説明

防振連結ロッド

【課題】ロッド本体の変位による振動の伝達を低減すると共に、防振ブッシュの動ばね定数やロッド本体の質量等を高い自由度で設定することが出来る新規な構造の防振連結ロッドを提供すること。
【解決手段】防振連結ロッド10において、支持筒部14,16におけるロッド本体12側と反対側の半周部分に位置して中空構造のハウジング46が設けられていると共に、ハウジング46の中空部分に形成されたマス収容空所48に対して独立マス部材50が非接着で独立変位可能に収容配置されており、ロッド本体12の軸直角方向に入力される振動によって独立マス部材50がハウジング46に対して独立変位せしめられて弾性的に当接せしめられる制振装置44が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車のトルクロッドやサスペンションロッド等として好適に採用される防振連結ロッドに係り、特に、独立マス部材のハウジングへの当接によって伝達振動を軽減することが出来る、制振装置を備えた防振連結ロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、車両ボデー等の制振対象部材の振動を抑えるために、様々な制振装置が検討されており、その一種として、制振対象部材に固定される中空構造のハウジングに対して、非接着で独立変位可能とされた独立マス部材を配設せしめて、独立マス部材をハウジングに対して弾性的に当接させることにより、当接時における滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用して制振効果を得るようにした構造の制振装置が提案されている。このような制振装置としては、例えば、特許文献1(特開2001−271874号公報)がある。
【0003】
かかる特許文献1等に示された構造の制振装置においては、小さなマス質量によって、広い周波数域に亘る振動に対して制振効果を得ることが出来ることから、例えば、自動車のパワーユニットを車両ボデーに連結するトルクロッドや、車輪を車両ボデーに連結するサスペンションロッド等の防振連結ロッドの制振に採用されている。なお、防振連結ロッドは、長手形状の高剛性材で形成されたロッド本体の長手方向両端部にそれぞれ支持筒部(アームアイ)を設けると共に、該支持筒部にそれぞれ防振ブッシュを装着して、それら防振ブッシュを各一方の連結対象部材に取り付けることにより、連結対象部材を相互に連結する構造となっており、例えば、特許文献2(特開2005−106293号公報)等に示されている。
【0004】
ところで、従来の防振連結ロッドにおいて、制振装置が取り付けられる場合には、ロッド本体の弾性的な変形による共振によって、パワーユニットや車輪側から車両ボデーに伝達される加速騒音やロードノイズ等が悪化するのを防ぐことを、目的としている。それ故、特許文献1にも示されているように、制振装置が、ロッド本体の変形による変位が最大となるロッド本体の長手方向中央部分に配設されており、独立マス部材のハウジングに対する独立変位が生ぜしめられることにより、それらマス部材とハウジングの当接による制振効果が発揮されるようになっている。
【0005】
ところが、特許文献1等に示されている制振装置を備えた防振連結ロッドでは、上述のようにロッド本体の変形による共振を抑えることを目的としていることから、防振連結ロッドを介して連結対象部材の一方から他方へ伝達される振動に対しては、有効な制振効果が発揮され難いという問題があった。即ち、剛体であるロッド本体が、防振ブッシュによって弾性的に連結対象部材に取り付けられていることから、ロッド本体に対して連結対象部材(例えば、自動車のパワーユニット)から軸直角方向の振動が入力されると、該振動がロッド本体を介して他方の連結対象部材(例えば、車両ボデー)に伝達される。
【0006】
そこにおいて、ロッド本体が剛体として振動せしめられる場合には、長手方向中央部分に制振装置が取り付けられていることにより、制振装置の変位が不十分となって、有効な制振効果が発揮され難いのである。特に、剛体のロッド本体を防振ブッシュの本体ゴム弾性体を介して連結対象部材に取り付けるようにされた防振連結ロッドでは、ロッド本体を質量成分とすると共に防振ブッシュをばね成分とするマス−バネ系における剛体共振も問題となり易く、ロッド本体の剛体共振による伝達振動の増幅が、更なる問題となるおそれもあった。
【0007】
なお、このようなロッド本体の剛体共振による伝達振動の悪化に対しては、例えば、防振ブッシュの動ばね定数やロッド本体の質量を変化させて、ロッド本体の剛体共振の周波数を車両特性上問題となり難い低周波数域へ変化させること等によって、問題の解消が図られている。しかし、防振ブッシュの動ばね定数やロッド本体の質量等を変化させると、防振連結ロッドの特性が変化して、例えば自動車のアイドリング振動の伝達を防ぐことが難しくなったり、防振連結ロッドの強度が低下する等の問題が生じるおそれがある。それ故、ロッド本体の剛体共振による振動の悪化を解決する有効な手段とは言い難く、より効果的な解決手段が求められていた。
【0008】
【特許文献1】特開2001−271874号公報
【特許文献2】特開2005−106293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ロッド本体の変位による振動の伝達を低減すると共に、防振ブッシュの動ばね定数やロッド本体の質量等を高い自由度で設定することが出来る新規な構造の防振連結ロッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0011】
すなわち、本発明は、ロッド本体の両端部に支持筒部が形成されて、それら支持筒部に対してそれぞれ防振ブッシュが組み付けられると共に、該防振ブッシュが連結対象部材の各一方に対して取り付けられることにより、それら連結対象部材を相互に連結して振動伝達系を構成する防振連結ロッドにおいて、前記支持筒部における前記ロッド本体側と反対側の半周部分に位置して中空構造のハウジングが設けられていると共に、該ハウジングの中空部分に形成されたマス収容空所に対して独立マス部材が非接着で独立変位可能に収容配置されており、該ロッド本体の軸直角方向に入力される振動によって該独立マス部材が該ハウジングに対して独立変位せしめられて弾性的に当接せしめられる制振装置が構成されていることを特徴とする。
【0012】
このような本発明に従う構造とされた防振連結ロッドにおいては、支持筒部の周上におけるロッド本体に対して反対側の半周部分に制振装置を設けることにより、ロッド本体の振動変位に伴って制振装置に大きな加速度を作用せしめることが出来て、独立マス部材のハウジングに対する相対的な飛び跳ね変位を有利に実現することが出来る。これにより、本発明は、両端部を防振ブッシュで弾性支持されたロッド本体が、剛性材として変位せしめられることによる連結対象部材間での振動伝達を有利に低減せしめることが出来る。
【0013】
すなわち、独立マス部材とハウジングの当接によるエネルギ損失を利用した制振装置では、目的とする制振効果を有効に実現するために、独立マス部材がハウジングに対して安定して打ち当てられることが要求される。
【0014】
