説明

電動自動車の警報音発生装置

【課題】自動車の進行方向にいる歩行者に警報音を確実に伝播させて気付かせ、歩行者の安全性を高める電動自動車の警報音発生装置を提供する。
【解決手段】電気自動車またはハイブリッド自動車からなる電動自動車1に搭載される警報音発生装置であって、車両速度検出用のセンサと、該センサから検出信号を受信する電子制御ユニットと、該電子制御ユニットから駆動信号を受信すると共に自動車の前後左右に分散設置された複数のスピーカー10A、10Cを備え、前記各スピーカー10A,10Cは車両の車体外面に搭載されている既存の既車載品あるいは車体外面の近接位置に搭載されている既車載品に付設した車載品一体型とし、該既車載品の車体への取り付けで前記スピーカー10A,10Cが車体に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動自動車の警報音発生装置に関し、詳しくは、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動自動車において、進行方向の歩行者に自動車の接近を知らせることが出来るようにするものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電動自動車においては、エンジン自動車において発生するエンジン騒音が無いため、車速に応じてエンジン自動車が発生する走行音と同様な疑似音を警報音として発生させ、歩行者に自動車の接近を気付かせることが要求されている。
この種の警報音発生装置として、従来種々の提案がなされており、例えば、特開平11−27810号公報では、図6に示すように、走行状態を検出する加速度センサ100と、該加速度センサ100から走行状態が送信される制御器101と、制御器101で駆動されるスピーカーからなる警告音発生装置102を自動車に搭載している。該スピーカーからなる警告音発生装置102はエンジンルームに搭載され、自動車の前方に向けて警告音が発せられている。
また、特開平10−232689号公報においても同様な電気自動車に走行音を付ける装置が提案されており、エンジンルーム内に搭載された警告音発生装置から走行音を前方に向けて発生させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−27810号公報
【特許文献2】特開平10−232689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載されているように、スピーカー等からなる警報音発生装置は車両前方に向けて警報音が発生されており、警報音の伝播に進行方向前方への指向性が発生し、自動車の両サイド、バックを含めた全方向周辺の歩行者に認知されにくくなっている。
全方向の周辺の歩行者に自動車の接近を認知させるにはスピーカー等の警告音発生装置から発生する音量を大きくする必要があるが、音量を大きくすると騒音発生の問題が発生し、かつ、音量が大きくなると歩行者に脅威を与える恐れもある。
【0005】
よって、電動自動車で発生させる低速走行時の警報音は、歩行者に自動車の接近を気づかせる程度の小さい音量であることが好ましいが、前記のように、自動車に搭載される警報音発生装置は1つで、且つ、前方等の一方向に向けて警報音を発生させているため、歩行者が気づきにくい点で改善の余地がある。
【0006】
前記問題を解消するには、スピーカー等の警報音発生装置を自動車の前後左右等の多数箇所に設置すれば良いが、各箇所にそれぞれスピーカー等の警報音発生装置を取り付ける必要があり、取付手数がかかる問題がある。特に、警報音の音量を増大させずに進行方向の歩行者に自動車の接近を気づかせるには、自動車の車体内部に警報音発生装置を搭載するのではなく、車体外面に警報音発生装置を設置することが好ましいが、車体外面への取付は外観上で見栄えを損なう恐れがある。
【0007】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、自動車の多数箇所に警報音発生装置を簡単に分散配置でき、音量を大きくさせることなく、歩行者に自動車の接近を気づかせることができる電動自動車の警報音発生装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、電気自動車またはハイブリッド自動車からなる電動自動車に搭載される警報音発生装置であって、
車両速度検出用のセンサと、該センサから検出信号を受信する電子制御ユニットと、該電子制御ユニットから駆動信号を受信すると共に自動車の前後左右に分散設置される複数のスピーカーを備え、
