説明

部品管理システムおよび部品管理方法

【課題】作業対象物品の組立の際に必要となる部品の消費状態を容易に管理することができる部品管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】部品補充依頼端末50は、部品の補充を依頼する際に該部品を特定する情報が書き込まれたICタグを投入する投入口53を有するボックス51と、ボックス51に付設され、ICタグを読取り、その読取った情報を管理サーバへ送信する部品補充依頼端末本体52とを有し、実績管理サーバ10は、記憶部15と処理部11とを有し、処理部11は、部品補充依頼端末50から送信される情報に含まれる通信開始日時、または、該情報を受信した日時を、部品補充の依頼日時として記憶部10に登録することを特徴とする。このような構成によれば、ボックスに投入されたICタグの部品の補充依頼情報は、実績管理サーバ10により補充依頼情報を収集され、記憶部15に登録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業対象物品の組立の際に必要となる部品の消費状態を容易に管理することができる部品管理システムおよび部品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子基板、電子装置などの装置を組み立て生産する装置メーカにおける部品の在庫管理には、部品倉庫への保管、生産現場(セルショップ)への部品の配膳、部品の棚卸、不要在庫部品の利用状況をみた不要在庫部品の摘出と廃棄処分などがある。
【0003】
この中で、在庫管理の重要な要素である不要在庫部品を摘出する方法として、機器の設計担当部門から自発的に連絡を受けて行う方法、在庫部品情報に最終使用期日から一定の期間が経過した時に自動的に部品管理端末に、マーク、コメントなどの表示を出し、設計担当部門に社内ネットワークを介して問合せ回答を得るという方法などがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002-73144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された方法では、最終使用期日から一定の期間が経過した時に自動的に表示させているが、既に、生産現場への配膳された部品などの管理はすることができない。また、期日管理はされているが、部品毎の購入単価、在庫に係る費用などが考慮されていない問題がある。すなわち、一定の期間が経過した部品に対して告知しており、例えば、部品の購入単価の安い部品も部品の購入単価の高い部品も、また、小さな部品(在庫に係る費用の安い部品)も大きな部品(在庫に係る費用の高い部品)も同一として扱っている。
【0005】
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、作業対象物品の組立の際に必要となる部品の消費状態を容易に管理することができる部品管理システムおよび部品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、部品管理システムは、部品の補充依頼情報を入力する入力装置と、補充依頼情報を収集し、補充依頼情報を管理する管理装置とを備え、入力装置は、部品の補充を依頼する際に該部品を特定する情報が書き込まれたICタグを投入する投入口を有するボックス(例えば、ボックス51)と、ボックスに付設され、ICタグを読取り、その読取った情報を管理装置へ送信するボックス制御部(例えば、部品補充依頼端末本体52)とを有し、管理装置は、記憶部(例えば、記憶部15)と処理部(例えば、処理部11)とを有し、処理部は、入力装置から送信される情報に含まれる通信開始日時情報、または、該情報を受信した日時情報を、部品補充の依頼日時情報として記憶部に登録することを特徴とする。このような構成によれば、ボックスに投入されたICタグの部品の補充依頼情報は、管理装置により補充依頼情報を収集され、記憶部に登録される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業対象物品の組立の際に必要となる部品の消費状態を容易に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
《第1の実施形態》
図1は、本発明の実施形態による部品補充システムを示す構成図である。部品管理システムは、部品補充の実績を管理する実績管理サーバ10と、部品倉庫への部品補充を依頼し発注する部品発注サーバ20と、資材端末30と、作業現場に設置される部品補充依頼端末50と、部品倉庫に設置される部品補充受理端末60と、を備えている。実績管理サーバ10と、部品発注サーバ20と、資材端末30と、部品補充依頼端末50と、部品補充受理端末60とは、LAN(Local Area Network)などのネットワーク40で接続されている。
