電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
【課題】剛性の基体上に感光層を有する電子写真感光体の削れを低減できるようにする。
【解決手段】電子写真感光体ドラム1の感光層1bの長手方向長さをLe、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記現像剤を用いて前記潜像を現像する現像剤担持体46の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレード6fの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとする。
【解決手段】電子写真感光体ドラム1の感光層1bの長手方向長さをLe、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記現像剤を用いて前記潜像を現像する現像剤担持体46の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレード6fの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びそれらの複合機(マルチファンクションプリンタ)等が含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、この電子写真感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つを一体的にカートリッジ化したものである。そしてこのカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
【背景技術】
【0004】
電子写真画像形成装置においては、ハーフトーン画像の再現性や、画像の過剰なエッジ効果の抑制などの利点から、接触現像方式が広く用いられている。接触現像方式とは、現像手段の有する現像剤担持体を電子写真感光体に接触させ、電子写真感光体に形成された潜像を現像剤(トナー)を用いて現像する方式を言う。
【0005】
接触現像方式の構成としては、電子写真感光体と現像剤担持体が電子写真感光体や現像剤担持体の回転軸方向で均一に密着するように、一方を弾性体(弾性体にバックアップされたシートなどを含む)とし、他方を剛体とすることが一般的である。最も簡易な構成は、電子写真感光体を剛体とし、現像剤担持体を弾性体とする構成である。特に画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとして、電子写真感光体及び現像剤担持体を含むように構成される場合に、上記の組合せで用いられることが多い。
【0006】
プロセスカートリッジの有する現像枠体の開口部に取り付けられる円筒状の現像剤担持体(現像ローラ)において、現像剤担持体の回転軸方向(以下、長手方向と呼ぶ)の端部での現像剤シール方法は、大きく分けて2通りある。
【0007】
1つは現像ローラ周面シール方式である。この方式では、上記開口部の長手方向長さよりも長い現像ローラを用いる。そして現像枠体において現像ローラの周面と対向させて設けられた両端部を円弧状に形成して該両端部にフェルト材やモルトプレンのようなシール部材を貼り付ける。そしてそのシール部材を現像ローラの周面に押し当てて現像剤をシールする。
【0008】
他の1つは現像ローラ断面シール方式である。この方式では、上記開口部の長手方向長さよりも若干短い現像ローラを用いる。そして現像枠体において現像ローラの現像剤を担持する周面部の断面(長手方向に垂直な断面)と対向させて設けられた両側壁部により、該現像ローラの周面部の内部に設けられた軸芯を回転自在に保持する。そして両側壁部と現像ローラ周面部との間の隙間にフェルト材やモルトプレンのようなシール部材を配置して現像剤(トナー)をシールする。
【0009】
上記2通りのシール方式は、現像剤のシール能力には一長一短があるが、組み立てしやすさでは現像ローラ周面シール方式が勝る。現像ローラ周面シール方式を採用した場合には、現像ローラの周面に現像剤が担持されている領域(現像剤コート領域)と、担持されていない領域(現像剤非コート領域)とが生じる。
【0010】
また、現像ローラに接する電子写真感光体上には、当然ながら若干の現像剤が付着する可能性がある。そのため、電子写真感光体と接触して電子写真感光体上の現像剤を除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードの長手方向長さは、上記2通りのシール方式に拠らず、現像ローラの長手方向長さより大きく設定されることが常であった(特許文献1)。例外的に特許文献1に示すように、現像ローラの長さがクリーニングブレードの長さよりも短くした例がある。特許文献2では、可撓性を有する電子写真感光体の使用時に発生する固有の問題の解決を図ったものである。
【特許文献1】特開平06−230650号公報
【特許文献2】特開2005−221858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
電子写真感光体が剛体で且つ接触現像方式の電子写真画像形成装置において、現像剤担持体長さ<クリーニングブレード長さとする。すると、電子写真感光体と現像剤担持体の接触領域の端部で電子写真感光体の感光層が大きく削れる。その感光層が削れると、現像ローラ等からリークしてしまい、画像不良が発生することがある。
【0012】
本件発明者等は、電子写真感光体の感光層の削れの一因は、電子写真感光体と現像剤担持体間における介在物の有無の差であることを見出した。前述のように、現像剤担持体には、現像剤コート領域と現像剤非コート領域がある。そして、電子写真感光体と現像剤担持体との間に現像剤が介在していない現像剤非コート領域では、現像剤担持体が直接電子写真感光体を摺擦・研磨し、電子写真感光体の感光層の削れを助長していた。現像剤に拠らず、感光層の削れ粉などでも電子写真感光体と現像剤担持体との間に摺擦・研磨を緩衝する介在物が存在すれば、感光層の削れは抑制される。しかしながら、クリーニングブレードが電子写真感光体上に存在するほぼ全ての介在物をクリーニングしてしまうため、感光層の削れは抑制されないことが判明した。削れた部分は絶縁耐力が低下するため、例えば現像バイアスのリークを誘引し画像不良を引き起こす原因となっていた。
【0013】
本発明の目的は、剛性の基体上に感光層を有する電子写真感光体の削れを低減できる電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体に潜像を形成する露光装置と、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記現像剤を用いて前記潜像を現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有する電子写真画像形成装置において、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するための構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジであって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムに形成された潜像を前記現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有するプロセスカートリッジにおいて、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、剛性の基体上に感光層を有する電子写真感光体の削れを低減できる電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を図面に基づいて説明する。この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0018】
(1)電子写真画像形成装置例の全体構成
図1は本発明に係る電子写真画像形成装置の一例の全体構成模型図である。この画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを用いたタンデム型のフルカラーレーザービームプリンタである。
【0019】
図1において、Y・M・C・Bkはそれぞれフルカラー画像の色分解成分色に対応するイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー画像を形成する第1〜第4の4つの作像ステーションであり、装置本体100内に下から上に順に並列配置してある。
【0020】
作像ステーションY・M・C・Bkは、それぞれ、像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムと称する)1(a〜d)、帯電手段2(a〜d)、露光手段としてのレーザースキャナユニット3(a〜d)等の電子写真プロセス機器を有する。また、作像ステーションY・M・C・Bkは、それぞれ、現像手段4(a〜d)、クリーニング手段6(a〜d)等の電子写真プロセス機器を有している。
【0021】
スキャナユニット3(a〜d)は、画像情報に基づいてレーザービームLを感光体ドラム1(a〜d)の一様帯電処理面に照射し、感光体ドラム上に静電潜像を形成する。このスキャナユニット3(a〜d)は、感光体ドラム1(a〜d)の水平方向に配置され、レーザーダイオード(不図示)、スキャナモーター(不図示)、ポリゴンミラー9(a〜d)、結像レンズ10(a〜d)等を有している。
【0022】
5は感光体ドラム1(a〜d)上に形成したトナー画像を記録媒体(転写材)S上に転写させる静電転写手段である。この静電転写手段5には、感光体ドラム1(a〜d)に対向し且つ接するように循環移動するエンドレスの転写ベルト11が駆動ローラ13、2本の従動ローラ14a・14b、テンションローラ15の4本のローラ間に掛け渡されて縦方向に配設されている。12(a〜d)は転写ローラであり、それぞれ、感光体ドラム1(a〜d)との間に転写ベルト11を挟むように転写ベルト11の内周面に接触させて並設してある。
【0023】
16は画像形成装置の筐体を構成する装置本体100の下部に配設した記録媒体給送部であり、静電転写手段5の転写ベルト11に記録媒体Sを給送搬送するものである。この給送部16において、17は給送カセットであり、複数枚の記録媒体Sが収納されている。18は給送ローラ、19はレジストローラ、22は静電吸着ローラである。
【0024】
20は装置本体100の上部に配設した定着部であり、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものである。回転する加熱ローラ21a、これと接触して記録媒体Sに圧力を与える加圧ローラ21b、排出ローラ対23、排出部24等を有している。25は装置本体100の上部に設けられた排出トレイである。
【0025】
画像形成シーケンスの所定の制御タイミングに合わせて作像ステーションY・M・C・Bkが順次駆動され、感光体ドラム1(a〜d)が矢印方向に回転駆動される。また、転写ベルト11が駆動ローラ13により矢印方向に感光体ドラム1(a〜d)の回転周速度に対応した周速度で回転駆動される。
【0026】
感光体ドラム1(a〜d)の外周面(表面)はその回転過程で帯電手段2(a〜d)により所定の極性(本実施例では負極性)及び電位に均一に1次帯電処理される。その帯電処理面に対してスキャナユニット3(a〜d)より出力される画像情報に応じて変調されたレーザー光Lによる像露光がなされて、感光体ドラム1(a〜d)表面に画像情報の静電潜像が形成される。即ち、スキャナユニット3(a〜d)のレーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が出力され、その画像光がスキャナモーター(不図示)によって高速回転されるポリゴンミラー9(a〜d)に照射される。ポリゴンミラー9(a〜d)によって反射した画像光は、結像レンズ10(a〜d)を介して、帯電済みの感光体ドラム1(a〜d)表面を選択的に露光する。これによって感光体ドラム1表面に静電潜像を形成する。
【0027】
その静電潜像が現像手段4(a〜d)によってトナー(現像剤)を用いてトナー画像として現像(本実施例では負極性トナーを用いた反転現像)される。これにより、作像ステーションY〜Bkの感光体ドラム1(a〜d)表面にそれぞれ電子写真プロセスによりフルカラー画像の色分解成分色像である、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像が所定のシーケンス制御タイミングにて形成される。
【0028】
