利用者端末UT1を経由して携帯通信端末MT1へ通知する。したがって、携帯通信端末MT1では運動シナリオの再生が停止され、この結果利用者は休憩することが可能となる。
【0086】
さらに管理装置CSは、携帯通信端末MT1から送られた生体データに含まれるジャイロセンサ18の検出データを分析した結果、ジャイロセンサ18の検出データが利用者の転倒を示唆するものだった場合には、即時「大丈夫ですか」といった文字メッセージを生成して携帯通信端末MT1へ送信する。
【0087】
なお、ヨガ等の体操のように利用者が横になって行う運動シナリオが配信されている場合に、上記ジャイロセンサ18の検出データをそのまま使用すると、転倒ではないにも拘わらず「転倒」と誤判定してしまう不具合を生じる。そこで、この場合には当該運動シナリオを構成する運動データのメタ情報に運動姿勢に関する情報を含めておき、この運動姿勢に関する情報を参照して転倒の有無を判定すればよい。
【0088】
携帯通信端末MT1では、上記文字メッセージが音声メッセージに変換されたのち内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力する。そして、この音声メッセージによる問い合わせに対し一定時間以内に利用者から応答メッセージが返送されなかったとする。そうすると、管理装置CSは生体データに含まれるGPS受信機19の位置検出データをもとに利用者の現在位置を特定し、この現在位置情報をもとに指導員或いは救急隊員に対し派遣を要請したり、予め登録してある連絡先情報をもとに電話又はメールにより家族に知らせるといった緊急処置を実行する。
【0089】
上記運動中に、上記運動シナリオの実行が終了するか、又は利用者が途中で終了要求を入力すると、携帯通信端末MT1はステップS44からステップS45に移行し、ここで運動終了メッセージを内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力する。またそれと共に上記運動終了通知をセンサユニットSU1に送る。センサユニットSU1は上記運動終了通知を受け取ると、生体データの検出動作を終了する。
【0090】
なお、利用者の運動中にセンサユニットSU1により検出された生体データは、利用者端末UT1において数値化されるか又は変化を示すグラフに変換され、運動コンテンツの映像データに重畳されて表示部39に表示される。このため、利用者は運動を行いながら、自身の体調の変化を確認することが可能となり、これにより運動を自主的にセーブすることできる。
【0091】
また、運動終了後に利用者が利用者端末UT1において運動結果の閲覧要求を入力すると、利用者端末UT1はステップS42からステップS43に移行し、ここでデータメモリ74に記憶された運動結果を表すデータが読み出され、表示部79に表示される。したがって利用者は運動終了後に、運動中における自身の生体データの変化等を確認することができる。
【0092】
以上述べたようにこの実施形態では、利用者にその生体データを検出するセンサユニットSU1〜SUnを装着すると共に、携帯通信端末MT1〜MTnを所持させる。そして、管理装置CSにおいて、上記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに上記利用者に適する運動シナリオを作成して上記携帯通信端末に配信し利用者に提示するようにしている。
したがって、利用者は、自宅や公園、路上等、任意の場所において、自身の個人データや生体データ、自身の運動の目的が反映された運動シナリオに従い運動を行うことが可能となる。すなわち、利用者は場所を選ぶことなく、あたかもスポーツジムやフィットネスクラブにおいてトレーナの指導を受けているかのように適切な運動を行うことが可能となる。
【0093】
また、運動中に刻々と変化する利用者の生体データを携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを経由して管理装置CSへ送り、この運動中の利用者の生体データもとに運動シナリオを修正して携帯通信端末MT1〜MTnに配信し、利用者に提示する運動シナリオを更新するようにしている。
したがって、運動中に利用者の生体データが変化すると、この変化に応じて運動シナリオが適応的に修正される。このため、利用者は運動中においても、常に刻々と変化する自身の体調変化に応じた最適な運動シナリオに従い運動を行うことができる。このため、利用者は運動中の体調変化も考慮して過不足なくかつ安全に運動を行うことができる。
【0094】
さらに、携帯通信端末MT1〜MTnにおいて運動シナリオを提示する際に、管理装置CSから配信された運動シナリオに含まれる文字データを音声データに変換し、この変換された音声データを携帯通信端末MT1〜MTnの内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力するようにしている。
したがって、利用者は携帯通信端末MT1〜MTnの表示部62に表示される文字メッセージを、運動しながら或いは運動を中断して見る必要がなく、運動しながら音声メッセージにより運動の指導内容を確認することができる。
【0095】
さらに、携帯通信端末MT1〜MTnに音調の異なる複数の音楽データを記憶しておき、運動シナリオを提示する際に、管理装置CSから配信された運動シナリオの内容に対応する音調の音楽データを上記記憶された複数の音楽データの中から選択する。そして、この選択された音楽データを携帯通信端末MT1〜MTnの内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力するようにしている。
したがって、運動中に携帯通信端末MT1〜MTnからは運動シナリオの内容に対応する音調の音楽が出力される。このため、利用者は提示された運動シナリオの内容に合ったテンポの音楽に乗ってリズミカルに楽しく運動を行うことが可能となる。
【0096】
さらに、ジャイロセンサ18の検出データを分析することにより利用者の転倒の有無を判定し、転倒と判断される場合に状況を問い合わせるメッセージを携帯通信端末MT1へ送信し、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力するようにしている。そして、この問い合わせに対し一定時間以内に利用者が応答しない場合に、GPS受信機19により検出された位置データから利用者の現在位置を把握して、現地に救助要員を派遣するようにしている。
したがって、屋外でジョギングなどを行っている利用者が倒れた場合に、迅速かつ確実に適切な処置を講じることが可能となる。
【0097】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では例えば、年齢、性別、職業等の個人データを固定的なデータとして基準値を得るために使用し、心拍数、血圧、体温等のデータを変動的なデータとしてその時々の利用者の状態を分析するものとして説明した。しかし、分析に使用するデータは、固定的なデータ、変動的なデータを取り混ぜて行ってもよく、最適な分析を行うことができるのであれば、使用するデータの選択は特に限定されない。
【0098】
また、生体データの分析においては、上記多変量解析に限らず、データマイニング、ニューロ理論やカオス理論に基づいて生体データに曖昧さを持たせて分析を行ってもよく、利用者に適切な運動指示を行うことができれば分析方法は特に限定されない。
さらに、前記実施形態では、運動を運動シナリオにそって連続して行う場合について説明したが、運動シナリオは1日単位、つまり朝「ストレッチ体操を20分」、その後続けて「ウォーキングを30分」、夕方に「エアロビクスを30分」に分割して行うものでもよく、運動シナリオによる効果が得られれば1週間単位、1ヶ月単位であってもよい。
【0099】
さらに、前記実施形態では、検出した生体データに変化があったときにのみ、生体データを利用者端末UT1〜UTnから管理装置CSに送信するものとして説明したが、所定時間間隔で生体データを管理装置CSに送信するようにしてもよく、生体データを送信するタイミングは特に限定されない。
【0100】
さらに、前記実施形態では携帯通信端末MT1〜MTnと管理装置CSとの間の各種データの転送を、利用者端末UT1〜UTnを介して行うようにした。しかし、それに限らず、管理装置CSに利用者端末の機能を持たせ、この管理装置CSと携帯通信端末MT1〜MTnとの間で各種データを直接無線伝送するようにしてもよい。この場合、携帯通信端末MT1〜MTnと管理装置CSとの間の通信は、移動通信網を利用しかつプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を使用して行われる。
【0101】
また、運動シナリオに映像データが含まれる場合、この映像データは携帯通信端末MT1〜MTnの表示部62に表示されることになり、利用者にとっては視認しにくくなる。そこで、ヘッドマウントディスプレイ等の外部表示器を用意し、このヘッドマウントディスプレイに対し携帯通信端末MT1〜MTnに備えられている簡易通信回路54から映像データを転送して表示させる。このようにすると、利用者は携帯通信端末MT1〜MTnの表示部62を見ながら運動する必要がなくなり、これにより制約を受けることなく常に自然な姿勢で運動を行うことができる。なお、携帯通信端末MT1〜MTnから外部表示器へのデータ転送手段としては、簡易無線インタフェースを使用する以外に、運動の障害にならない範囲で信号ケーブルを使用することも可能である。
【0102】
さらに、前記実施形態では運動シナリオの内容に対応するテンポ又はリズムの音楽データを選択してスピーカから出力するようにした。しかしそれに限らず、運動シナリオの内容に対応するテンポ又はリズムに同期して、携帯通信端末が備える振動体(バイブレータ)を駆動するようにしてもよい。このようにすると、利用者は音を出すことを制限又は禁止された場所でも、提示された運動シナリオの内容に合ったテンポでリズミカルに運動を行うことが可能となる。また音に頼らないため、耳の不自由な利用者でも健常者と同様に運動シナリオにしたがって運動を行うことができる。
【0103】
また携帯通信端末としては、携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistant)やモバイルコンピュータ、腕時計タイプの情報端末、フラッシュメモリやハードディスクを使用したオーディオプレーヤ、ディジタルカメラ、携帯型ゲーム機などを用いることができる。その他、運動シナリオの種類や構成、運動シナリオの修正タイミング、センサユニット、携帯通信端末、利用者端末及び管理装置の構成や運動指導の制御手順等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0104】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】この発明に係わる運動指導システムの一実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示したシステムで使用されるセンサユニットの構成を示すブロック図。
【図3】図1に示したシステムで使用される携帯通信端末の機能構成を示すブロック図。
【図4】図3に示した携帯通信端末と共に使用されるメモリカードに記憶されるプログラム及びデータの構成を示すブロック図。
【図5】図1に示したシステムで使用される利用者端末の機能構成を示すブロック図。
【図6】図1に示したシステムで使用される管理装置の機能構成を示すブロック図。
【図7】図1に示したシステムにおける運動指導制御手順と制御内容の前半部分を示すフローチャート。
