説明

電子機器のキャビネットをインサート成形する方法及び布製カバーによって覆われたキャビネットを有する電子機器

【課題】電子機器のキャビネットに、布地を皺のできにくいようにインサート成形する。
【解決手段】平面状の布地本体30と平面状のプラスチックシート21とを接着する。プラスチックシート21が接着された平面状の布地本体30を加熱しながら予めプレス成形して曲面状の布製カバー9を成形する。この後、布製カバー9を成形型31に取り付けて溶融樹脂を流し込んでインサート成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信機器等の電子機器のキャビネットをインサート成形する方法及び布製カバーによって覆われたキャビネットを有する携帯通信機器等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯通信機器、特に携帯電話機は、低年齢層のみならず、高年齢層へも幅広く普及が進んでいる。そして、各メーカは、色々な新しい機能を搭載することは勿論、製品の外観へも新しい工夫を凝らしている。外観の色調もグレイ、白、シルバーに始まり、鮮やかな赤、オレンジ、青、黄等と、各社独特の色調が誕生している。そして、今や皮革又は合成皮革を貼り付けた製品も誕生しつつある。皮革又は合成皮革を貼り付けた製品は、一般にキャビネットの成形時にインサート成形によって形作られる。これは、キャビネット成形時に皮革又は合成皮革を予め金型に取り付けて溶融樹脂を流し、同時に成形されている。
【0003】
特許文献1は、電気機器の操作盤におけるパネルの操作状態を表示する状態表示部や操作機能を表す機能表示部が印刷されている印刷シートを樹脂でインサート成形し、印刷シートの開口部を利用して、艶消しインク層とベタインク層との塗布印刷の位置精度を高め、表示窓との位置のずれを防止している。
【特許文献1】特開平10−268812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、皮革又は合成皮革ではなく、布地特有の触感や外観が好まれる場合がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、平面形状の印刷シートをインサート成形するには、その印刷ずれを注意すればよいが、曲面を持つキャビネットに布地をインサート成形する場合には、平面状の布地を曲面部に貼り付けると、布地の余分な肉がはみ出てしまい、成形後に皺が発生して見映えが悪いという問題がある。
【0006】
これを改善するために、前もって布地にプレス金型にて曲面を成形しておいても、布地は完全に曲面を保持できず、ある程度元に戻ってしまう。この状態でインサート成形を行ってもコーナーの曲面に皺が発生する。
【0007】
上述した問題点に鑑み、本発明は、電子機器のキャビネットに、布地を皺のできにくいようにインサート成形することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、布地とプラスチックシートとを接着した布製カバーをインサート成形するようにした。
【0009】
具体的には、第1の発明では、電子機器のキャビネットをインサート成形する方法を前提とする。
【0010】
そして、布地とプラスチックシートとを接着して布製カバーを成形し、
上記布製カバーを成形型に取り付けて溶融樹脂を流し込んでインサート成形する構成とする。
【0011】
すなわち、前もって布地にプレス金型にて曲面を成形した後、成形型に取り付けても、布地は完全に曲面を保持できず、ある程度元に戻ってしまう。この状態でインサート成形を行ってもコーナーの曲面に皺が発生する。しかし、上記の構成によると、予め布地とプラスチックシートとを接着して布製カバーを成形しているので、熱を加えてプレスにより曲面を成形すれば、プラスチックシートが硬化して曲面形状が保持される。このため、曲面部分を有するキャビネットでも皺のできにくいようにインサート成形される。また、布地により、様々な触感や外観を実現できる。
【0012】
第2の発明では、上記プラスチックシートが接着された平面状の布地を加熱しながら予めプレス成形して曲面状の布製カバーを成形する。
【0013】
上記の構成によると、予め布地とプラスチックシートとを接着して布製カバーを成形しているので、熱を加えてプレスにより曲面を成形するときに、皺が伸びた状態でプラスチックシートが硬化して曲面形状が保持される。このため、曲面部分を有するキャビネットに対しインサート成形した場合でも、曲面部の皺の発生が少なく、また、小さくなるので品質のよい製品を提供できる。
【0014】
第3の発明では、上記布地とプラスチックシートとを第1両面テープで接着し、
