説明

集積回路装置及びその製造方法

【課題】ビアの形成が容易で抵抗が低い集積回路装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】相互に平行に配列された複数本の配線14a、14bと、各配線に接続されたビア16とを備える。配線におけるビアが接続された部分には、配列の方向に延出した凸部31が形成されており、配線における凸部が形成された部分から離隔した部分には、配列の方向に後退した凹部32が形成されている。隣り合う2本の配線において、一方の配線に形成された凸部と他方の配線に形成された凹部とは相互に対向している。各配線において、凹部が形成された部分はその両側の部分から切込33で分断されており、凸部が形成された部分からも分断されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、集積回路装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路装置の高集積化が進んでおり、これに伴って、配線間隔の狭小化が進んでいる。特に、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory:磁気抵抗ランダムアクセスメモリ)等の記憶装置においては、マトリクス状に配列された複数個のメモリセルから配線を引き出しているため、多数の配線が相互に平行に配列されている。このように相互に平行に配列された配線の配列周期を短くするためには、側壁法を利用することが可能である。側壁法とは、線状の芯材を形成し、これらの芯材をスリミングし、芯材の両側に側壁を形成した後、芯材を除去する方法である。これにより、芯材の配列周期の半分の配列周期を持つ複数本の側壁を形成することができ、この側壁をマスクとして使用することにより、微細な配線を形成することが可能となる。
【0003】
しかしながら、側壁法によって配線を微細化すると、この配線に接続するビア径も微細化する必要が生じる。これにより、ビアの形成自体が困難になると共に、ビアが細くなり、抵抗が増加してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−146966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ビアの形成が容易で抵抗が低い集積回路装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る集積回路装置は、相互に平行に配列された複数本の配線と、各前記配線に接続されたビアと、を備える。前記配線における前記ビアが接続された部分には、前記配列の方向に延出した凸部が形成されており、前記配線における前記凸部が形成された部分から離隔した部分には、前記配列の方向に後退した凹部が形成されている。隣り合う2本の前記配線において、一方の配線に形成された前記凸部と他方の配線に形成された前記凹部とは相互に対向している。各前記配線において、前記凹部が形成された部分はその両側の部分から分断されており、前記凸部が形成された部分からも分断されている。
【0007】
実施形態に係る集積回路装置は、相互に平行に配列された複数本の配線と、各前記配線に接続されたビアと、を備える。前記配線における前記ビアが接続された部分には、前記配列の方向のうち一方向に凸となるように湾曲したベント部が形成されている。第2の前記配線は、第1の前記配線の隣の配線であって、前記第1の配線から見て前記第1の配線の前記ベント部が凸となる方向に配置されている。この第2の前記配線における前記第1の配線のベント部に対向する対向部分は、前記第2の配線における前記対向部分の両側の部分から分断されており、前記第2の配線における前記ベント部からも分断されている。
【0008】
実施形態に係る集積回路装置は、相互に平行に配列された複数本の配線と、各前記配線に接続されたビアと、を備える。各前記配線における前記ビアが接続された部分から離隔した部分には、前記配列の方向のうち一方向に凸となるように湾曲したベント部が形成されている。各前記配線において、前記ベント部が形成された部分はその両側の部分から分断されており、前記ビアが接続された部分からも分断されている。第1の前記配線の前記ベント部は、前記第1の配線の隣の第2の前記配線における前記ビアが接続された部分に対向している。第1の前記配線の前記ベント部は、前記第2の配線における前記ビアが接続された部分から遠ざかる方向に凸となっている。
【0009】
実施形態に係る集積回路装置の製造方法は、基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に相互に同一の方向に延びる複数本の芯材を形成する工程と、前記芯材を細くする工程と、前記芯材の側面上に側壁を形成する工程と、前記芯材を除去する工程と、隣り合う2本の側壁同士を連結するようにピラーを形成する工程と、前記側壁及びピラーをマスクとしたエッチングを施して、前記絶縁膜に溝を形成する工程と、前記溝内に導電材料を埋め込んで配線を形成する工程と、各前記配線における他の部分よりも幅が広い部分に接続されるように、ビアを形成する工程と、を備える。各前記芯材においては、前記方向において相互に離隔した位置に、幅方向に延出した凸部及び幅方向に後退した凹部を形成する。前記ピラーは、隣りあう前記側壁間の領域のうち、前記側壁間の間隔が狭くなっている部分と前記側壁間の間隔が広くなっている部分との間の第1部分、及び、前記第1部分と共に前記側壁間の間隔が狭くなっている部分を挟む第2部分に形成する。
【0010】
実施形態に係る集積回路装置の製造方法は、基板上に導電膜を形成する工程と、前記導電膜上に、相互に同一の方向に延び、第1の部分の一方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成され、第2の部分の他方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成された複数本の芯材を形成する工程と、前記芯材を細くする工程と、前記芯材の側面上に側壁を形成する工程と、前記芯材を除去する工程と、前記側壁をマスクとしたエッチングを施して、前記導電膜を、凸状に湾曲したベント部がそれぞれ1ヶ所に形成された複数本の配線に加工する工程と、第1の前記配線の前記ベント部が凸となる方向に位置し、前記第1の配線の隣の第2の前記配線における前記第1の配線のベント部に対向する対向部分を、前記第2の配線における前記対向部分の両側の部分から分断すると共に、前記第2の配線の前記ベント部から分断する工程と、前記ベント部に接続されるように、ビアを形成する工程と、を備える。
【0011】
