説明

閉塞を識別する装置及び方法

【課題】計算機式支援診断(CAD)において肺塞栓症等の血管系の閉塞を識別する際に、誤検出を低減し、局所的応答に留まらない範囲に及び、また矛盾した不透明度を有する肺静脈の誤った塞栓部位としての誤認を少なくする手法を提供する。
【解決手段】関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する方法が、関心領域から血管系を抽出するステップ402と、抽出された血管系の被検幾何学的構成を識別するステップ404と、遮断を識別するために被検幾何学的構成を予め決められた幾何学的構成と比較するステップ406とを含んでいる。また、関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する装置についても述べる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書に記載される主題は一般的には、撮像に関し、さらに具体的には、血管組織の閉塞を撮像することに関する。
【背景技術】
【0002】
診断システムは、例えば医療分野では、医療従事者に対し医学的状態をより正しく診断するのに必要な情報を提供する。例えば、患者が胸部の強い痛みを訴えた場合に、肺塞栓症(PE)のような閉塞又は遮断は、除外されなければならない多数の可能な原因からの一つの原因となる。従来は、PEの発生は、放射線科医による目視評価を通じて診断されていた。しかしながら、この作業は手間が掛かり、また誤りを起こし易い。
【0003】
従って、肺塞栓症に計算機支援式検出(CAD)を用いることが提案されているが、今のところ大きな成功を収めていない。現在最新のCADの方法は、塞栓領域の局所的強度が直ぐ近傍の血管に対して低下していることに主に依存している。
【0004】
かかるアプローチの一つの欠点は、低コントラストを有する血管分岐、リンパ節や肺静脈、及び他の正常な解剖学的構造を偽陽性検出として同時に検出しがちであることである。検出作業はさらに、異なる症例の間で絶対コントラスト・レベルのばらつきがかなり大きいこと、及びコントラストが分散していることのため妨げられる。加えて、造影剤滞留(contrast pooling)効果及びモーション・アーティファクトのように強度を変化させる他の撮像アーティファクトのため、解析がさらに複雑化する。
【0005】
偽陽性検出を克服する一つの試みがY. Masutani, H. MacMahon, K. Doi, “Computerized Detection of Pulmonary Embolism in Spiral CT Angiography Based on Volumetric Image Analysis”, IEEE Transactions On Medical Imaging 2002, 21(12), 1517に記載されている。この文献は、ボクセルの曲線性を用いてPEを検出することと併せて、局所的強度コントラストを用いて、隣接ボクセルに対して相対的に不透明でない血管系内のボクセル群を識別することにより、PEを検出することを記載している。事例訓練データベースを用いて開発された分類子を用いて偽陽性検出を克服する。このアプローチの欠点としては、訓練データベースを開発するのにかなりの時間が必要とされること、及び取得パラメータが訓練データ集合と臨床現場との間で変化すると極めて脆弱化すること等が挙げられる。
【0006】
Liang等(J. Liang, M. Wolf and M. Salganicoff, “A Fast Toboggan-based Method for Automatic Detection and Segmentation of Pulmonary Embolism in CT Angiography”, MICCAI 2005 Short Papers)は、各ボクセルを当該ボクセルの近傍の最低強度ボクセルに写像することによりボクセルのクラスタを局所的に形成するトボガン・アルゴリズムを用いて−50HU〜100HUの範囲の塞栓を検出することを記載している。このアプローチの一つの短所は、造影剤CTの場合は強度変化を受け易いため、格別に重症の塞栓の場合、又はパーシャル・ボリューム効果のため人為的に上昇した強度レベルが生ずる場合に、塞栓の強度範囲についての仮定が不適当となる可能性が高いことである。
【0007】
Zhou等(C. Zhou et al., “Preliminary Investigation of Computer-aided Detection of Pulmonary Embolism in Three dimensional Computed Tomography Pulmonary Angiography Images”, Acad Radiol 2005; 12:782)は、3段階式期待値最大化アルゴリズムを用いて、PEを切り分けるための半自動的方法を開発している。