そこにおいて、本発明は、ロッド本体が充分な剛性を有して、外力の作用による弾性的な曲げ変形を殆ど生じない場合に、ロッド本体の振動入力による変位が、弾性支持されたロッド端部において最大となることに着目して、ロッド端部に設けられた支持筒部の周上において、ロッド軸方向の外側に位置する半周部分という特定箇所に対して制振装置のハウジングを設けることにより、制振装置に及ぼされる加速度を大きく得られるようになっている。
【0015】
これにより、ロッド本体の略中央部分に制振装置を設けた場合には有効な制振効果が発揮されなかった、ロッド本体が剛体として変位することにより伝達される振動に対しても、有効な制振効果を得ることが出来る。特にロッド本体の剛体共振を防ぐことにより、伝達振動がロッド本体の剛体共振によって増幅されるのを有利に回避することが可能となる。従って、例えば、自動車の加速時における騒音等を軽減乃至は解消することが出来る。
【0016】
また、本発明に係る防振連結ロッドを採用することによって、ロッド本体の質量や防振ブッシュの動ばね定数を変化させることなく、ロッド本体の剛体共振による伝達振動の悪化を低減乃至は回避することが出来る。それ故、ロッド本体の質量や防振ブッシュの動ばね定数を変化させることによって、特定周波数域の振動伝達が悪化したり、防振連結ロッドの強度及び耐久性が低下するといった問題を回避することが出来る。
【0017】
なお、防振連結ロッドの軸方向とは、ロッド本体の両端部に形成された各支持筒部の軸方向及び径方向の中央を通る仮想的な直線が延びる方向を言う。また、防振ブッシュは、具体的な構造が特に限定されるものではないが、連結対象部材に取り付けられる内筒部材と、該内筒部材の外周側に離隔配置されて支持筒部に取り付けられる外筒部材が、本体ゴム弾性体で相互に連結された構造を有している。
【0018】
また、本発明に係る防振連結ロッドにおいては、前記ハウジングが前記支持筒部の周上において前記ロッド本体の中心軸上で該ロッド本体と反対側に位置するように設けられていても良い。
【0019】
このように、制振装置を防振連結ロッドの軸方向端部に設けることで、ロッド本体への振動入力時において、制振装置に対してより大きな加速度を作用せしめて、独立マス部材のハウジングに対する独立変位による当接を安定して実現することが出来る。これにより、独立マス部材とハウジングの当接時における滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用した制振効果を有利に得ることが出来る。
【0020】
また、本発明に係る防振連結ロッドにおいて、前記ハウジングが前記支持筒部の周上において前記ロッド本体の軸方向に対して直交する方向に位置するように設けられていても良い。
【0021】
このように、制振装置を、支持筒部の周上においてロッド本体の軸方向に対して直交する方向に位置するように設けた場合にも、制振装置に対して充分な加速度が及ぼされて、目的とする制振効果を有効に得ることが出来る。
【0022】
また、本発明に従う構造の防振連結ロッドにおいては、前記ハウジングが円筒形状の内周面を有する中空構造とされていると共に、前記独立マス部材が該ハウジングの内周面に応じた円筒形状の外周面を有しており、前記ロッド本体の軸直角方向への振動入力によって該ハウジングの該内周面と該独立マス部材の該外周面が当接せしめられるようになっていることが望ましい。
【0023】
このような構造の防振連結ロッドでは、独立マス部材とハウジングの当接面が、何れも略円筒形状を呈する曲面とされている。これにより、独立マス部材の軸直角方向となる何れの方向の入力振動に対しても、独立マス部材とハウジングの安定した当接状態が発現されて、優れた制振効果が発揮される。また、滑りや衝突によるエネルギ損失に基づく制振効果に加えて、独立マス部材の転がり摩擦によるエネルギ損失に基づいた制振効果を期待することも出来る。更にまた、独立マス部材がハウジング内で周方向への回転を許容されていることから、打当り部位が周方向に変化することで耐久性の向上も期待できる。
【0024】
また、本発明に係る防振連結ロッドにおいて、前記ロッド本体の両端部に設けられる前記防振ブッシュの動ばね定数が相互に異ならされていると共に、動ばね定数が小さい方の該防振ブッシュが取り付けられる前記支持筒部の周上に前記ハウジングが設けられていることが望ましい。
【0025】
これによれば、振動入力時により大きく変位せしめられる側となる動ばね定数の小さい防振ブッシュが取り付けられた端部側に対して、制振装置を取り付けることにより、制振装置の変位を有利に確保して、及ぼされる加速度を大きくすることが出来る。従って、独立マス部材とハウジングの当接による制振効果を有効に得ることが出来る。
【0026】
また、本発明において、好適には、前記支持筒部に有底筒状のベース部が一体形成されており、該ベース部の開口部が蓋部材で覆蓋されることにより、前記マス収容空所を有する前記ハウジングが構成されている。
【0027】
このように、ハウジングを構成するベース部を支持筒部と一体形成することにより、制振装置の支持筒部への取付けを、特別な固定手段を設けることなく、容易に実現することが出来る。また、制振装置の支持筒部への取付作業を省略することも出来て、本発明に係る防振連結ロッドを少ない工程数で実現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0029】
先ず、図1, 図2には、本発明に係る防振連結ロッドの第一の実施形態として、自動車用トルクロッド10が示されている。このトルクロッド10は、ロッド本体12の両端部に形成された支持筒部としての第一のアームアイ14と第二のアームアイ16に対して、防振ブッシュとしての第一のゴムブッシュ18と第二のゴムブッシュ20が装着された構造を有している。そして、例えば、第一のアームアイ14に装着された第一のゴムブッシュ18が、図示しない車両ボデー側に取り付けられると共に、第二のアームアイ16に装着された第二のゴムブッシュ20が、図示しないパワーユニット側に取り付けられることにより、それら車両ボデーとパワーユニットがロッド本体12を介して相互に連結されて、振動伝達系が構成されるようになっている。なお、以下の説明において、前後方向とは、特に説明がない限り、トルクロッド10の車両への装着状態下における車両前後方向である図1中の右左方向を言う。更に、左右方向とは、車両装着状態で略左右方向とされる第一のアームアイ14の軸方向である図2中の上下方向を言い、上下方向とは、車両装着状態で略鉛直上下方向とされる第二のアームアイ16の軸方向である図1中の上下方向を言う。
【0030】
より詳細には、ロッド本体12は、図3,4に示されているように、全体として略板形状を有しており、本実施形態では、左右方向で略一定の板厚を有していると共に、車両後方側(図3中、左)に行くに従って次第に上下方向で狭幅となっている。また、本実施形態では、ロッド本体12が、車両前後方向で直線的に延びる長手形状を有している。
【0031】
また、ロッド本体12は、鉄やアルミニウム合金等の金属材や繊維補強された硬質の合成樹脂材等で形成されており、本実施形態では、ガラス繊維によって補強された高剛性の合成樹脂材で形成されている。更に、ロッド本体12の上下方向両端部には、図3に示されているように、ロッド本体12の厚さ方向両側に向かって延び出す一対の補強リブ22,22がロッド本体12の全長に亘って連続して延びるように一体形成されており、ロッド本体12の板厚方向での曲げ剛性が高められている。これにより、ロッド本体12は、外力の作用による弾性的な変形が問題とならない、実質的に剛体と見なし得る部材とされている。