【図8】図1に示したシステムにおける運動指導制御手順と制御内容の後半部分を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0106】
UT1〜UTn…利用者端末、CS…管理装置、NW…通信ネットワーク、SU1〜SUn…センサユニット、MC…メモリカード、DSK…外部記憶媒体、10…センサ群、11…心拍センサ、12…血圧センサ、13…体温センサ、14…発汗センサ、15…歩数センサ、16…加速度センサ、17…計時回路、18…ジャイロセンサ、19…GPS受信機、20…通信回路、21…センサユニットのアンテナ、22…UVセンサ、31…プログラムエリア、31a…運動シナリオプログラム、31b…音楽選択プログラム、31c…音声認識合成プログラム、31d…生体データ管理プログラム、31e…メール起動プログラム、32…データエリア、32a…音楽データ記憶エリア、32b…生体データ記憶エリア、41…管理装置のCPU、42…管理装置のバス、43…管理装置のプログラムメモリ、43a…利用者情報管理制御プログラム、43b…分析プログラム、43c…運動シナリオ作成プログラム、43d…配信制御プログラム、44…管理装置のデータベース、44a…個人データ記憶エリア、44b…基礎データ記憶エリア、44c…運動データ記憶エリア、44d…過去データ記憶エリア、45…管理装置の通信インタフェース、46…外部記憶インタフェース、51…携帯通信用アンテナ、52…通信回路、53…簡易通信用アンテナ、54…簡易通信回路、55…制御部、56…音声入出力インタフェース、57…内蔵スピーカ、58…内蔵マイクロホン、59…ヘッドホンユニット、60…携帯通信端末の入出力インタフェース、61…携帯通信端末の入力部、62…携帯通信端末の表示部、63…外部記憶インタフェース、71…利用者端末のCPU、72…利用者端末のバス、73…利用者端末のプログラムメモリ、73a…個人データ設定制御プログラム、73b…データ中継転送制御プログラム、73c…運動シナリオ・結果提示制御プログラム、74…利用者端末のデータメモリ、74a…生体データ記憶エリア、74b…運動シナリオ記憶エリア、75…利用者端末の通信インタフェース、76…携帯通信インタフェース、77…利用者端末の入出力インタフェース、78…利用者端末の入力部、79…利用者端末の表示部、80…スピーカ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、管理装置から利用者が所持する携帯通信端末へ通信ネットワークを利用して運動シナリオを提供することにより利用者の運動を遠隔的に指導する運動指導システムとその携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者の自宅での運動を支援するシステムとして、通信ネットワークを利用して遠隔的に運動を指導するシステムが提案されている。例えば、利用者の身体各部に無線センサ装置を装着し、これらの無線センサ装置の計測データを利用者の腕に装着された腕時計端末で受信したのち、利用者のパーソナル・コンピュータ(利用者PC)に転送する。利用者PCはインターネットを介してサーバに接続可能となっており、サーバのライブラリから二次加工用プログラムをダウンロードする。そして、この二次加工用プログラムに従い、上記無線センサ装置の計測データに基づいて運動強度や消費カロリ、燃焼脂肪量等の二次加工データを生成し、この生成されたデータを腕時計端末に表示する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−175139(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の運動支援システムでは、利用者の身体状況や要望とは無関係に画一的な運動プログラムが用意されるため、利用者の運動能力や体調等を考慮した最適な運動を行うことが困難だった。また、利用者は運動中に自己の生体データや消費カロリを把握することは可能であるが、これらのデータをもとに運動の内容を変更するか否かは利用者自身が判断しなければならない。このため、運動の過不足が発生し易く、場合によっては体調の急変や故障等を引き起こす危険があり、きわめて好ましくなかった。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者が場所に縛られることなく任意の場所で自身のプロフィールや体調、運動の目的等に応じて常に最適な運動シナリオにより運動を行えるようにした運動指導システムとその携帯通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者にその生体データを検出するセンサユニットを装着すると共に、携帯通信端末を持たせる。一方、管理装置には運動シナリオの作成手段を設け、上記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを携帯通信端末から通信ネットワークを介して受信して記憶し、この記憶された利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析して、その分析結果をもとに上記利用者に適する第1の運動シナリオを作成する。そして、この作成された第1の運動シナリオを上記携帯通信端末に配信して、利用者に提示するようにしたものである。
【0007】
したがってこの発明によれば、管理装置により利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータが分析され、その分析結果をもとに上記利用者に適する第1の運動シナリオが作成されて、利用者が所持する携帯通信端末に配信される。運動シナリオは、例えば運動の内容と順序と時間を表すデータにより構成される。このため利用者は、自宅や公園、路上等、任意の場所において、自身の個人データや生体データ、自身の運動の目的が反映された最適な運動シナリオに従い運動を行うことが可能となる。すなわち、利用者は場所を選ぶことなく、あたかもスポーツジムやフィットネスクラブにおいてトレーナの指導を受けているかのように適切な運動を行うことが可能となる。
【0008】
またこの発明は、利用者が上記配信された第1の運動シナリオに従い運動を行っている期間に、当該利用者の生体データをセンサユニットから取得して、この取得された運動中の利用者の生体データと上記分析結果をもとに上記第1の運動シナリオを修正して第2の運動シナリオを作成する。そして、この作成された第2の運動シナリオを管理装置から携帯通信端末に配信し、この配信された第2の運動シナリオを上記第1の運動シナリオに代えて利用者に提示することも特徴とする。
したがって、運動中に利用者の生体データが変化すると、この変化に応じて運動シナリオが適応的に修正される。このため、利用者は運動中においても、常に刻々と変化する自身の体調変化に応じた最適な運動シナリオに従い運動を行うことができる。このため、利用者は運動中の体調変化も考慮して過不足なくかつ安全に運動を行うことができる。
【0009】
さらにこの発明は、携帯通信端末において運動シナリオを提示する際に、管理装置から配信された運動シナリオに含まれる指導内容を表す文字データを音声に変換し、この変換された音声を携帯通信端末の内蔵スピーカ又は外部スピーカの少なくとも一方から拡声出力することも特徴とする。
したがって、利用者は携帯通信端末のディスプレイに表示される文字データを視認することなく、音声メッセージにより運動の指導内容を確認することができる。
【0010】
さらにこの発明は、携帯通信端末に音調の異なる複数の音楽データを記憶しておき、運動シナリオを提示する際に、管理装置から配信された運動シナリオの内容を判定し、この判定された内容に対応する音調の音楽データを上記記憶された複数の音楽データの中から選択する。そして、この選択された音楽データによる音を携帯通信端末の内蔵スピーカ又は外部スピーカの少なくとも一方から拡声出力することも特徴とする。
したがって、運動中に携帯通信端末からは運動シナリオの内容に対応する音調の音楽が出力される。このため、利用者は提示された運動シナリオの内容に合ったテンポの音楽に乗ってリズミカルに楽しく運動を行うことが可能となる。
【0011】
さらにこの発明は、携帯通信端末において運動シナリオを提示する際に、管理装置から配信された運動シナリオの内容をもとに運動のテンポを判定し、この判定されたテンポに同期して振動体を駆動することも特徴とする。
したがって、運動中に携帯通信端末では運動シナリオにより指定された運動のテンポに応じて振動が発生する。このため、利用者は音を出すことを制限又は禁止された場所でも、提示された運動シナリオの内容に合ったテンポでリズミカルに運動を行うことが可能となる。また音に頼らないため、耳の不自由な利用者でも健常者と同様に運動シナリオにしたがって運動を行うことができる。
【0012】
さらにこの発明は、管理装置において、携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得すると共に、この取得された位置データをもとに携帯通信端末の現在位置を含む地域の環境予報データを取得する。そして、この取得された環境予報データをもとに、運動シナリオを修正することも特徴とする。
したがって、利用者が運動を行う場所の環境予報データをもとに運動シナリオが修正される。例えば、運動場所の気象や気温、風量、日照の変化に応じて、運動シナリオが修正される。このため利用者は、運動場所として如何なる場所を選んでも、また移動しながら運動を行う場合でも、その場所ごとの環境状態に応じて常に最適なシナリオにより運動を行うことができる。
【0013】
さらにこの発明は、管理装置において、携帯通信端末から送られた利用者の生体データを当該利用者の個人情報等をもとに予め設定されたしきい値と比較し、この比較の結果生体データがしきい値を超えた場合に運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを携帯通信端末へ送信する。そして、携帯通信端末において、上記管理装置から上記運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを受信した場合に、当該受信された運動シナリオに含まれる運動停止指示メッセージを音声メッセージに変換し、この変換された音声メッセージをスピーカから拡声出力することも特徴とする。
したがって、利用者が携帯通信端末のディスプレイを視認せずに運動を行う場合でも、利用者は運動停止指示メッセージを音声により確実に認識することができ、これにより運動を確実に停止することができる。
【0014】
さらにこの発明は、センサユニットに、利用者の身体の傾きを検出する傾きセンサを備え、管理装置において、携帯通信端末から送信された運動中の利用者の生体データに含まれる上記傾きの検出データをもとに利用者の転倒を検出し、上記利用者の転倒が検出された場合に、携帯通信端末へ当該利用者の安否を確認するための問い合わせメッセージを送信する。そして、この問い合わせメッセージの送信に対し一定時間以内に携帯通信端末から応答が受信されない場合に、上記携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得し、上記取得された位置データをもとに当該利用者に対する救済処理を実行することも特徴とする。
したがって、運動中に利用者が転倒した場合に、当該利用者に対し自動的に安否確認が行われることになる。このため、利用者の状態をいち早く確認することができ、応答がない場合に迅速な対応処置を講じることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
