電子機器及び電子システム
【課題】 シャットダウン処理の途中で蓄電池からの電力が供給されなくなっても、ポータブルナビのシャットダウン処理を正常に行うことが可能な電子機器及び電子システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 蓄電池15を具備するポータブル機器10を着脱可能であり、該ポータブル機器10が装着された装着状態において該ポータブル機器10に電力を供給する車載機器100であって、装着状態で自己の電源が切られた場合、ポータブル機器10の稼動終了を確認する制御部140と、制御部140による確認の後に、ポータブル機器10に対する電力の供給を停止する電圧変換装置141を有することを特徴とする。
【解決手段】 蓄電池15を具備するポータブル機器10を着脱可能であり、該ポータブル機器10が装着された装着状態において該ポータブル機器10に電力を供給する車載機器100であって、装着状態で自己の電源が切られた場合、ポータブル機器10の稼動終了を確認する制御部140と、制御部140による確認の後に、ポータブル機器10に対する電力の供給を停止する電圧変換装置141を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び電子システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、PND(パーソナルナビゲーションデバイス)と呼ばれる、簡易的ではあるが可搬性を持った小型のポータブルナビゲーション装置(以下、ポータブルナビと呼ぶ)と、車両のダッシュボードに形成された凹部(DIN開口)内に収容し固定される車載用のナビゲーション装置とが広く一般的に知られている。車載用のナビゲーション装置は、車両からの車速等の情報により高精度な案内が可能であり、さらにはオーディオ装置を備えたものも提案されている。
【0003】
近年、ポータブルナビの可搬性と、車載用ナビゲーション装置の高精度な案内性能とを兼ね備えたナビゲーション装置が検討されている。
【0004】
特許文献1〜4は、車両に搭載された車載機器からナビゲーション部を着脱可能とする構成が開示されている。車載機器からナビゲーション部を取り外すことで、ナビゲーション部をポータブルナビとして単体で使用することが可能となる。
【0005】
また、特許文献5は、ナビゲーション装置を車両から取り外して、歩行時にもナビゲーション装置を使用することが可能となっている。また、車両搭載時には、カーナビモードとなり、車両から取り外した時にはマンナビモードを実行することが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−318792号公報
【特許文献2】特開2002−328026号公報
【特許文献3】特表2005−524570号公報
【特許文献4】特開2001−239895号公報
【特許文献5】特開2003−166848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したポータブルナビは、車載機器に装着されている装着状態においては、車載機器からの電力を受けて稼動するが、車載機器の電源が切られた場合には、自身が備える蓄電池からの電力を受け、各種データをフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶させてから、自身の動作を終了する(シャットダウン処理を行う)ことがある。
【0008】
しかしながら、蓄電池に電力が充電されていなかったり、蓄電池からの電力が弱かったりした場合に、車載機器の電源が切られると、シャットダウン処理の途中で電力が安定して供給されず、ポータブルナビは、各種データを記憶させない等の異常なシャットダウン処理を起こすおそれがある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、シャットダウン処理の途中で蓄電池からの電力が供給されなくなっても、ポータブルナビのシャットダウン処理を正常に行うことが可能な電子機器及び電子システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために本発明は、蓄電部を具備する携帯機器を着脱可能であり、該携帯機器が装着された装着状態において該携帯機器に電力を供給する電子機器であって、装着状態で自己の電源が切られた場合、携帯機器の稼動終了を確認する制御手段と、制御手段による確認の後に、携帯機器に対する電力の供給を停止する電圧変換手段とを有することを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、電子機器が携帯機器から稼動終了の旨を受けるまで、電子機器は携帯機器に対し電力を供給する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯機器のシャットダウン処理の途中で自己の蓄電池からの電力が供給されなくなるおそれがあっても、電子機器からの電力が携帯機器に供給され得るため、携帯機器のシャットダウン処理を正常に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の最良の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は電子システムの一例である車載システム1の外観形状を示す図である。
【0015】
車載システム1は、図1に示すように車両に搭載される車載機器100(電子機器)と、ナビゲーション機能を備えたポータブル機器10(携帯機器)とから構成される。ポータブル機器10は、車載機器100の前面部120に取り付けて使用でき、さらに車載機器100から取り外した状態で単独で使用することができる。
【0016】
車載機器100は、ラジオ放送の再生機能や、CD(Compact Disk)及びDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に書き込まれた音楽データ及び動画像データの再生機能を有している。また、車載機器100は、記録媒体の再生部や記録媒体の挿排口を有する本体部110と、表示部131や操作部132を有する前面部120とを備えている。ポータブル機器10は、目的地までの誘導経路を検索し、地図上に検索した誘導経路を重ねて表示するナビゲーションの機能を備えている。
【0017】
図2は、ポータブル機器10を取り外した車載機器100の前面部120を示している。
【0018】
車載機器100の前面部120には、ポータブル機器10を装着するための凹部が形成された着脱部170が設けられている。この着脱部170には、車載機器100とポータブル機器10とを電気的に接続するためのコネクタ150と、ポータブル機器10を前面部120に固定するためのロック部161及びリブ162と、ポータブル機器10の一端をリブ162にガイドするスロープ163と、ポータブル機器10を背面方向から前面方向に押し出す押出部164とが設けられている。前面部120に設けられた取り外しボタン160を操作すると、ロック機構161が解除され、前面部120からポータブル機器10が取り外し可能となる。
【0019】
図3は、前面部120を本体部110に対して傾斜させ、挿排口180を露出させた状態を示す図である。
【0020】
不図示の駆動機構によって図3に示すスライダー181を駆動させることで、前面部120を本体部110に対してチルトさせることができる。チルト動作によって、本体部110に設けられた挿排口180を露出させ、記録媒体の挿排を行うことができる。車載機器100の前面部120には、操作ボタン(具体的には、図6に示すチルト/イジェクトボタン132a)が設けられており、このボタンの操作に応じたチルト角度に設定することができる。
【0021】
図4は、車載システム1の車両への搭載例を示す図である。
【0022】
車載システム1は、例えば図4に示すように、運転席52と助手席51とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。なお、図示していないが、後述するGPS情報受信部133のGPSアンテナは、ダッシュボード上に配置されるか、又はフロントガラスの車室側に貼り付けられる。
【0023】
図5は、車載システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
車載機器100とポータブル機器10とは、コネクタで電気的に接続される。車載機器100側には、コネクタ150が設けられており、ポータブル機器10には、コネクタ30が設けられている。これらのコネクタ150、30を互いに接続することで、車載機器100とポータブル機器10との間で各種信号が送受信され、車載システム1として機能する。また、コネクタ150、30には、車両のバッテリからの電力をポータブル機器10に供給するための電力供給端子が設けられており、ポータブル機器10が車載機器100に接続された状態で、車載機器100に電力が供給されていると、電力供給端子を介してポータブル機器10にも電力が供給される。
