説明

電子キー

【課題】電子キーからの信号送信を、より確実にユーザの意図に基づくものとすることができる電子キーを提供する。
【解決手段】電子キー2に、電子キー2に加わる外力(例えば傾き等)を検出するモーションセンサ20を設ける。また、電子キー2に、重要度の高い車載機器を取り扱うワイヤレス通信用のボタンとして第2操作ボタン19を設ける。第2操作ボタン19の操作をトリガとするワイヤレス通信は、電子キー2を特定方向に傾けることと、第2操作ボタン19を長押しすることとを条件とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IDコードを無線により通信対象に送信してID照合を行う電子キーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの車両には、電子キーの遠隔操作によって車両を操作するワイヤレスキーシステム(特許文献1等参照)が搭載されている。この電子キーには、ワイヤレス通信用に例えば施錠ボタンや解錠ボタン等の操作ボタンが設けられ、操作ボタンが操作されると、電子キーからワイヤレス信号が車両に送信される。ワイヤレス信号には、IDコードと、操作ボタンに応じた機能コードとが含まれている。車両は、このワイヤレス信号を受信するとID照合を行い、ID照合が成立すれば、同一信号内に含まれる機能コードに応じた動作を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−088737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば電子キーを衣服のポケット等に入れているとき、ユーザの意図に反してボタン操作が実行されてしまうことも想定される。このとき操作されてしまうボタンが施錠ボタンや解錠ボタンならまだよいが、例えばパワースライドドアやパワーバックドア等のボタンであると、ドアがユーザの意図に反して動いてしまうことになるため、ユーザの安全性を確保するためにも何らかの対策が要望されていた。
【0005】
本発明の目的は、電子キーからの信号送信を、より確実にユーザの意図に基づくものとすることができる電子キーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明では、キー本体に設けられた操作手段が操作されると、当該操作手段に応じた機能コードを含む識別信号を通信対象に送信する電子キーにおいて、前記キー本体に加わる外力を検出するモーションセンサと、前記モーションセンサの検出信号を基に、前記キー本体を特定方向に向けたときにのみ、前記操作手段の操作を有効とする有効化手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、キー本体の姿勢をモーションセンサで検出し、キー本体が特定方向を向くときにのみ、操作手段の操作を有効とする。このため、電子キーを意識的に特定方向に傾けておかないと、操作手段を操作しても識別信号が送信されないので、ユーザの意図しないところでの信号送信が生じ難い。よって、電子キーを特定方向に向けないと、電子キーで通信対象の機器が遠隔操作できないので、ユーザの意図に反して機器が動作してしまう状況を生じ難くすることが可能となる。
【0008】
本発明では、前記操作手段は、前記キー本体の各面のうち、ユーザが当該キー本体を取り扱うときにユーザ側を向く面に配置されていることを要旨とする。
この構成によれば、操作手段が操作し易い位置をとるので、楽な姿勢で操作手段を操作することが可能となる。
【0009】
本発明では、前記操作手段よりも重要度が低く、操作時には前記操作手段とは異なる機能コードを送信可能な他操作手段を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、1つの電子キーで複数の機器を操作することが可能となる。また、遠隔操作する機器が重要度の高いものについては、これを操作手段で操作可能とすれば、重要度の高い機器の誤動作が生じ難くなるので、非常に効果が高い。
【0010】
本発明では、前記操作手段の操作が有効になっているか否かを通知する通知手段を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、操作手段が有効か無効のどちらなのかをユーザに通知することが可能となる。
【0011】
本発明では、前記有効化手段は、前記キー本体を特定方向に傾けたことと、前記操作手段を特定形式で操作されたこととを条件に、前記操作手段の操作を有効とすることを要旨とする。
【0012】
この構成によれば、キー本体を特定方向に傾け、かつ操作手段を特定方式で操作しないと、操作手段が有効とならないので、識別信号の誤送信を、より発生し難くすることが可能となる。
【0013】
