説明

電力変換装置

【課題】スイッチングノイズの発生を低減し、また、スイッチングノイズによる影響を受けにくい電力変換装置を提供する。
【解決手段】直流電流端子から供給される直流電流を交流電流に変換するための複数のスイッチング素子を有する半導体装置と、半導体装置のスイッチング素子の動作を制御するためのドライバ装置と、交流電流を検出するための電流センサと、電流センサにより検出された交流電流に基づいて、ドライバ装置の動作を制御するための制御装置と、直流電流端子に接続されたコンデンサとを有する電力変換装置において、ドライバ装置及び制御装置を同一のプリント基板上に実装し、ドライバ装置を半導体装置の上方に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置に係り、特に、ハイブリッド車用電動機の制御に用いられる電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車や電機自動車用電動機の駆動に用いられる電力変換装置は、駆動電圧が42Vから600Vと通常の車輌負荷電圧14Vに対し高いこと、及び、駆動電流が数百アンペアと大きいことから、ノイズの抑制が課題となる。また、駆動電流を扱う半導体装置やコンデンサの発熱による内部温度上昇の抑制が課題となる。
【0003】
ノイズの抑制技術として、例えば、特開2005−287273号公報(特許文献1)には、交流出力を生成する半導体装置をノイズフィルタに隣接して配置することが提案されている。また、温度上昇抑制技術として、例えば、特開2004−282804号公報(特許文献2)には、半導体装置の上面に伝熱板を設け、伝熱板に制御装置を取付けることが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−287273号公報
【特許文献2】特開2004−282804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、半導体装置をノイズフィルタに隣接して配置する上述の電力変換装置では、ノイズフィルタに隣接した半導体装置が2箇所に分かれて配置されている。このため、半導体装置の制御基板は、2箇所において、半導体装置のスイッチングノイズの影響を受け、ノイズ軽減用の制御基板上のフィルターを2個設ける必要がある。この結果、回路の複雑化や、回路の複雑化によるノイズの増幅等の新たな問題を引き起こす恐れがある。さらに、制御装置は、半導体装置とノイズフィルタに隣接しているため、その発熱の影響を受け、過度の温度上昇を生じる。このため、環境温度が比較的高い自動車等へ採用することが困難である。
【0006】
また、半導体装置の上面に伝熱板を設け伝熱板に制御装置を取付ける上述の電力変換装置では、駆動回路と制御回路とが伝熱板により仕切られている。このため、各々のインターフェイス回路は長くなる。また、制御回路は半導体装置の上に配置されている。この結果、制御装置は、半導体装置のスイッチングノイズの影響を受け誤動作する恐れがある。
【0007】
本発明の目的の一つは、スイッチングノイズを低減した電力変換装置を提供することである。また、他の目的の一つは、このようなスイッチングノイズによる影響を軽減させる構造を有する電力変換装置を提供することにある。さらには、装置の温度上昇を抑制し、環境温度が高い自動車等に用いることが可能な電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の電力変換装置のうち代表的な一つは、正負対の直流電流端子から供給される直流電流を交流電流に変換するための複数のスイッチング素子を有する半導体装置と、半導体装置のスイッチング素子の動作を制御するためのドライバ装置と、交流電流を検出するための電流センサと、電流センサにより検出された交流電流に基づいて、ドライバ装置の動作を制御するための制御装置と、直流電流端子の間に接続されたコンデンサと、を有し、ドライバ装置及び制御装置は同一のプリント基板上に実装されており、ドライバ装置は半導体装置の上方に配置されているものである。
【0009】
好ましくは、さらに、半導体装置により変換された交流電流を交流電流端子に伝達するための交流バスバと、直流電流端子,コンデンサ、及び、半導体装置の間を電気的に接続するためのコンデンサバスバと、を有し、半導体装置,交流バスバ、及び、コンデンサバスバは、略同一平面上に配置されている。また、コンデンサバスバはコンデンサの上方に配置されており、制御装置はコンデンサバスバの上方に配置されている。
【0010】
また、好ましくは、半導体装置は、直流電流を3相交流電流に変換するためのインバータ部を構成する第1スイッチング素子群と、直流電流間の電圧を変換するためのコンバータ部を構成する第2スイッチング素子群とを有する。この場合、さらに好ましくは、第1コイルからなるノイズフィルタを有し、このノイズフィルタは、第2スイッチング素子群及び直流電流端子とは異なる第2直流電流端子の間に直列に接続されている。
【0011】