【0008】
また、PE視覚化の自動的方法を開発する試みが為されている。例えば、米国特許出願第2005/0240094A1号、E. Pichon, C.L. Novak, A.P. Kiraly, “System and method for visualization of PE from high resolution CT images” (特許文献1)、及びE. Pichon, C.L. Novak, A.P. Kiraly, D. Naidich, “A novel method for pulmonary emboli visualization from high-resolution CT images”, Medical Imaging 2004: Proc. SPIE Vol. 5367は各々、血管ボクセルの統計値を中心線に向かって放射状に算出する最大降下(maximum descent)法を記載している。このようにして、当該集合の適当な統計値(最小/平均)を中心線に向かう経路に沿った全てのボクセルに割り当てて、内部に位置するPEを血管表面に浮かび上がらせる。もう一つの例では、米国特許出願第2006/0025674A1号、A.P. Kiraly, C.L. Novak, “System and Method for Tree Projection for Detection of Pulmonary Embolism”(特許文献2)が、最大降下の代わりに車輪投影(cartwheel projection)を用いたPichon等の方法の変形を記載している。もう一つの例では、米国特許出願第2006/0023925A1号、A.P. Kiraly, C.L. Novak, “System and Method for Tree-Model Visualization for Pulmonary Embolism Detection”(特許文献3)が最小強度投影方法を記載しており、この方法を用いて、得られた血管表面を展開して血管の二次元表現を形成し、この表現を用いて完全な血管樹の二次元描写においてPE位置を強調した。さらに他の例では、A.P. Kiraly, E. Pichon, D.Naidich, C.L. Novak, “Analysis of arterial sub-trees affected by Pulmonary Emboli”, Medical Imaging 2004: Image Processing, Proc. SPIE Vol. 5370が、塞栓症の位置が与えられたときにPE位置に対して末梢側に位置する動脈樹を抽出することにより、罹患した肺部位を識別し得る方法を記載している。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0240094A1号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0025674A1号
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0023925A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、現在のところ、上に述べた問題及び欠点を克服して閉塞を検出する適当な装置又は方法は利用可能でない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する方法が、関心領域から血管系を抽出するステップと、抽出された血管系の被検幾何学的構成を識別するステップと、遮断を識別するために上述の被検幾何学的構成を予め決められた幾何学的構成と比較するステップとを含んでいる。
【0011】
また、本発明のもう一つの実施形態によれば、関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する装置が、容積画像データを生成する走査装置と、画像データから血管系を抽出し、抽出された血管系の被検幾何学的構成を識別して、遮断を識別するために被検幾何学的構成を予め決められた幾何学的構成と比較するように構成されているプロセッサとを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の詳細な説明は添付図面に関して記載される。
【0013】
本発明の一実施形態は、血管系での肺塞栓のような遮断又は閉塞を検出する方法及び装置に関わる。後に改めて詳述するように、強度閾値に基づいて抽出され得る血管系の局所的形状特性の幾何学的解析が用いられる。局所的形状特性の解析は強度の大小変化(スケーリング)に対して不変であり、従って、症例間の強度のばらつきに対して堅牢な規準を提供し、これにより、上述の従来技術の欠点及び他の欠点を克服する。
【0014】