前記各スピーカーは車両の車体外面に搭載されている既車載品あるいは車体外面の近接位置に搭載されている既車載品に付設した車載品一体型とし、該既車載品の車体への取り付けで前記スピーカーが車体に取り付けられるものとしていることを特徴とする電動自動車の警報音発生装置を提供している。
【0009】
前記のように、警報音発生手段とするスピーカーを自動車の車体外面に面して、あるいは車体外面に近接した位置に、既に搭載されている既車載品と一体型とすると、該既車載品の車体への取付手段は既に存在しているため、警報音発生手段の取付用として新たな部材を必要とせず、かつ、新たな取付作業も必要としないため、スピーカーを自動車の前後左右の少なくとも4カ所に簡単かつ安価に分散配置することができる。
該スピーカーの配置位置は、車体前端の中央、後端の中央、長さ方向の中間位置の左右両側の4カ所が好ましいが、車両前部の左右両側と車両後部の左右両側の4カ所でもよい。
このように、スピーカーを車体外面に面して、あるいは車体外面に近接して配置すると共に、車体の前後左右に分散配置して警報音を自動車から全方位に向けて発生させるため、自動車の周囲の歩行者に自動車の接近を気づかせる警報音の音量を大きくする必要なく、騒音問題を発生させる恐れはない。
なお、前記車体外面に近接した位置とは、車体外面から0cm〜5cm離れた位置まで、好ましくは3cm以下である。
【0010】
自動車走行時に前記電子制御ユニットが前記センサから受信する車速が時速10km〜30kmの範囲で設定される閾値以下であると、該電子制御ユニットから前記各スピーカーに音発生信号を送信して警報音を発生させ、前記閾値を越えると警報音の発生を停止する構成としていることが好ましい。前記閾値は20km/時速程度とすることが好ましい。
なお、低速走行時に限らず、中速走行時、高速走行時にそれぞれ車速に応じてエンジン自動車が発生していた走行音と同程度の警報音を発生させるように設定してもよい。
【0011】
本発明では警報音発生手段として、小型化が可能なスピーカーを用いているため、既車載品との一体化を容易に行うことができる。具体的には、スピーカー(具体的にはエンクロージャー)と一体化する既車載品は樹脂成形品からなり、該樹脂成形品と前記スピーカーとを一体成形、予め設けたスピーカーをモールドして成形し、または該スピーカーを前記樹脂成形品にロック結合して付設している。
【0012】
前記スピーカーと一体化する車体前部に搭載する前記既車載品としてはフォグランプ、ヘッドランプを含むフロントランプから選択されるランプカバー、エンブレム等が挙げられる。車体後部に搭載する前記既車載品としてはライセンスプレート用のランプ、バックランプ、ブレーキランプを含むリアランプから選択されるランプカバー等が挙げられる。車体中央の左右両側に搭載される前記既車載品としてはドアモール、ドアトリムが挙げられる。
【0013】
前記スピーカーから発生する警報音の音量は、自動車進行方向に位置するスピーカーの音量を設定基準音量よりも大とする設定とし、進行方向以外に位置するスピーカーは設定基準音量とし、
あるいは、自動車進行方向に位置するスピーカーのみから警報音を発生させ、進行方向以外に位置するスピーカーからは警報音を発生させない構成としてもよい。
例えば、前進時には車体前部に配置するスピーカーの警報音の音量を車体後部および左右両側部のスピーカーの音量よりも大として、特に、前方の歩行者に自動車の接近を気づかせるものとしている。
後退時には車体後部に配置するスピーカーの警報音の音量を他のスピーカーより大とし、また、右折時には車体中央右側に配置するスピーカーの警報音の音量を他のスピーカーより大とし、左折時には車体中央左側に配置するスピーカーの警報音の音量を他のスピーカーより大とすることが好ましい。
このように、自動車の進行方向へ伝播する警報音を大きくすると、歩行者の安全性に多大に寄与できる。一方、自動車の進行方向では無い位置のスピーカーの音量を(設定基準音量)小さくし、あるいは、警報音を発生させないようにすると、自動車の警報音による騒音公害の発生を無くすことができる。
【0014】
前記スピーカーから発生する警報音は、前記電子制御ユニットに警報音の音源となる警報音記憶用のICチップを搭載し、前記センサから受信する信号によりスピーカーから警報音を発生させる場合、前記ICチップに記憶した警報音の音源の音声電気信号を各スピーカーに送信し、各スピーカーのエンクロージャー内のボイスコイルの導線に音声電気信号を送信することで、所要の警報音を発生させている。
【0015】