また、好ましくは、半導体装置を冷却するための冷却装置を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スイッチングノイズを低減した電力変換装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る電力変換装置の一実施形態を示すブロック図である。図2は、図1のブロック図で構成される電力変換装置の一実施形態を示す概略平面図、図3は、図2の方向から見た概略平面断面図、図4及び図5は、概略側面断面図である。
【0015】
これらの図で示される電力変換装置100において、電動機半導体装置110は、スイッチング素子として機能するMOS−FET111a,111b,111c,111d,111e,111fと、電動機基板120とを有する。MOS−FET111a,111b,111c,111d,111e,111fは、それぞれ2枚のチップが並列に、はんだによって電動機基板120に実装されている。
【0016】
MOS−FET111aと111b,111cと111d,111dと111eは、それぞれアルミワイヤ131と電動機基板120で上下に直列に接続されてアームを構成する。電動機基板120は、各アームに正負対からなる直流入出力部121a,121c,121e,122a,122c,122eを一辺側に設け、反対側の辺に交流入出部123a,123c,123eを設けている。
【0017】
また、コンバータ半導体装置150は、MOS−FET151a,151bとコンバータ基板160で構成されている。MOS−FET151a,151bは、それぞれ2枚のチップが並列にはんだによってコンバータ基板160に実装され、また、アルミワイヤ
171とコンバータ基板160で上下に直列に接続されている。
【0018】
コンバータ基板160は、正負対からなる直流入出力部161,162を一辺側に設け、反対側の辺に交流入出力部163を設けている。電動機基板120とコンバータ基板
160は、各々の直流入出力部121a,121c,121e,122a,122c,
122e,161,162と交流入出力部123a,123c,123e,163が各々同方向になるように、アルミダイカストの筐体10に固定される。
【0019】
直流入出力部121a,121c,121e,161は、正極コンデンサバスバ201に接続される。直流入出力部122a,122c,122e,162は、負極コンデンサバスバ202に接続される。これらは、アルミワイヤ301を用いて接続されている。
【0020】
交流入出力部123a,123c,123eは、それぞれ、交流バスバ211,212,213にアルミワイヤ311を用いて接続される。直流入出力部162は、コンバータバスバ221に接続される。これらは、アルミワイヤ311を用いて接続されている。
【0021】
コンデンサバスバ201,202,交流バスバ211,212,213,コンバータバスバ221は、樹脂ケース20に一体モールド成型により固定される。また、MOS−
FET111a,111b,111c,111d,111e,111f,151a,151bの駆動信号は、ゲートピン401a,401b,401c,401d,401e,401f,401g,401hにアルミワイヤ321を用いて接続される。
【0022】
なお、図3中のアルミワイヤ131,171,301,311の本数は、その本数を制限するものではない。必要に応じて、その本数を増加させ、または、減少させることができる。同図中のアルミワイヤ131,171,301,311,321は、一部のみ表記し他は省略している。
【0023】
また、本実施例では、アルミワイヤで電気的接続した構成を示しているが、特にこれに限られない。アルミワイヤの代わりに、板状の金属板等を用いて電気的接続させることも可能である。アルミワイヤの一部及び全てを板状の金属板に代えることにより、装置の信頼性をさらに向上させることができる。また、この場合、装置の低インダクタンス化にも寄与する。
【0024】
電動機基板120は、各アーム、又は、MOS−FETごとに分割することができる。また、コンバータ基板160は、MOS−FETごとに分割することができる。このような場合でも、上記実施例と同様の効果を得られる。電動機基板120とコンバータ基板
160を一枚の基板で構成しても同様である。
【0025】
MOS−FET111a,111b,111c,111d,111e,111f,151a,151bは、2枚に限定するものでない。必要に応じて、その数を増加させ、または、減少させることができる。また、MOS−FETに限らず、IGBTとフライホイールダイオードを組み合わせや、バイポーラトランジスタ等を用いても、MOS−FETと同様の効果を得ることができる。
【0026】
電解コンデンサ21,22,23,1相のコイルで構成されたインダクタ30,整流用の電解コンデンサ40、及び、1相のコイルで構成されたノイズフィルタ50は、筐体
10に固定されている。電解コンデンサ21,22,23の正極端子は、正極コンデンサバスバ201に接続され、また、これらの負極端子は、負極コンデンサバスバ202に接続されている。
【0027】
