説明

酢酸クロルヘキシジン消毒洗浄剤

消毒洗浄剤は、概ね、酢酸クロルヘキシジン、アルコール、および/または水のような溶媒を含む。酢酸クロルヘキシジンは、極めて有効な殺生物剤として作用する。加えて、酢酸クロルヘキシジンは、洗浄剤を粘着性のある残留物を残すことなく乾燥させる。洗浄剤が1個以上のアルコールを含む場合、そのアルコールは、エタノールおよびイソプロパノールのような1から6個の炭素原子を有する低級アルコールを含む、任意の適切なアルコールからなることができる。酢酸クロルヘキシジンに加えて、洗浄剤は、随意に、トリクロサンのような他の非アルコール性の殺生物剤を含む。洗浄剤は、任意の適切な方式で使用可能とされる。例えば、洗浄剤は、小さなペーパタオル、綿棒、またはガーゼのような吸収材中に染み込ませ得る。加えて、その吸収材は、ポリプロピレンまたはポリエステルのような陽電荷を帯びた、または、非イオン系の物質からなり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、消毒洗浄剤に関する。詳細には、本開示は、酢酸クロルヘキシジンを含む消毒洗浄剤について述べる。さらに、本開示は、クロルヘキシジン消毒洗浄剤に付随する方法および器具について述べる。
【背景技術】
【0002】
医療およびヘルスケアの分野で、患者の皮膚は、種々の理由のため種々の方式で穿刺される可能性がある。一例で、患者の皮膚は、外科的理由のためメスなどの鋭利な物体で切開される。他の例において、カニューレまたは静脈内(「IV」)カテーテルが、患者の皮膚を通って、患者の脈管構造などの内部空間中に押し込まれる。この例で、カニューレまたはIVカテーテルは、患者内に流体(例えば、生理食塩水、薬物、および/または完全静脈栄養)を注入するために、患者から体液(例えば、血液)を抜き取るために、および/または患者の脈管系の種々のパラメーターを監視するために使用することができる。
【0003】
しかし、患者の皮膚が穿刺されるとき、患者における感染の可能性が増大する。実際、米国だけで、毎年、数十万人の患者が、IVカテーテルまたは皮下注射針などの他のIV進入デバイスを介してもしくはそれらのために患者にうつされた病原体によって引き起こされるいくつかの形態の血流感染症を発症すると予測されている。これらのカテーテル関連血流感染症を引き起こす細菌性病原体の多くは、普通の皮膚生着菌、すなわち、患者の皮膚上に存在する菌叢であり、カテーテル挿入部位を通って患者の身体に進入すると考えられることが多い。
【0004】
しばしば、これらのカテーテル関連血流感染症は、患者の病気を、そして一部の症例では死をもたらす。さらに、いくつかの感染症は、抗生物質に対して耐性のある菌株(例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(「MRSA」)およびバンコマイシン耐性腸球菌(Enterococci(「VRE」))によって引き起こされるので、このような感染症は、治療するのが困難である場合があり、いっそう蔓延する可能性がある。加えて、血流感染症を有する患者は、付加的な医学的治療を必要とする可能性があるので、カテーテル関連血流感染症は、また、医療コストの増大を伴う可能性がある。
【0005】
病院、外来患者、在宅看護、およびその他の医療の場における血流感染症(すなわち、カテーテル関連感染症)を限定する試みにおいて、多くは、衛生技術を実施してきた。例えば、多くの医療サービスを提供する者は、手袋を着用すること、手を洗浄すること、カテーテルまたはその他の鋭利な医療デバイスを皮膚に穿刺する前に患者の皮膚上の挿入部位を洗浄すること、穿刺後にカテーテル部位を洗浄すること、および滅菌医療器具を使用することを大いに強調してきた。
【0006】
医療の場において手、皮膚、医療器具、およびその他の表面は、種々の方法で洗浄されるが、1種または複数の抗微生物剤を含む洗浄剤が、このような表面を洗浄するのに使用されることが多い。しかし、このような洗浄剤には、やはり欠点がある。例えば、多くの洗浄剤は、いくつかの一般的な部類の微生物に対して無効である。例えば、前述のように、MRSAおよびVREなどのいくつかの病原体は、特定の抗微生物剤に対して耐性を発現してしまった。
【0007】
その他の例で、特定の洗浄剤が乾燥するとき、該洗浄剤は、洗浄剤を塗布した表面上に粘着性残留物を残す。したがって、このような洗浄剤は、いくつかの難題を引き起こす可能性がある。例えば、グルコン酸クロルヘキシジンを含有するような一部の洗浄剤は、乾燥して粘着性残留物を残す。したがって、このような洗浄剤は、包帯、創傷閉鎖テープ、および絆創膏の接着に有害な影響を与えることがある。他の例で、このような洗浄剤の粘着性残留物は、患者の皮膚にとって不快である可能性がある。さらに他の例で、このような洗浄剤の粘着性残留物は、病原体、ほこり、繊維、およびその他の残骸を捕捉し、保持することがある。さらに他の例で、粘着性残留物は、該洗浄剤を用いて洗浄されるデバイスに有害な影響を与えることがある。