説明

電気溶融炉の操業制御方法

【課題】 投入設定電力から投入設定電圧を決定し、溶湯内の溶融メタル層の液面レベルに応じて主電極の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにする。
【解決手段】 溶融炉本体2の天井壁2aに昇降自在に設けた主電極4と底壁2cに設けた炉底電極7との間に電圧を印加してプラズマアークAを発生させ、当該プラズマアークAにより炉内へ投入された焼却灰や飛灰を溶融するようにした電気溶融炉1の操業制御方法に於いて、予め投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、炉内に形成された溶湯内の溶融メタル層Mの液面レベルLを検出し、当該液面レベルLに応じて主電極4の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極4の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ごみや産業廃棄物等のごみ焼却炉から排出された焼却灰や飛灰を溶融処理する主電極及び炉底電極等を備えた電気溶融炉の操業制御方法の改良に係り、電気溶融炉への投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、炉内に形成された溶湯内の溶融メタル層の液面レベルに応じて主電極の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つことによって、電気溶融炉への投入電力を効率よく溶湯に伝達して安定した操業を行えるようにした電気溶融炉の操業制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、都市ごみ等のごみ焼却炉から排出された焼却灰や飛灰の減容化及び無害化を図るため、焼却灰等の溶融固化処理法が注目され、現実に実用に供されている。何故なら、焼却灰や飛灰は溶融固化することにより、その容積を1/2〜1/3に減らすことができると共に、重金属等の有害物質の溶出防止や溶融スラグの再利用、最終埋立て処分場の延命等が可能になるからである。
【0003】
而して、前記焼却灰や飛灰の溶融処理には、電気エネルギーによって焼却灰や飛灰を溶融処理する電気溶融炉が広く利用されている。この電気溶融炉を利用するのは、ごみ焼却施設の発電設備から溶融用電力が得られ易い等の理由からである。
従来、この種の電気溶融炉としては、炉の天井壁に設けた主電極と炉の底壁(炉底)に設けた炉底電極との間に直流電源により電圧を印加してプラズマアークを発生させ、当該プラズマアークにより炉内に投入された焼却灰や飛灰を溶融処理するようにした電気溶融炉(プラズマアーク溶融炉)が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0004】
即ち、電気溶融炉は、耐火物等により形成された天井壁、周壁及び底壁(炉底)から成る溶融炉本体と、天井壁に貫通状に配設した昇降自在な主電極と、天井壁に貫通状に配設した昇降自在なスタート電極と、底壁に配設した導電性耐火物製の炉底電極等から成り、直流電源を利用して主電極から炉底電極へ向けてプラズマアークを発生させ、当該プラズマアークの発生熱により炉内に投入された焼却灰や飛灰を溶融処理するように構成されている。
【0005】
前記電気溶融炉で焼却灰や飛灰を連続的に溶融すると、溶融炉本体内に形成された溶湯は、比重差によって上方に位置する溶融スラグ層と溶融スラグ層の下方に位置する溶融メタル層とに分離される。
上方に位置する溶融スラグは、溶融炉本体の周壁に形成した溶融スラグ出滓口から順次オーバーフローし、スラグ出湯樋を流下して冷却水を貯留した水冷槽内へ落下排出され、ここで水冷されて水砕スラグとなる。
一方、下方に位置する溶融メタルは、電気溶融炉の運転時間の経過と共に順次底壁に残留・蓄積し、溶融メタル層の液面レベルを上昇させて溶融メタル層の厚さを増加させる。これに伴って、上方の溶融スラグ層の厚さは、溶融炉本体の溶湯容積が一定であることとも相俟って、順次薄くなって行く。
尚、溶融メタル層の液面が上昇すると、溶融スラグに溶融メタルが混合して排出され、スラグの品質が低下する等の問題が発生するため、周壁下部に設けたタップホール(メタル抜き出し口)を間欠的に開孔し、ここから溶融メタルを抜き出して溶融メタル層の厚さが所定の厚さを超えないようにしている。
【0006】
ところで、上述した電気溶融炉に於いて、電気溶融炉への投入電力を効率よく溶湯に伝達するためには、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つ必要があり、今までの電気溶融炉の操業制御では、溶湯と主電極の電極間距離を一定にするために電圧を設定し、その電圧となるように主電極の高さ位置を制御する方法が採用されて来た。
【0007】
一般に、電気溶融炉への投入電力は、溶融炉本体の灰処理量と溶融炉本体から放熱される放熱量から一義的に決まる。
例えば、灰1ton当たりを溶融するのに必要とする電力を500kWh/灰tonとし、同じ電気溶融炉でも、