実施形態に係る集積回路装置の製造方法は、基板上に導電膜を形成する工程と、前記導電膜上に、相互に同一の方向に延び、第1の部分の一方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成され、第2の部分の他方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成された複数本の芯材を形成する工程と、前記芯材を細くする工程と、前記芯材の側面上に側壁を形成する工程と、前記芯材を除去する工程と、前記側壁をマスクとしたエッチングを施して、前記導電膜を、凸状に湾曲したベント部がそれぞれ1ヶ所に形成された複数本の配線に加工する工程と、第1の前記配線の前記ベント部を、前記第1の配線における前記ベント部の両側の部分から分断すると共に、前記第1の配線における前記第1の配線の隣の第2の前記配線のベント部に対向する部分であって、前記第2の配線のベント部が前記第1の配線から遠ざかる方向に凸となっているような対向部分から分断する工程と、各前記配線における前記対向部分に接続されるように、ビアを形成する工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る集積回路装置を例示する図である。
【図2】第1の実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図3】図2に示すA−A’線による断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
【図5】第1の実施形態の比較例に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図6】第2の実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図7】(a)〜(d)は、第2の実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
【図8】第3の実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図9】(a)〜(d)は、第3の実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
【図10】第4の実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図11】(a)〜(d)は、第4の実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
【図12】(a)〜(d)は、第5の実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
【図13】第6の実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図14】第6の実施形態の変形例に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図15】第7の実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【図16】第7の実施形態の変形例に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る集積回路装置を例示する図であり、
図2は、本実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図であり、
図3は、図2に示すA−A’線による断面図である。
なお、図を見やすくするために、図2においては、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。後述する同様な平面図においても、同様である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る集積回路装置1は記憶装置であり、例えばMRAMである。集積回路装置1においては、シリコン基板10(図3参照)が設けられており、シリコン基板10の表面には、相互に離隔した2ヶ所のメモリアレイ領域11a及び11bが設けられており、その間に引出領域12が設けられている。
【0015】
以下、説明の便宜上、メモリアレイ領域11aからメモリアレイ領域11bに向かう方向を「+X方向」とし、その逆方向を「−X方向」とし、これらを総称して「X方向」という。また、シリコン基板10の表面に対して垂直な方向を「+Z方向」及び「−Z方向」とし、X方向及びZ方向の双方に対して直交する方向を「+Y方向」及び「−Y方向」とする。
【0016】
メモリアレイ領域11a及び11bにおいては、それぞれ、複数のメモリセルMCがマトリクス状に配列されている。そして、メモリアレイ領域11aにおいてX方向に沿って1列に配列された複数のメモリセルMCから共通の配線14aが引き出されて、引出領域12に到達している。同様に、メモリアレイ領域11bにおいてX方向に沿って1列に配列された複数のメモリセルMCから共通の配線14bが引き出されて、引出領域12に到達している。
【0017】
引出領域12から見て−Y方向側には、センスアンプ領域13が設けられている。引出領域12とセンスアンプ領域13との間には、Y方向に延びる複数本の配線15が設けられている。各配線15の一端は、引出領域12において、ビア16を介して各配線14a又は14bに接続されている。すなわち、引出領域12においては、X方向に引き出された配線14a及び14b(以下、総称して「配線14」ともいう)が、Z方向に延びるビアを介して、Y方向に引き出される配線15に一対一で接続されている。
【0018】
図3に示すように、シリコン基板10上には、層間絶縁膜21が設けられており、層間絶縁膜21上に、配線14が設けられている。また、層間絶縁膜21上には、配線14を覆うように、層間絶縁膜22が設けられており、層間絶縁膜22内に、ビア16が埋設されている。層間絶縁膜22上には、配線15が設けられており、配線15を覆うように、層間絶縁膜23が設けられている。そして、ビア16の下端には配線14が接続されており、ビア16の上端には配線15が接続されている。
【0019】
図2に示すように、配線14a及び配線14bは、それぞれ、相互に平行に等間隔で配列されている。また、Y方向において、配線14aと配線14bとは交互に配列されている。そして、配線14におけるビア16が接続された部分には、凸部31が形成されている。X方向において、配線14におけるビア16が接続された位置は、相互に異なっている。各配線14において、凸部31が形成された部分からX方向に離隔した部分には、凹部32が形成されている。各配線14において、凸部31は、配線14の+Y方向側の側面に形成されており、+Y方向に延出している。また、凹部32は、配線14の−Y方向側の側面に形成されており、+Y方向に後退している。すなわち、配線14間において、凸部31が延出した方向(+Y方向)は相互に同一であり、凹部32が後退した方向(+Y方向)も相互に同一である。
【0020】
また、隣り合う2本の配線14、すなわち、1本の配線14aとその隣の配線14bにおいて、一方の配線14に形成された凸部31と他方の配線14に形成された凹部32とは相互に対向しており、形状もほぼ対応している。換言すれば、Z方向から見たときに、ある配線14の+Y方向側の外縁における凸部31に相当する部分と、この配線14から見て+Y方向側に位置する隣の配線14の−Y方向側の外縁における凹部32に相当する部分とは、X方向においてほぼ同じ位置にあり、寸法関係もほぼ同一である。
【0021】