一方、所定の制御タイミングにおいて、給送部16の給送ローラ18が回転駆動される。これによってカセット17内の記録媒体Sが1枚毎分離給送される。その記録媒体Sの先端がその時点では回転停止状態にあるレジストローラ対19のニップ部に突き当って受け止められて一旦停止する。そして、転写ベルト11の回転と感光体ドラム1(a〜d)に形成されるトナー画像との同期をとって、レジストローラ対19が回転駆動される。これによって記録媒体Sが静電吸着ローラ22と転写ベルト11との間へ給送される。記録媒体Sは静電吸着ローラ22と転写ベルト11とによって挟み込まれ転写ベルト11の外周面(表面)に接触する。そして転写ベルト11と静電吸着ローラ22との間に電圧が印加されることにより、誘電体である記録媒体Sと転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起させる。そして記録媒体Sが静電転写ベルト11表面に静電吸着する。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11に安定して吸着され、転写ベルト11移動方向において最上流の転写部から転写ベルト11の移動によって最下流の転写部まで搬送される。
【0029】
このように搬送されながら記録媒体Sは、感光体ドラム1(a〜d)と転写ローラ12(a〜d)との間に形成される電界によって、感光体ドラム1(a〜d)のトナー画像の順次重畳転写を受ける。本実施例では、転写ローラ12(a〜d)から正極性の電荷が転写ベルト11を介して記録媒体Sに印加される。この電荷による電界により、感光体ドラム1(a〜d)に接触中の記録媒体Sに感光体ドラム1上の負極性のトナー画像が転写される。
【0030】
即ち、記録媒体Sは転写ベルト11の面に静電吸着して保持され、転写ベルト11の回転により下から上に搬送されていく。そしてその搬送過程で作像ステーションY・M・C・Bkの各転写部にて感光体ドラム1(a〜d)の面にそれぞれ形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像の重畳転写を順次に受ける。これにより記録媒体Sの面に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。
【0031】
4色のトナー画像の重畳転写を受けた記録媒体Sは、駆動ローラ13近傍の転写ベルト11から曲率分離して定着部20に搬送される。そして、記録媒体Sは回転する加熱ローラ21aと、これと接する加圧ローラ21bとによって形成されるニップ部(定着ニップ部)により挟持搬送される。これによって記録媒体Sはローラ対21a・21bにより熱と圧力を与えられる。これにより複数色のトナー画像が記録媒体Sの面上に加熱定着される。記録媒体Sは、定着部20で上記のトナー画像定着を受けた後、排出ローラ対23によって排出部24から装置本体100外の排出トレイ25に排出される。
【0032】
作像ステーションY・M・C・Bkにおいて、記録媒体Sへのトナー画像転写後の感光体ドラム1(a〜d)表面はクリーニング手段6(a〜d)によって転写残トナー等の残存付着物が除去され、繰り返して作像に供される。
【0033】
(2)プロセスカートッジ
作像ステーションY・M・C・Bkには、プロセスカートリッジ7(a〜d)が取り外し可能に装着されている。カートリッジ7(a〜d)は、それぞれ、感光体ドラム1(a〜d)、帯電手段2(a〜d)、現像手段4(a〜d)、クリーニング手段6(a〜d)を有する。そしてカートリッジ7は装置本体100に対して着脱可能である。
【0034】
カートリッジ7(a〜d)の装置本体100に対する着脱操作は、装置本体100の正面開閉ドアー26を開けて装置本体100内のカートリッジ挿入口27(図5)を大きく開放した状態にしてなされる。
【0035】
即ち、装置本体100の正面カバー部分は、その内側の静電転写手段5を含めて装置本体100に対して開閉可能なドアー26にしてある。そしてこのドアー26は手前側に開くことによって、下部のヒンジ軸27(図1)を中心に装置本体100の手前側に開くことができる。このドアー26によって挿入口27を開放した状態にすることができる(図5)。
【0036】
以下の説明において、カートリッジ又はこれを構成している部材の短手方向とはカートリッジを装置本体に着脱する方向である。また、長手方向とはカートリッジを装置本体に着脱する方向と交差する方向である。カートリッジに関し、背面とはカートリッジを装置本体正面側から見てその反対側の面、左右とはカートリッジを装置本体正面側から見て左又は右である。またカートリッジの上面とはカートリッジを装置本体へ装着した状態で上方に位置する面であり、下面とは下方に位置する面である。
【0037】
図2は本発明に係るプロセスカートリッジの一例の構成模型図である。図3と図4はそれぞれそのプロセスカートリッジの斜視模型図である。
【0038】
作像ステーションY・M・C・Bkにおけるカートリッジ7(a〜d)において、現像手段4(a〜d)のトナー容器に収納させた現像剤は第1の作像ステーションYのカートリッジ7aではイエロー色のトナーである。第2の作像ステーションMのカートリッジ7bではマゼンタ色のトナーである。第3の作像ステーションCのカートリッジ7cではシアン色のトナーである。第4の作像ステーションBkのカートリッジ7dではブラック色のトナーのトナーである。この点を除いてカートリッジ7(a〜d)は同一の構成である。
【0039】
図2に示すように、カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電手段2、及びクリーニング手段6を備えた第一枠体としてのクリーニングユニット50と、現像手段4を有する第二枠体としての現像ユニット40と、を備えている。
【0040】
クリーニングユニット50には、感光体ドラム1が回転自在に保持されるとともに、該感光体ドラム1表面に沿って帯電手段2とクリーニング手段6が配置されている。そのクリーニング手段6によって感光体ドラム1表面から除去された転写残トナー等の残存付着物はトナー送り機構52によってクリーニング枠体51の後方に設けられた除去トナー室53に送られる。帯電手段2は接触帯電方式のものを使用する。帯電手段2としての帯電部材はローラ状に形成された導電性ローラである。この導電性ローラ2を感光体ドラム1表面に接触させ、そのローラ2に帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
【0041】
現像ユニット40は、トナー容器41と、現像枠体45と、を有する。トナー容器41内に収納されたトナー(不図示)は該トナー容器41内に設けられたトナー搬送機構42によって、現像枠体45に回転自在に保持された現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ43へ送り込まれる。また、現像枠体45は、長手方向において、感光体ドラム1表面側に開口部45aを有するとともに、その開口部45aの両側に現像剤担持体としての現像ローラ46の両端部内側を保持する保持部45bを有する。その保持部45bの現像ローラ46側の面は円弧状に形成され、その円弧面上にはフェルト材やモルトプレンのようなシール部材73が設けられている。そして現像ローラ46は、該現像ローラの軸の両端部を側板に回動自在に保持されている。現像ローラ46は、該現像ローラ46の外周面(表面)がシール部材73に押し当てられた状態で保持されている(現像ローラ周面シール方式)。供給ローラ43と現像ローラ46はそれぞれ感光体ドラム1と平行に配設してある。また、現像枠体45には、現像剤塗付部材としての現像ブレード44が設けてある。その現像ブレード44を供給ローラ43の外周面(表面)及び現像ローラ46表面に接触されることによって、現像ローラ46表面に摩擦帯電されたトナーが均一に塗布される。そして現像ローラ46に現像バイアスを印加することにより現像ローラ46表面から感光体ドラム1表面にトナーを転移させ、そのトナーにより感光体ドラム1表面の潜像を現像してトナー像(現像像)とする。
【0042】
感光体ドラム1はその両端部が支持部材64・65(図3)によってクリーニング枠体51に回転自在に支持されている。支持部材64・65は、カートリッジ7を装置本体100に装着する際に把手する把手部82・83とクリーニング枠体51との間に配置されている。感光体ドラム1の一方の端部には装置本体100に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力を伝達されるカップリング部材70が設けられている。このカップリング部材70によって感光体ドラム1は回転される。またこの感光体ドラム1の回転に連動してギア列(不図示)を介して上記のトナー送り機構52が駆動される。
【0043】
また、クリーニング枠体51には、感光体ドラム1を保護するシャッター部材72を具備させてある。シャッター部材72は開閉機構(不図示)によりカートリッジ7の正面側である感光体ドラム外部露出開口部を閉じる閉じ位置(図2・図3)と、感光体ドラム外部露出開口部から上方または下方にシフトした開き位置(図2の2点鎖線示)とに開閉可能である。シャッター部材72は、カートリッジ7が装置本体100から取り出されている状態においては、閉じ位置に保持されている。そして、感光体ドラム1の外部露出面を覆って保護している。また、シャッター部材72は、カートリッジ7が装置本体100に挿入されて装置本体100の正面ドアー26(図1)が閉じられると、そのドアー26の閉じ動作に連動する手段により開き位置に移動する。そして感光体ドラム1の外部露出面に転写ベルト11が接触した状態になる。
【0044】
現像ユニット40は、該現像ユニット40全体がクリーニングユニット50に対して回動自在に支持された吊り構造となっている。即ち、現像ユニット40は、トナー容器41の長手方向両側に軸受部材47・48(図4)を一体に有し、その軸受部材47・48にはそれぞれ回動中心となる穴47a・48aが設けられている。そしてその穴47a・48aにクリーニング枠体51に嵌合する結合軸62・63が挿入されることによって、現像ユニット40がクリーニング枠体51に回動自在に取り付けられる。55は感光体ドラム1表面にレーザー光Lを導入するための露光開口部である。この露光開口部55は、現像ユニット40をクリーニング枠体51に回動自在に取り付けた際に、現像ユニット40とクリーニングユニット50との間に形成される。
【0045】
またカートリッジ7の単体状態(装置本体100に装着されていない状態)においては、軸受部材47・48の回動中心となる穴47a・48aに挿入された結合軸62・63を中心にして、回転モーメントにより現像ローラ46を感光体ドラム1に接触させる。そのために、現像ユニット40を押圧するための弾性部材として軸受部材47側には押圧バネ54が、軸受部材48側には引張バネ(不図示)がクリーニングユニット50と現像ユニット40の間に配置されている。
【0046】
71(図4)は現像ユニット40の軸受部材47に結合軸63によって回転自在に保持させたカートリッジ駆動ギア(はす歯ギア)である。カートリッジ7が装置本体100に装着された状態において、駆動ギア71は装置本体100側の本体駆動ギア(はす歯ギア:不図示)と噛合して、本体駆動ギア側から駆動力を受ける。この駆動ギア71の回転によりギア列(不図示)を介して、現像ローラ46、トナー搬送機構42、トナー供給ローラ43が駆動される。
【0047】
(3)プロセスカートリッジの装着方法
次にカートリッジ7の装置本体100への装着について図5・図6を用いて説明する。
【0048】
図5は装置本体100の正面ドアー26を開いた状態を表わす説明図である。図6はカートリッジ7を装置本体100に装着するときの状態を表わす説明図である。
【0049】
カートリッジ7(a〜d)の装置本体100に対する着脱操作は、装置本体100の正面ドアー26を開けて装置本体100内のカートリッジ挿入口27を大きく開放した状態にしてなされる。ドアー26の装置本体100に対する閉じ状態は掛け止め機構(不図示)によりロックされている。その掛け止め機構によるロックを解除してドアー26を下部のヒンジ軸26aを中心に装置本体100の手前側に倒し開く。これによって装置本体100内の挿入口27を大きく開放した状態にすることができる。
【0050】
挿入口27にはカートリッジ7を画像形成位置に導く本体ガイド80・81が装置本体100の左側板31と右側板32の内側に取り付けられている。挿入口27にはカートリッジ7が垂直方向に4台個々に挿入可能である。下側からイエロー挿入口、マゼンタ挿入口、シアン挿入口、ブラック挿入口とする。左側板31と右側板32との間には中間板93が設けられている。この中間板93にはスキャナー3からのレーザー光Lを通過させる照射窓95が設けられている。
【0051】