灰処理量が2ton/時で溶湯内の溶融メタル層の液面レベルが低いので放熱量は小さく、この放熱量に相当する電力を450kWとした場合、電気溶融炉への投入設定電力は、
(投入設定電力)=500kWh/灰ton×2ton/時+450kW=1450kW
となり、
又、灰処理量が1.5ton/時で溶湯内の溶融メタル層の液面レベルが高いので放熱量は大きく、この放熱量に相当する電力を700kWとした場合、電気溶融炉への投入設定電力は、
(投入設定電力)=500kWh/灰ton×1.5ton/時+700kW=1450kWとなり、同じ電力量なのでこの場合は同じ電圧設定として操業していた。
【0008】
一方、本件出願人は、溶湯内の溶融メタル層の液面レベルに応じて電気溶融炉への投入電力を調整するようにした電気溶融炉の運転方法を提案し、これを特開2001−50528号(特許文献4)として公開している。
即ち、投入設定電力に応じて投入設定電圧を決定すると共に、この投入設定電圧に基づいて投入設定電流を算出し、電気溶融炉への投入電力が前記投入設定電圧となるように主電極の高さ位置を制御し、又、電気溶融炉への投入電流が前記投入設定電流となるように電源装置の出力を制御するようにしていた。この場合、投入電力が一定になるときには、同じ設定電圧となる。
【0009】
しかし、実際に電気溶融炉の操業を続けると、溶湯内の溶融メタル層の液面レベルが上昇し、電気伝導度の大きい溶融メタル層と溶融メタル層よりも電気伝導度の小さい溶融スラグ層の比率が変化して溶湯の電気抵抗値が低下することになる。そのため、溶湯と主電極の電極間距離が離れてしまい、アーク長が長くなって溶湯を通じて炉外へ放出される放熱量も多くなり、投入電力を効率よく溶湯に伝達することができなくなると云う問題が発生している。
この問題を解決するには、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つ必要があり、そのために溶融メタル層の液面レベルの上昇に伴い、設定電圧を小さくして行かなければならないが、今までの電気溶融炉の操業制御では、溶湯内の溶融メタル層の液面レベルに応じて最適な投入設定電圧となるように補正をすることは行われていなかった。実際電気溶融炉の操業制御では、この変化分の補正を無視できないレベルにあり、この補正を行わない場合には、電気溶融炉の安定した操業を行えなかった。
【特許文献1】特開平9−229559号公報
【特許文献2】特開平9−280536号公報
【特許文献3】特開平11−108330号公報
【特許文献4】特開2001−50528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、溶湯内の溶融メタル層の液面レベルに応じて主電極の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにした電気溶融炉の操業制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する為に、本発明の請求項1の発明は、溶融炉本体の天井壁に昇降自在に設けた主電極と底壁に設けた炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、当該プラズマアークにより炉内へ投入された焼却灰や飛灰を溶融するようにした電気溶融炉の操業制御方法に於いて、予め投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、炉内に形成された溶湯内の溶融メタル層の液面レベルを検出し、当該液面レベルに応じて主電極の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにしたことに特徴がある。
【0012】
又、本発明の請求項2の発明は、溶融炉本体の天井壁に昇降自在に設けた主電極と底壁に設けた炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、当該プラズマアークにより炉内へ投入された焼却灰や飛灰を溶融するようにした電気溶融炉の操業制御方法に於いて、予め投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、炉内への総投入灰量から炉内に蓄積される溶融メタル量を推測することで溶湯内の溶融メタル層の液面レベルを算出し、当該液面レベルに応じて主電極の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにしたことに特徴がある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電気溶融炉の操業制御方法は、予め投入設定電力から投入設定電圧を決定し、溶湯内の溶融メタル層の液面レベルに応じて、或いは炉内への総投入灰量から炉内に蓄積される溶融メタル量を推測することで溶湯内の溶融メタル層の液面レベルを算出し、前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように主電極の高さ位置を制御する補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにしているため、投入電力を効率よく溶湯に伝達することが可能となり、電気溶融炉