【0009】
最初にシステム概要について説明する。作業者は、組立ショップで、部品の補充が必要になった際、入力装置としての部品補充依頼端末50に現品票70を投入する。すると部品補充依頼端末50は、現品票70の後記する部品補充情報を、実績管理サーバ10に送信する。部品補充情報を受理した実績管理サーバ10は、在庫管理システム(図示していない)に問合せ、在庫がある場合は、部品倉庫内にある部品補充受理端末60に部品補充の処理をする。部品補充受理端末60は、現品票70を出力する。部品倉庫の配膳担当者は、該当する部品補充のあった部品に、出力された現品票70を添付して、該当する組立ショップに配膳をする。実績管理サーバ10は、在庫管理システム(図示していない)に問合せた結果、在庫がない場合、部品発注サーバ20に発注の依頼処理をする。部品発注サーバ20は、サプライヤ(例えば、部品メーカ、商社)に対して、発注処理をする。ここでは、部品補充内容として、電子回路基板に部品を取付けるための部品の部品補充を一例としている。なお、図1において、部品補充依頼端末50は、組立ショップ(作業現場側)に設置されているが、部品倉庫側に設置されていてもよい。この際は、部品倉庫の配膳担当者が部品の補充が必要になった際に現品票70を投入する。
【0010】
現品票70は、シート71と、ICタグ72から構成される。シート71は、部品補充に必要な情報が記憶されたICタグ72内の情報を、作業者が目視して理解できるように文字で書き込んだシートであり、必要でなくなった際に書き込んだ内容を消去することができるシートである。ICタグ72は、RFID(Radio frequency identification)などの非接触の無線用ICタグである。
【0011】
部品補充依頼端末50は、部品補充が必要になった際に現品票70が投入される端末である。部品補充依頼端末50は、投入口53および排出口54を有するボックス51と、ボックス51の側面に付設され、ICタグ72を読み取り、その読み取った情報を実績管理サーバ10へ送信し、また、シート71の書込みを書換えできる部品補充依頼端末本体52と、排出された現品票70を保持するトレー55を備えている。構成の詳細は、図2を参照して説明する。
【0012】
図2は、部品補充依頼端末の構成を示すブロック図である。部品補充依頼端末50は、ボックス51、部品補充依頼端末本体52から構成されており、部品補充依頼端末本体52は、ICタグリーダライタ部521、シート書換え部522、通信部523、および制御部524を有している。
【0013】
ICタグリーダライタ部521は、ボックス51に現品票70が投入された際、ICタグ72との通信を確認すると、現品票70に添付されたICタグ72の情報を読取り、制御部524に通信開始情報を送信する。
【0014】
制御部524は、具体的にはプログラムに従って動作するCPUによって実現される。制御部524は、ICタグリーダライタ部521からの通信開始情報を受信すると、通信部523を介して、実績管理サーバ10に、ICタグ72との通信開始情報と、部品を特定する部品情報とを送信する。通信開始情報には、例えば、ボックス51のID、部品補充依頼日時を含んでいる。部品情報には、例えば、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、補充員数、着荷日時を含んでいる。制御部524は、実績管理サーバ10への送信が完了すると、ICタグリーダライタ部521に消去指令をしてICタグの情報を消去する。
【0015】
また、制御部524は、シート書換え部522に消去指令をしてシート71の書込みを消去する。シート71は、熱転写などのシートを用いているので、消去指令をすることにより消去することができる。
【0016】
シート71の消去が完了すると、制御部524は、現品票70の排出指令を出し、ボックス51内の排出口54が開口し、現品票70は、ボックス51から排出され、トレー55に保持される。なお、現品票70のシート71の書込みは消去されており、また、ICタグ72の情報も消去されているので、再使用することができる。図1の説明に戻る。
【0017】
