説明

電話システム

【課題】一の携帯電話機の通話相手となっている電話装置に対し、他の携帯電話機から容易に通話を行うことができる電話システムを提供する
【解決手段】携帯電話機1aは、携帯電話機1cと通話中に、非接触通信により携帯電話機1bから携帯電話機1bの電話番号を受信すると、この電話番号を通話中の携帯電話機1cに送信する。これにより、携帯電話機1cが受信した電話番号に発信すると、携帯電話機1aと携帯電話機1bとの通話の通話相手を、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送することができる。結果として、携帯電話機1bは、携帯電話機1aと非接触通信を行うという簡単な動作のみで、携帯電話機1aの通話相手となっている携帯電話機1cと容易に通話を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに関し、特に非接触通信が可能な携帯電話機を含む電話システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、一の携帯電話機の通話相手と他の携帯電話機を用いて通話を行うには、他の携帯電話機のユーザは、一の携帯電話機のユーザからその通話相手の電話番号を口頭による教示や電子メールなどにより取得し、この取得した電話番号を他の携帯電話機からダイヤルして発信することにより行われている。このため、事前に電話番号を取得するのに手間がかかり、不便であった。
【0003】
そこで、近年では、非接触通信機能を利用して、電話帳やメールなどの情報を携帯電話機間でやりとりすることがなされている(例えば、非特許文献1参照。)。この非接触通信機能を利用すれば、2つの携帯電話機本体を互いに近接させることにより、電話番号をやりとりできるので、他の携帯電話機は、容易に一の携帯電話機の通話相手の電話番号を取得することができる。
【0004】
【非特許文献1】株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 、[online]、[平成20年9月5日検索]、インターネット<URL:http//www.nttdocomo.co.jp/service/func_tool/ic/about/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非接触通信機能を利用して一の携帯電話機の通話相手の電話番号を取得した場合であっても、他の携帯電話機のユーザがその通話相手と通話するためには、取得した電話番号をダイヤルしなければならない。このため、もっと容易に一の携帯電話機の通話相手と通話を行うことができる電話システムが望まれていた。
【0006】
そこで、本願発明は、一の携帯電話機の通話相手となっている電話装置に対し、他の携帯電話機から容易に通話を行うことができる電話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述したような課題を解消するために、本発明に係る電話システムは、非接触通信機能を有する第1,第2の携帯電話機を少なくとも含み、第1の携帯電話機と、第2の携帯電話機とは、第1の携帯電話機が第2の携帯電話機以外の電話装置と通話中に非接触通信により少なくとも何れか一方の電話番号を他方に送信し、非接触通信により電話番号を受信した第1の携帯電話機および第2の携帯電話機の少なくとも一方は、受信した電話番号を多の電話装置に送信することを特徴とする。
【0008】
上記電話システムにおいて、非接触通信により第2の携帯電話機の電話番号を受信した第1の携帯電話機は、当該第2の携帯電話機の電話番号を、通話中の他の電話装置にSMS通信により送信し、他の電話装置は、SMS通信により受信した電話番号に基づいて第2の携帯電話機に発信するようにしてもよい。
【0009】
また、上記電話システムにおいて、非接触通信により第1の携帯電話機から当該第1の携帯電話機の電話番号を受信した第2の携帯電話機は、第1の携帯電話機と通話中の多の電話装置の電話番号を受信し、この電話番号に基づくSMS通信により自身の電話番号を他の電話装置に送信した後、この他の電話装置に発信し、他の電話装置は、第2の携帯電話機より受信した電話番号と着信とが一致すると、この着信に応答するようにしてもよい。
【0010】
