説明

電源回路

【課題】比較的簡易な構成で、定電圧駆動と定電流駆動を所望に応じて選択可能な電源回路を提供する。
【解決手段】演算増幅器1の出力端子とグランドとの間に第1及び第2の抵抗器31,32が直列接続されて設けられ、演算増幅器1の非反転入力端子には、所定の基準電圧が印加され、演算増幅器1の出力端子には、外部からの信号により動作制御可能に構成されてなるバッファアンプ2が接続され、バッファアンプ2の出力端子とグランドとの間には、MOSトランジスタ11と第3の抵抗器33が順に直列接続されて設けられ、これらの接続が、切替制御回路4、及び、第1乃至第4のアナログスイッチ21〜24により切り替えられることで、定電圧駆動と定電流駆動が選択可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置において用いられる電源回路に係り、特に、定電圧駆動と定電流駆動の切り替え機能を備えた電源回路における構成の簡素化等を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来回路としては、例えば、図5に示されたような定電圧駆動の電源回路や図6に示されたような定電流駆動の電源回路が、従来から良く知られている。
以下、図5及び図6を参照しつつ、これら従来回路について概略的に説明する。
まず、図5に示された定電圧駆動の電源回路は、出力電圧Voutを抵抗分圧して得られたフィードバック電圧Vdと、基準電圧VREFとを演算増幅器ampによって比較することで、出力電圧Voutを一定電圧として出力できるよう構成されたものである。
【0003】
一方、図6に示された定電流駆動の電源回路は、フィードバック電圧Vdと、基準電圧VREFとを演算増幅器ampによって比較し、その比較結果に応じて、出力抵抗R3と直列接続された出力用nチャンネルMOSトランジスタMN1の導通状態を制御することで、一定の出力電流Ioutを得ることができるよう構成されたものである。
このような従来回路は、例えば、特許文献1、2等に開示されている。
【0004】
ところで、上述のような定電圧駆動の電源回路や定電流駆動の電源回路を必要とする半導体装置にあっては、必ずしもいずれか一方の電源回路のみを必要とするものばかりではなく、その動作状態等に応じて、2種類の電源回路を切り替えての使用が所望されるものもある。
このような場合の従来の方策としては、例えば、図7に示されたように、上述の2種類の電源回路を、アナログスイッチSWa,SWbにより、選択的に切り換え可能な構成とすることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−160747号公報(第4−8頁、図1−図5)
【特許文献2】特開平3−291709号公報(第2−3頁、図1−図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図7に示された構成にあっては、電源供給経路にアナログスイッチSWa,SWbが挿入されるため、それによる出力損失を抑えるためにアナログスイッチSWa,SWbのオン抵抗値を小さくする必要があり、そのための回路を増設することなどによる回路全体の面積の増大を招くという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、比較的簡易な構成で、定電圧駆動と定電流駆動を所望に応じて選択可能な電源回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る電源回路は、
定電圧駆動と定電流駆動が選択可能に構成されてなる電源回路であって、
演算増幅器の出力端子とグランドとの間に第1及び第2の抵抗器が直列接続されて設けられ、前記演算増幅器の非反転入力端子には、所定の基準電圧が印加され、前記演算増幅器の出力端子には、外部からの信号により動作制御可能に構成されてなるバッファアンプが接続され、前記バッファアンプの出力端子とグランドとの間には、MOSトランジスタと第3の抵抗器が順に直列接続されて設けられる一方、
回路動作を定電圧駆動と定電流駆動のいずれか一方に切り替える動作切替手段が設けられてなり、
前記動作切替手段は、外部から電源回路の動作を定電圧駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記第1及び第2の抵抗器の相互の接続点における電圧を前記演算増幅器の反転入力端子へフィードバック電圧として供給する経路を形成すると共に、前記バッファアンプを動作状態とする一方、
外部から電源回路の動作を定電流駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記フィードバック電圧の供給経路を断とすると共に、前記バッファアンプを非動作状態とする一方、前記演算増幅器の出力端子と前記MOSトランジスタのゲートとを接続する経路を形成すると共に、前記第3の抵抗器の電圧を前記演算増幅器の反転入力端子へフィードバック電圧として供給する経路を形成するよう構成されてなるものである。
