説明

鏡面駒の作製方法、光学素子の製造方法、光学素子

【課題】 光軸の偏心量の少ない、高精度の光学素子を製造することが可能な光学素子の製造技術を提供する。
【解決手段】 補正加工前の仮鏡面駒を用いて仮の光学素子の樹脂成形を行い(ステップ101)、光学素子の光軸のズレを実測し(ステップ102、ステップ103、ステップ104)、さらに、成形に用いた仮鏡面駒の光軸位置を実測し(ステップ105)、ステップ105で実測された仮鏡面駒の光軸位置を、ステップ104で実測された仮光学素子の光軸位置のズレを相殺する方向にズラすような補正データを生成して(ステップ106)、仮鏡面駒の修正加工を行い(ステップ107)、修正された鏡面駒を用いて製品となる光学素子の成形を行う(ステップ108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡面駒の作製技術、光学素子の製造技術、光学素子に関し、特に、光学素子の樹脂成形技術等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光学機器に用いられる光学素子として、非球面、球面、自由曲面等の光学機能面を備えたレンズ、プリズム等がある。従来、このような光学素子は、熱可塑性材料を用いた射出成形等の技術を用いて製作することが一般的である。そして、光学素子の製作にあたっては、これら光学素子の光学面の位置関係を、設計値どおりに再現する必要がある。ここで、光学素子の製作には、金型が用いられる。金型は鏡面駒を有しており、この鏡面駒が光学素子の光学面に対応する。そのため、鏡面駒の位置決めなどに、非常に高度な機械加工や組み立て技術が要求される。
【0003】
上述のように、光学素子を成形する場合、各光学面毎に鏡面駒を設け、個々にそれぞれの光学面を転写させる手法が一般的である。従って、光学面どうしの相対的な位置ズレ(例えば、光軸ズレ)を寸法許容差内に抑えるためには、鏡面駒を組込む中子との勘合代を極めて小さくしたり、鏡面駒を含む各金型部品の寸法精度を厳しくする必要がある。しかしながら、各金型部品の寸法精度を極めて厳しくしても、それぞれの部品で加工誤差が発生する。そのため、加工誤差が累積されるので、各々の鏡面駒において、設計値からのズレを小さくするには限界がある。
【0004】
その対策として、特許文献1では、金型ベースと鏡面駒との間に、金型ベースに対する鏡面駒の位置を調整するためのクサビもしくは調整用ボルトを設ける技術が開示されている。このようにすることで、鏡面駒の位置調整を可能にし、鏡面駒を高精度に組み付けることができる。すなわち、この特許文献1においては、鏡面駒の位置ズレを光軸測定装置により計測し、鏡面駒の組み付けのズレ量を前記クサビもしくは調整用ボルトで調整している。
【0005】
一方、特許文献2には、鏡面駒を修正加工する技術が開示されている。特許文献2では、まず、仮成形されたレンズにおいて、形状(光学面)の設計値からのズレ量を求める。そして、そのズレ量を、鏡面駒の加工値にフィードバックして修正加工を行う。このようにすることで、鏡面駒の設計値からのズレを補正している。
【特許文献1】特開平11−77763号公報
【特許文献2】特開2004−66612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、金型内に位置調整手段を設ける必要があるため、金型が大型化してしまう。また、特許文献1の技術では、調整シロを設けるため、金型内に断熱効果を有する空気層が発生し、調整前後での金型内の温度分布が変化する懸念がある。そのため、成形品の品質を安定して得ることは難しい。
【0007】
また、特許文献2では、仮成形時の光学面における設計値からのズレ量のみを、鏡面駒の加工値にフィードバックしているにすぎない。そのため、鏡面駒自体の面内における中心(回転対称な光学素子では、光軸が該当する。)位置を把握しているわけではない。よって、鏡面駒の実際の加工では、加工値どおりに鏡面が作製されていない可能性がある。その理由について、説明する。鏡面駒を加工機に取り付ける際には、取り付け誤差が存在する。また、鏡面駒を加工機に保持する際には、保持ための治具に加工誤差が存在する。ところが、これらの誤差は、光学面の測定からは得られない。そのため、光学面の測定結果のみに基づいて鏡面駒を補正加工しても、補正加工後の型体に対する取り付けに際して誤差を生じる。そして、この誤差が、光学面の中心のズレとなってしまう。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、設計値からのズレが少ない高精度の光学素子、例えば、光軸の偏心量が少ない高精度な光学素子を製造することが可能な鏡面駒の作製技術を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、光学面が回転対称軸を有さない光学面であっても、設計値からのズレが少ない高精度な光学素子を製造することが可能な鏡面駒の作製技術を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、設計値からのズレが少ない高精度な光学素子、例えば、光軸の偏心量の少ない高精度な光学素子を製造することが可能な光学素子の製造技術を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、光学面が回転対称軸を有さない光学面であっても、設計値からのズレが少ない高精度な光学素子を製造することが可能な光学素子の製造技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の観点は、仮鏡面駒を用いて仮光学素子を形成する工程と、