また、上記電話システムにおいて、第1の携帯電話機と他の電話装置との間の呼制御を行う基地局をさらに備え、非接触通信により第2の携帯電話機の電話番号を受信した第1の携帯電話機は、第2の携帯電話機から受信した当該第2の携帯電話機の電話番号転送要求とともに基地局に送信し、基地局は、第2の携帯電話機の電話番号と転送要求とを受信すると、第1の携帯電話機と電話装置との間の通話を、第2の携帯電話機と電話装置との間の通話に切り替えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一の電話装置と通話中の第1の携帯電話機と、通話中ではない他の携帯電話機、すなわち第2の携帯電話機とは、非接触通信により電話番号のやりとりを行い、第1の携帯電話機または第2の携帯電話機は、受信した電話番号を他の装置に送信することにより、第2の携帯電話機、他の電話装置または他の装置は、他の電話装置または第2の携帯電話機の電話番号を受信することができるので、この受信した電話番号に対して発信することにより、他の電話装置と第2の携帯電話機とが通話することが可能となるので、結果として、他の携帯電話機の通話相手となっている電話装置と容易に通話を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る電話システムは、図1に示すように、少なくとも3台の携帯電話機1a〜1cから構成されている。
【0014】
<携帯電話機の構成>
携帯電話機1a〜1cは、それぞれ図2に示す携帯電話機1と同等の構成を有するので、図2に示す携帯電話機1の構成について説明し、携帯電話機1a〜1cそれぞれの構成は省略する。
【0015】
携帯電話機1は、携帯電話網(図示せず)を終端制御する無線I/F部11と、無線I/F部11で受信された音声データを音声信号へ復号化してスピーカ(図示せず)へ出力し、マイク(図示せず)から入力された音声信号を音声データへ復号化して無線I/F部11へ出力する音声処理部12と、各種キー操作やフック状態を検出する操作入力部13と、携帯電話機1の各種機能処理を行う制御部14と、制御部14での制御処理に必要な各種情報を記憶するメモリ15と、公知の非接触ICカード技術を用いて他の携帯電話機と電話番号等の情報をやりとりする非接触I/F部16とを備えている。ここで、無線I/F部11は、音声通信とともにSMS(Short Message Service)通信を行うことができる。
【0016】
<電話システムの動作の概要>
次に、図1を参照して、本実施の形態に係る電話システムの動作の概要について説明する。
【0017】
携帯電話機1aと携帯電話機1cが通話中に(ステップS101)、この通話を携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送する場合、携帯電話機1aと携帯電話機1bは、互いをかざして非接触通信を行う(ステップS102,S103)。この非接触通信により、携帯電話機1bは、自身の電話番号を携帯電話機1aに送信する(ステップS102)。一方、携帯電話機1aは、通話相手の携帯電話機1cの電話番号を携帯電話機1bに送信する(ステップS103)。
【0018】
携帯電話機1bの電話番号を受信すると、携帯電話機1aは、SMS通信により、その携帯電話機1bの電話番号を携帯電話機1cに送信する(ステップS104)。
【0019】
携帯電話機1bの電話番号を受信すると、携帯電話機1cは、携帯電話機1aとの通話を切断し、携帯電話機1bに発信する(ステップS105)。携帯電話機1cからの着信に携帯電話機1bが応答することにより、携帯電話機1aと携帯電話機1cとの通話が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送される。
【0020】
<電話システムの動作の詳細>
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る電話システムの動作の詳細について説明する。
【0021】
携帯電話機1aと携帯電話機1cが通話中(ステップS301)、この通話を携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送する場合、携帯電話機1aと携帯電話機1bは、互いに非接触通信を行う(ステップS302,S303)。この非接触通信により、携帯電話機1bは、自身の電話番号を携帯電話機1aに送信する(ステップS304)。一方、携帯電話機1aは、通話相手の携帯電話機1cの電話番号を携帯電話機1bに送信する(ステップS305)。
【0022】
携帯電話機1bの電話番号を受信すると、携帯電話機1aは、SMS通信により、その携帯電話機1bの電話番号を携帯電話機1cに送信する(ステップS306,S307)。
【0023】
携帯電話機1bの電話番号を受信すると、携帯電話機1cは、通話していた携帯電話機1aの電話番号をメモリ15に保存するとともに、携帯電話機1aとの通話を切断する(ステップS308,S309)。次いで、携帯電話機1cは、受信した携帯電話機1bの電話番号に基づいて、携帯電話機1bに発信する(ステップS310,S311)。
【0024】
携帯電話機1cからの着信があると、携帯電話機1bは、その着信に自動応答する(ステップS312)。これにより、携帯電話機1bと携帯電話機1cとの通話が行われ(ステップS313)、携帯電話機1aと携帯電話機1cとの通話が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送されることとなる。
【0025】
このように、本実施の形態によれば、非接触通信を行うだけで、容易に携帯電話機1aの通話相手となっている携帯電話機1cと通話を行うことができる。
