説明

電気エネルギー貯蔵体の収納モジュール

本発明は、電気接続体(30)によって接続された電気エネルギー貯蔵体(20)が少なくとも2つ収納されるケーシング(10)と、前記エネルギー貯蔵体(20)の充電放電制御を行う電子制御基板(40)を少なくとも1つ備え、前記ケーシング(10)の各壁(12、13、14)は、電気的には絶縁された状態で、少なくとも1の壁(12、13)において前記電気エネルギー貯蔵体(20)と連結される放熱部材と熱的に接触し、別の少なくとも1の他壁(14)において、前記電子制御基板(40)と熱的に接触することによって、冷却が促進されることを特徴とする貯蔵体収納モジュールに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギー貯蔵体(電池、キャパシタ等)の技術分野に関する発明である。
本発明は特に、電気エネルギーを貯蔵するための電気エネルギー貯蔵体を少なくとも2つ備えた貯蔵体収納モジュールに関する。
【0002】
尚、本出願の「電気エネルギー貯蔵体」は、キャパシタ(2つの電極及び1の絶縁体を備えた充電素子)若しくはスーパーキャパシタ(2つの電極、電解液、セパレータを備えた貯蔵体)、或いはリチウム電池型バッテリー(陽極及び陰極と、両極間に保持される電解液を備えた貯蔵体)のことを示す。
【背景技術】
【0003】
図1に示すように、ケーシング10の内部に電気接続体30で連結される複数の電気エネルギー貯蔵体20を備えた貯蔵体収納モジュールが一般的に知られている。
このような貯蔵体収納モジュールは通常、電気エネルギー貯蔵体20の充電放電制御を行う電子制御基板40を備えている。
【0004】
図1に概略的に示すように従来の貯蔵体収納モジュールの1実施例における電気エネルギー貯蔵体20は、円筒状で上側ディスク21と下側ディスク22が2つずつ交互に接続されている。
電子制御基板40はケーシング10の中央部11に配置される。
図2に他の実施例の上面図を示すように、電気接続体30と結合する複数の電子制御基板40をケーシング10の下部に備えた貯蔵体収納モジュールもある。
【0005】
前記した実施例は、電気接続体30、エネルギー貯蔵体20、電子制御基板40のいずれでも熱が発生する。
【0006】
前記貯蔵体収納モジュールで発生した熱を放熱する装置が既に提案されている。
特許文献1(US2003/013009A1)には、電子基板と、直列又は並列に電気接続した電池群とを備えた貯蔵体収納モジュールが開示されている。この貯蔵体収納モジュールでは、電池群の電池は伝熱板を介してハウジングの壁と熱的に接触しているが、電子基板はハウジングの壁と接触していない。
【0007】
特許文献2(US2006/0164812A1)には、放熱システムが開示されている。このシステムは、ケーシング内部の貯蔵体とケーシング外部の電子制御基板がケーシングの同一壁面に接触するように構成された貯蔵体収納モジュールで用いることができる。
【0008】
特許文献3(US2006/141348A1)には、ハウジング内に電池及び電子制御基板が備えられた貯蔵体収納モジュールが開示されている。この貯蔵体収納モジュールは、ハウジング内で発生した熱が熱板を介してハウジングの後面から確実に放熱されるように設計される。
【0009】
特許文献4(US2002/043959A1)には、電池群を収納するように伝熱板が配置されたハウジングと、電池群の充電放電制御を行う電子基板とを備えた貯蔵体収納モジュールが開示されている。電池及び電子基板で発生した熱は伝熱板を介してハウジングの上壁と下壁へと伝達される。
【0010】
しかし、前記文献に記載の解決方法では熱制御を充分に行うことができず、エネルギー貯蔵体で発生した熱が外側へあまり放熱されない。
しかし、エネルギー貯蔵体の寿命を決める重要な要因はその温度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US2003/013009A1
【特許文献2】US2006/0164812A1
【特許文献3】US2006/141348A1
【特許文献4】US2002/043959A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、現存するモジュールの欠点を克服できるような貯蔵体収納モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、本発明の貯蔵体収納モジュールは、電気接続体によって接続された電気エネルギー貯蔵体が少なくとも2つ収納されるケーシングと、前記エネルギー貯蔵体の放電充電制御及び診断を行う少なくとも1つの電子制御基板を備え、前記ケーシングの各壁は、電気的には絶縁された状態で、
・前記ケーシングの少なくとも1の壁において、前記電気エネルギー貯蔵体と連結される放熱部材と熱的に接触し、
・前記ケーシングの別の少なくとも1の他壁において、前記電子制御基板と熱的に接触している。
こうして前記貯蔵体収納モジュールの冷却が促進されるよう構成されている。
【0014】
このように、前記貯蔵体とケーシングの第1の壁とを(放熱部材を間に挟んで)熱的に接触させ、電子基板と第2の壁(第1の壁とは別の壁)とを熱的に接触させることによって、貯蔵体収納モジュール内の電子制御基板、電気接続体及び貯蔵体から発生した熱を外部に効率良く放熱することができる。
【0015】
上記特許文献1〜4のどの文献にも、電子基板及び貯蔵体を電気的には絶縁された状態で貯蔵体収納モジュールのケーシングの各壁に熱的に接触させることによって、電子基板及び貯蔵体から発生した熱が壁を通して放熱されるように構成した貯蔵体収納モジュールは開示されていない。このような発明の特徴によって、ケーシング内部で発生した熱を従来技術による貯蔵体収納モジュールよりも効率良く排出することができる。
【0016】
本発明の貯蔵体収納モジュールは以下の特徴を備えることが好ましいが、限定する趣旨ではない。