上記プラスチックシートの裏面側に第2両面テープを貼り付け、
上記第2両面テープ側に溶融樹脂を流し込んでインサート成形する構成とする。
【0015】
上記の構成によると、布地とプラスチックシートとが第1両面テープにより、堅固に接着される。また、溶融樹脂とプラスチックシートとの間に第2両面テープを貼り付けているので、インサート成形時に溶融樹脂とプラスチックシートとが堅固に接着される。さらに、両面テープを厚みのあるものとすることで、クッション性が発揮されるので、柔らかい触感が得られる。
【0016】
第4の発明では、上記第1及び第2両面テープは、不織布の両面に接着剤が含浸されたものとする。
【0017】
上記の構成によると、第1及び第2両面テープに不織布層を設けているので、そのクッション性により、布製カバーの柔らかい触感が維持される。
【0018】
第5の発明では、上記第1両面テープは、凸凹面に対して接着性が高いもので構成され、
上記第2両面テープは、樹脂に対して接着性が高いもので構成されている。
【0019】
上記の構成によると、第1両面テープによって布地とプラスチックシートとの密着性が向上し、第2両面テープによって、プラスチックシートと溶融樹脂との密着性が向上する。
【0020】
第6の発明では、上記電子機器は、携帯通信機器とする。
【0021】
上記の構成によると、布製カバーにより、携帯通信機器の見映えよく触感もよくなるので、携帯性、商品性等が優れている。
【0022】
第7の発明では、上記携帯通信機器は、携帯電話機とする。
【0023】
上記の構成によると、携帯電話機の外観及び触感が向上する。
【0024】
第8の発明では、布製カバーによって覆われたキャビネットを有する電子機器を対象とする。
【0025】
そして、上記キャビネットは、布地とプラスチックシートとが樹脂基材に接着されたインサート成形品とする。
【0026】
すなわち、キャビネットを成形する際に前もって布地にプレス金型にて曲面を成形した後、成形型に取り付けても、布地は完全に曲面を保持できず、ある程度元に戻ってしまう。この状態でインサート成形を行ってもコーナーの曲面に皺が発生する。しかし、上記の構成によると、予め布地とプラスチックシートとを接着して布製カバーを成形しているので、熱を加えてプレスにより曲面を成形すれば、皺が伸びた状態でプラスチックシートが硬化して曲面形状が保持される。このため、曲面部分を有するキャビネットでも皺のできにくいようにインサート成形される。
【0027】
第9の発明では、上記キャビネットは、布地とプラスチックシートとが第1両面テープで接着され、プラスチックシートと樹脂基材とが第2両面テープで接着されたインサート成形品とする。
【0028】
上記の構成によると、布地とプラスチックシートとが第1両面テープにより、堅固に接着される。また、樹脂基材とプラスチックシートとの間に第2両面テープを貼り付けているので、インサート成形時に樹脂基材とプラスチックシートとが堅固に接着される。さらに、両面テープを厚みのあるものとすることで、クッション性が発揮されるので、柔らかい触感が得られる。
【0029】
第10の発明では、上記第1及び第2両面テープは、不織布の両面に接着剤が含浸されたものとする。
【0030】
上記の構成によると、第1及び第2両面テープに不織布層を設けているので、そのクッション性により、布製カバーの柔らかい触感が維持される。
【0031】
第11の発明では、上記第1両面テープは、凸凹面に対して接着性が高いもので構成され、
上記第2両面テープは、樹脂に対して接着性が高いもので構成されている。
【0032】
上記の構成によると、第1両面テープによって布地とプラスチックシートとの密着性が向上し、第2両面テープによって、プラスチックシートと溶融樹脂との密着性が向上する。
【0033】
第12の発明では、上記布製カバーの外周は、装飾用リングで覆われている。
【0034】
上記の構成によると、装飾用リングにより、布製カバーと基材との境界線が隠されるので、見映えがよい。
【0035】
第13の発明では、電子機器は、携帯通信機器とする。
【0036】
上記の構成によると、布製カバーにより、携帯通信機器は、見映えよく触感もよくなるので、携帯性、商品性等が優れている。
【0037】
第14の発明では、上記携帯通信機器は、携帯電話機とする。
【0038】
上記の構成によると、携帯電話機の外観及び触感が向上する。
【0039】
第15の発明では、上記キャビネットは、携帯電話機の裏面側を覆っている。
【0040】
上記の構成によると、携帯電話機の触れる部分でかつ外観上目立つ部分を布製カバーで覆っているので、商品性が優れている。
【発明の効果】
【0041】