例えば、粘着性残留物を残す洗浄剤を、別の表面を横切って移動するように構成された表面(例えば、ハサミの刃、カテーテルのバルブ表面、カテーテルのコネクター、およびその他の多くの医療デバイスについての場合のように)を洗浄するのに使用する場合、該洗浄剤の粘着性残留物は、別の表面を横切る一方の表面の移動に有害な影響を与える可能性がある。例えば、カテーテルのコネクターを、乾燥して粘着性残留物を残す洗浄剤を用いて洗浄した場合、コネクターを片方のコネクターにねじ込むことが困難であることを見出すであろう。さらに、乾燥して粘着性残留物を残す洗浄剤に付随する問題は、該洗浄剤を、同一場所で複数回使用し、その結果、粘着性残留物の蓄積をもたらす場合に、より悪化する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、酢酸クロルヘキシジンを含む消毒洗浄剤について述べる。一般に、この酢酸クロルヘキシジン消毒洗浄剤は、広い範囲の病原体に対して有効であり、かつそれが乾燥しても粘着性残留物を残さない。
【0009】
本出願は、消毒洗浄剤に関する。洗浄剤は、任意の適切な成分を含むことができるが、典型的には、酢酸クロルヘキシジン、および酢酸クロルヘキシジンを溶解可能な溶媒を含む。一般に、洗浄剤は、病原体の増殖を止める、または予防、妨害するのに有効である。加えて、グルコン酸クロルヘキシジンを含む特定の洗浄剤のように粘着性残留物を残さずに、説明される洗浄剤は、酢酸クロルヘキシジンの非粘着性塩の残留物を残す。
【0010】
洗浄剤は、任意の適切な量の酢酸クロルヘキシジンを含むことができる。いくつかの例において、酢酸クロルヘキシジンは、洗浄剤の合計重量の概して約0.01%から約10%までを占める。他の例で、酢酸クロルヘキシジンは、洗浄剤総重量の約0.1%から約5%までを構成する。さらに他の例で、酢酸クロルヘキシジンは、洗浄剤の約0.5重量%から約2重量%までを占める。
【0011】
溶媒は、酢酸クロルヘキシジンを溶解するのに適しており、かつ、ヒトの皮膚または医療デバイス上で使用するのに適している任意の流体を含むことができる。このような溶媒のいくつかの例は、アルコール、水、ポリプロピレングリコール、ポリオールグリコール、ポロキサマー、グリセリン、およびこれらの組合せを含むことができる。しかし、いくつかの現在のところ好ましい実施形態において、溶媒は、容易に蒸発し、かつ蒸発によって粘着性残留物を残さないアルコールまたは水などの流体を含む。
【0012】
溶媒がアルコールを含む場合、溶媒は、1〜6個の炭素を含む低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)を含めて、任意の適切なアルコールを含むことができる。加えて、溶媒は、任意の数のアルコールを含むことができる、実際、いくつかの好ましい実施例において、溶媒は、イソプロパノール、またはイソプロパノールとエタノールの双方を含む。
【0013】
洗浄剤は、任意の適切な量のアルコールを含むことができる。実際、いくつかの例で、洗浄剤は、少なくとも40重量%のアルコールを含む。他の例で、洗浄剤は、約40重量%から約99重量%まで(例えば、約95%±4.5%)のアルコールを含む。さらに他の例で、洗浄剤は、洗浄剤の総重量の約60%から約80%まで(例えば、約70%±5%)を構成する。
【0014】
アルコールに加えてまたはアルコールの代わりに、洗浄剤は、水を含むこともできる。水は、洗浄剤に任意の適切な方式で供給することができる。例えば、水は、洗浄剤に水溶液の形態で、または精製水として添加することができる。加えて、洗浄剤は、任意の適切な量の水を含むことができる。いくつかの実施形態で、水は、洗浄剤の約1重量%から約99重量%までを占める(例えば、約98%の水)。他の実施形態において、水は、洗浄剤の約20重量%から約40重量%までを占める。さらに他の実施例において、水は、洗浄剤の約25重量%から約30重量%までを占める。
【0015】
いくつかの例で、酢酸クロルヘキシジンに加えて、洗浄剤は、第2の殺生物剤を含む。第2の殺生物剤は、アルコール以外に、表面上の病原体を低減可能であり、かつ、洗浄剤が意図したように機能することを可能にする任意の化学物質を含むことができる。このような第2の殺生物剤の一例は、トリクロサンを含む。
【0016】
洗浄剤が第2の殺生物剤を含む場合、洗浄剤は、任意の適切な量の第2の殺生物剤を含むことができる。実際、いくつかの実施形態において、第2の殺生物剤(例えば、トリクロサン)は、洗浄剤の約0.01重量%から約10重量%までを占める。他の実施形態において、第2の殺生物剤は、洗浄剤の合計重量の約0.1%から約5%までを構成する。さらに他の実施形態において、第2の殺生物剤は、洗浄剤の約0.5%から約2%までを構成する。
【0017】
前述の成分に加えて、洗浄剤は、殺生物剤が、粘着性残留物を残すことなく乾燥するその能力を維持しながら、表面を消毒することを可能にする任意のその他の成分を含むことができる。一例として、洗浄剤は、1種または複数の既知または新規の粘着防止剤(detackifying agent)、増粘剤、中和剤、pH調整剤、金属塩、染料、香料、および/またはその他の適切な化学物質を含むことができる。