・前記ケーシングは少なくとも1の外表面に放熱フィンを備える。
ここで「放熱フィン」という言葉は、一部分の対流熱伝熱面での熱交換効率を上げる手段であれば如何なる手段も含まれることとする。
本発明の意味での放熱フィンは、壁補強部材や放熱リブであってもよい。
こうしてケーシングがその外部の媒体に接触する面積が増えることによって、外部との熱交換が促進されて貯蔵体収納モジュール内部の冷却効率が向上する。
【0017】
・前記放熱フィンは、前記ケーシングにおける少なくとも1の壁の外表面に、前記貯蔵体に連結される放熱部材と熱的に接触するように取り付けられる。
この特徴によって貯蔵体冷却が促進される。
【0018】
・前記電子制御基板と熱的に接触する前記ケーシングの壁とは別の少なくとも1の他壁の外表面に、前記放熱フィンを取り付ける。
この特徴によって貯蔵体冷却が促進される。
【0019】
・前記ケーシングはアルミニウム製又は炭素繊維複合材料製とする。
この特徴により、同等の機械的特性を有するプラスティックやスチールで製造したものに比べて内部と外部の熱伝導率が向上する。
【0020】
・前記ケーシングが、下壁、上壁及び側壁からなるケーシングであって、前記放熱部材と接触する壁は前記ケーシングの下壁及び/又は上壁とし、前記電子制御基板と接触する他壁は前記ケーシングの側壁とする。
このような構成によって、例えば円筒状、即ち並列パイプ状の複数の貯蔵体を相互に平行且つケーシングの側壁と平行になるように配置した時に、貯蔵体は放射方向の冷却よりも軸方向の冷却が効率良く行われて、貯蔵体全体の冷却効率が向上する。
【0021】
・放熱部材と熱的に接触する壁は、冷却装置が配置されるベース部材として構成されているか、又はそのようなベース部材と連結されていることとする。
この特徴によって貯蔵体冷却が促進される。
【0022】
・前記冷却装置は、冷却液を循環させる冷却回路を備える。
この特徴によって貯蔵体収納モジュールの内部と外部の熱交換が促進される。
【0023】
・前記電子制御基板は、エポキシ樹脂層とその上に結合される銅製のプリント回路とで構成され、前記エポキシ樹脂層が前記ケーシング他壁の内表面と接触している。
エポキシ樹脂層を用いることによって、銅製のプリント回路とケーシングとを電気的には絶縁させた状態で熱的に接触させることができる。
【0024】
・前記電子制御基板は前記エポキシ樹脂層の上に(良熱伝導層からなる)アルミニウム板を備えて、該アルミニウム板を前記ケーシングの他壁の内表面と接触させるように構成する。
アルミニウム板を設けることによって銅製プリント回路で発生した熱がより効率良くケーシングの壁に向けて放熱されることになる。
【0025】
・前記ケーシングの2つの壁は、前記エネルギー貯蔵体に連結される前記放熱部材と、電気的に絶縁された状態で熱的に接触する。
このように構成することにより、ケーシングと貯蔵体との熱交換が行われる表面積が増えて、貯蔵体冷却を促進することができる。
【0026】
・前記エネルギー貯蔵体に連結される放熱部材と熱的に接触する前記2つの壁は、前記ケーシングの上壁と下壁とするのが好ましい。
・少なくとも1の電子制御基板が、前記ケーシングの少なくとも1の側壁と接触するよう設けられる。
・ケーシングの側壁と同じ数の電子制御基板が備えられ、前記電子制御基板はそれぞれ前記ケーシングの各側壁と接触する。
このような構成によって、電子基板の冷却を促進し、貯蔵体収納モジュールの容量を省スペース化して、貯蔵体収納モジュール内の温度が均一化される。従来の貯蔵体収納モジュールでは基板を貯蔵体収納モジュールの上部又は底部の中心に配置することで中心部材と外周部の部材で熱遮断が行われ、大きな温度差が生じていたが、本発明では電子基板が貯蔵体収納モジュールの中心に配置された部材と外周部に配置された部材の間で効率よく熱逃げがなされて、大きな温度差を生じさせないための熱緩衝部材として機能する。
このように配置することは貯蔵体収納モジュール全体としての寿命に大きく影響する。というのは、貯蔵体収納モジュール全体の寿命は貯蔵体収納モジュール内の構成部材による温度分布のバラツキと大きく関係しているからである。
また、前記電子制御基板は、前記ケーシング側壁の内表面又は外表面に接触することが好ましい。
【0027】
・隣接する2つの貯蔵体を接続する前記電気接続体は、接続端子片で電気的に接続される2つのカバーとして構成され、各カバーは前記接続端子片が挿通されるボアホール(through borehole)と接触するように形成された端子電極部を備える。または、隣接する2つの貯蔵体電気接続体は、接続端子片をレーザーによる透過溶接、ろう付け又は拡散ろう付けすることにより電気的に接続される2つのカバーとして構成される。
・前記接続端子片が挿通されるボアホールは表面粗度が高くなるように形成して前記端子電極部との電気接触性を上げる。
・前記カバーが前記接続端子片に接触する面積を、カバー表面全体の4分の1以上、更に好ましくは2分の1以上とする。
・前記接続端子片は銅製としてもよい。
このような構成により電気接続体のオーム抵抗が減少して、ジュール効果による熱損失を最小限に抑えられるので結果として電気接続体から発生する熱を最小限に抑えることができる。
【0028】
・接続端子片をアルミニウム製とする。
この特徴によって貯蔵体とケーシングとの熱導電率が向上し、また接続部材の重量が軽くなる。
【0029】
・前記銅製(又はアルミニウム製)の接続端子片の表面をすずめっきで保護してもよい。
・隣接する2つの貯蔵体は、それぞれの上部カバー又は下部カバーを構成するエンド部が設けられた長手部材によって電気的に接続される。
この特徴によって、エネルギー貯蔵部材とケーシング壁との接触面積を最大にすることができるのでケーシングへの放熱が促進され、更に電気接続体を単一部材として形成することによって電気接続体の内部抵抗を減少させることができる。(こうしてジュール効果による熱の発生も抑制される。)