前記動作切替手段は、切替制御回路と第1乃至第4のアナログスイッチを有してなり、
前記第1のアナログスイッチは、前記演算増幅器の出力端子と前記MOSトランジスタのゲートとの間に設けられ、
前記第2のアナログスイッチは、前記第1及び第2の抵抗器の相互の接続点と前記演算増幅器の反転入力端子との間に設けられ、
前記第3のアナログスイッチは、前記MOSトランジスタと前記第3の抵抗器の相互の接続点と前記演算増幅器の反転入力端子との間に設けられ、
前記第4のアナログスイッチは、前記MOSトランジスタのゲートとグランドとの間に設けられ、
前記切替制御回路は、外部から電源回路の動作を定電圧駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記バッファアンプを動作状態とすると共に、前記第2及び第4のアナログスイッチをオン状態とする一方、前記第1及び第3のアナログスイッチをオフ状態とし、
外部から電源回路の動作を定電流駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記第1及び第3のアナログスイッチをオン状態とする一方、前記バッファアンプを非動作状態とすると共に、前記第2及び第4のアナログスイッチをオフ状態とするよう構成されてなるものが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部への電源供給経路にアナログスイッチを挿入することなく、定電圧駆動による電源供給と定電流駆動による電源供給を選択可能に構成したので、従来と異なり、回路動作に対して、定電圧駆動と定電流駆動に用いられるアナログスイッチのオン抵抗値の影響を排除することができ、安定した回路動作が確保できるという効果を奏するものである。
また、定電圧駆動と定電流駆動において演算増幅器を共用できるようにしたので、回路規模の簡素化が図られるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における電源回路の回路構成例を示す回路図である。
【図2】図1に示された電源回路に用いられるバッファアンプの回路構成例を示す回路図である。
【図3】図1に示された電源回路の定電圧駆動時における回路接続を示す回路図である。
【図4】図1に示された電源回路の定電流駆動時における回路接続を示す回路図である。
【図5】従来の定電圧駆動の電源回路の回路構成例を示す回路図である。
【図6】従来の定電流駆動の電源回路の回路構成例を示す回路図である。
【図7】図5及び図6に示された電源回路を選択的に用いるための回路構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における電源回路の回路構成について図1を参照しつつ説明する。
まず、本発明の実施の形態における電源回路は、演算増幅器(図1においては「amp」と表記)1と、バッファアンプ(図1においては「X1」と表記)2と、第1乃至第4のアナログスイッチ(図1においては、それぞれ「SW1」、「SW2」、「SW3」、「SW4」と表記)21〜24と、基準電圧回路3と、切替制御回路4を主たる構成要素として構成されてなるものである。
【0012】
演算増幅器1は、その非反転入力端子VIN+に、基準電圧回路3からの基準電圧VREFが印加されるようになっている一方、反転入力端子VIN-は、第2及び第3のアナログスイッチ22,23に接続されたものとなっている。
ここで、基準電圧回路3は、所定の基準電圧VREFを出力するよう構成されてなるもので、それ自体は、従来の電源回路において用いられているものと基本的に同一の構成を有してなるものである。
【0013】
また、第2及び第3のアナログスイッチ22,23は、第1及び第4のアナログスイッチ21,24と共に、いずれも従来から用いられているものと同一の構成を有してなるもので、そのオン・オフは、後述するように切替制御回路4から出力されるスイッチ切替用信号によって制御されるものとなっている。
【0014】
一方、演算増幅器1の出力端子は、バッファアンプ2の入力段に接続されると共に、第1のアナログスイッチ21に接続されている。さらに、演算増幅器1の出力端子とグランドとの間には、出力端子側から第1の抵抗器(図1においては「R1」と表記)31、第2の抵抗器(図1においては「R2」と表記)32が順に直列接続されて設けられている。そして、第1の抵抗器31と第2の抵抗器32の接続点は、第2のアナログスイッチ22に接続されており、第2のアナログスイッチ22を介して演算増幅器1の反転入力端子VIN-に接続可能となっている(詳細は後述)。
【0015】
バッファアンプ2は、その動作が、2つのイネーブル端子(図1においては、それぞれ「ENABLE1」、「ENABLE2」と表記)2a,2bに印加される信号によって制御可能に構成されてなる公知・周知の構成を有してなるものである。