更に、各配線14には、2ヶ所の切込33が形成されており、各配線14は3つの部分に分断されている。これにより、各配線14において、凹部32が形成された部分はその両側の部分から分断されている。また、凹部32が形成された部分は、凸部31が形成された部分からも分断されている。
【0022】
次に、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法について説明する。
図4(a)〜(d)は、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
なお、各図において、向かって左側の図は工程平面図であり、向かって右側の図は工程断面図である。各工程断面図は、各工程平面図に示すB−B’線による断面図である。また、工程平面図においては、図示の便宜上、芯材、側壁、ピラー及び配線に、ドットを付している。後述する図7、図9、図11、図12についても、同様である。
本実施形態においては、側壁法及びダマシン法により、配線14を形成する。
【0023】
先ず、図3に示すように、シリコン基板10の表面に所定の駆動回路を形成する。例えば、メモリアレイ領域11a及び11bにメモリセルMC(図1参照)を形成すると共に、センスアンプ領域13にセンスアンプ(図示せず)を形成する。次に、シリコン基板10上に層間絶縁膜21を形成する。
【0024】
次に、図4(a)に示すように、層間絶縁膜21上に、絶縁膜41を形成する。次に、絶縁膜41上に、複数本の芯材42を形成する。各芯材42はX方向に延びるライン状に形成し、X方向において相互に離隔した位置に、凸部43及び凹部44を形成する。凸部43は、芯材42における+Y方向側の側面から、+Y方向に寸法tだけ延出させる。一方、凹部44は、芯材42における−Y方向側の側面を、+Y方向に寸法tだけ後退させる。複数本の芯材42について、X方向における凸部43の位置及び凹部44の位置は、全て相互に異ならせる。
次に、図4(b)に示すように、芯材42をスリミングして、細くする。このとき、凸部43及び凹部44は、突出量及び後退量は減少するものの、残留する。
【0025】
次に、図4(c)に示すように、全面に例えばシリコン窒化膜を堆積させて、エッチバックすることにより、芯材42の側面上に側壁45を形成する。次に、芯材42を除去する。これにより、絶縁膜41上に、X方向に延びる複数本の側壁45が残留する。このとき、側壁45の配列周期は、芯材42の配列周期の半分になる。また、側壁45のうち、芯材42の凸部43の側面上に形成された部分は、凸部43の側面に沿って湾曲した湾曲部46となる。同様に、側壁45のうち、芯材42の凹部44の側面上に形成された部分も、凹部44の側面に沿って湾曲した湾曲部46となる。複数本の側壁45間において、X方向における湾曲部46の位置は相互に異なるため、ある側壁45の湾曲部46から見て、Y方向両隣には、隣の側壁45の直線部分が位置している。従って、図4(c)に領域αとして示すように、湾曲部46が凸となっている側は、隣の側壁45との間隔が狭くなっている。一方、図4(c)に領域βとして示すように、湾曲部46が凹となっている側は、隣の側壁45との間隔が広くなっている。
【0026】
次に、隣り合う側壁45の間の領域の一部に、側壁45同士を連結するように、ピラー47を形成する。具体的には、隣り合う側壁45間の領域のうち、側壁45間の間隔が狭くなっている部分と側壁45間の間隔が広くなっている部分との間の第1部分、及び、この第1部分と共に側壁45間の間隔が狭くなっている部分を挟む第2部分に、ピラー47を形成する。ピラー47は、例えば、全面にマスク材を堆積させた後、このマスク材をリソグラフィ法によって選択的に除去することによって形成する。ピラー47は、絶縁膜41及び側壁45との間でエッチング選択比が取れる材料によって形成する。例えば、絶縁膜41をシリコン酸化物によって形成し、側壁45をシリコン窒化物によって形成する場合には、ピラー47は、例えば、塗布型の有機膜によって形成する。具体的には、有機膜を塗布法により成膜し、その上にシリコン酸化膜を塗布法により成膜し、その上にレジスト膜を成膜し、このレジスト膜をパターニングし、このレジスト膜のパターンをシリコン酸化膜に転写し、更に有機膜に転写することにより、ピラー47を形成する。
【0027】
次に、図4(d)に示すように、側壁45及びピラー47をマスクとしてRIE(reactive ion etching:反応性イオンエッチング)等のエッチングを行う。これにより、絶縁膜41における側壁45及びピラー47の直下域を除く部分に、複数本の溝48が形成される。すなわち、側壁45及びピラー47のパターンが、下層の絶縁膜41に反転して転写される。各溝48においては、側壁45の湾曲部46の直下域の両側に、他の部分よりも幅が広い部分及び他の部分よりも幅が狭い部分が形成される。また、ピラー47の直下域においては、溝48が途切れる。その後、側壁45及びピラー47を除去する。
【0028】
次に、溝48内に導電材料を埋め込む。これにより、溝48内に配線14が形成される。このとき、配線14においては、側壁45の湾曲部46の直下域の両側に、凸部31及び凹部32がそれぞれ形成される。また、ピラー47の直下域は、配線14が形成されずに切込33となる。このとき、上述の図4(a)に示す工程において、X方向における凸部43の位置及び凹部44の位置を全て相互に異ならせているため、X方向における凸部31の位置も全て相互に異なる。
【0029】
次に、図2及び図3に示すように、絶縁膜41及び配線14上に、層間絶縁膜22を形成する。次に、例えばリソグラフィ法により、層間絶縁膜22にビアホールを形成する。このビアホールは、各配線14における他の部分よりも幅が広い部分、すなわち、凸部31が形成された部分に到達するように形成する。次に、ビアホール内に導電材料を埋め込むことにより、ビア16を形成する。ビア16の下端は、各配線14における他の部分よりも幅が広い部分に接続される。このようにして、各配線14にそれぞれ1本のビア16が接続される。次に、層間絶縁膜22上にY方向に延びる複数本の配線15を形成する。各配線15は、それぞれ1本のビア16の上端に接続される。次に、層間絶縁膜22上に、配線15を覆うように、層間絶縁膜23を形成する。これにより、集積回路装置1が製造される。
【0030】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、側壁法によって配線14を形成しているため、配線14の配列周期を短くすることができる。これにより、集積回路装置1の高集積化を図ることができる。
【0031】
通常、側壁法においては、側壁の幅は均一であるため、配線の幅及び間隔も均一になる。これに対して、本実施形態においては、図4(a)に示す工程において、芯材42に凸部43及び凹部44を形成している。これにより、図4(c)に示す工程において、側壁45に湾曲部46が形成され、図4(d)に示す工程においては、配線14に凸部31及び凹部32が形成される。この結果、配線14における凸部31が形成された部分は、他の部分よりも太くなる。そして、この凸部31が形成された部分にビア16を接続することにより、ビア16の合わせズレ及び寸法のバラツキに対するマージンを見込んだとしても、ビア16をより太く形成することができる。このため、層間絶縁膜22にビアホールを形成する際のリソグラフィの難易度が低下し、ビア16の形成が容易になる。これにより、製造設備の低コスト化を図ることができ、製造コストを低減することができる。また、ビア16を太くすることにより、ビア16の抵抗を低減することができる。これにより、集積回路装置の信頼性及び歩留まりが向上する。