【0030】
・前記長手部材の各エンド部は、好ましくは放射状に形成したスリット領域を備える。
・隣接する2つの貯蔵体を接続する電気接続体は、2つのカバーに接続端子片をレーザーで透過溶接することによって電気的に接続させて構成される。この場合、接続端子片との溶接は前記スリット領域で行われても良い。
・隣接する2つの貯蔵体を接続する電気接続体は、2つのエンド部(カバー)に接続端子片をろう付けすることによって電気的に接続された2つのカバーとして構成される。
・前記隣接する2つの貯蔵体を接続する電気接続体は、接続端子片を拡散ろう付けすることによって電気的に接続された2つのカバーとして構成される。
・前記2つのカバーが前記接続端子片に接触する面積は、カバー表面全体の4分の1以上、更に好ましくは2分の1以上とする。
・隣接する2つの貯蔵体は、それぞれの上部カバー又は下部カバーを構成するエンド部が設けられた長手部材によって電気的に接続される。この場合に、前記長手部材の各エンド部は、好ましくは放射状に形成したスリット領域を備えることとする。
・前記スリット領域は、前記長手部材の長手方向軸B−Bに対して45度の傾斜角度を有するように2つずつ直交して配置される。
・前記スリット領域は、各エンド部の少なくとも1のスリット領域が長手部材の長手方向軸B−Bに沿って延在するように2つずつ直交して配置される。
・前記電気接続体は前記放熱部材として構成される。
・前記放熱部材はエラストマー層である。
エラストマー層によって貯蔵体がケーシングと電気的に絶縁された状態で、熱的に接触することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術による貯蔵体収納モジュールの1実施例を示す。
【図2】従来技術による貯蔵体収納モジュールの他の実施例を示す。
【図3a】本発明による貯蔵体収納モジュールの1実施例(全体斜視図)である。
【図3b】本発明による貯蔵体収納モジュールの1実施例(上壁を開放した状態の斜視図)である。
【図3c】本発明による貯蔵体収納モジュールの1実施例(ケーシングを取り外して貯蔵体配列状態を示す斜視図)である。
【図3d】本発明による貯蔵体収納モジュールの1実施例(ケーシング内の貯蔵体と、電子制御基板の配置関係を示す。)
【図4】(上壁の上面に放熱フィンを取り付けた)貯蔵体収納モジュールの他の実施例を示す正面図である。
【図5】貯蔵体収納モジュールの1実施例(図4)における放熱フィンを示す図である。
【図6】貯蔵体収納モジュールにおけるエネルギー貯蔵部材同士の電気接続体の例を示す。
【図7】図7a〜図7eはいずれも貯蔵体収納モジュールにおいてエネルギー貯蔵体を接続する電気接続体の例を示す。
【図8】貯蔵体収納モジュールにおけるエネルギー貯蔵部材同士の接続を行う電気接続体の例を示す上面図である。
【図9】貯蔵体収納モジュールにおけるエネルギー貯蔵部材同士の接続を行う電気接続体の他の例を示す上面図である。
【図10】貯蔵体収納モジュールの電子制御基板の例を示す基板断面図である。
【図11】貯蔵体収納モジュールの電子制御基板とエネルギー貯蔵部材配置関係を示すレイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の他の特徴、目的及び利点は以下に図面を参照して説明されるが、単なる例示であって限定する趣旨ではない。
本発明による例えば電池などの電気エネルギー貯蔵体が収納された貯蔵体収納モジュール(以下貯蔵体収納モジュールという)の様々な実施例を、図3〜11を参照して説明する。これらの図面では、該貯蔵体収納モジュールに共通する要素には同一の符号を付した。
【0033】
図3aに例示される実施例の貯蔵体収納モジュールは、貯蔵体収納モジュールの+−のアノードとカソードの電圧端子50を介して電圧供給負荷装置(不図示)に接続されている。
本実施例の貯蔵体収納モジュールはケーシング10を備え、電気接続体30で接続される電気エネルギー貯蔵体20がケーシング内に配設される。
更に、この貯蔵体収納モジュールにはエネルギー貯蔵体20の制御及び診断を行う電子制御基板40を備える。
【0034】
貯蔵体20は全て円筒形(例えば円筒電池)状で、ケーシング10内に並んで配置されている。言い換えると、円筒電池20の中心軸が全て平行になるように配置されている。本出願では図示しないが、貯蔵体は本発明の趣旨を変えない範囲であればどのような形状でも良く、平行6面体、四角形、楕円形、六角形など他の形であってもよい。
【0035】
図3a〜3dに記載される実施例では、貯蔵体20は中心軸がケーシング10の上壁12及び下壁13の水平面と直交するよう垂直線上に沿って配置される。
【0036】
好ましくは、ケーシング10の上壁12、下壁13、側壁14は、電気的には絶縁された状態で、少なくとも1の壁が電気エネルギー貯蔵体に接続される放熱部材と熱的に接触し、別の少なくとも1の他壁が電子制御基板と熱的に接触していることとする。こうして貯蔵体収納モジュールが冷却される。
【0037】
貯蔵体20が上壁12、下壁13と熱的に接触し、電子制御基板40が上壁12、下壁13とは別の他壁(側壁)14と熱的に接触することによって、電子基板40と貯蔵体20で発生した熱ができり限り多く貯蔵体収納モジュールの外部へ放熱されることになる。
【0038】
放熱部材は電気接続体30であってもよいし、貯蔵体20と熱的に接触するように(貯蔵体20同士の電極間を電気的に接続する)電気接続体30とケーシングの壁面との間に設けられたエラストマー層を放熱部材38としてもよい。
放熱部材38をエラストマー層にすると以下の更なる効果がある。
・エラストマー層は良好な絶縁体であるために、1kVを超える絶縁破壊電圧が加えられても貯蔵体20とケーシング10との間を電気的に絶縁できる。
・エラストマー層は圧縮性にも優れているので、製造上の公差でできた貯蔵体20の形状のバラツキを吸収することができる。
・貯蔵体20と貯蔵体収納モジュールの外部との熱交換がより向上する。
