説明

電動搬送車

【課題】 電動機駆動の大径前輪と、ハンドル操作の小径後輪と、前輪よりも遥かに高い位置に荷台と運転者搭乗用床とが存在するものがあるが、荷台への荷物の積み込みと積みおろしが不便で、特に車椅子を車輪の回転を利用して転がして積みおろしできない。しかも重心が高いため積載状態での安定上好ましくない。本発明は、車椅子の積み込みと積みおろしに便利な低い荷台面の低重心とし、安定性を確保できる電動搬送車を提供する。
【解決手段】 前側に荷台が後側に運転台を配置した車台の左右両側の前後位置に前輪と駆動後輪を配置し、前輪操作用ハンドルと電気系制御部を上部に備えた制御塔を運転台の前側に配置し、前輪と後輪とは略同じ直径の車輪で構成し、蓄電池は前輪と後輪の外側面を結ぶラインの内側に配置し、荷台の床部を形成する車台のレベルが前輪と後輪の車軸レベルと略同一高さまで低い位置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者が乗車して操作する電動搬送車に関し、特に車椅子やその他の荷物の積みおろしに便利な電動搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池を電源とした電動機に接続した機械的動力伝達系(小歯車、大歯車、この両者間に渡るベルト等)によって回転する大型駆動輪を電気自動車本体の前部下方部に配置し、電気自動車本体の後部下方部にキャスタの小型車輪を配置し、キャスタの上方に方向変換機構と棒状の連絡機構を介して上端に操作ハンドルが設けられ、電気自動車本体の後端上部に電気系操作子が配置され、操作ハンドルと電気系操作子との間に運転者搭乗用床が形成され、操作ハンドルから前方側が荷台になった電気自動車がある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8‐72560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1のものは、前輪は電動機駆動の大型駆動輪であり、後輪はハンドル操作される小型のキャリアで構成され、大きい直径の前輪の後部上方位置において蓄電池4が荷台14の下面に取り付けられており、後輪の方向変換機構16が運転者搭乗用床15の下方空間に位置する配置である。このため、大きい直径の前輪よりも遥かに高い位置に荷台14と運転者搭乗用床15とが配置されており、この荷台14への荷物の積み込みと積みおろしには、かなり不便を感じ、特に、車椅子を積みおろしする場合、その車輪の回転を利用してそのまま転がして積みおろしすることはできない形態である。しかも重心が高い位置であるため、荷物を積み込んだ状態では安定上好ましくない。また、電気系操作子は、運転者搭乗用床15の後方に配置されるため、運転者が操作ハンドル10を操作する姿勢として、運転者搭乗用床15に前方向いて立った状態で操作するように構成されたものとは言い難い。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、車椅子を積みおろしする場合、その車輪の回転を利用してそのまま転がして積みおろしすることができるように、低い荷台面を形成し、それによって低重心が得られ、車椅子やその他の荷物を積み込んだ状態での安定性を確保できる電動搬送車を提供する。特に、人が車椅子に乗った状態でも安定搬送ができるような低重心の電動搬送車を提供する。また、電気系制御部の操作もし易いように、操作ハンドル付近に電気系制御部を配置し、更に、電動機の駆動に係る安全性を考慮した制御機構を構成したものとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、前側に荷台が配置され後側に運転台が配置された車台の左右両側の前後位置に前輪と後輪が配置され、前輪の左右回動操作用のハンドルが前記荷台の後側で前記運転台の前側の高い位置に配置され、前記左右の後輪は前記車台の左右両側部分に取り付けられた各駆動用直流電動機装置の出力軸に支持され、前記前輪と前記後輪との間で前記車台の左右両側部分には前記各直流電動機へ給電する蓄電池が取り付けられ、前記前輪と前記後輪とは略同じ直径の車輪で構成され、前記蓄電池は前記前輪と前記後輪の外側面を結ぶラインよりも内側に配置され、前記荷台の床部を形成する前記車台のレベルが前記前輪と前記後輪の車軸レベルと略同一高さまで低い位置に配置されたことを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、前側に荷台が配置され後側に運転台が配置された車台の左右両側の前後位置に前輪と後輪が配置され、前記前輪の左右回動操作用のハンドルが前記荷台の後側で前記運転台の前側の高い位置に配置され、前記左右の後輪は前記車台の左右両側部分に取り付けられた各駆動用直流電動機装置の出力軸に支持され、前記前輪と前記後輪との間で前記車台の左右両側部分には前記各直流電動機へ給電する蓄電池が取り付けられ、前記前輪と前記後輪とは略同じ直径の車輪で構成され、前記蓄電池は前記前輪と前記後輪の外側面を結ぶラインよりも内側に配置され、前記荷台と前記運転台の床部を形成する前記車台を一連の車台フレームによって前記前輪と前記後輪の車軸レベルと略同一高さに形成したことを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、前側に荷台が配置され後側に運転台が配置された車台の左右両側の前後位置に前輪と後輪が配置され