かかるバッファアンプ2の第1及び第2のイネーブル端子2a,2bには、切替制御回路4から出力される信号がそれぞれ入力されるようになっている。
すなわち、本発明の実施の形態における切替制御回路4は、制御信号入力端子4aに外部から入力される制御信号に応じて、第1乃至第4のアナログスイッチ21〜24の動作並びにバッファアンプ2の動作を切り替えるための2種類のスイッチ切替用信号Scont1、Scont2を出力するよう構成されてなるもので、いわゆるデコーダ回路の一種である。
【0016】
本発明の実施の形態においては、第2及び第4のアナログスイッチ22,24、並びに、第1のイネーブル端子2aに対して、切替制御回路4からの第1のスイッチ切替用信号Scont1が、第1及び第3のアナログスイッチ21,23、並びに、第2のイネーブル端子2bに対して、切替制御回路4からの第2のスイッチ切替用信号Scont2が、それぞれ入力されるようになっている。
【0017】
一方、バッファアンプ2の出力端子は、nチャンネルMOSトランジスタ(図1においては「MN1」と表記)11のドレインに接続されると共に電源出力端子41に接続されている。
このnチャンネルMOSトランジスタ11のソースは、第3の抵抗器(図1においては「R3」と表記)33を介してグランドに接続されると共に、第3のアナログスイッチ23に接続されている。
【0018】
一方、nチャンネルMOSトランジスタ11のゲートは、第1のアナログスイッチ21及び第4のアナログスイッチ24に接続されている。かかる接続により、詳細は後述するが、nチャンネルMOSトランジスタ11のソースは、第3のアナログスイッチ23を介して演算増幅器1の反転入力端子VIN+に接続可能となっており、また、ゲートは、第1のアナログスイッチ21を介して演算増幅器1の出力端子、又は、第4のアナログスイッチ24を介してグランドのいずれか一方に接続されるようになっている。
【0019】
かかる図1に示された構成においては、切替制御回路4と、第1乃至第4のアナログスイッチ21〜24によって、動作切替手段が実現されたものとなっている。
すなわち、切替制御回路4の制御信号入力端子4aに、電源回路の動作を定電圧駆動とすべく所定の信号が入力された際には、切替制御回路4により、バッファアンプ2が動作状態とされると共に、第2及び第4のアナログスイッチ22,24がオン状態とされる一方、第1及び第3のアナログスイッチ21,23がオフ状態とされ、また、制御信号入力端子4aに、電源回路の動作を定電流駆動とすべく所定の信号が入力された際には、切替制御回路4により、第1及び第3のアナログスイッチ21,24がオン状態とされる一方、バッファアンプ2が非動作状態とされると共に、第2及び第4のアナログスイッチ22,24がオフ状態とされるものとなっている(詳細は後述)。
【0020】
ここで、バッファアンプ2の具体回路例について、図2を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態におけるバッファアンプ2は、差動対を構成する第2及び第3のnチャンネルMOSトランジスタ(図2においては、それぞれ「MN2」、「MN3」と表記)12,13と、カレントミラー回路を構成する第1及び第2のpチャンネルMOSトランジスタ(図2においては、それぞれ「MP1」、「MP2」と表記)15,16と、定電流源20と、第5乃至第7のアナログスイッチ(図2においては、それぞれ「SW5」、「SW6」、「SW7」と表記)25〜27を主たる構成要素として構成されてなるものである。
【0021】
まず、第2及び第3のnチャンネルMOSトランジスタ12,13は、ソースが相互に接続されると共に、その接続点とグランドとの間には、定電流源20が接続される一方、ドレインは、第1及び第2のpチャンネルMOSトランジスタ15,16により構成されたカレントミラー回路に接続されており、第2及び第3のnチャンネルMOSトランジスタ12,13は、差動対を構成するものとなっている。
【0022】
そして、第2のnチャンネルMOSトランジスタ12のゲートは、入力端子BINを介して演算増幅器1の出力信号が入力されるようになっている一方、第3のnチャンネルMOSトランジスタ13のドレインからは、出力端子BOUTを介してバッファ出力が得られるようになっている。
また、第3のnチャンネルMOSトランジスタ13のゲートとグランドとの間には、第6のアナログスイッチ26が直列接続されて設けられる一方、ゲートと出力端子BOUTとの間に、第7のアナログスイッチ27が直列に設けられたものとなっている。
【0023】
一方、第1及び第2のpチャンネルMOSトランジスタ15,16は、各々のゲートと第1のpチャンネルMOSトランジスタ15のドレインとが相互に接続されると共に、第2のnチャンネルMOSトランジスタ12のドレインと接続されたものとなっている。さらに、第1及び第2のpチャンネルMOSトランジスタ15,16のゲートには、第5のアナログスイッチ25を介して所定の電源電圧が印加可能とされている。
