説明

銅がドーピングされた磁性半導体

本発明は、半導体材料、材料の製造方法、材料の実装方法に関する。その材料は、Cu又はCuOがドーピングされて、−55℃〜125℃の範囲における少なくとも1つの温度において強磁性を示す。典型的には、その材料は、GaP又はGaNを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、その機能に強磁性を用いる電子部品に使用される材料に関する。これらの電子部品は、電子等のボソン及びフェルミオンのスピン配向に影響を与え、又はそれを調整するものである。希薄磁性半導体における室温を超えた温度での強磁性の研究は、特に、電子のスピン状態すなわちスピントロニクスを利用した潜在的に高価で新しい将来の装置を開発するために行われてきた。
【0002】
これらの装置の電子部品は、例えば、磁気メモリ(例えば、ハードディスク)、半導体磁気メモリ(例えば、MRAM)、スピンバルブトランジスタ、スピン発光ダイオード、不揮発性メモリ、ロジックデバイス、量子コンピュータ、オプティカルアイソレータ、センサ、及び超高速光学スイッチを含む。希薄磁性半導体は、また、電子的な製品、及び磁気的な製品において使用されることがある。
【背景技術】
【0003】
背景技術の説明
電子部品の技術では、新しい部品を設計して機能を満たすことを目的として強磁性の材料を使用することにますます注目が集まっている。従来の強磁性の材料は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの合金である。
【0004】
新しい科学的活動と、それらを実行するための新しい提案とは、しばしば、科学技術雑誌で報告されている。基本的な部品の設計に関して期待される材料の例のいくつかは、Physics World(1999年4月)及びIEEE Spectrum(2001年12月)の最近の記事で見つけることができる。これら文書では、いずれも、工業上の、自動車用の、及び軍事用の温度範囲(通常、−55℃から125℃)で動作する強磁性材料を設計する際における問題点及び必要性が述べられている。
【0005】
今日知られており注目されている材料の大部分は、極低温を必要とする。しかしながら、クラウスH.プルーグは、Physical Review Letters2001年7月号において、ガリウム砒素(GaAs)上に成長させた鉄の膜を使用して、半導性GaAsに注入された電子のスピンを分極することを述べている。この実験は、室温で実行された。
【0006】
また、2つの文書(参考文献6−7)において半導体が室温で強磁性を示すことが紹介されている。これにより、スピンバルブトランジスタ、スピン発光ダイオード、不揮発性メモリ、ロジックデバイス、オプティカルアイソレータ、及び超高速光学スイッチなどのようなスピントニック装置の研究は、興味深い領域に入ったといえる。
近年、次の5つの文書(参考文献1−5)で述べられるように、ドーピングされた希薄磁性半導体(DMS)において強磁性配列を示す材料に関して精力的な研究が行われている。その研究では、デバイスに対して潜在的に興味深く広範囲に応用できるようなスピン輸送特性に焦点を当てている。
【0007】
現在まで報告されている材料の中では、MnがドーピングされたGaAsが、最も高いキュリー温度Tc(110K)で強磁性を示すことがわかっている(参考文献1参照)。この次に、ディエトルらは、MnをドーピングすることでZnO及びGaNが室温を超えた温度で強磁性を示すことを、理論ベースで予測している(参考文献2参照)。この予測により、希薄磁性半導体にさまざまなドーピングを行う精力的な実験が開始された。最近、CoがドーピングされたTiO、ZnO、及びGaNのそれぞれにおいて、室温を超えたTcが報告された(参考文献3、8、9参照)。しかしながら、Ti1−xCoO試料では、Coの不均質なクラスターが発見された(参考文献10参照)。キムらは、Zn1−xCoOの均質膜がスピングラス特性を示す一方で、不均質膜がCoクラスタの存在により室温強磁性を示すことを明らかにした(参考文献11参照)。しかし、明らかに、装置へ応用するためには、均質膜が必要である。
【0008】
本出願人は、以前、マンガンがドーピングされた酸化亜鉛について特許出願した。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明は、銅を一緒にドーピングすることによって、ドーピングされた希薄磁性半導体に強磁性を組み込むという考えをベースにしている。これらの強磁性半導体材料は、工業上の、自動車用の、及び軍事用の温度範囲(通常、−55℃から125℃)で動作することができる。銅は、キャリア修正効果(carrier modification effect)に基づいて磁気カップリングを引き起こす。この出願は、銅と一緒にドーピングされて強磁性になっているいくつかの半導体材料を示している。また、銅をドーピングすることにより、既に強磁性である半導体材料(例えば、マンガンがドーピングされた酸化亜鉛)の磁気強度を改善することができる。