【0032】
また、ロッド本体12の長手方向(本実施形態では、車両前後方向)一方の端部には、第一のアームアイ14が形成されている。第一のアームアイ14は、ロッド本体12の板厚方向と直交する中心軸をもって上下方向に延びる小径の円筒形状を有しており、本実施形態では、ロッド本体12と一体形成されている。
【0033】
また、図1,図2に示されているように、第一のアームアイ14には、第一のゴムブッシュ18が設けられている。この第一のゴムブッシュ18は、内筒部材としての第一の内筒金具24を備えている。第一の内筒金具24は、略一定の断面形状で直線的に延びる厚肉小径の略円筒形状を有しており、鉄やアルミニウム合金等の高剛性材で形成されている。
【0034】
また、第一の内筒金具24の外周面には、第一の本体ゴム弾性体26が加硫接着されている。第一の本体ゴム弾性体26は、厚肉の略円筒形状を有しており、第一の内筒金具24と同一中心軸上に配設されている。また、本実施形態では、第一の本体ゴム弾性体26の軸方向両端部において、外周側に広がるフランジ状の係止部28,28が第一の本体ゴム弾性体26と一体形成されている。このような構造とされた第一の本体ゴム弾性体26は、その内周面が第一の内筒金具24の外周面に加硫接着されており、第一の内筒金具24を一体的に備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0035】
そして、第一の内筒金具24を備えた第一の本体ゴム弾性体26の一体加硫成形品は、第一のアームアイ14に対して嵌め入れられて固定される。かかる一体加硫成形品の装着状態において、第一の内筒金具24は、第一のアームアイ14の内周側に所定距離を隔てて、第一のアームアイ14と同一中心軸上に配設されている。また、本実施形態では、第一の本体ゴム弾性体26の軸方向寸法が第一のアームアイ14の軸方向寸法よりも大きくされており、第一の本体ゴム弾性体26の軸方向両端部に一体形成された一対の係止部28,28が、それぞれ第一のアームアイ14の軸方向端面の内周部分に重ね合わされている。
【0036】
このように、第一のアームアイ14に対して第一の本体ゴム弾性体26の一体加硫成形品が取り付けられることによって、第一の内筒金具24と第一のアームアイ14を第一の本体ゴム弾性体26で相互に連結した本実施形態における第一のゴムブッシュ18が構成されている。本実施形態では、支持筒部と外筒部材が第一のアームアイ14によって構成されている。
【0037】
なお、第一の本体ゴム弾性体26の一体加硫成形品が第一のアームアイ14に対して装着された状態において、第一の本体ゴム弾性体26は、第一のアームアイ14と第一の内筒金具24の径方向対向面間に、径方向で圧縮されて変形した状態で介在せしめられている。これにより、第一の本体ゴム弾性体26に対して径方向で作用する引張応力を低減せしめることが出来て、第一の本体ゴム弾性体26の耐久性向上を図ることが出来る。
【0038】
また、本実施形態では、防振ブッシュとして、第一のアームアイ14を外筒部材として利用した第一のゴムブッシュ18が示されているが、第一のアームアイ14とは別体として形成された防振ブッシュを、第一のアームアイ14に対して後付けで取り付けるようになっていても良い。即ち、具体的には、例えば、小径円筒形状の第一の内筒金具24と、大径円筒形状の外筒部材としての外筒金具を同一中心軸上で配設し、それら第一の内筒金具24と外筒金具の径方向対向面間に第一の本体ゴム弾性体26を介装せしめることにより、第一の内筒金具24と外筒金具を第一の本体ゴム弾性体26で相互に連結した防振ブッシュを構成して、外筒金具を第一のアームアイ14に圧入固定することにより、該防振ブッシュが第一のアームアイ14に取り付けられるようにしても良い。更に、例えば、第一の本体ゴム弾性体26が第一の内筒金具24と第一のアームアイ14の両方に加硫接着されることにより、防振ブッシュが構成されるようになっていても良い。
【0039】
一方、ロッド本体12の長手方向他方の端部には、第二のアームアイ16が形成されている。第二のアームアイ16は、図3,4に示されているように、ロッド本体12の板厚方向と平行な中心軸をもって左右方向に延びる大径の円筒形状を有しており、ロッド本体12を挟んで第一のアームアイ14と反対側に一体形成されている。言い換えれば、第二のアームアイ16は、第一のアームアイ14が形成されたロッド本体12の一方の端部と反対側の端部において、第一のアームアイ14と直交する方向に延びるように形成されている。また、本実施形態では、第二のアームアイ16が第一のアームアイ14よりも大径の円筒形状を呈している。
【0040】
なお、ロッド本体12に一体形成された一対の補強リブ22,22は、その一方の端部が第一のアームアイ14の外周面に至る長さで形成されていると共に、他方の端部が第二のアームアイ16の外周面に至る長さで形成されており、それら第一,第二のアームアイ14,16と一体形成されている。
【0041】
また、第二のアームアイ16には、図1,2に示されているように、第二のゴムブッシュ20が取り付けられている。この第二のゴムブッシュ20は、全体として、第一のゴムブッシュ18よりも厚肉大径の円筒形状を呈しており、第一のゴムブッシュ18よりも動ばね定数が低く設定されている。また、第二のゴムブッシュ20は、内筒部材としての第二の内筒金具30と外筒部材としての金属スリーブ32が第二の本体ゴム弾性体34で相互に連結された構造を備えている。
【0042】
第二の内筒金具30は、略一定の断面形状で直線的に延びる厚肉小径の略円筒形状を有しており、鉄やアルミニウム合金等の高剛性材で形成されている。また、第二の内筒金具30の軸方向長さは、第二のアームアイ16の軸方向での長さよりも大きくされている。なお、本実施形態では、第二の内筒金具30の中央孔が長円形状を有しており、上下方向で内径が小さくなっている。
【0043】
また、金属スリーブ32は、略一定の断面形状を有する薄肉大径の略円筒形状を呈しており、第二の内筒金具30と同様の金属材で形成されている。また、金属スリーブ32は、その軸方向長さが第二のアームアイ16の軸方向長さと略等しくなっており、第二の内筒金具30の軸方向長さよりも短くなっている。更に、金属スリーブ32の外径は、第二のアームアイ16の内径よりも大径とされている。
【0044】
これら第二の内筒金具30と金属スリーブ32は、第二の内筒金具30の外周側を金属スリーブ32が取り囲むように配設されており、それら第二の内筒金具30と金属スリーブ32が全周に亘って径方向で離隔して配設されている。特に本実施形態では、第二の内筒金具30の中心軸が、金属スリーブ32の中心軸に対して車両前方側である図1中の右側にずれて位置せしめられている。
【0045】
そして、それら第二の内筒金具30と金属スリーブ32の間には、第二の本体ゴム弾性体34が加硫接着されている。第二の本体ゴム弾性体34は、全体として厚肉の略円筒形状を有するゴム弾性体であって、その内周面が第二の内筒金具30の外周面に加硫接着されると共に、外周面が金属スリーブ32の内周面に加硫接着されている。そして、第二の内筒金具30と金属スリーブ32を第二の本体ゴム弾性体34で弾性的に連結した構造の第二のゴムブッシュ20が形成されている。なお、本実施形態における第二の本体ゴム弾性体34は、第二の内筒金具30と金属スリーブ32を一体的に備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0046】