前記仮光学素子の光学面の形状を測定して、前記測定形状における基準軸位置を求める工程と、
前記仮光学素子の設計形状における基準軸位置の位置を求める工程と、
前記測定形状における基準軸位置と、前記設計形状における基準軸位置の相対的なズレ量を算出する工程と、
前記仮鏡面駒の鏡面の形状を測定して、前記鏡面の測定形状における基準軸位置を算出する工程と、
前記ズレ量に基づいて、前記仮鏡面駒の基準軸位置を修正するように前記仮鏡面駒の鏡面を加工して、鏡面駒を作製する工程と、
を有する鏡面駒の作製方法を提供する。
【0013】
本発明の第2の観点は、第1の観点に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記仮鏡面駒の作製にあたっては、前記仮鏡面駒の鏡面と加工工具を直交する2方向に相対移動する工程を有する鏡面駒の作製方法を提供する。
【0014】
本発明の第3の観点は、第1の観点又は第2の観点に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記鏡面駒を作製する工程では、前記仮鏡面駒の鏡面と加工工具を直交する2方向に相対移動させる鏡面駒の作製方法を提供する。
【0015】
本発明の第4の観点は、第1の観点乃至第3の観点のいずれか1項に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記測定形状における基準軸位置を求める工程と、前記設計形状における基準軸位置の位置を求める工程は、前記仮光学素子に設けられた基準物の位置を基準として行われる鏡面駒の作製方法を提供する。
【0016】
本発明の第5の観点は、第4の観点に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記基準物は1つであり、
複数の前記光学面の各々について、該1つの基準物に基づいて前記基準軸の位置を算出する鏡面駒の作製方法を提供する。
【0017】
本発明の第6の観点は、第4の観点に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記基準物は前記光学面の数と同数であり、
複数の前記光学面の各々について、各々の基準物に基づいて前記基準軸の位置を算出する鏡面駒の作製方法を提供する。
【0018】
本発明の第7の観点は、第4の観点に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記基準物は前記光学面の数よりも少なく、
複数の前記光学面のうち少なくとも2つの光学面について、共通の基準物に基づいて前記基準軸の位置を算出する鏡面駒の作製方法を提供する。
【0019】
本発明の第8の観点は、鏡面駒を用いて光学素子を成形する光学素子の製造方法であって、
第1の観点乃至第7の観点のいずれか1項に記載の鏡面駒の作製方法で作製された鏡面駒を用いる光学素子の製造方法を提供する。
【0020】
本発明の第9の観点は、第8の観点に記載の光学素子の製造方法を用いて製造された光学素子を提供する。
本発明の第10の観点は、第9の観点記載の光学素子において、
前記光学素子は、少なくとも1つの光学面に回転対称軸を有さない曲面形状をもつプリズムである光学素子を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、設計値からのズレが少ない高精度の光学素子、例えば、光軸の偏心量の少ない高精度な光学素子を製造すること、このような光学素子を製作可能な鏡面駒を得ることが可能となる。
【0022】
本発明によれば、光学面が回転対称軸を有さない光学面であっても、設計値からのズレが少ない高精度の光学素子を製造すること、このような光学素子を製作可能な鏡面駒を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である鏡面駒の作製方法、および光学素子の製造方法の一例を示すフローチャートであり、図2は、本実施の形態の光学素子の製造方法に用いられる成形装置の構成の一例を示す断面図、図3は、本実施の形態の鏡面駒の製作方法に用いられる鏡面駒加工装置の構成の一例を示す斜視図、図4は、本実施の形態の鏡面駒の作製方法および光学素子の製造方法に用いられる非接触3次元測定機の構成の一例を示す概念図、である。
【0024】
図2に例示されるように、本実施の形態に用いられる成形装置10は、固定型板12と、可動型板14を備えている。ここで、固定型板12は、固定プレート11に支持されている。また、可動型板14は、スペーサブロック13cを介して、可動プレート13に支持されている。