【0025】
車載機器100は、表示部131、操作部132、GPS情報受信部133、ラジオ受信部134、再生部135、音声調整部136、メモリ137、マイク138、外部音声/映像入力部139、制御部140、及びコネクタ150を備えている。その他にも、後述する不図示の電圧変換装置を備えている。車載機器100は、車両側のバッテリから電力の供給を受け動作する。また、車載機器100は、車両からのACC信号のオン/オフにより電源をオン/オフする。
【0026】
表示部131は、液晶パネルやバックライトを備え、受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、及び再生楽曲名等を表示する。
【0027】
操作部132は、車載機器100の動作モードを切り替える操作指示や、切り替えた各種モードでの操作指示を入力する。操作部132は、図6に示すように、前面部120をチルトさせるためのチルト/イジェクトボタン132a、再生対象のラジオの周波数帯域又は再生対象の記録媒体のトラックを切り替えるためのバンド/チューンボタン132b、表示部131に表示されるタイトル等を切り替えるためのTEXTボタン132c、表示部11に表示される画像をナビゲーション画像及びDVDの動画像のいずれかに切り替える又は音量を調整するためのSCREENボタン132d、再生対象のソースの切替を行うためのSOURCEボタン132e、音質を制御するためのCONTROLボタン132f、及び音声をカットする又は表示部11の表示を点灯/消灯するためのMUTE/SCREENOFFボタン132gを備えている。
【0028】
図5に戻って、GPS情報受信部133は、GPSアンテナとチューナ部とを有し、衛星からのGPS信号を受信する。GPS情報受信部133で受信したGPS信号は、制御部140、コネクタ150、コネクタ30及び制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置が割り出される。
【0029】
ラジオ受信部134は、アンテナとチューナ部とを有しており、AM放送、FM放送、多重放送等の放送波を受信して、音声信号の出力、多重データの受信、復調を行い、復調信号を制御部140に出力する。
【0030】
再生部135は、CDやDVD等の記録媒体に記録された音声データや動画像データを再生し、再生信号を制御部140に出力する。
【0031】
なお、ラジオ受信部134から出力される復調信号や再生部135から出力される再生信号を制御部140を介さずに、後述する音声調整部136に出力するようにしてもよい。
【0032】
音声調整部136は、ラジオ受信部134で受信、復調された音声信号や、再生部135で再生された音声信号に、音量調整や音質調整等の信号処理をしてスピーカ145に出力する。
【0033】
メモリ137は、データの読み出しと書き込みとが可能なRAM(Random Access Memory)で構成することができ、制御のために必要な情報を一時的に記憶しておく。必要に応じてフラッシュメモリ等のROM(Read Only Memory)を構成してもよい。マイク138は、ハンズフリー通話を行うためのものであって、車室内のユーザの音声を取り込む。
【0034】
外部音声/映像入力部139は、USBメモリや、携帯型オーディオ装置等の外部機器との接続端子を備え、外部機器からの音声信号やデータを入力して制御部140に送り、制御部140からの制御信号、音声信号やデータ等を接続した外部機器に出力する。
【0035】
制御部140は、操作部132の操作に従って、ラジオ受信部134、再生部135、及び音声調整部部136などを制御する。また、制御部140は、コネクタ150を介してポータブル機器10に各種信号を出力し、ポータブル機器10から入力した各種信号に基づいて車載機器100を制御する。例えば、制御部140は、GPS情報受信部133で受信したGPS信号や、マイク138で入力された音声信号を、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力する。尚、制御部140は、例えばマイコン等のCPUやICにより構成される。後述する制御部20も同様である。
【0036】
また、マイク138で入力された音声信号を、制御部140を介さずに、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力してもよい。
【0037】
また、制御部140は、ポータブル機器10の表示部11に表示される、各種モードのメニュー画像に対する操作信号をポータブル機器10の制御部20から取得し、ラジオ受信部134や再生部135の制御を行う。
【0038】
また、制御部140には、車両に搭載されたバッテリからの電源と車両からのACC信号が入力されている。制御部140は、ACC信号がオンの時に車載機器100の電源をオンにする。また、その状態で、制御部140は、ポータブル機器10が接続されている場合に、バッテリの電源をポータブル機器10に出力する。また、制御部140には、車両から車速パルスとイルミ電源信号が入力される。制御部140は、入力した車速パルスをポータブル機器10の制御部20に転送する。なお、車載機器100に車速パルスが入力されない構成であってもよい。
【0039】
次に、ポータブル機器10について説明する。
ポータブル機器10は、表示部11、操作部12、GPS情報受信部13、スピーカ14、蓄電池15、充電回路16、無線通信送受信部17、メモリ18、ナビゲーション部19、制御部20及びコネクタ30を備えている。
【0040】
表示部11は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部19で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、並びに車載機器100から転送された受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、及び再生楽曲名等を表示することができる。
【0041】
なお、表示部11、131には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0042】
操作部12は、タッチパネルや、ポータブル機器10の電源をオン、オフするための電源ボタン55(図7A参照)を含む。タッチパネルは、例えば、表示部11の表示画面の上に配置されるものであり、指や専用のペンによりタッチパネルが接触されると、その接触された位置が検知されて、入力操作の有無が判別できるようになっている。電源ボタン55については後述する。
【0043】
GPS情報受信部13は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいて自機位置が割り出される。なお、車載装置100にもGPS情報受信部133が設けられているが、車載機器100にポータブル機器10が取り付けられているときには、GPS情報受信部133で受信したGPS信号(及び車速パルス)を用いてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置を特定し、ポータブル機器10単独で使用する場合には、GPS情報受信部13で受信したGPS信号を用いて自機位置を特定する。
【0044】
スピーカ14は、ナビゲーション部19からの音声情報を出力するためのものであり、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態、つまり単体で使用されるときに、音声情報を出力する。
【0045】
蓄電池15は、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態では、ポータブル機器10の各部に電力を供給する。またポータブル機器10を車載機器100に装着すると、コネクタ30の電力供給端子を介して車両のバッテリから電力が供給され、充電回路16によって蓄電池15を充電する。また、充電回路16はUSBスロット57(図7A参照)を介して接続端末から電力の供給を受けて、蓄電池15を充電することができる。
【0046】
無線通信送受信部17は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得したりする。無線通信送受信部17には、例えば、2.4GHz帯域の無線伝送方式である、Bluetooth(登録商標)が用いられる。
【0047】