【0032】
また、配線14の凸部31及び凹部32は、側壁45の湾曲部46の両側に形成されるため、隣り合う2本の配線14において、一方の配線14の凸部31と、他方の配線14の凹部32とは、相互に対向する。これにより、配線14間の距離がほぼ一定に保たれるため、凸部31が形成されても、配線14同士は短絡しにくい。
【0033】
更に、本実施形態においては、図4(c)に示す工程において、側壁45間の所定の位置にピラー47を形成している。これにより、配線14に切込33が形成され、配線14における凹部32が形成された部分が、同じ配線14におけるX方向両側の部分から分断されると共に、凸部31が形成された部分、すなわち、ビア16が接続された部分からも分断され、電気的に浮遊状態となる。このため、仮に、ある配線14に接続されたビア16が、隣の配線14の凹部32と短絡したとしても、この隣の配線14における短絡された部分は浮遊状態にあるため、問題は生じない。
【0034】
次に、本実施形態の比較例について説明する。
図5は、本比較例に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図5に示すように、本比較例においては、通常の側壁法によって配線114を形成している。また、各配線114は1ヶ所で分断されている。
【0035】
図5に示すように、側壁法によって配線114を形成すると、配線114の配列周期を短くすることが可能であるが、配線114の幅及び間隔は均一である。このため、各配線114に接続するようにビア116を形成する場合、ビア116が、接続されるべき配線114の隣の配線114と短絡することを防止するためには、ビア116を十分に細くする必要がある。この結果、配線114の微細化に伴い、ビア116も細くなり、ビア116の形成が困難になると共に、ビア116の抵抗が増加してしまう。
【0036】
例えば、ビアの寸法バラツキがないと仮定し、ビアの合わせズレが配線の配列周期の半分以下であると仮定する。この場合、本比較例においては、ビア116が、このビア116が接続されるべき配線114の隣の配線114に短絡することを防止するために、ビア116の直径を配線114の配列周期の半分以下とする必要がある。微細化に伴い、ビアそのものの形成が困難になることに加え、ビアの抵抗上昇も無視できなくなる。これに対して、第1の実施形態においては、ビア16が接続されるべき配線14の隣の配線14と短絡しても問題は生じないため、ビア16の直径を、配線14の配列周期の1.5倍まで大きくすることができる。
【0037】
次に、第2の実施形態について説明する。
図6は、本実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る集積回路装置2は、前述の第1の実施形態に係る集積回路装置1(図2参照)と比較して、隣り合う2本の配線14において、凸部31が延出した方向が相互に反対である点が異なっている。例えば、図6に示す例では、配線14aにおいては、凸部31が−Y方向に延出しており、配線14bにおいては、凸部31が+Y方向に延出している。
【0038】
次に、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法について説明する。
図7(a)〜(d)は、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
本実施形態においては、図7(a)に示すように、絶縁膜41上に芯材42を形成する際に、凸部43及び凹部44を、芯材42の同じ側の側面、例えば、+Y方向側の側面に形成する。すなわち、凸部43は、芯材42における+Y方向側の側面から、+Y方向に寸法aだけ延出させる。一方、凹部44は、芯材42における+Y方向側の側面を、−Y方向に寸法aだけ後退させる。
【0039】
以後の工程は、前述の第1の実施形態と同様である。すなわち、図7(b)に示すように、芯材42をスリミングし、図7(c)に示すように、芯材42の両側面上に側壁45を形成する。このとき、2ヶ所の湾曲部46が形成された側壁45と、湾曲部46が形成されていない側壁45とが、交互に配列される。同一の側壁45に形成された2ヶ所の湾曲部46は、相互に反対の方向に凸となっている。次に、側壁45及びピラー47をマスクとして絶縁膜41をエッチングして溝48を形成し、溝48内に導電材料を埋め込んで、配線14を形成する。これにより、図6に示す集積回路装置2が製造される。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0040】
次に、第3の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る集積回路装置3は、前述の第1の実施形態に係る集積回路装置1(図2参照)と比較して、各配線14に、凸部31(図2参照)の替わりにベント部(湾曲部)51が形成されている点が異なっている。ベント部51においては、配線14が一方向に向けて凸となるように湾曲している。本実施形態においては、全ての配線14について、ベント部51が凸となる方向は相互に同一であり、例えば、+Y方向である。また、ベント部51における配線の幅は、配線14におけるベント部51以外の部分の幅と実質的に同一である。
【0041】
更に、X方向におけるベント部51の位置は、配線14間で相互に異なっている。このため、ある配線14のベント部51から見て、Y方向両隣には、隣の配線14の直線部分が位置している。従って、図8に領域αとして示すように、あるベント部51から見て、ベント部51が凸となっている側は、隣の配線14との間隔が狭くなっている。一方、図8に領域βとして示すように、ベント部51が凹となっている側は、隣の配線14と間隔が広くなっている。そして、各ビア16の下端は各配線14のベント部51に接続されている。ベント部51は+Y方向に凸となっているため、Z方向から見て、ビア16の中心軸は、配線14におけるベント部51以外の部分の中心軸に対して、+Y方向側に変位している。
【0042】
更にまた、各配線14には2ヶ所の切込33が形成されており、各配線14は3つに分断されている。すなわち、ある第1の配線14の隣の配線であって、第1の配線14から見て、第1の配線14のベント部51が凸となる方向に配置された第2の配線14における第1の配線14のベント部51に対向する対向部分52は、第2の配線14における対向部分52の両側の部分から分断されており、第2の配線14におけるベント部51からも分断されている。従って、対向部分52は電気的に浮遊状態である。
本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0043】