要するにこの発明では、利用者にその生体データを検出するセンサユニットを装着すると共に、携帯通信端末を持たせ、管理装置には運動シナリオの作成手段を設けている。そして、利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを携帯通信端末から通信ネットワークを介して管理装置へ送信し、管理装置によりこの利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析して、その分析結果をもとに上記利用者に適する運動シナリオを作成する。そして、この作成された運動シナリオを上記携帯通信端末に配信して利用者に提示するようにしている。
【0016】
したがってこの発明によれば、利用者が場所に縛られることなく任意の場所で自身のプロフィールや体調、運動の目的等に応じて常に最適な運動シナリオにより運動を行うことができる運動指導システムとその携帯通信端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態を説明する。
図1は、この発明に係わる運動指導システムの一実施形態を示す概略構成図である。この実施形態の運動指導システムは、利用者が所持する携帯通信端末MT1〜MTnを、利用者の自宅等に設置される利用者端末UT1〜UTnに接続し、さらにこの利用者端末UT1〜UTnからスポーツクラブやフィットネスクラブ等に設置される管理装置CSに対し通信ネットワークNWを介して接続可能としている。またそれと共に、各利用者にセンサユニットSU1〜SUnを装着し、このセンサユニットSU1〜SUnにより検出された生体データを携帯通信端末MT1〜MTnで受信して、この携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを介して管理装置CSへ転送するようにしている。
【0018】
通信ネットワークNWは、インターネットに代表されるIP(Internet Protocol)網と、このIP網にアクセスするための複数のアクセス網とから構成される。アクセス網としては、例えばDSL(Digital Subscriber Line)や光伝送路を使用する有線加入者網、CATV(Cable Television)網、無線LAN(Local Area Network)網、移動通信網、専用線網が用いられる。
【0019】
センサユニットSU1〜SUnは、例えば利用者の腕や胴部に装着可能なベルト状に形成され、このベルト部分に各種センサを取着している。図2はその構成の一例を示すブロック図である。すなわち、センサユニットSU1〜SUnは、センサ群10と、通信回路20とから構成される。センサ群10は、心拍センサ11と、血圧センサ12と、体温センサ13と、発汗センサ14と、歩数センサ15と、加速度センサ16と、UVセンサ22と、気象センサ23とを備え、さらに計時回路17、ジャイロセンサ18及びGPS(Global Positioning System)受信機19を備えている。
【0020】
心拍センサ11は、利用者の心拍或いは脈拍を検出する。血圧センサ12は、利用者の血圧を検出する。体温センサ13は、利用者の体温を検出する。発汗センサ14は、利用者の発汗の量を検出する。歩数センサ15は、利用者の歩数をカウントする。加速度センサ16は、利用者の動きの量を検出するために用いる。UVセンサ22は、紫外線の強さを検出する。気象センサ23は、外気温や気圧、湿度等の気象に関係するデータを検出する。ジャイロセンサ18は、利用者の身体の傾きを検出する。GPS受信機19は、利用者の現在位置を検出するために使用される。なお、計時回路17は、上記各センサに対し一定の時間間隔で検出動作タイミングを指定するタイミング信号を発生する。
【0021】
通信回路20は、上記センサ群10の各センサにより上記一定の時間間隔で得られる検出データをまとめて生体データとし、この生体データにより無線信号を変調してアンテナ21から送信する。
【0022】
携帯通信端末MT1〜MTnは例えば携帯電話機からなり、次のように構成される。図3はその構成を示すブロック図である。
すなわち、携帯通信端末MT1〜MTnは携帯通信用のアンテナ51及び通信回路52を備える。このアンテナ51及び通信回路52は、図示しない携帯通信用の基地局との間、及び利用者端末UT1〜UTnとの間で無線通信を行うために使用される。例えば、音声通話時には、上記通信回路52により受信復調された受話音声データが制御部55で復号されたのち音声入出力インタフェース(音声入出力I/F)56に入力される。そして、この音声入出力I/F56によりアナログ信号に変換されさらに増幅されたのち、内蔵スピーカ57から受話音声として拡声出力される。これに対し内蔵マイクロホン58に入力された送話音声は、音声入出力I/F56でディジタル信号に変換されたのち制御部55に入力され、この制御部55で符号化されることにより送話音声データとなる。通信回路52では上記送話音声データにより無線信号が変調され、この変調信号が増幅されてアンテナ51から送信される。なお、ヘッドホンユニット59が接続されているときには、上記内蔵スピーカ57及び内蔵マイクロホン58に代わって、上記ヘッドホンユニット59により音声信号の入出力が行われる。
【0023】
また、携帯通信端末MT1〜MTnは、簡易通信用のアンテナ53及び通信回路54を備えている。この簡易通信用のアンテナ53及び通信回路54は、センサユニットSU1〜SUnから送信される生体データを受信するために使用される。無線通信方式としては、例えばBT(BlueTooth)(登録商標)等の近距離無線データ通信方式が使用される。なお、生体データを取得するための通信インタフェースとしては、他に赤外線通信方式や無線LANの通信方式等を使用することが可能である。また、携帯通信端末MT1〜MTnとセンサユニットSU1〜SUnとの間は信号ケーブルにより接続してもよい。
【0024】
さらに、携帯通信端末MT1〜MTnは、入出力インタフェース(入出力I/F)60及び外部記憶インタフェース(外部記憶I/F)63を備えている。入出力I/F60には、ダイヤルキーパッド等の入力部61と、液晶ディスプレイ等の表示部62が接続されている。
【0025】
外部記憶I/F63には、メモリカードMCが着脱可能に挿着される。メモリカードMCはEEPROMからなり、例えば図4に示すようにプログラムエリア31及びデータエリア32を備えている。
データエリア32には、音楽データ記憶エリア32a、生体データ記憶エリア32b及び運動シナリオ記憶エリア32cが設けられる。音楽データ記憶エリア32aには、音調つまりテンポやリズム、雰囲気等の異なる複数の音楽データが記憶される。これらの音楽データは、運動に際し利用者がリズムやテンポをとったり、気分をリラックスするためのBGMとして使用される。
【0026】
生体データ記憶エリア32bには、対応するセンサユニットSU1〜SUnから送信された利用者の生体データがタイムスタンプを付されて記憶される。生体データには、先に述べたように利用者の心拍又は脈拍数、血圧値、体温、発汗の量、紫外線の強さ、気象データ、利用者の動きの量、身体の傾き、利用者の現在位置が含まれる。
【0027】
運動シナリオ記憶エリア32cには、利用者端末UT1〜UTnから転送される、現在実行中あるいは次に実行される運動シナリオが記憶される。なお、運動シナリオは、例えば運動の内容と順序と時間を表すデータにより構成される。運動の内容には、音楽データを選択するために使用される音楽識別コードも含まれる。
【0028】
プログラムエリア31には、運動シナリオプログラム31aと、音楽選択プログラム31bと、音声認識・合成プログラム31cと、生体データ管理プログラム31dと、メール起動プログラム31eが記憶される。これらのプログラムは、例えば管理装置CSからダウンロードすることにより格納される。
【0029】
運動シナリオプログラム31aは、管理装置CSから配信された運動シナリオを通信I/F52により受信して上記運動シナリオ記憶エリア34cに記憶する。またそれと共に、利用者の運動開始操作に応じて上記記憶された運動シナリオを読み出す。このとき、運動シナリオに映像データが含まれている場合には、この映像データを入出力I/F60により表示部62に表示させる。
【0030】
音楽選択プログラム31bは、上記運動シナリオプログラム31aにより読み出された運動シナリオの内容に含まれる音楽識別コードに従い、上記音楽データ記憶エリア32aから当該運動内容に適したテンポ又は雰囲気の音楽データを選択的に読み出す。そして、この読み出された音楽データを音声入出力I/F56に供給し、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力させる処理を実行する。
【0031】
音声認識・合成プログラム31cは、上記運動シナリオプログラム31aにより読み出された運動シナリオに指導内容等を表す文字コードが含まれている場合に、この文字コードを抽出して対応する音声メッセージを音声合成する。そして、この音声メッセージを音声入出力I/F56に供給し、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力させる処理を実行する。またそれと共に、内蔵マイクロホン58又はヘッドホンユニット59に入力された利用者の声を音声入出力I/F56を介して取り込み、音声認識処理する。
【0032】
生体データ管理プログラム31dは、上記入力された個人データに含まれる利用者の年齢や性別、身長や体重等に基づいて後述する管理装置CSで設定される適正値を表示部62に表示させると共に、上記センサユニットSU1〜SUnから取得した生体データをもとに数値やグラフ等により表される表示データを作成し、この作成した表示データを表示部62に表示させる処理を実行する。また、運動中に刻々と変化する生体データの推移を表示部62に表示させる処理も実行する。これにより、利用者が利用者端末UT1〜UTnの近傍で運動を行っている場合には、利用者は運動しながら運動の指導内容と生体データの推移を確認することができる。さらに、上記生体データ記憶エリア32bに記憶された生体データを利用者の要求に応じて読み出して表示部62に表示させる処理も実行する。
【0033】
メール起動プログラム31eは、生体データや、上記音声認識処理により得られる利用者の音声の文字メッセージを、携帯通信端末MT1〜MTnが備えるメール通信機能を用いて管理装置CSへ送信する処理を実行する。通常、携帯通信端末では利用者の意志によって送信操作を行わなければメールは送信されない。しかし、上記メール起動プログラム31eにより、上記運動中に送受信する必要があるデータは自動的にメールにて送受信される。
【0034】
利用者端末UT1〜UTnは例えばパーソナル・コンピュータからなり、次のような機能を備える。図5はその構成を示すブロック図である。
すなわち、利用者端末UT1〜UTnは、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)71を備える。このCPU71には、バス72を介してプログラムメモリ73及びデータメモリ74が接続され、さらに通信インタフェース(通信I/F)75、携帯通信インタフェース(携帯通信I/F)76及び入出力インタフェース(入出力I/F)77がそれぞれ接続されている。
【0035】
通信I/F75は、CPU71の制御の下で、管理装置CSとの間で通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従って双方向の通信を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