イエロー挿入口、マゼンタ挿入口、シアン挿入口、ブラック挿入口におけるカートリッジ装着機構は同一の構成である。ここでは代表して最下段のイエロー挿入口にカートリッジ7(7a)を挿入する場合を説明する。
【0052】
まず、操作者は把手部82・83を左右の手で握ってカートリッジ7を持つ。そしてカートリッジ7の短手方向においてカートリッジ7を背面側から挿入口27に挿入する(図5、図6)。その際に、カートリッジ7の軸受部材48の下面48cとクリーニング枠体51の下面51fをそれぞれ本体ガイド80・81に設けられているラフガイド部86・87に載せる。本体ガイド80・81にはボスガイド88・89が設けられている。このボスガイド88・89は、クリーニング枠体51の両側面に設けられたボス51d・51eと係合し、カートリッジ7の装置本体100内での回転を規制する。カートリッジ7を更に挿入すると、ボス51d・51eがボスガイド88・89に乗り上げて案内される。
【0053】
また本体ガイド81にはカートリッジ7を長手方向に押圧する本体押圧手段84(下側から84a〜84d)が設けられている。そしてカートリッジ7を装置本体100内に挿入する過程において、押圧手段84がカートリッジ7の右側面、本実施例ではクリーニング枠体51の右側面に設けられたガイド部85(図3)と接する。これによってカートリッジ7をその長手方向で左側板31の方向に押圧する。
【0054】
カートリッジ7を装置本体100内へ更に挿入していくと、カートリッジ7はガイド部85に対する押圧手段84による押圧力を受ける。そしてこの押圧力により押圧手段84が配置されている右側板32側とは反対側即ち左側板31側に付勢されながら装着される。そしてクリーニング枠体51の端部には装置本体100内で位置決めされるための突き当て面51cが設けられている。そしてこの突き当て面51cが挿入過程において本体ガイド80の端面に接することにより、カートリッジ7の装置本体100内での長手方向の位置決めがなされる。
【0055】
更にカートリッジ7を挿入して、カートリッジ7の軸受部材64を左側板31に設けたガイド溝34(下側から34a〜34d)に沿って移動させるとともに軸受部材65を右側板31に設けたガイド溝34(下側から34e〜34h)に沿って移動させる。すると、軸受部材64が左側板31のガイド溝34の突き当て面37(下側から37a〜37d)に、軸受部材65が右側板31のガイド溝34の突き当て面37(下側から37e〜37h)に、それぞれ突き当る。これにより、カートリッジ7の装置本体100に対する短手方向の位置が決まる。このようにカートリッジ7が装置本体100に位置決めされた状態において、カートリッジ7に設けられた帯電バイアス印加用の帯電バイアス電気接点(不図示)と、装置本体に設けられた帯電バイアス本体電気接点(不図示)が接触して電気的に導通状態になる。これによりその帯電バイアス電気接点を通じて帯電ローラ2への帯電バイアスの印加が可能となる。また、カートリッジ7に設けられた現像バイアス印加用の現像バイアス電気接点(不図示)と、装置本体に設けられた現像バイアス本体電気接点(不図示)とが接触して電気的に導通状態になる。これによりその現像バイアス電気接点を通じて現像ローラ46への現像バイアスの印加が可能となる。また、カートリッジ7に設けられた駆動ギア71が装置本体100の本体駆動ギア(不図示)に噛合した状態になる。
【0056】
上述の最下段のイエロー挿入口に対するカートリッジ7(7a)の挿入と同様に、マゼンタ挿入口、シアン挿入口、ブラック挿入口に対するカートリッジ7(7b・7c・7d)の挿入がなされる。
【0057】
次いで、開かれている正面開閉ドアー26を装置本体100に対して閉じる。そしてその閉じ状態を掛け止め機構(不図示)によりロックする。このドアー26の閉じ動作に連動する手段によって、
1)装置本体100内での各カートリッジ7の短手方向の押圧位置決め
2)各カートリッジ7のシャッター部材72の開き位置への移動
3)各カートリッジ7のカップリング部材70に対する装置本体100の動力伝達カップリング部材の係合
がなされる。
【0058】
上記のような各カートリッジ7の装置本体100に対する装着状態において、各カートリッジ7のカップリング部材70に対して装置本体100側の動力伝達カップリング部材が係合した状態にある。これによって、装置本体100側の駆動モータ(不図示)からの駆動力がカップリング部材70に伝達されて各カートリッジ7の感光体ドラム1が図1において矢印方向に回転駆動可能となる。またこの感光体ドラム1の回転に連動して不図示のギア列(不図示)を介して除去トナー室53のトナー送り機構52が駆動可能となる。
【0059】
また、各カートリッジ7のカートリッジ駆動ギア71が装置本体100側の不図示の本体駆動ギア(不図示)に噛合した状態にある。これによって、駆動ギア71が本体駆動ギア側から駆動力を受ける。そしてこの駆動ギア71の回転によりギア列(不図示)を介して、各カートリッジ7の現像ローラ46、トナー搬送機構42、トナー供給ローラ43が駆動される。
【0060】
装置本体100内からの各カートリッジ7の取出しは上記の装着時とは逆手順でなされる。すなわち、前記掛け止め機構によるロックを解除する。そして、ドアー26を下部のヒンジ軸26aを中心に装置本体100の手前側に倒し開く。このドアー26の開き動作に連動する手段により、カップリング部材70に対する動力伝達カップリング部材の係合が解除される。また、シャッター部材72が閉じ位置へ移動する。この状態において、カートリッジ7の把手部82・83を手で握って、カートリッジ7を装着時とは逆方向に引き抜く。これによって、各カートリッジ7を装置本体100内から取り出すことができる。
【0061】
(4)感光体ドラム、現像ローラ、及びクリーニング手段の構成
図7乃至図9を参照して、感光体ドラム1、現像ローラ46、及びクリーニング手段6についての構成を説明する。
【0062】
図7は感光体ドラム1、現像ローラ46、シール部材73及びクリーニング手段6の縦断面図である。図8は感光体ドラム1、現像ローラ46、シール部材73及びクリーニング手段6の有するクリーニングブレード6fの長手方向長さを表わす展開図である。図9はクリーニングブレード6fの感光体ドラム1表面に対する接触圧の測定方法を表わす説明図である。
【0063】
1)感光体ドラム
本実施例に示す感光体ドラム1は、剛性の基体1aを有する。基体1aとして、例えば直径30mmで厚さ0.7mmのアルミ素管を有する。その基体1aの外周面上(基体1a上)には、感光層1bとして、有機光導電層を塗布している。感光層の厚さは感光体ドラム1の端部付近で18μm程度となっている。感光層1aの削れを抑制するために、感光層1aの材料は、削れ難いポリアリレート樹脂を含有した感光層を使用する。今回、感光層1aの塗付領域Leは、図8に示すように、現像ローラ46の長手方向長さLdrと等しくした。感光層1aの塗付領域Leは、現像ローラ46の長手方向長さLdrと同じかそれより長ければ良い。同図において、Lrはスキャナユニット3によりレーザー光によって感光体ドラム1の長手方向(主走査方向)に形成される潜像の主走査方向幅、つまり潜像の領域幅である。本実施例において、潜像の主走査方向幅Lrは、印字保証領域である208mmに設定してある。以下、Lrを画像形成領域と記す。また、感光層の長手方向長さであるLeは、256.5mmに設定してある。
【0064】
2)現像ローラ
本実施例に示す現像ローラ46は、SUSの芯金46aの外周面上に直径16mmとなるように導電性の弾性体46bを有している。−50V印加時の体積抵抗は、現像性、段ムラ等の観点から105〜106Ω程度とした。また硬度は、AskerC硬度で50°、MD1硬度で40°となっている。芯金46aの両端部は、感光体ドラム1表面に対し弾性体46bが40μm侵入するように現像枠体45に回転可能に支持されている。芯金46aの一端はギア(不図示)を介して前記の駆動ギア71に接続されている。そして現像ローラ46は、現像時には周速281mm/secをもって回転し感光体ドラム1上の静電潜像をトナーにより現像する。また、芯金46aの端部から現像時に300Vの現像バイアスを印加している。また、現像枠体45の長手方向両端部からのトナー漏れを防止するために、弾性層46bの端部周面には前記のシール部材73を接触させてある。このため、本実施例においては、図8に示すように、現像ローラ46の長手方向長さLdrのうち、現像ブレード44によってトナーが塗付されるシール部材73・73の内側端の間をトナーコート領域(現像剤を担持する担持領域)Ltとしている。そしてシール部材73・73の内側端から外側をトナーが塗付されない非トナーコート領域(現像剤を担持しない非担持領域)Lntとしている。従って、非トナーコート領域Lntはトナー等の介在物が存在しない領域である。
【0065】
3)クリーニング手段
本実施例に示すクリーニング手段6は、SUS板金6eと、その板金6eの先端に弾性を有するゴムチップを圧着させて設けられたクリーニングブレード6fと、を有する。そのブレード6fの先端は感光体ドラム1表面に対して所望の角度と侵入量で接触されている。このブレード6fによって感光体ドラム1表面から転写残トナー等の残存付着物を除去し、感光体ドラム1表面をクリーニングする。そのブレード6fの先端には、良好なクリーニング性を維持するために、潤滑剤が塗布されている。
【0066】
ここで、クリーニング手段6において、表1より、良好なクリーニング性を確保する為に、ブレード6fの感光体ドラム1表面に対する接触圧(当接圧)は、65〜120g/cmで設定する事が望ましい。
【0067】
【表1】
【0068】
本実施例では、感光体ドラム1表面に対するブレード6fの接触圧は、図9のようにして測定した。ブレード6fを長手方向に1cm幅に切断し、そのブレード6fをモータMにより矢印方向に移動自在なブレード台201に取り付け、所望の設定角θに設定する。そしてモータMを駆動させブレード台201を降下させてブレード6fの先端部を荷重センサ202の受け板202aに接触させる。次いで求めたい侵入量δ分だけブレード台201を降下させブレード6fの先端部を侵入量δ分だけ降下させて受け板14aに押し当てる。そのときの荷重センサ202の荷重出力値(電圧)をアンプ203により増幅し、その増幅値を電圧計204により読み取る。予め求めておいた荷重出力の単位電圧あたりの荷重に基づき荷重出力値から荷重を求めると、ブレード6fの接触圧、即ちブレード6fの幅1cm当たりの線圧が得られる。
【0069】
(5)現像ローラとクリーニングブレードの長手方向長さの関係
図8に示すように、現像ローラ46の感光体ドラム1と接触する長手方向長さをLdrとし、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さをLclとする。そして、感光体ドラム1の削れ、つまり感光層1bの削れ(以下、ドラム削れと記す)を低減するために、Ldr>Lclとする。この場合、介在物の存在しない非トナーコート領域Lntにおいて、現像ローラ46表面と感光体ドラム1表面との接触領域、又は感光体ドラム1表面とブレード6fとの接触領域でドラム削れにより感光層1bの削れ粉pが発生する。ブレード6fよりも長手方向外側で発生した削れ粉pはブレード6fによりクリーニングされることはない。その削れ粉pは、非トナーコート領域Lntにおいて、現像ローラ46表面、又は感光体ドラム1表面に留まり、介在物として、感光層1bの削れを抑制(低減)する。
【0070】
(6)ドラム削れと解決策の検討
画像形成装置においてドラム削れに起因して発生する画像不良(リーク画像)を改善する為、I)トナーコート領域及びトナーコート領域におけるドラム削れと、II)解決策について検討を行った。
【0071】
I)トナーコート領域及び非トナーコート領域のドラム削れ
比較例として、上記のLclとLdrの関係をLcl>Ldrに設定したフルカラーレーザービームプリンタ(Color LaserJet 4700dn)を用いて、23℃/50%Rh環境にて2枚間欠耐久を印字率1%で24000枚行った。そのときのドラム削れを図10に示す。本比較例において、Ldrを238.6mmとし、Lclを241mmとしている。
【0072】
図10に示すように、ドラム削れは、トナーコート領域に対し、非トナーコート領域よりも大きくなるという特徴を持つ。
【0073】
比較例のプリンタにおいて、トナーコート領域には、感光体ドラム表面と現像ローラ表面との間に、介在物としてトナーが存在する。このため、感光体ドラム表面と現像ローラ表面とが直接接して摺擦・研磨し合う領域が少なくなり、ドラム削れが少なくなる。
【0074】
一方、非トナーコート領域には、感光体ドラム表面と現像ローラ表面との間にトナーが介在物として存在しない。このため、感光体ドラム表面と現像ローラ表面とが直接接して摺擦・研磨し合う領域が存在する。摺擦・研磨された感光体ドラム表面には、感光層の削れ粉が発生する。削れ粉は感光体ドラムと現像ローラとの間の介在物としてドラム削れを抑制する働きがある。