【0018】
洗浄剤は、任意の適切な方式で使用することができる。例えば、洗浄剤は、洗浄剤を分配可能な容器に、および/または、その中に配置することができる。適切な容器のいくつかの例は、吸収材、噴霧瓶、およびエーロゾル缶を含む。さらに、適切な吸収材のいくつかの例は、小型タオル(towelette)、綿棒、ガーゼ、織物、繊維の詰め物もしくは網、および/または物質が表面に接触した場合に洗浄剤を吸収する、かつ、洗浄剤の一部を分配可能な任意のその他の適切な物質を含む。
【0019】
洗浄剤を、吸収材内、および/または、表面に配置する場合、材料は、限定はされないが、セルロース(例えば、綿、紙など)、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、フォーム、シリコーンなどの形態を含めて、任意の適切な物質を含むことができる。しかし、カチオン性である可能性のある酢酸クロルヘキシジンは、陰に帯電される物質(例えば、綿、紙など)に結合し、それによって活性な貯蔵寿命、および吸収材から放出される酢酸クロルヘキシジンの量を低下させることがある。したがって、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、吸収材は、カチオン性および/または非イオン性物質を含む。例えば、吸収材は、実質的に、ポリエステル、ポリプロピレン、カチオン性界面活性剤で被覆された綿、シリコーン、および/または、他の類似の材料を含むことができる。
【0020】
本発明の上に挙げたおよびその他の特徴および利点が得られる方法が、容易に理解されるように、前に簡単に説明した本発明のより詳細な説明が、添付の図面中に描かれたその具体的実施例を参照することによって与えられる。これらの図が、単に本発明の典型的な実施例を描写し、したがって、その範囲を限定していると見なすべきでないことを理解した上で、本発明は、さらなる特異性および添付図面の使用による詳説を伴って記載され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】酢酸クロルヘキシジン洗浄剤の代表的な製造方法を例示する流れ図である。
【図2】酢酸クロルヘキシジン洗浄剤を含む湿った小型タオルの代表的実施例を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の徹底的な理解をもたらすために、以下の説明は、具体的詳細について論じる。しかし、当業者は、本発明が、これらの具体的詳細を用いないで実施可能であることを理解するであろう。実際、本発明は、任意の適切な方法で変更可能とされ、その業界で通常的に使用される任意の適切な化学物質、装置、および技術と共に使用可能とされる。したがって、本発明の実施例に関する以下のより詳細な説明は、範囲を限定することを意図するものではなく、いくつかの現在のところ好ましい実施例を単に代表するものである。加えて、以下の説明は、医療の場において本発明を使用することに的を絞っているが、洗浄剤は、任意の適切な場で使用されてもよい。
【0023】
概ね、本出願は、広い範囲の病原体の増殖を止め、予防するのに有効である消毒洗浄剤について述べる。本明細書中で使用する場合、用語「病原体(pathogen)および複数の病原体(pathogens)」は、任意の潜在的に感染性の微生物、細菌(例えば、波状細菌、グラム陰性細菌、グラム陽性細菌、好気性細菌、嫌気性細菌、マイコバクテリア、スピロヘータ(spriochetes)、表在性ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escerchia coli)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、大便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、クレブシエラ(Klebsiella)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)など)、真菌(例えば、菌類胞子、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、リゾプス・ニグリカンス(Rhizopus nigricans)、クラドスポリウム・ヘルバリウム(Cladosporium herbarium)、エピデルモフィトン・フロッコースム(Epidermophyton Floccosum)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ヒストプラズマ・カプスラツム(Histoplasma capsulatum)など)、酵母(例えば、サッカロミセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)など)、ウイルス、および/または、その他の潜在的に危険な微生物を含み得る。加えて、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、説明される消毒洗浄剤は、好ましくは、粘着性残留物を残すことなく乾燥する。本明細書中で使用する場合、用語「粘着性残留物(tacky residue)」は、ガム状、粘着性、接着性、および/または、膠状の堆積物を意味する。