正極コンデンサバスバ201は、正極2次直流端子61に直流バスバ231を用いて接続される。また、負極コンデンサバスバ202は、筐体10のGNDボス11と電解コンデンサ40の負極端子に直流バスバ232を用いて接続される。
【0028】
ノイズフィルタ50は、その一端が正極1次直流端子62に直流バスバ233を用いて接続される。また、その他端は、電解コンデンサ40の正極端子とインダクタ30の一端に直流バスバ234を用いて接続される。
【0029】
インダクタ30は、その他端がコンバータバスバ223,222を介してコンバータバスバ221に接続される。交流端子71,72,73は、交流バスバ214,215,
216を介してそれぞれ交流バスバ211,212,213に接続される。
【0030】
1次直流端子62,2次直流端子61、及び、交流端子71,72,73は、樹脂ケース20に一体モールド成型により固定される。コンデンサバスバ201,202,直流バスバ231,232,233,234、及び、コンバータバスバ223は、電動機基板
120とコンバータ基板160と同一平面上に配置される。その下部の筐体10側に、電解コンデンサ21,22,23,インダクタ30,電解コンデンサ40、及び、ノイズフィルタ50が配置される。
【0031】
電解コンデンサ21,22,23は、電動機基板120とコンバータ基板160の交流入出力部123a,123c,123e,163側とは反対側に配置される。また、交流端子71,72,73は、その反対側に配置される。
【0032】
なお、図3中の各バスバの接続にはネジを用いているが、必ずしも、ネジに限定するものではない。また、インダクタ30,電解コンデンサ40、及び、ノイズフィルタ50の配置,1次直流端子62,2次直流端子61、及び、筐体10のGNDボス11の位置は、いずれも限定するものではない。また、電解コンデンサ21,22,23,40の代わりに、フィルムコンデンサや、フィルムコンデンサと電解コンデンサを組み合わせて用いた場合でも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0033】
筐体10は、冷却フィン12とその水冷水路のカバー13を有する。冷却フィン12は、アルミダイカストにより成型される。冷却フィン12は、電動機基板120とコンバータ基板160の下面に設けられる。筐体10は、1次直流端子と2次直流端子の負極を兼ねる。
【0034】
樹脂ケース20は、樹脂モールドにより成型され、各バスバの固定と絶縁を兼ねて、筐体10に固定される。なお、冷却フィン12の代わりに、空冷フィンや、他の冷却装置をフィンの代わりに取り付けても上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0035】
また、筐体10として、アルミ鋳物や鋼板等の他の良熱伝導材料を用いても同様の効果が得られる。筐体10に負極を設ける代わりに、負極端子を設けて樹脂ケース20に固定することもできる。
【0036】
ドライバ装置701,制御装置801,電動機電流センサ611,612,613、及び、コンバータ電流センサ621は、一枚のプリント基板であるPCB601 (Print
Circuit Board) に実装される。PCB601は、電動機基板120,コンバータ基板
160,コンデンサバスバ201,202,直流バスバ231,232,233,234、及び、コンバータバスバ223の平面と平行に重なるように、ネジ641を用いて樹脂ケース20のPCBボス29に固定される。このとき、PCB601は、ネジ641の固定箇所の一部、または、他の接続方式によって、筐体10と接続し、GND接地をする場合がある。
【0037】
また、ドライバ装置701は、電動機基板120及びコンバータ基板160と、制御装置801は、コンデンサバスバ201,202,直流バスバ231,232,233,
234、及び、コンバータバスバ223と重なるように配置される。
【0038】
電動機電流センサ611,612,613、及び、コンバータ電流センサ621は、
PCB601の交流端子71,72,73側の一辺に配置される。これにより、ドライバ装置701は、制御装置801と電動機電流センサ611,612,613で囲まれるように配置される。
【0039】
PCB601は、ピン接続穴651で、ゲートピン401a,401b,401c,
401d,401e,401f,401g,401hと接続され、制御装置801の外部インターフェイス用のコネクタ631,632を有する。コネクタ631,632のコネクタハウジング27,28は、樹脂ケース20にモールド成型される。
【0040】
交流バスバ211,212,213、及び、コンバータバスバ221は、それぞれ、電動機電流センサ611,612,613とコンバータ電流センサ621の電流検出部を通る。電動機電流センサ611,612,613,コンバータ電流センサ621,制御装置801,ドライバ装置701、及び、コネクタ631,632は、それぞれ、PCB601上で接続される。
【0041】