【0025】
固定型板12および可動型板14の対向面には、複数組の鏡面駒15および鏡面駒16が配置されている。鏡面駒15および鏡面駒16は、互いに、成形面15aおよび成形面16aを対向させる姿勢で配置されている。そして、固定型板12と可動型板14が密着することで、型締め状態になる。この型締め状態において、成形面15aおよび成形面16aにより、キャビティ17が形成される。
【0026】
固定型板12の中央部には、厚さ方向に貫通するように、スプルー19が設けられている。固定型板12と可動型板14の対向面には、スプルー19の開口端部を中心として、放射状に複数のランナ18が設けられている。個々のランナ18の先端部は、キャビティ17の各々に連通している。
【0027】
そして、型締め状態において、スプルー19およびランナ18を介して、外部から流動する熱可塑性の樹脂が、個々のキャビティ17内に圧入される。このようにすることで、キャビティ17内に、樹脂が充填される。そして、この充填された樹脂により、光学面51a、光学面51bを有する非球面レンズ50が製造される。ここで、光学面51aおよび光学面51bは、それぞれ、成形面15aおよび成形面16aの面形状が転写されたものである。よって、光学面51aおよび光学面51bの面形状は、成形面15aおよび成形面16aの面形状にて規定されることになる。
【0028】
また、固定型板12と可動型板14を離間させる離型時には、突き出しピン13aが、可動型板14から突出する。そして、突き出しピン13aの突き出しによって、可動型板14の側からランナ18内に充満した樹脂を、可動型板14及び成形面16aから離間させる。
【0029】
図3に例示されるように、本実施の形態における鏡面駒加工装置20は、XYステージ21、Z軸コラム22、ツールアーム23、切削工具24および三次元加工コントローラ25を備えている。
【0030】
XYステージ21には、加工治具31が載置されている。そして、加工治具31に、被加工物が載置されている。ここで、被加工物は、鏡面駒15あるいは鏡面駒16である。この被加工物は、固定螺子31aによって、所定の姿勢で位置決め及び固定されている。そして、XYステージ21によって、水平面内における被加工物の移動が行われる。Z軸コラム22には、ツールアーム23を介して、切削工具24が支持されている。このZ軸コラム22によって、高さ方向(Z軸方向)における切削工具24を昇降が行われる。
【0031】
そして、三次元加工コントローラ25が、設計データ26に基づいて、XYステージ21とZ軸コラム22を駆動する。この駆動により、XYステージ21にでは、水平面内での直交するXおよびY方向において、被加工物の移動が行われる。一方、Z軸コラム22では、切削工具24の昇降が行われる。このような動作を組み合わせることで、たとえば、切削工具24の先端(切羽)部を、加工軌跡24aのようにジグザグに移動させることができる。このようにすることで、被加工物に、非球面の成形面15a(成形面16a)が形成される。
【0032】
なお、被加工物のXYステージ21に対する位置決めは、加工治具31により、正確に行われる。すなわち、XYステージ21に対して加工治具31を定位置に固定し、さらに、加工治具31に対して被加工物を定位置に固定する。このようにすることで、被加工物は、鏡面駒加工装置20に固有の座標系に正確に固定される。なお、図3では、XYステージ21によって、被加工物をX方向や、Y方向に移動させている。ただし、このような構成には限定されない。例えば、被加工物を固定しておいて、Z軸コラム22をX方向や、Y方向に移動させてもよい。このような構成を、鏡面駒加工装置20に採用しても良い。
【0033】
次に、非接触3次元測定機について説明する。図4は、非接触3次元測定機の例である。非接触3次元測定機40は、たとえば、オートフォーカスタイプの非接触3次元測定機である。非接触3次元測定機40は、レーザ光41aを放射するレーザ41、所定の光学系及び移動機構46を備えている。所定の光学系は、ミラー42、ミラー43、ミラー44、対物レンズ45を備えている。このうち、ミラー42は、レーザ光41aを被測定物に導くとともに、その反射光を光位置検出装置47に導く。また、移動機構46は、対物レンズ45の被測定物に対する焦点位置を制御する。
【0034】
この非接触3次元測定機40は、本実施の形態では、仮光学素子として成形された非球面レンズ50、非球面レンズ50の成形に用いられる鏡面駒15の成形面15a、および鏡面駒16の成形面16aの測定に用いられる。この場合、非球面レンズ50の測定では、図4に例示されるように、測定治具49が用いられる。
【0035】
また、成形面15a及び成形面16aの測定では、図5に例示されるように、加工時と同じ、加工治具31が用いられる。すなわち、加工治具31によって鏡面駒15、鏡面駒16を固定した状態は、鏡面駒15、鏡面駒16を固定型板12、可動型板14に固定した状態と等価になるのが好ましい。本実施の形態では、鏡面駒15、鏡面駒16の外周面を、位置決め基準部位として用いている。そして、この加工治具31を用いて、図5のように、非接触3次元測定機40による光軸A0の測定を行うことで、光軸A0の位置が求める。そうすると、この光軸A0の位置は、固定型板12、可動型板14に対して鏡面駒15、鏡面駒16装着した状態における光軸の位置と等価となる。