メモリ18は、例えば、読み出しと書き込みとが可能なRAMであり、各制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。上述したROMを構成してもよい。
【0048】
ナビゲーション部19は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶したSD(Secure Digital)カードやUSBメモリから取得し、記憶する地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部133、又は13からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーションのための地図画像を作成する。作成した地図画像は、表示部11で表示させることができる。また、車載機器100とポータブル機器10とが接続されている場合には、車両から車速パルスを取得して、ポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置検出の精度を高めることができる。なお、地図情報はポータブル機器10内に保持していてもよい。
【0049】
制御部20は、ポータブル機器10の各部を制御する。また、制御部20は、コネクタ30を介して車載機器100に各種信号を出力し、車載機器100から入力した各種信号に基づいてポータブル機器10を制御する。例えば、制御部20は、車載機器100のGPS情報受信部133で受信したGPS信号、及び車速パルスを車載機器100の制御部140から取得し、ナビゲーション部19に出力する。また、制御部20は、車載機器100のマイク138で入力した音声信号を車載機器100の制御部140から取得し、取得した音声信号に応じてナビゲーション部19を制御する。すなわち、ナビゲーション部19をハンズフリーで操作することができる。また、無線通信送受信部17にて接続された携帯電話からの通話音声を、コネクタ30を介して車載機器側に出力し、車載機器100のスピーカ145から出力させる。また、表示部11に表示されたメニュー画面やコンテンツ画面に対する操作信号をコネクタ30を介して車載機器100の制御部140に出力する。制御部140は、ポータブル機器10の制御部20から送られた操作信号に応じて、ラジオ受信部134や再生部135を制御する。制御部140は、ポータブル機器10が車載機器100に装着された状態で車載機器100の電源が切られた(オフとなった)場合に、所要の条件を満たすと、ポータブル機器10に対する電力の供給を停止させる。
【0050】
図7Aに、ポータブル機器10の正面図、上面図、底面図、左側面図及び右側面図を示し、図7Bに、ポータブル機器10の背面図を示す。
【0051】
ポータブル機器10の上面には、ポータブル機器の電源をオン、オフさせる電源ボタン55が設けられており、ポータブル機器10の底面には、SDメモリカードスロット56、USBスロット57、及びイヤホンジャック58が設けられている。また、ポータブル機器10の左側面には、図2のリブ162を収容する凹部59が設けられており、ポータブル機器10の背面には、車載機器100との電気的に接続するためのコネクタ30が設けられている。さらに、ポータブル機器10の底面及び背面には、図2の押出部164と係合する係合部60が設けられている。
【0052】
地図情報が記憶されたSDカード又はUSBメモリをそれぞれSDメモリカードスロット56又はUSBスロット57に差し込むことで、制御部20は、SDカード又はUSBメモリから地図情報を読み出し、ナビゲーション部19に地図情報を出力する。
【0053】
ポータブル機器10の電源は、ポータブル機器を車載機器100に装着したときには、車載機器100からの制御によってオン又はオフされる。また、車載機器100から取り外してポータブル機器10を単体で使用する場合には、電源ボタン55のオン又はオフの操作に基づいて電源が操作される。
【0054】
さらに、本実施形態に係る車載システム1の特徴について図8を参照して説明する。
図8は、図5を参照して説明した車載システム1の他の例を示すブロック図である。尚、図5に示される車載システム1の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
まず、車載機器100について説明する。
車載機器100の電圧変換装置141は、バッテリからの電力をコネクタ150、30を介してポータブル機器10に供給する。電圧変換装置141は、制御部140からの制御を受けて、ポータブル機器10への電力の供給を行ったり、停止したりする。
【0056】
例えば、制御部140が、車両からのACC信号のオフを通じて、車載機器100の電源がオフにされた旨を受信した場合、制御部140は、ポータブル機器10の制御部20へその旨を送信する。この送信は、コネクタ150、30を介して通信線(図8においてオフ通知ラインと示す。)を通じて行われる。尚、同図では、コネクタ150、30を介していないが、説明の都合上、理解を容易にするために、制御部140、20同士をオフ通知ラインで接続している。後述する動作停止通知ラインも同様である。
【0057】
次に、ポータブル機器10について説明する。
ポータブル機器10の電源切替装置22は、スイッチSWを備えている。スイッチSWは、蓄電池15側とコネクタ30側との接続を切り替える。蓄電池15側に接続を切り替えた場合には、蓄電池15の電力を電圧変換装置21に供給する。コネクタ30側に接続を切り替えた場合には、車載機器100の電力を電圧変換装置21に供給する。
【0058】
このスイッチSWの切り替えは、車載機器100からの電力の供給があるか否かによって行われる。電源切替装置22が車載機器10からの電力が停止されたと判定した場合に、スイッチSWは蓄電池15側に接続を切り替える。電源切替装置22は、自身の電圧の変化を検出することによりこれを判定する。尚、電圧の変化を制御部20に通知し、制御部20がスイッチSWを切り替えるようにしてもよい。
【0059】
電圧変換装置21は、制御部20に電力を供給する。これにより、制御部20は稼動する。
【0060】
制御部20は、電圧変換装置21から電力が供給される。車載機器100の制御部140から電源がオフにされた旨を受信した場合、シャットダウン処理を開始する。シャットダウン処理は概ね10秒程度である。シャットダウン処理を終了すると、その旨を車載機器100の制御部140に送信する。この送信は、上記と同様に、コネクタ150、30を介して通信線(図8において動作停止通知ラインと示す。)を通じて行われる。
【0061】
したがって、車載機器100の制御部140は、ポータブル機器10の制御部20からシャットダウン処理が終了した旨を受信し確認した後、電圧変換装置141にポータブル機器10への電力供給を停止するよう制御をかける。ポータブル機器10は、電力の供給が停止されると、上述したように、スイッチSWが蓄電池15側に切り替わる。すなわち、制御部20のシャットダウン処理は、車載機器100の電力により行われ、例え、蓄電池15の蓄電容量が不足していても、制御部20のシャットダウン処理の途中に、電力の供給が途絶えることはない。
【0062】
尚、電力の供給が停止された後では、ポータブル機器10は自己の蓄電池15から電力を受けられる状態になる。蓄電池15の蓄電容量は、シャットダウン処理に係る電力量の分だけ消費せずに維持できる。これにより、ポータブル機器10が車載機器100から取り外されて使用された場合でも、その分だけ携帯時間の長期化が図れる。
【0063】
続いて、車載システム1の動作について図9及び図10を参照して説明する。図9は、車載機器100の動作の一例を示すフローチャート、図10は、ポータブル機器10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0064】
まず、車載機器100について説明する。
車載機器100の制御部140は、図9に示すように、電源がオフにされたか判定する(ステップS1)。この判定は、上述した車両からのACC信号がオフされたかによって行われる。尚、電源がオフにされない限り、後続の処理を行わない。したがって、車載機器100への種々の操作が可能である。
【0065】
車載機器100の制御部140は、電源がオフにされたと判定した場合には、ポータブル機器10に電源がオフにされた旨を送信する(ステップS2)。電源がオフにされた旨を送信する際には、電気的な制御信号であってもよいし、シャットダウンを開始させるコマンド(実行命令)等の指示であってもよい。
【0066】
車載機器100の制御部140は、次いで、動作停止を受信したか否かを判定する(ステップS3)。このように、ポータブル機器10の動作停止を受信するまで、後述する電力の供給を停止しない。すなわち、ポータブル機器10は、シャットダウン処理が終了するまで、車載機器100を介したバッテリからの電力が供給され続ける。