【0039】
好ましい実施形態では、放熱部材と接触する壁をケーシング10の下壁13とし、電子制御基板40と接触する壁をケーシング10の側壁14とする。
好ましくは、貯蔵アセンブリ20の放射方向より軸方向の冷却効率がよくなるように、貯蔵体20は中心軸(長手方向軸)に沿って伝熱することとする。
【0040】
実施例によっては、貯蔵体20はケーシング10の上壁12と下壁13のいずれか1方と熱的に接触していてもよいし、両方の壁12、13と熱的に接触してもよい。
図4に記載の実施例では、貯蔵体20は上壁12にも下壁13にも熱的に接触している。
【0041】
貯蔵体が2面の壁12、13に熱的に接触すると、貯蔵体20と貯蔵体収納モジュール外部との熱交換が行われる面積が増えるので貯蔵体冷却効率が向上する。
【0042】
[ケーシング]
ケーシング10によって、貯蔵体収納モジュールを手で触れることができ、また電気的絶縁性が強化され、外部の衝撃から貯蔵体収納モジュールの主要部材と電子機器を保護することができる。
このようなケーシングは、上下面及び側面が規定されたものであれば、自動車車両の電池に簡単に組み入れて配置することができるように平行6面体としてもよいし、又例えばスペアのホイールの空いたスペースに収納されるように円筒状としてもよいし、更に角柱形状でもよい。
【0043】
1実施例において、ケーシング10の上壁12、下壁13、側壁14は陽極酸化アルミニウムで形成する。その第1の目的は放熱効率を上げて貯蔵体収納モジュールの冷却を促進することであり、第2の目的は貯蔵体収納モジュールの耐食性を強化することである。
【0044】
このように、アルミニウム製若しくは炭素繊維複合材料製の壁12、13、14を使用すると、機能特性は同等レベルのプラスティック製や鉄製にした場合と比べてケーシング内部と外部との熱伝導性が向上する。これによって貯蔵体20及び電気基板40の冷却効率が向上する。
【0045】
本発明の他の実施例では、図4、5に示すようにケーシング10に放熱フィン15が備えられる。
このような放熱フィン15によってケーシング10と外部の媒体との接触面が増えるので外部との熱交換が促進される。こうして貯蔵体(電池)収納モジュールの冷却効率が上がる。
【0046】
放熱フィン15はケーシング10の壁12、13、14のうち少なくとも1つの外表面に取り付ける。側壁14に取り付けた補強部材15’もまた本出願においては放熱フィンとして機能する。補強部材により壁の対流伝熱(固体表面と流体との間で熱が伝えられる現象)面が増えるからである。
例えば、1実施例において、貯蔵体20と熱的に接触するように放熱フィン15をケーシング壁の外面に取り付けて、貯蔵体20の冷却効率を上げる。
【0047】
図4に記載の実施例では、放熱フィン15はケーシング10の上壁12外面の中央部11に配置されている。
これによってケーシング10の中心に位置する貯蔵体20(側壁14から最も離れた貯蔵体20)で発生した熱の放熱が促進される。つまりケーシング10の外周側に位置する貯蔵体20(側壁14に最も近い貯蔵体20)よりも放熱しにくい部分の貯蔵体20の放熱が促進されることになる。
【0048】
他の実施例においては、電子制御基板40と熱的に接触するケーシング10壁の外面に図5に示す放熱フィン15を取り付けて、電子制御基板40の冷却効率を上げる。
【0049】
他の実施例では、図5に示す放熱フィン15を壁12、13、14のうち貯蔵体20と熱的接触する壁12の外面と、電子制御基板40と熱的接触する壁14の外面の両方に設けることが好ましい。
複数のケーシング壁が貯蔵体及び/又は電子制御基板と熱的接触している場合は、熱的接触をしている全ての壁若しくはその内の複数枚の壁外面に放熱フィン15を備えていてもよい。
【0050】
貯蔵体20によって発生する熱を更に効率よく放出するために、本発明の他の実施例では貯蔵体20と熱的に接触する壁を冷却する冷却部(不図示)を備えたベース部材(不図示)を壁12、13、14の一部に構成するか、又はこのようなベース部材と壁12、13、14を連結するように構成する。
【0051】
冷却手段は冷却液を循環させる循環路として構成してもよい。
複数のケーシング壁12、13、14が貯蔵体と熱的接触する場合は、その壁の1面のみに冷却手段が備えられるよう貯蔵体収納モジュールを構成してもよいし、全面に備えられていてもよい。
【0052】
このように貯蔵体収納モジュール外部の冷却システム、例えば貯蔵体収納モジュールが搭載される車両における空調回路を利用することによって貯蔵体収納モジュールの冷却効率が上がる。
【0053】
[電気エネルギー貯蔵体]
図3a〜3dに示す実施例において、貯蔵体収納モジュールには電気エネルギー貯蔵体20が20個備えられている。この貯蔵体は全て円筒状である。
貯蔵体20はケーシング10内に相互に平行且つケーシング側壁と平行になるように設置される。言い換えると、貯蔵体20の中心軸は相互に平行であり、各側壁が延在する方向の面に対して平行である。
【0054】
図3a〜3dに記載の実施例では、貯蔵体20は中心軸がケーシング10の上壁12及び下壁13と直交するように配置されている。
貯蔵体20同士は電気接続体30によって2つずつ接続されているが、これについては後で詳細に説明する。
尚、図3a〜3dに記載した実施例においては20個の電気エネルギー貯蔵体20が直列に(隣接する貯蔵体20の+極と−極を反転させることにより電気接続体30で直列に)接続されている。
【0055】
この貯蔵体20は上部と下部に夫々カバー32とカバー32’(貯蔵体20上面と下面を蓋止めするカバー)が取り付けられており、該貯蔵体20のカバーは、+極を形成するカバー32と−極を形成するカバー32’が隣接する貯蔵体20間で交互に反転させて貯蔵体20に貯蔵体20上部と下部に連接されている。言い換えると、第1の貯蔵体の上部カバー32とこれと隣接する第2の貯蔵体の上部カバー32‘とは極性(正負)を異ならせ、又第1の貯蔵体の下部カバー32’とこれと隣接する第2の貯蔵体の下部カバー32とにおいても(極(負正)が)を異ならせて、夫々貯蔵体上部と下部に連接されている。