次に、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法について説明する。
図9(a)〜(d)は、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
本実施形態においては、側壁法及びエッチング法により、配線14を形成する。
【0044】
先ず、図9(a)に示すように、シリコン基板10(図3参照)上に層間絶縁膜21を形成し、その上に導電膜61を形成する。次に、導電膜61上に、X方向に延びる複数本の芯材62を形成する。芯材62の形状は、前述の第1の実施形態における芯材42(図4(a)参照)の形状と同じである。すなわち、各芯材62においては、第1の部分の+Y方向側の側面に、+Y方向に寸法tだけ延出した凸部63を形成し、第1の部分から離隔した第2の部分の−Y方向側の側面に、+Y方向に寸法tだけ後退した凹部64を形成する。複数本の芯材62について、X方向における凸部63の位置及び凹部64の位置は、全て相互に異ならせる。
次に、図9(b)に示すように、芯材62をスリミングして、細くする。
【0045】
次に、図9(c)に示すように、芯材62の側面上に側壁65を形成する。次に、芯材62を除去する。側壁65の形状は、前述の第1の実施形態における側壁45(図4(c)参照)と同じである。すなわち、側壁65のうち、芯材62の凸部63の側面上に形成された部分は、凸部63の側面に沿って湾曲した湾曲部66となる。同様に、側壁65のうち、芯材62の凹部64の側面上に形成された部分も、凹部64の側面に沿って湾曲した湾曲部66となる。複数本の側壁65間において、X方向における湾曲部66の位置は相互に異なるため、ある側壁65の湾曲部66から見て、Y方向両隣には、隣の側壁65の直線部分が位置している。従って、湾曲部66から見て、領域αとして示すように、湾曲部66が凸となっている側は、隣の側壁65との間隔が狭くなっており、領域βとして示すように、湾曲部66が凹となっている側は、隣の側壁65との間隔が広くなっている。
【0046】
次に、図9(d)に示すように、側壁65をマスクとしてRIE等のエッチングを行う。これにより、導電膜61における側壁65の直下域を除く部分が除去されて、導電膜61が複数本の配線14に加工される。このとき、導電膜61における側壁65の直下域に位置する部分が配線14となり、湾曲部66の直下域に位置する部分がベント部51となる。すなわち、側壁65のパターンが、下層の導電膜61にそのまま転写される。その後、側壁65を除去する。
【0047】
次に、図8に示すように、配線14を覆うようにレジスト膜を形成し、露光及び現像を行ってパターニングし、レジストマスク(図示せず)を形成する。次に、このレジストマスクをマスクとしてエッチングを行い、配線14を選択的に除去する。これにより、各配線14に2ヶ所の切込33を形成して、各配線14を3つに分断する。このとき、ある第1の配線14の隣の配線であって、第1の配線14から見てベント部51が凸となる方向に配置された第2の配線14における第1の配線14のベント部51に対向する対向部分52を、第2の配線14における対向部分52の両側の部分から分断し、第2の配線14におけるベント部51からも分断する。また、このとき、レジストマスクにはY方向に延びる直線状のスリットを2本形成しておき、配線14における側壁65の両端部を回り込む部分も同時に分断する。これらの配線14の加工は、例えば、1枚のレジストパターンを用いて、1回のエッチング処理によって行う。
【0048】
次に、層間絶縁膜21及び配線14上に、層間絶縁膜22を形成する。次に、例えばリソグラフィ法により、層間絶縁膜22にビアホールを形成する。このビアホールは、各配線14におけるベント部51が形成された部分に到達するように形成する。このとき、Z方向から見て、ビアホールの中心軸がベント部51の中心軸上に位置するようにする。ベント部51は+Y方向側に凸となっているため、ビアホールは配線14におけるベント部51以外の部分よりも+Y方向側に変位する。
【0049】
次に、ビアホール内に導電材料を埋め込むことにより、ビア16を形成する。ビア16の下端は、各配線14におけるベント部51に接続される。次に、層間絶縁膜22上にY方向に延びる複数本の配線15を形成し、配線15を覆うように、層間絶縁膜23を形成する。これにより、集積回路装置3が製造される。
本実施形態における上記以外の製造方法は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0050】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においても、前述の第1及び第2の実施形態と同様に、側壁法によって配線14を形成しているため、配線14の配列周期を短くすることができる。これにより、集積回路装置3の高集積化を図ることができる。
【0051】
また、本実施形態においては、図9(a)に示す工程において、芯材62に凸部63及び凹部64を形成している。これにより、図9(c)に示す工程において、側壁65に湾曲部66が形成され、図9(d)に示す工程においては、配線14にベント部51が形成される。そして、このベント部51が形成された部分にビア16を接続している。このため、ビア16の中心軸は、配線14の中心軸よりも+Y方向側に変位する。
【0052】
これにより、ある第1の配線14に接続されたビア16と、この第1の配線14から見て−Y方向側に位置する隣の第2の配線14との間の距離が長くなり、ビア16と第2の配線14とが短絡しにくくなる。一方、第1の配線14に接続されたビア16と、この第1配線14から見て+Y方向側に位置する隣の第3の配線14との間の距離は短くなるが、この第3の配線14における第1の配線14のベント部51に対向する対向部分52は、電気的に浮遊状態であるため、ビア16と第3の配線14とが短絡しても、問題は生じない。これにより、ビア16の合わせズレ及び寸法のバラツキに対するマージンを見込んだとしても、ビア16をより太く形成することができる。この結果、ビア16の形成が容易になると共に、ビア16の抵抗が減少する。
【0053】
更に、本実施形態においては、配線14に対する切込33の形成を、配線14における側壁65を回り込む部分の分断と同じ工程で行っており、例えば、同じ1枚のレジストマスクを用いて、1回のエッチング処理によって行っている。この側壁65を回り込む部分の分断は、仮に、配線14にベント部51を形成しない場合であっても、配線14同士を分離するために必要な工程である。従って、本実施形態においては、切込33を形成するために、新たな工程を設ける必要がない。
【0054】
次に、第4の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る集積回路装置4は、前述の第3の実施形態に係る集積回路装置3(図8参照)と比較して、隣り合う2本の配線14において、ベント部51が凸となる方向が相互に反対である点が異なっている。例えば、配線14aにおいては、ベント部51が−Y方向に凸となっており、配線14bにおいては、ベント部51が+Y方向に凸となっている。
【0055】