【0024】
消毒洗浄剤は、それが広い範囲の病原体を死滅させ、粘着性残留物を残すことなく乾燥することを可能にし、かつヒトの皮膚における使用、および/または、医療装置における使用に適している任意の適切な成分を含み得る。しかし、いつかの実施例において、洗浄剤は、第1の殺生物剤、および第1の殺生物剤を溶解可能な1種類以上の溶媒を含む。洗浄剤のよりよい理解をもたらすために、第1の殺生物剤および溶媒を以下でより詳細に説明する。
【0025】
第1の殺生物剤は、アルコール以外に、ヒトの皮膚上で使用するのに適し、粘着性残留物を残すことなく乾燥し、かつ潜在的に感染性の病原体の蔓延を止め、かつ/または抑制/予防する、任意の化学物質を含むことができる。いくつかの実施例において、第1の殺生物剤は、クロルヘキシジン二酢酸塩、即ち、C2638Cl2104とも呼ばれることのある酢酸クロルヘキシジンのようなクロルヘキシジンの塩を含む。
【0026】
酢酸クロルヘキシジンは、それを有効な殺生物剤であることを可能にするいくつかの特徴を有することができる。一例において、酢酸クロルヘキシジンは、医療の場にとって通常的である広範な種類の病原体の増殖を止め、かつ抑制するのに有効である。その他の例において、洗浄剤における酢酸クロルヘキシジンが乾燥する場合、酢酸クロルヘキシジンは、それを塗布した表面上に非粘着性の堆積物(例えば、塩)を形成する。この粉末状残留物は、ある期間、表面上に留まり、それによって表面に残留性の殺生物効果をもたらし得る。
【0027】
洗浄剤は、洗浄剤がヒトの皮膚上で使用するのに安全でありながら、病原体の繁殖を効果的に止め、または予防することを可能にする任意の適切な濃度の酢酸クロルヘキシジンを含むことができる。いくつかの実施例において、酢酸クロルヘキシジンは、洗浄剤の合計重量の約0.01%から約10%まで(すなわち、約5%と約10%との間)を構成する。その他の実施例において、酢酸クロルヘキシジンは、洗浄剤の約0.1重量%から約5重量%までを構成する。さらなる他の実施例において、酢酸クロルヘキシジンは、洗浄剤の約0.5重量%から約2重量%までを構成する。
【0028】
洗浄剤における酢酸クロルヘキシジンのいくつかの適切な濃度の例示として、表1(下記)は、洗浄剤の12種の代表的製剤の処方を含み、各製剤中の酢酸クロルヘキシジン濃度を示す。
【0029】
【表1】

【0030】
例えば、表1は、製剤1および2において、酢酸クロルヘキシジンが、洗浄剤の合計重量の約1%を構成することを示す。同様に、表1は、製剤3、4、11および12において、酢酸クロルヘキシジンが、洗浄剤の合計重量の約2%を構成することを示す。表1は、さらに、製剤5および6において、酢酸クロルヘキシジンが、洗浄剤の約3重量%を構成することを示す。最後に、表1は、製剤7、8、9および10において、酢酸クロルヘキシジンが、洗浄剤の合計重量の約4%を構成することを示す。
【0031】
上述したように、洗浄剤は、また、溶媒も含む。その溶媒は、酢酸クロルヘキシジンを溶解可能であり、かつ皮膚における使用に適している実質的に任意の流体を含むことができる。そのような溶媒のいくつかの例は、アルコール、水、グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオールグリコール、ポロキサマー、グリセリン、およびこれらの組合せを含むことができる。それにもかかわらず、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、溶媒は、室温、1気圧で容易に蒸発する(例えば、比較的高い蒸気圧を有する)液体からなる。加えて、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、溶媒は、粘着性残留物を残すように乾燥しない。このような溶媒の例は、アルコール、および/または、水を含み得る。
【0032】
実際、いくつかの実施例において、溶媒は、1種以上のアルコールを含む。溶媒として作用することに加え、アルコール、または、複数のアルコールは、いくつかのその他の有利な特徴を有することができる。例えば、アルコールは、それが接触する病原体の少なくとも一部を死なせる殺生物剤として作用することによって洗浄剤の有効性をさらに増大させることができる。その他の例では、アルコールは、粘着性残留物を残すことなく比較的急速に蒸発する。
【0033】
溶媒は、酢酸クロルヘキシジンを溶解可能であり、かつ、皮膚の用途に適している任意のアルコールを含むことができるが、いくつかの実施例において、アルコールは、1から6個の炭素原子を有する低級アルコールを含む。このようなアルコールのいくつかの例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、等々が含まれる。しかし、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、アルコールは、イソプロパノールおよびエタノールから選択される。