なお、図2の電動機電流センサ611,612,613、及び、コンバータ電流センサ621は、絶縁型電流センサを用いているが、シャント抵抗等の他の電流センサを用いても同様の効果を得ることができる。また、PCB601の固定は、ネジ641に限定するものでなく、加締め等の他の方法を用いることもできる。さらに、コネクタ631,632とコネクタハウジング27,28の代わりに、コネクタとハーネスによる外部インターフェイスを用いてもよい。
【0042】
本実施例の電力変換装置100は、冷却装置を備える。このため、電動機半導体装置
110とコンバータ半導体装置150で生じた熱が、筐体10の冷却フィン12を介して冷媒に流れる。この熱は、樹脂ケース20で遮断され、PCB601へは伝わらない。
【0043】
また、電解コンデンサ21,22,23,インダクタ30,電解コンデンサ40、及び、ノイズフィルタ50で生じた熱は、筐体10と冷却フィン12を介して冷媒に流れる。この熱は、コンデンサバスバ201,202,直流バスバ231,232,233,234,コンバータバスバ223、及び、樹脂ケース20で遮断されるため、PCB601へは伝わらない。
【0044】
なお、冷却装置としては、筐体10で完全な冷媒通路を形成し、その上に電動機半導体装置110及びコンバータ半導体装置150を配置することで冷却可能である。また、冷却効率を向上させるため、電動機半導体装置110及びコンバータ半導体装置150を搭載した銅ベース等の金属ベースを冷媒通路の開口部上に直接搭載することにより、冷媒通路を完成させることもできる。このとき、金属ベースの冷媒接触面の金属ベースに、冷却フィンを形成することができる。
【0045】
これにより、電動機半導体装置110及びコンバータ半導体装置150とPCB601との距離、すなわち、ドライバ装置701とのインターファイスを最短にすることができ、スイッチングノイズを抑制することが可能になる。
【0046】
また、電動機電流センサ611,612,613とコンバータ電流センサ621や制御装置801とそれらのインターファイスは、電動機半導体装置110及びコンバータ半導体装置150とドライバ装置と交差しないため、スイッチングノイズの影響を受けない。
【0047】
このため、例えば、内燃機関により駆動される車両において、その搭載位置を制限せず、容易に搭載が可能である。さらに、電動機半導体装置110とコンバータ半導体装置
150とPCB601上のインターファイスは各々最短となり、電力変換装置の小型化が可能である。これによっても、車両への搭載が容易になる。
【0048】
次に図6を用いて、他の実施例を説明する。本図において、電力変換装置100のブロックは、MOS−FET111a,111b,111c,111d,111e,111f,電解コンデンサ21,ドライバ装置701、及び、制御装置801で構成される。各々のインターファイス及び構造は、上述の実施例における電力変換装置100と同様であり、同様の効果が得られる。
【0049】
図7は、上述の実施例における電力変換装置100を搭載した車両の一実施形態を示した図である。本図において、車両910は、エンジン920を備えている。エンジン920の駆動力は、トランスミッション922及び第1の車軸924A,924Bを介して、前輪926A,926Bに伝達され、前輪926A,926Bを駆動する。
【0050】
以上の説明では、前輪926A,926Bをエンジン920で駆動する車両として説明しているが、後輪をエンジンで駆動するようにしてもよい。また、トラックのような6輪以上の車両,トレーラのような、牽引車両にも適用可能である。
【0051】
エンジンルーム内には、エンジン920とベルト941で連結された交流電動機からなるモータジェネレータ940を備える。モータジェネレータ940は、ベルト941を介してエンジン920の駆動、または、駆動補助と、エンジン920とトランスミッション922を介して前輪926A,926Bを駆動する。また、ベルト941を介して、エンジン920により駆動され、または、エンジン920とトランスミッション922を介して前輪926A,926Bにより駆動されて、車載バッテリ942の充電,車両のその他補器類943の電源、及び、12Vバッテリ944の充電を兼ねる。
【0052】
なお、モータジェネレータ940は、例えば、巻線界磁形3相交流電動機を用い、車載バッテリ電圧、例えば12Vよりは、通常は高い電圧、例えば42Vでの駆動及び発電が可能である。
【0053】
以上の説明では、モータジェネレータ940はエンジン920にベルト941で連結しているが、チェーン等の他の連結手段も適応可能である。また、モータジェネレータ920は、エンジン920とトランスミッション922との間や、トランスミッション922内に設けても同じ効果を得ることができる。
【0054】
モータジェネレータ940,車載バッテリ942とその他補器類943、及び、12Vバッテリ944は、電力変換装置100を介して接続される。電力変換装置100は、モータジェネレータ940の発電電力のその他補器類943、及び、12Vバッテリ944、または、車載バッテリ942への供給と、車載バッテリ942の電力のモータジェネレータ940への供給を行う。以上の構成によるモータ・ジェネレータシステムにより、車両910は、アイドルストップやブレーキ回生の機能を有し、燃費が改善される。
