説明

電子スイッチ装置

【課題】商用交流電源から電子機器への電力供給をオン又はオフするために使用者が操作するスイッチ部品として、各国の安全規格を満たさないスイッチ部品であっても自在に利用可能な電子スイッチ装置を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、発振手段が、操作スイッチにより二次側コイルの両端が開放されると発振し、該二次側コイルの両端が短絡されると、一次側コイルのインダクタ値の減少に起因し発振が停止するので、二次側コイルの両端の状態が発振手段からの出力の出力態様に反映される。よって、かかる出力態様に基づくことにより、電力供給路の導通又は遮断を操作スイッチの操作状態に応じて行うことができる。ここで、操作スイッチが接続される二次側コイルは、一次側コイルに対して絶縁されているので、各国の安全規格を満たさないスイッチ部品を操作スイッチとして使用したとしても、操作スイッチを操作する使用者の安全を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子スイッチ装置に関し、特に、商用交流電源などの電力供給源から電子機器への電力供給をオン又はオフするためのスイッチ部品として安全規格とは無関係に各種の機械式スイッチ部品を利用可能な電子スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が商用交流電源から電力を取る場合には、ケーブルから放射される電磁ノイズや高電圧による感電や漏電に対する対策を取る必要がある。例えば、特許文献1には、電源操作スイッチと電源ユニットのスイッチ部とを、電源操作スイッチの押操作によって電源ユニットのスイッチ部を押下できるように連結部材によって機械的に連結した電源スイッチ機構が記載されている。
【0003】
かかる電源スイッチ機構によれば、機器の背面側に電源を設けつつ、操作者により操作される電源操作ボタンを機器の前面に設けることができるので、電源ユニットのスイッチ部をケーブルによって機器の前面側まで延ばす必要がないので、機器内のケーブルを短くすることができ、電磁ノイズを低減できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−162871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、商用交流電源から電子機器への電力供給をオン又はオフするためのスイッチとして機械式のスイッチ部品を用いる場合には、使用する機械式のスイッチ部品が、その電子機器を使用する国に応じた安全規格を満たしている必要があり、当該安全規格を満たす機械式スイッチは、高電圧に対して当然十分に安全であるものの、構造的に大きく、価格も高価である。
【0006】
特許文献1に記載される電源スイッチ機構は、電源操作ボタンと電源ユニットのスイッチ部とが機械的に連結されているので、電源操作ボタンとして安全規格を満たすものを使用する必要はないが、電源操作ボタンと電源ユニットとの互いの配置の自由度が低かったり、構造的に大きくなってしまう。一方で、電源ユニットのスイッチ部を、電磁遮蔽性の高いケーブルを用いて電源ユニットから延ばすとしても、商用交流電源からの電圧が印加される当該スイッチ部は安全規格を満たす必要があるため、配置の自由度が高まる代わりに上記の問題を生じる。
【0007】
本発明は、上述した事情等に鑑みてなされたものであり、商用交流電源などの電力供給源から電子機器への電力供給をオン(導通)又はオフ(遮断)するために使用者が操作するスイッチ部品として、各国の安全規格を満たさない機械式のスイッチ部品であっても自在に利用可能な電子スイッチ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
この目的を達成するために、請求項1記載の電子スイッチ装置によれば、所定周波数で発振する発振手段が設けられている。この発振手段は、トランスにおける一次側コイルを含んでいるので、操作スイッチが二次側コイルの両端を開放している場合に発振する一方で、トランスの二次側コイルの両端が操作スイッチによって短絡された場合には、該一次側コイルのインダクタ値が減少することにより発振動作が阻害されて発振が停止する。
【0009】
また、請求項3記載の電子スイッチ装置によれば、所定周波数で発振する発振部を備えた発振手段が設けられている。一方、コイル(トランスにおける一次側コイル)を有する共振手段が設けられており、操作スイッチが二次側コイルの両端を開放している場合に、その共振手段が、発振手段の発振部にブロッキング発振(寄生の間欠発振)を生じさせる。その一方で、トランスの二次側コイルの両端が操作スイッチによって短絡された場合には、該トランジスタの一次側コイルのインダクタ値が減少し、それに伴い、発振手段(発振部)の発振動作が阻害されて発振が停止する。
【0010】
このように、請求項1又は3に記載の電子スイッチ装置によれば、操作スイッチが二次側コイルの両端を開放したか短絡したかが、発振手段からの出力(特に、請求項3記載の電子スイッチ装置の場合には、発振手段からの出力であるブロッキング発振)の発振態様に反映されるので、その発振態様を検出手段により検出することによって、操作スイッチの状態を区別することができる。よって、検出手段の検出結果に基づくことにより、切換手段による、電力供給源から電力使用部への電力供給路(以下、単に「電力供給路」と称す)の導通と遮断との切り換えを、操作スイッチの操作状態に応じて行うことができるという効果がある。
【0011】
また、請求項1又は3に記載の電子スイッチ装置によれば、操作スイッチが接続される二次側コイルは、一次側コイルに対して絶縁されているので、世界各国の安全規格を満たさないスイッチ部品を操作スイッチとして使用したとしても、操作スイッチを操作する使用者の安全を確保することができるという効果がある。また、世界各国の安全規格を満たさないスイッチ部品であっても操作スイッチとして使用できるので、操作スイッチ部分のコストを安価に抑えることができるという効果がある。
【0012】
また、請求項1又は3に記載の電子スイッチ装置によれば、操作スイッチが接続される二次側コイルと、一次側コイルとが絶縁されていることにより、二次側コイルと操作スイッチとを接続する電線も、高電圧用の高価な電線でなく安価な電線を使用することができるという効果がある。また、輻射ノイズを考慮することなく電線の長さを自在に長くすることができるので、操作スイッチの取り付け位置を自由に配置することが可能になるという効果がある。
【0013】
請求項2記載の電子スイッチ装置によれば、請求項1記載の電子スイッチ装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。上述した通り、操作スイッチが二次側コイルの両端を開放している場合には、発振手段が発振する一方で、該二次側コイルの両端が操作スイッチによって短絡された場合には、該発振手段の発振が停止する。このように、操作スイッチが二次側コイルの両端を開放したか短絡したかは、発振手段からの出力の電圧振幅に反映される。
【0014】
ここで、発振手段からの出力の電圧振幅が所定値を超えていれば、ハイ又はローのうち予め規定されている第1状態が検出手段から出力され、該出力の電圧振幅が所定値以下であれば、第1状態とは異なる第2状態が検出手段から出力される。よって、検出手段からの出力が第1状態であるか、第2状態であるかに応じて、切換手段は、操作スイッチの状態を区別することができる。従って、検出手段からの出力に基づくことにより、切換手段による電力供給路の導通と遮断との切り換えを、操作スイッチの操作状態に応じて行うことができるという効果がある。
【0015】
請求項4記載の電子スイッチ装置によれば、請求項3記載の電子スイッチ装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。発振手段は、発振部に加え、該発振部を発振させるためのトランジスタを有しており、該トランジスタにおける発振信号が出力されるエミッタと、ベースとの間に、共振手段におけるコイル(トランスにおける一次側コイル)とコンデンサとを直列接続したものが設けられる。
【0016】
上述した通り、操作スイッチが二次側コイルの両端を開放している場合には、共振手段が、発振手段の発振部にブロッキング発振を生じさせる一方で、該二次側コイルの両端が操作スイッチによって短絡された場合には、発振手段(発振部)の発振が停止する。このように、操作スイッチが二次側コイルの両端を開放したか短絡したかは、発振手段からの出力、即ち、ブロッキング発振の電圧振幅に反映される。
【0017】
ここで、発振手段からの出力の電圧振幅(ブロッキング発振の電圧振幅)が所定値を超えていれば、ハイ又はローのうち予め規定されている第1状態が検出手段から出力され、該出力の電圧振幅が所定値以下であれば、第1状態とは異なる第2状態が検出手段から出力される。よって、検出手段からの出力が第1状態であるか、第2状態であるかに応じて、切換手段は、操作スイッチの状態を区別することができる。従って、検出手段からの出力に基づくことにより、切換手段による電力供給路の導通と遮断との切り換えを、操作スイッチの操作状態に応じて行うことができるという効果がある。
【0018】
また、ブロッキング発振が生じることにより、省電力であっても大きな電圧振幅を得ることができるので、電子スイッチ装置を省電力に構成しつつも、検出手段による検出精度を上げることができ、切換手段による電力供給路の導通と遮断との切り換えを精度良く行うことができるという効果がある。
【0019】
請求項5記載の電子スイッチによれば、請求項2又は4に記載の電子スイッチの奏する効果に加え、次の効果を奏する。操作スイッチがアンラッチ型のスイッチである場合には、電力供給路を導通するとき(即ち、スイッチオン)の操作であっても、電力供給路を遮断するとき(即ち、スイッチオフ)の操作であっても、検出手段からの出力は第2状態となるので、該検出手段からの出力では、操作スイッチが、スイッチオンのために操作されたのか、スイッチオフのために操作されたのかを区別することができない。