また、第二の本体ゴム弾性体34には、第一,第二のスリット36,38が形成されている。第一のスリット36は、第二の内筒金具30を挟んだ車両前方側(図1中、右)において第二の本体ゴム弾性体34を軸方向に貫通するように形成されており、周方向に所定の長さで延びている。また、第一のスリット36の外周側内壁面が波状を呈しており、内周側内壁面と外周側内壁面が緩衝的に当接せしめられるようになっている。
【0047】
さらに、第二のスリット38は、第二の内筒金具30を挟んで第一のスリット36と反対側(車両後方側である図1中、左)において第二の本体ゴム弾性体34を軸方向で貫通するように形成されている。また、第二のスリット38は、略周方向に所定の長さで延びる上下スリット部40と、上下スリット部40の上下方向中央部分から径方向で後方(図1中、左)に向かって延びる前後スリット部42を、一体的に備えており、全体として側面視で略T字形状を呈している。なお、図1,図2にからも明らかなように、第二の本体ゴム弾性体34において上下スリット部40と前後スリット部42の間に位置する部分が、他の部分に比して軸方向両側に延び出しており、金属スリーブ32よりも軸方向外側に突出せしめられている。
【0048】
これらのスリット36,38が形成されることにより、第二のゴムブッシュ20の軸直角方向での動ばね定数が一層柔らかくされている。なお、本実施形態では、第二のゴムブッシュ20における第二の内筒金具30と金属スリーブ32の径方向での離隔距離が、第一のゴムブッシュ18における第一の内筒金具24と第一のアームアイ14の径方向での離隔距離よりも大きくされており、第二の本体ゴム弾性体34が第一の本体ゴム弾性体26よりも径方向で厚肉とされている。
【0049】
また、本実施形態では、第二の本体ゴム弾性体34の加硫成形後に、金属スリーブ32に対して八方絞り等の縮径加工が施されて、径方向での圧縮力が第二の本体ゴム弾性体34に対して及ぼされるようになっている。これにより、第二の本体ゴム弾性体34に及ぼされる径方向での引張応力を低減せしめて、第二の本体ゴム弾性体34の耐久性向上が図られている。
【0050】
そして、第二のゴムブッシュ20は、金属スリーブ32が第二のアームアイ16に圧入固定されることによって、第二のアームアイ16に嵌着固定される。これにより、第二の内筒金具30と第二のアームアイ16が、金属スリーブ32を介して、第二の本体ゴム弾性体34で相互に弾性連結されている。
【0051】
以上のようにして、ロッド本体12の両端部に形成されたアームアイ14,16に対してゴムブッシュ18,20を装着した構造の本実施形態に係る自動車用トルクロッド10が構成されている。
【0052】
そして、この自動車用トルクロッド10は、第一のゴムブッシュ18の第一の内筒金具24が図示しない車両ボデーに固定されることにより、ロッド本体12の長手方向一方の端部が第一の本体ゴム弾性体26を介して車両ボデーに取り付けられると共に、第二のゴムブッシュ20の第二の内筒金具30が図示しないパワーユニットに固定されることにより、ロッド本体12の長手方向他方の端部が第二の本体ゴム弾性体34を介してパワーユニットに取り付けられる。これにより、車両ボデーとパワーユニットがトルクロッド10によって相互に連結されている。
【0053】
また、ロッド本体12の両端部に形成された第一,第二のアームアイ14,16に対して、第一,第二のゴムブッシュ18,20の各内筒金具24,30がそれぞれ本体ゴム弾性体26,34を介して弾性的に連結されていると共に、第一,第二の内筒金具24,30が連結対象部材の各一方に取り付けられていることにより、アームアイ14,16を備えたロッド本体12は、両端部分が弾性的に支持された状態で、連結対象部材に対して装着されるようになっている。なお、本実施形態では、第一,第二のゴムブッシュ18,20の動ばね定数が異ならされていることによって、ロッド本体12の支持ばねが両端部で相互に異ならされている。
【0054】
ここにおいて、本実施形態に従う構造のトルクロッド10には、図1,2に示されているように、制振装置44が設けられている。制振装置44は、中空構造のハウジング46と、ハウジング46に形成されたマス収容空所48に収容される独立マス部材50を含んで構成されている。
【0055】
ハウジング46は、外力によって容易に変形しない高剛性の部材とされており、ベース部としてのハウジング本体52と蓋部材としての蓋板部材54を更に備えている。ハウジング本体52は、略ブロック形状を呈しており、繊維補強された硬質の合成樹脂材や、鉄やアルミニウム合金等の金属材等の高剛性材で形成されている。本実施形態では、ハウジング本体52が、ロッド本体12およびアームアイ14,16と一体形成されており、それらと同様の繊維補強された高剛性の合成樹脂材で形成されている。
【0056】
また、ハウジング本体52には、車両の左右方向一方(図2中、上)の面に開口する浅底円形の嵌着凹所56が形成されていると共に、嵌着凹所56の底壁面中央に開口する収容凹所58が形成されている。収容凹所58は、嵌着凹所56に比して小径とされた円形の凹所であって、嵌着凹所56に比して充分な深さを有している。これら嵌着凹所56および収容凹所58が形成されることにより、ハウジング本体52は略有底筒形状を呈しており、その内周面は開口側が大径とされた段付きの円筒形状とされている。
【0057】
また、蓋板部材54は、嵌着凹所56の内径と略等しい外径をもって形成された薄肉円板形状の部材であって、本実施形態では、硬質の合成樹脂材で形成されている。なお、蓋板部材54は、鉄やアルミニウム合金等を材料とする金属板によって形成されていても良く、必ずしもハウジング本体と同一の材料で形成されていなくても良い。
【0058】
そして、蓋板部材54が嵌着凹所56に対して嵌め付けられて固着されることにより、ハウジング本体52と蓋板部材54によってハウジング46が構成されている。また、蓋板部材54が嵌着凹所56に対して嵌着固定されることにより、収容凹所58の開口部が蓋板部材54で閉塞されて、ハウジング46の内部にマス収容空所48が形成されるようになっている。本実施形態におけるマス収容空所48は、略一定の円形断面をもって左右方向に延びている。
【0059】
なお、ハウジング46およびマス収容空所48の具体的な構造は、本実施形態に示されたものによって限定的に解釈されるものではない。例を示すと、ハウジング本体52の左右両面にそれぞれ嵌着凹所56を形成すると共に、嵌着凹所56の底壁面に開口してハウジング本体52を左右方向に貫通する収容孔を形成し、嵌着凹所56,56にそれぞれ蓋板部材54を嵌め付けて収容孔の両側開口部を閉塞せしめることにより、マス収容空所48を形成することも出来る。
【0060】
さらに、マス収容空所48には、独立マス部材50が配設されている。本実施形態において、独立マス部材50は、マス金具60の表面が部分的に当接ゴム層62で覆われて形成されている。マス金具60は、略円柱形状を有しており、鉄鋼やアルミニウム合金等の高剛性の金属材で形成されている。好適には、後述する当接作用による制振効果を有利に得るために、鉄鋼等の高比重の材料が採用される。
【0061】