【0010】
本発明では、銅によるドーピングのメカニズムについて説明する。そのメカニズムを適用した結果を、いくつかの材料に対して示している。銅がドーピングされた強磁性を示す材料は、例えば、銅がドーピングされたガリウム燐(GaP)、銅がドーピングされた窒化ガリウム(GaN)、銅がドーピングされたガリウム砒素(GaAs)、銅がドーピングされた硫化カドミウム(CdS)、銅がドーピングされたカドミウムセレン(CdSe)、銅がドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)、銅がドーピングされた硫化亜鉛(ZnS)、銅がドーピングされたセレン化亜鉛(ZnSe)、銅がドーピングされたマンガンドープ酸化亜鉛(ZnMnO)、銅がドーピングされたマンガンドープ硫化カドミウム(CdMnS)、銅がドーピングされたマンガンドープカドミウムセレン(CdMnSe)、銅がドーピングされたマンガンドープ硫化亜鉛(ZnMnS)、銅がドーピングされたマンガンドープセレン化亜鉛(ZnMnSe)である。本発明者は、他の半導体においても、銅と一緒にドーピングされて磁気特性を示す兆候を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好適な実施形態の説明
この発明は、ドーピングされた希薄磁性半導体に銅をドーピングすることにより強磁性を引き起こすという考えに基づく。ここで、希薄磁性半導体は、強磁性でない(強磁性を持たない)半導体材料である、あるいは、弱い強磁性の成分を含む。
本発明者の実験によれば、バルク又はフィルム層において室温を超えて強磁性を調整することに成功している。フィルム層は、例えば、レーザ蒸着、スパッタリングなどで形成することができる。
【0012】
本発明では、Cu2+がドーピングされたガリウム燐において、室温を十分に超えた温度で強磁性を示すことが、強磁性共鳴、SQUID磁気測定、及び中性子回折により検出されている。その検出結果により、強磁性がGaP格子に関連づけられており、不純物相から発生したものでないことが明確に示されている。その結果における他の重要な特徴は、700Kを超えた高いキュリー温度である。このキュリー温度は、従来測定されたものよりもかなり高いキュリー温度であり、大規模なコストを削減する材料を合成することに使用される比較的低い温度である。
【0013】
5.これらの合金の強磁性の原因は、現在の研究対象となっている。ドーパントのスピン間における交換相互作用は、ホール又は電子によって調整されることが提案されている。6.強磁性状態において、電荷キャリアのスピン配向に従って価電子帯と伝導帯とへ分かれる。そのモデルにより、ホールがドーピングされた半導体は電子がドーピングされた材料より高いキュリー温度を持っていると予測できる。
【0014】
マンガンは、最も適切なドーパントでないかもしれない。6at%Mnを超えた濃度について説明する。マンガンのクラスタは、強磁性であることが示されている。これにより、ドーピングされた半導体で測定される強磁性は、マンガンのクラスタに起因するという提案を動機づける。7、8.また、合成される際に、高温において強磁性であることが知られているGaMnとMnPが形成される可能性があるという別の問題がある。9.これらの困難を回避するために、本発明者はドーパントとして銅を選んだ。銅のバルク又は銅のクラスターにおいて強磁性に関するどんな証拠もない。また、CuOは、200Kの下において反磁性体であることが知られている。さらに、どんな知られている強磁性体もCuPやGaCuなどのように合金化しない。Cuは、2+の電荷を持っており、ホールのドーパントになる。GaPは、潜在的な磁性半導体であるため、多くの利点を有する。GaPは、発光ダイオード、及び高速エレクトロニクスで使用されるAlGaInPの成分である。GaPの格子定数は、シリコンの格子定数に近いので、希薄磁性半導体を従来のシリコン回路に集積することが容易になる。ここで、SQUID磁気測定、強磁性共鳴(FMR)、および中性子回折により、銅がドーピングされたガリウム燐において室温を十分に超えた温度で強磁性に示す証拠について報告する。その測定における重要な特徴は、材料を形成する比較的簡単な焼結過程、及び従来の測定されたものと比較してかなり高いキュリー温度である。
【0015】