、前記前輪の左右回動操作用のハンドルと電気系制御部を上部に備えた制御塔が前記荷台の後側で前記運転台の前側に配置され、前記左右の後輪は前記車台の左右両側部分に取り付けられた各駆動用直流電動機装置の出力軸に支持され、前記前輪と前記後輪との間で前記車台の左右両側部分には前記各直流電動機へ給電する蓄電池が取り付けられ、前記前輪と前記後輪とは略同じ直径の車輪で構成され、前記蓄電池は前記前輪と前記後輪の外側面を結ぶラインよりも内側に配置され、前記荷台の床部を形成する前記車台のレベルが前記前輪と前記後輪の車軸レベルと略同一高さまで低い位置に配置され、前記各駆動用直流電動機装置は、直流電動機とこの直流電動機の回転軸に組み合わされて前記出力軸を回転させる歯車装置と、この直流電動機の回転軸と前記歯車装置との噛み合わせを外部操作によって着脱可能なクラッチ装置とを備え、前記電気系制御部には前記各直流電動機の前進回転と後進回転を手動切り換えする切り換えスイッチ装置と電源スイッチとが設けられ、前記各直流電動機は、前記電源スイッチと前記切り換えスイッチ装置と前記クラッチ装置の全てが入ったとき運転状態となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明では、前輪と後輪とは略同じ直径の車輪で構成されるため、略水平な低い荷台面を形成し易く、しかも低重心が得られ、荷物や車椅子の積み込み積みおろしがし易い形態となると共に、車椅子やその他の荷物を積み込んだ状態での安定搬送を確保できる電動搬送車となる。また、蓄電池は前輪と後輪の外側面を結ぶラインよりも外側にはみ出さない状態で、前輪と後輪の間の空間を利用して車台の左右両側部分に取り付けられているため、荷台の床面を広く形成でき、荷物や車椅子の積み込み積みおろしに便利である。そして、車椅子はその車輪の回転を利用してそのまま転がして積みおろし可能な形態とすることに適し、特に、人が車椅子に乗った状態でもそれが可能となり、人が車椅子に乗った積み込み状態での安定搬送ができる電動搬送車となる。また、駆動輪である後輪側が運転台となるため、運転者の体重は主として後輪で受けることができ、積載状態での荷重バランスもとりやすく、安定搬送に適したものとなる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の効果に加えて、荷台と運転台の床部を形成する車台を一連の車台フレームによって形成したことにより、車台の構成が簡単になると共に車台の強度も大なるものとなり、荷台と運転台の床部を前輪と後輪の車軸レベルと略同一高さに形成し易く、運転者の体重が加わってもより一層の安定搬送が達成できるものとなる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明の効果に加えて、各後輪駆動の直流電動機は、電源スイッチと切り換えスイッチ装置とクラッチ装置の全てが入ったとき運転状態となることにより、後輪駆動を開始する際のチェックが3段階で行えるため、走行開始に対する安全確保に優れたものとなる。また、前輪の左右回動操作用のハンドルと電気系制御部を制御塔の上部に備えたことにより、運転者による電気系制御部の操作と運転がし易いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、前側に荷台が配置され後側に運転台が配置された車台の左右両側の前後位置に前輪と後輪が配置され、前記前輪の左右回動操作用のハンドルを上部に備えた制御塔が前記荷台の後側で前記運転台の前側に配置され、前記左右の後輪は前記車台の左右両側部分に取り付けられた各駆動用直流電動機装置の出力軸に支持され、前記前輪と前記後輪との間で前記車台の左右両側部分には前記各直流電動機へ給電する蓄電池が取り付けられ、前記前輪と前記後輪とは略同じ直径の車輪で構成され、前記蓄電池は前記前輪と前記後輪の外側面を結ぶラインよりも内側に配置され、前記荷台の床部を形成する前記車台のレベルが前記前輪と前記後輪の車軸レベルと略同一高さまで低い位置に配置されたものであり、以下その実施形態について説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施形態を図に基づき説明する。各図は本発明に係る電動搬送車の実施形態を示すものであり、図1は本発明に係る電動搬送車の車台構造を含む基本形態を示す後方斜視図、図2は本発明に係る電動搬送車の車台構造を含む基本形態を示す前方斜視図、図3は本発明に係る電動搬送車の車台構造を含む基本形態を示す左側面図、図4は本発明に係る電動搬送車の前方斜視図、図5は本発明に係る電動搬送車の後方斜視図、図6は本発明に係る電動搬送車のハンドルを備えた制御塔の電気系制御部の配置を示す斜視図、図7は本発明に係る電動搬送車の車台フレームと外装部材との関係を示す上方斜視図、図8は本発明に係る電動搬送車のハンドル軸下端部の構成を示す斜視図、図9は本発明に係る電動搬送車の前輪回動機構部の構成を示す斜視図、図10は前輪の回動機構部を示す斜視図、図11は車台フレームに対する前輪支持部の構成を示す図、図12は車台フレームに対する前輪の支持部材の関係を示す下面図、図13は後輪駆動部の斜視図、図14は後輪駆動部の一部拡大図、図15は電気回路図である。
【0013】