【0055】
以上、本実施例の電力変換装置によれば、スイッチングノイズを低減することができる。また、スイッチングノイズによる影響を小さくすることが可能になり、制御装置の温度上昇を抑制することも可能になる。さらには、電力変換装置の小型化を図ることができる。
【0056】
上記実施例の電力変換装置を用いることにより、例えば、内燃機関により駆動される車両に容易に搭載することが可能になる。また、このような電力変換装置が搭載された車両は、アイドルストップやブレーキ回生の機能を有し、燃費の改善に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態による電力変換装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による電力変換装置の概略平面図である。
【図3】本発明の一実施形態による電力変換装置の概略平面断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による電力変換装置の概略側面図である。
【図5】本発明の一実施形態による電力変換装置の概略側面図である。
【図6】本発明の一実施形態による電力変換装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態によるモータ・ジェネレータシステムの搭載車両の全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0058】
10…筐体、11…GNDボス、12…冷却フィン、13…カバー、20…樹脂ケース、21,22,23,40…電解コンデンサ、27,28…コネクタハウジング、29…PCBボス、30…インダクタ、50…ノイズフィルタ、61…正極2次直流端子、62…正極1次直流端子、71,72,73…交流端子、100…電力変換装置、110…電動機半導体装置、111a,111b,111c,111d,111e,111f,151a,151b…MOS−FET、120…電動機基板、121a,121c,121e,
122a,122c,122e,161,162…直流入出力部、123a,123c,123e,163…交流入出力部、131,171,301,311,321…アルミワイヤ、150…コンバータ半導体装置、160…コンバータ基板、201…正極コンデンサバスバ、202…負極コンデンサバスバ、211,212,213,214,215,216…交流バスバ、221,222,223…コンバータバスバ、231,232,
233,234…直流バスバ、401a,401b,401c,401d,401e,
401f,401g,401h…ゲートピン、601…PCB、611,612,613…電動機電流センサ、621…コンバータ電流センサ、631,632…コネクタ、641…ネジ、651…ピン接続穴、701…ドライバ装置、801…制御装置、910…車両、920…エンジン、922…トランスミッション、924A,924B…車軸、926A,926B…前輪、940…モータジェネレータ、941…ベルト、942…車載バッテリ、943…その他補器類、944…12Vバッテリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電流端子から供給される直流電流を交流電流に変換するための複数のスイッチング素子を有する半導体装置と、
前記半導体装置の前記スイッチング素子の動作を制御するためのドライバ装置と、
前記交流電流を検出するための電流センサと、
前記電流センサにより検出された前記交流電流に基づいて、前記ドライバ装置の動作を制御するための制御装置と、
前記直流電流端子に接続されたコンデンサと、を有する電力変換装置であって、
前記ドライバ装置及び前記制御装置は、同一のプリント基板上に実装されており、
前記ドライバ装置は、前記半導体装置の上方に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1記載の電力変換装置において、
さらに、前記半導体装置により変換された前記交流電流を交流電流端子に伝達するための交流バスバと、
前記直流電流端子,前記コンデンサ、及び、前記半導体装置の間を電気的に接続するためのコンデンサバスバと、を有し、
前記半導体装置,前記交流バスバ、及び、前記コンデンサバスバは、略同一平面上に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項2記載の電力変換装置において、
前記コンデンサバスバは、前記コンデンサの上方に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項3記載の電力変換装置において、
前記制御装置は、前記コンデンサバスバの上方に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項2記載の電力変換装置において、
前記電流センサは、前記プリント基板の上に実装されており、