【0067】
尚、例えば、所定の時間を経過しても動作停止を受信しない場合には、再度、電源がオフにされた旨を送信するようにしてもよい。ポータブル機器10での受信処理が正常に行われていなかった場合、再度の送信処理により、正常に受信処理が行われる可能性がある。さらに、再度の送信処理を行っても動作停止を受信しない場合には、ポータブル機器10の表示部131に処理エラー等の警告を表示させたり、スピーカ145から処理エラーである旨の警告音を出力させたりするようにしてもよい。
【0068】
車載機器100の制御部140は、動作停止を受信したと判定した場合には、電圧変換装置141に制御をかけて、電圧変換装置141がポータブル機器10への電力の供給を停止する(ステップS4)。電力の供給の停止は、動作停止を受信したことに伴う制御部140からの電圧の変化により判定すればよい。
【0069】
次に、ポータブル機器10について説明する。
ポータブル機器10の制御部20は、図10に示すように、まず、車載機器100から電源がオフされた旨を受信したか判定する(ステップS11)。電源がオフにされた旨を受信した場合には、シャットダウン処理を開始する(ステップS12)。
【0070】
ポータブル機器10の制御部20は、シャットダウン処理が終了したか否かを判定する(ステップS13)。当該処理が終了しない限り、後続の処理を行わない。
【0071】
ポータブル機器10の制御部20は、次いで、シャットダウン処理が終了したと判定した場合には、動作停止を車載機器100に送信する(ステップS14)。尚、シャットダウン処理が正常に終了しなかった場合には、動作停止を送信しないでもよいし、正常に終了しなかった旨を送信するようにしてもよい。これにより、車載機器100は、上述したような動作を行うことができる。
【0072】
ポータブル機器10の電源切替装置22は、ここで、電力の供給が停止されたか判定する(ステップS15)。この判定処理は、ポータブル機器10の電源切替装置22自身が電圧の変化を検出することにより行われる。電力の供給が停止されない限り、自己に形成された蓄電池15からの電力供給に切り替えない。
【0073】
ポータブル機器10の電源切替装置22は、電力の供給が停止されたと判定した場合には、蓄電池15からの電力供給を受けるべく、スイッチSWの接続を蓄電池15側に切り替える(ステップS16)。これにより、ポータブル機器10を車載機器100から取り外しても、利用者はポータブル機器10を操作できる。
【0074】
さらに、上述した車載システム1の動作について、図11を参照して説明する。図11は車載システム1の電圧の変化を示す各タイミングチャートの一例である。
【0075】
バッテリのタイミングチャートは、同図(a)の実線に示すように、常時、供給状態を示している。すなわち、車載システム1には、バッテリから常時電力が供給されていることを示している。尚、同図(a)における破線は、電力が供給されなくなった状態を供給状態の比較用として示している。例えば、バッテリの蓄電容量がなくなった場合には、上記の実線は、破線側に移行する。
【0076】
電源のタイミングチャートは、車載機器100における電源のオン/オフに伴う電圧の変化を示している。同図(b)に示すように、時刻t0からt1までの間では、電源がオンとされているが、時刻t1に電源がオフとされた場合、電圧が下がる。
【0077】
オフ通知ラインのタイミングチャートは、車載機器100とポータブル機器とを接続するオフ通知ラインの電圧の変化を示している。同図(c)に示すように、電源がオフにされた旨を送信する場合に、電圧が上がる。したがって、電源がオフにされた時刻t1から所定の時間を経過した後の時刻t2に電源がオフにされた旨をポータブル機器10に送信する。尚、時刻t1と時刻t2との間は、可能な限り短時間であることが望ましい。例えば0秒から1秒未満とすることができる。
【0078】
動作停止通知ラインのタイミングチャートは、車載機器100とポータブル機器とを接続する動作停止通知ラインの電圧の変化を示している。同図(d)に示すように、動作停止を受信する場合に、電圧が上がる。したがって、時刻t2から時刻t3にかけてシャットダウン処理が行われ、ポータブル機器10から動作停止を受信した時刻t3に電圧が上がる。この時刻t2から時刻t3にかけての一時停止時間がシャットダウン処理に必要な時間であり、概ね10秒程度となる。尚、シャットダウン処理にかかる時間が上記時間より短時間であったり、長時間であったりする場合には、適宜、必要な時間を短縮したり、延長したりしてもよい。
【0079】
電力供給のタイミングチャートは、車載機器100における電圧変換装置141の電圧の変化を示している。同図(e)に示すように、ポータブル機器10への電力の供給状態である場合には、電圧は上がり、停止状態である場合には、電圧は低下する。したがって、時刻t3に動作停止を受信すると、その電圧を検知し、所定の時間を経過後に、電圧変換装置141の電圧は下がる。これにより、ポータブル機器10への電力供給が停止する。尚、上記時刻t3からt4にかけての時間についても、短時間であることが望ましい。
【0080】
このように、本実施形態に係る車載システム1よれば、ポータブル機器10の蓄電池15が十分に充電できていなくても、安全なシャットダウン処理が可能となり、ポータブル機器10で使用される各種情報、データ、信号等の破損やポータブル機器10の動作不具合が回避され得る。
【0081】
以上、本発明の望ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変化が可能である。例えば、本実施形態では、制御部同士の通信を有線で行っているが無線等で行ってもよい。また、上述した図8では、2本の通信線を構成したが、コマンドにより通信する場合には、シリアル通信方式により1本の通信線を共用できる。これにより、回路の複雑化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】車載システムの外観を示す図である。
【図2】ポータブル機器を取り外した車載機器の前面部を示す図である。
【図3】前面部を車載機器本体部に対してチルトし、CD挿排口を露出させた状態を示す図である。
【図4】車載システムを車両に搭載した状態を示す図である。
【図5】車載システムの構成を示す図である。
【図6】前面部の構成を示す図である。
【図7】図7Aは、ポータブル機器の正面図、上面図、底面図、左側面図、及び右側面図であり、図7Bは、ポータブル機器の背面図である。
【図8】車載システムの他の例を示すブロック図である。
【図9】車載機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】ポータブル機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】車載システムの電圧の変化を示す各タイミングチャートの一例である。
【符号の説明】
【0083】
1 車載システム
10 ポータブル機器
15 蓄電池
20 制御部
21 電圧変換装置
22 電源切替装置
100 車載機器
140 制御部
141 電圧変換装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び電子システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、PND(パーソナルナビゲーションデバイス)と呼ばれる、簡易的ではあるが可搬性を持った小型のポータブルナビゲーション装置(以下、ポータブルナビと呼ぶ)と、車両のダッシュボードに形成された凹部(DIN開口)内に収容し固定される車載用のナビゲーション装置とが広く一般的に知られている。車載用のナビゲーション装置は、車両からの車速等の情報により高精度な案内が可能であり、さらにはオーディオ装置を備えたものも提案されている。
【0003】
近年、ポータブルナビの可搬性と、車載用ナビゲーション装置の高精度な案内性能とを兼ね備えたナビゲーション装置が検討されている。
【0004】
特許文献1〜4は、車両に搭載された車載機器からナビゲーション部を着脱可能とする構成が開示されている。車載機器からナビゲーション部を取り外すことで、ナビゲーション部をポータブルナビとして単体で使用することが可能となる。
【0005】
また、特許文献5は、ナビゲーション装置を車両から取り外して、歩行時にもナビゲーション装置を使用することが可能となっている。また、車両搭載時には、カーナビモードとなり、車両から取り外した時にはマンナビモードを実行することが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−318792号公報
【特許文献2】特開2002−328026号公報