【0034】
いくつかの実施例において、溶媒は、1種を超える部類のアルコールを含む。そのような実施例において、洗浄剤は、任意の適切な数のアルコール、例えば、2、3、4種またはそれより多いアルコールを含むことができる。加えて、溶媒は、アルコールの任意の適切な組合せを含むことができる。一例で、溶媒は、イソプロパノール、ブタノール、およびエタノールを含む。その他の例において、溶媒は、イソプロパノールおよびエタノールを含む。
【0035】
溶媒が、1種を超えるアルコールを含む場合、種々のアルコールが、洗浄剤中にお互いに対し任意の適切な比率で存在することができる。例えば、いくつかの実施例において、洗浄剤が、2種のアルコール(例えば、イソプロパノールおよびエタノール)を含む場合、第1のアルコール(例えば、イソプロパノール)の第2のアルコール(例えば、エタノール)に対する比率は、約1:10から約1:1までである。その他の実施例において、第1のアルコール(例えば、イソプロパノール)の第2のアルコール(例えば、エタノール)に対する比率は、約1:3から約1:1までである。さらなる他の実施例において、第1のアルコール(例えば、イソプロパノール)の第2のアルコール(例えば、エタノール)に対する比率は、約1:1.4±0.2である。例として、表1(上記)中の処方12は、イソプロパノールのエタノールに対する比率が約1:1.33である製剤を例示する。
【0036】
洗浄剤中の溶媒が、少なくとも1種のアルコールを含む場合、洗浄剤は、任意の適切な量のアルコールを含むことができる。一例において、1種以上のアルコールは、洗浄剤の合計重量の少なくとも40%を構成する。他の例においては、アルコールは、洗浄剤の約40重量%から約99重量%までを構成する。さらに他の例において、アルコールは、洗浄剤の約9%超から約99%までを構成する。さらに他の例において、アルコールは、洗浄剤の約60重量%から約80重量%までを構成する。実際、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、1種または複数のアルコール(例えば、エタノールおよびイソプロパノール)は、洗浄剤の総重量の約70%±5%を占める。
【0037】
上述したように、いくつかの実施例において、その溶媒は、水を含む。そのような実施例において、水は、洗浄剤に対して、希薄アルコールまたは水を含有するその他の溶液などの任意の適切な水溶液でもたらされてもよい。それにもかかわらず、いくつかの実施例において、水は、米国薬局方(「USP」)水、または脱イオン水のような精製水を含む。
【0038】
洗浄剤が水を含む場合、洗浄剤は、任意の適量の水を含むことができる。実際、いくつかの実施例において、酢酸クロルヘキシジン、アルコール、および/または、任意のその他の適切な成分に加えて、洗浄剤の残部は、水からなる。一例において、洗浄剤は、約1%から約99%までの水を含む。例えば、水は、洗浄剤の90%超を占めることができる。例示として、表1(上記)中の代表的処方11は、約98%の水を含む。しかし、その他の例において、洗浄剤の総重量の約20%から約40%までが水からなる。さらにその他の例において、洗浄剤は、約25重量%から約30重量%までの水を含む。例えば、表1は、製剤1から10、および製剤12において、水は、洗浄剤全体の合計重量の約26%と約29%との間を占める。
【0039】
いくつかの実施例において、洗浄剤は、任意選択で、少なくとも1種のその他の非アルコール性殺生物剤(「第2の殺生物剤」)を含む。そのような実施例において、第2の殺生物剤は、洗浄剤が表面を衛生的にし、粘着性残留物を残すことなく乾燥することを可能にしながら、病原体の増殖を消滅、減少させ、またはそうでなければ妨害し、ヒトの皮膚における使用に適している任意の適切な化学物質または複数の化学物質を含むことができる。適切な第2の殺生物剤のいくつかの例は、トリクロサン(5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール))、銀および/または、銅イオン、および、ナノ粒子(例えば、Tinosan、クエン酸二水素銀)、銀スルファジアジン、イミダゾール、トリアゾール、アリルアミン、フェノール、ヘキサクロロフェン、抗生物質、スルホンアミドなどを含む。しかし、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、第2の抗微生物剤はトリクロサンからなる。
【0040】
洗浄剤が、第2の殺生物剤を含む場合、その洗浄剤は、任意の適切な比率の第2の殺生物剤を含むことができる。一例において、第2の殺生物剤(例えば、トリクロサン)は、洗浄剤の合計重量の約0.01%から約10%までを構成する。その他の例において、第2の殺生物剤は、洗浄剤の約0.1重量%から約5重量%までを構成する。さらに他の例において、第2の殺生物剤は、洗浄剤の約0.5重量%から約2重量%までを構成する。