【0075】
しかしながら、比較例のプリンタでは、Lcl>Ldrとなっているため、非トナーコート領域に発生した感光層の削れ粉は、クリーニングブレードによりクリーニングされてしまう。そして、感光体ドラムと現像ローラとの間に削れ粉やトナー等の介在物がない状態で、感光体ドラムは現像ローラとの摺擦・研磨を繰り返すことになる。そのため、非トナーコート領域ではトナーコート領域よりも削れ量が大きくなっている。
また、現像ローラは端部で保持されているため、感光体ドラムに対する当接圧が端部において大きくなってしまう。また、現像ローラの製造法によっては、現像ローラの端部が感光体ドラムの削れを促進してしまうような凸形状を有する場合がある。そのため、現像ローラの端部領域に近づくほど削れ量が増すという結果となった。
【0076】
II)解決策
上記のLclとLdrとの関係がLdr>Lclである場合、非トナーコート領域で発生した感光層1bの削れ粉等の介在物は、クリーニングブレードによりクリーニングされることは無い。その介在物は、非トナーコート領域において、感光体ドラム1表面、或いは現像ローラ46表面に留まることになる。その感光層の削れ粉を、介在物として作用させることにより、ドラム削れを大幅に抑制できる。
【0077】
実際に、Lcl>Ldrの場合のドラム削れ量とLdr>Lclの場合のドラム削れ量を比較する実験を行った。本実施例において、Ldrを240.6mmとし、Lclを237mmとしている。実験条件は、フルカラーレーザービームプリンタ(ColorLaserJet 4700dn)において、23℃/50%Rh環境にて2枚間欠耐久を印字率1%で24000枚行うこととした。図11はその実験結果を表わす図である。
【0078】
図11から明らかなように、Ldr>Lclとすることで、非トナーコート領域Lntにおけるドラム削れが大幅に抑制された。実験後、非トナーコート領域Lntにおける現像ローラ46表面から感光層の削れ粉pが検出された。これより、Ldr>Lclとすることで、削れ粉pは、ブレード6fにクリーニングされること無く、介在物として、非トナーコート領域Lntにおいて、現像ローラ46表面、又は感光体ドラム1表面に留まることが確認できた。長手方向において非トナーコート領域とクリーニングブレードの領域が重なる部分においては、削れ粉がクリーニングブレードにクリーニングされしまうため、介在物が存在しない状態となる。しかしながら、先に説明したように、当接圧やローラの端部形状の理由から、現像ローラの端部が一番ドラムが削れ易い。この一番削れ易い端部の削れを本実施例では抑制しているため、比較例と比べて本実施例では削れを低減することができている。
【0079】
本実施例によれば、上記のようにLdr>Lclとしたので、非トナーコート領域Lntにおいて、感光体ドラム1のドラム削れを低減でき、リークによる不良画像の発生を抑えることができる。
【実施例2】
【0080】
カートリッジ他の例を説明する。本実施例では、実施例1と共通する部材・部分に同じ符号を付して再度の説明を省略する。実施例3についても同様とする。
【0081】
実施例1のカートリッジ7において、感光体ドラム1の画像形成領域Lrに対し、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さをLclが短い場合(Lr>Lcl)、感光体ドラム1表面のLclより外側に残る転写残トナーをクリーニングできなくなる。
【0082】
そこで、本実施例に示すカートリッジ7は、感光体ドラム1の長手方向においてブレード6fとオーバーラップしていない画像形成領域Lrの転写残トナーをブレード6fによりクリーニングできるように構成した。
【0083】
図12は本実施例に係るカートリッジ7の感光体ドラム1、現像ローラ46、及びクリーニングブレード6fの長手方向長さを表わす展開図である。図12を参照して、現像ローラ46の感光体ドラム1と接触する長手方向長さLdrと、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLclと、感光体ドラム1の画像形成領域Lrと、の関係を説明する。
【0084】
本実施例に示すカートリッジ7は、転写残トナーに起因して発生する画像不良を防止する観点から、LclをLr以上(Lcl≧Lr)とする。これにより、ブレード6fによって転写残トナーのクリーニングを行うことができる。実施例1と同様、Lclは237mm、Lrは208mmであり、Lcl≧Lrとなっている。本来は、LclはLrよりも長くなるように設定されるけれども、LclをLrと等しくなるように設定してよい。本実施例では、転写残トナーが感光体ドラム1の長手方向に飛散した場合を考慮し、上述の構成とした。
【0085】
一方、ドラム削れの観点から、実施例1と同様、Ldr(240.6mm)>Lcl(237mm)とした。これにより、実施例1と同じ作用効果を得ることができる。
【0086】
即ち、LdrとLclとLrは、
Ldr>Lcl≧Lr
の関係となるように設定してある。
なお、Ldr>Lclとするために、従来と比べて、クリーニングブレードを短くするのではなく、現像ローラ46の長さを長くしている。これは、クリーニングブレードはトナーをクリーニングするためにある程度の長さが必要であり、短くするのは困難であるためである。本実施例では、現像ローラLdrと潜像の長さLrとの関係をLdr−Lr=31.2(mm)となるようにしており、従来の現像ローラの長さよりも長くしている。このように、潜像が形成される領域の端部と現像ローラの端部との距離を離すことにより、現像ローラ端部で発生しやすい感光体ドラム1の削れを潜像形成に影響を与えないようにすることができる。そのためにはLdr−Lr≧24(mm)としておくことが好ましい。
【0087】
本実施例によれば、Ldr>Lclとしたので、非トナーコート領域Lntにおいて、感光体ドラム1のドラム削れを低減でき、リーク画像の発生を抑えることができる。また、Lcl≧Lrとしたので、ブレード6fにより転写残トナーのクリーニングを行うことができる。
【実施例3】
【0088】
カートリッジの他の例を説明する。
【0089】
実施例1のカートリッジ7において、感光体ドラム1の画像形成領域Lr>ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLclで、かつブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLcl>感光体ドラム1の画像形成領域Lrと仮定する。その場合、画像形成領域Lrよりも外側にトナーコート領域Ltがあると(Lt>Lr)、現像ローラ46表面のLtとLrとの差領域(Lt−Lr)に残るトナーが感光体ドラム1表面に付着してかぶりトナーとなる。その場合、かぶりトナーをブレード6fによりクリーニングできない。
【0090】
そこで、本実施例に示すカートリッジ7は、かぶりトナーをブレード6fによりクリーニングできるように構成した。
【0091】
図13は本実施例に係るカートリッジ7の感光体ドラム1、現像ローラ46、及びクリーニングブレード6fの長手方向長さを表わす展開図である。図13を参照して、現像ローラ46の感光体ドラム1と接触する長手方向長さLdrと、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLclと、現像ローラ46のトナーコート領域Ltと、の関係を説明する。
【0092】
本実施例に示すカートリッジ7は、現像ローラ46表面のかぶりトナーをクリーニングする為に、LclをLt以上に設定している。本実施形において、Lclは237mm、Ltは222mmであり、Lcl≧Ltとなっている。本来は、LclはLtよりも長くなるように設定されるけれども、LclをLtと等しくなるように設定してよい。本実施例では、現像ローラ46表面に塗付されたトナーが現像ローラ46の長手方向に飛散した場合を考慮し、上述の構成とした。
【0093】
一方、ドラム削れの観点から、実施例1と同様、Ldr(240.6mm)>Lclとした。これにより、実施例1と同じ作用効果を得ることができる。
【0094】
即ち、LdrとLclとLtは、
Ldr>Lcl≧Lt
の関係となるように設定してある。
【0095】
本実施例によれば、Ldr>Lclとしたので、非トナーコート領域Lntにおいて、感光体ドラム1のドラム削れを低減でき、リーク画像の発生を抑えることができる。また、Lcl≧Ltとしたので、ブレード6fによりかぶりトナーのクリーニングを行うことができる。
【0096】
[その他]
各実施例において、現像ローラ46は、剛体の基体1aを有する感光体ドラム1に対し、感光層1bを磨耗させうる条件に設定されていれば良い。本実施例では、感光体ドラム1に対し周速差をもって接触している状態を表現する為に、弾性体46bを有する現像ローラ46を現像剤担持体として感光体ドラム1表面に接触させた。現像剤担持体は感光層1bを磨耗する条件であれば、形状や材質その他を限定しない。
【0097】
また、画像形成装置は、プロセスカートリッジ7(a〜d)の形態を採らずに、感光体ドラム1(a〜d)と、帯電手段2(a〜d)と、現像手段4(a〜d)と、クリーニング手段6(a〜d)を装置本体100に直接設けた形態の装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】電子写真画像形成装置の一例の全体構成模型図
【図2】プロセスカートリッジの一例の構成模型図
【図3】プロセスカートリッジの斜視模型図
【図4】プロセスカートリッジの斜視模型図
【図5】装置本体の正面ドアーを開いた状態を表わす説明図
【図6】カートリッジを装置本体に装着するときの状態を表わす説明図
【図7】感光体ドラム、現像ローラ、シール部材及びクリーニング手段の縦断面図
【図8】感光体ドラム、現像ローラ、シール部材及びクリーニング手段の有するクリーニングブレードの長手方向長さを表わす展開図である。
【図9】クリーニングブレードの感光体ドラム表面に対する接触圧の測定方法を表わす説明図
【図10】比較例の画像形成装置におけるドラム削れを表わす図
【図11】Lcl>Ldrの場合のドラム削れ量とLdr>Lclの場合のドラム削れ量を表わす図
【図12】感光体ドラム、現像ローラ、及びクリーニングブレードの長手方向長さ関係の他の例を表わす展開図
【図13】感光体ドラム、現像ローラ、及びクリーニングブレードの長手方向長さ関係の他の例を表わす展開図
【符号の説明】
【0099】
1:感光体ドラム、3:レーザースキャナユニット、6f:クリーニングブレード、7:プロセスカートリッジ、46:現像ローラ、100:電子写真画像形成装置本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びそれらの複合機(マルチファンクションプリンタ)等が含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、この電子写真感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つを一体的にカートリッジ化したものである。そしてこのカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
【背景技術】
【0004】
電子写真画像形成装置においては、ハーフトーン画像の再現性や、画像の過剰なエッジ効果の抑制などの利点から、接触現像方式が広く用いられている。接触現像方式とは、現像手段の有する現像剤担持体を電子写真感光体に接触させ、電子写真感光体に形成された潜像を現像剤(トナー)を用いて現像する方式を言う。
【0005】
接触現像方式の構成としては、電子写真感光体と現像剤担持体が電子写真感光体や現像剤担持体の回転軸方向で均一に密着するように、一方を弾性体(弾性体にバックアップされたシートなどを含む)とし、他方を剛体とすることが一般的である。最も簡易な構成は、電子写真感光体を剛体とし、現像剤担持体を弾性体とする構成である。特に画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとして、電子写真感光体及び現像剤担持体を含むように構成される場合に、上記の組合せで用いられることが多い。
【0006】
プロセスカートリッジの有する現像枠体の開口部に取り付けられる円筒状の現像剤担持体(現像ローラ)において、現像剤担持体の回転軸方向(以下、長手方向と呼ぶ)の端部での現像剤シール方法は、大きく分けて2通りある。
【0007】
1つは現像ローラ周面シール方式である。この方式では、上記開口部の長手方向長さよりも長い現像ローラを用いる。そして現像枠体において現像ローラの周面と対向させて設けられた両端部を円弧状に形成して該両端部にフェルト材やモルトプレンのようなシール部材を貼り付ける。そしてそのシール部材を現像ローラの周面に押し当てて現像剤をシールする。