さらに、自動車の周辺の人間を検出する人感センサを自動車に設置し、自動車の進行方向の人間を人感センサで検出した場合のみ、進行方向のスピーカーから警報音を発生させるようにしてもよい。
【0016】
スピーカーから発生させる警報音はエンジン自動車走行時に発生する走行音の疑似音であることが好ましい。
このように、エンジン自動車の走行音の疑似音とすると、歩行者に違和感なく自動車の接近を気づかせることができる。
【発明の効果】
【0017】
前記のように、本発明では、電動自動車の接近を歩行者に知らせる警報音を、自動車の前後左右の車体外面または外面近接位置に分散配置したスピーカーから発生させる構成としているため、自動車を囲む全方位の周辺歩行者に自動車の接近を知らせることができ、歩行者の安全に寄与することができる。かつ、スピーカーから全方位に向けて警報音を発生させるため、各スピーカーから発生する音量を大きくする必要がないため、警報音による騒音を発生させない利点もある。
さらに、スピーカーは既存の既車載品と一体化して設置しているため、スピーカーを多数分散配置してもスピーカーを取り付ける作業工数が増加する問題もなく、簡単にスピーカーを搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態を示し、(A)は自動車の概略斜視図、(B)は概略平面図である。
【図2】(A)〜(C)はスピーカーが取り付けられる既車載品を示す概略図である。
【図3】スピーカーと接続した警報音発生装置のブロック図である。
【図4】第二実施形態の概略平面図である。
【図5】第三実施形態の要部説明図である。
【図6】従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に第一実施形態を示す。
電気自動車またはハイブリッド自動車からなる電動自動車1には、自動車の前端の車体中央外面と、後端の車体中央外面と、長さ方向中央部の左右両側の車体外面の4カ所にスピーカー10(10A、10B、10C、10D)を分散配置している。これらのスピーカー10は自動車に共通して既に取り付けられている既車載品と一体化して設けている。よって、スピーカー10を単独で車体に取り付ける必要が無いものとしている。
【0020】
前記前端の車体中央外面に配置するスピーカー10Aは、当該位置に取り付けられる既車載品であるエンブレム2の樹脂成形部分と図2(A)に示すように一体的に設けている。
前記後端の車体中央外面に配置するスピーカー10Bは、当該位置に取り付けられる既車載品であるライセンスプレート用ランプRRの樹脂成形品からなるカバー材3と図2(B)に示すように、一体的に設けている。
前記左右両側の車体外面に配置するスピーカー10C、10Dは当該位置に既に取り付けられている既車載品であるサイドドアのドアモール4、4と図2(C)に示すように一体的に設けている。
【0021】
樹脂成形品からなる既車載品からなる前記エンブレム2、ライセンスランプカバー3、ドアモール4に図2(A)〜(C)に示すように、スピーカー10のスピーカーユニットのエンクロージャー10a(すなわち、箱10a)をモールドし、エンクロージャーの外周面に樹脂を固着して一体成形している。
モールドしたスピーカー10は公知の構成で、エンクロージャー10aは前面開口が外方に露出し、後部(背面側)に配置するボイスコイルに振動板を直結すると共にボイスコイルの導線を音声電気信号を送信する電線と接続し、設定した音量および音色の警報音を発生するようにしている。
【0022】
車体の前後左右の4カ所に分散配置する前記4つのスピーカー10(10A、10B、10C、10D)は、図3に示すように、車体内部に搭載したスピーカー制御用の電子制御ユニット5(以下、ECU5と称す)とワイヤハーネス6を介して接続しており、該ワイヤハーネス6を構成する電線群中に前記スピーカー10の音声電気信号を送信する電線が含まれる。
【0023】
前記ECU5には車速センサ8および車体進行方向(前進、後退、右折、左折)を検出する操舵方向センサ9を信号線を介して接続している。
前記ECU5には前記車速センサ8、操舵方向センサ9から検出信号を受信する入力部5a、前記各スピーカー10へ接続される出力部5b、入力部5aと出力部5bとを導通する回路5cに処理部5dを介設している。該処理部5dに警報音の音源となる警報音記録用ICチップ5d1、車速が警報音を発生する閾値以下であるかを判定する判定部5d2、進行方向に応じて音量を調整する演算部5d3などを設けている。
【0024】