【0041】
上述の成分に加えて、洗浄剤は、任意の適切な成分を、洗浄剤が表面を衛生的にすること、皮膚での使用に適すること、および粘着性残留物を残すことなく乾燥することを可能にする任意の適切な濃度で含むことができる。このような任意選択の成分のいくつかの例は、1種以上の既知または新規な粘着防止剤、増粘剤、中和剤、pH調整剤、金属塩、染料、香料、および/またはその他の適切な化学物質を含むことができる。
【0042】
また、洗浄剤は、任意の適切な特徴を有するように改質可能とされる。例えば、いくつかの現在のところ好ましい実施例において、洗浄剤は、液体を含むが、他の実施例においては、洗浄剤は、ゲル、クリーム、フォーム、または所望の粘稠度/粘度を有する別の流動物であるように改質可能とされる。
【0043】
洗浄剤は、また、任意の適切な方法で製造され得る。例えば、図1は、洗浄剤の製造方法における代表的な実施例を示す。具体的には、図1におけるステップ102において、方法100が溶媒を準備することによって始まることを示す。例えば、方法100は、イソプロパノールおよび/またはエタノールなどのアルコールを準備すること、およびアルコールを水(もし含めるなら)と混合することによって始めることができる。いくつかの実施例では、エタノールおよびイソプロパノールの双方が使用可能とされる。いくつかの実施例において、エタノールのイソプロパノールに対する比率は、約1:100から約100:1までの範囲にあることができる。図1におけるステップ104において、方法100が、さらなる成分(例えば、酢酸クロルヘキシジン、トリクロサン、pH調節剤など)を溶媒(例えば、水性アルコール溶液)に任意の適切な順序で添加することによって継続することを示す。次に、図1におけるステップ106において、可溶性成分(例えば、酢酸クロルヘキシジン)が洗浄剤内で溶解するまで洗浄剤がさらに混合されることを示す。
【0044】
洗浄剤は、任意の適切な方法で使用され得る。例えば、洗浄剤が、容器の表面、および/または、容器内に配され、その洗浄剤が、分配され、またはそうでなければ物体を洗浄するのに使用される。そのような例では、洗浄剤は、洗浄剤が意図したように作用することを可能にしながら、その容器を洗浄剤とともに使用することを可能にする任意の構成要素または特徴を有する任意の適切な容器の表面に配され、および/または、容器内に配されてもよい。適切な容器のいくつかの例は、吸収材(例えば、小型タオル、ガーゼ、綿、綿棒、スポンジ、フィーディングフルイドリザーバアプリケーター(feeding−fluid reservoir applicator)を有するスポンジ、織物、繊維の柔らかい塊など)、噴霧瓶、エーロゾルディスペンサー、または任意のその他の適切な容器などを含み得る。例として、図2は、吸収材、すなわち、洗浄剤(図示せず)で湿らせた小さなタオル10である、代表的な実施例を示す。この例において、吸収材は、任意の適切な特徴を有し得る。例えば、図2は、小さなタオル10が、包装12(例えば、フォイルおよび紙の包装)中に個々に包装され得ることを示す。
【0045】
洗浄剤が吸収材の表面、および/または、吸収材内に配置される場合、その物質は、洗浄剤を吸収し、その吸収材が表面に接触した(例えば、ぬぐう)場合、薬剤の一部を放出可能な、かつヒトの皮膚における使用に適している任意の適切な物質を含むことができる。適切な物質のいくつかの例は、綿、紙、セルロース、羊毛、ポリエステル、ポリプロピレン、織物、または洗浄剤を表面に塗布可能な吸収物体を形成可能な他の物質を含み得る。
【0046】
しかし、綿、紙、セルロース、およびその他の類似の材料は陰電荷を有することができるので洗浄剤中のカチオン性酢酸クロルヘキシジンの貯蔵寿命はこのような材料によって短縮される可能性がある。加えて、カチオン性酢酸クロルヘキシジンは、このような陰帯電される材料に結合し、かつ吸収材が表面に接触した場合に表面上に放出される酢酸クロルヘキシジンの量を低減する可能性がある。したがって、いくつかの好ましい実施例によれば、吸収材(例えば、小型タオル10)は、陽電荷を有する、または電荷をまったく有さない物質を含む。吸収材は、任意の適切なカチオン性または非カチオン性物質を含むことができるが、このような物質のいくつかの例は、ポリエステル、ポリプロピレン、カチオン性界面活性剤で被覆された綿、シリコーン、および/または別の類似材料を含む。
【0047】
吸収材が、陽電荷を有する、または電荷をまったく有さない1種または複数の物質(例えば、ポリエステルおよび/またはポリプロピレン)を含む場合、該吸収材は、任意の適切な量のこのような物質を含むことができる。例えば、いくつかの実施例において、吸収材の約1%〜約100%は、陽電荷を有する、または電荷を有さない物質を含む。他の実施例において、吸収材の約50%超が、陽電荷または陰電荷のどちらかを有する物質を含む。さらに他の実施例において、吸収材の約70%超が、陽電荷または陰電荷のどちらかを有する物質を含む。しかし、さらに他の実施例において、吸収材の約100%が、陽電荷を有する、または電荷をまったく有さない物質を含む。