【0056】
貯蔵体20同士を直列接続以外で接続してもよいことは明白である。例えば、20個の貯蔵体20を備えた貯蔵体収納モジュールでは、直列に接続した10個の貯蔵体20を1組として該組単位で複数の組を直列接続してもよいし、該組単位で複数の組を並列で接続してもよい。
この貯蔵体はケーシング10の壁12、13、14と電気的に絶縁されている。
【0057】
[電子制御基板]
図3a〜3dに記載した実施例では装置には4つの電子制御基板40が備えられている。
電子制御基板40は充電放電制御及びエネルギー貯蔵体20の診断を行うためのものである。ここで診断とは、貯蔵体収納モジュールが作動する寿命全体に渡って貯蔵体収納モジュールの充電状態や健康状態を測定及び/又は計算するために必要な温度、圧力、電圧、電流の測定全てを意味する。
【0058】
特に、電子制御基板は次のような2つの異なる役割がある。1つが、貯蔵体収納モジュールの貯蔵体端部帯電電圧のバランスをとることで、もう1つが貯蔵体収納モジュールの電圧計測器具としての役割である。
実際、貯蔵体20の特性(容量、抵抗)には、製造方法や消耗度合いなどによりバラツキがある。
バランスを取るとは、このように電圧値にバラツキがあるアッセンブリを、適用する対象に関して規定される電圧値となるように均一化することである。
【0059】
電子制御基板40は直列に繋がれた貯蔵体と並列に接続されている。また、ケーシング10の壁とは電気的に絶縁されている。
電子制御基板40は、エポキシ樹脂層42の上に銅製のプリント基板41を結合させて構成する。
エポキシ樹脂層42を備えることによって、銅製のプリント基板41はケーシング10と電気的な絶縁状態を保ちながら熱的に接触することができる。
電子制御基板40はエポキシ樹脂層42がケーシング10の側壁14の内表面と接触するように配置する。
【0060】
本出願の以下の記載において、AがB「の上」にあるという場合、AはBの上に直接配置されてもよいし、Bの上方に配置されているが1以上の他の中間部材が挟まれていてもよいこととする。
また、AがB「の上」にあるという場合、Bの全面を覆っていてもよいし、一部のみでもよいこととする。
【0061】
図10に示す1実施例では、電子制御基板40はエポキシ樹脂層42の上にアルミニウム板43を備える。(そうすると、エポキシ樹脂層は銅製のプリント基板とアルミニウム層の中間に配置されることになる。)
この場合、ケーシング10の壁14の内表面と接触するのはアルミニウム板となる。
【0062】
電子制御基板40の上にアルミニウム層43が存在することにより銅製のプリント基板41から電子制御基板40と接触しているケーシング壁14への放熱が促進される。
図3a〜3dに示す実施例において、貯蔵体収納モジュールはケーシング10の4枚の側壁14の内表面と熱的に接触する4枚の電子制御基板40を備える。
【0063】
電子基板40はケーシングの外部に配置してもよいことは明瞭であり、この場合ケーシングの側壁の外表面に熱的接触することになる。このように構成した場合の利点は、基板の冷却効率が更に向上しケーシングを開けることなく簡単にメンテナンスができることであるが、基板が外側の衝撃を受けやすくなるという欠点や、ケーシング壁のシール作用を強化しなければならないという欠点もある。
【0064】
貯蔵体収納モジュールの4枚の壁に4枚の電子基板を設けることにより、ケーシング内空間の外周側に配置された貯蔵体がケーシング内空間中央部に配置された貯蔵体20よりも急速に冷却されるということがなくなる。
【0065】
この場合電子基板40は熱緩衝部材(heat
buffer)として機能することなる。この熱緩衝部材が側面に存在することによって側壁14の近くに配置された貯蔵体20の冷却速度が緩やかになり、貯蔵体収納モジュール内の貯蔵体20が同じ速度で冷却されることになる。
熱が貯蔵体20の消耗を早める一番の原因なので、貯蔵体収納モジュール内部の温度を均一にすることは貯蔵体収納モジュール内の貯蔵体20の寿命を均等にすることに繋がる。
【0066】
電子基板の数は目標とする熱伝達の効果を考えて最適となるように変更してもよいことは明らかである。基板の数は必ずしもケーシングの側壁の数と同じである必要はない。特に貯蔵体収納モジュールを使用する状況に伴ってケーシングが円形や、複雑な形状をしている場合には同じにはならない。
【0067】
[電気接続体]]
図6に記載の実施例においては、2つの隣接する貯蔵体20を接続する電気接続体30は接続端子片31で電気接続される2つのカバー32、32’を備える。
各カバー32、32’は貯蔵体20の上下両面を蓋をするためのものである。各カバー32、32’は接続端子片31が挿通されるように設けられるボアホール(不図示)と連結する端子電極部33を備える。端子33と接続端子片31の導電率を向上させるために、ボアホールの表面の状態を粗くして接触面積を増やす。
【0068】
1実施例において、接続端子片31は銅製とする。そうすると、電気接続体30のオーム抵抗が減少し、ジュール効果による熱損失が最小限に抑えられる。よって、貯蔵体収納モジュール内での電気接続体30からの熱発生を抑制できる。
【0069】
他の実施例において、接続端子片31はアルミニウム製とする。これによって、貯蔵体間に存在する一定のオーム抵抗と貯蔵体20とケーシング10間の十分な熱伝導率を保持した状態で、電気接続体30の重量が軽くなる。
また、他の変形例として接続端子片31はニッケル又はすずメッキで表面処理をしてもよい。そうすると、腐食に対して強くなるばかりでなく電気接続性が増す。
【0070】