また、マス金具60の表面には、当接ゴム層62が被着形成されている。当接ゴム層62は、薄肉のゴム弾性体であって、本実施形態では、円柱形状を呈するマス金具60の側壁面および軸方向両端面の外周縁部を覆うように固着せしめられている。換言すれば、本実施形態では、マス金具60の軸方向両端面の径方向中央部分において、当接ゴム層62が被着形成されておらず、マス金具60が外部に露出せしめられている。なお、本実施形態では、当接ゴム層62がマス金具60を備えた一体加硫成形品として形成されており、該一体加硫成形品によって本実施形態における独立マス部材50が実現されている。
【0062】
そして、このような独立マス部材50は、マス収容空所48内に収容配置される。即ち、独立マス部材50がハウジング本体52に形成された収容凹所58に対して差し入れられた後、嵌着凹所56に対して蓋板部材54が嵌着固定されて、独立マス部材50を収容した状態で収容凹所58の開口部が閉塞されることにより、独立マス部材50がハウジング46の内部に形成されたマス収容空所48内に配設される。
【0063】
また、本実施形態では、独立マス部材50がマス収容空所48に対して収容された状態において、略円柱形状を有する独立マス部材50の軸方向及び径方向の寸法が、略一定の円形断面をもって延びるマス収容空所48の軸方向及び径方向の内法よりも僅かに小さくされており、独立マス部材50が、マス収容空所48の内壁面に対して軸方向及び径方向で何れも僅かな隙間をもって配設されるようになっている。
【0064】
さらに、上記の構造からも明らかなように、独立マス部材50は、マス収容空所48の壁面を構成するハウジング46に対して非接着で配設されており、独立マス部材50がハウジング46に対して独立して相対変位可能とされている。
【0065】
このような構造とされた制振装置44は、ハウジング本体52が第二のアームアイ16の外周面からロッド中心軸方向で突出するように一体形成されていることによって、第二のアームアイ16に対して固設されている。
【0066】
ここにおいて、制振装置44は、第二のアームアイ16の周上の特定の位置に設けられる。即ち、制振装置44は、第二のアームアイ16の周上において、トルクロッド10の中心軸上でロッド本体12と反対側に位置するように設けられている。換言すれば、本実施形態では、制振装置44が、第二のアームアイ16の周上において車両前方側(図1中、右)に向かって突出するように設けられている。更に言い換えると、制振装置44は、第一,第二のゴムブッシュ18,20で支持されるロッド本体12の両端部のうちで、動ばね定数が小さい側である第二のゴムブッシュ20が取り付けられた側に設けられている。
【0067】
なお、トルクロッド10の中心軸は、第一のアームアイ14および第二のアームアイ16の径方向及び軸方向での中央を、何れも通る直線によって定義される。本実施形態では、トルクロッド10の上下方向及び左右方向の中央を延びており、図1及び図2において、一点鎖線で示されている。
【0068】
このような制振装置44を備えたトルクロッド10の車両への装着状態下では、例えば自動車の加速時等において、パワーユニット側からトルクロッド10に対して、軸直角方向である上下方向に主たる振動が入力されて、該振動がロッド本体12を介して車両ボデー側に伝達されるようになっている。
【0069】
また、トルクロッド10においては、ロッド本体12が外力の作用によって弾性的な曲げ変形を生じない剛体とされていると共に、ロッド本体12の両端部がそれぞれ第一,第二のゴムブッシュ18,20によって弾性的に支持されている。従って、ロッド本体12に対して上下方向の振動が入力されると、弾性支持されたロッド本体12の両端部分がそれぞれ上下方向に変位せしめられて、ロッド本体12が軸方向中間部分を中心として揺動変位せしめられる。
【0070】
また、ロッド本体12は、このような揺動状態の変位によって、その軸方向両端部が軸方向中間部分よりも大きく変位せしめられる。このことは、図5からも容易に理解できる。即ち、トルクロッド10の第二のアームアイ16側の端部における変位量であるd(a) およびd(b) が、ロッド本体12の中間部分における変位量であるd(c) に比して大きいことは明らかである。なお、図5では、トルクロッド10の外形線が実線で示されていると共に、振動入力時における最大変位状態でのトルクロッド10の外形線が二点鎖線で示されている。
【0071】
さらに、本実施形態では、第一のゴムブッシュ18と第二のゴムブッシュ20の動ばね定数が相互に異ならされている。即ち、本実施形態では、第一のゴムブッシュ18が第二のゴムブッシュ20に比して充分に硬い動ばね定数を有している。これにより、振動入力時におけるロッド本体12の変位量が、第一のゴムブッシュ18側の端部と第二のゴムブッシュ20側の端部で異ならされており、第二のゴムブッシュ20側の端部が第一のゴムブッシュ18側の端部よりも大きく変位せしめられるようになっている。
【0072】
なお、本実施形態では、両端部の変位量を異ならせることにより、制振装置44が配設された側の端部における変位量をより大きく得られるようになっているが、両端部の変位量が同じである場合にも、ロッド本体12の両端部において、ロッド本体12の変位量が最大となる。
【0073】
一方、ハウジング46が第二のアームアイ16に対して固定的に設けられた制振装置44は、ロッド本体12が上下に変位せしめられることによって、ロッド本体12の揺動変位に従って、上下方向に変位せしめられる。
【0074】
ここにおいて、本実施形態では、制振装置44が、トルクロッド10における第二のゴムブッシュ20側の端部、より詳しくは、第二のアームアイ16の周上における車両前方側の端部に設けられている。これによって、制振装置44は、ロッド本体12の揺動変位に伴う上下方向への変位が、大きく得られるようになっている。
【0075】
すなわち、第一のゴムブッシュ18と第二のゴムブッシュ20のばね特性が相互に異ならされていることにより、主たる振動入力方向で振動が入力された場合において、ロッド本体12の両端部の変位量が相対的に異なるようになっている。特に本実施形態では、図5に示されているように、ロッド本体12において第二のアームアイ16側の端部(前端部)において、上下方向での変位量が最大となるようにされている。
【0076】
したがって、トルクロッド10において、第二のアームアイ16側の端部に設けられた制振装置44は、ロッド本体12の上下方向での変位によって、上下方向で比較的に大きく変位せしめられるようになっており、それに伴って、制振装置44には比較的に大きな加速度が作用せしめられるようになっている。
【0077】
その結果、ハウジング46に対して非接着で独立変位可能に収容された独立マス部材50は、作用する慣性力によってハウジング46に対して相対的に変位せしめられて、ハウジング46の内壁面に対して打ち当てられる。この際に、独立マス部材50の表面が当接ゴム層62で覆われていることによって、マス金具60とハウジング46が当接ゴム層62を介して弾性的に当接せしめられるようになっている。
【0078】
しかも、制振装置44のトルクロッド10に対する配設位置を工夫することによって、制振装置44には、大きな加速度が作用せしめられるようになっている。それ故、独立マス部材50のハウジング46に対する飛び跳ね変位が安定して実現されるのである。
【0079】
そして、独立マス部材50のハウジング46に対する当接によって、滑り摩擦や衝突によるエネルギ損失が生ぜしめられて、ロッド本体12を介して伝達される振動に対する制振効果が有効に発揮されるようになっている。