【0024】
一方、第2のpチャンネルMOSトランジスタ16のドレインは、第3のnチャンネルMOSトランジスタ13のドレインと接続されている。
そして、第1及び第2のpチャンネルMOSトランジスタ15,16のソースには、所定の電源電圧が印加されるようになっており、第1及び第2のpチャンネルMOSトランジスタ15,16は、カレントミラー回路を構成し、第2及び第3のnチャンネルMOSトランジスタ12,13の能動負荷となっている。
なお、第7のアナログスイッチ27は、切替制御回路4から出力される第1のスイッチ切替用信号Scont1により、第5及び第6のアナログスイッチ25,26は、同じく切替制御回路4から出力される第2のスイッチ切替用信号Scont2により、それぞれオン・オフ動作が制御されるものとなっている。
【0025】
次に、上記構成における動作について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
最初に、定電圧駆動時における動作について図3を参照しつつ説明する。
定電圧駆動状態とする場合、切替制御回路4の制御信号入力端子には、第1のスイッチ切替用信号Scont1により、対応するアナログスイッチを動作状態(オン状態)とする一方、第2のスイッチ切替用信号Scont2により対応する他のアナログスイッチを非動作状態(オフ状態)とすべく、予め定められたレベルの信号が入力される。
【0026】
これによって、第1のスイッチ切替用信号Scont1は、例えば、論理値Highに相当するレベルとなり、第2のスイッチ切替用信号Scont2は、論地値Lowに相当するレベルとなる。
そして、第1のスイッチ切替用信号Scont1により、第2、第4、及び、第7のアナログスイッチ22、24、27が、それぞれオン状態となる一方、第2のスイッチ切替用信号Scont2により、第1、第3、第5、及び、第6のアナログスイッチ21、23、25、26が、それぞれオフ状態となる(図3参照)。
【0027】
その結果、まず、演算増幅器1の反転入力端子VIN+には、第2のアナログスイッチ22を介して、演算増幅器1の出力電圧Voを、第1及び第2の抵抗器31,32により抵抗分圧した電圧がフィードバックされる構成となり、演算増幅器1は、一定の出力電圧Voを出力するよう動作することとなる。
また、バッファアンプ2においては、第7のアナログスイッチ27のみがオン状態となり第3のnチャンネルMOSトランジスタ13のゲートは、第7のアナログスイッチ27を介して第1のnチャンネルMOSトランジスタ11のドレイン及び電源出力端子41と接続され、バッファアンプ2は、正常動作状態となる。
【0028】
また、第1のnチャンネルMOSトランジスタ11のゲートは、オン状態の第4のアナログスイッチ24を介してグランドに接続されるため、第1のnチャンネルMOSトランジスタ11は、非動作状態となる。
したがって、演算増幅器1の出力電圧は、バッファアンプ2によりバッファされて、電源出力端子41から出力されることとなり、定電圧駆動の電源回路としての動作が確保されるようになっている。
かかる定電圧駆動においては、従来と異なり、電源供給経路にアナログスイッチが挿入されない構成であるため、アナログスイッチのオン抵抗が回路動作に影響することがない。
【0029】
次に、定電流駆動時における動作について図4を参照しつつ説明する。
定電流駆動状態とする場合、切替制御回路4の制御信号入力端子には、第1のスイッチ切替用信号Scont1により、対応するアナログスイッチを非動作状態(オフ状態)とする一方、第2のスイッチ切替用信号Scont2により対応する他のアナログスイッチを動作状態(オン状態)とすべく、予め定められたレベルの信号が入力される。
【0030】
これによって、第1のスイッチ切替用信号Scont1は、例えば、論理値Lowに相当するレベルとなり、第2のスイッチ切替用信号Scont2は、論地値Highに相当するレベルとなる。
そして、第1のスイッチ切替用信号Scont1により、第2、第4、及び、第7のアナログスイッチ22、24、27が、それぞれオフ状態となる一方、第2のスイッチ切替用信号Scont2により、第1、第3、第5、及び、第6のアナログスイッチ21、23、25、26が、それぞれオン状態となる(図4参照)。
【0031】
その結果、まず、バッファアンプ2においては、第1及び第2のpチャンネルMOSトランジスタ15,16のゲートには、第5のアナログスイッチ25を介して電源電圧が印加された状態となる。また、第3のnチャンネルMOSトランジスタ13のゲートが、第6のアナログスイッチ26を介してグランドに接続された状態となる。
そのため、バッファアンプ2は、非動作状態となる。
【0032】