本発明では、前記操作手段の操作により送信される前記識別信号を、前記他操作手段の操作により送信される前記識別信号よりも、送信強度を高くして送信する送信強度切換手段を備えたことを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、操作手段で操作する機器を、より遠い位置から遠隔操作することが可能となるので、利便性がよくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子キーからの信号送信を、より確実にユーザの意図に基づくものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態における電子キーシステムの構成図。
【図2】電子キーの外観を示す平面図。
【図3】電子キーで第1操作ボタンを操作するときの態様図。
【図4】電子キーで第2操作ボタンを操作するときの態様図。
【図5】別例の電子キーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した電子キーの一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、電子キー2と無線によりID照合を実行する電子キーシステム3が搭載されている。電子キー2は、無線により車両1にIDコードを送信するキーである。電子キーシステム3には、車両1側からの通信をトリガとしてID照合を実行するキー操作フリーシステムと、電子キー2側からの通信をトリガとしてID照合を実行するワイヤレスキーシステムとがある。なお、車両1が通信対象に相当する。
【0018】
この場合、車両1には、ID照合装置4、ドアロック装置5及びエンジン始動装置6が設けられ、これらが車内のバス7を介して接続されている。ID照合装置4には、ID照合装置4のコントロールユニットとして照合ECU8が設けられている。照合ECU8のメモリ(図示略)には、電子キー2のIDコードが登録されている。照合ECU8には、車外にLF(Low Frequency)帯の電波を送信可能な車外発信機9と、車内にLF電波を送信可能な車内発信機10と、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両チューナ11とが接続されている。
【0019】
電子キー2には、電子キー2の動作を管理するキー制御部12が設けられている。キー制御部12のメモリ(図示略)には、電子キー2のIDコードが登録されている。キー制御部12には、LF電波を受信可能なLF受信機13と、UHF電波を送信可能なUHF送信機14とが接続されている。UHF送信機14は、アンテナ指向性がほぼなく、電子キー2を中心として360度に電波送信可能である。電子キー2には、電子キー2の電源として電池15が搭載されている。
【0020】
電子キー2が車外に位置するとき、車外発信機9は、ID返信要求として車外にリクエスト信号Srqを断続的に送信する。電子キー2がリクエスト信号Srqの通信エリアに進入すると、電子キー2が待機状態から起動し、ID信号Sidを車両1に送信する。そして、車外の電子キー2と車両1との間でID照合、いわゆる車外照合が成立すると、ドアロック装置5による車両ドアのドアロック施解錠が許可又は実行される。
【0021】
ユーザの乗車が例えば車両1のカーテシスイッチ(図示略)により検出されると、車外発信機9に代えて、今度は車内発信機10からリクエスト信号Srqが送信される。そして、車内の電子キー2と車両1との間でID照合、いわゆる車内照合が成立すると、エンジンスイッチ16によるエンジンの始動操作が許可される。
【0022】
また、電子キー2には、ワイヤレスキーシステム用の第1操作ボタン17が設けられている。この第1操作ボタン17として例えば施錠ボタン又は解錠ボタンが操作されると、電子キー2からワイヤレス信号SwlがUHF電波により送信される。このワイヤレス信号Swlには、IDコードと、第1操作ボタン17の機能コードとが含まれる。照合ECU8は、車両チューナ11でワイヤレス信号Swlを受信すると、ID照合(ワイヤレス照合)を実行し、照合が成立すると、同一のワイヤレス信号Swl内に含まれる機能コードにより、ドアロック装置5にドアロック施解錠を実行させる。なお、第1操作ボタン17が他操作手段に相当し、ワイヤレス信号Swlが識別信号に相当する。
【0023】
本例の場合、電子キー2には、キー本体18を特定方向に向けたときにのみ電波送信が可能なワイヤレスキー通信用の第2操作ボタン19が設けられている。第2操作ボタン19は、第1操作ボタン17よりも重要度の高い車載機器を動作させるときの操作ボタンである。つまり、第1操作ボタン17が重要度の低いボタンであり、第2操作ボタン19が重要度の高いボタンである。第2操作ボタン19には、例えばパワースライドドア、パワーバックドア、トランク、エンジンスタータ等のボタンとして使用される。なお、第2操作ボタン19が操作手段に相当する。
【0024】