【0020】
しかし、請求項5記載の電子スイッチ装置によれば、検出手段からの出力によるラッチ手段の入力が第1状態から第2状態に切り換わる毎に、ラッチ手段が出力の状態を反転させてラッチするように構成されているので、ラッチ手段からの出力状態は、操作スイッチを2回操作する毎に同じ状態に戻ることになる。よって、ラッチ手段の出力からは、アンラッチ型のスイッチにおけるスイッチオンのために操作と、スイッチオフのための操作とを区別することができるので、操作スイッチとしてアンラッチ型のスイッチを用いた場合であっても、電力供給路の導通と遮断とを使用者の意図(即ち、操作)に応じて切り換えることができるという効果がある。
【0021】
ところで、ラッチ型のスイッチ部品を用いた場合、制御手段による制御によって電力供給路を遮断したとしても、切り忘れ等の理由により、スイッチ部品が電力供給路を導通させるスイッチ位置で固定されていれば、電力供給路が導通されたままとなり、電力供給路を遮断できない。しかし、請求項5記載の電子スイッチ装置によれば、操作スイッチがアンラッチ型のスイッチであるので、非操作時にはトランスの二次側コイルの両端が必ず開放されている。よって、制御手段による制御によって電力供給路を遮断すれば、電力供給路を確実に遮断することができるので、電力を無駄に消費させないという効果がある。
【0022】
請求項6記載の電子スイッチ装置によれば、請求項5記載の電子スイッチ装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。制御入力手段から入力された制御信号に基づき、ラッチ手段における所定の入力端子への出力状態が、初期化手段により、ハイ又はローのうち予め規定されている第3状態とは異なる第4状態から、該第3状態に切り換えられる。ここで、初期化手段からの出力が入力されるラッチ手段の入力端子は、第3状態が入力された場合に、出力状態を優先的に切換手段が電力供給路を遮断する状態とするものであるので、制御入力手段から入力された制御信号に基づき、電力供給路を遮断できる。
【0023】
よって、制御入力手段から入力される制御信号によって、電力供給路を自動的に遮断させることができるという効果がある。そのため、電力使用部(電子楽器など)や他の機器(電子タイマ装置など)の都合に応じて制御入力手段へ制御信号を出力し、その制御信号を該制御入力手段から入力させることによって電力供給路を遮断させることができるので、電力使用部の不使用時などに無駄な電力が供給されないようにすることが可能となる。
【0024】
また、制御入力手段からの入力に基づき、ラッチ手段からの出力状態が、切換手段が電力供給路を遮断する状態にされるので、スイッチオフ(電力供給路の遮断)の目的で操作スイッチを操作したときと同等の状態にすることができる。よって、次に行われる操作スイッチの操作を、スイッチオン(電力供給路の導通)の操作として扱うことができ、制御入力手段からの入力に基づいて電力供給路を遮断した後に、使用者が操作スイッチを操作したにもかかわらず、意図に反して電子使用部が駆動しないという事態を避けることができるという効果がある。
【0025】
請求項7記載の電子スイッチ装置によれば、請求項5又は6に記載の電子スイッチ装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2初期化手段はコンデンサと出力手段とを有している。第2初期化手段のコンデンサは、コネクタが電力供給源に接続されると電荷が蓄電され、該コネクタが電力供給源から取り外されると放電するように構成されている。コンデンサの電荷量が所定量以下である場合には、第2初期化手段の出力手段により、ハイ又はローのうち予め規定されている第3状態がラッチ手段の所定の入力端子へ出力される一方で、コンデンサの電荷量が所定量を超える場合には、第3状態とは異なる第4状態が同入力端子へ出力される。
【0026】
よって、コネクタが電力供給源から取り外されてコンデンサが放電された状態から、該コネクタを電力供給源に接続した場合には、コンデンサに所定量の電荷が蓄電されるまでの期間において、第2初期化手段の出力手段から、第3状態(ハイ又はローのいずれか)を出力させることができる。ここで、第2初期化手段からの出力が入力されるラッチ手段の入力端子は、第3状態が入力された場合に、出力状態を優先的に切換手段が電力供給路を遮断する状態にするものであるので、コネクタが電力供給源に接続された当初(コンデンサに所定量の電荷が蓄電されるまでの期間)において、電力供給路を遮断させることができる。そのため、コネクタを電力供給源に接続したときに、意図せず電力供給路が導通されて電力使用部が駆動してしまうことを防止できるという効果がある。
【0027】
請求項8記載の電子スイッチ装置によれば、請求項7記載の電子スイッチ装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。発振手段からの出力の電圧振幅が所定値を超える場合には、ハイ又はローのうち予め規定されている第5状態が第2の検出手段から出力され、該出力の電圧振幅が所定値以下である場合には、第5状態とは異なる第6状態が該第2の検出手段から出力される。つまり、操作スイッチが非操作状態であって二次側コイルの両端を開放している間は、第2の検出手段からの出力は第5状態であり、操作スイッチが操作されて二次側コイルの両端を閉鎖している間は、第2の検出手段からの出力は第6状態となる。
【0028】
そして、第2の検出手段から切換手段に第6状態が出力されたことにより、該切換手段に第6状態が入力されると、優先手段(切換手段の一部)により、ラッチ手段からの入力に優先させて電力供給路が導通される。よって、操作スイッチの操作に伴うラッチ手段からの入力が電力供給路を遮断させる状態であったとしても、操作スイッチが操作され続けている間は電力供給路を導通させることができる。即ち、操作スイッチを操作し続けていれば、ラッチ手段からの出力状態に依ることなく、電力供給路を導通させることができるので、操作スイッチを操作しながらコネクタを電力供給源に接続することにより、電力供給路を導通させることができる。そのため、コネクタを電力供給源に接続したタイミングで電力使用部を駆動させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態である電子スイッチ装置の使用状態を示す模式図である。
【図2】電子スイッチ装置を示す回路図である。
【図3】電子スイッチ装置の動作を説明するためタイミングチャートである。
【図4】変形例としての発振回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である電子スイッチ装置1の使用状態を示す模式図である。図1に示すように、電子スイッチ装置1は、電力供給源としての商用交流電源としてのコンセント(図示せず)と、電力使用部としての電子楽器100との間に介在されて、商用交流電源から電子楽器100への電力を供給(オン)又は遮断(オフ)するための装置である。電子スイッチ装置1は、AC入力部2としてのプラグと、AC出力部3(図2参照)としてのコネクタとを有しており、AC入力部2がコンセントに接続され、AC出力部3が電子楽器100の電源部(図示せず)から延びる電源ケーブル101に接続されて使用される。なお、電子スイッチ装置1は電子楽器100の本体に内蔵されていてもよく、その際には、操作スイッチ50が電子楽器100上の適宜箇所(例えば、操作パネル110)に取り付けられていてもよい。
【0031】
電子スイッチ装置1は、機械式スイッチである操作スイッチ50を有している。この操作スイッチ50は、アンラッチ型のスイッチ、即ち、非操作時には初期位置に戻るタイプのスイッチである。なお、アンラッチ型のスイッチは、モーメンタリスイッチとも呼ばれることがある。
【0032】
詳細は後述するが、電子スイッチ装置1は、AC入力部2がコンセントに接続され、AC出力部3が電源ケーブル101に接続された状態で、使用者が操作スイッチ50を押す(操作する)と、その押し操作に応じて、商用交流電源から電子楽器100への電力の供給と遮断とを切り換えることができるように構成されている。なお、本実施形態では、操作スイッチ50の入力を押し操作(押下)によって行うものとするが、スライド操作など他の動きにより操作入力がされるものであってもよい。
【0033】
また、電子スイッチ装置1は、コネクタ51(図2参照)を有している。このコネクタ51には、例えば、電子楽器100を制御する制御装置(図示せず)からの制御信号を伝達するためのケーブル102が接続される。詳細は後述するが、電子スイッチ装置1は、コネクタ51を介して電子楽器100あるいは電子タイマ装置などの他の機器から入力された制御信号(パワーマネジメント入力)によって、商用交流電源から電子楽器100へ供給していた電力を遮断(オフ)することができるように構成されている。
【0034】
図2は、電子スイッチ装置1を示す回路図である。電子スイッチ装置1は、商用交流電源に接続されるAC入力部2と、電子楽器100に接続されるAC出力部3とを有している。AC入力部2は、第1入力端子2aと、商用交流電源側の共通端子である第2入力端子2bとを有している。AC出力部3は、第1出力端子3aと、電力使用部側の共通端子である第2出力端子3bとを有している。
【0035】
第1入力端子2aと第1出力端子3aとの間には、電力線4aが配線されており、この電力線4aは、操作スイッチ50の押下、又は、コネクタ51を介して入力されるパワーマネジメント入力に応じて駆動する開閉回路10によって導通又は遮断されるように構成されている。一方、第2入力端子2bと第2出力端子3bとの間には、電力線4bが配線されている。
【0036】