【特許文献3】特表2005−524570号公報
【特許文献4】特開2001−239895号公報
【特許文献5】特開2003−166848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したポータブルナビは、車載機器に装着されている装着状態においては、車載機器からの電力を受けて稼動するが、車載機器の電源が切られた場合には、自身が備える蓄電池からの電力を受け、各種データをフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶させてから、自身の動作を終了する(シャットダウン処理を行う)ことがある。
【0008】
しかしながら、蓄電池に電力が充電されていなかったり、蓄電池からの電力が弱かったりした場合に、車載機器の電源が切られると、シャットダウン処理の途中で電力が安定して供給されず、ポータブルナビは、各種データを記憶させない等の異常なシャットダウン処理を起こすおそれがある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、シャットダウン処理の途中で蓄電池からの電力が供給されなくなっても、ポータブルナビのシャットダウン処理を正常に行うことが可能な電子機器及び電子システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために本発明は、蓄電部を具備する携帯機器を着脱可能であり、該携帯機器が装着された装着状態において該携帯機器に電力を供給する電子機器であって、装着状態で自己の電源が切られた場合、携帯機器の稼動終了を確認する制御手段と、制御手段による確認の後に、携帯機器に対する電力の供給を停止する電圧変換手段とを有することを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、電子機器が携帯機器から稼動終了の旨を受けるまで、電子機器は携帯機器に対し電力を供給する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯機器のシャットダウン処理の途中で自己の蓄電池からの電力が供給されなくなるおそれがあっても、電子機器からの電力が携帯機器に供給され得るため、携帯機器のシャットダウン処理を正常に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の最良の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は電子システムの一例である車載システム1の外観形状を示す図である。
【0015】
車載システム1は、図1に示すように車両に搭載される車載機器100(電子機器)と、ナビゲーション機能を備えたポータブル機器10(携帯機器)とから構成される。ポータブル機器10は、車載機器100の前面部120に取り付けて使用でき、さらに車載機器100から取り外した状態で単独で使用することができる。
【0016】
車載機器100は、ラジオ放送の再生機能や、CD(Compact Disk)及びDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に書き込まれた音楽データ及び動画像データの再生機能を有している。また、車載機器100は、記録媒体の再生部や記録媒体の挿排口を有する本体部110と、表示部131や操作部132を有する前面部120とを備えている。ポータブル機器10は、目的地までの誘導経路を検索し、地図上に検索した誘導経路を重ねて表示するナビゲーションの機能を備えている。
【0017】
図2は、ポータブル機器10を取り外した車載機器100の前面部120を示している。
【0018】
車載機器100の前面部120には、ポータブル機器10を装着するための凹部が形成された着脱部170が設けられている。この着脱部170には、車載機器100とポータブル機器10とを電気的に接続するためのコネクタ150と、ポータブル機器10を前面部120に固定するためのロック部161及びリブ162と、ポータブル機器10の一端をリブ162にガイドするスロープ163と、ポータブル機器10を背面方向から前面方向に押し出す押出部164とが設けられている。前面部120に設けられた取り外しボタン160を操作すると、ロック機構161が解除され、前面部120からポータブル機器10が取り外し可能となる。
【0019】
図3は、前面部120を本体部110に対して傾斜させ、挿排口180を露出させた状態を示す図である。
【0020】
不図示の駆動機構によって図3に示すスライダー181を駆動させることで、前面部120を本体部110に対してチルトさせることができる。チルト動作によって、本体部110に設けられた挿排口180を露出させ、記録媒体の挿排を行うことができる。車載機器100の前面部120には、操作ボタン(具体的には、図6に示すチルト/イジェクトボタン132a)が設けられており、このボタンの操作に応じたチルト角度に設定することができる。
【0021】
図4は、車載システム1の車両への搭載例を示す図である。
【0022】
車載システム1は、例えば図4に示すように、運転席52と助手席51とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。なお、図示していないが、後述するGPS情報受信部133のGPSアンテナは、ダッシュボード上に配置されるか、又はフロントガラスの車室側に貼り付けられる。
【0023】
図5は、車載システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
車載機器100とポータブル機器10とは、コネクタで電気的に接続される。車載機器100側には、コネクタ150が設けられており、ポータブル機器10には、コネクタ30が設けられている。これらのコネクタ150、30を互いに接続することで、車載機器100とポータブル機器10との間で各種信号が送受信され、車載システム1として機能する。また、コネクタ150、30には、車両のバッテリからの電力をポータブル機器10に供給するための電力供給端子が設けられており、ポータブル機器10が車載機器100に接続された状態で、車載機器100に電力が供給されていると、電力供給端子を介してポータブル機器10にも電力が供給される。
【0025】
車載機器100は、表示部131、操作部132、GPS情報受信部133、ラジオ受信部134、再生部135、音声調整部136、メモリ137、マイク138、外部音声/映像入力部139、制御部140、及びコネクタ150を備えている。その他にも、後述する不図示の電圧変換装置を備えている。車載機器100は、車両側のバッテリから電力の供給を受け動作する。また、車載機器100は、車両からのACC信号のオン/オフにより電源をオン/オフする。
【0026】
表示部131は、液晶パネルやバックライトを備え、受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、及び再生楽曲名等を表示する。
【0027】
操作部132は、車載機器100の動作モードを切り替える操作指示や、切り替えた各種モードでの操作指示を入力する。操作部132は、図6に示すように、前面部120をチルトさせるためのチルト/イジェクトボタン132a、再生対象のラジオの周波数帯域又は再生対象の記録媒体のトラックを切り替えるためのバンド/チューンボタン132b、表示部131に表示されるタイトル等を切り替えるためのTEXTボタン132c、表示部11に表示される画像をナビゲーション画像及びDVDの動画像のいずれかに切り替える又は音量を調整するためのSCREENボタン132d、再生対象のソースの切替を行うためのSOURCEボタン132e、音質を制御するためのCONTROLボタン132f、及び音声をカットする又は表示部11の表示を点灯/消灯するためのMUTE/SCREENOFFボタン132gを備えている。
【0028】
図5に戻って、GPS情報受信部133は、GPSアンテナとチューナ部とを有し、衛星からのGPS信号を受信する。GPS情報受信部133で受信したGPS信号は、制御部140、コネクタ150、コネクタ30及び制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置が割り出される。
【0029】
ラジオ受信部134は、アンテナとチューナ部とを有しており、AM放送、FM放送、多重放送等の放送波を受信して、音声信号の出力、多重データの受信、復調を行い、復調信号を制御部140に出力する。
【0030】
再生部135は、CDやDVD等の記録媒体に記録された音声データや動画像データを再生し、再生信号を制御部140に出力する。
【0031】