【0036】
入出力I/F77には、キーボード等を備える入力部78、LCD等の表示部79及びスピーカ80が接続される。入出力I/F77は、上記入力部78において入力されたデータの取り込みと、表示データを表示部79に表示させるための処理と、音声データをスピーカ80から出力させるための処理を行う。
【0037】
データメモリ74は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ、RAM等を記憶媒体として使用したもので、生体データ記憶エリア74aと、運動シナリオ記憶エリア74bを備えている。
生体データ記憶エリア74aには、上記センサユニットSU1〜SUnにより検出され、携帯通信端末MT1〜MTnから送られた生体データが蓄積される。生体データには、先に述べたように利用者の心拍又は脈拍数、血圧値、体温、発汗の量、利用者の動きの量、紫外線の強さ、気象データ、身体の傾き、利用者の現在位置が含まれる。
運動シナリオ記憶エリア74bには、後述する管理装置CSから配信される、現在実行中あるいは次に実行される運動シナリオと、過去1週間、又は1ヶ月といった所定期間に実行された運動シナリオが記憶される。
【0038】
プログラムメモリ73には、この発明に係わるアプリケーション・プログラムとして、個人データ設定送信制御プログラム73aと、データ中継転送制御プログラム73bと、運動シナリオ・結果提示制御プログラム73cが格納されている。
個人データ設定送信制御プログラム73aは、利用者による個人データ及び運動目的を表すデータの入力を受け付け、この入力された個人データ及び運動目的を表すデータを通信I/F75から管理装置CSに向け送信する処理を実行する。例えば、利用者の操作に応じて管理装置CSによりWeb上に開示されるホームページに対しアクセスし、このホームページの入力画面において利用者が入力した個人データ及び運動目的を表すデータを取り込む。なお、上記ホームページに対しアクセスするには事前の会員登録が必要であり、この会員登録により管理装置CSから付与される利用者IDとパスワードを入力することにより上記ホームページのアクセスが可能となる。
【0039】
個人データは、利用者の会員番号と属性情報とから構成される。属性情報には、住所、氏名、年齢、性別、職業を始め、必要に応じて家族構成、身長、体重、運動履歴、病歴、医療機関による診断内容(高血圧、糖尿等)、嗜好、コメント等が含まれる。運動の目的を表すデータは、介護予防のための転倒予防や生活習慣病予防又は改善、ダイエット(ウエイトダウン、部分痩せ(足、腕、ウエスト等))、筋力増強、運動不足解消(ウォーキング、ジョギング、肩こり解消、腰痛解消、全身体操等)、リフレッシュ(全身のリラックス運動、デスクワーク疲労の解消等)等からなる。さらに、予定運動継続期間(3ヶ月、6ヶ月等)、平均的な予定運動実施頻度と時間帯(平日は毎日午前10時から10時半と午後8時から8時半、土日は午後8時から9時等)を表す情報も含まれる。なお、運動目的がダイエットの場合には、身長、体重に加えて、胸囲、胴囲、腰囲、太股、脹ら脛、上腕部等のサイズを個人データに加えてもよい。
【0040】
データ中継転送制御プログラム73bは、管理装置CSと携帯通信端末MT1〜MTnとの間で、生体データ、運動シナリオ及び利用者の音声メッセージを中継転送するための処理を実行する。
運動シナリオ・結果提示制御プログラム73cは、利用者の要求に応じ、過去に使用された運動シナリオを上記運動シナリオ記憶エリア74bから読み出して表示部79に表示させたり、運動後の生体データの変化等、利用者の運動結果を表すデータを生体データ記憶エリア74aから読み出して表示部79に表示させるための処理を実行する。
【0041】
一方、管理装置CSはWebサーバにより構成されるもので、次のような機能を備えている。図6はその構成を示すブロック図である。
すなわち、管理装置CSはCPU41を備える。このCPU41には、バス42を介してプログラムメモリ43及びデータベース44が接続され、さらに通信インタフェース(通信I/F)45及び外部記憶インタフェース(外部記憶I/F)46がそれぞれ接続されている。
【0042】
通信I/F45は、CPU41の制御の下で、利用者端末UT1〜UTnとの間で通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従って通信を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
外部記憶I/F46は、別途編集・制作された運動コンテンツデータをCDROMやDVD、メモリカード等の外部記憶媒体DSKから取り込むために使用される。上記運動コンテンツデータは運動シナリオを構成する素材として使用される。
【0043】
データベース34は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ、RAM等を記憶媒体として使用したもので、個人データ記憶エリア44aと、基礎データ記憶エリア44bと、運動データ記憶エリア44cと、過去データ記憶エリア44dを備えている。
個人データ記憶エリア44aには、利用者端末UT1〜UTnから送られた利用者の個人データと利用者個人の基準となる生体データが記憶される。個人情報には、利用者の運動目的を表すデータも含まれる。基礎データ記憶エリア44bには、利用者ごとにその年齢や性別、体型等に基づいた基礎となる生体データが記憶される。過去データ記憶エリア44dには、各個人の過去の生体データが記憶される。
【0044】
運動データ記憶エリア44cには、運動シナリオを構成する複数の運動コンテンツデータが記憶される。運動コンテンツデータは、指導者の映像を編集した映像データと、指導内容やガイダンスを表す文字メッセージとから構成され、各データにはメタ情報が付加されている。メタ情報は、その属性(ストレッチ運動、有酸素運動、筋力トレーニングすなわちレジスタンス運動、コーディネーション運動等)と、運動強度、ストレッチ効果の度合、筋力向上度とその部位、シェイプアップの度合とその部位、リフレッシュの度合、リラックスの度合、楽しさの度合、柔軟度合とその部位、動かす(運動負荷のかかる)身体の部位、どんな目的に適した運動か、どんな人には適さないか等の各種情報を含む。
【0045】
プログラムメモリ43は、例えばROM又はハードディスクにより構成される。そしてこのプログラムメモリには、利用者情報管理プログラム43aと、分析プログラム43bと、運動シナリオ作成プログラム43cと、配信制御プログラム43dと、気象予報データ取得制御プログラム43eが記憶されている。
【0046】
利用者情報管理プログラム43aは、通信I/F45により利用者端末UT1〜UTnとの間で通信を行うことで利用者の個人データ及び生体データを受信し、受信した個人データ及び生体データを上記個人データ記憶エリア44aに記憶する処理を実行する。
気象予報データ取得制御プログラム43dは、生体データに含まれる利用者の位置データをもとに、当該位置データにより表される地域の気象予報データを、例えば気象情報提供機関のサイトにアクセスして取得する処理を実行する。
【0047】
分析プログラム43bは、個人データ記憶エリア44aに記憶された利用者の個人データ(運動の目的や病歴、負荷をかけられない身体の疾病部位等)、平常時の生体データ(血圧や心拍、体温、簡単な問診結果等)、利用者の希望(リフレッシュしたいか、どこか具合の悪いところはないか、運動可能な時間はどの程度か等)、既に実施した運動シナリオが過去データ記憶エリア44dに記憶されている場合にはそのときの生体データの変化履歴や傾向性を表すデータ(筋力トレーニングが足りない、運動強度がやや強いと心拍が上昇しやすい等)を分析する。
【0048】
そして、この分析結果をもとに運動に求める項目の抽出とその優先順位付けを行い、このデータを運動基礎データとして基礎データ記憶エリア44bに保管する。運動に求める項目は各運動コンテンツの特徴を表す項目でもあり、運動強度、ストレッチ効果、筋力向上度合とその部位、シェイプアップ効果とその部位、リフレッシュ効果、リラックス効果、楽しさの度合、柔軟効果とその部位等からなる。
【0049】
また分析プログラム43bは、利用者の身体の疾患部位及び問診結果から得られた運動当日の体調データを分析し、禁止項目を抽出する。例えば3ヶ月前に交通事故で肩を損傷し今もなお通院中の人であって今日は腰が痛い場合には、禁止項目として「肩を動かす運動」「腰を動かす運動」を抽出する。そして、この抽出された禁止項目を、他のデータよりも優先させるため重み付けして記憶する。
【0050】
さらに分析プログラム43bは、運動実施直前の体調データ(血圧や心拍、体温、簡単な問診結果等)、個人の希望事項(リフレッシュしたいか、気分は晴れやかか、今日は膝が痛いので椅子に座って体操したい、運動可能な時間は20分等)に基づく分析結果を、平常時の運動基礎データと比較する。そして、変更すべき項目と追加すべき項目を抽出して、これらの項目に対する優先順位付けを再度行い、その結果を差分データとして基礎データ記憶エリア44bに保管する。
【0051】
さらに分析プログラム43bは、利用者端末UT1〜UTnから刻々と送信される生体データに基づいて、利用者の体調や体力の状況等を分析する。例えば、心拍センサ11による心拍数の変化、血圧センサ12による血圧の上昇、体温センサ13による体温の変化、発汗センサ14により発汗量、UVセンサ22による紫外線量、気象センサ23による外気温や湿度の変化、また歩数センサ15や加速度センサ16によって利用者の身体への影響や消費エネルギが分析される。そして、例えば心拍や血圧等が予め設定した要注意範囲に入ったか否かを判定し、入った場合に差分データを生成する。また、上記運動中の心拍や血圧等が予め設定した危険範囲に入ったか否かについても判定し、入った場合には運動停止要求を生成する。
【0052】
上記分析方法として、重回帰分析、数量化理論I類等を始めとする多変量解析を用いることが考えられる。例えば、運動の目的をダイエットとした場合には、目的変数を体重とすると、年齢、性別、現在の体重、体調等の説明変数の影響度を求め、目的体重に至るまでに消費しなければならないエネルギを推定する。また、ウォーキングが何分、ジョギングが何分、連続何日といった運動の質的説明変数から目的とする体重までの期間を予測する。
【0053】
さらに分析プログラム43bは、携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを介してメールにより送られる利用者のメッセージの内容を分析する。例えば、利用者が「苦しい」と発した場合に、音声認識により「く・る・し・い」という利用者の状態を検出する。そして、当該利用者の現時点での生体データを取得し、取得した生体データに含まれる心拍数や血圧値、発汗の状態等をもとに運動を続けるか休むことが必要かを判断する。
【0054】
さらに分析プログラム43bは、上記気象予報データ取得プログラム43eにより取得される利用者の現在位置における気象予報データを分析する。そして、この分析結果と、利用者の現在の生体データとをもとに、現在利用者が使用中の運動シナリオを修正するための差分データを生成する。
【0055】
運動シナリオ作成プログラム43cは、上記基礎データ記憶エリア44bに記憶された運動基礎データをもとに運動予定期間全体の基本的な運動シナリオを作成し、この作成されたシナリオを運動シナリオ基本データとして運動データ記憶エリア44cに保管する。例えば、運動基礎データとして転倒予防の目的が優先され、高齢者のため運動時間と運動強度を徐々に増大させていくよう指示されている場合には、運動コンテンツのメタ情報から転倒予防目的のものを選択する。そして、ストレッチ運動と、転倒予防につながる身体の部位の筋力トレーニングと、バランス力を向上させるコーディネーション運動とを組み合わせた基本的な転倒予防の運動シナリオを作成する。運動コンテンツの全体の長さは、例えば最初の1週間は10分、次の1週間は20分、その後は30分となるように定める。