前記ドライバ装置は、前記制御装置と前記電流センサとの間に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項5記載の電力変換装置において、
前記交流電流端子は、前記プリント基板の前記電流センサが配置された一辺側に該電流センサと同列に並んで設けられ、
前記交流バスバは、一端が前記交流電流端子に接続され、前記電流センサの電流検出部を通り、他端が前記半導体装置における前記スイッチング素子の交流入出力部に接続されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項5記載の電力変換装置において、
前記半導体装置は、直流電流を3相交流電流に変換するためのインバータ部を構成する第1スイッチング素子群と、直流電流間の電圧を変換するためのコンバータ部を構成する第2スイッチング素子群と、を有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項7記載の電力変換装置において、
さらに、第1コイルからなるノイズフィルタを有し、
前記ノイズフィルタは、前記第2スイッチング素子群と、前記直流電流端子とは異なる第2直流電流端子と、の間に直列に接続されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項9】
請求項8記載の電力変換装置において、
前記ノイズフィルタの一方の電極は、前記第2直流電流端子に第1直流バスバを用いて接続され、他の電極は、前記第2スイッチング素子群の出力部に接続された第2コイルの一方の電極に第2直流バスバを用いて接続されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項10】
請求項9記載の電力変換装置において、
前記ノイズフィルタは、前記第1直流バスバ及び前記第2直流バスバの下方に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項11】
請求項9記載の電力変換装置において、
前記制御装置は、前記第1直流バスバ及び前記第2直流バスバの上方に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項12】
請求項10記載の電力変換装置において、
さらに、前記半導体装置及び前記コンデンサを内部に搭載するための金属筐体を有し、
前記ノイズフィルタは、前記金属筐体の内部に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項13】
請求項7記載の電力変換装置において、
さらに、コンバータ部の電流を検出するための第2電流センサを有し、
前記制御装置は、前記第2電流センサにより検出された前記電流に基づいて、前記ドライバ装置を制御することを特徴とする電力変換装置。
【請求項14】
請求項7記載の電力変換装置において、
前記第1スイッチング素子群、及び、前記第2スイッチング素子群は、複数のMOS−FETからなることを特徴とする電力変換装置。
【請求項15】
請求項1記載の電力変換装置において、
さらに、前記半導体装置及び前記コンデンサを内部に搭載するための金属筐体と、
前記半導体装置を冷却するための冷却装置と、を有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項16】
請求項15記載の電力変換装置において、
前記冷却装置の内部には、フィンが形成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項17】
請求項15記載の電力変換装置において、
前記金属筐体は、前記直流電流端子の負極としての機能を有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項18】
請求項15記載の電力変換装置において、
さらに、前記ドライバ装置及び前記制御装置を実装したプリント基板を固定するための樹脂ケースを有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項19】
請求項12記載の電力変換装置において、
さらに、前記インバータ部で変換された前記3相交流電流を出力するための複数の交流電流端子を有し、
前記直流電流端子,前記第2直流電流端子、及び、前記複数の交流電流端子は、前記金属筐体の一側面に並んで配置されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項20】
内燃機関にて駆動される車輌に請求項7記載の電力変換装置が搭載されていることを特徴とするモータ・ジェネレータシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−29094(P2008−29094A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197561(P2006−197561)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】