前記ECU5の処理部5dでは、車速センサ8から受信する車速が時速10km〜30kmの範囲内で閾値を設定し、走行時に閾値以下であると、スピーカー10から警報音を発生する設定としている。本実施形態では時速20kmを閾値とし、時速20km以下でスピーカー10から警報音を発生し、時速20kmを越えると警報音を停止している。
【0025】
さらに、操舵方向センサ9から受信する進行方向に応じて4つのスピーカー10の音量を調節し、自動車の進行方向に位置する1つのスピーカーの音量を設定基準音量よりも大とし、他の3つのスピーカーの音量は設定基準音量としている。
即ち、前進時には車体前端中央に配置するスピーカー10Aの警報音の音量のみ設定基準音量より大とし、前方の歩行者に自動車の接近を気づかせるようにしている。
後退時には車体後端中央に配置するスピーカー10Bの警報音の音量のみ設定基準音量より大とし、後方の歩行者に自動車の接近を気づかせるようにしている。
右折時には車体中央右側に配置するスピーカー10D、左折時には反対側のスピーカー10Cの警報音の音量のみ設定基準音量より大とし、側方の歩行者に自動車の接近を気づかせるようにしている。
なお、左折および右折時には、左右のスピーカー10Cまたは10Dと、前方のスピーカー10Aとの2個のスピーカーの音量を大としてもよい。
前記スピーカ−10の大きくする音量は、エンジン自動車の低速走行時の走行音と同程度の音量で良く、よって、該音量よりも小さい設定基準音量は非常に小さくでき、警報音の発生による騒音公害が生じないものとしている。なお、進行方向のスピーカーのみ警報音を発生させ、他の3つのスピーカーからは警報音を発生させない設定としてもよい。
【0026】
前記警報音の音色は前記ECUに搭載する警報音記憶用のICチップ5d1に記憶させている。該警報音の音色はエンジン自動車の走行音と同様な疑似走行音としている。なお、電動自動車の接近を気づかせる音であることが歩行者に認知されれば、他の音色やメロディーでもよい。
【0027】
前記構成とした警報音発生装置を搭載した電動自動車では、走行時に車速が閾値以下(時速20km以下)であると、自動車の4つのスピーカー10にECU5から警報音発生信号を送信すると共に、音声電気信号を送信する。4つのスピーカー10のうち、前端に配置するスピーカー10Aの警報音はエンジン自動車の走行音と同程度の音量とし、他の3つのスピーカー10B〜10Dは非常に小さい音量としている。
このように、スピーカー10から警報音を発生させ、かつ、該スピーカー10を車体外面に取り付けているため、自動車の進行方向に位置する歩行者に自動車の接近を気づかせることができ、歩行者の安全を図ることができる。
【0028】
かつ、前後左右の4カ所にスピーカー10を分散配置しているため、スピーカー10から発生する警報音の音量を大きくする必要はない。さらに、これら分散配置するスピーカー10は既車載品と一体化しているため、スピーカー10を車体に取り付ける手数がかからず、多数のスピーカーを簡単に車体外面に取り付けることができる。
【0029】
図4に第二実施形態を示す。
第二実施形態では、車体前端で左右両側に取り付けられるヘッドランプ20のランプカバーにスピーカー10のエンクロージャーをモールドして一体成形し、車体前端の左右両側にスピーカー10を配置している。また、車体後端の左右両側のブレーキランプ21のランプカバーにスピーカー10のエンクロージャーをモールドして一体成形している。
このように、本実施形態では、前端の左右両側と後端の左右両側の4カ所にスピーカー10を分散配置している。
かつ、これらスピーカー10はいずれも従来から自動車に取り付けられる樹脂成形品からなるランプカバーからなる車載品と一体成形している。よって、これらの車載品を車体に取り付ける従来の作業でスピーカー10が同時に取り付けられる。
他の構成および作用効果は第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0030】
なお、第二実施形態において、車体の長さ方向中間の左右領域にスピーカーを配置してもよい。其の際、スピーカーはサイドミラーのミラーフレームの樹脂成形時にスピーカーをモールドして一体成形してもよい。この場合、自動車には合計6個のスピーカーが分散配置されることになる。
【0031】
図5に第三実施形態を示す。
第三実施形態では、車体の長さ方向の中間部の左右両側に配置するスピーカー10は、サイドドア25の室内側面に配置されるドアトリム26に取り付けている。スピーカー10のエンクロージャー10aに係止爪10xを突設し、ドアトリム26に形成した係止枠26aに係止爪10xを係止してロック固定している。取付状態で、スピーカー10の前面開口はサイドドアのアウターパネル側に向くようにしている。