試料は、Alfa Aesar製の99.999%の純度のガリウム燐の1分子重量に対してCuOを0.03分子重量の割合で十分に混ぜて、それらの混合物をモルタルと乳棒とにより粉砕して合成された。GaPは、どんな磁性不純物もその材料に含まれないことを補償する処理を行う前に、電子常磁性共鳴(EPR)によって調べられた。磁性不純物に関するどんな証拠も見つけられなかった。EPRは10ppbまでの磁性成分を感度よく検出できる。圧縮成形されアルミナボートに入れられたペレット形態の試料は、4時間反応炉内の空気中で500Cで焼結され、室温へ急冷された。焼結された試料は、Scintag製X線器具を使用して、CuKα線を用いたX線回折により調べられた。図1は、粉末X線回折スペクトルを示す。図面上部の線は、純粋なGaPのために期待されるピーク位置である。ドーピングされた試料におけるピークは、純粋なGaPであってどんな不純物の線もデータに示されていないGaPと同じ散乱角度で発生する。その焼結された試料は、また、ICP質量分析計(ICP−MS)によって調べられた。その結果、磁性金属は、2ppb以下のレベルであることが示された。しかしながら、試料の中に、銅が存在することが検出された。図2は、JYホリバ製共焦型Raman分光計を使用して記録されたラマンスペクトルであって、ドーピングされたGaP及びドーピングされていないGaPにおける縦光学モード(TO)及び横光学モード(LO)のラマンスペクトルを示す。より高周波数のLOモードは、銅がドーピングされた試料において、3cm-1だけ低波数側にシフトしている。GaN膜などの他の半導体では、LOモードが、プラズマモードと結合しているのが示された。プラズマモードでは、その周波数が電子キャリア濃度に比例している。10.LOモードは、電子キャリヤー濃度とともにシフトすることが示された。すなわち、CuがドーピングされたGaPにおいてLOモードの周波数が減少することが観測されたことにより、ホールドーピングに対応した電子キャリア濃度が減少したことが示された。
【0016】
図3は、多くの温度における磁化の直流磁場依存性をSQUID MPMS2測定した結果を示す。300Kにおける飽和磁化は1.5x10-2emu/gである。室温における保磁力は、125Oeである。図4は、10KOeでの磁化の温度依存性を示す。データを通る線はブロッホ方程式(ブロッホ関数)へフィッティングしたものである。
【0017】
M(T)=M(0)(1−AT3/2) (1)
ここで、A=4.0x10-5K-3/2であり、M(0)=18.44memu/gである。これらの値は、700Kを超えた高いキュリー温度を示している。
【0018】
図5は、保磁力の温度依存性に関するプロットである。データを通る線は、指数関数的な減衰曲線へのフィッティングしたものである。
【0019】
Hc=Hco+Bexp(−T/C) (2)
ここで、Hco=298.38Oeであり、B=137.07Oeであり、C=728.97Kである。
【0020】
その試料は、また、強磁性の存在を検証するための高感度な方法である強磁性共鳴(FMR)によって調べられた。11.図6は、9.2ギガヘルツで動作するVarian製E−9分光器を使用して記録された300KにおけるFMRスペクトルを示す。スペクトルにおける3つの線は、低磁場の非共鳴信号(A)、強磁性共鳴信号(B)、及び試料における未反応のCuOに起因した成分(C)を示す。CuOは、強磁性でないのて、ここで観測された強磁性の原因となり得ない点に注意すべきである。12.低磁場において非共鳴吸収信号が存在することは、材料に強磁性が存在することを示す十分な証拠となる。13、14.強磁性状態における透磁率は、印加磁場に依存しており、低磁場で増加し最大値をとった後減少していく。これにより、上述の吸収信号が発生する。表面抵抗が透磁率の平方根に依存するので、マイクロ波吸収は、直流磁場の強度に対して非線形に変化する。この結果、ゼロ磁場において非共鳴微分信号は中心に位置する。この信号は、常磁性状態で存在していないが、温度がTcに向かって下がるのに従って現れる。本発明者は、共鳴実験における温度装置が加熱可能な上限温度である524Kの高温まで低磁場の非共鳴吸収を観測することができた。EPR信号に対してFMR信号の特徴的な特性は、磁場位置が強い温度依存性を持っていることと、共鳴線幅の温度依存性があることである。図7は、300K(a)及び118K(b)におけるFMRスペクトルを示す。図7のFMRスペクトルは、低温において低直流磁場側へ大きくシフトすることを示している。図8は、磁場位置の温度依存性を与える。図8は、室温(300K)以上の室温において、524Kにおいても、材料が強磁性であることを示している。キュリー温度を超えると、FMR信号は、図6において2940Gであるスペクトルcに相当する温度に対して磁場位置が依存しないCu+2のEPR信号になる。この値に図8のデータを当てはめると、Tcが739Kであると見積ることができる。