【0008】
他の1つは現像ローラ断面シール方式である。この方式では、上記開口部の長手方向長さよりも若干短い現像ローラを用いる。そして現像枠体において現像ローラの現像剤を担持する周面部の断面(長手方向に垂直な断面)と対向させて設けられた両側壁部により、該現像ローラの周面部の内部に設けられた軸芯を回転自在に保持する。そして両側壁部と現像ローラ周面部との間の隙間にフェルト材やモルトプレンのようなシール部材を配置して現像剤(トナー)をシールする。
【0009】
上記2通りのシール方式は、現像剤のシール能力には一長一短があるが、組み立てしやすさでは現像ローラ周面シール方式が勝る。現像ローラ周面シール方式を採用した場合には、現像ローラの周面に現像剤が担持されている領域(現像剤コート領域)と、担持されていない領域(現像剤非コート領域)とが生じる。
【0010】
また、現像ローラに接する電子写真感光体上には、当然ながら若干の現像剤が付着する可能性がある。そのため、電子写真感光体と接触して電子写真感光体上の現像剤を除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードの長手方向長さは、上記2通りのシール方式に拠らず、現像ローラの長手方向長さより大きく設定されることが常であった(特許文献1)。例外的に特許文献1に示すように、現像ローラの長さがクリーニングブレードの長さよりも短くした例がある。特許文献2では、可撓性を有する電子写真感光体の使用時に発生する固有の問題の解決を図ったものである。
【特許文献1】特開平06−230650号公報
【特許文献2】特開2005−221858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
電子写真感光体が剛体で且つ接触現像方式の電子写真画像形成装置において、現像剤担持体長さ<クリーニングブレード長さとする。すると、電子写真感光体と現像剤担持体の接触領域の端部で電子写真感光体の感光層が大きく削れる。その感光層が削れると、現像ローラ等からリークしてしまい、画像不良が発生することがある。
【0012】
本件発明者等は、電子写真感光体の感光層の削れの一因は、電子写真感光体と現像剤担持体間における介在物の有無の差であることを見出した。前述のように、現像剤担持体には、現像剤コート領域と現像剤非コート領域がある。そして、電子写真感光体と現像剤担持体との間に現像剤が介在していない現像剤非コート領域では、現像剤担持体が直接電子写真感光体を摺擦・研磨し、電子写真感光体の感光層の削れを助長していた。現像剤に拠らず、感光層の削れ粉などでも電子写真感光体と現像剤担持体との間に摺擦・研磨を緩衝する介在物が存在すれば、感光層の削れは抑制される。しかしながら、クリーニングブレードが電子写真感光体上に存在するほぼ全ての介在物をクリーニングしてしまうため、感光層の削れは抑制されないことが判明した。削れた部分は絶縁耐力が低下するため、例えば現像バイアスのリークを誘引し画像不良を引き起こす原因となっていた。
【0013】
本発明の目的は、剛性の基体上に感光層を有する電子写真感光体の削れを低減できる電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体に潜像を形成する露光装置と、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記現像剤を用いて前記潜像を現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有する電子写真画像形成装置において、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するための構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジであって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムに形成された潜像を前記現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有するプロセスカートリッジにおいて、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、剛性の基体上に感光層を有する電子写真感光体の削れを低減できる電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を図面に基づいて説明する。この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0018】
(1)電子写真画像形成装置例の全体構成
図1は本発明に係る電子写真画像形成装置の一例の全体構成模型図である。この画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを用いたタンデム型のフルカラーレーザービームプリンタである。
【0019】
図1において、Y・M・C・Bkはそれぞれフルカラー画像の色分解成分色に対応するイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー画像を形成する第1〜第4の4つの作像ステーションであり、装置本体100内に下から上に順に並列配置してある。
【0020】
作像ステーションY・M・C・Bkは、それぞれ、像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムと称する)1(a〜d)、帯電手段2(a〜d)、露光手段としてのレーザースキャナユニット3(a〜d)等の電子写真プロセス機器を有する。また、作像ステーションY・M・C・Bkは、それぞれ、現像手段4(a〜d)、クリーニング手段6(a〜d)等の電子写真プロセス機器を有している。
【0021】
スキャナユニット3(a〜d)は、画像情報に基づいてレーザービームLを感光体ドラム1(a〜d)の一様帯電処理面に照射し、感光体ドラム上に静電潜像を形成する。このスキャナユニット3(a〜d)は、感光体ドラム1(a〜d)の水平方向に配置され、レーザーダイオード(不図示)、スキャナモーター(不図示)、ポリゴンミラー9(a〜d)、結像レンズ10(a〜d)等を有している。
【0022】
5は感光体ドラム1(a〜d)上に形成したトナー画像を記録媒体(転写材)S上に転写させる静電転写手段である。この静電転写手段5には、感光体ドラム1(a〜d)に対向し且つ接するように循環移動するエンドレスの転写ベルト11が駆動ローラ13、2本の従動ローラ14a・14b、テンションローラ15の4本のローラ間に掛け渡されて縦方向に配設されている。12(a〜d)は転写ローラであり、それぞれ、感光体ドラム1(a〜d)との間に転写ベルト11を挟むように転写ベルト11の内周面に接触させて並設してある。
【0023】
16は画像形成装置の筐体を構成する装置本体100の下部に配設した記録媒体給送部であり、静電転写手段5の転写ベルト11に記録媒体Sを給送搬送するものである。この給送部16において、17は給送カセットであり、複数枚の記録媒体Sが収納されている。18は給送ローラ、19はレジストローラ、22は静電吸着ローラである。
【0024】
20は装置本体100の上部に配設した定着部であり、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものである。回転する加熱ローラ21a、これと接触して記録媒体Sに圧力を与える加圧ローラ21b、排出ローラ対23、排出部24等を有している。25は装置本体100の上部に設けられた排出トレイである。
【0025】
画像形成シーケンスの所定の制御タイミングに合わせて作像ステーションY・M・C・Bkが順次駆動され、感光体ドラム1(a〜d)が矢印方向に回転駆動される。また、転写ベルト11が駆動ローラ13により矢印方向に感光体ドラム1(a〜d)の回転周速度に対応した周速度で回転駆動される。
【0026】
感光体ドラム1(a〜d)の外周面(表面)はその回転過程で帯電手段2(a〜d)により所定の極性(本実施例では負極性)及び電位に均一に1次帯電処理される。その帯電処理面に対してスキャナユニット3(a〜d)より出力される画像情報に応じて変調されたレーザー光Lによる像露光がなされて、感光体ドラム1(a〜d)表面に画像情報の静電潜像が形成される。即ち、スキャナユニット3(a〜d)のレーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が出力され、その画像光がスキャナモーター(不図示)によって高速回転されるポリゴンミラー9(a〜d)に照射される。ポリゴンミラー9(a〜d)によって反射した画像光は、結像レンズ10(a〜d)を介して、帯電済みの感光体ドラム1(a〜d)表面を選択的に露光する。これによって感光体ドラム1表面に静電潜像を形成する。
【0027】
その静電潜像が現像手段4(a〜d)によってトナー(現像剤)を用いてトナー画像として現像(本実施例では負極性トナーを用いた反転現像)される。これにより、作像ステーションY〜Bkの感光体ドラム1(a〜d)表面にそれぞれ電子写真プロセスによりフルカラー画像の色分解成分色像である、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像が所定のシーケンス制御タイミングにて形成される。
【0028】
一方、所定の制御タイミングにおいて、給送部16の給送ローラ18が回転駆動される。これによってカセット17内の記録媒体Sが1枚毎分離給送される。その記録媒体Sの先端がその時点では回転停止状態にあるレジストローラ対19のニップ部に突き当って受け止められて一旦停止する。そして、転写ベルト11の回転と感光体ドラム1(a〜d)に形成されるトナー画像との同期をとって、レジストローラ対19が回転駆動される。これによって記録媒体Sが静電吸着ローラ22と転写ベルト11との間へ給送される。記録媒体Sは静電吸着ローラ22と転写ベルト11とによって挟み込まれ転写ベルト11の外周面(表面)に接触する。そして転写ベルト11と静電吸着ローラ22との間に電圧が印加されることにより、誘電体である記録媒体Sと転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起させる。そして記録媒体Sが静電転写ベルト11表面に静電吸着する。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11に安定して吸着され、転写ベルト11移動方向において最上流の転写部から転写ベルト11の移動によって最下流の転写部まで搬送される。
【0029】
このように搬送されながら記録媒体Sは、感光体ドラム1(a〜d)と転写ローラ12(a〜d)との間に形成される電界によって、感光体ドラム1(a〜d)のトナー画像の順次重畳転写を受ける。本実施例では、転写ローラ12(a〜d)から正極性の電荷が転写ベルト11を介して記録媒体Sに印加される。この電荷による電界により、感光体ドラム1(a〜d)に接触中の記録媒体Sに感光体ドラム1上の負極性のトナー画像が転写される。
【0030】
即ち、記録媒体Sは転写ベルト11の面に静電吸着して保持され、転写ベルト11の回転により下から上に搬送されていく。そしてその搬送過程で作像ステーションY・M・C・Bkの各転写部にて感光体ドラム1(a〜d)の面にそれぞれ形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像の重畳転写を順次に受ける。これにより記録媒体Sの面に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。
【0031】
4色のトナー画像の重畳転写を受けた記録媒体Sは、駆動ローラ13近傍の転写ベルト11から曲率分離して定着部20に搬送される。そして、記録媒体Sは回転する加熱ローラ21aと、これと接する加圧ローラ21bとによって形成されるニップ部(定着ニップ部)により挟持搬送される。これによって記録媒体Sはローラ対21a・21bにより熱と圧力を与えられる。これにより複数色のトナー画像が記録媒体Sの面上に加熱定着される。記録媒体Sは、定着部20で上記のトナー画像定着を受けた後、排出ローラ対23によって排出部24から装置本体100外の排出トレイ25に排出される。
【0032】
作像ステーションY・M・C・Bkにおいて、記録媒体Sへのトナー画像転写後の感光体ドラム1(a〜d)表面はクリーニング手段6(a〜d)によって転写残トナー等の残存付着物が除去され、繰り返して作像に供される。
【0033】
(2)プロセスカートッジ