【0032】
このように、スピーカーは車体外面に取り付けられる車載品に付設して一体化するだけでなく、車体外面に近接した位置に配置される車載品にロック固定して一体化してもよい。
【0033】
なお、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲の全ての実施形態が含まれる。例えば、自動車に分散配置したスピーカーの音量を同等としてもよい。この場合、自動車の進行方向に向いたスピーカーの音量だけを大きく制御をする必要はないため、ECUの構成を簡単にできる。
また、自動車の進行方向に向いたスピーカーにのみECUから警報音発生信号を送信して、警報音を発生させてもよい。
さらに、スピーカーのエンクロージャー(箱)自体を前記別車載品の成形時に一体的に成形し、成形されたエンクロージャー内にボイスコイル等の必要部品を組み付けてスピーカーを形成してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 電動自動車
2 エンブレム(既車載品)
3 ライセンスランプカバー(既車載品)
4 ドアモール(既車載品)
5 電子制御ユニット(ECU)
8 車速センサ
10 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車またはハイブリッド自動車からなる電動自動車に搭載される警報音発生装置であって、
車両速度検出用のセンサと、該センサから検出信号を受信する電子制御ユニットと、該電子制御ユニットから駆動信号を受信すると共に自動車の前後左右に分散設置された複数のスピーカーを備え、
前記各スピーカーは車両の車体外面に搭載されている既存の既車載品あるいは車体外面の近接位置に搭載されている既車載品に付設した車載品一体型とし、該既車載品の車体への取り付けで前記スピーカーが車体に取り付けられることを特徴とする電動自動車の警報音発生装置。
【請求項2】
自動車走行時に前記電子制御ユニットが前記センサから受信する車速が時速10km〜30kmの範囲で設定される閾値以下であると、該電子制御ユニットから前記スピーカーに音発生信号を送信して警報音を発生させ、前記閾値を越えると警報音の発生を停止する構成としている請求項1に記載の電動自動車の警報音発生装置。
【請求項3】
前記スピーカーと一体化する前記既車載品は樹脂成形品からなり、該樹脂成形品と前記スピーカーとを一体成形、予め設けたスピーカーをモールドして成形し、または該スピーカーを前記樹脂成形品にロック結合して付設している請求項1または請求項2に記載の電動自動車の警報音発生装置。
【請求項4】
前記スピーカーと一体化する車体前部に搭載する前記既車載品はフォグランプ、ヘッドランプを含むフロントランプから選択されるランプカバー、またはエンブレムからなり、 車体後部に搭載する前記既車載品はライセンスプレート用ランプ、バックランプ、ブレーキランプを含むリアランプから選択されるランプカバーからなり、
車体中央の左右両側に搭載される前記既車載品は、ドアモールまたはドアトリムからなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電動自動車の警報音発生装置。
【請求項5】
前記スピーカーから発生する警報音の音量は、自動車進行方向に位置するスピーカーの音量を設定基準音量よりも大とする設定とし、進行方向以外に位置するスピーカーは設定基準音量とし、
あるいは、自動車進行方向に位置するスピーカーのみから警報音を発生させ、進行方向以外に位置するスピーカーからは警報音を発生させない構成としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電動自動車の警報音発生装置。
【請求項6】
前記スピーカーから発生させる警報音はエンジン自動車走行時に発生する走行音の疑似音である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電動自動車の警報音発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−183964(P2011−183964A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52356(P2010−52356)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】