上記説明したように、本発明によれば、曲面を有するキャビネットに布地をインサート成形する場合、コーナー部において、皺の発生を小さくしたり、皺の数を減少させたりすることができるので、見映えが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。
【0044】
図1及び図2に示すように、本実施形態の携帯電話機1は、第1の筐体2と第2の筐体3とを有し、これら第1の筐体2と第2の筐体3とが、ヒンジ部4によって回転可能に結合されている。第1の筐体2の内側(表面側)には、受話部5及び表示部6が設けられている。第1の筐体2の外側(裏側)には、時計表示や通信時の相手の名前を表示するためのサブ表示部7やスピーカ放音部8等が設けられている。
【0045】
上記第2の筐体3の内側には、各種機能の切替や決定をするための機能ボタン11、情報を入力する入力ボタン12、送話部13等が設けられている。機能ボタン11及び入力ボタン12が操作部50を構成している。第2の筐体3の外側には、カメラ部(図示しない)が設けられ、側面側には、充電端子部(図示せず)、音量ボタン15、イヤホンマイク端子カバー16、カード挿入部(図示しない)等が設置されている。
【0046】
上記基材20は、例えば、ABS、AS、PC(ポリカーボネート)等で構成されている。
【0047】
第1の筐体2を覆うキャビネットは、表裏分割式となっていて、裏側を覆う裏側キャビネット2aは、図7に示すように、樹脂製の基材20と、この基材20の外表面に貼り付けられた布製カバー9とを備えている。この布製カバー9を構成する布地本体30は、例えば、綿、麻、毛、絹、化学繊維など、材質は特に限定されない。
【0048】
図3に示すように、上記布地本体30の裏側には、例えば、ABS、AS、PC等で構成された薄いプラスチックシート21が糊印刷22で接着されている。プラスチックシート21と基材20とは、インサート成形時に糊印刷22で接着されている。
【0049】
なお、上記スピーカ放音部8は、成形時に裏側キャビネット2aと一体に形成してもよいが、確実に放音孔を設けるには、樹脂製又は金属製の別部材で構成し、裏側キャビネット2aの裏面側から嵌め込むのが望ましい。
【0050】
上記布製カバー9の外形の境界は、装飾用リング10によって覆われている。装飾用リング10によって布製カバー9と基材20との境界線が隠されている。また、サブ表示部7の表面は、透明カバー26で覆われている。
【0051】
−キャビネットのインサート成形方法−
次に、携帯電話機1の裏側キャビネット2aのインサート成形方法について説明する。
【0052】
図3乃至図6は、第1の筐体2の外観を覆う布製カバー9の製作の順序を示す図である。
【0053】
まず、図3に示すように、平面状の布地本体30に糊印刷22を行い、平面状のプラスチックシート21を接着する。プラスチックシート21の布地本体30と反対側にも糊印刷22を接着する。この裏面の糊印刷22は、インサート成形時に基材20との接着に利用される。裏面の糊印刷22の表面をセパレーター(図示せず)で覆う。このようにして平面状の布製カバー9を予め成形しておく。
【0054】
次いで、図4及び図5に示すように、図3の平面状の布製カバー9をプレス成形機(図示せず)で温度をかけながら、第1の筐体2の曲面形状となるように凹凸を設ける。なお、裏面の糊印刷22の表面をセパレーターで覆っているので、プレス成形型に布製カバー9が貼り付くことはない。このとき、サブ表示部7に対応する位置にサブ表示部用凹部18を凹陥し、スピーカ放音部8に対応する位置にスピーカ部用凹部19を凹陥する(X−X線断面図参照)。また、コーナー部23も同時に成形する。このコーナー部23の成形においては、布地本体30のみをプレス成形した場合には、プレス成形機から取り外した後は、殆ど平面近くまで復元してしまい、プレス成形した効果が小さくなってしまうが、プラスチックシート21を一緒にプレス成形することにより、プレス成形型の形のまま保持される。さらに温度を加えてプラスチックシート21を軟化させながら成形しているので、皺が伸び、外観から目立たなくなる。
【0055】
次に、図6に示すように、図5の曲面状の布製カバー9を、第1の筐体2の形状の外形にカットし、かつ必要な孔抜きをする。ここで、スピーカ放音部8及びサブ表示部7の孔抜きにおいては、サブ表示部用凹部18及びスピーカ部用凹部19の凹部側面よりも内側で凹部に沿って孔抜きをする。このため、その切断面が下側に曲がるように孔抜きされるようにして、サブ表示部孔24及びスピーカ部孔25が形成される(Y−Y線断面図参照)。このことで、孔周辺の切断面は、布地本体30で覆われているため、見映えがよい。
【0056】