図2に示すように、キー本体18は、例えば略平板状の立方体形状をとっている。そして、第1操作ボタン17及び第2操作ボタン19は、キー本体18の6面のうち、ユーザ側を向く表面18aに配置されている。つまり、ユーザが電子キー2を手にしたときに手前側を向く表面18aに第1操作ボタン17及び第2操作ボタン19が配置されている。第1操作ボタン17及び第2操作ボタン19は、キー本体18においてキー長さ方向(図2のZ軸方向)に並び配置されている。なお、表面18aがユーザ側を向く面に相当する。
【0025】
電子キー2には、電子キー2の姿勢(傾き)を検出するモーションセンサ20が設けられている。モーションセンサ20は、例えば傾斜センサ、振動センサ、加速度センサ、角速度センサ、荷重センサ等が使用される。本例のモーションセンサ20は、電子キー2の動き方向をX−Y−Z方向の3次元で検出し、その動き方向と動き量とを検出信号としてキー制御部12に出力する。モーションセンサ20は、傾きの他に、例えば振動、加速、角速度等を検出可能なものでもよい。
【0026】
キー制御部12には、電子キー2が特定方向を向くときにのみ第2操作ボタン19の操作を有効とするボタン有効部21が設けられている。ボタン有効部21は、モーションセンサ20からの検出信号を基に電子キー2の姿勢を把握し、電子キー2が特定方向を向くときにのみ第2操作ボタン19の操作を有効として、第2操作ボタン19の操作に基づく電波送信を許可する。なお、ボタン有効部21が有効化手段に相当する。
【0027】
第2操作ボタン19の有効は、電子キー2を特定方向に傾けることに加え、例えば第2操作ボタン19を長押しすることも条件に加えてもよい。よって、ボタン有効部21は、電子キー2が特定方向に向けられることと、第2操作ボタン19が長押しされたこととを確認すると、ワイヤレス信号Swlの送信を許可する。このため、電子キー2でこの操作が行われたとき、電子キー2からワイヤレス信号Swlが送信される。
【0028】
電子キー2には、第2操作ボタン19が有効か否かをユーザに通知する通知部22が設けられている。通知部22には、例えばLEDが使用される。また、図2に示すように、通知部22は、例えば光透過材からなる第2操作ボタン19を裏面から照明するボタン照明部22aや、キー本体18の表面18aの隅に配置されたインジケータ22b等からなる。また、電子キー2には、例えば液晶画面からなるディスプレイ23が設けられている。キー制御部12には、通知部22やディスプレイ23の動作を管理する通知制御部24が設けられている。通知制御部24は、第2操作ボタン19が有効になったことを確認すると、通知部22を点灯させ、かつディスプレイ23にその旨をメッセージ表示する。なお、通知部22、ディスプレイ23及び通知制御部24が通知手段を構成する。
【0029】
次に、本例の電子キー2の操作態様を、図3及び図4に従って説明する。
まず、例えば車両1のドアロックを施解錠するときは、電子キー2の第1操作ボタン17を押圧操作する。本例の場合、第1操作ボタン17は、電子キー2がどの姿勢をとっていても電波送信が有効である。よって、図3に示すように、電子キー2をどの向きにしても、電子キー2からワイヤレス信号Swl1が送信される。このワイヤレス信号Swl1には、IDコードと、ドアロック施解錠用の機能コードとが含まれる。そして、このワイヤレス信号Swl1が車両1に至ると、ドアロックが施解錠される。
【0030】
一方、パワースライドドアやパワーバックドア等の重要度の高い車載機器を操作するときは、電子キー2を特定方向に傾けて、電子キー2の第2操作ボタン19を長押しする。本例の場合は、図4に示すように、電子キー2の表面18aがユーザ側に向くように傾けながら、第2操作ボタン19を長押しする。つまり、ユーザが電子キー2のスイッチ面を確認できる向きに電子キー2を傾けながら、第2操作ボタン19を一定時間長押しする。
【0031】
ボタン有効部21は、電子キー2の姿勢が特定方向を向くことと、第2操作ボタン19が長押しされたこととを確認すると、第2操作ボタン19の操作による電波送信を許可する。つまり、第2操作ボタン19の操作が有効となる。
【0032】
このとき、ボタン照明部22aが第2操作ボタン19を裏面から照明し、かつインジケータ22bが点灯する。また、ディスプレイ23には、例えば「パワースライドドアが有効です」などのメッセージが表示される。よって、これらの通知により、第2操作ボタン19が有効となっていることがユーザに通知される。なお、ボタン有効の通知は、ディスプレイ23を用いることに限らず、例えばLED(ボタン照明部22a、インジケータ22b)のみにより通知してもよい。
【0033】
そして、この状態で第2操作ボタン19が操作されると、電子キー2は、第2操作ボタン19の操作に準じたワイヤレス信号Swl2を送信する。このワイヤレス信号Swl2には、IDコードと、重要度の高い車載機器用の機能コードとが含まれる。そして、このワイヤレス信号Swl2が車両1に至ると、重要度の高い車載機器、例えばパワースライドドアやパワーバックドアが動作する。
【0034】