図1には、本発明の一実施形態による閉塞を識別する撮像装置が、全体的に参照番号10に示されている。本実施形態では、撮像装置10は、走査装置12、入出力装置14、表示器16、メモリ18及びプロセッサ20を含んでいる。
【0015】
走査装置12は、磁気共鳴(MR)撮像装置、計算機式断層写真法(CT)撮像装置、螺旋CT装置、陽電子放出断層写真法(PET)装置、二次元(2D)若しくは三次元(3D)フルオロスコピィ撮像装置、2D、3D若しくは四次元超音波撮像装置、及び/又はX線装置のように、容積画像データを生成してこのデータをプロセッサ20へ伝達することが可能な1又は複数の装置であってよい。
【0016】
入出力装置14は、キーボード、CD/DVDドライブ、フラッシュ・メモリ及び/又はプリンタのように情報をプロセッサ20に供給する及び/又はプロセッサ20から受け取ることが可能な装置を任意の数又は任意の組み合わせで含み得る。表示器16は、液晶表示器のような任意の適当な表示モニタを含み得る。
【0017】
メモリ18は、RAM及び/若しくはROMのような任意の適当な短期メモリ、並びに/又はハードディスクのような長期メモリを含んでいてよく、後述する作用及び本発明の実施によって要求されるその他任意の作用の任意のものを遂行するためにプロセッサ20によって用いられる情報を記憶する。
【0018】
プロセッサ20は、与えられた一連の命令によって例えばファームウェア又はソフトウェアにおいて構成されることが可能な任意の適当な装置であってよく、図示のように、走査装置12、入出力装置14、表示器16及びメモリ18の各々と連絡するように回路を成して接続される。本発明の一実施形態では、プロセッサ20は、肺塞栓症のような閉塞又は遮断を検出するように構成される。このことを達成するために、造影剤の流動が十分であり血管系又は血管セグメントが遮断点の先まで容易に追跡され得るような肺塞栓の場合には、プロセッサ20は、血管系を表わす明るい領野の内部の暗い病状部を検出するように構成され得る。後に詳述するように、重症の肺塞栓が血管樹において不完全な1又は複数の罹患血管セグメントを表現している場合には、血管系は加えて、グラフ表現における一連の分岐及びセグメントとして抽出され得る。次いで、この表現を、解剖学的構造の断絶を精密に位置決定するために肺血管の基準アトラス又は標準アトラスと比較することができる。
【0019】
この実施形態の例では、一対の肺の容積画像データが走査装置12によって生成されてプロセッサ20へ連絡されることができ、プロセッサ20は画像データの平滑化を先ず行なって雑音の影響を抑えるように構成され得る。この後に、強度閾値を設定することにより肺を画像データから抽出することができる。残りの画像データは一般的には、肺壁面の血管又は構造を含まなくなることが認められよう。このことを補正するために、壁構造を含めるように形態学的閉合(morphological closing)を適用し、続いて実質構造を含めるように公知の開口充填(hole-filling)ステップを行なうことができる。
【0020】
この後に、形状に基づく解析又は幾何学的解析を用いて、この時点で造影剤強調されているCT容積画像データから血管樹を抽出することができる。このようにして、肺野を含む画像データの内部でボクセルの局所的曲率応答を解析することにより肺血管を切り分けることができる。この実施形態の重要な特徴によれば、任意の所与の位置において、曲率テンソルの固有値k1、k2の比が、所与の位置に交差する等値面(isosurface)の局所的形状についての情報を与え、0及び1に近い値がそれぞれ曲線状物体(血管)及び球面状(球形)物体となることが認められよう。
【0021】
さらに明確に述べると、位置xにおける等値面I(x)=kの主曲率は2×2行列Cの固有値から求められ、この値を容積画像データの曲率テンソルIと呼ぶ。
C=−(NHN)/||∇I||
式中、Hは容積画像データの第二導関数の3×3ヘッセ行列であり、Nは∇Iのヌル空間の3×2行列である。
【0022】
任意の所与の位置において、曲率テンソルの固有値κ1,2は、当該位置に交差する等値面の局所的形状についての情報を与える。テンソル曲率の解析は、従来技術に関連する強度の大小変化の下でも不変であり堅牢である局所的幾何学的特性を与える。
【0023】
血管のような曲線状構造は、κ及びκの大きさの顕著な差を呈し、対照的に、球面構造はκ及びκの値が略等しいことにより特徴付けられることが判明している。従って、あるボクセルでの抽出された曲率テンソルの比は、血管の重要な識別特徴を与える。
【0024】
また、後述のように、強度閾値に加えて例えば(1−κ1/κ)のような最小閾値を曲率テンソルに与えることにより、肺野の容積画像データの範囲内で血管ボクセルを切り分けて、肺塞栓をさらに見易く顕在化させることができる。
【0025】