【0036】
そして、レーザ41から出たレーザ光41aは、ミラー43、ミラー42を経て、対物レンズ45に入射する。入射したレーザ光41aは、対物レンズ45の焦点面に向かって集光され、被検物の被測定面に照射される。被測定面で反射したレーザ光41aは、再び対物レンズ45を通って、ミラー42、ミラー43、ミラー44を経て、光位置検出装置47上に結像する。なお、この場合、被検物は非球面レンズ50、鏡面駒15あるいは鏡面駒16であり、被測定面は、光学面51a、光学面51b、成形面15aあるいは成形面16aである。
【0037】
対物レンズ45のフォーカスが被測定面に合っていない場合、光位置検出装置47の結像位置が、基準位置から変化する。そこで、この位置変化を光位置検出装置47で検出して、移動機構46により対物レンズ45のフォーカスが被測定面に合致する方向に移動させる。そして、フォーカスが合ったときの対物レンズ45の移動量により、被測定面1のZ軸方向の高さが測定できる。また、被検物が載置されたXYステージ48の移動量により、被測定面のX−Y面内におけるレーザ光41aの位置が分かる。このようにして、被検物の被測定面の3次元形状が測定できる。
【0038】
本実施の形態の場合には、この3次元形状の測定結果により、成形面15a、成形面16a、光学面51aの及び光学面51bの形状を測定する。そして、
以下、図1のフローチャート等を参照して、本実施の形態の作用の一例について説明する。なお、本実施の形態では、仮光学素子は非球面レンズである。そして、この非球面は、光軸に対して回転対称な形状になっている。
【0039】
まず、補正加工前の鏡面駒15、鏡面駒16を仮鏡面駒として用いる。この仮鏡面駒は、上述のように、成形面15a、成形面16aが非球面形状を呈しており、この仮鏡面駒で形成されるキャビティ17は、2つの光学面が非球面のレンズ形状である。なお、ここでは、キャビティ17の形状として、2つの光学面が非球面のレンズ形状の例を示すが、1つの光学面が球面形状、2つの光学面が球面形状、1つの光学面が平面形状、2つの光学面が平面形状、1つの光学面が回転対称軸を有さない自由曲面形状、2つの光学面が回転対称軸を有さない自由曲面形状でも構わない。
【0040】
図示しない射出成形ユニットより射出された溶融樹脂は、図2のスプルー19、ランナ18を介して、仮鏡面駒で形成されるキャビティ17に充填される。その後、充填された樹脂は冷却され、非球面レンズ50(仮光学素子)を形成する(ステップ101)。
【0041】
この場合、図6に示すように、非球面レンズ50は、たとえば、レンズ部51と、その周囲のレンズ枠52、およびレンズ枠52に突設されたボス53が樹脂で一体に成形された形状を呈している。なお、説明を簡略にするため、図2では、キャビティ70は、レンズ部51に対応した部分のみが図示されている。
【0042】
次に成形装置10から取り出された仮光学素子の偏心量を算出する。本実施の形態では、仮光学素子の面形状は回転対称形状である。よって、光学面の基準軸は、光軸になる。そして、偏心量は、設計値からの光学面の光軸のズレ量になる。本実施の形態では、図6に示すように、光学面51a、光学面51bの有効径外に、ボス53が設けられている。このボス53の位置が、基準位置となる。そこで、まず、ボス53の中心軸53aの位置(基準位置)を算出する(ステップ102)。次に、光軸A1及び光軸A2の位置を算出する(ステップ103)。そして、この中心軸53aを基準にして、光学面51aの光軸A1、光学面51bの光軸A2の各々について、中心軸53aからの距離を算出する。一方、設計値に基づいて、ボス53の中心軸から光学面51aの光軸までの距離、及びボス53の中心軸から光学面51bの光軸までの距離を算出する。この算出は、あらかじめ行っていても良い。続いて、測定に基づく距離と設計値に基づく距離から、光軸A1及び光軸A2の位置のズレ量(Δx,Δy)を、偏心量として求める(ステップ104)。
【0043】
なお、ボス53は、非球面レンズ50が装着される鏡枠等の枠部品(不図示)との当接部(当て付け部)として用いられる。当接に際しては、ボス53が基準となる。よって、本実施の形態では、ボス53の中心軸53a(すなわち、ボス53が嵌合する枠部品の穴の中心)を基準として用いることができる。なお、非球面レンズ50と枠部品との当接部が平面の場合は、平面を基準とする。
【0044】
ボス53の中心軸53aおよび光軸A1、光軸A2の算出に際しては、上述のように、図4に例示した非接触3次元測定機40を用いて、光学面51a、光学面51b、さらにはボス53の面形状を測定する。そして、光学面51a、光学面51b、さらにはボス53の三次元形状から、光軸A1、光軸A2、さらには中心軸53aを算出する。
【0045】
続いて、非球面レンズ50(仮光学素子)の製作に用いた仮鏡面駒の成形面(この場合、成形面16aおよび成形面15a)における光軸A0の位置を算出する(ステップ105)。成形面16a内の光軸A0光軸位置は、仮鏡面駒の側となる可動型板14、鏡面駒16に対する金型当接部(外周部)を基準にして導き出す。ここで、基準は仮鏡面駒の金型当接部ではなく、最外周でも構わない。