【0080】
要するに、本実施形態においては、制振装置44が、振動入力によるロッド本体12の変位量が最大となる軸方向(長手方向)端部に設けられており、ロッド本体12の変位によって制振装置44に対して大きな加速度が及ぼされるようになっている。そして、作用せしめられる加速度が大きいことにより、独立マス部材50のハウジング46に対する独立した変位が効果的に生ぜしめられて、それらの当接作用に基づく有効な制振効果が安定して発揮されるようになっているのである。
【0081】
また、本実施形態では、制振装置44の特定箇所への配設が、ハウジング本体52を第二のアームアイ16の外周面に一体形成することによって、容易に実現可能となっている。
【0082】
しかも、ハウジング46の一部を第二のアームアイ16に対して一体形成することによって、制振装置44の第二のアームアイ16への装着状態を安定して実現して、制振装置44が第二のアームアイ16から脱落する等の問題を解消することが出来る。
【0083】
また、制振装置44の第二のアームアイ16への取付作業が不要となることで製造が容易となると共に、ハウジング本体52を一体形成とすることで部品点数の減少やそれに伴うコストの低減等も実現される。
【0084】
さらに、本実施形態において示されているように、第二のアームアイ16の外周面が曲面とされて、制振装置44の後付けが比較的に困難な場合にも、制振装置44を第二のアームアイ16の周上における所定の位置に対して容易に設けることが可能となる。
【0085】
また、本実施形態では、独立マス部材50が円柱形状を有していると共に、ハウジング46(マス収容空所48)が円筒状の内壁面を有している。そして、独立マス部材50の円弧状に湾曲した側壁面が、ハウジング46の円筒状の内壁面に対向するように、独立マス部材50がマス収容空所48に収容配置されている。更に、主たる振動の入力方向が、独立マス部材50の中心軸に対して直交する方向とされており、振動入力によって独立マス部材50がハウジング46に対して独立変位せしめられると、独立マス部材50の側壁面がハウジング46の円筒状を呈する内壁面に対して当接せしめられるようになっている。これにより、滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失に加えて、転がり摩擦によるエネルギ損失が作用して、制振効果がより広い周波数域の振動に対して有効に発揮され得る。
【0086】
なお、図6,7には、ロッド本体12をマスとし、ゴムブッシュ18,20をばねとするマス−バネ系の上下方向での動ばね定数を測定した実測結果が示されている。即ち、図6には、トルクロッド10における第二のゴムブッシュ20の第二の内筒金具30を、1Gの加速度で加振した場合において、第一のゴムブッシュ18の第一の内筒金具24の動ばね定数を測定した結果が示されている。また、図7には、実車に対応して設計・製造したトルクロッド10を車両に装着した状態で、図6に係る測定と同様の条件下において動ばね定数を測定した結果が示されている。これらの測定においては、第二の内筒金具30に対して、ロッド本体12側に向かって3214Nの荷重を予め作用せしめた。なお、図6,7に示されたグラフにおいては、本実施形態に係るトルクロッド10を採用した場合の測定結果が、実施例として実線で示されていると共に、制振装置44を備えていないトルクロッドを採用した場合の測定結果が、比較例として破線で示されている。
【0087】
これらの測定により、本実施形態に係るトルクロッド10を採用した場合には、制振装置を備えていないトルクロッドを採用した場合に比して、車両への非装着状態および装着状態の何れにおいても低動ばね効果が発揮されて、伝達振動の軽減が有利に実現され得ることが確認された。しかも、図7に示されているように、車両側からトルクロッド10に入力される振動に対しても、広い周波数域に亘って制振効果が有効に発揮されることが実測によって明らかとなった。
【0088】
さらに、図7に示された比較例の測定結果では、300Hz程度から650Hz程度に亘って動ばね定数が高くなっており、図6に示された比較例の測定結果に比して広い周波数域で、振動状態の悪化が確認されている。これは、車両への装着状態においては、第二の内筒金具30に対して軸直角方向での外力に加えて、こじり方向やねじり方向での外力が複合的に作用することに起因すると考えられる。そこにおいて、本実施形態に従う構造のトルクロッド10では、図7の実施例に示されているように、車両装着状態において、広い周波数域で有効な低動ばね効果が得られるのであって、伝達される振動の悪化を有利に防ぐことが出来る。
【0089】
また、図6では、ロッド本体12が剛体共振を生じる周波数である400Hz付近において著しい高動ばね化が生じていると共に、550Hz付近においても動ばね定数が大きくなっている。この550Hz前後における動ばね定数の上昇は、測定に際して第二の内筒金具34に対して予荷重が及ぼされて、第二の内筒金具34がロッド本体12側に変位せしめられたことにより、上下スリット部40を挟んだ両側の第二の本体ゴム弾性体34が当接せしめられたことに起因すると考えられる。そこにおいて、本実施形態に従う構造のトルクロッド10では、図6に示されているように、主たる制振対象周波数である400Hz前後における低動ばね効果だけでなく、このような550Hz前後における低動ばね効果も有効に発揮される。要するに、本実施形態に従う構造のトルクロッド10では、広い乃至は多くの周波数で優れた制振効果を期待することが出来るのである。
【0090】
次に、図8,図9には、本発明に係る防振連結ロッドの第二の実施形態として、自動車用トルクロッド64が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材乃至部位については、同一の符号を付すことによって、説明を省略する。
【0091】
すなわち、本実施形態に従う構造とされたトルクロッド64では、図8に示されているように、第二のアームアイ16の周上において、ロッド本体12の中心軸(第一, 第二のアームアイ14,16の中心を結んだ仮想的な直線)に対して直角を為す方向に位置するように、制振装置44が設けられている。
【0092】
より詳細には、前記第一の実施形態と同様の構造とされたハウジング本体52が、第二のアームアイ16の周上において、トルクロッド64の車両への装着状態下で、上方に位置するように、第二のアームアイ16と一体形成されている。そして、ハウジング本体52に形成されたマス収容空所48に対して独立マス部材50が収容配置されると共に、マス収容空所48の開口部が蓋板部材54によって閉塞せしめられることにより、第二のアームアイ16の周上において上方に突出するように制振装置44が配設されている。
【0093】
なお、本実施形態では、前記第一の実施形態と同様に、第二のゴムブッシュ20における第二の内筒金具30と金属スリーブ32が偏心して配設されており、図8に示されているように、制振装置44は、第二のアームアイ16と同一中心軸上に配設された金属スリーブ32の中心軸の直上に配設されていると共に、第二の内筒金具30の中心軸よりも車両後方側にずれた位置に配設されている。
【0094】