実績管理サーバ10は、現品票70の発行処理と、部品補充の実績を管理し、部品の消費状態を分析するするサーバであり、処理部11、通信部12、出力部13、入力部14、および記憶部15を有している。入力部14は、データや命令などを入力するために用いられるものであり、キーボードやマウスなどで構成される。出力部13は、端末を利用する人に対して、メッセージなどを表示するために用いられるものであり、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどで構成される。処理部11は、記憶部15に格納されたプログラムを実行することで、各構成要素(例えば、通信部12、入力部14)を統括的に制御し、様々な演算処理を行う。記憶部15は、プログラムやデータを永続的に記憶するために用いられるものであり、ハードディスクなどで構成される。通信部12は、ネットワーク40を介して、データのやり取りを行うためのインタフェースである。
【0018】
記憶部15には、部品管理データ151、保管費データ152、金利データ153、および部品消費完了時データ154を記憶している。保管費データ152は、部品を保管するのに係る費用、例えば、単位体積、単位時間当りの費用である。金利データ153は、部品購入時の借り入れた購入代金に係る単位時間当りの金利である。
【0019】
部品管理データ151は、部品補充依頼端末50からの情報である。実績管理サーバ10は、部品補充依頼端末50からの情報、すなわち、通信開始情報および部品情報を受信すると、記憶部15の部品管理データ151に記憶する。部品管理データ151に記憶される日時情報には、通信開始情報に含まれる部品補充依頼日時および受信された情報に付加される日時情報(タイムスタンプ)がある。受信された情報に付加される日時情報(タイムスタンプ)は、部品補充依頼日時のバックアップとして利用してもよい。また、部品補充依頼端末50から送付された情報に、日時情報が含まれていない場合は、受信された情報に付加される日時情報(タイムスタンプ)が、受信された情報の管理に利用される。詳細については、図8を参照して後記する。
【0020】
部品消費完了時データ154は、資材注番毎の部品消費時間である消費リードタイム(消費L/T)、L/T保管費、L/T金利などを記憶する。実績管理サーバ10は、入力部14からの指示などにより、部品管理データ151を用いて、消費L/Tを演算し、消費L/Tに基づく、部品を保管するのに係わる費用であるL/T保管費、部品購入時の借り入れた購入代金に係るL/T金利を求め、部品が消費完了したときの消費完了時価格を、部品消費完了時データ154に記憶する。詳細については、図9を参照して後記する。
【0021】
実績管理サーバ10は、在庫管理システム(図示していない)に問合せ、部品の在庫がある場合、部品倉庫内にある部品補充受理端末60に部品補充情報を送信する。部品補充情報には、例えば、製品名、製品番号、製造メーカ、補充員数、補充場所、補充要期(発行日からの日数を意味する。)がある。また、実績管理サーバ10は、在庫管理システム(図示していない)に問合せ、部品の在庫がない場合、部品発注サーバ20に、部品発注情報を送信する。部品発注情報には、例えば、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、発注員数、補充場所、補充要期がある。
【0022】
部品補充受理端末60は、実績管理サーバ10からの現品票70の発行指令を受理すると、現品票70を発行する端末である。部品補充受理端末60は、現品票供給部66と、現品票供給部66から現品票70が供給され、現品票70の排出口64を有するボックス61と、ボックス61の側面に付設され、実績管理サーバ10から受信した情報をICタグ72に書込み、また、シート71の書込みを書換えできる部品補充受理端末本体62と、排出された現品票70を保持するトレー65を備えている。構成の詳細は、図3を参照して説明する。
【0023】
図3は、部品補充受理端末の構成を示すブロック図である。部品補充受理端末60は、ボックス61、部品補充受理端末本体62、現品票供給部66から構成されており、部品補充受理端末本体62は、ICタグリーダライタ部621、シート書換え部622、通信部623、および制御部624を有している。
【0024】
制御部624は、具体的にはプログラムに従って動作するCPUによって実現される。制御部624は、通信部623を介して、実績管理サーバ10からの部品補充情報を受信すると、現品票供給部66に、現品票70の供給を指令する。制御部624は、ボックス61内に現品票70の格納を確認すると、ICタグリーダライタ部621に部品補充情報の書込みを指令する。制御部624は、現品票70のICタグ72への書込み完了を確認した後、シート書換え部622に、ICタグ72内の内容についてシート71への書込みを指令する。
【0025】
現品票70のシート71への書込みが完了すると、制御部624が、現品票排出指令を出して、ボックス61内の排出口64を開口させ、現品票70をボックス61から排出する。現品票70は、トレー65に保持される。図1の説明に戻る。
【0026】