【0046】
本実施の形態の場合には、図5に例示されるように、鏡面駒15(鏡面駒16)の外周部を介して、加工治具31に保持する。ここで、鏡面駒15及び鏡面駒16と加工治具31とは、両者の位置関係が既知になっている。そこで、鏡面駒15(鏡面駒16)を非接触3次元測定機40のXYステージ48に載置して、成形面15a(成形面16a)の形状測定を行う。そして、測定結果に基づいて、光軸A0の算出を行う、このようにして、光軸A0の位置を、鏡面駒15、鏡面駒16の外周(可動型板14、鏡面駒16に対する当接部)を基準として求めることができる。
【0047】
続いて、仮鏡面駒の面内の光軸A0について、その位置の修正を行う。この修正には、ステップ104で算出された光軸A1及び光軸A2の位置のズレ量を用いる。すなわち、光軸A1及び光軸A2の位置のズレ量に基づいて、新たな光軸A0’の位置を算出する。具体的には、光軸A1及び光軸A2の位置のズレ量がゼロになるように、光軸A0の位置を新たな光軸A0’の位置にずらす。このときのずらし量が、補正値となる(ステップ106)。そして、新たな光軸A0’の位置(ずらした位置)が光軸となるように、仮鏡面駒(鏡面駒16、鏡面駒15)の修正加工、すなわち成形面15aや成形面16aの修正加工を行う(ステップ107)。そして、製品を成形するための鏡面駒16、鏡面駒15を作製する(ステップ108)。
【0048】
具体的には、図3に例示されるように、、上述の補正値を、光軸補正データ27として三次元加工コントローラ25に入力する。そして、光軸A0が、この補正値分だけ移動するように、仮鏡面駒を補正加工する。このようにして、製品の成形に用いる鏡面駒15、鏡面駒16を製作する。
【0049】
その後、光軸A0の位置が補正された鏡面駒16、鏡面駒15を用いて成形を行うことで、製品の非球面レンズ50を作製する(ステップ108)。
このように、本実施の形態では、仮鏡面駒にて成形された仮の非球面レンズ50の光軸A1のズレ量を算出するとともに、仮鏡面駒自体の光軸A0のズレ量をも算出し、仮成形された非球面レンズ50の光軸A1、光軸A2のズレを打ち消すように、仮鏡面駒(成形面16a、鏡面駒15)を補正加工して、光軸A0が補正された鏡面駒16および鏡面駒15を作製し、この鏡面駒16および鏡面駒15を用いて、製品の非球面レンズ50の成形を行うので、光軸A1、光軸A2の偏心が少ない高精度な非球面レンズ50等の光学素子を得ることができる。
【0050】
また、非球面レンズ50のボス53を基準として、光軸A1および光軸A2の位置を算出している。よって、補正後の光学面51aおよび光学面51bの光軸A1および光軸A2は、ボス53に対して正確に位置決めされた状態となる。そのため、ボス53を基準にして、図示しない鏡枠等の枠部品を製作しておけば、鏡枠等の枠部品に対する非球面レンズ50の取付精度も向上する。
【0051】
また、固定型板12および可動型板14に対する鏡面駒15および鏡面駒16の装着位置を、その都度補正する等の煩雑な作業も必要ない。
すなわち、仮鏡面駒から算出された光軸A0の位置は、鏡面駒15および鏡面駒16の固定型板12および可動型板14に対する装着時の光軸A0の位置ズレを反映している。そこで、この算出された光軸A0を基準として、仮の非球面レンズ50の光軸A1、光軸A2のズレを打ち消すように、鏡面駒15および鏡面駒16の補正加工を行う。このようにすることで、鏡面駒15および鏡面駒16の補正加工にあたって、鏡面駒15および鏡面駒16の固定型板12および可動型板14に対する装着誤差等を、補正加工に含めることができる。
【0052】
これにより、たとえば、光学面51aおよび光学面51bの各々について、その光軸位置偏心量が±10μm以下の光学素子を得ることができる。
また、成形装置10を用いた射出成形で非球面レンズ50等の光学素子を作製することで、低コストな光学素子を得ることができる。また、基準軸を補正加工するのと同時に、例えば、光学面の形状誤差を相殺させる補正加工を行なっても良い。このような面形状補正加工を行なうことで、リードタイムを、より短縮することができる。
【0053】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2であって、光学素子の製造方法の作用の一例を示す概念図である。
【0054】
上述の実施の形態1の説明では、図6に例示されるように、ボス53の中心軸53aを基準として非球面レンズ50の光軸A1、光軸A2の偏心量を算出する場合を例示した。
これに対して、本実施の形態では、図7に例示されるように、一方の光学面51aの光軸A1を基準として、光学面51bの側の光軸A2のズレ量(Δx,Δy)を算出している。そして、この算出結果に基づいて、鏡面駒15、鏡面駒16の光軸A0の補正加工を行う。
【0055】
このようにすれば、光学面51aの光軸A1と光学面51bの光軸A2に関して、相対的な同心度の精度が向上する。
(実施の形態3)