【0048】
電荷を有さないまたは陽電荷を有する吸収材は、カチオン性酢酸クロルヘキシジンにイオン的に結合できないので、このような吸収材の使用は、酢酸クロルヘキシジンの貯蔵寿命を拡大することができる。加えて、カチオン性または非イオン性物質は酢酸クロルヘキシジンに結合できないので、このような物質を含む吸収材は、陰電荷を有する物質(例えば、綿)を実質的に含む同等の吸収材に比べて、洗浄剤中の酢酸クロルヘキシジンのより多くを放出することができる。したがって、陽電荷を有する、または電荷をまったく有さない材料を実質的に含む吸収材は、陰電荷を有する同等の吸収材に比べて、より効果的に消毒することができる。
【0049】
洗浄剤は、実質上、任意の表面を洗浄するのに使用することができる。一例で、洗浄剤は、皮膚を洗浄するのに(例えば、手を衛生的にするのに、皮膚を穿刺する前に患者の皮膚の一部を洗浄するのに、患者の皮膚を穿刺した後にその部分を洗浄およびケアするのに、など)使用される。他の例で、洗浄剤は、医療器具、床、椅子、ドアハンドル、テーブル、コンピューターのキーボード、コンピューターのマウスなどの非生命体を衛生的にするのに使用される。
【0050】
洗浄剤は、表面を任意の適切な方式で衛生的にするのに使用することができる。例えば、医療器具(例えば、カテーテル、シリンジ、メス、または医療の場で使用される他の物体)などの物体を、洗浄剤で覆うことができる。この例で、洗浄剤は、ぬぐうこと(例えば、吸収材を介して)、噴霧すること、浸漬すること、霧を吹きかけること、沈めること、またはそうでなければ物体に洗浄剤を塗布することを含めて、任意の適切な方式によって、物体に適用することができる。加えて、この例で、物体を洗浄剤で覆う場合、洗浄剤は、それが乾燥すると、酢酸クロルヘキシジンの層を残すことができる。前述のように、酢酸クロルヘキシジンのこのような層は、物体上にしばらく残留し、それによって細菌の増殖を予防し、かつ覆われた物体表面に生着する細菌およびその他の病原体の量を低減するように作用することができる。
【実施例】
【0051】
洗浄剤は、血流感染症を通常的に引き起こす多くの病原体の繁殖を止める、または予防する際に極めて有効であることが証明された。例として、下記に示す表2は、12種の病原体(列1および列2にそれぞれ番号付けられ、名称を記載されたような)を洗浄剤で処理した実験結果を例示する。ここで、洗浄剤には、ほぼ2%の酢酸クロルヘキシジンおよび約70%のイソプロピルアルコールを含有していた。
【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
この実験において、各病原体のコロニーの初期集団サイズは、列3に示したように計算された。列4は、各コロニーが洗浄剤で15秒間、30秒間、1分間、および5分間処理されたことを示す。各暴露期間後の時点で、各コロニーの集団およびLog10低下は、それぞれ列5および列6に示すように計算された。最後に、列7は、各コロニー集団におけるパーセント低下を計算して示す。
【0056】
列7は、15秒、30秒、1分および5分後に、洗浄剤が、カンジダ・アルビカンス(試験番号1)、エンテロバクター・クロアカエ(試験番号2)、エンテロコッカス・フェカリス(試験番号3)、多剤耐性(「MDR」)エンテロコッカス・フェカリス/VREエンテロコッカス・フェカリス(試験番号4)、大腸菌(試験番号5)、クレブシエラ・ニューモニエ(試験番号6)、プロテウス・ハウセリ(試験番号7)、シュードモナス・エルギノーサ(試験番号8)、セラチア・マスカレンス(試験番号8)、黄色ブドウ球菌(試験番号10)、MRSA黄色ブドウ球菌(試験番号11)のコロニーの集団サイズを約99.999%まで縮小したことを示す。同様に、列7は、洗浄剤が、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(「黄色ブドウ球菌VRSA」)(試験番号12)および表在性ブドウ球菌(試験番号13)の集団サイズを約1分の暴露時間内で約99.9998%以上まで縮小したことを示す。
【0057】
説明される洗浄剤は、いくつかの有益で有利な特徴を所持し得る。一例において、乾燥して粘着性残留物を形成するグルコン酸クロルヘキシジンを含むある従来技術の洗浄剤と異なり、説明される洗浄剤中の酢酸クロルヘキシジンは、乾燥しても粘着性残留物を残さない。したがって、他の表面にこすり付けるように構成され、かつ、説明される洗浄剤で洗浄される表面を有するデバイス(例えば、ハサミの刃、カテーテルのコネクター、カテーテルのバルブなど)は、関節面相互間でより小さい摩擦を受け、グルコン酸クロルヘキシジンを含有する特定の洗浄剤で洗浄される同等の装置に比べてより不良の少ない装置となり得る。例えば、説明される洗浄剤で洗浄されるルアーロックコネクターのようなカテーテルのコネクターは、コネクターが説明された洗浄剤で洗浄された場合、コネクターが、コネクターの接合面に粘着性残留物を残す洗浄剤により洗浄される場合に比べて、対応するコネクターをより容易にはめ合わせることができる。さらに、洗浄剤は、粘着性残留物を残さないので、表面上で複数回使用した場合、厚い粘着性の蓄積物を形成する傾向がない。したがって、説明される洗浄剤は、互いにこすり付ける表面を有するカテーテルアダプターなどの器具における反復使用について、或る従来技術の洗浄剤に比べてより適している。