部品発注サーバ20は、実績管理サーバ10の要求により、サプライヤに対して、発注処理をするサーバであり、処理部21、通信部22、出力部23、入力部24、および記憶部25を有している。入力部24は、データや命令などを入力するために用いられるものであり、キーボードやマウスなどで構成される。出力部23は、端末を利用する人に対して、メッセージなどを表示するために用いられるものであり、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどで構成される。処理部21は、記憶部25に格納されたプログラムを実行することで、各構成要素(例えば、通信部22、入力部24)を統括的に制御し、様々な演算処理を行う。記憶部25は、プログラムやデータを永続的に記憶するために用いられるものであり、ハードディスクなどで構成される。通信部22は、ネットワーク40を介して、データのやり取りを行うためのインタフェースである。
【0027】
資材端末30は、資材検収員がサプライヤからの入荷検収後、実績管理サーバ10および部品発注サーバ20に、資材注番、着荷実績(タイムスタンプ)を通知する。ハード構成は、部品発注サーバ20と同様であるので省略する。資材検収員は、サプライヤからの部品に現品票70を発行して貼り付ける。現品票70には、例えば、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、発注員数、着荷実績(タイムスタンプ)がある。
【0028】
図4は、作業ショップの作業台の一例を示す外観斜視図である。作業台90の横には、自立型の部品補充依頼端末50が置かれている。作業台90の上部(上面)は、電子回路基板80の組立作業エリアであり、また、作業者の前方には、複数の部品箱82が設置されている。表示装置92は、作業補助台91の上部に設置されており、作業内容の情報が表示される。作業者は、表示装置92に表示された情報に従い、電子回路基板80の組立作業を行なう。
【0029】
作業者が電子回路基板80に部品81を取り付ける取付作業中に、部品81の供給が必要になる場合がある。この際に、作業者は、部品箱82に各1枚入っている(または、貼られている)現品票70を、部品補充依頼端末50のボックス51に投入することにより、部品81の補充を実績管理サーバ10に告知することができる。
【0030】
図4に示すように、部品81の補充方法として、ダブルバケット法を採用している。すなわち、部品箱82は、部品箱821と部品箱822から構成され、同一の部品81を入れてある。
【0031】
作業者は、手前の部品箱821が空になると、部品箱821に入っている現品票70をボックス51に投入する。部品補充依頼端末50は、通信開始情報および部品情報を送信する。送信完了後、現品票70は、排出口54から排出され、トレー55に保持される。
【0032】
次に、部品補充システムの依頼情報および部品のフローについて説明する。
図5は、部品管理システムの依頼情報および部品のフローを示す説明図である。例えば、セルショップSS012の作業者は、部品補充を依頼した際に、図6に示すような現品票70Aを部品補充依頼端末50に投入する。
【0033】
図6は、作業現場側の現品票の一例を示す説明図である。現品票70Aには、具体的には、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、補充員数、着荷日時(0608231000は、2006年8月23日10:00を意味する。)が記載されている。
【0034】
図5に戻り、部品補充依頼端末50は、読み取った部品情報と通信開始情報とを「情報A」として実績管理サーバ10に送信する(処理S100)。すると、実績管理サーバ10は、受信した情報Aを、記憶部15の部品管理データ151(図1参照)に記憶する。さらに、在庫管理サーバ(図示していない)から該当する部品の在庫の適否を確認する。図8には、その一例を示す。
【0035】
図8は、実績管理サーバの記憶部に記憶された部品実績収集データを示す説明図である。記憶部15の部品管理データ151には、部品実績の収集パラメータとして、現品票No、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、補充員数、着荷日時、補充依頼日時、および補充場所IDが記憶されている。図8によれば、例えば、現品票A1001は、2006年8月19日の123番目(資材注番0608190123)に発注されたIC01の製品で、製品番号がA1356、製造メーカがB社であることがわかる。また、補充依頼が100個で、資材検収日時が2006年8月23日10:00である。作業者からの補充依頼日時は、2006年8月25日11:40であり、セルショップSS012への補充要求であることがわかる。