1は本発明に係る電動搬送車であり、前側に荷台3が配置され後側に運転台4が配置され、左右両側に前方から後方へ次第に高くなる形状に側壁1Aが配置され、左右両側の前後位置に前輪5と後輪6が配置され、前輪5の左右回動操作用のハンドル7と電気系制御部8を上部に備えた制御塔9が運転台4の前側に配置されている。電動搬送車1の車台2は、荷台3と、運転台4と、荷台3の後側で運転台4の前側位置に設けたハンドル7を備えた制御塔9と、ハンドル操作される前輪5と、電動機駆動される後輪6と、電動機へ電力供給する蓄電池11を備え、基体となる車台フレーム2Aと、車台フレーム2Aを覆う外装部材から構成されている。運転台4の床からのハンドル7の高さは、運転台4に運転者が立った状態で運転しやすい高さである。
【0014】
車台フレーム2Aは、荷台3の床部3Aと運転台4の床部4Aを形成し、側壁1Aの基部材となる側壁部2Cが左右両側に形成された構成であり、荷台3の床部3Aと運転台4の床部4Aは車台フレーム2Aによってほぼ水平状態に形成されている。車台フレーム2Aを覆う前記外装部材は、後述のように、この荷台3の床部3Aの上にネジN1で止められた床材3Bと、この運転台4の床部4Aの上にネジN2で止められた床材4Bと、車台フレーム2Aの側壁部2Cの外側を覆うように側壁部2CにネジN3で止められた外側壁2C1と、荷台3の左右内側面を形成するように車台フレーム2Aの側壁部2CにネジN4で止められた内側壁3C1と、荷台3の奥壁を形成するように車台フレーム2Aの側壁部2CにネジN6で止められた内側壁3C2と、運転台4の左右内側面を形成するように車台フレーム2Aの側壁部2CにネジN5で止められた内側壁4C1と、運転台4の奥壁を形成するように車台フレーム2AにネジN7で止められた内側壁4C2を備えている。
【0015】
車台2の左右両側の前後位置に前輪5と後輪6が配置され、前輪5の左右回動操作用のハンドル7が、荷台3と運転台4の間に位置するように、車台2の左右の中央部において荷台3の後側で運転台4の前側に配置されている。ハンドル7は、荷台3と運転台4の間に位置するように、車台2の左右の中央部において荷台3の後側で運転台4の前側に配置されている。車台2の左右両側部分には、駆動用直流電動機装置10がネジN8などの適切な固定手段によって車台フレーム2Aに設けた取り付け部に取り付けられており、各駆動用直流電動機装置10の回転出力軸10Bには、左右の後輪6の車軸6Aが取り付けられている。前輪5と後輪6との間で車台2の左右両側部分には、各駆動用直流電動機装置10の直流電動機10Aへ給電する蓄電池11が取り付けられ、これによって、蓄電池11は荷台3の後寄り部分の左右両側に対応配置されている。
【0016】
これによって、前輪5は荷台3の前側寄りの位置において、荷台3の左右両側に配置され、一方、左右の後輪6は運転台4の左右両側に対応配置されている。各駆動用直流電動機装置10は、回転出力軸10Bと後輪6の車軸6Aとの連結関係から、後輪6の車軸6Aの若干前方位置において、運転台4の前寄りの左右両側に対応配置された状態である。この構成によって、後輪6が駆動車輪となり、前輪5がハンドル操作輪となる構成でもって、運転台4に搭乗する運転者の体重は、主として後輪6で受けるようになり、荷台3に荷物が搭載されていない状態でも、運転者の体重を受けて後輪6が床面又は地面に接地した十分な抵抗によって、安定した駆動が得られるものとなる。
【0017】
蓄電池11は、直進方向に向いた前輪5と後輪6の外側面を結ぶラインよりも内側に配置されることにより、前輪5と後輪6の外側面よりも外側に突出しない状態に保たれている。このため、電動搬送車1の走行によって電動搬送車1の側面に現れる他物に蓄電池11が衝突することも極めて少なくなり、運転走行し易いものとなる。また、荷台3の床部3Aを形成する車台2のレベルが、前輪5と後輪6の車軸5A、6Aのレベルと略同一高さまで低い位置に配置された低重心構造である。このため、荷台3への車椅子やその他のものの積載と積みおろし作業を行い易い状態となる。そして、車台2のレベルがあまり低いレベルになると、走行中に路面の凹凸部に車台2の底が衝突して走行の障害となり、また、その衝突によって急ブレーキがかかることによる危険も伴うが、本発明では車台2の底が路面から適度に離れた状態を保つことができるため、そのような問題も解決されたものとなる。
【0018】
また、荷台3と同様に、運転台4の床部を形成する車台2のレベルも前輪5と後輪6の車軸5A、6Aのレベルと略同一高さまで低い位置に配置することにより、全体として、低重心構造とすることができる。これを達成するために、図示の車台フレーム2Aは、前後に延びる縦フレーム部材2A1と、これに交差する横フレーム部材2A2と、更に周辺部を形成する周辺フレーム部材2A3によって、荷台3の床部3Aと運転台4の床部4Aが前後方向に一連の平面として形成される。このように、一連の車台フレーム2Aによって、車台2に形成される荷台3と運転台4の両方の床部が、略同一平面として形成される状態となる。そして、この車台フレーム2Aによって、左右の前輪5と後輪6の車軸5A、6Aを結ぶレベルと略同一高さに、荷台3と運転台4の床部が形成されている。これによって、車台フレーム2Aの構成が簡素化されると共に、車台フレーム2Aが強固な構造となり、重量物の安定積載と共に安定走行を達成することができる。
【0019】