各貯蔵体20に対して、上部カバー32は隣接するアッセンブリの上部カバーと電気接続されており、同じアッセンブリの下部カバー32’は別の隣接するアッセンブリの下部カバー32’と電気接続されている。こうして各貯蔵体20は2つの隣接する貯蔵体20と、一方は上部カバー32、他方は下部カバー32’によって接続することができる。
【0071】
図7bに示した実施例では、エネルギー貯蔵体は突設させた端子電極部のないフラットカバーを備えている。前段落の記載と同様の構成で、接続端子片を溶接若しくはろう付けして隣接する一対のアッセンブリを連結する。レーザー透過溶接を用いる場合には、2つの蓋部を有するカバー体(bi-coverバイカバー)の溶接についての以下の説明と同様に、(接続端子片にレーザーを照射した時にできる)スリット領域(preferential thinned region好ましくは細いレーザー溶接領域)ができる。
【0072】
接続端子片31がカバー32と接触する面は、カバー32の4分の1以上であることが好ましく、更に好ましくはカバー32の表面の2分の1以上とし、カバーの表面全体であると尚よい。
【0073】
貯蔵体30をこのように構成することによって、接続端子片31とカバー32、32’との接触面が広くなるので、カバー32、32’とケーシングの熱交換が接続端子片31を介して効率良く行われることになる。
【0074】
図7〜9に記載した他の実施例では、電気接続体30はくびれた中央部一定の横幅を持つひょうたん状のバイカバーと呼ばれる長円状部材34を備える。これは、両側のエンド部(円状部)35、36が2つの隣接する貯蔵体20同士をカバーして電気接続するよう構成されたものである。
【0075】
2つの隣接する貯蔵体同士の電気接続に長円状部材34を使用することによって貯蔵体収納モジュールの導電性や伝熱性が向上する。
導電性に関して言えば、2つの隣接する貯蔵体20同士を電気的接続する1片の電気接続体を用いることにより該電気接続体の内部抵抗が減少する。(そして、その結果ジュール効果による熱の発生が抑えられる。)伝熱性に関して言えば、2つの貯蔵体上部(又は下部)カバーとなるような1片の電気接続体を使用することによって、貯蔵体20と貯蔵体収納モジュールの壁との接触面積が広くなるのでケーシング10への放熱が促進される。
【0076】
2つの蓋部を有するカバー体をレーザー透過溶接で結合した場合、2つの蓋部を有するカバー体34の各エンド部35、36に好ましくは細い溶接部としたスリット領域37が形成されることになる。
図8、9に記載した実施例においては、各端面35、36のスリット領域(溶接部)37は2本ずつ直交して放射状に延びている。
【0077】
図8に記載した実施例では、各エンド部35、36のスリット領域37は2つの蓋部を有するカバー体34の長手方向軸B−Bに沿って延在する。
こうして、2つの蓋部を有するカバー体34の内部抵抗が減少する。(そして、電気接続体30のジュール効果による熱発生も抑えられる。)しかし、この場合、電流が2つの蓋部を有するカバー体34の長手方向軸B−Bに沿って延びる直線的なスリット領域を重点的に流れることになるので、スリット領域(溶接部)が熱を持つことになる。
【0078】
図9に記載した実施例では放射状に延びる直線的なスリット領域37が、中心軸から45度の角度で2本ずつ直交して配置される。このような構成によれば、前記のように部分的に熱を持つことによる劣化の危険性を回避できる。
【0079】
[その他の実施例]
前記貯蔵体収納モジュールに対してここで記載した新規な技術及びその効果から実質的に逸脱しない範囲で様々な改良を加えられることが容易に理解されるであろう。
よってこのような改良は特許請求の範囲に記載した貯蔵体収納モジュールの範囲に含まれることとする。
【0080】
例えば、貯蔵体収納モジュールの貯蔵体数は20個より多くても少なくてもよい。例えば、貯蔵体収納モジュールは2つのエネルギー貯蔵体からなるものであってもよいし、それ以上でも良い。
【0081】
アッセンブリの制約や製造上の要求に併せて、エネルギー貯蔵体は前記した手段を組み合わせて例えば以下のように構成して連結してもよい。
・底部は2つの蓋部を有するカバー体で、上部は端子付きのカバーとする(図7a)
・底部は2つの蓋部を有するカバー体で、上部は溶接またはろう付けしたフラットカバーとする(図7b)
・底部と上部ともに2つの蓋部を有するカバー体とする(図7c)
・カバーを設けた貯蔵体の上部と底部に接続端子片を溶接する(図7d)
・貯蔵体の上部は端子付きカバーで、貯蔵体の底部は接続端子片を溶接する(図7e)
・貯蔵体の上部と底部の両方を端子付きカバーにする(図6)
【0082】
同様に、電子制御基板の数も4枚より多くても少なくてもよい。例えば、図11の貯蔵体収納モジュールは電子制御基板を1枚しか備えていなくてもよい。
この場合、2組の貯蔵体群が第1の壁に熱的に接触し、電子制御基板が該第1の壁とは異なる第2の壁に熱的に接触すると外部との熱交換率が高まり、貯蔵体、電気接続体、電子制御基板で発生する熱の放熱が促進される。
【0083】
また、前記の実施例とは異なるものとして、以下の形態がある。
・貯蔵体がケーシングの下壁と上壁の一方、又は両方と熱的に接触するよう構成する。
・電子制御基板は、ケーシングを構成する4面の側壁のうち1以上の壁に取り付ける。
【0084】
同様に、電気エネルギー貯蔵体は全体で4角形になるように配置してもよいし、三角形、平行四辺形、六角形、八角形などでもよい。
【0085】
貯蔵体及び電子制御基板の熱接触方向を逆にしてもよいことが分かるであろう。
すなわち、例えばエネルギー貯蔵体が平面方向に配置されて軸方向でケーシング外部へと熱を発する場合には、貯蔵体をケーシングの1以上の側面と熱的に接触するよう構成してもよい。電子制御基板は上壁と下壁のどちらか一方に取り付けてもよいし、両方に取り付けても良い。
【0086】
簡潔に説明するために、垂直方向に延びる形状の貯蔵体収納モジュールとして説明したが、この貯蔵体収納モジュールは本発明の範囲を逸脱しない限りは貯蔵体収納モジュールの延在方向はどのような方向でもよいことは明らかである。