【0026】
なお、携帯電話機1cによる携帯電話機1bへの発信に(ステップS310,S311)、所定時間が経過しても携帯電話機1bが応答しない場合、携帯電話機1cは、その発信を停止する(ステップS321)。次いで、メモリ15から保存しておいた携帯電話機1aの電話番号を取り出し、携帯電話機1aに発信する(ステップS322,S323)。この発信に対応する着信に携帯電話機1aが応答すると(ステップS324)、携帯電話機1aと携帯電話機1cとの通話が再度行われる(ステップS325)。これにより、携帯電話機1bが応答しない場合、携帯電話機1cのユーザは、携帯電話機1aのユーザに携帯電話機1bの状態等を確認して転送が行われない理由を確認することができる。
【0027】
<各携帯電話機における動作>
次に、図3を参照して説明した電話システムの動作における各携帯電話機の動作について、図4〜図6を参照して説明する。
【0028】
≪携帯電話機1aの動作≫
図4に示すように、携帯電話機1aのユーザは、通話中の携帯電話機1cとの通話を物理的に近くに存在する携帯電話機1bに転送させる場合、携帯電話機1bと非接触通信を行う(図3のステップS302に対応)。これにより、携帯電話機1aの制御部14は、携帯電話機1bから非接触I/F部16を介して携帯電話機1bの電話番号を受信すると(ステップS401)、非接触I/F16により通話中の携帯電話機1cの電話番号を携帯電話機1bに送信する(ステップS402)。続いて、制御部14は、無線I/F部11により、受信した携帯電話機1bの電話番号を、通話相手である携帯電話機1cにSMS通信により送信する(ステップS403)。
【0029】
これにより、携帯電話機1cの電話番号が携帯電話機1bに、携帯電話機1bの電話番号が携帯電話機1cに送信されるので、携帯電話機1bと携帯電話機1cとが互いに通話することが可能となる。
【0030】
≪携帯電話機1bの動作≫
図5に示すように、携帯電話機1bのユーザは、物理的に近い位置にある携帯電話機1aと通話中の携帯電話機1cと通話を行いたい場合、携帯電話機1aと非接触通信を行う(図3のステップS303に対応)。これにより、携帯電話機1bの制御部14は、非接触I/F部16により、携帯電話機1bの電話番号を携帯電話機1aに送信し(ステップS501)、携帯電話機1aから携帯電話機1cの電話番号を受信する(ステップS502)。
【0031】
携帯電話機1cの電話番号の受信後、無線I/F部11により着信が検出されると(ステップS503)、制御部14は、その着信が携帯電話機1cからであるか否かを確認する(ステップS504)。この確認は、携帯電話機1aから受信した携帯電話機1cの電話番号と、着信があった電話番号とを比較することにより行われる。
【0032】
携帯電話機1cからの着信であった場合(ステップS504:YES)、制御部14は、無線I/F部11により、その着信に自動応答する(ステップS505)。一方、携帯電話機1cからの着信ではなかった場合(ステップS504:NO)、制御部14は、その着信への応答を拒否する(ステップS506)。
【0033】
このように、携帯電話機1bでは、携帯電話機1aに自身の電話番号を送信するとともに、携帯電話機1aから通話を行いたい携帯電話機1cの電話番号を取得するだけで、携帯電話機1cと通話を行うことができる。
【0034】
≪携帯電話機1cの動作≫
図6に示すように、携帯電話機1cの制御部14は、携帯電話機1aの通話中に無線I/F部11を介してSMS通信により携帯電話機1aから携帯電話機1bの電話番号を受信すると(ステップS601、図3のステップS307に対応)、通話中の携帯電話機1aの電話番号をメモリ15に保存し、無線I/F部11により携帯電話機1aとの通話を切断する(ステップS602)。
【0035】
携帯電話機1aとの通話を切断すると、制御部14は、無線I/F部11により、携帯電話機1bに発信する(ステップS603)。この発信に対して、所定時間内に携帯電話機1bが応答すると(ステップS604:YES)、制御部14は、無線I/F部11を介して携帯電話機1bと通話開始する。
【0036】
一方、所定時間内に携帯電話機1bが応答しない(ステップS604:NO)、制御部14は、発信を停止し、携帯電話機1aにコールバックする(ステップS606)。このコールバックは、メモリ15に保存しておいた携帯電話機1aの電話番号に発信することにより行われる。
【0037】
コールバックに対して、所定時間内に携帯電話機1aが応答すると(ステップS607:YES)、制御部14は、無線I/F部11により、携帯電話機1aとの通話を再開する(ステップS608)。一方、コールバックに対して、所定の時間内に応答しないと(ステップS607:NO)、制御部14は、携帯電話機1aの呼出を停止する(ステップS609)。
【0038】