電子スイッチ装置1は、電力線4a上の端子13aと、電力線4b上の端子13bとから供給される電力により電気的に動作する。なお、端子13aは、電力線4aにおける開閉回路10を配設した箇所より第1入力端子2a側に設けられ、基準電位に接続される。
【0037】
電子スイッチ装置1は、アンラッチ型の操作スイッチ50と、トランスTR1とを有している。トランスTR1は、商用交流電源側に位置する一次側コイルL1と、一次側コイルL1に対して絶縁された二次側コイルL2とから構成されている。よって、トランスTR1における二次側コイルL2の側には、商用交流電源から供給される高電圧の電流が流れ出すことはなく、使用者は、二次側コイルL2の側に設けられている操作スイッチ50を安全に使用することができる。
【0038】
一次側コイルL1は、後述する共振回路7の一部を構成する。二次側コイルL2は、その両端がそれぞれ操作スイッチ50の各端子に接続されており、操作スイッチ50の押下により、開放(オープン)又は短絡(ショート)される。詳細は後述するが、本実施形態の電子スイッチ装置1は、二次側コイルL2が開放されている場合には、一次側コイルL1を含む共振回路7の存在により発振回路6がブロッキング発振し、二次側コイルL2が短絡されると該ブロッキング発振が停止するように構成されていると共に、かかるブロッキング発振の有無を利用して、開閉回路10を駆動して電力線4aの導通又は遮断するように構成されている。
【0039】
また、電子スイッチ装置1は、AC/DC電圧変換回路5と、発振回路6と、共振回路7と、検出回路8と、ラッチ回路9と、開閉回路10と、押検出回路11と、リセット回路12とを有している。
【0040】
AC/DC変換回路5は、端子13aに接続される端子14aと、端子13bに接続される端子14bとに、それぞれ接続され、商用交流電源から供給されるAC電圧(例えば、70〜290V)を、例えば10VのDC電圧に変換し、後段の発振回路6、共振回路7、検出回路8、ラッチ回路9、開閉回路10、押検出回路11、リセット回路13に動作電圧として供給する。なお、図2に示す回路では、端子14aが基準電位とされ、端子14bが動作電圧(+Vcc)とされる。
【0041】
発振回路6は、4つの抵抗R1〜R4と、電解コンデンサC1と、2つのコンデンサC2,5と、ダイオードD1と、トランジスタQ1と、発振部Gとから構成される。発振回路6を構成する部品のうち、3つの抵抗R2〜R4と、トランジスタQ1と、発振部Gとから構成される回路は、コルピッツ発振回路であり、トランジスタQ1による増幅と正帰還とにより発振部Gが発振し、その発振信号をトランジスタQ1のエミッタ端子から出力する。
【0042】
発振部Gは、セラロック(登録商標)である。発振部Gの内部回路は、図2に示すように、セラミック発振子Hと、2つのコンデンサC21,C22とから構成され、セラミック発振子Hと、直列に接続されたコンデンサC21,C22とが並列に接続されている。本実施形態では、発振部Gとして、発振周波数が4MHzのものを使用するが、後述する共振回路7との共振によりブロッキング発振するものであれば、発振部Gの発振周波数は特に限定されない。
【0043】
トランジスタQ1は、発振部Gを発振させるための増幅段として機能するものであり、PNP型のトランジスタにより構成される。トランジスタQ1のエミッタ端子は、発振部GにおけるコンデンサC21とコンデンサC22との接続点と、抵抗R4の一端と、コンデンサC5の一端とに接続される。トランジスタQ1のベース端子は、発振部Gにおけるセラミック発振子HとコンデンサC22との接続点と、抵抗R2及び抵抗R3のそれぞれ一端とに接続される。また、トランジスタQ1のコレクタ端子は、抵抗R3の他端に接続される。
【0044】
抵抗R2の他端は、発振部Gにおけるセラミック発振子HとコンデンサC21との接続点と、コンデンサC2の一端とに接続される。抵抗R4の他端は、発振部Gにおけるセラミック発振子HとコンデンサC21との接続点に接続される。コンデンサC2の他端は、抵抗R1の一端に接続される。抵抗R1におけるコンデンサC2が接続された側の端は、抵抗R3におけるトランジスタQ1のコレクタ端子が接続された側の端に接続される。
【0045】
抵抗R1の他端は、電解コンデンサC1のマイナス側に接続される。電解コンデンサC1のプラス側は、+Vccに接続されると共に、コンデンサC2における抵抗R1が接続されていない側の端が接続される。電解コンデンサC1及びコンデンサC2は、電源平滑用コンデンサとして機能する。ダイオードD1は、逆電流を防止するためのものであり、アノードが、電解コンデンサC1のマイナス側に接続され、カソードが、基準電位に接続される。コンデンサC5の他端は、後述する検出回路8の抵抗R8に接続される。コンデンサC5は、発振回路6から発振された発振信号(ブロッキング発振信号)から直流成分を除き、交流成分を後段の検出回路8へ出力するためのものである。
【0046】
共振回路7は、上述した発振回路6の発振部Gに、寄生の間欠発振であるブロッキング発振を生じさせるための回路であり、コンデンサC3と、トランスTR1の一次側コイルL1と、上述した発振回路6のトランジスタQ1とから構成される。
【0047】
コンデンサC3の一端は、トランジスタQ1のエミッタ端子に接続され、他端は、一次側コイルL1の一端に直列接続される。一次側コイルL1の他端は、トランジスタQ1のベース端子に接続される。このように、コンデンサC3とコイル(一次側コイルL1)とが直列に接続された回路が、発振回路6のトランジスタQ1のエミッタ端子とベース端子との間に接続されると、発振部Gの発振にブロッキング発振を生じさせることができる。
【0048】
共振回路7は、発振部Gの発振周波数(本実施形態では、4MHz)に比べて十分に低い共振周波数(例えば、本実施形態では250kHz程度)で発振するように構成されている。共振回路7の発振周波数を、発振部Gの発振周波数より十分に低くすることによって、ブロッキング発振を安定化させることができる。なお、ブロッキング発振を安定化させるためには、共振回路7の共振周波数を、発振部Gの発振周波数の少なくとも数分の一以下にすることが好ましい。また、ブロッキング発振の周期が、電子スイッチ装置1の使用者に影響を与えない程度(例えば、数十kHz程度)にすることができる周波数を、共振回路7の共振周波数として用いることが好ましい。
【0049】
本実施形態では、共振回路7の共振周波数を、コンデンサC3の容量によって決定し、一次側コイルL1のインダクタ値は、発振部Gの内部等価回路に現れるインダクタ値とほぼ同じ値とする。これにより、操作スイッチ50の押下により二次側コイルL2を短絡させた場合に、一次側コイルL1のインダクタ値を、発振部Gの内部等価回路に現れるインダクタ値より小さくすることができるので、発振部Gの発振動作を停止させることができ、ブロッキング発振を停止することができる。よって、操作スイッチ50の押下に応じた二次側コイルL2の開放と短絡とを、ブロッキング発振の有無(即ち、発振回路6からのブロッキング発振信号の出力の有無)に反映させることができる。
【0050】
本実施形態の電子スイッチ装置1は、共振回路7の存在によって発振回路6から出力されるブロッキング発振信号の有無を後段の検出回路8によって検出し、その検出結果(検出回路8からの出力)に基づいて開閉回路10による電力線4aの導通と遮断とを切り換えるように構成されている。また、共振回路7を設けて発振回路6においてブロッキング発振を生じさせることにより、発振回路6の通常発振(コルピッツ発振回路による発振)の電圧振幅(波高)に比べ、十分に大きい電圧振幅を得ることができるので、後段の検出回路8による発振の検出を精度よく行うことができる。
【0051】
検出回路8は、6つの抵抗R8〜R13と、ダイオードD2と、コンデンサC7と、2つのトランジスタQ2,Q3とから構成され、発振回路6からの出力(ブロッキング発振信号)の状態に応じて、後段のラッチ回路9へ出力のハイとローとを切り換える、所謂、フリップフロップ回路である。
【0052】
トランジスタQ2は、発振回路6から出力された発振信号に応じてオンとオフとを切り換えるためのものであり、PNP型のトランジスタにより構成される。トランジスタQ2のエミッタ端子は、+Vccに接続されている。トランジスタQ2のベース端子は、抵抗R8及び抵抗R9のそれぞれ一端と、ダイオードD2のアノードとに接続される。トランジスタQ2のコレクタ端子は、後述する押検出回路11を構成するトランジスタQ6のベース端子に接続される。
【0053】
抵抗R9の他端は、+Vccに接続され、抵抗R8の他端は、コンデンサC5(発振回路6)におけるトランジスタQ1のエミッタ端子が接続されていない側の端が接続される。また、ダイオードD2のカソードは、+Vccに接続される。コンデンサC7は、AC入力部2を商用交流電源に接続した時(以下、この時を「電源投入時」と称す)おける検出回路8の応答時間を遅延させるためのものであり、一端が+Vccに接続され、他端が、トランジスタQ2のコレクタ端子に接続される。
【0054】
トランジスタQ3は、トランジスタQ2がオンであるかオフであるかに応じて、オンとオフとを切り換えるためのものであり、PNP型のトランジスタにより構成される。トランジスタQ3のエミッタ端子は、+Vccに接続される。トランジスタQ3のベース端子は、抵抗R10の一端と抵抗R11の一端とにそれぞれ接続される。トランジスタQ3のコレクタ端子は、抵抗R13の一端に接続される。抵抗R10の他端は、+Vccに接続される。抵抗R11の他端は、抵抗R12の一端に接続されると共に、トランジスタQ2のコレクタ端子に接続される。R12の他端及びR13の他端は共に基準電位に接続される。これにより、+Vccは、抵抗R10と、抵抗R11,R12に応じて分圧される。
【0055】