肺塞栓は明るい血管野の内部の暗い円筒/暗い球面として現われて、このことのため、算出される微分後のテンソル曲率はこれらの構造について反転符号を含むことが認められよう。このことを用いて、明るい血管についての正常な曲率応答からの偏差を検出することができる。図2は、肺血管及び肺塞栓の複雑さを示す造影剤CT画像の部分を示す。本発明の一実施形態による方法及び装置が、後に改めて詳述するように、これらの肺血管の内部のPEを見出して、造影剤強調された血管の撮像における不連続性を検出し得ることが理解されよう。
【0026】
図3は、造影剤CT画像のもう一つの部分を示しており、同図では曲率応答マップにおいて血管の中心に位置する閉塞が参照番号302において強調されている。この部分は全体的に球面状の構造の内部に位置する閉塞を示す。
【0027】
樹が遮断点において不連続となるか又は終端するように流動をさらに深刻に妨げる遮断については、不連続及び終端と、血管系を検出する能力の通常の限界とを整合させ得るように、解剖学的構造の十分な部分を認識することが重要となる。これにより、塞栓が当の罹患血管セグメントの上述の幾何学的解析を妨げるような状況でもこの幾何学的解析を補完することができる。例えば、考察している肺樹が不連続である(容積画像データに強度閾値を施した後)ような位置又は被検グラフが対照グラフと異なっているような位置は、肺流動の断絶を示すことにより、肺塞栓症の可能性を示すものと考えることができる。
【0028】
考察されている解剖学的構造の被検グラフ表現を準備するために、血管系を表わす画像データを分岐点及び血管系セグメントを通じて識別することができる。次いで、被検グラフを予め決められたグラフに対して又は塞栓の存在しない肺(又は他の器官)の血管系の構造の表現である参照解剖学的構造に対して比較することができる。予め決められたグラフは、「完全」血管樹を一定の信頼性レベルで抽出し得るようなものであれば基準走査であっても同じ個人の異なる走査であってもよく、また造影剤が存在していてもいなくてもよく、又は血管樹は一般的には、人口の大部分について固定された位相幾何学的構造を有しているため、解剖アトラスであってもよい。上述の幾何学的解析を用いて、考察されている走査のセグメント及び接合部から血管樹を構築し、次いで、この樹に基礎となる位相幾何学的構造を保存する態様でラベル付けする。グラフの不連続性、及びグラフの位相幾何学的構造が参照解剖学的構造の位相幾何学的構造と異なっている位置を、PE位置候補と看做し得ることが認められよう。
【0029】
本発明のもう一つの実施形態によれば、関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する方法が、参照番号400に全体的に示されており、ブロック402に示すように、関心領域から血管系を抽出するステップを含んでいる。ブロック404に示すように、方法はまた、抽出された血管系の被検幾何学的構成を識別するステップと、ブロック406に示すように、遮断を識別するために被検幾何学的構成を予め決められた幾何学的構成と比較するステップとを含んでいる。方法はさらに、ブロック408に示すように、抽出された血管系を表わす被検グラフを生成するステップと、ブロック410に示すように、予め決められたグラフを与えるステップと、ブロック412に示すように、欠落グラフ・セグメント又は異常グラフ・セグメントを検出してこれにより遮断を識別するために被検グラフを予め決められたグラフと比較するステップとを含み得る。
【0030】
また、方法400によれば、被検幾何学的構成を識別するステップは、ブロック414に示すように、抽出された血管系の等値面の形状を識別するために曲率テンソルを用いるステップを含み得る。曲率テンソルは、ブロック416に示すように、等値面の形状に対応する各固有ベクトルの比を含み得ることが理解されよう。
【0031】
さらに、方法400によれば、血管系を抽出するステップは、容積画像データを生成するために計算機式断層写真法を用いるステップと、容積画像データから肺血管系を生成するステップとを含み得る。また、血管系を抽出するステップはさらに、ブロック418に示すように、肺血管系を分離するために容積画像データについての強度閾値を設定するステップを含み得る。さらに、血管系を抽出するステップは、肺壁構造を生成するために容積画像データに対して形態学的閉合を適用するステップと、実質構造を再現するために開口充填スキームを提供するステップとを含み得る。遮断は肺塞栓症であってよく、予め決められたグラフは基準グラフ又は解剖アトラスを含み得ることが理解されよう。
【0032】
本発明は、塞栓構造自体の特徴をさらに十分に理解するアプローチを採用しており、これにより開始当初から誤検出を低減する。また、解析は、許容可能な程度を超えてアトラスから逸脱した大域的な肺血管樹の要素として塞栓を識別することにより、局所的応答に留まらない範囲に及ぶ。このことにより、通常ならば幾何学的解析では見落とされ、これにより探索野から除外されていたような完全な閉塞の識別が可能になる。モデル樹における解剖学的位置に関する塞栓の識別はまた、矛盾した不透明度を有する肺静脈の誤った塞栓部位としての誤認を少なくすることを助ける。