このように、携帯電話機1cでは、通話相手の携帯電話機1aからSMS通信により取得した電話番号に発信することにより、携帯電話機1bとの通話を他の携帯電話機に転送することが可能となる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、携帯電話機1aが、携帯電話機1cと通話中に、非接触通信により携帯電話機1bから携帯電話機1bの電話番号を受信し、この電話番号を通話中の携帯電話機1cに送信し、携帯電話機1cが受信した電話番号に発信することにより、携帯電話機1aと携帯電話機1bとの通話の通話相手を、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送することができるので、結果として、携帯電話機1bは、携帯電話機1aと非接触通信を行うという簡単な動作のみで、携帯電話機1aの通話相手となっている携帯電話機1cと容易に通話を行うことができる。
【0040】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同等の構成要素については、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
【0041】
<電話システムの動作の概要>
図7を参照して、本実施の形態に係る電話システムの動作の概要について説明する。
【0042】
携帯電話機1aと携帯電話機1cが通話中に(ステップS701)、この通話を携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送する場合、携帯電話機1aと携帯電話機1bは、非接触通信を行う(ステップS702)。この非接触通信により、携帯電話機1aは、通話相手の携帯電話機1cの電話番号を携帯電話機1bに送信する。
【0043】
携帯電話機1cの電話番号を受信すると、携帯電話機1bは、SMS通信により、自身の電話番号を携帯電話機1cに送信し(ステップS703)、携帯電話機1cに発信する(ステップS704)。携帯電話機1bからの着信に携帯電話機1cが応答することにより、携帯電話機1aと携帯電話機1cとの通話が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送されることとなる。
【0044】
<電話システムの動作の詳細>
次に、図8を参照して、本実施の形態に係る電話システムの動作の詳細について説明する。
【0045】
携帯電話機1aと携帯電話機1cが通話中(ステップS801)、この通話を携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送する場合、携帯電話機1aと携帯電話機1bは、非接触通信を行う(ステップS802,S803)。この非接触通信により、携帯電話機1aは、通話相手の携帯電話機1cの電話番号を携帯電話機1bに送信する(ステップS804)。
【0046】
携帯電話機1cの電話番号を受信すると、携帯電話機1bは、SMS通信により、自身の電話番号を携帯電話機1cに送信する(ステップS805,S806)。
【0047】
自身の電話番号を携帯電話機1cに送信すると、携帯電話機1bは、携帯電話機1cに発信する(ステップS807,S808)。
【0048】
携帯電話機1bからの着信があると、携帯電話機1cは、通話中の携帯電話機1aとの呼を網側で保留した上で(ステップS809)、その着信に自動応答する(ステップS810)。携帯電話機1bとの通話が確立すると(ステップS811)、携帯電話機1cは、保留にしていた携帯電話機1aとの呼を切断する(ステップS812,S813)。
【0049】
これにより、携帯電話機1aと携帯電話機1cとの通話が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送されることとなる。
【0050】
このように、本実施の形態によれば、非接触通信を行うだけで、容易に携帯電話機1aの通話相手となっている携帯電話機1cと通話を行うことができる。
【0051】
なお、携帯電話機1bによる携帯電話機1cへの発信に(ステップS807,S808)、所定時間が経過しても携帯電話機1cが応答しない場合、携帯電話機1bは、その発信を停止する(ステップS821)。これにより、携帯電話機1cが応答しない場合、携帯電話機1aと携帯電話機1cとの通話が維持されるので、携帯電話機1cのユーザは、携帯電話機1aのユーザに携帯電話機1bの状態等を確認して転送が行われない理由を確認することができる。
【0052】
<各携帯電話機における動作>
次に、図8を参照して説明した電話システムの動作における各携帯電話機の動作について、図9〜図11を参照して説明する。
【0053】
≪携帯電話機1aの動作≫
図9に示すように、携帯電話機1aのユーザは、通話中の携帯電話機1cとの通話を物理的に近くに存在する携帯電話機1bに転送させる場合、携帯電話機1bと非接触通信を行う(図8のステップS802に対応)。これにより、携帯電話機1aの制御部14は、非接触I/F16により通話中の携帯電話機1cの電話番号を携帯電話機1bに送信する(ステップS901)。この後、携帯電話機1bと携帯電話機1cとの間で通話が確立すると、携帯電話機1cにより、この携帯電話機1cとの通話が切断される(ステップS902)。