作像ステーションY・M・C・Bkには、プロセスカートリッジ7(a〜d)が取り外し可能に装着されている。カートリッジ7(a〜d)は、それぞれ、感光体ドラム1(a〜d)、帯電手段2(a〜d)、現像手段4(a〜d)、クリーニング手段6(a〜d)を有する。そしてカートリッジ7は装置本体100に対して着脱可能である。
【0034】
カートリッジ7(a〜d)の装置本体100に対する着脱操作は、装置本体100の正面開閉ドアー26を開けて装置本体100内のカートリッジ挿入口27(図5)を大きく開放した状態にしてなされる。
【0035】
即ち、装置本体100の正面カバー部分は、その内側の静電転写手段5を含めて装置本体100に対して開閉可能なドアー26にしてある。そしてこのドアー26は手前側に開くことによって、下部のヒンジ軸27(図1)を中心に装置本体100の手前側に開くことができる。このドアー26によって挿入口27を開放した状態にすることができる(図5)。
【0036】
以下の説明において、カートリッジ又はこれを構成している部材の短手方向とはカートリッジを装置本体に着脱する方向である。また、長手方向とはカートリッジを装置本体に着脱する方向と交差する方向である。カートリッジに関し、背面とはカートリッジを装置本体正面側から見てその反対側の面、左右とはカートリッジを装置本体正面側から見て左又は右である。またカートリッジの上面とはカートリッジを装置本体へ装着した状態で上方に位置する面であり、下面とは下方に位置する面である。
【0037】
図2は本発明に係るプロセスカートリッジの一例の構成模型図である。図3と図4はそれぞれそのプロセスカートリッジの斜視模型図である。
【0038】
作像ステーションY・M・C・Bkにおけるカートリッジ7(a〜d)において、現像手段4(a〜d)のトナー容器に収納させた現像剤は第1の作像ステーションYのカートリッジ7aではイエロー色のトナーである。第2の作像ステーションMのカートリッジ7bではマゼンタ色のトナーである。第3の作像ステーションCのカートリッジ7cではシアン色のトナーである。第4の作像ステーションBkのカートリッジ7dではブラック色のトナーのトナーである。この点を除いてカートリッジ7(a〜d)は同一の構成である。
【0039】
図2に示すように、カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電手段2、及びクリーニング手段6を備えた第一枠体としてのクリーニングユニット50と、現像手段4を有する第二枠体としての現像ユニット40と、を備えている。
【0040】
クリーニングユニット50には、感光体ドラム1が回転自在に保持されるとともに、該感光体ドラム1表面に沿って帯電手段2とクリーニング手段6が配置されている。そのクリーニング手段6によって感光体ドラム1表面から除去された転写残トナー等の残存付着物はトナー送り機構52によってクリーニング枠体51の後方に設けられた除去トナー室53に送られる。帯電手段2は接触帯電方式のものを使用する。帯電手段2としての帯電部材はローラ状に形成された導電性ローラである。この導電性ローラ2を感光体ドラム1表面に接触させ、そのローラ2に帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
【0041】
現像ユニット40は、トナー容器41と、現像枠体45と、を有する。トナー容器41内に収納されたトナー(不図示)は該トナー容器41内に設けられたトナー搬送機構42によって、現像枠体45に回転自在に保持された現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ43へ送り込まれる。また、現像枠体45は、長手方向において、感光体ドラム1表面側に開口部45aを有するとともに、その開口部45aの両側に現像剤担持体としての現像ローラ46の両端部内側を保持する保持部45bを有する。その保持部45bの現像ローラ46側の面は円弧状に形成され、その円弧面上にはフェルト材やモルトプレンのようなシール部材73が設けられている。そして現像ローラ46は、該現像ローラの軸の両端部を側板に回動自在に保持されている。現像ローラ46は、該現像ローラ46の外周面(表面)がシール部材73に押し当てられた状態で保持されている(現像ローラ周面シール方式)。供給ローラ43と現像ローラ46はそれぞれ感光体ドラム1と平行に配設してある。また、現像枠体45には、現像剤塗付部材としての現像ブレード44が設けてある。その現像ブレード44を供給ローラ43の外周面(表面)及び現像ローラ46表面に接触されることによって、現像ローラ46表面に摩擦帯電されたトナーが均一に塗布される。そして現像ローラ46に現像バイアスを印加することにより現像ローラ46表面から感光体ドラム1表面にトナーを転移させ、そのトナーにより感光体ドラム1表面の潜像を現像してトナー像(現像像)とする。
【0042】
感光体ドラム1はその両端部が支持部材64・65(図3)によってクリーニング枠体51に回転自在に支持されている。支持部材64・65は、カートリッジ7を装置本体100に装着する際に把手する把手部82・83とクリーニング枠体51との間に配置されている。感光体ドラム1の一方の端部には装置本体100に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力を伝達されるカップリング部材70が設けられている。このカップリング部材70によって感光体ドラム1は回転される。またこの感光体ドラム1の回転に連動してギア列(不図示)を介して上記のトナー送り機構52が駆動される。
【0043】
また、クリーニング枠体51には、感光体ドラム1を保護するシャッター部材72を具備させてある。シャッター部材72は開閉機構(不図示)によりカートリッジ7の正面側である感光体ドラム外部露出開口部を閉じる閉じ位置(図2・図3)と、感光体ドラム外部露出開口部から上方または下方にシフトした開き位置(図2の2点鎖線示)とに開閉可能である。シャッター部材72は、カートリッジ7が装置本体100から取り出されている状態においては、閉じ位置に保持されている。そして、感光体ドラム1の外部露出面を覆って保護している。また、シャッター部材72は、カートリッジ7が装置本体100に挿入されて装置本体100の正面ドアー26(図1)が閉じられると、そのドアー26の閉じ動作に連動する手段により開き位置に移動する。そして感光体ドラム1の外部露出面に転写ベルト11が接触した状態になる。
【0044】
現像ユニット40は、該現像ユニット40全体がクリーニングユニット50に対して回動自在に支持された吊り構造となっている。即ち、現像ユニット40は、トナー容器41の長手方向両側に軸受部材47・48(図4)を一体に有し、その軸受部材47・48にはそれぞれ回動中心となる穴47a・48aが設けられている。そしてその穴47a・48aにクリーニング枠体51に嵌合する結合軸62・63が挿入されることによって、現像ユニット40がクリーニング枠体51に回動自在に取り付けられる。55は感光体ドラム1表面にレーザー光Lを導入するための露光開口部である。この露光開口部55は、現像ユニット40をクリーニング枠体51に回動自在に取り付けた際に、現像ユニット40とクリーニングユニット50との間に形成される。
【0045】
またカートリッジ7の単体状態(装置本体100に装着されていない状態)においては、軸受部材47・48の回動中心となる穴47a・48aに挿入された結合軸62・63を中心にして、回転モーメントにより現像ローラ46を感光体ドラム1に接触させる。そのために、現像ユニット40を押圧するための弾性部材として軸受部材47側には押圧バネ54が、軸受部材48側には引張バネ(不図示)がクリーニングユニット50と現像ユニット40の間に配置されている。
【0046】
71(図4)は現像ユニット40の軸受部材47に結合軸63によって回転自在に保持させたカートリッジ駆動ギア(はす歯ギア)である。カートリッジ7が装置本体100に装着された状態において、駆動ギア71は装置本体100側の本体駆動ギア(はす歯ギア:不図示)と噛合して、本体駆動ギア側から駆動力を受ける。この駆動ギア71の回転によりギア列(不図示)を介して、現像ローラ46、トナー搬送機構42、トナー供給ローラ43が駆動される。
【0047】
(3)プロセスカートリッジの装着方法
次にカートリッジ7の装置本体100への装着について図5・図6を用いて説明する。
【0048】
図5は装置本体100の正面ドアー26を開いた状態を表わす説明図である。図6はカートリッジ7を装置本体100に装着するときの状態を表わす説明図である。
【0049】
カートリッジ7(a〜d)の装置本体100に対する着脱操作は、装置本体100の正面ドアー26を開けて装置本体100内のカートリッジ挿入口27を大きく開放した状態にしてなされる。ドアー26の装置本体100に対する閉じ状態は掛け止め機構(不図示)によりロックされている。その掛け止め機構によるロックを解除してドアー26を下部のヒンジ軸26aを中心に装置本体100の手前側に倒し開く。これによって装置本体100内の挿入口27を大きく開放した状態にすることができる。
【0050】
挿入口27にはカートリッジ7を画像形成位置に導く本体ガイド80・81が装置本体100の左側板31と右側板32の内側に取り付けられている。挿入口27にはカートリッジ7が垂直方向に4台個々に挿入可能である。下側からイエロー挿入口、マゼンタ挿入口、シアン挿入口、ブラック挿入口とする。左側板31と右側板32との間には中間板93が設けられている。この中間板93にはスキャナー3からのレーザー光Lを通過させる照射窓95が設けられている。
【0051】
イエロー挿入口、マゼンタ挿入口、シアン挿入口、ブラック挿入口におけるカートリッジ装着機構は同一の構成である。ここでは代表して最下段のイエロー挿入口にカートリッジ7(7a)を挿入する場合を説明する。
【0052】
まず、操作者は把手部82・83を左右の手で握ってカートリッジ7を持つ。そしてカートリッジ7の短手方向においてカートリッジ7を背面側から挿入口27に挿入する(図5、図6)。その際に、カートリッジ7の軸受部材48の下面48cとクリーニング枠体51の下面51fをそれぞれ本体ガイド80・81に設けられているラフガイド部86・87に載せる。本体ガイド80・81にはボスガイド88・89が設けられている。このボスガイド88・89は、クリーニング枠体51の両側面に設けられたボス51d・51eと係合し、カートリッジ7の装置本体100内での回転を規制する。カートリッジ7を更に挿入すると、ボス51d・51eがボスガイド88・89に乗り上げて案内される。
【0053】
また本体ガイド81にはカートリッジ7を長手方向に押圧する本体押圧手段84(下側から84a〜84d)が設けられている。そしてカートリッジ7を装置本体100内に挿入する過程において、押圧手段84がカートリッジ7の右側面、本実施例ではクリーニング枠体51の右側面に設けられたガイド部85(図3)と接する。これによってカートリッジ7をその長手方向で左側板31の方向に押圧する。
【0054】
カートリッジ7を装置本体100内へ更に挿入していくと、カートリッジ7はガイド部85に対する押圧手段84による押圧力を受ける。そしてこの押圧力により押圧手段84が配置されている右側板32側とは反対側即ち左側板31側に付勢されながら装着される。そしてクリーニング枠体51の端部には装置本体100内で位置決めされるための突き当て面51cが設けられている。そしてこの突き当て面51cが挿入過程において本体ガイド80の端面に接することにより、カートリッジ7の装置本体100内での長手方向の位置決めがなされる。
【0055】
更にカートリッジ7を挿入して、カートリッジ7の軸受部材64を左側板31に設けたガイド溝34(下側から34a〜34d)に沿って移動させるとともに軸受部材65を右側板31に設けたガイド溝34(下側から34e〜34h)に沿って移動させる。すると、軸受部材64が左側板31のガイド溝34の突き当て面37(下側から37a〜37d)に、軸受部材65が右側板31のガイド溝34の突き当て面37(下側から37e〜37h)に、それぞれ突き当る。これにより、カートリッジ7の装置本体100に対する短手方向の位置が決まる。このようにカートリッジ7が装置本体100に位置決めされた状態において、カートリッジ7に設けられた帯電バイアス印加用の帯電バイアス電気接点(不図示)と、装置本体に設けられた帯電バイアス本体電気接点(不図示)が接触して電気的に導通状態になる。これによりその帯電バイアス電気接点を通じて帯電ローラ2への帯電バイアスの印加が可能となる。また、カートリッジ7に設けられた現像バイアス印加用の現像バイアス電気接点(不図示)と、装置本体に設けられた現像バイアス本体電気接点(不図示)とが接触して電気的に導通状態になる。これによりその現像バイアス電気接点を通じて現像ローラ46への現像バイアスの印加が可能となる。また、カートリッジ7に設けられた駆動ギア71が装置本体100の本体駆動ギア(不図示)に噛合した状態になる。