このような第二の実施形態に従う構造の自動車用トルクロッドにおいても、前記第一の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。即ち、本実施形態では、両端部を弾性支持されたトルクロッド64において、変位量が大きくなる第二のアームアイ16側の端部付近に、打ち当たり式の制振装置44を設けることで、制振装置44に作用する加速度を大きくとって、独立マス部材50のハウジング46に対する独立変位を安定して生ぜしめられるようになっている。それ故、独立マス部材50のハウジング46に対する当接作用に基づいて、目的とする制振効果を有効に発揮せしめることが出来る。
【0095】
このように、本発明は、両端が弾性支持された剛体と見なされるロッド本体12が、剛体共振によって伝達振動を悪化させるのを、効果的に抑えることが可能である。このような効果は、上述の如く、剛体であるロッド本体12の振動モードを考慮して、大きな変位が生じるロッド端部にマス打ち当たり式の制振装置を配設することによって実現される。即ち、ロッド本体12の弾性的な変形による共振を抑えることを目的として、防振連結ロッドの中間部分に制振装置が設けられた従来構造の防振連結ロッドでは、ロッド本体12の剛体共振に対して有効な制振効果を得ることは出来ない。
【0096】
なお、軸方向中間部分に制振装置が設けられた構造の防振連結ロッドにおいて、ロッド本体12の剛体共振に対する制振効果が有効に発揮されない理由は、軸方向中間部分では、ロッド本体12の変位量が充分ではなく、独立マス部材50のハウジング46に対する独立変位が安定して発生しないことが大きな理由と考えられる。このことは、図5に示されたロッド本体12の軸方向中間部分における変位量:d(c) が、ロッド端部における変位量:d(a) ,d(b) よりも小さくなっていることからも理解される。
【0097】
このことは、図10に示されたシミュレーションの結果からも明らかである。即ち、図10には、制振装置を図11中のA,B,Cに取り付けた各場合について、自動車の加速時における車室内の騒音をシミュレーションによって算出した結果が示されている。
【0098】
なお、このシミュレーションにおいて、図11中のAの位置に制振装置を装着した場合とは、防振連結ロッドとして本発明の第一の実施形態に記載された構造のトルクロッド10を採用した場合を示す。また、図11中のBの位置に制振装置を装着した場合とは、防振連結ロッドとして本発明の第二の実施形態に記載された構造のトルクロッド64を採用した場合を示す。また、図11中のCの位置に制振装置を装着した場合とは、防振連結ロッドとして、ロッド軸方向の中間部分に制振装置を配設された従来構造のトルクロッドを採用した比較例を示す。
【0099】
このシミュレーション結果に拠れば、図11中のAの位置に制振装置が設けられた前記第一の実施形態に係るトルクロッドでは、図10に破線で示されているように、騒音レベルが著しく低下しており、伝達振動に対する制振効果が有効に発揮されていることが確認された。なお、このことは、図10に実線で示された制振装置無しのトルクロッドにおける騒音レベルの算出値との比較からも明らかである。
【0100】
また、図11中のBの位置に制振装置が設けられた前記第二の実施形態に係るトルクロッドでは、図10に一点鎖線で示されているように、図11中のAに制振装置が設けられた場合と同程度まで騒音レベルが低下しており、伝達振動に対する有効な制振効果が発揮されていることが確認された。
【0101】
一方、図11中のCの位置に制振装置が設けられた比較例としてのトルクロッドでは、図10に二点鎖線で示されているように、騒音レベルが殆ど低下しておらず、制振装置によって発揮されるべき制振効果が有効に得られていない。このことは、実線で示された制振装置を設けないトルクロッドのシミュレーション結果とほぼ等しい結果が得られたことからも明らかである。
【0102】
要するに、図10に示されたシミュレーションの結果から、伝達振動入力時の変位が大きく得られる特定部位に対して、制振装置が設けられた本発明に従う構造のトルクロッドでは、ロッド本体の剛体共振を抑えて、車室内に伝達された振動によって生じる加速騒音を有利に効果的に防ぐことが出来ることが明らかとなった。一方、トルクロッドの軸方向中間部分に制振装置を設けた場合には、有効な制振効果が得られないことも確認された。
【0103】
これらの結果から、本発明において示されたアームアイの周上におけるロッド本体と反対側の半周部分という、特定部位への制振装置の配設が、ロッド本体を介して連結対象部材間で伝達される振動を抑えるという目的に対して、極めて有効であることが示された。
【0104】
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0105】
例えば、前記第一,第二の実施形態では、トルクロッド10,64の軸方向一方の端部付近にのみ制振装置44が配設されていた。しかし、制振装置44は、必ずしも一方の端部側にのみ設けられるものではなく、両端部に制振装置44が設けられていても良い。
【0106】
また、制振装置は、必ずしも防振連結ロッドの一方の端部に対して一つのみが設けられていなくても良く、一方の端部に複数の制振装置が設けられていても良い。具体的には、例えば、制振装置44よりも小型の制振装置を、防振連結ロッドの一方の端部に対して複数個設けること等により、防振連結ロッドの配設スペースと要求される制振性能に応じた制振装置を実現することも出来得る。
【0107】
さらに、前記第一の実施形態では、制振装置44が第二のアームアイ16の周上においてロッド中心軸上でロッド本体12と反対側に位置するように設けられた例が示されていると共に、前記第二の実施形態では、制振装置44が第二のアームアイ16の周上においてロッド中心軸と直交する方向に位置するように設けられた例が示されている。しかし、これらの実施形態における制振装置44の位置は、あくまでも例示であって、制振装置は支持筒部の周上におけるロッド本体と反対側の半周部分に位置せしめられていれば良い。なお、ロッド本体の両端における変位量が相互に異なる場合には、制振効果を効果的に得るために、制振装置は、変位量が大きい側の端部に設けられる。
【0108】
また、前記第一,第二の実施形態では、制振装置44のハウジング46を構成するハウジング本体52が、第二のアームアイ16と一体形成されていたが、例えば、別体として形成された制振装置を、第二のアームアイ14に対して後付けで固定して取り付けることも出来る。このような後付けの制振装置を採用することにより、配設スペースや要求される制振性能等に応じて防振連結ロッドと制振装置の組合せを変えることで、様々な要求性能に対応することが可能となる。また、本発明が示す特定位置に制振装置を後付けで取り付けることにより、従来構造の防振連結ロッドに対しても本発明を適用することが可能となる。
【0109】
また、前記第一,第二の実施形態では、ハウジング46のマス収容空所48と独立マス部材50を同一中心軸上に位置せしめた状態下において、独立マス部材50の側壁面とマス収容空所48の内周壁面の間に、全体に亘って微小隙間が形成されていると共に、独立マス部材50の左右幅方向(軸方向)の中央部分をマス収容空所48の同方向での中央部分に対して位置合わせした状態で、独立マス部材50の縦幅方向端面とマス収容空所48の底壁面及び蓋板部材54のマス収容空所48側の壁面の間に、それぞれ微小隙間が形成されていた。しかし、独立マス部材50の外壁面とマス収容空所48の内壁面の間に形成されたこれらの隙間は、本発明における必須の構成要件ではない。