以上により、本例においては、電子キー2にモーションセンサ20を搭載して電子キー2の姿勢を検出可能とし、電子キー2を特定方向に傾けつつ第2操作ボタン19が長押しされたとき、第2操作ボタン19の操作をトリガとするワイヤレス通信が許可される。よって、電子キー2をユーザが意識的に操作しないと、第2操作ボタン19の操作をトリガとするワイヤレス通信が実行されないので、ユーザの意図しない電波送信が生じ難くなる。このため、ユーザが意図せずに重要な車載機器が動作してしまう状況を生じ難くすることが可能となる。
【0035】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)電子キー2の姿勢をモーションセンサ20により検出し、電子キー2が特定方向に向けられつつ、第2操作ボタン19が長押し操作されたときにのみ、第2操作ボタン19の操作を有効とする。よって、ユーザは電子キー2の向きやボタン操作時間など、電子キー2を意識的に操作しない限り、電子キー2の第2操作ボタン19で車両1を遠隔操作することができない。従って、ユーザの意図に反して車載機器が動作する状況を生じ難くすることができる。
【0036】
(2)キー本体18の6面のうち、ユーザ側向く面(表面18a)に第2操作ボタン19を配置した。よって、第2操作ボタン19が操作し易い位置をとるので、ユーザは楽で自然な姿によって第2操作ボタン19を操作することができる。
【0037】
(3)電子キー2に第1操作ボタン17及び第2操作ボタン19の両方を設けたので、1つの電子キー2で複数の車載機器を操作することができる。また、第1操作ボタン17には電波送信に条件を設けず、電子キー2をどの向きとしても電波送信を可能とし、重要度の高い車載機器を取り扱う第2操作ボタン19には、電子キー2を特定方向に傾けることを電波送信の条件として付加する。よって、使用頻度の高い位置付けの第1操作ボタン17は、利便性を優先することができ、重要度の高い第2操作ボタン19は、電波の誤送信防止を優先することができる。
【0038】
(4)第2操作ボタン19の操作が有効か否かを通知する通知部22及びディスプレイ23を設けたので、第2操作ボタン19が有効か無効かどちらなのかを、ユーザに逐次伝えることができる。
【0039】
(5)第2操作ボタン19の電波送信を有効とする条件に、電子キー2を特定方向に向けることのみならず、第2操作ボタン19を長押しすることも条件に加えた。よって、これら2条件が揃わないと第2操作ボタン19が有効とならないので、第2操作ボタン19をトリガとする電波送信において、ユーザの意図しない電波送信を一層生じ難くすることができる。
【0040】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・キー制御部12に送信強度切換部31(図1参照)を設けて、第2操作ボタン19の操作により電子キー2から電波送信するときの送信強度を、第1操作ボタン17のそれよりも高く設定してもよい。この場合、パワースライドドアやパワーバックドア等は車両1から遠く離れた位置から遠隔操作する使用態様をとることが多いので、これに対応することができる。なお、送信強度切換部31が送信強度切換手段に相当する。
【0041】
・第1操作ボタン17及び第2操作ボタン19は、キー本体18において同一面に配置されることに限定されない。図5に示すように、第1操作ボタン17及び第2操作ボタン19を、互いに逆の面に配置してもよい。この場合、ボタン操作間違えを生じ難くすることができる。
【0042】
・第2操作ボタン19をエンジンスタータボタンとした場合、通信成立を通知部22やディスプレイ23でユーザに通知するようにしてもよい。この場合、電子キー2は通信成立通知を車両1から得る必要がある。
【0043】
・第2操作ボタン19の操作をトリガとするワイヤレス通信は、電子キー2を特定方向に向かせることと、第2操作ボタン19の長押しすることとの両方であることに限定されない。要は、電子キー2を特定方向に傾かせることのみを条件としてもよい。
【0044】
・特定形式は、第2操作ボタン19の長押しに限定されず、例えば第2操作ボタン19を特定回数押すこととしてもよい。
・第2操作ボタン19を複数設け、電子キー2の姿勢に応じて、使用できる第2操作ボタン19が切り換わるものでもよい。
【0045】
・電子キーシステム3は、往路がLFで復路がUHFの通信に限定されない。例えば、往路及び復路の両方ともUHFであってもよい。また、電子キーシステム3で使用する周波数は、LFやUHFに限定されず、例えばHF(High Frequency)等の他の周波数を使用してもよい。
【0046】
・モーションセンサ20は、3次元対応のものに限定されず、動きを2次元で検出するものでもよい。
・モーションセンサ20は、実施形態で述べた種類のものに限定されず、電子キー2に加わる外力を検出可能であれば、何を使用してもよい。
【0047】
・モーションセンサ20は、センサ類に限らず、例えば機械的なスイッチでもよい。