前輪5と後輪6とは、金属製ホイールの外周に空気で膨らみを保つゴム製タイヤが取り付けられた車輪であり、前輪5と後輪6とは略同じ直径の車輪で構成され、上記のように、荷台3への荷物の積みおろしと走行の安定性を考慮して、荷台3と運転台4の床部を前輪5と後輪6の車軸5A、6Aを結ぶレベルと略同一高さに形成している。この目的達成の一例として、略同じ直径の前輪5と後輪6の車軸5A、6Aの中心が、地面からの高さが150mm〜160mmとなるように低重心構成となっている。これによって、荷台3と運転台4の床部は、地面からの略150mm〜160mmとなり、低重心構成となる。
【0020】
この低重心構成によって、荷台3の前方から車椅子をその左右両側の車輪を転がして載せられるようになり、その車椅子を荷台3に載せた状態(図18参照)では、荷台3の床等に設けた適切な車椅子固定具によって、その車椅子を固定するように構成すればよい。なお、荷台3の左右方向の横幅は、車椅子の左右の幅よりも若干広い幅にすれば、荷台3の左右側壁が、載せた車椅子の左右移動制限壁として有効となり、車椅子を主体に載せる電動搬送車1として有効である。また、荷台3の床に車椅子の左右両輪が嵌る窪みを形成して、この窪みに車椅子の左右両輪が嵌った状態で前記車椅子固定具によって固定すれば、この窪みによって車椅子の車輪の前後移動が制限され、より安定した積載状態を保つことができる。なお、一般の荷物を積載する場合は、この窪みを平板によってカバーすればよい。
【0021】
各駆動用直流電動機装置10は、直流電動機10Aと、この直流電動機10Aの回転軸に組み合わされて出力軸10Bを回転させる歯車装置10Cと、この直流電動機10Aの回転軸に取り付けた歯車(図示せず)と歯車装置10Cの歯車(図示せず)との噛み合わせを着脱するクラッチ装置10Dとを備えている。クラッチ装置10Dは、クラッチレバー10D1の外部操作によって、直流電動機10Aの回転軸に取り付けた歯車(図示せず)と歯車装置10Cの歯車(図示せず)との噛み合わせを着脱する。なお、クラッチレバー10D1によって電気回路をON−OFFするスイッチ10Eが設けられており、クラッチレバー10D1をクラッチ装置10Dが入った状態(直流電動機10Aの回転軸に取り付けた歯車と歯車装置10Cの歯車とが噛み合った状態)にしたとき、スイッチ10EがONし、クラッチレバー10D1をクラッチ装置10Dが切れた状態(直流電動機10Aの回転軸に取り付けた歯車と歯車装置10Cの歯車との噛み合いが外れた状態)にしたとき、スイッチ10EがOFFする構成である。
【0022】
ハンドル7はハンドル軸9Bの上端部に設けられ、ハンドル7の左右回動に伴ってハンドル軸9Bが左右に回動する。ハンドル軸9Bは車台フレーム2Aに取り付けた支柱9Aによって、回動可能に支持されている。その具体的な構成としては、円筒状の支柱9Aの下部は、車台フレーム2Aの2本の縦フレーム部材2A1にそれぞれ溶接又はネジにて固定された斜め支え部材2Eに、溶接又はネジにて支えられている。円筒状の支柱9Aの上部は、車台フレーム2Aの左右側壁部2Cに渡る支持桟2Dに溶接又はネジにて取り付けられている。ハンドル軸9Bは、円筒状の支柱9A内に軸受けにて左右回転可能に支持された下部ハンドル軸部分9B1と、支持桟2Dの上方位置においてこの下部ハンドル軸部分9B1の上端部に連結部9Dで連結された上部ハンドル軸部分9B2とで構成し、上部ハンドル軸部分9B2の上端部にハンドル7が設けられている。このため、ハンドル7の左右旋回操作に伴って、上部ハンドル軸部分9B2と下部ハンドル軸部分9B1が左右に回動して、後述のように前輪5が左右に方向を変える動作をする。
【0023】
上部ハンドル軸部分9B2の周辺は装飾カバー9Cで覆われ、装飾カバー9Cの上部に電気系制御部8を配置しており、これらのハンドル7と電気系制御部8と装飾カバー9Cを含めて、全体としてハンドル7と同時に左右回動する制御塔9を構成している。このため、上記のように、ハンドル7を含む制御塔9が荷台3の後側で運転台4の前側位置に配置された状態となる。このため、ハンドル7を左右に回動操作することによって、ハンドル軸9Bが左右に回動する。カバー9C内には、電気系制御部8に接続されるリード線が配置されている。
【0024】
車台フレーム2Aの左右側壁部2Cの前端部と後端部に、それぞれヘッドライト14とテールライト15とが取り付けられ、蓄電池11に対する必要な配線がされている。制御塔9には、運転者がヘッドライト14とテールライト15をON、OFFするスイッチ16と、蓄電池11の充電端子11Aが設けられている。
【0025】
運転台4と各駆動用直流電動機装置10の配置は、各駆動用直流電動機装置10の荷重と、運転台4に乗った運転者の体重が、前輪5よりも主として後輪6に掛かるように構成している。そして、蓄電池11が前輪5と後輪6との間で車台2の左右両側部分に取り付けられており、蓄電池11の荷重は、上記のように後輪6寄りであるが前輪5と後輪6に掛かる低重心構成である。これによって、運転台4に運転者が乗って運転する場合、荷台3に荷物を積載しない状態と荷物を積載した状態のいずれにおいても、荷重バランスがとれるようにして、電動搬送車1の安定した走行ができるようにしている。
【0026】
ハンドル7の下方、即ち制御塔9の下方位置には、電装ボックス17が車台フレーム2A上に取り付けられている。この取り付けは、支柱9Aを支えるように車台フレーム2Aに溶接又はネジにて固定した支え部材2Eにネジにて取り付けられている。電気系制御部8、各直流電動機10A、クラッチ装置10Dのスイッチ10E、蓄電池11の充電端子11A、前進後退切り換えスイッチ装置12、電源スイッチ13、ヘッドライト14、テールライト15、スイッチ16等は、電装ボックス17の配電盤を介して蓄電池11に接続されている。