次いで、図8に示すように、図5の布製カバー9のセパレーターをはがし、射出成形型31の下型32の成形面32aに布地本体30側が当接するように取り付ける。この下型32への布製カバー9の取付は、サブ表示部孔24及びスピーカ部孔25で位置決めされる。そして、上型33を型閉じし、キャビティ34を形成する。このキャビティ34に溶融樹脂を流し込んで射出成形により、インサート成形する。これにより、図7に示す第1の筐体2の裏側キャビネット2aが完成する(Z−Z線断面図参照)。
【0057】
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態に係る電子機器のキャビネットをインサート成形する方法によると、曲面を有する裏側キャビネット2aに布地本体30をインサート成形する場合、コーナー部23において、皺の発生を小さくしたり、皺の数を減少させたりすることができる。
【0058】
−実施形態の変形例−
上記実施形態では、プラスチックシート21の両面に糊印刷22を施しているが、布地本体30とプラスチックシート21とを第1両面テープ43で接着し、プラスチックシート21の裏面側に第2両面テープ44を貼り付け、第2両面テープ44側に溶融樹脂を流し込んでインサート成形してもよい。
【0059】
すなわち、図9及び図10に示すように、上記第1及び第2両面テープ43,44は、柔軟な不織布43a,44aの両面に接着剤43b,44b(例えば、アクリル系粘着材)が含浸されたものとなっている。第1両面テープ43の接着剤43bは、凸凹面に対して接着性が高いもので構成されている。第2両面テープ44の接着剤44bは、プラスチックシート21や基材20に対して接着性が高いもので構成されている。すなわち、粗面接着性を高めるために不織布43aの厚さ(例えば、0.30mm)は、不織布44aの厚さ(例えば0.17mm)よりも厚くなっている。このことで、不織布層42の凸凹面との間に隙間を生じることなく、布地本体30とプラスチックシート21とが第1両面テープ43により、堅固に接着されている。
【0060】
また、基材20とプラスチックシート21との間に第2両面テープ43を貼り付けているので、インサート成形時に溶融樹脂(基材20)とプラスチックシート21とが堅固に接着される。
【0061】
さらに、不織布43a,44aのクッション性により、布製カバー9の柔らかい触感が維持される。
【0062】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0063】
すなわち、折畳み式携帯電話について、PHS、PDAなどの携帯通信機器でもよい。また、折畳み式に限らず、ストレートタイプの携帯通信機器であってもよい。
【0064】
上記実施形態では、射出成形により裏側キャビネット2aを成形したが、コンプレッション成形によって裏側キャビネット2aを成形してもよい。この場合には、裏側キャビネットをシリコンで成形してもよい。
【0065】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上説明したように、本発明は、布製カバーによって覆われたキャビネットを有する携帯電話機などの電子機器及びそのキャビネットの成形方法について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。
【図3】(b)が布製カバーの製作順序における布地本体とプラスチックシートを糊印刷にて接着した状態を示す平面図で、(a)がそのX−X線断面図である。
【図4】(b)が布製カバーの製作順序におけるプレス成形機にて成形した状態を示す平面図で、(a)がその断面図を示す図である。
【図5】プレス成形機にて成形した布製カバーを示す斜視図である。
【図6】(b)が布製カバーの製作順序における外形カット及び孔抜きをした状態を示す平面図で、(a)がそのY−Y線断面図である。
【図7】(b)が布製カバーの製作順序における布製カバーをインサート成形した状態を示す平面図で、(a)がそのZ−Z線断面図である。
【図8】射出成形型で溶融樹脂を流し込んで裏側キャビネットを成形する様子を示す断面図である。
【図9】変形例の第1両面テープの拡大断面図である。
【図10】変形例の第2両面テープの拡大断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 携帯電話機(電子機器、携帯通信機器)
2a 裏側キャビネット(キャビネット)
9 布製カバー
10 装飾用リング
20 基材(樹脂基材)
21 プラスチックシート
30 布地本体(布地)
31 成形型
43 第1両面テープ
43a 不織布
43b 接着剤
44 第2両面テープ
44a 不織布
44b 接着剤
50 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器のキャビネットをインサート成形する方法において、