の安定した操業を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の方法を実施する電気溶融炉1を示し、当該電気溶融炉1は、都市ごみや産業廃棄物等のごみ焼却炉から排出された焼却灰や飛灰を溶融処理するものであり、耐火物等により形成された天井壁2a、周壁2b及び底壁2c(炉底)から成る溶融炉本体2と、天井壁2aに貫通状に配設され、直流電源装置3の陰極に接続された昇降自在な主電極4と、天井壁2aに貫通状に配設され、直流電源装置3の一方の陽極に接続された昇降自在なスタート電極5と、底壁2c全域に配設され、直流電源装置3の他方の陽極に集電板6を介して接続された導電性耐火物製の炉底電極7と、主電極4を昇降自在に支持する主電極昇降装置8と、スタート電極5を昇降自在に支持するスタート電極昇降装置9と、直流電源装置3に接続され、直流電源装置3へ特高電圧を供給する高圧配電盤10と、溶融メタル層Mの液面レベルLを検出するメタルレベル検出器(図示省略)と、メタルレベル検出器からの検出信号が入力され、当該検出信号から投入設定電圧等を演算するデータ処理装置11と、データ処理装置11からのデータ出力信号に基づいて主電極昇降装置8及び直流電源装置3等を制御する制御装置12等から構成されている。
【0015】
前記メタルレベル検出器には、先端部に磁気コイルを備えたレベル検出センサーを溶融炉本体2内に昇降自在に挿入し、レベル検出センサーの先端部を溶融メタル層Mに接触させて溶融メタル層Mの液面レベルLを検出するようにしたメタルレベル検出器や、溶融炉本体2の周壁2bに埋め込んだ磁気コイルを用いたレベル検出センサーにより溶融メタル層Mの液面レベルLを検出するようにしたメタルレベル検出器等が使用されており、これらメタルレベル検出器は何れも従来公知のものと同様構造に構成されている。
又、データ処理装置11は、メタルレベル検出器からの検出信号に基づいて溶融メタル層Mの液面レベルLや投入設定電圧、投入設定電流等を演算するものであり、更に、制御装置12は、データ処理装置11からのデータ出力信号に基づいて電圧が前記投入設定電圧となるように主電極昇降装置8を制御して主電極4位置の高さ位置を調整すると共に、電流が前記投入設定電流となるように直流電源装置3を制御するものである。この実施の形態に於いては、データ処理装置11と制御装置12とを別体としたが、データ処理装置11と制御装置12を一体のものとして形成しても良いことは勿論である。
【0016】
尚、図1に於いて、13は溶融炉本体2の周壁2bに形成され、炉内に焼却灰及び飛灰を投入するための供給口、14は溶融炉本体2の周壁2bに形成され、炉内の溶融スラグをオーバーフローさせる溶融スラグ出滓口、15は炉内へ焼却灰及び飛灰を供給する供給装置(スクリューフィーダー)、16は溶融炉本体2の炉底に設けた絶縁物である。
【0017】
以上のように構成された電気溶融炉1に於いては、焼却灰及び飛灰の溶融処理を開始するに当たっては、先ず、主電極4とスタート位置に下降させたスタート電極5とに通電させて両電極4,5間に電流を発生させ、これにより炉内の焼却灰及び飛灰を溶融させる。これは、主電極4と炉底電極7の間に非導電性の溶融物が介在するため、運転開始時に於いては、主電極4と炉底電極7との間にアークA(プラズマアーク)を発生させ得ないからである。
【0018】
炉内の焼却灰及び飛灰が溶融して導電性が上昇すると、スタート電極5を待機位置に上昇させたうえ、主電極4と炉底電極7との間に直流電源装置3により所定の電圧を印加して両電極4,7間にアークA(プラズマアーク)を発生させ、当該アークAの発生熱により供給装置15から炉内へ投入された焼却灰及び飛灰を溶融する。
尚、電気溶融炉1への投入電力は、溶融炉本体2の灰処理量と溶融炉本体2から放熱される放熱量とにより決定されている。又、この投入電力から投入電圧が決定されている。
【0019】
主電極4と炉底電極7との間に発生するアークAにより焼却灰及び飛灰が順次溶融されて行くと、溶融炉本体2内に溶湯が形成される。この溶湯は、焼却灰及び飛灰中に鉄を始めとする金属類やシリカを始めとするスラグ成分が多く含まれているため、比重差によって上方に位置する溶融スラグ層Sと溶融スラグ層Sの下方に位置する溶融メタル層Mとに分離される。
【0020】
前記溶融スラグは、溶融スラグ出滓口14から順次オーバーフローし、スラグ出湯樋(図示省略)を流下して冷却水を貯留した水冷槽(図示省略)内へ落下排出され、ここで水冷されて水砕スラグにされる。
又、炉内で発生した排ガスは、誘引通風機(図示省略)の誘引作用により天井壁2aに形成した排ガス排出口(図示省略)又は溶融スラグ出滓口14を通って二次燃焼室(図示省略)内へ導入され、ここで二次燃焼された後、排ガス処理装置(図示省略)等を経て浄化されてから大気中へ放出されている。
【0021】
そして、電気溶融炉1の操業を続けると、溶湯内の溶融メタル層Mの液面レベルLが徐々に上昇し、溶融メタル層Mと溶融スラグ層Sの比率が変化して溶湯の電気抵抗値が低下することになるが、メタルレベル検出器により溶融メタル層Mの液面レベルLが検出されており、その検出信号がデータ処理装置11へ入力されて最適な投入設定電圧及び投入設定電流を演算すると共に、データ処理装置11からのデータ出力信号に基づいて制御装置12が前記投入設定電圧及び投入設定電流となるように主電極昇降装置8及び直流電源装置3を制御する。