【0036】
図5に戻り、実績管理サーバ10は、該当する部品が在庫にある場合、部品補充受理端末60に、情報Bを送信する(処理S101)。情報Bには、製品名、製品番号、製造メーカ、補充員数、補充場所、補充要期がある。情報Bを受信した部品補充受理端末60は、現品票70Bを出力し、倉庫の配膳担当者は、該当する部品81が入っている部品箱82に現品票70Bを添付して、セルショップSS012に届ける(処理S200)。現品票70Bの一例を図7に示す。
【0037】
図7は、部品倉庫側の現品票の一例を示す説明図である。現品票70Bには、具体的には、製品名、製品番号、製造メーカ、補充員数、補充場所、補充要期(発行日からの日数を意味する。)が記載されている。図7によれば、製品番号A1356のIC01を、2006年8月27日(25日を含めて3日)までにセルショップSS012に届ける必要がある。
【0038】
図5に戻り、実績管理サーバ10は、該当する部品が在庫にない場合、部品発注サーバ20に、情報Cを送信する(処理S102)。情報Cには、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、発注員数、補充場所、補充要期がある。情報Cを受理した部品発注サーバ20は、発注先のサプライヤに情報Dを送信する(処理S103)。情報Dには、情報Cに加えて、発注先情報、発注日時、発注元情報、発注元連絡先などがある。
【0039】
情報Dを受理したサプライヤは、現品票70Cを納入する部品81が入っている部品箱82に添付して、発注元の資材に納入する(処理S201)。資材の検品担当者または配膳担当者は、納入品を確認後、資材端末30から検収日時を、実績管理サーバ10および部品発注サーバ20に送信する(処理S104、処理S105)。
【0040】
検収日時を受理した実績管理サーバ10は、情報Eを部品補充受理端末60に送信する(処理S106)。情報Eは、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、発注員数、着荷日時である。情報Eを受信した部品補充受理端末60は、現品票70Dを出力する。倉庫の配膳担当者は、該当する部品81の入っている部品箱82に現品票70Dを添付して、具体的には、サプライヤから納入された現品票70Cに記載のある補充場所(セルショップSS012)に届ける(処理S202)。なお、現品票70Aと、現品票70Dの記載事項は、ともに、資材注番、製品名、製品番号、製造メーカ、発注員数、着荷日時であり、同一内容となる。
【0041】
本実施形態では、現品票70Bと現品票70Dの記載内容が異なるが、現品票70Bを発行する場合に、資材注番を親番号として、部品を小分けした場合の番号を子番号として付けて管理してもよい。この場合、作業現場に配膳される部品は、全て資材注番を参照することができるので、まとめ購入した場合の実績管理などに利用することができる。
【0042】
図9は、部品消費実績結果の一例を示す説明図である。図1を参照して説明する。部品実績消費リストは、実績管理サーバ10の入力部14からの演算実行命令により、処理部11により演算処理され、リストが作成され、部品消費完了時データ154に記憶する。処理部11は、記憶部15の部品管理データ151から、部品消費時間(消費L/T)を演算し、部品消費完了時データ154に記憶する。具体的には、現品票A1001の場合、部品の着荷日時が2006年8月23日10:00で、部品の補充依頼日時が2006年8月25日11:40であり、その差分が、消費L/Tとして2日1時間40分(002 1:40)となる。この消費L/Tと、保管費データ152、および金利データ153に基づいて、L/T保管費およびL/T金利が演算される。なお、図9の場合においては、保管費は1日あたり33円、金利は、年19%として日割り計算している。現品票A1001の場合は、購入価格は、800,000円であるが、消費L/Tを考慮すると、消費完了時価格としては、800,899円となっている。これより、比率(消費完了時価格/購入価格の100の乗算値)は、100.1%となる。
【0043】
また、図9の現品票A0001の場合においては、消費L/Tが367日と長期であったため、比率が120.3%となっている。現品票A1004および現品票A1006は、部品の消費完了していないが、現在時刻2007年1月4日16:00における消費L/Tなどが演算されている。
【0044】