【0054】
これにより、携帯電話機1cの電話番号が携帯電話機1bに送信されるので、携帯電話機1bと携帯電話機1cとが互いに通話することが可能となる。
【0055】
≪携帯電話機1bの動作≫
携帯電話機1bのユーザは、物理的に近い位置にある携帯電話機1bと通話中の携帯電話機1cと通話を行いたい場合、携帯電話機1bと非接触通信を行う(図8のステップS803に対応)。これにより、携帯電話機1bの制御部14は、携帯電話機1aから携帯電話機1cの電話番号を受信する(ステップS1001)。
【0056】
携帯電話機1cの電話番号を受信すると、携帯電話機1bの制御部14は、無線I/F部11により、SMS通信で自身の電話番号を携帯電話機1cに送信し(ステップS1002)、携帯電話機1cに発信する(ステップS1003)。
この発信に対して所定時間内に応答があると(ステップS1004:YES)、制御部14は、無線I/F部11を介して、携帯電話機1cとの通話を開始する(ステップS1005)。一方、発信に対して所定時間内に応答がないと(ステップS1004:NO)、制御部14は、呼出を中断する(ステップS1006)。
【0057】
このように、携帯電話機1bでは、携帯電話機1aから通話を行いたい携帯電話機1cの電話番号を取得するだけで、携帯電話機1cと通話を行うことができる。
【0058】
≪携帯電話機1cの動作≫
携帯電話機1cの制御部14は、携帯電話機1aの通話中に無線I/F部11を介してSMS通信により携帯電話機1bから携帯電話機1bの電話番号を受信した後(ステップS1101、図8のステップS806に対応)、着信を検出すると(ステップS1102)、この着信が携帯電話機1bからであるか否か確認する(ステップS1103)。この確認は、SMS通信で受信した電話番号と、着信した際の発信者番号とを比較することにより行われる。
【0059】
携帯電話機1bからの着信であった場合、制御部14は、無線I/F部11により、通話中の携帯電話機1aとの呼を網側で保留した上で(ステップS1104)、その着信に自動応答した後(ステップS1105)、保留にした携帯電話機1aとの呼を切断する(ステップ1106)。
【0060】
携帯電話機1bからの着信ではなかった場合、制御部14は、その着信に応答することを拒否する(ステップS1107)。
【0061】
このように、携帯電話機1cでは、携帯電話機1bからSMS通信により電話番号を取得し、この電話番号からの着信を検出することにより、携帯電話機1aとの通話が携帯電話機1bとの通話に転送されることとなる。
【0062】
なお、本実施の形態において、携帯電話機1cは、携帯電話機1aとの通話を一度保留にしてから、携帯電話機1bとの通話を行うようにしたが、保留しないようにしてもよい。例えば、図12に示すように、上述したステップS801〜S806の処理を行った後、携帯電話機1cは、通話中の携帯電話機1aの電話番号をメモリ15に保存するとともに、携帯電話機1aとの通話を切断する(ステップS1201,S1202)。
【0063】
自身の電話番号を携帯電話機1cに送信すると、携帯電話機1bは、携帯電話機1cに発信する(ステップS1203,S1204)。
【0064】
携帯電話機1bからの着信があると、携帯電話機1cは、その着信に自動応答する(ステップS1205)。これにより、携帯電話機1bと携帯電話機1cとの間の通話が実現する(ステップS1206)。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態によれば、携帯電話機1aと携帯電話機1cとが通話中に、非接触通信により携帯電話機1aから携帯電話機1bに携帯電話機1cの電話番号を送信し、この電話番号に基づいて携帯電話機1bが携帯電話機1cに発信することにより、携帯電話機1bと携帯電話機1cとの通話が可能となるので、結果として、他の携帯電話機の通話相手となっている電話装置と容易に通話を行うことができる。
【0066】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同等の構成要素については、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
【0067】
本実施の形態に係る電話システムは、携帯電話機1a,1bと、基地局2と、外線3とを備えている。
【0068】
基地局2は、公知の基地局から構成され、携帯電話機1a,1bおよび外線3の間の通話を制御する。
【0069】
外線3は、基地局2を介して携帯電話機1a,1bと通話を行うことができる、固定電話装置、携帯電話装置、PHS(Personal Hady-phone System)などの電話装置から構成される。
【0070】
<電話システムの動作の概要>
次に、図13を参照して、本実施の形態に係る電話システムの動作の概要について説明する。
【0071】