【0021】
要するに、本発明者は、QUID磁気計測、強磁性共鳴、及び中性子回折測定により、簡単な焼結過程によって作られ銅がドーピングされたガリウムりんが以前に報告された希薄磁性半導体よりもはるかに高い温度で強磁性を示すという明確な証拠を示した。
【0022】
同様の測定結果により、銅がドーピングされた窒化ガリウムが同様に振る舞うことが示されている。図14〜16は、銅がドーピングされた窒化ガリウム(CuがドーピングされたGaN)に対応するデータを示している。
【0023】
本発明では、マンガンがドーピングされた酸化亜鉛ZnMnOだけでなく銅がドーピングされた磁性半導体に関する改善も明確に示す。図9、10、及び11に示すSQUID測定結果では、異なる濃度でMnがドーピングされたZnOにおいて異なる濃度で銅がドーピングされたときのドーピング効果を示す。本発明者は、それらの図から強磁性の性能が明らかに改善したことを見ることができる。図12は、銅がドーピングされた窒化ガリウムをSQUIDで測定した結果を示す。図13は、銅がドーピングされた酸化亜鉛に関するデータを示す。
【0024】
予備的に行った測定においても、MnがドーピングされたCdS、MnがドーピングされたZnS、及びMnがドーピングされたGaPなどの他の磁性半導体に銅がドーピングされた場合、同様の振る舞いを示す。
【0025】
参考文献
1.Ohno, H. Making non magnetic semiconductors ferromagnetic. Science 81,951 (1998).
2.Reed,M.L. et al. Room temperature ferromagnetic properties of (Ga,Mn)N. Appl. Phys. Lett. 79, 3473 (2001).
3.Thaler, G. T. et. al. Mangetic propertiesof n−GaMnN thin films. Appl. Phys. Lett 80,3964 (2002).
4.Theodoropoulou, N. et. al. Unconventional carrier mediated ferromagnetism above room temperature in ion implanted Ga,Mn)P:C . Phys. Rev Lett 89 ,107203 (2002).
5.Sharma, P. et al. Ferromagnetism above room temperature in bulk and transparent thin films of Mn doped ZnO. Nature Materials 2,673 (2003).
6.Dietl, T. et al. Model description of ferromagnetism in Zinc blend magnetic semiconductors. Science 287,1019 (2000).
7.Knickelbein, M. Experimental observation of superparamagnetism in manganese clusters. Phys. Rev. Lett. 86 ,5255(2001).
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10.Perlin, P. et. al. Investigation of longitudinal−optical phonon−plasma coupled modes in highly conducting bulk GaN. Appl. Phys. Lett 67 2524 (1995).
11.Vonsovkii,S.V. in Ferromagnetic Resonance edited by Vonsovki,S.V. P188−208 Pergamon Press, N. Y. 1966.
12.Muraleedharan, K. et al. On the magnetic susceptibility of CuOx. Solid State Comm. 76, 727 (1990).
13.Sastry, M. D et. al. Low field microwave absorption in Gd2Cu04. Physica C 170, 41 (1990)
14.Owens, F. J. Resonant and non resonant microwave absorption study of ferromagnetic transition in RuSr2Gd0.5Eu0.5Cu208. Physica C 353,265 (2001).