実績管理サーバ10の入力部14からの表示命令により、出力部13の表示画面などに部品実績消費リストを表示され、管理者は、現在の部品消費状態を把握することができる。このとき、処理部11は、部品消費完了時データ154を検索し、消費完了時購入価格が所定の価格を超えたとき、および、所定の比率を超えたときの少なくともいずれかのときに資材注番にマークなどをして、管理者に告知することが好ましい。資材課の管理者または担当者は、マークされた資材注番に該当する部品の消費L/Tが長く、消費完了時購入価格が高くなっていることを容易に判断することができる。このため、次回の部品の発注時の補充員数を少なくする対策をすることができる。あるいは、現在では、使用する可能性の低い部品であることも考えられるので、設計課などに確認して次回の発注を中止することができる。
【0045】
本実施形態によれば、資材倉庫への納入から、実際に部品が消費される部品消費時間を測定することができ、長時間の滞留部品などを管理することができる。
【0046】
本発明の実施形態の部品管理システムによれば、部品補充依頼端末50は、部品の補充を依頼する際に該部品を特定する情報が書き込まれたICタグを投入する投入口53を有するボックス51と、ボックス51に付設され、部品補充依頼端末本体(ボックス制御部)52とを備え、部品補充依頼端末本体52は、ICタグを読取るICタグリーダライタ部521、その読取った情報を実績管理サーバ10へ送信する通信部523とを有している。実績管理サーバ10は、記憶部15と処理部11とを有し、処理部11は、部品補充依頼端末50から送信される情報に含まれる通信開始日時、または、該情報を受信した日時を、部品補充の依頼日時として記憶部15に登録することを特徴とする。このような構成によれば、ボックス51に投入されたICタグの部品の補充依頼情報は、実績管理サーバ10により補充依頼情報を収集され、記憶部15に登録される。
【0047】
本実施形態の部品補充依頼端末本体52(図1参照)には、シート書換え部522を有しているが、シート71の書換えが必要ないと判断される際には、シート書換え部522を省略してもよい。また、本実施形態のボックス51には、排出口54を有しているが、排出口54を有しない場合もある。このときには、作業者は、部品補充の依頼の際に、現品票70を投入口53から投入後、所定時間後(ICタグリーダライタ部521がICタグを読取り、通信部523がその読取った情報を実績管理サーバ10へ送信したのち)、現品票70を取出すことが好ましい。
【0048】
以上述べた実施形態においては、ボックス51に投入するICタグ72を、部品特定用ICタグとして説明した。しかし、ICタグとしては、部品特定用のICタグ72には限らない。例えば、作業工具を特定する工具特定用のICタグがある。作業者は、工具に不具合が発生した際に、補充要求をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態による部品管理システムを示す構成図である。
【図2】部品補充依頼端末の構成を示すブロック図である。
【図3】部品補充受理端末の構成を示すブロック図である。
【図4】作業エリアの作業台の一例を示す外観斜視図である。
【図5】部品管理システムの依頼情報および部品のフローを示す説明図である。
【図6】作業現場側の現品票の一例を示す説明図である。
【図7】部品倉庫側の現品票の一例を示す説明図である。
【図8】実績管理サーバの記憶部に記憶された部品実績収集データを示す説明図である。
【図9】部品消費実績結果の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0050】
10 実績管理サーバ(管理装置)
15 記憶部
151 部品管理データ
152 保管データ
153 金利データ
154 部品消費完了時データ
20 部品発注サーバ
30 資材端末
40 ネットワーク
50 部品補充依頼端末
51,61 ボックス
52 部品補充依頼端末本体
521,621 ICタグリーダライタ部
522,622 シート書換え部
523,623 通信部
524,624 制御部
53 投入口
54,64 排出口
55,65 トレー
60 部品補充受理端末
62 部品補充受理端末本体
66 現品票供給部
70 現品票
71 シート
72 ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の補充依頼情報を入力する入力装置と、前記補充依頼情報を収集し、前記補充依頼情報を管理する管理装置とを備える部品管理システムであって、
前記入力装置は、
前記部品の補充を依頼する際に該部品を特定する情報が書き込まれたICタグを投入する投入口を有するボックスと、
前記ボックスに付設され、前記ICタグを読取り、その読取った情報を前記管理装置へ送信するボックス制御部とを有し、
前記管理装置は、記憶部と処理部とを有し、
前記処理部は、