次に、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法について説明する。
図11(a)〜(d)は、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
本実施形態においては、図11(a)に示すように、導電膜61上に芯材62を形成する際に、芯材62に2ヶ所の凸部63を形成する。すなわち、各芯材62においては、第1の部分の+Y方向側の側面に、+Y方向に寸法tだけ延出した凸部63を形成し、第1の部分から離隔した第2の部分の−Y方向側の側面に、−Y方向に寸法tだけ延出した凸部63を形成する。複数本の芯材62について、X方向における凸部63の位置は、全て相互に異ならせる。なお、本実施形態においては、芯材62に凹部64(図9(a)参照)は形成しない。
【0056】
以後の工程は、前述の第3の実施形態と同様である。すなわち、図11(b)に示すように、芯材62をスリミングし、図11(c)に示すように、芯材62の両側面上に側壁65を形成する。このとき、隣り合う2本の側壁65において、湾曲部66は相互に反対の方向に凸となっている。次に、側壁65をマスクとして導電膜61をエッチングして、複数本の配線14に加工する。これにより、図10に示す集積回路装置4が製造される。
【0057】
本実施形態においては、図11(a)に示す工程において、芯材62に凸部63のみを形成すればよく、凹部64を形成する必要がないため、芯材62の形成が容易である。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0058】
次に、第5の実施形態について説明する。
本実施形態に係る集積回路装置の構成は、前述の第4の実施形態(図10参照)と同様である。
図12(a)〜(d)は、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法を例示する工程平面図及び工程断面図である。
【0059】
本実施形態は、前述の第4の実施形態と比較して、芯材62を形成する際に、凸部63ではなく凹部64を形成する点が異なっている。
すなわち、図12(a)に示すように、導電膜61上に芯材62を形成する際に芯材62に2ヶ所の凹部64を形成する。すなわち、各芯材62においては、第1の部分の+Y方向側の側面に、−Y方向に寸法tだけ後退した凹部64を形成し、第1の部分から離隔した第2の部分の−Y方向側の側面に、+Y方向に寸法tだけ後退した凹部64を形成する。複数本の芯材62について、X方向における凹部64の位置は、全て相互に異ならせる。なお、本実施形態においては、芯材62に凸部63(図9(a)参照)は形成しない。以後の工程は、前述の第3の実施形態と同様である。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第4の実施形態と同様である。
【0060】
次に、第6の実施形態について説明する。
図13は、本実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図13に示すように、本実施形態に係る集積回路装置6においては、前述の第3の実施形態に係る集積回路装置3(図8参照)と比較して、ビア16が配線14のベント部51ではなく、配線14の直線部分に接続されている点が異なっている。
【0061】
各配線14におけるビア16が接続された部分から離隔した部分には、+Y方向に凸となるように湾曲したベント部51が形成されている。そして、ベント部51は、隣の配線14に接続されたビア16を迂回するように湾曲している。すなわち、第1の配線14のベント部51は、第1の配線14の隣の第2の配線14におけるビア16が接続された部分に対向しており、第2の配線14におけるビア16が接続された部分から遠ざかる方向に凸となっている。また、各配線14において、ベント部51が形成された部分はその両側の部分から分断されており、ビア16が接続された部分からも分断されている。従って、配線14におけるベント部51が形成された部分は、電気的に浮遊状態となっている。
【0062】
次に、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法について説明する。
先ず、図9(a)〜(d)に示す方法により、層間絶縁膜21上に、各1ヶ所のベント部51が形成された複数本の配線14を形成する。
次に、図13に示すように、配線14を覆うようにレジスト膜を形成し、露光及び現像を行ってパターニングし、レジストマスク(図示せず)を形成する。次に、このレジストマスクをマスクとしてエッチングを行い、配線14を選択的に除去する。これにより、各配線14に2ヶ所の切込33を形成して、各配線14を3つの部分に分断する。
【0063】
このとき、各配線14において、ベント部51をその両側の部分から分断すると共に、ビア16が接続される予定の部分からも分断する。すなわち、ある第1の配線14のベント部51を、第1の配線14におけるベント部51の両側の部分から分断すると共に、第1の配線14における第1の配線の隣の第2の配線14のベント部51に対向する部分であって、第2の配線14のベント部51が第1の配線14から遠ざかる方向に凸となっているような対向部分52から分断する。
【0064】
また、このとき、レジストマスクにはY方向に延びる直線状のスリットを2本形成しておき、配線14における側壁65の両端部を回り込む部分も同時に分断する。これらの配線14の加工は、例えば、1枚のレジストパターンを用いて、1回のエッチング処理によって行う。
【0065】
次に、層間絶縁膜21及び配線14上に、層間絶縁膜22を形成する。次に、例えばリソグラフィ法により、層間絶縁膜22にビアホールを形成する。このビアホールは、対向部分52に到達するように形成する。次に、ビアホール内に導電材料を埋め込むことにより、ビア16を形成する。次に、層間絶縁膜22上にY方向に延びる複数本の配線15を形成し、配線15を覆うように、層間絶縁膜23を形成する。これにより、集積回路装置6が製造される。
【0066】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においても、前述の各実施形態と同様に、側壁法によって配線14を形成しているため、配線14の配列周期を短くすることができる。これにより、集積回路装置3の高集積化を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態においても、以下に説明する理由により、ビア16を太くすることができる。すなわち、ある配線14を第1の配線とし、この第1の配線から見て+Y方向側に配置された隣の配線14を第2の配線とし、第1の配線から見て−Y方向側に配置された隣の配線14を第3の配線とする。例えば、図13においては、第1、第2、第3の配線を、それぞれ、配線14e、14f、14gとするこのとき、第2の配線14fのベント部51は、第1の配線に接続されたビア16から遠ざかる方向に凸となっているため、第1の配線14eに接続されたビア16と第2の配線14fとの間の距離L1を長くすることができ、短絡を防止できる。一方、第3の配線14gのベント部51は、第1の配線に近づく方向に凸となっているため、第3の配線14gのベント部51と第1の配線14eとの距離L2は短い。しかしながら、各配線14のベント部51は、電気的に浮遊状態となっているため、第3の配線14gのベント部51と第1の配線14eとが短絡しても、問題は生じない。これにより、ビア16をより太く形成することができる。この結果、ビア16の形成が容易になると共に、ビア16の抵抗が減少する。