【0110】
すなわち、独立マス部材50をマス収容空所48に非接着で独立して収容配置することにより、振動入力時に独立マス部材50がマス収容空所48の内面に対して弾性的に打ち当たるようになっていれば良い。具体的に例示すると、振動が入力されていない静置状態で、マス金具60とマス収容空所48との間が、当接ゴム層62で隙間無く充填された状態であったとしても、振動入力時に当接ゴム層62が弾性変形することで当接ゴム層62とマス収容空所48との間に隙間が繰り返し発現し、それによって、マス金具60がマス収容空所48の周壁部に対して繰り返して弾性的に打ち当たるようになっていれば良い。
【0111】
また、前記実施形態では、当接ゴム層62がマス金具60の表面を覆うように加硫接着されることによって、独立マス部材50が構成されていたが、独立マス部材50は、必ずしも表面に当接ゴム層を備えていなくても良く、独立マス部材50とハウジング46の当接が、弾性的に実現されるようになっていれば良い。具体的には、例えば、当接ゴム層が、円筒形状を呈するハウジング46の内周壁面に対して加硫接着されている場合には、独立マス部材として硬質のマス金具60を採用することも可能である。
【0112】
さらに、前記第一,第二の実施形態において、当接ゴム層62は、マス金具60の表面に加硫接着されることでマス金具60とハウジング46の当接面間に配されていたが、当接ゴム層62は、マス金具60やハウジング46に対して必ずしも接着されていなくても良い。例えば、マス金具60およびハウジング46の何れに対しても非接着とされた薄肉のゴム弾性体で形成された当接ゴム層を、主たる振動入力によるマス金具60とハウジング46の当接面の間に配設して、それらマス金具60とハウジング46が当接ゴム層を介して弾性的に当接せしめられるようにしても良い。
【0113】
また、前記第一,第二の実施形態において、第一のゴムブッシュ18と第二のゴムブッシュ20は、互いに異なる動ばね定数を有していたが、本発明は、ロッド両端部に設けられる防振ブッシュの動ばね定数が相互に同じである場合にも、適用可能である。なお、防振ブッシュの動ばね定数が同じである場合にも、連結対象部材側の剛性の違い等によってロッド本体の両端部が振れるように変位することから、制振装置に及ぼされる加速度を有利に得ることが出来る。
【0114】
また、本発明が適用される防振連結ロッドのロッド本体は、必ずしも直線的に延びている必要はなく、例えば、L字状に屈曲せしめられていたり、軸方向中間部分において部分的に湾曲乃至は屈曲せしめられていたりしても良い。なお、このような湾曲乃至は屈曲せしめられた防振連結ロッドにおいて、中心軸とは、前記実施形態でも説明したように、ロッド本体の両端部に設けられたアームアイの中央を繋ぐ直線を言う。
【0115】
また、前記第一,第二の実施形態におけるロッド本体12は、板状とされていたが、ロッド本体の形状等は、要求される耐久性等の性能に応じて適宜に設計されるべきものであって、特に限定されるものではない。他の構造を具体的に例示すると、円形断面や矩形断面を有して延びる棒状のロッド本体等も採用できる。
【0116】
また、前記第一,第二の実施形態では、本発明を自動車のトルクロッドに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、サスペンションロッド等の自動車用防振連結ロッドの他、自動車用以外の各種防振連結ロッドに対しても、何れも、適用可能である。
【0117】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第一の実施形態としての自動車用トルクロッドを示す縦断面図であって、図2のI−I断面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】同トルクロッドを構成するロッド本体の一体成形品を示す側面図。
【図4】図3のIV−IV断面図。
【図5】同トルクロッドの振動入力状態を説明する概略図。
【図6】同トルクロッドの動的ばね特性を示すグラフ。
【図7】同トルクロッドの車両搭載状態における動的ばね特性を示すグラフ。
【図8】本発明の第二の実施形態としての自動車用トルクロッドを示す縦断面図であって、図9のVIII−VIII断面図。
【図9】図8のIX−IX断面図。
【図10】加速時騒音のシミュレーション結果を示すグラフ。
【図11】図10のシミュレーションの条件を示す制振装置の配置図。
【符号の説明】
【0119】
10:トルクロッド,12:ロッド本体,14:第一のアームアイ,16:第二のアームアイ,18:第一のゴムブッシュ,20:第二のゴムブッシュ,44:制振装置,46:ハウジング,48:マス収容空所,50:独立マス部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド本体の両端部に支持筒部が形成されて、それら支持筒部に対してそれぞれ防振ブッシュが組み付けられると共に、該防振ブッシュが連結対象部材の各一方に対して取り付けられることにより、それら連結対象部材を相互に連結して振動伝達系を構成する防振連結ロッドにおいて、
前記支持筒部における前記ロッド本体側と反対側の半周部分に位置して中空構造のハウジングが設けられていると共に、該ハウジングの中空部分に形成されたマス収容空所に対して独立マス部材が非接着で独立変位可能に収容配置されており、該ロッド本体の軸直角方向に入力される振動によって該独立マス部材が該ハウジングに対して独立変位せしめられて弾性的に当接せしめられる制振装置が構成されていることを特徴とする防振連結ロッド。
【請求項2】
前記ハウジングが前記支持筒部の周上において前記ロッド本体の中心軸上で該ロッド本体と反対側に位置するように設けられている請求項1に記載の防振連結ロッド。
【請求項3】
前記ハウジングが前記支持筒部の周上において前記ロッド本体の軸方向に対して直交する方向に位置するように設けられている請求項1に記載の防振連結ロッド。
【請求項4】
前記ハウジングが円筒形状の内周面を有する中空構造とされていると共に、前記独立マス部材が該ハウジングの内周面に応じた円筒形状の外周面を有しており、前記ロッド本体の軸直角方向への振動入力によって該ハウジングの該内周面と該独立マス部材の該外周面が当接せしめられるようになっている請求項1乃至3の何れか一項に記載の防振連結ロッド。
【請求項5】
前記ロッド本体の両端部に設けられる前記防振ブッシュの動ばね定数が相互に異ならされていると共に、動ばね定数が小さい方の該防振ブッシュが取り付けられる前記支持筒部の周上に前記ハウジングが設けられている請求項1乃至4の何れか一項に記載の防振連結ロッド。
【請求項6】
前記支持筒部に有底筒状のベース部が一体形成されており、該ベース部の開口部が蓋部材で覆蓋されることにより、前記マス収容空所を有する前記ハウジングが構成されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の防振連結ロッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−30769(P2009−30769A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197659(P2007−197659)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】