前記入力装置から送信される情報に含まれる通信開始日時情報、または、該情報を受信した日時情報を、部品補充の依頼日時情報として前記記憶部に登録する
ことを特徴とする部品管理システム。
【請求項2】
前記処理部は、部品着荷時に前記記憶部に登録された部品着荷日時情報と、前記依頼日時情報との差分から、部品の消費時間を演算する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項3】
前記処理部は、部品着荷時に前記記憶部に登録された部品着荷日時情報と、現在の日時情報との差分から、部品の消費時間を演算する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項4】
前記処理部は、前記部品の消費時間に基づいて、該部品が消費されるまでに係わる部品保管費用および部品の購入に係わる購入金額の金利費用の少なくともいずれかを算出する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の部品管理システム。
【請求項5】
前記処理部は、前記部品保管費用および前記金利費用の少なくともいずれかを含む費用を、該部品の購入金額に加算して、部品の消費完了のときの消費完了時購入金額として算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の部品管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、表示部を有し、
前記処理部は、前記消費完了時購入金額が所定の金額を超えたとき、および、前記消費完了時購入金額と前記購入金額との比率が、所定の比率を超えたときの少なくともいずれかのときに、前記表示部に告知する
ことを特徴とする請求項5に記載の部品管理システム。
【請求項7】
部品の補充依頼情報を入力する入力装置と、前記補充依頼情報を収集し、前記補充依頼情報を管理する管理装置とを備える部品管理システムの部品管理方法であって、
前記入力装置は、前記部品の補充を依頼する際に該部品を特定する情報が書き込まれたICタグが添付されたシートを投入する投入口を有するボックスと、前記ボックスに投入された前記ICタグを読取り、その読取った情報を前記管理装置へ送信するボックス制御部とを備え、前記管理装置は、記憶部と処理部とを備え、
前記処理部は、前記入力装置から送信される情報に含まれる通信開始日時情報、または、該情報を受信した日時情報を、部品補充の依頼日時情報として前記記憶部に登録し、部品入荷時に前記記憶部に登録された部品着荷日時情報と、前記依頼日時情報、または、現在の日時情報との差分から、部品の消費時間を演算する
ことを特徴とする部品管理方法。
【請求項8】
部品の補充依頼情報を入力する入力装置と、前記補充依頼情報を収集し、前記補充依頼情報を管理する管理装置とを備える部品管理システムの部品管理方法であって、
前記入力装置は、前記部品の補充を依頼する際に該部品を特定する情報が書き込まれたICタグが添付されたシートを投入する投入口を有するボックスと、前記ボックスに投入された前記ICタグを読取り、その読取った情報を前記管理装置へ送信するボックス制御部とを備え、前記管理装置は、記憶部と処理部とを備え、
前記処理部は、前記入力装置から送信される情報に含まれる通信開始日時情報を前記記憶部に登録し、部品入荷時に前記記憶部に登録された部品着荷日時情報と、前記通信開始日時情報、または、現在の日時情報との差分から、部品の消費時間を演算する
ことを特徴とする部品管理方法。
【請求項9】
部品の補充依頼情報を入力する入力装置と、前記補充依頼情報を収集し、前記補充依頼情報を管理する管理装置とを備える部品管理システムであって、
前記入力装置は、
前記部品の補充を依頼する際に該部品を特定する情報が書き込まれたICタグを投入する投入口を有するボックスと、
前記ボックスに付設され、前記ICタグを読取り、その読取った情報を前記管理装置へ送信するボックス制御部とを有し、
前記管理装置は、記憶部と処理部とを有し、
前記処理部は、
前記入力装置から送信される情報に含まれる通信開始日時情報を前記記憶部に登録し、部品入荷時に前記記憶部に登録された部品着荷日時情報と、前記通信開始日時情報、または、現在の日時情報との差分から、部品の消費時間を演算する
ことを特徴とする部品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−186362(P2008−186362A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21238(P2007−21238)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】