なお、ラジオ受信部134から出力される復調信号や再生部135から出力される再生信号を制御部140を介さずに、後述する音声調整部136に出力するようにしてもよい。
【0032】
音声調整部136は、ラジオ受信部134で受信、復調された音声信号や、再生部135で再生された音声信号に、音量調整や音質調整等の信号処理をしてスピーカ145に出力する。
【0033】
メモリ137は、データの読み出しと書き込みとが可能なRAM(Random Access Memory)で構成することができ、制御のために必要な情報を一時的に記憶しておく。必要に応じてフラッシュメモリ等のROM(Read Only Memory)を構成してもよい。マイク138は、ハンズフリー通話を行うためのものであって、車室内のユーザの音声を取り込む。
【0034】
外部音声/映像入力部139は、USBメモリや、携帯型オーディオ装置等の外部機器との接続端子を備え、外部機器からの音声信号やデータを入力して制御部140に送り、制御部140からの制御信号、音声信号やデータ等を接続した外部機器に出力する。
【0035】
制御部140は、操作部132の操作に従って、ラジオ受信部134、再生部135、及び音声調整部部136などを制御する。また、制御部140は、コネクタ150を介してポータブル機器10に各種信号を出力し、ポータブル機器10から入力した各種信号に基づいて車載機器100を制御する。例えば、制御部140は、GPS情報受信部133で受信したGPS信号や、マイク138で入力された音声信号を、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力する。尚、制御部140は、例えばマイコン等のCPUやICにより構成される。後述する制御部20も同様である。
【0036】
また、マイク138で入力された音声信号を、制御部140を介さずに、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力してもよい。
【0037】
また、制御部140は、ポータブル機器10の表示部11に表示される、各種モードのメニュー画像に対する操作信号をポータブル機器10の制御部20から取得し、ラジオ受信部134や再生部135の制御を行う。
【0038】
また、制御部140には、車両に搭載されたバッテリからの電源と車両からのACC信号が入力されている。制御部140は、ACC信号がオンの時に車載機器100の電源をオンにする。また、その状態で、制御部140は、ポータブル機器10が接続されている場合に、バッテリの電源をポータブル機器10に出力する。また、制御部140には、車両から車速パルスとイルミ電源信号が入力される。制御部140は、入力した車速パルスをポータブル機器10の制御部20に転送する。なお、車載機器100に車速パルスが入力されない構成であってもよい。
【0039】
次に、ポータブル機器10について説明する。
ポータブル機器10は、表示部11、操作部12、GPS情報受信部13、スピーカ14、蓄電池15、充電回路16、無線通信送受信部17、メモリ18、ナビゲーション部19、制御部20及びコネクタ30を備えている。
【0040】
表示部11は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部19で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、並びに車載機器100から転送された受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、及び再生楽曲名等を表示することができる。
【0041】
なお、表示部11、131には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0042】
操作部12は、タッチパネルや、ポータブル機器10の電源をオン、オフするための電源ボタン55(図7A参照)を含む。タッチパネルは、例えば、表示部11の表示画面の上に配置されるものであり、指や専用のペンによりタッチパネルが接触されると、その接触された位置が検知されて、入力操作の有無が判別できるようになっている。電源ボタン55については後述する。
【0043】
GPS情報受信部13は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいて自機位置が割り出される。なお、車載装置100にもGPS情報受信部133が設けられているが、車載機器100にポータブル機器10が取り付けられているときには、GPS情報受信部133で受信したGPS信号(及び車速パルス)を用いてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置を特定し、ポータブル機器10単独で使用する場合には、GPS情報受信部13で受信したGPS信号を用いて自機位置を特定する。
【0044】
スピーカ14は、ナビゲーション部19からの音声情報を出力するためのものであり、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態、つまり単体で使用されるときに、音声情報を出力する。
【0045】
蓄電池15は、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態では、ポータブル機器10の各部に電力を供給する。またポータブル機器10を車載機器100に装着すると、コネクタ30の電力供給端子を介して車両のバッテリから電力が供給され、充電回路16によって蓄電池15を充電する。また、充電回路16はUSBスロット57(図7A参照)を介して接続端末から電力の供給を受けて、蓄電池15を充電することができる。
【0046】
無線通信送受信部17は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得したりする。無線通信送受信部17には、例えば、2.4GHz帯域の無線伝送方式である、Bluetooth(登録商標)が用いられる。
【0047】
メモリ18は、例えば、読み出しと書き込みとが可能なRAMであり、各制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。上述したROMを構成してもよい。
【0048】
ナビゲーション部19は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶したSD(Secure Digital)カードやUSBメモリから取得し、記憶する地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部133、又は13からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーションのための地図画像を作成する。作成した地図画像は、表示部11で表示させることができる。また、車載機器100とポータブル機器10とが接続されている場合には、車両から車速パルスを取得して、ポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置検出の精度を高めることができる。なお、地図情報はポータブル機器10内に保持していてもよい。
【0049】
制御部20は、ポータブル機器10の各部を制御する。また、制御部20は、コネクタ30を介して車載機器100に各種信号を出力し、車載機器100から入力した各種信号に基づいてポータブル機器10を制御する。例えば、制御部20は、車載機器100のGPS情報受信部133で受信したGPS信号、及び車速パルスを車載機器100の制御部140から取得し、ナビゲーション部19に出力する。また、制御部20は、車載機器100のマイク138で入力した音声信号を車載機器100の制御部140から取得し、取得した音声信号に応じてナビゲーション部19を制御する。すなわち、ナビゲーション部19をハンズフリーで操作することができる。また、無線通信送受信部17にて接続された携帯電話からの通話音声を、コネクタ30を介して車載機器側に出力し、車載機器100のスピーカ145から出力させる。また、表示部11に表示されたメニュー画面やコンテンツ画面に対する操作信号をコネクタ30を介して車載機器100の制御部140に出力する。制御部140は、ポータブル機器10の制御部20から送られた操作信号に応じて、ラジオ受信部134や再生部135を制御する。制御部140は、ポータブル機器10が車載機器100に装着された状態で車載機器100の電源が切られた(オフとなった)場合に、所要の条件を満たすと、ポータブル機器10に対する電力の供給を停止させる。
【0050】
図7Aに、ポータブル機器10の正面図、上面図、底面図、左側面図及び右側面図を示し、図7Bに、ポータブル機器10の背面図を示す。
【0051】