即ち、制御装置12が溶融メタル層Mの液面レベルLに応じて最適な投入設定電圧となるように主電極昇降装置8を制御して主電極4の高さ位置を調整し、溶湯と主電極4の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにすると共に、制御装置12が投入設定電流となるように直流電源装置3の出力を制御する。例えば、溶融メタル層Mの液面レベルLが上昇すると、溶湯と主電極4の電極間距離が離れてしまう上、溶湯を通じて炉外へ放出される放熱量も多くなるので、この場合には、主電極4を下降させて投入電圧を小さくする方向に補正を加え、太くて短いプラズマアークAとすることで、投入電力を効率よく溶湯に伝達することができる。
これにより、投入電力を効率よく溶湯に伝達することができ、電気溶融炉1の安定した操業を実現することができる。
【0022】
尚、溶融メタルは、溶融メタル層Mの液面レベルLが上昇すると、溶融スラグに溶融メタルが混合して排出され、スラグの品質が低下する等の問題が発生するため、周壁2b下部に設けたタップホール(図示省略)を間欠的に開孔し、ここから溶融メタルを抜き出して溶融メタル層Mの厚さが所定の厚さを超えないようにしている。
【0023】
上記の実施の形態に於いては、メタルレベル検出器により溶湯内の溶融メタル層Mの液面レベルLを検出し、当該液面レベルLに応じて主電極4の高さ位置を制御して最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極4の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにしたが、他の実施の形態に於いては、予め投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、炉内への総投入灰量から炉内に蓄積される溶融メタル量を推測することで溶湯内の溶融メタル層Mの液面レベルLを算出し、当該液面レベルLに応じて主電極4の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極4の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにしても良い。この場合には、メタルレベル検出器を省略することができる。
この電気溶融炉1の操業制御方法に於いても、投入電力を効率よく溶湯に伝達することができ、電気溶融炉1の安定した操業を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の方法を実施する電気溶融炉の概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1電気溶融炉、2は溶融炉本体、2aは天井壁、4は主電極、7は炉底電極、Aはプラズマアーク、Lは溶融メタル層の液面レベル、Mは溶融メタル層、Sは溶融スラグ層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融炉本体の天井壁に昇降自在に設けた主電極と底壁に設けた炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、当該プラズマアークにより炉内へ投入された焼却灰や飛灰を溶融するようにした電気溶融炉の操業制御方法に於いて、予め投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、炉内に形成された溶湯内の溶融メタル層の液面レベルを検出し、当該液面レベルに応じて主電極の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにしたことを特徴とする電気溶融炉の操業制御方法。
【請求項2】
溶融炉本体の天井壁に昇降自在に設けた主電極と底壁に設けた炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、当該プラズマアークにより炉内へ投入された焼却灰や飛灰を溶融するようにした電気溶融炉の操業制御方法に於いて、予め投入設定電力から投入設定電圧を決定すると共に、炉内への総投入灰量から炉内に蓄積される溶融メタル量を推測することで溶湯内の溶融メタル層の液面レベルを算出し、当該液面レベルに応じて主電極の高さ位置を制御して前記投入設定電圧が最適な投入設定電圧となるように補正を行い、溶湯と主電極の電極間距離を最適な位置で一定に保つようにしたことを特徴とする電気溶融炉の操業制御方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−292350(P2007−292350A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118629(P2006−118629)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000133032)株式会社タクマ (308)
【Fターム(参考)】