【0056】
また運動シナリオ作成プログラム43cは、利用者の運動開始時点で、上記分析プログラム43bにより得られた差分データを考慮し、さらに運動コンテンツデータに付加されるメタ情報を参考にして、運動シナリオ基本データをもとに実際に配信する運動シナリオを作成する。例えば、生活習慣病予防の目的であって、昨日から膝が痛いので負荷をかけたくない利用者に対しては、基本運動シナリオで用意されている、立って行う運動を椅子に座って行う運動に切り替えて、運動シナリオを作成し直す。
【0057】
さらに運動シナリオ作成プログラム43cは、利用者の運動期間中に、上記分析プログラム43bにより新たな差分データが生成されると、この差分データをもとに該当する利用者の運動シナリオを変更する。例えば差分データが負荷を減少させるものであれば、運動を少し休むか運動強度の低いシナリオに変更する。その際、変更後のシナリオには、「今日はこのくらいにしましょう」等の文字メッセージを含める。反対に差分データが負荷を増加させるものであれば、負荷の高い運動シナリオに変更する。その際、変更後のシナリオとしては「もう少し頑張りましょう」等の文字メッセージを含める。また、分析プログラム43bにより、心拍や血圧等の生体データが危険範囲を超えたと判定された場合には、運動を直ちに中止させるための運動停止指示情報を生成する。
【0058】
なお、運動シナリオ作成プログラム43cは、分析プログラム43bにより与えられる差分データをもとに、利用者の現在位置における気象予報データが変化した場合にも、その変化と利用者自身の生体データを考慮して運動プログラムを変更する。例えば、気温が上昇しそうな場合でかつ利用者の発汗が多い場合には運動負荷を軽くするように運動シナリオを変更する。また、紫外線量がしきい値より多い場合には、屋外運動の時間が短くなるように運動シナリオを変更する。その際、変更後の運動シナリオには、「帽子を着用しましょう」、「今日は紫外線が強いので外での運動は1時間以内にしましょう」等のメッセージを加える。さらに、気象予報データの分析結果から、1時間後に降雨が予想されている場合や外気温が32℃を超えて不快指数も高い場合には、屋外運動のシナリオを屋内運動に変更する。
【0059】
さらに運動シナリオ作成プログラム43cは、利用者の運動の目的が、脂肪を燃焼させるダイエットの場合には、ダイエット目的特有の運動シナリオを選択する。例えば、最大心拍数の65%前後となる運動強度を保つと、脂肪が最も効果的に燃焼されることが知られている。
最大心拍数は、基礎体力の有無によって年齢から、基礎体力がある場合は:205−(年齢×0.5)、基礎体力が無い場合は:210−(年齢×0.8)の式で求められる。例えば、日ごろ運動をしていない40歳の人の最大心拍数は210−(40×0.8)=178拍/分と推定できる。そのため、脂肪を効率的に燃やすには、この65%である115.7泊/分になるように有酸素運動を継続するシナリオを作成する。単調なシナリオの場合は継続が困難なため、過去の運動シナリオを参照してシナリオに変化を持たせるとともに、明るい音楽を使用するなど楽しさの度合いも勘案しながらシナリオを作成する。
【0060】
さらに、心拍センサの値がこれより低いときには、もう少し運動強度の高いメニューにシナリオ変更し、逆に高くなりすぎると糖質しか燃えなくなるので運動強度の低いメニューにシナリオ変更する。心拍数は運動強度と比例するが、利用者が65%ではきついと感じて例えば「ちょっときついです」といった音声メッセージを発した場合には、管理装置CSは例えば心拍数を最大心拍数の55%程度に落とした運動強度となるように運動シナリオを作成する。その際、運動シナリオには、「運動強度を軽くしました」といったメッセージを含める。
【0061】
次に、以上のように構成された運動指導システムの動作を説明する。図7及び図8はセンサユニットSU1〜SUn、携帯通信端末MT1〜MTn、利用者端末UT1〜UTn及び管理装置CSの制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
管理装置CSは、運動指導サービスの提供を案内するホームページをステップS1によりWeb上に公開する。このホームページには、会員募集要項や施設の説明、提供可能な運動の内容等が提示される。例えば、スポーツクラブやフィットネスクラブ等のトレーニング推奨団体が管理装置CSを運営する場合には、利用者が希望すると予想される様々な目的を想定して複数種類の運動シナリオが予め用意される。
【0062】
想定される運動シナリオとしては、「ダイエット体操」、「生活習慣病予防体操」、「転倒予防体操」、「健康維持運動」、「運動不足解消体操」、「ヨガ」等がある。例えば「ダイエット体操」のシナリオを例に挙げると、「ダイエット体操」にも「足痩せ体操」、「バストアップ体操」、及び「脂肪燃焼体操」等の様々な種類があり、シナリオごとに当該シナリオを構成するために必要な運動コンテンツデータが運動データ記憶エリア44cに予め記憶される。
【0063】
また管理装置CSは、ステップS2において、一般的な人の年齢や性別、身長、体重、職業等に基づいた心拍数、血圧、体温等の基準値を基礎データとして記憶する。この基礎データは利用者の体調の基本状態を判定するために使用される。
【0064】
一方、上記運動指導サービスを利用する場合に利用者が、自身の利用者端末(例えばUT1)においてWeb上の該当するホームページを開くための操作を行ったとする。そうすると利用者端末UT1のCPU71は、ステップS3においてブラウザ機能を起動して上記ホームページに対しアクセスし、その会員登録画面の表示データをダウンロードして表示部79に表示する。この状態で、利用者が会員登録画面において会員登録のための入力操作を行ったとすると、CPU71はステップS4において入力された利用者の氏名、住所、年齢、性別等の個人データと、運動目的を表すデータをそれぞれ取り込み、これらのデータをステップS5により通信I/F75から管理装置CSへ送信する。
【0065】
これに対し管理装置CSは、ステップS6により上記利用者端末UT1から会員登録のための入力データを受信すると、ステップS7により登録要求元の利用者に対して利用者IDとパスワードを発行し、この発行した利用者IDとパスワードをステップS8により利用者端末UT1へ送信する。そして、上記受信された個人データ及び運動目的データを、ステップS9によりデータベース44内の個人データ記憶エリア44aに記憶する。利用者端末UT1は、上記管理装置CSから送られた利用者IDとパスワードをステップS11により受信して記憶する。
【0066】
また管理装置CSは、ステップS10により携帯通信端末MT1で必要なプログラムを送信する。携帯通信端末MT1で必要なプログラムとしては、基本的な運動シナリオプログラム31a、音楽選択プログラム31b、音声認識・合成プログラム31c、生体データ管理プログラム31d、メール起動プログラム31eがある。上記管理装置CSから送信されたプログラムは、一旦利用者端末UT1により受信・記憶されたのち、当該利用者端末UT1から携帯通信端末MT1へ送信される(ステップS12)。
【0067】
利用者は、自身の携帯通信端末MT1の電源を投入したのちメモリカードMCを挿着する。携帯通信端末MT1はステップS13により上記メモリカードMCの挿着を確認すると、続いてステップS14により上記利用者端末UT1が送信するプログラムを受信する。そして、この受信されたプログラムを図4に示すようにメモリカードMC内のプログラムエリア31に記憶する。
【0068】
さて、運動を開始する場合に利用者は、自身の身体にセンサユニットSU1を取着し、このセンサユニットSU1の各センサを起動する。このとき利用者は、屋外で運動を行う場合にはGPS受信機19のスイッチを投入する。センサユニットSU1は、ステップS16でGPS受信機19のスイッチ投入を検出すると、ステップS17によりジャイロセンサ18及びGPS受信機19を作動させ、しかるのちステップS18により各センサ11〜23の検出データを生体データとして通信回路20から携帯通信端末MT1へ送信する(ステップS19)。
【0069】
携帯通信端末MT1は、ステップS20において、上記センサユニットSU1から送信された利用者の運動直前の生体データを簡易通信回路54により受信したのち、通信回路52から利用者端末UT1へ送信する。利用者端末UT1は、上記携帯通信端末MT1から送信された生体データを携帯通信I/F76により受信すると、この受信された生体データを生体データ記憶エリア74aに記憶したのち、通信I/F75から管理装置CSへ送信する。
【0070】
管理装置CSは、ステップS22において、上記利用者端末UT1から送信された生体データを通信I/F45で受信すると、この受信された生体データをデータベース44の過去データ44dに記憶したのち、ステップS23により分析プログラム43bを実行する。そして、上記受信された利用者の運動直前の生体データと、同時に利用者が利用者端末UT1において入力した個人の希望事項(リフレッシュしたいか、気分は晴れやかか、今日は膝が痛いので椅子に座って体操したい、運動可能な時間は20分等)を分析し、その分析結果を平常時の運動基礎データと比較する。そして、変更すべき項目と追加すべき項目を抽出して、これらの項目に対する優先順位付けを再度行い、その結果を差分データとして保管する。
【0071】
続いて管理装置CSは、ステップS24により運動シナリオ作成プログラム43cを実行し、上記分析プログラム43bにより得られた差分データを考慮し、さらに運動コンテンツデータに付加されるメタ情報を参考にして、予め作成されている運動シナリオ基本データをもとに実際に配信する運動シナリオを作成する。そして、この作成された運動シナリオをステップS25により利用者端末UT1へ送信する。
【0072】
利用者端末UT1は、ステップS26において、上記管理装置CSから送信された運動シナリオを通信I/F75により受信し、この受信された運動シナリオを運動シナリオ記憶エリア74bに記憶する。そして、この記憶された運動シナリオをステップS29で表示部79に表示する。したがって、利用者は利用者端末UT1の表示部79を見ることにより配信された運動シナリオを確認することが可能となる。
【0073】
またそれと共に利用者端末UT1は、上記受信された運動シナリオを携帯通信端末MT1へ送信する。携帯通信端末MT1は、上記利用者端末UT1から送信された運動シナリオをステップS27で受信すると、運動シナリオ記憶エリア32cに記憶する。そして、ステップS28により上記運動シナリオを実行する。
【0074】
例えば、運動シナリオの先頭には運動開始を促す文字メッセージが含まれており、この文字メッセージが音声認識・合成プログラム31cにより音声データに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。運動開始を促すメッセージとしては例えば「さあ運動を始めましょう」が用いられる。
【0075】