携帯電話機1aと外線3が通話中に(ステップS1301)、この通話を携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送する場合、携帯電話機1aと携帯電話機1bは、非接触通信を行う(ステップS1302)。この非接触通信により、携帯電話機1bは、自身の電話番号を携帯電話機1aに送信する。
【0072】
携帯電話機1bの電話番号を受信すると、携帯電話機1aは、基地局2に対して、外線3との通話を携帯電話機1bに切り替えるよう要求する(ステップS1303)。この要求を受信すると、外線3の通話相手を携帯電話機1aから携帯電話機1bに切り替える(ステップS1304)。これにより、携帯電話機1aと外線3との通話が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送される。
【0073】
<電話システムの動作の詳細>
次に、図14を参照して、本実施の形態に係る電話システムの動作の詳細について説明する。
【0074】
携帯電話機1aと外線3が通話中(ステップS1401)、この通話を携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送する場合、携帯電話機1aと携帯電話機1bは、非接触通信を行う(ステップS1402,S1403)。この非接触通信により、携帯電話機1bは、自身の電話番号を携帯電話機1aに送信する(ステップS1404)。
【0075】
携帯電話機1bの電話番号を受信すると、携帯電話機1aは、基地局2に対して、外線3の通話相手を携帯電話機1aから携帯電話機1bに切り替えるよう要求する(以下、「切替要求」という)とともに、携帯電話機1bの電話番号を基地局2に送信する(ステップS1405,S1406)。
【0076】
切替要求と携帯電話機1bの電話番号を受信すると、基地局2は、携帯電話機1bに対して、携帯電話機1aと外線3の通話の通話相手を携帯電話機1bに切り替える旨を確認する(ステップS1407)。この確認を携帯電話機1bが了解すると(ステップS1408)、基地局2は、外線3との通話の通話相手を、携帯電話機1aから携帯電話機1bに切り替える(ステップS1409)。これにより、携帯電話機1bと外線3との通話が行われ(ステップS1410)、携帯電話機1aと外線3との通話が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送されることとなる。
【0077】
<各装置における動作>
次に、図14を参照して説明した電話システムの動作における各装置の動作について、図15〜図17を参照して説明する。
【0078】
≪携帯電話機1aの動作≫
図15に示すように、携帯電話機1aのユーザは、通話中の外線3との通話を物理的に近くに存在する携帯電話機1bに転送させる場合、携帯電話機1bと非接触通信を行う(図14のステップS1402に対応)。これにより、携帯電話機1aの制御部14は、携帯電話機1bから非接触I/F部16を介して携帯電話機1bの電話番号を受信すると(ステップS1501)、無線I/F部11により、受信した携帯電話機1bの電話番号と子の切替要求を基地局2に送信する(ステップS1502)。
【0079】
これにより、携帯電話機1bの電話番号とこの切替要求が基地局2に送信され、外線3との通話の通話相手を携帯電話機1aから携帯電話機1bに切り替えることが可能となる。
【0080】
≪携帯電話機1bの動作≫
図16に示すように、携帯電話機1bのユーザは、物理的に近い位置にある携帯電話機1bと通話中の外線3と通話を行いたい場合、携帯電話機1bと非接触通信を行う(図14のステップS1403に対応)。これにより、携帯電話機1bの制御部14は、非接触I/F部16により、携帯電話機1bの電話番号を携帯電話機1aに送信する(ステップS1601)。すると、基地局2により外線3との通話の通話相手が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに切り替わり、携帯電話機1bは、外線3と通話を開始する(ステップS1602)。
【0081】
このように、携帯電話機1bでは、携帯電話機1aに自身の電話番号を送信するだけで外線3との通話が可能となる。
【0082】
≪基地局2の動作≫
図17に示すように、基地局2は、携帯電話機1aから、携帯電話機1bの電話番号と子の切替要求を受信すると(ステップS1701、図14のステップS1406に対応)、携帯電話機1aが通話中の外線3の通話相手を、携帯電話機1aから携帯電話機1bに切り替える(ステップS1702)。これにより、携帯電話機1aと外線3との通話が、携帯電話機1aから携帯電話機1bに転送される。
【0083】