ポータブル機器10の上面には、ポータブル機器の電源をオン、オフさせる電源ボタン55が設けられており、ポータブル機器10の底面には、SDメモリカードスロット56、USBスロット57、及びイヤホンジャック58が設けられている。また、ポータブル機器10の左側面には、図2のリブ162を収容する凹部59が設けられており、ポータブル機器10の背面には、車載機器100との電気的に接続するためのコネクタ30が設けられている。さらに、ポータブル機器10の底面及び背面には、図2の押出部164と係合する係合部60が設けられている。
【0052】
地図情報が記憶されたSDカード又はUSBメモリをそれぞれSDメモリカードスロット56又はUSBスロット57に差し込むことで、制御部20は、SDカード又はUSBメモリから地図情報を読み出し、ナビゲーション部19に地図情報を出力する。
【0053】
ポータブル機器10の電源は、ポータブル機器を車載機器100に装着したときには、車載機器100からの制御によってオン又はオフされる。また、車載機器100から取り外してポータブル機器10を単体で使用する場合には、電源ボタン55のオン又はオフの操作に基づいて電源が操作される。
【0054】
さらに、本実施形態に係る車載システム1の特徴について図8を参照して説明する。
図8は、図5を参照して説明した車載システム1の他の例を示すブロック図である。尚、図5に示される車載システム1の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
まず、車載機器100について説明する。
車載機器100の電圧変換装置141は、バッテリからの電力をコネクタ150、30を介してポータブル機器10に供給する。電圧変換装置141は、制御部140からの制御を受けて、ポータブル機器10への電力の供給を行ったり、停止したりする。
【0056】
例えば、制御部140が、車両からのACC信号のオフを通じて、車載機器100の電源がオフにされた旨を受信した場合、制御部140は、ポータブル機器10の制御部20へその旨を送信する。この送信は、コネクタ150、30を介して通信線(図8においてオフ通知ラインと示す。)を通じて行われる。尚、同図では、コネクタ150、30を介していないが、説明の都合上、理解を容易にするために、制御部140、20同士をオフ通知ラインで接続している。後述する動作停止通知ラインも同様である。
【0057】
次に、ポータブル機器10について説明する。
ポータブル機器10の電源切替装置22は、スイッチSWを備えている。スイッチSWは、蓄電池15側とコネクタ30側との接続を切り替える。蓄電池15側に接続を切り替えた場合には、蓄電池15の電力を電圧変換装置21に供給する。コネクタ30側に接続を切り替えた場合には、車載機器100の電力を電圧変換装置21に供給する。
【0058】
このスイッチSWの切り替えは、車載機器100からの電力の供給があるか否かによって行われる。電源切替装置22が車載機器10からの電力が停止されたと判定した場合に、スイッチSWは蓄電池15側に接続を切り替える。電源切替装置22は、自身の電圧の変化を検出することによりこれを判定する。尚、電圧の変化を制御部20に通知し、制御部20がスイッチSWを切り替えるようにしてもよい。
【0059】
電圧変換装置21は、制御部20に電力を供給する。これにより、制御部20は稼動する。
【0060】
制御部20は、電圧変換装置21から電力が供給される。車載機器100の制御部140から電源がオフにされた旨を受信した場合、シャットダウン処理を開始する。シャットダウン処理は概ね10秒程度である。シャットダウン処理を終了すると、その旨を車載機器100の制御部140に送信する。この送信は、上記と同様に、コネクタ150、30を介して通信線(図8において動作停止通知ラインと示す。)を通じて行われる。
【0061】
したがって、車載機器100の制御部140は、ポータブル機器10の制御部20からシャットダウン処理が終了した旨を受信し確認した後、電圧変換装置141にポータブル機器10への電力供給を停止するよう制御をかける。ポータブル機器10は、電力の供給が停止されると、上述したように、スイッチSWが蓄電池15側に切り替わる。すなわち、制御部20のシャットダウン処理は、車載機器100の電力により行われ、例え、蓄電池15の蓄電容量が不足していても、制御部20のシャットダウン処理の途中に、電力の供給が途絶えることはない。
【0062】
尚、電力の供給が停止された後では、ポータブル機器10は自己の蓄電池15から電力を受けられる状態になる。蓄電池15の蓄電容量は、シャットダウン処理に係る電力量の分だけ消費せずに維持できる。これにより、ポータブル機器10が車載機器100から取り外されて使用された場合でも、その分だけ携帯時間の長期化が図れる。
【0063】
続いて、車載システム1の動作について図9及び図10を参照して説明する。図9は、車載機器100の動作の一例を示すフローチャート、図10は、ポータブル機器10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0064】
まず、車載機器100について説明する。
車載機器100の制御部140は、図9に示すように、電源がオフにされたか判定する(ステップS1)。この判定は、上述した車両からのACC信号がオフされたかによって行われる。尚、電源がオフにされない限り、後続の処理を行わない。したがって、車載機器100への種々の操作が可能である。
【0065】
車載機器100の制御部140は、電源がオフにされたと判定した場合には、ポータブル機器10に電源がオフにされた旨を送信する(ステップS2)。電源がオフにされた旨を送信する際には、電気的な制御信号であってもよいし、シャットダウンを開始させるコマンド(実行命令)等の指示であってもよい。
【0066】
車載機器100の制御部140は、次いで、動作停止を受信したか否かを判定する(ステップS3)。このように、ポータブル機器10の動作停止を受信するまで、後述する電力の供給を停止しない。すなわち、ポータブル機器10は、シャットダウン処理が終了するまで、車載機器100を介したバッテリからの電力が供給され続ける。
【0067】
尚、例えば、所定の時間を経過しても動作停止を受信しない場合には、再度、電源がオフにされた旨を送信するようにしてもよい。ポータブル機器10での受信処理が正常に行われていなかった場合、再度の送信処理により、正常に受信処理が行われる可能性がある。さらに、再度の送信処理を行っても動作停止を受信しない場合には、ポータブル機器10の表示部131に処理エラー等の警告を表示させたり、スピーカ145から処理エラーである旨の警告音を出力させたりするようにしてもよい。
【0068】
車載機器100の制御部140は、動作停止を受信したと判定した場合には、電圧変換装置141に制御をかけて、電圧変換装置141がポータブル機器10への電力の供給を停止する(ステップS4)。電力の供給の停止は、動作停止を受信したことに伴う制御部140からの電圧の変化により判定すればよい。
【0069】
次に、ポータブル機器10について説明する。
ポータブル機器10の制御部20は、図10に示すように、まず、車載機器100から電源がオフされた旨を受信したか判定する(ステップS11)。電源がオフにされた旨を受信した場合には、シャットダウン処理を開始する(ステップS12)。
【0070】
ポータブル機器10の制御部20は、シャットダウン処理が終了したか否かを判定する(ステップS13)。当該処理が終了しない限り、後続の処理を行わない。
【0071】
ポータブル機器10の制御部20は、次いで、シャットダウン処理が終了したと判定した場合には、動作停止を車載機器100に送信する(ステップS14)。尚、シャットダウン処理が正常に終了しなかった場合には、動作停止を送信しないでもよいし、正常に終了しなかった旨を送信するようにしてもよい。これにより、車載機器100は、上述したような動作を行うことができる。
【0072】
ポータブル機器10の電源切替装置22は、ここで、電力の供給が停止されたか判定する(ステップS15)。この判定処理は、ポータブル機器10の電源切替装置22自身が電圧の変化を検出することにより行われる。電力の供給が停止されない限り、自己に形成された蓄電池15からの電力供給に切り替えない。
【0073】
ポータブル機器10の電源切替装置22は、電力の供給が停止されたと判定した場合には、蓄電池15からの電力供給を受けるべく、スイッチSWの接続を蓄電池15側に切り替える(ステップS16)。これにより、ポータブル機器10を車載機器100から取り外しても、利用者はポータブル機器10を操作できる。
【0074】
さらに、上述した車載システム1の動作について、図11を参照して説明する。図11は車載システム1の電圧の変化を示す各タイミングチャートの一例である。
【0075】