続いて、上記運動シナリオの内容に含まれる指導内容を表す音声データが復号され、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。なお、上記運動コンテンツデータに指導内容を表す映像データが含まれる場合には、この映像データを復号して携帯通信端末MT1の表示部62に表示することも可能である。また、上記運動コンテンツデータに文字メッセージが含まれている場合には、この文字メッセージが音声認識・合成プログラム31cにより音声データに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。
【0076】
またそれと共に、上記運動シナリオの内容に対応する音楽データが音楽データ記憶エリア32aから選択的に読み出され、この読み出された音楽データが上記内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。したがって、以後利用者は、上記内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される指導音声やメッセージを聞きながら、さらにこれらと同時に出力される音楽のテンポ又はリズムに乗って運動を行うことができる。
【0077】
一方、上記運動が開始されるとセンサユニットSU1では、図8に示すようにステップS30において所定時間ごと、例えば1分おき、3分おき、或いは5分おきに、各センサの検出データが取得され、これらの検出データが運動中の利用者の生体データとしてステップS31により携帯通信端末MT1へ送信される。
【0078】
携帯通信端末MT1は、上記センサユニットSU1から送信される生体データをステップS32で受信すると、この受信された生体データを利用者端末UT1へ送信する。利用者端末UT1は、上記携帯通信端末MT1から送信された生体データをステップS33で受信し記憶したのち、管理装置CSへ送信する。なお、携帯通信端末MT1又は利用者端末UT1が上記生体データを送信する際に、取得された生体データが前回取得した生体データに対し一定量以上変化したか否かを判定し、一定量以上の変化が検出された場合にのみこの変化後の生体データ又は差分データを送信するようにしてもよい。
【0079】
これに対し管理装置CSは、上記利用者端末UT1から送信された生体データをステップS34で受信すると、この受信された生体データを過去データ記憶エリア44dに記憶したのち、ステップS35に移行してここで生体データの分析を行う。すなわち、受信された運動中の生体データと個人データ記憶エリア44aに記憶された個人データとをもとに、運動中の利用者の体調や体力の状況の変化を分析する。そして、その分析結果をもとにステップS36により運動シナリオの修正を行って、この変更されたシナリオをステップS37により利用者端末UT1に送信する。
【0080】
利用者端末UT1は、上記変更された運動シナリオをステップS38で受信すると、運動シナリオ記憶エリア74bに記憶したのち、携帯通信端末MT1へ転送する。携帯通信端末MT1は、上記利用者端末UT1から転送された運動シナリオをステップS39で受信すると、運動シナリオ記憶エリア32cに記憶されている運動シナリオを上記受信された修正された運動シナリオにステップS40で書き換える。そして、以後この変更された運動シナリオに従い指導音声及びメッセージを内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力すると共に、音楽データ記憶エリア32aから上記変更されたシナリオの内容に対応する音楽データを読み出して出力する。
【0081】
かくして、運動中に刻々と変化する利用者の生体データに応じて運動シナリオが自動的に変更され、利用者はこの運動シナリオに従い自身の生体データに応じた最適な運動を行うことができる。
例えば、上記利用者の体調を分析した結果、生体データの変化が正常範囲内であれば、当該生体データの変化に応じて音楽のテンポを許容範囲内で変化させるようにシナリオが変更され、この変更されたシナリオに従い利用者は運動を継続できる。これに対し上記分析の結果、例えば運動中の利用者の心拍や血圧等が予め設定した要注意範囲に入ったとする。この場合管理装置CSは、利用者の運動シナリオを少し休むか運動強度の低いシナリオに変更して送信する。その際、変更後のシナリオには「運動を止めて少し休憩しましょう」等の文字メッセージを加える。この文字メッセージは、音声認識・合成プログラム31cにより音声メッセージに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。したがって、利用者はこの音声メッセージにより指示を確認して運動を暫く休むことができる。
【0082】
また、上記分析の結果、運動中の心拍や血圧等が予め設定した危険範囲に入った場合には、管理装置CSは運動を直ちに中止させるための運動停止指示を送信する。この運動停止指示を受信すると利用者端末UT1は、ステップS25により運動コンテンツの再生を停止する。その際、上記運動停止指示に「直ちに運動を終了し、安静にしてください」、「気分が悪い場合にはその旨をお知らせ下さい」といったメッセージを加えておけば、このメッセージが音声メッセージに変換されて内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力される。したがって、利用者は直ちに運動を終了することができる。
【0083】
またこのとき気分が悪ければ、利用者はその旨をヘッドホンユニット59に音声入力すればよい。このようにすると、入力された音声回答メッセージが音声認識・合成プログラム31cにより文字メッセージに変換されたのち、メールにより利用者端末UT1を介して管理装置CSへ伝えられる。管理装置CSでは、上記メールにて伝えられた音声回答メッセージが例えば指導員が所持する携帯端末に転送され、指導員に対し呼出報知が行われる。
【0084】
さらに管理装置CSは、生体データに含まれる外気温や湿度、紫外線量等を分析し、これらの気象データが変化した場合にも、その変化と利用者自身の生体データを考慮して運動プログラムを変更する。また管理装置CSは、気象予報データ取得プログラム43eにより利用者の現在位置における気象予報データを分析し、この分析結果と利用者の現在の生体データとをもとに、現在利用者が使用中の運動シナリオを変更する。したがって、利用者は屋外で運動を行っている際に、現在の気象データの変化や気象予報データを考慮して最適な運動を行うことが可能となる。
【0085】
さらに管理装置CSは、利用者の運動中に携帯通信端末MT1からメールにより通知された、利用者のメッセージを分析する。そして、例えば利用者が「苦しい」と発した場合には、利用者が異常な状態であることを口頭で申告したものと判断して、当該利用者の現時点での生体データを取得し、取得した生体データに含まれる心拍数や血圧値、発汗の状態等をもとに運動を続けるか休むことが必要かを判断する。そして、休憩させるべきであると判断すると、運動シナリオを少し休むか運動強度の低いシナリオに変更し、この変更されたシナリオを利用者端末UT1を経由して携帯通信端末MT1へ通知する。したがって、携帯通信端末MT1では運動シナリオの再生が停止され、この結果利用者は休憩することが可能となる。
【0086】
さらに管理装置CSは、携帯通信端末MT1から送られた生体データに含まれるジャイロセンサ18の検出データを分析した結果、ジャイロセンサ18の検出データが利用者の転倒を示唆するものだった場合には、即時「大丈夫ですか」といった文字メッセージを生成して携帯通信端末MT1へ送信する。
【0087】
なお、ヨガ等の体操のように利用者が横になって行う運動シナリオが配信されている場合に、上記ジャイロセンサ18の検出データをそのまま使用すると、転倒ではないにも拘わらず「転倒」と誤判定してしまう不具合を生じる。そこで、この場合には当該運動シナリオを構成する運動データのメタ情報に運動姿勢に関する情報を含めておき、この運動姿勢に関する情報を参照して転倒の有無を判定すればよい。
【0088】
携帯通信端末MT1では、上記文字メッセージが音声メッセージに変換されたのち内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力する。そして、この音声メッセージによる問い合わせに対し一定時間以内に利用者から応答メッセージが返送されなかったとする。そうすると、管理装置CSは生体データに含まれるGPS受信機19の位置検出データをもとに利用者の現在位置を特定し、この現在位置情報をもとに指導員或いは救急隊員に対し派遣を要請したり、予め登録してある連絡先情報をもとに電話又はメールにより家族に知らせるといった緊急処置を実行する。
【0089】
上記運動中に、上記運動シナリオの実行が終了するか、又は利用者が途中で終了要求を入力すると、携帯通信端末MT1はステップS44からステップS45に移行し、ここで運動終了メッセージを内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力する。またそれと共に上記運動終了通知をセンサユニットSU1に送る。センサユニットSU1は上記運動終了通知を受け取ると、生体データの検出動作を終了する。
【0090】
なお、利用者の運動中にセンサユニットSU1により検出された生体データは、利用者端末UT1において数値化されるか又は変化を示すグラフに変換され、運動コンテンツの映像データに重畳されて表示部39に表示される。このため、利用者は運動を行いながら、自身の体調の変化を確認することが可能となり、これにより運動を自主的にセーブすることできる。
【0091】
また、運動終了後に利用者が利用者端末UT1において運動結果の閲覧要求を入力すると、利用者端末UT1はステップS42からステップS43に移行し、ここでデータメモリ74に記憶された運動結果を表すデータが読み出され、表示部79に表示される。したがって利用者は運動終了後に、運動中における自身の生体データの変化等を確認することができる。
【0092】
以上述べたようにこの実施形態では、利用者にその生体データを検出するセンサユニットSU1〜SUnを装着すると共に、携帯通信端末MT1〜MTnを所持させる。そして、管理装置CSにおいて、上記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに上記利用者に適する運動シナリオを作成して上記携帯通信端末に配信し利用者に提示するようにしている。
したがって、利用者は、自宅や公園、路上等、任意の場所において、自身の個人データや生体データ、自身の運動の目的が反映された運動シナリオに従い運動を行うことが可能となる。すなわち、利用者は場所を選ぶことなく、あたかもスポーツジムやフィットネスクラブにおいてトレーナの指導を受けているかのように適切な運動を行うことが可能となる。
【0093】
また、運動中に刻々と変化する利用者の生体データを携帯通信端末MT1〜MTnから利用者端末UT1〜UTnを経由して管理装置CSへ送り、この運動中の利用者の生体データもとに運動シナリオを修正して携帯通信端末MT1〜MTnに配信し、利用者に提示する運動シナリオを更新するようにしている。
したがって、運動中に利用者の生体データが変化すると、この変化に応じて運動シナリオが適応的に修正される。このため、利用者は運動中においても、常に刻々と変化する自身の体調変化に応じた最適な運動シナリオに従い運動を行うことができる。このため、利用者は運動中の体調変化も考慮して過不足なくかつ安全に運動を行うことができる。
【0094】
さらに、携帯通信端末MT1〜MTnにおいて運動シナリオを提示する際に、管理装置CSから配信された運動シナリオに含まれる文字データを音声データに変換し、この変換された音声データを携帯通信端末MT1〜MTnの内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力するようにしている。