以上説明したように、本実施の形態によれば、携帯電話機1aと外線3とが通話中に、非接触通信により携帯電話機1bから携帯電話機1aに携帯電話機1bの電話番号を送信し、この電話番号と転送要求を基地局2に送信し、基地局2が携帯電話機1aと外線3との通話を、携帯電話機1bと外線3との通話に切り替えることにより、携帯電話機1bと外線3との通話が可能となるので、結果として、他の携帯電話機の通話相手となっている電話装置と容易に通話を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、非接触通信を行うことができる電話システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電話システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の電話システムの動作を示すタイミングチャートである。
【図4】図1における携帯電話機1aの動作を示すフローチャートである。
【図5】図1における携帯電話機1bの動作を示すフローチャートである。
【図6】図1における携帯電話機1cの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る電話システムの構成を模式的に示す図である。
【図8】図7の電話システムの動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図7における携帯電話機1aの動作を示すフローチャートである。
【図10】図7における携帯電話機1bの動作を示すフローチャートである。
【図11】図7における携帯電話機1cの動作を示すフローチャートである。
【図12】図7の電話システムの他の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る電話システムの構成を模式的に示す図である。
【図14】図13の電話システムの動作を示すタイミングチャートである。
【図15】図13における携帯電話機1aの動作を示すフローチャートである。
【図16】図13における携帯電話機1bの動作を示すフローチャートである。
【図17】図13における携帯電話機1cの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1,1a〜1c…携帯電話機、2…基地局、3…外線、11…無線I/F部、12…音声処理部、13…操作入力部、14…制御部、15…メモリ、16…非接触I/F部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触通信機能を有する第1,第2の携帯電話機を少なくとも含み、
前記第1の携帯電話機と、前記第2の携帯電話機とは、前記第1の携帯電話機が前記第2の携帯電話機以外の電話装置と通話中に非接触通信により少なくとも何れか一方の電話番号を他方に送信し、
非接触通信により前記電話番号を受信した前記第1の携帯電話機および前記第2の携帯電話機の少なくとも一方は、受信した前記電話番号を前記多の電話装置に送信する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
非接触通信により前記第2の携帯電話機の電話番号を受信した前記第1の携帯電話機は、当該第2の携帯電話機の電話番号を、通話中の他の電話装置にSMS通信により送信し、
前記他の電話装置は、SMS通信により受信した前記電話番号に基づいて前記第2の携帯電話機に発信する
ことを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項3】
非接触通信により前記第1の携帯電話機から当該第1の携帯電話機の電話番号を受信した前記第2の携帯電話機は、前記第1の携帯電話機と通話中の前記多の電話装置の電話番号を受信し、この電話番号に基づくSMS通信により自身の電話番号を前記他の電話装置に送信した後、この他の電話装置に発信し、
前記他の電話装置は、前記第2の携帯電話機より受信した電話番号と着信とが一致すると、この着信に応答する
ことを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項4】
前記第1の携帯電話機と前記他の電話装置との間の呼制御を行う基地局をさらに備え、
非接触通信により前記第2の携帯電話機の電話番号を受信した前記第1の携帯電話機は、前記第2の携帯電話機から受信した当該第2の携帯電話機の電話番号転送要求とともに前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記第2の携帯電話機の電話番号と前記転送要求とを受信すると、前記第1の携帯電話機と前記電話装置との間の通話を、前記第2の携帯電話機と前記電話装置との間の通話に切り替える
ことを特徴とする請求項1記載の電話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−87841(P2010−87841A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254663(P2008−254663)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】