【0056】
上述の最下段のイエロー挿入口に対するカートリッジ7(7a)の挿入と同様に、マゼンタ挿入口、シアン挿入口、ブラック挿入口に対するカートリッジ7(7b・7c・7d)の挿入がなされる。
【0057】
次いで、開かれている正面開閉ドアー26を装置本体100に対して閉じる。そしてその閉じ状態を掛け止め機構(不図示)によりロックする。このドアー26の閉じ動作に連動する手段によって、
1)装置本体100内での各カートリッジ7の短手方向の押圧位置決め
2)各カートリッジ7のシャッター部材72の開き位置への移動
3)各カートリッジ7のカップリング部材70に対する装置本体100の動力伝達カップリング部材の係合
がなされる。
【0058】
上記のような各カートリッジ7の装置本体100に対する装着状態において、各カートリッジ7のカップリング部材70に対して装置本体100側の動力伝達カップリング部材が係合した状態にある。これによって、装置本体100側の駆動モータ(不図示)からの駆動力がカップリング部材70に伝達されて各カートリッジ7の感光体ドラム1が図1において矢印方向に回転駆動可能となる。またこの感光体ドラム1の回転に連動して不図示のギア列(不図示)を介して除去トナー室53のトナー送り機構52が駆動可能となる。
【0059】
また、各カートリッジ7のカートリッジ駆動ギア71が装置本体100側の不図示の本体駆動ギア(不図示)に噛合した状態にある。これによって、駆動ギア71が本体駆動ギア側から駆動力を受ける。そしてこの駆動ギア71の回転によりギア列(不図示)を介して、各カートリッジ7の現像ローラ46、トナー搬送機構42、トナー供給ローラ43が駆動される。
【0060】
装置本体100内からの各カートリッジ7の取出しは上記の装着時とは逆手順でなされる。すなわち、前記掛け止め機構によるロックを解除する。そして、ドアー26を下部のヒンジ軸26aを中心に装置本体100の手前側に倒し開く。このドアー26の開き動作に連動する手段により、カップリング部材70に対する動力伝達カップリング部材の係合が解除される。また、シャッター部材72が閉じ位置へ移動する。この状態において、カートリッジ7の把手部82・83を手で握って、カートリッジ7を装着時とは逆方向に引き抜く。これによって、各カートリッジ7を装置本体100内から取り出すことができる。
【0061】
(4)感光体ドラム、現像ローラ、及びクリーニング手段の構成
図7乃至図9を参照して、感光体ドラム1、現像ローラ46、及びクリーニング手段6についての構成を説明する。
【0062】
図7は感光体ドラム1、現像ローラ46、シール部材73及びクリーニング手段6の縦断面図である。図8は感光体ドラム1、現像ローラ46、シール部材73及びクリーニング手段6の有するクリーニングブレード6fの長手方向長さを表わす展開図である。図9はクリーニングブレード6fの感光体ドラム1表面に対する接触圧の測定方法を表わす説明図である。
【0063】
1)感光体ドラム
本実施例に示す感光体ドラム1は、剛性の基体1aを有する。基体1aとして、例えば直径30mmで厚さ0.7mmのアルミ素管を有する。その基体1aの外周面上(基体1a上)には、感光層1bとして、有機光導電層を塗布している。感光層の厚さは感光体ドラム1の端部付近で18μm程度となっている。感光層1aの削れを抑制するために、感光層1aの材料は、削れ難いポリアリレート樹脂を含有した感光層を使用する。今回、感光層1aの塗付領域Leは、図8に示すように、現像ローラ46の長手方向長さLdrと等しくした。感光層1aの塗付領域Leは、現像ローラ46の長手方向長さLdrと同じかそれより長ければ良い。同図において、Lrはスキャナユニット3によりレーザー光によって感光体ドラム1の長手方向(主走査方向)に形成される潜像の主走査方向幅、つまり潜像の領域幅である。本実施例において、潜像の主走査方向幅Lrは、印字保証領域である208mmに設定してある。以下、Lrを画像形成領域と記す。また、感光層の長手方向長さであるLeは、256.5mmに設定してある。
【0064】
2)現像ローラ
本実施例に示す現像ローラ46は、SUSの芯金46aの外周面上に直径16mmとなるように導電性の弾性体46bを有している。−50V印加時の体積抵抗は、現像性、段ムラ等の観点から105〜106Ω程度とした。また硬度は、AskerC硬度で50°、MD1硬度で40°となっている。芯金46aの両端部は、感光体ドラム1表面に対し弾性体46bが40μm侵入するように現像枠体45に回転可能に支持されている。芯金46aの一端はギア(不図示)を介して前記の駆動ギア71に接続されている。そして現像ローラ46は、現像時には周速281mm/secをもって回転し感光体ドラム1上の静電潜像をトナーにより現像する。また、芯金46aの端部から現像時に300Vの現像バイアスを印加している。また、現像枠体45の長手方向両端部からのトナー漏れを防止するために、弾性層46bの端部周面には前記のシール部材73を接触させてある。このため、本実施例においては、図8に示すように、現像ローラ46の長手方向長さLdrのうち、現像ブレード44によってトナーが塗付されるシール部材73・73の内側端の間をトナーコート領域(現像剤を担持する担持領域)Ltとしている。そしてシール部材73・73の内側端から外側をトナーが塗付されない非トナーコート領域(現像剤を担持しない非担持領域)Lntとしている。従って、非トナーコート領域Lntはトナー等の介在物が存在しない領域である。
【0065】
3)クリーニング手段
本実施例に示すクリーニング手段6は、SUS板金6eと、その板金6eの先端に弾性を有するゴムチップを圧着させて設けられたクリーニングブレード6fと、を有する。そのブレード6fの先端は感光体ドラム1表面に対して所望の角度と侵入量で接触されている。このブレード6fによって感光体ドラム1表面から転写残トナー等の残存付着物を除去し、感光体ドラム1表面をクリーニングする。そのブレード6fの先端には、良好なクリーニング性を維持するために、潤滑剤が塗布されている。
【0066】
ここで、クリーニング手段6において、表1より、良好なクリーニング性を確保する為に、ブレード6fの感光体ドラム1表面に対する接触圧(当接圧)は、65〜120g/cmで設定する事が望ましい。
【0067】
【表1】
【0068】
本実施例では、感光体ドラム1表面に対するブレード6fの接触圧は、図9のようにして測定した。ブレード6fを長手方向に1cm幅に切断し、そのブレード6fをモータMにより矢印方向に移動自在なブレード台201に取り付け、所望の設定角θに設定する。そしてモータMを駆動させブレード台201を降下させてブレード6fの先端部を荷重センサ202の受け板202aに接触させる。次いで求めたい侵入量δ分だけブレード台201を降下させブレード6fの先端部を侵入量δ分だけ降下させて受け板14aに押し当てる。そのときの荷重センサ202の荷重出力値(電圧)をアンプ203により増幅し、その増幅値を電圧計204により読み取る。予め求めておいた荷重出力の単位電圧あたりの荷重に基づき荷重出力値から荷重を求めると、ブレード6fの接触圧、即ちブレード6fの幅1cm当たりの線圧が得られる。
【0069】
(5)現像ローラとクリーニングブレードの長手方向長さの関係
図8に示すように、現像ローラ46の感光体ドラム1と接触する長手方向長さをLdrとし、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さをLclとする。そして、感光体ドラム1の削れ、つまり感光層1bの削れ(以下、ドラム削れと記す)を低減するために、Ldr>Lclとする。この場合、介在物の存在しない非トナーコート領域Lntにおいて、現像ローラ46表面と感光体ドラム1表面との接触領域、又は感光体ドラム1表面とブレード6fとの接触領域でドラム削れにより感光層1bの削れ粉pが発生する。ブレード6fよりも長手方向外側で発生した削れ粉pはブレード6fによりクリーニングされることはない。その削れ粉pは、非トナーコート領域Lntにおいて、現像ローラ46表面、又は感光体ドラム1表面に留まり、介在物として、感光層1bの削れを抑制(低減)する。
【0070】
(6)ドラム削れと解決策の検討
画像形成装置においてドラム削れに起因して発生する画像不良(リーク画像)を改善する為、I)トナーコート領域及びトナーコート領域におけるドラム削れと、II)解決策について検討を行った。
【0071】
I)トナーコート領域及び非トナーコート領域のドラム削れ
比較例として、上記のLclとLdrの関係をLcl>Ldrに設定したフルカラーレーザービームプリンタ(Color LaserJet 4700dn)を用いて、23℃/50%Rh環境にて2枚間欠耐久を印字率1%で24000枚行った。そのときのドラム削れを図10に示す。本比較例において、Ldrを238.6mmとし、Lclを241mmとしている。
【0072】
図10に示すように、ドラム削れは、トナーコート領域に対し、非トナーコート領域よりも大きくなるという特徴を持つ。
【0073】
比較例のプリンタにおいて、トナーコート領域には、感光体ドラム表面と現像ローラ表面との間に、介在物としてトナーが存在する。このため、感光体ドラム表面と現像ローラ表面とが直接接して摺擦・研磨し合う領域が少なくなり、ドラム削れが少なくなる。
【0074】
一方、非トナーコート領域には、感光体ドラム表面と現像ローラ表面との間にトナーが介在物として存在しない。このため、感光体ドラム表面と現像ローラ表面とが直接接して摺擦・研磨し合う領域が存在する。摺擦・研磨された感光体ドラム表面には、感光層の削れ粉が発生する。削れ粉は感光体ドラムと現像ローラとの間の介在物としてドラム削れを抑制する働きがある。
【0075】
しかしながら、比較例のプリンタでは、Lcl>Ldrとなっているため、非トナーコート領域に発生した感光層の削れ粉は、クリーニングブレードによりクリーニングされてしまう。そして、感光体ドラムと現像ローラとの間に削れ粉やトナー等の介在物がない状態で、感光体ドラムは現像ローラとの摺擦・研磨を繰り返すことになる。そのため、非トナーコート領域ではトナーコート領域よりも削れ量が大きくなっている。
また、現像ローラは端部で保持されているため、感光体ドラムに対する当接圧が端部において大きくなってしまう。また、現像ローラの製造法によっては、現像ローラの端部が感光体ドラムの削れを促進してしまうような凸形状を有する場合がある。そのため、現像ローラの端部領域に近づくほど削れ量が増すという結果となった。
【0076】
II)解決策
上記のLclとLdrとの関係がLdr>Lclである場合、非トナーコート領域で発生した感光層1bの削れ粉等の介在物は、クリーニングブレードによりクリーニングされることは無い。その介在物は、非トナーコート領域において、感光体ドラム1表面、或いは現像ローラ46表面に留まることになる。その感光層の削れ粉を、介在物として作用させることにより、ドラム削れを大幅に抑制できる。
【0077】
実際に、Lcl>Ldrの場合のドラム削れ量とLdr>Lclの場合のドラム削れ量を比較する実験を行った。本実施例において、Ldrを240.6mmとし、Lclを237mmとしている。実験条件は、フルカラーレーザービームプリンタ(ColorLaserJet 4700dn)において、23℃/50%Rh環境にて2枚間欠耐久を印字率1%で24000枚行うこととした。図11はその実験結果を表わす図である。
【0078】
図11から明らかなように、Ldr>Lclとすることで、非トナーコート領域Lntにおけるドラム削れが大幅に抑制された。実験後、非トナーコート領域Lntにおける現像ローラ46表面から感光層の削れ粉pが検出された。これより、Ldr>Lclとすることで、削れ粉pは、ブレード6fにクリーニングされること無く、介在物として、非トナーコート領域Lntにおいて、現像ローラ46表面、又は感光体ドラム1表面に留まることが確認できた。長手方向において非トナーコート領域とクリーニングブレードの領域が重なる部分においては、削れ粉がクリーニングブレードにクリーニングされしまうため、介在物が存在しない状態となる。しかしながら、先に説明したように、当接圧やローラの端部形状の理由から、現像ローラの端部が一番ドラムが削れ易い。この一番削れ易い端部の削れを本実施例では抑制しているため、比較例と比べて本実施例では削れを低減することができている。
【0079】
本実施例によれば、上記のようにLdr>Lclとしたので、非トナーコート領域Lntにおいて、感光体ドラム1のドラム削れを低減でき、リークによる不良画像の発生を抑えることができる。
【実施例2】
【0080】
カートリッジ他の例を説明する。本実施例では、実施例1と共通する部材・部分に同じ符号を付して再度の説明を省略する。実施例3についても同様とする。
【0081】