バッテリのタイミングチャートは、同図(a)の実線に示すように、常時、供給状態を示している。すなわち、車載システム1には、バッテリから常時電力が供給されていることを示している。尚、同図(a)における破線は、電力が供給されなくなった状態を供給状態の比較用として示している。例えば、バッテリの蓄電容量がなくなった場合には、上記の実線は、破線側に移行する。
【0076】
電源のタイミングチャートは、車載機器100における電源のオン/オフに伴う電圧の変化を示している。同図(b)に示すように、時刻t0からt1までの間では、電源がオンとされているが、時刻t1に電源がオフとされた場合、電圧が下がる。
【0077】
オフ通知ラインのタイミングチャートは、車載機器100とポータブル機器とを接続するオフ通知ラインの電圧の変化を示している。同図(c)に示すように、電源がオフにされた旨を送信する場合に、電圧が上がる。したがって、電源がオフにされた時刻t1から所定の時間を経過した後の時刻t2に電源がオフにされた旨をポータブル機器10に送信する。尚、時刻t1と時刻t2との間は、可能な限り短時間であることが望ましい。例えば0秒から1秒未満とすることができる。
【0078】
動作停止通知ラインのタイミングチャートは、車載機器100とポータブル機器とを接続する動作停止通知ラインの電圧の変化を示している。同図(d)に示すように、動作停止を受信する場合に、電圧が上がる。したがって、時刻t2から時刻t3にかけてシャットダウン処理が行われ、ポータブル機器10から動作停止を受信した時刻t3に電圧が上がる。この時刻t2から時刻t3にかけての一時停止時間がシャットダウン処理に必要な時間であり、概ね10秒程度となる。尚、シャットダウン処理にかかる時間が上記時間より短時間であったり、長時間であったりする場合には、適宜、必要な時間を短縮したり、延長したりしてもよい。
【0079】
電力供給のタイミングチャートは、車載機器100における電圧変換装置141の電圧の変化を示している。同図(e)に示すように、ポータブル機器10への電力の供給状態である場合には、電圧は上がり、停止状態である場合には、電圧は低下する。したがって、時刻t3に動作停止を受信すると、その電圧を検知し、所定の時間を経過後に、電圧変換装置141の電圧は下がる。これにより、ポータブル機器10への電力供給が停止する。尚、上記時刻t3からt4にかけての時間についても、短時間であることが望ましい。
【0080】
このように、本実施形態に係る車載システム1よれば、ポータブル機器10の蓄電池15が十分に充電できていなくても、安全なシャットダウン処理が可能となり、ポータブル機器10で使用される各種情報、データ、信号等の破損やポータブル機器10の動作不具合が回避され得る。
【0081】
以上、本発明の望ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変化が可能である。例えば、本実施形態では、制御部同士の通信を有線で行っているが無線等で行ってもよい。また、上述した図8では、2本の通信線を構成したが、コマンドにより通信する場合には、シリアル通信方式により1本の通信線を共用できる。これにより、回路の複雑化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】車載システムの外観を示す図である。
【図2】ポータブル機器を取り外した車載機器の前面部を示す図である。
【図3】前面部を車載機器本体部に対してチルトし、CD挿排口を露出させた状態を示す図である。
【図4】車載システムを車両に搭載した状態を示す図である。
【図5】車載システムの構成を示す図である。
【図6】前面部の構成を示す図である。
【図7】図7Aは、ポータブル機器の正面図、上面図、底面図、左側面図、及び右側面図であり、図7Bは、ポータブル機器の背面図である。
【図8】車載システムの他の例を示すブロック図である。
【図9】車載機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】ポータブル機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】車載システムの電圧の変化を示す各タイミングチャートの一例である。
【符号の説明】
【0083】
1 車載システム
10 ポータブル機器
15 蓄電池
20 制御部
21 電圧変換装置
22 電源切替装置
100 車載機器
140 制御部
141 電圧変換装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電部を具備する携帯機器を着脱可能であり、該携帯機器が装着された装着状態において該携帯機器に電力を供給する電子機器であって、
前記装着状態で自己の電源が切られた場合、前記携帯機器の稼動終了を確認する制御手段と、
前記制御手段による確認の後に、前記携帯機器に対する電力の供給を停止する電圧変換手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記自己の電源の状態及び前記携帯機器の稼動状態を送受するための通信線を備え、
前記制御手段は、前記通信線を通じて前記電源の状態を前記携帯機器に送信し、前記携帯機器からの前記稼動終了を確認した後に、前記電圧変換手段による電力の供給を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、コマンド又は電気的な制御信号のいずれかにより互いの状態を送受することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記コマンドにより互いの状態を送受する場合、シリアル通信方式により行うことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
蓄電部を具備する携帯機器と、前記携帯機器を着脱可能であって、該携帯機器が装着された装着状態において該携帯機器に電力を供給する電子機器とを有する電子システムであって、
前記電子機器は、
前記装着状態で自己の電源が切られた場合、前記携帯機器の稼動終了を確認する制御手段と、
前記制御手段による確認の後に、前記携帯機器に対する電力の供給を停止する電圧変換手段と、を有し、
前記携帯機器は、
電力の供給が停止されたことを検出した場合に、前記蓄電部からの電力の供給に切り替える電源切替手段
を有することを特徴とする電子システム。
【請求項1】
蓄電部を具備する携帯機器を着脱可能であり、該携帯機器が装着された装着状態において該携帯機器に電力を供給する電子機器であって、
前記装着状態で自己の電源が切られた場合、前記携帯機器の稼動終了を確認する制御手段と、
前記制御手段による確認の後に、前記携帯機器に対する電力の供給を停止する電圧変換手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記自己の電源の状態及び前記携帯機器の稼動状態を送受するための通信線を備え、
前記制御手段は、前記通信線を通じて前記電源の状態を前記携帯機器に送信し、前記携帯機器からの前記稼動終了を確認した後に、前記電圧変換手段による電力の供給を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、コマンド又は電気的な制御信号のいずれかにより互いの状態を送受することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記コマンドにより互いの状態を送受する場合、シリアル通信方式により行うことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
蓄電部を具備する携帯機器と、前記携帯機器を着脱可能であって、該携帯機器が装着された装着状態において該携帯機器に電力を供給する電子機器とを有する電子システムであって、
前記電子機器は、
前記装着状態で自己の電源が切られた場合、前記携帯機器の稼動終了を確認する制御手段と、
前記制御手段による確認の後に、前記携帯機器に対する電力の供給を停止する電圧変換手段と、を有し、
前記携帯機器は、
電力の供給が停止されたことを検出した場合に、前記蓄電部からの電力の供給に切り替える電源切替手段
を有することを特徴とする電子システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−248934(P2009−248934A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102867(P2008−102867)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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