ラッチ回路9は、IC1と、コンデンサC9,C10と、抵抗R14とから構成され、検出回路8(トランジスタQ3のコレクタ端子)からの出力がローからハイに立ち上がる毎に、その立ち上がりエッジに基づいて後段の開閉回路10への出力を反転させると共に、出力の状態を、検出回路8からの出力が次にローからハイに立ち上がるときまで保持する回路である。
【0056】
IC1は、ポジティブエッジトリガ形のD型フリップフロップとして構成されたロジックICであり、クロック端子である端子CKと、入力端子である端子Dと、出力端子である端子Qと、反転出力端子である端子QNと有している。端子CKに入力されるクロック信号の立ち上がりエッジに同期して、端子Dへの入力がラッチ(保持)され、端子Qから出力されると共に、端子QNから反転出力される。
【0057】
IC1において、端子CKは、検出回路8におけるトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、該トランジスタQ3からの出力がクロック信号として入力される。端子Dには端子QNが接続されており、端子QNから出力された反転出力が、端子Dに入力される。
【0058】
これにより、端子Qからの出力がハイであり、端子QNからの出力がローである状態において、検出回路8からの出力、より具体的には、トランジスタQ3のコレクタ端子からの出力がローからハイに立ち上がると、端子Dには、端子QNからの出力であるローが入力されているので、端子Qからの出力はハイからローに反転され、端子QNからの出力はローからハイに反転される。そして、検出回路8からの出力が次にローからハイに立ち上がったときには、端子QNから端子Dに入力されているのはハイであるので、端子Qからの出力はローからハイに反転され、端子QNからの出力はハイからローに反転される。
【0059】
また、IC1は、クリア端子である端子CLRと、プリセット端子である端子PRとを有しており、端子CLRは、+Vccに接続され、端子PRは、後述するリセット回路12を構成するトランジスタQ4のコレクタ端子に接続される。詳細は後述するが、リセット回路12は、電源投入時(即ち、AC入力部2を商用交流電源に接続した時)に所定期間に亘りローを出力するように構成されている。D型フリップフロップの特徴として、端子PRにローが入力される場合には、その入力が端子Dや端子CKへの入力より優先されるので、電源投入時には、端子Qからの出力がハイであり、端子QNからの出力がローに初期化される。
【0060】
IC1は、端子VCCと、端子GNDとを有している。IC1は、端子Vcc及び端子GNDは両方とも、+Vccと基準電位とを結ぶ配線上に接続されており、これにより、動作電圧がIC1に印加され、IC1が駆動する。
【0061】
端子Vccと端子GNDとの間には、ノイズ防止用のコンデンサC9の各端が接続されている。抵抗R14の一端は、端子PRに接続され、他端は、基準電位に接続される。コンデンサC10は、抵抗R14に並列に接続されている。かかる接続がされたコンデンサC10は、AC入力部2を商用交流電源に接続すると電荷が蓄電され、AC入力部2と商用交流電源から取り外されると放電される。よって、電源投入時からコンデンサC10が蓄電されるまでの期間、後述するリセット回路12のトランジスタQ4からの出力を端子PRに入力させることを遅延させることができる。
【0062】
開閉回路10は、ラッチ回路9の端子Qからの出力又は後述する押検出回路11からの出力(トランジスタQ6のエミッタ端子からの出力)の状態に基づいて、電力線4aの導通と遮断とを切り換える回路である。この開閉回路10は、5つの抵抗R22〜R26と、トランジスタQ9と、ダイオードD8と、弁回路10aとから構成される。
【0063】
トランジスタQ9は、ラッチ回路9の端子Qからの出力の状態と、後述する押検出回路11からの出力の状態とに応じて、オンとオフとを切り換えるためのものであり、PNP型のトランジスタにより構成される。トランジスタQ9のエミッタ端子は抵抗R24の一端に接続される。トランジスタQ9のベース端子は、抵抗R23の一端に接続される。トランジスタQ9のコレクタ端子は、逆電流防止用のダイオードD8のアノードに接続される。
【0064】
抵抗R24におけるトランジスタQ9が接続されていない側の端は、抵抗R22の一端に接続される。抵抗R24と抵抗R22との接続点は、抵抗R23とトランジスタQ9との接続点とに接続される。抵抗R22における抵抗R24が接続されていない側の端は、ラッチ回路の端子Qに接続される。抵抗R23におけるトランジスタQ9が接続されていない側の端は、後述する押検出回路11におけるトランジスタQ6のエミッタ端子に接続される。
【0065】
上述の通りに配線されたトランジスタQ9及び抵抗R22〜R24は優先手段を構成し、ラッチ回路9(IC1の端子Q)の出力がハイであってもローであっても、押検出回路11(トランジスタQ6のエミッタ端子)からの出力がローであれば、トランジスタQ9をオンにすることができる。
【0066】
ダイオードD8のカソードは、抵抗R25の一端が接続され、抵抗R25の他端は、抵抗R26の一端に接続される。抵抗R26の他端は、弁回路10aにおける2つの電解効果トランジスタQ8,Q10の各ゲート電極の間に接続される。
【0067】
弁回路10aは、トランジスタQ9がオンである場合に電力線4aを導通させ、トランジスタQ9がオフである場合に電力線4aを遮断する回路であり、2つの電解効果トランジスタQ8,Q10と、抵抗R27と、コンデンサC13と、ツェナーダイオードD7と、2つのコイルL3,L4とにより構成される。
【0068】
電解効果トランジスタQ8,Q10は、いずれも、金属酸化物型の電解効果トランジスタ(MOS−FET)から構成される。本実施形態では、電解効果トランジスタQ8,Q10として、nチャネルのディプレッション型MOS−FETを用いている。これらの電解効果トランジスタQ8,Q10は、トランジスタQ9がオンになった場合に、該トランジスタQ9から流入する電流によってオンとなる。電解効果トランジスタQ8,Q10がオンになった場合に、電力線4aは導通状態となり、AC入力部2を介して接続された商用交流電源からの電力を、AC出力部3を介して電子楽器100に供給することができる。
【0069】
電解効果トランジスタQ8のゲート電極は、電解効果トランジスタQ10のゲート電極に接続され、電解効果トランジスタQ8のソース電極は、電解効果トランジスタQ10のソース電極に接続される。即ち、電解効果トランジスタQ8と電解効果トランジスタQ10は、並列に接続されている。
【0070】
電解効果トランジスタQ8のドレイン電極は、コイルL3の一端に接続され、コイルL3の他端は、電力線4aを介してAC入力部2の第1入力端子2aに接続されている。一方、電解効果トランジスタQ10のドレイン電極は、コイルL4の一端に接続され、コイルL4の他端は、電力線4aを介してAC出力部3の第1出力端子3aに接続されている。
【0071】
抵抗R27は、一端が電解効果トランジスタQ8,Q10のゲート電極に接続され、他端がソース電極に接続される。コンデンサC13もまた、一端が電解効果トランジスタQ8,Q10のゲート電極に接続され、他端がソース電極に接続される。コンデンサC13は、電解効果トランジスタQ8,Q10がオンされた際に誤作動を防止するための遅延時間を作る機能を果たす。ツェナーダイオードD7は、弁回路10aを保護するためのものであり、カソードが電解効果トランジスタQ8,Q10のゲート電極に接続され、アノードがソース電極に接続される。
【0072】
押検出回路11は、操作スイッチ50の押下(操作)中であるか否かを検出する回路であり、1のトランジスタQ6と、上述した検出回路8の一部構成(トランジスタQ2、抵抗R8,R9、コンデンサC7、ダイオードD2)とから構成される。
【0073】
トランジスタQ6は、検出回路8におけるトランジスタQ2のコレクタ端子からの出力の状態に応じて、オンとオフとを切り換えるためのものであり、PNP型のトランジスタにより構成される。
【0074】
トランジスタQ6のエミッタ端子は、抵抗R23(開閉回路10の一部)におけるトランジスタQ9に接続されていない側の端に接続され、ベース端子は、検出回路8におけるトランジスタQ2のコレクタ端子に接続される。トランジスタQ6のコレクタ端子は、基準電位に接続される。
【0075】
リセット回路12は、電源投入時(即ち、AC入力部2を商用交流電源に接続した時)、又は、電子楽器100の制御装置からの入力信号(パワーマネジメント入力)があった場合に、ラッチ回路9のプリセット端子(端子PR)にローを入力するための回路である。このリセット回路12は、トランジスタQ4と、5つの抵抗R15〜R19と、コンデンサC11と、ダイオードD6と、フォトカプラ12aとから構成される。
【0076】
トランジスタQ4は、ベース端子の状態に応じてオンとオフとを切り換えるためのものであり、PNP型のトランジスタにより構成される。トランジスタQ4のエミッタ端子は、+Vccに接続され、ベース端子は、フォトカプラ12aにおけるフォトトランジスタQ11のエミッタ端子に接続される。トランジスタQ4のコレクタ端子は、ラッチ回路9の端子PRに接続される。
【0077】
抵抗R17は、一端がトランジスタQ4のベース端子に接続され、他端が抵抗R16の一端に接続される。抵抗R16の他端は、逆流電流防止用のダイオードD6のアノードに接続される。ダイオードD6のカソードは、抵抗R15の一端に接続され、抵抗R15の他端は、基準電位に接続される。
【0078】
抵抗R18は、一端がトランジスタQ4のベース端子に接続され、他端がトランジスタQ4のエミッタ端子に接続される。コンデンサC11は、AC入力部2を商用交流電源に接続してから、ラッチ回路9の端子PR(プリセット端子)へハイが出力されるまでの期間を遅延させるためのものであり、一端が、抵抗R18におけるトランジスタQ4のエミッタ端子が接続された側に接続され、他端が、抵抗R17におけるトランジスタQ4のベース端子が接続されていない側に接続される。抵抗R19は、コンデンサC11に並列に接続される。なお、このコンデンサC11による遅延時間は、上述したラッチ回路9のコンデンサ10による遅延時間より長くなるよう設計されている。