【0068】
また、本実施形態においては、前述の第3の実施形態と同様に、配線14に対する切込33の形成を、配線14における側壁65を回り込む部分の分断と同じ工程で行っている。このため、切込33を形成するために、新たな工程を設ける必要がない。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0069】
次に、第6の実施形態の変形例について説明する。
図14は、本変形例に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図14に示すように、本変形例に係る集積回路装置6aは、前述の第6の実施形態に係る集積回路装置6(図13参照)と比較して、配線14のベント部51が、隣の配線14に接触している点が異なっている。集積回路装置6(図13参照)を製造する際に、例えばプロセス条件のバラツキ等に起因して、ベント部51の突出量が配線14の配列周期の半分以上となると、本変形例のように、ベント部51が隣の配線14に接触し、短絡してしまう。但し、この場合であっても、ベント部51は浮遊状態となっているため、問題は生じない。
本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第6の実施形態と同様である。
【0070】
次に、第7の実施形態について説明する。
図15は、本実施形態に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図15に示すように、本実施形態に係る集積回路装置7は、前述の第6の実施形態に係る集積回路装置6(図13参照)と比較して、隣り合う2本の配線14において、ベント部51が凸となる方向が相互に反対である点が異なっている。例えば、配線14aにおいては、ベント部51が+Y方向に凸となっており、配線14bにおいては、ベント部51が−Y方向に凸となっている。
【0071】
次に、本実施形態に係る集積回路装置の製造方法について説明する。
本実施形態においては、例えば、図11(a)〜(d)に示す方法によって、配線14を形成する。すなわち、両側面に凸部63が形成された芯材62を用いて、側壁法及びエッチング法により、複数本の配線14を形成する。又は、図12(a)〜(d)に示す方法によって、配線14を形成する。すなわち、両側面に凹部64が形成された芯材62を用いて、側壁法及びエッチング法により、複数本の配線14を形成する。これにより、隣り合う2本の配線14において、ベント部51が凸となる方向が相互に反対となる。
【0072】
次に、前述の第6の実施形態と同様な方法により、ビア16を形成し、配線14における隣の配線14のベント部51が迂回するような対向部分52に接続する。その後、配線15を形成する。このようにして、集積回路装置7が製造される。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第6の実施形態と同様である。
【0073】
次に、第7の実施形態の変形例について説明する。
図16は、本変形例に係る集積回路装置の引出領域を例示する平面図である。
図16に示すように、本変形例に係る集積回路装置7aにおいては、2本の配線14c及び14dにおいて、ベント部51が相互に近づく方向に凸となっている。このため、配線14cと配線14dとの距離が短い。但し、配線14c及び14dは、いずれも電気的に浮遊状態にあるため、配線14cと配線14dとが短絡しても問題はない。
本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第7の実施形態と同様である。
【0074】
以上説明した実施形態によれば、ビアの形成が容易で抵抗が低い集積回路装置及びその製造方法を実現することができる。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0076】
1、2、3、4、6、6a、7、7a:集積回路装置、10:シリコン基板、11a、11b:メモリアレイ領域、12:引出領域、13:センスアンプ領域、14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g:配線、15:配線、16:ビア、21、22、23:層間絶縁膜、31:凸部、32:凹部、33:切込、41:絶縁膜、42:芯材、43:凸部、44:凹部、45:側壁、46:湾曲部、47:ピラー、48:溝、51:ベント部、52:対向部分、61:導電膜、62:芯材、63:凸部、64:凹部、65:側壁、66:湾曲部、114:配線、116:ビア、L1、L2:距離、MC:メモリセル、α、β:領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に平行に配列された複数本の配線と、
各前記配線に接続されたビアと、
を備え、
前記配線における前記ビアが接続された部分には、前記配列の方向に延出した凸部が形成されており、
前記配線における前記凸部が形成された部分から離隔した部分には、前記配列の方向に後退した凹部が形成されており、
隣り合う2本の前記配線において、一方の配線に形成された前記凸部と他方の配線に形成された前記凹部とは相互に対向しており、
各前記配線において、前記凹部が形成された部分はその両側の部分から分断されており、前記凸部が形成された部分からも分断されていることを特徴とする集積回路装置。
【請求項2】
隣り合う2本の前記配線において、前記凸部が延出した方向は相互に同一であることを特徴とする請求項1記載の集積回路装置。
【請求項3】
隣り合う2本の前記配線において、前記凸部が延出した方向は相互に反対であることを特徴とする請求項1記載の集積回路装置。
【請求項4】
相互に平行に配列された複数本の配線と、
各前記配線に接続されたビアと、
を備え、
前記配線における前記ビアが接続された部分には、前記配列の方向のうち一方向に凸となるように湾曲したベント部が形成されており、
第1の前記配線の隣の配線であって、前記第1の配線から見て前記第1の配線の前記ベント部が凸となる方向に配置された第2の前記配線における前記第1の配線のベント部に対向する対向部分は、前記第2の配線における前記対向部分の両側の部分から分断されており、前記第2の配線における前記ベント部からも分断されていることを特徴とする集積回路装置。
【請求項5】
相互に平行に配列された複数本の配線と、
各前記配線に接続されたビアと、
を備え、
各前記配線における前記ビアが接続された部分から離隔した部分には、前記配列の方向のうち一方向に凸となるように湾曲したベント部が形成されており、
各前記配線において、前記ベント部が形成された部分はその両側の部分から分断されており、前記ビアが接続された部分からも分断されており、