実施例1のカートリッジ7において、感光体ドラム1の画像形成領域Lrに対し、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さをLclが短い場合(Lr>Lcl)、感光体ドラム1表面のLclより外側に残る転写残トナーをクリーニングできなくなる。
【0082】
そこで、本実施例に示すカートリッジ7は、感光体ドラム1の長手方向においてブレード6fとオーバーラップしていない画像形成領域Lrの転写残トナーをブレード6fによりクリーニングできるように構成した。
【0083】
図12は本実施例に係るカートリッジ7の感光体ドラム1、現像ローラ46、及びクリーニングブレード6fの長手方向長さを表わす展開図である。図12を参照して、現像ローラ46の感光体ドラム1と接触する長手方向長さLdrと、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLclと、感光体ドラム1の画像形成領域Lrと、の関係を説明する。
【0084】
本実施例に示すカートリッジ7は、転写残トナーに起因して発生する画像不良を防止する観点から、LclをLr以上(Lcl≧Lr)とする。これにより、ブレード6fによって転写残トナーのクリーニングを行うことができる。実施例1と同様、Lclは237mm、Lrは208mmであり、Lcl≧Lrとなっている。本来は、LclはLrよりも長くなるように設定されるけれども、LclをLrと等しくなるように設定してよい。本実施例では、転写残トナーが感光体ドラム1の長手方向に飛散した場合を考慮し、上述の構成とした。
【0085】
一方、ドラム削れの観点から、実施例1と同様、Ldr(240.6mm)>Lcl(237mm)とした。これにより、実施例1と同じ作用効果を得ることができる。
【0086】
即ち、LdrとLclとLrは、
Ldr>Lcl≧Lr
の関係となるように設定してある。
なお、Ldr>Lclとするために、従来と比べて、クリーニングブレードを短くするのではなく、現像ローラ46の長さを長くしている。これは、クリーニングブレードはトナーをクリーニングするためにある程度の長さが必要であり、短くするのは困難であるためである。本実施例では、現像ローラLdrと潜像の長さLrとの関係をLdr−Lr=31.2(mm)となるようにしており、従来の現像ローラの長さよりも長くしている。このように、潜像が形成される領域の端部と現像ローラの端部との距離を離すことにより、現像ローラ端部で発生しやすい感光体ドラム1の削れを潜像形成に影響を与えないようにすることができる。そのためにはLdr−Lr≧24(mm)としておくことが好ましい。
【0087】
本実施例によれば、Ldr>Lclとしたので、非トナーコート領域Lntにおいて、感光体ドラム1のドラム削れを低減でき、リーク画像の発生を抑えることができる。また、Lcl≧Lrとしたので、ブレード6fにより転写残トナーのクリーニングを行うことができる。
【実施例3】
【0088】
カートリッジの他の例を説明する。
【0089】
実施例1のカートリッジ7において、感光体ドラム1の画像形成領域Lr>ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLclで、かつブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLcl>感光体ドラム1の画像形成領域Lrと仮定する。その場合、画像形成領域Lrよりも外側にトナーコート領域Ltがあると(Lt>Lr)、現像ローラ46表面のLtとLrとの差領域(Lt−Lr)に残るトナーが感光体ドラム1表面に付着してかぶりトナーとなる。その場合、かぶりトナーをブレード6fによりクリーニングできない。
【0090】
そこで、本実施例に示すカートリッジ7は、かぶりトナーをブレード6fによりクリーニングできるように構成した。
【0091】
図13は本実施例に係るカートリッジ7の感光体ドラム1、現像ローラ46、及びクリーニングブレード6fの長手方向長さを表わす展開図である。図13を参照して、現像ローラ46の感光体ドラム1と接触する長手方向長さLdrと、ブレード6fの感光体ドラム1と接触する長手方向長さLclと、現像ローラ46のトナーコート領域Ltと、の関係を説明する。
【0092】
本実施例に示すカートリッジ7は、現像ローラ46表面のかぶりトナーをクリーニングする為に、LclをLt以上に設定している。本実施形において、Lclは237mm、Ltは222mmであり、Lcl≧Ltとなっている。本来は、LclはLtよりも長くなるように設定されるけれども、LclをLtと等しくなるように設定してよい。本実施例では、現像ローラ46表面に塗付されたトナーが現像ローラ46の長手方向に飛散した場合を考慮し、上述の構成とした。
【0093】
一方、ドラム削れの観点から、実施例1と同様、Ldr(240.6mm)>Lclとした。これにより、実施例1と同じ作用効果を得ることができる。
【0094】
即ち、LdrとLclとLtは、
Ldr>Lcl≧Lt
の関係となるように設定してある。
【0095】
本実施例によれば、Ldr>Lclとしたので、非トナーコート領域Lntにおいて、感光体ドラム1のドラム削れを低減でき、リーク画像の発生を抑えることができる。また、Lcl≧Ltとしたので、ブレード6fによりかぶりトナーのクリーニングを行うことができる。
【0096】
[その他]
各実施例において、現像ローラ46は、剛体の基体1aを有する感光体ドラム1に対し、感光層1bを磨耗させうる条件に設定されていれば良い。本実施例では、感光体ドラム1に対し周速差をもって接触している状態を表現する為に、弾性体46bを有する現像ローラ46を現像剤担持体として感光体ドラム1表面に接触させた。現像剤担持体は感光層1bを磨耗する条件であれば、形状や材質その他を限定しない。
【0097】
また、画像形成装置は、プロセスカートリッジ7(a〜d)の形態を採らずに、感光体ドラム1(a〜d)と、帯電手段2(a〜d)と、現像手段4(a〜d)と、クリーニング手段6(a〜d)を装置本体100に直接設けた形態の装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】電子写真画像形成装置の一例の全体構成模型図
【図2】プロセスカートリッジの一例の構成模型図
【図3】プロセスカートリッジの斜視模型図
【図4】プロセスカートリッジの斜視模型図
【図5】装置本体の正面ドアーを開いた状態を表わす説明図
【図6】カートリッジを装置本体に装着するときの状態を表わす説明図
【図7】感光体ドラム、現像ローラ、シール部材及びクリーニング手段の縦断面図
【図8】感光体ドラム、現像ローラ、シール部材及びクリーニング手段の有するクリーニングブレードの長手方向長さを表わす展開図である。
【図9】クリーニングブレードの感光体ドラム表面に対する接触圧の測定方法を表わす説明図
【図10】比較例の画像形成装置におけるドラム削れを表わす図
【図11】Lcl>Ldrの場合のドラム削れ量とLdr>Lclの場合のドラム削れ量を表わす図
【図12】感光体ドラム、現像ローラ、及びクリーニングブレードの長手方向長さ関係の他の例を表わす展開図
【図13】感光体ドラム、現像ローラ、及びクリーニングブレードの長手方向長さ関係の他の例を表わす展開図
【符号の説明】
【0099】
1:感光体ドラム、3:レーザースキャナユニット、6f:クリーニングブレード、7:プロセスカートリッジ、46:現像ローラ、100:電子写真画像形成装置本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体に潜像を形成する露光装置と、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記現像剤を用いて前記潜像を現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有する電子写真画像形成装置において、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記露光装置により前記電子写真感光体ドラムに形成される潜像の領域幅をLrとしたときに、Ldr>Lcl≧Lr且つLdr−Lr>24(mm)とすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体の長手方向長さLdrにおいて、前記現像剤担持体は、現像剤を担持する担持領域と、現像剤を担持しない非担持領域と、を有し、前記担持領域の前記現像剤担持体の長手方向長さをLtとしたときに、Lcl≧Ltとすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジであって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムに形成された潜像を前記現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有するプロセスカートリッジにおいて、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記電子写真感光体ドラムに形成される潜像の領域幅をLrとしたときに、Ldr>Lcl≧Lr且つLdr−Lr>24(mm)とすることを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記現像剤担持体の長手方向長さLdrにおいて、前記現像剤担持体は、現像剤を担持する担持領域と、現像剤を担持しない非担持領域と、を有し、前記担持領域の前記現像剤担持体の長手方向長さをLtとしたときに、Lcl≧Ltとすることを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体に潜像を形成する露光装置と、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記現像剤を用いて前記潜像を現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有する電子写真画像形成装置において、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記露光装置により前記電子写真感光体ドラムに形成される潜像の領域幅をLrとしたときに、Ldr>Lcl≧Lr且つLdr−Lr>24(mm)とすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体の長手方向長さLdrにおいて、前記現像剤担持体は、現像剤を担持する担持領域と、現像剤を担持しない非担持領域と、を有し、前記担持領域の前記現像剤担持体の長手方向長さをLtとしたときに、Lcl≧Ltとすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジであって、剛体の基体上に感光層を有する電子写真感光体ドラムと、現像剤を担持するとともに前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムに形成された潜像を前記現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記電子写真感光体ドラムと接触し前記電子写真感光体ドラムをクリーニングするクリーニングブレードと、を有するプロセスカートリッジにおいて、
前記感光層の長手方向長さをLe、前記現像剤担持体の前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLdr、前記クリーニングブレードの前記電子写真感光体ドラムと接触する長手方向長さをLclとしたときに、Le≧Ldr>Lclとすることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記電子写真感光体ドラムに形成される潜像の領域幅をLrとしたときに、Ldr>Lcl≧Lr且つLdr−Lr>24(mm)とすることを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記現像剤担持体の長手方向長さLdrにおいて、前記現像剤担持体は、現像剤を担持する担持領域と、現像剤を担持しない非担持領域と、を有し、前記担持領域の前記現像剤担持体の長手方向長さをLtとしたときに、Lcl≧Ltとすることを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−209910(P2008−209910A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14825(P2008−14825)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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