【0079】
フォトカプラ12aは、発光素子である発光ダイオードD9と、受光素子であるフォトトランジスタQ11とから構成される。発光ダイオードD9は、アノードが、電子楽器100からケーブル102が接続されるコネクタ51における端子51aに接続され、カソードが、端子51bに接続される。フォトトランジスタQ11のコレクタ端子は+Vccに接続され、エミッタ端子はリセット回路12におけるトランジスタQ4のベース端子に接続される。
【0080】
フォトカプラ12aは、電子楽器100の制御装置あるいは他の機器から制御信号の入力(パワーマネジメント入力)があると発光ダイオードD9が発光し、その発光によりフォトトランジスタQ11がオンになり、エミッタ端子からハイを出力する。これにより、リセット回路12のトランジスタQ4がオフされて、トランジスタQ4のコレクタ端子からIC1(ラッチ回路9)の端子PRへローが出力される。すると、IC1の端子Qからハイが出力されて、結果として、弁回路10aの電解効果トランジスタQ8,Q10がオフとなり、電子楽器100への電力供給が遮断(オフ)される。
【0081】
次に、図3を参照して、上記構成を有する電子スイッチ装置1の動作を説明する。図3は、電子スイッチ装置1の動作を説明するためタイミングチャートである。なお、図3において、(a)は、AC入力の状態を示し、具体的には、AC入力部2が商用交流電源に接続されたか否かを示す。(b)は、操作スイッチ50の操作状態(トランスTR1の二次側コイルL2の状態)を示す。(c)は、発振回路6からの出力であって、図1におけるA点の状態を示す。(d)は、検出回路8の出力であって、図1におけるB点の状態を示す。(e)は、ラッチ回路9の出力であって、図1におけるC点の状態を示す。(f)は、押検出回路11の出力であって、図1におけるD点の状態を示す。(g)は、電子楽器100の制御装置からのパワーマネジメント入力であって、図1におけるE点の状態を示す。(h)は、(h)リセット回路12からの出力であって、図1におけるF点の状態を示す。(i)は、AC出力の状態を示し、具体的には、AC入力部3から電子楽器100への電力供給が行われている(即ち、ON)か、遮断されている(即ち、OFF)かを示す。
【0082】
時刻t0において、操作スイッチ50が押下されることなく(即ち、操作スイッチ50から手を離した状態で)、AC入力部2が商用交流電源に接続されて電源投入される場合、リセット回路12では、動作電圧+Vccに基づいて、放電されているコンデンサC11に電流が流れ、該コンデンサC11には徐々に電荷が蓄電される。このとき、トランジスタQ4のベース端子及びエミッタ端子の電位は等しいので、トランジスタQ4はオフとなる。これにより、時刻t0におけるF点での出力はローとなる。
【0083】
リセット回路12からラッチ回路9への出力は、IC1の端子PR(プリセット端子)に入力される。よって、時刻t0においてIC1の端子PRにローが入力されると、IC1の端子Qからの出力は優先的にハイとなる。即ち、時刻t0におけるIC1の端子Qからの出力、即ち、C点での出力はハイとなる。
【0084】
その後、時刻t1(例えば、電源投入から0.5秒後の時刻)において、リセット回路12のコンデンサC11に蓄電された電荷量が所定の閾値に達すると、抵抗R18の端子間に電圧が印加されるようになるので、かかる抵抗R18の端子間の電位差によってトランジスタQ4がオンとなる。よって、時刻t1において、リセット回路12からラッチ回路9への出力、即ち、F点での出力はハイとなり、IC1の端子PRにはハイが入力される。これにより、時刻t1以降、ラッチ回路9におけるIC1の端子Qからの出力(即ち、C点での出力)は、端子CKに入力される信号の状態に応じて変化することになる。
【0085】
一方で、時刻t0において、操作スイッチ50が押下されることなく、AC入力部2が商用交流電源に接続されて電源投入された場合には、動作電圧+Vccが抵抗R2と抵抗R3とにより分圧される。この分圧による抵抗R2の端子間の電位差によってトランジスタQ1がオンとなる。
【0086】
トランジスタQ1がオンになると、コルピッツ発振回路(トランジスタQ1、発振部G、抵抗R2〜R4)の発振が開始される。時刻t0では、操作スイッチ50が押下されておらず、トランスTR1における二次側コイルL2が開放されているので、共振回路7(トランジスタQ1、コンデンサC3、一次側コイルL1)の発振により、コルピッツ発振回路においてブロッキング発振が生じる。このブロッキング発振の信号は、コンデンサC5によって直流成分が分離された交流成分が、検出回路8に入力される。よって、A点では出力信号(ブロッキング発振信号)が検出される。
【0087】
共振回路7の存在により発振回路6で生じたブロッキング発振は、検出回路8に入力される。発振回路6から出力されるブロッキング発振は、発振初期においては電圧振幅が十分に大きくなく、抵抗R8,R9間に十分な電位差が生じないので、トランジスタQ2はオンとならない。しかし、電源投入前はコンデンサC7が放電されているので、電源投入時(時刻t0)には、抵抗R10,抵抗R11の両端間の電位差が等しくなり、トランジスタQ3がオフとなる。よって、時刻t0におけるB点の状態はローとなる。
【0088】
その後、ブロッキング発振信号の電圧振幅が十分に大きくなると、抵抗R8,R9の間に電位差が生じ、抵抗R9の両端に生じた電位差がトランジスタQ2のベース−エミッタ間電圧(通常、0.6〜0.7V)を超えるようになると、トランジスタQ2がオンとなる。
【0089】
なお、電源が投入されてからコンデンサC7に所定の電荷量が蓄電されるまでの時間(遅延時間)は、ブロッキング発振信号が発振を開始してから、その電圧振幅が検出回路8により検出されるのに十分な大きさとなるまでの時間(発振安定時間)より十分に大きく設定されている。よって、電源投入後、コンデンサC7に所定の電荷量が蓄電されたことによってトランジスタQ3がオンになってしまう前に、ブロッキング発振信号の電圧振幅が十分に大きくなりトランジスタQ2がオンになると共に、コンデンサC7が放電されるので、電源投入時にB点の状態がハイになることはない。
【0090】
検出回路8からラッチ回路9への出力は、IC1の端子CK(クロック端子)にクロック信号として入力される。ラッチ回路9のIC1はポジティブエッジトリガ形のD型フリップフロップとして構成されているので、端子CKにローが入力される場合には、端子Qからの出力は変化しない。また、上述した通り、時刻t0では、リセット回路12からIC1の端子PRにローが入力されて、優先的にハイに初期化されているので、時刻t0におけるラッチ回路9から開閉回路10への出力、即ち、C点の状態はハイとなる。
【0091】
一方、時刻t0において電源が投入されると、ブロッキング発振信号の電圧振幅が十分に大きくなるまでは、電源投入前に放電されていたコンデンサC7により、トランジスタQ6のベース端子の電位が+Vccに近い値となる。よって、電源投入時(時刻t0)においてトランジスタQ6のエミッタ端子の電位は上がり、D点の状態はハイとなる。
【0092】
その後、コンデンサC7に徐々に電荷が蓄電されていくと、それに伴ってトランジスタQ6のベース端子の電位が徐々に下がり、トランジスタQ6のエミッタ端子の電位も下がる。しかし、上述した通り、コンデンサC7による遅延時間が発振安定時間より十分に大きく設定されているので、トランジスタQ6のエミッタ端子の電位が下がる前に、ブロッキング発振信号の電圧振幅が十分に大きくなってトランジスタQ2がオンになる。それにより、トランジスタQ6のベース端子の電位が再び+Vccに近づくので、トランジスタQ6のエミッタ端子の電位を上げることができ、D点の状態もハイを維持する。
【0093】
開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がハイであり、押検出回路11からの出力がハイである場合には、抵抗R22から抵抗R24の各抵抗における端子間の電位差が小さくなるので、トランジスタQ9がオフとなる。
【0094】
トランジスタQ9がオフである場合には、弁回路10aに電流が流れないので、電解効果トランジスタQ8,Q10は、ゲート電圧(ゲート電極−ソース電極間の電圧)は0Vとであることによりオンされない(即ち、オフである)。よって、時刻t0では、電解効果トランジスタQ8,Q10はオフであるので、電力線4aは導通されず(遮断され)、AC出力部3からの出力は0V(即ち、オフ)となる。
【0095】
このように、本実施形態の電子スイッチ装置1によれば、電源投入後にリセット回路12からIC1(ラッチ回路9)の端子PRにハイが出力されることをコンデンサC11により遅延させている、即ち、電源投入時にはリセット回路12から端子PRにローが入力されるように構成されている。これにより、電源投入時にラッチ回路9(IC1の端子Q)からハイを出力させることができる。一方で、操作スイッチ50が押下されていなければ、検出回路8のコンデンサC7による遅延により、電源投入時に押検出回路11からローが出力されないように構成されている。従って、操作スイッチ50を押下することなく電源投入した場合には、電力線4aが導通されることはなく、AC出力部3からの出力を必ずオフにすることができる。
【0096】
時刻t2において操作スイッチ50が押下(操作)されると、トランスTR1における二次側コイルL2が短絡される。それにより、一次側コイルL1のインダクタ値が次第に減少し、コルピッツ発振回路(発振部G)の発振が徐々に停止される。その結果、発振回路6からの出力は、操作スイッチ50が押下された時刻t2より少し遅れた時刻t3において所定レベル以下(例えば、0V)となる。
【0097】