したがって、利用者は携帯通信端末MT1〜MTnの表示部62に表示される文字メッセージを、運動しながら或いは運動を中断して見る必要がなく、運動しながら音声メッセージにより運動の指導内容を確認することができる。
【0095】
さらに、携帯通信端末MT1〜MTnに音調の異なる複数の音楽データを記憶しておき、運動シナリオを提示する際に、管理装置CSから配信された運動シナリオの内容に対応する音調の音楽データを上記記憶された複数の音楽データの中から選択する。そして、この選択された音楽データを携帯通信端末MT1〜MTnの内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力するようにしている。
したがって、運動中に携帯通信端末MT1〜MTnからは運動シナリオの内容に対応する音調の音楽が出力される。このため、利用者は提示された運動シナリオの内容に合ったテンポの音楽に乗ってリズミカルに楽しく運動を行うことが可能となる。
【0096】
さらに、ジャイロセンサ18の検出データを分析することにより利用者の転倒の有無を判定し、転倒と判断される場合に状況を問い合わせるメッセージを携帯通信端末MT1へ送信し、内蔵スピーカ57又はヘッドホンユニット59から出力するようにしている。そして、この問い合わせに対し一定時間以内に利用者が応答しない場合に、GPS受信機19により検出された位置データから利用者の現在位置を把握して、現地に救助要員を派遣するようにしている。
したがって、屋外でジョギングなどを行っている利用者が倒れた場合に、迅速かつ確実に適切な処置を講じることが可能となる。
【0097】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では例えば、年齢、性別、職業等の個人データを固定的なデータとして基準値を得るために使用し、心拍数、血圧、体温等のデータを変動的なデータとしてその時々の利用者の状態を分析するものとして説明した。しかし、分析に使用するデータは、固定的なデータ、変動的なデータを取り混ぜて行ってもよく、最適な分析を行うことができるのであれば、使用するデータの選択は特に限定されない。
【0098】
また、生体データの分析においては、上記多変量解析に限らず、データマイニング、ニューロ理論やカオス理論に基づいて生体データに曖昧さを持たせて分析を行ってもよく、利用者に適切な運動指示を行うことができれば分析方法は特に限定されない。
さらに、前記実施形態では、運動を運動シナリオにそって連続して行う場合について説明したが、運動シナリオは1日単位、つまり朝「ストレッチ体操を20分」、その後続けて「ウォーキングを30分」、夕方に「エアロビクスを30分」に分割して行うものでもよく、運動シナリオによる効果が得られれば1週間単位、1ヶ月単位であってもよい。
【0099】
さらに、前記実施形態では、検出した生体データに変化があったときにのみ、生体データを利用者端末UT1〜UTnから管理装置CSに送信するものとして説明したが、所定時間間隔で生体データを管理装置CSに送信するようにしてもよく、生体データを送信するタイミングは特に限定されない。
【0100】
さらに、前記実施形態では携帯通信端末MT1〜MTnと管理装置CSとの間の各種データの転送を、利用者端末UT1〜UTnを介して行うようにした。しかし、それに限らず、管理装置CSに利用者端末の機能を持たせ、この管理装置CSと携帯通信端末MT1〜MTnとの間で各種データを直接無線伝送するようにしてもよい。この場合、携帯通信端末MT1〜MTnと管理装置CSとの間の通信は、移動通信網を利用しかつプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を使用して行われる。
【0101】
また、運動シナリオに映像データが含まれる場合、この映像データは携帯通信端末MT1〜MTnの表示部62に表示されることになり、利用者にとっては視認しにくくなる。そこで、ヘッドマウントディスプレイ等の外部表示器を用意し、このヘッドマウントディスプレイに対し携帯通信端末MT1〜MTnに備えられている簡易通信回路54から映像データを転送して表示させる。このようにすると、利用者は携帯通信端末MT1〜MTnの表示部62を見ながら運動する必要がなくなり、これにより制約を受けることなく常に自然な姿勢で運動を行うことができる。なお、携帯通信端末MT1〜MTnから外部表示器へのデータ転送手段としては、簡易無線インタフェースを使用する以外に、運動の障害にならない範囲で信号ケーブルを使用することも可能である。
【0102】
さらに、前記実施形態では運動シナリオの内容に対応するテンポ又はリズムの音楽データを選択してスピーカから出力するようにした。しかしそれに限らず、運動シナリオの内容に対応するテンポ又はリズムに同期して、携帯通信端末が備える振動体(バイブレータ)を駆動するようにしてもよい。このようにすると、利用者は音を出すことを制限又は禁止された場所でも、提示された運動シナリオの内容に合ったテンポでリズミカルに運動を行うことが可能となる。また音に頼らないため、耳の不自由な利用者でも健常者と同様に運動シナリオにしたがって運動を行うことができる。
【0103】
また携帯通信端末としては、携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistant)やモバイルコンピュータ、腕時計タイプの情報端末、フラッシュメモリやハードディスクを使用したオーディオプレーヤ、ディジタルカメラ、携帯型ゲーム機などを用いることができる。その他、運動シナリオの種類や構成、運動シナリオの修正タイミング、センサユニット、携帯通信端末、利用者端末及び管理装置の構成や運動指導の制御手順等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0104】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】この発明に係わる運動指導システムの一実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示したシステムで使用されるセンサユニットの構成を示すブロック図。
【図3】図1に示したシステムで使用される携帯通信端末の機能構成を示すブロック図。
【図4】図3に示した携帯通信端末と共に使用されるメモリカードに記憶されるプログラム及びデータの構成を示すブロック図。
【図5】図1に示したシステムで使用される利用者端末の機能構成を示すブロック図。
【図6】図1に示したシステムで使用される管理装置の機能構成を示すブロック図。
【図7】図1に示したシステムにおける運動指導制御手順と制御内容の前半部分を示すフローチャート。
【図8】図1に示したシステムにおける運動指導制御手順と制御内容の後半部分を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0106】
UT1〜UTn…利用者端末、CS…管理装置、NW…通信ネットワーク、SU1〜SUn…センサユニット、MC…メモリカード、DSK…外部記憶媒体、10…センサ群、11…心拍センサ、12…血圧センサ、13…体温センサ、14…発汗センサ、15…歩数センサ、16…加速度センサ、17…計時回路、18…ジャイロセンサ、19…GPS受信機、20…通信回路、21…センサユニットのアンテナ、22…UVセンサ、31…プログラムエリア、31a…運動シナリオプログラム、31b…音楽選択プログラム、31c…音声認識合成プログラム、31d…生体データ管理プログラム、31e…メール起動プログラム、32…データエリア、32a…音楽データ記憶エリア、32b…生体データ記憶エリア、41…管理装置のCPU、42…管理装置のバス、43…管理装置のプログラムメモリ、43a…利用者情報管理制御プログラム、43b…分析プログラム、43c…運動シナリオ作成プログラム、43d…配信制御プログラム、44…管理装置のデータベース、44a…個人データ記憶エリア、44b…基礎データ記憶エリア、44c…運動データ記憶エリア、44d…過去データ記憶エリア、45…管理装置の通信インタフェース、46…外部記憶インタフェース、51…携帯通信用アンテナ、52…通信回路、53…簡易通信用アンテナ、54…簡易通信回路、55…制御部、56…音声入出力インタフェース、57…内蔵スピーカ、58…内蔵マイクロホン、59…ヘッドホンユニット、60…携帯通信端末の入出力インタフェース、61…携帯通信端末の入力部、62…携帯通信端末の表示部、63…外部記憶インタフェース、71…利用者端末のCPU、72…利用者端末のバス、73…利用者端末のプログラムメモリ、73a…個人データ設定制御プログラム、73b…データ中継転送制御プログラム、73c…運動シナリオ・結果提示制御プログラム、74…利用者端末のデータメモリ、74a…生体データ記憶エリア、74b…運動シナリオ記憶エリア、75…利用者端末の通信インタフェース、76…携帯通信インタフェース、77…利用者端末の入出力インタフェース、78…利用者端末の入力部、79…利用者端末の表示部、80…スピーカ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に装着され当該利用者の生体データを検出するセンサユニットと、前記利用者が所持する携帯通信端末と、この携帯通信端末に対し通信ネットワークを介して接続可能な管理装置とを具備する運動指導システムであって、
前記管理装置は、
前記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを前記携帯通信端末から受信し記憶する手段と、
前記記憶された利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに前記利用者に適する第1の運動シナリオを作成する手段と、
前記作成された第1の運動シナリオを前記携帯通信端末に配信する手段と
を備え、
前記携帯通信端末は、
前記利用者の個人データ、運動前の生体データ及び運動目的を表すデータを前記管理装置へ送信する手段と、
前記管理装置から配信される第1の運動シナリオを受信し、この受信された第1の運動シナリオを利用者に提示する手段と
を備えることを特徴とする運動指導システム。
【請求項2】
前記携帯通信端末は、
前記第1の運動シナリオに従い運動中の前記利用者の生体データを前記センサユニットから取得し、この取得された運動中の利用者の生体データを前記管理装置に送信する手段を、さらに備え、
前記管理装置は、
前記携帯通信端末から送信された運動中の利用者の生体データを受信し、この受信された生体データと前記分析結果をもとに前記第1の運動シナリオを第2の運動シナリオに変更する手段と、
前記変更された第2の運動シナリオを前記携帯通信端末に配信する手段と
を、さらに備え、
前記携帯通信端末は、
前記管理装置から配信される第2の運動シナリオを受信し、この受信された第2の運動シナリオを前記第1の運動シナリオに代えて利用者に提示する第2の提示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の運動指導システム。
【請求項3】
前記携帯通信端末が内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方を備える場合に、
前記第1又は第2の提示手段は、
前記受信された運動シナリオに含まれる指導内容を表す文字データを音声に変換する手段と、
前記変換された音声を前記内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方から拡声出力させる手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項4】