【0027】
ハンドル7の操作によって、ハンドル軸9Bが左右に回動することにより、前輪5が左右に回動する仕組みである。以下、この仕組みについて説明する。円筒状の支柱9Aの下方へ突出した円柱状ハンドル軸9Bの下端部には、左右に突出した回動体18が溶接又はネジにて固定され、この回動体18の左右端部には、左右一対の前後作動棒19の一端が回動自在に軸支持部24にて結合されている。前輪5は、その車軸5Aが車軸部材22の水平軸22Aに回転自在に支持され、この車軸部材22は、車台フレーム2Aの横フレーム部材2A2の下側に近接配置された支持部材20に設けた垂直状の縦軸部21に左右回動自在に軸支持されている。車軸部材22から後方へ延びたアーム部22Bには、左右作動棒23の一端が回動自在に軸支持部25で結合されている。各前後作動棒19の他端は、車台フレーム2Aの横フレーム部材2A2に対して回動自在に軸支持部26で結合された回動体27の左右部分に回動自在に軸支持部28で結合されている。この回動体27は、左右の前輪5、5間の中央部に配置され、この状態で前後作動棒19は、車台2の左右の中央部において前後方向に略平行状態に延びている。また、左右作動棒23の他端は、回動体27に回動自在に軸支持部29で結合されている。
【0028】
この構成において、ハンドル7を左に回動操作すれば、左側の前後作動棒19が後退すると共に、右側の前後作動棒19が前進して回動体27を左側へ旋回させ、左側の左右作動棒23が右方向へ引っ張られると共に、右側の左右作動棒23が右方向へ押される。この動作によって、左右の前輪5が縦軸部21を中心として左側へ回動する。この状態で、前進走行している電動搬送車1は、左側へ旋回することとなる。またハンドル7を右に回動操作すれば、上記とは逆の動作によって前輪5が縦軸部21を中心として右側へ回動して、前進走行している電動搬送車1は、右側へ旋回することとなる。
【0029】
車軸部材22が回転自在に取り付けられた支持部材20は、横フレーム部材2A2から垂下した前後支持部30に、支持部材20の中央部が回動自在に軸支持部31で支持されており、これによって支持部材20は、車台フレーム2Aの横フレーム部材2A2の下側に間隔Gを保って近接配置される。このため、支持部材20は、その左右両側が軸支持部31を中心として車台フレーム2Aに対して上下動可能である。横フレーム部材2A2の下面には、左右均等位置にゴム製のクッション材32が取り付けられており、水平状態の車台フレーム2Aに対して支持部材20が水平状態にあるとき、支持部材20とクッション材32との間に若干の隙間33が形成される。路面の凹凸が小さいときは、前輪5の上下動の幅が小さく、前輪5の上下動に伴って支持部材20は軸支持部31を中心として隙間33の範囲内で上下動するため、車台フレーム2Aを上方へ押さない。このため、隙間33は、路面の凹凸によって前輪5が上下動するとき、車台フレーム2Aに対してこの路面の凹凸を吸収する作用空間となる。
【0030】
後輪6は、路面の凹凸に応じて上下動し、それによって車台フレーム2Aの後部は上下動するが、前輪5側は、多少の路面の凹凸に対しては隙間33がその吸収効果を発揮するため、電動搬送車1全体の揺れは緩和されるものとなる。なお、路面の凹凸が大きい場合は前輪5の上下動の幅が大きくなって、支持部材20がクッション材32に衝突し、支持部材20が横フレーム部材2A2を上方へ押して車台フレーム2Aが上方へ押されるが、路面の凹凸が少ない場合は、車台フレーム2Aの揺れが小さくなり、電動搬送車1は安定走行できるものとなる。
【0031】
なお、前後支持部30の一方にネジ結合した左右一対の調整棒34によって、支持部材20の前後移動が制限され、これによって支持部材20は、軸支持31を中心に安定した上下動を行なうことができる。
【0032】
上記のように、車台フレーム2Aは、荷台3の床部3Aと運転台4の床部4Aを形成し、左右両側に側壁部2Cが形成された構成である。荷台3の床部3Aの上面には、略平坦な床材3Bが車台フレーム2AにネジN1にて止められ、運転台4の床部4Aの上面には、略平坦な床材4Bが車台フレーム2AにネジN2にて止められて、それぞれの床面を形成している。また側壁部2Cには、側壁部2Cの外側を覆うように外側壁2C1がネジN3で止められ、荷台3の左右内側壁を形成するように、側壁部2Cに内側壁3C1がネジN4で止められ、荷台3の奥壁を形成するように、左右側壁部2Cに渡る支持桟2Dに内側壁3C2がネジN6で止められている。このようにして、側壁1Aが形成される。そして、運転台4の左右内側壁を形成するように内側壁4C1が左右側壁部2CにネジN5で止められ、運転台4の奥壁を形成するように左右側壁部2Cに渡る支持桟2Dに、内側壁4C2がネジN7で止められている。この構成によって、支持桟2Dに取り付けられた内側壁3C2と内側壁4C2によって、荷台3と運転台4の間の仕切り壁が構成され、この仕切り壁の上方へ制御塔9が突出した状態である。
【0033】