【0058】
他の例において、説明される洗浄剤は、粘着性残留物を残さないので、その洗浄剤は、人間が使用するうえでより快適となり得るものであり、ならびに、グルコン酸クロルヘキシジン、または残骸を捕獲する粘着性残留物を残す他の化学物質を含有する洗浄剤に比べて、より見て美しい。
【0059】
さらに他の例で、その洗浄剤は、乾燥し、表面上に非粘着性酢酸クロルヘキシジンの残留物を残すことができるので、その残留物が、このような処置なしで起こり得るよりも長期間、表面を清潔に保持することができる。したがって、洗浄剤を、医療器具を衛生的にするのに使用される場合、その洗浄剤は、医療器具関連の感染−特に、医療器具を長期間使用する場合、患者の危険性を低下させることができる。加えて、その洗浄剤は、医療器具が衛生的である期間を向上させることができるので、洗浄剤は、医療器具の耐用年数を向上させ、それによって、医療コストを低減するようにさらに作用し得る。
【0060】
本発明は、本明細書および請求の範囲に広く説明されるような、その構成、方法またはその他の本質的特徴から逸脱することなく、その他の特定の形態で具体化し得る。説明される実施例および一例は、すべて、あらゆる点で、単なる例示と見なすべきであり、限定と考えるべきではない。従って、本発明の範囲は、上述の説明ではなく、添付の請求の範囲であることを意味する。請求の範囲と均等の意味および範囲に包含されるすべての変更は、それらの範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒洗浄剤において、
酢酸クロルヘキシジンを含む第1の非アルコール性の殺生物剤であって、該酢酸クロルヘキシジンが、前記洗浄剤の約0.01重量%から約10重量%までを構成する第1の非アルコール性の殺生物剤と、
イソプロパノールおよびエタノールを含むアルコールであって、該イソプロパノールのエタノールに対する比率が、約1:100から約100:1までであるアルコールと、を含み、
前記消毒洗浄剤が乾燥した場合、該消毒洗浄剤が粘着性残留物を残さない消毒洗浄剤。
【請求項2】
イソプロパノールのエタノールに対する比率が、約1:3と約1:1との間にある請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルコールが、前記洗浄剤の約90重量%を超えて含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記洗浄剤が、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノールをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノールが、洗浄剤の約0.01重量%から約10重量%までを構成する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
消毒洗浄剤において、
酢酸クロルヘキシジンと、
酢酸クロルヘキシジンを溶解可能な溶媒と、
吸収材とを含み、
前記吸収材は、前記洗浄剤で含浸され、
前記洗浄剤は、該洗浄剤が乾燥した場合、粘着性残留物を残さない消毒洗浄剤。
【請求項7】
前記溶媒が、前記洗浄剤の90重量%を超えてを占めるアルコールを含む請求項6に記載の洗浄剤。
【請求項8】
前記溶媒が、洗浄剤の約90.1重量%を超えて構成する水を含む請求項6に記載の洗浄剤。
【請求項9】
前記洗浄剤の約0.01重量%から約10重量%までを構成する5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノールをさらに含む請求項6に記載の洗浄剤。
【請求項10】
前記溶媒が、イソプロパノールおよびエタノールを含み、前記イソプロパノールとエタノールとの比率が、約1:10から約1:1までである請求項6に記載の洗浄剤。
【請求項11】
前記吸収材が、カチオン性または非イオン性物質を含む請求項6に記載の洗浄剤。
【請求項12】
カチオン性または非イオン性物質が、ポリエステル、ポリプロピレン、カチオン性界面活性剤で被覆された綿、およびシリコーンから選択される請求項11に記載の洗浄剤。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−514641(P2012−514641A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545368(P2011−545368)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/069209
【国際公開番号】WO2010/080652
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】