前記携帯通信端末が内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方を備える場合に、
前記第1又は第2の提示手段は、
音調の異なる複数の音楽データを記憶する手段と、
前記受信された運動シナリオの内容を判定する手段と、
前記判定された内容に対応する音調の音楽データを前記記憶された複数の音楽データの中から選択する手段と、
前記選択された音楽データによる音を前記内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方から出力させる手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項5】
前記携帯通信端末が振動体を備える場合に、
前記第1又は第2の提示手段は、
前記受信された運動シナリオの内容をもとに運動のテンポを判定する手段と、
前記判定されたテンポに同期して前記振動体を駆動する手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前記携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得する手段と、
前記取得された位置データをもとに、前記携帯通信端末の現在位置を含む地域の環境予報データを取得する手段と、
前記取得された環境予報データをもとに、前記第1又は第2の運動シナリオを修正する手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記受信された生体データを、前記分析結果をもとに判定されたしきい値と比較する手段と、
前記比較の結果、前記受信された生体データがしきい値を超えた場合に、運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを携帯通信端末へ送信する手段と
を、さらに備え、
前記携帯通信端末は、
音を出力するスピーカと、
前記管理装置から前記運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを受信した場合に、当該受信された運動シナリオに含まれる運動停止指示メッセージを音声メッセージに変換する手段と、
前記変換された音声メッセージを前記スピーカから拡声出力させる手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項8】
前記センサユニットは、利用者の身体の傾きを検出する傾きセンサを備え、
前記管理装置は、
前記携帯通信端末から送信された運動中の利用者の生体データを受信し、この受信した生体データに含まれる前記傾きの検出データをもとに利用者の転倒を検出する手段と、
前記利用者の転倒が検出された場合に、前記携帯通信端末へ当該利用者の安否を確認するための問い合わせメッセージを送信する手段と、
前記問い合わせメッセージの送信に対し一定時間以内に携帯通信端末から応答が受信されない場合に、前記携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得する手段と、
前記取得された位置データをもとに当該利用者に対する救済処理を実行する手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項9】
利用者の個人データ、運動目的を表すデータ及び生体データを通信ネットワークを介して管理装置へ送信する手段と、
前記送信された利用者の個人データ、運動目的を表すデータ及び生体データをもとに前記管理装置により作成される運動シナリオを、前記通信ネットワークを介して受信する手段と、
前記受信された運動シナリオから指導内容を表す文字データを抽出し、この抽出された文字データを音声に変換する手段と、
前記変換された音声をスピーカから出力する手段と
を具備することを特徴とする携帯通信端末。
【請求項10】
音調の異なる複数の音楽データを記憶する手段と、
前記受信された運動シナリオの内容を判定する手段と、
前記判定された内容に対応する音調の音楽データを前記記憶された複数の音楽データの中から選択する手段と、
前記選択された音楽データにより表される音をスピーカから出力する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項9記載の携帯通信端末。
【請求項1】
利用者に装着され当該利用者の生体データを検出するセンサユニットと、前記利用者が所持する携帯通信端末と、この携帯通信端末に対し通信ネットワークを介して接続可能な管理装置とを具備する運動指導システムであって、
前記管理装置は、
前記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを前記携帯通信端末から受信し記憶する手段と、
前記記憶された利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに前記利用者に適する第1の運動シナリオを作成する手段と、
前記作成された第1の運動シナリオを前記携帯通信端末に配信する手段と
を備え、
前記携帯通信端末は、
前記利用者の個人データ、運動前の生体データ及び運動目的を表すデータを前記管理装置へ送信する手段と、
前記管理装置から配信される第1の運動シナリオを受信し、この受信された第1の運動シナリオを利用者に提示する手段と
を備えることを特徴とする運動指導システム。
【請求項2】
前記携帯通信端末は、
前記第1の運動シナリオに従い運動中の前記利用者の生体データを前記センサユニットから取得し、この取得された運動中の利用者の生体データを前記管理装置に送信する手段を、さらに備え、
前記管理装置は、
前記携帯通信端末から送信された運動中の利用者の生体データを受信し、この受信された生体データと前記分析結果をもとに前記第1の運動シナリオを第2の運動シナリオに変更する手段と、
前記変更された第2の運動シナリオを前記携帯通信端末に配信する手段と
を、さらに備え、
前記携帯通信端末は、
前記管理装置から配信される第2の運動シナリオを受信し、この受信された第2の運動シナリオを前記第1の運動シナリオに代えて利用者に提示する第2の提示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の運動指導システム。
【請求項3】
前記携帯通信端末が内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方を備える場合に、
前記第1又は第2の提示手段は、
前記受信された運動シナリオに含まれる指導内容を表す文字データを音声に変換する手段と、
前記変換された音声を前記内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方から拡声出力させる手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項4】
前記携帯通信端末が内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方を備える場合に、
前記第1又は第2の提示手段は、
音調の異なる複数の音楽データを記憶する手段と、
前記受信された運動シナリオの内容を判定する手段と、
前記判定された内容に対応する音調の音楽データを前記記憶された複数の音楽データの中から選択する手段と、
前記選択された音楽データによる音を前記内蔵スピーカと外部スピーカの少なくとも一方から出力させる手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項5】
前記携帯通信端末が振動体を備える場合に、
前記第1又は第2の提示手段は、
前記受信された運動シナリオの内容をもとに運動のテンポを判定する手段と、
前記判定されたテンポに同期して前記振動体を駆動する手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前記携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得する手段と、
前記取得された位置データをもとに、前記携帯通信端末の現在位置を含む地域の環境予報データを取得する手段と、
前記取得された環境予報データをもとに、前記第1又は第2の運動シナリオを修正する手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記受信された生体データを、前記分析結果をもとに判定されたしきい値と比較する手段と、
前記比較の結果、前記受信された生体データがしきい値を超えた場合に、運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを携帯通信端末へ送信する手段と
を、さらに備え、
前記携帯通信端末は、
音を出力するスピーカと、
前記管理装置から前記運動停止指示メッセージを含む運動シナリオを受信した場合に、当該受信された運動シナリオに含まれる運動停止指示メッセージを音声メッセージに変換する手段と、
前記変換された音声メッセージを前記スピーカから拡声出力させる手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項8】
前記センサユニットは、利用者の身体の傾きを検出する傾きセンサを備え、
前記管理装置は、
前記携帯通信端末から送信された運動中の利用者の生体データを受信し、この受信した生体データに含まれる前記傾きの検出データをもとに利用者の転倒を検出する手段と、
前記利用者の転倒が検出された場合に、前記携帯通信端末へ当該利用者の安否を確認するための問い合わせメッセージを送信する手段と、
前記問い合わせメッセージの送信に対し一定時間以内に携帯通信端末から応答が受信されない場合に、前記携帯通信端末の現在位置を表す位置データを取得する手段と、
前記取得された位置データをもとに当該利用者に対する救済処理を実行する手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の運動指導システム。
【請求項9】
利用者の個人データ、運動目的を表すデータ及び生体データを通信ネットワークを介して管理装置へ送信する手段と、
前記送信された利用者の個人データ、運動目的を表すデータ及び生体データをもとに前記管理装置により作成される運動シナリオを、前記通信ネットワークを介して受信する手段と、
前記受信された運動シナリオから指導内容を表す文字データを抽出し、この抽出された文字データを音声に変換する手段と、
前記変換された音声をスピーカから出力する手段と
を具備することを特徴とする携帯通信端末。
【請求項10】
音調の異なる複数の音楽データを記憶する手段と、
前記受信された運動シナリオの内容を判定する手段と、
前記判定された内容に対応する音調の音楽データを前記記憶された複数の音楽データの中から選択する手段と、
前記選択された音楽データにより表される音をスピーカから出力する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項9記載の携帯通信端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−263002(P2006−263002A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−82401(P2005−82401)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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