時刻t3において、発振回路6からの出力が所定レベル以下になると、抵抗R8,R9間の電位差が小さくなるので、トランジスタQ2はオフとなる。トランジスタQ2がオフになると、動作電圧+Vccが、抵抗R10と、抵抗R11と、抵抗R12とにより分圧されることになり、その結果、抵抗R10の両端間の電位差がトランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧より大きくなり、トランジスタQ3はオンとなる。これにより、時刻t3において、検出回路8からラッチ回路9への出力、即ち、B点の状態はローからハイに切り換わる。
【0098】
よって、時刻t3において、IC1の端子CKへの入力がローからハイに立ち上がると、その立ち上がりエッジに同期して、端子Qからそれまで出力されていたハイからローに切り換わる。その結果、時刻t3におけるラッチ回路9から開閉回路10への出力、即ち、C点での出力はハイからローに切り換わる。
【0099】
一方、時刻t3において、トランジスタQ2がオフになったことにより、押検出手段11のトランジスタQ6のベース端子の電位が下がり、その結果、トランジスタQ6のエミッタ端子の電位は下がる。これにより、D点の状態はローとなる。
【0100】
開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がローであり、押検出回路11からの出力がローである場合には、抵抗R24の両端子間の電位差がトランジスタQ9のベース−エミッタ間電圧より大きくなることになり、トランジスタQ9がオンとなる。
【0101】
トランジスタQ9がオンである場合には、弁回路10aに電流が流れるので、電解効果トランジスタQ8,Q10のゲート電圧が上がり、その結果、電解効果トランジスタQ8,Q10がオンとなる。よって、時刻t3において、電解効果トランジスタQ8,Q10はオンになるので、電力線4aが導通し、それにより、AC出力部3から電力が出力される(即ち、オンとなる)。
【0102】
その後、時刻t4において、操作スイッチ50が押下されなくなる(操作スイッチ50から手が離される)と、二次側コイルL2が開放されるので、発振回路6からは再びブロッキング発振の出力が開始され、時刻t5において、発振回路6から出力されるブロッキング発振の電圧振幅が十分な大きさになると、検出回路8のトランジスタQ2がオンになり、それに伴い、トランジスタQ3がオフになる。その結果、時刻t5において、検出回路8からラッチ回路9への出力、即ち、B点の状態はハイからローに切り換わる。
【0103】
ポジティブエッジトリガ形であるIC1の端子CKに、ハイからローへの立ち下がりエッジが入力されても、端子Qからの出力は変化しない。よって、時刻t5における、ラッチ回路9から開閉回路10への出力、即ち、C点での出力はローのままである。
【0104】
一方、操作スイッチ50が押下されなくなったことにより、時刻t5において、検出回路8のトランジスタQ2がオフからオンに切り換わると、押検出回路11のトランジスタQ6のエミッタ端子の電位も上がる。よって、時刻t5において、押検出回路11から開閉回路10への出力、即ち、D点における出力はローからハイに切り換わる。
【0105】
開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がローであり、押検出回路11からの出力がハイである場合には、抵抗R24の両端子間に生じる電位差により、トランジスタQ9はオンとなる。つまり、時刻t5においても、トランジスタQ9はオンのままであり、その結果、弁回路10aの電解効果トランジスタQ8,Q10もまたオンのまま変化せず、AC出力部3からは電力が出力され続ける。
【0106】
その後、時刻t6において、操作スイッチ50が二度目に押下された場合、二次側コイルL2が短絡されたことにより、時刻t7において、発振回路6からの出力が所定レベル以下となる。
【0107】
発振回路6からの出力が所定レベル以下になると、検出回路8のトランジスタQ2がオフとなり、それに伴い、トランジスタQ3がオンとなる。よって、時刻t7において、検出回路8からラッチ回路9への出力、即ち、B点の状態はローからハイに切り換わる。
【0108】
これにより、IC1の端子CKへの入力がローからハイに立ち上がるので、その立ち上がりエッジに同期して、IC1の端子Qからの出力が反転されてローからハイに切り換わる。その結果、時刻t7におけるラッチ回路9から開閉回路10への出力、即ち、C点での出力はローからハイに切り換わる。
【0109】
一方、操作スイッチ50が押下されたことにより、時刻t7において、検出回路8のトランジスタQ2がオンからオフに切り換わると、押検出回路11のトランジスタQ6のエミッタ端子の電位も下がる。よって、時刻t7において、押検出回路11から開閉回路10への出力、即ち、D点における出力はハイからローに切り換わる。
【0110】
開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がハイであり、押検出回路11からの出力がローである場合には、抵抗R24における両端子間に生じる電位差により、トランジスタQ9はオンとなる。つまり、時刻t7においても、トランジスタQ9はオンのままであり、その結果、弁回路10aの電解効果トランジスタQ8,Q10もまたオンのまま変化せず、AC出力部3からは電力が出力され続ける。
【0111】
その後、時刻t8において、操作スイッチ50が押下されなくなり、二次側コイルL2が開放されると、発振回路6からは再びブロッキング発振の出力が開始される。そして、時刻t9において、その電圧振幅が十分な大きさになると、検出回路8のトランジスタQ2がオンになり、それに伴い、トランジスタQ3がオフになる。その結果、時刻t9において、検出回路8からラッチ回路9への出力、即ち、B点の状態はハイからローに切り換わる。
【0112】
これにより、IC1の端子CKへの入力がハイからローに立ち下がるが、端子CKに立ち下がりエッジが入力されても、端子Qからの出力は変化しないので、端子Qからの出力は変化しない。よって、時刻t9におけるラッチ回路9から開閉回路10への出力、即ち、C点での出力はハイのままである。
【0113】
一方、操作スイッチ50が押下されなくなったことにより、時刻t9において、検出回路8のトランジスタQ2がオフからオンに切り換わると、押検出回路11のトランジスタQ6のエミッタ端子の電位も上がる。よって、時刻t9において、押検出回路11から開閉回路10への出力、即ち、D点における出力はローからハイに切り換わる。
【0114】
開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がハイであり、押検出回路11からの出力がハイである場合には、トランジスタQ9がオフになり、その結果として、弁回路10aの電解効果トランジスタQ8,Q10がオフとなる。よって、時刻t9において、AC出力部3からの出力は0V(即ち、オフ)となる。
【0115】
その後、時刻t10において、操作スイッチ50が三度目に押下されると、時刻t2のときと同様に、二次側コイルL2が短絡された結果、時刻t11において、発振回路6からの出力は所定レベル以下となる。よって、時刻t11において、検出回路8からラッチ回路9への出力、即ち、B点の状態はローからハイに切り換わる。これにより、ラッチ回路9におけるIC1の端子Qからの出力が反転される。よって、時刻t11において、ラッチ回路9から開閉回路10への出力(C点での出力)はハイからローに切り換わる。
【0116】
その一方で、操作スイッチ50が押下されると、押検出回路11のトランジスタQ6のエミッタ端子の電位は下がるので、時刻t11において、押検出回路11から開閉回路10への出力、即ち、D点における出力はハイからローに切り換わる。
【0117】
開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がハイであり、押検出回路11からの出力がローである場合には、トランジスタQ9がオンになり、それに伴い、弁回路10aの電解効果トランジスタQ8,Q10がオンとなる。よって、時刻t11において、再び、AC出力部3から電力が出力される(即ち、オンとなる)。
【0118】
その後、時刻t12において、操作スイッチ50が押下されなくなると、時刻t4のときと同様に、発振回路6からブロッキング発振が出力され、時刻t13において、その電圧振幅が十分な大きさとなると、検出回路8からラッチ回路9への出力(即ち、B点における出力)はハイからローに切り換わる。よって、IC1の端子CKへの入力がハイからローに立ち下がるが、かかる場合には、端子Qからの出力は変化しないので、時刻t13におけるラッチ回路9から開閉回路10への出力はローのまま変化しない。
【0119】
その一方で、操作スイッチ50が押下されなくなると、押検出回路11のトランジスタQ6のエミッタ端子の電位は上がるので、時刻t13において、押検出回路11から開閉回路10への出力はローからハイに切り換わる。
【0120】
開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がローであり、押検出回路11からの出力がハイである場合には、トランジスタQ9がオンになる。即ち、時刻13において、トランジスタQ9がオンのまま変化しないので、弁回路10aの電解効果トランジスタQ8,Q10もオンのままであり、その結果として、AC出力部3からは電力が出力されたまま(即ち、オンのまま)となる。
【0121】
電子楽器100の不使用時間が所定時間を超えた場合に、該電子楽器100の制御装置(CPU)は、電子スイッチ装置100へパワーマネジメント入力を行う。このパワーマネジメント入力が、時刻t14においてコネクタ51を介して入力された場合、フォトカプラ12aにおけるフォトトランジスタQ11がオンとなり、それにより、E点における入力はハイとなる。その結果、トランジスタQ4のベース端子の電位が高くなり、トランジスタQ4のベース端子とエミッタ端子との間にかかる電圧が、トランジスタQ4のベース−エミッタ間電圧より低くなり、その結果として、トランジスタQ4はオフとなる。よって、時刻t14におけるF点での出力はローとなる。