布地とプラスチックシートとを接着して布製カバーを成形し、
上記布製カバーを成形型に取り付けて溶融樹脂を流し込んでインサート成形することを特徴とする電子機器のキャビネットのインサート成形方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器のキャビネットのインサート成形方法において、
上記プラスチックシートが接着された平面状の布地を加熱しながら予めプレス成形して曲面状の布製カバーを成形することを特徴とする電子機器のキャビネットのインサート成形方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器のキャビネットをインサート成形する方法において、
上記布地とプラスチックシートとを第1両面テープで接着し、
上記プラスチックシートの裏面側に第2両面テープを貼り付け、
上記第2両面テープ側に溶融樹脂を流し込んでインサート成形することを特徴とする電子機器のキャビネットのインサート成形方法。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器のキャビネットのインサート成形方法において、
上記第1及び第2両面テープは、不織布の両面に接着剤が含浸されたものであることを特徴とする電子機器のキャビネットのインサート成形方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の電子機器のキャビネットのインサート成形方法において、
上記第1両面テープは、凸凹面に対して接着性が高いもので構成され、
上記第2両面テープは、樹脂に対して接着性が高いもので構成されていることを特徴とする電子機器のキャビネットのインサート成形方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の電子機器のキャビネットのインサート成形方法において、
上記電子機器は、携帯通信機器であることを特徴とする電子機器のキャビネットのインサート成形方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器のキャビネットのインサート成形方法において、
上記携帯通信機器は、携帯電話機であることを特徴とする電子機器のキャビネットのインサート成形方法。
【請求項8】
布製カバーによって覆われたキャビネットを有する電子機器であって、
上記キャビネットは、布地とプラスチックシートとが樹脂基材に接着されたインサート成形品であることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項8に記載の電子機器であって、
上記キャビネットは、布地とプラスチックシートとが第1両面テープで接着され、プラスチックシートと樹脂基材とが第2両面テープで接着されたインサート成形品であることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器において、
上記第1及び第2両面テープは、不織布の両面に接着剤が含浸されたものであることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の電子機器において、
上記第1両面テープは、凸凹面に対して接着性が高いもので構成され、
上記第2両面テープは、樹脂に対して接着性が高いもので構成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか1つに記載の電子機器において、
上記布製カバーの外周は、装飾用リングで覆われていることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか1つに記載の電子機器において、
携帯通信機器であることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項13に記載の電子機器において、
携帯電話機であることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項14に記載の電子機器において、
上記キャビネットは、操作部のある面と反対側の面を覆っていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−176106(P2007−176106A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−379959(P2005−379959)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(591257513)株式会社フクダコーポレーション (17)
【Fターム(参考)】