また、本発明では貯蔵体断面は円形として説明したが、貯蔵体断面はどのような形状であってもよいことは明らかである。
【0087】
最後に、前述の説明は貯蔵体収納モジュールのアッセンブリの構成を1段として説明したが、本発明を複数段のアッセンブリで構成されるモジュールに適用してケーシングとの熱交換がケーシング内壁と対面する外側層のアッセンブリで行われるようにしてもよいことは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続体(30)によって接続された電気エネルギー貯蔵体(20)が少なくとも2つ収納されるケーシング(10)と、前記エネルギー貯蔵体(20)のエネルギー制御及び診断を行う電子制御基板(40)を少なくとも1つ備えた貯蔵体収納モジュールにおいて、
前記ケーシング(10)の各壁(12、13、14)は、電気的には絶縁された状態で、
・少なくとも1の壁(12、13)において、前記電気エネルギー貯蔵体(20)と連結される放熱部材と熱的に接触し、
・別の少なくとも1の他壁(14)において、前記電子制御基板(40)と熱的に接触することによって、
冷却が促進されることを特徴とする貯蔵体収納モジュール。
【請求項2】
前記ケーシング(10)は少なくとも1の外表面に放熱フィン(15、15’)を備えることを特徴とする請求項1記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項3】
前記放熱フィン(15)は、前記ケーシング(10)の壁(12、13)の外表面に、前記貯蔵体(20)に連結される放熱部材と熱的に接触するように取り付けられることを特徴とする請求項2記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項4】
前記電子制御基板(40)と熱的に接触する前記ケーシングの壁とは別の他壁(14)の外表面に、前記放熱フィン(15’)が取り付けられることを特徴とする請求項2又は3に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項5】
前記ケーシング(10)は、アルミニウム製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項6】
前記ケーシング(10)は、炭素繊維複合材料製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項7】
前記放熱部材と接触する壁(12、13)は前記ケーシング(10)の下部壁(13)であり、前記電子制御基板(40)と接触する他壁(14)は前記ケーシング(10)の側壁であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項8】
前記放熱部材と熱的に接触する壁(13)は、冷却装置が配置されるベース部材として構成されるか、又はそのようなベース部材と連結されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項9】
前記冷却装置は冷却液を循環させる冷却回路で構成されることを特徴とする請求項8記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項10】
前記電子制御基板(40)は、エポキシ樹脂層(42)とその上に結合される銅製のプリント回路(41)とで構成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項11】
前記エポキシ樹脂層(42)は、前記ケーシング(10)の他壁(14)の内表面と接触することを特徴とする請求項10記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項12】
前記電子制御基板(40)は前記エポキシ樹脂層(42)の上にアルミニウム板(43)を備えて、該アルミニウム板(43)を前記ケーシング(10)の他壁(14)の内表面に接触させるように構成したことを特徴とする請求項10記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項13】
前記2つの壁(12、13)は、前記エネルギー貯蔵アセンブリ(20)に連結される前記放熱部材と、電気的には絶縁された状態で熱的に接触することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項14】
前記エネルギー貯蔵体(20)に連結される放熱部材と熱的に接触する2つの壁(12、13)は、前記ケーシング(10)の上部壁(12)と下部壁(13)であることを特徴とする請求項13に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項15】
少なくとも1の電子制御基板(40)が、前記ケーシング(10)の少なくとも1の側壁(14)と接触するように備えられることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項16】
ケーシングの側壁と同じ数の電子制御基板が備えられ、前記電子制御基板はそれぞれ前記ケーシングの各側壁と接触することを特徴とする請求項15に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項17】
前記電子制御基板は、前記ケーシング側壁の内表面と接触することを特徴とする請求項15又は16に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項18】
前記電子制御基板は、前記ケーシング側壁の外表面と接触することを特徴とする請求項15又は16に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項19】