図示の形態では、運転台4の左右内側壁を形成する内側壁4C1は、荷台3の左右内側壁を形成する内側壁3C1と一連の略平坦な板によって構成しており、これによって構成部品数を軽減し、取り付けも簡素化される構造となっている。また、側壁部2Cの外側を覆う外側壁2C1は、前後の車輪5、6を覆う前後のフェンダー部41、42を一体形成しており、その前後のフェンダー部41、42の中間部分で蓄電池11を覆っている。なお、床材3Bは、荷物を載せる関係から強度的にも金属製が好ましく、床材4Bも運転者が立って運転する関係から強度的にも金属製が好ましい。また、外側壁2C1は、金属製で構成することもできるが、フェンダー部41、42を含めた外観デザインを考慮して、合成樹脂のインジェクション成形品、又は強度を考慮してFRP(ガラス繊維強化合成樹脂)製が好ましい。また、内側壁3C1、内側壁3C2、内側壁4C1、及び内側壁4C2は、金属製でもよいが、合成樹脂のインジェクション成形品又は、強度を考慮してFRP(ガラス繊維強化合成樹脂)製とすることもできる。
【0034】
制御塔9の上部には電気系制御部8が設けられている。この電気系制御部8は、制御塔9の上部内部に収納された、各直流電動機10Aへの印加電圧又は電流を加減するスピード設定装置39と、ハンドル7に近接して配置され運転者によって操作されるレバー12A、12Bで動作する切り換えスイッチ装置12と、更に制御塔9の上面パネルに配置した、ON状態でクラクションを鳴らすスイッチボタン43と、蓄電池11の充電状態を表示する表示部44と、スピード設定装置39の操作摘み40とこれに関連した表示部38と、ヘッドライト14とテールライト15を同時にON、OFFするスイッチ16と、制御塔9の上部後側に配置した、蓄電池11の充電ケーブル11Bを接続する充電端子11Aと、電源スイッチ13等で構成している。蓄電池11の充電用端子11Aには、商用電源に接続する充電ケーブル11Bの端部に設けたナット部材をネジ結合する構成である。
【0035】
各直流電動機10Aは、電源スイッチ13と切り換えスイッチ装置12とクラッチ装置10Dのスイッチ10Eとの全てが入ったとき(ONのとき)回転する運転状態となる構成である。これによって、後輪6の駆動を開始する際のチェックが3段階で行なえる。即ち、これらの3つのスイッチがONかOFFかを確認できるため、前進又は後退の走行開始に際した安全確保に優れたものとなる。この具体的な電気回路は図15に示しており、前進後退切り換えスイッチ装置12の可動片が接点aに接続されているとき、各直流電動機10Aは前進方向回転して後輪6は前進方向回転して、電動搬送車1は前進する。また、前進後退切り換えスイッチ装置12の可動片が接点bに接続されているとき、各直流電動機10Aは逆方向回転して、後輪6は後進方向回転して、電動搬送車1は後方へ進む。
【0036】
このように電動搬送車1は、各直流電動機10Aが運転状態になったとき、前進又は後進が可能であるが、各直流電動機10Aは、電源スイッチ13と、切り換えスイッチ装置12と、クラッチ装置10D(即ち、クラッチ装置10Dのスイッチ10E)の全てが入ったとき、後輪6が回転する運転状態となる。運転者が電源スイッチ13をONし、クラッチ装置10Dを入れてONし(スイッチ10EがON)、運転者が右側のハンドル7を持つ手で、右側のレバー12Aを握ることによって、その切り換えスイッチ装置12の可動片が接点aにON状態となり、各直流電動機10Aが前進方向回転を行なうため、電動搬送車1は所定時速のスピードで前進する。
【0037】
このスピードは、制御塔9の上面パネルに設けたスピード設定装置39の摘み40を回して、スピード表示部38のメモリの任意位置に合わせることによって、そのメモリのスピードに設定できるものである。スピード設定装置39は、摘み40を回して各直流電動機10Aへ供給される電流又は電圧を増減するものであり、このスピードは、時速2〜15kmの範囲で制御可能である。電動搬送車1は、この切り換えスイッチ装置12のレバー12Aの握りを外せば、各駆動用直流電動機装置10の内部の抵抗、即ち、直流電動機10Aの回転子と固定子との間に働く電気的抵抗と、歯車装置10C等による機械的抵抗によって停止する。この他に、急停止するためには、運転者が操作可能なブレーキ装置を設けることができる。
【0038】
電動搬送車1の後退は、運転者が電源スイッチ13をONし、クラッチ装置10Dを入れてONし(スイッチ10EがON)、運転者が左側のハンドル7を持つ手で、左側のレバー12Bを握ることによって、その切り換えスイッチ装置12の可動片が接点bにON状態となり、各直流電動機10Aが後進方向回転を行なうため、電動搬送車1は、摘み40で設定した所定時速のスピードで後退する。電動搬送車1は、この切り換えスイッチ装置12のレバー12Bの握りを外せば、各駆動用直流電動機装置10の内部の抵抗、即ち、直流電動機10Aの回転子と固定子との間に働く電気的抵抗と、歯車装置10C等による機械的抵抗によって停止する。
【0039】
車台2の前端部には、電動搬送車1の横幅に渡る左右長さを有するバンパー35が設けられている。バンパー35は、車台フレーム2Aの前端部に横に渡るバンパー部材35Aと、これを覆うクッション材35Bによって構成している。クッション材35Bはウレタンゴムのような樹脂性である。荷台3の前端部にはガード36を設けて、荷台3から荷物が前方へ脱落しないようにしている。ガード36は、荷物の積み込み及び積みおろし時に倒せるように、車台フレーム2Aに回動可能に支持されている。図示のものでは、車台フレーム2Aの前部材を構成する周辺フレーム部材2A3に、ガード36の基部が軸37によって後方へ回動可能なるように支持され、このガード36の基部とバンパー部材35が一体化された構成である。これによって、ガード36は、通常の状態では、図示のように上方へ突出して荷台3の前端部をガードした状態であり、後方へ回動して荷台3の床部3Aの上面に沿うように倒すことによって、荷台3の前端部が解放され、荷台3の奥側への荷物の積み込み及びその荷物の積みおろしがし易くなる。なお、ガード36は、前方へ回動にて倒すことができる構成とすれば、荷台3の前端部における荷物の積み込み及び積みおろしが更にし易くなる。この場合、荷台3に荷物を積み込みんだ状態で、荷物の滑り落ちを防止するように、ガード36を立てた状態に保持するための保持装置が必要である。