一方、演算増幅器1の出力端子は、第1のアナログスイッチ21を介して第1のnチャンネルMOSトランジスタ11のゲートに接続される一方、演算増幅器1の反転入力端子VIN+は、第1のnチャンネルMOSトランジスタ11のソースと第3の抵抗器33との接続点と接続されることとなる。
その結果、演算増幅器1による基準電圧VREFと、第3の抵抗器33に得られたフィードバック電圧との比較結果に応じて、第1のnチャンネルMOSトランジスタ11の動作状態が制御され、電源出力端子41に一定の出力電流Ioutを得ることができることとなり、定電流駆動の電源回路としての動作が確保されるようになっている。
かかる定電流駆動状態にあっては、バッファアンプ2が非動作状態であるため、電源出力端子41におけるインピーダンス状態は、高出力インピーダンスとなる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
定電圧駆動状態と定電流駆動状態のいずれか一方、所望に応じて選択可能とする電源回路が必要とされる半導体装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1…演算増幅器
2…バッファアンプ
3…基準電圧回路
4…切替制御回路
11…第1のnチャンネルMOSトランジスタ
21…第1のアナログスイッチ
22…第2のアナログスイッチ
23…第3のアナログスイッチ
24…第4のアナログスイッチ
31…第1の抵抗器
32…第2の抵抗器
33…第3の抵抗器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電圧駆動と定電流駆動が選択可能に構成されてなる電源回路であって、
演算増幅器の出力端子とグランドとの間に第1及び第2の抵抗器が直列接続されて設けられ、前記演算増幅器の非反転入力端子には、所定の基準電圧が印加され、前記演算増幅器の出力端子には、外部からの信号により動作制御可能に構成されてなるバッファアンプが接続され、前記バッファアンプの出力端子とグランドとの間には、MOSトランジスタと第3の抵抗器が順に直列接続されて設けられる一方、
回路動作を定電圧駆動と定電流駆動のいずれか一方に切り替える動作切替手段が設けられてなり、
前記動作切替手段は、外部から電源回路の動作を定電圧駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記第1及び第2の抵抗器の相互の接続点における電圧を前記演算増幅器の反転入力端子へフィードバック電圧として供給する経路を形成すると共に、前記バッファアンプを動作状態とする一方、
外部から電源回路の動作を定電流駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記フィードバック電圧の供給経路を断とすると共に、前記バッファアンプを非動作状態とする一方、前記演算増幅器の出力端子と前記MOSトランジスタのゲートとを接続する経路を形成すると共に、前記第3の抵抗器の電圧を前記演算増幅器の反転入力端子へフィードバック電圧として供給する経路を形成するよう構成されてなることを特徴とする電源回路。
【請求項2】
前記動作切替手段は、切替制御回路と第1乃至第4のアナログスイッチを有してなり、
前記第1のアナログスイッチは、前記演算増幅器の出力端子と前記MOSトランジスタのゲートとの間に設けられ、
前記第2のアナログスイッチは、前記第1及び第2の抵抗器の相互の接続点と前記演算増幅器の反転入力端子との間に設けられ、
前記第3のアナログスイッチは、前記MOSトランジスタと前記第3の抵抗器の相互の接続点と前記演算増幅器の反転入力端子との間に設けられ、
前記第4のアナログスイッチは、前記MOSトランジスタのゲートとグランドとの間に設けられ、
前記切替制御回路は、外部から電源回路の動作を定電圧駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記バッファアンプを動作状態とすると共に、前記第2及び第4のアナログスイッチをオン状態とする一方、前記第1及び第3のアナログスイッチをオフ状態とし、
外部から電源回路の動作を定電流駆動とすべく所定の信号が入力された際には、前記第1及び第3のアナログスイッチをオン状態とする一方、前記バッファアンプを非動作状態とすると共に、前記第2及び第4のアナログスイッチをオフ状態とするよう構成されてなることを特徴とする請求項1記載の電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−210021(P2011−210021A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77236(P2010−77236)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000191238)新日本無線株式会社 (569)
【Fターム(参考)】