・ワイヤレス通信は、電子キー2から車両1にのみ電波が送信される単方向に限定されず、電子キー2と車両1とが信号をやり取りする双方向も含む。
【0048】
・通知部22は、LEDに限定されず、ブザーやスピーカを使用してもよい。
・電子キー2のワイヤレス機能(機器)は、ドアロック、パワースライドドア、パワーバックドア等に限定されず、例えば車両ドアの窓ガラス開閉、テールゲート開閉、トランク開閉等を採用してもよい。
【0049】
・第1操作ボタン17や第2操作ボタン19は、モーメンタリ式のプッシュボタンに限定されず、他の形式のものに変更可能である。
・第2操作ボタン19の操作が有効となるときの電子キー2の向きは、キー本体18の表面18aをユーザ側に向ける向きに限定されない。例えば、電子キー2の傾け方向は、右や左でもよい。
【0050】
・第2操作ボタン19の配置位置は、キー本体18の表面18aに限らず、裏面や側面等に変更してもよい。
・電子キー2は、第1操作ボタン17及び第2操作ボタン19の両方を備える必要はなく、第2操作ボタン19のみ設けられていればよい。
【0051】
・通知手段は、通知部22やディスプレイ23に限定されず、他のものが応用可能である。
・ディスプレイ23に表示されるメッセージは、ユーザに内容を伝えることができれば、適宜変更可能である。
【0052】
・第2操作ボタン19の操作を有効とする条件は、電子キー2を特定方向に傾けることと、第2操作ボタン19を長押しすることとの2条件に限らず、3条件以上としてもよい。
【0053】
・本例の電子キー2は、車両1に適用されることに限らず、他の装置に採用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0054】
(イ)請求項1〜6のいずれかにおいて、前記操作手段よりも重要度が低く、操作時には前記操作手段とは異なる機能コードを送信可能な他操作手段を備え、前記操作手段と前記他操作手段は、前記キー本体において各々異なる面に配置されている。この構成によれば、操作手段と他操作手段の操作間違いを生じ難くすることが可能となる。
【符号の説明】
【0055】
1…通信対象としての車両、2…電子キー、17…他操作手段としての第1操作ボタン、18…キー本体、18a…ユーザ側を向く面としての表面、19…操作手段としての第2操作ボタン、20…モーションセンサ、21…有効化手段としてのボタン有効部、22…通知手段を構成する通知部、23…通知手段を構成するディスプレイ、24…通知手段を構成する通信制御部、Swl(Swl1,Swl2)…識別信号としてのワイヤレス信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キー本体に設けられた操作手段が操作されると、当該操作手段に応じた機能コードを含む識別信号を通信対象に送信する電子キーにおいて、
前記キー本体に加わる外力を検出するモーションセンサと、
前記モーションセンサの検出信号を基に、前記キー本体を特定方向に向けたときにのみ、前記操作手段の操作を有効とする有効化手段と
を備えたことを特徴とする電子キー。
【請求項2】
前記操作手段は、前記キー本体の各面のうち、ユーザが当該キー本体を取り扱うときにユーザ側を向く面に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子キー。
【請求項3】
前記操作手段よりも重要度が低く、操作時には前記操作手段とは異なる機能コードを送信可能な他操作手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子キー。
【請求項4】
前記操作手段の操作が有効になっているか否かを通知する通知手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電子キー。
【請求項5】
前記有効化手段は、前記キー本体を特定方向に傾けたことと、前記操作手段を特定形式で操作されたこととを条件に、前記操作手段の操作を有効とする
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の電子キー。
【請求項6】
前記操作手段の操作により送信される前記識別信号を、前記他操作手段の操作により送信される前記識別信号よりも、送信強度を高くして送信する送信強度切換手段を備えた
ことを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の電子キー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−46985(P2012−46985A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190788(P2010−190788)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】