【実施例2】
【0040】
図16と図17は本発明に係る電動搬送車1の実施例2を示しており、図16は荷物を積み込んだ状態の本発明に係る電動搬送車1の前方斜視図、図17は荷物Mを積み込んだ状態の本発明に係る電動搬送車1の側面図である。実施例2の電動搬送車1は、実施例1の電動搬送車1に比して、荷台3の左右両側からの荷物Mの積み込みと積みおろしがし易いように、荷台3の左右両側の側壁1Aを低くした形態であり、実施例1の電動搬送車1と外装が異なるが、実施例1の電動搬送車1と同様に低重心構成であり、各部分の構成については実施例1の電動搬送車1と同様であるため、その説明は省略するが、図に表れる実施例1と同一機能構成部分には実施例1と同一符号を付している。
【0041】
側壁1Aは、実施例1の電動搬送車1と同様に車台フレーム2Aの左右両側に側壁部2Cが形成され、その側壁部2Cの外側を覆う外側壁2C1には、前後の車輪5、6を覆う前後のフェンダー部41、42を一体形成している。荷台3の左右両側の側壁1Aを低くしたことにより、背の高い荷物Mが搬送中に転倒したり荷台3の左右から落下しないようにするために、制御塔9の左右両側と運転台4の左右両側を覆うように高く形成した外側壁2C1の一部2C11には、荷台3の左右両側の側壁1Aに並行して、この側壁1Aの上方に後方へ延びた左右側面ガード45が、軸支持部45Aを中心として上方へ回動可能に設けられている。荷台3の左右側からの荷物の積み込みと積みおろしは、この左右ガード45を上方へ略90度回動させた状態で行なうことができる。
【0042】
また、運転台4に立って乗った運転者Hが、運転台4の後方へ転落しないようにするために、制御塔9のカバー9Cの一側面から運転台4の一側を通って後部に延び、そこから運転台4の後部を横切るように運転台4の他側へ向けて横方向に延びた運転者用ガード46を設けている。運転者用ガード46は、クッション製のカバーで覆われ、運転台4に立って乗った運転者Hの略背中の下部に対応する位置で略水平であり、運転者Hは、運転台4の左右の一側からハンドル7と運転者用ガード46との間に入り込むことにより、運転台4に乗り込むことができる。図示の形態では、運転操作のし易さを考慮して、制御塔9を若干前方へ傾斜させた状態に構成している。
【実施例3】
【0043】
図18は本発明に係る電動搬送車1の実施例3を示しており、図18は本発明に係る電動搬送車1に人H1が乗った車椅子Kを荷台3に積み込んだ状態の前方斜視図である。実施例3の電動搬送車1は、実施例1の電動搬送車1に比して、荷台3の左右両側の側壁1Aの形状を含めた外観が異なるが、実施例1の電動搬送車1と同様に低重心構成であり、各部分の構成については実施例1の電動搬送車1と同様であるため、その説明は省略するが、図18に表れた実施例1のものと同一機能構成部分には、実施例1と同一符号を付している。車椅子Kは、荷台3の床材3Bに設けた車椅子固定具によって、荷台3の所定位置に固定される。この場合、市販の車椅子固定具を荷台3の床材3Bに取付ける構成が便利である。
【0044】
上記の実施例1及び実施例2のいずれにおいても、実施例3のように、電動搬送車1に人H1が乗った車椅子Kを荷台3に積み込むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の技術思想の範囲内において、上記実施形態には限定されず、種々の実施形態の電動搬送車に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る電動搬送車の車台構造を含む基本形態を示す後方斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明に係る電動搬送車の車台構造を含む基本形態を示す前方斜視図である。(実施例1)
【図3】本発明に係る電動搬送車の車台構造を含む基本形態を示す左側面図である。(実施例1)
【図4】本発明に係る電動搬送車の前方斜視図である。(実施例1)
【図5】本発明に係る電動搬送車の後方斜視図である。(実施例1)
【図6】本発明に係る電動搬送車のハンドルを備えた制御塔の電気系制御部の配置を示す斜視図である。(実施例1)
【図7】本発明に係る電動搬送車の車台フレームと外装部材との関係を示す上方斜視図である。(実施例1)
【図8】本発明に係る電動搬送車のハンドル軸下端部の構成を示す斜視図である。(実施例1)
【図9】本発明に係る電動搬送車の前輪回動機構部の構成を示す斜視図である。(実施例1)
【図10】本発明に係る電動搬送車の前輪の回動機構部を示す斜視図である。(実施例1)
【図11】本発明に係る電動搬送車の車台フレームに対する前輪支持部の構成を示す図である。(実施例1)
【図12】本発明に係る電動搬送車の車台フレームに対する前輪の支持部材の関係を示す下面図である。(実施例1)
【図13】本発明に係る電動搬送車の後輪駆動部の斜視図である。(実施例1)
【図14】本発明に係る電動搬送車の後輪駆動部の一部拡大図である。(実施例1)