この実施の形態3では、光軸の周りに回転対称なレンズ形状でない光学素子に適用した場合について説明する。このような光学素子として、例えば、プリズム等(非回転対称面を有するプリズム、自由曲面プリズム)がある。
【0056】
すなわち、図8は、本実施の形態3の光学素子の断面図であり、図9は、その斜視図である。
本実施の形態3のプリズム80は、光学面81、光学面82、光学面83及び側面部85を備えている。側面部85は、向かい合うように形成された2つの平面であって、互いが平行となるように配置されている。そして、この側面部85に直交方向に、光学面81、光学面82および光学面83が形成されている。ここで、自由曲面は非回転対称な形状である。よって、光軸という概念は無い。ただし、面形状を規定する基準軸は存在する。そこで、本実施の形態では、便宜上、基準軸を光軸と称する。
【0057】
光学面81は、外側に凸の自由曲面であり、光軸81aを持っている。光学面82は、内側にわずかに凹んだ自由曲面で構成され、光軸82aを持っている。光学面83は、平面部84と、平面部84の中央に形成された凹形状の自由曲面で構成され、光軸83aを持っている。
【0058】
このような構成において、光学面81から入射した光は、光額面81で収束される。そして、この光は、光学面82で光学面83の方向に反射される。さらに、反射された光は、光学面83により収束され、外部に出射する。光学面81、光学面82は、たとえば、プリズム80を通過した光の収差を除去するように、自由曲面の形状が設定されている。
【0059】
図10は、上述ような形状のプリズム80の成形に用いられる成形装置60の一例を示す断面図である。
なお、図2の成形装置10と共通する構成要素には共通の符号を付して重複した説明は割愛し、異なる点のみ説明する。
【0060】
すなわち、成形装置60では、プリズム80の三つの光学面81、光学面82および光学面83を成形するため、自由曲面鏡面駒71、自由曲面鏡面駒73および自由曲面鏡面駒73を用いる。
【0061】
自由曲面鏡面駒71および自由曲面鏡面駒72は、各々、固定型板12および可動型板14に埋め込まれている。そして、固定型板12および可動型板14が相対的に移動する方向に、成形面71aおよび成形面72aが対向するように、自由曲面鏡面駒71および自由曲面鏡面駒72は配置されている。
【0062】
光学面83に対応する自由曲面鏡面駒73は、凸の成形面73aを有する。そして、その凸の成形面73aをが型内に向くように、固定型板12と可動型板14の型合わせ面に配置されている。この自由曲面鏡面駒73は、スライド部材74に保持されている。また、スライド部材74は、固定型板12および可動型板14の対向方向と直交する方向に変位する。よって、凸の成形面73aも、固定型板12および可動型板14の対向方向と直交する方向に向いている。
【0063】
そして、固定型板12と可動型板14が密着することで、型締め状態となる。この型締め状態の時(図10の状態)に、自由曲面鏡面駒71の成形面71aと、自由曲面鏡面駒72の成形面72aとの間に、自由曲面鏡面駒73の先端部の成形面73aが入り込む。このようにすることで、プリズム80の輪郭形状をなすキャビティ70が形成される。
【0064】
また、特に図示しないが、型締め状態を解除する(離型)時には、最初に、スライド部材74が、キャビティ70から離れる方向に移動する。それに伴って、自由曲面鏡面駒73が、キャビティ70の内部から外側に退避する方向に変位する。その後、固定型板12と可動型板14が離間するように変位する。
【0065】
このプリズム80の成形に際しても、本実施の形態の場合には、まず、自由曲面鏡面駒71、自由曲面鏡面駒72および自由曲面鏡面駒73を仮鏡面駒として成形装置60に装着して、仮のプリズム80の成形を行う。
【0066】
そして、得られた仮のプリズム80の外形形状を、図4に例示した非接触3次元測定機40にて測定しする。続いて、光学面83の光軸83aを基準として(ステップ102)、他の光軸81a、光軸82aの位置を算出する(ステップ103)。その後、それらのズレ量を算出する(ステップ104)。
【0067】
また、個々の仮鏡面駒、すなわち、自由曲面鏡面駒71、自由曲面鏡面駒72および自由曲面鏡面駒73の成形面71a、成形面72aおよび成形面73aの各々の光軸A10、光軸A11および光軸A12の位置を、、非接触3次元測定機40にて測定する(ステップ105)。その際、加工治具32、加工治具33および加工治具34に保持された状態を、基準とする。
【0068】
そして、光軸補正データ27を生成する。補正データは、ステップ104で算出された個々の光軸81a、光軸82aのズレ量と、ステップ105で算出された光軸A10〜光軸A12の位置を使って算出する。この場合、補正は、ステップ105で算出された光軸A10〜光軸A12の位置を、ステップ104で算出された個々の光軸81a、光軸82aのズレ量を相殺する方向に変位させる補正となる。そして、図11、図12および図13に例示されるように、鏡面駒加工装置20にて、自由曲面鏡面駒71、自由曲面鏡面駒72および自由曲面鏡面駒73の補正加工を行う(ステップ107)。