【0122】
トランジスタQ4がオフになったことにより、ラッチ回路9におけるIC1の端子PRにはロー入力されるので、IC1の端子Qからの出力は優先的にハイとなる。よって、時刻t14におけるC点での出力はハイとなる。
【0123】
よって、時刻t14において、開閉回路10では、ラッチ回路9からの出力がハイである。一方、操作スイッチ50が押下されていないので、押検出回路11からの出力もハイである。その結果、トランジスタQ9はオフとなり、その結果、電解効果トランジスタQ8,Q10がオフとなる。このように、パワーマネジメント入力があった時刻t14では、AC出力部3からの出力はオフとなる。
【0124】
電子楽器100からのパワーマネジメント入力によりAC出力部3からの出力をオフした後は、操作スイッチ50の押下を待機する状態となるが、ラッチ回路9からの出力がハイに戻された状態で待機しているので、操作スイッチ50の次の押下をスイッチオンの操作として扱うことができる。よって、使用者が操作スイッチ50を押下しても電子楽器100に電力が供給されないことを防ぐことができる。
【0125】
以上説明した通り、本実施形態の電子スイッチ装置1によれば、トランスTR1における1次側コイルL1を共振回路7におけるコイルとして用いることにより、操作スイッチ50の操作の有無を、ブロッキング発振の状態に反映させ、商用交流電源からの電力を電子楽器100へ供給したり遮断したりすることができる。ここで、操作スイッチ50を、一次側コイルL1に対して絶縁された二次側コイルL2の側に設けるので、各国の安全規格に準拠しない安価な操作スイッチ部品を操作スイッチ50として使用したとしても、使用者の安全を確保することができる。
【0126】
また、操作スイッチ50が接続される二次側コイルL2と、一次側コイルL1とが絶縁されていることにより、二次側コイルL2と操作スイッチ50とを接続する電線も、高電圧用の高価な電線でなく安価な電線を使用することができる。また、商用交流電源とは電気的に絶縁されていることにより、輻射ノイズを考慮することなく電線の長さを自在に長くすることができるので、電子スイッチ装置1と操作スイッチ50との配置(レイアウト)を自在に変更することができる。
【0127】
また、本実施形態の電子スイッチ装置1によれば、商用交流電源から電子楽器100への電力を遮断した後は、機械式の操作スイッチ50を操作することにより再び電力供給させることができるので、電気的なスイッチ入力を待機するための電力を不要にでき、それにより、電力消費の無駄を省くことができる。
【0128】
また、本実施形態の電子スイッチ装置1によれば、共振回路7を設けることにより発振回路6をブロッキング発振させることにより、発振回路6を省電力設計したとしても、検出回路8での検出動作を安定させるのに十分な電圧振幅を得ることができる。
【0129】
また、本実施形態の電子スイッチ装置1によれば、電力使用部である電子楽器100の制御装置あるいは他の機器からのパワーマネジメント入力により、商用交流電源から電子楽器100への電力を遮断(オフ)することができるので、電子楽器100の不使用時に無駄な電力が消費されることがない。そして、操作スイッチ50がアンラッチ型のスイッチであり、ラッチ型のスイッチのように次の操作がされるまでは非操作時であっても状態が固定されるものとは異なり、非操作時には必ず二次側コイルL2の両端が開放された状態となるので、電子楽器100の制御装置からのパワーマネジメント入力により電力を遮断すれば、確実に電力の遮断を行うことができる。なお、電子楽器100から電子スイッチ装置100をオフするための入力は、不使用時に出力されるパワーマネジメント入力に限らず、電子楽器100の設計に応じて種々の入力を適用することができる。
【0130】
ここで、電子スイッチ装置1によれば、操作スイッチ50として、アンラッチ型のスイッチを用いているので、非操作時にはトランスTR1の二次側コイルL2の両端が必ず開放されている。よって、電子楽器100から入力されたパワーマネジメント入力によって電力の遮断を行った場合には、その遮断を確実に行うことができ、パワーマネジメント入力がされたにもかかわらず、操作スイッチ50の状態によって電源が遮断されず、無駄に電力が消費されることを防止できる。
【0131】
また、本実施形態の電子スイッチ装置1によれば、ラッチ回路9としてポジティブエッジトリガ形のフリップフロップICを使用したので、検出回路8からの出力が2回立ち上がる毎に、ラッチ回路9(IC1の端子Q)からの出力が元に戻る。よって、かかるラッチ回路9の出力は、アンラッチ型のスイッチにおけるスイッチオンのために操作と、スイッチオフのための操作とを区別することができ。アンラッチ型のスイッチを操作スイッチ50として使用することを可能にしている。
【0132】
また、本実施形態の電子スイッチ装置1によれば、電源投入(AC入力部2を商用交流電源に接続すること)から、ラッチ回路9の端子PR(プリセット端子)へハイが出力されるまでの期間を遅延させるコンデンサC11をリセット回路12に有しているので、電源投入時には必ずラッチ回路9の端子PRへローが出力されることになる。よって、電源投入時には、ラッチ回路9の端子Qからハイが出力されるので、操作スイッチ50が操作しなければ、AC出力部3から電力は供給されない。これにより、AC入力部2を商用交流電源に接続したときに意図せず電子楽器100が駆動することを防止できる。
【0133】
その一方で、操作スイッチ50が押下されている間は、押検出回路11からの出力(D点の出力)が必ずローとなる。そして、押検出回路11からの出力がローであれば、抵抗R23〜R24とトランジスタQ9とにより、ラッチ回路9からの出力(C点の出力)がどのような状態であっても、トランジスタQ9がオンになり、その結果、弁回路10aの電解効果トランジスタQ8,Q10がオンとなり、AC出力部3から電力を出力させることができる。よって、操作スイッチ50を押下(操作)しながら電源投入(即ち、AC入力部2を商用交流電源に接続)することにより、電源投入したタイミングで電子楽器100を駆動させることができる。
【0134】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0135】
例えば、上記実施形態では、操作スイッチ50として、アンラッチ型のスイッチを使用したが、ラッチ型のスイッチであってもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、発振回路6をコルピッツ発振回路として構成したが、他のタイプの発振回路(例えば、ハートレー発振回路など)を発振回路6として使用してもよい。また、セラミック発振子Hを、水晶発振子など他のタイプの発振子としてもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、共振回路7として、一次側コイルL1とコンデンサC3とを直列接続したものの各端を、トランジスタQ1のエミッタ端子及びベース端子に接続する構成としたが、一次側コイルL1をコイルとして少なくとも含み、発振回路6にブロッキング発振を生じさせることができる他の形態の回路を使用してもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、検出回路8はラッチ回路9に検出結果を2値で出力する構成としたが、ブロッキング発振の電圧振幅に基づいたアナログ量を検出回路8から開閉回路10に直接出力し、開閉回路10において閾値を設けて導通と遮断を切替えるように構成してもよい。
【0139】
また、上記実施形態では、発振回路6と、一次側コイルL1とコンデンサC3とから構成される共振回路7とを設け、共振回路7による発振によって、発振回路6(発振部G)にブロッキング発振を生じさせる構成としたが、かかる構成に限らず、A点より前段の回路(即ち、検出回路8へ信号を出力する回路)は、二次側コイルL2が開放されている場合に発振し、二次側コイルが短絡されている場合に発振が停止する(又は、発振の電圧振幅が後段の検出回路8において検出されない大きさとなる)構成であれば、電子スイッチ装置1に適用することができる。
【0140】
例えば、共振回路を設けることなく、即ち、発振回路にブロッキング発振を生じさせることなく、電子スイッチ装置1を構成することも可能である。図4は、変形例としての発振回路60示す回路図である。なお、発振回路60において、上述した発振回路6(図1参照)と同様の機能を果たす部品については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0141】
図4に示す発振回路60は、5つの抵抗R1,R51〜R54と、電解コンデンサC1と、5つのコンデンサC2,C5,C51,C52,C103と、2つのPNP型のトランジスタQ51,Q52と、一次側コイルL1とから構成される。この発振回路60は、発振回路6及び共振回路7に換えて上述した図1の電子スイッチ装置1に設けられる。具体的に、トランジスタQ52のエミッタ端子が、検出回路8におけるダイオードD2のカソード(即ち、+Vcc)に接続される。また、コンデンサC5におけるトランジスタQ52のコレクタ端子に接続されていない側の端(即ち、A点側の端)が、抵抗R8におけるトランジスタQ2のベース端子が接続されていない側の端に接続される。
【0142】
発振回路60を構成する部品のうち、4つの抵抗R51〜R54と、2つのコンデンサC51,C52と、2つのトランジスタQ51,Q52とから構成される回路は、非安定マルチバイブレータ発振回路である。発振回路60では、この非安定マルチバイブレータ発振回路におけるトランジスタQ51のコレクタ端子に、コンデンサC103の一端が接続され、コンデンサC103の他端は、一次側コイルL1の一端に接続される。一次側コイルL1の他端は、トランジスタQ52のコレクタ端子に接続される。