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、GaP:Cuに対する粉末エックス線回折スペクトルを示す図である。
【図2】図2は、ドーピングされたGaP:Cu及びドーピングされていないGaP:Cuにおける横光学モード(TO)及び縦光学モード(LO)のラマンスペクトルを示す図である。
【図3】図3は、図示されるような様々な温度におけるDC磁化ヒステリシスデータを示す図である。
【図4】図4は、SQUIDを使用したGaP:Cuに対する磁化の温度依存性を示す図である。連続した線は、T(温度)依存性に対してT3/2ブロッホ法によりフィットした結果である。
【図5】図5は、磁気保磁力の温度依存性を示す図である。データを通る線は、指数減衰方程式へフィットした結果である。
【図6】図6は、室温におけるGaP:CuのFMRスペクトルを示す図である。吸収Aは、強磁性状態で存在する低磁場非共鳴吸収である。線Bは、強磁性共鳴吸収である。線Cは、サンプルにおいて反応していないCuOを形成する形態である。
【図7】図7は、(a)300K、及び(b)138KにおけるFMRスペクトルを示す図である。
【図8】図8は、室温を超え524Kまでの温度において強磁性の存在を示す強磁性共鳴の磁場位置の温度依存性を示す図である。
【図9】図9は、MnのドーピングされたZnOの磁気特性に対するCuの効果を示す図である。
【図10】図10は、MnがドーピングされたZnOの磁気特性に対するCuの効果を示す図である。
【図11】図11は、Mnが1at%ドーピングされたZnOの室温磁気特性に対するCuの添加効果を示す図である。Msは、およそ100%向上する。
【図12】図12は、GaNに対する6at%Cuの添加効果、すなわち、室温において強磁性になることを示す図である。
【図13】図13は、CuがドーピングされたZnOに対して計算した密度又は状態であって、Cuサイトにおいて強磁性の特性を引き起こす密度又は状態を示す図である。
【図14】図14は、CuがドーピングされたGaNに対するFMRスペクトル、すなわち、室温における強磁性に関する証拠を示す図である。3000Oe付近の光点ピークは、未反応のCuOに起因する。
【図15】図15は、強磁性が室温をはるかに超えて存在することを示すFMRの磁場位置の温度依存性を示す図である。
【図16】図16は、銅がドーピングされたGaNに対するFMR線幅であって、強磁性が室温をはるかに超えて存在することを示したFMR線幅を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅(Cu)及び酸化銅(CuO)のいずれかがドーピングされ、−55℃と125℃との間の範囲における少なくとも1つの温度で強磁性を示す
ことを特徴とする半導体材料。
【請求項2】
ドーピングされた前記半導体材料は、
銅がドーピングされたガリウム燐(GaP)、銅がドーピングされた窒化ガリウム(GaN)、銅がドーピングされたガリウム砒素(GaAs)、銅がドーピングされた硫化カドミウム(CdS)、銅がドーピングされたカドミウムセレン(CdSe)、銅がドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)、銅がドーピングされた硫化亜鉛(ZnS)、銅がドーピングされた亜鉛セレン(ZnSe)、銅がドーピングされたマンガンドープ酸化亜鉛(ZnMnO)、銅がドーピングされたマンガンドープ硫化カドミウム(CdMnS)、銅がドーピングされたマンガンドープカドミウムセレン(CdMnSe)、銅がドーピングされたマンガンドープ硫化亜鉛(ZnMnS)、銅がドーピングされたマンガンドープセレン化亜鉛(ZnMnSe)の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体材料。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体材料を含む
ことを特徴とする半導体部品。
【請求項4】
磁気メモリ、ハードディスク、半導体磁気メモリ、MRAM、スピンバルブトランジスタ、スピン発光ダイオード、不揮発性メモリ、ロジックデバイス、オプティカルアイソレータ、センサ、及び超高速光学スイッチのいずれかである
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体部品。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の半導体部品を含む
ことを特徴とするコンピュータ。
【請求項6】
半導体材料へドーピングするためのドーピング方法であって、
前記半導体材料を銅(Cu)及び酸化銅(CuO)のいずれかと、選択された分子重量割合で混合し、混合物を形成する混合ステップと、
前記混合ステップで形成された混合物を粉砕する粉砕ステップと、
前記粉砕ステップで粉砕された混合物を圧縮成形してペレットを形成する圧縮成形ステップと、
前記圧縮成形ステップで圧縮成形されたペレットを500℃で約4時間焼結する焼結ステップと、
前記焼結ステップで焼結されたペレットを室温まで急冷する急冷ステップと、
を含むことを特徴とするドーピング方法。
【請求項7】
前記混合物は、酸化銅(CuO)及びガリウム燐(GaP)をそれぞれ0.003対1の分子重量割合で混合したものである
ことを特徴とする請求項6に記載のドーピング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−538399(P2007−538399A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527111(P2007−527111)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000711
【国際公開番号】WO2005/112085
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(505296681)エンエム スピントロニクス アクティエボラーグ (4)
【住所又は居所原語表記】P O Box 5385, SE−102 49 Stockholm,Sweden
【Fターム(参考)】