【0069】
この補正加工では、図11に例示されるように、自由曲面鏡面駒71は、専用の加工治具32に、固定螺子32aおよび固定螺子32bにて位置決めされる。そして、成形面71aの光軸A11の位置が、新たな光軸A11’の位置となるように、成形面71aが補正加工される。新たな光軸A11’は、光軸81aのズレ量を打ち消す方向に、光軸A11を移動させた位置である。
【0070】
同様に、図12に例示されるように、自由曲面鏡面駒72は、専用の加工治具33に固定螺子33a、固定螺子33bにて位置決めされる。そして、光軸A12の位置が、新たな光軸A12’の位置となるように補正加工される。新たな光軸A12’は、光軸82aのズレ量を打ち消す方向に、光軸A21を移動させた位置である。
【0071】
また、図13に例示されるように、自由曲面鏡面駒73は、専用の加工治具34に、固定螺子34aおよび固定螺子34bにて位置決めされる。そして、光軸A10の位置が、新たな光軸A10’の位置となるように補正加工される。新たな光軸A10’は、光軸83aのズレ量を打ち消す方向に、光軸A10を移動させた位置である。
【0072】
そして、この補正加工がなされた自由曲面鏡面駒71、自由曲面鏡面駒72および自由曲面鏡面駒73を成形装置60に装着して、製品のプリズム80の成形を行う(ステップ108)。
【0073】
このように、非回転対称な複雑な形状のプリズム80においても、個々の光軸81a、光軸82a、光軸83a間のズレ量を小さくすることができる。すなわち光学素子において、光軸81a、光軸82a、光軸83aの間の相対的な位置精度を向上させることができる。
【0074】
また、複数の光学面81、光学面82、光学面83のうち、少なくとも1つの光学面の光軸を基準にすることで、基準とした光学面の光軸と他の光軸との間の偏心量が小さな高精度の光学素子を実現できる。
【0075】
たとえば、プリズム80の様な複数の光学面を有する光学素子においても、光軸81a、光軸82aおよび光軸83aの偏心量が、±10μm以下の高精度なプリズム80を得ることができる。
【0076】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、光学素子としては、上述の実施の形態にて例示した自由曲面レンズやプリズム等に限らず、樹脂成形にて製造される一般の光学素子に広く適用することができる。
【0077】
また、光学素子の加工方法および測定方法も、上述の実施の形態に例示した方法に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施の形態である鏡面駒の作製方法および光学素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法に用いられる成形装置の構成の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である鏡面駒の製作方法に用いられる鏡面駒加工装置20の構成の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態である鏡面駒の作製方法および光学素子の製造方法に用いられる非接触3次元測定機の構成の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の一実施の形態である鏡面駒の作製方法および光学素子の製造方法における仮鏡面駒の測定方法の一例を示す概念図である。
【図6】本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法にて得られる光学素子の測定方法の一例を示す概念図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である光学素子の製造方法の作用の一例を示す概念図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態である光学素子の製造方法にて製造される光学素子の断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態である光学素子の製造方法にて製造される光学素子の斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態である光学素子の製造方法にて用いられる成形装置一例を示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態である光学素子の製造方法にて用いられる鏡面駒の加工方法の一例を示す斜視図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態である光学素子の製造方法にて用いられる鏡面駒の加工方法の一例を示す斜視図である。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態である光学素子の製造方法にて用いられる鏡面駒の加工方法の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
10 成形装置
11 固定プレート