【0143】
かかる構成を有する発振回路60は、二次側コイルL2が開放されているときには、非安定マルチバイブレータ発振回路(トランジスタQ51,Q52、抵抗R51〜R54、コンデンサC51,C52)により生じた発振信号をA点から出力する。一方、操作スイッチ50が操作されたことにより二次側コイルL2が短絡されると、上述した発振回路6と同様、一次側コイルL1のインダクタ値の減少に起因して発振回路60における非安定マルチバイブレータ発振回路の発振が停止する。
【0144】
このように、発振回路60からの出力(検出回路8への入力)の状態は、操作スイッチ50の押下に応じた二次側コイルL2の両端の状態(開放又は短絡)を反映して変化するので、発振回路60を、発振回路6及び共振回路7に換わる電子スイッチ装置1の構成として適用することができる。かかる発振回路60を用いる場合には、セラミック発振子Hを含む発振回路6より安価に発振回路を構成することができる。
【0145】
また、発振手段としての発振回路60及び検出手段としての検出回路8に換えて、一次側コイルL1とワンチップマイコンとにより発振手段と検出手段とを構成してもよい。即ち、ワンチップマイコンにより発振と当該発振の検出とを行う構成としてもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、検出回路8として、6つの抵抗R8〜R13と、ダイオードD2と、コンデンサC7と、2つのトランジスタQ2,Q3とから構成されるフリップフロップ回路を例示したが、ICにより構成してもよい。
【0147】
また、上記実施形態では、操作スイッチ50を操作する毎に検出回路8からラッチ回路9への出力が立ち上がるようにしたが、操作スイッチ50を操作する毎に検出回路8からラッチ回路9への出力が立ち下がるようにしてもよい。かかる場合には、ラッチ回路9のIC1を、ネガティブエッジトリガ形のものとすればよい。
【0148】
また、上記実施形態では、開閉回路10における弁回路10aにおいて、電力線4aの導通と遮断とを切り換えるための部品として、MOS−FET(電解効果トランジスタQ8,Q10)を使用する構成としたが、トライアックや、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などを用いる構成としてもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、トランジスタとしてPNP型のものを使用して回路を構成したが、NPN型のものを使用して回路を構成してもよい。
【0150】
また、上記実施形態の電子スイッチ装置1は、商用交流電源から電力使用部である電子楽器100への電力の供給と遮断とを切り換えるものとしたが、直流電源を電力供給源として、該直流電源から電力使用部への電力の供給と遮断とを切り換えるものとして構成してもよく、かかる場合にも上記実施形態の電子スイッチ装置1と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0151】
1 電子スイッチ装置
2 AC入力部(コネクタ)
4a 電力線(電力供給路)
6 発振回路(発振手段)
7 共振回路(共振手段)
8 検出回路(検出手段)
9 ラッチ回路(ラッチ手段)
10 開閉回路(切換手段)
11 押検出手段(第2の検出手段)
12 リセット回路(初期化手段、第2初期化手段)
12a フォトカプラ(制御入力手段の一部)
50 操作スイッチ
51 コネクタ(制御入力手段の一部)
60 発振回路(発振手段)
C3 コンデンサ(共振手段のコンデンサ)
C11 コンデンサ(第2初期化手段のコンデンサ)
G 発振部
TR1 トランス
L1 一次側コイル
L2 二次側コイル
PR プリセット端子(入力端子)
Q1 トランジスタ(発振手段のトランジスタ)
Q4 トランジスタ(第2初期化手段の出力手段)
Q9 トランジスタ(優先手段の一部)
R22〜R24 抵抗(優先手段の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給源と電力使用部との間に介在され、前記電力供給源から前記電力使用部への電力供給路を導通又は遮断する電子スイッチ装置であって、
一次側コイルと、その一次側コイルに対して絶縁されている二次側コイルとから構成されるトランスと、
そのトランスにおける二次側コイルの両端の短絡と開放とを切り換える操作スイッチと、
前記一次側コイルを含み、所定周波数で発振する発振手段と、
前記発振手段の発振態様を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記電力供給路の導通と遮断とを切り換える切換手段とを備えていることを特徴とする電子スイッチ装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記発振手段からの出力の電圧振幅が所定値を超える場合に、出力を、ハイ又はローのうち予め規定されている第1状態とし、前記発振手段からの出力の電圧振幅が所定値以下である場合に、出力を、前記第1状態とは異なる第2状態とし、
前記切換手段は、前記検出手段からの出力に基づいて、前記電力供給路の導通と遮断とを切り換えることを特徴とする請求項1記載の電子スイッチ装置。
【請求項3】
電力供給源と電力使用部との間に介在され、前記電力供給源から前記電力使用部への電力供給路を導通又は遮断する電子スイッチ装置であって、
一次側コイルと、その一次側コイルに対して絶縁されている二次側コイルとから構成されるトランスと、
そのトランスにおける二次側コイルの両端の短絡と開放とを切り換える操作スイッチと、
所定周波数で発振する発振部を備えた発振手段と、
前記一次側コイルを含み、前記操作スイッチが前記二次側コイルの両端を開放している場合に、前記発振手段の発振部にブロッキング発振を生じさせる共振手段と、
前記発振手段からの出力である前記ブロッキング発振の発振態様を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記電力供給路の導通と遮断とを切り換える切換手段とを備えていることを特徴とする電子スイッチ装置。
【請求項4】
前記発振手段は、前記発振部を発振させるためのトランジスタをさらに備え、発振信号を前記トランジスタのエミッタから出力し、
前記共振手段は、前記一次側コイルと直列に接続されたコンデンサを有し、該直列に接続された一次側コイルとコンデンサとの一端を前記発振手段におけるトランジスタのエミッタに接続すると共に、他端を当該トランジスタのベースに接続したものであり、
前記検出手段は、前記発振手段からの出力である前記ブロッキング発振の電圧振幅が所定値を超える場合に、出力を、ハイ又はローのうち予め規定されている第1状態とし、前記ブロッキング発振の電圧振幅が所定値以下である場合に、出力を、前記第1状態とは異なる第2状態とし、
前記切換手段は、前記検出手段からの出力に基づいて、前記電力供給路の導通と遮断とを切り換えることを特徴とする請求項1記載の電子スイッチ装置。
【請求項5】
前記操作スイッチは、アンラッチ型のスイッチであり、
前記検出手段からの入力が前記第1状態から前記第2状態に切り換わる毎に、出力の状態を反転させてラッチするラッチ手段を備え、
前記切換手段は、前記ラッチ手段からの出力に基づいて、前記電力供給路の導通と遮断とを切り換えることを特徴とする請求項2又は4に記載の電子スイッチ装置。
【請求項6】
ラッチ手段は、ハイ又はローのうち予め規定されている第3状態が入力された場合に、出力状態を優先的に前記切換手段が前記電力供給路を遮断する状態とする入力端子を有しており、
制御信号を入力する制御入力手段を備え、
前記制御入力手段から入力された制御信号に基づき、前記入力端子への出力状態を、前記第3状態とは異なる第4状態から、前記第3状態に切り換える初期化手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の電子スイッチ装置。
【請求項7】
ラッチ手段は、ハイ又はローのうち予め規定されている第3状態が入力された場合に、出力状態を優先的に前記切換手段が前記電力供給路を遮断する状態とする入力端子を有しており、
電力供給源に接続するコネクタと、
前記コネクタが前記電力供給源に接続されると電荷が蓄電され、前記コネクタが前記電力供給源から取り外されると放電するコンデンサと、そのコンデンサの電荷量が所定量以下である場合に前記入力端子への出力状態を前記第3状態とし、前記コンデンサの電荷量が所定量を超える場合に前記入力端子への出力状態を前記第4状態とする出力手段とを含んで構成される第2初期化手段とを備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子スイッチ装置。
【請求項8】
前記発振手段からの出力の電圧振幅が所定値を超える場合に、ハイ又はローのうち予め規定されている第5状態を出力し、前記発振手段からの出力の電圧振幅が所定値以下である場合に、前記第5状態とは異なる第6状態を出力する第2の検出手段を備え、
前記切換手段は、前記第2の検出手段からの入力が第6の状態である場合に、前記ラッチ手段からの入力に優先させて前記電力供給路を導通させる優先手段を含むことを特徴とする請求項7記載の電子スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−199591(P2011−199591A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64083(P2010−64083)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000116068)ローランド株式会社 (175)
【Fターム(参考)】