【図15】本発明に係る電動搬送車の電気回路図である。(実施例1)
【図16】荷物を積み込んだ状態の本発明に係る電動搬送車の前方斜視図である。(実施例2)
【図17】荷物を積み込んだ状態の本発明に係る電動搬送車の側面図である。(実施例2)
【図18】本発明に係る電動搬送車に人が乗った車椅子を荷台に積み込んだ状態の前方斜視図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0047】
1・・・・電動搬送車
1A・・・側壁
2・・・・車台
2A・・・車台フレーム
2C・・・車台フレームの側壁部
2C1・・外側壁
3・・・・荷台
3A・・・荷台の床部
3B・・・荷台の床材
3C1・・荷台の内側壁
3C2・・荷台の内側壁
4・・・・運転台
4A・・・運転台の床部
4B・・・運転台の床材
4C1・・運転台の内側壁
4C2・・運転台の内側壁
5・・・・前輪
5A・・・前輪の車軸
6・・・・後輪
6A・・・後輪の車軸
7・・・・ハンドル
8・・・・電気系制御部
9・・・・制御塔
10・・・駆動用直流電動機装置
10A・・直流電動機
10B・・駆動用直流電動機装置の出力軸
10C・・歯車装置
10D・・クラッチ装置
10D1・・クラッチレバー
10E・・クラッチ装置のスイッチ
11・・・蓄電池
12・・・前進後退切り換えスイッチ装置
13・・・電源スイッチ
14・・・ヘッドランプ
15・・・テールランプ
16・・・スイッチ
17・・・電装ボックス
18・・・回転体
19・・・前後作動棒
20・・・支持部材
21・・・縦軸部
22・・・車軸部材
23・・・左右作動棒
27・・・回転体
32・・・クッション材
33・・・隙間
35・・・バンパー
36・・・ガード
37・・・軸
38・・・スピード表示部
39・・・スピード設定装置
40・・・スピード設定装置の摘み
41、42・・・フェンダー部
43・・・クラクション用ボタン
44・・・蓄電池の表示部
45・・・左右側面ガード
46・・・運転者用ガード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に荷台が配置され後側に運転台が配置された車台の左右両側の前後位置に前輪と後輪が配置され、前記前輪の左右回動操作用のハンドルが前記荷台の後側で前記運転台の前側の高い位置に配置され、前記左右の後輪は前記車台の左右両側部分に取り付けられた各駆動用直流電動機装置の出力軸に支持され、前記前輪と前記後輪との間で前記車台の左右両側部分には前記各直流電動機へ給電する蓄電池が取り付けられ、前記前輪と前記後輪とは略同じ直径の車輪で構成され、前記蓄電池は前記前輪と前記後輪の外側面を結ぶラインよりも内側に配置され、前記荷台の床部を形成する前記車台のレベルが前記前輪と前記後輪の車軸レベルと略同一高さまで低い位置に配置されたことを特徴とする電動搬送車。
【請求項2】
前側に荷台が配置され後側に運転台が配置された車台の左右両側の前後位置に前輪と後輪が配置され、前記前輪の左右回動操作用のハンドルが前記荷台の後側で前記運転台の前側の高い位置に配置され、前記左右の後輪は前記車台の左右両側部分に取り付けられた各駆動用直流電動機装置の出力軸に支持され、前記前輪と前記後輪との間で前記車台の左右両側部分には前記各直流電動機へ給電する蓄電池が取り付けられ、前記前輪と前記後輪とは略同じ直径の車輪で構成され、前記蓄電池は前記前輪と前記後輪の外側面を結ぶラインよりも内側に配置され、前記荷台と前記運転台の床部を形成する前記車台を一連の車台フレームによって前記前輪と前記後輪の車軸レベルと略同一高さに形成したことを特徴とする電動搬送車。
【請求項3】
前側に荷台が配置され後側に運転台が配置された車台の左右両側の前後位置に前輪と後輪が配置され、前記前輪の左右回動操作用のハンドルと電気系制御部を上部に備えた制御塔が前記荷台の後側で前記運転台の前側に配置され、前記左右の後輪は前記車台の左右両側部分に取り付けられた各駆動用直流電動機装置の出力軸に支持され、前記前輪と前記後輪との間で前記車台の左右両側部分には前記各直流電動機へ給電する蓄電池が取り付けられ、前記前輪と前記後輪とは略同じ直径の車輪で構成され、前記蓄電池は前記前輪と前記後輪の外側面を結ぶラインよりも内側に配置され、前記荷台の床部を形成する前記車台のレベルが前記前輪と前記後輪の車軸レベルと略同一高さまで低い位置に配置され、前記各駆動用直流電動機装置は、直流電動機とこの直流電動機の回転軸に組み合わされて前記出力軸を回転させる歯車装置と、この直流電動機の回転軸と前記歯車装置との噛み合わせを外部操作によって着脱可能なクラッチ装置とを備え、前記電気系制御部には前記各直流電動機の前進回転と後進回転を手動切り換えする切り換えスイッチ装置と電源スイッチとが設けられ、前記各直流電動機は、前記電源スイッチと前記切り換えスイッチ装置と前記クラッチ装置の全てが入ったとき運転状態となることを特徴とする電動搬送車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−248279(P2006−248279A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64309(P2005−64309)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(598117975)株式会社ワイズギア (18)
【Fターム(参考)】