隣接する2つの貯蔵体(20)を接続する前記電気接続体(30)は、対応する貯蔵体の上部若しくは下部を蓋する2つのカバー(32)とを電気的に接続する接続端子片(31)を含んで構成され、各カバー(32)は前記接続端子片(31)のボアホール(31)と接触するように形成された端子電極部(33)を備えることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項20】
前記接続端子片のボアホールは表面粗度が高くなるように形成して前記端子電極部(33)との電気接触性を上げることを特徴とする請求項19に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項21】
前記接続端子片(31)は銅製であることを特徴とする請求項19又は20に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項22】
前記銅製の前記接続端子片(31)は、表面がすずめっきで保護されることを特徴とする請求項21に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項23】
前記接続端子片(31)はアルミニウム製であることを特徴とする請求項19又は20に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項24】
前記アルミニウム製の接続端子片(31)は、表面がすずめっき又はニッケルめっきによって保護されることを特徴とする請求項23に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項25】
隣接する2つの貯蔵体を接続する電気接続体(30)は、2つのカバー(32)と接続端子片(31’)とをレーザーで透過溶接することによって電気的に接続して構成したものであることを特徴とする請求項25に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項26】
前記接続端子片(31)の溶接は、カバー(32)の表面に設けたスリット領域で行われることを特徴とする請求項25に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項27】
隣接する2つの貯蔵体(20)を接続する電気接続体(30)は、2つのカバー(32)と接続端子片(31’)とをろう付けすることによって電気的に接続して構成したものであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項28】
前記隣接する2つの貯蔵体(20)を接続する電気接続体(30)は、2つのカバー(32)と接続端子片(31’)とを拡散ろう付けすることによって電気的に接続して構成したものであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項29】
前記カバー(32)が前記接続端子片(31)に接触する面積を、カバー表面全体の4分の1以上としたことを特徴とする請求項19〜28のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項30】
前記カバー(32)が前記接続端子片(31)に接触する面積を、カバー表面全体の2分の1以上としたことを特徴とする請求項17に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項31】
隣接する2つの貯蔵体(20)は、それぞれの上部カバー(32)又は下部カバー(32’)を構成するエンド部(35、36)が設けられた長手部材(34)によって電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項32】
前記長手部材(34)の各エンド部(35、36)には、好ましくは放射状のスリット領域(37)が備えられることを特徴とする請求項31に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項33】
前記スリット領域(37)は、前記長手部材(34)の長手方向軸(B−B)に対して45度の傾斜角度を有するように2つずつ直交して配置されることを特徴とする請求項31又は32に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項34】
前記スリット領域(37)は、各エンド部(35、36)の少なくとも1のスリット領域(37)が長手部材(34)の長手方向軸(B−B)に沿って延在するように2つずつ直交して配置されることを特徴とする請求項31又は32に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項35】
前記電気接続体(30)は前記放熱部材(38)として構成されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。
【請求項36】
前記貯蔵体とケーシングの壁面との間の放熱手段(38)はエラストマー層であることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の貯蔵体収納モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−527098(P2010−527098A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504679(P2010−504679)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054971
【国際公開番号】WO2008/132122
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(504161995)
【氏名又は名称原語表記】BATSCAP
【Fターム(参考)】