【0033】
本書に記載したシステム及び方法の技術的効果としては、抽出された血管系の被検幾何学的構成を識別すること、及び遮断を識別するために被検幾何学的構成を予め決められた幾何学的構成と比較することが挙げられる。
【0034】
現状で最も実際的であり好適であると考えられる実施形態に関して本発明を説明したが、本発明は、本書に開示した実施形態に限定されない。寧ろ、本発明は、特許請求の真意及び範囲に含まれる様々な改変及び均等構成の全てを網羅するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態による閉塞を識別する装置を示す模式図である。
【図2】切り分けられた血管を示す肺の造影剤画像の部分図である。
【図3】閉塞を含む血管の曲率を示す肺の造影剤画像のもう一つの部分図である。
【図4】本発明のもう一つの実施形態による閉塞を識別する方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0036】
10 撮像装置
302 強調された血管
400 関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する方法であって、
前記関心領域から血管系を抽出するステップ402と、
前記抽出された血管系の被検幾何学的構成を識別するステップ404と、
遮断を識別するために前記被検幾何学的構成を予め決められた幾何学的構成と比較するステップ406と
を備えた方法。
【請求項2】
前記抽出された血管系を表わす被検グラフを生成するステップ408と、
予め決められたグラフを与えるステップ410と、
欠落グラフ・セグメント又は異常グラフ・セグメントを検出してこれにより遮断を識別するために、前記被検グラフを前記予め決められたグラフと比較するステップ412と
をさらに含んでいる請求項2に記載の方法。
【請求項3】
被検幾何学的構成を識別する前記ステップは、前記抽出された血管系の等値面の形状を識別するために曲率テンソルを用いるステップ414を含んでおり、前記曲率テンソルは、前記等値面の前記形状に対応する固有ベクトルの比416を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
血管系を抽出する前記ステップは、容積画像データを生成するために計算機式断層写真法を用いるステップと、前記容積画像データから肺血管系を生成するステップとを含んでおり、また血管系を抽出する前記ステップは、肺血管系を分離するために前記容積画像データの強度閾値を設定するステップ418をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
血管系を抽出する前記ステップは、
肺壁構造を生成するために、前記容積画像データに対して形態学的閉合を適用するステップと、
実質構造を再現するために、開口充填スキームを提供するステップと
をさらに含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
関心領域に位置する血管系の1又は複数の閉塞を識別する装置であって、
容積画像データを生成する走査装置12と、
前記画像データから血管系を抽出し、該抽出された血管系の被検幾何学的構成を識別して、遮断を識別するために前記被検幾何学的構成を予め決められた幾何学的構成と比較するように構成されているプロセッサ20と
を備えた装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記抽出された血管系を表わす被検グラフを生成し、
欠落グラフ・セグメント又は異常グラフ・セグメントを検出してこれにより遮断を識別するために、前記被検グラフを予め決められたグラフと比較する
ようにさらに構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記抽出された血管系の等値面の形状を識別するために曲率テンソルを用いる、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
肺壁構造を生成するために、前記容積画像データに対して形態学的閉合を適用し、
実質構造を再現するために、開口充填スキームを提供する
ようにさらに構成されている、請求項6に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−45436(P2009−45436A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−156074(P2008−156074)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】