12 固定型板
13 可動プレート
13a 突き出しピン
13b 突き出し板
13c スペーサブロック
14 可動型板
15 鏡面駒
15a 成形面
16 鏡面駒
16a 成形面
17 キャビティ
18 ランナ
19 スプルー
20 鏡面駒加工装置
21 XYステージ
22 Z軸コラム
23 ツールアーム
24 切削工具
24a 加工軌跡
25 三次元加工コントローラ
26 設計データ
27 光軸補正データ
31 加工治具
31a 固定螺子
32 加工治具
32a 固定螺子
32b 固定螺子
33 加工治具
33a 固定螺子
33b 固定螺子
34 加工治具
34a 固定螺子
34b 固定螺子
40 非接触3次元測定機
41 レーザ
41a レーザ光
42 ミラー
43 ミラー
44 ミラー
45 対物レンズ
46 移動機構
47 光位置検出装置
48 XYステージ
49 測定治具
50 非球面レンズ
51 レンズ部
51a 光学面
51b 光学面
52 レンズ枠
53 ボス
53a 中心軸
60 成形装置
70 キャビティ
71 自由曲面鏡面駒
71a 成形面
72 自由曲面鏡面駒
72a 成形面
73 自由曲面鏡面駒
73a 成形面
74 スライド部材
80 プリズム
81 光学面
81a 光軸
82 光学面
82a 光軸
83 光学面
83a 光軸
84 平面部
85 側面部
A0 光軸
A1 光軸
A2 光軸
A10 光軸
A11 光軸
A12 光軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮鏡面駒を用いて仮光学素子を形成する工程と、
前記仮光学素子の光学面の形状を測定して、前記測定形状における基準軸位置を求める工程と、
前記仮光学素子の設計形状における基準軸位置の位置を求める工程と、
前記測定形状における基準軸位置と、前記設計形状における基準軸位置の相対的なズレ量を算出する工程と、
前記仮鏡面駒の鏡面の形状を測定して、前記鏡面の測定形状における基準軸位置を算出する工程と、
前記ズレ量に基づいて、前記仮鏡面駒の基準軸位置を修正するように前記仮鏡面駒の鏡面を加工して、鏡面駒を作製する工程と、
を有する鏡面駒の作製方法。
【請求項2】
請求項1に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記仮鏡面駒の作製にあたっては、前記仮鏡面駒の鏡面と加工工具を直交する2方向に相対移動する工程を有することを特徴とする鏡面駒の作製方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記鏡面駒を作製する工程では、前記仮鏡面駒の鏡面と加工工具を直交する2方向に相対移動させることを特徴とする鏡面駒の作製方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記測定形状における基準軸位置を求める工程と、前記設計形状における基準軸位置の位置を求める工程は、前記仮光学素子に設けられた基準物の位置を基準として行われることを特徴とする鏡面駒の作製方法。
【請求項5】
請求項4に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記基準物は1つであり、
複数の前記光学面の各々について、該1つの基準物に基づいて前記基準軸の位置を算出することを特徴とする鏡面駒の作製方法。
【請求項6】
請求項4に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記基準物は前記光学面の数と同数であり、
複数の前記光学面の各々について、各々の基準物に基づいて前記基準軸の位置を算出することを特徴とする鏡面駒の作製方法。
【請求項7】
請求項4に記載の鏡面駒の作製方法において、
前記基準物は前記光学面の数よりも少なく、
複数の前記光学面のうち少なくとも2つの光学面について、共通の基準物に基づいて前記基準軸の位置を算出することを特徴とする鏡面駒の作製方法。
【請求項8】
鏡面駒を用いて光学素子を成形する光学素子の製造方法であって、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の鏡面駒の作製方法で作製された鏡面駒を用いることを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の光学素子の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする光学素子。
【請求項10】
請求項9記載の光学素子において、
前記光学素子は、少なくとも1つの光学面に回転対称軸を有さない曲面形状をもつプリズムであることを特徴とする光学素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−289692(P2006−289692A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111333(P2005−111333)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】