第1の前記配線の前記ベント部は、前記第1の配線の隣の第2の前記配線における前記ビアが接続された部分に対向しており、前記第2の配線における前記ビアが接続された部分から遠ざかる方向に凸となっていることを特徴とする集積回路装置。
【請求項6】
隣り合う2本の前記配線において、前記ベント部が凸となる方向は相互に同一であることを特徴とする請求項4または5に記載の集積回路装置。
【請求項7】
隣り合う2本の前記配線において、前記ベント部が凸となる方向は相互に反対であることを特徴とする請求項4または5に記載の集積回路装置。
【請求項8】
前記配線が延びる方向において、前記複数本の配線における前記ビアが接続された位置は、相互に異なっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の集積回路装置。
【請求項9】
前記配線は、側壁法によって形成されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の集積回路装置。
【請求項10】
複数のメモリセルと、
前記配線が延びる方向に対して交差した方向に延び、前記ビアの上端に接続された上層配線と、
をさらに備え、
前記配線は、前記メモリセルから引き出されて、前記ビアの下端に接続されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の集積回路装置。
【請求項11】
基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に、相互に同一の方向に延び、前記方向において相互に離隔した位置に、幅方向に延出した凸部及び幅方向に後退した凹部が形成された複数本の芯材を形成する工程と、
前記芯材を細くする工程と、
前記芯材の側面上に側壁を形成する工程と、
前記芯材を除去する工程と、
隣りあう前記側壁間の領域のうち、前記側壁間の間隔が狭くなっている部分と前記側壁間の間隔が広くなっている部分との間の第1部分、及び、前記第1部分と共に前記側壁間の間隔が狭くなっている部分を挟む第2部分に、隣り合う2本の側壁同士を連結するようにピラーを形成する工程と、
前記側壁及びピラーをマスクとしたエッチングを施して、前記絶縁膜に溝を形成する工程と、
前記溝内に導電材料を埋め込んで配線を形成する工程と、
各前記配線における他の部分よりも幅が広い部分に接続されるように、ビアを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする集積回路装置の製造方法。
【請求項12】
前記芯材を形成する工程において、前記凸部と前記凹部とを前記芯材の相互に反対側の側面に形成することを特徴とする請求項11記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項13】
前記芯材を形成する工程において、前記凸部と前記凹部とを前記芯材の相互に同じ側の側面に形成することを特徴とする請求項11記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項14】
基板上に導電膜を形成する工程と、
前記導電膜上に、相互に同一の方向に延び、第1の部分の一方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成され、第2の部分の他方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成された複数本の芯材を形成する工程と、
前記芯材を細くする工程と、
前記芯材の側面上に側壁を形成する工程と、
前記芯材を除去する工程と、
前記側壁をマスクとしたエッチングを施して、前記導電膜を、凸状に湾曲したベント部がそれぞれ1ヶ所に形成された複数本の配線に加工する工程と、
第1の前記配線の前記ベント部が凸となる方向に位置し、前記第1の配線の隣の第2の前記配線における前記第1の配線のベント部に対向する対向部分を、前記第2の配線における前記対向部分の両側の部分から分断すると共に、前記第2の配線の前記ベント部から分断する工程と、
前記ベント部に接続されるように、ビアを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする集積回路装置の製造方法。
【請求項15】
基板上に導電膜を形成する工程と、
前記導電膜上に、相互に同一の方向に延び、第1の部分の一方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成され、第2の部分の他方の側面に幅方向に延出した凸部又は幅方向に後退した凹部が形成された複数本の芯材を形成する工程と、
前記芯材を細くする工程と、
前記芯材の側面上に側壁を形成する工程と、
前記芯材を除去する工程と、
前記側壁をマスクとしたエッチングを施して、前記導電膜を、凸状に湾曲したベント部がそれぞれ1ヶ所に形成された複数本の配線に加工する工程と、
第1の前記配線の前記ベント部を、前記第1の配線における前記ベント部の両側の部分から分断すると共に、前記第1の配線における前記第1の配線の隣の第2の前記配線のベント部に対向する部分であって、前記第2の配線のベント部が前記第1の配線から遠ざかる方向に凸となっているような対向部分から分断する工程と、
各前記配線における前記対向部分に接続されるように、ビアを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする集積回路装置の製造方法。
【請求項16】
前記分断する工程において、前記配線における前記側壁の両端部を回り込む部分も同時に分断することを特徴とする請求項14または15に記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項17】
前記分断する工程は、1枚のマスクを用いて、1回のエッチング処理によって行うことを特徴とする請求項16記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項18】
前記芯材を形成する工程において、前記第1の部分に凸部を形成し、前記第2の部分に凹部を形成することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項19】
前記芯材を形成する工程において、前記第1の部分及び前記第2の部分の双方に凸部を形成することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項20】
前記芯材を形成する工程において、前記第1の部分及び前記第2の部分の双方に凹部を形成することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載の集積回路装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−222279(P2012−222279A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89082(P2011−89082)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】